JP2016199664A - 劣化防止用塗料並びにコンクリート及び金属材料の劣化防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属材料だけでなくコンクリートの劣化を防止することができる劣化防止用塗料並びにコンクリート及び金属材料の劣化防止方法を提供する。【解決手段】 本発明に係る劣化防止用塗料は、エポキシ樹脂塗料及び塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンに金属箔片及び亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を加えてなる主剤にポリアミドアミンを含む硬化剤を組み合わせてなることを特徴とし、本発明に係るコンクリート及び金属材料の劣化防止方法は前記劣化防止用塗料をコンクリート及び金属材料のいずれにも塗布することによりコンクリートと金属材料の劣化をそれぞれ防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、劣化防止用塗料並びにコンクリート及び金属材料の劣化防止方法に関し、さらに詳しくは、コンクリート及び金属材料のいずれにも使用することができる劣化防止用塗料並びにそれを用いたコンクリート及び金属材料の劣化防止方法に関する。
コンクリートは耐久性に優れた素材であり、建築や土木などに広く用いられている。コンクリートはアルカリ性であることから鉄筋コンクリートに用いられる鉄筋の表面には不動態皮膜が形成されて防錆状態に保持される。しかしながら、コンクリートは中性化、塩害等によって劣化することが知られている。すなわち、コンクリートは空気中の二酸化炭素と反応を起こして次第に中性化する。そして、コンクリートが中性化すると鉄筋の不動態皮膜が消失するために鉄筋の腐食が進行する。
また、コンクリートには細かな孔が無数に存在しており、この孔を通じて塩化物イオンがコンクリート内部に侵入すると鉄筋を腐食させ鉄筋を膨張させる。鉄筋が膨張するとコンクリートに引張り力が働くのでコンクリートにひび割れが生じることとなる。また、細かな孔に水分が含まれていると、寒冷地などではその水分が凍結膨張し、コンクリート表面からスケーリングやひび割れを発生させる。その他にも、化学的浸食による劣化やアルカリ骨材反応による劣化などが知られている。近年では、道路や建築物などのインフラストラクチャー(いわゆる「インフラ」)の劣化が懸念されており、トンネルや鉄橋などの崩落の危険性が高まっている。
このようなコンクリートの劣化を防止するためにこれまで種々の提案がなされており、例えば、コンクリートの表面を無機酸又は有機酸溶液で処理した後、水洗、乾燥し、浸透性吸水防止材を塗布し、さらにクリヤー塗料を塗布するコンクリート表面の塗装方法がある(特許文献1)
一方、錆びにくく、熱を伝えにくく、紫外線を反射する等の効果のあるステンレス含有エポキシ樹脂塗料として特許文献2に示すものがある。また、本願出願人は、特許文献2に記載のステンレス含有エポキシ樹脂塗料をさらに改良することにより、塗装面における長期間の耐久性を維持する塗料膜を形成する劣化防止用塗料を開発し特許出願を行った(特許文献3)。
特開2000−1384号公報 特公平6−13669号公報 特許第481482号公報
従来、コンクリートの劣化防止のための塗料と、金属材料、例えば、鉄板の防錆のための塗料とは別々のものが使用されていた。そのため、コンクリートの劣化防止と金属材料の防錆を図るためには別々の塗料を用意しなければならなかった。そして、例えば、道路と鉄橋のようなコンクリート構造物と金属製構造物や道路の橋梁のようなコンクリートと鉄板の複合構造物に対してはコンクリート用の劣化防止用塗料と鉄板用の防錆塗料とをそれぞれ別々に塗布しなければならず作業が面倒であった。
そこで、本願出願人が鋭意開発を行った結果、金属材料の防錆、すなわち、劣化防止を図ることができるだけでなくコンクリートの劣化防止にも有効な塗膜を得ることができる劣化防止用塗料を完成するに至った。そして、この劣化防止用塗料を用いることによりコンクリート及び金属材料のいずれの劣化も防止することが可能な劣化防止方法を完成するに至った。よって、本発明は、コンクリート及び金属材料のいずれにも劣化防止のために使用することができる劣化防止用塗料並びにコンクリート及び金属材料の劣化防止方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、金属及びコンクリートのいずれにも使用可能な劣化防止用塗料であって、エポキシ樹脂塗料及び塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンに金属箔片及び亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を加えてなる主剤にポリアミドアミンを含む硬化剤を組み合わせてなることを特徴とする劣化防止用塗料を提供する。
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、金属及びコンクリートのいずれにも使用可能な劣化防止用塗料であって、エポキシ樹脂塗料(固形分46.0〜100.0重量%)を60.0〜66.0重量%、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョン(固形分43.0〜50.0重量%)を1.0〜7.0重量%を含み、金属箔片を25.0〜27.0重量%、亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を6.0〜8.0重量%を含んで構成される主剤50〜65重量部に対し、ポリアミドアミンを21.0〜40.0重量%、溶剤を60.0〜79.0重量%を含んで構成される硬化剤を50〜35重量部の割合で組み合わせてなることを特徴とする劣化防止用塗料を提供する。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の劣化防止用塗料において、金属箔片は、ステンレス片、ニッケル泊片又はキュプロニッケル片の少なくとも1種又はそれらの2種あるいは3種の組み合わせであることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の劣化防止用塗料をコンクリートの表面に塗布することによりコンクリートの劣化を防止したことを特徴とするコンクリートの劣化防止方法を提供する。
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載のコンクリートの劣化防止方法において、劣化防止用塗料を塗布する前のコンクリート表面に予め前処理材を塗布することを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の劣化防止用塗料を金属材料に塗布することにより金属材料の劣化を防止したことを特徴とする金属材料の劣化防止方法を提供する。
本発明に係る劣化防止用塗料並びにコンクリート及び金属材料の劣化防止方法によれば、同じ劣化防止塗料を用いてコンクリートの劣化防止と金属材料の防錆すなわち劣化防止のいずれをも実現することができるという効果がある。そのため、コンクリート用の劣化防止塗料と金属材料用の防錆塗料を別々に用意する必要がなく塗布作業も極めて簡便化されるという効果がある。
本発明に係るコンクリートの劣化防止方法の一実施形態のフローチャートである。 本発明に係る金属材料の劣化防止方法の一実施形態のフローチャートである。
以下、本発明に係る劣化防止用塗料及び劣化防止方法について詳細に説明する。初めに、本発明に係る劣化防止用塗料について説明する。本発明に係る劣化防止用塗料は主剤と硬化剤を組み合わせて構成されるものであり、主剤はエポキシ樹脂塗料、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョン、金属箔片及び亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を含んで構成されている。
エポキシ樹脂塗料は、エポキシ樹脂を主たる構成成分とするものである。エポキシ樹脂は分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であり、代表的なものとしてはビスフェノールA型エポキシ樹脂がある。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンから合成され、分子内に残存するエポキシ基で架橋ネットワークを形成することによって三次元硬化物となる。ビスフェノールA以外にも種々のフェノール類を原料にしたエポキシ樹脂が製造されている。エポキシ樹脂はその分子量によって液状から固体までの製品が提供されており、アルコール類等の脂肪族型エポキシ樹脂やアミン類のエポキシ樹脂も製造されている。本発明に係る劣化防止用塗料の主剤に使用するエポキシ樹脂塗料としては、上述したようなエポキシ樹脂を使用することができる。具体的には、例えば、大日本塗料株式会社製の「エポニックス#10クリア(商品名)」などの固形分46.0〜100.0重量%を含むエポキシ樹脂塗料を使用することができる。主剤中のエポキシ樹脂塗料が60.0重量%を下回ると塗料としての性能を発揮せず、66.0重量%を上回ると塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンを添加したときに固くなり過ぎて好ましくない。従って、エポキシ樹脂塗料は主剤の60.0〜66.0重量%であることが好ましい。
塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンは、塩化ビニリデンと他のモノマーを乳化重合した水性エマルジョンであり、プライマーとしてコーティングされる事でコンクリートや金属材料の腐食の進行を抑制する機能を発揮する。本発明の劣化防止用塗料に使用する塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンとしては、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製造のサランラテックスL232A(商品名)(固形分48%)など固形分43.0〜50.0重量%のものが使用できる。そして、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンの含有量は主剤の1.0〜7.0重量%であることが好ましい。主剤中の塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンが1.0重量%を下回ると塗膜としての耐久性に問題があり、7.0重量%を上回るとエポキシ樹脂との親和性が悪くなり、所期の効果を得ることができないからである。尚、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンとエポキシ樹脂との混合物の溶剤としては、例えば、トルエン30重量%とエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)70重量%からなる溶剤(専用シンナー)を用いることができる。
金属箔片は、ステンレス箔片、ニッケル箔片又はキュプロニッケル片などを使用することができる。ステンレス箔片としては一般に知られるSUS316L、SUS304Lなどであり、SUS316Lを含む主剤は主として耐薬品、耐塩、耐ガソリンの没水部に使用し、SUS304Lを含む主剤は大気中で使用する。また、ニッケル片の他、キュプロニッケル箔片としては銅が90.0〜70.0重量%、ニッケルが10.0〜30.0重量%の組成のものなどが使用できる。箔片の形状としては厚さ3ミクロン以下で幅100ミクロン以下、長さ100ミクロン以下の小判状,木の葉状の箔片であることか好ましい。また、箔片の比表面積が1,000cm/g以上のものが良好である。金属箔片の含有量が主剤の25.0重量%を下回ると金属箔片の効果が現れず、27.0重量%を上回ると塗布したときに均一な塗膜を形成させることが困難となる。そのため、主剤に含まれる金属箔片の含有量は、25.0〜27.0重量%であることが好ましい。尚、金属箔片は、ステンレス片、ニッケル泊片又はキュプロニッケル片を単独で用いることもできるが、そのうちの適宜の2種の組み合わせ、或いは3種全てを組み合わせてもよい。
亜リン酸カルシウムは、電気メッキの場合に使用される添加物であるが、本発明に係る劣化防止用塗料においては還元剤となり、コンクリートや金属材料の表面に非結晶合金が生成されると推察され、それによってコンクリートや金属材料の表面との密着性が高まるものと考えられる。本発明の劣化防止用塗料に使用する亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料としては、例えば、東邦顔料株式会社製造のnp−1055c(商品名)が使用できる。主剤中の亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料が6.0重量%を下回ると金属箔片と亜リン酸カルシウムがムラになるという問題があり、8.0重量%を上回ると主剤の流動性が悪くなり塗料として使用できないという問題がある。従って。亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料の含有量は主剤の6.0〜8.0重量%であることが好ましい。
ここで、エポキシ樹脂塗料として、大日本塗料株式会社製の「エポニックス#10クリア(商品名)」を63.0重量%、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンとして旭化成ケミカルズ株式会社製のサランラテックスL232A(商品名)を4.0重量%に対し、金属箔片であるステンレスフレークと亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料として東邦顔料株式会社製造のnp−1055c(商品名)の配合割合を変えた塗料を調整しその性状を確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2016199664
表1に示すように、配合1は塗装したときに亜リン酸カルシウムの白とステンレスフレークのグレー色が筋状となって塗料化することができなかった。配合2は亜リン酸カルシウムの小さな粒が認められるが塗料化することはできた。配合3は均一に混合され塗料としても最適な配合と考えられる。配合4は亜リン酸カルシウムが直径5mm程度の塊となり塗料としては不適当であった。配合5は流動性がなくパテ状であり塗料としては硬すぎで不適当であった。従って、金属箔片を主剤の25.0〜27.0重量%、亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を主剤の6.0〜8.0重量%とすることが好ましいことがわかる。そして、金属箔片と亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料の合計は主剤の33.0重量%とし、残りの67.0%をエポキシ樹脂塗料と塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンで構成することが好ましい。
次に、本発明の劣化防止用塗料の硬化剤について説明する。
硬化剤は、ポリアミドアミンが用いられる。ポリアミドアミンはエポキシ樹脂塗料と反応して緩やかな発熱反応を伴って硬化する。ポリアミドアミンを用いることで剛性の強い塗膜を形成することができる。硬化剤としてのポリアミドアミンとしては、例えば、大日本塗料株式会社製のエポニックス#10クリア用硬化剤を使用することができる。そして、主剤50〜65重量部に対し硬化剤を50〜35重量部の割合で組み合わせる。主剤が65重量部を上回り、硬化剤が35重量部を下回ると硬化不良の傾向が高まり、主剤が50重量部を下回り、硬化剤が50重量部を上回ると、硬化はするが表面にベタつきが残り好ましくない。そのため、主剤60重量部に対し硬化剤を40重量部の割合で組み合わせるのが最も好ましい。
次に、上述した本発明に係るコンクリート及び金属材料の劣化防止方法について説明する。図1は本発明に係るコンクリートの劣化防止方法劣化防止方法の一実施形態のフローチャートである。ここでは高速道路を例に説明する。高速道路はコンクリート構造物として例えば道路の側壁やトンネルなどを有し、金属製構造物として例えば橋梁を有している。初めに、トンネルの壁面を形成するコンクリートの劣化防止について説明する。まず、トンネルの壁面コンクリートの目視検査を行い、コンクリート面の粉、水漏れの有無を確認する。コンクリート面の粉はコンプレッサによる高圧空気によって吹き飛ばし、水漏れは防水補修を行って予め表面を乾燥させる。このような処理はどのような劣化防止材を使用する場合にも必ず行われる作業である(ステップS0)。
次いで、トンネルの壁面コンクリートの補修作業が完了したら、トンネルの壁面コンクリートの表面に前処理材を塗布する(ステップS1)。コンクリートの表面には一般に微細な孔が多数存在している。そのため、コンクリート表面に劣化防止用塗料を直接塗布した場合、その微細な孔に存在していた空気が気泡となって塗面に現れて綺麗な塗膜を形成することができないおそれがある。そのため、劣化防止用塗料を塗布する前に予め前処理として前処理材を塗布し、微細な孔からの気泡の発生を防止しておくことが好ましい。前処理材としては、例えば、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンとエポキシ樹脂との混合物(ポリ塩化ビニリデン変性エポキシ樹脂)60〜40重量部をトルエン30重量%とエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)70重量%からなる溶剤(専用シンナー)40〜60重量部で希釈したものを使用することができる。この前処理材の塗布はトンネルの壁面コンクリートの表面にスプレー塗装によって行うことができる。
次いで、コンクリート面の前処理が終わったら主剤に硬化剤を加えてよく混合し、劣化防止用塗料の調整を行う(ステップS2)。主剤と硬化剤を混合したら気温20℃の場合で約30分の熟成を行う。そして、劣化防止用塗料の調整が完了したらトンネルの壁面コンクリートの表面への劣化防止用塗料の塗布を行う(ステップS3)。劣化防止用塗料の塗布はスプレー塗装もしくはローラー塗装によって複数回行う。そして、塗布が完了するごとに塗面を十分に乾燥させる(ステップS4)。尚、トンネル内の作業では安全性確保のために防爆型のジェットファンを使用してトンネル内の空気を強制的に外部へ排気することが重要である。
次に、金属材料である鉄製の橋梁などの構造物の劣化防止について説明する。まず、橋梁を構成する鉄板の目視検査を行い、鉄板の錆や腐食の状況を確認し、錆や付着物適宜除去し、必要に応じて補修等を行う(ステップS00)。そして、主剤と硬化剤を混合し(ステップS11)、気温20℃の場合で約30分の熟成を行う。劣化防止用塗料の調整が完了したら鉄板の表面へ劣化防止用塗料を塗布する(ステップS12)。劣化防止用塗料の塗布はスプレー塗装もしくはローラー・刷毛塗装によって複数回行う。そして、塗布が完了するごとに塗面を十分に乾燥させる(ステップS13)。
次に、本発明に係る劣化防止用塗料並びにコンクリート及び金属材料の劣化防止方法についての実施例を示す。
[主剤]
エポキシ樹脂塗料として、大日本塗料株式会社製の「エポニックス#10クリア(商品名)」を63.0重量%、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンとして旭化成ケミカルズ株式会社製のサランラテックスL232A(商品名)を4.0重量%、そして、東洋アルミニウム株式会社製のステンレス箔25.0重量%、東邦顔料株式会社製造の「np−1055c(商品名)」を8.0重量%、を混合して主剤とした。
これらの主剤を調合は以下のようにして行った。
まず、エポキシ樹脂塗料を60℃の湯煎に1〜2時間入れて加温する。そして、エポキシ樹脂が温くなったら塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンを加えてよく混合し、約10分間分散する。次に、亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を加えてよく撹拌し、約30分間分散する。次に、金属箔片としてステンレス箔を加えてよく撹拌し、約10分間分散させて主剤とする。
[硬化剤]
次に、硬化剤であるポリアミドアミンとして、大日本塗料株式会社製の「エポニックス#10クリア用硬化剤」を用いた。
[劣化防止用塗料の調整]
上述した主剤60重量部に対し上記硬化剤40重量部(実施例1)、主剤50重量部に対し硬化剤50重量部(実施例2)、主剤65重量部に対し硬化剤35重量部(実施例3)の割合でそれぞれ混合し、その後約30分間熟成して劣化防止用塗料の調整を行った。そして、調整した各劣化防止用塗料をコンクリート及び鉄板にそれぞれ塗布した。劣化防止用塗料の鉄板への塗布は鉄板の表面に直塗りを2回行った。一方、劣化防止用塗料のコンクリート面への塗布は予め前処理をしてから直塗りを2回行った。コンクリート面にはポーラスで細かい孔が無数にあり、その中に空気が存在していることからこの細かい孔から空気を追い出さないと泡となって塗面に現れてくるためである。前処理としてはポリ塩化ビニリデン変性エポキシ樹脂に専用シンナー(トルエン30重量%とエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)70重量%からなる溶剤)を50重量%混合したものを塗布した。専用シンナーがコンクリート面に吸い込まれていくときにポリ塩化ビニリデン変性エポキシ樹脂も同時にコンクリート面に吸い込まれ、専用シンナーが揮発した後にはポリ塩化ビニリデン変性エポキシ樹脂が細かい孔の中に残りアンカー効果が現れるので劣化防止用塗料を塗布した際の気泡の出現が防止される。前処理が終了したら劣化防止用塗料2回重ね塗りした。その結果を表2に示す。
Figure 2016199664
表2に示すように、実施例1が硬化状態の最も良い塗膜が得られた。実施例2は硬化状態は良好であったが表面にややベタつきが見られた。実施例3は一応硬化膜を形成することができたが塗膜がやや軟らかい傾向が見られた。
[比較例1]
比較例として主剤70重量部に硬化剤30重量部を実施例と同様の工程で作業を行ったが、十分な硬化状態の塗膜を得るには至らなかった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。

Claims (6)

  1. 金属及びコンクリートのいずれにも使用可能な劣化防止用塗料であって、
    エポキシ樹脂塗料及び塩化ビニリデン系樹脂エマルジョンに金属箔片及び亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を加えてなる主剤にポリアミドアミンを含む硬化剤を組み合わせてなることを特徴とする劣化防止用塗料。
  2. 金属及びコンクリートのいずれにも使用可能な劣化防止用塗料であって、
    エポキシ樹脂塗料(固形分46.0〜100.0重量%)を60.0〜66.0重量%、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョン(固形分43.0〜50.0重量%)を1.0〜7.0重量%を含み、金属箔片を25.0〜27.0重量%、亜リン酸カルシウムを含む防錆顔料を6.0〜8.0重量%を含んで構成される主剤50〜65重量部に対し、ポリアミドアミンを21.0〜40.0重量%、溶剤を60.0〜79.0重量%を含んで構成される硬化剤を50〜35重量部の割合で組み合わせてなることを特徴とする劣化防止用塗料。
  3. 請求項1又は2に記載の劣化防止用塗料において、
    前記金属箔片は、ステンレス片、ニッケル泊片又はキュプロニッケル片の少なくとも1種又はそれらの2種あるいは3種の組み合わせであることを特徴とする劣化防止用塗料。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の劣化防止用塗料をコンクリートの表面に塗布することにより前記コンクリートの劣化を防止したことを特徴とするコンクリートの劣化防止方法。
  5. 請求項4に記載のコンクリートの劣化防止方法において、
    前記劣化防止用塗料を塗布する前のコンクリート表面に予め前処理材を塗布することを特徴とするコンクリートの劣化防止方法。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の劣化防止用塗料を金属材料に塗布することにより前記金属材料の劣化を防止したことを特徴とする金属材料の劣化防止方法。
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