JP2016201620A - 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】精度の高い色合わせを行うことができる画像処理装置及び方法を提供する。【解決手段】第一の出力結果の色を第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、第一の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第一のクレンジング済み画素値対応付けデータと、第二の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第二のクレンジング済み画素値対応付けデータとを生成するデータクレンジング手段と、第一及び第二のクレンジング済み画素値対応付けデータをそれぞれ複数の部分色空間に分割する色空間分割手段と、第一及び第二の画素値対応付け代表データをそれぞれ生成する代表データ決定手段と、原稿画像データから第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、第二の出力画像データの色から原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、原稿画像データの画素値を変換する変換手段とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システムに関する。
画像出力機器から出力したカラーチャートを例えば測色計等により測色して、各画像出力機器のカラープロファイルを更新することで、各画像出力機器間の色合わせを行う技術が知られている。
また、カラーチャートを用いずに画像出力機器間の色合わせを行うことができる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記の従来技術においては、例えば二台の画像出力機器間で色合わせを行った際に、色合わせ結果の精度が高くない場合があった。例えば、画像出力機器に入力させる原稿画像データと、画像出力機器から出力される出力画像データとの画素値の対応関係によっては、精度の高い色合わせを行うことができなかった。
本発明の実施の形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、精度の高い色合わせを行うことを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の実施の形態は、第一の画像出力手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第一のクレンジング済み画素値対応付けデータと、読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第二のクレンジング済み画素値対応付けデータとを生成するデータクレンジング手段と、前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間と、前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間とを複数の部分色空間に分割する色空間分割手段と、前記分割された前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第一の画素値対応付け代表データと、前記分割された前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第二の画素値対応付け代表データとを生成する代表データ決定手段と、前記第一の画素値対応付け代表データに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付け代表データに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段とを有する。
本発明の実施の形態によれば、精度の高い色合わせを行うことができる。
画素値aとbの関係を模式的に説明する一例の図である。 本実施形態に係る画像処理システムの一例の構成図である。 本実施形態に係る画像処理システムの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例1)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例1)。 画素値対応付けデータの一例を示す図である。 等間隔で部分色空間に分割する場合の一例を示す図である。 不等間隔で部分色空間に分割する場合の一例を示す図である。 色数が同数になるような部分色空間に分割する場合の一例を示す図である。 クラスタ分析を用いて部分色空間に分割する場合の一例を示す図である(実施例1)。 ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例1)。 画素値対応付けデータの他の例を示す図である。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例1)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例2)。 色相を用いて部分色空間に分割する場合の一例を示す図である。 明度を用いて部分色空間に分割する場合の一例を示す図である。 彩度を用いて部分色空間に分割する場合の一例を示す図である。 クラスタ分析を用いて部分色空間に分割する場合の一例を示す図である(実施例2) ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例2)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例3)。 ルックアップテーブルの一例を示す図である。 ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例3)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例4)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例4)。 リスト形式で記録したデータの一例の図である。 ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例4)。 リスト形式で記録したデータの一例の図である。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例4)。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、
第一の画像出力機器の色再現特性をP1(x)、
第二の画像出力機器の色再現特性をP2(x)、
画像読取装置の色再現特性をS(x)、
と定義する。ここで"x"は色又は画素値である。種々の色空間の存在を考慮すると画素値=色とはならないが、同じ色空間内では画素値=色となるので、厳密には区別していない。例えばRGB色空間の場合、x=[R, G, B]tの3次元データである。また、例えばCMYK色空間の場合、x=[C, M, Y, K]tの4次元データである。
すなわち、P1(x)は、第一の画像出力機器が画素値xを印刷した場合の色であり、S(P1(x))は画像読取装置が色P1(x)を読み取った場合の色である。また、P2(x)は、第二の画像出力機器が画素値xを印刷した場合の色であり、S(P2(x))は画像読取装置が色P2(x)を読み取った場合の色である。
第一の画像出力機器が印刷する画素値xと、第二の画像出力機器が印刷する画素値xとが同じ場合であっても、色再現特性P1(x)及びP2(x)は互いに異なるので、S(P1(x))=S(P2(x))とはならない。一方、第一の画像出力機器が印刷する画素値と、第二の画像出力機器が印刷する画素値が同じでない場合でも、印刷対象の画像データ(後述する原稿画像データ)には、S(P1(a))=S(P2(b))となる色(a, b)の組み合わせが存在することが期待できる(S(P1(a))とS(P2(b))は完全に一致しなくてもよい)。
本実施形態の画像処理装置は、S(P1(a))=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を1つ以上求める。すなわち、第二の画像出力機器が、画素値bを印刷してS(P2(b))が得られるのであるから、aをbとみなす変換を行うことで第二の画像出力機器が画素値aを印刷する際に、実際には画素値bを印刷するので、第二の画像出力機器は第一の画像出力機器と同じ色で印刷することができる。
図1は、画素値aとbの関係を模式的に説明する一例の図である。第一の画像出力機器と第二の画像出力機器は、共に同じ画像データを印刷する。この画像データを原稿画像データという。
第一の画像出力機器は画素値aを印刷するとスキャナで読み取った際にsの色となる第一の出力物を印刷する。第二の画像出力機器は画素値bを印刷するとスキャナで読み取った際にsの色となる第二の出力物を印刷する。第二の画像出力機器の色再現特性を第一の画像出力機器に合わせる場合、第二の画像出力機器は画素値aがsになるように(読み取った際にsとなるように)印刷するべきであることが分かる。したがって、第二の画像出力機器は原稿画像データの画素値aをbにて置き換える。この色変換を行うことで、第二の画像出力機器は第一の画像出力機器と同等の色にて印刷することが可能になる。
本実施形態では、第一の画像出力機器と第二の画像出力機器との間で色を併せるために原稿画像データに色変換を施す流れを、以下の機器の組合せを例として説明する。
・第一の画像出力機器:プリンタ (「基準プリンタ」と呼ぶ)
・第二の画像出力機器:プリンタ (「ユーザプリンタ」と呼ぶ)
・画像読取装置:スキャナ
また、以降で使用する用語を以下のように定義する。
・基準プリンタ:第一の画像出力機器に対応し、色が合わせられる目標となるプリンタ
・ユーザプリンタ:第二の画像出力機器に対応し、基準プリンタに色を合わせたいプリンタ
・スキャナ:画像読取装置に対応
・原稿画像データ:プリンタが印刷物を出力する際に用いる画像データ
・基準印刷物:原稿画像データを基準プリンタで出力した、色合わせの目標とされる印刷物
・基準画像データ:基準印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
・ユーザ印刷物:原稿画像データをユーザプリンタで出力した、基準印刷物に色を合わせたい印刷物
・ユーザ画像データ:ユーザ印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
本実施形態では、基準印刷物とユーザ印刷物とを用い、ユーザプリンタに与える原稿画像データに色変換を行うことによって、基準印刷物の色と同等の色のユーザ印刷物が得られるようにする。
色変換を行う装置は、第二の画像出力機器でもスキャナでもよいし、これらとは別体のコンピュータ(情報処理装置)でもよい。本実施形態では、コンピュータが色変換を行うものとして説明する。
本実施形態では、上記で説明したS(P1(x))(これを「基準色再現特性」呼ぶ)及びS(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))(これを「ユーザ色再現特性の逆特性」と呼ぶ)を推定する。そして、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s=S(P1(a))及びユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b=P2 -1(S-1(s))を求めて(すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))となる組合せ(a, b)を求めて)、原稿画像データの色aをbに変換する。これにより、第二の出力機器で出力されるユーザ印刷物の色を、第一の出力機器で出力される基準印刷物の色に合わせることができる。
なお、S-1(x)は、画像読取装置で読み取った場合に画素値xとして読み取られる値(色)である。また、P2 -1(S-1(x))は、第二の画像出力機器で出力した場合に色S-1(x)として出力される画素値である。
<システム構成>
図2は、本実施形態に係る画像処理システム600の一例の構成図である。図2に示す画像処理システム600は、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及びスキャナ300を有し、それぞれがネットワーク500を介して通信可能に接続されている。ユーザプリンタ200の代わりにオフセット印刷機やグラビア印刷機等を用いてもよく、また、スキャナ300の代わりに分光測色器やカメラ等を用いてもよい。基準プリンタ400は、画像処理システム600のユーザ側に存在しないことを想定しているためネットワーク500に接続されていないが、接続されていてもよい。画像処理システム600のユーザは、基準プリンタ400が基準画像データを出力した基準印刷物をすでに取得しているか、取得することができるものとする。
ネットワーク500は、社内LAN(Local Area Network)、広域LAN(WAN:Wide Area Network)、IP−VNP(Virtual Private Network)、インターネットVPN、又はインターネット等である。これらが組み合わされたネットワーク等、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及びスキャナ300が通信可能であればよい。一部に電話回線を含んでいてもよく、また、有線接続か無線接続は問わない。
なお、同じ一台のプリンタで過去と現在の色を合わせる場合等、基準プリンタ400とユーザプリンタ200はそれぞれ異なる装置である必要はない。また、基準プリンタ400及びユーザプリンタ200は、プリンタ機能に加えて、スキャナ機能、FAX機能及びコピー機能等の1つ以上を有していてもよい。同様に、スキャナ300は、スキャナ機能に加えて、プリンタ機能、FAX機能及びコピー機能等の1つ以上を有していてもよい。複数の機能を有する装置はMFP(Multifunction Peripheral)と称される。
本実施形態のコンピュータ100は、基準プリンタ400が基準印刷物の出力に使用した原稿画像データの各画素値と、基準印刷物をスキャナ300が読み取った基準画像データの各画素値とを対応付けた第1の画素値対応付けデータから基準色再現特性を推定する。また、コンピュータ100は、原稿画像データの各画素値と、ユーザ印刷物をスキャナ300が読み取ったユーザ画像データの各画素値とを対応付けた第2の画素値対応付けデータからユーザ色再現特性の逆特性を推定する。
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る画像処理システム600の一例のハードウェア構成図である。画像処理システム600は、画像入力装置601、画像出力装置602、画像記憶装置603、画像解析装置604、パラメータ記憶装置605、及び画像処理装置606を有する。
画像入力装置601は、画像出力機器により出力された画像を入力するものであり、図2ではスキャナ300が相当する。画像出力装置602は、色変換された画像を出力するもので、図2ではユーザプリンタ200が相当する。画像記憶装置603は、画像入力装置601が入力を受け付けた画像データを記憶するものであり、図2ではコンピュータ100が相当する。画像解析装置604は、基準画像データ、ユーザ画像データ、及び原稿画像データを解析して基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を推定するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。
パラメータ記憶装置605は、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を推定するためのデータ(例えば、後述する画素値対応付けデータ)を記憶するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。また、パラメータ記憶装置605は、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を記憶する。画像処理装置606は、得られた基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性に基づいて画像データを色変換するもので、図2ではユーザプリンタ200が相当する。
図4は、コンピュータ100のハードウェア構成図の一例を示す。コンピュータ100はそれぞれバスで相互に接続されているCPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、及び記憶媒体装着部104を有する。また、コンピュータ100は、通信装置105、入力装置106、描画制御部107、及びHDD(Hard Disk Drive)108を有する。
CPU101は、データやプログラムをHDD108から読み出して実行することで種々の機能を提供すると共に、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性の推定を行う。RAM102は、CPU101がプログラムを実行する際に必要なデータを一時保管する作業メモリ(主記憶メモリ)となる。ROM103はBIOS(Basic Input Output System)やOS(Operating System)を起動するためのプログラム、静的なデータが記憶されている。
記憶媒体装着部104は、記憶媒体110が着脱可能であり、記憶媒体110に記憶されたデータを読み込み、HDD108に記憶させる。また、記憶媒体装着部104は、HDD108に記憶されたデータを記憶媒体110に書き込むこともできる。記憶媒体110は、例えば、USDメモリ、SDカード等である。なお、本実施形態を実現するプログラムは、例えば、記憶媒体110に記憶された状態やネットワークを介してダウンロードすることで配布される。
入力装置106は、キーボードやマウス等であり、コンピュータ100へのユーザの様々な操作指示を受け付ける。HDD108は、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリでもよく、OSや本実施形態を実現するプログラム、画像データ等の各種のデータが記憶されている。通信装置105は、インターネット等のネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)であり、例えば、イーサネット(登録商標)カードである。
描画制御部107は、CPU101がプログラムを実行してグラフィックメモリに書き込んだ描画コマンドを解釈して、画面を生成しディスプレイ109に描画する。
図5は、画像処理システム600を一台のMFPで実現した場合のMFP700のハードウェア構成図の一例を示す。MFP700は、コントローラ30、操作パネル31、ファックス制御ユニット32、プロッタ33、スキャナ34、及びその他ハードウェアリソース35を有する。コントローラ30は、CPU11、MEM−P12、NB(ノースブリッジ)13、MEM−C14、HDD15、ASIC16、及びPCIバスを介してNB13と接続された周辺機器17を有する。
コントローラ30において、ASIC16にはMEM−C14、HDD15、及びNB13が接続されると共に、NB13にはCPU11とMEM−P12が接続されている。NB13はCPUチップセットの1つであり、CPU11、MEM−P12、ASIC16、及び周辺機器17を接続するためのブリッジである。
ASIC16は、画像処理用途向けのICであり各種の画像処理を行う。ASIC16は、AGP、HDD15、及びMEM−C14をそれぞれ接続するブリッジの役割も果たす。CPU11は、MFP700の全体制御を行うと共にMFP700に実装されている各種アプリケーションを起動して実行させる。
MEM−P12は、MFP700のシステムが使用するシステムメモリであり、MEM−C14は、画像処理中の画像データのバッファとして用いられるローカルメモリである。
HDD15は、SSD等の不揮発性メモリでもよく、OSや本実施形態を実現するプログラム、画像データ等の各種データが記憶されている。なお、本実施形態を実現するプログラムは、例えば、記憶媒体18に記憶された状態やネットワークを介してダウンロードすることで配布される。
周辺機器17は、シリアルバス、NIC、IEEE802.11a/b/g/n、IEEE1394、USBホスト、及びメモリカードI/F等である。シリアルバスには、例えばセントロニクスケーブルが接続される。NICは、ネットワークを介した通信を制御する。USBホストには、USBケーブルを介して各種機器が接続される。IEEE802.11a/b/g/nは、これらの規格に従った無線LAN用のインタフェースであり、無線LANによる通信を制御する。IEEE1394は、高速なシリアル通信を制御するインタフェースである。メモリカードI/Fには、各種のメモリカードが装着され、データの読み書きを行う。メモリカードは、例えば、SDカード、マルチメディアカード、xDカード等である。
操作パネル31は、ハード的なキーボードと液晶等の表示手段とを有する。操作パネル31は、ユーザからの入力操作の受け付け、ユーザに向けた各種の画面の表示を行う。操作パネル31はタッチパネルを搭載しており、表示したソフトキーからユーザ操作を受け付けることもできる。
ファックス制御ユニット32は、NCU(Network Control Unit)を介して公衆通信網に接続し、例えばG3、G4規格のファクシミリに対応した通信手順(通信プロトコル)等に従いファクシミリの送受信を行う。プロッタ33は、例えば、電子写真方式による白黒プロッタ又はカラープロッタであり、印刷対象データやスキャナ34が読み取った画像データに基づき、1ページ毎の画像を形成し、用紙に転写する。スキャナ34は、コンタクトガラスに載置された原稿を光学的に走査して、その反射光をA/D変換して公知の画像処理を施し所定の解像度のデジタルデータに変換し画像データを生成する。
図5のMFP700では、図2の画像入力装置601はスキャナ34が相当し、画像出力装置602はプロッタ33が相当し、画像記憶装置603はHDD15が相当する。また、画像解析装置604はCPU11が相当し、パラメータ記憶装置605はHDD15が相当し、画像処理装置606はASIC16が相当する。
<機能構成>
図6は、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700の一例の機能ブロック図である(実施例1)。画像処理システム600又はMFP700は、データクレンジング部301、色空間分割部302、代表データ決定部303、色再現特性推定部304、及び色変換部305を有する。なお、データクレンジング部301、色空間分割部302、代表データ決定部303は、例えば画像解析装置604等により実現される。また、色変換部305は、例えば画像処理装置606等により実現される。
データクレンジング部301は、パラメータ記憶装置605に予め格納された第1の画素値対応付けデータに対して、誤りがあるデータや重複があるデータ等を取り除くデータクレンジングを行い、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータを生成する。また、データクレンジング部301は、パラメータ記憶装置605に予め格納された第2の画素値対応付けデータに対してデータクレンジングを行い、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータを生成する。
ここで、第1の画素値対応付けデータとは、原稿画像データと基準画像データの対応する画素値を色成分の組合せごとに対応付けしたデータである。また、第2の画素値対応付けデータとは、原稿画像データとユーザ画像データの対応する画素値を色成分の組合せごとに対応付けしたデータである。
色空間分割部302は、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する。また、色空間分割部302は、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する。
代表データ決定部303は、色空間分割部302により部分色空間に分割された第1のクレンジング済み画素値対応付けデータに対して、部分色空間毎に代表となるデータを決定し、第1の画素値対応付け代表データを生成する。また、代表データ決定部303は、色空間分割部302により部分色空間に分割された第2のクレンジング済み画素値対応付けデータに対して、部分色空間毎に代表となるデータを決定し、第2の画素値対応付け代表データを生成する。
色再現特性推定部304は、第1の画素値対応付け代表データに基づいて基準色再現特性を推定する。また、色再現特性推定部304は、第2の画素値対応付け代表データに基づいてユーザ色再現特性の逆特性を推定する。
色変換部305は、基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて、原稿画像データに色変換を施す。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700の処理の詳細について説明する。
≪基準色再現特性の推定処理≫
図7は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例1)。図7では、パラメータ記憶装置605に予め格納された第1の画素値対応付けデータを用いて、基準色再現特性を推定する処理について説明する。
ステップS701において、データクレンジング部301は、第1の画素値対応付けでデータに対して、誤りがあるデータや重複があるデータ等を取り除くデータクレンジングを行い、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータを生成する。
ここで、画素値対応付けデータは、例えば図8(a)に示すようなデータ構成を有している。図8(a)は、原稿画像データ及び基準画像データがともにRGB画像で、各成分が256階調である場合の画素値対応付けデータの一例である。なお、Rinは原稿画像データのR成分値を、Ginは原稿画像データのG成分値を、Binは原稿画像データのB成分値を示している。また、Rout1は基準画像データのR成分値を、Gout1は基準画像データのG成分値を、Bout1は基準画像データのB成分値を示している。このように画素値対応付けデータは、原稿画像データと基準画像データの対応する画素値の色成分の組合せごとに対応付けしたデータである。
第1の画素値対応付けデータに誤りがあるデータが存在する場合、色再現特性の推定精度が低下する場合があるため、データクレンジングにより、誤りがあるデータを取り除くことで、データの品質を高める。データクレンジング部301が、画素値対応付けデータから誤りがあるデータを取り除く方法としては、次のa)〜c)が挙げられる。
a) 色差を用いる方法
色差とは、L*a*b*色空間やL*u*v*色空間における二つの色の距離である。本実施例は画像出力機器としてプリンタを用いていることからL*a*b*色空間を用いて説明する。L*a*b*色空間の色差ΔE*abは以下の式で定義される。
Figure 2016201620
ここで、(ΔL*, Δa* ,Δb*)はL*a*b*色空間における2色の色度差である。
このとき、原稿画像データの画素と対応する基準画像データの画素との色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)原稿画像データの画素値を、原稿画像データのカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間等)に変換する
(2)基準画像データの画素値をスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間等)に変換する
(3)デバイス非依存の色空間に変換された原稿画像データの画素値と、基準画像データの画素値とをL*a*b*色空間に変換する
(4)上式により画素ごとの色差を求める
原稿画像データと基準画像データの対応する画素同士の色差が求まったら、画素同士の対応付けに誤りがあるか(すなわち、誤ったデータであるか)を定量的に評価することができる。つまり、データクレンジング部301は、色差が予め設定された所定の値を超える場合は、原稿画像データと基準画像データの対応する位置にはない画素同士である(すなわち、対応付けに誤りがある)と判定する。そして、データクレンジング部301は、画素値の対応付けに誤りがあると判定されたデータを、画素値対応付けデータから取り除けばよい。このようにして、データクレンジング部301は、画素値対応付けデータから誤ったデータを取り除くことができる。
なお、上記では色差式にCIE1976色差式を用いて説明したが、これに限られず、例えばCIE1994色差式やCIE2000色差式、CMC(I:c)色差式等を用いてもよい。
b) 色相差を用いる方法
L*a*b*色空間の色相差ΔH*abは、次式で定義される。
Figure 2016201620
ここで、(ΔL*, Δa* ,Δb*)はL*a*b*色空間における2色の色度差である。また、ΔC*abは、次式で定義される。
Figure 2016201620
原稿画像データの画素と基準画像データの対応する画素同士の色相差を求める手順は、上記a)と同様に(1)〜(3)の手順を行った後、上式により画素ごとの色相差を算出すればよい。次に、データクレンジング部301は、上記a)と同様に、色相差が予め設定された所定の閾値を超える場合には、原稿画像データと基準画像の対応する位置にはない画素同士である(すなわち、対応付けに誤りがある)と判定する。そして、データクレンジング部301は、画素値の対応付けに誤りがあると判定されたデータを、画素値対応付けデータから取り除けばよい。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる方法
所定の色空間において、原稿画像データの画素と基準画像データの対応する画素との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。例えば、RGB色空間では、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、及びB成分の絶対値の差を用いる。
原稿画像データの画素と基準画像データの対応する画素との差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)原稿画像データの画素値を、原稿画像データのカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間等)に変換する
(2)基準画像データの画素値をスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間等)に変換する
(3)変換後の色空間において、原稿画像データと基準画像データの対応する画素毎に、各色成分の差の絶対値を求める
次に、データクレンジング部301は、上記a)及びb)と同様に、差の絶対値が予め設定された所定の閾値を超える場合には、原稿画像データと基準画像の対応する位置にはない画素同士である(すなわち、対応付けに誤りがある)と判定する。そして、データクレンジング部301は、画素値の対応付けに誤りがあると判定されたデータを、画素値対応付けデータから取り除けばよい。
なお、各色成分の差の絶対値を定量的に評価する場合、原稿画像データ及び基準画像データの画素値をデバイス非依存の色空間に変換する必要がある。一方、各色成分の差の絶対値を定性的に評価する場合(すなわち、差の絶対値の相対的な傾向で評価する場合)には、デバイス非依存の色空間への変換を省略してもよい。ただし、色空間への変換を省略する場合、原稿画像データと基準画像データとは同じ色空間である必要がある。
また、同様に、第1の画素値対応付けデータに重複したデータが存在する場合、基準色再現特性の推定精度が低下する場合があるとともに、データ数の増加により処理速度が低下するため、重複したデータを取り除くことで、データの品質を高める。重複したデータが存在する場合とは、例えば図8(b)に示すように、第1の画素値対応付けデータにおいて、原稿画像データの色成分の組合せ(Rin, Gin, Bin)が同一であるデータのことである。
このような重複したデータを取り除く方法としては、例えば、重複したデータの平均値、中央値、又は最頻値等を用いる方法が挙げられる。図8(c)に、図8(b)に示す画素値対応付けデータにおける重複したデータを、これらの重複したデータの平均値で統合した例を示す。図8(c)に示す例では、図8(b)において重複している6件のデータを、これら6件のデータの平均値である1件データに統合することで、5件のデータ削減を行っている。
ステップS702において、色空間分割部302は、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する。すなわち、色空間分割部302は、原稿画像データの色成分値に応じて、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータを部分色空間に分割する。このとき、色空間分割部302が第1のクレンジング済み画素値対応付けデータを部分色空間に分割する基準には、a)〜d)が挙げられる。なお、原稿画像データ及び基準画像データがともにRGB画像で、各成分が256階調である場合を一例として説明する。
a) 等間隔で分割する
第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ内の原稿画像データの色空間の各軸を、予め設定された間隔で分割又は予め設定された分割数で間隔を決定することにより分割する。これにより、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間が同一体積の部分色空間に分割される。図9に示す例では、R軸、G軸、及びB軸のそれぞれを等間隔で2分割されている。
b) 不等間隔で分割する
第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ内の原稿画像データの色空間の各軸の各階調に属するデータ数を用いて、分割された際のデータ数が所定の数又は割合となるように、分割する間隔を決定する。図10(a)に示す例では、R軸、G軸、及びB軸のそれぞれを不等間隔で分割されている。このような不等間隔で分割する方法には、b−1)〜b−2)の方法が挙げられる。
b−1) 各軸の各階調に属するデータ数の累積頻度を用いる方法
各軸の各階調に属するデータ数の累積頻度を等間隔で区切り、区切り位置に対応する階調で分割する。図10(b)に示す例では、0から255までの256階調を不等間隔に2分割している。この例では、縦軸の累積頻度の最大値を「1.0」としたときに、区切り位置が「0.5」となる階調を求めることにより分割している。すなわち、R軸の累積頻度が「0.5」となる階調「a」、G軸の累積頻度が「0.5」となる階調「b」、B軸の累積頻度が「0.5」となる階調「c」を求めることにより分割している。
b−2) 各軸の各階調に属するデータ数の頻度分布を用いる方法
各軸の階調に属するデータ数の頻度分布を作成し、極小となる階調で分割する。図10(c)に示す例では、R軸の頻度分布が極小となる階調「a」、G軸の頻度分布が極小となる階調「b」、B軸の頻度分布が極小となる階調「c」を求めることにより分割されている。
c) 色数同数で分割する
第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ内の原稿画像データの色空間を部分色空間に分割した場合に、各部分色空間に含まれる色数が同数となるように、分割領域を決定する。図11に示す例では、各部分色空間に含まれる色数が同数になるように分割している。このように色空間を分割する方法の手順の一例を以下に示す。
Step1) 原稿画像データの色数が半数となるR軸の階調「a」を求める。図11に示す例では、原稿画像データの色数「32」が、半数「16」となるR軸の階調「a」を求める。
Step2) R軸の階調が「0」〜「a-1」に含まれる色数が半数となるG軸の階調「b」と、R軸の階調「a」〜「255」に含まれる色数が半数となるB軸の階調「b'」を求める。図11に示す例では。R軸の階調が「0」〜「a-1」に含まれる色数「16」が半数「8」となるG軸の階調「b」を求めている。また、R軸の階調「a」〜「255」に含まれる色数「16」が半数「8」となるB軸の階調「b'」を求めている。
Step3)以下の各領域(1)〜(4)に含まれる色数が半数となるB軸の領域「c」〜「c'''」をそれぞれ求める。
・R軸の階調が「0」〜「a-1」、かつ、G軸の階調が「0」〜「b-1」である領域(1)
・R軸の階調が「0」〜「a-1」、かつ、G軸の階調が「b」〜「255」である領域(2)
・R軸の階調が「a」〜「255」、かつ、G軸の階調が「0」〜「b-1」である領域(3)
・R軸の階調が「a」〜「255」、かつ、G軸の階調が「b」〜「255」である領域(4)
図11に示す例では、領域(1)に含まれる色数「8」が半数「4」となるB軸の階調「c」、領域(2)に含まれる色数「8」が半数「4」となるB軸の階調「c'」を求めている。また、領域(3)に含まれる色数「8」が半数「4」となるB軸の階調「c''」、領域(4)に含まれる色数「8」が半数「4」となるB軸の階調「c'''」を求めている。このようにして求められた各階調で、色空間を分割すればよい。
なお、上記では、各軸を分割する順番をR軸、G軸、B軸の順としたが、これに限られず、任意の順番で分割してもよい。
d) クラスタ分析を用いて分割する
原稿画像データに含まれる各画素に対してクラスタ分析を用いて分割領域を決定する方法である。ここで、クラスリングの方法としては、例えば、K-meansアルゴリズム等が挙げられる。K-meansアルゴリズムとは、予め定めたクラスタ数KとそのK個のクラスタ中心をランダムに決め、サンプル点をK個のクラスタ中心との距離を計算し、最も近いクラスタに分類することで、クラスタリングを行う手法である。クラスタリング時に、同一クラスタに該当するサンプル点の重心を計算し、クラスタ中心の更新を繰り返し、クラスタ中心の更新が収束したら処理を終了させる。分割数(クラスタ数K)は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数等に応じて経験的に決定する方法等が挙げられる。
図12に示す例では、K-meansアルゴリズムを用いて、原稿画像データの各画素をK=8個のクラスタに分割している。なお、図12に示す例において図中の数字は、クラスタ番号(1〜8)である(すなわち、原稿画像データの各画素の色空間が8個の部分色空間に分割されている)。このように、K-meansアルゴリズム等のクラスタリングの手法を用いて原稿画像データの各画素を複数のクラスタに分類することにより、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間が複数の部分色空間に分類される。
ステップS703において、代表データ決定部303は、色空間分割部302により分割された部分色空間ごとに代表データを決定し、第1の画素値対応付け代表データを生成する。ここで、代表データ決定部303は、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータに含まれる各データについて、例えば、同じ部分色空間に属するデータの平均値、中央値、又は最頻値のいずれかを代表データとすればよい。代表データ決定部303は、各部分色空間ごとに決定された代表データを記録して、第1の画素値対応付け代表データを生成する。
ステップS704において、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する。すなわち、ステップS703で生成された第1の画素値対応付け代表データを用いて、原稿画像データのある画素値が基準画像データのどの画素値に対応付くかを求める。なお、原稿画像データと基準画像データとがともにRGB画像で、各色成分が256階調である場合を一例として説明する。
基準色再現特性の推定とは、第1の画素値対応付け代表データを用いて、原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)から基準画像データの色成分値(Rout1, Gout1, Bout1)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
基準色再現特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2016201620
ここで、Xは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、Yは基準画像データの色成分値[Rout1, Gout1, Bout1]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、次式等が用いられる。
Figure 2016201620
原稿画像データと基準画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rin, Gin, Bin]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。第1の画素値対応付け代表データに記憶されたN個の基準画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応する原稿画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2016201620
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2016201620
ここで、YN及びXNはN個の第1の画素値対応付け代表データ行列を表し、YNは基準画像データの色成分値行列であり、XNは原稿画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2016201620
Figure 2016201620
ここで、Rout1(n)は第1の画素値対応付け代表データに登録されているn番目の基準画像データのR成分値を表し、Rin(n)は第1の画素値対応付け代表データに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout1(n)、Bout1(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2016201620
なお、基準色再現特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、基準色再現特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも第1の画素値対応付け決定データを学習データに用いたニューラルネットワーク等で特性を推定することも可能である。
≪ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理≫
図13は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例1)。図13では、パラメータ記憶装置605に予め格納された第2の画素値対応付けデータを用いて、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する処理について説明する。
ステップS1301において、データクレンジング部301は、第2の画素値対応付けでデータに対して、データクレンジングを行い、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータを生成する。
ここで、画素値対応付けデータは、例えば図14(a)に示すようなデータ構成を有している。図14(a)は、原稿画像データ及びユーザ画像データがともにRGB画像で、各成分が256階調である場合の画素値対応付けデータの一例である。なお、Rinは原稿画像データのR成分値を、Ginは原稿画像データのG成分値を、Binは原稿画像データのB成分値を示している。また、Rout2はユーザ画像データのR成分値を、Gout2はユーザ画像データのG成分値を、Bout2はユーザ画像データのB成分値を示している。このように画素値対応付けデータは、原稿画像データとユーザ画像データの対応する画素値の色成分の組合せごとに対応付けしたデータである。
第2の画素値対応付けデータに誤りがあるデータが存在する場合は、図7のステップS701と略同様であるため、説明を省略する。すなわち、図7のステップS701において「原稿画像データ」を「ユーザ画像データ」、「基準画像データ」を「原稿画像データ」、及び「第1の画素値対応付けデータ」を「第2の画素値対応付けデータ」と読み替えればよい。
次に、第2の画素値対応付けデータに重複したデータが存在する場合について説明する。第2の画素値対応付けデータに重複したデータが存在する場合、ユーザ色再現特性の逆特性の推定精度が低下する場合があるとともに、データ数の増加により処理速度が低下するため、重複したデータを取り除くことで、データの品質を高める。重複したデータが存在する場合とは、例えば図14(b)に示すように、第2の画素値対応付けデータにおいて、ユーザ画像データの色成分の組合せ(Rout2, Gout2, Bout2)が同一であるデータのことである。このように、図7のステップS701と異なり、重複しているデータが原稿画像データの色成分の組合せ(Rin, Gin, Bin)ではなく、ユーザ画像データの色成分の組合せ(Rout2, Gout2, Bout2)である。これは、後述する処理で推定するユーザ色再現特性の逆特性は、ユーザ画像データの色成分値(Rout2, Gout2, Bout2)から原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)への色変換の対応関係を表す色変換特性であるためである。つまり、ユーザ色再現特性の逆特性では、原稿画像データの一の色成分値(Rin, Gin, Bin)に対して、ユーザ画像データの色成分値(Rout2, Gout2, Bout2)が複数存在する場合があるためである。
なお、重複したデータを取り除く方法は、図7のステップS701で挙げた方法と同様の方法を用いればよい。例えば、図14(c)に示す例では、図14(b)において重複している6件のデータを、これら6件のデータの平均値である1件データに統合することで、5件のデータ削減を行っている。
ステップS1302において、色空間分割部302は、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する。この処理は、図7のステップS702において「原稿画像データ」を「ユーザ画像データ」、「基準画像データ」を「原稿画像データ」、及び「第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ」を「第2のクレンジング済み画素値対応付けデータ」と読み替えればよい。
ステップS1303において、代表データ決定部303は、色空間分割部302により分割された部分色空間ごとに代表データを決定し、第2の画素値対応付け代表データを生成する。この処理は、図7のステップS703において、「第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ」を「第2のクレンジング済み画素値対応付けデータ」と読み替えればよい。
ステップS1304において、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する。すなわち、ステップS1303で生成された第2の画素値対応付け代表データを用いて、ユーザ画像データのある画素値が原稿画像データのどの画素値に対応付くかを求める。なお、ユーザ画像データと原稿画像データとがともにRGB画像で、各色成分が256階調である場合を一例として説明する。
ユーザ色再現特性の逆特性の推定とは、第2の画素値対応付け代表データを用いて、ユーザ画像データの色成分値(Rout2, Gout2, Bout2)から原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
ユーザ色再現特性の逆特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2016201620
ここで、Xはユーザ画像データの色成分値[Rout2, Gout2, Bout2]t、Yは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、次式等が用いられる。
Figure 2016201620
ユーザ画像データと原稿画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rout2, Gout2, Bout2]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。第2の画素値対応付け代表データに記憶されたN個の原稿画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応するユーザ画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2016201620
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2016201620
ここで、YN及びXNはN個の第2の画素値対応付け代表データ行列を表し、YNは基準画像データの色成分値行列であり、XNは原稿画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2016201620
Figure 2016201620
ここで、Rout2(n)は第2の画素値対応付け代表データに登録されているn番目のユーザ画像データのR成分値を表し、Rin(n)は第2の画素値対応付け代表データに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout2(n)、Bout2(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2016201620
なお、ユーザ色再現特性の逆特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした値を含む多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、ユーザ色再現特性の逆特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも第2の画素値対応付け代表データを学習データに用いたニューラルネットワーク等で特性を推定することも可能である。
≪色変換処理≫
続いて、色変換処理の詳細について説明する。図15は、色変換処理の一例のフローチャートである(実施例1)。
ステップS1501において、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する。すなわち、図7を用いて説明した基準色再現特性の推定処理を行う。
ステップS1502において、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する。すなわち、図13を用いて説明したユーザ色再現特性の逆特性の推定処理を行う。
ステップS1503において、色変換部305は、推定した基準色再現特性と、ユーザ色再現特性の逆特性とを評価する。
色再現特性が妥当か否かを判断するのは、この特性で色変換を実行することに意味があるか否かを判断するためであり、色変換の収束判定と換言することもできる。このため、ステップS1503と、次のステップS1504とは必要に応じて省略してもよい。色変換を実行する意味がない例としては、次のようなものが挙げられる。
a)推定した色再現特性の推定精度が極端に低いケース
このような場合、色変換を施しても基準印刷物の色に合わせることができないので変換しないことが好ましい。
b)色変換の変換前後で画像データがほとんど変化しないケース
このような場合、色変換を実行する意味がない。
c)色変換の変換前後で画像データが極端に変化するケース
このような場合、色変換はユーザ印刷物の色を大きく変化させるので変換しないことが好ましい。
上記a)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、実測値と推定値がどれだけ離れているかが挙げられる。基準色再現特性を例にとれば、第1の画素値対応付けデータに登録されている基準画像データの値(実測値)と基準色再現特性で推定した値(推定値)の差を用いる。
この離れ具合を測る尺度の例としては、
・実測値と推定値の差の絶対値を累積した値
・実測値と推定値の二乗を累積した値
・実測値と推定値の差の絶対値の最大値
・実測値と推定値との相関係数
等が挙げられる。
また、上記b)、c)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、色変換において画素値がどれだけ変換するかが挙げられる。RGB色空間を例に取れば、変換前後のR成分値の差、変換前後のG成分値の差、変換前後のB成分値の差を用いる。
この変換度合いを測る尺度の例としては、
・変換前後の画素値の差の絶対値を累積した値
・変換前後の画素値の差の二乗を累積した値
・変換前後の画素値の差の絶対値の最大値
等が挙げられる。
これらの尺度で計測して得られる評価値が予め決められた所定の範囲内に存在することで、色再現特性が妥当であると判断することができる。
ステップS1504において、色変換部305は、推定した色再現特性が妥当であれば(ステップS1504のYes)、次ステップS1505に進み、そうでなければ(ステップS1504のNo)、処理を終了する。
ステップS1505において、色変換部305は、原稿画像データを色変換する。すなわち、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに色変換を施し、原稿画像データを更新する。
推定した基準色再現特性S(P1(x))と、ユーザ色再現特性S(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))を用いて原稿画像データに色変換を施す手順の一例を以下に示す。
(1)基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s= S(P1(a))を得る
(2)ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b= P2 -1(S-1(s))を得る。すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を求める
(3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって、一連の流れが完了する。色変換は、予め定められた所定の回数だけ繰り返し行われてもよい。
(実施例2)
本実施例では、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータや第2のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する際に、原稿画像データやユーザ画像データの色空間を色相、明度、彩度が表現可能な色空間に変換する。これにより、例えば、色相、明度、又は彩度毎に偏りがある場合(狭い範囲内に集まっている)においても、高速かつ高精度で色合わせを行うことができるようになる。なお、本実施例では、実施例1と実質的に同一の処理を行う箇所については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<処理の詳細>
≪基準色再現特性の推定処理≫
図16は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例2)。
ステップS1601において、色空間分割部302は、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ内の原稿画像データを、色相、明度、彩度を表現可能な色空間に変換する。ここで、色相、明度、彩度を表現可能な色空間としては、例えば、HSV色空間、HLS色空間、YCbCr色空間、L*a*b*色空間、L*u*v*色空間等が挙げられる。
ステップS1602において、色空間分割部302は、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する。すなわち、色空間分割部302は、ステップS1601で変換した色空間において、原稿画像データの色成分値に応じて、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータを部分色空間に分割する。このとき、色空間分割部302が第1のクレンジング済み画素値対応付けデータを部分色空間に分割する基準には、a)〜d)が挙げられる。なお、ステップS1601で原稿画像データの色空間をL*a*b*色空間に変換した場合を一例として説明する。ここで、L*a*b*色空間における色相hと彩度C*は次式で表される。
Figure 2016201620
a) 色相で分割する
L*a*b*色空間における色相hと彩度C*の値を用いて、色相で部分色空間に分割する方法である。図17は、L*a*b*色空間において色相ごとに色空間を分割した例である。図17において、領域(1)は彩度C*が所定の閾値以下の無彩色を表す領域であり、領域(2)は色相hが所定の範囲内の「red」を表す領域である。同様に、領域(3)は「yellow」を、領域(4)は「green」を、領域(5)は「cyan」を、領域(6)「blue」を、領域(7)は「magenta」を表す領域である。分割数や分割するための彩度C*の閾値や色相hは、例えば、経験的に決められた所定の値を用いてもよいし、各領域に色数が同数となるように決定してもよい。
b) 明度で分割する
L*a*b*色空間における明度L*の値を用いて、明度で部分色空間に分割する方法である。図18は、L*a*b*色空間において明度ごとに色空間を分割した例である。分割数や分割するためのL*の閾値は、例えば、経験的に決められた所定の値を用いてもよいし、各領域に色数が同数となるように決定してもよい。
c) 彩度で分割する
L*a*b*色空間における彩度C*の値を用いて、彩度で部分色空間に分割する方法である。図19は、L*a*b*色空間において彩度ごとに色空間を分割した例である。分割数や分割するためのC*の閾値は、例えば、経験的に決められた所定の値を用いてもよいし、各領域に色数が同数となるように決定してもよい。
d) クラスタ分析を用いて分割する
原稿画像データの色空間をL*a*b*色空間に変換した各画素に対してクラスタ分析を用いて分割領域を決定する方法である。図20は、原稿画像データの各画素のa*とb*の値をK-meansアルゴリズムを用いてK=8個のクラスタに分割した例である。なお、図20に示す例において図中の数字は、クラスタ番号(1〜8)である。
なお、ステップS1602で、色空間分割部302は、上記で説明したa)〜c)のうちの1以上の方法を組み合わせて部分色空間に分割してもよい。例えば、上記a)の方法で色相を分割した後、各色相において、上記b)又はc)の方法でさらに色空間を分割してもよい。
≪ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理≫
図21は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例2)。
ステップS2101において、色空間分割部302は、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータ内の原稿画像データを、色相、明度、彩度を表現可能な色空間に変換する。
ステップS2102において、色空間分割部302は、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を部分色空間に分割する。すなわち、色空間分割部302は、ステップS1601で変換した色空間において、ユーザ画像データの色成分値に応じて、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータを部分色空間に分割する。このとき、色空間分割部302が第2のクレンジング済み画素値対応付けデータを部分色空間に分割する基準は、図16のステップS1602で説明したa)〜d)で「基準画像データ」を「ユーザ画像データ」と読み替えた基準を用いればよい。
(実施例3)
本実施例では、部分色空間に分割されたクレンジング済み画素値対応データについて、部分色空間ごとに代表データを1つ決定するのではなく、部分空間に含まれるデータ数に応じて代表データ数を決定する。これにより、予めパラメータ記憶装置605に記憶されている画素値対応付けデータの色空間における分布を考慮しながら、分布の偏りを軽減した画素値対応付け代表データを生成することができる。なお、本実施例では、実施例1と実質的に同一の処理を行う箇所については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<処理の詳細>
≪基準色再現特性の推定処理≫
図22は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例3)。なお、図22のステップS702の処理の代わりに、実施例2の図16のステップS1601及びステップS1602の処理を行ってもよい。すなわち、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を色相、明度、彩度を表現可能な色空間に変換した後、この色空間を部分色空間に分割してもよい。
ステップS2201において、代表データ決定部303は、色空間分割部302により分割された部分色空間ごとに代表データ数を決定する。
代表データ決定部303が部分色空間ごとに代表データ数を決定する方法としては、例えば、予めパラメータ記憶装置605に記憶されているルックアップテーブル(LUT)を用いる方法が挙げられる。
代表データ決定部303は、例えば図23(a)に示すようなルックアップテーブルを用いて代表データ数を決定する。図23(a)に示す例では、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの部分色空間内のデータ数と、代表データ数とが同一である場合を示している。この場合、代表データ決定部303は、部分色空間内の全データを代表データと決定する。
また、代表データ決定部303は、例えば図23(b)に示すようなルックアップテーブルを用いて代表データ数を決定してもよい。図23(b)に示す例では、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの部分色空間内のデータ数が所定の閾値「a」未満である場合、代表データ決定部303は、部分色空間内のデータ数を代表データ数と決定する。一方、部分色空間内のデータ数が「a」以上である場合、代表データ決定部303は、代表データ数を「a」と決定する。
また、代表データ決定部303は、例えば図23(c)に示すようなルックアップテーブルを用いて代表データ数を決定してもよい。図23(c)に示す例では、第1のクレンジング済み画素値対応付けデータの部分色空間内のデータ数が所定の閾値「a」未満である場合、代表データ決定部303は、部分色空間内のデータ数を代表データ数と決定する。一方、部分色空間内のデータ数が「a」以上である場合、代表データ決定部303は、例えば所定の関数値により代表データ数を決定する(図23(a)では、点(a, a)を通る傾き「0.5」の直線を示す関数値を代表データ数と決定している。)。
このような方法で代表データ数を決定することで、第1の画素値対応付けデータの色空間における分布も考慮しながら、分布の偏りを軽減することができる。すなわち、例えば図23(b)や図23(c)のように、元々色数が少ない領域(0から所定の閾値「a」まで)では、データ数を保持する一方、色数が多い領域(閾値「a」以上)ではデータ数を削減することにより、分布の偏りを軽減している。
ステップS2202において、代表データ決定部303は、ステップS2202で決定された代表データ数に応じて部分色空間ごとに代表データを決定し、第1の画素値対応付け代表データを生成する。
ここで、代表データ決定部303は、ステップS2202で決定された代表データ数に応じて、以下の(1)〜(3)のいずれかにより、部分色空間ごとに代表データを決定し、第1の画素値対応付け代表データを生成する。
(1)代表データ数が1である場合
この場合、図7のステップS703と同様の方法で代表データを決定すればよい。
(2)部分色空間内のデータ数と代表データ数とが同一である場合
この場合、部分色空間内のすべてのデータを代表データとすればよい。
(3)部分色空間内のデータ数よりも代表データ数が少ない場合
この場合、部分色空間内をさらに代表データ数で分割し、分割された部分色空間ごとに上記(1)の方法で代表データを決定すればよい。部分色空間を分割する方法は、例えば、図7のステップS702で説明したc)色数同数で分割する方法やd)クラスタ分析を用いて分割する方法が挙げられる。
≪ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理≫
図24は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例3)。なお、上記と同様に、図24のステップS1302の処理の代わりに、実施例2の図21のステップS2101及びステップS2102の処理を行ってもよい。すなわち、第2のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間を色相、明度、彩度を表現可能な色空間に変換した後、この色空間を部分色空間に分割してもよい。
ステップS2401において、代表データ決定部303は、色空間分割部302により分割された部分色空間ごとに代表データ数を決定する。これは、図22のステップS2201で、「第1のクレンジング済み画素値対応付けデータ」を「第2のクレンジング済み画素値対応付けデータ」と読み替えればよい。
ステップS2402において、代表データ決定部303は、ステップS2402で決定された代表データ数に応じて部分色空間ごとに代表データを決定し、第2の画素値対応付け代表データを生成する。これは、図22のステップS2202と同様である。
(実施例4)
本実施例では、第1の画素値対応付けデータ及び第2の画素値対応付けデータを生成する点が実施例1〜実施例3と異なる。すなわち、本実施形態では、第1の画素値対応付けデータ及び第2の画素値対応付けデータは、予めパラメータ記憶装置605に記憶されているのではなく、基準画像データ又はユーザ画像データと、原稿画像データとに基づき生成される。なお、本実施例では、実施例1と実質的に同一の処理を行う箇所については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<機能構成>
図25は、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700の一例の機能ブロック図である(実施例4)。画像処理システム600又はMFP700は、さらに、画像読み取り部306、幾何学変換パラメータ推定部307、及び画素値対応付け部308を有する。なお、画像読み取り部306は、例えば画像入力装置601により実現される。幾何学変換パラメータ推定部307及び画素値対応付け部308は、例えば画像解析装置604により実現される。
画像読み取り部306は、原稿画像データの出力結果である基準印刷物及びユーザ印刷物を読み取り、基準画像データ及びユーザ画像データを生成する。
幾何学変換パラメータ推定部307は、原稿画像データと基準画像データ、原稿画像データとユーザ画像データのそれぞれの幾何学変換パラメータを推定する。
画素値対応付け部308は、幾何学変換パラメータを用いて、原稿画像データの画素に対応する位置の基準画像データの画素を検出し、それらの画素値を色成分の組合せごとに対応付けて、第1の画素値対応付けデータを作成する。また、同様に、画素値対応付け部308は、幾何学変換パラメータを用いて、原稿画像データの画素に対応する位置のユーザ画像データの画素を検出し、それらの画素値を色成分の組合せごとに対応付けて、第2の画素値対応付けデータを作成する。
<処理の詳細>
≪基準色再現特性の推定処理≫
図26は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例4)。なお、図26のステップS702の処理の代わりに、実施例2の図16のステップS1601及びステップS1602の処理を行ってもよい。また、図26のステップS703の処理の代わりに、実施例3の図22のステップS2201及びステップS2202の処理を行ってもよい。
ステップS2601において、画像読み取り部306は、基準印刷物を読み取り、基準画像データを生成する。
ステップS2602において、幾何学変換パラメータ推定部307は、原稿画像データと基準画像データの位置を合わせる。
2つの画像データの位置合わせを行うに先立って、幾何学変換パラメータ推定部307は、原稿画像データを基準とした時の基準画像データの幾何学変換パラメータを求める。幾何学変換パラメータの例としては、変位量、回転角、変倍率等がある。幾何学パラメータの推定には公知の技術を用いればよい。その例としては、マーカーを用いる方法や、マーカーを用いないパターンマッチング法や位相限定相関法等が挙げられる。
a) マーカーを用いる方法
「トンボ」と呼ばれるマーカーを原稿画像データの四隅や各辺の中央に配置したうえで出力し、基準画像データを読み取った際に、このトンボマーカの位置のずれを用いて、変位量や回転角、変倍率を求める方法である。
b) パターンマッチング法を用いる方法
変位量のみを推定する方法の一例としては、テンプレートマッチング法が挙げられる。テンプレートマッチング法は一方の画像をテンプレートとし、位置を少しずつずらしながら他方の画像と一致度を求め、最も一致度の高くなる位置を検出するものである。幾何学変換が変位だけに限定できない場合には、回転角を推定する方法(ハフ変換等)や変倍量を推定する方法(マルチスケール解析等)と組み合わせて利用する必要がある。
テンプレートマッチングを応用したブロックマッチング法では、一方の画像をブロックに分割し、ブロックごとに他方の画像と最も一致度の高くなる位置を検出することにより変位量を求めることができる。ブロックマッチング法では、ブロックごとの変位量から回転角や変倍率を推定することも可能である。
c) 位相限定相関法を用いる方法
高い精度で変位量や回転角、変倍率を求める方法の例として、位相限定相関法(POC、Phase Only Correlation)や回転不変位相限定相関法(RIPOC、Rotation Invariant Phase Only Correlation)がある。位相限定相関法は、画像に対して離散フーリエ変換をかけて得られる位相画像を用い、比較対象の二枚の画像から得られる二つの位相画像の相関が最も高くなる位置を検出することにより、変位量を求める手法である。また、回転不変位相限定相関法は、上記位相画像を対数極座標変換することにより、回転角と変倍率を変換された位相画像上での変位量として検出できるようにしたものである。
以上により幾何学変換パラメータが求まったら、幾何学変換パラメータ推定部307は基準画像データに幾何学変換を実行する。変換に際してサブピクセル精度の移動や何らかの回転、実数値での変倍等により変換前後の画素が一対一で対応付かないようなケースでは、適宜画素補間手法を用いて画素値を導出すればよい。画素補間手法の例としては、バイリニア法、バイキュービック法等が挙げられる。
なお、幾何学変換は必須ではなく、次ステップにおいて原稿画像データと基準画像データにおいて同じ位置の画素を取得する際に、幾何学変換パラメータを用いて座標変換を行い、同じ位置か否かを判断することによって代替してもよい。後者を換言すれば、各画像の原点を基準とする座標系では異なる座標値を保持していても、幾何学変換の結果、同じ座標値となる画素を「同じ位置の画素」と見なすことになる。
原稿画像データを出力して得られた印刷物には画像の周囲に余白が存在するケースが存在する。この様なケースでは、幾何学変換の変位量に余白部分の高さや幅が含まれるため余白部分を参照することはないが、出力画像データにおいて余白部分を排除するように必要な領域を切り出し、各画像における原点の位置を一致させてもよい。
ステップS2603において、画素値対応付け部308は、原稿画像データと基準画像データの同じ位置の画素値を色成分の組合せごとに対応付ける。すなわち、画素値対応付け部308は、原稿画像データと基準画像データの位置合わせが完了したら、二つの画像データにおいて対応する画素の画素値を取得し、これらを色成分の組合せごとに対応付けて、第1の画素値対応付けデータを作成する。なお、画像データを幾何学変換して位置合わせを行う場合には、「対応する画素」とは「同じ位置にある画素」である。一方、画像データを幾何学変換しない場合には、座標変換によって同じ座標値となる位置を「同じ位置」とし、その位置に存在する画素を「対応する画素」と見なす。
画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記録する方法の例としては、リスト形式で記録する方法がある。原稿画像データと基準画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるケースを想定して説明する。画素値のリストへの記録は次の手順で行う。
1)リストを1枚用意する
2)原稿画像データのある座標を選択する
3)2)で選択された原稿画像データの画素のR成分値(Rin)と、G成分値(Gin)と、B成分値(Bin)と、基準画像データの対応する画素のR成分値(Rout1)と、G成分値(Gout1)と、B成分値(Bout1)と、を束ねてリストに追加する
4)これを原稿画像データの全ての座標について繰り返す
これらのリストは必要に応じて昇順や降順に並び替えてもよい。処理を簡略化するために、原稿画像データの全ての座標について繰り返すのではなく、特定の範囲に限定したり、所定の刻み幅で座標を移動したりしてもよい。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図27に示す。図27では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分に基準画像データの対応する画素各成分値(Rout1, Gout1, Bout1)が記録されている。
なお、第1の画素値対応付けデータを生成する際には、画像データ(原稿画像データ、基準画像データ)のコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であり、画素値の対応付けに誤りが発生する可能性があるためである。画素値対応付けに誤りが発生すると、後述する色再現特性の推定精度を低下させてしまう。
輪郭部分を検出する方法としては、例えば、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法がある。
二値化を用いる方法としては、例えば、画像データを所定の閾値で白黒に二値化し、白い領域と黒い領域とが隣接する箇所を輪郭部分として判断する方法がある。
エッジ検出を用いる方法としては、例えば、画像データからSobel法などを用いてエッジ画像を生成し、これを所定の閾値で二値化して閾値以上の画素を輪郭部分として判断する方法がある。
なお、輪郭部分を除去せずに、上記の推定精度の低下を緩和する方法もある。例えば、画像データを平滑化して輪郭部分を滑らかにし、輪郭部分で出現する色差を低減するというものである。平滑化には、平均化フィルタやローパスフィルタなど従来技術を用いればよい。
≪ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理≫
図28は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例4)。なお、図28のステップS1302の処理の代わりに、実施例2の図21のステップS2101及びステップS2102の処理を行ってもよい。また、図28のステップS1303の処理の代わりに、図24のステップS2401及びステップS2402の処理を行ってもよい。
ステップS2801〜ステップS2803の処理は、それぞれ図26のステップS2601〜ステップS2601において「原稿画像データ」を「ユーザ画像データ」、「基準画像データ」を「原稿画像データ」、「第1の画素値対応付けデータ」を「第2の画素値対応付けデータ」と読み替えれば、同様であるため説明を省略する。なお、ステップS2803において、リスト形式で記録したデータの一例を図28に示す。図10では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分にユーザ画像データの対応する画素各成分値(Rout2, Gout2, Bout2)が記録されている。
≪色変換処理≫
図30は、色変換処理の一例のフローチャートである(実施例4)。
ステップS3001において、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する。すなわち、色再現特性推定部304は、図26を用いて説明した基準色再現特性の推定処理を行う。なお、本ステップは1回だけ実行すればよい。仮に複数回実行する場合、本ステップで使用する原稿画像データはオリジナルのものを用い、色変換後のものを用いないことに留意する必要がある。
ステップS3002において、例えばユーザは、ユーザプリンタ200で原稿画像データを印刷する。ユーザプリンタ200を用いて原稿画像データを印刷することにより、ユーザ印刷物を得る。
ステップS3003において、色変換部305は、ユーザ印刷物を評価する。
ユーザ印刷物の品質を評価する方法の例として、基準印刷物との色差を用いる方法がある。他の例としては、色相差を用いる方法や、各色成分の差の絶対値を用いる方法もある。
a) 色差を用いる評価方法
基準印刷物とユーザ印刷物の色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ印刷物を(1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)デバイス非依存の色空間に変換された基準画像データとユーザ画像データとをL*a*b*色空間に変換する
(5)L*a*b*色空間の色差ΔE*abの定義式により画素ごとの色差を求める
基準印刷物とユーザ印刷物とを同じスキャナ300で読み取るとしているが、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の元で、二つの印刷物を別々のスキャナ300で読み取ってもよい。
スキャナ300を一台のみ使用する場合には、カラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではない。色差の値を定量的に評価するケースでは、絶対的な値が重要であるためデバイス非依存の色空間への変換が必要であるが、色差の値を定性的に評価するケースでは相対的な傾向がつかめればよいためデバイス非依存の色空間への変換を省略してもよい。
画素ごとの色差が求まったら、この情報を統計的に分析し、ユーザ印刷物の品質を定量的に評価することができる。分析方法の例としては、色差の平均値、最大値、値の分布、分散などが挙げられる。
品質が十分であるか否かの判断は、
・平均色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・最大色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・分散が所定の値以内に収まっているか否か、
等の基準で判断することができる。なお、ユーザ印刷物の品質を評価する際には、画像データのコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、
・後の処理で必要な位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であること、
・プリンタによって輪郭部分の再現性が異なること (色味やシャープなど)
等の理由から、輪郭部分で大きな色差が出現する可能性があるためである。
輪郭部分を検出する方法の例としては、上述したように、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法が挙げられる。また、輪郭部分を除去せずに、上記課題を緩和する方法もある。
また、上記例では色差式にCIE1976色差式を用いて説明したが、この色差式に限定されるものではなく、CIE1994色差式やCIE2000色差式、CMC(1:c)色差式などを用いてもよい。
b) 色相差を用いる評価方法
基準印刷物とユーザ印刷物の色相差を求める手順は色差を求める手順と同じであるが、色差ではなく色相差ΔH*abを算出する。また、統計的な分析方法や品質の判定方法も同様である。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる評価方法
所定の色空間において、基準印刷物とユーザ印刷物との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。RGB色空間を例に取れば、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、B成分値の絶対値の差を用いる。
基準印刷物とユーザ印刷物の各色成分の差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ印刷物を(1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間等)に変換する
(4)変換後の色空間において、画素ごとに各色成分値の差の絶対値を求める
なお、色差のケースと同様に、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではなく、スキャナ300のデバイス依存の色空間で直接差の絶対値を求めてもよい。また、統計的な分析方法や品質の判定方法は色差のケースと同様である。
ステップS3004において、色変換部305は、ユーザ印刷物の品質が十分であれば(ステップS3004でYes)、処理を終了し、そうでなければ(ステップS3004でNo)、次ステップS3005に進む。
ステップS3005において、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する。すなわち、色再現特性推定部304は、図28を用いて説明したユーザ色再現特性の逆特性の推定処理を行う。
ステップS3006において、色変換部305は、色変換の回数が所定の回数に達したか否かを判定する。色変換部305は、色変換の回数が所定の回数に達している場合(ステップS3006でYes)処理を終了し、そうでなければ(ステップS3006でNo)。ステップS3002に戻る。色変換は1回だけ実行されても、十分な色変換が実現できると考えられるが複数回実行することで色合わせの精度を向上できる。なお、次のループで用いられる原稿画像データは、色変換後のものである。
本実施例では、スキャナ300で読み取った際に使用された色空間をそのまま使用しているが、この色空間はデバイス依存の色空間であるため、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することが望ましい。デバイス非依存の色空間の例としては、デバイス非依存のRGB色空間、XYZ色空間などが挙げられる。更に、L*a*b*色空間など均等色空間に変換すればなおよい。
スキャナ300で読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、または原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がCMYK色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがRGB色空間であっても構わない。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
100 コンピュータ
200 ユーザプリンタ
300 スキャナ
400 基準プリンタ
500 ネットワーク
600 画像処理システム
601 画像入力装置
602 画像出力装置
603 画像記憶装置
604 画像解析装置
605 パラメータ記憶装置
606 画像処理装置
301 データクレンジング部
302 色空間分割部
303 代表データ決定部
304 色再現特性推定部
305 色変換部
306 画像読み取り部
307 幾何学変換パラメータ推定部
308 画素値対応付け部
特開2013−30996号公報

Claims (10)

  1. 第一の画像出力手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、
    読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第一のクレンジング済み画素値対応付けデータと、読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第二のクレンジング済み画素値対応付けデータとを生成するデータクレンジング手段と、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間と、前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間とを複数の部分色空間に分割する色空間分割手段と、
    前記分割された前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第一の画素値対応付け代表データと、前記分割された前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第二の画素値対応付け代表データとを生成する代表データ決定手段と、
    前記第一の画素値対応付け代表データに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付け代表データに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、
    前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と
    を有する画像処理装置。
  2. 前記色空間分割手段は、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータ及び前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータのそれぞれの色空間を、該色空間の各軸を予め設定された所定の間隔で分割する、請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記色空間分割手段は、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータ及び前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータのそれぞれの色空間を、該色空間の各軸の頻度分布又は累積頻度分布に基づき分割する、請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記色空間分割手段は、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータ及び前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータのそれぞれの色空間を、クラスタ分析に基づき分割する、請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記色空間分割手段は、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータ及び前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータのそれぞれの色空間を、色相、明度、及び彩度が表現可能な色空間に変換し、
    該変換後のそれぞれの色空間を、色相、明度、又は彩度のうち少なくとも1つを用いて分割する、請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記色空間分割手段は、
    前記変換後のそれぞれの色空間を、色相、明度、又は彩度のうち少なくとも1つを用いたクラスタ分析に基づき分割する、請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記代表データ決定手段は、
    前記色空間分割手段が分割した複数の部分色空間に含まれるデータ数に応じて、前記代表とするデータ数を決定する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータと、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータとを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、
    前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータと、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータとを生成する画素値対応付け手段と、
    を有し、
    前記データクレンジング手段は、
    前記画素値対応付け手段により生成された第一の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第一のクレンジング済み画素値対応付けデータと、前記画素値対応付け手段により生成された第二の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第二のクレンジング済み画素値対応付けデータとを生成する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 第一の画像出力手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置における画像処理方法であって、
    読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第一のクレンジング済み画素値対応付けデータと、読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第二のクレンジング済み画素値対応付けデータとを生成するデータクレンジング手順と、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間と、前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間とを複数の部分色空間に分割する色空間分割手順と、
    前記分割された前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第一の画素値対応付け代表データと、前記分割された前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第二の画素値対応付け代表データとを生成する代表データ決定手順と、
    前記第一の画素値対応付け代表データに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付け代表データに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手順と、
    前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手順と
    を有する画像処理方法。
  10. 原稿画像データから第一の出力結果を出力する第一の画像出力機と、前記原稿画像データから第二の出力結果を出力する第二の画像出力機と、前記第一の出力結果及び前記第二の出力結果を読み取ってそれぞれ第一の出力画像データ及び第二の出力画像データを生成する読み取り装置と、前記第二の出力結果の色を前記第一の出力結果において再現するための処理を行う画像処理装置とを有する画像処理システムであって、
    前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第一のクレンジング済み画素値対応付けデータと、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをデータクレンジングした第二のクレンジング済み画素値対応付けデータとを生成するデータクレンジング手段と、
    前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間と、前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの色空間とを複数の部分色空間に分割する色空間分割手段と、
    前記分割された前記第一のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第一の画素値対応付け代表データと、前記分割された前記第二のクレンジング済み画素値対応付けデータの複数の部分色空間毎に代表とするデータを決定した第二の画素値対応付け代表データとを生成する代表データ決定手段と、
    前記第一の画素値対応付け代表データに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付け代表データに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、
    前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と
    を有する画像処理システム。
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