JP2016199561A - ホウ素含有小分子 - Google Patents

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Abstract

【課題】爪に効果的に浸透ができ、爪及び/又は爪周囲の真菌感染を治療に用いる、特に、爪真菌症及び/又は皮膚真菌感染の局所治療に効果的な化合物の提供。
【解決手段】例えば、下記表にあるボロン酸関連化合物。

【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2005年2月16日に出願された米国仮特許出願第60/654,060号に関連する、2006年2月16日に出願された米国特許出願第11/357,687号(あらゆる目的でその内容全体を援用する)の一部継続出願である。
発明の背景
爪感染および/または爪周囲感染として知られる爪および蹄の感染によって、皮膚科学に深刻な問題がもたらされている。これらの爪および/または爪周囲は、真菌、ウイルス、酵母、細菌および寄生生物などの感染源によって発生し得る。こうした厄介な爪感染および/または爪周囲感染の一例に爪真菌症があるが、これは少なくとも1種の真菌によって引き起こされる。爪感染および/または爪周囲感染に対する現行の治療は一般に、3つのカテゴリ:薬物の全身投与;爪または蹄の全部または一部の外科的除去に次いで露出組織の局所治療;あるいは、慣用的なクリーム剤、ローション剤、ゲル剤または溶剤の局所塗布(これらの剤形を爪または蹄上の場所に保つための被覆材の使用をしばしば含む)に分けられる。これらの手法にはいずれも、大きな欠点がある。以下の議論は、特に、爪および/または爪周囲の抗真菌感染に対する現行の治療に関連した欠点に関する。
爪真菌症の治療を目的とした長期にわたる抗真菌剤の全身(経口)投与では、爪床に治療効果を生むことが求められることが多い。たとえば、抗真菌化合物であるテルビナフィンを用いた経口治療では一般に、有意な治療的有用性が達成されるまでに200〜400mg/日を12週間投与する必要がある。このような長期の高用量全身療法は、重大な副作用を持つ場合がある。たとえば、テルビナフィンには肝臓毒性作用があることが報告されており、テルビナフィンを用いると睾丸に対する副作用によって血中テストステロン濃度が低下する。このような長期療法、特に深刻な副作用を伴うものでは、患者のコンプライアンスも問題である。さらに、このタイプの長期経口療法は、蹄の真菌感染に苦しむウマや他の反芻動物の治療には適していない。したがって、非経口治療に伴う危険性がその使用に対する意欲を大きく損ない、かなりの患者がコンプライアンスから外れる。
爪全体または爪の一部を外科的に除去した後、局所治療を行う方法にも深刻な欠点がある。外科手術に伴う痛みと不快感と、爪または爪床の望ましくない美容上の見た目が、特に容貌に気を遣う患者で大きな問題となる。一般に、このタイプの治療はウマなどの反芻動物では現実的ではない。
局所療法にも大きな問題がある。クリーム剤、ローション剤、ゲル剤などの局所剤形は、治療上有効な期間にわたって薬剤を感染部位に密着させたままに保つことができない。製剤の吸収を高めることを意図して、薬剤リザーバーを適所に保つために被覆材が用いられている。しかしながら、被覆材は厚い上に扱いにくく、面倒で、一般には患者のコンプライアンス低下を招く。
親水性および疎水性の局所用被膜形成抗真菌溶液も開発されている。これらの剤形では、薬剤と爪との接触性が改善される。真菌感染治療用の局所製剤では主に、爪を通してまたは爪を介して薬剤を拡散させることにより標的部位(感染爪床)に送達させようとしている。
爪は、化学組成および浸透性に関しては角質層よりも毛に近い。窒素が爪の主成分であり、このため爪はタンパク質様の性質となる。成熟した爪の脂質総含有量は0.1〜1.0%であるのに対し、角質層の脂質は約10%w/wである。爪は角質層よりも100〜200倍厚く、抗真菌性の薬剤に結合して保持することに極めて高い親和性と能力を持つ。結果として、薬剤が爪を介して標的部位に達することがほとんどなく、あったとしてもごくわずかである。こうした理由から、真菌感染に対する局所療法は、一般に、有効ではない。
浸透(penetration)または透過(permeation)促進物として知られる化合物は、薬理学的活性剤に対する皮膚またはその他の体膜の透過性を高めることが当該技術分野において既知である。透過性が高まると、薬剤が皮膚を通って透過し、血流に入る率が増す。浸透促進物は、製剤の皮膚への不透過性を克服するには功を奏している。しかしながら、皮膚の薄い角質層の層は約10から15細胞厚で、基底層から皮膚表面に移動している細胞によって自然に形成されるものであるため、爪よりも浸透が容易である。さらに、既知の浸透促進物は爪組織を介して薬剤が移動しやすくするのに有用であることは実証されていない。
8−ヒドロキシキノリンとアルキルベンゼンスルホン酸の金属キレートを含む細菌感染および真菌感染を制御するための抗菌組成物は、微小細胞(micro-cell)の類脂質層に浸透する親油性基の能力を高めることから、有効であることが示されている。しかしながら、この化合物では、皮膚の角化層または角質層を介して薬学的に活性な抗真菌薬を運ぶ能力が効果的には高まらない。米国特許第4,602,011号明細書(Westら、1986年7月22日);米国特許第4,766,113号明細書(Westら、1988年8月23日)。
したがって、当該技術分野においては、爪を効果的に浸透することができる化合物に対する需要がある。また、当該技術分野においては、爪感染および/または爪周囲感染を効果的に治療できる化合物に対しても需要がある。本発明はこれらの需要ならびに他の需要を対処する。
アミノアシル−tRNA合成酵素(ARS)は、tRNAの3’末端アデノシン末端にアミノ酸を結合する重要な酵素のファミリであり、次いで、装填された(charged)tRNAが翻訳装置によって用いられ、mRNAからタンパク質を合成する。例外はわずかしかないが、たとえばグラム陽性菌および古細菌では、ほとんどの生物体が各アミノ酸に対し少なくとも1種のARSを有する。真核生物の場合、2種類のARSを持ち、一方が細胞質に局在するのに対し、もう一方のARSは細胞小器官に存在する。ARSは、下記に概略的に示すような2つの反応を触媒する。第1の反応では、ATPを用いてアミノ酸をアデニル化した後、これをtRNAの末端アデノシンの2’−または3’−ヒドロキシルにトランスファーさせる。
アミノ酸(AA)+ATP→AA−AMP+PPi;
AA−AMP+tRNA→tRNA−AA+AMP
20種類のARSのファミリを結晶構造で分類すると、2つの異なる構造クラスに分けられる。ロスマン様フォールド(Rossman like fold)を有するクラスIは、以下のアミノ酸、すなわち、アルギニン、システイン、グルタミン酸塩(glutamate)、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、リシン(古細菌およびいくつかの細菌で)、バリン、メチオニン、トリプトファンおよびチロシンに対するARSを含む。クラスIIのARSは、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸塩(aspartate)、グリシン、ヒスチジン、リシン、フェニルアラニン、プロリン、セリンおよびトレオニの各アミノ酸に対する酵素を含む。ARS媒介反応は、正しいアミノ酸がその同種(cognate)tRNAに装填されることを確かなものにする特異性の主なチェックポイントである。たとえばバリンとイソロイシンなど、アミノ酸ではメチレン基が1つ異なるだけのものもあることから、観察されるin vivoでのtRNA装填精度を合成反応の特異性だけでは説明できないと考えられてきた。合成活性部位では同種アミノ酸の近い類似体ではないアミノ酸を排除できなければならないが、類似するアミノ酸はなお一層大きな問題を有する。したがって、特異性を高めるために、校正(proofreading)および修正(editing)が起こる必要がある。現在までのところ、9種類のARSに、誤って装填された(misscharged)tRNAが生じる頻度を有意に低くする修正機構があることが示されている。以下のアミノ酸、すなわち、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リシン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニンおよびバリンに対する酵素には、修正活性があることが示されている。これらのARSは、不適切にアデニル化されたアミノ酸AA−AMP(トランスファー前の修正)または不適切に装填されたtRNA(トランスファー後の修正)を加水分解することができる。今まで、イソロイシル、ロイシルおよびバリル−tRNA合成酵素が最も良く特徴付けられた修正機構を持っている。合成ドメインに挿入される結合性(connective)ポリペプチドI(CP1)と呼ばれる別の構造ドメインが修正活性部位を含有することも示されている。これは、合成活性部位から25Åを超えて離れて存在しているため、反応を校正するには、アデニル化されたアミノ酸中間体およびtRNAの3’末端に拘束されたアミノ酸がいずれも合成ドメインの活性部位から修正部位まで移動しなければならないことを示唆している。装填されたtRNAの3’末端は、DNAポリメラーゼの校正機構と同じようにしてトランスロケーションすると考えられてきた。アデニル化アミノ酸のトランスロケーションについてはあまり知られていない。似たようなCP1ドメインはメチオニンおよびシステインARS酵素にも存在するが、バリン、イソロイシン、およびロイシン酵素で見られるものよりもかなり小さい。クラスIIのARSにCP1様ドメインの直接相同体(direct homolog)は存在しないのにもかかわらず、プロリンおよびトレオニンに対する酵素に別の修正ドメインが見つかっている。修正は、tRNAの正しい装填を確保する上で重要であるが、生存に不可欠なものではなく、装填されたtRNAの合成にも必要ない。たとえば、大腸菌(Escherichia coli)では、イソロイシル−tRNA合成酵素の修正ドメインにおける10個のアミノ酸がアラニンに変化しており、得られる変異体は依然として生存可能であったが、細胞成長の顕著な欠陥を含む多くの多面効果を有していた。
ヒト、細菌および真菌のARS間には有意な相同性があるのにもかかわらず、抗感染症薬として開発された多くの化合物がある。ARSインヒビターの最も注目すべき例に、バクトロバン(Bactroban)という商品名で販売されている市販の抗生物質であるムピロシン(シュードモン酸(pseudomonic acid))がある。ムピロシンは、細菌のイソロイシル−tRNA合成酵素を特異的に阻害する一方で、ヒト相同体に対する活性は、1,000分の1未満の活性である。ムピロシンは合成活性部位に特異的に結合し、この薬剤に耐性のある変異体はロイシル−tRNA合成酵素の合成ドメインに変異を有する。同様に、リベロマイシンAは真核イソロイシル−tRNA合成酵素を阻害する。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)耐性変異体は合成ドメインに変異を有する。現在までのところ、ムピロシン、イソロイシン−アデニレート(isoleucine-adenylate)類似体よりも良いARSインヒビターを開発しようとする試みはいずれも、合成反応を阻害することに拠るものであった。
装填されたtRNAの合成には不可欠ではないと以前は考えられてきたゆえに、tRNA合成酵素の修正ドメインは薬剤開発の有望な標的とは考えられていない。ARS修正ドメインの変異解析によって得られるデータからは、修正機構を阻害しても誤って装填されたtRNAが増えるだけで、細胞死には至らないことが示唆される傾向がある。tRNA合成酵素の修正ドメインに対して活性であり、かつこれに特異的な化合物により、新たなクラスの抗菌治療薬の利用が提供され、現在用いられている薬剤の手持ち分を増やすことになろう。極めて驚くべきことに、本発明は、このような化合物と、これらの化合物を使用する方法とを提供する。
発明の概要
一態様において、本発明は、次式

(式中、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)で表される構造を提供する。RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成してもよい。Z1は、

から選択されるメンバである。R3aおよびR4aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。Rは、ハロゲンおよびORから選択されるメンバである。Rは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバである。Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバである。Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバである。Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバである。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。R9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。R10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。R11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)は0〜3から選択される整数である。
図面の簡単な説明
種々の真菌に対する環状ボロン酸エステルの最小発育阻止濃度(MIC)データを示す表である。 19種の真菌試験株に対するC10、シクロピロクス、テルビナフィン、フルコナゾールおよびイトラコナゾール(比較用薬剤)の最小発育阻止濃度(MIC)を示す。 2種類の真菌試験株に対するC10、シクロピロクス、テルビナフィンおよびイトラコナゾール(比較用薬剤)の最小殺真菌濃度(MFC)を示す。 14日間の治療後に爪板試料の各部における規準化したC10およびシクロピロクス等価物を比較した結果を示す。 14日間の治療後に綿球支持床試料でC10およびシクロピロクス等価物を比較した結果を示す。 C10(50:50プロピレングリコールおよび酢酸エチル)プラセボを5日間にわたって毎日適用した場合の結果を示す。生物紅色白癬菌(T. rubrum)の全面での増殖が観察された。 C10の10%w/v溶液の40μL/cmのアリコートを5日間にわたって毎日適用した場合の結果を示す。紅色白癬菌(T. rubrum)の増殖に対し、100%、67%、46%、57%、38%、71%の阻害領域(図に示す細胞の順)が観察された。緑色の矢印は阻害領域の測定を示す。 C10の10%w/v溶液の40μL/cmのアリコートを5日間にわたって毎日適用した場合の結果を示す。紅色白癬菌(T. rubrum)の増殖に対し、74%、86%、100%、82%、100%、84%の阻害領域(図に示す細胞の順)が観察された。 w/w市販ラッカー中の8%シクロピロクスの40μL/cmのアリコートを5日間にわたって毎日適用した場合の結果を示す。阻害領域は観察されなかった。紅色白癬菌(T. rubrum)が全面で増殖した。 市販ラッカー中の5%アモロルフィン(w/v)の40μL/cmのアリコートを5日間にわたって毎日適用した場合の結果を示す。阻害領域は観察されなかった。紅色白癬菌(T. rubrum)が全面で増殖した。 ロイシル−tRNA合成酵素修正ドメインのアミノ酸配列とtRNA−LeuおよびtRNA−Ileのヌクレオチド配列である。(A)野生型(配列番号1)及び過剰発現形態(配列番号2)のS・セレビシエ(S. cerivisiae)由来のロイシル−tRNA合成酵素修正ドメインのアミノ酸配列;(B)表記の種に由来するロイシル−tRNA合成酵素修正ドメインのアミノ酸配列;(C)S・セレビシエ(S. cerivisiae)由来のtRNA−leuおよびtRNA−ileのゲノムヌクレオチド配列;本発明の一実施形態では、アミノアシルtRNA合成酵素は、これらの配列は鋳型として機能する転写・メチル化産物に結合する;(D)表記の種に由来するtRNA−Leuヌクレオチド配列。 環状ボロン酸エステルの構造を示す。 本発明の化合物の一部についての異なる構造を示す。 cdc60へのC10の結合に対するATPの効果である。初期[C10]濃度を約72〜79μM(平衡前)として結合アッセイを実施した。 遊離[C10]の濃度に対するcdc60の結合曲線である。 C10の存在下および非存在下における修正率を決定するためのPPi交換反応実験で得られたデータである。 異なる濃度のC10のtRNAleuのアミノアシル化に対する効果を示すアミノアシル化実験で得られたデータである。 一定範囲の時点にわたり異なるC10濃度にてS・セレビシエ(S. cerivisiae)で実施したトランスファー後修正アッセイの結果である。 例示としての本発明の化合物の名前を示す。 例示としての本発明の化合物を示す。 例示としての本発明の化合物を示す。
発明の詳細な説明
I.定義と略語
本明細書にて使用する略語は、通常、化学分野および生物学分野での慣用的な意味を持つ。
本明細書で用いる「本発明の化合物」は、本明細書にて述べる化合物ならびに、これらの化合物の薬学的に許容される塩およびプロドラッグを示す。
本明細書で用いる「ホウ素含有化合物」は、化学式の一部にホウ素を含有する本発明の化合物を示す。
MICまたは最小発育阻止濃度とは、未処置の対照に比して、化合物によって、50%を超える細胞成長、好ましくは60%の細胞成長、好ましくは70%の細胞成長、好ましくは80%の細胞成長、好ましくは90%の細胞成長が停止する点である。
置換基を左から右に書く慣用的な化学式で特定する場合、それには、右から左に構造を書いて得られる化学的に同一の置換基も等しく包含される。たとえば、−CHO−は−OCH−も示すことを意図している。
本明細書で使用する「ポリ(poly)」という用語は、少なくとも2を意味する。たとえば、多価金属イオンとは、価数が少なくとも2の金属イオンのことである。
「部分」とは、別の部分に結合した分子のラジカル(radical)を示す。
記号

は、結合として用いられても、あるいは結合に垂直に表示されても、この表示された部分が分子の残部に結合する点を示す。
「アルキル」という用語は、単独または別の置換基の一部として、特に明記しないかぎり、直鎖もしくは分岐鎖または環式炭化水素ラジカルまたはこれらの組み合わせを意味し、それらは完全に飽和していてもよいし、一不飽和または多価不飽和であってもよく、二価および多価ラジカルを含んでいてもよく、表記の数の炭素原子を有する(すなわち、C〜C10は1から10個の炭素を意味する)。飽和炭化水素ラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、さらには、たとえば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの相同体および異性体などの基が含まれるが、これに限定されるものではない。不飽和アルキル基とは、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例には、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、およびより高級の相同体および異性体が含まれるが、これに限定されるものではない。「アルキル」という用語には、特に明記しないかぎり、「ヘテロアルキル」など、下記でより詳細に定義するアルキルの誘導体も含むことを意図している。炭化水素基に限定されるアルキル基を「ホモアルキル」と呼ぶ。
「アルキレン」という用語は、単独または別の置換基の一部として、アルカン由来の二価ラジカルを意味し、−CHCHCHCH−が例示として含まれるがこれに限定されるものではなく、下記において「ヘテロアルキレン」として述べる基をさらに含む。一般に、アルキル(またはアルキレン)基は1から24個の炭素原子を有するが、本発明では10個以下の炭素原子を有するものが好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」とは、一般に8個以下の炭素原子を有する短鎖のアルキル基またはアルキレン基である。
「アルコキシ」「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)という用語は、慣用的な意味で用いられ、それぞれ、酸素原子、アミノ基または硫黄原子を介して分子の残部に結合したアルキル基を示す。
「ヘテロアルキル」という用語は、特に明記しないかぎり、単独または他の用語との組み合わせで、規定数の炭素原子と、および少なくとも1種のヘテロ原子とからなる、安定した直鎖もしくは分岐鎖または環式炭化水素ラジカルまたはこれらの組み合わせを意味する。例示としての実施形態では、ヘテロ原子は、B、O、NおよびSからなる群から選択することができ、窒素原子および硫黄原子は任意に酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されてもよい。ヘテロ原子であるB、O、NおよびSは、ヘテロアルキル基内部のどの位置にあってもよいし、あるいはアルキル基が分子の残部と結合する位置にあってもよい。具体例には、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−CH−CH=N−OCH、−CH=CH−N(CH)−CHが含まれるが、これに限定されるものではない。たとえば、−CH−NH−OCHなど、最大で2個までのヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、ヘテロアルキル由来の二価ラジカルを意味し、単独または別の置換基の一部として、−CH−CH−S−CH−CH−および−CH−S−CH−CH−NH−CH−の例示があげられるがこれに限定されるものではない。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は鎖の一方の端または両端を占めることができる(たとえば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレンおよびヘテロアルキレン架橋基では、架橋基の式が書かれる方向が架橋基の向きを示すものではない。たとえば、式−C(O)R’−は−C(O)R’−と−R’C(O)2−の両方を表す。
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単独または他の用語との組み合わせで、特に明記しないかぎり、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状のものを示す。さらに、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子が、複素環が分子の残部に結合する位置を占めることができる。シクロアルキルの例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが含まれるが、これに限定されるものではない。ヘテロシクロアルキルの例には、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが含まれるが、これに限定されるものではない。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独または別の置換基の一部として、特に明記しないかぎり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことを意図したものである。たとえば、「ハロ(C〜C)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むことを意図したものであるが、これに限定されるものではない。
「アリール」という用語は、特に明記しないかぎり、単環であってもよいし、一緒に縮合または共有結合した多環であってもよい(好ましくは1から3環)多価不飽和の芳香族置換基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、1から4個のヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を示す。例示としての実施形態では、ヘテロ原子は、B、N、OおよびSから選択され、窒素原子および硫黄原子は任意に酸化されてもよく、窒素原子は任意に四級化されてもよい。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリールおよびヘテロアリール基の非限定的な例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、6−キノリル、ジオキサボロラン、ジオキサボリナンおよびジオキサボレパンが含まれる。上述したアリールおよびヘテロアリール環系各々の置換基は、後述する許容可能な置換基の群から選択する。
簡潔にするために、「アリール」という用語は、他の用語(アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキルなど)との組み合わせで用いる場合、上記にて定義したアリール環とヘテロアリール環の両方を含む。よって、「アリールアルキル」という用語は、アルキル基(たとえば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)にアリール基が結合したラジカルを含むことを意図したものであり、該アルキル基には炭素原子(メチレン基など)がたとえば酸素原子によって置換されたアルキル基が含まれる(たとえば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)。
上述の用語(「アルキル」「ヘテロアルキル」「アリール」および「ヘテロアリール」など)は各々、表記のラジカルの置換された形態と非置換の形態の両方を含むことを意図したものである。各タイプのラジカルに好ましい置換基については後述する。
アルキルおよびヘテロアルキルラジカル(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル,およびヘテロシクロアルケニルとしばしば称される基を含む)の置換基は、総称的に「アルキル基置換基」といい、0から(2m’+1)個の範囲にある数の、−OR’と、=Oと、=NR’と、=N−OR’と、−NR’R’’と、−SR’と、−ハロゲンと、−OC(O)R’と、−C(O)R’と、−COR’と、−CONR’R’’と、−OC(O)NR’R’’と、−NR’’C(O)R’と、−NR’−C(O)NR’’R’’’と、−NR’’C(O)R’と、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’と、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’と、−S(O)R’と、−S(O)R’と、−S(O)NR’R’’と、−NRSOR’と、−CNと、−NOと、から選択されるがこれに限定されるものではない種々の基のうちの1つ以上であることができる(ここで、m’は、このようなラジカルの炭素原子の総数である)。R’、R’’、R’’’およびR’’’’は各々、好ましくは独立に、水素、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のアリール、たとえば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、置換または非置換のアルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基、あるいはアリールアルキル基を示す。たとえば、本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基が2つ以上存在する場合のこれらの各々と同様に、R基は各々独立に選択される。R’とR’’が同じ窒素原子に結合する場合、これらを窒素原子と連結させて5員環、6員環または7員環を形成することができる。たとえば、−NR’R’’は、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むことを意図したものであるが、これに限定されるものではない。上述の置換基に関する説明から、当業者であれば、「アルキル」という用語は、ハロアルキル(−CFおよび−CHCFなど)およびアシル(たとえば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCHなど)など、水素基以外の基に結合した炭素原子を含む基を含むことを意図したものであることを理解できよう。
アルキルラジカルの場合で説明した置換基と同様に、アリール基およびヘテロアリール基の置換基を総称的に「アリール基置換基」という。置換基は、たとえば、ゼロから芳香族環系の空きの原子価(open valence)の総数の範囲にある数の、ハロゲンと、−OR’と、=Oと、=NR’と、=N−OR’と、−NR’R’’と、−SR’と、−ハロゲンと、−OC(O)R’と、−C(O)R’と、−COR’と、−CONR’R’’と、−OC(O)NR’R’’と、−NR’’C(O)R’と、−NR’−C(O)NR’’R’’’と、−NR’’C(O)R’と、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’と、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’と、−S(O)R’と、−S(O)R’と、−S(O)NR’R’’と、−NRSOR’と、−CNおよび−NOと、−R’と、−Nと、−CH(Ph)と、フルオロ(C〜C)アルコキシと、フルオロ(C〜C)アルキルと、から選択される(ここで、R’、R’’、R’’’およびR’’’’は、好ましくは、水素と、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択される)。たとえば、本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基が2つ以上存在する場合のこれらの各々と同様に、R基は各々独立に選択される。
アリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子の置換基のうちの2つが、任意に、式−T−C(O)−(CRR’)−U−(式中、TおよびUは独立に、−NR−、−O−、−CRR’−または単結合であり、qは0から3の整数である)で表される置換基で置換されていてもよい。あるいは、アリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子の置換基のうちの2つが、任意に、式−A−(CH−B−(式中、AおよびBは独立に、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)NR’−または単結合であり、rは1から4の整数である)で表される置換基で置換されていてもよい。このようにして形成された新たな環の単結合のうちの1つが、任意に、二重結合で置換されていてもよい。あるいは、アリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子の置換基のうちの2つが、任意に、式−(CRR’)−X−(CR’’R’’’)−(式中、sおよびdは独立に、0から3の整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−または−S(O)NR’−である)で表される置換基で置換されていてもよい。置換基R、R’、R’’およびR’’’は、好ましくは、水素または置換または非置換の(C〜C)アルキルから独立に選択される。
本明細書で使用する場合、「環」とは、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール,または置換または非置換のヘテロアリールを意味する。環には縮合環部分を含む。環の原子数は、典型的には、環の員数によって決まる。たとえば、「5員環から7員環」とは、5から7個の原子が環状の配置で存在することを意味する。環は任意に、ヘテロ原子を含んでいた。よって、「5員環から7員環」という用語には、たとえばピリジニルおよびピペリジニルを含む。「環」という用語はさらに、各「環」が独立に上記のごとく定義される2つ以上の「環」を含む環系も包含する。
本明細書で使用する場合、「ヘテロ原子」という用語は、炭素(C)および水素(H)以外の原子を含む。具体例には、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)が含まれる。
「R」記号は、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキルおよび置換または非置換のヘテロシクロアルキル基と、から選択される置換基を示す一般的な略語である。
「由来の」という用語は、普通の言葉での意味を含み、また、基準分子に対して99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%または60%相同な分子を示す。この定義で言及される分子には、任意の長さおよび組成のRNAまたはDNA、オリゴヌクレオチド、ポリペプチドまたはタンパク質の鎖を含む。
「免疫学的マーカー」という用語には、オリゴヌクレオチド、タンパク質、抗体、ペプチド、ポリペプチド、酵素、あるいは、適切な動物または細胞で免疫応答を誘導あるいは特定の抗体に結合できる他の任意の分子を含む。
「非同種(noncognate)」という用語は、この語の単数形と複数形の両方を包含することを意図したものである。すなわち、「非同種アミノ酸」というフレーズには1種以上のアミノ酸が含まれる。
「有効」量の薬剤、製剤または浸透剤(permeant)とは、所望の局所作用または全身作用を得られるだけの十分な量の活性剤を意味する。「局所的に有効な」「化粧上有効な」「薬学上有効な」または「治療上有効な」量とは、所望の治療結果を発揮するのに必要な薬剤の量を示す。
「局所的に有効な」とは、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄への適用時に、材料の活性成分の適用場所で局所的にあるいは経皮通過の結果として全身に所望の薬理学的結果をもたらす材料を示す。
「化粧上有効な」とは、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄への適用時に、材料の活性成分の適用場所で局所的に所望の化粧上の結果をもたらす材料を示す。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて比較的無毒の酸または塩基を用いて調製される本発明の化合物の塩を含むことを意図したものである。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、中性の形のこのような化合物を、ニートで(neat)あるいは好適な不活性溶媒中で、十分な量の望ましい塩基と接触させることで、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノまたはマグネシウム塩あるいは同様の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、中性の形のこのような化合物を、ニートであるいは好適な不活性溶媒中で、十分な量の望ましい酸と接触させることで、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸または亜リン酸などの無機酸に由来するもの、ならびに、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的無毒の有機酸に由来する塩が含まれる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、ならびに、グルクロン酸またはガラクツロン酸などのような有機酸の塩(たとえば、Berge et al., "Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Science 66: 1-19 (1977)を参照のこと)も含まれる。本発明の特定の具体的な化合物は、この化合物を塩基付加塩または酸付加塩に変換できるようにする塩基性官能基と酸性官能基の両方を含有している。
中性の形態の化合物は、好ましくは、塩と塩基または酸とを接触させ親化合物を慣用的な方法で単離することにより、再生される。化合物の親の形態は、極性溶媒での溶解性などのいくつかの物性で種々の塩の形態とは異なる。
塩の形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書に記載の化合物または錯体のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を起こして本発明の化合物となる。さらに、プロドラッグは、化学的または生化学的な方法で、ex vivo環境にて本発明の化合物に変換可能である。
本発明の特定の化合物は、水和形態を含む、溶媒和形態ならびに非溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲に包含される。本発明のある種の化合物は、多結晶性または非晶質の形態で存在してもよい。一般に、物理的な形態はいずれも、本発明で企図される用途に対して同等なものであり、これらも本発明の範囲に含むことを意図している。
本発明のある種の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する。ラセミ酸塩、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の異性体は本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物は、このような化合物を構成する1つ以上の原子において、不自然な(unnatural)割合の原子アイソトープを含有するものであってもよい。たとえば、化合物を、たとえばトリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)、または炭素−14(14C)などの放射性アイソトープで放射性標識してもよい。本発明の化合物の種々のアイソトープは、放射性であるか否かを問わず、本発明の範囲に包含されることを意図したものである。
「薬学的に許容されるキャリア」または「薬学的に許容されるビヒクル」という用語は、本明細書に定義する有効量の活性剤を適切に送達し、活性剤の生物活性の有効性を妨げず、宿主または患者にとって十分に無毒ないずれの製剤またはキャリア媒質も示す。代表的なキャリアには、水、油(植物油および鉱油の両方)、クリーム基剤、ローション基剤、軟膏基剤などが含まれる。これらの基剤には、懸濁化剤、増粘剤、浸透促進剤などが含まれる。その配合については化粧および局所用の製薬分野の当業者で既知である。キャリアに関する別の情報は、本明細書に援用する、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)に記載において見ることができる。
「薬学的に許容される局所用キャリア」と、これに相当する用語は、局所適用に適した本明細書にて上述したような薬学的に許容されるキャリアを示す。活性剤を懸濁または溶解させることができ、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄に適用したときに無毒で非炎症性であるという特性を持つ不活性の液体またはクリームビヒクルが、薬学的に許容可能な局所用キャリアの一例である。この用語は特に、局所用化粧品での使用の認められたキャリア材料を包含することを意図したものである。
「薬学的に許容される添加剤」という用語は、薬剤分野で既知または用いられ、活性剤の生物活性の有効性を過度に妨げず、宿主または患者にとって十分に無毒な保存剤、抗酸化剤、香料、乳化剤、染料および賦形剤を示す。局所用製剤の添加剤は、当該技術分野において既知であって、薬学的に許容されて上皮細胞またはその機能に悪影響を及ぼさない限りは局所用組成物に添加できるものである。さらに、これらの添加剤は、組成物の安定性を損なうものであるべきではない。たとえば、不活性フィラー、抗刺激剤、粘着付与剤、賦形剤、香料、乳白剤、抗酸化剤、ゲル化剤、安定剤、界面活性剤、皮膚軟化剤、着色剤、保存剤、緩衝剤、他の透過促進剤ならびに、当該技術分野において既知局所用または経皮送達製剤の他の慣用的な成分など。
「促進」「浸透促進」または「透過促進」という用語は、薬剤が皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄を介して透過する速度を高めるように、薬剤に対する皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の透過性が高まることに関する。たとえば、動物またはヒトの皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄を介する薬剤の拡散速度を拡散セル装置で測定することにより、このような促進剤を用いて得られる促進された透過を観察することができる。拡散セルについては、Merritt et al. Diffusion Apparatus for Skin Penetration, J of Controlled Release, 1 (1984) pp. 161-162に記載されている。「透過促進剤」または「浸透促進剤」という用語は、単独または組み合わせで、薬剤に対する皮膚、爪、毛または蹄の透過性を高めるように作用する作用剤または作用剤の混合物を意図する。
「賦形剤」という用語は、所望の用途に有効な薬剤組成物を配合するのに用いられるキャリア、希釈剤および/またはビヒクルを意味することが慣用的に知られている。
「局所投与」という用語は、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の外側表面を作用剤が通過して下側にある組織に到達するように、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の外側表面に製剤を適用することを示す。局所投与には、無傷の皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄、あるいは、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の生傷または開放創に組成物を適用することが含まれる。医薬製剤の局所投与によって、皮膚および周辺組織に作用剤を限定的に分散させることが可能であり、あるいは、血流によって作用剤が治療部分から取り除かれるときにはこの作用剤を全身に分散させることができる。
「経皮送達」という用語は、組成物を局所投与または他の形で適用した結果、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の障壁を通って作用剤が拡散することを示す。角質層が障壁として作用し、無傷の皮膚に浸透できる製剤はほとんどない。これとは対照的に、表皮および真皮は多くの溶質に対して透過性であるため、削ったりそうでなければ角質層を取り除いたりして表皮を露出させた皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄を介する薬剤の吸収はより簡単に起こる。経皮送達には、注射、あるいは皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄または粘膜の任意の部分を介するその他の送達、および残りの部分を介した吸収または透過が含まれる。薬学的に許容される適当なビヒクル中に活性剤を加えた後に皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄へ適用することにより、無傷の皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄を介した吸収を促進することも可能である。控えめな(passive)局所投与であれば、皮膚軟化剤または浸透促進剤と組み合わせで活性剤を治療部位に直接に適用することからなるものであってもよい。本明細書で使用する場合、経皮送達には、外皮すなわち皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄を介して、あるいは、これを通って透過することによる送達を含むことを意図している。
「微生物感染」という用語は、ウイルス、細菌、マイコバクテリア、真菌および寄生生物を含まれるがこれに限定されるものではない病原菌(infectious agents)による宿主組織のいずれの感染も示す(たとえば、Harrison's Principles of Internal Medicine, pp. 93-98 (Wilson et al., eds., 12th ed. 1991); Williams et al., J. of Medicinal Chem. 42:1481-1485 (1999)(各々その内容全体を本明細書に援用する))などを参照のこと)。
本明細書で使用する「生物学的培地(biological medium)」は、in vitroとin vivoの両方の生物学的環境を示す。例示としてのin vitroの「生物学的培地」には、細胞培養、組織培養、ホモジネート、血漿および血液が含まれるが、これに限定されるものではない。in vivoでの適用は一般に、哺乳動物、好ましくはヒトで行われる。
「阻害」および「遮断」は、本明細書ではtRNA合成酵素の修正ドメインの部分的または完全な封鎖を示すものとして互換的に用いられる。
本明細書で使用する「腹側/中間中心」は、深さ約0.3〜0.5mmの内側表面(爪床に面する)の中央から表面までドリル穿孔した粉末化爪試料を示す。この部分は、爪場の投薬部位の下にあるが、投薬表面(爪の背側表面)を含まない。
本明細書で使用する「腹側/中間中心」は、投薬部位の中間領域を示す。
本明細書で使用する「残部の爪」は、爪の投薬されていない残部を示す。
本明細書で使用する「支持床」は、爪板に湿気を与え、さらに爪板を介して浸透する化学物質を受け取るための拡散セルのテフロンチャンバ内に置いてある綿球を示す。
本明細書で使用する「表面洗浄」は、投薬部位の表面でのエタノール(または他の有機溶媒)および石鹸/水による洗浄を示す。
本明細書で使用する「細胞洗浄」は、拡散セルの内側のエタノール(または他の有機溶媒)および石鹸/水による洗浄を示す。
本明細書で定義する「ヒトの爪部分」は、爪板、爪床、基部爪郭(proximal nail fold)、側面爪郭(lateral nail fold)およびこれらの組み合わせであり得る。
「脱離基」という用語は、求核置換反応などの置換反応で、別の官能基または原子が置き換わることができる官能基または原子を意味する。例示として、代表的な脱離基には、トリフレート、クロロ、ブロモおよびヨード基;メシレート、トシレート、ブロシレート、ノシレートなどのスルホン酸エステル基;アセトキシ、トリフルオロアセトキシなどのアシルオキシ基が含まれる。
「アミノ保護基」という用語は、アミノ窒素での望ましくない反応を妨げるのに適した保護基を意味する。代表的なアミノ保護基には、ホルミル;アセチル、トリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルなどのたとえばアルカノイル基といったアシル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルなどのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基などが含まれるが、これに限定されるものではない。
「ヒドロキシ保護基」という用語は、ヒドロキシ基での望ましくない反応を妨げるのに適した保護基を意味する。代表的なヒドロキシ保護基には、メチル、エチルおよびtert−ブチルなどのアルキル基;たとえば、アセチルなどのアルカノイル基といったアシル基;ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基が含まれるが、これに限定されるものではない。
ホウ素は、本発明のいくつかの状況下で、酸素、硫黄または窒素との間で配位結合を形成することができる。配位結合は通常、共有結合よりも弱い。ホウ素が少なくとも1つの酸素、硫黄または窒素に共有結合し、同時に、それぞれ酸素、硫黄または窒素に配位結合している状況では、ホウ素と2つの等しいヘテロ原子との配位結合および共有結合が相互互換でき、あるいは共鳴混成体の形態をとることができる。これらの状況では、電子共有の正確な性質および程度を取り巻く潜在的な不確定要素がある。提供される構造は、ホウ素とこれが結合する原子との間の一切の結合のシナリオを含むことを意図したものではない。以下、これらの結合の非限定的な例をあげる:
本明細書で使用する「塩の対イオン」には、ホウ素が完全に負にまたは部分的に負に荷電したときに本発明の化合物と会合する正に荷電したイオンを示す。塩の対イオンの例には、H、H、アンモニウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびナトリウムが含まれる。
炭素と3つのヘテロ原子(このセクションで説明する3つの酸素など)に結合されるホウ素を含む化合物は、任意に、ホウ素と酸素の1つと間の配位結合の性質に因り、完全に負に荷電したホウ素または部分的に負に荷電したホウ素を含有することができる。負電荷に因って、正に荷電した対イオンがこの化合物に会合し、塩を形成してもよい。正に荷電した対イオンの例には、H、H、カルシウム、ナトリウム、アンモニウム、カリウムが含まれる。これらの化合物の塩は、これらの化合物についての説明に暗黙に含まれる。
本発明は、たとえば、本発明において用いられる化合物の二量体、三量体、四量体、これより上の相同体などの種またはその反応性類似体を含む多価(polyvalent)または多価(maultivalent)の種である化合物も包含する。たとえば、以下の条件下でC10の二量体が形成することができる。

別の例では、以下の条件下でC17の二量体が形成することができる。

本発明は、環状ボロン酸エステルの無水物である化合物も包含し、これらの化合物を脱水条件に付すことで合成される。これらの無水物の例を以下にあげる。
本発明の化合物の三量体も生成される。たとえば、非環式ボロン酸エステルの三量体を以下のようにして形成することができる。
強酸中で特定の保護基を除去すると、本発明の化合物のポリマーも生成される。たとえば、非環式ボロン酸エステルの三量体を以下のようにして形成することができる。
たとえば、本発明において用いられる化合物の二量体、三量体、四量体、これより上の相同体などの種またはその反応性類似体をはじめとして、多価(polyvalent)または多価(maultivalent)の種である化合物も、本発明において有用である。多価(polyvalent)または多価(maultivalent)の種を、本発明の単一の種または2つ以上の種から組み立てることが可能である。さらに、二量体の構築物は、「ホモ二量体」であるか「ヘテロ二量体」であり得る。さらに、本発明の化合物またはその反応性類似体がオリゴマーまたはポリマー骨格(たとえば、ポリリシン、デキストラン、ヒドロキシエチルスターチなど)に結合している多価(polyvalent)または多価(maultivalent)の構築物も、本発明の範囲内である。骨格は、好ましくは多官能性である(すなわち、本発明で用いる化合物を結合するための反応部位のアレイを有する)。さらに、本発明の単一の種または本発明の2つ以上の種で骨格を誘導体化することもできる。
さらに、本発明は、同様に官能化されていない類似の化合物に対して高い水溶解性を持つ化合物が得られるよう官能化された、本明細書に記載の式に示されるモチーフ内で化合物を使用することも含む。このように、本明細書に記載の置換基はいずれも、水溶性を高める類似のラジカルで置換可能である。たとえば、ヒドロキシル基をジオールで置換すること、あるいはアミンを第4級アミン、ヒドロキシアミン、またはより水溶性の類似部分で置換することは、本発明の範囲内である。好ましい実施形態では、本明細書に記載の化合物の修正ドメインに対する活性に重要ではない部位において親化合物の水溶解性を高める部分を用いて置換を行うことによって、さらに水溶解性を与える。有機化合物の水溶解性を高める方法は、当該技術分野において既知である。このような方法には、第4級アンモニウムなどの永続的に荷電した部分またはカルボン酸やアミンなどの生理学的に関連するpHで荷電した基で有機核を官能化することが含まれるが、これに限定されるものではない。他の方法には、有機核に加えて、アルコール、ポリオール、ポリエーテルなどのヒドロキシル含有基またはアミン含有基がある。代表例には、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)が含まれるが、これに限定されるものではない。これらの化合物に適した官能化化学および戦略は当該技術分野において既知である。たとえば、Dunn, R. L., et al., Eds. POLYMERIC DRUGS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS, ACS Symposium Series Vol. 469, American Chemical Society, Washington, D.C. 1991を参照のこと。
II. 導入
本発明は、新規なホウ素化合物と、これらの分子の調製方法とを提供する。本発明はさらに、薬剤部分などの官能性部分を含む類似体としてホウ素化合物と、前記類似体の使用方法とを提供する。
III. 化合物
III.a) 環状ボロン酸エステル
第1の態様では、本発明は、式Iで表される構造を有する化合物を提供する。

式中、Bはホウ素である。R1aは、負電荷と、塩の対イオンと、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Mは、酸素と、硫黄と、NR2aと、から選択されるメンバである。R2aは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバである。R3a、R4aおよびR5aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。指数n1は、0〜2から選択される整数である。Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7am1と、CR8aと、から選択されるメンバである。R6a、R7aおよびR8aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。指数m1は、0および1から選択される整数である。Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバである。Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバである。Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバである。Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバである。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は各々、Hと、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である。R3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。
例示としての実施形態では、この化合物は、式(Ia)で表される構造を有する。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHであり、R4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHおよびR4aHである。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aが各々、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**以外、上述した置換基の一覧から選択される。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、非置換フェニルと、非置換ベンジルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9aがHであり、R12aもHである。
例示としての実施形態では、式(I)または式(Ia)の化合物が、

から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、この化合物は、Hを除く段落106にあげたすべての可能性を含むR9a、R10a、R11aおよびR12aの置換基の選択肢を有する、式I〜Ioのいずれか1つで表される構造を有する。例示としての実施形態では、この化合物は、Hを除く段落107にあげたすべての可能性を含むR9a、R10a、R11aおよびR12aの置換基の選択肢を有する、式Ib〜Ioのうちのいずれか1つで表される構造を有する。
例示としての実施形態では、この化合物は、式(Ib)〜(Ie)による式で表される。式中、R1aは、Hと、負電荷と、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、残りのR基(IbではR9a、IcではR10a、IdではR11a、IeではR12a)は、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、この化合物は、式(If)〜(Ik)による式で表される。式中、R1aは、Hと、負電荷と、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、残りの2つのR基(IfではR9aおよびR10a、IgではR9aおよびR11a、IhではR9aおよびR12a、IiではR10aおよびR11a、IjではR10aおよびR12a、IkではR11aおよびR12a)は各々、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、この化合物は、式(Il)〜(Io)による式で表される。式中、R1aは、Hと、負電荷と、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、残りの3つのR基((Il)ではR9a、R10a、R11a、(Im)ではR9a、R10a、R12a、(In)ではR9a、R11a、R12a、(Io)ではR10a、R11a、R12a)は各々、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物が図11から選択されるメンバになることができないという条件がある。例示としての別の実施形態では、化合物がC1〜C40から選択されるメンバになることができないという条件がある。
例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある。

式中、R7bは、Hと、メチルと、エチルと、フェニルと、から選択されるメンバである。R10bは、Hと、OHと、NHと、SHと、ハロゲンと、置換または非置換のフェノキシと、置換または非置換のフェニルアルキルオキシと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のフェニルアルキルチオと、から選択されるメンバである。R11bは、Hと、OHと、NHと、SHと、メチルと、置換または非置換のフェノキシと、置換または非置換のフェニルアルキルオキシと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のフェニルアルキルチオと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R1bは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバである)。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R10bおよびR11bはHである)。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R10bおよびR11bから選択される一方のメンバがHであり、R10bおよびR11bから選択される他方のメンバが、ハロと、メチルと、シアノと、メトキシと、ヒドロキシメチルと、p−シアノフェニルオキシと、から選択されるメンバである)。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R10bおよびR11bは、フルオロと、クロロと、メチルと、シアノと、メトキシと、ヒドロキシメチルと、p−シアノフェニルと、から独立に選択されるメンバである)。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R1bは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、R7bはHであり、R10bはFであり、R11bはHである)。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R11bおよびR12bは、それらが結合する原子と一緒になって、連結されてフェニル基を形成する。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある(式中、R1bは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、R7bはHであり、R10bは、4−シアノフェノキシであり、R11bはHである)。
例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Iy)で表される構造を有することができないという条件がある。

式中、R10bは、Hと、ハロゲンと、CNと、置換または非置換のC1〜4アルキルと、から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、構造が式(I)〜(Io)から選択されるメンバであるものを持たないという条件があり、R3aと、R4aと、R5aと、R6aと、R7aと、R8aと、R9aと、R10aと、R11aと、R12aと、から選択される少なくとも1つのメンバが、ニトロ、シアノまたはハロゲンである。例示としての別の実施形態では、Mが酸素の場合、Wは(CR3a4an1(式中、n1は0である)から選択されるメンバであり、Jは(CR6a7am1(式中、m1は1である)から選択されるメンバであり、AはCR9aであり、DはCR10aであり、EはCR11aであり、GはCR12aであり、R9aは、ハロゲン、メチル、エチルではなく、あるいは任意に、R10aと連結されてフェニル環を形成し、R10aは、非置換のフェノキシ、C(CH、ハロゲン、CF、メトキシ、エトキシではなく、あるいは任意に、R9aと連結されてフェニル環を形成し、R11aはハロゲンではなく、あるいは任意に、R10aと連結されてフェニル環を形成し、R12aはハロゲンではないという条件がある。例示としての別の実施形態では、Mが酸素の場合、Wは(CR3a4an1(式中、n1は0である)から選択されるメンバであり、Jは(CR6a7am1(式中、m1は1である)から選択されるメンバであり、AはCR9aであり、DはCR10aであり、EはCR11aであり、G1はCR12aであり、R6aとR7aのどちらもハロフェニルではないという条件がある。例示としての別の実施形態では、Mが酸素の場合、Wは(CR3a4an1(式中、n1は0である)から選択されるメンバであり、Jは(CR6a7am1(式中、m1は1である)から選択されるメンバであり、AはCR9aであり、DはCR10aであり、EはCR11a、GはCR12aであり、R9a、R10aおよびR11aはHであり、R6a、R7aおよびR12aはHではないという条件がある。例示としての別の実施形態では、Mが酸素の場合(式中、n1は1である)、Jは(CR6a7am1(式中、m1は0である)から選択されるメンバであり、AはCR9aであり、DはCR10aであり、EはCR11aであり、GはCR12aであり、R9aはHであり、R10aはHであり、R11aはHであり、R6aはHであり、R7aはHであり、R12aがHであり、WはC=O(カルボニル)ではないという条件がある。例示としての別の実施形態では、Mが酸素の場合、WはCR5aであり、JはCR8aであり、AはCR9aであり、DはCR10aであり、EはCR11aであり、GはCR12aであり、R6a、R7a、R9a、R10a、R11aおよびR12aはHであり、R5aおよびR8aは、それらが結合する原子と一緒になって、フェニル環を形成しないという条件がある。
例示としての実施形態では、本発明の化合物は、

から選択されるメンバである構造を有する。式中、qは0から1の数である。Rはハロゲンである。R、R、R、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバから独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、化合物が、

から選択されるメンバではないという条件がある。
例示としての実施形態では、化合物は、構造を有し、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、R、RおよびRは各々、

から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、RおよびRは、Hと、メチルと、

から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、RはHであり、Rは、
Hと、メチルと、

から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、RおよびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、任意に連結されて、

から選択されるメンバを形成する。
例示としての実施形態では、Rは、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、Rは、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、Rは、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は、



から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は、図19に示す構造を有する。例示としての実施形態では、化合物は、図20に示す構造を有する。
例示としての実施形態では、化合物は、式I(b)、I(c)、I(d)、I(e)(式中、前記残りのR基(I(b)ではR9a、I(c)ではR10a、I(d)ではR11a、I(e)ではR12a)はカルボキシメトキシである)から選択されるメンバで表される構造を有する。
例示としての実施形態では、化合物は、式(If)〜(Ik)(式中、式(If)ではR9aまたはR10aのいずれか、式(Ig)ではR9aまたはR11aのいずれか、式(Ih)ではR9aまたはR12aのいずれか、式(Ii)ではR10aまたはR11aのいずれか、式(Ij)ではR10aまたはR12aのいずれか、式(Ik)ではR11aまたはR12aのいずれかがハロゲンであり、対の他の置換基(たとえば、式(If)のR9aがFの場合、R10aは以下に列挙する置換基から選択される)が、NHと、N(CH)Hと、N(CHと、から選択されるメンバである)から選択されるメンバである構造を有する。
例示としての別の実施形態では、化合物は、

から選択されるメンバである構造を有する。式中、RおよびR**は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、化合物は、

から選択されるメンバであり、式中、R1aは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、

(式中、qは1であり、Rは、フルオロと、クロロと、ブロモと、から選択されるメンバである)から選択されるメンバである構造を有する。
例示としての別の実施形態では、式(I)〜(Io)で上述した化合物および実施形態は、水との水和物、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)との溶媒和物、アミノ化合物(アンモニア、メチルアミン、エチルアミンなど)との付加体(adduct)、酸(ギ酸、酢酸など)との付加体、エタノールアミン、キノリン、アミノ酸との錯体などを形成することができる。
例示としての別の実施形態では、化合物は、式(Ip)で表される構造を有する。

式中、Rx2は、置換または非置換のC〜Cアルキルと、置換または非置換のC〜Cヘテロアルキルと、から選択されるメンバである。Ry2およびRz2は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、式(Iq)で表される構造を有する。

式中、Bはホウ素である。Rx2は、置換または非置換のC〜Cアルキルと、置換または非置換のC〜Cヘテロアルキルと、から選択されるメンバである。Ry2およびRz2は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aと、R4aと、R5aと、R6aと、R7aと、R8aと、R9aと、R10aと、R11aと、R12aと、から選択される少なくとも1つのメンバが、ニトロと、シアノと、ハロゲンと、から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、式

から選択されるメンバである構造を有する。例示としての別の実施形態では、化合物は、式(Ib)〜(Ie)による式で表される。式中、R3aと、R4aと、R5aと、R6aと、R7aと、R8aと、R9aと、R10aと、R11aと、R12aと、から選択される少なくとも1つのメンバは、ニトロと、シアノと、フルオロと、クロロと、ブロモと、シアノフェノキシと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物は、

から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、

から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物が、

式(Iaa)で表される構造(式中、R6b、R9b、R10b、R11bおよびR12bは、上記式(Ix)および(Iy)について上述したものと同一の置換基の一覧を有する)を有することができないという条件がある。
例示としての別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の多価(polyvalent)または多価(maultivalent)の種を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物の二量体を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物の二量体を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、C1〜C96から選択されるメンバである化合物の二量体を提供する。例示としての実施形態では、二量体は、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物の無水物を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物の無水物を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、C1〜C96から選択されるメンバである化合物の無水物を提供する。例示としての実施形態では、無水物は、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物の三量体を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物の三量体を提供する。例示としての実施形態では、本発明は、C1〜C96から選択されるメンバである化合物の三量体を提供する。例示としての実施形態では、三量体は、

から選択されるメンバである。
ピリジニルオキサボロール
例示としての実施形態では、化合物は、式(IIa)(IIb)(IIc)および(IId)から選択されるメンバである構造を有する。
オキサボリン(Oxaborine)
例示としての実施形態では、化合物は、式(III)で表される構造を有する。
I.b.)環状ボリン酸エステル
一態様では、本発明は、式VIIで表される構造を有する、この方法に有用な化合物を提供する。

式中、変数R1a、A、D、E、G、J、WおよびMについては、本明細書の他の部分で説明されている。
式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のアルキル(C〜C)である。式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のアルキルオキシである。式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のシクロアルキル(C〜C)である。式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のアルケニルである。そのさらに例示としての別の実施形態では、置換アルケニルが、構造

を有する。式中、R23、R24、およびR25は各々、Hと、ハロアルキルと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOH(ここで、r=1から3)と、CHNR2627(式中、R26およびR27は、独立に、水素およびアルキルから選択される)と、COHと、COアルキルと、CONHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。
式(VII)の例示としての別の実施形態では、Rは置換または非置換のアルキニルである。そのさらに例示としての別の実施形態では、置換アルキニルが、構造

(式中、R23は上記にて定義したとおりである)を有する。
式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のアリールである。その例示としての別の実施形態では、置換アリールが、構造

(式中、R28、R29、R30、R31およびR32は各々、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHsOH(ここで、s=1から3)と、COHと、COアルキルと、CONHと、CONHアルキルと、CON(アルキル)と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627(式中、R26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択される)(t=0から2)と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、および置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)を有する。
式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のアラルキルである。その例示としての別の実施形態では、置換アラルキルが、構造

(式中、R28、R29、R30、R31およびR32は上記にて定義したとおりであり、n1は1〜15から選択される整数である)を有する。
式(VII)の例示としての実施形態では、Rは置換または非置換のヘテロアリールである。そのさらに例示としての別の実施形態では、ヘテロアリールが、構造

(式中、Xは、CH=CH、N=CH、NR35(式中、R35=H、アルキル、アリールまたはベンジル)、OまたはSから選択されるメンバである。Y=CHまたはNである。R33およびR34は各々、Hと、ハロアルキルと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOH(ここで、u=1、2または3)と、(CHNR2627(式中、R26およびR27は、独立に、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から選択される)(v=0から3)と、COHと、COアルキルと、CONHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)を有する。
本発明の構造は、合成操作および治療用使用の間に本発明の化合物が遭遇する溶媒に由来する原子を含む構造(式VIIg)を提供することができる溶媒相互作用も可能にする。構造VIIgは、溶媒とルイス酸としてのホウ素中心との間の配位結合の形成から生成される。よって、このような溶媒錯体は、かなりの生物活性を持つ安定した実体となり得る。このような構造は本発明では明らかに企図される(式中、R***はHまたはアルキルである)。
例示としての実施形態では、化合物は、2−(3−クロロフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、(3−クロロフェニル)(4’−フルオロ−(2’−(メトキシメトキシ)−メチル)−フェニル)−ボリン酸と、1−(3−クロロフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、1−(3−クロロフェニル)−6−フルオロ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、1−(3−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、5−クロロ−1−(3−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、2−(3−フルオロフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、3−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)ベンゾニトリルと、2−(3−シアノフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、(3−クロロフェニル)(5’−フルオロ−(2’−(メトキシメトキシ)メチル)−フェニル)−ボリン酸と、1−(3−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロ−3,3ジメチルベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、(3−クロロフェニル)(2−(2−(メトキシメトキシ)プロパン−2イル)フェニルボリン酸と、1−(3−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、1−(4−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロールと、2−(4−クロロフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、4−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)ベンゾニトリルと、2−(4−シアノフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、4−(5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)ベンゾニトリルと、2−(4−シアノフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、3−(5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)ベンゾニトリルと、2−(3−シアノフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、3−(6−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)ベンゾニトリルと、2−(3−シアノフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、1−(3−シアノフェニル)−5,6−ジメトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロールと、2−(3−クロロフェニル)−[1,3,2]−ジオキサボロランと、(4−(5−(フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニルメタンアミンと、5−フルオロ−2−(メトキシメトキシメチル)フェニル]−[1,3,2]−ジオキサボロランと、4−(5−(フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニルメタンアミンと、(3−(5−(フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)−フェニルメタンアミンと、(4−(5−(フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メタノールと、(3−(5−(フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メタノールと、3−(6−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェノールと、3−(5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)ピリジンと、(2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メタノールと、2−[(メトキシメトキシ)メチル]フェニルボロン酸と、2−[(メトキシメトキシメチル)フェニル]−[1,3,2]−ジオキサボロランと、ビス[2−(メトキシメトキシメチル)フェニル]ボリン酸と、(2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メタノールと、(2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)−N,N−ジメチルメタンアミンと、(2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)−5−クロロフェニル)−N,N−ジメチルメタンアミンと、(2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)−5−クロロフェニル)メタノールと、(2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)−5−クロロフェニル)メタノールと、(5−クロロ−2−(5−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メタノールと、ビス[4−クロロ−2−(メトキシメトキシメチル)フェニル]ボリン酸と、(5−クロロ−2−(5−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メタノールと、(5−クロロ−2−(5−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル−N,N−ジメチルメタンアミンと、1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]ベンゾキサボロールと、4−クロロ−2−メトキシフェニルボロン酸エチレングリコールエステルと、1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]ベンゾキサボロールと、2−(ベンゾ[c][1,2]オキサボラル−1(3H)−イル)−5−クロロフェノールと、2−(3−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェノキシ)−5−クロロフェノールと、2−(3−(ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェノキシ)−5−クロロフェノール4−((3−(5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル)フェニル)メチル)モルホリンと、3−(5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−イル]フェニル)−メチル8−ヒドロキシ-キノリン−2−カルボキシレートと、1−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2−(メトキシメチル)−1H−ベンゾ[c][1,2]アザボロールと、3−クロロフェニル2−[N,N−ビス(メトキシメチル)アミノメチル]フェニルボリン酸と、1−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2−(メトキシメチル)−1H−ベンゾ[c][1,2]アザボロールと、1−(3−クロロフェニル)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ−[c][1,2]−オキサボレピンと、1−(3−クロロフェニル)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボレピンと、1−(3−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ベンゾ[c][1,2]−オキサボリニンと、2−(3−クロロフェニル)−[1,3,2]ジオキサボロランと、(3−クロロフェニル)(2’−(2−(メトキシメトキシ)エチル)フェニル)ボリン酸と、1−(3−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ベンゾ[c][1,2]オキサボリニンと、から選択されるメンバである構造を有する。
I.c.)2’−アミノリボフラノース
別の態様では、本発明は、2’−アミノリボフラノースである、方法に有用な化合物を提供する。例示としての実施形態では、リボフラノースの1’位が、置換または非置換のアリールおよび置換または非置換のヘテロアリールから選択されるメンバで置換される。例示としての別の実施形態では、リボフラノースの1’位が、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバで置換される。例示としての別の実施形態では、リボフラノースの1’位が、置換または非置換のニコチン酸と、置換または非置換のニコチン酸アミドと、置換または非置換の核酸塩基と、置換または非置換のアデニンと、

と、置換または非置換のシトシンと、置換または非置換のグアニンと、置換または非置換のチミンと、置換または非置換のウラシルと、置換または非置換のN,N−ジメチルグアニンと、置換または非置換のジヒドロウラシルと、置換または非置換の4−チオウリジンと、置換または非置換のイノシンと、から選択されるメンバで置換される。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(VIII)で表される構造を有する。

式中、Lは、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバである。本明細書にて先に定義したとおり、Mは、Oと、Sと、NRと、から選択されるメンバである。R40およびR41は各々、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOH(ここで、s=1から3)と、COHと、COアルキルと、C(O)NHと、C(O)NHアルキルと、CON(アルキル)と、C(O)R23と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627(式中、R26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択される)(t=0から2)と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、

から独立に選択されるメンバである。R43、R44、およびR45は各々、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。R43およびR44は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R43およびR45は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R44およびR45は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。A、D、EおよびGはいずれも、本明細書の他の場所で定義したとおりである。Zは、CR46およびNから選択されるメンバである。窒素(A+D+E+G+Z)の組み合わせは、0〜4から選択される整数である。Rと、R10と、R11と、R12と、R46と、から選択される少なくとも2つのメンバが、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。
例示としての実施形態では、

は、

から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、式

による式で表される。例示としての実施形態では、化合物は、



から選択されるメンバである。
I.d.)3’−アミノリボフラノース
別の態様では、本発明は、3’−アミノリボフラノースである、この方法に有用な化合物を提供する。例示としての実施形態では、リボフラノースの1’位が、置換または非置換のアリールおよび置換または非置換のヘテロアリールから選択されるメンバで置換される。例示としての別の実施形態では、リボフラノースの1’位が、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバで置換される。例示としての別の実施形態では、リボフラノースの1’位が、置換または非置換のニコチン酸と、置換または非置換のニコチン酸アミドと、置換または非置換の核酸塩基と、置換または非置換のアデニンと、

と、置換または非置換のシトシンと、置換または非置換のグアニンと、置換または非置換のチミンと、置換または非置換のウラシルと、置換または非置換のN,N−ジメチルグアニンと、置換または非置換のジヒドロウラシルと、置換または非置換の4−チオウリジンと、置換または非置換のイノシンと、から選択されるメンバで置換される。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(VIIIc)で表される構造を有する。

式中、Lは、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバである。本明細書にて先に定義したとおり、Mは、Oと、Sと、NRと、から選択されるメンバである。R40およびR41は各々、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOH(ここで、s=1から3)と、COHと、COアルキルと、C(O)NHと、C(O)NHアルキルと、CON(アルキル)と、C(O)R23と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627(式中、R26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択される)(t=0から2)と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、

から独立に選択されるメンバである。R43、R44、およびR45は各々、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。R43およびR44は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R43およびR45は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R44およびR45は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。A、D、EおよびGはいずれも、本明細書の他の場所で定義したとおりである。Zは、CR46およびNから選択されるメンバである。窒素(A+D+E+G+Z)の組み合わせは、0〜4から選択される整数である。Rと、R10と、R11と、R12と、R46と、から選択される少なくとも2つのメンバが、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。
例示としての実施形態では、

は、

から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、次式

による式で表される。例示としての実施形態では、化合物は、


から選択されるメンバである。
I.e.)非環式ボロン酸およびエステル、I部
このセクションで説明するものなどの非環式ボロン酸およびエステルを本発明で利用することもできる。これらの化合物を用いれば、本明細書に記載の微生物を殺滅またはその成長を阻害するとともに、本明細書に記載の疾患を治療することができる。さらに、これらの化合物を本明細書に記載の化合物の生成における合成中間体として利用することもできる。
別の態様では、化合物は、次式

で表される構造を有する。式中、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成してもよい。Z1は、

から選択されるメンバである。式中、R3aおよびR4aは各々、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。Rは、ハロゲンおよびORから選択されるメンバである。Rは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバである。Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバである。Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバである。Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバである。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。R9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。R10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。R11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である。
例示としての実施形態では、化合物が、

から選択されるメンバではないという条件がある。
例示としての実施形態では、化合物が、式IXaで表される構造を有する。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHであり、R4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHおよびR4aHである。
例示としての別の実施形態では、Z1がCHOである。例示としての別の実施形態では、Z1が、

である。式中、Rは、OHと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のメトキシメトキシと、置換または非置換のエトキシエトキシと、置換または非置換のトリアルキルシアリルと、置換または非置換のテトラヒドロ−2H−ピラン−2イルオキシと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、Rは、置換または非置換のトリアルキルシアリルであり、前記トリアルキルシアリルは、置換または非置換のトリメチルシリルと、置換または非置換のtert−ブチルジメチルシリルと、置換または非置換のトリブチルシリルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、Rは、置換または非置換のメトキシ、置換または非置換のエトキシ、置換または非置換のメトキシメトキシ、置換または非置換のエトキシエトキシ、置換または非置換のテトラヒドロ−2H−ピラン−2イルオキシである。例示としての別の実施形態では、Rは、メトキシと、エトキシと、メトキシメトキシと、エトキシエトキシと、テトラヒドロ−2H−ピラン−2イルオキシと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、Z1が

である。
例示としての実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aが、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**を除く上記の置換基の一覧から選択される。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、非置換のフェニルと、非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9aがHであり、R12aがHである。例示としての実施形態では、化合物が、上記の式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)に記載されているものおよび/または式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)について説明した後続の段落に記載されているものから選択されるメンバである、R9a、R10a、R11a、およびR12aに対する置換基の組み合わせを有する。
例示としての実施形態では、化合物は、以下の図(IXb)

のような非環式ボロン酸またはエステルの一部が図12の構造から選択されるメンバである非環式ボロン酸またはエステルである。例示としての別の実施形態では、化合物は、本明細書に記載の非環式ボロン酸またはエステルの二量体、無水物、または三量体である。例示としての別の実施形態では、化合物は、図(IXb)のような非環式ボロン酸またはエステルの一部が図12の構造を選択したメンバである非環式ボロン酸またはエステルの二量体、無水物、または三量体である。
例示としての実施形態では、RおよびRは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、任意に、置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成することができる。
例示としての実施形態では、RおよびRは各々、Hと、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、RおよびRは各々、Hと、メチルと、イソプロピルと、フェニルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、RおよびRがメチルである。例示としての実施形態では、RおよびRがイソプロピルである。例示としての実施形態では、RおよびRがHである。
例示としての別の実施形態では、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成する。例示としての別の実施形態では、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、ジオキサボロランと、置換または非置換のテトラメチルジオキサボロランと、置換または非置換のフェニルジオキサボロランと、ジオキサボリナンと、ジメチルジオキサボリナンと、ジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成する。
例示としての実施形態では、化合物は、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は、




から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は、




から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、本明細書に記載の化合物および実施形態は、水との水和物、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)との溶媒和物、アミノ化合物(アンモニア、メチルアミン、エチルアミンなど)との付加体、酸(ギ酸、酢酸など)との付加体、エタノールアミン、キノリン、アミノ酸との錯体などを形成できる。
例示としての実施形態では、本明細書に記載の非環式ボロン酸エステルを、本明細書に記載の化合物を合成する際の中間体として利用することができる。例示としての別の実施形態では、本明細書に記載の非環式ボロン酸エステルを、式(I)と、(Ia)(Ib)と、(Ic)と、(Id)と、(Ie)と、(If)と、(Ig)と、(Ih)と、(Ii)と、(Ij)と、(Ik)と、(Il)と、(Im)と、(In)と、(Io)と、(Ip)と、(Iq)と、(Ir)と、(Is)と、(It)と、(Iu)と、(Iv)と、(Iw)と、(Iz)と、(Iaa)と、(Iab)と、(Iac)と、(Iad)と、(Iae)と、(Iaf)と、(Iag)と、(Iah)と、(Iai)と、(Iaj)と、(Iak)と、から選択されるメンバである化合物を合成する際の中間体として利用することができる。
I.f.)非環式ボロン酸およびエステル、II部
本明細書に記載の非環式ボロン酸およびエステルを本発明に利用することもできる。これらの化合物を用いれば、本明細書に記載の微生物を殺滅またはその成長を阻害するとともに、本明細書に記載の疾患を治療することができる。また、本明細書に記載の他の化合物の生成にあたって、これらの化合物を合成中間体として利用することもできる。例示としての実施形態では、これらの他の化合物は、本明細書に記載の環状ボロン酸エステルおよび環状ボリン酸エステルである。
別の態様では、化合物は、次式

で表される構造を有する。式中、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成してもよい。Xは、置換または非置換のトリフレートと、ハロゲンと、置換または非置換のスルホン酸エステルと、置換または非置換のアシルオキシ基と、置換または非置換のジアゾと、から選択されるメンバである。R3aおよびR4aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバである。Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバである。Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバである。Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバである。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。R9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。R10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。R11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成する。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である。
例示としての実施形態では、この態様は、化合物が、

ではないという条件を有する。
例示としての実施形態では、化合物が、式(Xa)

で表される構造を有する。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHであり、R4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHおよびR4aHである。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**を除く上記の置換基の一覧から選択される。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、非置換のフェニルと、非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9aがHであり、R12aがHである。例示としての実施形態では、化合物が、上記の式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)に記載されているものおよび/または式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)について説明した後続の段落に記載されているものから選択されるメンバである、R9a、R10a、R11a、およびR12aに対する置換基の組み合わせを有する。
例示としての実施形態では、化合物は、以下の図(IXb)

のような非環式ボロン酸またはエステルの一部が図12の構造から選択されるメンバである非環式ボロン酸またはエステルである。例示としての別の実施形態では、化合物は、本明細書に記載の非環式ボロン酸またはエステルの二量体、無水物、または三量体である。例示としての別の実施形態では、化合物は、図(IXb)のような非環式ボロン酸またはエステルの一部が図12の構造を選択したメンバである非環式ボロン酸またはエステルの二量体、無水物、または三量体である。
例示としての実施形態では、RおよびRは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、任意に、置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成することができる。
例示としての実施形態では、Xは、トリフレートと、クロロと、ブロモと、ヨードと、置換または非置換のスルホン酸エステルと、置換または非置換のアシルオキシ基と、置換または非置換のジアゾと、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、Xは、置換または非置換のメシレートと、置換または非置換のトシレートと、置換または非置換のブロシレートと、置換または非置換のノシレートと、から選択されるメンバである、スルホン酸エステル基である。例示としての実施形態では、Xは、置換または非置換のアセトキシおよび置換または非置換のトリフルオロアセトキシから選択されるメンバである、アシルオキシ基である。例示としての別の実施形態では、Xは、ブロモと、ヨードと、メシレートと、ジアゾと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、Xは、ブロモおよびヨードから選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、ジオキサボロランと、置換または非置換のテトラメチルジオキサボロランと、置換または非置換のフェニルジオキサボロランと、ジオキサボリナンと、ジメチルジオキサボリナンと、ジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成する。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、メチルと、エチルと、プロピルと、ブチルと、フェニルと、ベンジルと、シアノと、ハロゲンと、ニトロと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は、

と、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は、






から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、本明細書に記載の非環式ボロン酸エステルを、本明細書に記載の化合物を合成する際の中間体として利用することができる。例示としての別の実施形態では、本明細書に記載の非環式ボロン酸エステルを、式(I)と、(Ia)(Ib)と、(Ic)と、(Id)と、(Ie)と、(If)と、(Ig)と、(Ih)と、(Ii)と、(Ij)と、(Ik)と、(Il)と、(Im)と、(In)と、(Io)と、(Ip)と、(Iq)と、(Ir)と、(Is)と、(It)と、(Iu)と、(Iv)と、(Iw)と、(Iz)と、(Iaa)と、(Iab)と、(Iac)と、(Iad)と、(Iae)と、(Iaf)と、(Iag)と、(Iah)と、(Iai)と、(Iaj)と、(Iak)と、から選択されるメンバである化合物を合成する際の中間体として利用することができる。
I.e.)別の化合物
本明細書に記載のものなどの化合物を本発明に利用することもできる。本発明の化合物は、核酸、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのリボース環の2’,3’ジオールと、本明細書に記載のものなどの環式または非環式ボロン酸エステルとの間で形成することができる。これらの化合物は、本明細書に記載の微生物を殺滅または成長を阻害するため、ならびに本明細書に記載の疾患を治療するために、ヒトまたは動物において使用することがである。これらの化合物は、in vitroおよびin vivoで形成することができる。これらの化合物を製造する方法を実施例のセクションで説明する。
別の態様では、本発明は、次式

で表される構造を有する化合物を提供する。式中、Bはホウ素である。Lは、ORと、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバである。Rは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Aは、OHと、置換または非置換のモノホスフェートと、置換または非置換のジホスフェートと、置換または非置換のトリホスフェートと、

から選択されるメンバである。A1は、1から100個のヌクレオチドを含む核酸配列である。Qは、置換または非置換のヘテロシクロアルキルおよび置換または非置換のヘテロアリールから選択されるメンバである。Qは、前記ホウ素および少なくとも1つの酸素を含む。
例示としての実施形態では、この態様は、化合物がC1〜C40から選択されるメンバを含むことができないという条件を有する。
例示としての実施形態では、この態様は、化合物が図11に記載のメンバを含むことができないという条件を有する。例示としての実施形態では、この態様は、化合物が期限切れの米国特許第5,880,188号明細書に記載の化合物を伴うことができないという条件を有する。
例示としての実施形態では、化合物が、以下の式(XIIa)

で表される構造を有する。式中、Mは、OおよびSから選択されるメンバである。Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバである。R3a、R4a、およびR5aは、Hと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。n1は、0〜2から選択される整数である。Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7aと、CR8aと、から選択されるメンバである。R6a、R7a、およびR8aは、Hと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。指数m1は、0および1から選択される整数である。Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバである。Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバである。Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバである。Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバである。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は各々、Hと、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である。R3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHであり、R4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHおよびR4aHである。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aが各々、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**を除く上記の置換基の一覧から選択される。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、非置換のフェニルと、非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物が、以下の式

で表される構造を有する。例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9aがHであり、R12aがHである。例示としての実施形態では、化合物が、上記の式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)に記載されているものおよび/または式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)について説明した後続の段落に記載されているものから選択されるメンバである、R9a、R10a、R11a、およびR12aに対する置換基の組み合わせを有する。
例示としての実施形態では、以下の図

のような環状ボロン酸エステルの一部は、図12に示す構造から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物が、以下の式

で表される構造を有する。
例示としての実施形態では、化合物が、以下の式

で表される構造を有する。例示としての実施形態では、化合物が、以下の式

で表される構造を有する。
例示としての別の実施形態では、化合物が、式(XII)と、(XIIa)と、(XIIb)と、(XIIc)と、(XIId)と、(XIIe)と、から選択されるメンバである構造を有し、式中、Lは、置換または非置換のアデニンと、置換または非置換のグアニンと、置換または非置換のシチジンと、置換または非置換のウラシルと、置換または非置換のチミンと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、LはOHである。例示としての別の実施形態では、Lはアデニンである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、

から選択されるメンバである構造を有する。
例示としての別の実施形態では、A1は、72から90ヌクレオチドの核酸配列である。例示としての別の実施形態では、A1は、35から150ヌクレオチドの核酸配列である。例示としての別の実施形態では、A1は、50から100ヌクレオチドの核酸配列である。例示としての別の実施形態では、A1は、75から85ヌクレオチドの核酸配列である。例示としての別の実施形態では、A1は、tRNAまたはtRNAの一部である核酸配列である。例示としての別の実施形態では、前記tRNAまたは前記tRNAの一部は、アラニルtRNAと、イソロイシルtRNAと、ロイシルtRNAと、メチオニルtRNAと、リジルtRNAと、フェニルアラニルtRNAと、プロリルtRNAと、スレオニルtRNAと、バリルtRNAと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、前記tRNAまたは前記tRNAの一部は、ロイシルtRNAである。例示としての別の実施形態では、前記tRNAまたは前記tRNAの一部は、配列番号18〜62から選択されるメンバである配列を有する。例示としての別の実施形態では、A1は核酸配列であり、2つの最終ヌクレオチドは各々、シチジンである。
例示としての別の実施形態では、化合物はさらに、修正ドメインを有するtRNA合成酵素またはtRNA合成酵素の一部を含む。前記化合物は、前記tRNA合成酵素の修正ドメインと非共有結合的に結合する。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素は、ミトコンドリアtRNA合成酵素および細胞質tRNA合成酵素から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素は、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、本明細書に記載の化合物は、本出願に記載の微生物に存在する。
例示としての別の実施形態では、化合物が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)と、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)と、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)と、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)と、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)と、ペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilum)と、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)と、ストレプトベルチキリウム・ワクスマニ(Streptoverticillium waksmanii)と、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)と、クラドスポリウム・ヘルバレム(Cladosporium herbarum)と、フォーマ・ビオラセア(Phoma violacea)と、ステムフィリウム・デントリティカム(Stemphylium dentriticum)と、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)と、大腸菌(Escherichia coli)と、Glioclasium roseumと、から選択されるメンバである微生物に存在しないという条件がある。例示としての別の実施形態では、化合物が真菌に存在する場合、この真菌は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)と、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)と、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)と、ペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilum)と、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)と、ストレプトベルチキリウム・ワクスマニ(Streptoverticillium waksmanii)と、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)と、クラドスポリウム・ヘルバレム(Cladosporium herbarum)と、フォーマ・ビオラセア(Phoma violacea)と、ステムフィリウム・デントリティカム(Stemphylium dentriticum)と、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)と、グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium roseum)と、から選択されるメンバではないという条件がある。
例示としての実施形態では、化合物は、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)と、Microsporumと、Epidermophytonと、酵母様真菌と、から選択されるメンバである微生物に存在する。例示としての実施形態では、化合物が酵母様真菌に存在する場合、酵母様真菌は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)およびカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)から選択されるメンバではないという条件がある。例示としての別の実施形態では、微生物は、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)と、Microsporumと、Epidermophytonと、酵母様真菌と、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、微生物は皮膚糸状菌である。例示としての別の実施形態では、微生物は、白癬菌(Trichophyton)種から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、微生物は、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである。例示としての実施形態では、微生物は皮膚糸状菌であり、前記皮膚糸状菌は、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、化合物は、ヒトまたは動物に存在する。例示としての別の実施形態では、化合物は、ヒトまたは動物の体内または表面の微生物に存在する。例示としての別の実施形態では、化合物は、ヒトの爪部分または動物の爪、蹄または角の成分に存在する微生物に存在する。例示としての別の実施形態では、化合物は、ヒトの爪板と、ヒトの爪床と、基部爪郭と、側面爪郭と、これらの組み合わせと、から選択されるメンバに存在する微生物に存在する。例示としての別の実施形態では、化合物は、ヒトの爪板およびヒトの爪床から選択されるメンバに存在する微生物に存在する。例示としての別の実施形態では、化合物は、基部爪郭および側面爪郭から選択されるメンバに存在する微生物に存在する。例示としての別の実施形態では、微生物は、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)と、小胞子菌(Microsporum)と、表皮糸状菌(Epidermophyton)と、酵母様真菌と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、前記化合物が皮膚糸状菌である。例示としての別の実施形態では、皮膚糸状菌は、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである。
I.f.)ケラチンを含む製剤
本明細書に記載の本発明の化合物がヒトの爪の成分に適用されるとき、該化合物は、爪に吸収または浸透する。ヒトの爪は、主に、ケラチン(すなわち毛ケラチンまたはα-ケラチン)および微量の脂質成分からなる。したがって、爪の疾患を治療あるいは微生物を殺滅またはその成長を阻害する過程においては、ヒトの爪部分と本発明の化合物とを含む製剤を形成する。
別の態様では、本発明は、(a)ホウ素含有化合物と、2’−アミノリボフラノース含有化合物と、3’−アミノリボフラノース含有化合物と、これらの組み合わせと、から選択されるメンバである化合物と、(b)ヒトの爪部分と、皮膚と、毛と、から選択されるメンバであるケラチン含有成分と、を含む製剤を提供する。例示としての実施形態では、(a)部の化合物が(b)部の成分と接触する。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分は、ヒトの爪部分の爪板である。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分は、ヒトの爪部分の爪床である。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分は、ヒトの爪部分の基部爪郭である。例示としての実施形態では、ケラチン含有成分は、ヒトの爪部分の側面爪郭である。例示としての別の実施形態では、ヒトの爪部分は、ケラチンおよび脂質から選択されるメンバを含む。例示としての別の実施形態では、ケラチンは、皮膚ケラチンおよび爪/毛ケラチンから選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、脂質は、硫酸コレステロールと、セレブロシドと、セラミドと、遊離ステロールと、遊離脂肪酸と、トリグリセリドと、ステロールエステルと、ワックスエステルと、スクアレンと、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物が、約0.001%と、約0.01%と、約0.05%と、約0.1%と、約0.5%と、約1%と、約1.5%と、約2%と、約2.5%と、約3%と、から選択されるメンバである濃度で製剤中に存在する。例示としての別の実施形態では、ケラチンが、約99.99%と、約99.95%と、約99.90%と、約99.5%と、約99.0%と、約98.5%と、約98.0%と、約97.5%と、約97%と、から選択されるメンバである濃度で前記製剤中に存在する。例示としての別の実施形態では、化合物は本明細書に記載の化合物である。例示としての別の実施形態では、化合物は、式(I)、(Ia)(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、(Iv)、(Iw)、(Iz)、(Iaa)、(Iab)、(Iac)、(Iad)、(Iae)、(Iaf)、(Iag)、(Iah)、(Iai)、(Iaj)、(Iak)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)に示されるものである。例示としての別の実施形態では、化合物は、本明細書に記載されているような非環式ボロン酸エステルである。例示としての別の実施形態では、化合物は、本明細書に記載のC1〜C96から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物は、図19に示される化合物から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物は、図20に示される化合物から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物は、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。例示としての別の実施形態では、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールが、約0.001%と、約0.01%と、約0.05%と、約0.1%と、約0.5%と、約1%と、約1.5%と、から選択されるメンバである濃度で前記製剤中に存在する。
別の態様では、本発明は、前記化合物を製剤含有ケラチンに適用することにより前記製剤を形成することを含む、この製剤の製造方法を提供する。例示としての実施形態では、製剤含有ケラチンがヒトの爪部分である。例示としての実施形態では、製剤含有ケラチンは、爪板と、爪床と、基部爪郭と、側面爪郭と、から選択されるメンバである。これらの製剤の製造方法については、実施例のセクションで説明する。
I.g.)ホウ素含有修正ドメインインヒビターの調製
本発明に用いられる化合物は、中間体として知られる市販の出発材料を用いて、あるいは、本明細書に記載され援用する参考文献で公開されている合成方法で調製できる。
I.h.)ボロン酸エステル
以下の例示としてのスキームは、本発明のホウ素含有分子の調製方法について説明する。これらの方法は、示された化合物の製造に限定されるものではなく、本明細書に記載の化合物および錯体などの様々な分子の調製にも使用できる。また、スキームに明示的には示していないが当業者には既知方法によって本発明の化合物を合成することもできる。容易に入手可能な既知中間体材料を用いて、化合物を調製できる。
以下のスキームでは、記号Xはブロモまたはヨードを示す。記号Yは、Hと、低級アルキルと、アリールアルキルと、から選択される。記号Zは、Hと、アルキルと、アリールと、から選択される。記号PGは保護基を示す。記号A、D、E、G、R、R、R、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a、R8a、R9a、R10a、R11a、およびR12aは、本明細書に記載の化合物中の対応する記号を示すの用いることができる。
ボロン酸調製ストラテジー#1
スキーム1、工程1および2では、化合物1または2をアルコール3に変換する。工程1では、化合物1を適当な溶媒中で還元剤で処理する。好適な還元剤には、ボラン−テトラヒドロフラン、ボラン−ジメチルスルフィド、これらの組み合わせなどのボラン錯体が含まれる。水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として利用いることもできる。還元剤は、化合物1または2に対して0.5〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲である。反応終了までの時間は1から24時間の範囲である。
工程2では、化合物2のカルボニル基を適当な溶媒中で還元剤で処理する。好適な還元剤には、ボラン−テトラヒドロフラン、ボラン−ジメチルスルフィド、これらの組み合わせなどのボラン錯体が含まれる。水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いることもできる。還元剤は、化合物2に対して0.5〜5当量の範囲の量で用いることもできる。好適な溶媒には、メタノールやエタノール、プロパノールなどの低級アルコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲である。反応終了までの時間は1から24時間の範囲である。
工程3では、化合物3のヒドロキシル基を、中性または塩基性の条件下で安定な保護基で保護する。保護基は典型的には、メトキシメチル、エトキシエチル、テトラヒドロピラン−2−イル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリブチルシリル、これらの組み合わせなどから選択される。メトキシメチルの場合、塩基の存在下、化合物3を1〜3当量のクロロメチルメチルエーテルで処理する。好適な塩基には、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、ならびに、ジイソプロピルエチルアミンやトリエチルアミンなどの第3級アミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、さらには、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、これらの組み合わせなどが含まれる。塩基は、化合物3に対して1〜3当量の範囲の量で用いることができる。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲、好ましくは0から40℃である。反応終了までの時間は、1時間から5日間の範囲である。
テトラヒドロピラン−2−イルの場合、1から10mol%の酸触媒の存在下、1〜3当量の3,4−ジヒドロ−2H−ピランで化合物3を処理する。好適な酸触媒には、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、塩化水素、硫酸、これらの組み合わせなどが含まれる。好適な溶媒には、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、アセトニトリル、これらの組み合わせなど。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲、好ましくは0から60℃であり、1時間から5日間で完了する。
トリアルキルシリルの場合、1〜3当量の塩基の存在下、化合物3を1〜3当量のクロロトリアルキルシランで処理する。好適な塩基には、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどの第3級アミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は、0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲、好ましくは0から40℃である。反応終了までの時間は1から48時間の範囲である。
工程4では、ハロゲン金属交換反応によって化合物4をボロン酸(5)に変換する。水素化ジイソブチルアルミニウム(DiBAl)などの開始剤を用いても用いなくてもよいが、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、塩化イソプロピルマグネシウム、または削り屑状Mg(Mg turnings)などのアルキル金属試薬を化合物4に対して1〜3当量で用いて化合物4を処理した後、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリイソプロピルまたはホウ酸トリブチルなどのホウ酸トリアルキルを化合物4に対して1〜3当量添加する。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、エーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ヘキサン、これらの組み合わせなどが含まれる。アルキル金属試薬をホウ酸トリアルキルの存在下で加えてもよい。ブチルリチウムの添加は、−100から0℃、好ましくは−80から−40℃で行う。イソプロピル塩化マグネシウムの添加は、−80から40℃、好ましくは−20から30℃で行う。Mgターニングの添加は、DiBAlを添加してまたは添加せずに、−80から40℃、好ましくは−35から30℃で行う。ホウ酸トリアルキルの添加は、−100から20℃で行う。ホウ酸トリアルキルの添加後、反応物を室温まで温めるが、該温度は一般に−30から30℃である。ホウ酸トリアルキルの存在下でアルキル金属試薬を添加する場合、添加後に反応混合物を室温まで温める。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。化合物5は単離しなくてもよく、精製せずにまたは1つのポットで次の工程に用いてもよい。
工程5では、化合物5の保護基を酸性条件下で除去し、本発明の化合物を得る。好適な酸には、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸などがある。酸は、化合物5に対して0.1〜20当量の範囲の量で用いることができる。保護基がトリアルキルシリルの場合、フッ化テトラブチルアンモニウムなどの塩基性試薬も用いることができる。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、アセトン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は、0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲、好ましくは10℃から溶媒の還流温度までである。反応終了までの時間は0.5から48時間の範囲である。生成物は、当業者に既知方法で精製することができる。
別の態様では、本発明は、以下の式で表される構造を有するテトラヒドロピラン含有ボロン酸エステルを製造する方法を提供する。

式中、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成してもよい。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。この方法は、a)以下の式

で表される構造を有する第1の化合物をグリニャールまたは有機リチウム条件に付すことと、
b)工程a)の生成物をホウ酸エステルと接触させることで、前記テトラヒドロピラン含有ボロン酸エステルを形成することを含む。例示としての実施形態では、ハロゲンは、ヨードおよびブロモから選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、ホウ酸エステルは、B(OR(OR)から選択されるメンバである。式中、RおよびRは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、任意に、置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成してもよい。例示としての別の実施形態では、ホウ酸エステルは、B(OR(OR)から選択されるメンバである。式中、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、ジオキサボロランと、置換または非置換のテトラメチルジオキサボロランと、置換または非置換のフェニルジオキサボロランと、ジオキサボリナンと、ジメチルジオキサボリナンと、ジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成する。例示としての別の実施形態では、グリニャールまたは有機リチウム条件がさらに、水素化ジイソブチルアルミニウムを含む。例示としての別の実施形態では、グリニャール反応の温度が約35℃を超えない。例示としての別の実施形態では、グリニャール反応の温度が約40℃を超えない。例示としての別の実施形態では、グリニャール反応の温度が約45℃を超えない。例示としての実施形態では、工程(b)が約−30℃から約−20℃の温度で実施される。例示としての別の実施形態では、工程(b)が、約−35℃から約−25℃の温度で実施される。例示としての別の実施形態では、工程(b)が約−50℃から約−0℃の温度で実施される。例示としての別の実施形態では、工程(b)が約−40℃から約−20℃の温度で実施される。例示としての別の実施形態では、テトラヒドロピラン含有ボロン酸エステルが、

である。
別の態様では、本発明は、以下の式

で表される構造を有する化合物を製造する方法であって、a)以下の式

で表される構造を有する第1の化合物をグリニャールまたは有機リチウム条件に付すことと、b)前記付す反応を水および有機酸でクエンチすることで、前記化合物を形成することを含む方法を提供する。例示としての実施形態では、前記有機酸が酢酸から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、クエンチ工程は本質的に強酸とは接触しない。例示としての別の実施形態では、化合物が1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。例示としての別の実施形態では、化合物は再結晶化溶媒からの再結晶化によって精製され、前記再結晶化溶媒は本質的にアセトニトリルを含有しない。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は2%未満のアセトニトリルを含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は1%未満のアセトニトリルを含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は0.5%未満のアセトニトリルを含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は0.1%未満のアセトニトリルを含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒はトルエンおよび炭化水素溶媒を含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は約1:1のトルエン:炭化水素溶媒を含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は約2:1のトルエン:炭化水素溶媒を含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は約3:1のトルエン:炭化水素溶媒を含有する。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は約4:1のトルエン:炭化水素溶媒を含有する。例示としての実施形態では、炭化水素溶媒は、ヘプタンと、オクタンと、ヘキサンと、ペンタンと、ノナンと、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、再結晶化溶媒は3:1のトルエン:ヘプタンである。
ボロン酸調製ストラテジー#2
スキーム2、工程6では、遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応によって化合物2をボロン酸(6)に変換する。遷移金属触媒の存在下、必要に応じて適当なリガンドおよび塩基を用いて、化合物2を1〜3当量のビス(ピナコラト)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランで処理する。好適な遷移金属触媒には、酢酸パラジウム(II)、アセト酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、これらの組み合わせなどが含まれる。触媒は、化合物2に対して1から5mol%の範囲の量で用いることができる。好適なリガンドには、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、これらの組み合わせなどが含まれる。リガンドは、化合物2に対して1〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な塩基には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムフェノキシド、トリエチルアミン、これらの組み合わせなどが含まれる。塩基は、化合物2に対して1〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から150℃の範囲である。反応終了までの時間は1から72時間の範囲である。
続いて、ピナコールエステルを酸化的に切断して化合物6を得る。ピナコールエステルを過ヨウ素酸ナトリウムで処理した後、酸で処理する。過ヨウ素酸ナトリウムは、化合物6に対して2〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、これらの組み合わせなどが含まれる。好適な酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは0から50℃の範囲である。反応終了までの時間は1から72時間の範囲である。
工程7では、適当な溶媒中で化合物6のカルボニル基を還元剤で処理し、本発明の化合物を得る。好適な還元剤には、ボラン−テトラヒドロフラン、ボラン−ジメチルスルフィド、これらの組み合わせなどといったボラン錯体が含まれる。水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として利用することもできる。還元剤は、化合物6に対して0.5〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、メタノールやエタノール、プロパノールなどの低級アルコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲である。反応終了までの時間は1から24時間の範囲である。
ボロン酸調製ストラテジー#3
スキーム3、工程8では、化合物3から1工程で本発明の化合物を調製することができる。化合物3をホウ酸トリアルキルと混合した後、アルキル金属試薬で処理する。好適なアルキル金属試薬には、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、これらの組み合わせなどが含まれる。好適なホウ酸トリアルキルには、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、これらの組み合わせなどが含まれる。ブチルリチウムの添加は、−100から0℃、好ましくは−80から−40℃で行う。添加後に反応混合物を室温まで温める。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。ホウ酸トリアルキルは、化合物3に対して1〜5当量の範囲の量で用いることができる。アルキル金属試薬は、化合物3に対して1〜2当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、エーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ヘキサン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。あるいは、化合物3とホウ酸トリアルキルとの混合物を1から3時間還流し、エステル交換時に形成されるアルコール分子をアルキル金属試薬の添加前に蒸留することができる。
ボロン酸調製ストラテジー#4
スキーム4、工程10では、化合物7のメチル基をN−ブロモスクシンイミドで臭素化する。N−ブロモスクシンイミドは、化合物7に対して0.9から1.2当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、クロロベンゼン、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から150℃の範囲である。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。
工程11では、化合物8のブロモメチレン基をベンジルアルコール3に変換する。化合物8を酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムで処理する。これらの酢酸塩は、化合物8に対して1〜10当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から100℃の範囲である。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。このようにして得られる酢酸塩を塩基性条件下で化合物3に加水分解する。好適な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、これらの組み合わせなどが含まれる。塩基は、化合物8に対して1〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から100℃の範囲である。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。あるいは、上記と同様の条件で化合物8を化合物3に直接変換することができる。
工程3〜5では、化合物3を本発明の化合物に変換する。
ボロン酸調製ストラテジー#5
スキーム5、工程12では、塩基の存在下、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドまたは(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムブロミドで化合物2を処理した後、酸加水分解を行い、化合物9を得る。好適な塩基には、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラザン、これらの組み合わせなどが含まれる。(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム塩は、化合物2に対して1〜5当量の範囲の量で用いることができる。塩基は、化合物2に対して1〜5当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、エーテル、トルエン、ヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは0から30℃の範囲である。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。形成されたエノールエーテルを酸性条件下で加水分解する。好適な酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸などが含まれる。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から100℃の範囲である。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。
工程2〜5では化合物9を本発明の化合物に変換する。
ボロン酸調製ストラテジー#6
スキーム6では、RがHである化合物(I)を、対応するアルコールであるROHと混合することで、Rがアルキルである化合物(I)に変換する。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、トルエン、これらの組み合わせなどが含まれる。アルコール(ROH)も溶媒として用いることができる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から100℃の範囲である。反応終了までの時間は1から12時間の範囲である。
ボロン酸調製ストラテジー#7
スキーム7では、化合物(Ia)をそのアミノアルコール錯体(Ib)に変換する。化合物(Ia)をHORNR1a1bで処理する。アミノアルコールは、化合物(Ia)に対して1〜10当量の範囲の量で用いることができる。好適な溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、水、これらの組み合わせなどが含まれる。反応温度は20℃から使用する溶媒の沸点まで、好ましくは50から100℃の範囲である。反応終了までの時間は1から24時間の範囲である。
上述したものと同様の方法で本発明の化合物を水和物および溶媒和物に変換することができる。
I.h.)ボリン酸エステル
ボリン酸エステルの製造方法は当該技術分野において既知であり、本明細書に記載のボロン酸エステルの製造にこれらの方法を用いることは当業者の知識の範囲内である。具体例には、本明細書に援用する米国特許第10/868,268号明細書および米国仮特許出願第______号明細書(代理人整理番号第64507−5021PR、2006年5月2日に出願)が含まれる。
I.i.)2’−アミノまたは3’−アミノリボフラノース
2’−アミノリボフラノースまたは3’−アミノリボフラノースの製造方法は当該技術分野において既知であり、本明細書に記載の2’−アミノリボフラノースを製造するためにこれらの方法を用いることは当業者の知識の範囲内である。
Ashtonら(カナダ特許出願第2,031,644号明細書(1991))およびDuretteら(英国特許出願第2,207,678号明細書(1989))が、化合物D5用のアミノ酸出発材料の合成について開示している。また、Hardeeら(PCT国際出願国際公開第2005020885号パンフレット(2005))が、化合物D6用のヌクレオシド出発材料の合成について開示している。Sakthivel, (Sakthivel, et al., Tet. Let. 46(22): 3883-3887 (2005))、Sartorelliら(米国特許出願公開第2004116362号明細書)、Robertsら(PCT国際出願国際公開第2003093290号パンフレット)、Liu, et al., Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 20(12): 1975-2000 (2001)、Minakawa, et al., J. Org. Chem., 64(19): 7158-7172 (1999)、Daelemans, et al., Molecular Pharmacology, 52(6): 1157-1163 (1997)は、いずれも化合物D7用のヌクレオシド出発材料の合成について開示している。
これらの化合物を調製法の例を以下に示す。
化合物1〜14は、最終工程で製造される(Lincecum, T. L. et al., S. Molecular Cell, 11: 951-963 (2003); Kim, B.-T. et al., J. Bull. Korean Chem. Soc., 25: 243-248 (2004))。
化合物15〜18は、最終工程で製造される(Lincecum参照)。
本発明で使用するものなどの有機小分子の二量体、三量体、およびこれより上の相同体の調製方法、ならびに、多官能性骨格分子の官能化方法については、当業者で既知である。たとえば、チオホスゲンの作用によって本発明の芳香族アミンを対応するイソチオシアナートに変換する。このようにして得られるイソチオシアナートを本発明のアミンにカップリングさせることで、ホモ二量体またはヘテロ二量体のいずれかの種を形成する。あるいは、イソチオシアナートをポリリシンなどのアミン含有骨組(backbone)にカップリングすることで、多価(polyvalent)骨格と本発明の化合物との結合体(conjugate)を形成する。ヘテロ官能化多価(polyvalent)種を調製することが望ましい場合、ポリリシンを第1のイソチオシアナートで標識し、続いて1つ以上の異なるイソチオシアナートで標識する。あるいは、イソチオシアナートの混合物を骨組に加える。たとえば、サイズ排除クロマトグラフィ、透析、ナノ濾過などによって精製を進行させる。
II.tRNA合成酵素修正ドメインのインヒビターのアッセイ
当該技術分野において知られている遺伝学および分子生物学の技術が、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合および/または阻害する化合物を同定するのに有用である。さらに、これらの技術は、化合物が、合成ドメイン、修正ドメイン、または修正ドメインおよび合成ドメインの両方に結合するおよび/またはこれを阻害するか否かを区別するのに役立つ。
例示としてのアッセイでは、修正ドメインに対する代表的な化合物の活性を確認した。新規なホウ素含有抗真菌化合物C10の標的を同定するために、化合物C10に対する耐性を示したS. cerevisiaeの変異株を単離した。11の変異株を特性決定したところ、野生型よりもC10に対する耐性が8〜64倍に増していることが示された。変異株は、既知の作用様式を有する種々の抗真菌剤に対して感受性があることがさらに示され、C10の細胞標的が他の抗真菌剤の標的とは異なることが示唆された。独立に単離された3種の変異株から生成したプラスミドライブラリからCDC60を持つ3種類の異なるプラスミドを単離したところ、C10に対して耐性の細胞質ロイシル−tRNA合成酵素の遺伝子であるCDC60が関係していた。11の変異株から得たCDC60の配列解析を行うと、変異がいずれもこの酵素の修正ドメインに位置していることが明らかになった。さらなる一連の実験において、CDC60遺伝子の別のコピーをS. cerevisiaeに導入したところ、C10に対する耐性が8倍になった。これらの所見は、tRNA合成酵素阻害の新規な機構を伴う、酵素の修正活性とC10の阻害との間の密接な関連性を裏付けるものである。
特定の化合物が、選択されたtRNA合成酵素の修正ドメインと結合するおよび/またはこれを阻害するか否か、またそれがいかに効率的になされるかを決定するためのアッセイも本明細書に記載されており、当業者であれば別のアッセイも容易に利用できる。簡単に言えば、例示としてのアッセイでは、不適切に装填された(improperly charged)tRNAと、この不適切に装填されたtRNAを修正できるtRNA合成酵素とを組み合わせる。このようにして得られる混合物を推定上のインヒビターと接触させ、修正の阻害の度合いを観察する。
別のアッセイでは、遺伝学を用いて、この薬剤が修正ドメインを介して作用することを示す。このアッセイでは、まずtRNA合成酵素遺伝子のコピーを過剰発現している細胞の株に対して化合物を検査する。化合物が過剰発現株に及ぼす影響を対照株と比較し、化合物が合成酵素に対して活性であるか否かを決定する。野生型細胞に対するインヒビターの最小発育阻止濃度(MIC)よりも合成酵素遺伝子のコピーを余分に持つ株のMICのほうが2倍高い場合、さらに遺伝学的スクリーニングを実施し、耐性の増大が修正ドメインでの変異によるものなのか否かを決定する。この2回目のスクリーニングで、対照株を高濃度のインヒビターに曝露する(challenged)。この曝露でも生存しているコロニーを単離し、これらの細胞由来のDNAを単離する。校正PCR酵素と適当なプライマーとを用いて修正ドメインを増幅する。PCR産物は標準的な手法で精製できる。配列増幅変異株DNAを野生型と比較する。変異株DNAの修正ドメインに変異がある場合、このような結果から、化合物が修正ドメインに結合して、このドメインを介して分子の修正機能に影響を及ぼすことが示唆されるであろう。
上述したアッセイは、細菌、真菌、寄生生物、ウイルスなど、本質的にいずれの微生物系でも有用である。
一般に、被検化合物は、アッセイにおいて、約1pMから約100mM、好ましくは約1pMから約1μMの範囲で存在する。他の化合物は、約1nMから約100nM、好ましくは約1nMから約1μMの範囲である。
被検化合物が酵素の機能に対して及ぼす影響を好適な生理学的変化によって測定することもできる。無傷の細胞または動物を用いて機能の結果を決定する場合、伝達物質の放出、ホルモンの放出、既知および特性決定されていない遺伝子マーカー両方に対する転写の変化、細胞成長またはpH変化などの細胞代謝の変化、Ca2+または環状ヌクレオチドなどの細胞内第2メッセンジャーの変化などの種々の効果を併せて測定することもできる。
高スループットスクリーニング(HTS)も本発明の有望な候補を同定する上で役に立つ。
本明細書に記載のアッセイおよび当該技術分野において容易に利用できる他のアッセイにより、当業者であれば、tRNA合成酵素の修正ドメインと結合するおよび/またはこれを阻害する他の化合物および化合物クラスを容易かつ日常的に決定することができる。
別の態様では、本発明は、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合する化合物を同定する方法であって、a)結合に適した条件下で、前記修正ドメインを被検化合物と接触させることと、b)前記修正ドメインへの前記被検化合物の結合を検出することとを含む方法を提供する。例示としての実施形態では、前記化合物の結合を検出することが、前記化合物に結合した少なくとも1種の検出可能な元素、アイソトープまたは化学標識を使用することを含む。例示としての実施形態では、元素、アイソトープまたは化学標識が、蛍光、発光、放射能または吸光度の計測値によって検出される。例示としての実施形態では、前記被検化合物を前記修正ドメインと接触させることには、前記被検化合物および前記修正ドメインを、AMPおよび末端アデノシンを持つ分子から選択されるメンバと接触させることをさらに含む。例示としての実施形態では、前記tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバ由来である。例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、ロイシルtRNA合成酵素由来である。例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が変異tRNA合成酵素由来であり、前記変異tRNA合成酵素が修正ドメインにアミノ酸変異を含む。例示としての別の実施形態では、変異tRNA合成酵素が、表4に列挙したようなアミノ酸変異を修正ドメインに含む。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の前記修正ドメインが、配列番号1〜15のアミノ酸配列を含む。
別の態様では、本発明は、tRNA合成酵素の修正ドメインに結合する化合物を同定する方法であって、前記アッセイが、a)前記化合物とtRNA合成酵素の前記修正ドメインとの結合に適した条件下で、tRNA合成酵素の前記修正ドメインと前記化合物とを接触させることと、b)前記化合物に接触しているtRNA合成酵素の前記修正ドメインの生物活性を前記化合物に接触していない場合と比較することと、c)前記化合物に接触しているときにtRNA合成酵素の前記修正ドメインの前記生物活性が低下する場合、tRNA合成酵素の前記修正ドメインに結合しているとして、前記化合物を同定することとを含む方法を提供する。例示としての実施形態では、生物活性が非同種アミノ酸の加水分解である。例示としての別の実施形態では、非同種アミノ酸の前記加水分解が、1つ以上の標識を用いて検出される。例示としての別の実施形態では、標識は、放射性標識、蛍光マーカー、抗体またはこれらの組み合わせを含む。例示としての別の実施形態では、前記標識は、分光法を用いて検出できる。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の修正ドメインは、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバ由来である。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の前記修正ドメインがロイシルtRNA合成酵素由来である。
別の態様では、本発明は、非同種アミノ酸を有するtRNA分子を生成する方法であって、a)変化したアミノ酸修正ドメインを有する変異tRNA合成酵素を作製または単離することと、b)前記変異tRNA合成酵素および非同種アミノ酸にtRNA分子を接触させることとを含む方法を提供する。例示としての別の実施形態では、変異tRNA合成酵素が、修正ドメインに1つ以上のアミノ酸変異を含有する。例示としての別の実施形態では、変異tRNA合成酵素が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールに結合できない。例示としての別の実施形態では、変異tRNA合成酵素が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールに結合できる。
別の態様では、本発明は、非同種アミノ酸に結合した1つ以上のtRNA分子を含む組成物であって、前記tRNA分子が、微生物または微生物由来の細胞株から単離された1つ以上の変異tRNA合成酵素を用いて合成される組成物を提供する。例示としての実施形態では、前記微生物が真菌または酵母である。例示としての実施形態では、前記変異tRNA合成酵素が、その修正ドメインにアミノ酸変異を含有する。例示としての実施形態では、前記変異tRNA合成酵素が、表4に列挙したような点変異を修正ドメインに含む。
III.アッセイで使用するアミノ酸とヌクレオチド配列
tRNA合成酵素−C10−AMP錯体と相互作用するtRNA配列
トランスファーRNA(tRNA)は、リボソーム上でmRNAをタンパク質に翻訳する。各トランスファーRNAは、mRNAとハイブリダイズするアンチコドン領域と、伸長中のペプチドに結合できるアミノ酸を含有する。tRNAの構造遺伝子は約72から90ヌクレオチド長であり、クローバー葉構造をとる(Sharp S. J., Schaack J., Coolen L., Burke D. J. and Soll D., "Structure and transcription of eukaryotic tRNA genes", Crit. Rev. Biochem, 19:107 144 (1985); Geiduschek E. O., and Tocchini-Valentini, "Transcription by RNA polymerase III", Annu. Rev. Biochem. 57:873 914 (1988))。
一実施形態では、C10がAMPおよびtRNA合成酵素と接触し、次にtRNA合成酵素がtRNA分子と接触する。別の実施形態では、C10がtRNA分子由来のAMPおよびtRNA合成酵素と接触する。tRNA分子のヌクレオチド配列は、関与するtRNA合成酵素の同一性によって決定することができる。たとえば、ロイシルtRNA合成酵素では、同種tRNA分子結合はtRNA−ロイシン(配列番号3)となるが、ある種の条件下ではイソロイシン(配列番号4)などの非同種tRNAが結合できる。この実施形態および他の実施形態では、「非同種」という用語は、この単語の単数形と複数形の両方を包含するものであり、すなわち、「非同種アミノ酸」という用語には1種以上のアミノ酸が含まれる。
配列番号3は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のtRNA−Leu遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:gggagtttgg ccgagtggtt taaggcgtca gatttaggct ctgatatctt cggatgcaagggttcgaatc ccttagctct cacca。
配列番号4は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のtRNA−Ile遺伝子のヌクレオチド配列に対応する:gaaactataa ttcaattggt tagaatagta ttttgataag gtacaaatat aggttcaatc cctgttagtt tcatcca。
結合および阻害アッセイに用いられるポリペプチド
いくつかの結合および阻害アッセイでは、tRNA合成酵素分子の一部を使うほうがタンパク質自体の全体を用いるよりも有効である。このようなアッセイでは、tRNA合成酵素由来のポリペプチドを実験に使用する。
好ましい一実施形態では、tRNA合成酵素分子の修正ドメインに対応するポリペプチド断片をアッセイオおよび結合実験に利用する。このような2つ断片を配列番号1および配列番号2とする。
IV.tRNA合成酵素の修正ドメインを阻害する方法
本発明の別の態様によれば、tRNA合成酵素がその基質と相互作用してアミノアシルアデニレート中間体を形成し、好ましくは、装填されたtRNAを形成する条件下で、修正ドメインを阻害する化合物とtRNA合成酵素を接触させることを含む、tRNA合成酵素の修正ドメインと結合するおよび/またはこれを阻害する方法を提供する。このような条件は当業者に既知である。例示としての実施形態では、化合物は本明細書に記載のものである。tRNA合成酵素は、検出可能な量のtRNA合成酵素阻害を引き起こすのに十分な量のインヒビターと接触する。この方法は、生物体に含まれるtRNA合成酵素または生物体の外のtRNA合成酵素で実施することできる。例示としての実施形態では、この方法を、微生物内あるいは、ヒトまたは動物の体内または表面の微生物細胞内に含まれるtRNA合成酵素で実施する。この方法では、阻害された修正ドメインを持つtRNA合成酵素によって産生される装填されたtRNAの量が減少する。例示としての実施形態では、阻害は微生物細胞などの細胞で起こる。例示としての別の実施形態では、微生物細胞が、細菌、真菌、酵母または寄生生物である。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素または細胞質tRNA合成酵素である。
例示としての実施形態では、本発明は、tRNA分子が装填tRNA分子に変換されるのを阻害する方法を提供する。この方法は、tRNA合成酵素と、前記tRNA合成酵素の修正ドメインの活性を阻害するのに有効な化合物とを、前記活性を阻害するのに十分な条件下で接触させることにより、前記変換を阻害することを含み、該化合物は、本明細書に記載の化合物から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、化合物が、環状ボロン酸エステルと、環状ボリン酸エステルと、2’−アミノリボフラノース部分と、3’−アミノリボフラノース部分と、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、阻害が細胞内で起こり、細胞が微生物細胞である。例示としての別の実施形態では、微生物細胞が、細菌と、真菌と、酵母と、寄生生物と、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素および細胞質tRNA合成酵素から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、tRNA合成酵素の合成ドメインに対する前記化合物のKD,合成が100μMより大きい。
特定の実施形態では、化合物の作用機構は、少なくとも合成酵素の修正ドメインに結合するおよび/またはこれを阻害することによってtRNA分子から装填tRNA分子への変換を阻害することである。この方法に用いられる化合物は、合成ドメイン(合成ドメインの活性部位など)も阻害するか、そうでなければこれと相互作用する。現段階で好ましい実施形態では、合成ドメインの存在下、修正ドメインを選択的に阻害する。好ましい実施形態では、合成ドメインは本質的に阻害されず、一方修正ドメインは、tRNA合成酵素の活性の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、なお一層好ましくは、少なくとも80%、さらになお一層好ましくは少なくとも90%阻害される。別の好ましい実施形態では、合成ドメインは最大で50%、好ましくは最大で30%、好ましくは最大で20%、10%、好ましくは最大で8%、より好ましくは最大で5%、なお一層好ましくは最大で3%、さらになお一層好ましくは最大で1%阻害される。修正ドメインの阻害によって、適切に装填されたtRNAの量が減少し、これにより細胞の成長と分裂が妨害されるあるいは停止する。
例示としての別の実施形態では、前記修正ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度と前記tRNA合成酵素の前記合成ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度との比(KD,修正/KD,合成で表される)が1未満である。例示としての別の実施形態では、化合物の前記KD,修正/KD,合成が、0.5未満と、0.1未満と、0.05未満と、から選択されるメンバである。
V.微生物の成長を阻害または微生物を殺滅する方法
さらに別の態様では、本発明は、微生物、好ましくは細菌、真菌、ウイルス、酵母または寄生生物の成長を阻害または殺滅する方法であって、生物体への化合物の進入を可能にする条件下で、本明細書に記載の式で表される化合物など、tRNA合成酵素のインヒビターと微生物とを接触させることを含む方法を提供する。さらに別の態様では、本発明は、微生物、好ましくは細菌、真菌、ウイルス、酵母または寄生生物の成長を阻害または殺滅する方法であって、生物体への化合物の進入を可能にする条件下で、本明細書に記載の式で表される化合物など、式(I)と、(Ia)と、(Ib)と、(Ic)と、(Id)と、(Ie)と、(If)と、(Ig)と、(Ih)と、(Ii)と、(Ij)と、(Ik)と、(Il)と、(Im)と、(In)と、(Io)と、(Ip)と、(Iq)と、(Ir)と、(Is)と、(It)と、(Iu)と、(Iv)と、(Iw)と、(Ix)と、(Iy)と、(Iz)と、(Iaa)と、(Iab)と、(Iac)と、(Iad)と、(Iae)と、(Iaf)と、(Iag)と、(Iah)、(Iai)と、(Iaj)と、(Iak)と、(II)と、(IIa)と、(IIb)と、(IIc)と、(IId)と、(III)と、(VIII)と、(VIIIa)と、(VIIIb)と、(VIIIc)と、(VIIId)と、(VIIIe)と、(IX)と、から選択されるメンバである化合物と微生物とを接触させることを含む方法を提供する。さらに別の態様では、本発明は、微生物、好ましくは細菌、真菌、ウイルス、酵母または寄生生物の成長を阻害または殺滅する方法であって、生物体への化合物の進入を可能にする条件下で、本明細書に記載の式で表される化合物など、図19または図20のいずれかに記載された化合物と微生物とを接触させることを含む方法を提供する。例示としての実施形態では、化合物は、合成酵素の修正ドメインを介してtRNA合成酵素を阻害する。このような条件は当業者で既知であり、具体的な条件については添付の実施例で説明する。この方法は、治療有効量の修正ドメインインヒビターと微生物細胞とを接触させ、tRNA合成酵素をin vivoまたはin vitroで阻害することを含む。
別の態様では、本発明は、微生物の成長を阻害する、あるいは微生物を殺滅させる、あるいはその両方の方法であって、本明細書に記載の化合物と微生物とを接触させることを含む方法を提供する。微生物は、真菌と、酵母と、ウイルスと、細菌と、寄生生物とから選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、微生物が、動物の体内または表面上にある。例示としての実施形態では、動物が、ヒトと、ウシと、シカと、トナカイと、ヤギと、ミツバチと、ブタと、ヒツジと、ウマと、雌ウシと、雄ウシと、イヌと、モルモットと、アレチネズミと、ウサギと、ネコと、ラクダと、ヤクと、ゾウと、ダチョウと、カワウソと、ニワトリと、アヒルと、ガチョウと、ホロホロチョウと、ハトと、ハクチョウと、シチメンチョウと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、動物がヒトである。
例示としての実施形態では、微生物が、真菌および酵母から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、真菌または酵母は、カンジダ属(Candida)種と、白癬菌(Trichophyton)種と、小胞子菌(Microsporium)種と、アスペルギルス(Aspergillus)種と、クリプトコッカス(Cryptococcus)種と、ブラストミセス(Blastomyces)種と、コクシジオイデス(Cocciodiodes)種と、ヒストプラスマ(Histoplasma)種と、パラコクシジオイデス(Paracoccidiodes)種と、藻菌類(Phycomycetes)種と、マラセジア(Malassezia)種と、フザリウム(Fusarium)種と、表皮菌(Epidermophyton)種と、スキタリジウム(Scytalidium)種と、スコプラリオプシス(Scopulariopsis)種と、アルテルナリア(Alternaria)種と、ペニシリウム(Penicillium)種と、フィアロフォラ(Phialophora)種と、クモノスカビ(Rhizopus)種と、セドスポリウム(Scedosporium)種と、接合菌類(Zygomycetes)クラスと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、真菌または酵母が、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergilus fumigatus)(A. fumigatus)と、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)と、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(C. albicans、フルコナゾール感受性株とフルコナゾール耐性株の両方)と、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)(C. glabrata)と、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)(C. krusei)と、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)(C. neoformans)と、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)(C. parapsilosis)と、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)(C. tropicalis)と、コクシジオイデス・イミティス(Cocciodiodes immitis)と、有毛表皮糸状菌(Epidermophyton floccosum)(E. floccosum)と、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)(F. solani)と、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)と、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)(M. furfur)と、マラセチア・パチデルマティス(Malassezia pachydermatis)(M. pachydermatis)と、マラセチア・シンポジアリス(Malassezia sympodialis)(M. sympodialis)と、オードアン小胞子菌(Microsporum audouinii)(M. audouinii)と、イヌ小胞子菌(Microsporum canis)(M. canis)と、石膏状小胞子菌(Microsporum gypseum)(M. gypseum)と、パラコクシジオイデス・ブラジリエンジス(Paracoccidiodes brasiliensis)および藻菌類(Phycomycetes)種と、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)(T. mentagrophytes)と、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)(T. rubrum)と、トリコフィートン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)(T. tonsurans)と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、真菌または酵母が、渦状白癬菌(Trichophyton concentricum)と、紫色白癬菌(T. violaceum)と、シェーンライン白癬菌(T. schoenleinii)と、T・ベルルコスム(T. verrucosum)と、T・ソウダネンス(T. soudanense)と、石膏状小胞子菌(Microsporum gypseum)と、M・エクイヌム(M. equinum)と、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)と、マラセチア・グロボーサ(Malassezia globosa)と、M・オブツセ(M. obtuse)と、M・レストリクタ(M. restricta)と、M・スルーフィアエ(M. slooffiae)と、黄色アスペルギルス(Aspergillus flavus)と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、真菌または酵母が、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)と、小胞子菌(Microsporum)と、表皮糸状菌(Epidermophyton)と、酵母様真菌から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、微生物が細菌である。例示としての実施形態では、細菌がグラム陽性菌である。例示としての別の実施形態では、グラム陽性菌が、ブドウ球菌(Staphylococcus)種と、連鎖球菌(Streptococcus)種と、バチルス(Bacillus)種と、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種と、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種(プロピオン酸菌(Propionibacterium)種)と、クロストリジウム(Clostridium)種と、放線菌(Actinomyces)種と、腸球菌(Enterococcus)種と、ストレプトマイセス(Streptomyces)種と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、細菌がグラム陰性菌である。例示としての別の実施形態では、グラム陰性菌が、アシネトバクター(Acinetobacter)種と、ナイセリア(Neisseria)種と、シュードモナス(Pseudomonas)種と、ブルセラ(Brucella)種と、アグロバクテリウム(Agrobacterium)種と、ボルデテラ(Bordetella)種と、エシェリヒア(Escherichia)種と、赤痢菌(Shigelia)種と、エルジニア(Yersinia)種と、サルモネラ(Salmonella)種と、クレブシエラ(Klebsiella)種と、エンテロバクタ(Enterobacter)種と、ヘモフィルス(Haemophilus)種と、パスツレラ(Pasteurella)種と、ストレプトバシラス(Streptobacillus)種と、スピロヘータ(spirochetal)種と、カンピロバクター(Campylobacter)種と、ビブリオ(Vibrio)種と、ヘリコバクター(Helicobacter)種と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、細菌が、座瘡プロピオンバクテリウム(Propionibacterium acnes)と、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)と、腐敗性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)と、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)と、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)と、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)と、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faeciumと、炭疽菌(Bacillus anthracis)と、マイコバクテリウム・アビウム−イントラセルラー(Mycobacterium avium-intracellulare)と、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)と、アシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumanii)と、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)と、ウェルチ菌(Clostridium perfringens)と、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)と、破傷風菌(Clostridium tetani)と、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)と、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)と、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)と、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)と、Legionella pneumophilaと、大腸菌(Escherichia coli)と、ペスト菌(Yersinia pestis)と、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)と、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)と、カンピロバクター・フェタス(Campylobacter fetus)と、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)と、コレラ菌(Vibrio cholerae)と、腸炎ビブリオ(Vibrio parahemolyticus)と、Trepomena pallidumと、イスラエル放線菌(Actinomyces israelii)と、発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)と、斑点熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)と、トラコーマ・クラミジア(Chlamydia trachomatis)と、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)と、ウシ流産菌(Brucella abortus)と、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)と、野兎病菌(Francisella tularensis)と、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、微生物が、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種を含む抗酸菌と、バチルス(Bacillus)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種(プロピオニバクテリウムとも呼ばれる)およびクロストリジウム(Clostridium)種を含む桿菌と、放線菌(Actinomyces)種およびストレプトマイセス(Streptomyces)種を含む糸状菌と、シュードモナス(Pseudomonas)種、ブルセラ(Brucella)種、アグロバクテリウム(Agrobacterium)種、ボルデテラ(Bordetella)種、エシェリヒア(Escherichia)種、赤痢菌(Shigelia)種、エルジニア(Yersinia)種、サルモネラ(Salmonella)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、パスツレラ(Pasteurella)種、ストレプトバシラス(Streptobacillus)種などの桿菌と、スピロヘータ(spirochetal)種、カンピロバクター(Campylobacter)種、ビブリオ(Vibrio)種と、ヘリコバクター(Helicobacter)種およびクラミジア(Chlamydia)種を含む細胞内細菌と、から選択されるメンバである細菌である。
例示としての実施形態では、微生物がウイルスである。例示としての実施形態では、ウイルスが、A〜B型肝炎と、ヒトライノウイルスと、黄熱病ウイルスと、ヒト呼吸器コロナウイルスと、重症急性呼吸器症候群(SARS)と、呼吸器合胞体ウイルスと、インフルエンザウイルスと、パラインフルエンザウイルス1〜4型と、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)と、ヒト免疫不全ウイルス2型(HIV−2)と、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)と、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)と、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)と、水痘帯状疱疹ウイルスと、エプスタイン・バー(EBV)と、ポリオウイルスと、コクサッキーウイルスと、エコーウイルスと、風疹ウイルスと、神経皮膚炎(neuroderma-tropic)ウイルスと、痘瘡ウイルスと、パポウイルス(papovirus)と、狂犬病ウイルスと、デングウイルスと、ウエストナイルウイルスと、SARSウイルスと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、ウイルスが、ピコルナウイルス科(picornaviridae)と、フラビウイルス科(flaviviridae)と、コロナウイルス科(coronaviridae)と、パラミクソウイルス科(paramyxoviridae)と、オルソミクソウイルス科(orthomyxoviridae)と、レトロウイルス科(retroviridae)と、ヘルペスウイルス科(herpesviridae)と、ヘパドナウイルス科(hepadnaviridae)と、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、ウイルスが、以下の表に含まれるウイルスから選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、微生物が寄生生物である。例示としての実施形態では、寄生生物が、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)と、三日熱マラリア原虫(P. vivax)と、卵形マラリア原虫(P. ovale)と、四日熱マラリア原虫(P. malariae)と、ネズミマラリア原虫(P. berghei)と、ドノバン・リーシュマニア(Leishmania donovani)と、小児リーシュマニア(L. infantum)と、シャーガス・リーシュマニア(L. chagasi)と、メキシコリーシュマニア(L. mexicana)と、アマゾン・リーシュマニア(L. amazonensis)と、ベネズエラ・リーシュマニア(L. venezuelensis)と、熱帯リーシュマニア(L. tropics)と、森林型熱帯リーシュマニア(L. major)と、小形リーシュマニア(L. minor)と、エチオピア・リーシュマニア(L. aethiopica)と、ブラジルリーシュマニア(L. Biana braziliensis)と、アマゾン・リーシュマニア(L. (V.) guyanensis)と、パナマ・リーシュマニア(L. (V.) panamensis)と、ペルー・リーシュマニア(L. (V.) peruviana)と、ローデシア・トリパノソーマ(Trypanosoma brucei rhodesiense)と、ガンビア・トリパノソーマ(T. brucei gambiense)と、クルーズ・トリパノソーマ(T. cruzi)と、ランブル鞭毛虫(Giardia intestinalis)と、ランブル鞭毛虫(G. lambda)と、トキソプラスマ(Toxoplasma gondii)と、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)と、腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis)と、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)と、クリプトスポリジウム・パルブム(Cryptosporidium parvum)と、から選択されるメンバである。
VI.感染を治療または予防する方法
別の態様では、本発明は、感染を治療または予防する方法を提供する。該方法は、前記感染を治療または予防するのに十分な治療有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む。例示としての実施形態では、該化合物が、本明細書に記載の化合物である。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(I)〜(Iak)および(II)〜(XI)で表される構造を有する。例示としての別の実施形態では、化合物が、図19に示す構造を有する。例示としての別の実施形態では、化合物が、図20に示す構造を有する。例示としての別の実施形態では、動物が、ヒトと、ウシと、シカと、トナカイと、ヤギと、ミツバチと、ブタと、ヒツジと、ウマと、雌ウシと、雄ウシと、イヌと、モルモットと、アレチネズミと、ウサギと、ネコと、ラクダと、ヤクと、ゾウと、ダチョウと、カワウソと、ニワトリと、アヒルと、ガチョウと、ホロホロチョウと、ハトと、ハクチョウと、シチメンチョウと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、動物がヒトである。例示としての別の実施形態では、動物が、ヒトと、ウシと、ヤギと、ブタと、ヒツジと、ウマと、雌ウシと、雄ウシと、イヌと、モルモットと、アレチネズミと、ウサギと、ネコと、ニワトリと、シチメンチョウと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、感染が、全身感染と、皮膚感染と、爪感染、爪周囲感染または爪下感染と、から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、障害または症状の治療が、アミノアシルtRNA合成酵素の修正ドメインの阻害を介して起こるものである。
VI.a)爪感染および/または爪周囲感染を治療または予防する方法
別の態様では、本発明は、爪感染および/または爪周囲感染を治療または予防する方法を提供する。該方法は、前記感染を治療または予防するのに十分な治療有効量の本発明の化合物または医薬製剤を動物に投与することを含む。例示としての別の実施形態では、該方法は、皮膚と、爪と、毛と、蹄と、鉤爪と、爪、毛、蹄および鉤爪を囲む皮膚と、から選択されるメンバである部位において本発明の化合物または医薬製剤を投与することを含む。
VI.a)1)爪真菌症
爪真菌症は、酵母、皮膚糸状菌または他のカビによって引き起こされる爪の疾患であり、爪の障害の約50%をなす。足指爪の感染が爪真菌症の罹患率の約80%を占めるのに対し、症例の約20%で指の爪が罹患している。皮膚糸状菌は、特に足指爪での爪真菌症で爪板侵襲の最も多い原因である。皮膚糸状菌によって引き起こされる爪真菌症は爪白癬(Tinea unguium)と呼ばれる。紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)は最も多く単離される皮膚糸状菌であり、次が毛瘡白癬菌(T. mentagrophytes)である。最も一般的に見られる爪白癬は端部(distal)爪下の爪真菌症であり、下爪皮(指から離れた爪の遠位端の下にある厚い表皮)を介した主な進入部位から次第に進行して爪床と爪板が巻き込まれる。変色、爪甲剥離症、爪下の壊死組織片(debris)の蓄積および爪板ジストロフィが該疾患の特徴である。該疾患は、被害者の生活の質に悪影響を及ぼし、被験者の不満は、爪の見苦しさや履き物を履いたときの不快感から二次細菌感染を含むさらに深刻な合併症にまで及ぶ。
抗生物質(ナイスタチンおよびアムホテリシンBなど)、ミコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、エコナゾールおよびスルコナゾールなどのイミダゾール抗真菌薬、アリルアミン誘導体テルビナフィンおよびナフチフィンなどの非イミダゾール真菌薬、ベンジルアミンブテナフィンなどの経口および局所使用を含む、真菌感染を治療するための多くの方法が既知である。
しかしながら、爪真菌症は、ほとんどの治療に抵抗性があることが実証されている。爪真菌感染は、慣用的な局所治療薬が届きにくい部分に起こり、抗真菌剤が爪板に浸透して爪の下にある感染部位まで到達するのは容易ではない。よって、今まで爪真菌症の治療は抗真菌剤の経口投与によって行われてきた。しかしながら、このような薬剤の副作用、特にイトラコナゾールおよびケトコナゾールなどのより効力のある抗真菌剤によって引き起こされる副作用の可能性ゆえに、これは明らかに望ましくない。これに代わる爪真菌症の治療方法は、爪を取り除いた後に局所的に有効な抗真菌薬で治療することである。このような治療方法も同じく望ましくない。全身用の抗真菌薬は長期にわたる使用を必要とし、重大な副作用の可能性がある。主に爪の塊に抗真菌薬が浸透しにくいことから、局所作用剤には通常はあまり利点がない。
例示としての実施形態では、本発明は、爪真菌症を治療または予防する方法を提供する。該方法は、爪真菌症を治療または予防するのに十分な治療有効量の本発明の化合物または本発明の医薬製剤をヒトまたは動物に投与することを含む。例示としての別の実施形態では、この方法は、皮膚と、爪と、毛と、蹄と、鉤爪と、爪、毛、蹄および鉤爪を囲む皮膚と、から選択されるメンバである部位に、本発明の医薬製剤を投与することを含む。例示としての別の実施形態では、医薬製剤が本明細書に記載の化合物を含む。該方法は、爪真菌症を治療または予防するのに十分な治療有効量の1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールをヒトまたは動物に投与することを含む。
VI.a)2)その他の爪感染および爪周囲感染
例示としての実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物で爪感染または爪周囲感染を治療または予防する方法を提供する。該方法は、治療有効量の本発明の化合物をヒトまたは動物に投与することで、爪感染または爪周囲感染を治療または予防することを含む。例示としての実施形態では、爪感染または爪周囲感染が爪真菌症である。例示としての実施形態では、爪感染または爪周囲感染が、爪真菌症と、緑爪と、爪周囲炎と、類丹毒と、爪縦裂症と、淋病と、プール肉芽腫と、幼虫移行症と、らい病と、伝染性深膿痂疹小結節(Orf nodule)と、搾乳者小結節と、ヘルペス性ひょう疽と、急性細菌性痕跡爪皮(acute bacterial perionyxis)と、慢性痕跡爪皮(chronic perionyxis)と、スポロトリクム症と、梅毒と、皮膚疣状結核と、野兎病と、スナノミ症と、爪囲・爪下疣贅と、帯状疱疹と、爪ジストロフィ(粗造爪)と、さらには、乾癬、膿疱性乾癬、円形脱毛症(alopecia aerata)、膿疱性不全角化症(parakeratosis pustulosa)、接触皮膚症(contact dermatosis)、ライター症候群、乾癬状肢端皮膚炎(psoriasiform acral dermatitis)、扁平苔癬、爪における特発性萎縮、光沢苔癬(lichin nitidus)、線状苔癬、炎症性線状疣贅状表皮母斑(ILVEN)、脱毛症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、ダリエル病、毛孔性紅色粃糠疹、掌蹠角化症、接触性湿疹、多型紅斑、疥癬、バゼックス症候群、全身性強皮症、全身性紅斑性狼瘡、慢性紅斑性狼瘡、皮膚筋炎(dermatomyositus)などの爪に影響のある皮膚科学的な疾患と、から選択されるメンバである。
爪および爪周囲に適用する上で有用な本発明の化合物および医薬製剤には、化粧分野、特に爪の不規則形、匙形爪、ボー線、爪甲縦線(longitudinal ridging)、嵌入爪甲を治療する上でも用途がある。
例示としての実施形態では、感染は、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄、毛、耳、および眼の感染であり、スポロトリクム症と、真菌性角膜炎と、伸展性眼真菌症(extension oculomycosis)と、内在性眼真菌症(endonenous oculomycosis)と、ロボ真菌症と、菌腫と、砂毛症と、癜風と、体部白癬と、股部白癬と、足部白癬と、白癬性毛瘡と、頭部白癬と、黒癬と、耳真菌症と、黄癬と、黒色真菌症と、渦状癬と、から選択されるメンバである。例示としての実施形態では、これらの感染を治療するのに有用な化合物が1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。
VI.b)全身疾患を治療する方法
別の態様では、本発明は、全身疾患を治療する方法を提供する。該方法は、動物に本発明の化合物を接触させることを含む。全身疾患治療薬の送達方法には、経口、静脈内、経皮、吸入、腹腔内、および皮下であってもよい。例示としての実施形態では、投与される化合物が1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。
例示としての実施形態では、感染が全身性であり、カンジダ症と、アスペルギルス症と、コクシジオイデス症と、クリプトコッカス症と、ヒストプラズマ症と、ブラストミセス症と、パラコクシジオイデス症と、接合真菌症と、フェオフィホ真菌症と、リノスポリジウム症から選択されるメンバである。
VI.c)ウイルスが関与する疾患を治療する方法
本発明の化合物は、ウイルスが関与する、動物とヒトの両方の疾患の治療に有用である。例示としての実施形態では、該疾患は、A型、B型、C型の肝炎と、黄熱病と、呼吸器合胞体と、インフルエンザと、AIDSと、単純ヘルペスと、水疱と、水痘帯状疱疹と、エプスタイン・バー疾患と、から選択されるメンバである。
VI.d)寄生生物が関与する疾患を治療する方法
本発明の化合物は、寄生生物が関与する、動物とヒトの両方の疾患の治療に有用である。例示としての実施形態では、該疾患は、マラリアと、シャーガス病と、レーシュマニア症と、アフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症)と、ジアルジア症と、トキソプラズマ症と、アメーバ症と、クリプトスポリジウム症と、から選択されるメンバである。
上述した本発明による方法のいずれにおいても、アミノアシルtRNA合成酵素が、修正ドメインを含むアミノアシルtRNA合成酵素であることが好ましい。修正ドメインは、校正に関与するアミノアシルtRNA合成酵素の一部によってコードされる。修正ドメインは、好ましくは、ロイシル−tRNA合成酵素、バリル−tRNA合成酵素およびイソロイシル−tRNA合成酵素の修正部位とのアライメント後に比較される少なくとも保存された残基を有するDNA部分でコードされる。より好ましくは、合成酵素は、修正部位またはドメインを有することが知られている、バリル−tRNA合成酵素と、イソロイシル−tRNA合成酵素と、ロイシル−tRNA合成酵素と、アラニル−tRNA合成酵素と、プロリル−tRNA合成酵素と、スレオニル−tRNA合成酵素と、フェニル−tRNA合成酵素と、リジル−tRNA合成酵素と、からなる群から選択される(Ile RSについては、Baldwin, A. N. and Berg, P. (1966) J. Biol. Chem. 241, 839-845およびEldred, E. W. and Schimmel, P. R. (1972) J. Biol. Chem. 247, 2961-2964、Val RSについては、Fersht, A. R. and Kaethner, M. M. (1976) Biochemistry. 15 (15), 3342-3346、Leu RSについては、English, S. et al., (1986) Nucleic Acids Research. 14 (19), 7529-7539、Ala RSについては、Tsui, W. C. and Fersht, A. R. (1981) Nucleic Acids Research. 9, 7529-7539、Pro RSについては、Beuning, P. J. and Musier-Forsyth, K. (2000) PNAS. 97 (16), 8916-8920、Thr RSについては、Sankaranarayanan, R. et al., (2000) Nat. Struct. Biol. 7, 461-465およびMusier-Foryth, K. and Beuning, P. J. (2000) Nat. Struct. Biol. 7, 435-436、PheRSについては、Yarus, M. (1972) PNAS. 69, 1915-1919、LysRSについては、Jakubowski, H. (1997) Biochemistry. 36, 11077-11085を参照のこと)。
VII.爪浸透方法
活性剤の蹄または爪板への浸透の悪さおよび/またはケラチン(爪および毛の主なタンパク質)との過剰な結合が、臨床試験に通らなかった市販のラッカーおよび他の局所用治療薬において8%シクロピロクスw/wという効力(efficacy)の低さの理由であると考えられる。軽度の爪真菌症の事例では、病原体となる真菌が爪板だけにしか存在しない。中程度から重症の事例では、病原体となる真菌が爪板と爪床に存在する。感染が、爪床ではないではなく明らかに爪板からであれば、真菌の病原体は爪板を再感染することができる。したがって、爪真菌症を有効に治療するためには、爪板と爪床から感染をなくさなければならない。これをするために、活性剤が実質的に爪板および爪床全体に浸透して散在しなければならない。
感染部位全体に散在した後に活性剤を有効にするには、これが真菌病原体にとって生物利用可能でなければならず、薬剤が感染性真菌の成長または殺滅を阻害できないほどケラチンと密に結合できないと考えられる。
爪板の形態学を理解することにより、爪板の浸透を容易にする活性剤のある種の物理化学的特性が示唆される。所望の物理化学的特性について隈なく説明する。本発明の被検化合物は、爪板に浸透でき、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)および毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)ならびに他の種に対して活性であった。さらに、5%ケラチン粉末の存在下、被検化合物は紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)に対しても活性であった。
例示としての実施形態では、本発明は、爪板を含むヒトの爪部分に存在する微生物を殺滅または微生物の成長を阻害する方法を提供する。該方法は、爪板の外側の層を爪板に浸透できる化合物と接触させ、爪板を介して前記爪板の下の爪床まで移動させ、前記化合物を前記爪板に浸透させるのに十分な条件下で前記微生物を接触させることを含む。この実施形態では、化合物の分子量が約100Daから約200Daであり、log P値が約1.0から約2.6、水溶解性が約0.1mg/mLのオクタノール/飽和水より大きく、前記微生物に対するMICが16μg/mL未満であることで、前記微生物を殺滅またはその成長を阻害する。
例示としての実施形態では、化合物が、本明細書に記載の式(I)で表される構造を有する。例示としての別の実施形態では、化合物が、本明細書に記載の式(Ia)〜(Iaa)で表される構造を有する。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(I)〜(Iaa)から選択されるメンバで表される構造を有する。式中、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバから独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R9aがHであり、R12aがHである。例示としての別の実施形態では、化合物が1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。
例示としての別の実施形態では、本発明は、爪板を含むヒトの爪部分に存在する微生物によって生じる疾患を治療する方法であって、爪板の外側の層を爪板に浸透できる化合物と接触させ、爪板を介して前記爪板の下の爪床まで移動させ、前記化合物が前記爪板に浸透して前記疾患を治療するのに十分な条件下で前記微生物を接触させることを含む方法を提供する。この実施形態では、化合物の分子量が約100Daから約200Daであり、log P値が約1.0から約2.6、水溶解性が約0.1mg/mLのオクタノール/飽和水より大きく、前記微生物に対するMICが16μg/mL未満であることで、前記疾患を治療する。例示としての実施形態では、化合物が、本明細書に記載の式(I)で表される構造を有する。例示としての別の実施形態では、化合物が、本明細書に記載の式(Ia)〜(Iaa)から選択されるメンバである構造を有する。
別の態様では、本発明は、化合物を爪板の外側の層から爪床まで送達させる方法を提供する。この方法は、爪に浸透するのに十分な条件下で細胞を爪板に浸透できる化合物と接触させることを含む。この化合物の分子量は約100から約200Daの間である。この化合物は、log P値が約1.0から約2.6の間である。この化合物はさらに、水溶解性が約0.1mg/mLから1g/mLのオクタノール/飽和水であることで、前記化合物を送達させる。
好ましい実施形態では、分子量、log Pおよび水への溶解性などを含むが、これに限定されるものではない、爪板での化合物の移動を推測できる量によって説明される本発明の化合物の物理化学的特性が、爪板の実質的な浸透を得る上で有効である。
分子量200Da未満の化合物は、市販の爪真菌症治療薬よりも優れた方法で爪板に浸透する。本発明の一実施形態では、化合物の分子量が130から200である。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約140から約200Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約170から約200Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約155から約190Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約165から約185Daである。本発明の別の実施形態では、化合物の分子量が約145から約170Daである。さらに別の実施形態では、分子量が151.93または168.39Daである。
本発明の一実施形態では、化合物のlog P値が約−3.5から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−1.0から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−1.0から約2.0である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−0.5から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約−0.5から約1.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約0.5から約2.5である。例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が約1.0から約2.5である。さらに例示としての別の実施形態では、化合物のlog P値が1.9または2.3である。
また、log P値が2.5未満、分子量200Da未満で、それでも爪板に浸透する化合物も本発明に企図される。
本発明の一実施形態では、オクタノール飽和水における化合物の水溶解性が約0.1mg/mLから1g/mLである。本発明の一実施形態では、化合物の水溶解性が0.1mg/mLから100mg/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶解性が約0.1mg/mLから10mg/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶解性が約0.1mg/mLから1mg/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶解性が約5mg/mLから1g/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶解性が約10mg/mLから500g/mLである。本発明の別の実施形態では、化合物の水溶解性が約80mg/mLから250mg/mLである。
例示としての実施形態では、本発明は、log P値が上述した範囲から選択され、分子量が上述した範囲から選択され、それでも爪板に浸透できる化合物を提供する。
例示としての実施形態では、本発明は、分子量が上述した範囲から選択され、水溶解性が上述した範囲から選択され、それでも爪板に浸透できる化合物を提供する。
例示としての実施形態では、本発明は、log Pが上述した範囲から選択され、水溶解性が上述した範囲から選択され、それでも爪板に浸透できる化合物を提供する。
例示としての実施形態では、本発明は、分子量が上述した範囲から選択され、log Pが上述した範囲から選択され、水溶解性が上述した範囲から選択され、それでも爪板に浸透できる化合物を提供する。
活性成分の爪への浸透は、製剤の極性によってもたらされてもよい。しかしながら、製剤の極性は、活性成分の分子量またはlog Pなどの他の要因ほどは爪への浸透に大きく影響するとは考えられない。浸透促進剤が製剤中に含まれていると、浸透促進剤を含有しない同様の製剤に比して活性剤の浸透が高まることが多い。
最適な物理化学的特性を持つ分子のいくつかの例を以下の表にあげておく。
以下の化合物3は、分子量がシクロピロクスに近く、シクロピロクスと同じように爪板にはほとんど浸透しない化合物の一例である。
好ましい実施形態では、本明細書に記載の化合物を含む局所用製剤は、総分子量が200Da未満、Log Pが2.5未満であり、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)に対する最小発育阻止濃度が5%ケラチンの存在下にも実質的に変化しない。
化合物の効力係数(MICに対するフラックス(flux)として定義される)は、微生物を殺滅させる、微生物の成長を阻害する、あるいは爪板を含むヒトの爪部分に存在する微生物によって生じる疾患を治療することにつき、化合物が有効であるか否かも当業者に示す。この方法は、爪板の外側の層を爪板に浸透できる化合物と接触させ、爪板を介して前記爪板の下の爪床まで移動させ、前記化合物が前記爪板に浸透して前記疾患を治療するのに十分な条件下で前記微生物を接触させることを含み、化合物の効力係数が10を超える方法を提供する。
例示としての実施形態では、化合物の効力係数が約10から約1000である。例示としての実施形態では、化合物の効力係数が約30から約100である。例示としての実施形態では、化合物の効力係数が約100から約500である。例示としての実施形態では、化合物の効力係数が約25から約200である。
本発明はさらに、ヒトまたは動物で、皮膚糸状菌、白癬菌(Trichophyton)種、小胞子菌(Microsporum)種、または表皮糸状菌(Epidermophyton)種、あるいはカンジダ(Candida)種を含む酵母様真菌によって少なくとも一部仲介される真菌感染を治療する方法に関し、該方法は、薬学的に許容される希釈剤と、本明細書に記載の化合物またはこのような化合物の1種以上の混合物とを治療有効量で含む医薬組成物を、前記真菌感染があると診断されたあるいは前記真菌感染を発症する危険性のあるヒトまたは動物に投与することを含む。一実施形態では、感染が爪真菌症である。
本発明で企図される化合物は、広いスペクトル抗真菌活性を持つ場合があり、それ自体が他の皮膚の真菌感染に対する用途の候補となることがある。
本発明のこの態様にあげた方法は、爪および蹄の浸透、ならびに爪および爪周囲の症状の治療に有用である。
VIII. 医薬製剤
別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本発明の化合物とを含む医薬製剤である。別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)式(I)と、(Ia)と、(Ib)と、(Ic)と、(Id)と、(Ie)と、(If)と、(Ig)と、(Ih)と、(Ii)と、(Ij)と、(Ik)と、(Il)と、(Im)と、(In)と、(Io)と、(Ip)と、(Iq)と、(Ir)と、(Is)と、(It)と、(Iu)と、(Iv)と、(Iw)と、(Ix)(Iy)と、(Iz)と、(Iaa)と、(Iab)と、(Iac)と、(Iad)と、(Iae)と、(Iaf)と、(Iag)と、(Iah)と、(Iai)と、(Iaj)と、(Iak)と、(II)と、(IIa)と、(IIb)と、(IIc)と、(IId)と、(III)とから選択されるメンバである構造を有する化合物と、を含む医薬製剤である。別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)式(VIII)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIIc)、(VIIId)、(VIIIe)で表される構造を有する化合物と、を含む医薬製剤である。別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)D1〜D19と、E1〜E19と、(VIII)と、(VIIIa)と、(VIIIb)と、(VIIIc)と、(VIIId)と、(VIIIe)とから選択されるメンバである構造を有する化合物と、を含む医薬製剤である。別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本発明の非環式ボロン酸エステルとを含む医薬製剤である。例示としての実施形態では、該化合物は図19に示される。例示としての別の実施形態では、該化合物は図20に示される。例示としての別の実施形態では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)本発明の非環式ボロン酸エステルとを含む医薬製剤である。
別の態様では、本発明は、(a)薬学的に許容される賦形剤と、(b)式Iで表される構造を有する化合物とを含む医薬製剤である。

式中、Bはホウ素である。R1aは、負電荷と、塩の対イオンと、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Mは、酸素と、硫黄と、NR2aと、から選択されるメンバである。R2aは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである。Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバである。R3a、R4a、およびR5aは、Hと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。指数n1は、0〜2から選択される整数である。Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7am1と、CR8aと、から選択されるメンバである。R6a、R7a、およびR8aは、Hと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。指数m1は、0および1から選択される整数である。Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバである。Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバである。Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバである。Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバである。R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。RおよびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である。R3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。R11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する。
例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件がある。

式中、R7bは、Hと、メチルと、エチルと、フェニルと、から選択されるメンバである。R10bは、Hと、OHと、NHと、SHと、ハロゲンと、置換または非置換のフェノキシと、置換または非置換のフェニルアルキルオキシと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のフェニルアルキルチオと、から選択されるメンバである。R11bは、Hと、OHと、NHと、SHと、メチルと、置換または非置換のフェノキシと、置換または非置換のフェニルアルキルオキシと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のフェニルアルキルチオと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R1bは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R10bおよびR11bがHである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R10bおよびR11bから選択される一方のメンバがHであり、R10bおよびR11bから選択される他のメンバは、ハロと、メチルと、シアノと、メトキシと、ヒドロキシメチルと、p−シアノフェニルオキシと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R10bおよびR11bが、フルオロと、クロロと、メチルと、シアノと、メトキシと、ヒドロキシメチルと、p−シアノフェニルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R1bは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、R7bはHであり、R10bがFであり、R11bがHである。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R11bおよびR12bは、それらが結合する原子と一緒になって、連結されてフェニル基を形成する。例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Ix)で表される構造を有することができないという条件があり、R1bは、負電荷と、Hと、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、R7bはHであり、R10bは4−シアノフェノキシ、R11bがHである。
例示としての別の実施形態では、化合物が、式(Iy)で表される構造を有することができないという条件がある。

式中、R10bは、Hと、ハロゲンと、CNと、置換または非置換のCアルキルと、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤が、式(Ia)で表される構造を有する化合物を含む。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、シアノと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のアミドと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルおよび置換または非置換のベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aおよびR4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHであり、R4aは、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aがHおよびR4aHである。
例示としての別の実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、−C(O)Rと、−C(O)ORと、−C(O)NR**と、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、R9a、R10a、R11aおよびR12aは、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR**を除く上記の置換基の一覧から選択される。
例示としての別の実施形態では、R6a、R7a、R9a、R10a、R11aおよびR12aが、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、非置換のフェニルと、非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、以下の式で表されるメンバである構造を有する化合物を含む。

例示としての実施形態では、医薬製剤は、式I〜Ioで表される構造を有する化合物を含み、R9a、R10a、R11aおよびR12aの置換基の選択肢は、Hを除いて段落106にあげたすべての可能性が含まれる。例示としての実施形態では、この医薬製剤は、式Ib〜Ioのうちのいずれか1つで表される構造を有する化合物を含み、R9a、R10a、R11aおよびR12aの置換基の選択肢には、Hを除いて段落107にあげたすべての可能性が含まれる。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、式(Ib)〜(Ie)で表される式を有する化合物を含み、式中、R1aは、Hと、負電荷と、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、残りのR基(IbではR9a、IcではR10a、IdではR11a、IeではR12a)は、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、式(If)〜(Ik)で表される式を有する化合物を含み、式中、R1aは、Hと、負電荷と、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、残りの2つのR基(IfではR9aおよびR10a、IgではR9aおよびR11a、IhではR9aおよびR12a、IiではR10aおよびR11a、IjではR10aおよびR12a、IkではR11aおよびR12a)は各々、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、式(Il)〜(Io)で表される式を有する化合物であって、式中、R1aは、Hと、負電荷と、塩の対イオンと、から選択されるメンバであり、残りの3つのR基((Il)ではR9a、R10a、R11a、(Im)ではR9a、R10a、R12a、(In)ではR9a、R11a、R12a、(Io)ではR10a、R11a、R12a)は各々、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、


から選択されるメンバである化合物を含む。
例示としての実施形態では、本発明の化合物は、

から選択されるメンバである構造を有する。式中、qは0から1の数である。Rはハロゲンである。R、R、R、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバから独立に選択されるメンバである。例示としての実施形態では、医薬製剤の化合物は、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、化合物は

から選択されるメンバである構造を有する。
例示としての実施形態では、R、RおよびRは各々、

から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、RおよびRが、Hと、メチルと、

から独立に選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、RがHであり、Rは、
Hと、メチルと、

から選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、RおよびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、任意に連結されて、

から選択されるメンバを形成する。
例示としての実施形態では、Rは、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、Rは、

から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、Rは、

から選択されるメンバである。
例示としての別の実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、水との水和物、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)との溶媒和物、アミノ化合物(アンモニア、メチルアミン、エチルアミンなど)との付加体、酸(ギ酸、酢酸など)との付加体、エタノールアミン、キノリン、アミノ酸との錯体などを形成できるものである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、式(Ip)で表される構造を有する化合物を含む。

式中、Rx2は、置換または非置換のC〜Cアルキルおよび置換または非置換のC〜Cヘテロアルキルから選択されるメンバである。Ry2およびRz2は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、式(Iq)で表される構造を有する化合物を含む。

式中、Bはホウ素である。Rx2は、置換または非置換のC〜Cアルキルおよび置換または非置換のC〜Cヘテロアルキルから選択されるメンバである。Ry2およびRz2は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである。例示としての別の実施形態では、R3aと、R4aと、R5aと、R6aと、R7aと、R8aと、R9aと、R10aと、R11aと、R12aとから選択される少なくとも1つのメンバが、ニトロと、シアノと、ハロゲンと、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、以下の式

から選択されるメンバである構造を有する化合物を含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、式(Ib)〜(Ie)で表される式を有する化合物を含み、式中、R3aと、R4aと、R5aと、R6aと、R7aと、R8aと、R9aと、R10aと、R11aと、R12aと、から選択される少なくとも1つのメンバが、ニトロ、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモおよびシアノフェノキシから選択されるメンバである。例示としての実施形態では、医薬製剤は、

から選択されるメンバである構造を有する化合物を含む。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、

から選択されるメンバである構造を有する化合物を含む。
例示としての別の実施形態では、医薬製剤が式(Iaa)で表される構造を含むことができないという条件がある。

式中、R6b、R9b、R10b、R11bおよびR12bは、上記式(Ix)および(Iy)について上述したものと同一の置換基一覧を有する。
本発明の医薬製剤は、選択した投与経路に適合された様々な形態をとり得る。当業者であれば、本明細書に記載の化合物を取り入れた無毒の医薬製剤を調製するのに用いることのできる種々の合成方法論が分かるであろう。当業者であれば、水、エタノール、プロピレングリコール、鉱油、植物油およびジメチルスルホキシド(DMSO)など、本発明の化合物の溶媒和物を調製するのに用いることのできる薬学的に許容される無毒の溶媒が分かるであろう。
本発明の組成物は、慣用的な無毒の薬学的に許容されるキャリア、アジュバントおよびビヒクルを含有する製剤の投薬単位で、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入もしくはスプレーにより、または直腸に投与できるものである。さらに、最適な投与方法は、方法の組み合わせであると理解されたい。丸剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤、舐剤、トローチ剤などの形での経口投与が特に好ましい。本明細書で使用される非経口という用語には、皮下注射、皮内、血管内(静脈内など)、筋肉内、脊髄、髄腔内注射もしくは同様の注射、または融合技術が含まれる。
本発明の化合物を含有する医薬製剤は、好ましくは、たとえば錠剤、トローチ剤、舐剤、水性懸濁剤または油性懸濁剤、分散可能な散剤または顆粒剤、乳化剤、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤、あるいはエリキシル剤などの経口用途に好適な形態である。
経口用途を意図した組成物は、医薬製剤製造の技術分野において既知である任意の方法で調製してもよく、このような組成物は、薬学的に優れた口当たりのよい製剤を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の作用剤を含んでいてもよい。錠剤には、錠剤の製造に適した薬学的に許容される無毒の賦形剤と混合して活性成分を含有させてもよい。これらの賦形剤は、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤および崩壊剤、たとえば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、たとえばスターチ、ゼラチン、またはアカシア;潤滑剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであってもよい。錠剤は、コーティングされていないものでもよいし、消化管での崩壊と吸収を遅らせるようにし、これによって長期間にわたる徐放を得るように既知の技術でコーティングをほどこしてもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いてもよい。
経口用途の製剤は、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性固体希釈剤と活性成分とが混合されている硬質のゼラチンカプセルとして、あるいは、たとえば落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油などの油または水の媒質と活性成分とが混合されている軟質のゼラチンカプセルとして与えられてもよい。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤との混合で活性材料を含有する。このような賦形剤には、懸濁化剤、たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ガムトラガントおよびガムアカシア、分散剤または湿潤剤があげられ、これらは天然に発生するホスファチド、たとえば、レシチンであってもよいし、たとえばステアリン酸ポリオキシエチレンなどの脂肪酸と酸化アルキレンの縮合物、あるいはたとえばヘプタデカエチレンオキシセタノールなどのエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、あるいは、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど、脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、あるいは、たとえばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなど、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物であってもよい。水性懸濁剤は、1種以上の保存剤、たとえばエチルまたはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート、1種以上の着色剤、1種以上の着香剤、1種以上の甘味剤(スクロースまたはサッカリン)などを含んでいてもよい。
たとえば落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油などの植物油あるいは流動パラフィンなどの鉱油に活性成分を懸濁させて、油性懸濁剤を配合してもよい。油性懸濁剤は、たとえば蜜ろう、硬質パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含むものであってよい。上述したものなどの甘味剤および着香剤を加えて口当たりのよい経口用製剤を得るようにしてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの添加によって保存される。
水を加えて水性懸濁剤を調製するのに適した分散可能な粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種以上の保存剤との混合物で活性成分を提供する。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤については、一例を上述したとおりである。別の賦形剤、たとえば甘味剤、着香剤および着色剤が存在してもよい。
本発明の医薬製剤は、水中油型乳剤および油中水型乳剤の形態であってもよい。油相は、たとえばオリーブ油または落花生油などの植物油、あるいはたとえば流動パラフィンなどの鉱油、あるいはこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、たとえばガムアカシアまたはガムトラガントなどの天然に発生するガム;たとえばダイズ、レシチン、エステル、あるいは、脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステル;無水物、たとえばモノオレイン酸ソルビタン;たとえばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物などであってもよい。乳剤に甘味剤および着香剤を含ませるようにしてもよい。
シロップ剤およびエリキシル剤を、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤と一緒に製剤化してもよい。このような製剤は、粘滑剤、保存剤、着香剤、および着色剤を含有するものであってもよい。医薬製剤は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁剤の形態であってもよい。この懸濁剤は、上述した好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて既知の技術で製剤化できる。無菌の注射可能な製剤は、たとえば1,3−ブタンジオール溶液などとして、非経口的に許容される無毒の希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶剤または懸濁剤であってもよい。使用できる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が溶媒または懸濁化媒質として慣用的に用いられている。この目的のため、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含むどの銘柄の固定油を用いてもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能なものを調製する上での用途がある。
本発明の組成物を、薬剤の直腸投与用などの坐剤の形態で投与してもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温では液体になるために直腸で溶けて薬剤を放出する好適な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することにより、調製可能である。このような材料は、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
あるいは、無菌の媒質中で組成物を非経口的に投与することができる。使用されるビヒクルおよび濃度によって、薬剤をビヒクルに懸濁させるか、あるいは溶解させることができる。有利なことに、局所麻酔薬、保存剤、および緩衝化剤などのアジュバントをビヒクルに溶解させることもできる。
非ヒト動物への投与については、治療用化合物を含有する組成物を、動物の飼料または飲料水に加えてもよい。また、動物が食餌で適切な量の化合物を摂取するように、動物の飼料および飲料水製品を配合すると好都合である。飼料または飲料水に加えるための予めの混合として組成物中に化合物を含ませておくとさらに都合がよいであろう。さらに、ヒト用の食物または飲料サプリメントに組成物を添加することもできる。
上述した症状の治療には、体重1キログラムあたり1日量で約5mgから約250mg、より好ましくは体重1キログラムあたり1日量で約25mgから約150mgの投与レベルが有用である。単一の剤形を製造するためにキャリア材料と合わせることのできる活性成分の量は、治療対象となる症状および特定の投与形式によって異なる。単一の剤形(dosage unit form)は一般に、約1mgから約500mgの活性成分を含む。
投与頻度は、使用する化合物および治療対象となる特定の疾患に応じて変えてもよい。しかしながら、ほとんどの障害の治療では、1日4回以下の投与計画が好ましい。しかしながら、特定の患者のための特定の投薬レベルは、使用する具体的な化合物、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路と排泄速度、薬剤の組み合わせ、治療を受ける特定の疾患の重症度を含む種々の要因に拠ることは理解されている。
好ましい本発明の化合物は、経口用バイオアベイラビリティ、低い毒性、低い血清タンパク質結合、望ましいin vitroおよびin vivoでの半減期を含むがこれに限定されるものではない、望ましい薬理学的特性を持つ。CNS障害の治療に使用する化合物では血液脳関門への浸透が必要であるのに対し、末梢障害の治療に用いる低い脳濃度(brain level)の化合物が好ましいことが多い。
アッセイを用いてこれらの望ましい薬理学的特性を予測することができる。バイオアベイラビリティの予測に用いるアッセイには、Caco−2細胞単層膜を含むヒトの腸の細胞単層膜を通る輸送を含む。培養した肝細胞に対する毒性を用いて、化合物の毒性を予測してもよい。ヒトでの化合物の血液脳関門の浸透は、化合物を静脈内注射される実験動物の脳濃度から予測できることがある。
血清タンパク質結合率は、アルブミン結合アッセイで予測できる。このようなアッセイは、Oravcova, et al. (Journal of Chromatography B (1996) volume 677, pages 1-27)の概説に記載されている。
化合物の半減期は化合物の投与頻度に反比例する。化合物のin vitroでの半減期は、Kuhnz and Gieschen (Drug Metabolism and Disposition, (1998) volume 26, pages 1120-1127)に記載されているように、ミクロソームの半減期のアッセイで予測できる。
治療に用いるのに必要な組成物の量は、選択する特定の化合物だけでなく、投与経路、治療される症状の性質、患者の年齢と状態によっても変わってくるものであり、最終的には担当内科医または臨床医の判断にゆだねることになる。
例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤がエタノールを含み、医薬製剤の化合物が1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。例示としての別の実施形態では、医薬製剤の賦形剤がプロピレングリコールを含み、医薬製剤化合物が1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。例示としての実施形態では、医薬製剤が、約1:4のプロピレングリコール:エタノールと、1:10wt/体積の1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールとを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約70%のエタノールと、約20%のポリ(ビニルメチルエーテル−alt−マレイン酸モノブチルエステル)と、約10%の1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールとを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約56%のエタノールと、約14%の水と、約15%のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)と、約5%のセバシン酸ジブチルと、約10%の1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールと、を含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約55%のエタノールと、約15%の酢酸エチルと、約15%のポリ(酢酸ビニル)と、約5%のセバシン酸ジブチルと、約10%の1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールと、を含む。例示としての別の実施形態では、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールが、1%、2.5%、5%、7.5%、10%および15%w/vから選択されるメンバである濃度で医薬製剤中に存在する。例示としての別の実施形態では、医薬製剤がラッカーである。
例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤はエタノールを含み、医薬製剤化合物が5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。例示としての別の実施形態では、医薬製剤の賦形剤はプロピレングリコールを含み、医薬製剤化合物が5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである。例示としての実施形態では、医薬製剤が、約20%のプロピレングリコールと、約70%のエタノールと、約10%の5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールとを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤が、約70%のエタノールと、約20%のポリ(ビニルメチルエーテル−alt−マレイン酸モノブチルエステル)と、約10%の5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールとを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約56%のエタノールと、約14%の水と、約15%のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)と、約5%のセバシン酸ジブチルと、約10%の5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールとを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約55%のエタノールと、約15%の酢酸エチルと、約15%のポリ(酢酸ビニル)と、約5%のセバシン酸ジブチルと、約10%の5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールと、を含む。例示としての別の実施形態では、5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールが、1%、2.5%、5%、7.5%、10%および15%w/vから選択されるメンバである濃度で医薬製剤中に存在する。例示としての別の実施形態では、医薬製剤がラッカーである。
例示としての実施形態では、医薬製剤の賦形剤がエタノールを含み、医薬製剤化合物が本明細書に記載の化合物である。例示としての別の実施形態では、医薬製剤の賦形剤がプロピレングリコールを含み、医薬製剤化合物が本明細書に記載の化合物である。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約20%のプロピレングリコールと、約70%のエタノールと、約10%の本明細書に記載の化合物とを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約70%のエタノールと、約20%のポリ(ビニルメチルエーテル−alt−マレイン酸モノブチルエステル)と、約10%の本明細書に記載の化合物とを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約56%のエタノールと、約14%の水と、約15%のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)と、約5%のセバシン酸ジブチルと、約10%の本明細書に記載の化合物とを含む。例示としての実施形態では、医薬製剤は、約55%のエタノールと、約15%の酢酸エチルと、約15%のポリ(酢酸ビニル)と、約5%のセバシン酸ジブチルと、約10%の本明細書に記載の化合物とを含む。例示としての別の実施形態では、本明細書に記載の化合物が、1%、2.5%、5%、7.5%、10%および15%w/vから選択されるメンバである濃度で医薬製剤中に存在する。例示としての別の実施形態では、医薬製剤がラッカーである。
VII.a)局所用製剤
好ましい実施形態では、本発明の方法を本明細書に記載の化合物の局所適用によって使用することができる。
本発明の組成物は、ポリマー、増粘剤、緩衝剤、中和剤、キレート化剤、保存剤、界面活性剤または乳化剤、抗酸化剤、蝋または油剤、皮膚軟化剤、日焼け止め剤、溶媒または混合溶媒系を含むがこれに限定されるものではない、液体または半固体ビヒクルを含む。溶媒または混合溶媒系は、主に薬剤の溶解を担うため、構成にとって重要である。最適な溶媒または混合溶媒系は、製剤に貧溶媒を加える場合であっても臨床的に関連する濃度の薬剤を溶液中に維持することができる。本発明において有用な局所用組成物は、多岐にわたる製品タイプに製造できる。一例として、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、粘着剤(sticks)、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、泡剤(foams)、ムース剤(mousses)および洗浄剤が含まれるが、これに限定されるものではない。これらの製品タイプは、粒子、ナノ粒子、リポソームを含むがこれに限定されるものではない、複数タイプのキャリア系を含むことができる。所望する場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を添加することもできる。製剤化および投与技術については、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに見いだすことができる。製剤は、体内の所望の標的部位への送達を最大限にするように選択することができる。
ローション剤は、摩擦なしで皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の表面に塗布される製剤であり、一般に、微粉砕した固体、ワックス、または液体が中に分散された液体または半液体の製剤である。ローション剤は一般に、よりよい分散を成すための懸濁化剤と、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄と接触した状態で活性剤を局在および保持するのに有用な化合物とを含有することになる。
本発明による送達用の活性剤を含有するクリーム剤は、粘性の液体または半固体乳剤であり、水中油型または油中水型のいずれかである。クリーム基剤(cream bases)は水で洗浄可能であり、油相と、乳化剤と、水相とを含む。油相は一般に、ワセリンまたは脂肪族アルコール(セチルアルコールまたはステアリルアルコールなど)からなる。水相は、必ずしもそうとはかぎらないが、通常は油相よりも容積が多く、一般に湿潤剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに説明されているように、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤である。
本発明に関連して、ゲル製剤も用いることができる。局所用医薬製剤の分野で働いている人であれば理解している通り、ゲルは半固体である。単相ゲルは、一般に水性であるが溶媒または溶媒のブレンドであってもよいキャリアの液体全体に実質的に均一に分散された有機巨大分子を含有する。
軟膏剤は半固体製剤であり、典型的にはワセリンまたは他の石油系誘導体を主成分とする。当業者であれば理解している通り、用いる具体的な軟膏基剤(ointment base)は、特定の製剤用に選択された活性剤のための最適な送達が得られるようなものであり、好ましくは、他の所望の特性、たとえば皮膚軟化作用なども得られるようなものである。他のキャリアまたはビヒクルと同様に、軟膏基剤も、不活性かつ安定で、刺激がなく、非感作のもの(nonsensitized)でなければならない。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995)の第1399〜1404ページに説明されているように、軟膏基剤は、油脂性基剤、乳化可能な基剤、乳濁基剤、水溶性基剤の4つのクラスに分けられる。油性の軟膏剤基剤には、たとえば、植物油、動物の脂肪、石油から得られる半固体炭化水素が含まれる。乳化可能な軟膏基剤は、吸収性軟膏剤基剤しても知られており、水をほとんど含有しないかまったく含有せず、たとえば、硫酸ヒドロキシステアリン、無水ラノリンおよび親水性ワセリンを含む。乳濁液の軟膏剤基剤は、油中水型(W/O)乳濁液または水中油型(O/W)乳濁液のいずれかであり、たとえば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンおよびステアリン酸を含む。好ましい水溶性の軟膏基剤は、種々の分子量のポリエチレングリコールから調製される。繰り返すが、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyを参照すれば、さらに情報を得ることができる。
本発明の有用な製剤は、スプレー剤も包含する。スプレー剤は、一般に、皮膚や爪、毛、鉤爪または蹄に噴霧して送達させることができる水溶液および/またはアルコール溶液中に活性剤を提供する。このようなスプレー剤には、送達後に投与部位で活性剤溶液の濃縮が得られるように製剤化されたものが含まれる。たとえば、スプレー剤溶液は主に、薬剤または活性剤を溶解させておくことができるアルコールまたは他の同様の揮発性物質の液体からなる。皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄への送達時、キャリアが蒸発し、投与部位に濃縮された活性剤が残る。
局所用医薬組成物は、好適な固体またはゲル相キャリアを含んでいてもよい。このようなキャリアの例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、スターチ、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれるが、これに限定されるものではない。
局所用医薬組成物は、水中油型または油中水型の混合および懸濁化を促進または容易にする作用剤である好適な乳化剤を含んでいてもよい。本明細書で使用する乳化剤は、単一の乳化剤からなるものであってもよく、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤または2種類以上の界面活性剤のブレンドであってもよい。本明細書で使用するのに好ましいのは、非イオン性またはアニオン性の乳化剤である。このような界面活性剤が、“McCutcheon’s Detergent and Emulsifiers,” North American Edition, 1980 Annual published by the McCutcheon Division, MC Publishing Company, 175 Rock Road, Glen Rock, N.J. 07452, USAに記載されている。
本明細書で用いるのに好ましいのは、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、乳化蝋、モノステアリン酸グリセリルなどの高分子量のアルコールである。他の例として、ジステアリン酸エチレングリコール、トリステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン(SPAN 60)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、モノパルミチン酸ソルビタン、ジオレイン酸スクロース、ステアリン酸スクロース(CRODESTA F-160)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(BRIJ 30)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(BRIJ 72)、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル(BRIJ 721)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj 45)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN 60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN 80)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN 20)、オレイン酸ナトリウムが含まれる。外用の乳剤ではコレステロールおよびコレステロール誘導体を用いてw/o乳剤を促進することもできる。
特に好適な非イオン性乳化剤は、Paul L. Lindner in “Emulsions and Emulsion”, edited by Kenneth Lissant, published by Dekker, New York, N.Y., 1974, pages 188-190に記載されている方法で決定した場合に、親水性親油性バランス(HLB)がw/o系で約3から6、o/w系で8から18のものである。本明細書で用いるのに一層好ましいのが、HLBが約8から約18の系となる1種以上の非イオン性界面活性剤である。
このような非イオン性乳化剤の例には、HLBが4.9のポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルの商品名「BRIJ 72」、HLBが15.5のポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテルの商品名「BRIJ 721」、HLBが9.7のポリオキシエチレンラウリルエーテルの商品名「Brij 30」、HLBが8.0の乳化蝋の商品名「Polawax」、HLBが4.7のモノステアリン酸ソルビタンの商品名「Span 60」、HLBが14.5のステアリン酸スクロースの商品名「Crodesta F-160」が含まれるが、これに限定されるものではない。これらの材料はいずれも、Ruger Chemicals Inc.; Croda; ICI Americas, Inc.; Spectrum ChemicalsおよびBASFから入手可能である。本発明の局所用製剤が少なくとも1種の乳化剤を含有する場合、それぞれの乳化剤は、約0.5から約2.5wt%、好ましくは0.5から2.0%、より好ましくは1.0%または1.8%の量で存在する。好ましくは、乳化剤は、steareth 21(約1.8%)とsteareth 2(約1.0%)との混合物を含む。
局所用医薬組成物は、好適な皮膚軟化剤を含んでいてもよい。皮膚軟化剤は、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の乾燥の予防または緩和のためおよび保護のために用いられる材料である。有用な皮膚軟化剤には、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコールなどが含まれるが、これに限定されるものではない。多岐にわたる好適な皮膚軟化剤が既知であり、本明細書で使用可能である。たとえば、Sagarin, Cosmetics, Science and Technology, 2nd Edition, Vol. 1, pp. 32-43 (1972)、ならびにDecknerらに付与された1990年4月24日発行の米国特許第4,919,934号明細書(いずれも全体を本明細書に援用する)を参照のこと。これらの材料は、Ruger Chemical Co, (Irvington, NJ)から入手可能である。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の皮膚軟化剤を含有する場合、それぞれの皮膚軟化剤は、約0.1から15%、好ましくは0.1から約3.0、より好ましくは0.5、1.0、または2.5wt%の量で存在する。好ましくは、皮膚軟化剤は、1/5/2比のセチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコールの混合物である。皮膚軟化剤は、1/2比のセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物であってもよい。
局所用医薬組成物は、酸化を阻害することが知られている物質である好適な抗酸化剤を含んでいてもよい。本発明によって用いるのに適した抗酸化剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル(ascorbic palmitate)、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤク脂、没食子酸プロピル、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert−ブチルヒドロキノン、ビタミンEなどのトコフェロールなどが含まれるが、これに限定されるものではない(これらの化合物の薬学的に許容される塩およびエステルを含む)。好ましくは、抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、これらの薬学的に許容される塩もしくはエステル、またはこれらの混合物である。最も好ましくは、抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンである。これらの材料は、Ruger Chemical Co, (Irvington, NJ)から入手可能である。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の抗酸化剤を含有する場合、存在する抗酸化剤の総量は約0.001から0.5wt%、好ましくは0.05から約0.5wt%、より好ましくは0.1%である。
局所用医薬組成物は、好適な保存剤を含んでいてもよい。保存剤は、抗菌剤として作用するよう医薬製剤に添加される化合物である。有効かつ非経口製剤で許容されるような当該技術分野で既知の保存剤は、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレソール、クロロクレソール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、およびこれらの種々の混合物である。たとえば、Wallhausser, K.-H., Develop. Biol. Standard, 24:9-28 (1974) (S. Krager, Basel)を参照のこと。好ましくは、保存剤は、メチルパラベンと、プロピルパラベンと、これらの混合物と、から選択される。これらの材料はInolex Chemical Co (Philadelphia, PA)またはSpectrum Chemicalsから入手可能である。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の保存剤を含有する場合、存在する保存剤の総量は約0.01から約0.5wt%、好ましくは約0.1から0.5%、より好ましくは約0.03から約0.15である。好ましくは、保存剤は、5/1比のメチルパラベンとプロピルバラベンの混合物である。アルコールを保存剤として利用する場合、その量は通常、15から20%である。
局所用医薬組成物は、脂質二重層とクロスしない金属陽イオンと錯体を形成するための好適なキレート化剤を含んでいてもよい。好適なキレート化剤の例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、および8−アミノ−2−[(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル]−6−メトキシキノリン−N,N,N’,N’−四酢酸、テトラカリウム塩(QUIN-2)が含まれる。好ましくは、キレート化剤はEDTAおよびクエン酸である。これらの材料は、Spectrum Chemicalsから入手可能である。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種のキレート化剤を含有する場合、存在するキレート化剤の総量は約0.005%から2.0重量%、好ましくは約0.05%から約0.5wt%、より好ましくは約0.1重量%である。
局所用医薬組成物は、製剤のpHを薬学的に許容される範囲に調整するのに用いられる好適な中和剤を含んでいてもよい。中和剤の例には、トロラミン、トロメタミン、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および酢酸が含まれるが、これに限定されるものではない。このような材料は、Spectrum Chemicals (Gardena, CA)から入手可能である。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の中和剤を含有する場合、存在する中和剤の総量は約0.1wtから約10wt%、好ましくは0.1wt%から約5.0wt%、より好ましくは約1.0wt%である。中和剤は一般に、製剤を所望のpHにするのに必要な適宜の量で添加される。
局所用医薬組成物は、好適な増粘剤を含んでいてもよい。これらの成分は、作用剤とポリマーとの相互作用によってポリマー含有溶液の粘度を高めることのできる拡散可能な化合物である。CARBOPOL ULTREZ 10を増粘剤として用いることができる。これらの材料は、Noveon Chemicals, Cleveland, OHから入手可能である。
本発明の局所用製剤が少なくとも1種の増粘剤を含有する場合、存在する増粘剤の総量は約0.25%から約5.0重量%、好ましくは約0.25%から約1.0wt%、より好ましくは約0.4%から約0.6重量%である。
局所用医薬組成物は、好適な爪浸透促進剤を含んでいてもよい。爪浸透促進剤の例には、メルカプタン化合物、亜硫酸塩および重亜硫酸塩、角質溶解薬および界面活性剤がある。本発明で用いるのに適した爪浸透促進剤が、Malhotra et al., J. Pharm. Sci., 91:2, 312-323 (2002)(その全体を本明細書に援用する)に詳細に記載されている。
局所用医薬組成物は、1種以上の好適な溶媒を含んでいてもよい。固体物質(溶質)が液体物質(溶媒)に溶解する能力は、溶質と溶媒の物性に左右される。溶質と溶媒が似たような物性を持つ場合、溶媒に対する溶質の溶解性が最大になる。これは、「似たもの同士は溶解される」という従来の理解につながる。溶媒は、一方では非極性の脂溶性油として、他方では極性の親水性溶媒として特徴付けできるものである。油性の溶媒はファン・デル・ワールス相互作用によって他の非極性物質を溶解させ、水や他の親水性溶媒はイオン相互作用、双極子相互作用または水素結合相互作用によって極性物質を溶解させる。溶媒はいずれも、最も極性の低い、すなわちデカンなどの炭化水素から、最も極性の高い溶媒である水まで、連続して列挙できるものである。溶質は、溶媒と同等の極性を持つときに溶媒への溶解性が最大になる。よって、水への溶解性が最も低い薬剤の場合、これよりも極性の低い溶媒を用いると溶解性が改善され、極性が溶質とほぼ等しい溶媒で溶解性が最大になる。ほとんどの薬剤は中間の極性を持つため、水よりもかなり極性が低いプロピレングリコールまたはエタノールなどの溶媒への溶解性が最大になる。薬剤の水に対する溶解性(たとえば0.1%(w/w))よりもプロピレングリコールに対する溶解性(たとえば8%(w/w))のほうが高い場合、プロピレングリコールに水を加えると、純粋なプロピレングリコールを用いる場合よりもその溶媒混合物への薬剤溶解性の最大量が少なくなる。優れた溶媒に貧溶媒を加えると、その優れた溶媒での最大溶解性に比してブレンドの最大溶解性が低くなる。
局所用製剤に化合物を取り入れる場合、選択した溶媒および/またはキャリアへの活性成分の溶解性によって製剤中の活性成分の濃度を制限することができる。非脂溶性の薬剤は一般に、薬学的に許容される溶媒および/またはキャリアに対して極めて低い溶解性を示す。たとえば、本発明におけるいくつかの化合物の水に対する溶解性は0.00025%wt/wt未満である。本発明における同じ化合物の溶解性を、プロピレングリコールまたはミリスチン酸イソプロピルのいずれかに対して約2%wt/wt未満にすることができる。本発明の一実施形態では、本発明の化合物を溶解させるのに使用する溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)である。本製剤に有用な本発明における化合物は、DGMEに対して約10%wt/wtから約25%wt/wtの溶解性を持つと考えられている。別の実施形態では、DGME水共溶媒系を用いて本発明の化合物を溶解させる。水を加えるとDGMEの溶媒容量が低下する。しかしながら、約0.1%から約5%wt/wtの活性成分という所望の濃度を維持するようにDGME/水共溶媒系を設計することができる。好ましくは、活性成分は、そのままで塗布できる局所用製剤中に約0.5%から約3%wt/wtで存在し、より好ましくは約1%wt/wtで存在する。DGMEは水よりも揮発性が低いため、塗布した際に局所用製剤が揮発すると、クリーム製剤に活性剤が溶解しやすくなる。このように溶解性が高まることで、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の表面で沈殿する薬剤によって引き起こされるバイオアベイラビリティ減少の尤度が低下する。
局所投与に適しているか、化粧用途に適したローションなどの液体の形態は、緩衝液、懸濁剤および分注(dispensing)剤、増粘剤、浸透促進剤などを含む好適な水性または非水性ビヒクルを含んでいてもよい。クリームまたはペーストなどの固体の形態は、たとえば、以下の成分のいずれを含んでいてもよい。界面活性剤を用いる場合の基剤としての水、油、アルコールまたはグリース、ポリエチレングリコールなどのポリマー、増粘剤、固体など。液体または固体の製剤は、リポソーム、ミクロソーム、マイクロスポンジなどの送達促進技術を含んでいてもよい。
また、治療薬を含有する固体の疎水性ポリマーの半透過性マトリクスなどの徐放系を用いて化合物を送達させることができる。種々の徐放材料が構築されており、当業者で既知である。
本発明を実施する際の局所治療計画には、皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄の適用部位に、1日1回から数回にわたって直接に組成物を適用することを含む。
本発明の製剤は、細菌感染、ざ瘡、炎症などに関連する状態または症状を治療、軽減または予防するのに利用可能なものである。
例示としての実施形態では、医薬製剤は、単純溶液を含む。例示としての実施形態では、単純溶液にはアルコールが含まれる。例示としての実施形態では、単純溶液がアルコールと水を含む。例示としての実施形態では、アルコールが、エタノール、エチレングリコール、プロパノール、ポリプロピレングリコール、イソプロパノールまたはブタノールである。例示としての別の実施形態では、単純溶液が、約10%のポリプロピレングリコールおよび約90%のエタノールと、約20%のポリプロピレングリコールおよび約80%のエタノールと、約30%のポリプロピレングリコールおよび約70%のエタノールと、約40%のポリプロピレングリコールおよび約60%のエタノールと、約50%のポリプロピレングリコールおよび約50%のエタノールと、約60%のポリプロピレングリコールおよび約40%のエタノールと、約70%のポリプロピレングリコールおよび約30%のエタノールと、約80%のポリプロピレングリコールおよび約20%のエタノールと、約90%のポリプロピレングリコールおよび約10%のエタノールと、から選択されるメンバである。
例示としての実施形態では、医薬製剤がラッカーである。ラッカーの製造についての情報に関しては、上掲のRemingtonの資料を参照のこと。
例示としての実施形態では、化合物は約0.5%から約15%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は約0.1%から約12.5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約1%から約10%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約1%から約5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約0.5%から約5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約0.5%から約7.5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約5%から約7.5%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約2%から約8%の濃度で前記医薬製剤に存在する。例示としての実施形態では、化合物は、約4%から約9%の濃度で前記医薬製剤に存在する。
VII.b)別の活性剤
以下、本発明の局所用医薬製剤に添加可能な化粧品および製剤の例をあげておく。以下の作用剤は、既知化合物であり、容易に商業入手可能である。
抗炎症薬には、ビサボロール、メンソレータム、ダプソン、アロエ、ヒドロコルチゾンなどが含まれるが、これに限定されるものではない。
ビタミンには、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンDなどや、タザロテン、カルシポトリエン、トレチノイン、アダパレンなどのビタミン誘導体が含まれるが、これに限定されるものではない。
老化防止剤には、ナイアシンアミド、レチノールおよびレチノイド誘導体、AHA、アスコルビン酸、リポ酸、コエンザイムQ10、β−ヒドロキシ酸、サリチル酸、銅結合ペプチド、ジメチルアミノエチル(DAEA)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
日焼け止め製剤および/または日焼け緩和剤には、PABA、ホホバ、アロエ、パジマート−O、メトキシ桂皮酸塩、プロキサミンHCl、リドカインなどが含まれるが、これに限定されるものではない。サンレスタンニング作用剤には、ジヒドロキシアセトン(DHA)が含まれるが、これに限定されるものではない。
乾癬治療剤および/またはざ瘡治療剤には、サリチル酸、ベンゾイルパーオキサイド、コールタール、硫化セレン、酸化亜鉛、ピリチオン(亜鉛および/またはナトリウム)、タザロテン、カルシポトリエン、トレチノイン、アダパレンなどが含まれるが、これに限定されるものではない。
角化を制御または調節するのに有効な作用剤には、限定的ではなく、トレチノイン、タザロテン、およびアダパレンがある。
本発明の化合物/活性剤と、任意にこれらの別の作用剤を少なくとも1種とを含む組成物を、局所投与する。最初の適用時には、本発明の化合物および他の活性剤が作用して皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄を治療する。あるいは、局所的に適用される活性剤のうちのいずれかを、経皮経路で全身送達させてもよい。
このような組成物では、たとえば抗炎症剤、ビタミン、老化防止剤、日焼け止め製剤および/またはざ瘡治療剤などの化粧上または薬学上有効な別の作用剤は通常、微量成分(約0.001%から約20重量%または好ましくは約0.01%から約10重量%)であり、残りが種々のビヒクルまたはキャリアと所望の投与形態にする助けとなる加工助剤である。
VII.c)試験
本局所用製剤で用いるのに好ましい化合物は、特定の薬理学的特性を持つことになる。このような特性として、毒性の低さ、血清タンパク質結合率の低さ、望ましいin vitroおよびin vivo半減期が含まれるが、これに限定されるものではない。アッセイを用いてこれらの望ましい薬理学的特性を予測することができる。バイオアベイラビリティの予測に用いるアッセイには、Caco−2細胞単層膜を含むヒトの腸の細胞単層膜を通る輸送を含む。血清タンパク質結合率は、アルブミン結合アッセイで予測できる。このようなアッセイについては、Oravcova et al. (1996, J. Chromat. B677: 1-27)の概説に記載されている。化合物の半減期は化合物の投薬頻度に反比例する。化合物のin vitroでの半減期は、Kuhnz and Gleschen (Drug Metabolism and Disposition, (1998) volume 26, pages 1120-1127)に記載されているようにしてミクロソーム半減期のアッセイで予測できる。
このような化合物の毒性および治療有効性を、LD50(個体群の50%で致死量)とED50(個体群の50%で治療上有効)を求める手法など、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法で求めることができる。毒性と治療効果との間の用量比が治療係数であり、LD50とED50との比で表される。治療係数の大きい化合物が好ましい。ヒトでの場合の投薬量の範囲で処方する際に、これらの細胞培養アッセイおよび動物実験で得られたデータを利用することができる。このような化合物の投薬量は、好ましくは毒性がわずかであるかまったくないED50を含む循環濃度範囲内である。投薬量は、使用する剤形や利用する投与経路に応じてこの範囲内で可変である。厳密な処方、投与経路および投与量については、患者の状態をみながら個々の医師が選択できる(たとえば、Fingl et al., 1975, in “The Pharmacological Basis of Therapeutics”, Ch. 1, p. 1を参照のこと)。
VII.d)投与
本明細書にて開示するように、本発明の方法に用いられるいずれの化合物についても、最初に細胞培養アッセイから治療上有効な用量を推定することができる。たとえば、細胞培養で求めたEC50(50%増加の有効用量)を含む循環濃度範囲を達成する用量すなわち、細菌細胞の成長の半値幅阻害を達成する被検化合物濃度を動物モデルで決めることができる。このような情報を利用すれば、ヒトでの有効用量をより一層正確に求めることができる。
通常、この方法によって、ならびに、本明細書に記載の中間体から調製される化合物は、同様の有用性が得られる作用剤ごとの適当な投与モードで、治療上または化粧上有効な量で投与されることになる。しかしながら、特定の患者の具体的な用量レベルが、利用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬剤の組み合わせ、治療を受ける特定の疾患の重症度、処方医師の判断を含む様々な要因に左右されることは、理解できよう。この薬剤は、1日1回から2回投与可能であり、あるいは、1日最大3回または4回まで投与可能である。
投与量と投与間隔を個々に調節し、細菌細胞の成長阻害効果を維持するのに十分な活性部分の血漿濃度を得ることができる。通常の患者の投与量は全身投与の場合で0.1から1000mg/日、好ましくは、1〜500mg/日、より好ましくは10〜200mg/日、なお一層好ましくは100〜200mg/日の範囲である。患者の体の表面積に関して言えば、通常の投与量は50〜91mg/m/日の範囲である。
製剤中の化合物の量は、当業者が用いるあらゆる範囲内で可変である。一般に、製剤は、製剤の総量に対して重量パーセント(wt%)ベースで、約0.01〜10wt%の薬剤を含有し、残りが1つ以上の好適な薬剤用賦形剤である。好ましくは、化合物は約0.1〜3.0wt%の濃度で存在し、より好ましくは、約1.0wt%の濃度で存在する。
以下、実施例を参照して本発明についてさらに説明する。実施例は、本発明の範囲を定義または限定することを意図したものではない。
実施例
Varian AS 300スペクトロメータでプロトンNMRを記録し、化学シフトをテトラメチルシランから低磁場側にδ(ppm)で記録する。質量スペクトルについてはMicromass Quattro IIで求める。
実施例1
1から3の調製
1.1 カルボン酸の還元
無水THF(70mL)中の1(23.3mmol)の溶液に、窒素下で、BHTHF溶液(1.0M、55mL、55mmol)を0℃で滴加し、反応混合物を室温にて一晩攪拌した。次に、この混合物を氷浴で再度冷却し、MeOH(20mL)を滴加して余分なBHを分解した。得られた混合物を、気泡が出なくなるまで攪拌した後、10%NaOH(10mL)を加えた。混合物を濃縮し、残渣を水(200mL)と混合し、EtOAcで抽出した。回転蒸発後の残渣をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィで精製し、20.7mmolの3を得た。
1.2 結果
上述した方法で調製される構造3の例示としての化合物を以下にあげておく。
1.2.a 2−ブロモ−5−クロロベンジルアルコール
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.57(d,J=8.7Hz,1H),7.50−7.49(m,1H),7.28−7.24(m,1H),5.59(t,J=6.0Hz,1H)および4.46(d,J=6.0Hz,2H)ppm。
1.2.b 2−ブロモ−5−メトキシベンジルアルコール
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.42(d,J=8.7Hz,1H),7.09(d,J=2.4Hz,1H),6.77(dd,J=3Hz,J=3Hz,1H),5.43(t,J=5.7Hz,1H),4.44(d,J=5.1Hz,2H),3.76(s,3H)。
実施例2
2から3の調製
2.1. アルデヒドの還元
メタノール(30mL)中の2(Z=H、10.7mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(5.40mol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、9.9mmolの3を得た。
2.2 結果
上述した方法で調製される構造3の例示としての化合物を以下にあげておく。
2.2.a 2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)2.00(brs,1H),4.75(s,2H),6.88(dd,J=8.5,2.9Hz,1H),7.02(d,J=8.8Hz,1H),7.26(d,J=2.6Hz,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.62(d,J=8.8Hz,2H)。
2.2.b 2−ブロモ−4−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.83(d,2H),7.58(d,1H),7.39(d,1H),7.18(dd,1H),7.11(d,2H),5.48(t,1H)および4.50(d,2H)ppm。
2.2.c 5−(4−シアノフェノキシ)−1−インダノール
融点50−53℃。MS(ESI+):m/z=252(M+1)。HPLC:254nmで純度99.7%および220nmで純度99.0%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.80(d,2H),7.37(d,1H),7.04(d,2H),6.98−6.93(m,2H),5.27(d,1H),5.03(q,1H),2.95−2.85(m,1H),2.75−2.64(m,1H),2.39−2.29(m,1H)および1.85−1.74(m,1H)ppm。
2.2.d 2−ブロモ−5−(tert−ブチルジメチルシロキシ)ベンジルアルコール
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)0.20(s,6H),0.98(s,9H),4.67(brs,1H),6.65(dd,J=8.2,2.6Hz,1H),6.98(d,J=2.9Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H)。
この方法で製造可能な化合物の別の例に、2−ブロモ−4−(3−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール、2−ブロモ−4−(4−クロロフェノキシ)ベンジルアルコール、2−ブロモ−4−フェノキシベンジルアルコール、2−ブロモ−5−(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンジルアルコール、2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)エチルアルコール、2−ブロモ−5−フルオロベンジルアルコール、1−ブロモ−2−ナフタレンメタノールが含まれる。
実施例3
3から4の調製
3.1 保護アルキル化
化合物3(20.7mmol)をCHCl(150mL)に溶解させ、氷浴を用いて0℃まで冷却した。この溶液に、窒素下で、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(5.4mL、31.02mmol、1.5当量)とクロロメチルメチルエーテル(2mL、25.85mmol、1.25当量)とを順次加えた。反応混合物を室温にて一晩攪拌し、NaHCO飽和水で洗浄後、NaCl飽和水で洗浄した。回転蒸発後の残渣をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィで精製し、17.6mmolの4を得た。
3.2 結果
上述した方法で調製される構造4の例示としての化合物を以下にあげておく。
3.2.a 2−ブロモ−5−クロロ−l−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.63(d,J=8.7Hz,1H),7.50(dd,J=2.4および0.6Hz,1H),7.32(dd,J=8.4および2.4Hz,1H),4.71(s,2H),4.53(s,2H)および3.30(s,3H)ppm。
3.2.b 2−ブロモ−5−フルオロ−1−[1−(メトキシメトキシ)エチル]ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm1.43(d,J=6.5Hz,3H),3.38(s,3H),4.55(d,J=6.5Hz,1H),4.63(d,J=6.5Hz,1H),5.07(q,J=6.5Hz,1H),6.85(m,1H),7.25(dd,J=9.7,2.6Hz,1H),7.46(dd,J=8.8,5.3Hz,1H)。
3.2.c 2−ブロモ−5−フルオロ−1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm3.04(t,J=6.7Hz,2H),3.31(s,3H),3.77(t,J=6.7Hz,2H),4.62(s,2H),6.82(td,J=8.2,3.2Hz,1H),7.04(dd,J=9.4,2.9Hz,1H),7.48(dd,J=8.8,5.3Hz,1H)。
3.2.d 2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm3.42(s,3H),4.57(d,J=1.2Hz,2H),4.76(s,2H),7.3−7.5(m,2H)。
3.2.e 2−ブロモ−5−シアノ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300.058MHz,CDCl)δppm3.43(s,3H),4.65(s,2H),4.80(s,2H),7.43(dd,J=8.2,4.1Hz,1H),7.66(d,J=8.2Hz,1H),7.82(d,J=4.1Hz,1H)。
3.2.f 2−ブロモ−5−メトキシ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.48(dd,J=1.2Hz,J=1.2Hz,1H),7.05(d,J=2.7Hz,1H),6.83(dd,J=3Hz,J=3Hz,1H),4.69(d,J=1.2Hz,2H),4.5(s,2H),3.74(d,J=1.5Hz,3H),3.32(d,J=2.1Hz,3H)ppm。
3.2.g 1−ベンジル−1−(2−ブロモフェニル)−1−(メトキシメトキシ)エタン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.70−7.67(m,1H),7.25−7.09(m,6H),6.96−6.93(m,2H),4.61(d,1H),4.48(d,1H),3.36−3.26(m,2H),3.22(s,3H)および1.63(s,3H)ppm。
3.2.h 2−ブロモ−6−フルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)3.43(s,3H),4.74(s,2H),4.76(d,J=2.1Hz,2H),7.05(t,J=9.1Hz,1H),7.18(td,J=8.2,5.9Hz,1H),7.40(d,J=8.2Hz,1H)。
3.2.i 2−ブロモ−4−(4−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.84(d,2H),7.56(d,1H),7.44(d,1H),7.19−7.12(m,3H),4.69(s,2H),4.56(s,2H)および3.31(s,3H)ppm。
3.2.j 2−ブロモ−5−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)0.19(s,6H),0.98(s,9H),3.43(s,3H),4.59(s,2H),4.75(s,2H),6.64(dd,J=8.5,2.9Hz,1H),6.98(d,J=2.9Hz,1H),7.36(d,J=8.5Hz,1H)。
3.2.k 2−ブロモ−5−(2−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)3.41(s,3H),4.64(s,2H),4.76(s,2H),6.8−6.9(m,2H),7.16(td,J=7.6,0.9Hz,1H),7.28(d,J=2.9Hz,1H),7.49(ddd,J=8.8,7.6,1.8Hz,1H),7.56(d,J=8.5Hz,1H),7.67(dd,J=7.9,1.8Hz,1H)。
3.2.l 2−ブロモ−5−フェノキシ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)3.40(s,3H),4.62(s,2H),4.74(s,2H),6.80(dd,J=8.8,2.9hz,1H),7.01(d,J=8.5Hz,2H),7.12(t,J=7.9Hz,1H),7.19(d,J=2.9hz,1H),7.35(t,J=7.6Hz,2H),7.48(d,J=8.5Hz,1H)。
この方法で製造可能な化合物の別の例に、2−ブロモ−l−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−メチル−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−(メトキシメトキシメチル)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−フルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、1−ブロモ−2−(メトキシメトキシメチル)ナフタレン、2−ブロモ−4−フルオロ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−フェニル−1−(2−ブロモフェニル)−1−(メトキシメトキシ)エタン、2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−4−(3−シアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−4−(4−クロロフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−4−フェノキシ−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼン、2−ブロモ−5−(3,4−ジシアノフェノキシ)−1−(メトキシメトキシメチル)ベンゼンが含まれる。
実施例4
5を介して4からIの調製
4.1 メタレーション(metallation)およびボロニル化(boronylation)
無水THF(80mL)中の4(17.3mmol)の溶液に、−78℃で窒素下にて、tert−BuLiまたはn−BuLi(11.7mL)を滴加したところ、溶液が褐色になった。次に、B(OMe)(1.93mL、17.3mmol)を一度に注入し、冷却浴を除去した。混合物を攪拌しながら30分間徐々に温めた後、水浴を用いて2時間攪拌した。6NのHCl(6mL)を加えた後、混合物を室温にて一晩攪拌したところ、約50%の加水分解が起こったことがTLC解析で示された。溶液を回転蒸発させ、残渣をMeOH(50mL)および6NのHCl(4mL)に溶解させた。この溶液を1時間還流し、加水分解が終了したことがTLC解析で示された。回転蒸発によって、残渣が得られ、これをEtOAcに溶解させ、水で洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィで精製し、純度80%の固体を得た。この固体をヘキサンで洗浄してさらに精製し、7.2mmolのIを得た。
4.2 結果
構造Iの例示としての化合物についての分析データを以下にあげておく。
4.2.a 5−クロロ−1,3−ジヒドロ−l−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
5−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C1)
融点142−150℃。MS(ESI):m/z=169(M+1、正)および167(M−1、負)。HPLC(220nm):純度99%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.30(s,1H),7.71(d,J=7.8Hz,1H),7.49(s,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H)および4.96(s,2H)ppm。
4.2.b 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C2)
融点83−86℃。MS(ESI):m/z=135(M+1、正)および133(M−1、負)。HPLC(220nm):純度95.4%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.14(s,1H),7.71(d,J=7.2Hz,1H),7.45(t,J=7.5Hz,1H),7.38(d,J=7.5Hz,1H),7.32(t,J=7.1Hz,1H)および4.97(s,2H)ppm。
4.2.c 5−クロロ−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C3)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm1.37(d,J=6.4Hz,3H),5.17(q,J=6.4Hz,1H),7.14(m,1H),7.25(dd,J=9.7,2.3Hz,1H),7.70(dd,J=8.2,5.9Hz,1H),9.14(s,1H)。
4.2.d 6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2,1−ベンズオキサボリン
6−フルオロ−3,4−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボリニン−1−オール(C4)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm2.86(t,J=5.9Hz,2H),4.04(t,J=5.9Hz,2H),7.0−7.1(m,2H),7.69(dd,J=8.2,7.2Hz,1H),8.47(s,1H)。
4.2.e 5,6−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
5,6−ジフルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C5)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm4.94(s,2H),7.50(dd,J=10.7,6.8Hz,1H),7.62(dd,J=9.7,8.2Hz,1H),9.34(s,1H)。
4.2.f 5−シアノ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−カルボニトリル(C6)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm5.03(s,2H),7.76(d,J=8.2Hz,1H),7.89(d,J=8.2Hz,1H),7.90(s,1H),9.53(s, 1H)。
4.2.g 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−メトキシ−2,1−ベンゾキサボロール
5−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C7)
融点102−104℃。MS ESI:m/z=165.3(M+1)および162.9(M−1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.95(s,1H),7.60(d,J=8.1Hz,1H),6.94(s,1H),6.88(d,J=8.1Hz,1H),4.91(s,2H),3.77(s,3H)ppm。
4.2.h 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−2,1−ベンゾキサボロール
5−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C8)
融点124−128℃。MS ESI:m/z=148.9(M+1)および146.9(M−1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.05(s,1H),7.58(d,J=7.2Hz,1H),7.18(s,1H),7.13(d,J=7.2Hz,2H),4.91(s,2H),2.33(s,3H)ppm。
4.2.i 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2,1−ベンゾキサボロール
5−(ヒドロキシメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C9)
MS:m/z=163(M−1,ESI−)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),7.64(d,1H),7.33(s,1H),7.27(d,1H),5.23(t,1H),4.96(s,2H),4.53(d,2H)ppm。
4.2.j 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C10)
融点110−114℃。MS ESI:m/z=150.9(M−1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.20(s,1H),7.73(dd,J=6Hz,J=6Hz,1H),7.21(m,1H),7.14(m,1H),4.95(s,2H)ppm。
4.2.k 1,3−ジヒドロ−2−オキサ−1−シクロペンタ[a]ナフタレン
ナフト[1,2−c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C11)
融点139−143℃。MS ESI:m/z=184.9(M+1)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.21(s,1H),8.28(dd,J=6.9Hz,J=0.6Hz,1H),7.99(d,J=8.1Hz,1H),7.95(d,J=7.5Hz,1H),7.59−7.47(m,3H),5.09(s,2H)ppm。
4.2.m 1,3−ジヒドロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C13)
融点110−117.5℃。MS(ESI):m/z=151(M−1、負)。HPLC(220nm):純度100%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.29(s,1H),7.46−7.41(m,2H),7.29(td,1H)および4.95(s,2H)ppm。
4.2.n 3−ベンジル−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−3−メチル−2,1−ベンゾキサボロール
3−ベンジル−3−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C14)
MS(ESI):m/z=239(M+1、正)。HPLC:220nmで純度99.5%および254nmで純度95.9%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.89(s,1H),7.49−7.40(m,3H),7.25−7.19(m,1H),7.09−7.05(m,3H),6.96−6.94(m,2H),3.10(d,1H),3.00(d,1H)および1.44(s,3H)ppm。
4.2.o 3−ベンジル−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
3−ベンジルベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C15)
MS(ESI+):m/z=225(M+1)。HPLC:220nmで純度93.4%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),7.63(dd,1H),7.43(t,1H),7.35−7.14(m,7H),5.38(dd,1H),3.21(dd,1H)および2.77(dd,1H)ppm。
4.2.p 1,3−ジヒドロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C16)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)5.06(s,2H),7.26(ddd,J=9.7,7.9,0.6Hz,1H),7.40(td,J=8.2,4.7Hz,1H),7.55(d,J=7.0Hz,1H),9.41(s,1H)。
4.2.q 5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)ベンゾニトリル(C17)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm4.95(s,2H),7.08(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.14(d,J=8.8Hz,1H),7.15(d,J=2.1Hz,1H),7.78(d,J=7.9Hz,1H),7.85(d,J=9.1Hz,2H),9.22(s,1H)。
4.2.r 6−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イルオキシ)ベンゾニトリル(C18)
融点148−151℃。MS:m/z=252(M+1)(ESI+)およびm/z=250(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度98.7%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.26(s,1H),7.82(d,2H),7.50(d,1H),7.39(d,1H),7.26(dd,1H),7.08(d,2H)および4.99(s,2H)ppm。
4.2.s 6−(3−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イルオキシ)ベンゾニトリル(C19)
融点146−149℃。MS:m/z=252(M+1)(ESI+)およびm/z=250(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度97.9%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.21(s,1H),7.60−7.54(m,2H),7.50−7.45(m,2H),7.34−7.30(m,2H),7.23(dd,1H)および4.98(s,2H)ppm。
4.2.t 6−(4−クロロフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(4−クロロフェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C20)
融点119−130℃。MS:m/z=261(M+1)(ESI+)およびm/z=259(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度98.9%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.18(s,1H),7.45−7.41(m,3H),7.29(d,1H),7.19(dd,1H),7.01(d,2H)および4.96(s,2H)ppm。
4.2.u 6−フェノキシ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−フェノキシベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C21)
融点95−99℃。MS:m/z=227(M+1)(ESI+)およびm/z=225(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度98.4%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.17(s,1H),7.43−7.35(m,3H),7.28(s,1H),7.19−7.09(m,2H),6.99(d,2H)および4.96(s,2H)ppm。
4.2.v 5−(4−シアノベンジルオキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−((1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)メチル)ベンゾニトリル(C22)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.90(s,2H),5.25(s,2H),6.98(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.03(d,J=1.8Hz,1H),7.62(d,J=7.9Hz,1H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.86(d,J=8.5Hz,1H),9.01(s,1H)。
4.2.w 5−(2−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)ベンゾニトリル(C23)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.95(s,2H),7.0−7.2(m,3H),7.32(td,J=7.6,1.2Hz,1H),7.68(ddd,J=9.1,7.6,1.8Hz,1H),7.77(d,J=7.9Hz,1H),7.91(dd,J=7.9,1.8Hz,1H)。
4.2.x 5−フェノキシ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
5−フェノキシベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C24)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.91(s,2H),6.94(s,1H),6.96(d,J=8.8Hz,1H),7.05(d,J=7.6Hz,2H),7.17(t,J=7.3Hz,1H),7.41(t,J=7.3Hz,2H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),9.11(s,1H)。
4.2.y 5−[4−(N,N−ジエチルカルバモイル)フェノキシ]−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
N,N−ジエチル−4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)ベンズアミド(C25)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.08(brs,6H),3.1−3.5(m,4H),4.93(s,2H),7.0−7.1(m,4H),7.37(d,J=8.5Hz,2H),7.73(d,J=7.9Hz,1H),9.15(s,1H)。
4.2.z 1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−5−[4−(モルホリノカルボニル)フェノキシ]−2,1−ベンゾキサボロール
(4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)フェニル)(モルホリノ)メタノン(C26)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)3.3−3.7(m,8H),4.93(s,2H),7.0−7.1(m,4H),7.44(d,J=8.8Hz,2H),7.73(d,J=7.9Hz,1H),9.16(s,1H)。
4.2.aa 5−(3,4−ジシアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)フタロニトリル(C27)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.97(s,2H),7.13(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.21(d,J=1.5Hz,1H),7.43(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),7.81(d,J=7.9Hz,1H),7.82(d,J=2.6Hz,1H),8.11(d,J=8.5Hz,1H),9.26(s,1H)。
4.2.ab 6−フェニルチオ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C28)
融点121−124℃。MS:m/z=243(M+1)(ESI+)およびm/z=241(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度99.6%および220nmで純度99.6%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.25(s,1H),7.72(dd,1H),7.48(dd,1H),7.43(dd,1H),7.37−7.31(m,2H),7.29−7.23(m,3H),および4.98(s,2H)ppm。
4.2.ac 6−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C29)
融点97−101℃。MS:m/z=311(M+1)(ESI+)およびm/z=309(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度100%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.20(s,1H),7.45(d,1H),7.37(d,2H),7.33(d,1H),7.21(dd,1H),7.08(d,2H),および4.97(s,2H)ppm。
4.2.ad 5−(N−メチル−N−フェニルスルホニルアミノ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(C30)
融点85−95℃。MS:m/z=304(M+1)(ESI+)およびm/z=302(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度96.6%および220nmで純度89.8%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.23(s,1H),7.72−7.63(m,2H),7.56(t,2H),7.50(d,2H),7.16(s,1H),7.03(d,1H),4.91(s,2H)および3.14(s,3H)ppm。
4.2.ae 6−(4−メトキシフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(4−メトキシフェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C31)
融点126−129℃。MS:m/z=257(M+1)(ESI+)およびm/z=255(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度98.4%および220nmで純度98.4%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.14(s,1H),7.36(d,1H),7.19(s,1H),7.12(d,1H),6.98(d,2H),6.95(d,2H),4.93(s,2H)および3.73(s,3H)ppm。
4.2.af 6−(4−メトキシフェニルチオ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(4−メトキシフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C32)
融点95−100℃。MS:m/z=272(M+),273(M+1)(ESI+)およびm/z=271(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度99.2%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.20(s,1H),7.51(d,1H),7.39−7.28(m,4H),6.98(d,2H),4.93(s,2H)および3.76(s,3H)ppm。
4.2.ag 6−(4−メトキシフェニルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(4−メトキシフェニルスルホニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C33)
融点180−192℃。MS:m/z=305(M+1)(ESI+)およびm/z=303(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度96.8%および220nmで純度95.5%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.46(s,1H),8.28(s,1H),7.99(d,1H),7.85(d,2H),7.61(d,1H),7.11(d,2H),5.02(s,2H)および3.80(s,3H)ppm。
4.2.ah 6−(4−メトキシフェニルスルフィニル)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
6−(4−メトキシフェニルスルフィニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C34)
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.37(s,1H),8.02(d,1H),7.71(dd,1H),7.59(d,2H),7.53(d,1H),7.07(d,2H),5.00(s,2H)および3.76(s,3H)ppm。
4.2.ai 5−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C35)
融点113−118℃。MS:m/z=203(M+1)(ESI+)およびm/z=201(M−1)(ESI−)。HPLC:254nmで純度100%および220nmで純度100%。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.48(s,1H),7.92(d,1H),7.78(s,1H),7.67(d,1H)および5.06(s,2H)ppm。
4.2.aj 4−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−4−イルオキシ)ベンゾニトリル(C36)
出発材料2を得るための4−フルオロベンゾニトリルと置換フェノールとの間のカップリング反応については、Igarashi, S.; et al. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (2000), 48(11), 1689-1697を参照のこと。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)(ppm)4.84(s,2H),7.08(d,J=8.2Hz,2H),7.18(d,J=7.9Hz,1H),7.45(t,J=7.3Hz,1H),7.63(d,J=7.3Hz,1H),7.82(d,J=8.5Hz,2H)。
4.2.ak 5−(3−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
3−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)ベンゾニトリル(C37)
出発材料2を得るための3−フルオロベンゾニトリルと置換フェノールとの間のカップリングについて:Li, F. et al., Organic Letters (2003), 5(12), 2169-2171。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)(ppm)4.93(s,2H),7.0−7.1(m,2H),7.3−7.4(m,1H),7.5−7.7(m,3H),7.75(d,J=8.2Hz,1H)。
4.2.al 5−(4−カルボキシフェノキシ)−1,3ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール
4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)安息香酸(C38)
エタノール(10mL)中のC17で得られた5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(430mg、1.71mmol)の溶液に、6mol/Lの水酸化ナトリウム(2mL)を加え、混合物を3時間還流した。塩酸(6mol/L、3mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製した後、ジイソプロピルエーテルで粉砕して標的化合物(37mg、8%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.94(s,2H),7.0−7.1(m,4H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),7.94(d,J=8.8Hz,2H),9.19(s,1H),12.8(brs,1H)。
4.2.am 1−ヒドロキシ−1,3ジヒドロ−5−[4−(テトラゾール−1−イル)フェノキシ]−2,1−ベンゾキサボロール
5−(4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C39)
5−(4−シアノフェノキシ)−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(200mg、0.797mmol)と、ナトリウムアザイド(103mg、1.59mmol)と、塩化アンモニウム(85mg、1.6mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に加えた混合物を、80℃で2日間攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製した後、酢酸エチルで粉砕して標的化合物(55mg、23%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)4.95(s,2H),7.0−7.1(m,2H),7.23(d,J=8.8Hz,2H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),8.05(d,J=8.5Hz,2H),9.18(brs,1H)。
実施例5
6を介して2からIの調製
5.1 触媒ボロニル化、還元および環化
1,4−ジオキサン(40mL)中の2(10.0mmol)と、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.79g、11.0mmol)、PdCl(dppf)(250mg、3mol%)、および酢酸カリウム(2.94g、30.0mmol)の混合物を80℃で一晩攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をテトラヒドロフラン(80mL)に溶解させた後、過ヨウ素酸ナトリウム(5.56g、26.0mmol)を加えた。室温で30分間攪拌した後、2NのHCl(10mL)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエーテルで処理して、6.3mmolの対応するボロン酸を得た。得られたボロン酸(0.595mmol)をメタノール(5mL)に入れた溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(11mg、0.30mmol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、0.217mmolのIを得た。
5.2 結果
構造Iの例示としての化合物についての分析データを以下にあげておく。
5.2.a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C10)
この化合物についての分析データを4.2.jにあげておく。
実施例6
3からIの調製
6.1 1ポットでのボロニル化および環化
テトラヒドロフラン(10mL)中の3(4.88mmol)およびホウ酸トリイソプロピル(1.35mL、5.86mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6mol/L;6.7mL、10.7mmol)を、15分間大気圧で−78℃にて窒素下で滴加し、混合物を室温まで温めながら2時間攪拌した。この反応物を2NのHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、ペンタンで処理して0.41mmolのIを得た。
6.2 結果
構造Iの例示としての化合物についての分析データを以下にあげておく。
6.2.a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C10)
この化合物についての分析データを4.2.jにあげておく。
実施例7
3からIの調製
7.1 1ポットでのボロニル化および蒸留を伴う環化
トルエン(20mL)中の3(4.88mmol)の溶液に、ホウ酸トリイソプロピル(2.2mL、9.8mmol)を加え、混合物を還流状態で1時間加熱した。溶媒、生成されたイソプロピルアルコール、および過剰なホウ酸トリイソプロピルを減圧下で除去した。残渣をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(3.2mL、5.1mmol)を10分間にわたって滴加し、混合物を室温まで温めながら1時間攪拌した。この反応物を2NのHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、1.54mmolのIを得た。
7.2 結果
構造Iの例示としての化合物についての分析データを以下にあげておく。
7.2.a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C10)
この化合物についての分析データを4.2.jにあげておく。
実施例8
7から8の調製
8.1 臭素化
四塩化炭素(200mL)中の7(49.5mmol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(8.81g、49.5mmol)およびN,N−アゾイソブチロニトリル(414mg、5mol%)を加え、混合物を還流状態で3時間加熱した。水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗製のメチル臭素化中間体8を得た。
実施例9
8から3の調製
9.1 ヒドロキシル化
粗製の8(49.5mmol)に、ジメチルホルムアミド(150mL)および酢酸ナトリウム(20.5g、250mmol)を加え、混合物を80℃で一晩攪拌した。水を加え、混合物をエーテルで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣に、メタノール(150mL)および1Nの水酸化ナトリウム(50mL)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で体積が約3分の1になるまで濃縮した。水および塩酸を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した後、ジクロロメタンで粉砕して、21.8mmolの3を得た。
9.2 結果
上述した方法で調製される構造3の例示としての化合物を以下にあげておく。
9.2.a 2−ブロモ−5−シアノベンジルアルコール
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δppm4.51(d,J=5.9Hz,2H),5.67(t,J=5.6Hz,1H),7.67(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),7.80(s,J=8.2Hz,1H),7.83(d,J=2.0Hz,1H)。
この方法で製造可能な化合物の別の例に、2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコールが含まれる。
実施例10
2から9の調製
10.1 反応
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の2(20.0mmol)、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(8.49g、24.0mmol)、およびカリウムtert−ブトキシド(2.83g、24.0mol)の混合物を室温で一晩攪拌した。反応物を6NのHClでクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(×2)および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣にテトラヒドロフラン(60mL)および6NのHClを加え、混合物を還流状態で8時間加熱した。水を加え、混合物をエーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、16.6mmolの9を得た。
実施例11
工程13の調製方法
11.1 反応
適当なアルコール溶媒(R−OH)中のIの溶液を窒素雰囲気下で還流した後、蒸留してアルコールを除去し、対応するエステルを得た。
実施例12
IaからIbの調製
12.1 反応
トルエン中のIaの溶液にアミノアルコールを加え、関与する固体を回収してIbを得た。
12.2 結果
(500mg、3.3mmol)を80℃でトルエン(37mL)に溶解させ、エタノールアミン(0.20mL、3.3mmol)を加えた。混合物を室温まで冷却した後、氷浴に入れ、濾過し、C40を白色の粉末(600.5mg、94%)として得た。
12.2a 1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールのエタノールアミン付加体(C40)
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)2.88(t,J=6.2Hz,2H),3.75(t,J=6.3Hz,2H),4.66(s,2H),5.77(br,2H),6.85−6.91(m,2H),7.31(td,J=7.2,1.2Hz,1H)。
実施例13
製剤
本発明の化合物は、治療有効量の本明細書に記載の化合物を以下の3種類のラッカー製剤および1種類の溶媒製剤の任意の1つで用いて、患者に投与できる。ラッカー製剤は耐久性が良好である一方で、溶媒製剤は使いやすい。これらの化合物は、スプレー製剤、ペイントオン(paint-on)ラッカー、滴剤などで適用することもできる。
1.1:4プロピレングリコール:エタノール;1:10wt/vol本発明の化合物;
2.1:4ポリ(ビニルメチルエーテル−alt−マレイン酸モノブチルエステル:エタノール;1:10wt/vol本発明の化合物;
3.56%エタノール;14%水;15%ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート);5%セバシン酸ジブチル;10%本発明の化合物;
4.55%エタノール;15%酢酸エチル;15%ポリ(酢酸ビニル);5%セバシン酸ジブチル;10%本発明の化合物。
これらの製剤の調製は当該技術分野において既知であり、上掲のRemington: The Science and Practice of Pharmacyなどの文献に見られる。
実施例14
抗真菌MIC試験
尿素ブロス(Nakamura et al., Antimicrobial Agents And Chemotherapy, 2000, 44(8) p. 2185-2186)で培養したマラセジア属(Malassezia)種以外、MIC試験はいずれも、酵母(M27−A2 NCCLS)および糸状菌類(Pfaller et al., NCCLS publication M38-A-Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing of Filamentous Fungi; Approved Standard. Wayne, PA: NCCLS; 2002 (Vol. 22, No. 16)の抗菌試験についての米国臨床研究所規格委員会標準(NCCLS)ガイドラインに準拠した。MIC試験の結果を図1に示す。
実施例15
ケラチンアッセイ
多くの抗真菌薬が、抗真菌力価を下げるだけでなく爪への浸透を制限することができるケラチンに強く結合する。ケラチン粉末での化合物の親和性は、Tatsumi, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 46(12):3797-3801 (2002)に記載されている方法で決定した。
本発明のいくつかの化合物について5%ケラチンの存在下と非存在下で紅色白癬菌(T. rubrum)に対するMICデータを比較したものを図1に示す。
実施例16
(C10)抗真菌活性スペクトル
(C10)は、局所用抗真菌治療用の開発中の新規な化合物である。この研究の目的は、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergilus fumigatus)(A. fumigatus)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(C. albicans、フルコナゾール感受性株とフルコナゾール耐性株の両方)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)(C. glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)(C. krusei)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)(C. neoformans)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)(C. parapsilosis)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)(C. tropicalis)、有毛表皮糸状菌(Epidermophyton floccosum)(E. floccosum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)(F. solani)、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)(M. furfur)、Malassezia pachydermatis(M. pachydermatis)、Malassezia sympodialis(M. sympodialis)、オードアン小胞子菌(Microsporum audouinii)(M. audouinii)、イヌ小胞子菌(Microsporum canis)(M. canis)、石膏状小胞子菌(Microsporum gypseum)(M. gypseum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)(T. mentagrophytes)、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)(T. rubrum)、トリコフィートン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)(T. tonsurans)を含む19種類の真菌試験株に対する(C10)の最小発育阻止濃度(MIC)を求めることであった。異なる濃度の(C10)への曝露後に真菌の増殖を評価した。5%ケラチン粉末の存在下での紅色白癬菌(T. rubrum)に対する(C10)のMICと、紅色白癬菌(T. rubrum)および毛瘡白癬菌(T. mentagrophytes)に対する(C10)の最小殺真菌濃度(MFC)も求めた。シクロピロクスおよび/またはテルビナフィンおよび/またはフルコナゾールおよび/またはイトラコナゾールを比較用として用いて、同様にして試験した。これらの研究はNAEJA Pharmaceutical, Inc.にて実施した。
材料および方法
Anacor Pharmaceuticals, Inc. (Palo Alto, CA, USA)から(C10)を入手した。ATCC (Manassas, VA, USA)からATCC株を入試した。Sigma-Aldrich Co. (St. Louis, MO, USA)からシクロピロクソルアミン(ciclopiroxolamine)を入手した。NAEJA Pharmaceutical Inc. (Edmonton, AB, Canada)でテルビナフィン、フルコナゾールおよびイトラコナゾールを合成し、これらの標準の実験手法および分析データをNAEJAのアーカイブに保管してある。
尿素ブロス(Nakamura et al., 2000)で培養したMalassezia種以外、MIC試験はいずれも、酵母および糸状菌類(Pfaller et al., 2002)の抗菌試験についての米国臨床研究所規格委員会標準(NCCLS)ガイドラインに準拠した。マイクロブロス希釈法を用いて、19の真菌試験株に対する(C10)のin vitro活性を試験した。簡単に言うと、化合物をDMSOに溶解させ、滅菌水で希釈し、作業用のストック(stock)を得た。96穴のプレートで作業用ストックの2倍段階希釈液を調製し、培地を加えた。培地は、RPMI、RPMI+MOPS、改変(modified)RPMIまたは改変尿素ブロスとした。プレートを真菌懸濁液と一緒にインキュベートし、最終的な接種物サイズを酵母では0.5〜2.5×10細胞/mL、糸状菌類では0.4〜5×10CFU/mLとし、次いで35℃で24〜168時間培養した。DMSOの最終濃度は5%を超えなかった。MICを、薬剤のない対照と比較して増殖が90%を超えて低下する最低濃度と定義した。MFCについては、薬剤のない対照と比較して、真菌を90%を超えて殺滅させる最低濃度と定義した。
結果と考察
(C10)および19の真菌株に対する基準化合物のMICに関する結果を図2に示す。2種類の真菌株に対するC10のMFCに関する結果を表2に示す。(C10)のMIC値は、試験した真菌のいずれでも0.25〜2μg/mLの範囲内であった。培地に5%ケラチン粉末を加えると、紅色白癬菌(T. rubrum)に対するMICは機能しなかった。(C10)には紅色白癬菌(T. rubrum)および毛瘡白癬菌(T.mentagrophytes)に対する殺真菌活性があり、MFC値はそれぞれ8および16μg/mLであった。基準化合物のMIC値は、NCCLSで定義された範囲内であった。
実施例17
LC/MS/MSによる本発明の化合物の溶解性、安定性、およびLog P判定
C10の溶解性、室温安定性、およびLog Pを以下の方法で求めた。
試薬および標準:
エタノール:200プルーフACSグレード(EM Science, Gibbstown, NJ, USA);オクタノール:オクチルアルコール(EM Science, Gibbstown, NJ, USA);アセトニトリル:HPLCグレード(Burdick & Jackson, Muskegon, MI, USA);酢酸アンモニウム:ロット3272X49621(Mallinckrodt, Phillipsburg, NJ, USA);C10:ロットA032−103(Anacor Pharmaceuticals, Palo Alto, CA, USA);p−ニトロフェノール(PNP):ロットOGNO1(TCI America, Portland, OR, USA);水:脱イオン水(Millipore systems, Billerica, MA, USAから入手)。
溶解性
N−オクタノールおよび水の混合物はこれらの溶媒を最大で12時間激しく攪拌することで相互に予め飽和させて、混合物を分離させた。予め飽和させたn−オクタノールまたは水にDMSO中の20、40、200、1000および5000μg/mLのC10を10μL加えて、各溶媒への溶解性を決定した。試料を10秒間ボルテックスした後、この試料を約3000rpmで10分間遠心分離した。目視検査を行って、試料が透明であるか、あるいは管の底にペレットが形成されているか否かを決定した。
Log P
2倍の最終濃度のC10(5000μ/mLのうち10μL)を0.5mLの予め飽和n−オクタノールに加えて混合した。同量(0.5mL)の予め飽和させた水を加え、ボルテックス混合し、次いで回転している振盪機で約25℃で1時間および24時間三組で攪拌した。約2000rpmで5分間遠心分離して有機層および水層を分離した。オクタノール(上)層25μLを取り出し、予め標識した管に入れた。水層(底)25μLをオクタノールが入らないように注意して取り出し、予め標識した管に入れた。
室温での安定性
n−オクタノール0.5mLおよび水0.5mLの両方にC10(5000μg/mLでの10μL)を三組で加えた。試料を混合した。0時間および24時間での試料を約−20℃で保管した。試料25μLを分析に用いた。
抽出法C10
オクタノール試料の場合、エタノール25μL、水25μL、および内部標準を含むアセトニトリル300μLを加えた。水試料の場合、エタノール25μLと、オクタノール25μLと、内部標準[アセトニトリル60mL添加PNP(1000μg/mL)6μL]を含むアセトニトリル300μLとを加えた。キャリブレータ用に、オクタノール25μL、水25μL、内部標準を含むアセトニトリル300pLを加えた。試料を10秒間ボルテックスした。有機層200μLを失活させた清浄なオートサンプラーのバイアルに移した。
計算
C10の定量化には1/濃度加重直線回帰を用いた。積分はいずれもApplied BiosystemsのAnalyst version 1.3を用いてピーク領域で行った。C10では、検体と内部標準PNPとのピーク領域比をすべての定量化に用いた。
以下に詳細に示した式を用いて分配係数(P)を求めた。
P=[試料濃度]オクタノール/[試料濃度]
Log P=log10(分配係数)
結果:
表17Aに示すように、オクタノールおよび水の両方に対するC10の溶解性は試験した濃度範囲では極めて良好である。
表17Bは、1時間後および24時間後のC10のlog P判定の結果を示す。1時間後の平均log Pは1.97(n=3)であった。24時間後、オクタノールおよび水層の濃度はどちらも同じままであった。24時間後の平均log Pは1.93(n=3)であった。
連続混合せずに室温で24時間にわたってC10の安定性試験を開始した。純水およびオクタノール中のC10が24時間を超えても安定していることを表17Cに示す。
実施例18
ヒトの爪へのC10の浸透の決定
Hui et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 91(1): 189-195 (2002)に記載のプロトコール(「Huiプロトコール」)に基づいて、2通りの爪浸透試験を実施した。この試験の目的は、市販ラッカー(Penlac(登録商標))中の8%シクロピロクスw/wに対して、ビヒクル中のC10のヒト爪板への浸透および分散をin vitroで決定および比較することであった。
材料および方法
被検物および投与製剤
市販ラッカー中の8%シクロピロクスw/wは、Dermick (Berwyn, PA)が製造したものである。化学物質の放射化学的純度および比活性は、それぞれ>95%および12.5mCi/mmolと決定された。
実験は2つの群からなるものとした。投与製剤の組成(重量%)は以下のとおりである。
ヒトの爪
成人の死体から健常な人の手指爪板を集め、蓋をした容器で0〜−4℃で保管した。実験前に、生理食塩水で爪板をやさしく洗浄していずれの汚染物も除去した後、生理食塩水で湿らせた布の上に3時間おいて水分補充させた。爪試料を無作為に選択して4つの群に分けた。
投薬および表面洗浄法
投薬分の調製:
各群の放射能はそれぞれ、14C−C10(グループA)および14C−シクロピロクス(グループC)について、溶液10μLあたり約0.19±0.01および0.22±0.03μCiである。
洗浄手法
次の投薬前に朝の10分間に表面洗浄を開始し、爪の表面を以下のようにして丸状の綿の先端で洗浄した。
先端を無水エタノールで湿らせ、次いで、
先端を無水エタノールで湿らせ、次いで、
先端を50%IVORY液体石鹸で湿らせ、次いで、
先端を蒸留水で湿らせ、次いで、
最後に先端を蒸留水で湿らせた。
それぞれの爪の各サイクルでの洗浄試料を、綿の先端をちぎってシンチレーションのガラスバイアルに入れることで貯蔵し、集めた。3.0mLのメタノールのアリコートを各バイアルに加え、被検材料を抽出した。各試料の放射能を液体シンチレーションカウンタで測定した。
インキュベーション系
テフロン製の1チャンバ拡散セル(PermeGear, Inc., Hellertown, PA)を用いてそれぞれの爪を保持した。生理学的条件に近くするために、0.1mLの生理食塩水で湿らせた小さな綿球をチャンバに入れて、爪床としての機能をもたせ、爪板に水分を与えた。3日ごとに、0.1mLの生理食塩水を流入口からチャンバ注入し、綿球を湿った状態に維持した。爪板をレセプター(直径1.0cm、高さ0.5cm)内の出っ張りにおいた。爪の腹側(内側)を下向きにし、湿った綿球と接するようにした。飽和リン酸ナトリウム溶液を装填した大きなガラス保持タンクの床上に細胞を置いて、細胞を40%の一定湿度に保った。
サンプリング装置
爪サンプリング装置には、爪試料ステージおよにドリルの2つの部分があった。爪サンプリングステージは、銅製の爪ホルダ、3つの調節具、および爪粉末受け皿からなる。3つの調節具によって、垂直方向の移動が可能となる。第1の粗調節(上側)は、銅製のセルを交換したり受け皿から粉末試料を受け取るためのものであった。他の2つの調節(下側)はサンプリング工程用であった。第2の粗調節で25mmの移動が可能であり、微調節では0.20mm移動できる。爪粉末受け皿は、銅製のセルおよびカッターの間に位置していた。受け皿の内側は漏斗を逆さまにしたような形であり、漏斗の端が真空に接続されている。円形の濾紙を漏斗の内側に置くことで、サンプリング工程の間に爪粉末試料を濾紙上で受け皿とすることができる。
サンプリング手法
インキュベーション段階の終了後、サンプリング工程を行うために爪板を拡散セルから清潔な銅製の爪ホルダに移した。腹側(爪床)が上を向いて背側(外側)投薬面が下を向くように爪板をひっくり返した。銅製の爪ホルダには、ステージ上に載置されるよう開口が設けられている。サンプリング工程が開始されると、爪板がカッターの刃先にちょうど触れるまで粗調節によってステージの位置を動かして調節を行った。次に、ドリルの電源を入れ、ステージをドリルに近づけて微調整を行い、爪のコア試料を取り出した。上記の工程の後、深さ約0.40〜0.50mm、直径7.9mmの爪の粉砕試料を爪の腹側(爪床)の中央から回収した。
粉末爪試料をガラス製のシンチレーションバイアルに集め、秤量した。シンチレーションバイアルに、5.0mLのPackard soluene-350(Packard Instrument Company, Meriden, CT)のアリコートを加えて粉末を溶解させた。投薬適用部分を含む爪の中央の上部すなわち中間および外側の層をサンプリング領域と同じ直径に切り、5.0mLのpackard soluene-350と一緒にガラス製のシンチレーションバイアルに入れた。爪の残りの部分も5.0mLのpackard soluene-350と一緒にガラス製のシンチレーションバイアルに入れた。
ドリル穿孔を行って粉末のコアを集める前と後の爪板の重量の差を測定することで、取り除かれた爪試料の量を測定した。
放射能測定
放射能測定はいずれも、モデル1500の液体シンチレーションカウンター(Packard Instrument Company, Downer Grove, IL)を用いて行った。装置の取扱説明書に詳しく説明されているように、クエンチした標準およびクエンチしていない標準の密封試料を用いて、カウンターの精度を検査した。14Cカウント効率は95%以上である。packard soluene-350で前処理した爪試料をすべて40℃で48時間培養した後、シンチレーションカクテル(HIONIC-FLUOR, Packard Instrument Company, Meriden, CT)10mLを加えた。他の試料(標準投薬量、表面洗浄、床材料)をUniversal ESシンチレーションカクテル(ICN Biomedicals, Costa Mesa, CA)と直接に混合した。バックグラウンドの対照および被検試料を各放射能について3分間カウントした。
データ解析
すべての試料のカウント(dpmで示す)をコンピュータ上のスプレッドシート(Microsoft Excel)に手で書き写した。爪、床材料、および洗浄試料の被検化学物質等価物の個々および平均(±S.D.)量を、各時点でのdpm、μCi、投与された用量の割合、mg当量で示した。14C標識した被検化学物質の濃度を、各[14C]被検化学物質の比活性に基づく値から計算で求めた。局所用製剤における非標識被検化学物質の濃度情報を製造業者から得た。被検化学物質等価物の総濃度は、14C標識した被検化学物質の濃度および非標識被検化学物質の濃度の合計値である。各爪試料における被検化学物質等価物の総量値を、試料の放射能、総mg被検化学物質等価物と被検化学物質の放射能の比に基づく値から求めた。データを試料の重量で除してさらを規準化した。2群ごとに爪試料の統計的な有意性をスチューデントのt検定で分析した。
結果
爪試料の特徴
両方の群(グループA群およびグループC)でも、爪板全体の厚さ、カッターで取り除いた腹側表面のコア試料の深さ、爪全体の厚さの割合、および粉末爪試料の実際の重量を集めた。2つの群の間に統計的な差はみられない(P>0.05)。
爪における重量規準化C10およびシクロピロクス等価物
爪試料の各部(層)における規準化薬剤等価物を図3にまとめておく。重量規準化後、背側/中間中心、腹側/中間中心、および残部の爪試料におけるC10等価物の濃度がシクロピロクス等価物の場合よりも有意に高かった(p≦0.002)。
綿球爪支持床におけるC10およびシクロピロクス等価物
支持床綿球試料におけるC10およびシクロピロクス等価物を図4にまとめておく。爪板試料における重量規準化したC10等価物と同様、グループA(14日間の投薬後)の綿球試料あたりのC10等価物の絶対量がグループCのシクロピロクスの場合よりも有意に高かった(p≦0.004)。これらの2つの被検化学物質の差は250倍であった。
14日間の治療後の[14C]−C10および[14C]−シクロピロクスの放射能の質量バランス
洗浄、爪試料、支持床綿球試料からの放射線回収率を表5にまとめておく。炭素−14の累積放射能回収率は、グループAおよびグループCの適用投薬量でそれぞれ、88±9.21、89±1.56パーセントであった。88%が放射性標識材料からなるものであった。
結果
この研究では、4通りの異なる投薬および洗浄方法によるヒトの爪へのアナコール(Anacor)局所用製剤中の[14C]−C10および[14C]−シクロピロクス(市販のラッカー中、8%w/w)の浸透速度を調べた。
以上の結果から、[14C]−シクロピロクスに比して、爪の奥深くまでかなり多くの量の[14C]−C10が浸透していることが分かる。表3および4に、グループAでの爪層および綿球支持床の内側/中間の中心における[14C]−C10等価物の量が14日間の投薬期間後にグループCよりも統計的に高かった(p≦0.002)ことを示す。
実施例19
ヒトの爪へのC10の浸透の決定
この実験の目的は、フルスケールの実験でMedPharm製TurChub(登録商標)モデルhttp://www.medpharm.co.uk; specifically http://www.medpharm.co.uk/downloads/ Skin%20and%20nail%20dec%202003.pdf; viewed February 14, 2006を参照のこと)を用いて単純なビヒクル中のC10の爪周囲吸収を評価および比較することであった。C10を用いて同じことを6回繰り返して行い、製剤Y(市販のラッカー中、8%シクロピロクスw/w)およびZ(ロセリル(Loceryl)、市販のラッカー中、5%アモロルフィンw/v)を基準製剤として用いた。
これらの実験では以下の材料を用いた。これらの使用した材料は何ら手を加えることなく用いた。
50:50プロピレングリコール:酢酸エチル中、被検化合物C10を40μL/cmの用量で、5日間にわたって毎日爪の全厚試料に適用した。基準製剤についてはどちらも同じ用量で適用した。
TurChub(登録商標)阻害実験領域
ヒトの爪の全厚に浸透させた後の紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)(紅色白癬菌(T. rubrum))増殖の阻害について、阻害測定領域を用いて、プラセボ、ビヒクル中の被検物質C10、基準製剤YおよびZを試験した。
製剤の効力試験
図5〜図9は、阻害アッセイのTurChub領域で得られた結果を示している。C10が、爪の全厚に浸透して標的生物である紅色白癬菌(T. rubrum)に対してその効果を発揮できる効力のある抗真菌剤であることを観察することができる。基準製剤YおよびZまたはC10のプラセボでは、阻害領域は観察されなかった。C10を用いる実験をもう一度繰り返して結果を確認し、図6および図7から、C10が、1回目の実験では100%、67%、46%、57%、38%および71%、2回目の実験では74%、86%、100%、82%、100%および84%の阻害領域を示すことを観察することができる。爪から最初に増殖が観察された点まで測定した。
試験系としてMedPharm社のTurChub阻害アッセイ領域を用いて得られた結果から、被検物であるC10が効力のある抗真菌薬であることが明らかになり、市販の基準製剤YおよびZよりも良好な結果が示された。これらの実験では、化合物が爪の障壁の全厚に浸透して抗真菌活性を示しているように思われる。
実施例20
ヒトの爪へのC10の浸透の決定:用量反応
ヒトの爪への浸透に対する最適な用量反応範囲を決定したところ、1%から15%であった。最適な用量反応を決定するための実験は以下のようにして実施した。
異なる被検化合物濃度での試験を同じ死体から得た爪で実施した。死体の爪を一晩水分補充させ、同じ大きさの4つの正方形に切り、個々のポロキソマ(poloxomer)支持体上に置いた。被検物を、1%、2.5%、5%、7.5%、10%および15%w/vでラッカーに配合した。40μL/cmの用量を爪片の中央に適用し、爪を24時間放置する。爪をポロキソマ支持体から取り除く。LC/MS/MSを用い、化合物量についてポロキソマ支持体を分析する。
実施例21
ピリジニルオキサボロールの調製
21a. メタレーションおよびボロニル化
無水THF(20mL)中の3−ブロモ−4−ヒドロキシメチルピリジン(10.7mmol)およびB(OMe)(2.73mL、11.9mmol)の溶液に、窒素下で−78℃にて、n−BuLi(13.6mL、21.8mmol)を滴加した。冷却浴を取り除いた。混合物を攪拌しながら30分間徐々に温めた後、水浴を用いて2時間攪拌した。食塩水を加え、6NのHClを用いてpHを7に調整した。混合物をTHF(×2)で洗浄し、水層(生成物を含有)が蒸留して乾燥させた。残渣をTHFで洗浄し、生成物をエタノール(×2)に抽出した。エタノールを真空中で除去し、残渣に水を加え、真空中で除去した。トルエンを加え、真空中で除去した。このようにして得られる残渣をジエチルエーテルで粉末化し、生成物を濾過により回収してC12を得た。
21b. 7−ヒドロキシ−2,1−オキサボロラノ[5,4−c]ピリジン[[1,2]オキサボロロ[3,4−c]ピリジン−1(3H)−オール](C12)
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δppm5.00(s,2H),7.45(d,J=5.0Hz,1H),8.57(d,J=5.3Hz,1H),8.91(s,1H),9.57(s,1H)。ESI−MSm/z134(M−H),CBNO=135。
実施例22
環状ボリン酸エステル
本明細書に記載の方法で別の化合物を製造することができる。1または3などの適当な出発材料を選ぶことで、実施例1〜7を用いて以下の化合物を配合することができる。入手できるのであれば、これらの化合物の融点の特性決定を行う。
22. 結果
構造Iの例示としての化合物についての分析データを以下にあげておく。
22a エチル2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)アセテート(C41)

融点134〜137℃。例示としての出発材料:エチル2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)アセテート。
22b 2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)酢酸(C42)

融点163〜166℃。例示としての出発材料:エチル2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)アセテート。対応するエステルの鹸化後に表題化合物が得られる。
22c 6−(チオフェン−2−イルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C43)

融点99〜104℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(チオフェン−2−イルチオ)フェニル)メタノール。
22d 6−(4−フルオロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C44)

融点135〜138℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル)メタノール。
22e 1−(3−((1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)メチル)フェニル)ペンタン−1−オン(C45)

融点96〜98℃。例示としての出発材料:1−(3−((4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)メチル)フェニル)ペンタン−1−オン。
22f 2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)−1−(ピペリジン−1−イル)エタノン(C46)

融点158〜163℃。例示としての出発材料:2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)−1−(ピペリジン−1−イル)エタノン。
22g 2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)−1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン(C47)

融点190〜195℃。例示としての出発材料:2−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)−1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン。
22h 6−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C48)

融点135〜138℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)メタノール。
22i 6−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C49)

融点163〜171℃。例示としての出発材料:ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。調製についてはJACS 82, 2172, 1960を参照のこと。
22j 6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C50)

融点145〜148℃。例示としての出発材料:6−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22k 6−(ジメチルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C51)

融点120〜123℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22l N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)ベンズアミド(C52)

融点186〜193℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22m 6−(4−フェニルピペラジン−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C53)

融点159〜161℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−フェニルピペラジン−1−イル)フェニル)メタノール。
22o 6−(1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C55)

融点135〜140℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
22p 6−モルホリノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C56)

融点128〜132℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−モルホリノフェニル)メタノール。
22q 6−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)ニコチノニトリル(C57)

融点193〜198℃。例示としての出発材料:6−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)ニコチノニトリル。
22r 5−フルオロ−6−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C58)

融点162〜167℃。例示としての出発材料:5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22s 5−ブロモ−6−(ヒドロキシメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C59)

融点>257℃。例示としての出発材料:(2,5−ジブロモ−4−(メトキシメチル)フェニル)メタノール。
22t 3,7−ジヒドロ−1,5−ジヒドロキシ−1H,3H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2]オキサボロール(C60)

融点>250℃。例示としての出発材料:(2,5−ジブロモ−1,4−フェニレン)ジメタノール。
22u 1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)−3−フェニル尿素(C61)

融点213〜215℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22v N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)ベンゼンスルホンアミド(C62)

融点175〜184℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22w N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)アセトアミド(C63)

融点176〜185℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22x 7−(ヒドロキシメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C64)

融点241〜250℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−1,3−フェニレン)ジメタノール。
22y 7−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C65)

融点107〜111℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−3−メチルフェニル)メタノール。
22z 6−(3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C66)

融点159〜163℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
22aa 3−(1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル(C67)

融点135〜141℃。例示としての出発材料:3−(1−(3−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル。
22bb 6−(5−メトキシ−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C68)

融点120〜124℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(5−メトキシ−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
22cc 5,6−メチレンジオキシベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C69)

融点185〜189℃。例示としての出発材料:(6−ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノール。
22dd 6−アミノ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C70)

融点142〜145℃。例示としての出発材料:6−ニトロ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22ee 6−(ベンジルアミノ)−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C71)

融点159〜164℃。例示としての出発材料:6−アミノ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22gg 6−(5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C72)

融点135〜141℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
22gg 3−(1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)−5−メトキシ−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル(C73)

融点149〜154℃。例示としての出発材料:3−(1−(3−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−メトキシ−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル。
22hh 4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−7−イルオキシ)ベンゾニトリル(C74)

融点148〜153℃。例示としての出発材料:4−(2−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)ベンゾニトリル。
22ii 6−(5−クロロ−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C75)

融点149〜154℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(5−クロロ−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
22jj 3−(5−クロロ−1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イル)−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル(C76)

融点>225℃。例示としての出発材料:3−(1−(3−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−5−クロロ−1H−インドル−3−イルチオ)プロパンニトリル。
22kk 6−(ベンジルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C77)

融点126〜133℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22ll 6−(ジベンジルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C78)

融点115〜123℃。例示としての出発材料:6−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22mm 7−(4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C79)

融点215℃で分解。例示としての出発材料:4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−7−イルオキシ)ベンゾニトリル。
22nn 6−(5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C80)

融点145〜151℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル)フェニル)メタノール。
22pp 6−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C82)

融点NA℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)メタノール。
22qq 7−(ベンジルオキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C83)

融点NA℃。例示としての出発材料:(3−(ベンジルオキシ)−2−ブロモフェニル)メタノール。
22rr 4−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−6−イルチオ)ピリジニウムクロリド(C84)

融点NA℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(ピリジン−4−イルチオ)フェニル)メタノール。
22ss 6−(ピリジン−2−イルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C85)

融点NA℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(ピリジン−2−イルチオ)フェニル)メタノール。
22tt 7−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C86)

融点120〜124℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−3−フルオロフェニル)メタノール。
22uu 6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C87)

融点98〜105℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)メタノール。
22vv 6−(4−クロロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C88)

融点157〜161℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル)メタノール。
22ww 6−(4−クロロフェニルスルフィニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C89)

融点154〜161℃。例示としての出発材料:6−(4−クロロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22xx 6−(4−クロロフェニルスルホニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C90)

融点157〜163℃。例示としての出発材料:6−(4−クロロフェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22yy N−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イル)−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド(C91)

融点142〜152℃。例示としての出発材料:N−(4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド。
22zz 6−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C92)

融点111〜113℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)メタノール。
22aaa 6−(4−(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C93)

融点79〜88℃。例示としての出発材料:6−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール。
22bbb 6−(4−(メチルチオ)フェニルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C94)

融点117〜120℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(4−(メチルチオ)フェニルチオ)フェニル)メタノール。
22ccc 6−(p−トリルチオ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロル−1(3H)−オール(C95)

融点139〜144℃。例示としての出発材料:(2−ブロモ−4−(p−トリルチオ)フェニル)メタノール。
22ddd 3−((1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロル−5−イルオキシ)メチル)ベンゾニトリル(C96)

融点147〜150℃。例示としての出発材料:3−((4−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)メチル)ベンゾニトリル。
実施例23
3から4の別の調製
22.0Lの3口フラスコは、攪拌モータ、N流入口、添加用漏斗、加熱用マントル、および冷却器が備わっていた。フラスコに3500g(17.1mol)の2−ブロモ−5−フルオロベンジルアルコールを充填し、続いて3556gのテトラヒドロフランおよび16.4g(0.17mol)のメタンスルホン酸を加えた。次に、400g(4.7mol)の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを10℃で加えた。この工程は発熱を伴うため、発熱がおさまるまでそれ以上の充填をしようにする。温度を27℃まで上げ、15分間攪拌した後、400g(4.7mol)の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを24℃で充填した。再び、温度が上昇した(24℃から38℃)。混合物を15分間攪拌した。発熱がおさまったら、400g(4.7mol)の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを35℃でフラスコに充填した。再び、温度が20分間にわたり47℃まで上昇した。発熱がおさまったら、混合物を15分間攪拌した。最後に、残りの400g(4.7mol)の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを44℃で加えた。温度が51℃まで上昇した。1時間攪拌した後、試料を取り出して、出発材料が除去されているかどうかを確認した。反応終了時、内容物を20±5℃まで冷却した。
実施例24

4から5の別の調製
攪拌モータ、N流入口、添加用漏斗、冷却浴、冷却器を備える22.0Lの3口フラスコに、436g(17.96mol)の削り屑状マグネシウムを充填した。5334gのテトラヒドロフランを加えた後、トルエン中の291g(0.51mol)の水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)(25%wt)を加えた。混合物を20±5℃で60分間攪拌した。気体の発生が認められた。次に、THF中の260〜430g 約3〜5%(4の溶液をドラムに滴下した場合は重量比)の4を加えた。混合物を15〜30分間攪拌し、この時点でわずかな発熱が認められるはずである(ΔT=10〜15℃)。発熱が見られたら、反応混合物を5±5℃まで冷却した。混合物に、温度を30℃未満に維持できるような速度で(t=3h)、THF中の残りの8.22〜8.39kgの4を加えた。反応物を20〜25℃で30分間攪拌し、この時点でアリコートを除去し、3NのHCl(10mL)でクエンチし、分析した。
終了時、内容物を−25±5℃まで冷却した。2665g(25.7mol)のホウ酸トリメチルおよび6666gのテトラヒドロフランとを混合して、THF中のホウ酸トリメチルの溶液を調製した。この溶液は円筒形容器中で攪拌しながら調製することができるものである。
次に、温度を−35から−20℃に維持できるような速度(t=2.5h)で、THF中の9331gのホウ酸トリメチルを加えた。混合物が極めて濃くなったため、THFを加えた。−25±5℃で10分間攪拌した後、50mLのアリコートを除去し、3NのHClを25mL用いてクエンチし、CoRに供した。−25±5℃で1時間攪拌を継続した後、混合物を放置して周囲温度まで温め、少なくとも12時間攪拌した。2つの試料(一方は6時間、もう一方は12時間)を引き抜く。
結果:
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.45−1.75(m,6H),3.53(s,6H),3.45(m,1H),3.75(m,1H),4.69(t,J=3Hz,1H),4.97(d,J=14.1Hz,1H),5.14(d,J=14.1Hz,1H),7.03((td,J=8.4,2.7Hz,1H),7.24(dd,J=10.8,2.1Hz,1H),7.89(t,J=7.8Hz,1H),8.76(s,1H)。
実施例25
5からIの別の調製

上記の反応混合物に、5.3kgのUSP水を加えた。30分間の攪拌後、混合物に5.3kgの酢酸を充填した。気体の発生が認められた。30分間攪拌後、分析のためにアリコートを除去した。次に、36〜48時間で混合物を還流するまで加熱した。還流時間のあいだ、12〜13LのTHFが除去された。
反応が終了したら、ジャケットをセットし、10.5kgのUSP水を充填することで、内容物を反応器によって40℃以下まで冷却した。留出液が残らなくなるまでTHFを除去した。反応器の内容物をRosenmundフィルタドライヤーに移し、20±5℃まで自然に冷却した。反応器を水ですすぎ、濾過し、再度10.5kgのUSP水で洗浄した。フラスコに10.5kgの10%ACN水溶液(v/v)を充填し、1時間攪拌した。濾過後、ケークを10.5kgの10%ACN水溶液(v/v)で洗浄し、10.5kgの10%ACN水溶液(v/v)を充填した。内容物を1時間攪拌した。続いて、内容物を10.5kgのUSP水で洗浄し、7.0Lの5%メチルt−ブチルエーテル(MTBE)/ヘプタン(v/v)を充填し、1時間攪拌し、濾過し、7.0Lの5%MTBE/ヘプタン(v/v)を充填し、再度1時間攪拌した。濾過後、再び内容物に7.0Lのヘプタンを充填し、濾過した。45℃以下で固体を乾燥させて一定の重量にした。固体をトルエン:ヘプタン75:25から再結晶化させた。
実施例26
C10中間体の別の調製

[[4−フルオロ−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸
2−ブロモ−5−フルオロベンジルアルコール(5g、24.4mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させた。この溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(3.2mL、36.6mmol)および(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(117mg、0.5mmol)を加え、室温にて窒素下で4時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウムを加え、反応物をクエンチした。これをジクロロメタンで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、真空中にて濃縮して[1−ブロモ−4−フルオロ−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]ベンゼンを無色の油(7g、100%)として得た。
[1−ブロモ−4−フルオロ−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]ベンゼン(1.8g、6.2mmol)をTHFに溶解させ、−78℃まで窒素下で冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)(6.2mL、9.3mmol)を滴下して加えた後、ホウ酸トリイソプロピル(2.2mL、9.3mmol)を加えた。この混合物を徐々に室温まで温め、3時間攪拌した。水を加えて反応物をクエンチした。これを酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中にて濃縮した。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=4:1から2:1)精製後、[[4−フルオロ−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸を白色固体(1.1g、70%)として得た。
結果:
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.45−1.74(m,6H),3.44(m,1H),3.75(m,1H),4.58(d,J=13.2Hz,1H),4.64(t,J=3Hz,1H),4.79(d,J=13.2Hz,1H),7.03(td,J=8.4,2.7Hz,1H),7.13(dd,J=10.8,2.7Hz,1H),7.50(t,J=6.9Hz,1H)。
実施例27
C10中間体の別の調製

[[4−フルオロ−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸ジメチルエステル
[[4−フルオロ−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸(100mg)を乾燥メタノールに溶解させ、溶液を繰り返し蒸留して水を除去した。得られた残渣をすみやかにNMRで特性決定したところ、ジメチルエステルおよびモノメチルエステルを含有する混合物であることが分かった。
[[4−フルオロ−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸ジメチルエステル。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.45−1.75(m,6H),3.43(s,6H),3.45(m,1H),3.75(m,1H),4.69(t,J=3Hz,1H),4.97(d,J=14.1Hz,1H),5.14(d,J=14.1Hz,1H),7.03((td,J=8.4,2.7Hz,1H),7.24(dd,J=10.8,2.1Hz,1H),7.89(t,J=7.8Hz,1H)。
[[4−フルオロ−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸モノメチルエステル
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.45−1.75(m,6H),3.53(s,6H),3.45(m,1H),3.75(m,1H),4.69(t,J=3Hz,1H),4.97(d,J=14.1Hz,1H),5.14(d,J=14.1Hz,1H),7.03((td,J=8.4,2.7Hz,1H),7.24(dd,J=10.8,2.1Hz,1H),7.89(t,J=7.8Hz,1H),8.76(s,1H)。
実施例28
C10中間体の別の調製

[(4−フルオロ−2−メトキシメトキシメチル)フェニル]ボロン酸
[1−ブロモ−4−フルオロ−6−メトキシメトキシメチル]ベンゼン(525mg、2mmol)をTHFに溶解させ、−78℃まで窒素下で冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)(1.5mL、2.4mmol)を滴下して加えた後、ホウ酸トリイソプロピル(0.7mL、2.4mmol)を加えた。混合物を徐々に室温まで温め、3時間攪拌した。水を加えて反応物をクエンチした。これを酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中にて濃縮した。ヘキサン:酢酸エチル=4:1からの再結晶化後、[(4−フルオロ−2−メトキシメトキシメチル)フェニル]ボロン酸を白色固体(340mg、75%)として得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)3.28(s,3H),4.70(s,2H),5.02(s,2H),7.04(td,J=9.0,3.0Hz,1H),7.23(dd,J=11.1,2.4Hz,1H),7.90(t,J=7.8Hz,1H)。
実施例29
C17中間体の別の調製

[[4−[4−シアノフェノキシ]−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸
2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジルアルコール(10.4g、34.2mmol)をジクロロメタン(110mL)に溶解させた。この溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(9.2mL、101mmol)および(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(156mg、0.67mmol)を加え、室温にて窒素下で3時間攪拌した。メタンスルホン酸(50μL、0.77mmol)を加え、反応物を一晩攪拌した。飽和重炭酸ナトリウムを加え、反応物をクエンチした。これを酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、真空中にて濃縮して、[1−ブロモ−4−(4−シアノフェノキシ)−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]ベンゼンを無色の油(13.3gquant.)として得た。
[1−ブロモ−4−(4−シアノフェノキシ)−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]ベンゼン(13.3g、34.2mmol)をTHF(100mL)に溶解させ、ホウ酸トリイソプロピル(8.5mL、37mmol)を加え、反応物を−78℃まで窒素下で冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)(22mL、35.2mmol)を滴下して加えた。混合物を徐々に室温まで温め、一晩攪拌した。THFを真空中除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。続いて、これを水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中にて濃縮した。粗製物の一部のカラムクロマトグラフィ(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル2:1)精製後、[[4−(4−シアノフェノキシ)−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸を透明な油(500mg、4%)として得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d+DO)δ(ppm)1.35−1.75(m,6H),3.40(m,1H),3.73(m,1H),4.58(d,J=13.2Hz,1H),4.59(s,1H),4.77(d,J=12.7Hz,1H),6.99(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),7.05(m,3H),7.54(d,J=7.9Hz,1H),7.81(d,J=8.8Hz,2H)。

透明な油(500mg、4%)としての[[4−(4−ペンタノイルフェノキシ)−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸も単離された。H−NMR(300MHz,DMSO−d+DO)δ(ppm)),0.85(t,J=7.5Hz,3H),1.20−1.75(m,10H),2.93(t,J=7.0Hz,2H),3.42(m,1H),3.70(m,1H),4.58(d,J=12.8Hz,1H),4.60(s,1H),4.78(d,J=13.2Hz,1H),6.94(d,J=8.4Hz,1H),7.03(d,J=8.4Hz,2H),7.04(s,1H),7.54(d,J=8.4Hz,1H),7.96(d,J=8.4Hz,2H)。
実施例30
C17中間体の別の調製

[[4−[4−シアノフェノキシ]−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸ジメチルエステル
C10の実施例II Eと同じ方法を用いて、[[4−(4−シアノフェノキシ)−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸のモノメチルエステルおよびジメチルエステルの混合物を合成した。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.35−1.80(m,6H),3.40−3.50(m,7H),3.60−3.70(m,1H),4.43(d,J=12.7Hz,1H),4.60−4.80(m,2H),6.95−7.15(m,4H),7.38(d,J=8.4Hz,1H),7.80−7.90(m,2H)。
[[4−[4−シアノフェノキシ]−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸モノメチルエステル
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)1.35−1.80(m,6H),3.40−3.50(m,1H),3.55(s,3H),3.60−3.70(m,1H),4.55(d,J=12.8Hz,1H),4.60−4.80(m,2H),6.95−7.15(m,4H),7.53(d,J=7.9Hz,1H),7.80−7.90(m,2H),8.77(s,1H)。

上記と同じ方法で、[[4−(4−ペンタノイルフェノキシ)−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸のモノメチルエステルおよびジメチルエステルの混合物を合成した。
[[4−(4−ペンタノイルフェノキシ)−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸ジメチルエステル
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)0.87(t,J=7.3Hz,3H),1.25−1.80(m,10H),2.94(t,J=7.3Hz,2H),3.40−3.50(m,7H),3.60−3.70(m,1H),4.43(d,J=12.8Hz,1H),4.60−4.80(m,2H),6.90−7.10(m,4H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.95−8.05(m,2H)。
[[4−(4−ペンタノイルフェノキシ)−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル]フェニル]ボロン酸モノメチルエステル
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm)0.87(t,J=7.3Hz,3H),1.25−1.80(m,10H),2.94(t,J=7.3Hz,2H),3.40−3.50(m,1H),3.55(s,3H),3.60−3.70(m,1H),4.55(d,J=12.8Hz,1H),4.60−4.80(m,2H),6.95−7.15(m,4H),7.52(d,J=7.9Hz,1H),7.95−8.05(m,2H),8.75(s,1H)。
実施例31
C10中間体の別の調製


CDCl(0.75mL)中の2−ブロモ−5−フルオロベンジルアルコール(16mg、0.078mmol)の溶液のを含む事前に記録したNMRチューブにホウ酸トリイソプロピル(0.036mL、2当量、0.156mmol)を注入し、この溶液を室温で30秒間手短に超音波処理した。H NMRの決定を行ったところ、所望のアルコール−ホウ酸エステル中間体が74.3mol%、未知の中間体19.3mol%、未反応アルコール6.3mol%があることが明らかになった。
結果:
(2−ブロモ−5−フルオロベンジル)ジイソプロピルホウ酸エステルのH NMR(CDCl、300MHz):δ=7.45(dd,J=8.7Hz,J=5.1Hz,1H),7.20(dd,J=9.6Hz,J=2.7Hz,1H),6.84(td,J=8.1Hz,J=3.3Hz,1H),4.84(s,2H),4.44(septet,J=6.0Hz,2H),1.18(d,J=6.0Hz,12H)ppm。未知の中間体のH NMR(CDCl、300MHz):δ=7.47−7.42(1H、生成物のピークとオーバーラップ),7.16(dd,1H,生成物のピークと部分的にオーバーラップ),6.91−6.81(1H、生成物のピークとオーバーラップ),4.94(s,2H)、およびオーバーラップによる他の未知のピーク。混合前に事前に記録した2−ブロモ−5−フルオロベンジルアルコールのH NMR(CDCl、300MHz):δ=7.48(dd,J=9.0Hz,J=5.4Hz,1H,ホウ酸トリイソプロピルとの混合後に生成物のピークとオーバーラップ),7.26(dd,J=9.3Hz,J=3.3Hz,1H,混合後に強度は低下したが分離した),6.88(td,J=8.3Hz,J=3.0Hz,1H,混合後に生成物のピークとオーバーラップ),4.71(s,2H,CH強度は混合後に低下したが分離した),2.04(s,1H,ホウ酸トリイソプロピルとの混合後にOH消失)ppm。
実施例32
C17中間体の別の調製

実施例II Iで説明した手法に従って、現段階でのアルコール−ホウ酸エステル中間体のH NMR特性決定を行った。H NMRの決定を行ったところ、所望のアルコール−ホウ酸エステル中間体である[2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジル]ジイソプロピルホウ酸エステルが72.7mol%、未知の中間体20.7mol%、未反応アルコール6.5mol%があることが分かった。[2−ブロモ−5−(4−シアノフェノキシ)ベンジル]ジイソプロピルホウ酸エステルのH NMR(CDCl、300MHz):δ=7.61(d,J=9.0Hz,2H),7.52(d,J=8.4Hz,1H),7.15(d,J=3.0Hz,1H),7.03(d,J=8.7Hz,2H),6.84(dd,J=8.7Hz,J=3.0Hz,1H),4.85(s,2H),4.35(septet,J=6.1Hz,2H),1.11(d,J=6.1Hz,12H)ppm。
実施例33
別の調製

実施例II Iで説明した手法に従って、現段階でのアルコール−ホウ酸エステル中間体のH NMR特性決定を行った。H NMRの決定を行ったところ、所望のアルコール−ホウ酸エステル中間体である[2−ブロモ−4−(4−クロロフェニルチオ)ベンジル]ジイソプロピルホウ酸エステルが73.5mol%、未知の中間体20.2mol%、未反応アルコール6.2mol%があることが分かった。[2−ブロモ−4−(4−クロロフェニルチオ)ベンジル]ジイソプロピルホウ酸エステルのH NMR(CDCl、300MHz):δ=7.48(d,J=1.8Hz,1H),7.40(d,J=8.3Hz,1H),7.27(s,4H),7.25(dd,J=8.3Hz,J=1.8Hz,1H),4.86(s,2H),4.42(septet,J=6.3Hz,2H),1.16(d,J=6.3Hz,12H)ppm。
実施例34
C10−アデノシン錯体

乾燥DMF(100mL)中の1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C10、0.76g、5mmol)、アデノシン(1.34g、5mmol)、および酢酸ナトリウム(0.41g、5mmol)の混合物を、100℃で3時間、窒素雰囲気下で攪拌した。均質な溶液を高真空下にて50℃で回転蒸発させた。残渣を塩化メチレンと混合し、超音波処理し、窒素雰囲気下で濾過し、所望の錯体を白色固体として得て、これを一晩ポンプ吸引した(2.2g、収率100%)。H NMRから、未反応アデノシンが5.7mol%および未反応C10が5.5mol%あり、反応変換が94%を超えていることがが示された。H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=8.33(s,1H),8.12(s,1H),7.35−7.14(broad m,1H),7.29(s,2H),6.80(broad m,1H),6.73(d,J=9.9Hz,1H),5.99(broad d,J=2.1Hz,1H),5.10(very broad s,1H),4.71(dd,J=5.7Hz,J=3.9Hz,1H),4.51(s,2H),4.42(dd,J=6.3Hz,J=3.9Hz,1H),4.07(broad s,1H),3.64(dd,J=12Hz,J=3.6Hz,1H)および3.52(dd,J=12Hz,J=5.1Hz,1H)ppm;融点:残留溶媒により115℃で軟化開始、軟らかな固体のまま保たれ、230℃で分解開始;HPLC:220nmで91.8%(アデノシンが5.3%);MS:m/z=423(M−,ESI−),392(M−CHOH,ESI+)。
実施例35
C17−アデノシン錯体

(C10)の代わりに5−(4−シアノフェノキシ)−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C17、1.25g、5mmol)を用いて、上述した手法を表題錯体の調製に合わせて変更した。一晩ポンプして白色の固体生成物(2.7g、収率100%)を得た。H NMRから、未反応アデノシンが3.5mol%および未反応C17が3.5mol%あり、反応変換が96%を超えることが示された。H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=8.35(s,1H),8.13(s,1H),7.76(d,J=8.7Hz,2H),7.45−7.36(broad m,1H),7.29(s,2H),7.00(d,J=8.7Hz,2H),6.81(broad m,1H),6.73(s,1H),6.01(broad s,1H),5.10(very broad s,1H),4.73(dd,J=6.0Hz,J=3.9Hz,1H),4.54(s,2H),4.45(dd,J=6.0Hz,J=3.9Hz,1H),4.09(broad s,1H),3.65(dd,J=12Hz,J=3.3Hz,1H)および3.54(dd,J=12Hz,J=4.8Hz,1H)ppm;融点:残留溶媒により120℃で軟化開始、軟らかな固体のまま保たれ、230℃で分解開始;HPLC:220nmで92.1%(アデノシンが3.8%)。
実施例36
C28−アデノシン錯体

(C10)の代わりに6−フェニルチオ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C28、1.21g、5mmol)を用いて、C10−アデノシン錯体を合成するための手法を、表題錯体の調製に合わせて変更した。一晩ポンプして白色の固体生成物(2.8g、収率100%)を得た。H NMRから、未反応C28が5mol%あり、反応変換が95%であることがが示された。H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=8.29(s,1H),8.13(s,1H),7.53(broad s,1H),7.29(s,2H),7.32−7.04(m,7H),6.05−5.96(broad m,1H),5.15(very broad s,1H),4.73−4.70(m,1H),4.58(s,2H),4.46(broad s,1H),4.12−4.03(broad m,1H),3.63(dd,J=11.7Hz,J=3.3Hz,1H)および3.52(dd,J=11.7Hz,J=4.8Hz,1H)ppm;融点:残留溶媒により110℃で軟化開始、軟らかな固体のまま保たれ、238℃で分解開始。HPLC:220nmで91.3%(アデノシンが3.8%)。
実施例37
C2−アデノシン錯体

(C10)の代わりに1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール(C2、0.67g、5mmol)を用いて、C10−アデノシン錯体を合成するための手法を、表題錯体の調製に合わせて変更した。一晩ポンプして、クリーム色の固体生成物(2.18g、収率100%)を得た。H NMRから、未反応C2が4.5mol%あり、反応変換が94%を超えることが明らかになった。H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=8.33(s,1H),8.13(s,1H),7.42−7.20(broad m,1H),7.30(s,2H),7.03−6.94(m,3H),6.02(d,J=3.6Hz,1H),5.25(very broad s,1H),4.73(dd,J=5.7Hz,J=4.2Hz,1H),4.56(s,2H),4.46(dd,J=6.0Hz,J=3.9Hz,1H),4.10(broad q,J=3.3Hz,1H),3.66(dd,J=12Hz,J=2.7Hz,1H)および3.52(dd,J=11.7Hz,J=4.8Hz,1H)ppm;融点:残留溶媒により115℃で軟化開始、軟らかな固体のまま保たれ、233℃で分解開始。HPLC:220nmで91.6%(アデノシンが5.9%)。
実施例38
メチルβ−D−リボフラノシドの合成

5gのD−リボースを100mLのメタノールに溶解させ、0℃に冷却した。濃硫酸0.5mLを加え、溶液を−20℃で48時間保管した。炭酸ナトリウム床を通して溶液を中和し、真空下で水分を蒸発させて粘性の油にした。酢酸エチル中の10%メタノールで溶出するシリカカラムで粗製材料を精製し、2.1グラムのメチルβ−D−リボフラノシドを得た。
H NMR 300MHz(DMSO−d)δ4.97−4.99(d,J=4.8Hz,1H),4.76−4.79(d,J=6.6Hz,1H),4.57−4.62(m,2H),3.76−3.80(m,1H),3.72−3.74(m,1H),3.66−3.71(m,1H),3.44−3.50(m,1H),3.26−3.34(m,1H),3.19(s,3H)。
実施例39
一般的な錯体形成方法

メチルβ−D−リボフラノシド300mgを20mlのジメチルホルムアミドに溶解させた。この溶液に、1当量のボロン酸エステルおよび0.5当量の微粉末炭酸ナトリウムを加えた。反応混合物を100℃まで加熱し、3時間攪拌した後、真空下で溶媒を蒸留した。残渣を酢酸エチルで共に蒸発させた(co-evapotate)後、ジクロロメタン中で超音波処理し、濾過して乳白色の固体を得た。
C10−メチルリボース錯体

H NMR 300MHz(DMSO−d)δ7.28(bs,1H),6.68−6.77(m,2H),4.71(s,1H),4.52−4.55(m,3H),4.26−4.28(d,J=5.1Hz,1H),4.17−4.19(d,J=5.7Hz,1H),3.95−4.00(t,J=6.8Hz,1H),3.31−3.36(m,2H),3.19(s,3H)。
C17−メチルリボース錯体

H NMR 300MHz(DMSO−d)δ7.73−7.76(d,J=6.9Hz,2H),7.38−7.41(d,J=7.8Hz,1H),6.96−6.99(d,J=6.9Hz,2H),6.72−6.75(d,J=7.5Hz,1H),6.68(s,1H),4.70(s,1H),4.49−4.51(m,3H),4.23−4.25(d,J=5.4Hz,1H),4.14−4.16(d,J=5.4Hz,1H),3.95−3.98(m,1H),3.22−3.26(t,J=6.0,1H),3.19(s,3H),3.13−3.14(d,J=2.1,1H)。
C2−メチルリボース錯体

H NMR 300MHz(DMSO−d)δ7.31(bs,1H),6.87−6.95(m,3H),4.70(s,1H),4.46−4.50(m,3H),4.20−4.22(d,J=5.7,1H),4.12−4.14(d,J=6.0Hz,1H),3.94−3.99(t,J=7.8Hz,1H),3.30−3.34(m,2H),3.19(s,3H)。
C28−メチルリボース錯体

H NMR 300MHz(DMSO−d)δ7.48(bs,1H),7.21−7.26(m,2H),7.05−7.12(m,4H),6.98−7.01(d,J=7.8Hz,1H),4.65(s,1H),4.47−4.58(m,3H),4.22−4.24(d,J=5.7Hz,1H),4.13−4.15(d,J=6.0Hz,1H),3.89−3.93(t,J=6.6Hz,1H),3.28−3.32(t,J=6.5,1H),3.13−3.16(m,4H)。
実施例40
作用機序
この研究の目的は、モデル真菌であるサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)におけるC10の作用機序(MOA)を決定することにある。
40.1 方法
C10耐性変異株の選択肢に半数体Saccharomyces cerevisiae株ATCC 201388を用いた。4倍、8倍、16倍MICのC10を含むYPD寒天板から自然耐性突然変異株(spontaneous resistant mutants)およびEMS誘発耐性変異株を単離した。YPDまたは合成培地を用いたこと以外はNCCLSプロトコールM27を用いて最小発育阻止濃度(MIC)を決定した。酵母および分子遺伝学的操作はいずれも、基本的にはGuthrie C., et al., Methods in Enzymology, 350: Part B, (2002)に記載されているようにして実施した。
40.2 結果と考察
S. cerevisiaeから合計で11のC10耐性変異株を単離し、すべての変異株が優性で、C10に対するMICにおいて8から64倍の増加を示した。これらの変異株をさらに特性決定したところ、アムホテリシンB、セルレニン、イトラコナゾール、アクレアシンA、テルビナフィン、ツニカマイシン、シクロピロクス、シクロヘキサミドおよびニッコマイシンZを含むいくつかの既知抗真菌剤に対して耐性ではないことが示された。C10耐性変異株の11の変異はいずれも、S. cerevisiaeの40個のアミノアシル−tRNA合成酵素の1つで、重要な細胞質ロイシル−tRNA合成酵素である、CDC60の修正ドメインの9個のアミノ酸残基にマッピングされた。2μMのプラスミドにさらに、CDC60のコピーを複数持つS. cerevisiae株のほうがC10に対する耐性が8倍高かった。変異株と過剰発現データとの組み合わせから、CDC60がC10の標的であると推定される。すべての変異がCDC60の修正ドメインに存在することは、C10がCDC60を新規な機構で阻害することを示している。
白癬菌(Trichophyton)種にゲノム断片または遺伝学的手段が欠如していることにより白癬菌(Trichophyton)種におけるC10の作用機序を研究するのが困難になるため、モデル真菌Saccharomyces cerevisiaeを用いた。
40.3 材料および方法
40.3a 化学物質、菌株、およびプラスミド
Anacor Pharmaceuticals, Inc. (Palo Alto, CA, USA)からC10(5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールを得た。S. cerevisiae株とプラスミドはすべて、ATCC(Manassas, VA, USA)から入手した。半数体Saccharomyces cerevisiae株ATCC 201388(MATa his3Δ1 leu2Δ0 met5Δ0 ura3Δ0)を用いて変異株を生成する一方で、ATCC 200901(MATα leu2Δ0 lys2Δ0 ura3Δ0)を用いてC10耐性変異株と接合し(mate)、変異の遺伝的優位を決定した。CEN6、leu2、ampR遺伝子を持ち、酵母の低コピープラスミドである酵母−E.coliシャトルプラスミドpRS315(Sikorski RS et al., Genetics 122: 19-27, (1989))を、ゲノムライブラリの構築に用いた。過剰発現実験では、leu2およびampR遺伝子を持ち、酵母の高コピープラスミドである、シャトルベクターpRS425(
1468454036445_226.fcgi?db=PubMed&cmd=Search&term=%22Christianson+TW%22%5BAuthor%5D
et al., Gene 110(1):119-22 (1992))を用いた。
40.3b 自然耐性突然変異株の単離
半数体S. cerevisiae株ATCC 201388をYPDブロス(BD, NJ USA)で30℃にて一晩増殖させ、細胞1mLを、1.6、3.2、または6.4μg/mLのいずれかのC10(C10の4倍、8倍、16倍MICに相当)を含有するYPD寒天板(YPDブロス+1.5%Bacto-寒天、BD, NJ USA)に播種した。30℃での2dインキュベーション後に耐性変異株が現れた。一晩培養した培養希釈物をYPDプレートに播種することにより決定された播種細胞の総数で耐性変異株数を除して、耐性頻度を決定した。
40.3c EMS(スルホン酸エチルメタン)突然変異誘発
YPD培地で増殖させた一晩培養2.5mLを700×gで5分間遠心分離した。細胞ペレットを50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)10mLに再懸濁させた。細胞懸濁液を再度遠心分離し、細胞ペレットをリン酸緩衝液に再懸濁させたところ、Petroff Hausser計数用チャンバ(Horsham, PA USA)で細胞を計数して決定された細胞密度が5×10細胞/mLであった。300μLのEMS(Alfa Aesar, Ward Hill, MA, USA)と一緒に細胞懸濁液を30℃で30分間振盪させた。10%(w/v)チオ硫酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)を加えて突然変異誘発を停止させ、細胞を700×gで5分間遠心分離してペレット化し、1mLの滅菌HOに再懸濁させた。これをもう一度繰り返した後、1.6μg/mLのC10を含有するYPD寒天板に細胞を播種した。
40.3d MICの決定
最小発育阻止濃度(MIC)は、YPDまたは合成培地(SDM)を用いたこと以外は本質的に、M27プロトコールに概説された以下のNCCLSガイドラインに沿って測定した。
40.3e 酵母接合実験
S. cerevisiae ATCC201388由来の半数体変異株をS. cerevisiae ATCC 200901と混合し、YPD寒天板上で30℃にて4時間インキュベートした。二倍体に選択的なアミノ酸のリシンおよびメチオニンのない状態で細胞混合物を合成培地寒天(BD, NJ USA)上で筋状に塗った。
40.3f プラスミドゲノムDNAライブラリの構築
Qiagen(Valencia, CA, USA)から入手したDNeasy組織キットを用いて変異菌株由来のゲノムDNAを単離した。Fermantas(Hanover、MD、USA)から入手したMbo Iで部分消化して4〜10kbのゲノムDNA断片を生成した後、Wizard(登録商標)SVゲルおよびPCRクリーンアップシステム(Promega, Madison WI USA)を用いて精製した。精製DNA断片を、T4 DNAリガーゼ(Fermantas, Hanover MD USA)を用いてBamH I(Fermantas, Hanover MD USA)で消化したpRS315にライゲートした。VSWP 0025フィルタ(Millipore, Billerica, MA, USA)を用いてライゲーション混合物を水に対して透析した後、製造業者のプロトコールに従って大腸菌(Escherichia coli) E.cloni SUPREME細胞(Lucigen, Middleton, WI, USA)にエレクトロポレーションした。形質転換体を200μg/mlのカルベニシリンと一緒にLBプレートに播種し、37℃で一晩培養した。形質転換体をプールし、Qiagenミニプレップキット(Valencia, CA, USA)を用いてプラスミドDNAを単離した。プラスミドライブラリをS. cerevisiaeに形質転換した(Gietz, RD et al., Methods in Enzymology 305: 87-96 (2002))。
40.3g 配列決定
配列決定はいずれもSequetech Corporation(Mountain View, CA USA)で行った。
40.3g(1) 変異のマッピング
変異をさらにCDC60の特定のドメインにマッピングするために、以下の3つのプライマー対を用いた。5’ gcgaaaagaaacctaacgcatattc 3’ および5’ctatcgtgatccatacaagcttgac 3’、5’ cgatagacaatccggtgaaggtgttac 3’および5’catcccaaggcaatctggtacctaacc 3’、ならびに5’ gaaaaatacttagttgagtctttatca 3’ および5’ caccatgaggcatcttgaaatattctc 3’。
40.3h S. cerevisiaeのクローニングと過剰発現野生型CDC60
全CDC60読み枠(ORF)および700bpの上流配列を含む4.0kbのBamH I−Sal I DNA断片を、KOD DNAポリメラーゼ、S. cerevisiaeゲノムDNA(Novagen, Madison, WI, USA)、プライマーGAG GGA TCC GGT TAG TTT TAG TTC GCG AGT GAC CTGおよびGAG GTC GAC GAT TTC TGG TTG CTG TTT ATT GAT CTT(Operon , Alameda, CA, USA)を用いて増幅した。DNA断片を2μMの多コピープラスミドpRS425にクローニングし、S. cerevisiae ATCC201388に形質転換した(Gietz, RD et al., Methods in Enzymology 305: 87-96 (2002))。
40.4 結果と考察
40.4a 耐性変異株の単離
5×10個の細胞から600の自然C10耐性変異株を単離した。これによって耐性頻度が4倍MICで1.2×10−7になった。8倍および16倍MICでも同様の耐性頻度が得られた。本発明者らは、EMSも用いてC10耐性変異株を単離した。EMSを用いると、変異誘発頻度が4,000倍に増加した。8つの自然突然変異株と3つのEMS生成変異株のMICを試験した。すべての変異株がC10に対する耐性が8から64倍の増加を示した(表1)。
40.4b C10耐性変異は他の抗真菌剤に対する耐性を与えるものではない
これらの耐性変異株をさらに特性決定するために、3種類のC10耐性変異株を、作用機序が既知である種々の抗真菌薬に対して試験した。C10耐性変異株はこれらの化合物に対して耐性を示さなかった(表2)ことから、C10がこれらの抗真菌薬とは極めて異なる機序で作用することが示唆される。
40.4c C10に対する耐性は優性である
C10耐性を生じさせる遺伝子を同定するために、まずは変異が優性であるか劣性であるかを決定した。親のS. cerevisiae株および3つの変異株を選択し、S. cerevisiae ATCC 200901と接合した。C10変異株を用いて得られる二倍体のMICは親株を用いて得られる二倍体よりも64倍高いことが見出された(表3)ことから、変異は優性であることが示唆され、よって、これらの3つの半数体C10耐性変異株からプラスミドライブラリを構築した。
40.4d CDC60遺伝子がC10に対する耐性を与える
3つの変異株から構築したプラスミドライブラリをS. cerevisiae ATCC201388に形質転換し、1μg/mLのC10を用いてSDM minusロイシン寒天上で選択した。C10耐性形質転換体からプラスミドDNAを単離し、E. coliの10G細胞にエレクトロポレーションした。このようにして得られるE. coliカルベニシリン耐性形質転換体からのプラスミドDNAをS. cerevisiae ATCC201388に形質転換し、プラスミドがC10耐性に関する遺伝子を持っていることを確認した。C10耐性が付与された各ライブラリからの1つのプラスミドを配列決定し、S. cerevisiaeゲノムデータベース(
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)でのBLASTNサーチで分析した。CDC60遺伝子は、プラスミドライブラリの2つに由来する2つのプラスミドからクローニングした挿入物で同定された唯一の読み枠であった。残りのプラスミドライブラリからクローニングした挿入物に、2つの遺伝子すなわちCDC60およびPET20が見いだされた。このことから、これらのC10耐性変異が、細胞質ロイシル−tRNA合成酵素をコードするCDC60遺伝子に位置することが示唆される。CDC60(ロイシルtRNA合成酵素)は、アミノ酸をtRNAの2’または3’末端に結合する20種類の必須アミノアシル−tRNA合成酵素(ARS)のうちの1つである。
40.4e C10耐性変異はCDC60の修正ドメインにある
3つの変異株由来のプラスミドのDNA配列解析を行ったところ、3つの変異株の各々から得たCDC60に単一のアミノ酸置換があることが明らかになった(表4)。コロニーPCRによってCDC60を増幅することで別の8つの変異株を分析し、このようにして得られる産物をS. cerevisiae ATCC201388に形質転換した。形質転換体はC10に耐性であり、以後の配列解析から、これらはいずれもCDC60の修正ドメイン内に単一のアミノ酸の変化を含むことが明らかになった(表4)。ARSの機能は正しいtRNAに正しいアミノ酸を装填することである。ロイシル−tRNA合成酵素では、修正機構の活性部位が、合成活性部位からの結合性ポリペプチド1(CP1)と呼ばれる別のドメインに位置する(
1468454036445_231.fcgi?db=pubmed&cmd=Search&term=%22Schmidt+E%22%5BAuthor%5D
. et al, Biochemistry 34(35):11204-10 (1995))。11の変異株からのアミノ酸置換はいずれもこのCP1ドメインに局在し、酵素の修正機能およびC10の阻害活性の間の関連性を示していた。
40.4f S. cerevisiaeにおける野生型CDC60の過剰発現
11のC10耐性変異株はいずれもロイシル−tRNA合成酵素の修正ドメインに単一のアミノ酸置換を有する(表4)ため、CDC60がC10の標的ではないことを強く示唆される。ロイシル−tRNA合成酵素が標的であれば、CDC60のコピーを増やせばC10への耐性が高まるはずである。この仮説を試験するために、野生型CDC60遺伝子を多コピープラスミドpRS425にクローニングし、S. cerevisiae ATCC201388に形質転換した。表5に示されるように、この株のMICはpRS425を持っている同じ株の場合よりも8倍高い。
実施例41
C10に対しても耐性であった変異株ロイシルtRNAトランスフェラーゼ分子を単離するための実験
C10に対する耐性を示すクローンの選択肢に、半数体の野生型Saccharomyces cerevisiae株ATCC 201388(MATa his3Δ1 leu2Δ 0 met5Δ 0 ura3Δ 0)を用いた。
ロイシルtRNAトランスフェラーゼの変異を2通りの方法で単離した。一方の組の実験では、EMSを化学的変異誘発物質として用いた。2.5mLの一晩培養物を50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で2回洗浄し、10mLの緩衝液に再懸濁させて約5×10細胞/mlとした。細胞に300μLのEMS(Alfa Aesar, Ward Hill, MA)を加え、次いで振盪しながら30℃で30分間インキュベートした。10%(w/v)チオ硫酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)を加えて突然変異誘発プロセスを停止させた。突然変異誘発サイクルの終わりに、細胞を水で2回洗浄し、C10を含有するYPD寒天板に播種した。
2つ目の方法では、高濃度のC10を含有するYPDプレートから自然突然変異株クローンを単離した。野生型半数体S. cerevisiae株ATCC201388(MATa his3Δ1 leu2Δ 0 met5Δ 0 ura3Δ 0)をDifcoのYPDブロス(1%酵母抽出、2%バクトペプトン、2%グルコース)にて30℃で一晩成長させ、約1.0×10細胞/mlにした。YPDブロスで細胞を10倍に濃縮し、1.6、3.2、6.4μg/mlのC10(C10の4倍、8倍、16倍の最小発育阻止濃度と同等)を含有する30のYPD寒天(DifcoのYPDブロス+1.5%Bacto寒天)プレート各々に100μLを播種した。耐性変異株は30℃でのインキュベーションの2日後に出現した。変異株数と細胞の総数を計数して、耐性頻度を求めた。
NCCLSプロトコールを用いて最小発育阻止濃度(MIC)試験を実施した。さらに、Methods in Enzymology by Guthrie, Cなどに記載の手法で酵母接合実験を実施した。
酵母-E.coliシャトルベクターpRS315を用いて各クローンのゲノムプラスミドライブラリを構築し、S. cerevisiae ATCC201388に形質転換した。0.2ug/mlのC10minusロイシンを含む合成培地で形質転換体を選択した。配列決定作業はいずれも、Sequeteqにより行った。SaccharomycesゲノムデータベースでBlastサーチを実施した。LiAc/PEG法を用いて酵母の形質転換を実施した。S. cerevisiaeゲノムDNAと2つのプライマー5’GAGGGATCCGGTTAGTTTTAGTTCGCGAGTGACC TG 3’、5’GAGGTCGACGATTTCTGGTTGCTGTTTATTGATCTT 3’とを用いてCDC60構築物の過剰発現を行った。
S. cerevisiaeから合計23のC10耐性変異株を単離した。変異株はすべて優性であり、最小発育阻止濃度試験ではC10に対する耐性が野生型の8〜64倍であった。これらの変異株をさらに特性決定したところ、作用機序が既知である抗菌薬に対してはどれも交差耐性を示さないことが示された。
優性/劣性の決定
変異菌株の耐性遺伝子を同定するために、本発明者らはまず、変異が優性であるのか劣性であるのかを決定した。変異株を逆の接合型である野生株と接合し、変異二倍体を形成した。得られた変異二倍体細胞には、一方は耐性変異株由来、他方はC10感受性野生型由来の2組の遺伝子があった。変異二倍体がC10に耐性であった場合、変異した(muted)遺伝子は優性とした。変異をマッピングするために、本発明者らは変異株からプラスミドライブラリを構築し、耐性の表現型を選択するためにライブラリをC10感受性野生株に形質転換した。変異二倍体がC10に感受性であった場合、変異した(muted)遺伝子は劣性と同定した。A12、F4、H4をそれぞれ、対照として野生株と接合した。親の菌株も同じ菌株に接合した。野生型二倍体および3つの変異二倍体の最小発育阻止濃度を表3に示す。野生型二倍体と比較して、3つの変異二倍体はいずれもC10に耐性であったことから、これらの3つの変異株の耐性変異は優性であることが示された。
変異の遺伝子マッピング
23の単離されたC10耐性変異株の変異はすべて、細胞質ロイシル−tRNA合成酵素であるCDC60の修正ドメインにおける11の残基にマッピングされた。
耐性変異株の変異を同定するために、本発明者らは、それぞれ変異株A12、F4およびH4から3つのプラスミドゲノムライブラリを構築した。大きさが4〜10kbのランダムなゲノムDNA断片挿入物を持つプラスミドを親の野生株に形質転換した。C10を加えたSDM−leu寒天板上で耐性遺伝子を持つプラスミドのある形質転換体を選択した。次に、プラスミドを単離し、配列決定を行った。挿入物のヌクレオチド配列をS. cerevisiaeゲノムデータベースでBLASTサーチし、その結果から、F4とH4プラスミドライブラリから単離された両プラスミドの挿入物に単一のORFが存在することが明らかになった。このORFは、細胞質ロイシルtRNA合成酵素、すなわち、S. cerevisiaeの20の必須細胞質アミノアシル−tRNA合成酵素のひとつであるCDC60と同定された(他にミトコンドリアにさらに20ある)。CDC60に加えて、A12プラスミドライブラリから単離したプラスミドには2つ目のORF pet20が存在していた。これは、ミトコンドリアゲノムの呼吸成長と安定性に必要なタンパク質をコードするものであった。これらの3つの変異株のCDC60がC10に対する耐性を与えたことを確認するために、本発明者らは3つのプラスミドを親の野生株に再度形質転換した。CDC60のないプラスミドの対照の形質転換と比較して、A12、F4、H4遺伝子由来のCDC60のあるプラスミドでは、C10を含有するYPD寒天上で1,000倍よりもさらに耐性のコロニーがあったことから、これらの3つの変異菌株から得たCDC60がC10耐性に寄与していることが裏付けられた。
各変異株由来のCDC60中の配列に単一のアミノ酸置換が含まれる
何らかのアミノ酸置換があるかどうかを同定するために、耐性プラスミドA12、F4、H4由来のCDC60の全ORFを配列決定した。野生型CDC60の場合の配列と比較して、3つのCDC60各々に単一のアミノ酸置換があった(表4)。さらに、残りの20の耐性変異株のCDC60を配列解析したところ、各々にCDC60内の単一のアミノ酸の変化があることが示された。各変異を含むDNAのPCR断片を野生株に形質転換した。これらの形質転換によって耐性が与えられたことから、すべての変異株の耐性がCDC60の単一のアミノ酸置換によるものであることが明らかになった。
CDC60(ロイシルtRNA合成酵素)は、アミノ酸をtRNAの2’または3’末端に結合する必須酵素のファミリに属するアミノアシル−tRNA合成酵素(ARS)のひとつであり、次いで装填されたtRNAはタンパク質合成に用いられる。tRNAのアミノアシル化は、a)アミノアシルアデニレートを形成することによるATPでのアミノ酸活性化と、b)アミノアシルアデニレートから対応するtRNA基質へのアミノアシル残基の移動という2段階の反応である。アミノアシル化の精度は、活性化時のアミノ酸の特異的認識(粗い篩(coarse sieve))およびトランスファー前または後の修正(微細な篩(fine sieve))の両方に左右される。ARSの中には、構造的に近い関連する誤って活性化されたアミノ酸を特異的に加水分解する修正機構を進化させたものもある。ロイシルtRNA合成酵素は、ロイシンをイソロイシンおよびバリンと区別する酵素のひとつである。この修正機能を担う領域を結合性ポリペプチド1(CP1)と呼ぶが、これはロスマンフォールドの3つ目および4つ目のb鎖の間の活性部位を中断する大きな挿入物である。23の変異株から得られる11のアミノ酸置換がいずれもこのCP1領域に局在していることから、酵素の修正機能およびC10の阻害活性の間には何らかの関連性があることが示唆される。
実施例42
細菌でC10がtRNA合成酵素の修正ドメインを阻害することを決定するためのアッセイ
この例は、特定の化合物が細菌のARSの修正ドメインを阻害するか否かを決定するための代表的なアッセイについて説明するものである。
1μMのSaccharomyces cerevisiae修正欠損Cdc60p(C326F)を、500μLの50mM Tris−HCl(pH8.0)、60mM MgCl、4mM ATP、1mM DDT、0.02%(w/v)BSA、4mg/mLの粗E.colitRNA tRNA(Roche)、0.1mMイソロイシンおよび5 mCi L−[4,5−3H]イソロイシン(100Ci/mmole、GE Healthcare)および20%(v/v)DMSO中で30℃にて1時間インキュベートして、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleuを合成した。10μLの10%(v/v)酢酸を加えた後、2種類の酸性フェノール(Sigma)抽出物を加えて反応を停止させた。水相最上部中の誤装填tRNAを除去し、2容量の96%(v/v)エタノールを加えて−20℃で30分間インキュベートすることで沈殿させた。沈殿物を13,200×gで30分間遠心分離してペレット化し、誤装填tRNAペレットを70%(v/v)エタノールで2回洗浄した後、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH5.2)に再懸濁させた。
30℃で2時間のインキュベーション後に、0.17%(v/v)まで酢酸を加えて反応を終了させた。イソロイシル化した粗tRNALeuを酸性フェノール−クロロホルム抽出物(pH4.3)によって2回抽出して精製した後、エタノール沈殿させた。tRNAペレットを70%エタノールで2回洗浄し、乾燥させた後、50mMのリン酸カリウム(potasium)(pH5.0)に再懸濁させ、−20℃で保管した。アリコートを10%(w/v)TCAで沈殿させ、ile−tRNALeuを定量化した。
トランスファー後修正加水分解アッセイを、50mM Hepes(pH8)、10mM MgCl、30mM KCl中、H−イソロイシン−tRNA未精製物(約0.3μCi/mL)を用いて、30℃にて実施した。150nMの酵素を加えて各反応を開始した。各時点で、Milliporeフィルタープレートで反応混合物の3種類の20μLアリコートを200μLの10%(w/v)TCAに加え、4℃で20分間沈殿させた。沈殿物を濾過し、200μLの5%(w/v)TCAで3回洗浄した後、乾燥させ、20μLのSupermixシンチレーションカクテルを加えた。MilliporeのフィルタープレートをMicroBeta Triluxでカウントした。50%活性を阻害するインヒビターの量からIC50を決定し、野生型酵素活性から酵素なしの対照の活性を除くことにより100%トランスファー後修正を計算した。
leuS遺伝子挿入物のある場合とない場合とでpUC由来のプラスミドを持つtolC 大腸菌(Escherichia coli)株の最小発育阻止濃度(MIC)を比較する。
leuSの余分なコピーのある株のMICのほうが対照株よりも2倍を超えて高い場合、化合物のMIC濃度を4倍にしてLB寒天板に注ぐ。
4倍MICの化合物を含有する10のプレートに1×1010のE. coliを蒔く。37℃で1〜2日間培養し、10のコロニーを取り出し、4倍MICのLB寒天板に再度筋状に塗り、耐性を確認する。
10のE. coli耐性変異株の各々から大きなコロニーをひとつ選び、PCR緩衝液50μLに再懸濁させる。
校正PCR酵素ならびに以下のプライマーggcaccgtggacgtacgacaacatcgcおよびgggaaacaccccagtcgcgcaggcggを用いて、CDC60の修正ドメインを増幅する。
QuiagenまたはPromegaのいずれかのPCRクリーンアップキットを用いて、980bpのPCR産物を精製する。
変異株DNAを配列増幅し、これを野生型と比較した。変異株DNAの修正ドメインに変異がある場合、インヒビターが修正ドメインを介してロイシル−tRNA合成酵素に影響する。
実施例43
真菌でC10がtRNA合成酵素の修正ドメインを阻害することを決定するためのアッセイ
本実施例は、選択した化合物が真菌のARSの修正ドメインを阻害するか否かを決定するための例示としてのアッセイについて詳しく説明するものである。
1μMのSaccharomyces cerevisiae修正欠損Cdc60p(C326F)を、500μLの50mM Tris−HCl(pH8.0)、60mM MgCl、4mM ATP、1mM DDT、0.02%(w/v)BSA、16μMビール酵母tRNA(Roche)、0.1mMイソロイシンおよび5 mCi L−[4,5−3H]イソロイシン(100Ci/mmole、GE Healthcare)および20%(v/v)DMSO中で30℃で1時間インキュベートして、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleuを合成した。10μLの10%(v/v)酢酸を加えた後、2種類の酸性フェノール(Sigma)抽出物を加えて反応を停止させた。水相最上部中の誤装填tRNAを除去し、2容量の96%(v/v)エタノールを加えて−20℃で30分間インキュベートすることで沈殿させた。沈殿物を13,200×gで30分間遠心分離してペレット化し、誤装填tRNAペレットを70%(v/v)エタノールで2回洗浄した後、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH5.2)に再懸濁させた。
30℃で2時間のインキュベーション後に、0.17%(v/v)まで酢酸を加えて反応を終了させた。イソロイシル化した粗tRNALeuを酸性フェノール−クロロホルム抽出物(pH4.3)によって2回抽出して精製した後、エタノール沈殿させた。tRNAペレットを70%エタノールで2回洗浄し、乾燥させた後、50mMのリン酸カリウム(potasium)(pH5.0)に再懸濁させ、−20℃で保管した。アリコートを10%(w/v)TCAで沈殿させ、ile−tRNALeuを定量化した。
50mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、30mM KCl、H−イソロイシン−tRNA未精製物(約0.3μCi/mL)で、25℃でトランスファー後修正加水分解アッセイを実施した。150nMの酵素を加えて各反応を開始した。各時点で、Milliporeフィルタープレートで反応混合物の3種類の20μLアリコートを200μLの10%(w/v)TCAに加え、4℃で20分間沈殿させた。沈殿物を濾過し、200μLの5%(w/v)TCAで3回洗浄した後、乾燥させ、20μLのSupermixシンチレーションカクテルを加えた。MilliporeのフィルタープレートをMicroBeta Triluxでカウントした。50%活性を阻害するインヒビターの量からIC50を決定し、野生型酵素のトランスファー後修正活性から酵素なしの対照の活性を除いて100%活性を計算した。
実施例44
平衡透析
50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM MgCl、30mM KClを含有する1倍AARS緩衝液で平衡透析実験を実施した。実験は5kのMWCO Dispo平衡透析装置(Harvard Apparatus, Holliston, MA)を用いて実施した。透析膜の片面(A側)に、1から200μMの範囲の濃度で[メチレン−14C]C10、2.04GBq/mmol(Amersham)を20μL加えた。膜の反対側(B側)に、30μMの組換えCdc60p(Saccharomyces cerevisiae細胞質LeuRS)および10mM AMP(アデノシン5’−モノホスフェート、Sigma)を20μL加えた。試料を振盪しながら室温(21℃)で4.5時間培養し、膜をC10平衡状態にした。平衡状態で、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターを用いてシンチレーションカウンティングを行って透析膜両側のC10を定量化した。[C10]から[C10]を減じてCdc60pに結合したC10の量を測定した。
PPi交換アッセイ
2mM ATPおよび[32P]PPi(10cpm/μmol)、2mM ロイシンおよび7nM 組換えCdc60pを加えた50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM MgClおよび30mM KClを含有する1倍AARS緩衝液で、PPi交換アッセイを実施した。実験については、C10(15μM)およびtRNA(16μM)のある状態とない状態で行った。30℃で20分間のインキュベーション後、ATPを加えて反応を開始した。種々の時間間隔で、100μLの2%過塩素酸および0.1M Naに45μLの反応混合物を加え、反応物をクエンチした。次に、酸洗浄Norit Aの5%懸濁液30μLを加えて放射性ATPを活性炭に吸収させた。この混合物をGF/Cガラスフィルタで濾過し、200μLの蒸留水で2回洗浄した後200μLの95%エタノールで1回洗浄した。フィルタを乾燥させ、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターを用いてシンチレーションカウントした。
トリチウム標識誤装填tRNAleuの合成
1μMのSaccharomyces cerevisiae修正欠損Cdc60p(C326F)を、500μLの50mM Tris−HCl(pH8.0)、60mM MgCl、4mM ATP、1mM DDT、0.02%(w/v)BSA、16μMビール酵母tRNA(Roche)、0.1mMイソロイシンおよび5 mCi L−[4,5−3H]イソロイシン(100Ci/mmole、GE Healthcare)および20%(v/v)DMSO中で30℃で1時間インキュベートして、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleuを合成した。10μLの10%(v/v)酢酸を加えた後、2種類の酸性フェノール(Sigma)抽出物を加えて反応を停止させた。水相最上部中の誤装填tRNAを除去し、2容量の96%(v/v)エタノールを加えて−20℃で30分間インキュベートすることで沈殿させた。沈殿物を13,200×gで30分間遠心分離してペレット化し、誤装填tRNAペレットを70%(v/v)エタノールで2回洗浄した後、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH5.2)に再懸濁させた。
トランスファー後修正アッセイ
50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM KCl、30mM MgCl、0.02%(w/v)BSA、1mM DDT、2.4nM S. cerevisiae Cdc60pに、[H]−イソロイシン誤装填tRNAleu基質40nMを30℃で加えて反応を開始し、設定した時点で得た20μLのアリコートを氷冷した200μLの10%(w/v)トリクロロ酢酸(TCA)に加えた。TCA沈殿物を200μlの氷冷5%(w/v)TCAで2回洗浄し、Multiscreen HTS HAフィルタ(Millipore)で濾過した。フィルタにOptiphase(Perkin Elmer)シンチレーションカクテルを加え、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターでTCA沈殿物をカウントした。
実施例45
化合物がARS合成活性を阻害することを決定するためのアッセイ
アミノアシル化アッセイを行って、ロイシルtRNA合成酵素による正味のロイシン/tRNALeu合成率を決定した。実験については、20uM [14C]−ロイシン(Perkin-Elmer、11.32GBq/mmol)、16uM 粗酵母tRNA、0.02%BSA、1mM ジチオトレイトール、2nM 組換え酵母LeuRS(CDC60)、2mM ATPを加えた1倍AARS緩衝液(50mM Hepes−KOH(pH8.0)、30mM MgClおよび30mM KCl)を含有する500ulの反応混合物中で行った。反応は30℃で実施した。時間0の時点で、ATPを加えて反応を開始した。種々の時間間隔で、96穴のニトロセルロース膜フィルタープレート(Millipore Multiscreen HTS、MSHAN4B50)の単一ウェル内の150ulの10%トリクロロ酢酸(TCA)に20ulのアリコートを加えた。各ウェルを100ulの5%TCAで3回洗浄した。次にフィルタープレートをヒートランプの下で乾燥させ、沈殿した[14C]−ロイシン/tRNALeu錯体をWallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンターでの液体シンチレーションカウンティングによって定量化した。ATPを加える前に最大で100uMの化合物を20分間反応混合物に加えて、ホウ素含有化合物の阻害作用を決定した。
実施例46
被検物および製剤
Anacor Pharmaceuticals, Inc. (Palo Alto, CA)から、C10(5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール)、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−フェニル−2,1−ベンゾキサボロール、C1(5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロール)、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2,1−ベンゾキサボロールを得た。[14C]−C10を、Amersham Biosciences UK Limited (Buckinghamshire HP& 9NA, UK)で合成した。放射化学的純度は>99.3%、比活性は55mCi/mmolであった。
Penlac(商標)ネイルラッカー(シクロピロクス8%局所溶液)については、Dermik (Berwyn, PA)が製造した。[14C]−シクロピロクス(ピリジノン−6−(14C)−シクロピロクス)はPerkinElmer Life and Analytical Sciences (Boston, MA)が合成したものであった。放射化学的純度>95%、比活性は12.5mCi/mmolであった。
実験1:4種類のオキサボロール化合物のスクリーニング
C10、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−フェニル−2,1−ベンゾキサボロール、C1、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2,1−ベンゾキサボロール(エタノール中10%w/vで配合)を試験した。後述する爪浸透法を用いて各製剤の単一のアリコート(10μl)をヒトの爪板の頂部に投薬し、3日間放置した。投薬部分を洗浄した後、インキュベーション時間の終わりに爪と爪試料とを支えている綿球床を回収し、4℃で保管し、LC/MS/MSを用いて薬剤を分析した。
実験2:ビヒクルがC10の爪浸透に及ぼす影響
いずれも10%C10を含有する以下の製剤を試験した。製剤A:70%エタノール、20%ポリ(ビニルメチルエーテルaltマレイン酸モノブチルエステル(v/v);製剤B:6%エタノール、14%水、15% ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、5%セバシン酸ジブチル(v/v);製剤C:55%エタノール、15%酢酸エチル、15%ポリ(酢酸ビニル)、5%セバシン酸ジブチル(v/v);製剤D:20%プロピレングリコール、70%エタノール(v/v)。後述する爪浸透法を用いて、毎日投与前に洗浄をした上で投与製剤のアリコート(10μL)を14日間にわたって1日1回ヒトの爪板に塗布した。最初の投薬日から数えて5日目、10日目、15日目に、各セルのチャンバから爪を支えている綿球床を回収し、新しいものと交換した。14日間の投薬期間の終わりに爪試料を回収し、4℃で保管し、LC/MS/MSを用いて薬剤を分析した。
実験3:14日間の反復投与治療後におけるC10の浸透
プロピレングリコールおよびエタノール(1:4、v/v)中の10%のC10ならびにPenlac(商標)ネイルラッカー中の8%のシクロピロクスの2種類の被検物を、ヒトの爪板への浸透率について比較した。最初の投与日の前にそれぞれの製剤に微量の炭素−14放射性標識C10およびシクロピロクスを加えた。後述する爪浸透法を用いて、投与するごとにその前に洗浄をした上で投与製剤のアリコート(10μl)を14日間にわたって1日1回ヒトの爪板に塗布した。最初の投薬日から数えて72時間ごと(3日目、6日目、9日目、12日目、15日目)に、各セルのチャンバから爪を支えている綿球床を回収し、新しいものと交換した。14日間の投薬期間の終わりに爪試料を回収した。すべての試料の放射能を分析して比較した。
爪浸透法
爪インキュベーションの詳細については先に記載したとおりである9、10。簡単に説明すると、爪の表面(中央最上)は見えるようにし、かつ、内側表面は小さな爪床を支える役目をする綿球に接している状態で、健康な手指の爪板を1チャンバ拡散セル(図1、Permegear, Inc., Hellertown, PA)に装着した。爪の下で支えている綿球は爪板に水分を与えるよう生理食塩水で湿らせてあり、実験中は水分補充(hydration)の度合いを観察および制御した。インキュベーション期間は、最初の投薬の24時間前に開始し、最終投薬の24時間後に終えた。アリコート(10μL)を爪板の表面に1日1回塗布した。
投薬表面をインキュベーション期間の終了時に洗浄するか(一用量研究用)、2日目から毎朝投薬前に洗浄した(反復投与研究用)。爪の投薬表面を以下のようにして綿球の丸い先端で洗浄した:エタノールで2回、次いで50%Ivory(登録商標)液体石鹸(Procter & Gamble, Cincinnati, Ohio)で1回、次いで蒸留水で2回。各サイクルの洗浄試料をプールし、放射能を測定した。投与およびインキュベーション期の終了後、爪板をサンプリングのために切断用ホルダに移した。湿度および温度を制御下において、14日間の投薬期間中には爪板の色の変化、水分補充の変化、または真菌の増殖などの異常な場面を本発明者らは観察することがなかった。外側すなわち背側投薬表面がホルダに向くような位置に爪板を固定した。切断用ホルダを移動して爪板表面がかろうじてカッターの刃と接触するようにした。続いてドリルを動かし、微調整でステージをカッターの刃に近づけ、粉末試料を爪から取り除いた。このようにして、深さ約0.3〜0.4mm、直径7.9mmの穴を各爪にドリルであけ、各爪の内側表面の中央から粉末試料を回収できるようした。これらの試料を「腹側/中間爪板中央」の試料と呼ぶ。次に、投薬部分(つまりサンプリング部分からも)から外れる爪を切り取り、「残部の爪板」として保存した。粉末サンプリング部分の上にある層も「背側/中間中心」として保存した。爪板試料を個々にガラス製のシンチレーションバイアルに回収し、秤量した。
オキサボロールの定量分析
LC/MS/MS(API3000, Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いて、爪浸透研究で得た試料中の非放射性標識のオキサボロール、C10、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−フェニル−2,1−ベンゾキサボロール、C1、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2,1−ベンゾキサボロールの量を定量化した。綿球解析用に、11の較正標準を生理食塩水中に新鮮な状態で用意した。容量100μLの各標準を新鮮な綿球に加え、最終較正標準濃度を0、2.5、5、10、20、40、80、160、320、640、1280、2560μg/mLとした。内部標準であるp−ニトロフェノール(PNP)を含有するアセトニトリル(Burdick & Jackson, Muskegon, MI)をすべての綿球に加えた。綿球試料および残った溶媒を遠心濾過チューブに移した。遠心分離後、綿球試料からの濾液をオートサンプラーバイアルに移し、LC/MS/MSで分析した。シクロピロクス試料では、まずは上述した方法に従って濾液を硫酸ジメチルにより誘導体化した後、LC/MS/MSによる分析を行った(Myoung and Choi, 2003)。計算濃度が最大較正標準を超える試料を内部標準p−ニトロフェノール含有アセトニトリル(TCI America, Portland, OR)で10倍または20倍に希釈した。爪の分析を行うために、2種類の異なる較正曲線を用意し、一方を爪粉末の分析、他方を爪の頂部の分析に用いた。それぞれの曲線に11の較正標準を含めた。標準は最初にジメチルスルホキシド中で調製した。各標準を容量10μLでケラチン粉末にスパイクした(爪粉末曲線に6.5mg、爪の頂部の曲線に17mg)。爪試料を1NのNaOHで45℃にて一晩消化した。翌朝、塩化メチレンで抽出する前に、試料のpHをpH3に調整した。抽出後、有機層を他に移して蒸発させた。試料をアセトニトリル中で再構成し、Eclipse XDB-C18 5μm、2.1×50mmカラム(Agilent, Wilmington, DE)とアセトニトリルおよび5mM酢酸アンモニウムからの勾配移動相を用いてLC/MS/MSで分析した。
放射能測定
放射能測定はいずれも、モデル1500の液体シンチレーションカウンター(Packard Instrument Company, Downer Grove, IL)を用いて行った。クエンチした標準およびクエンチしていない標準の密封試料を用いて、装置の取扱説明書に詳しく説明されている手順でカウンターの精度を監査した。14Cカウント効率は95%以上である。packard soluene-350で前処理した爪試料をすべて40℃で48時間培養した後、10mLのシンチレーションカクテル(HIONIC-FLUOR, Packard Instrument Company, Meriden, CT)を加えた。他の試料(標準投薬量、表面洗浄、床材料)をUniversal ESシンチレーションカクテル(ICN Biomedicals, Costa Mesa, CA)と直接に混合した。バックグラウンドの対照と被検試料を各放射能について3分カウントした。
計算とデータ分析
非放射性化合物の定量を、化合物および内部標準のピーク領域比に基づいて行った。ベストフィットを基準に較正曲線の回帰方法を選択した。1/xまたは1/x二乗の重み付けで線形回帰および二次回帰を用いた。積分はいずれもAnalyst version 1.3(Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いて行った。試料容積100μlを考慮に入れて綿球中の化合物の濃度を絶対量に変換した。爪粉末および爪の頂部における化合物の量を、それぞれの重量に合わせて調節し、μg/mg単位で表した。
爪、床材料および洗浄試料の被検化学的等価物の個々および平均(±S.E.)量を、各時点でのdpm、μCi、投与された用量の割合、mg当量で示した。14C標識した被検化学物質の濃度を、各[14C]標識被検化学物質の比活性に基づく値から計算で求めた。局所用製剤における非標識被検化学物質の濃度情報を製造業者から得た。被検化学物質等価物の総濃度は、14C標識した被検化学物質の濃度と非標識被検化学物質の濃度の合計値である。各爪試料における被検化学物質等価物の総量値を、試料の放射能、ならびに被検化学物質等価物の総mgおよび被検化学物質の放射能の比に基づく値から計算した。試料の重量で除してデータをさらに規準化した。2群ごとに爪試料の統計的な有意性をスチューデントのt検定で分析した。
本明細書に記載の実施例および実施形態は例示目的のものにすぎず、これを踏まえて当業者には種々の改変または変更が示唆されるが、いずれも本出願の主旨および範囲(purview)ならびに添付の特許請求の範囲に包含されるものであると理解されたい。本明細書に引用した刊行物、特許明細書、特許出願明細書はいずれも、あらゆる目的で本明細書に援用される。

Claims (192)

  1. 次式

    (式中、
    およびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成してもよく、
    Z1は、

    (式中、
    3aおよびR4aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    は、ハロゲンおよびOR(式中、
    は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである)から選択されるメンバである)から選択されるメンバであり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    式中、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である)で表される構造を有し、
    ただし、

    から選択されるメンバではない、化合物。
  2. 前記化合物が、式(IX)

    で表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記RおよびRが各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびRは、それらが連結する原子と一緒になって、任意に、置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成してもよい、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記RおよびRが、それらが連結する原子と一緒になって、ジオキサボロランと、置換または非置換のテトラメチルジオキサボロランと、置換または非置換のフェニルジオキサボロランと、ジオキサボリナンと、ジメチルジオキサボリナンと、ジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成する、請求項3に記載の化合物。
  5. Z1が、

    から選択されるメンバであり、
    は、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のメトキシメトキシと、置換または非置換のエトキシエトキシと、置換または非置換のテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシと、から選択されるメンバである、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記R3aがHであり、R4aが、メチルと、エチルと、プロピルと、ブチルと、フェニルと、ベンジルと、シアノと、から選択されるメンバである、請求項1に記載の化合物。
  7. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項1に記載の化合物。
  8. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項1に記載の化合物。
  9. 9aがHであり、R12aがHである、請求項8に記載の化合物。
  10. 前記化合物が、

    から選択されるメンバである、請求項9に記載の化合物。
  11. 前記化合物が、




    から選択されるメンバである、請求項10に記載の化合物。
  12. 次式

    (式中、
    およびRは各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    3aおよびR4aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    Xは、ブロモと、ヨードと、トリフレートと、ジアゾと、から選択されるメンバであり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    式中、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて環を形成し、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数である)で表される構造を有する、化合物。
  13. 前記化合物が、式(Xa)

    で表される構造を有する、請求項12に記載の化合物。
  14. 前記RおよびRが各々、Hと、メチルと、エチルと、プロピルと、イソプロピルと、ブチルと、t−ブチルと、フェニルと、ベンジルと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびRは、それらが連結する原子と一緒になって、置換または非置換の置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを任意に形成してもよい、請求項12に記載の化合物。
  15. Xが、ヨードおよびブロモから選択されるメンバである、請求項12に記載の化合物。
  16. 前記R3aおよびR4aが各々、Hと、メチルと、エチルと、プロピルと、ブチルと、フェニルと、ベンジルと、シアノと、から独立に選択されるメンバである、請求項12に記載の化合物。
  17. 前記R9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項12に記載の化合物。
  18. 前記R9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項12に記載の化合物。
  19. 9aがHであり、R12aがHである、請求項18に記載の化合物。
  20. 前記化合物が、

    から選択されるメンバである構造を有する、請求項19に記載の化合物。
  21. 前記化合物が、




    から選択されるメンバである構造を有する、請求項20に記載の化合物。


  22. (式中、
    Bはホウ素であり、
    Lは、ORと、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバ(式中、
    は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである)であり、
    Aは、OHと、置換または非置換のモノホスフェートと、置換または非置換のジホスフェートと、置換または非置換のトリホスフェートと、

    (式中、
    A1は、1から100個のヌクレオチドを含む核酸配列である)とから選択されるメンバであり、
    Qは、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    前記Qが、前記ホウ素と少なくとも1個の酸素とを含む)で表される構造を有する、化合物。
  23. 前記化合物が、次式

    (Mは、OおよびSから選択されるメンバであり、
    Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバ(式中、
    3a、R4aおよびR5aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    n1は、0〜2から選択される整数である)であり、
    Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7aと、CR8aと、から選択されるメンバ(式中、
    6a、R7aおよびR8aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のアリールアルキルと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    mは、0および1から選択される整数である)であり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    式中、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数であり、
    3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する)で表される構造を有する、請求項22に記載の化合物。
  24. 前記化合物が、次式

    で表される構造を有する、請求項22に記載の化合物。
  25. 前記化合物が、次式

    で表される構造を有する、請求項22に記載の化合物。
  26. 前記R9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項22に記載の化合物。
  27. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項22に記載の化合物。
  28. 前記化合物が、

    で表される構造を有する、請求項27に記載の化合物。
  29. 前記化合物が、次式

    で表される構造を有する、請求項28に記載の化合物。
  30. 前記Lが、置換または非置換のアデニンと、置換または非置換のグアニンと、置換または非置換のシチジンと、置換または非置換のウラシルと、置換または非置換のチミンと、から選択されるメンバである、請求項22に記載の化合物。
  31. Lがアデニンである、請求項30に記載の化合物。
  32. 構造が、

    から選択されるメンバである、請求項31に記載の化合物。
  33. 前記A1が、tRNAまたはtRNAの一部の核酸配列であり、前記t−RNAが、配列番号18〜62から選択されるメンバである配列を有する、請求項32に記載の化合物。
  34. 前記tRNAまたはtRNAの一部が、ロイシルtRNAである、請求項33に記載の化合物。
  35. tRNA合成酵素をさらに含み、前記化合物が、前記tRNA合成酵素の修正ドメイン(editing domain)に非共有結合的に結合される、請求項22に記載の化合物。
  36. 前記化合物が微生物に存在し、ただし、該微生物が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)と、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)と、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)と、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)と、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)と、ペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilum)と、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)と、ストレプトベルチキリウム・ワクスマニ(Streptoverticillium waksmanii)と、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)と、クラドスポリウム・ヘルバレム(Cladosporium herbarum)と、フォーマ・ビオラセア(Phoma violacea)と、ステムフィリウム・デントリティカム(Stemphylium dentriticum)と、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)と、大腸菌(Escherichia coli)と、グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium roseum)と、から選択されるメンバではない、請求項22に記載の化合物。
  37. 前記化合物が真菌に存在し、ただし、該真菌が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)と、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)と、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)と、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)と、ペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilum)と、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)と、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)と、クラドスポリウム・ヘルバレム(Cladosporium herbarum)と、フォーマ・ビオラセア(Phoma violacea)と、ステムフィリウム・デントリティカム(Stemphylium dentriticum)と、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)と、グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium roseum)と、から選択されるメンバではない、請求項22に記載の化合物。
  38. 前記化合物が、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)種と、小胞子菌(Microsporum)種と、表皮菌(Epidermophyton)種と、酵母様真菌と、から選択されるメンバに存在する、請求項22に記載の化合物。
  39. 前記微生物が、白癬菌(Trichophyton)種から選択されるメンバである、請求項36に記載の化合物。
  40. 前記微生物が、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである、請求項39に記載の化合物。
  41. 前記化合物が、ヒトまたは動物に存在する、請求項22に記載の化合物。
  42. 前記化合物が、ヒトの爪の成分または動物の爪、蹄または角の成分に存在する微生物に存在する、請求項41に記載の化合物。
  43. 前記化合物が、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)種と、小胞子菌(Microsporum)種と、表皮菌(Epidermophyton)種と、酵母様真菌と、から選択されるメンバに存在する、請求項22に記載の化合物。
  44. 前記微生物が、白癬菌(Trichophyton)種から選択されるメンバである、請求項36に記載の化合物。
  45. 前記微生物が、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである、請求項44に記載の化合物。
  46. 爪板を含むヒトの爪の成分に存在する微生物を殺滅または微生物の成長を阻害する方法であって、
    爪板の外側の層と、爪板に浸透して前記微生物と接触できる化合物とを、前記化合物が前記爪板に浸透できるだけの十分な条件下で接触させることを含み、
    前記微生物に対する前記化合物のMICが16μg/mL未満であり、
    前記化合物の分子量が約100から約200Daの間であり、
    前記化合物のlog P値が約1.0から約2.6の間であり、
    前記化合物の水溶解性が約0.1mg/mLよりも大きいことで、前記微生物を殺滅または前記微生物の成長を阻害する、方法。
  47. 前記化合物がホウ素含有化合物を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記化合物が、次式

    (式中、Bはホウ素であり、
    1aは、負電荷と、塩の対イオンと、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Mは、酸素と、硫黄と、NR2aと、から選択されるメンバであり、
    2aは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    n1は、0〜2から選択される整数であり、
    Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7am1と、CR8aと、から選択されるメンバであり、
    6a、R7aおよびR8aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    m1は、0および1から選択される整数であり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    式中、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数であり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する)で表される構造を有する、請求項46に記載の方法。
  49. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項48に記載の方法。
  50. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項48に記載の方法。
  51. 9aがHであり、R12aがHである、請求項49に記載の方法。
  52. 前記化合物が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項48に記載の方法。
  53. 爪板を含むヒトの爪の成分に存在する微生物によって生じる疾患を治療する方法であって、
    爪板の外側の層と、爪板に浸透して前記微生物と接触できる化合物とを、前記化合物が前記爪板に浸透して前記疾患を治療するのに十分な条件下で接触させることを含み、
    前記微生物に対する前記化合物のMICが16μg/mL未満であり、
    前記化合物の分子量が約100から約200Daの間であり、
    前記化合物のlog P値が約1.0から約2.6の間であり、
    前記化合物の水溶解性が約0.1mg/mLよりも大きいことで、前記疾患を治療する、方法。
  54. 前記化合物が、次式

    (式中、Bはホウ素であり、
    1aは、負電荷と、塩の対イオンと、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Mは、酸素と、硫黄と、NR2aと、から選択されるメンバであり、
    2aは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    n1は、0〜2から選択される整数であり、
    Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7am1と、CR8aと、から選択されるメンバであり、
    6a、R7aおよびR8aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    m1は、0および1から選択される整数であり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数であり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する)で表される構造を有する、請求項53に記載の方法。
  55. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項54に記載の方法。
  56. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項54に記載の方法。
  57. 9aがHであり、およびR12aがHである、請求項55に記載の方法。
  58. 前記化合物が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項54に記載の方法。
  59. 化合物を爪板の外側の層から爪床まで送達させる方法であって、
    爪板の前記外側の層と爪板に浸透できる化合物とを、前記爪板に浸透するのに十分な条件下で接触させることを含み、
    前記化合物の効力係数が10を超えることで、前記化合物を送達させる方法。
  60. 前記化合物がホウ素を含む、請求項59に記載の方法。
  61. 爪板を含むヒトの爪の成分に存在する微生物によって生じる疾患を治療する方法であって、
    爪板の外側の層と、爪板に浸透して前記微生物と接触できる化合物とを、前記化合物が前記爪板に浸透して前記疾患を治療するのに十分な条件下で接触させることを含み、
    前記化合物の効力係数が10を超えることで、前記疾患を治療する方法。
  62. 前記化合物が、次式

    (式中、Bはホウ素であり、
    1aは、負電荷と、塩の対イオンと、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Mは、酸素と、硫黄と、NR2aと、から選択されるメンバであり、
    2aは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    n1は、0〜2から選択される整数であり、
    Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7am1と、CR8aと、から選択されるメンバであり、
    6a、R7aおよびR8aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    m1は、0および1から選択される整数であり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数であり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する)で表される構造を有する、請求項61に記載の方法。
  63. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項62に記載の方法。
  64. 9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項62に記載の方法。
  65. 9aがHであり、およびR12aがHである、請求項63に記載の方法。
  66. 前記化合物が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項66に記載の方法。
  67. (a)ホウ素含有化合物と、2’−アミノリボフラノース含有化合物と、3’−アミノリボフラノース含有化合物と、これらの組み合わせと、から選択されるメンバである化合物と、
    (b)ヒトの爪部分と、皮膚と、毛とから選択されるメンバであるケラチン含有成分と、を含む製剤であって、
    (a)部の化合物が(b)部の成分と接触する、製剤。
  68. 前記ケラチン含有成分が、ヒトの爪部分の爪板である、請求項67に記載の製剤。
  69. 前記ケラチン含有成分が、ヒトの爪部分の爪床である、請求項67に記載の製剤。
  70. 前記化合物が、約0.001%と、0.01%と、約0.05%と、約0.1%と、約0.5%と、約1%と、約1.5%と、約2%と、約2.5%と、約3%と、から選択されるメンバである濃度で前記製剤中に存在する、請求項67に記載の製剤。
  71. 前記ケラチン含有成分が、約99.999%と、約99.99%と、約99.95%と、約99.90%と、約99.5%と、約99.0%と、約98.5%と、約98.0%と、約97.5%と、約97%と、から選択されるメンバである濃度で前記製剤中に存在する、請求項67に記載の製剤。
  72. 前記化合物がホウ素含有化合物である、請求項67に記載の製剤。
  73. 前記ホウ素含有化合物が、環状ボロン酸エステルおよび環状ボリン酸エステルから選択されるメンバである、請求項72に記載の製剤。
  74. 前記化合物が、次式

    (式中、Bはホウ素であり、
    1aは、負電荷と、塩の対イオンと、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Mは、酸素と、硫黄と、NR2aと、から選択されるメンバであり、
    2aは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバであり、
    Jは、(CR3a4an1およびCR5aから選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    n1は、0〜2から選択される整数であり、
    Wは、C=O(カルボニル)と、(CR6a7am1と、CR8aと、から選択されるメンバであり、
    6a、R7aおよびR8aは、Hと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    m1は、0および1から選択される整数であり、
    Aは、CR9aおよびNから選択されるメンバであり、
    Dは、CR10aおよびNから選択されるメンバであり、
    Eは、CR11aおよびNから選択されるメンバであり、
    Gは、CR12aおよびNから選択されるメンバであり、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    窒素の組み合わせ(A+D+E+G)が0〜3から選択される整数であり、
    およびR**は各々、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    3a、R4aおよびR5aから選択されるメンバと、R6a、R7aおよびR8aから選択されるメンバは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    3aおよびR4aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    6aおよびR7aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    9aおよびR10aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    10aおよびR11aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成し、
    11aおよびR12aは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成する)で表される構造を有する、請求項67に記載の製剤。
  75. 前記R9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、ハロゲンと、シアノと、ニトロと、置換または非置換のメトキシと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエトキシと、置換または非置換のエチルと、トリフルオロメチルと、置換または非置換のヒドロキシメチルと、置換または非置換のヒドロキシアルキルと、置換または非置換のベンジルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のフェニルオキシと、置換または非置換のフェニルメトキシと、置換または非置換のチオフェニルオキシと、置換または非置換のピリジニルオキシと、置換または非置換のピリミジニルオキシと、置換または非置換のベンジルフランと、置換または非置換のメチルチオと、置換または非置換のメルカプトメチルと、置換または非置換のメルカプトアルキルと、置換または非置換のフェニルチオと、置換または非置換のチオフェニルチオと、置換または非置換のフェニルメチルチオと、置換または非置換のピリジニルチオと、置換または非置換のピリミジニルチオと、置換または非置換のベンジルチオフラニルと、置換または非置換のフェニルスルホニルと、置換または非置換のベンジルスルホニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルホニルと、置換または非置換のチオフェニルスルホニルと、置換または非置換のピリジニルスルホニルと、置換または非置換のピリミジニルスルホニルと、置換または非置換のスルホンアミジルと、置換または非置換のフェニルスルフィニルと、置換または非置換のベンジルスルフィニルと、置換または非置換のフェニルメチルスルフィニルと、置換または非置換のチオフェニルスルフィニルと、置換または非置換のピリジニルスルフィニルと、置換または非置換のピリミジニルスルフィニルと、置換または非置換のアミノと、置換または非置換のアルキルアミノと、置換または非置換のジアルキルアミノと、置換または非置換のトリフルオロメチルアミノと、置換または非置換のアミノメチルと、置換または非置換のアルキルアミノメチルと、置換または非置換のジアルキルアミノメチルと、置換または非置換のアリールアミノメチルと、置換または非置換のベンジルアミノと、置換または非置換のフェニルアミノと、置換または非置換のチオフェニルアミノと、置換または非置換のピリジニルアミノと、置換または非置換のピリミジニルアミノと、置換または非置換のインドリルと、置換または非置換のモルホリノと、置換または非置換のアルキルアミドと、置換または非置換のアリールアミドと、置換または非置換のウレイドと、置換または非置換のカルバモイルと、置換または非置換のピペリジニルと、から独立に選択されるメンバである、請求項74に記載の製剤。
  76. 前記R9a、R10a、R11aおよびR12aが、Hと、フルオロと、クロロと、ブロモと、ニトロと、シアノと、アミノと、メチルと、ヒドロキシルメチルと、トリフルオロメチルと、メトキシと、トリフルオロメチオキシと、エチルと、ジエチルカルバモイルと、ピリジン−2−イルと、ピリジン−3−イルと、ピリジン−4−イルと、ピリミジニルと、ピペリジノと、ピペリジニルと、ピペリジノカルボニルと、ピペリジニルカルボニルと、カルボキシルと、1−テトラゾリルと、1−エトキシカルボニルメトキシと、カルボキシメトキシと、チオフェニルと、3−(ブチルカルボニル)フェニルメトキシと、1H−テトラゾル−5−イルと、1−エトキシカルボニルメチルオキシ−と、1−エトキシカルボニルメチル−と、1−エトキシカルボニル−と、カルボキシメトキシ−と、チオフェン−2−イルと、チオフェン−2−イルチオ−と、チオフェン−3−イルと、チオフェン−3−イルチオと、4−フルオロフェニルチオと、ブチルカルボニルフェニルメトキシと、ブチルカルボニルフェニルメチルと、ブチルカルボニルメチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(ピペリジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−2−イル)カルボニル)メトキシと、1−(ピペリジン−3−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メトキシと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)メチルと、1−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルと、1−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニルメチルと、(1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)−メトキシ)と、1−(4−(ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イルと、1H−インドル−1−イルと、モルホリノ−と、モルホリニルと、モルホリノカルボニルと、モルホリニルカルボニルと、フェニルウレイドと、フェニルカルバモイルと、アセトアミドと、3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イルと、ベンジルアミノと、5−メトキシ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イルと、5−メトキシ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、5−クロロ−1H−インドル−1−イルと、5−クロロ−3−(2−シアノエチルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、ジベンジルアミノと、ベンジルアミノと、5−クロロ−3−(フェニルチオ)−1H−インドル−1−イル))と、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェノキシと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルと、4−(1H−テトラゾル−5−イル)フェニルチオと、2−シアノフェノキシと、3−シアノフェノキシと、4−シアノフェノキシと、2−シアノフェニルチオと、3−シアノフェニルチオと、4−シアノフェニルチオと、2−クロロフェノキシと、3−クロロフェノキシと、4−クロロフェノキシと、2−フルオロフェノキシと、3−フルオロフェノキシと、4−フルオロフェノキシと、2−シアノベンジルオキシと、3−シアノベンジルオキシと、4−シアノベンジルオキシと、2−クロロベンジルオキシと、3−クロロベンジルオキシと、4−クロロベンジルオキシと、2−フルオロベンジルオキシと、3−フルオロベンジルオキシと、4−フルオロベンジルオキシと、から独立に選択されるメンバである、請求項74に記載の製剤。
  77. 9aがHであり、R12aがHである、請求項75に記載の製剤。
  78. 前記ホウ素含有化合物が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項74に記載の製剤。
  79. tRNA分子が装填されたtRNA分子に変換されるのを阻害する方法であって、
    tRNA合成酵素と、前記tRNA合成酵素の修正ドメインの活性を阻害するのに有効な化合物とを、前記活性を阻害するのに十分な条件下で接触させることにより、前記変換を阻害することを含み、
    前記化合物が、環状ボロン酸エステルと、環状ボリン酸エステルと、2’−アミノリボフラノース部分と、3’−アミノリボフラノース部分と、から選択されるメンバを含む、方法。
  80. 阻害が微生物内で起こる、請求項79に記載の方法。
  81. 前記微生物が、細菌と、真菌と、酵母と、寄生生物と、から選択されるメンバである、請求項80に記載の方法。
  82. 前記tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素および細胞質tRNA合成酵素から選択されるメンバである、請求項79に記載の方法。
  83. 前記tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバである、請求項82に記載の方法。
  84. 前記tRNA合成酵素の合成ドメインに対する前記化合物のKD,合成が100μMより大きい、請求項79に記載の方法。
  85. 前記修正ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度と前記tRNA合成酵素の前記合成ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度との比(KD,修正/KD,合成で表される)が1未満である、請求項84に記載の方法。
  86. 前記化合物の前記KD,修正/KD,合成が、0.5未満と、0.1未満と、0.05未満と、から選択されるメンバである、請求項85に記載の方法。
  87. 前記2’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有し、
    前記3’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有する(式中、
    Lは、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバであり、
    M1は、OおよびSから選択されるメンバであり、
    40およびR41は、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOHと、COHと、COアルキルと、C(O)NHと、C(O)NHアルキルと、CON(アルキル)と、C(O)R42と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、

    から独立に選択されるメンバ(式中、
    26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択され、
    tは、0〜2から選択される整数であり、
    sは、1〜3から選択される整数であり、
    42は、Hと、ハロアルキルと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CH2)OHと、OHと、CHNR2627と、COHと、COアルキルと、CONHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバ(式中、
    rは、1〜6から選択される整数である)であり、
    43、R44およびR45は各々、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)である)、請求項79に記載の方法。
  88. 前記微生物が爪真菌症の病原因子である、請求項80に記載の方法。
  89. 前記微生物は、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)種と、小胞子菌(Microsporum)種と、表皮菌(Epidermophyton)種と、酵母様真菌と、から選択されるメンバである、請求項80に記載の方法。
  90. 前記微生物が、白癬菌(Trichophyton)種から選択されるメンバである、請求項89に記載の方法。
  91. 前記微生物が、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである、請求項90に記載の方法。
  92. 前記化合物が、前記tRNA合成酵素による、不適切に装填されたtRNAのトランスファー後の修正を阻害する、請求項79に記載の方法。
  93. ヒトまたは動物における微生物を殺滅または微生物の成長を阻害する方法であって、前記微生物を、前記微生物のtRNA合成酵素の修正ドメインの活性を阻害するのに有効な量の医薬製剤と接触させることを含む方法。
  94. 前記医薬製剤が、環状ボロン酸エステルと、環状ボリン酸エステルと、2’−アミノリボフラノース部分と、3’−アミノリボフラノース部分と、から選択されるメンバを含む、請求項93に記載の方法。
  95. 前記微生物が、細菌と、真菌と、酵母と、寄生生物と、から選択されるメンバである、請求項93に記載の方法。
  96. 前記真菌が、カンジダ(Candida)種と、白癬菌(Trichophyton)種と、小胞子菌(Microsporium)種と、アスペルギルス(Aspergillus)種と、クリプトコッカス(Cryptococcus)種と、ブラストミセス(Blastomyces)種と、コクシジオイデス(Cocciodiodes)種と、ヒストプラスマ(Histoplasma)種と、パラコクシジオイデス(Paracoccidiodes)種と、藻菌類(Phycomycetes)種と、マラセチア(Malassezia)種と、フザリウム(Fusarium)種と、表皮菌(Epidermophyton)種と、スキタリジウム(Scytalidium)種と、スコプラリオプシス(Scopulariopsis)種と、アルテルナリア(Alternaria)種と、ペニシリウム(Penicillium)種と、フィアロフォラ(Phialophora)種と、クモノスカビ(Rhizopus)種と、セドスポリウム(Scedosporium)種と、接合菌類(Zygomycetes)クラスと、から選択されるメンバである、請求項95に記載の方法。
  97. 前記微生物が、爪真菌症の病原因子である、請求項93に記載の方法。
  98. 前記医薬製剤が、皮膚糸状菌と、白癬菌(Trichophyton)種と、小胞子菌(Microsporum)種と、表皮菌(Epidermophyton)種と、酵母様真菌と、から選択されるメンバに存在する、請求項93に記載の方法。
  99. 前記微生物が、白癬菌(Trichophyton)種から選択されるメンバである、請求項98に記載の方法。
  100. 前記微生物が、紅色白癬菌(T. rubrum)と毛蒼白癬菌(T. menagrophytes)とから選択されるメンバである、請求項99に記載の方法。
  101. 前記医薬製剤が、次式

    (式中、qは1〜5から選択される整数である)で表される構造を含まないことを条件とする、請求項93に記載の方法。
  102. 前記医薬製剤が、2’−アミノリボフラノース部分および3’−アミノリボフラノース部分から選択されるメンバを含む、請求項93に記載の方法。
  103. 前記2’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有し、
    前記3’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有する(式中、
    Lは、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバであり、
    M1は、OおよびSから選択されるメンバであり、
    40およびR41は、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOHと、COHと、COアルキルと、C(O)NHと、C(O)NHアルキルと、CON(アルキル)と、C(O)R42と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、

    から独立に選択されるメンバ(式中、
    26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択され、
    tは、0〜2から選択される整数であり、
    sは、1〜3から選択される整数であり、
    42は、Hと、ハロアルキルと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOHと、OHと、CHNR2627と、COHと、COアルキルと、CONHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバ(式中、
    rは、1〜6から選択される整数である)であり、
    43、R44およびR45は各々、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)である)、請求項102に記載の方法。
  104. 前記環状ボロン酸エステルが、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項94に記載の方法。
  105. ヒトまたは動物における微生物による感染を治療または予防する方法であって、
    前記微生物のtRNA合成酵素の修正ドメインの活性を阻害するのに有効な量の医薬製剤を前記ヒトまたは動物に投与することを含む、方法。
  106. 前記医薬製剤が、環状ボロン酸エステルと、環状ボリン酸エステルと、2’−アミノリボフラノース部分と、3’−アミノリボフラノース部分と、から選択されるメンバを含む、請求項105に記載の方法。
  107. 前記微生物が、細菌と、真菌と、酵母と、寄生生物と、から選択されるメンバである、請求項105に記載の方法。
  108. 前記tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素と、細胞質tRNA合成酵素と、から選択されるメンバである、請求項105に記載の方法。
  109. 前記tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバである、請求項108に記載の方法。
  110. 前記tRNA合成酵素の合成ドメインに対する前記化合物のKD,合成が100μMより大きい、請求項105に記載の方法。
  111. 前記修正ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度と前記tRNA合成酵素の合成ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度との比(KD,修正/KD,合成で表される)が1未満である、請求項110に記載の方法。
  112. 前記化合物の前記KD,修正/KD,合成が、0.5未満と、0.1未満と、0.05未満と、から選択されるメンバである、請求項111に記載の方法。
  113. 前記医薬製剤が、次式

    (式中、qは1〜5から選択される整数である)で表される構造を含まないことを条件とする、請求項105に記載の方法。
  114. 前記医薬製剤が、2’−アミノリボフラノース部分および3’−アミノリボフラノース部分から選択されるメンバを含む、請求項106に記載の方法。
  115. 前記医薬製剤が、2’−アミノリボフラノース部分を含み、前記2’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有し、
    前記3’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有する(式中、
    Lは、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、置換または非置換のイミダゾールと、から選択されるメンバであり、
    M1は、OおよびSから選択されるメンバであり、
    40およびR41は、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOHと、COHと、COアルキルと、C(O)NHと、C(O)NHアルキルと、CON(アルキル)と、C(O)R42と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、

    から独立に選択されるメンバ(式中、
    26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択され、
    tは、0〜2から選択される整数であり、
    sは、1〜3から選択される整数であり、
    42は、Hと、ハロアルキルと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOHと、OHと、CHNR2627と、COHと、COアルキルと、CONHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバ(式中、
    rは、1〜6から選択される整数である)であり、
    43、R44およびR45は各々、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)である)、請求項114に記載の方法。
  116. 前記医薬製剤が、2’−アミノリボフラノース部分を含み、前記2’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有する、請求項115に記載の方法。
  117. 前記環状ボロン酸エステルが、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項106に記載の方法。
  118. 前記感染が、全身感染と、爪感染と、爪周囲感染と、爪下感染と、皮膚感染と、から選択されるメンバである、請求項105に記載の方法。
  119. 前記感染が爪真菌症である、請求項105に記載の方法。
  120. 前記感染が、緑爪と、爪周囲炎と、類丹毒と、爪縦裂症と、淋病と、プール肉芽腫と、幼虫移行症と、らい病と、伝染性深膿痂疹小結節と、搾乳者小結節と、ヘルペス性ひょう疽と、急性細菌性痕跡爪皮と、慢性痕跡爪皮と、スポロトリクム症と、梅毒と、皮膚疣状結核と、野兎病と、スナノミ症と、爪囲・爪下疣贅と、帯状疱疹と、爪ジストロフィ(粗造爪)と、皮膚科学的な疾患と、乾癬と、膿疱性乾癬と、円形脱毛症と、膿疱性不全角化症と、接触皮膚症と、ライター症候群と、乾癬状肢端皮膚炎と、扁平苔癬と、爪における特発性萎縮と、光沢苔癬と、線状苔癬と、炎症性線状疣贅状表皮母斑(ILVEN)と、脱毛症と、天疱瘡と、水疱性類天疱瘡と、後天性表皮水疱症と、ダリエル病と、毛孔性紅色粃糠疹と、掌蹠角化症と、接触性湿疹と、多型紅斑と、疥癬と、バゼックス症候群と、全身性強皮症と、全身性紅斑性狼瘡と、慢性紅斑性狼瘡と、皮膚筋炎と、スポロトリクム症と、真菌性角膜炎と、伸展性眼真菌症と、内在性眼真菌症と、ロボ真菌症と、菌腫と、砂毛症と、癜風と、体部白癬と、股部白癬と、足部白癬と、白癬性毛瘡と、頭部白癬と、黒癬と、耳真菌症と、黄癬と、黒色真菌症と、渦状癬と、から選択されるメンバである、請求項105に記載の方法。
  121. tRNA合成酵素の修正ドメインを阻害することで、tRNA分子が微生物によって装填されたtRNA分子に変換されるのを阻害するのに有効な量の化合物からなる単位量製剤。
  122. 薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項121に記載の製剤。
  123. 前記細胞が微生物細胞である、請求項121に記載の製剤。
  124. 前記微生物が、細菌と、真菌と、酵母と、寄生生物と、から選択されるメンバである、請求項121に記載の製剤。
  125. 前記tRNA合成酵素が、ミトコンドリアtRNA合成酵素と、細胞質tRNA合成酵素と、から選択されるメンバである、請求項121に記載の製剤。
  126. 前記tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバである、請求項125に記載の製剤。
  127. 前記tRNA合成酵素の合成ドメインに対する前記化合物のKD,合成が100μMより大きい、請求項121に記載の製剤。
  128. 前記修正ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度と前記tRNA合成酵素の合成ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度との比(KD,修正/KD,合成で表される)が1未満である、請求項127に記載の製剤。
  129. 前記製剤の前記KD,修正/KD,合成が、0.5未満と、0.1未満と、0.05未満と、から選択されるメンバである、請求項128に記載の製剤。
  130. 前記製剤が、環状ボロン酸エステルと、環状ボリン酸エステルと、2’−アミノリボフラノース部分と、3’−アミノリボフラノース部分と、から選択されるメンバである化合物を含む、請求項121に記載の製剤。
  131. 前記2’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有し、
    前記3’−アミノリボフラノース部分が、次式

    で表される構造を有する(式中、
    Lは、置換または非置換のプリンと、置換または非置換のピリミジンと、置換または非置換のピリジンと、から選択されるメンバであり、
    M1は、OおよびSから選択されるメンバであり、
    40およびR41は、Hと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CHOHと、COHと、COアルキルと、C(O)NHと、C(O)NHアルキルと、CON(アルキル)と、C(O)R42と、OHと、アルコキシと、アリールオキシと、SHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、(CHNR2627と、SONHと、OCHCHNHと、OCHCHNHアルキルと、OCHCHN(アルキル)と、オキサゾリジン−2−イルと、アルキル置換オキサゾリジン−2−イルと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、

    から独立に選択されるメンバ(式中、
    26およびR27は、水素と、アルキルと、アルカノイルと、から独立に選択され、
    tは、0〜2から選択される整数であり、
    sは、1〜3から選択される整数であり、
    42は、Hと、ハロアルキルと、アラルキルと、置換アラルキルと、(CH2)OHと、OHと、CHNR2627と、COHと、COアルキルと、CONHと、S−アルキルと、S−アリールと、SOアルキルと、SOHと、SCFと、CNと、ハロゲンと、CFと、NOと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバ(式中、
    rは、1〜6から選択される整数である)であり、
    43、R44およびR45は各々、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバである)である)、請求項130に記載の製剤。
  132. 前記化合物が、次式

    で表される構造を有さないことを条件とする、請求項131に記載の製剤。
  133. 前記環状ボロン酸エステルが、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールである、請求項130に記載の製剤。
  134. 前記細胞が、爪真菌症の病原因子の細胞である、請求項121に記載の製剤。
  135. 前記細胞が、白癬菌(Trichophyton)種から選択されるメンバである、請求項121に記載の製剤。
  136. 前記tRNA合成酵素の合成ドメインに対する前記化合物のKD,合成が100μMより大きい、請求項121に記載の製剤。
  137. tRNA合成酵素の修正ドメインに結合する化合物を同定する方法であって、
    a)結合に適した条件下で、前記修正ドメインを被検化合物と接触させることと、
    b)前記修正ドメインへの前記被検化合物の結合を検出することとを含む、方法。
  138. 前記化合物の結合を検出することが、前記化合物に結合した少なくとも1つの検出可能な元素、アイソトープ、または化学標識を使用することを含む、請求項137に記載の方法。
  139. 前記元素、アイソトープまたは化学標識が、蛍光、発光、放射能、または吸光度の計測値によって検出される、請求項138に記載の方法。
  140. 前記被検化合物を前記修正ドメインと接触させることが、前記被検化合物および前記修正ドメインをAMPおよび末端アデノシンを有する分子から選択されるメンバと接触させることをさらに含む、請求項137に記載の方法。
  141. 前記tRNA合成酵素が、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバ由来である、請求項137に記載の方法。
  142. 前記tRNA合成酵素が、ロイシルtRNA合成酵素由来である、請求項141に記載の方法。
  143. 前記tRNA合成酵素が変異tRNA合成酵素由来であり、前記変異tRNA合成酵素が修正ドメインにアミノ酸変異を含む、請求項141に記載の方法。
  144. 前記変異tRNA合成酵素が、表4に列挙したようなアミノ酸変異を修正ドメインに含む、請求項143に記載の方法。
  145. tRNA合成酵素の前記修正ドメインが、配列番号1〜15のアミノ酸配列を含む、請求項137に記載の方法。
  146. tRNA合成酵素の修正ドメインに結合する化合物を同定する方法であって、前記アッセイが、
    a)前記化合物とtRNA合成酵素の前記修正ドメインとの結合に適した条件下で、tRNA合成酵素の前記修正ドメインと前記化合物とを接触させることと、
    b)前記化合物に接触しているtRNA合成酵素の前記修正ドメインの生物活性を、前記化合物に接触していないときの前記生物活性と比較することと、
    c)前記化合物に接触しているときにtRNA合成酵素の前記修正ドメインの前記生物活性が低下する場合、tRNA合成酵素の前記修正ドメインに結合しているとして前記化合物を同定することとを含む、方法。
  147. 前記生物活性が非同種アミノ酸の加水分解である、請求項146に記載の方法。
  148. 前記非同種アミノ酸の前記加水分解が、1種以上の標識を用いて検出される、請求項147に記載の方法。
  149. 前記標識が、放射性標識、蛍光マーカー、抗体、またはこれらの組み合わせを含む、請求項148に記載の方法。
  150. 前記標識が、分光法を用いて検出可能である、請求項148に記載の方法。
  151. tRNA合成酵素の前記修正ドメインが、アラニルtRNA合成酵素と、イソロイシルtRNA合成酵素と、ロイシルtRNA合成酵素と、メチオニルtRNA合成酵素と、リジルtRNA合成酵素と、フェニルアラニルtRNA合成酵素と、プロリルtRNA合成酵素と、スレオニルtRNA合成酵素と、バリルtRNA合成酵素と、から選択されるメンバ由来である、請求項146に記載の方法。
  152. tRNA合成酵素の前記修正ドメインがロイシルtRNA合成酵素由来である、請求項151に記載の方法。
  153. 非同種アミノ酸を有するtRNA分子を生成する方法であって、
    a)変化したアミノ酸修正ドメインを有する変異tRNA合成酵素を作製または単離することと、
    b)前記変異tRNA合成酵素および非同種アミノ酸にtRNA分子を接触させることとを含む、方法。
  154. 前記変異tRNA合成酵素が、修正ドメインに1つ以上のアミノ酸変異を含有する、請求項153に記載の方法。
  155. 前記変異tRNA合成酵素が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールに結合できない、請求項153に記載の方法。
  156. 前記変異tRNA合成酵素が、1,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾキサボロールに結合できる、請求項153に記載の方法。
  157. 非同種アミノ酸に結合した1種以上のtRNA分子を含む組成物であって、前記tRNA分子が、微生物または微生物由来の細胞株から単離された1種以上の変異tRNA合成酵素を用いて合成される、組成物。
  158. 前記微生物が真菌または酵母である、請求項157に記載の組成物。
  159. 前記変異tRNA合成酵素が、その修正ドメインにアミノ酸変異を含有する、請求項157に記載の組成物。
  160. 前記変異tRNA合成酵素が、表4に列挙したような点変異を修正ドメインに含む、請求項157に記載の組成物。
  161. テトラヒドロピラン含有ボロン酸エステルを製造する方法であって、前記エステルが、次式

    (式中、
    およびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に連結されて4員から7員の環を形成してもよく、
    9a、R10a、R11aおよびR12aは、Hと、ORと、NR**と、SRと、−S(O)Rと、−S(O)と、−S(O)NR**と、ニトロと、ハロゲンと、シアノと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から独立に選択されるメンバ(式中、
    およびR**は、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバである)である)で表される構造を有し、
    a)式

    で表される構造を有する第1の化合物をグリニャールまたは有機リチウム条件に付すことと、
    b)工程a)の生成物をホウ酸エステルと接触させることで、前記テトラヒドロピラン含有ボロン酸エステルを形成することとを含む、方法。
  162. 前記ハロゲンが、ヨードおよびブロモから選択されるメンバである、請求項161に記載の方法。
  163. 前記ホウ酸エステルが、B(OR(OR)(式中、
    前記RおよびRが各々、Hと、置換または非置換のメチルと、置換または非置換のエチルと、置換または非置換のプロピルと、置換または非置換のイソプロピルと、置換または非置換のブチルと、置換または非置換のt−ブチルと、置換または非置換のフェニルと、置換または非置換のベンジルと、から独立に選択されるメンバであり、
    およびRは、それらが連結する原子と一緒になって、任意に、置換または非置換のジオキサボロランと、置換または非置換のジオキサボリナンと、置換または非置換のジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成してもよい)から選択されるメンバである、請求項161に記載の方法。
  164. 前記ホウ酸エステルが、B(OR(OR)(式中、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、ジオキサボロランと、置換または非置換のテトラメチルジオキサボロランと、置換または非置換のフェニルジオキサボロランと、ジオキサボリナンと、ジメチルジオキサボリナンと、ジオキサボレパンと、から選択されるメンバを形成する)から選択されるメンバである、請求項161に記載の方法。
  165. 前記グリニャールまたは有機リチウム条件が、水素化ジイソブチルアルミニウムをさらに含む、請求項161に記載の方法。
  166. グリニャール反応の温度が35℃を超えない、請求項161に記載の方法。
  167. 工程(b)が、約−30℃から約−20℃の温度で実施される、請求項161に記載の方法。
  168. 前記テトラヒドロピラン含有ボロン酸エステルが、

    である、請求項161に記載の方法。


  169. で表される構造を有する化合物を製造する方法であって、
    a)式

    で表される構造を有する第1の化合物をグリニャールまたは有機リチウム条件に付すことと、
    b)前記付す反応を水および有機酸でクエンチすることで、前記化合物を形成することを含む、方法。
  170. 前記有機酸が、酢酸から選択されるメンバである、請求項169に記載の方法。
  171. 前記クエンチ工程が、本質的に強酸に接触しない、請求項169に記載の方法。
  172. 前記化合物が、

    である、請求項169に記載の方法。
  173. 前記化合物が、再結晶化溶媒からの再結晶化によって精製され、前記再結晶化溶媒が、本質的にアセトニトリルを含有しない、請求項169に記載の方法。
  174. 前記再結晶化溶媒がトルエンおよびヘプタンを含む、請求項173に記載の方法。


  175. から選択されるメンバ(式中、
    qは0から1の間の数であり、
    はハロゲンであり、
    、R、R、RおよびRは、Hと、置換または非置換のアルキルと、置換または非置換のヘテロアルキルと、置換または非置換のシクロアルキルと、置換または非置換のヘテロシクロアルキルと、置換または非置換のアリールと、置換または非置換のヘテロアリールと、から選択されるメンバから独立に選択されるメンバである)である構造を有し、

    から選択されるメンバではないことを条件とする、化合物。
  176. 前記構造が、

    から選択されるメンバである、請求項175に記載の化合物。
  177. 、RおよびRが各々、

    から独立に選択されるメンバである、請求項175または176に記載の化合物。
  178. およびRが、Hと、メチルと、

    とから独立に選択されるメンバであり、RおよびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、任意に連結されて、

    から選択されるメンバを形成する、請求項175または176に記載の化合物。
  179. がHであり、Rが、Hと、メチルと、

    とから選択されるメンバである、請求項175に記載の化合物。
  180. およびRが、任意に連結されて、

    から選択されるメンバを形成する、請求項175に記載の化合物。
  181. が、

    から選択されるメンバである、請求項175に記載の化合物。
  182. が、

    から選択されるメンバである、請求項175に記載の化合物。
  183. が、

    から選択されるメンバである、請求項175に記載の化合物。




  184. から選択されるメンバである構造を有する化合物。
  185. a)薬学的に許容される賦形剤と、
    b)請求項184で得られる化合物と、
    を含む、医薬製剤。
  186. a)薬学的に許容される賦形剤と、
    b)

    から選択されるメンバである化合物と、
    を含む、医薬製剤。
  187. 微生物を殺滅または微生物の成長を阻害する方法であって、前記微生物を請求項186に記載の治療有効量の化合物と接触させることを含む、方法。
  188. 微生物を殺滅または微生物の成長を阻害する方法であって、前記微生物を請求項185または請求項186に記載の治療有効量の医薬製剤に接触させることを含む、方法。
  189. 動物における感染を治療または予防する方法であって、請求項184に記載の治療有効量の化合物を動物に投与することを含む、方法。
  190. ヒトまたは動物における感染を治療または予防する方法であって、請求項185または請求項186に記載の治療有効量の医薬製剤を動物に投与することを含む、方法。
  191. 請求項184に記載の化合物を製造する方法。
  192. 請求項185または請求項186に記載の医薬製剤を製造する方法。
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