JP2016200676A - 光導波路の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光スポットサイズ変換器を有する光導波路を簡便に作製できる光導波路の作製方法を提供する。【解決手段】基板1とコア層2とを含む多層膜基板10の上に、多層膜基板10の上に第1のマスク層を形成するステップと、マスク層を、長手方向に沿って開口幅が変化する開口マスクパターンに加工するステップと、開口マスクパターンを用いて多層膜基板10に対してエッチングをすることにより、マスクパターンの開口幅の変化を反映して、コア層2のエッチング深さが変化する傾斜構造12を形成するステップと、傾斜構造12を有する多層膜基板10の上に、第2のマスク層を新たに形成するステップと、導波路マスクパターンに第2のマスク層を加工するステップと、導波路マスクパターンを用いて多層膜基板10をエッチングすることにより、多層膜基板10の傾斜構造が存在する箇所に光導波路を形成するステップと、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は光導波路の作製方法に関し、より詳しくは光導波路における光の電磁界分布の広がりを制御できるスポットサイズ変換器(spot-size converter: SSC)を有する光導波路の作製方法に関する。
半導体レーザ等に代表される光デバイスは、多くの場合において、光導波路構造により光の回路が構成される。そして、光導波路を伝搬する光のモード電磁界分布は、光導波路を構成する材料と導波路の構造によって決定される。モード分布の広がりをスポットサイズと呼ぶ場合があり、多くの場合はスポットサイズが小さい方が好ましい。例えば、スポットサイズが小さいと、導波路を導波する光の電力密度が高くなり、光と導波路材料の相互作用が強くなるため、レーザや変調器といった光制御デバイスの低消費電力化にはスポットサイズの小さな導波路が重要である。また、しばしばデバイスのサイズの制限要因となる曲げ導波路の曲げ半径の最小値も、一般に光が導波路に強く閉じこもっている状態の方が小さくなるため、スポットサイズが小さな導波路が好ましい場合が多い。
しかしながら、小さいスポットサイズが問題となる場合もある。その一つが光デバイスの入出力端面における、外部光学系との結合の問題である。スポットサイズが小さいと、フーリエ変換の関係からデバイスから自由空間へ出射した光の広がり角は大きくなる。自由空間での光の分布の広がり角、すなわち遠視野像(far-field pattern: FFP)の広がり角が大きいと光デバイスから光ファイバなどの他の部品との光学結合を形成する際に用いるレンズの口径、すなわちレンズのサイズが大きくなるといった問題がある。レンズのサイズはしばしば光モジュール全体のサイズの小型化への制限要因となる。また、スポットサイズが小さいと、そもそもレンズで外部との光学結合を形成するためのレンズ実装工程において、実装トレランスが小さくなってしまうという問題もある。
上記の問題は光デバイスからの光の出射の場合だが、一般に受動素子から成る光学系は相反性があるため、光デバイスへ光を入射する際も同様の問題が生じる。従って、スポットサイズはデバイス内の導波路においては小さく、導波路端面においては大きい方が好ましい。外部との光学結合以外にも、大きなスポットサイズにより光デバイス上にて実現できる機能もあり、それらの機能の実現のために、同一の光デバイスにおいて、そのデバイスの特定の箇所においてスポットサイズを変換する構造がSSCである。
上述の通り、光デバイスは多くの場合ではスポットサイズが小さい方が好ましいので、必要に応じて光導波路上にSSCを形成して局所的な箇所についてのみスポットサイズを大きくする必要がある。そして、光導波路型の光デバイスにおいて局所的にスポットサイズを拡大するSSCについては、従来より様々な構造とその作製方法が存在している。
光導波路において、小さなスポットサイズから大きなスポットサイズに変換するために、最も直接的な方法は導波路において光が閉じこもっているコア領域を大きくしてモード形状を大きくする方法(本明細書では「手法A」という)と、逆に極端に小さくすることでモードの閉じ込めを弱くして、スポットサイズを広げる手法(本明細書では「手法B」という)の二種類が考えられる。一般に、手法Bは光の固有モードがカットオフに近づくので、導波路形状の摂動に対してスポットサイズが敏感に変化するため、作製許容度は手法Aに対して低い。ただし、手法Bの利点として、一定のスポットサイズの変化量を得るために必要な導波路の幾何的なサイズの変化量が小さく済むといった点がある。
SSCが議論される際には、水平方向のスポットサイズと垂直方向のスポットサイズが別々に議論される場合が多い。水平方向のSSCはほとんどの場合、導波路幅がテーパー状に変化するテーパー導波により形成できる。すなわち、導波する光のモード形状が光の伝搬に伴って断熱的に変化するように導波路幅を徐々に変化させるのである。ここで、断熱的に変化するとは、構造が緩やかに変化することで、導波する光のエネルギーが散乱することがないことを意味する。テーパー導波路はテーパー状のマスクパターンを用いて、一般的なフォトリソグラフィー工程で作製できるため、スポットサイズの小さい箇所は導波路幅を狭くし、大きくしたい箇所は広くするといった手法Aが採用できるため、非常に安定かつ簡便に作製できる。一方で、垂直な方向に関しては、導波路形状を垂直方向に変化させることが通常のフォトリソグラフィー工程では困難であるため、SSCを考える際は一般に垂直方向のスポットサイズを如何にして制御するかに議論が集中する場合が多い。垂直方向のSSCについては、垂直方向の形状変化をなるべく小さくするために、上述の通り形状の変化量が小さくて済む手法Bが採られる場合が多い。例えば非特許文献1は化合物半導体によるレーザ素子におけるSSCについての報告であり、半導体の再成長技術を用いて、導波路端面のコア材料のみ薄く成長することでSSCを形成している。
非特許文献1に開示された手法では、nmオーダーで制御できる半導体成長技術を用いるため、作製許容度が低い手法BによるSSCも制御性良く作製できる利点がある。その一方で、本手法は作製工程の上で作製時間やコストの負担の大きい半導体の結晶成長工程の回数が増加するといった欠点がある。
非特許文献2に開示された手法では、導波路のコアの厚さではなく、フォトリソグラフィー工程で容易に制御可能な導波路の幅を極端に狭くすることで、弱いモード閉じ込めを実現して、結果として垂直方向のスポットサイズを広げる手法が取られている。この手法では、幅の狭い細線導波路を形成したあとに、半導体再成長によって細線導波路を絶縁性の半導体にて覆うという意味では、追加の半導体成長は必要である。ただし、この絶縁性半導体の追加成長の工程は、しばしば光デバイス作製工程一般においてSSCの有無に関係なく、実施する場合が多い。従って、非特許文献1のようにコア材料を再成長する手法と違って、実質的に半導体再成長の工程が増えることはないといった利点がある。しかしながら上述の通り、導波路幅を極端に狭くする本手法は、手法Bに分類される手法であり、作製許容度が低く、フォトリソグラフィー工程において高い精度が要求される。その他にも、手法Aにせよ手法Bにせよ導波路の幾何的な構造変化量を小さくするために、本来の光導波路のコアに加えて、基板上に別のコアをあらかじめ堆積させておいて、この追加のコア層との結合モードを利用してSSCを形成する手法(非特許文献3)など、様々な報告例がある。
Yasumasa Suzaki, Ryuzu Iga, Kenji Kishi, Yoshihiro Kawaguchi, Shin-ichi Matsumoto,Minoru Okamoto, and Mitsuo Yamamoto "Temperature- and Polarization-Insensitive Responsivity of a 1.3-μm Optical Transceiver Diode with an Integrated Spot-Size Converter", IEEE J. Quantum Electron., vol. 34, no. 4, pp. 686-690, 1998. Masaki Kohtoku, Satoshi Oku, Yoshiaki Kadota, and Yuzo Yoshikuni, "Spotsize Converter With Improved Design for InP-Based Deep-Ridge Waveguide Structure", J. Lightw., Technol, vol. 23, no. 12, pp. 4207-4214, 2005. Andreas Beling and Joe C. Campbell, "InP-Based High-Speed Photodetectors", J. Lightw., Technol, vol. 27, no. 3, pp. 343-355, 2009. K. Prosyk, A. Ait-Ouali, J. Chen, M. Hamacher, D. Hoffmann, R. Kaiser, R. Millett, A. Pirastu, M. Totolo, K. Velthaus, I. Woods, "Travelling Wave Mach-Zehnder Modulators" Proc. of IPRM2013, MoD3-1, 2013
しかしながら、本来必要であるコア層に加えて別のコア層を堆積させる必要があるため多層膜の作製工程の複雑化や、そもそも光デバイスの種類によってはこのような追加の層が挿入できない場合も有り、製造の汎用性に欠ける構造である。更には、単純なテーパー構造だけでない導波路の構造によるSSCも報告例があるが、いずれにせよフォトリソグラフィー工程に高い精度が要求されたり、その構造の複雑さから過剰損失が生じたりする場合がある。
本発明は上記従来の問題を解決するために提案されるものであり、本発明の課題は、導波路と外部との光学系を結合させる際に重要であって、導波路中の光の電磁界のモード分布の広がり、すなわちスポットサイズを導波路の特定の部位において変換する光スポットサイズ変換器について複雑な構造を必要とせずに、光スポットサイズ変換器を有する光導波路を簡便に作製できる光導波路の作製方法を提供する。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載された発明は、光導波路を形成する材料基板に対して、光導波路の長手方向に沿って開口幅が変化する開口マスクを形成するステップと、形成した開口マスクを用いて、前記材料基板に対してエッチングすることにより、前記開口マスクの開口幅の変化に対応して光導波路を形成する材料層の厚みが変化する傾斜構造を形成するステップと、傾斜構造を有する材料基板をさらに光導波路パターンでエッチングして光導波路を作製するステップとを含むことを特徴とする光導波路の作製方法である。
他の実施形態に記載された発明は、基板と、該基板上に該基板と屈折率が異なる材料により形成された光導波路のコア層となる層を含む多層膜基板の上に、該多層膜基板をエッチングする際のマスクとなる第1のマスク層を形成するステップと、前記マスク層を、光導波路の長手方向に沿って開口幅が変化する開口マスクパターンに加工するステップと、前記開口マスクパターンを用いて多層膜基板に対してエッチングをすることにより、マスクパターンの前記光導波路の長手方向に沿った前記開口幅の変化を反映して、コア層となる層のエッチング深さが変化する傾斜構造を多層膜基板上に形成するステップと、前記傾斜構造を有する多層膜基板の上に、多層膜基板をさらにエッチングする際のマスクとなる第2のマスク層を新たに形成するステップと、前記多層膜基板において傾斜構造が存在する箇所に導波路構造が形成できる導波路マスクパターンに前記第2のマスク層を加工するステップと、前記導波路マスクパターンを用いて前記傾斜構造を有する多層膜基板をエッチングすることにより、前記多層膜基板上の傾斜構造が存在する箇所に光導波路を形成するステップと、を含む光導波路の作製方法である。
本発明によれば、高性能なSSCを簡便に作製できるので、例えば、光デバイス一般の結合損失の改善が達成され、光通信の一層の普及に寄与できる。
実施例1の作製工程を説明する図である。 実施例1の作製工程を説明する図である。 実施例1の作製工程を説明する図である。 実施例1の作製工程を説明する図である。 実施例1の作製工程を説明する図である。 実施例1の作製工程を説明する図である。 実施例1の作製工程を説明する図である。 VT−SSCの導波路幅の変化に対する結合損失を示す図である。 VT−SSCの導波路のコア層厚の変化に対する結合損失を示す図である。 埋め込み型のVT−SSCTの導波路の断面図である。 VT−SSCの途中にギャップを形成したギャップ導波路に平行な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明にかかる導波路の作製方法は、ある材料のエッチング工程においてマイクロローディング効果(micro−loading effect: MLE)を利用することで、基板の垂直方向にコア領域を極端に小さくすることでモードの閉じ込めを弱くして、スポットサイズを広げる手法によりSSCを形成する。MLEとは、加工パターンの幅が変わるとエッチング速度が変化することをいう。加工パターンの幅を変化させることでMLEによりエッチング速度が変化するため、結果としてエッチング深さを変化させることができる。
本発明にかかる導波路の作製方法は、具体的には、導波路を形成する材料基板に対して、特定の方向に関して開口幅が変化する開口マスクを形成し、形成した開口マスクを用いて、対象の材料基板に対してエッチングを行う。開口マスクを用いたエッチングを行うと、いわゆるマイクロローディング効果により、開口マスクの幅を反映して特定の方向に関してエッチング深さが異なる構造、すなわち垂直方向に関して傾斜構造のエッチング形状ができる。さらに傾斜構造のエッチング形状を有する材料基板を用いて光導波路を作製する。このようにして作製した光導波路は、特定の方向について光導波路を構成する材料の厚さが垂直方向に変化しているので、光導波路を導波する光の分布の広がりが、特定の方向について連続的に変化するスポットサイズ変換器として機能する部分を有する。
[実施例1]
本実施例では、MLEを利用して、VT(vertical taper)構造を有するSSC(以下、VT−SSC)をInP系材料により作製し、作製したVT−SSCの計算による外部光との結合効率特性を測定した。図1から図7は、実施例1の作製工程を説明する図である。各図において(a)は平面図であり、(b)はy−y’断面図であり、(c)はx−x’断面図である。本実施例では、図1に示すように、ベース基板層1であるInP基板の上に形成され、In、Al、Ga、AsのIII−V元系材料から形成された多重量子井戸(multi−quantum well:MQW)によるコア層2とコア層2の上に更に形成されたInPオーバークラッド層3からなる多層膜基板10を採用する。ここでは加工対象としてInP系材料を選んだが、Siやガラスなど、導波路がエッチングにより形成できる材料ならばどのような材料でも構わない。
VT−SSC作製の始めとして、多層膜基板10の上にマスク層としてSiO2を堆積する。図2に示すように、このSiO2マスク層を、一定の方向に沿って開口幅wが変化する開口マスクパターン11に加工する。本実施例では、開口幅がx方向に沿って変化するように設定した。
開口マスクパターン11の開口幅wが変化する領域のy方向の長さは、100μmから300μmであることが好ましい。短すぎるとコアの勾配が急になりすぎ、長すぎるとSSCのためのチップの長さが長くなってしまうからである。また、開口幅wは、3μmから20μmであることが好ましい。一番狭い幅が3μmであるのは、エッチングレートを落とすためには、なるべく開口は狭いほうがよいが、この箇所に後から導波路を形成する必要があるからである。一般的には半導体の導波路の幅は2μm程度であるから、余裕を見てこの程度としている。また、一番広い幅が20μmであるのは、開口率をある程度広くするとエッチングレートは開口幅の変化に対して変化しなくなるからである。エッチング材料やドライエッチング装置の条件にもよるが、一般にMLEは数μmを切るくらいから現れる現象なのでせいぜい10μmも開口幅を変化させればそれ以上は意味が無くなる。その他のプロセスのマージン等を考えて20μm程度が最大値である。
また、開口マスクパターン11は、本実施例のように開口幅wが線形変化する形状に限らず、例えば三角関数的に開口幅wが広くなる形状のような任意の形状であってもよい。
このSiO2の開口マスクパターンを用いて多層膜基板に対して、反応性プラズマを用いたドライエッチング装置により、開口パターンエッチング工程を実施する。結果として、図3に示すように、開口マスクパターン11の開口幅wを反映して、エッチング深さDが、x方向に沿って変化する様な傾斜構造12が形成される。本実施例においてはエッチング深さDが最も深くなる箇所においてMQWコア層2の途中でエッチングが止まるようにエッチングに用いるプラズマの生成条件とエッチング時間を調整した。
エッチング条件の最適化によって、開口マスクパターン11の開口幅wが狭い箇所においてはエッチング深さDがMQWコア層2に達しない深さに設定することができる。本実施例では開口幅wが広い箇所において、MQWコア層2が100nm残るように開口パターンエッチング工程を実施する。ここでは開口幅wがx方向に沿って線形に変化するパターンをSiO2開口マスクパターン11として用いたが、傾斜構造12として所望する幾何形状次第で任意の変化で開口幅wが変化するパターンを用いてもよい。
傾斜構造12が得られた後は、マスク材料として再びSiO2を堆積して、導波路マスクパターンへと加工し、ドライエッチング工程を実施することで、MQW層2がコアであり、オーバークラッドが空気となるようなVT−SSC構造を得ることができる。ただし、空気のオーバークラッドよりも、屈折率の高いInPによるオーバークラッドを用いてVT−SSCを形成した方が、スポットサイズが広がりやすい。その他、光デバイス本体がInPオーバークラッドを有している場合が多いので、この部位との光学的な整合性のためにもVT−SSCもInPオーバークラッドを有している方が望ましい場合が多い。従って、本実施例では傾斜構造12を形成した後に、再成長層13としてInPを傾斜構造12上に再成長した後に、導波路構造を形成する手法をとった。
図4に示すように、傾斜構造12を形成した多層膜基板10に、半導体再成長工程により再成長層13としてInPを堆積させる。再成長層13のInPは光の損失の観点からp型でもないn型でもない真性半導体が望ましいが、光デバイスの作製工程において真性半導体のInPを再成長する工程は、SSCの有無に関わらず元々必要である場合が多いため、この場合は実質的にはSSCのためだけの追加の半導体再成長工程は必要ないことになる。
再成長層13としてのInPを再成長させた次に、図5に示すように、マスク材料としてSiO2を堆積させて、導波路構造のパターンを持つ導波路マスクパターン14に加工する。その後、図6に示すように、導波路マスクパターン14に従ってエッチングを行う導波路エッチング工程を実施すると、VT−SSCを含む導波路構造15を得る。
本実施例では、エッチング深さがInP基板まで達するような深さで導波路エッチング工程を実施して、導波路構造15をいわゆるハイメサ構造とし、導波路幅を5μmから2μmに変化するテーパー構造とする。これは外部光学系と結合するVT先端は横方向のMFDを大きくする一方で、コアの厚いデバイス本体側はシングルモード条件のために導波路幅を狭くする必要があるためである。さらに、図7に示すように、VT−SSCを有する導波路構造15を横切って多層膜基板10をへき開することで、導波路端面にSSCを有する光デバイスが得られる。
図8に本実施例により得られるVT−SSCの端面と、モードフィールド直径(mode−field diameter: MFD)が3.5μmのガウシアンモードとの結合効率の変化(結合損失)を示す。導波路エッチング工程としてVT−SSCの端面の導波路幅に対する結合損失を、MQWコア層2の厚さtが50、100、150、200、300、400、500nmであった場合において示している。MFDを3.5μmとした理由は、このサイズのスポットサイズのFFP角度が、光デバイスと外部光の光学系を組むための一つの基準となる、およそ20°となるためである(非特許文献4参照)。VT−SSCのモード解析には虚軸伝搬による有限差分ビーム伝搬法を用いた。計算には1550nmの波長の光を用いた。尚、導波路端面におけるフレネル反射に起因する反射損失は無視している。
図8に示す通り、導波路構造15の幅が±1μm変動したとしても結合損失の揺らぎは0.5dB以下であり、現状のフォトリソグラフィーの工程の精度が悪くとも±0.2μm程度の揺らぎに収まることを考えれば、本実施例の作製方法によるVT−SSCは導波路マスクパターン14を形成するフォトリソグラフィーの工程に全く負担をかけない工程であると言える。
また図9は、導波路幅を5μmと固定した時に、MQWコア層2の厚さtの変動に対するモードフィールド直径(mode−field diameter: MFD)が3.5μmのガウシアンモードとの結合効率の変化(結合損失)を示している。すなわち図9は導波路エッチング工程におけるエッチング深さDに求められる精度を評価した結果となる。ターゲットのコアの厚さtを100nmとしたときに、tが±50nm変動したとして結合損失は±0.5dB程度である。反応性プラズマを用いた開口パターンエッチング工程においてはプラズマを得るための高周波エネルギーを落とすことでエッチングレートを50nm/min程度の比較的遅いエッチングレートを得ることができる。従って、本実施例における開口パターンエッチング工程はエッチング時間に換算して1分程度の揺らぎが許容され、これは一般的なエッチングから考えると十分に安定な工程だと言える。つまり、本実施例の作製方法によって得られるVT−SSCは垂直方向のスポットサイズにおいても作製許容度が高いという利点を有していると言える。
[実施例2]
実施例1では、傾斜構造12を得た後に、再成長層13としてInPを再成長したが、本実施例では、傾斜構造12を含む多層膜基板10上に導波路構造15へ加工した後に、再成長層13を再成長することで、埋め込み型のVT−SSCを得る。図10は、作製した埋め込み型のVT−SSCのy―y’方向断面を示している。
[実施例3]
実施例1、2は光デバイスの端面にSSCを形成することで外部との光学系との結合効率向上を測る例であるが、光デバイスの内部にSSCを配置することでも光デバイスの高機能化を図ることができる。実施例1、2ではVT−SSCが存在する箇所においてへき開により、導波路15を切断して端面にSSCを有する光デバイスを作製したが、本実施例では、図11に示すように、VT−SSCが存在する箇所をエッチングにより切断することで、光デバイスの内部にSSCを形成する。図11は、VT−SSCの途中にギャップを形成した、ギャップ導波路の導波路を示す断面図である。
このようにギャップを有する導波路は、小型な導波路反射鏡として機能したり、ギャップの間に波長板を挿入することで、導波路を導波する光の偏光状態を制御したりできる反面、導波路を伝搬する光のスポットサイズが小さいと、ギャップ部で光が大きな角度で放射されてしまい、再び導波路へ結合する際の損失が大きくなってしまうという問題がある。従って、本実施例のようにVT−SSCの箇所にギャップを形成することで、過剰損失の小さなギャップ導波路を形成できる。
1 ベース基板層
2 コア層
3 オーバークラッド層
10 多層膜基板
11 開口マスクパターン
12 傾斜構造
13 再成長層
14 導波路マスクパターン
15 導波路構造

Claims (6)

  1. 光導波路を形成する材料基板に対して、光導波路の長手方向に沿って開口幅が変化する開口マスクを形成するステップと、
    形成した開口マスクを用いて、前記材料基板に対してエッチングすることにより、前記開口マスクの開口幅の変化に対応して光導波路を形成する材料層の厚みが変化する傾斜構造を形成するステップと、
    傾斜構造を有する材料基板をさらに光導波路パターンでエッチングして光導波路を作製するステップとを含むことを特徴とする光導波路の作製方法。
  2. 基板と、該基板上に該基板と屈折率が異なる材料により形成された光導波路のコア層となる層を含む多層膜基板の上に、該多層膜基板をエッチングする際のマスクとなる第1のマスク層を形成するステップと、
    前記マスク層を、光導波路の長手方向に沿って開口幅が変化する開口マスクパターンに加工するステップと、
    前記開口マスクパターンを用いて多層膜基板に対してエッチングをすることにより、マスクパターンの前記光導波路の長手方向に沿った前記開口幅の変化を反映して、コア層となる層のエッチング深さが変化する傾斜構造を多層膜基板上に形成するステップと、
    前記傾斜構造を有する多層膜基板の上に、多層膜基板をさらにエッチングする際のマスクとなる第2のマスク層を新たに形成するステップと、
    前記多層膜基板において傾斜構造が存在する箇所に導波路構造が形成できる導波路マスクパターンに前記第2のマスク層を加工するステップと、
    前記導波路マスクパターンを用いて前記傾斜構造を有する多層膜基板をエッチングすることにより、前記多層膜基板上の傾斜構造が存在する箇所に光導波路を形成するステップと、を含む光導波路の作製方法。
  3. 前記傾斜構造は、前記光導波路を伝搬する光の電磁界モードの広がりを連続的に変化させるスポットサイズ変換器として機能することを特徴とする請求項2に記載の光導波路の作製方法。
  4. 前記傾斜構造を多層膜基板上に形成するステップの後に、前記傾斜構造を有する多層膜基板の上に少なくとも1つ以上の材料からなる再成長層を堆積させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の光導波路の作製方法。
  5. 前記光導波路を形成するステップの後に、少なくとも1つ以上の材料からなる再成長層を堆積することにより、傾斜構造が存在する箇所に光導波路が再成長層によって埋め込まれている光導波路を得るステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の光導波路の作製方法。
  6. 前記光導波路の短手方向に前記傾斜構造を含む光導波路をエッチングすることにより、前記光導波路内にギャップを形成することを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の光導波路の作製方法。
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