JP2016201320A - 面状採暖具 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流電源に高周波成分のノイズが重畳している場合でも、ヒータの温度を設定温度通りに制御にすることを目的とする。【解決手段】電力制御素子7と、直流電源部8と、温度センサ3のインピーダンスから決まる電流を直流電圧に変換して温度信号電圧とする温度信号部10と、ヒータ線2の温度を設定する温度設定部11と、電力制御素子7へ制御信号を出力する温度制御部12と、高周波成分重畳検出部22とを備え、高周波成分重畳検出部22は、交流電源6への高周波成分重畳の度合いを高周波成分重畳検出信号に変換して、温度制御部12へ入力することにより、交流電源6に重畳した高周波成分16が温度センサ3に与える影響度合いを知ることが可能となるので、高周波成分16によって影響が出ている分だけヒータ線2の温度を上げるように温度制御部12が制御することとなる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気カーペット、電気毛布などのヒータと一体に構成した容量分や抵抗分からなるインピーダンス特性を示す温度センサを使用する面状採暖具に関するものである。
従来、この種の面状採暖具はヒータと一体に構成した容量分や抵抗分からなるインピーダンス特性を示す温度センサの信号で通電状態を制御している(例えば、特許文献1参照)。
図5は温度センサ、検知電極線と一体構成にある線状ヒータの構造を示す模式図であり、図6は温度センサ3の特性を示したグラフであり、図7は従来の面状採暖具の制御系の構成を示す回路図である。
図5に示すように、線状ヒータ30は芯線1の上にヒータ線2を巻回し、その上にプラスチックサーミスタによる温度センサ3を被覆し、その上に検知電極線4を巻回し、更にその上に絶縁用外被5を被覆している。
図6に示すように、インピーダンスZは、容量分から決まるインピーダンスZCと抵抗分から決まるインピーダンスZRの合成値となり、高温側になるほど容量分のインピーダンスZCのウエイトが高くなる。
図7に示すように、面状採暖具は、ヒータ線2へ交流電源6を供給制御する電力制御素子7と、各部に直流電圧を供給する直流電源部8を備えている。ベース接地したトランジスタ9は、エミッタが検知電極線4に接続されている。温度信号部10はトランジスタ9のコレクタに流れる電流を電圧変換して温度信号電圧VTを出力する。温度設定部11はヒータ線2の温度設定電圧Vsを出力する。温度制御部12は温度信号部10の温度信号電圧VTと温度設定部11の温度設定電圧Vsを比較処理して、ヒータ線2の温度が設定より低い時、すなわち、VT>Vsの時はHi出力となって電力制御素子7を駆動する。
温度信号部10の温度信号電圧VTは、ヒータ線2の温度が低くて温度センサ3のインピーダンスが大きい時は、トランジスタ9のコレクタに流れる電流が小さいため、高い値を示す。逆にヒータ線2の温度が高くなり温度センサ3のインピーダンスが小さくなると、トランジスタ9のコレクタに流れる電流が多くなるため、低い値を示すことになる。この温度信号部10の温度信号電圧VTを検出することによってヒータ線2の温度を、設定した温度に制御している。
ダイオード13はトランジスタ9のエミッタベース間の耐圧保証、及び、交流電源6の正サイクル側における温度センサ3の電流を流すように構成されている。
特許第4165186号公報
しかしながら、前記従来の構成では、交流電源6に図8に示すような高調波や歪み波などの商用周波数より周波数の高い高周波成分16が重畳した場合、高周波成分16によっ
て温度信号部10の温度信号電圧VTが低くなり、ヒータ線2の温度が設定温度より低く制御される。
すなわち、温度センサ3の容量分Cから決まるインピーダンスZCは、ZC=1/(2πfC)から求めることができるので、高周波成分16が重畳することで、周波数fが高くなる側に影響を与え、インピーダンスZCは小さくなる。
一方、インピーダンスZCが小さくなると、インピーダンスZも小さくなって、トランジスタ9のコレクタに流れる電流が多くなるため、温度信号部10の温度信号電圧VTは低い側に変化することになる。
温度信号電圧VTが低い側に変化すると、ヒータ線2の温度が温度設定部11で設定している温度に達する前に、温度制御部12は電力制御素子7をオフしてしまって、ヒータ線2への通電が停止して、ヒータ線2の温度が設定温度より低くなってしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、交流電源の商用周波数より周波数の高い高調波や歪み波などの高周波成分が重畳した場合においても、設定した所定のヒータ線の温度が得られる面状採暖具を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の面状採暖具は、面状採暖具本体と、面状採暖具本体の内部に配設された線状ヒータと、制御部と、を含み、線状ヒータは、ヒータ線と、検知電極線と、ヒータ線と検知電極線の間に介挿され、容量分および抵抗分からなるインピーダンス特性を示す温度センサと、を備え、制御部は、交流電源の電力を前記ヒータ線に供給する電力制御素子と、交流電源の電力を整流して直流電圧を得る直流電源部と、温度センサのインピーダンスから決まる電流を直流電圧に変換して温度信号電圧とする温度信号部と、ヒータ線の温度を設定する温度設定電圧を出力する温度設定部と、温度信号電圧および温度設定電圧を処理して電力制御素子へ制御信号を出力する温度制御部と、高周波成分重畳検出部と、を備え、高周波成分重畳検出部は、交流電源への高周波成分重畳の度合いを高周波成分重畳検出信号に変換して、温度制御部へ入力することを特徴とするものである。
これにより、制御部は交流電源に重畳してきた高調波や歪み波などの高周波成分の大きさの度合いを検知することが可能となり、温度制御部は、交流電源に高周波成分が重畳してヒータの温度が低くなる方向に温度信号電圧が変化するのを補正することが可能となり、ヒータの温度を温度設定部で設定した温度に制御にすることができる。
本発明の面状採暖具は、交流電源に高調波や歪み波などの高周波成分のノイズが重畳している場合でも、ヒータの温度を温度設定部で設定した温度通りの制御にすることができる。
本発明の実施の形態1における面状採暖具の制御系の構成を示す回路図 本発明の実施の形態1における高周波成分重畳検出信号Vkの変化を示すグラフ 本発明の実施の形態2における面状採暖具の制御系の構成を示す回路図 本発明の実施の形態3における面状採暖具の制御系の構成を示す回路図 従来の面状採暖具の線状ヒータの構成を示す模式図 従来の面状採暖具の温度センサの特性を示すグラフ 従来の面状採暖具の制御系の構成を示す回路図 従来の面状採暖具の高周波成分重畳の交流電源波形を示すグラフ
第1の発明は、面状採暖具本体と、前記面状採暖具本体の内部に配設された線状ヒータと、制御部と、を含み、前記線状ヒータは、ヒータ線と、検知電極線と、前記ヒータ線と前記検知電極線の間に介挿され、容量分および抵抗分からなるインピーダンス特性を示す温度センサと、を備え、前記制御部は、交流電源の電力を前記ヒータ線に供給する電力制御素子と、前記交流電源の電力を整流して直流電圧を得る直流電源部と、前記温度センサのインピーダンスから決まる電流を直流電圧に変換して温度信号電圧とする温度信号部と、前記ヒータ線の温度を設定する温度設定電圧を出力する温度設定部と、前記温度信号電圧および前記温度設定電圧を処理して前記電力制御素子へ制御信号を出力する温度制御部と、高周波成分重畳検出部と、を備え、前記高周波成分重畳検出部は、前記交流電源への高周波成分重畳の度合いを高周波成分重畳検出信号に変換して、前記温度制御部へ入力することを特徴とする、面状採暖具である。
これにより、制御部は交流電源に重畳してきた高調波や歪み波などの高周波成分の大きさの度合いを検知することが可能となり、温度制御部は、交流電源に高周波成分が重畳してヒータの温度が低くなる方向に温度信号電圧が変化するのを補正することが可能となり、ヒータの温度を温度設定部で設定した温度に制御にすることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の発明において、前記高周波成分重畳検出部は、前記交流電源に接続され、周波数によってインピーダンスが変化するコンデンサを降圧手段とし、前記降圧手段から得られる高周波成分重畳検出信号を出力することを特徴とするものである。
これにより、交流電源に重畳してきた高調波や歪み波などの高周波成分の周波数によってコンデンサのインピーダンスが小さい側に変化する。その結果、温度制御部へ入力する高周波成分重畳検出信号の電圧は高くなる方向に変化することとなり、簡単で安価な構成で交流電源に重畳してきた高調波や歪み波などの高周波成分の度合いを検出することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記温度制御部は、前記高周波成分重畳検出部の前記高周波成分重畳検出信号が、所定値から変化した時に、変化量に応じて、前記温度信号電圧と前記温度設定電圧の少なくとも1つを、補正する補正部を備えたものである。
これにより、A/D変換機能内蔵のマイコンで、ヒータの温度を温度設定部で設定した温度通りの制御を実施することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における面状採暖具の制御系の構成を示す回路図である。
図1に示すように、面状採暖具の制御系の主な構成としては、面状採暖具の面状採暖具本体(図示せず)の内部に配設された線状ヒータ30と、線状ヒータの駆動を制御する制
御部40を備え、制御部40は交流電源6に接続され、交流電源6より電力が供給される構成となっている。
制御部40は、交流電源6の電力をヒータ線2に供給する電力制御素子7と、交流電源6の電力を整流して直流電圧を得る直流電源部8と、温度センサ3のインピーダンスから決まる電流を直流電圧に変換して温度信号電圧とする温度信号部10と、ヒータ線2の温度を設定する温度設定電圧を出力する温度設定部11と、温度信号電圧および温度設定電圧を処理して電力制御素子へ制御信号を出力する温度制御部12と、交流電源6より供給される交流電力へ重畳された高周波成分の度合いを検出する高周波成分重畳検出部22を主な構成要素として備えている。
なお、本実施の形態においては、背景技術と同一の構成については、同一番号を付与している。また、ヒータ線2と検知電極線4の間に設けた容量分や抵抗分からなるインピーダンス特性を示す温度センサ3の特性も図6に示す特性と同様である。
図6に示すように、温度センサ3のインピーダンスZは容量分から決まるインピーダンスZCと抵抗分から決まるインピーダンスZRの合成値となり、高温側になるほど容量分のインピーダンスZCのウエイトが高くなる。
温度センサ3の温度は、交流電源6のb側が+側となる期間において流れる電流で検出している。その経路は、まず、交流電源6のb側から、トランジスタ9のベースからエミッタ、検知電極線4、温度センサ3、ヒータ線2、交流電源6のa側へと順次ながれ、流れた電流はトランジスタ9のベース電流として印加される。
ベース電流として印加されることにより、トランジスタ9がオンして、温度センサ3に流れる電流の殆どがトランジスタ9のコレクタ電流として流れ、このコレクタ電流はダイオード17、抵抗18、電解コンデンサ19から構成している直流電源部8から抵抗14を通って流れることとなる。
抵抗14にコレクタ電流が流れると、電圧降下が起こり、温度信号電圧VTは、直流電源部8の電圧から抵抗14に発生する電圧を引いた電圧となる。
この温度信号電圧VTは、温度センサ3の温度が高くなってインピーダンスZが小さくなると温度センサ3に流れる電流が大きくなりトランジスタ9のコレクタ電流も大きくなって抵抗14での電圧降下も大きくなって、低下する。
温度信号電圧VTは電解コンデンサ15で平滑されて直流電圧となっており、トランジスタ9、ダイオード13、抵抗14、電解コンデンサ15で温度信号部10を構成している。
ダイオード13はトランジスタ9のエミッタベース間の耐圧保証、及び、交流電源6のa側が+側となる正サイクル側における温度センサ3の電流を流すようになっている。
ヒータ線2の温度設定は抵抗20とボリューム21で構成する温度設定部11で行いボリューム21の抵抗値を変えることで変化する温度設定電圧Vsで設定する。
ここでは温度設定電圧Vsが低いほどヒータ線2の温度が高くなる設定としている。すなわち、温度信号電圧VTが温度設定電圧Vsより高ければヒータ線2の温度が設定温度に達していないと温度制御部12は判断して電力制御素子7へオン信号を出力する。
逆に温度信号電圧VTが温度設定電圧Vsより低くなればヒータ線2の温度が設定温度に達したと温度制御部12が判断して電力制御素子7へオフ信号を出力する。このように温度設定電圧Vsに対して温度信号電圧VTが温度センサ3の温度によって上下することでヒータ線2の温度を設定温度に制御している。
高周波成分重畳検出部22は交流電源6に接続して高周波成分重畳検出信号Vkを温度制御部12に入力している。
以上のように構成された面状採暖具について、以下その動作、作用を説明する。
まず、交流電源6に図8に示すような高調波や歪み波などの高周波成分16が重畳してくると、重畳した高周波成分16の電流が温度センサ3に流れることになる。
温度センサ3は容量分を含んでいるので、高周波成分16の周波数の高い電流が流れると、温度センサ3の容量分で決まるインピーダンスZCが影響を受けて小さくなり、抵抗分から決まるインピーダンスZRとの合成値であるインピーダンスZも小さくなる。
高周波成分16によって、インピーダンスZが小さくなると、温度センサ3に流れる電流が増加し、トランジスタ9のコレクタ電流も増加して、抵抗14での電圧降下が大きくなって温度信号電圧VTは低下する。
温度信号電圧VTが低下するということは、ヒータ線2の温度が上がったということになり、背景技術の面状採暖具では、ヒータ線2の温度が設定温度に達しない前に、電力制御素子7をオフにする早切れの動作が実施され、ヒータ線2は低温状態で維持されていた。
これに対して、本実施の形態の面状採暖具では、高周波成分重畳検出部22で交流電源6に重畳した高調波や歪み波などの高周波成分16の度合いを検出することが可能な構成となっている。
高周波成分重畳検出部22は交流電源6に重畳した高調波や歪み波などの高周波成分16の度合いを高周波成分重畳検出信号Vkとして温度制御部12へ入力する。温度制御部12は高周波成分重畳検出信号Vkを監視している。
図2は高周波成分重畳検出信号Vkの変化を示している。交流電源6に重畳した高周波成分16の度合いが大きい程、予め設定された所定値からの変化量Δkも大きくなる。所定値は交流電源6への高周波成分重畳がない時の値である。この所定値からの変化量Δkの有無を温度制御部12が監視している。
温度制御部12は高周波成分重畳検出信号Vkに変化量Δkが発生すると、交流電源6に高周波成分が重畳したことを認識して、温度信号部10の出力である温度信号電圧VTにも影響が出ていることを検知し、その影響度合いも検知することが可能となる。
上記のように、本実施の形態においては、交流電源6に重畳した高調波や歪み波などの高周波成分16の度合いを交流電源6に接続した高周波成分重畳検出部22で検出する構成とすることにより、交流電源6に重畳した高周波成分16が温度センサ3に与える影響度合いを検知することが可能となり、影響が出ている分だけヒータ線2の温度を上げるように温度制御部12が制御して電力制御素子7の早切れを防止することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態の面状採暖具の制御系の構成図である。
図3に示すように、高周波成分重畳検出部22は、コンデンサ23の一端を交流電源6のa側に接続し、コンデンサ23のもう一端にはダイオード24のアノードを、そしてダイオード24のカソードには抵抗25を接続し、抵抗のもう一端は交流電源6のb側に接続している。さらに交流電源6のb側からは、コンデンサ23とダイオード24の接続部へ向って、ダイオード26を接続する。また、抵抗25の両端には平滑用の電解コンデンサ27を接続して、高周波成分重畳検出部22を構成している。
以上のように構成された面状採暖具について、以下その動作、作用を説明する。
まず、コンデンサ23は降圧手段として用いており、交流電源6のa側からは、コンデンサ23、ダイオード24、抵抗25、交流電源6のb側へと電流が流れる。一方、交流電源6のb側からは、ダイオード26、コンデンサ23、交流電源6のa側へと電流が流れる。
従って、コンデンサ23には交流電流が流れることから、交流電流の周波数をf、コンデンサ23の容量値をC23とすると、コンデンサ23のインピーダンスZC23は、ZC23=1/(2πf・C23)で求められ、このコンデンサ23のインピーダンスZC23を降圧手段としている。
このように交流電源6の電圧をコンデンサ23で降圧して、ダイオード24で整流し、抵抗25に発生した電圧を電解コンデンサ27で平滑して高周波成分重畳検出信号Vkとして温度制御部12へ入力する。
そして、交流電源6に図8に示すような高調波や歪み波などの高周波成分16が重畳すると、高周波成分16の高い周波数によってコンデンサ23のインピーダンスZC23が小さくなる方向へ影響を受け、抵抗25への印加電圧が大きくなって高周波成分重畳検出信号Vkが変化することとなる。
この高周波成分重畳検出信号Vkの変化量は、交流電源6の高周波成分16の重畳度合いが大きい程、大きく変化することになり、この高周波成分重畳検出信号Vkの変化量から交流電源6への高調波や歪み波などの高周波成分16の重畳度合いを知ることが可能となる。
上記のように、本実施の形態においては高周波成分重畳検出部22を、コンデンサ23のインピーダンスを降圧手段として得られる電圧を高周波成分重畳検出信号Vkとすることにより、交流電源6の高調波や歪み波などの高周波成分16の重畳度合いをコンデンサ23のインピーダンス変化で検出することが可能となり、簡単で安価な構成で交流電源に重畳してきた高周波成分の度合いを検出することができる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態の面状採暖具の制御系の構成図である。
図4に示すように、温度制御部12は補正部28を備えた構成となっている。
上記のように構成された面状採暖具について、以下その動作、作用を説明する。
まず、補正部28には、高周波成分重畳検出部22の高周波成分重畳検出信号Vkと、温度センサ3のインピーダンスZから決まる温度信号電圧VTと、温度設定部11の温度設定電圧Vsを入力する。
補正部28は、図2に示すように高周波成分重畳検出信号Vkの所定値からの変化量Δkから交流電源6に重畳して来た高周波成分の度合いを検知することができる。これによって、変化量Δkから温度信号電圧VTへ及ぼす高周波成分の度合いを検出ことができる。
検出した温度信号電圧VTへ及ぼす高周波成分の度合いから、例えば、温度信号電圧VTを補正する。
高周波成分重畳検出信号Vkの変化量Δkに対して、ヒータ線2の温度を所定の設定温度にする為に温度信号電圧VTをどれだけ補正すれば良いかは、あらかじめ求めて補正量ΔTとして補正部28に記憶させている。
補正部28は記憶している補正量ΔTに従って温度信号電圧VTを補正する。仮に、補正量ΔTが0.3Vであれば、温度信号部10の出力の温度信号電圧VTが2.2Vであるとすると、補正量ΔTの0.3Vを嵩上げして温度信号電圧VTを2.5Vとして制御する。
補正量ΔTの0.3Vを嵩上げするということは、ヒータ線2の温度を上げる方向に動作するので高周波成分の影響を補正することとなる。
また、温度信号電圧VTではなく、温度設定電圧Vsを補正しても同様にヒータ線2の温度を上げることができる。さらには、温度信号電圧VTと温度設定電圧Vsの両方を補正することも可能である。
上記のように、本実施の形態においては、補正部28を高周波成分重畳検出信号Vkの変化量Δkをもとに温度信号電圧VT、または、温度設定電圧Vs、または、温度信号電圧VTと温度設定電圧Vsの両方を補正する構成とすることにより、交流電源6に重畳してきた高周波成分の影響をなくすこととなり、ヒータ線2の温度を温度設定部11で設定した所定の温度で制御することができる。
以上のように、本発明にかかる面状採暖具は、交流電源に重畳してきた高周波成分の度合いを知ることが可能となるので、他の交流電源機器等の用途にも適用できる。
2 ヒータ線
3 温度センサ
4 検知電極線
6 交流電源
7 電力制御素子
8 直流電源部
10 温度信号部
11 温度設定部
12 温度制御部
16 高周波成分
22 高周波成分重畳検出部
23 コンデンサ
28 補正部
30 線状ヒータ
40 制御部

Claims (3)

  1. 面状採暖具本体と、
    前記面状採暖具本体の内部に配設された線状ヒータと、
    制御部と、を含み、
    前記線状ヒータは、
    ヒータ線と、
    検知電極線と、
    前記ヒータ線と前記検知電極線の間に介挿され、容量分および抵抗分からなるインピーダンス特性を示す温度センサと、を備え、
    前記制御部は、
    交流電源の電力を前記ヒータ線に供給する電力制御素子と、
    前記交流電源の電力を整流して直流電圧を得る直流電源部と、
    前記温度センサのインピーダンスから決まる電流を直流電圧に変換して温度信号電圧とする温度信号部と、
    前記ヒータ線の温度を設定する温度設定電圧を出力する温度設定部と、
    前記温度信号電圧および前記温度設定電圧を処理して前記電力制御素子へ制御信号を出力する温度制御部と、
    高周波成分重畳検出部と、を備え、
    前記高周波成分重畳検出部は、前記交流電源への高周波成分重畳の度合いを高周波成分重畳検出信号に変換して、前記温度制御部へ入力することを特徴とする、
    面状採暖具。
  2. 前記高周波成分重畳検出部は、
    前記交流電源に接続され、周波数によってインピーダンスが変化するコンデンサを降圧手段とし、前記降圧手段から得られる高周波成分重畳検出信号を出力することを特徴とする、
    請求項1に記載の面状採暖具。
  3. 前記温度制御部は、
    前記高周波成分重畳検出部の前記高周波成分重畳検出信号が、所定値から変化した時に、変化量に応じて、前記温度信号電圧と前記温度設定電圧の少なくとも1つを、補正する補正部を備えた、
    請求項1または2に記載の面状採暖具。
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