JP2016202049A - 微生物を利用した電気化学デバイス用触媒の製造方法 - Google Patents

微生物を利用した電気化学デバイス用触媒の製造方法 Download PDF

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哲史 堀部
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真紀 島田
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幸則 谷
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Abstract

【課題】過電圧の小さな電気化学デバイス用触媒を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】金属元素の酸化能を有する微生物を、前記金属元素および導電性担体を含む液中で培養し、前記導電性担体表面に前記金属元素の酸化物を形成する工程を含む、電気化学デバイス用触媒の製造方法により、上記課題を解決できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池などの電気化学デバイスに用いる触媒を、微生物を利用して製造する方法に関する。本発明はまた、微生物を利用した製造方法により製造された電気化学デバイス用触媒を用いた正極、および電気化学デバイスに関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、高い出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。
正極活物質に酸素(空気)、負極活物質に燃料を用いて、通常の燃料反応の代わりに電池内部で燃料を電気化学的に酸化し、生じるエネルギーを電気として取り出す電池を一般的には燃料電池と称している。このような燃料電池はエネルギー変換効率が高く、環境汚染に対する影響も少ないため、さまざまな種類の燃料電池が近年研究・開発されている。
例えば、燃料電池の一種である空気電池は、正極活物質として活性炭などに吸着した酸素を用いる一次電池であり、当該酸素は空気中から大量に供給されるため、正極活物質自体を特段必要としない。そのため、エネルギー密度や活物質の利用効率などに優れているだけでなく、大気中の酸素を使用するため、環境負荷が小さい電池として注目を浴びている。
一般的な空気電池は、集電体、正極触媒、および電解質を含むセパレータが順次積層された空気通気口孔を有する凹型の正極ケースと、負極活物質が充填され、かつ前記正極ケースより一回り小さい負極ケースと、が重ね合わせに密着した構造である。また、当該空気電池は、前記正極ケースと前記負極ケースとの間をガスケットで封止した構造となっている。また、当該空気電池の一般的な原理は、空気通気口孔から供給される酸素(O)を正極触媒により水酸化イオン(OH)などに還元し、負極活物質(M)を水酸化イオンなどで酸化することで、電気化学反応が進行する(図3参照)。
空気電池における正極側の正極触媒としては、一般にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、または活性炭などのカーボンと、白金またはマンガン酸化物などの金属との混合物などを用いる。正極触媒内における酸素の還元反応は、固相である正極触媒と、液相である電解液と、気相である空気との三相の表面が互いに接触した界面(いわゆる三相界面)によって進行するといわれている。そのため、できる限り外部の酸素を還元し易くする観点から、正極触媒である金属を微粒子状にしてカーボンなどの導電性担体に担持している。
このように酸素の還元反応に関与する正極触媒に着目した技術として特許文献1を挙げることができる。当該特許文献1は、酸素還元能を有する金属フタロシアニン等の金属キレート化合物を含む触媒や貴金属触媒などは大きな触媒効果を期待できるものの、正極の再生使用は困難であることを課題としている。当該課題を解決するために、特許文献1では微粒子状のマンガン酸化物を触媒に用いることが開示されている。
また、空気電池に限らず燃料電池の他の一種である固体高分子形燃料電池においても、カーボン表面に白金等の貴金属微粒子を担持したものを正極や負極に使用して三相界面の面積を稼ぐことが一般的であり、微粒子状の触媒金属を製造する技術が必要となる。
特開2002−93425号公報
しかしながら、従来の化学的合成方法により合成されたマンガン酸化物等の金属酸化物からなる触媒成分を電気化学デバイスに用いた場合、電極の過電圧が大きくなる場合があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、過電圧の小さな電気化学デバイス用触媒を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、金属元素の酸化能を有する微生物を、前記金属元素および導電性担体を含む液中で培養し、前記導電性担体表面に前記金属元素の酸化物を形成することにより、過電圧の小さな電気化学デバイス用触媒を効率的に製造できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明によれば、微生物が導電性担体表面で金属元素の酸化反応を行うため、金属元素の酸化物(以下、単に「金属酸化物」、または「酸化物」とも称する。)は導電性担体表面に直接形成される。これにより、触媒活性の主体である金属酸化物と導電性担体との接触面積が増大し、過電圧が小さくなる要因となるものと推測される。
金属酸化物と導電性担体とを混合した触媒(a)と、本発明の一側面に係る製造方法により導電性担体表面に金属酸化物を形成した触媒(b)とを、模式的に表す。 本発明の一側面に係る製造方法により得られた触媒を模式的に表す断面図である。 本発明の一実施形態に係る空気電池の好ましい構成を示す。 本発明の一実施形態に係る固体高分子形燃料電池の好ましい構成を示す。 比較例において形成されたマンガン酸化物粒子(図5(a)、(c))、および本発明の一側面に係る製造方法により得られた触媒(微生物合成電気化学デバイス用触媒)(図5(b)、(d))を観察した電子顕微鏡像を示す。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<触媒の製造方法>
本発明の一側面である電気化学デバイス用触媒の製造方法においては、金属元素の酸化能を有する微生物を、前記金属元素および導電性担体を含む液中で培養し、前記導電性担体表面に前記金属元素の酸化物を形成する工程を含む。すなわち、本発明に係る電気化学デバイス用触媒の製造方法は、金属元素の酸化能を有する微生物を、前記金属元素および導電性担体を含む液中で培養し、前記導電性担体表面に前記金属元素の酸化物を形成することを含む。図1は、金属酸化物と導電性担体とを混合した場合の触媒(図1(a))と、本発明のように微生物を用いて導電性担体表面に金属酸化物を形成した場合の触媒(図1(b))とを模式的に表す。本発明の一側面に係る触媒の製造方法によれば、微生物によって金属酸化物が導電性担体表面に直接形成される。これにより、金属酸化物と導電性担体との接触面積が増大し(図2)、過電圧の小さな電気化学デバイス用触媒を得ることができる。
導電性担体を含まない液中で微生物を培養し、得られた金属酸化物(触媒成分)と導電性担体とを後に合一することにより触媒を形成することも可能である(図1(a))。しかしながら、この場合、金属酸化物形成過程において菌体が凝集し、絶縁性のある凝塊物となることがあるため、触媒成分と導電性担体とを合一する前に微生物に由来する凝塊物を触媒成分から分離する必要があった。一方、本発明のように金属元素および導電性担体を含む液中で微生物を培養すると、微生物が導電性担体間の隙間に存在し、凝塊物が生じにくいため過電圧が高くなりにくくなるものと考えられる。従って、微生物に由来する凝塊物を金属酸化物から分離する必要が無く、生産効率の観点から利点がある。
さらに、導電性担体間の隙間に存在する微生物が、触媒においてバインダーの役割も果たし得る(図1(b))。従って、本発明の一態様である製造方法によれば、触媒に用いるバインダー量を低減し得るという利点もある。
(微生物)
本発明の一側面である触媒の製造方法に使用される微生物は、金属元素の酸化能を有するものである限り特に制限されず、真菌であっても細菌であってもよいが、好ましくは真菌である。真菌を用いることによって純粋培養が可能という利点がある。金属元素の酸化能を有する微生物としては、Santelliら(Applied and Environmental Microbiology, 2010, p4871−4875)に記載の微生物などが例示でき、例えば、アクレモニウム属(Acremonium)、スタゴノスポラ属(Stagonospora、例えばS.sp.SRC1lsM3a株)、プレオスポラ属(Pleosporales、例えばP.sp.RMF2株、P.sp.IRB20−1株、P.sp.UB32−2株)、フォーマ属(Phoma、例えばP.sp.RMF1株、P.sp.KY−1株、P.sp.DS1wsM30b株)、ピレノケータ属(Pyrenochaeta、例えばP.sp.DS3sAY3a株)、アルテルナリア属(Alternaria、例えばA.alternata SRC1lrK2f株)、パラコニオチリウム属(Paraconiothyrium、例えば、P.sporulosum、P.sp.WL−2株)、ピトマイセス属(Pithomyces、例えばP.chartarum DS1bioJ1b株)、プレクトスファエレラ属(Plectosphaerella、例えばP.cucumerina DS2psM2a2株)、スティルベラ属(Stilbella、例えばS.aciculosa DS2rAY2a株)、ミクロドシウム属(Michrodochium、例えばM.bolleyi SRC1dJ1a株)、キシラリアレ属(Xylariales、例えばX.sp.UB32−1株)またはトラメテス属(Trametes、例えばT.versicolor)の真菌;バチルス属(Bacillus、例えばB.sp.MB−11株、B.sp.PL−12株、B.sp.MB−5株、B.sp.SG−1株、B.sp.DS3sK3a株、B.sp.MB−1株)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium、例えばF.sp.DS2psK4b株)、シュードモナス属(Pseudomonas、例えばP.putida MnB1株、P.sp.DS3sK1h株、P.sp.LOB−2株、P.sp.GP11株)、ロゼオバクター属(Roseobacter、例えばR.sp.AzwK−3b株、R.sp.LOB−8株)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium、例えばA.sp.SRC1K2fb株)、オーランティモナス属(Aurantimonas、例えばA.sp.S185−9A1株)またはレプトスリックス属(Leptothrix、例えばL.discophora SS−1株)の細菌等を挙げることができる。
このうち、アクレモニウム属の真菌が、酸化酵素、特にマンガン酸化酵素生成能力の観点からより好ましい。アクレモニウム属の真菌としては、A.strictum KR21−2株(Environmental Technology (2013) 34, 2781−2787参照)、A.strictum DS1bioAY4A株、A.strictum NBRC32034株(IFO 32034)、A.strictum NBRC32244株(IFO 32244)、A.borodinense NBRC33057株(IFO 33057)、A.chrysogenum NBRC30055株(IFO 30055)、およびA.implicatum 30538株(IFO 30538)が例示できる。このうち、マンガン酸化能の観点から、アクレモニウム・ストリクタム(A.strictum)KR21−2株が更に好ましい。なお、アクレモニウム・ストリクタム(A.strictum) KR21−2株は、2015年1月26日付で独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託され、受託番号P−01994が付与されている。
以上の微生物は、ATCCやNITE等から入手してもよい。
本発明で用いる微生物は、金属酸化物の形成において後述する当該微生物に適した培地を用いて、維持・増殖を行えばよい。
(金属元素および導電性担体を含む液)
本発明の一側面である触媒の製造方法においては、上記の微生物を、金属元素および導電性担体を含む液(以下、単に「金属元素および導電性担体を含む液」を「反応液」とも称する。)中で培養し、金属元素の酸化物を形成する工程を含む。
本発明においては、微生物が有する金属元素酸化酵素の作用により、金属元素が導電性担体表面で酸化される。例えばマンガンを例にとると、微生物が有する酵素によりマンガンの酸化反応が進行すると、導電性担体表面にマンガン酸化物が形成される。生じたマンガン酸化物中のマンガンの価数は、酵素反応の進行に伴って、Mn(II)からMn(III)、Mn(IV)へと大きくなる。マンガン酸化物に含まれるマンガンの価数は、価数の異なる酸化マンガンの混合物の存在比によって定まり、混合物全体の値として測定する。従って、マンガン酸化物に含まれるマンガンの価数が任意の値となった時点でマンガン酸化物を回収すれば、任意の価数の金属元素からなる金属酸化物を得ることもできる。反応を長時間行えば、酸化反応が進行して最終的にはMnO(Mn(IV))からなるマンガン酸化物が得られる。上記記載は推定であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
化学的に金属元素の酸化反応を行う場合、得られる金属酸化物の結晶構造は規則性の高いものとなる傾向があり、結果として触媒成分の表面積は50m/g程度と小さくなる。一方、マンガン等の金属元素の酸化能を有する微生物を用いて形成した金属酸化物は、一般に、化学的に合成する場合よりも表面積が大きい(例えば、Nelsonら(Applied and Environmental Microbiology, 1999, p175−180))。これが一因となり、電気化学デバイスに用いた場合に、化学的に合成した金属触媒よりも過電圧が小さくなり得る。
微生物によって導電性担体表面に形成される金属酸化物は、還元作用のある触媒成分として機能する。本発明において反応液に用いられる金属元素としては、マンガン、コバルト、亜鉛、錫、チタン、リチウム、鉛、ビスマス、バナジウム、インジウム、モリブデン、クロム、ニッケルおよびアルミニウム等を例示することができるが、これらに限定されない。金属酸化物としては、例えば、マンガン酸化物、コバルト酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、チタン酸化物、リチウム酸化物、鉛酸化物、ビスマス酸化物、バナジウム酸化物、インジウム酸化物、モリブデン酸化物、クロム酸化物、ニッケル酸化物またはアルミニウム酸化物等の他、ランタンコバルト系酸化物、ランタンマンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物のようなペロブスカイト型酸化物のような合金系酸化物であってもよく、酸化ホウ素のようなものも含まれる。このうち、触媒活性の高さから、金属元素はマンガン、コバルトまたはニッケルが好ましく、マンガンが更に好ましい。すなわち、マンガン酸化物を触媒成分として好適に用いることができる。
反応液に含まれる金属元素は、Mn2+などの金属成分の金属イオン状態であってもよい。金属元素として使用する金属元素源としては、マンガン化合物、コバルト化合物、亜鉛化合物、錫化合物、チタン化合物、リチウム化合物、鉛化合物、ビスマス化合物、バナジウム化合物、インジウム化合物、モリブデン化合物、クロム化合物、ニッケル化合物、アルミニウム化合物等などを挙げることができる。通常は、これらの金属元素源として、反応液の調製には、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩等の無機塩;酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、シュウ酸、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩等の有機酸塩;塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物等のこれらの金属元素の塩を用いる。金属元素の塩を用いることで、微生物による酸化効率が向上し得る。電気化学デバイス用触媒としての活性の高さから、金属元素としてはマンガンが好ましく、例えば、硫酸マンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、水酸化マンガン、塩化マンガン等を好ましく用いることができる。
反応液の調製に用いる溶媒は、微生物の酸化酵素活性が発揮される限り、アルコール等の有機溶媒が用いられても良い。しかしながら、金属元素の塩の溶解性を考慮し、反応液の調製に用いる溶媒は水系の溶媒が好ましく、水またはバッファーが好ましく用いられる。バッファーとしては、培地の調製において後述するHEPES等のバッファーが用いられうる。反応液は、これらの溶媒に、例えば、0.01〜50mM、好ましくは0.1〜10mMとなるように金属元素を溶解して調製する。溶解方法は特に制限されず、当業者に公知の手段によって行えばよく、調製中の液を適宜攪拌、振盪、加温等してもよい。
反応液のpHは、好ましくは3.0〜9.0、より好ましくは5.0〜8.0である。pHの調整は、塩酸や硫酸などの酸、または水酸化ナトリウムやアンモニア等の塩基を用いて行えばよい。
反応液は、後述する培地成分を含むことが好ましい。反応液が培地成分を含むことにより、反応液中で微生物を長期間培養することができる。
触媒の製造に用いる導電性担体としては、導電性を示す材料であればよいが、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン(カーボン材料)が好ましい。かようなカーボン材料として、具体的には、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール、黒鉛化アセチレンブラック、黒鉛化バルカン(登録商標)、黒鉛化ケッチェンブラック(登録商標)、黒鉛化カーボン、黒鉛化ブラックパール、及びカーボンフィブリルから選ばれる少なくとも一種を主成分として含むものなどを挙げることができる。
導電性担体のBET比表面積は、触媒成分と接触させるのに十分な比表面積であればよいが、好ましくは5〜2000m/g、より好ましくは10〜500m/gとするのがよい。前記比表面積が、10m/g以上であると触媒成分などの分散性が向上して高い発電性能が得られ、また三相界面を稼ぐことができる。一方、500m/g以下であると、触媒の有効利用率が低下しにくい。
なお、BET比表面積は、窒素吸着法により測定する。詳細には、検体0.04〜0.07gを精秤し、試料管に封入する。この試料管を真空乾燥器で90℃で数時間予備乾燥し、測定用サンプルとする。次に、下記測定条件にて、BET比表面積を測定する。吸着・脱着等温線の吸着側において、相対圧(P/P0)約0.00〜0.45の範囲から、BETプロットを作成することで、その傾きと切片からBET比表面積を算出する。
導電性担体の空孔率は、10〜90体積%が好ましく、30〜80体積%がより好ましい。また、前記導電性担体の大きさは、特に限定されないが、触媒の利用率などを適切な範囲で制御するなどの観点からは、1次粒子径が5nm〜5μm程度とするのが好ましく、10〜500nmとするのがより好ましい。
導電性担体の平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折・散乱式粒子分布測定装置、例えば日機装社製マイクロトラックMT3000を用いることができる。
なお、本明細書でいう「1次粒子」は、1次粒子とは1つの粒子を意味し、1次粒子が凝集して「2次粒子」を形成するものであり、導電性担体は1次粒子でも2次粒子であってもよく、導電性担体の大きさが上記の平均粒子径の範囲に含まれていればよい。
反応液に加える導電性担体の量は、反応液全体に対して0.005〜2質量%であり、好ましくは0.01〜1質量%である。
反応液の溶媒として水またはバッファーを用いた場合、導電性担体、特にカーボンは一般的には疎水性であるため、反応液に対する導電性担体の馴染み(濡れ性)が良くない場合がある。疎水性の高いカーボン等の導電性担体を用いる場合は、酸化物を形成する工程の前に、分散剤を含む液(分散液)で導電性担体を処理することが好ましい。本発明の一側面である製造方法は、酸化物を形成する工程の前に、導電性担体を分散剤を含む液で処理する工程を含む。本発明の別の側面である製造方法は、導電性担体を分散剤を含む液で処理する工程、および導電性担体から分散剤を低減する工程を含む。
分散剤としては極性有機溶媒や界面活性剤等を用いることができるが、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトンテトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルなどの極性有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールがより好ましく、エタノールが更に好ましい。これら分散剤を単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることもできる。分散剤として極性有機溶媒を用いることにより、導電性担体に残留する分散剤を、加温等の簡便な後述する方法により低減できる。このため、分散剤のキャリーオーバーにより微生物がダメージを受けることを容易に防止できる点で好ましい。
分散液は上述の極性有機溶媒のみから構成されていても良いが、極性有機溶媒や界面活性剤等を水または上述のバッファー、好ましくは水で適宜希釈して調製しても良い。分散剤として極性有機溶媒を用いる場合、分散液全体における極性有機溶媒の量は例えば0.1〜100%(w/w)であり、0.5〜20%(w/w)であることが好ましい。分散剤として界面活性剤を用いる場合、分散液全体における界面活性剤の量は例えば0.001〜10%(w/v)である。
分散液で導電性担体を処理する場合、分散液全体に対し、例えば0.1〜50%(w/v)、好ましくは0.5〜10%(w/v)となるように導電性担体を加え、導電性担体を分散液中で分散させることによって処理する。このとき、導電性担体を加えた分散液を任意の手段によって攪拌、加温等しても良い。好ましくは、50〜200rpmで分散液を攪拌し、0.1〜50時間、分散液で導電性担体を処理する。これによって、反応液に対する導電性担体の馴染み(濡れ性)が改善される。分散液によって処理した導電性担体は、ろ過や遠心分離等によって回収する。
分散液によって処理した導電性担体には、分散液から回収後も分散剤が残留する場合がある。分散剤としては極性有機溶媒や界面活性剤等を用いるため、分散剤が過剰に残留した導電性担体を反応液に用いると、微生物にダメージを与える場合がある。従って、本発明の一側面である製造方法は、酸化物を形成する工程の前に、分散液によって処理した導電性担体から分散剤を低減する工程を含むことが好ましい。
分散剤を低減する工程では、分散液によって処理した導電性担体を水等で洗浄する、乾燥する、加温する等によって導電性担体に残留した分散剤を低減する。分散液によって処理した導電性担体を加温することによって導電性担体に残留した分散剤を低減する場合は、分散液から回収した導電性担体を、例えば乾燥機、滅菌機等を用いて導電性担体を加温すればよい。特に滅菌機により導電性担体を加温することにより、導電性担体に残留した分散剤を低減するとともに、導電性担体の滅菌処理も合わせて行えるため、作業性の面から好ましい。従って、分散剤を低減する工程は、滅菌機により導電性担体を処理することが好ましく、工程簡略化の観点から、オートクレーブ等を用いて高温高圧処理により行うことがより好ましい。加温の条件は任意に設定すればよいが、通常は80〜300℃で1分〜5時間、好ましくは100〜200℃で5分〜3時間程度、導電性担体を加温する。高温高圧処理により分散剤を低減する工程を行う場合は、通常は110〜150℃、150〜300kPaで1分〜1時間程度導電性担体を加温・加圧する。
分散剤を低減する工程の後に、導電性担体に残留する分散剤の量は、酸化物を形成する工程において微生物の酵素活性や生存に実質的に影響を与えない程度の量であればよい。導電性担体中の分散剤の残存量は、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、近赤外分光法等の当業者に公知の手段を用いて測定すればよい。
(金属酸化物の形成)
本発明の一側面である触媒の製造方法においては、上記の微生物を、反応液中で培養し、金属元素の酸化物を形成する工程を含む。
微生物の培養は金属元素および導電性担体を含むバッファー中でも可能ではあるが、微生物の酸化能や増殖能を考慮すると、培地中で培養することが好ましい。
微生物の培養に使用する培地は、維持・増殖目的で培養する場合は固体または液体培地のいずれでもよいが、本発明の一側面である触媒の製造方法において金属酸化物の形成時に用いる培地は、液体培地である。また、使用する微生物が資化しうる炭素源、適量の窒素源、無機塩およびその他の栄養素を含有する培地であれば、合成培地または天然培地のいずれでもよい。通常、培地は、炭素源、窒素源および無機物を含む。
微生物の培養において使用できる炭素源としては、使用する菌株が資化できる炭素源であれば特に制限するものではない。具体的には、微生物の資化性を考慮して、グルコース、フラクトース、セルビオース、ラフィノース、キシロース、マルトース、ガラクトース、デンプン、デンプン加水分解物、糖蜜、廃糖蜜等の糖類、肉エキス、ペプトン、カゼイン、カゼイン−ペプトン、麦、米等の天然物、グリセロール、メタノール、エタノール等のアルコール類、または酢酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸等の脂肪酸類もしくはこれらの塩などを挙げることができる。上記炭素源は、培養する微生物による資化性を考慮して適宜選択する。また、上記炭素源を1種または2種以上選択して使用することができる。
また、微生物の培養において使用できる窒素源としては、肉エキス、ペプトン、ポリペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、大豆粉末、カゼイン、ミルクカゼイン、カザミノ酸、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸等の各種アミノ酸、コーンスティープリカー、その他の動物、植物、微生物の加水分解物等の有機窒素源;アンモニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、尿素等の無機窒素源などを挙げることができる。上記窒素源は、培養する微生物による資化性を考慮して適宜選択する。また、上記窒素源を1種または2種以上選択して使用することができる。
本発明において使用できる無機物としては、マグネシウム、マンガン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、銅、鉄および亜鉛などの、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、モリブデン酸塩、塩化物等のハロゲン化物などを挙げることができる。ポテトエキスなどの植物エキスを用いても良い。上記無機物は、培養する微生物による資化性を考慮して適宜選択する。また、上記無機物を1種または2種以上選択して使用することができる。また、培地中に、必要に応じて、植物油、界面活性剤等を添加してもよい。
微生物の金属元素酸化能を維持するため、前培養に用いる培地に金属元素を添加してもよい。金属元素としては、微生物の酸化能に応じて、例えば、マンガン、コバルト、亜鉛、錫、チタン、リチウム、鉛、ビスマス、バナジウム、インジウム、モリブデン、クロム、ニッケル、アルミニウム等上述の金属元素のうち1種または2種以上を選択すればよい。金属元素の添加量は特に制限するものではないが、例えば、0.01〜10mMであり、好ましくは0.1〜5mMである。
微生物の培養は、通常の方法によって行うことができる。例えば、微生物の種類によって、好気的条件下または嫌気的条件下で、微生物を培養する。前者の場合には、微生物の培養は、振とうあるいは通気攪拌などによって行われる。培養に用いる培養槽は、従来公知のものを適宜採用することができるが、撹拌装置を備えた培養槽を用いることが好ましい。当該培養装置としては、通気撹拌型培養槽、気泡塔型培養槽、充填床培養槽、または流動床培養槽などを挙げることができる。
また、培養条件は、培地の組成や培養法によって適宜選択される。培養温度は、好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃である。また、培養に適当な培地のpHは、好ましくは3.0〜9.0、より好ましくは5.0〜8.0である。培地の調製は、上記の培地成分を水に溶解して行うこともできるが、バッファーを用いても良い。培地の調製に用いることができるバッファーとしては、HEPES、BES、TES、ビシン、トリシン等のGOOD緩衝液、グリシン−NaOH等のアミノ酸系緩衝液、リン酸緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、トリス−塩酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液などが例示できる。
金属元素を含む液に加える微生物の形態は特に制限されず、乾燥菌体や胞子等を用いても良い。
培養時間は任意に設定することができる。培養時間によって得られる金属酸化物全体としての価数が変動する。金属酸化物の価数によって触媒活性が影響を受けることがあるが、培養中に経時で触媒をサンプリングし、後述する方法により、導電性担体表面に形成された金属酸化物中の金属元素の価数を測定しつつ、任意の時間で反応を終了(触媒を反応液から回収)すればよい。従って、培養時間は特に制限するものではないが、例えば、10〜500時間であり、好ましくは20〜200時間である。
金属酸化物を形成した導電性担体を反応液から回収する手段は特に制限されず、酸化反応後の導電性担体を遠心分離、篩分けなど当業者に公知の手段によって回収すればよい。篩分けにより回収する場合は、用いる導電性担体の粒子径等によっても異なり、一概には規定できないが、例えば目開き75μm未満(JIS Z8801−1(2006))の篩の非通過物を回収する。金属酸化物は微生物の酵素の作用によって形成されるため、加熱、加圧、またはpH調整(酸やアルカリの添加)等の処理によって酵素を失活させ、酸化反応を停止させてもよい。
微生物を反応液中で培養する前に、微生物を前培養しても良い。前培養する工程を含むことで、反応液に接触させる菌数を増やすことができ、短時間で金属元素の酸化反応を進行させることができる。前培養の条件についても、上述の培養条件が参酌される。
金属酸化物を触媒成分として導電性担体表面に形成した触媒を電気化学デバイスに用いる場合、必ずしも価数の高い金属元素からなる触媒成分を含む触媒を用いた電極のほうが、価数の低い金属元素の場合よりも性能が優れる(過電圧が小さい)とは限らない。本発明の一側面に係る触媒の製造方法によれば、得られる金属酸化物中の金属元素の価数を培養中に経時で測定することにより、任意の価数になった時点で金属酸化物を回収することができる。また、上記製造方法により得られた触媒は、金属酸化物と導電性担体との接触面積が大きくなる。また、金属酸化物の表面積も大きいものとなるため、かような触媒を電気化学デバイスの正極に用いることにより、過電圧を小さく抑えることができる。
金属酸化物中の金属元素の価数(金属元素全体としての価数)は、以下のヨウ素滴定法により測定する。1mM(50mL)の金属酸化物に純水45mLを加え、ここに0.6gのKI(ヨウ化カリウム)を加える。さらに、水で5倍希釈した濃硫酸を1mL加え、金属酸化物を溶解させる。その後、0.01Mチオ硫酸ナトリウム用いて溶液中に残存するヨウ素を滴定し、金属元素の還元に用いられたヨウ化ナトリウムを求め、全金属元素量から金属元素の価数を算出する。硫酸溶液中の各金属元素量は、ICP−AESによって求める。例えば、Mnイオンであれば、波長257.610nmにおける発光強度をICP−AESにて測定し、検量線法によって求める。
金属酸化物の形成過程において経時で金属元素の価数を測定することにより、任意の価数において反応を終了できるため、酸化物中の金属元素の価数を容易に調節できる。例えば、金属元素として硫酸マンガン(Mn(II))を用いて反応液を調製した場合、微生物の酸化反応によってMn(Mn(III))、MnO(Mn(IV))などが生じる。金属酸化物(マンガン酸化物)としてはこれら価数の異なる酸化マンガンの混合物として得られる。かような価数の異なる酸化マンガンの混合物としての価数を上記方法にて測定すればよい。
本発明の製造法においては、マンガン酸化能を有する微生物をマンガンおよび導電性担体を含む液中で培養し、導電性担体表面にマンガン酸化物を形成する工程を含むことが好ましい。このとき、マンガン価数が3.0〜3.9のマンガン酸化物を形成することが、より好ましい。
マンガン価数が3.0〜3.9のマンガン酸化物(MnO(x=1.5〜1.95))を触媒成分として用いることにより、過電圧をより一層小さくできる。マンガン酸化物のマンガン価数は3.1〜3.6(MnO(x=1.55〜1.8))であることがより好ましい。さらに好ましくは、マンガン酸化物のマンガン価数は3.2〜3.5(MnO(x=1.65〜1.75))である。マンガン価数は上記のヨウ素滴定法により求めた値を採用する。
金属酸化物の形成前、形成中、および形成後における反応液に含まれる金属元素量は、グリオキシム法にて測定することができる。反応液中の金属元素量を経時で測定することにより、反応の進行程度(酸化率)を求めることができる。グリオキシム法は、具体的には、1mLの試料溶液に純水1mLを加え、ここに塩酸ヒドロキシルアミン(40g/L)と0.74%(v/v)ホルムアルデヒドとの混合水溶液を0.1mL加え、撹拌する。さらに塩化アンモニウム(68g/L)と14%(w/w)アンモニアとの混合水溶液を0.1mL加え、撹拌後、5分放置する。ここに0.36M塩酸ヒドロキシルアミン水溶液を0.04mL加えて、10分間放置する。以上の手順で調製した試料の440nmにおける吸光度を測定し、検量線法によりMn等の金属元素濃度を求める。
金属元素の酸化率は、下記の数式(1)で求めることができる。
ただし、数式(1)中、Mは微生物による金属元素の酸化物形成直前の、反応液に含まれる金属元素量を示す。また、数式(1)中、Mは微生物による金属元素の酸化物形成過程の任意の時点における、反応液に含まれる金属元素量を示す。金属元素の酸化率は、好ましくは20〜98%であり、より好ましくは30〜80%であり、更に好ましくは35〜75%である。
本発明の一側面である触媒の製造方法は、回収後の触媒を、例えば水や酸によって洗浄する工程、乾燥する工程、分級する工程等を含んでも良い。
導電性担体表面に形成された金属酸化物の量(固形分換算)は、金属酸化物が形成された担体全量に対して、好ましくは5〜90質量%、特に好ましくは10〜85質量%である。また、触媒成分の量(固形分換算)は、触媒層全量に対して、好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは3〜65質量%とするのがよい。なお、導電性担体表面に形成された触媒成分の量は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)によって調べることができる。同一培養条件であれば、反応液中の導電性担体量を少なくすると、導電性担体の単位量当たりの金属酸化物量は多くなる。また、反応液中の導電性担体量を多くすれば、導電性担体の単位量当たりの金属酸化物量は少なくなる。導電性担体の表面全体に触媒成分が形成されていることが、触媒成分の表面積を大きくするという観点から好ましいが、導電性担体の一部に触媒成分が形成されていない部分があっても良い。
導電性担体表面に金属酸化物が形成されたことは、電子顕微鏡によって触媒の形状を観察することによっても確認できる。微生物によって金属酸化物を形成した場合、図5に示すような表面積の大きな触媒形状となる。
金属酸化物を形成した導電性担体は、粒状であることが好ましい。この際、金属酸化物を形成した導電性担体の平均粒子径は、小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなり好ましいが、実際には平均粒子径が小さすぎると却って酸素還元活性が低下する現象が見られる。従って、金属酸化物を形成した導電性担体の1次粒子径は、好ましくは5nm〜5μm、より好ましくは10〜500nmの粒状である。なお、「金属酸化物を形成した導電性担体の平均粒径」は、レーザー回折・散乱式粒子分布測定装置、例えば日機装社製マイクロトラックMT3000を用いて測定することができる。
また、触媒を固定化するため、必要に応じてバインダーを使用してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。
バインダーを含む触媒を形成するためには、例えば、導電性担体表面に金属酸化物を形成した後、金属酸化物を形成した導電性担体を用いて触媒層を形成する際にバインダーを混合すればよい。バインダーは電気化学デバイスに使用する触媒として必要な強度が与えられる程度の量であれば十分である。導電性担体間の隙間に存在する微生物が、触媒においてバインダーの役割も果たす。従って、本発明の一態様である製造方法によれば、触媒に用いるバインダー量を低減し得る。バインダーは、触媒を構成する成分の全量(固形分換算)に対して、好ましくは5〜30質量%程度含まれる。
バインダーは、水、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等)のような溶媒に上記のバインダーを溶解、分散または懸濁して調製したバインダー液として用いても良い。これらの溶媒は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
<電気化学デバイス用正極、電気化学デバイス>
本発明の別の側面では、上記触媒を含む触媒層と、集電体とを含む、電気化学デバイス用正極を提供する。また、本発明のさらに別の側面では、当該正極を含む、電気化学デバイスを提供する。電気化学デバイスとしては、空気電池に代表される燃料電池、キャパシタ、センサー等が例示できる。
本発明の好ましい電気化学デバイスの実施形態として、空気電池および固体高分子形燃料電池について説明するが、以下の実施形態のみには制限するものではない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[空気電池]
空気電池は、非水電解液をセパレータに含浸させた液体電解質型であっても、ポリマー電池とも称される高分子ゲル電解質型電池および固体高分子電解質(全固体電解質)型電池のいずれでもよい。高分子ゲル電解質および固体高分子電解質に関しては、これらを単独で使用することもできるし、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質をセパレータに含浸させて使用することもできる。上記の触媒を空気電池に使用した場合、三相界面での接触面積が大きくなることから、特に適している。
図3に空気電池1の好ましい構成の一形態を記載する。空気電池1は、正極触媒層4が正極集電体2の表面に形成された空気極と、負極活物質層5が負極集電体3の表面に形成された負極と、前記空気極と前記負極との間に挟持される電解質層6を有する。図3は空気電池の構成を模式的に示す図であるため、上述した凹型の正極ケース、小さい負極ケース、ガスケットや空気通気口孔を図示していない。
したがって、空気電池は、(正極)触媒層が(正極)集電体の表面に形成された空気極(正極)と、負極活物質層が(負極)集電体の表面に形成された負極と、空気極と負極との間に挟持される電解質層を有する構成が好ましい。
空気電池を例にして、以下当該空気電池の空気極、負極、および電解質層、ならびに必要に応じて設けられる他の構成要素について説明する。
(空気極(電気化学デバイス用正極の一例))
本発明の一側面では、上記触媒を含む触媒層と、集電体とを含む、電気化学デバイス用正極を提供する。本発明の一実施形態では、当該電気化学デバイス用正極は、空気極である。
本発明の一側面に係る電気化学デバイス用正極(空気極)は、触媒層が集電体の表面に積層された構成であることが好ましく、必要に応じて当該集電体にリード接続してもよい。空気極は、触媒層と集電体との間に、後述のガス拡散層を含んでも良い。
触媒層は、例えば、上記の電気化学デバイス用触媒を、任意に加えられるバインダーと共に適量の溶媒に懸濁してスラリーを調製し、当該スラリーを乾燥し、必要に応じて粉砕・成形して得る。用いる溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えば水、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)が採用できる。乾燥は、例えばオーブン等を用いて行えばよい。乾燥条件は固形分量等に応じて適宜調整すればよいが、例えば80〜150℃で5〜48時間である。乾燥物を粉砕する場合は、ブレンダー、ハンマー、ミル、乳鉢と乳棒、またはミキサーなど、公知の手段によって行えばよい。得られた乾燥物をプレス成型等により成形し、触媒層として用いる。
触媒層の平均厚さは、1μm〜1000μmが好ましく、5μm〜300μmがより好ましい。
発明に係る空気電池における集電体は、触媒層で集電するものである。当該集電体の材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。
また、集電体の形状は、例えば膜状、板状などの平板状や、メッシュ状、格子状に孔が形成されたグリッド状などを挙げることができる。集電体の形状は、メッシュ状であることが集電効率の観点から好ましい。この場合、通常、空気極層の内部にメッシュ状の空気極集電体を配置する。
なお、空気電池において、メッシュ状の正極集電体とは別に集電された電荷を集電する他の集電体をさらに設けてもよい。
(電解質層)
空気電池に用いる電解質層としては、特に限定されず、塩あるいは酸、アルカリ系水溶液、イオン性溶液、イオン性溶液を高分子化したイオンポリマー、イオン性溶液を膜にしたイオンゲル、または高分子電解質膜を挙げることができる。
上記水溶液としては例えば、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムなどを含むものを挙げることができる。
イオン性溶液、イオン性溶液を高分子化したイオンポリマー、またはイオン性溶液を膜にしたイオンゲルは、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1,3−ジエチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1,2−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1,2−ジエチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、2−エチル−1−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ビニルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、2−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−メチルピロリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、2,4−ルチジニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのトリフルオロメタンスルホネート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテートなどのトリフルオロアセテート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジエチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、2−エチル−1−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ビニルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、2−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、2,4−ルチジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレートなどのテトラフルオロボレート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートなどのヘキサフルオロホスフェート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1,3−ジエチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1,2−ジメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1,2−ジエチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、2−エチル−1−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、1−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、2−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドなどのトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド類;1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1−ビニルイミダゾリウムメタンスルホネートなどのメタンスルホネート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチルイミダゾリウムアセテートなどのアセテート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムナイトレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムナイトレート、1−メチルイミダゾリウムナイトレート、1−エチルイミダゾリウムナイトレート、1−ビニルイミダゾリウムナイトレートなどのナイトレート類;1,3−ジメチルイミダゾリウムナイトライト、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムナイトライトなどのナイトライト類;1,3−ジメチルイミダゾリウムサルファイト、1−メチルイミダゾリウムサルファイト、1−エチルイミダゾリウムサルファイト、1−ビニルイミダゾリウムサルファイトなどのサルファイト類;1,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチルイミダゾリウムクロライド、1−ビニルイミダゾリウムクロライド、1,2−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウムクロライド、1−ブチルピリジニウムクロライドなどのクロライド類;1,3−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−エチルイミダゾリウムブロマイド、1−ビニルイミダゾリウムブロマイド、1−ブチルピリジニウムブロマイドなどのブロマイド類;1,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,3−ジエチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,2−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,2−ジエチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどのイミド類などを挙げることができる。
上記高分子電解質膜としては、特に限定されず、公知の電解質膜を使用することができる。具体的には、デュポン社製の各種のNafion(デュポン社登録商標)やフレミオンに代表されるパーフルオロスルホン酸膜、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベース高分子とする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロースなど、一般的に市販されている高分子形電解質膜、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜、多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。前記高分子電解質膜に用いる高分子電解質と、各電極触媒に用いる高分子電解質とは、同じであっても異なっていてもよい。
前記高分子電解質膜の厚みとしては、得られる正極−電解質−負極からなる積層体の特性を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜150μmである。上記高分子電解質膜の厚みが、10〜300μmの範囲であると、製膜時の強度や積層体作動時の耐久性がよく、かつ積層体作動時の出力特性も優れている。
また、上記高分子電解質膜としては、上記したようなフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂による膜に加えて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などから形成された多孔質状の薄膜に、リン酸や上記のイオン液体等の電解質成分を含浸したものを使用してもよい。
(負極)
空気電池に用いる負極は、負極活物質層が負極集電体の表面に積層された構成であることが好ましく、必要に応じて当該負極集電体にリード接続してもよい。
負極活物質層は、負極活物質を含んでいればよい。負極活物質に使用する材料としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、および鉄からなる群から選択される少なくとも1種の元素、またはそれらの合金が好ましい。
上記負極活物質層は、負極活物質単独を含有しても、粒子状の負極活物質を導電性担体に担持したものであってもよく、さらに必要によりバインダーを含んでもよい。当該導電性担体およびバインダーは上記の空気極で使用したものと同様のものを使用することができる。
また、前記負極活物質層の厚みとしては、得られる正極−電解質−負極からなる積層体の特性を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは10μm〜5mm、より好ましくは100〜500μmである。
空気電池における負極集電体の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されることはなく、例えば銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。上記負極集電体の形状としては、例えば膜状、板状およびメッシュ状等を挙げることができる。
(その他の構成要件)
空気電池は、正極触媒層が表面に形成された正極集電体と、負極活物質層が表面に形成された負極集電体と、電解質層とを備え、前記正極触媒層が前記電解質層の一方の面と、前記負極活物質層が前記電解質層の他方の面と当接(または密着)した積層体である。この場合、当該空気極−電解質層−負極の積層体を1ユニットとして、当該ユニットを複数繰り返し積層させる場合、必要によりユニット間にセパレータを設けてもよい。
セパレータは、例えばカーボンペーパー、不織布、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルトなどからなるシート状材料、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質膜などが好適に使用できる。
前記セパレータの厚みとしては、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜100μmである。
空気電池は、空気極、電解質層、および負極が順次積層した積層体およびこれら積層体を複数重ねた構造である。これら積層体を必要により空気電池収納ケース内に収納してもよい。この場合の空気電池収納ケースの形状としては特に制限されることは無く、ボタン型、平板型、円筒型、角型、ラミネート型などを使用目的により選択することができる。さらに、空気電池収納ケースは、外気と接触する開いた系の空気電池収納ケースまたは閉じた系の空気電池収納ケースのいずれでもよい。当該開いた系の空気電池収納ケースは、空気極に外気が流入する構造である。一方、当該閉じた系の空気電池収納ケースは、少なくとも空気極に外気が流入する空気の流入管および流出間を設けることが好ましい。
[(固体高分子形)燃料電池]
図4に燃料電池の一種である固体高分子形燃料電池100について以下説明する。一般に、(固体高分子形)燃料電池の構成は、電解質膜−電極接合体(以下、MEAとも称する)をセパレータ140a、140bで挟持した構造となっている。図4に示すように、本発明の一実施形態に係る固体高分子形燃料電池100のMEAは、電解質膜110の一方の面にアノード触媒層120aが位置し、他方の面にカソード触媒層120bが位置する。さらに、前記アノード触媒層120aの電解質膜110と対向する面にはアノード側ガス拡散層130aが位置し、前記カソード触媒層120bの電解質膜110と対向する面にはカソード側ガス拡散層130bが位置する構造である。
固体高分子形燃料電池100を例にして、燃料電池の構成要素について説明する。
(電解質膜)
本発明の一実施形態に係る燃料電池100に用いることのできる電解質膜110は、高いプロトン伝導性を有する膜が好ましい。高いプロトン伝導性を有する膜としては、−SOH基などのイオン交換基を有するモノマーの重合体または共重合体;またはイオン交換基を有するモノマーと他のモノマーとの重合体などの公知の材料からなる膜を用いることができる。電解質膜110の材質としては、具体的には、ポリマー骨格の全部又は一部がフッ素化されたフッ素系樹脂であってイオン交換基を備えた電解質、またはポリマー骨格にフッ素を含まない芳香族系炭化水素樹脂であってイオン交換基を備えた電解質などを挙げることができる。
前記イオン交換基としては、特に制限するものではないが、−SOH、−COOH、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO 、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の陽イオン交換基、−NH、−NHR、−NRR’、−NRR’R’’、−NH 等(R、R’、R’’は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基などを挙げることができる。
前記フッ素系樹脂であってイオン交換基を備えた電解質としては、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマーなどを好適な一例として挙げることができる。
前記芳香族系炭化水素樹脂であってイオン交換基を備えた電解質としては、具体的には、ポリサルホンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸系ポリマー、架橋ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルサルホンスルホン酸系ポリマー等を好適な一例として挙げることができる。
高分子電解質は、耐熱性、化学的安定性などに優れることから、フッ素原子を含むのが好ましい。なかでも、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などのフッ素系電解質を好ましく挙げることができる。特に、本発明において、高分子電解質としてナフィオン(登録商標、デュポン社製)等のスルホン酸基を有するものを使用する場合には、EWが600〜1100程度のものを使用することが好ましい。なお、EW(Equivalent Weight)は、スルホン酸基1モル当たりの乾燥膜重量を表し、小さいほどスルホン酸基の比重が大きいことを意味する。
電解質膜110の膜厚は、得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定することができるが、5〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜200μm、特に好ましくは15〜150μmである。電解質膜の膜厚が5μm以上であると製膜時の強度や燃料電池作動時の耐久性の点から好ましく、300μm以下であると燃料電池作動時の出力特性の点から好ましい。
(触媒層)
燃料電池に用いることのできるカソード触媒層120bは、微生物により形成した触媒成分を用いることを特徴とするものである。
また、アノード触媒層に用いる触媒成分は、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば使用できる。
本実施形態による触媒層120a、120bの厚さは、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜20μmである。触媒層の厚さが0.1μm以上であると所望する発電量が得られる点で好ましく、100μm以下であると高出力を維持できる点で好ましい。
(ガス拡散層(GDL))
ガス拡散層(GDL)130a、130bは、MEAの構成部材に含めてもよいし、MEA以外の燃料電池セルの構成部材としてもよい。GDLとしては、特に限定されないが、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有するシート状材料を基材とする多孔質基材などを挙げることができる。また、GDLでも触媒層と同様に撥水性を高めてフラッディング現象を防ぐために、公知の手段を用いて、前記GDLの撥水処理を行っても、または前記GDL上に炭素粒子集合体からなる層を形成してもよい。
MEAの構成を有する固体高分子形燃料電池において、触媒層、GDLおよび電解質膜の厚さは、燃料ガスの拡散性などを向上させるには薄い方が望ましいが、薄すぎると十分な電極出力が得られない。従って、所望の特性を有するMEA、更には固体高分子形燃料電池が得られるように適宜決定すればよい。
(セパレータ)
アノードセパレータ140a及びカソードセパレータ140bとしては、カーボンペーパー、カーボンクロス、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、特に制限するものではなく、従来公知のものを用いることができる。また、前記セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するために所望の形状に加工されたガス流路(溝)141が形成されているのが望ましく、従来公知の技術を適宜利用することができる。セパレータの厚さや大きさ、ガス流路溝の形状などについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
(ガスケット)
本発明の燃料電池において、必要によりガスケットを電解質膜とセパレータとの間に設けてもよい(図示せず)。当該ガスケットは、気体、特に酸素や水素ガスに対して不透過であればよいが、一般的には、ガス不透過材料からなるOリングなどの単一の不透過部により構成されていればよい。さらに、必要に応じて、電解質膜や酸素極及び触媒層のエッジとの接着を目的とする接着部を設けてなる、接着剤付きのガスシールテープ等のような複合的な構成としてもよい。Oリングやガスシールテープの不透過部を構成する材料は、設置後に所定の圧力がかかった状態で、酸素や水素ガスに対して不透過性を示すものであれば特に制限するものではない。
こうした不透過部を構成する材料のうち、Oリングを構成する材料としては、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
一方、ガスシールテープ等の不透過部を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。また、ガスシールテープ等の接着部を構成する材料としては、電解質膜や酸素極及び燃料極触媒層と、ガスケットを密接に接着できるものであれば特に制限するものではない。例えば、ポリオレフィン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー等のホットメルト系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル、ポリオレフィン等のオレフィン系接着剤などが使用できる。
上記により本発明の一実施形態に係る空気電池および固体高分子形燃料電池の構成を説明した。以下、当該空気電池の正極触媒や燃料電池などの触媒成分として使用できる本発明に係る触媒成分の製造方法について説明する。また、前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では高分子電解質型燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、ダイレクトメタノール型燃料電池、マイクロ燃料電池などを挙げることができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲を以下の実施例のみに制限するわけではない。
<比較例>
アクレモニウム属の微生物(Acremonium stricum KR21−2株)を3mM MnSOを含むHAY培地(pH7.0)中で96時間培養した。培養は、500mL容三角フラスコに200mLの培地を用いて、Firstek Scientific社Orbital Shaking Incubatorを用いて25℃、回転数50rpmにて行った。全培養期間を通じて、反応液のpHは一定(7.0)であった。培地を適時、クリーンベンチ内でサンプリングし、培地中の溶存Mn(II)をグリオキシム法で測定した。
HAY培地は3mmol/L酢酸ナトリウム、150mg/L酵母エキス、50mg/L MgSO・7HO、5mg/L KHPO、2ml/Lミネラル溶液、および3mM MnSOとなるよう、各試薬を20mM HEPESバッファー(pH7.0)に加えて溶解させ、オートクレーブ滅菌して用いた。なお、KHPOおよびMnSOは他の試薬をオートクレーブした後、上記終濃度になるように加えた。ミネラル溶液は3.7g/L CaCl・2HO、2.5g/L HBO、0.87g/L MnCl・4HO、1.0g/L FeCl・6HO、0.44g/L ZnSO・7HO、0.29g/L NaMoO・2HO、および5mg/L CuSO・5HOを含む。
培養後、マンガン酸化物と菌体との混合物をセルストレーナーで回収し、凍結乾燥した。上述のヨウ素滴定法にて測定したマンガン価数は3.68±0.07(n=4)であった。乾燥した固体を合一して目開き75μmのステンレスメッシュ篩上で篩分けをおこない、微生物に由来する凝塊物を除去した。目開き45μmステンレスメッシュで回収したマンガン酸化物(触媒成分)を触媒の製造に用いた。
32質量部の上記マンガン酸化物、36質量部のカーボン(ケッチェンブラック(登録商標) EC600JD、ライオン社製、1次粒子径34nm、BET比表面積1270m/g)、および32質量部のバインダー(ポリフロン(登録商標)D−1E、PTFE60wt%含有、ダイキン社製)を、適量の水および1−ブタノールとともに混合して、正極触媒層スラリーを調製した。
同様に、50質量部のカーボン(HS−100、電気化学工業社製、1次粒子径48nm、BET比表面積39m/g)、および50質量部のバインダー(ポリフロン(登録商標)D−1E、PTFE60wt%含有、ダイキン社製)を、適量の水及び1−ブタノールとともに混合して、ガス拡散層スラリーを調製した。
これらスラリーを120℃で12時間乾燥させ、それぞれの粉末を得た。なお、触媒層全量に対して、触媒成分の量は、32質量%であった。集電体としてのニッケルメッシュ(ニラコ社製)、ガス拡散層粉末、正極触媒層粉末を重ね、冷間プレス(温度80℃、圧力0.8MPa)および加熱プレス(温度300℃、圧力2.0MPa)により円形(正極触媒層の厚さ20μm)に成形した。その後、成形物を室温で冷却し、正極を得た。
<実施例>
カーボン(導電性担体、アセチレンブラック HS−100、電気化学工業社製、1次粒子径48nm、BET比表面積39m/g)を、エタノールを分散剤として処理した。すなわち、カーボンが2質量%となるようにエタノール/水(3:95(w:w))からなる分散液に加え、室温で10分攪拌(100rpm)した。その後、アセチレンブラック HS100のエタノール/水(3:95(w:w))分散液(カーボン量:2質量%)2mlを200mlのHAY培地に添加した。その後、カーボン(導電性担体)に残留したエタノール(分散剤)の低減および滅菌を目的として、カーボンを含むHAY培地を高温高圧処理(オートクレーブ滅菌、121℃、20分、2atm(203kPa))を行った。その後、KHPOおよびMnSOを所望の終濃度(5mg/L KHPO、1mM MnSO)になるように加え、反応液として微生物を用いた触媒の合成に用いた。
上記のように調製した反応液200mL(500mL容三角フラスコ、n=15)にKR21−2株の胞子懸濁液1.2mlを加え、振盪培養機BR−180LF(タイテック社)を用いて25℃、100rpmで振盪培養した。全培養期間を通じて、反応液のpHは一定(7.0)であった。培地を適時、クリーンベンチ内でサンプリングし、培地中の溶存Mn(II)をグリオキシム法で測定した。なお、胞子懸濁液は以下のように調製した。すなわち、Acremonium strictum KR21−2の胞子または菌体をHAY培地に稙菌し、25℃、110回/分で1週間、振盪培養した。その後、45マイクロメートル孔の滅菌ステンレスメッシュを用い、培養液から菌糸本体を篩分けて胞子を回収し、胞子懸濁液とした。
培養開始から92時間後、金属酸化物を形成した導電性担体を目開き45μmステンレスメッシュで回収し、超純水で洗浄し、凍結乾燥した。なお、導電性担体表面に形成された金属酸化物の量は、金属酸化物が形成された担体全量に対して、80質量%であった。
上記のように酸化マンガンを形成した導電性担体68質量部、および32質量部のバインダー(ポリフロン(登録商標)D−1E、PTFE60wt%含有、ダイキン社製)を、適量の水および1−ブタノールとともに混合して、正極触媒層スラリーを調製した。上記以外は比較例と同様の方法により、正極を得た。触媒層全量に対して、触媒成分の量(固形分換算)は、54質量%であった。
<電池性能評価>
上記で作製した正極1枚と、負極として厚さ500μmのZn金属板(ニラコ株式会社製)とを、電解質層である8N KOH溶液の両側に配置した。以上により、空気電池評価セルを得た。
上記の方法により作製した評価セルカソード側には酸化剤(正極活物質)として空気を供給した。セル温度は25℃に設定した。この条件下で、電流密度200mA/cmにて参照電極(Hg/HgO)に対する正極電位(E/V)を測定し、開放電位との差分(ドロップ電位(V))を測定した。ドロップ電位が小さいほど、電気抵抗が小さく、電池性能が優れることを示す。
ドロップ電位の測定結果を表1に示す。表1に示す通り、本発明に係る製造方法により製造した触媒を用いた場合、過電圧が小さい(分極が小さい)ことが分かる。また、本発明に係る製造方法は微生物由来の凝塊物を除去する必要が無いため、作業効率が良い。
<触媒の構造>
図5(a)(3000倍)および(c)(30000倍)に、比較例で形成したマンガン酸化物の電子顕微鏡像を示す。また、図5(b)(5000倍)および(d)(30000倍)に、本発明に係る製造方法により製造した触媒の電子顕微鏡像を示す。本発明に係る製造方法により製造した触媒は、面積の大きなひだ状構造のマンガン酸化物と、導電性担体とが複合体化した構造であることが分かる。
1 空気電池、
2 正極集電体、
3 負極集電体
4 正極触媒層、
5 負極活物質層、
6 電解質層、
100 固体高分子形燃料電池、
110 電解質膜、
120a アノード触媒層、
120b カソード触媒層、
130a アノードガス拡散層、
130b カソードガス拡散層、
140a アノードセパレータ、
140b カソードセパレータ、
201 金属酸化物、
202 導電性担体、
203 微生物。

Claims (8)

  1. 金属元素の酸化能を有する微生物を、前記金属元素および導電性担体を含む液中で培養し、前記導電性担体表面に前記金属元素の酸化物を形成する工程を含む、電気化学デバイス用触媒の製造方法。
  2. 前記酸化物を形成する工程の前に、前記導電性担体を分散剤を含む液で処理する工程、および前記導電性担体から前記分散剤を低減する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記分散剤を低減する工程が、高温高圧処理により行われる、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記金属元素がマンガンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記微生物が真菌である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記導電性担体がカーボンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により製造された触媒を含む触媒層と、集電体とを含む、電気化学デバイス用正極。
  8. 請求項7に記載の正極を含む、電気化学デバイス。
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