JP2016199691A - 紫外線硬化型の静電インクジェット用インク - Google Patents

紫外線硬化型の静電インクジェット用インク Download PDF

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Junji Ito
淳二 伊藤
愛知 靖浩
Yasuhiro Aichi
靖浩 愛知
佐藤 尚武
Naotake Sato
尚武 佐藤
安田 淳司
Junji Yasuda
淳司 安田
公治 井上
Kimiharu Inoue
公治 井上
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Abstract

【課題】 高解像で高画質な記録が可能で、十分な定着性を有するインクジェット記録装置に用いられる紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを提供する。【解決手段】 カチオン重合性液状モノマー、光重合開始剤、前記液状モノマーに不溶なトナー粒子を含む紫外線硬化型の静電インクジェット用インクであって、前記カチオン重合性液状モノマーがビニルエーテル化合物であり、前記光重合開始剤が一般式(1)で表される化合物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、記録ヘッドと記録媒体を相対移動させつつインクを吐出させることにより、記録媒体に画像を形成するようにしたインクジェット記録装置に用いられる紫外線硬化型の静電インクジェット用インクに関する。
一般にインクジェット記録装置では、記録ヘッドに複数の吐出部を配列し、各吐出部からインクをインク液滴として吐出し、記録媒体上に画像を形成する。周知のインク液滴吐出機構として、電気機械変換式や電気熱変換式、静電吸引式などがある。電気機械変換式では、ピエゾ素子の変形による圧力を利用し、インク液滴を吐出する。電気熱変換式では、発熱素子によりインクを加熱沸騰させて生ずる気泡の圧力を用いインク液滴を吐出する。静電吸引式では、吐出部に備えられた吐出用電極と、吐出部と対向する対向電極との間で形成される電界によりインクを吸引し、インク液滴を吐出する。
インクジェット記録装置は、記録媒体に対して非接触で記録を行うため、駆動時の騒音が低く、カラー記録を安価かつ小型で簡単な構成によって比較的容易に実現しうるという利点があり、種々の記録に使用されている。特に、静電吸引方式においては、電気機械変換式でのピエゾ素子組み込みによる装置の複雑化や、電気熱変換式での発熱による発熱素子の熱劣化といった問題を回避した、堅牢なシステムを実現することができる。
静電吸引方式の課題は、メディアへのインクの定着性である。その対策で広く利用されているのが、特許文献1に開示されているようなニスの上塗りに代表される後工程である。ニスの乾燥工程は、熱エネルギーを加えて揮発除去する方法が一般的である。
しかしながら、その際、装置外に揮発性有機溶剤蒸気を放散させてしまったり、多大なエネルギーを消費したりするなど、環境的な観点からは必ずしも好ましいものではなかった。
続いて、インクの電気抵抗値について述べる。
インク液滴ドットにより画像を形成するインクジェット記録装置において、画像の高画質化のためには、インク液滴を記録媒体上の所望の位置に高精度で着弾させること、および高解像度でインク液滴を配置することが重要となる。
高解像度化を実現するには吐出部を高密度で配列する必要があるが、吐出部配列の高密度化で吐出部間距離が短くなる。
静電吸引方式のインクジェット記録システムにおいては、複数の吐出部に印加する吐出電圧が高電圧のため、吐出部間距離が近接すると電流リークが発生し重大な故障の要因となる。特に、インク液の電気抵抗値が低すぎると、電流リークの発生頻度が上昇するため、吐出部の高密度配置には、インク液の高抵抗化が必要である。
また、静電吸引方式のインクジェット記録システムにおいては、吐出部にかかる電界の作用で液滴の吐出制御を行う。
しかしながら、複数の吐出部間に低抵抗インク液が介在すると、吐出部ごとの電位差を形成しにくくなり、吐出部ごとの画像記録制御が難しくなる。
特許文献2には、10Ω・cm以上必要と記載されているが、構成する条件に大きく依存する。
特表2013−504462号公報 特表平10−502692号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、十分な定着性を有する紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを提供することである。
本発明者らは、定着性の対策として、インク剤を光重合により硬化させる方法を提案する。この光硬化型のインク剤(キャリア液とトナー粒子の混合物)は、特にキャリア液として反応性官能基を持ったモノマーまたはオリゴマーを使用し、さらに光重合開始剤を添加溶解したものである。この光硬化型インク剤に紫外線などの光を照射することにより、重合反応により硬化するもので、高速対応が可能である。この光硬化型液体インク剤としては、反応性官能基を持ったモノマーとしてウレタンアクリレートなどのアクリレートモノマーが使用されることがある。
しかしながら、アクリレートモノマーは皮膚や眼に対する刺激性が高いなどの安全性に大きな問題を有しているだけでなく、体積抵抗が低下しやすく、前述の電流リークによる問題が発生しやすい。
硬化性電気絶縁性液体として、中でもビニルエーテルモノマーは高い体積抵抗率を得やすく、反応速度も速いため、硬化性電気絶縁性液体として好適である。ビニルエーテルモノマーを光重合する場合、カチオン重合性の光重合開始剤を添加する必要がある。
しかしながら、カチオン重合性の光重合開始剤としては一般にイオン性の光酸発生剤を用いる必要があるが、イオン性の光酸発生剤は体積抵抗を大きく低下させてしまうため、やはり前述の電流リークによる問題が発生しやすい。
本発明は、カチオン重合性液状モノマー、光重合開始剤、前記液状モノマーに不溶なトナー粒子を含む紫外線硬化型の静電インクジェット用インクであって、
前記カチオン重合性液状モノマーがビニルエーテル化合物であり、前記光重合開始剤が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
一般式(1)
Figure 2016199691
一般式(1)において、xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。R1とR2は互いに結合して環構造を形成する。
本発明によれば、高い画像濃度が得られるとともに、画像ボケを生じにくく、十分な定着性を有する紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを提供することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の記録部の概略構成を示す斜視図である。 実施例1の記録ヘッド吐出部付近の斜視図である。 図1の記録装置の制御構成を示すブロック図である。 図2の記録ヘッド吐出部の断面図である。
本発明の紫外線硬化型液体のインクジェット用インクは、カチオン重合性液状モノマー、光重合開始剤、前記液状モノマーに不溶なトナー粒子を含有する。
以下、本発明の紫外線硬化型液体のインクジェット用インクに含有される各構成成分について説明する。
[光重合開始剤]
本発明の光重合開始剤は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
Figure 2016199691
一般式(1)において、xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。R1とR2は互いに結合して環構造を形成する。
一般式(1)で表される光重合開始剤を用いることにより、良好な定着を可能としつつも、イオン性の光酸発生剤を用いる場合と異なり、高抵抗な液体静電インクジェット用インクが得られる。
本発明の光重合開始剤は、紫外線照射により光分解し、強酸であるスルホン酸を発生する。また、増感剤を併用し、増感剤が紫外線を吸収することをトリガーとして、開始剤の分解、スルホン酸の発生を行わせることも可能である。
R1とR2とが結合して形成される環構造としては、例えば、5員環、6員環を例示することができる。また、それらの環構造は、置換基として、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基を有していてもよい。さらに、置換基を有していてもよい脂環、複素環および芳香環などの他の環構造が縮合していてもよい。
電子吸引性の大きいCxFy基は、フッ化炭素基(パーフルオロアルキル基)であり、紫外線照射によりスルホン酸エステル部分を分解させるための官能基である。炭素原子数は1〜8(x=1〜8)であり、フッ素原子数は3〜17(y=3〜17)である。
炭素原子数が1以上であれば強酸の合成が容易であり、8以下であれば保存安定性に優れる。フッ素原子数が3以上であれば強酸として作用することができ、17以下であれば強酸の合成が容易である。
一般式(1)中のCxFy基としては、
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)、
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)、
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)、および
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)
が挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された直鎖アルキル基(RF1)としては、例えば、トリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)、パーフルオロn−ヘキシル基(x=6,y=13)、およびパーフルオロn−オクチル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換された分岐鎖アルキル基(RF2)としては、例えば、パーフルオロイソプロピル基(x=3,y=7)、パーフルオロ−tert−ブチル基(x=4,y=9)、およびパーフルオロ−2−エチルヘキシル基(x=8,y=17)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基(RF3)としては、例えば、パーフルオロシクロブチル基(x=4,y=7)、パーフルオロシクロペンチル基(x=5,y=9)、パーフルオロシクロヘキシル基(x=6,y=11)、およびパーフルオロ(1−シクロヘキシル)メチル基(x=7,y=13)などが挙げられる。
水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基(RF4)としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)、および3−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル基(x=7,y=7)などが挙げられる。
一般式(1)中のCxFy基のうち、入手のしやすさ、および、スルホン酸エステル部分の分解性の観点から、直鎖アルキル基(RF1)、分岐鎖アルキル基(RF2)、および、アリール基(RF4)が好ましい。さらに好ましくは、直鎖アルキル基(RF1)、およびアリール基(RF4)である。特に好ましくはトリフルオロメチル基(x=1,y=3)、ペンタフルオロエチル基(x=2,y=5)、ヘプタフルオロn−プロピル基(x=3,y=7)、ノナフルオロn−ブチル基(x=4,y=9)、および、ペンタフルオロフェニル基(x=6,y=5)である。
本発明に使用しうる光重合開始剤の具体例〔例示化合物A−1〜A−27〕を以下に挙げるが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
(A−1)
Figure 2016199691
(A−2)
Figure 2016199691
(A−3)
Figure 2016199691
(A−4)
Figure 2016199691
(A−5)
Figure 2016199691
(A−6)
Figure 2016199691
(A−7)
Figure 2016199691
(A−8)
Figure 2016199691
(A−9)
Figure 2016199691
(A−10)
Figure 2016199691
(A−11)
Figure 2016199691
(A−12)
Figure 2016199691
(A−13)
Figure 2016199691
(A−14)
Figure 2016199691
(A−15)
Figure 2016199691
(A−16)
Figure 2016199691
(A−17)
Figure 2016199691
(A−18)
Figure 2016199691
(A−19)
Figure 2016199691
(A−20)
Figure 2016199691
(A−21)
Figure 2016199691
(A−22)
Figure 2016199691
(A−23)
Figure 2016199691
(A−24)
Figure 2016199691
(A−25)
Figure 2016199691
(A−26)
Figure 2016199691
(A−27)
Figure 2016199691
光重合開始剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インク組成物中の光重合開始剤の含有量は、液状モノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
[ビニルエーテル化合物]
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクにおいては、カチオン重合性液状モノマーとしてビニルエーテル化合物を用いる。ビニルエーテル化合物を用いた場合には、電気抵抗が高く、低粘度で、高感度な紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを得ることができる。本発明者らは、ビニルエーテル化合物の分子内の電子密度の偏りが少ないことに起因して、好適な特性が発現しているものと推測している。
カチオン重合性液状モノマーとしては、アクリルモノマー、および、エポキシやオキセタンなどの環状エーテルモノマーなどが広く利用されている。
しかしながら、アクリルモノマーは分子内に電子密度に偏りがあり、分子間に静電的な相互作用が働くため、低粘度な液体静電インクジェット用インクを得にくく、また、抵抗が低くなる傾向がある。環状エーテルモノマーも高い電気抵抗を得にくく、さらに、反応速度がビニルエーテル化合物と比べて大幅に低く、紫外線硬化型の静電インクジェット用インクへの適用は困難である。
カチオン重合性液状モノマーは、ビニルエーテル基(CH=CH−O−)以外の部分にヘテロ原子を有しないビニルエーテル化合物であることが好ましい。ここでヘテロ原子とは炭素原子と水素原子以外の原子のことをいう。ビニルエーテル基以外の部分にヘテロ原子を有しないビニルエーテル化合物であれば、分子内の電子密度の偏りが抑制され、高い電気抵抗が得られやすい。
さらに、カチオン重合性液状モノマーは、ビニルエーテル基(CH=CH−O−)以外の部分に炭素−炭素二重結合を有しないビニルエーテル化合物であることが好ましい。ビニルエーテル基以外の部分に炭素−炭素二重結合を有しないビニルエーテル化合物であれば、電子密度の偏りが抑制され、高い電気抵抗が得られやすい。
本発明に使用しうるビニルエーテル化合物の具体例〔例示化合物B−1〜B−30〕を以下に挙げるが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
(B−1)
Figure 2016199691
(B−2)
Figure 2016199691
(B−3)
Figure 2016199691
(B−4)
Figure 2016199691
(B−5)
Figure 2016199691
(B−6)
Figure 2016199691
(B−7)
Figure 2016199691
(B−8)
Figure 2016199691
(B−9)
Figure 2016199691
(B−10)
Figure 2016199691
(B−11)
Figure 2016199691
(B−12)
Figure 2016199691
(B−13)
Figure 2016199691
(B−14)
Figure 2016199691
(B−15)
Figure 2016199691
(B−16)
Figure 2016199691
(B−17)
Figure 2016199691
(B−18)
Figure 2016199691
(B−19)
Figure 2016199691
(B−20)
Figure 2016199691
(B−21)
Figure 2016199691
(B−22)
Figure 2016199691
(B−23)
Figure 2016199691
(B−24)
Figure 2016199691
(B−25)
Figure 2016199691
(B−26)
Figure 2016199691
(B−27)
Figure 2016199691
(B−28)
Figure 2016199691
(B−29)
Figure 2016199691
(B−30)
Figure 2016199691
これらの中でも特に好ましいものとして、ジシクロペンタジエンビニルエーテル(B−8)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(B−17)、トリシクロデカンビニルエーテル(B−10)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(B−24)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル(B−25)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル(B−26)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル(B−27)、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル(B−23)、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル(B−28)、1,2−デカンジオールジビニルエーテル(B−30)などが挙げられる。
[トナー粒子]
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクは、液状モノマーに不溶なトナー粒子を含有する。トナー粒子はバインダー樹脂および顔料を含有するが、必要に応じ、帯電制御剤を含有させてもよい。
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクの製造方法において、上記トナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法や湿式粉砕法などの公知の方法が挙げられる。
上記コアセルベーション法については、例えば、特開2003−241439号公報、再公表公報(WO2007/000974号、WO2007/000975号)に詳細が記載されている。また、上記湿式粉砕法については、例えば、再公表公報(WO2006/126566号、WO2007/108485号)に詳細が記載されている。本発明においては、このような公知の方法が利用可能である。
これらの方法によって得られたトナー粒子は、高精細画像を得るという観点から、平均粒子径が0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜1μmである。
[バインダー樹脂]
上記バインダー樹脂としては、紙、プラスチックフィルムなどの被着体に対して定着性を有する公知のバインダー樹脂が使用できる。例えば、エポキシ樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−アクリル樹脂、ロジン変性樹脂などの樹脂が使用できる。必要に応じ、これらの単独または2種以上併用することができる。
バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、上記顔料100質量部に対して、50〜1000質量部であることが好ましい。
[顔料]
上記顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料、または顔料を分散媒として不溶性の樹脂などに分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したものなどを用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料および無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青あるいはシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミルなどの分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクは、必要に応じ下記のような添加剤を含有することが好ましい。
〈増感剤〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクには、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化などの目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光重合開始剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものであれば、いずれでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは、光酸発生剤1質量部に対し0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部で使用される。
また、本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクには、さらに上記増感剤と光重合開始剤の間の電子移動効率もしくはエネルギー移動効率を向上する目的で増感助剤を添加することも好ましい態様である。具体的な増感助剤の例としては、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトールなどのナフタレン化合物、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、1−メトキシ−4−フェノール、1−エトキシ−4−フェノールなどのベンゼン化合物などが挙げられる。
これらの増感助剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、増感剤1質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部で使用される。
〈カチオン重合禁止剤〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクには、カチオン重合禁止剤を添加することもできる。カチオン重合禁止剤としては、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、あるいは、アミン類を挙げることができる。
アミンとして好ましくは、アルカノールアミン類、N,N−ジメチルアルキルアミン類、N,N−ジメチルアケニルアミン類、N,N−ジメチルアルキニルアミン類などであり、具体的には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−エチルアミノエタノール、4−エチルアミノ−1−ブタノール、4−(n−ブチルアミノ)−1−ブタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジメチルウンデカノール、N,N−ジメチルドデカノールアミン、N,N−ジメチルトリデカノールアミン、N,N−ジメチルテトラデカノールアミン、N,N−ジメチルペンタデカノールアミン、N,N−ジメチルノナデシルアミン、N,N−ジメチルイコシルアミン、N,N−ジメチルエイコシルアミン、N,N−ジメチルヘンイコシルアミン、N,N−ジメチルドコシルアミン、N,N−ジメチルトリコシルアミン、N,N−ジメチルテトラコシルアミン、N,N−ジメチルペンタコシルアミン、N,N−ジメチルペンタノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルヘプタノールアミン、N,N−ジメチルオクタノールアミン、N,N−ジメチルノナノールアミン、N,N−ジメチルデカノールアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミンが挙げられる。これらの他にも、4級アンモニウム塩なども使用することができる。カチオン重合禁止剤としては、特に、2級アミンが好ましい。
カチオン重合禁止剤の添加量は本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクに対して10〜5000ppmであることが好ましい。
〈ラジカル重合禁止剤〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクには、ラジカル重合禁止剤を添加してもよい。
ビニルエーテル化合物を含有する紫外線硬化型の静電インクジェット用インクは、経時保存中に光重合開始剤が極々わずかに分解し、ラジカル化合物化し、そのラジカル化合物に起因する重合を引き起こす場合がある。それを防止するために添加することが好ましい。
適用可能なラジカル重合禁止剤としては、例えば、フェノール系水酸基含有化合物、メトキノン(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、ハイドロキノン、4−メトキシ−1−ナフトールなどのキノン類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル フリーラジカル、N−オキシル フリーラジカル化合物類、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、各種糖類、リン酸系酸化防止剤、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体、芳香族アミン、フェニレンジアミン類、イミン類、スルホンアミド類、尿素誘導体、オキシム類、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物、フェノチアジンなどの含硫黄化合物、テトラアザアンヌレン(TAA)をベースとする錯化剤、ヒンダードアミン類などが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の重合による紫外線硬化型の静電インクジェット用インクの増粘防止の観点から好ましいのは、フェノール類、N−オキシル フリーラジカル化合物類、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル フリーラジカル、フェノチアジン、キノン類、ヒンダードアミン類であるが、とりわけ好ましいのは、N−オキシル フリーラジカル化合物類である。
ラジカル重合禁止剤の添加量は本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクに対して1〜5000ppmであることが好ましい。
〈帯電制御剤〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクは、必要に応じて荷電制御剤を含んでもよい。荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。具体的な化合物としては、亜麻仁油、大豆油などの油脂;アルキド樹脂、ハロゲン重合体、芳香族ポリカルボン酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸亜鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸コバルトなどの金属石鹸類;石油系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩などのスルホン酸金属塩類;レシチンなどの燐脂質;t−ブチルサリチル酸金属錯体などのサリチル酸金属塩類;ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ安息香酸誘導体などが挙げられる。
また、その他にも、上記着色樹脂分散物は、必要に応じて他の添加剤を配合することができる。
〈その他の添加剤〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクには、上記説明した以外に、必要に応じて、記録媒体適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
〈画像形成装置〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクは、インクジェット記録方式の一般の画像形成装置において好適に使用できる。
〈紫外線光源〉
本発明の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクは、記録媒体への転写後速やかに紫外線が照射され、硬化することによって画像が定着されることが好ましい。
ここで、紫外線を照射するための光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザ、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)などが適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライト、LEDが好ましい。
紫外線の照射量は、0.1〜1000mJ/cmであることが好ましい。
本発明によれば、安全性が高く、高解像で高画質な記録が可能で、十分な定着性を有するインクジェット記録装置に用いられる紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを提供することができる。
以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット方式に従う記録ヘッドを用いた記録装置を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある。)とは、文字、図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚しうるように顕在化したものであるか否かを問わない。広く記録媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革など、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターンなどの形成に供されうる液体を表すものとする。
始めに、以下の実施形態に共通なインクジェット記録装置の構成について、図1および図2を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係るインクジェット記録装置は、ブラック101K、シアン101C、マゼンタ101M、イエロー101Yの4色のカラーインクを吐出する記録ヘッドを備えている。104は記録媒体送りローラーであり、記録媒体送り補助ローラー105とともに記録媒体103を狭持しつつ図の矢印の方向に回転し、記録媒体103をY方向に搬送する。また、106は記録媒体補給ローラー、107は記録媒体補給補助ローラーであり、記録媒体を積載する不図示のトレーから記録媒体103の補給を行うとともに、紙送りローラー104および補助ローラー105と同様に記録媒体103を狭持する役割を果たす。記録ヘッドと対向する位置に対向電極102があり、記録ヘッド101と対向電極102の間に記録媒体103が介在している。
その後、UVランプ108を用いてUV光照射することによってUVインクを硬化させるので、従来技術のようにインク打滴後に熱圧定着させる必要がなく、大サイズの記録媒体を均一に定着させることができる。また、厚い用紙やエンボス紙に対しても安定して画像を定着させることができる。
図2に、記録ヘッド101Kの吐出部付近の一部を示す。絶縁体で形成された吐出基板202先端に櫛歯状の吐出部204があり、該吐出部204に電極203が施されている。インク流路部材201は、図示されないインク供給手段に接続され、供給されたインクはインク流路部材201の溝部207を矢印205に沿って流れ、吐出部先端へと導かれる。なお、記録ヘッド101C、101M、101Yも101Kと同じ構成である。
次に、上記で説明したインクジェット記録装置および記録ヘッドの制御構成について、図3を参照して説明する。
図中300は、記録装置に対して記録命令などの制御データと記録すべき画像データを送信するとともに、記録装置からステータス情報などを受信するホストコンピュータである。301はホストコンピュータ300から送信された制御データおよび画像データを受信するとともに、ステータス情報などをホストコンピュータに対して出力する、入出力インターフェイスである。302はCPUであり、ホストコンピュータ300の命令に従い、記録装置全体の動作を制御する。303は制御プログラムやフォントなどのデータが格納されたROM、304は記録データを一時的に格納する記録バッファーやCPUのワークエリアとして使用されるRAMである。305は搬送ローラーや給紙ローラー駆動用などの各種駆動用モーター306を駆動するモータードライバーであり、CPU302の指令に従い駆動用モーター306の駆動を制御する。307は記録ヘッド101を駆動するヘッドドライバーであり、CPU302から出力される指令に従い記録ヘッド101を駆動する。
ホストコンピュータ300から送信された画像データは、入出力インターフェイス301内の受信バッファーに一時的に格納され、記録装置で処理可能な記録データに変換されてCPUに供給される。CPU302は、ROM303に格納されている制御プログラムに基づき、CPU302に供給された記録データを各インク単位に分割し、RAM304の記録バッファーに一旦格納する。RAM304の記録バッファーに格納された記録データは、各インクの記録素子列の駆動順序に合わせてCPU302に再度読み出される。そして、実際の吐出タイミングに合わせてヘッドドライバー307に出力され、対応する記録ヘッドが駆動されてインクが吐出されて記録が行われる。
図4に、吐出状態にある記録ヘッド101Kの断面図を示す。櫛歯状の吐出部204の間にインク401が満たされている。この状態で電極203と対向電極102との間に電位差をかけると、静電気力によりインク401中のイオンが対向電極102に引き寄せられる。静電気力がインクの表面張力を上回ると、インク301がインク液滴402として分裂し、記録媒体へ向けて飛翔、着弾する。インクは、高抵抗溶媒中に電荷を保持したトナー粒子が分散した物でもよく、静電気力によりインクが対向電極に引き寄せられ、同様の効果を示す。また、電荷を保持したトナー粒子は電界によって吐出部204先端部分に泳動するため、インクの色材濃度を高めた上で吐出することができる。
ここでまず、インク401がインク液滴402として吐出される電圧値について調べた。吐出部先端と記録媒体103との距離は600μmであり、また記録媒体103には金属媒体を用い、該記録媒体103の電位は接地された対向電極102と同電位となっている。この状態で電極203に電圧を印加したところ、1200Vを上回った時点でインク液滴402の吐出が生じた。つまり、吐出部204と記録媒体103との間で1200V/600μm=2.0×106V/m以上の電界がかかると、インク液滴が吐出することが分かった。この電界が生じる電圧のことを吐出閾電圧Vtとする。なお吐出閾電圧Vtは、吐出部の形状やインクの物性、インク帯電量、電極間距離など諸々の条件により変わるため、実施する構成ごとにあらかじめ検討しておくとよい。
次に、パルス状吐出電圧を印加した場合の吐出状態について調べた。電極203に1300Vの電圧を20kHzの吐出周波数で印加したところ、吐出量約2plのインク液滴が吐出された。
以下、本発明の静電インクジェット用インクの製造方法をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨と適用範囲を逸脱しない限り、これらに限定されるものではない。なお、以下の記述中において、特に断りのない限り、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
下記の実施例および比較例で使用した各材料について説明する。
(実施例1)
(トナー粒子の作成)
セパラブルフラスコ中に、ニュクレルN1525(エチレン−メタクリル酸樹脂/三井デュポンポリケミカル株式会社製)25部とドデシルビニルエーテル75部を投入し、スリーワンモーターで200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり−15℃の速度で徐冷し、トナー粒子前駆体を作成した。得られたトナー粒子前駆体は、白色のペースト状であった。
当該トナー粒子前駆体を59.40部、顔料としてピグメントブルー15:3を4.95部、荷電補助剤としてトリステアリン酸アルミニウムを0.2部、およびドデシルビニルエーテル35.45部を、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(クラシックラインP−6/フリッチュ社)に充填し、室温で4時間200rpmにて粉砕して、トナー粒子分散体(固形分20質量%)を得た。得られたトナー粒子は平均粒径0.85μmであった(日機装株式会社製ナノトラック150にて測定)。
当該トナー粒子分散体10.0部に、帯電制御剤として水素添加レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ株式会社製)を0.1部、重合性液状モノマーとしてジプロピレングリコールジビニルエーテル(例示化合物B−19)を89.7部、例示化合物A−3に示した光重合開始剤0.2部を加え、紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを得た。
(実施例2〜14、比較例1〜8)
実施例1で得られたトナー粒子分散体、帯電制御剤、重合性液状モノマー、および光重合開始剤を表1および表2の組成となるように配合し、実施例2〜14、比較例1〜8の紫外線硬化型の静電インクジェット用インクを得た。
比較例で使用した重合性モノマー、および重合開始剤は以下のとおりである。
〈ラジカル重合性モノマー(C−1)〉
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、ラジカル重合性モノマー)
〈光重合開始剤(D−1)〉
CPI−110P(サンアプロ株式会社製、トリアリールスルホニウム塩タイプの光カチオン重合開始剤)
〈光重合開始剤(D−2)〉
WPI−113(和光純薬工業株式会社製、ジフェニルヨードニウム塩タイプの光カチオン重合開始剤)
〈光重合開始剤(D−3)〉
Irgacure369(BASFジャパン株式会社製、α−アミノアルキルフェノン系の光ラジカル重合開始剤)
〈光重合開始剤(D−4)〉
LucirinTPO(BASFジャパン株式会社製、アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
〈性能評価〉
(体積抵抗率)
アドバンテスト社製R8340を用いて体積抵抗率を測定した。
(画像性)
各静電インクジェット用インクを用い、上述のインクジェット装置にて画像出力を行い、得られた画像の良否を確認した。
5:隣接吐出部間のリークが無く、ムラなく均質な画像が得られた
4:若干の濃度ムラが見られる
3:濃度ムラが目立つものの、インク吐出されていることがわかる
2:激しい濃度ムラが発生し、インク吐出不十分であった
1:インク吐出できなかった
(定着性)
上述のインクジェット装置で出力した画像に、ランプ出力120mW/cmの高圧水銀ランプにより120mJ/cm(測定波長365nm)の紫外線を照射して、硬化膜を形成した。硬化直後の膜表面を触指し、表面タック(粘着性)の有無を確認した。
3:タックがまったく認められない
2:わずかにタックが認められる
1:触指時に膜がはがれる、もしくは硬化していない
Figure 2016199691
Figure 2016199691
表1、表2の体積抵抗率の「E」は「×10」を意味し、その右の数字は、指数を意味する。例えば、「4.50E+10」は「4.50×1010」を意味する。
表1、表2の結果から、従来技術である比較例1〜8では、十分な定着性を得るためには体積抵抗率が下がりやすい重合開始剤を多量に使用せねばならず、インク吐出性と定着性を両立できていないことがわかる。これに対して本発明の実施例1では、良好な定着性を得つつもインク吐出可能になっていることがわかる。
また、実施例1と実施例2の比較から、カチオン重合性液状モノマーをビニルエーテル基以外にヘテロ原子を有しないビニルエーテル化合物とすることで、より良好なインク吐出特性が得られることがわかる。
さらに、実施例2と実施例3〜14の比較から、カチオン重合性液状モノマーをビニルエーテル基以外に二重結合を有しないビニルエーテル化合物とすることで、さらに良好なインク吐出特性が得られることがわかる。
101 記録ヘッド
102 対向電極
103 記録媒体
104 記録媒体送りローラー
105 記録媒体送り補助ローラー
106 記録媒体補給ローラー
107 記録媒体補給補助ローラー
108 UVランプ
201 流路部材
202 絶縁体
203 電極
204 吐出部
205 インクの流れ方向
206 中間電極
207 溝部
300 ホストコンピュータ
301 入出力インターフェイス
302 CPU
303 ROM
304 RAM
305 モータードライバー
306 駆動用モーター
307 ヘッドドライバー
401 インク
402 インク液滴

Claims (5)

  1. カチオン重合性液状モノマー、
    光重合開始剤、および、
    前記液状モノマーに不溶なトナー粒子
    を含む紫外線硬化型の静電インクジェット用インクであって、
    前記カチオン重合性液状モノマーが、ビニルエーテル化合物であり、
    前記光重合開始剤が、一般式(1)で表される化合物である
    ことを特徴とする紫外線硬化型の静電インクジェット用インク。
    一般式(1)
    Figure 2016199691

    (一般式(1)において、xは1〜8の整数を表し、yは3〜17の整数を表す。R1とR2は互いに結合して環構造を形成する。)
  2. 前記カチオン重合性液状モノマーが、ビニルエーテル基を有し、かつ前記ビニルエーテル基以外の部分にヘテロ原子を有しないビニルエーテル化合物である請求項1に記載の紫外線硬化型の静電インクジェット用インク。
  3. 前記カチオン重合性液状モノマーが、ビニルエーテル基を有し、かつ前記ビニルエーテル基以外に二重結合を有しないビニルエーテル化合物である請求項1または2に記載の紫外線硬化型の静電インクジェット用インク。
  4. 前記カチオン重合性液状モノマーが、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジビニルエーテル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテルおよび1,2−デカンジオールジビニルエーテルからなる群より選ばれる化合物である請求項1に記載の紫外線硬化型の静電インクジェット用インク。
  5. 前記一般式(1)におけるCxFy基が、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロn−プロピル基、ノナフルオロn−ブチル基およびペンタフルオロフェニル基からなる群より選ばれるいずれかの基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型の静電インクジェット用インク。
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