JP2016201382A - 太陽電池用パッシベーション膜形成方法及び太陽電池用パッシベーション膜形成装置 - Google Patents

太陽電池用パッシベーション膜形成方法及び太陽電池用パッシベーション膜形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない材料でかつシンプルな工程で低コストに太陽電池用パッシベーション膜を形成する。
【解決手段】p型またはn型の導電型を持つ結晶シリコン基板よりキャリア濃度が高い、p型の導電型を持つp領域とn型の導電型を持つn領域とが一方の表面に形成された当該結晶シリコン基板の、当該一方の表面にパッシベーション膜を形成する方法であって、有機金属を含むプリカーサガスをp領域の表面に選択的に噴き付けてプリカーサ層を形成するプリカーサ層形成ステップと、少なくともプリカーサ層を酸化ガス雰囲気に曝すことにより酸化させて金属酸化膜を形成する酸化ステップと、とを実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高効率な太陽電池を製造するための太陽電池用パッシベーション膜形成方法及び太陽電池用パッシベーション膜形成装置に関する。
結晶シリコン太陽電池の光電変換効率を向上させる手法として、近年では受光面の電極を廃して電極の影による光学的損失を無くした、いわゆるバックコンタクト型太陽電池が広く検討されるようになってきた。図12は、バックコンタクト型の太陽電池10の基本構造の一例を示す図である。結晶シリコン基板11の非受光面に、p型の導電性を付与する添加物が高濃度拡散されたp領域12とn型の導電性を付与する添加物が高濃度拡散されたn領域13とが交互に形成されている。光励起されたキャリアの再結合による損失を低減するため、p領域12の表面とn領域13の表面はそれぞれパッシベーション膜14a、14bで覆われ、基板101の受光面の表面とパッシベーション膜14a、14bの表面はそれぞれ保護膜15a、15bで覆われている。また、p領域12とn領域13には、それぞれ電極16が形成される。更に、結晶シリコン基板11の受光面には、数ミクロンの凹凸をもった光閉じ込めのためのテクスチャが形成される(図示省略)。
p型シリコンであるp領域12の表面を覆うパッシベーション膜14aには、一般に負電荷を持つ酸化アルミを適用するのが効果的であり、n型シリコンであるn領域13の表面を覆うパッシベーション膜14bには、一般に正電荷を持つ窒化シリコンを適用するのが効果的であることが知られている。酸化アルミや窒化シリコンによる膜は、一般にプラズマCVDや原子層堆積といった方法で形成される。そのため、バックコンタクト型太陽電池の非受光面に形成する場合、膜の形成後にp領域12やn領域13の形状に合わせたパターニングが必要になる。パターニング方法としては、残したい領域をレジストでパターン形成し基板を酸溶液中でエッチングして除去したい領域を除去する方法や、特許文献1のように除去したい領域にエッチングペーストを塗布して当該領域を溶解する方法などが挙げられる。
特開2008−010746号公報
酸化アルミや窒化シリコンによるパッシベーション膜をプラズマCVDや原子層堆積といった方法で形成する場合、高濃度領域の形状に合わせたパターニングをする必要がある。そのため、例えばレジストを用いる場合は、膜形成後のレジストコートの際にレジストを多用することに加え、以後、パターン露光、現像、エッチング、レジスト除去といった複数の工程を経る必要があり、コストが高くなるという問題があった。
本発明の目的は、少ない材料でかつシンプルな工程で低コストにパッシベーション膜を形成可能な太陽電池用パッシベーション膜形成方法及び太陽電池用パッシベーション膜形成装置を提供することにある。
(1)本発明の太陽電池用パッシベーション膜形成方法は、p型またはn型の導電型を持つ結晶シリコン基板よりキャリア濃度が高い、p型の導電型を持つp領域とn型の導電型を持つn領域とが一方の表面に形成された当該結晶シリコン基板の、当該一方の表面にパッシベーション膜を形成する方法であって、有機金属を含むプリカーサガスをp領域の表面に選択的に噴き付けてプリカーサ層を形成するプリカーサ層形成ステップと、少なくともプリカーサ層を酸化ガスに曝すことにより酸化させて金属酸化膜を形成する酸化ステップと、とを実行する。これにより、p領域に対するパッシベーション膜である金属酸化膜をp領域に選択的に製膜できる。そのため、基板全面に金属酸化膜を製膜する必要がないことで製膜材料を節減でき、かつ、工程もシンプルであるため、低コストで金属酸化膜を製膜することができる。
(2)プリカーサ層形成ステップにおいて、プリカーサガスを吐出するプリカーサガス吐出口の、結晶シリコン基板に対する相対位置を、結晶シリコン基板の表面に平行な方向に変化させるとよい。このようにすると、結晶シリコン基板の表面に沿って相対的に移動するパターンに応じてプリカーサ層を形成することができる。
(3)酸化ステップにおいて、酸化ガスを吐出する酸化ガス吐出口の結晶シリコン基板に対する相対位置を、当該酸化ガス吐出口に対して垂直かつ結晶シリコン基板に対して平行な方向に変化させてもよい。このように酸化ガス吐出口と結晶シリコン基板との相対的な位置関係を変化させつつ、プリカーサ層が形成されたp領域の表面に酸化ガスを噴き付けて酸化させることで、容易に金属酸化膜を形成することができる。
(4)プリカーサガス吐出口は配列方向に沿って複数設けられ、プリカーサ層形成ステップにおいて、複数のプリカーサガス吐出口の、結晶シリコン基板に対する相対位置を、当該配列方向に対して垂直かつ前記結晶シリコン基板に対して平行な方向に変化させるとよい。このようにプリカーサガス吐出口と結晶シリコン基板との相対的な位置関係を変化させつつ各プリカーサガス吐出口からプリカーサガスを吐出することで、基板面に縞状やマトリックス状に形成されたp領域の表面に容易にプリカーサ層を形成することができる。
(5)酸化ステップにおいて、酸化ガスを吐出する直線状の酸化ガス吐出口の結晶シリコン基板に対する相対位置を、配列方向に対して垂直かつ結晶シリコン基板に対して平行な方向に、プリカーサガス吐出口に追随して変化させるとよい。このようにすれば、プリカーサガス吐出部が移動しながら連続的に形成するプリカーサ層を、酸化ガス吐出部220も移動しながら酸化して、連続的に金属酸化膜を形成することができる。なお、「追随して」とは、プリカーサガス吐出口と先に対向した結晶シリコン基板の表面の領域に、酸化ガス吐出口が後から対向するように移動することを指す。
(6)酸化ステップでは、n領域の表面についても酸化ガスに曝すようにしてもよい。n型シリコンの表面に単に正電荷を内蔵する保護膜を形成するだけでも、その電界効果によってn型シリコン表面におけるパッシベーション効果を得ることができる。しかし、このようにn型シリコンの表面に直接保護膜を形成するとシリコンとの界面における欠陥密度が高くなる傾向がある。そこで本発明では、保護膜の形成に先立ち、n領域の表面を酸化ガス雰囲気に曝して極薄のシリコン酸化膜をn領域に熱化学的に形成する。これにより、シリコン酸化膜とシリコンとの界面の欠陥密度を低くすることができ、保護膜を直接n型シリコン表面に形成するのに比べて高いパッシベーション効果が得られるため、変換効率を向上することができる。
(7)プリカーサ層形成ステップと酸化ステップを、所定の金属酸化膜厚が得られるまで繰り返すことで、パッシベーション効果を十分に得ることができる。
(8)プリカーサ層の形成に使用するプリカーサガスとしては、不活性ガスを含む混合気体が好適である。これにより、不活性ガスがキャリアガスとして機能し、円滑に有機金属を含むガスを吐出することができる。(9)プリカーサガスに含有させる有機金属としては、高い反応性が期待できるアルキルアルミニウムが好適である。
(10)プリカーサ層の酸化に使用する酸化ガスとしては、酸素、オゾン、及び水のいずれか、またはそれらの組み合わせが好適である。これにより、プリカーサ層だけでなくn領域表面も含め、より高い酸化反応を得ることができる。(11)酸化ガスとして、水またはオゾンと不活性ガスとの混合気体を用いると特によい。これにより、不活性ガスがキャリアガスとして機能し、円滑に酸化ガスを吐出することができる。
(12)本発明の太陽電池用パッシベーション膜形成装置は、p型またはn型の導電型を持つ結晶シリコン基板よりキャリア濃度が高い、p型の導電型を持つp領域とn型の導電型を持つn領域とが一方の表面に形成された当該結晶シリコン基板の、当該一方の表面にパッシベーション膜を形成する装置であって、p領域に向けて有機金属を含むプリカーサガスを吐出する、直線状に配置された複数のプリカーサガス吐出口と、互いに隣接する前記プリカーサガス吐出口を隔て、余剰のプリカーサガスを吸引し排気するプリカーサガス排気口と、を備えるプリカーサガス吐出部と、少なくともp領域に向けて酸化ガスを吐出する直線状の酸化ガス吐出口を備える酸化ガス吐出部と、を備える。プリカーサガスをp領域に噴き付ける際、余分に吐出したプリカーサガスを排出口から吸引し排気するため、p領域に対するパッシベーション膜である金属酸化膜をp領域に選択的に製膜できる。そのため、基板全面に金属酸化膜を製膜する必要がないことから製膜材料を節減でき、かつ、工程もシンプルであるため、低コストで金属酸化膜を製膜することができる。
(13)プリカーサガス吐出部は、配列方向に沿って、p領域と同数のプリカーサガス吐出口を備え、結晶シリコン基板に対する相対位置を、当該配列方向に対して垂直かつ結晶シリコン基板に対して平行な方向に変化させるように、結晶シリコン基板に対して相対的に移動するとよい。プリカーサガス吐出口と結晶シリコン基板との相対的な位置関係を変化させつつ各プリカーサガス吐出口からプリカーサガスを吐出することで、基板面に縞状やマトリックス状に形成されたp領域の表面に容易にプリカーサ層を形成することができる。
(14)各前記プリカーサガス吐出口の前記配列方向における開口幅と各吐出口から吐出されるプリカーサガスがそれぞれ噴き付けられる各p領域の幅との関係につき、各吐出口の開口幅がこれに対応する各p領域の幅以下となるように構成するのが望ましい。プリカーサガスは吐出されることにより、ある程度の拡散が生じるのは避けられないため、拡散を考慮して吐出口の開口幅を狭めに設定することで、プリカーサガスの噴き付け範囲をp領域の範囲内に制御することができる。
(15)酸化ガス吐出部を、前記結晶シリコン基板との相対位置が変化する方向において、前記プリカーサ吐出部と直列に配置するとよい。このようにすれば、プリカーサガス吐出部が移動しながら連続的に形成するプリカーサ層を、酸化ガス吐出部220も移動しながら酸化して、連続的に金属酸化膜を形成することができる。
(16)酸化ガス吐出口を、結晶シリコン基板との相対位置が変化する方向に対して垂直方向に、結晶シリコン基板の幅以上の開口幅で開口させることで、より確実に結晶シリコン基板全体を酸化ガス雰囲気に曝すことができる。
(17)酸化ガス吐出部は、酸化ガス吐出口に平行に隣接し、余剰の酸化ガスを吸引し排気する酸化ガス排気口を更に備えてもよい。余剰の酸化ガスが拡散して隣接するプリカーサガス吐出部に到達すると、プリカーサガスに含まれる有機金属がその場で酸化され、プリカーサガス吐出部に酸化金属が付着する。そこで、酸化ガス排気口を設けて余剰の酸化ガスの拡散を防ぐことで、プリカーサガス吐出部への酸化金属の付着を防ぐことができる。
(18)プリカーサガス吐出部と酸化ガス吐出部との間に、酸化ガス吐出口の開口幅以上の幅の開口部から不活性ガスを吐出する不活性ガス吐出口を更に備えてもよい。これにより、プリカーサガスと酸化ガスとの分離がより良好になり、プリカーサガス吐出部と酸化ガス吐出部とが近接している場合であっても製膜された金属酸化膜内での酸化金属パーティクルの生成を抑制することができる。
(19)プリカーサガス吐出部と不活性ガス吐出口との間に、前記プリカーサガス吐出部の、複数の前記プリカーサガス吐出口が直線状に並んだ方向の幅以上の開口幅を持つ、余剰の前記不活性ガスを吸引し排気する不活性ガス排気口を更に備えてもよい。これにより、プリカーサガスが不活性ガスに混入してプリカーサガスと酸化ガスとの分離性を劣化させるのを防ぐことができる。
(20)酸化ガス吐出部と不活性ガス吐出口との間に、酸化ガス吐出口の開口幅以上の開口幅を持つ、余剰の前記不活性ガスを吸引し排気する不活性ガス排気口を更に備えてもよい。これにより、酸化ガスが不活性ガスに混入してプリカーサガスと酸化ガスとの分離性を劣化させるのを防ぐことができる。
(21)結晶シリコン基板とプリカーサガス吐出口との位置合わせを行うアライメント機構を更に備えてもよい。これにより、結晶シリコン基板に形成された各p領域の位置を、プリカーサガス吐出部の各吐出口がプリカーサガスを噴き付ける位置に正確に合わせることができる。
本発明によるパッシベーション膜の作製工程を説明する図である。 本発明によるパッシベーション膜の作製フロー図である。 本発明の太陽電池用パッシベーション膜形成装置と結晶シリコン基板との位置関係を示す図である。 プリカーサガス吐出部からプリカーサガスを基板に吐出している状態を示す断面図である。 プリカーサガス吐出部の構成例を示す図である。 本発明の太陽電池用パッシベーション膜形成装置とバックコンタクト型太陽電池のp領域の典型的な形成パターンとの位置関係を示す図である。 酸化ガス吐出部の構成例を示す図である。 本発明に係る太陽電池用パッシベーション膜形成装置の構成例を示す図である。 プリカーサガス吐出部、酸化ガス吐出部、及び不活性ガス吐出部の位置関係を示す図である。 不活性ガス吐出部の構成例を示す図である。 プリカーサガス吐出部、酸化ガス吐出部、及び不活性ガス吐出部の位置関係を示す別の図である。 従来技術による太陽電池の構造の一例を示す図である。
本発明によるパッシベーション膜の作製工程を、図1を参照しつつ説明する。なお、ここで説明する作製工程は、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
図1(a)は、本発明の方法によりパッシベーション膜を形成する客体となる、結晶シリコン基板101の一方の表面である非受光面側にp領域102とn領域103が隣接して形成されている状態を示したものである。p領域202表面の添加不純物濃度は、1×1019以上3×1020atoms/cm未満にするのが良く、さらに好ましくは5×1019以上1×1020atoms/cm程度にするのが良い。1×1019atoms/cm未満であると基板と電極の接触抵抗が大きくなり、また3×1020atoms/cm以上にすると、p領域中の欠陥とオージェ再結合による電荷キャリアの再結合が顕著になって太陽電池の出力が低下する。一方、n領域103の表面の添加不純物濃度は、基板と電極の良好な電気的接触を得るために、1×1019以上1×1021atoms/cm以下にするのが良く、さらに好ましくは5×1019以上1×1021atoms/cm程度にするのが良い。1×1019atoms/cm未満であると基板と電極の接触抵抗が大きくなり、太陽電池の出力が低下する。上限の1×1021atoms/cmはシリコンに対するリンの固溶限である。
本例では適用されていないが、短波長光に対する感度を高めるために、基板と同じ導電型で表面濃度が1×1017〜1×1019atoms/cmの低濃度拡散領域を受光面表面に設ける場合もある。
以下、図1(a)に示した高濃度領域を持つ結晶シリコン基板にパッシベーション膜を形成する方法を説明する。図2に作製フロー図を示す。
まず、図1(b)に示すように、p領域102表面へ有機金属、例えばアルキルアルミニウムを含んだプリカーサガスを選択的に吹き付けて、プリカーサ層104をp領域102上に形成する(S1)。プリカーサには、高い反応性が要求されることから、特にトリメチルアルミニウムが好適に用いられる。また、キャリアガスとして窒素やアルゴンなどの不活性ガスを用い、40〜60℃に加熱してガス化したトリメチルアルミニウムと混合して用いるのがよい。トリメチルアルミニウムの濃度は、0.1mg/L以上とするのが良い。0.1mg/L未満ではプリカーサ層形成が不十分になることがある。また濃度の上限は特に限定されないが、コストの面から50mg/L以下程度にするのが好ましい。
続いて、図1(c)に示すように、プリカーサ層104を酸化してパッシベーション膜である金属酸化膜、ここでは酸化アルミ膜105を形成する(S2)。ここで、酸化アルミ膜105を形成するだけであればプリカーサ層104のみが酸化ガスに曝されればよいが、非受光面全面が酸化ガスに曝されることでプリカーサ層非形成領域であるn領域103の表面に数原子層〜1nm程度の極薄のシリコン酸化膜106が形成され、これによりシリコン表面の欠陥が終端されて良好なパッシベーション効果が得られるようになる。酸化ガスには酸素、オゾンまたは水が使用できる。酸素を用いる利点は装置が簡素になる点であるが、酸素にオゾンを含有させたり、水を用いたりすることで、プリカーサ層104だけでなくn領域103表面も含め、より高い酸化反応が得られる。オゾンを用いる場合は、通常、酸素中濃度10vol%以上のものを使用することで良好な酸化反応が得られる。また、さらに高濃度のオゾンに窒素やアルゴンなどの不活性ガスをキャリアガスとして混合して用いても良い。水を用いる場合には、窒素やアルゴンなどの不活性ガスをキャリアガスとして混合し、5〜100mg/L程度の濃度で用いるのがよい。
なお、本方法ではプリカーサ層形成と酸化の1サイクルで形成されるのは僅かに1分子層の金属酸化膜である。そのため一般的には、所定の金属酸化膜厚が得られるまで、プリカーサ層104を形成する工程(S1)とプリカーサ層104を酸化して酸化アルミ膜105を形成する工程(S2)を繰り返す必要がある。パッシベーション効果を十分に得るための酸化アルミの膜厚は、製膜条件により異なるが、一般に1nm〜20nm程度であるとされるが、このときの繰り返しサイクル数は10〜250回程度である。
この後、より好ましくは350〜600℃の不活性ガス雰囲気中で5〜30分程度基板を熱処理するのが良い。この工程により、酸化アルミ膜の負電荷密度が増加し、高いパッシベーション効果が得られる。
続いて、図1(d)に示すように、結晶シリコン基板101の非受光面に保護膜107を形成する。保護膜107は、生産性の面から、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜をプラズマCVDで形成することが多い。
一般に、窒化シリコンや酸化シリコンなどによる保護膜は正電荷を内蔵することが多いため、その電界効果によりn型シリコン表面においてパッシベーション効果を発揮する。しかし、シリコンとの界面における欠陥密度が比較的高くなる傾向がある。一方本発明では、先述のように、図1(c)の工程でn領域表面が酸化され、極薄のシリコン酸化膜が熱化学的に形成される。一般に知られているように、熱化学的に形成されたシリコン酸化膜とシリコンの界面は、シリコン酸化膜によるシリコン表面の欠陥終端効果により欠陥密度が比較的低くなるため、プラズマCVDで堆積される保護膜を直接シリコン表面に形成する方法と比べて高いパッシベーション効果が得られる。そのため、変換効率を向上することができる。
保護膜108も、保護膜107と同様に形成される。窒化シリコン膜や酸化シリコンに限らず、炭化シリコン、非晶質シリコン、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などを単層またはこれらの組み合わせで用いても良い。
最後に、図1(e)に示すように、p領域102およびn領域103に電極109を形成する。コストの面から、銀粉末とガラスフリットを有機バインダーと混合した銀ペーストをスクリーン印刷する方法が一般的に用いられる。銀ペーストを印刷および乾燥した後、700〜860℃の熱処理を1秒〜5分程度行うことにより、保護膜107と酸化アルミ膜105の積層体および保護膜107とシリコン酸化膜106の積層体に銀粉末を貫通させ、電極とシリコンを導通させる。
また、スクリーン印刷を使用せず、保護膜107と酸化アルミ膜105の積層体および保護膜107とシリコン酸化膜106の積層体にレーザーアブレーションなどで開口部を設け、メッキ等により電極を形成してもよい。
プリカーサ層を形成する工程(S1、図1(b))とプリカーサ層を酸化して金属酸化膜を形成する工程(S2、図1(c))についてさらに詳述する。
プリカーサ層を形成する工程とプリカーサ層を酸化して金属酸化膜を形成する工程は、本発明の太陽電池用パッシベーション膜形成装置200を用いて実行することができる。太陽電池用パッシベーション膜形成装置200は、プリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220とを備える。プリカーサガス吐出部210は、p領域に向けて有機金属を含むプリカーサガスを吐出する、直線状に配置された複数のプリカーサガス吐出口211と、互いに隣接するプリカーサガス吐出口を隔て、余剰のプリカーサガスを吸引し排気するプリカーサガス排気口212と、を備える。酸化ガス吐出部220は、少なくともp領域に向けて酸化ガスを吐出する酸化ガス吐出口221を備える。図3は、パッシベーション膜を形成する客体であるp領域102とn領域103とが表面に形成された結晶シリコン基板101と、プリカーサガス吐出部210及び酸化ガス吐出部220との位置関係を示したものである。プリカーサガス吐出口211及びプリカーサガス排気口212と、酸化ガス吐出口221は、結晶シリコン基板101と対向しており、図3のように結晶シリコン基板101を見下ろす視点からはそれぞれプリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220の裏側に設けられている。太陽電池用パッシベーション膜形成装置200は、このような構成の下でプリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220を、結晶シリコン基板101表面に対し、平行にかつ所定の空隙をもって例えばY軸方向にスライドさせつつ、プリカーサガスと酸化ガスを結晶シリコン基板101表面の所定の部分に順次噴き付けることによりパッシベーション膜を形成する。
まず、プリカーサ層を形成する工程について説明する。図4は、プリカーサガス吐出部210がプリカーサガス吐出口211からプリカーサガス213を基板101へ吐出している状態の断面を示した模式図である。互いに隣接するプリカーサガス吐出口211はプリカーサガス排気口212で隔てられている。プリカーサガス吐出口211から吐出されたプリカーサガス213は、一部がp領域102に付着し、残りがプリカーサガス排気口212へ吸引されて排出される。これにより、プリカーサ層104はn領域103には形成されることなく、p領域102のみへ選択的に形成される。
結晶シリコン基板101とプリカーサガス吐出部210との間の、または結晶シリコン基板101とプリカーサガス吐出口211との間の空隙dは、なるべく狭くしたほうがプリカーサ層形成のパターン精度が増すが、実用上は精度と工程の安定性を兼ねるため、30〜300μm程度とするのが良い。
図5は、プリカーサガス吐出部210の一例をプリカーサガス吐出口211側から見た図である。プリカーサガス排気口212は、各プリカーサガス吐出口211を隔てるだけでなく、プリカーサガス吐出口211を完全に囲むように形成されている。これにより、プリカーサガス213の噴き付け先をより正確に制御することができる。プリカーサガス吐出口211の形状は円形または正方形であるのが好ましい。
図6(a)、(b)は、バックコンタクト型太陽電池のp領域のパターンとして典型的な2例について、それぞれのパターンでp領域が結晶シリコン基板101の非受光面に形成された場合における、プリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220がセットされた状態を示したものである。ここで、X軸とY軸は結晶シリコン基板101の表面と平行な面を構成する。
まず、p領域102とn領域103とが縞状に形成された結晶シリコン基板101の場合(図6(a))について説明する。結晶シリコン基板101とプリカーサガス吐出部210は、相対的な位置を変化させながらプリカーサ層104を連続的に形成する。このような形成方法の実現のため、本発明ではプリカーサガス吐出部210を、p領域と同数のプリカーサガス吐出口211がなす直線の、結晶シリコン基板101に対する相対位置を、当該直線に対して垂直かつ結晶シリコン基板101に対して平行な方向に変化させるように、結晶シリコン基板101に対して相対的に移動させる。プリカーサガス吐出部210の移動は相対的移動であるため、結晶シリコン基板101を静止した状態でプリカーサガス吐出部210が結晶シリコン基板101の上部空間を平行移動してもよいし、プリカーサガス吐出部210が結晶シリコン基板101の上部空間で静止した状態で結晶シリコン基板101が移動してもよい。例えば、図6(a)において、プリカーサガス吐出部210がY軸の正方向に移動しても、結晶シリコン基板101がY軸の負方向に移動しても、プリカーサガス吐出部210の結晶シリコン基板101との相対位置はY軸の正方向に同様に変化する。
プリカーサガス吐出部210の相対位置が変化する方向がY軸の正方向である場合に、複数のプリカーサガス吐出口211を、結晶シリコン基板101に平行でかつY軸に対して垂直な方向、すなわちX軸方向に直線状に設ける。このとき、プリカーサガス吐出部210の相対位置をY軸の正方向に変化させながら各プリカーサガス吐出口211からプリカーサガス213を結晶シリコン基板101の表面に連続的に噴き付けることで、結晶シリコン基板101の表面にプリカーサガス吐出口211の個数分だけ縞状でY軸方向に伸びたプリカーサ層104が形成される。そのため、プリカーサガス吐出口211をp領域102の個数分設け、かつ、各プリカーサガス吐出口211がプリカーサ層104を縞状に形成する結晶シリコン基板101の表面部分に予めp領域102を形成しておくことで、当該p領域102にプリカーサ層104を選択的に形成することができる。
各プリカーサガス吐出口211のX軸方向の開口幅W1は、p領域102に選択的に製膜する必要性から、少なくとも各p領域102のX軸方向の幅W2以下でなくてはならないが(図4参照)、一般的なバックコンタクト型太陽電池おいては、概ねW2の0.1倍以上0.8倍以下とするのが良い。0.8倍より大きいと、吐出されたプリカーサガス213の広がりによりp領域を越えてプリカーサ層104が形成されてしまうことがあり、また0.05倍以下では十分なガス流量が得られないことが多い。
領域がマトリックス状に形成された結晶シリコン基板101の場合(図6(b))も基本的には(a)の場合と同様に処理可能であるが、各プリカーサガス213の吐出をp領域102の場所に同期させてプリカーサ層104を断続的に形成する点において異なる。
プリカーサガス吐出部210に対する結晶シリコン基板101の相対速度は、生産性と膜品質の観点から0.5〜1.5m/s程度にするのが良い。また、図6(a)、(b)は基板の製膜面が上を向いて製膜を行う配置になっているが、これとは逆に製膜面が下を向いて製膜を行う配置でも良い。
プリカーサ層を酸化して金属酸化膜を形成する工程は、好ましくは上記プリカーサ層を形成する工程と同様に行うのが良い。図7は、この目的に適した酸化ガス吐出部220の一例をガス吐出口側から見た図である。酸化ガス吐出部220は少なくとも酸化ガス吐出口221を備える。酸化ガス吐出口221は、結晶シリコン基板101との相対位置が変化する方向に対して垂直な方向に、結晶シリコン基板101の幅以上の開口幅で開口しているのが好ましい。これにより、n領域103についても酸化ガスに曝され、極薄のシリコン酸化膜が熱化学的に形成されるため、保護膜形成時のパッシベーション効果を高めることができる。またこのとき、酸化ガス吐出部220は、結晶シリコン基板101との相対位置が変化する方向にプリカーサガス吐出部210と直列に配置するとよい。「直列に」とは、プリカーサガス吐出口と先に対向した結晶シリコン基板の表面の領域に、酸化ガス吐出口が後から対向するように、プリカーサガス吐出口に酸化ガス吐出口が追随する関係を意味する。すなわち、酸化ガス吐出部220は、プリカーサガス吐出部210を追って結晶シリコン基板101に対し相対的に移動する。これにより、プリカーサガス吐出部210が移動しながら連続的に形成するプリカーサ層を、酸化ガス吐出部220も移動しながら酸化して、連続的に金属酸化膜を形成することができる。
酸化ガス吐出口221を挟むように酸化ガス吐出口221と平行に隣接し余剰の酸化ガスを吸引して排気する酸化ガス排気口222を更に設けてもよい。このとき、酸化ガス排気口222の長手方向の開口幅は酸化ガス吐出口221の長手方向の開口幅以上であるのが好ましい。これにより、余剰酸化ガスは周辺に飛散することなく回収されるため、プリカーサガス吐出部210に酸化アルミが付着するのを防ぐことができる。
図8は、太陽電池用パッシベーション膜形成装置200のより具体的な実現形態の一例である、太陽電池用パッシベーション膜形成装置300の構成を示したものである。太陽電池用パッシベーション膜形成装置300は、結晶シリコン基板101の位置とプリカーサガス吐出口211との位置調整を行うアライメント部(i)と酸化アルミ製膜を行う製膜部(ii)とから構成される。アライメント部(i)は基板検知部301と位置調整機構302を備える。酸化アルミ製膜を行う製膜部(ii)にはY方向にプリカーサガス吐出部210、酸化ガス吐出部220の順に並んで配置され、更に結晶シリコン基板101を移動させる搬送機303を備える。位置調整機構302と搬送機303は、さらに結晶シリコン基板101を加温する機構(図不示)を具備して良い。加温は搬送機303に温度調整機能を持たせて行ってもよいし、ヒーターで遠隔的に加熱して行ってもよい。
結晶シリコン基板101は、非受光面を上向きにした状態で位置調整機構302にセットされ、位置調整機構302は、基板検知部301が検知した現在の基板の位置と然るべき位置とのズレを特定して然るべき位置に調整する。結晶シリコン基板101は、位置調整された後、搬送機303に固定される。結晶シリコン基板101は、図8の左側から搬送されてプリカーサガス213の吐出を受けながらプリカーサガス吐出部210の下を通過する。プリカーサ層104を十分に形成させるために、プリカーサガス213の吐出量はおよそ0.5L/min以上とするのが良い。また、吐出量の上限はとくに限定されないが、コストの面から50L/min以下とするのが好ましい。これにより結晶シリコン基板101の表面にプリカーサ層104が形成される。結晶シリコン基板101は、更に酸化ガスの吐出を受けながら酸化ガス吐出部220の下を通過する。十分な酸化反応を得るため、酸化ガスの吐出量はプリカーサガス吐出量の1〜2倍とするのが好ましい。これにより、プリカーサ層104が酸化され、金属酸化膜である酸化アルミ膜105が形成される。
先述の通り、プリカーサ層形成と酸化の1サイクルで得られる膜厚は1分子層程度であるため、酸化アルミを所定膜厚得るために、プリカーサ層104の形成と酸化のサイクルを繰り返す必要がある。したがって結晶シリコン基板101は、基板全面を一度酸化された後、今度はY方向を逆向きに搬送されながら、再度プリカーサガス213に暴露される。結晶シリコン基板101はプリカーサ層104が再度形成された後、Y方向を再び逆向きに搬送されながら、酸化ガスに暴露され、酸化アルミ膜が成長される。
プリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220とが近接している場合には、図9に示すように、プリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220との間に、さらに不活性ガス吐出部230を設けると良い。不活性ガス吐出部230は、図10のように、例えばスリット状の不活性ガス吐出口231と不活性ガス排気口232とから構成されるが、プリカーサガス吐出部210と酸化ガス吐出部220が排気口を具備している場合には、不活性ガス吐出口231のみの構成としても良い。不活性ガス吐出口231の、複数のプリカーサガス吐出口が直線状に並んだ方向の開口幅は、酸化ガス吐出口の開口幅以上であるのが良い。これによりプリカーサガスと酸化ガスの分離がより良好となり、製膜部内における酸化アルミパーティクルの生成が抑制できる。
各ガス吐出部の組み合わせは、例えば図11(a)のように酸化ガス吐出部220を複数設けてもよいし、図11(b)のように、さらにプリカーサガス吐出部210を複数設けてもよいが、工程が酸化工程で終わるのが好ましいため、酸化ガス吐出部220を基板排出方向側に設けるのが良い。
〔実施例〕
非受光面に、直線状のp領域(幅1.5mm)とn領域(幅0.2mm)とが平行かつ交互に形成されたリンドープn型シリコン基板を、バックライト付位置調整ステージとCCDカメラでアライメントをした後、プリカーサガス吐出口とp領域幅の比W1/W2が0.8のプリカーサガス吐出口からTMA濃度1mg/Lのプリカーサガスを7L/minで上記p領域に吹き付けてプリカーサ層を形成し、さらに続けて開口部が直線状の酸化ガス吐出口からHO濃度30mg/Lの酸化ガスを50L/minで基板の非受光面全体へ吹き付け、プリカーサ層とn領域表面を酸化した。プリカーサ層形成と酸化を繰り返し、膜厚20nmの酸化アルミ膜を形成した。なお、上記の各ガス吐出口と基板の相対速度は1.5m/sである。その後基板を450℃の窒素雰囲気中で30分間熱処理し、続いて基板の両面へ屈折率2.0、膜厚100nmの窒化シリコン膜をプラズマCVDで形成した。さらにp領域上およびn領域上に銀ペーストをスクリーン印刷により塗布し、乾燥の後、ベルト炉で820℃の熱処理により電極を形成して太陽電池セルとした。
〔比較例〕
実施例と同様の基板を使用し、原子層堆積により非受光面全面に膜厚20nmの酸化アルミ膜を形成した。次にフォトリソグラフィーによりレジストをp領域上にのみ形成して基板を濃度1%のHF水溶液に浸し、n領域上の酸化アルミ膜を除去した。その後フォトレジストを有機溶剤と80℃の濃硫酸と過酸化水素水混合液で洗浄した。その後基板を450℃の窒素雰囲気中で30分間熱処理し、続いて基板の両面へ屈折率2.0、膜厚100nmの窒化シリコン膜をプラズマCVDで形成した。さらにp領域上およびn領域上に銀ペーストをスクリーン印刷により塗布し、乾燥の後、ベルト炉で820℃の熱処理により電極を形成して太陽電池セルとした。
実施例1および比較例1の太陽電池セルについて、エアマス1.5の擬似太陽光を用いた電流電圧測定機で太陽電池特性を測定した結果を表1に示す。この結果から、本発明による実施例では比較例と比較して高い解放電圧が得られ、変換効率が改善されていることがわかる。
Figure 2016201382
101 結晶シリコン基板
102 p領域
103 n領域
104 プリカーサ層
105 酸化アルミ膜
106 シリコン酸化膜
107、108 保護膜
200、300 太陽電池用パッシベーション膜形成装置
210 プリカーサガス吐出部
211 プリカーサガス吐出口
212 プリカーサガス排出口
220 酸化ガス吐出部
221 酸化ガス吐出口
222 酸化ガス排出口
230 不活性ガス吐出部
231 不活性ガス吐出口
232 不活性ガス排出口
301 基板検知部
302 位置調整機構
303 搬送機

Claims (21)

  1. p型またはn型の導電型を持つ結晶シリコン基板よりキャリア濃度が高い、p型の導電型を持つp領域とn型の導電型を持つn領域とが一方の表面に形成された当該結晶シリコン基板の、当該一方の表面にパッシベーション膜を形成する太陽電池用パッシベーション膜形成方法であって、
    有機金属を含むプリカーサガスを前記p領域の表面に選択的に噴き付けてプリカーサ層を形成するプリカーサ層形成ステップと、
    少なくとも前記プリカーサ層を酸化ガスに曝すことにより酸化させて金属酸化膜を形成する酸化ステップと、
    を実行する太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  2. 前記プリカーサ層形成ステップにおいて、前記プリカーサガスを吐出するプリカーサガス吐出口の、前記結晶シリコン基板に対する相対位置を、前記結晶シリコン基板の表面に平行な方向に変化させることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  3. 前記酸化ステップにおいて、前記酸化ガスを吐出する酸化ガス吐出口の前記結晶シリコン基板に対する相対位置を、前記結晶シリコン基板に対して平行な方向に変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  4. 前記プリカーサガス吐出口は配列方向に沿って複数設けられ、
    前記プリカーサ層形成ステップにおいて、前記複数のプリカーサガス吐出口の、前記結晶シリコン基板に対する相対位置を、当該配列方向に対して垂直かつ前記結晶シリコン基板に対して平行な方向に変化させることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  5. 前記酸化ステップにおいて、前記酸化ガスを吐出する直線状の酸化ガス吐出口の前記結晶シリコン基板に対する相対位置を、前記配列方向に対して垂直かつ前記結晶シリコン基板に対して平行な方向に、前記プリカーサガス吐出口に追随して変化させることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  6. 前記酸化ステップは、前記n領域の表面についても酸化ガスに曝すことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  7. 前記プリカーサ層形成ステップと前記酸化ステップを、所定の金属酸化膜厚が得られるまで繰り返すことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  8. 前記プリカーサガスは、不活性ガスを含む混合気体であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  9. 前記有機金属は、アルキルアルミニウムであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  10. 前記酸化ガスは、酸素、オゾン、及び水のいずれか、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  11. 前記酸化ガスは、水またはオゾンと不活性ガスとの混合気体であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成方法。
  12. p型またはn型の導電型を持つ結晶シリコン基板よりキャリア濃度が高い、p型の導電型を持つp領域とn型の導電型を持つn領域とが一方の表面に形成された当該結晶シリコン基板の、当該一方の表面にパッシベーション膜を形成する太陽電池用パッシベーション膜形成装置であって、
    前記p領域に向けて有機金属を含むプリカーサガスを吐出する、直線状に配置された複数のプリカーサガス吐出口と、互いに隣接する前記プリカーサガス吐出口を隔て、余剰の前記プリカーサガスを吸引し排気するプリカーサガス排気口と、を備えるプリカーサガス吐出部と、
    少なくとも前記p領域に向けて酸化ガスを吐出する直線状の酸化ガス吐出口を備える酸化ガス吐出部と、
    を備える太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  13. 前記プリカーサガス吐出部は、配列方向に沿って、前記p領域と同数の前記プリカーサガス吐出口を備え、前記結晶シリコン基板に対する相対位置を、当該配列方向に対して垂直かつ前記結晶シリコン基板に対して平行な方向に変化させるように、前記結晶シリコン基板に対して相対的に移動することを特徴とする請求項10に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  14. 各前記プリカーサガス吐出口の前記配列方向における開口幅が、当該各前記プリカーサガス吐出口からそれぞれ前記プリカーサガスを噴き付けられる前記複数の前記p領域それぞれの、前記配列方向の幅以下であることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  15. 前記酸化ガス吐出部は、前記結晶シリコン基板との相対位置が変化する方向において、前記プリカーサ吐出部と直列に配置されることを特徴とする請求項13または14に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  16. 前記酸化ガス吐出口は、前記結晶シリコン基板との相対位置が変化する方向に対して垂直方向に、前記結晶シリコン基板の幅以上の開口幅で開口していることを特徴とする請求項15に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  17. 前記酸化ガス吐出部は、前記酸化ガス吐出口に平行に隣接し余剰の前記酸化ガスを吸引し排気する酸化ガス排気口を更に備えることを特徴とする請求項13または14に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  18. 前記プリカーサガス吐出部と前記酸化ガス吐出部との間に、前記酸化ガス吐出口の前記開口幅以上の幅の開口部から不活性ガスを吐出する不活性ガス吐出口を更に備えることを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーショ膜の形成装置。
  19. 前記プリカーサガス吐出部と前記不活性ガス吐出口との間に、前記プリカーサガス吐出部の、複数の前記プリカーサガス吐出口が直線状に並んだ方向の幅以上の開口幅を持つ、余剰の前記不活性ガスを吸引し排気する不活性ガス排気口を更に備えることを特徴とする請求項18に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  20. 前記酸化ガス吐出部と前記不活性ガス吐出口との間に、前記酸化ガス吐出口の前記開口幅以上の開口幅を持つ、余剰の前記不活性ガスを吸引し排気する不活性ガス排気口を更に備えることを特徴とする請求項18または19に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
  21. 前記結晶シリコン基板と前記プリカーサガス吐出口との位置合わせを行うアライメント機構を更に備える請求項12から20のいずれか1項に記載の太陽電池用パッシベーション膜形成装置。
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