JP2016199224A - 鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンユニットおよびエンジンユニットを覆うサイドカバーの車幅方向寸法を増大させることなく、エンジンユニットの冷却効率の向上を図る。【解決手段】内部に燃焼室138が形成されたシリンダーブロック133を有するエンジンユニット13が適用された自動二輪車1のエンジンユニット13の冷却構造であって、シリンダーブロック133は、燃焼室138の軸線が鉛直方向よりも水平方向に近い前傾となる向きで配置され、シリンダーブロック133の熱を外気に放出する棒状の熱交換部材30を有し、棒状の熱交換部材30の一部はシリンダーブロック133の外周面に接触するように取り付けられ、他の一部はシリンダーブロック133の上端よりも上方に突出している。【選択図】図2

Description

本発明は、鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造に関する。特には、鞍乗型車両の内燃機関のシリンダーブロックを冷却するための冷却構造に関する。
自動二輪車などの鞍乗型車両には、駆動力源として、オーバーヘッドバルブ方式で空冷式のエンジン(内燃機関)が適用されるものがある。このようなエンジンは、内部に燃焼室が形成されたシリンダーブロックと、吸気バルブや排気バルブが設けられるシリンダーヘッドとを有し、シリンダーヘッドがシリンダーブロックの一側(ピストンの上死点側の一側)を覆うように設けられる。そして、自動二輪車には、このようなエンジンが、シリンダーブロックの燃焼室の軸線が鉛直方向よりも水平方向に対して平行に近い前傾方向となる向きで配置されるものがある。このような構成では、シリンダーブロックの前側にシリンダーヘッドが位置することになる。このため、走行時においては、走行風は、シリンダーヘッドやシリンダーヘッドを覆うシリンダーヘッドカバーには当たりやすいが、シリンダーブロックには当たりにくい。したがって、このような構成では、シリンダーブロックを十分に冷却できないことがある。
特許文献1には、このようなエンジンが適用された自動二輪車において、エンジンの冷却能力の向上を図るため、シリンダーブロックから車幅方向に延出するヒートパイプを設け、このヒートパイプの先端に放熱フィンを設ける、という構成が開示されている。しかしながら、このような構成では、エンジンの車幅方向寸法が増加する。このため、搭乗者が着座するシートの下方にエンジンが設けられる場合には、搭乗者が脚を載せるスペースが小さくなり、快適性が低下する。
実開昭59−121466号公報
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、前述のようなエンジンを有する自動二輪車において、エンジンおよびエンジンを覆うカバーの車幅方向寸法を増大させることなく、冷却能力の向上を図ることができるエンジンの冷却構造を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、内部に燃焼室が形成されたシリンダーブロックを有する内燃機関が適用された自動二輪車の内燃機関の冷却構造であって、前記シリンダーブロックは、前記燃焼室の軸線が水平方向かまたは鉛直方向よりも水平方向に近い前傾となる向きで配置され、前記シリンダーブロックの熱を外気に放出する棒状の熱交換部材を有し、前記熱交換部材の一部は前記シリンダーブロックの側面に接触しており、他の一部は前記シリンダーブロックの上端よりも上方に突出していることを特徴とする。
前記熱交換部材は、内部に空間が形成されるとともに前記空間に冷媒が封入されているヒートパイプである構成が適用できる。
前記熱交換部材は略「U」字形状を有しており、前記熱交換部材の中間部は、前記シリンダーブロックの下面および車幅方向の側面に接しており、前記熱交換部材の両端部は、前記シリンダーブロックの上端よりも上方に突出している構成が適用できる。
前記シリンダーブロックは、前記燃焼室の軸線方向に直角な板状で外側に向かって延出する複数の放熱フィンを有し、前記熱交換部材は、前記複数の放熱フィンどうしの間に取り付けられる構成が適用できる。
燃焼用の空気が通過する吸気経路は、前記シリンダーブロックの上方に設けられ、前記熱交換部材の一部は、側面視において前記吸気経路と重畳する構成が適用できる。
本発明によれば、熱交換部材の上部がシリンダーブロックの上端よりも上側に突出する構成であるから、走行風が熱交換部材の上部に当たりやすくなり、シリンダーブロックの冷却能力の向上を図ることができる。また、熱交換部材の上部が上方に向かって突出する構成であるから、エンジンの車幅方向寸法が大きくならない。したがって、エンジンおよびエンジンを覆うカバーの車幅方向寸法を増大させることなく、冷却能力の向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる冷却構造が適用される自動二輪車の構成を模式的に示す右側面図である。 図2は、冷却構造を模式的に示す右側面図である。 図3は、冷却構造を模式的に示す前面図である。 図4は、棒状の熱交換部材の配置構造の変形例を模式的に示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、鞍乗型車両として、アンダーボーンタイプの車体フレームを有する自動二輪車を示す。以下の説明においては、本実施形態に係る鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造を、「冷却構造」と略して記すことがある。また、自動二輪車の各向きは、自動二輪車に搭乗する運転者の向きを基準とする。各図においては、必要に応じて、自動二輪車の前方を矢印Frで、後方を矢印Rrで、上方を矢印Tpで、下方を矢印Dnで、右方を矢印Rで、左方を矢印Lで示す。
まず、本発明の実施形態に係る冷却構造が適用された自動二輪車1(鞍乗型車両)の全体的な構成例について、図1を参照して説明する。図1は、自動二輪車1の構成例を模式的に示す右側面図である。本実施形態では、アンダーボーンタイプの車体フレームを有する自動二輪車を例に示す。
アンダーボーンタイプの車体フレーム11は、ステアリングヘッドパイプ111と、メインフレーム112と、左右一対のリヤフレーム113とを含んで構成される。ステアリングヘッドパイプ111は、後傾する管状に形成される。メインフレーム112は、ステアリングヘッドパイプ111の後部から後方斜め下に向かって延伸する棒状に形成される。左右一対のリヤフレーム113は、メインフレーム112の後部から後方斜め上方に向かって延伸する棒状に形成され、左右方向に所定の距離をおいて互いに離間する。ステアリングヘッドパイプ111と、メインフレーム112と、リヤフレーム113は、それぞれ鉄系材料またはアルミニウム合金などにより形成され、溶接などによって一体に接合される。
車体フレーム11の前側には、ステアリングシャフト122と、左右一対のフロントフォーク123と、前輪121と、ハンドルユニット124とが配置される。ステアリングシャフト122は、車体フレーム11のステアリングヘッドパイプ111に回転可能に支持される。左右一対のフロントフォーク123は、その上部がステアリングシャフト122に結合されており、ステアリングシャフト122と一体に回転する。前輪121は、左右一対のフロントフォーク123の下端部に、回転可能に支持される。左右一対のフロントフォーク123には、前輪121の上部を覆うフロントフェンダ151と、前輪121のブレーキキャリパー125が取り付けられる。ハンドルユニット124は、ステアリングシャフト122の上端部に設けられ、ステアリングシャフト122と一体に回転する。ハンドルユニット124は、ハンドルカバー127と、左右のハンドルグリップ126とを有する。ハンドルグリップ126は、ハンドルカバー127から左右に突出するように設けられる。ハンドルカバー127の上部にはメータユニット(図略)が設けられる。メータユニットには、スピードメータなどの計器類が設けられる。さらに、ハンドルカバー127の前部にはヘッドライト174が設けられる。このほか、ハンドルカバー127には、灯火類を操作するためのスイッチ類などが設けられる。
車体フレーム11の後部には、左右一対のスイングアーム142と後輪141とが設けられる。左右一対のスイングアーム142の前端部は、メインフレーム112の後端部またはその近傍に、上下方向に揺動可能に連結される。スイングアーム142の後端部には、後輪141が回転可能に支持される。後輪141には、ドリブンチェーンスプロケット(図においては隠れて見えない)が一体に回転するように設けられる。後輪141のドリブンチェーンスプロケットとエンジンユニット13(後述)のドライブチェーンスプロケットとには、ドライブチェーンが巻き掛けられており、エンジンユニット13からの動力は、ドライブチェーンを介して後輪141に伝達される。なお、ドライブチェーンは、スイングアーム142に取り付けられたチェーンケースに収容される。また、左右一対のスイングアーム142のそれぞれと、左右一対のリヤフレーム113のそれぞれとの間には、ショックアブソーバ144が設けられる。後輪141から車体フレーム11に伝達する振動や衝撃は、ショックアブソーバ144により緩和や吸収される。後輪141の上方には、リヤフェンダ152が設けられる。また、リヤフレーム113の上側には、搭乗者(運転者)が着座するシート153が設けられる。シート153の下側には、燃料タンクや収納ボックスが設けられる(いずれも図略)。
自動二輪車1の駆動力源であるエンジンユニット13(内燃機関)は、メインフレーム112の下側であって、シート153の前側斜め下の位置に配置される。そして、エンジンユニット13は、メインフレーム112に設けられるブラケットなどを介して、メインフレーム112に固定される。
エンジンユニット13は、クランクケースアセンブリ132と、シリンダーブロック133と、シリンダーヘッド134と、シリンダーヘッドカバー135とを有する。
クランクケースアセンブリ132の内部には、前寄りにクランク室が形成され、後寄りにミッション室が形成される。クランク室にはクランクシャフトが回転可能に収容される。ミッション室の内部には、カウンターシャフトとドリブンシャフトとが回転可能に配置されるとともに、変速機が設けられる。ドリブンシャフトの端部は、クランクケースアセンブリ132の左外側に突出している。そして、ドリブンシャフトの端部にはドライブチェーンスプロケットが一体に回転するように設けられる。このほか、クランクケースアセンブリ132の車幅方向の左側には、エンジンユニット13を始動させる始動装置と発電機であるマグネトが設けられ、車幅方向の右側には、回転動力の伝達を断続するクラッチが設けられる。
シリンダーブロック133の内部には、燃焼室138が形成され、燃焼室138にはピストンが往復動可能に配置される。シリンダーヘッド134は、シリンダーブロック133の燃焼室138の軸線方向(ピストンの往復動の方向)の一側を覆うように設けられる。シリンダーヘッド134には、燃焼室138とシリンダーヘッド134の外部とを連通するインテークポート136とエグゾーストポート137とが設けられる。また、シリンダーヘッド134には、燃焼室138とインテークポート136との通路を開閉する吸気バルブと、燃焼室138とエグゾーストポート137との通路を開閉する排気バルブと、これらの吸気バルブと排気バルブを駆動する駆動機構が設けられる。シリンダーヘッドカバー135は、シリンダーヘッド134に取り付けられる部材であり、シリンダーヘッド134に設けられる吸気バルブや排気バルブやこれらの駆動機構を覆う。
そして、エンジンユニット13は、シリンダーブロック133の燃焼室138の軸線の方向(ピストンの往復動の方向)が、水平方向か、または、鉛直方向よりも水平方向に近い角度で前傾する姿勢で、メインフレーム112の下側に配置される。また、エンジンユニット13は、シート153の前側下方に配置される。このような構成では、クランクケースアセンブリ132が最も後側に位置し、シリンダーブロック133がクランクケースアセンブリ132の前側に位置し、シリンダーヘッド134がシリンダーブロック133の前側に位置する。さらに、シリンダーヘッド134の前側にシリンダーヘッドカバー135が取付けられる。このように、シリンダーブロック133の前側に、シリンダーヘッド134およびシリンダーヘッドカバー135が位置する。このため、前面視において、シリンダーブロック133は、シリンダーヘッド134やシリンダーヘッドカバー135に隠れて見えない。
エンジンユニット13の前側上方であってメインフレーム112の下側には、エアクリーナー175が配置される。エアクリーナー175は、エンジンユニット13(内燃機関)の燃焼用の空気を外部から取り入れ、不純物(塵埃など)を濾過して清浄する。エアクリーナー175とエンジンユニット13のシリンダーヘッド134のインテークポート136とは、管状の吸気経路161とによって接続されている。吸気経路161の中間には、燃焼用の空気の通過量を制御するスロットルボディ171が設けられる。また、エンジンユニット13のシリンダーヘッド134のエグゾーストポート137には、排気管172の前端が連結され、排気管172の後端には消音器173が取り付けられる。
このほか、自動二輪車1は、車体カバーを有する。車体カバーは、合成樹脂材料により形成される部材であり、車体フレーム11を覆い、自動二輪車1の外観の意匠を構成する。車体カバーには、フロントカバー155と、レッグシールド156と、サイドカバー154とが含まれる。フロントカバー155は、ステアリングヘッドパイプ111と、フロントフォーク123の上部との前側を覆うように設けられる。レッグシールド156は、フロントカバー155とステアリングヘッドパイプ111の後側に設けられる。フロントカバー155およびレッグシールド156は、シート153に着座する搭乗者(運転者)の下半身を保護できるように、車幅方向(左右方向)にある程度の幅を有する。サイドカバー154は、レッグシールド156からシート153の下側にかけて、メインフレーム112およびリヤフレーム113を覆うように設けられる。さらに、エアクリーナー175および吸気経路161も、サイドカバー154に覆われる。
特に、サイドカバー154のうちの前寄りの部分は、前後方向に直角な面で切断した場合の断面形状が略逆「U」字形状を有している。そして、この部分は、メインフレーム112と、エンジンユニット13のシリンダーブロック133とシリンダーヘッド134とシリンダーヘッドカバー135とを覆う。なお、メインフレーム112は、後下がりに傾斜しており、サイドカバー154のメインフレーム112を覆う部分の上部の内周面は、メインフレーム112に沿うように、後下がりに傾斜する。
次に、本発明の実施形態に係る冷却構造について、図2と図3を参照して説明する。図2は、冷却構造の構成を模式的に示す図であり、エンジンユニット13のシリンダーブロック133およびシリンダーヘッド134の近傍の構成例を模式的に示す右側面図である。図3は、エンジンユニット13のシリンダーブロック133およびシリンダーヘッド134の近傍の構成例を模式的に示す前面図である。
図2に示すように、シリンダーブロック133の前側にシリンダーヘッド134およびシリンダーヘッドカバー135が位置している。このため、図3に示すように、前方から見ると、シリンダーブロック133はシリンダーヘッドカバー135に隠れて見えない。このような構成であると、走行風は、シリンダーヘッドカバー135の前面に直接的にあたることになり、シリンダーブロック133の外周面には直接的には当たらない。すなわち、例えばシリンダーブロック133が、燃焼室138の軸線が鉛直方向に平行または平行に近いと、前方から見て、シリンダーブロック133の外周面が見えることになる。このため、このような構成であると、前方からの走行風は、シリンダーブロック133の外周面に直接的にあたることになる。したがって、このような構成では、走行風によってシリンダーブロック133を冷却しやすい。これに対して、本発明の実施形態のエンジンユニット13の配置構造では、前述の配置構造に比較すると、エンジンユニット13のシリンダーブロック133が走行風によって冷却されにくい。
そこで、本実施形態の冷却構造では、棒状の熱交換部材30を用いることにより、シリンダーブロック133の冷却効率の向上(シリンダーブロック133から外気に放出される熱量の増加)を図る。本発明の実施形態では、棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133の熱を外気に放出する機能を有する。本実施形態では、図2に示すように、複数の棒状の熱交換部材30が、燃焼室138の軸線方向に所定の間隔で並べて取り付けられる。また、図3に示すように、複数の棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133の車幅方向の両方の外側に取り付けられる。なお、棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133とは別部材であり、シリンダーブロック133に取り付けられる。そして、図2に示すように、複数の棒状の熱交換部材30のそれぞれの一部(本実施形態では下部)は、シリンダーブロック133の外周面(ここでは、車幅方向外側の面)に接触している。また、それぞれの他の一部(本実施形態では上部)は、シリンダーヘッド134およびシリンダーヘッドカバー135の上端よりも上方に突出している。説明の便宜上、熱交換部材30のうちのシリンダーブロック133の外周面に接触している一部を「接触部301」と称し、シリンダーブロック133から上方に突出している他の一部を「突出部302」と称する。
このような構成であると、シリンダーブロック133から熱交換部材30を介して外気に至る熱伝導の経路が構成される。このため、シリンダーブロック133の熱は、外周面に接触している接触部301から熱交換部材30に伝導し、さらに熱交換部材30を接触部301から突出部302に伝導し、突出部302から外気中に放出される。そして、図3に示すように、熱交換部材30の突出部302は、前面視で、シリンダーヘッド134およびシリンダーヘッドカバー135に隠れることなく見える。このため、前方からの走行風は、熱交換部材30の突出部302に直接当たることになるから、シリンダーブロック133の冷却効率の向上を図ることができる。
なお、棒状の熱交換部材30は、直線状であってもよく、屈曲や湾曲していてもよい。棒状の熱交換部材30が屈曲や湾曲する構成であると、接触部301においてはシリンダーブロック133の外周面との接触面積が増加してシリンダーブロック133から伝導する熱量が多くなる。また、突出部302においては、外気と接触する表面積が大きくなり、外気に放出する熱量を増加させることができる。また、複数の棒状の熱交換部材30の突出部302が前面視において重畳しないように、互いに車幅方向にずれている構成であってもよい。このような構成であれば、複数の棒状の熱交換部材30のそれぞれに走行風が当たりやすくなるから、冷却効率の向上を図ることができる。
また、サイドカバー154の内周面の上部は、メインフレーム112に沿うように、後下がりに傾斜する。すなわち、サイドカバー154の内周面は、前方から後方に向かうにしたがって、エンジンユニット13に接近する。このような構成であると、サイドカバー154の内側に入り込んだ走行風は、サイドカバー154の内周面によって、シリンダーブロック133の上側に接近するように集められる。そして、複数の棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133の上端よりも上方に突出しているから、サイドカバー154により集められた走行風は、熱交換部材30の突出部302の周囲を通過する。したがって、このような構成によれば、突出部302の周囲を流れる走行風の風量が多くなるから、冷却効率の向上を図ることができる。この場合、図2に示すように、複数の熱交換部材30の突出部302は、側面視においてメインフレーム112に重畳する位置にまで突出していてもよい。このような構成によれば、走行風の風量の多い位置(風速の大きい位置)に熱交換部材30の上端部が配置されるから、冷却効率のさらなる向上を図ることができる。
また、本発明の実施形態によれば、エンジンユニット13の車幅方向寸法を大きくすることなく、シリンダーブロック133の冷却効率の向上を図ることができる。そして、このような構成によれば、乗車時の快適性の維持を図ることができる。すなわち、シリンダーブロック133は、搭乗者(運転者)が着座するシート153の前側下方に位置しており、エンジンユニット13の車幅方向外側が、搭乗者(運転者)が脚を載せる脚載せ部となる。このため、サイドカバー154のシリンダーブロック133を覆う部分の車幅方向寸法が大きくなると、脚載せ部を小さくしたり、脚載せ部を車幅方向外側に移動させたりしなければならなくなり、快適性が低下する。これに対して本発明の実施形態では、棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133の上端よりも上方に突出しており、車幅方向外側には突出しない構成である。このため、サイドカバー154のシリンダーブロック133を覆う部分の車幅方向寸法を大きくしなくてもよい。したがって、脚載せ部を小さくしたり、車幅方向外側に移動させたりしなくてもよいから、快適性の維持を図ることができる。
棒状の熱交換部材30には、例えばヒートパイプが適用できる。ヒートパイプは、内部に空間が形成される筒状の構成を有し、その内周面には毛細管構造を有する還流用のウィックが設けられるとともに、流体状の冷媒(作動液)が封入されている。ヒートパイプは、長手方向に温度差が生じると、封入されている冷媒は、高温部の内壁面で熱を吸収して蒸発し、内部空間を通じて低温部に移動する。低温部に移動した冷媒は、冷却されて液体に戻り、還流用のウィックに吸収されて高温部に移動する。このような動作により、ヒートパイプは高温部から低温部に熱を移動させる。本実施形態では、シリンダーブロック133の外周面に接合される接触部301が高温部となり、突出部302が低温部となる。このため、シリンダーブロック133の熱を外気に放出できる。
そして、棒状の熱交換部材30にヒートパイプが適用される構成であると、冷却効率のさらなる向上を図ることができる。すなわち、本実施形態では、棒状の熱交換部材30であるヒートパイプが、上下方向に延伸するように設けられる。このため、ヒートパイプの下部(シリンダーブロック133の外周面に接触している接触部301)で加熱されて気化した冷媒は、温度上昇によって密度が低くなって上昇して突出部302に至り、突出部302で冷却されて液体に戻り重力によって接触部301に流下する。このように、本実施形態によれば、接触部301と突出部302との間の熱移動に重力も作用するため、ヒートパイプ(棒状の熱交換部材30)の軸線が水平である場合に比較して、冷却効率の向上を図ることができる。
なお、棒状の熱交換部材30は、ヒートパイプに限定されるものではない。例えば、棒状の熱交換部材30には、シリンダーブロック133よりも熱伝導率の高い材料からなる部材が適用できる。例えば、シリンダーブロックが鉄系(鋼)の材料により形成される構成であれば、棒状の熱交換部材30は、アルミや銅などにより形成される構成が適用できる。このように、棒状の熱交換部材30が、シリンダーブロック133とは別部材であり、シリンダーブロック133よりも熱伝導率が高い材料により形成される構成であれば、シリンダーブロック133の熱を外気に放出しやすくなる。したがって、冷却効率の向上を図ることができる。
また、図2に示すように、シリンダーブロック133には、複数の放熱フィン139が設けられる。これらの放熱フィン139は、燃焼室138の軸線方向に直角に延伸する板状の構成を有し、シリンダーブロック133の外周面から外側に向かって延出する。また、これら複数の放熱フィン139は、燃焼室138の軸線方向に所定のピッチで設けられる。そして、棒状の熱交換部材30の接触部301は、放熱フィン139どうしの間に、シリンダーブロック133の外周面および放熱フィン139の表面に接触するように配置される。特に、各々の棒状の熱交換部材30は、隣り合う放熱フィン139の両方の表面に接触するように配置される構成であることが好ましい。このような構成によれば、シリンダーブロック133の熱は、放熱フィン139からも棒状の熱交換部材30の接触部に伝達する。このため、シリンダーブロック133から伝達される熱量を多くして、冷却効率の向上を図ることができる。
このほか、シリンダーブロック133の外周面に複数の溝が設けられ、これら複数の溝のそれぞれに棒状の熱交換部材30の接触部301が嵌め込まれる構成であってもよい。この場合、複数の溝は、燃焼室138の軸線方向に直角な方向に延伸するように形成される構成が適用できる。このような構成であっても、棒状の熱交換部材30とシリンダーブロック133の外周面との接触面積を大きくすることができるから、シリンダーブロック133から棒状の熱交換部材30に伝導する熱量を多くできる。
なお、棒状の熱交換部材30の断面形状は、特に限定されない。前述のように放熱フィン139どうしの間に配置される構成や、溝に嵌め込まれる構成であれば、放熱フィン139どうしの間の形状と同じ断面形状や、溝と同じ断面形状が適用できる。これらのような構成によれば、棒状の熱交換部材30の接触部301とシリンダーブロック133の外周面(放熱フィン139を含む)との接触面積を大きくできる。ただし、棒状の熱交換部材30の断面形状は、円形や、四角形などの多角形であってもよい。また、棒状の熱交換部材30の断面形状は、全長にわたって同じでなくてもよい。例えば、接触部301の断面形状を、シリンダーブロック133の外周面および放熱フィン139の外周面に沿った形状とし、突出部302の断面形状を前後方向に長いフィン状(すなわち板状)の形状としてもよい。このような構成によれば、接触部301においては、シリンダーブロック133の外周面などとの接触面積を増加させることができ、突出部302においては外気に接する部分の面積を大きくすることができる。このような構成によれば、冷却効率の向上を図ることができる。
ここで、棒状の熱交換部材30と吸気経路161との位置関係について説明する。図2や図3に示すように、シリンダーヘッド134には、上面側にインテークポート136が設けられ、下面側にエグゾーストポート137が設けられる。そして、インテークポート136には、吸気経路161の一端が接続される。このように、本実施形態では、吸気経路161は、シリンダーブロック133およびシリンダーヘッド134の上方に配置される。そして、複数のうちの少なくとも一部の棒状の熱交換部材30は、側面視において、突出部302の少なくとも一部が吸気経路161に重畳する。このように、棒状の熱交換部材30を、側面視において吸気経路161と重畳するように配置することによって、冷却能力の向上を図ることができる。すなわち、吸気経路161は、シリンダーブロック133やシリンダーヘッド134やシリンダーヘッドカバー135よりも車幅方向寸法が小さい。このため、吸気経路161の車幅方向の両側には、空間が形成される。そこで、棒状の熱交換部材30の突出部302を屈曲や湾曲させ、この吸気経路161の側方の空間に配置することにより、棒状の熱交換部材30の突出部302を配置するスペースを別に設けることなく、突出部302の長さを長くできる。このため、冷却能力の向上を図ることができる。また、このような構成によれば、吸気経路161の側方の空間の有効利用を図ることができる。
さらに、走行風は、吸気経路161が配置されることによって走行風が通過する経路の断面積が小さくなっているから、吸気経路161の車幅方向外側を通過する走行風の速度が速くなり、かつ、風量が増加する。このため、棒状の熱交換部材30の突出部302を、側面視において吸気経路161に重畳する位置に配置することにより、冷却効率の向上を図ることができる。
例えば、図2に示すように、複数の棒状の熱交換部材30のうち、最も前側に位置する一本の棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133から上方に向かって突出し、その上側において前方に向かって屈曲し、側面視において吸気経路161に重畳する位置に達する。そして、その位置において上方に向かって屈曲し、側面視においてメインフレーム112に重畳する位置に達する。このように、棒状の熱交換部材30の突出部302を屈曲や湾曲させることにより、突出部302の長さを長くして冷却効率の向上を図ることができる。それとともに、突出部302を、側面視において吸気経路161に重畳する位置に配置することにより、吸気経路161の車幅方向外側のスペースの有効利用を図りつつ、冷却効率の向上を図ることができる。
次に、棒状の熱交換部材30の配置構成の変形例について説明する。図4は、熱交換部材30の配置構成の変形例を模式的に示す図であり、シリンダーブロック133を燃焼室138の軸線方向に直角な方向で切断した断面図である。図4に示すように、棒状の熱交換部材30は、全体として略「U」字形状に形成される。そして、「U」字の左右二本の縦棒の下部に相当する部分が、シリンダーブロック133の車幅方向外側に接触し、「U」字の底部に相当する部分が、シリンダーブロック133の下面に接触する。これらの部分が、接触部301となる。一方、「U」字の左右二本の縦棒の上部に相当する部分は、シリンダーブロック133の上面から上方に向かって突出しており、これらの部分が突出部302となる。すなわち、棒状の熱交換部材30の中間部が接触部301となり、両端部が突出部302となる。
このように、棒状の熱交換部材30が略「U」字形状に形成される構成であると、中間部である接触部301の長さを長くしてシリンダーブロック133との接触面積を大きくできる。したがって、シリンダーブロック133から伝導される熱量を多くできるから、冷却効率の向上を図ることができる。また、このような構成では、棒状の熱交換部材30は、シリンダーブロック133の車幅方向外側や下方には突出しないから、棒状の熱交換部材30が、シリンダーブロック133の車幅方向外側や下側における機器等のレイアウトに影響しない。すなわち、シリンダーブロック133の車幅方向外側や下方における機器等のレイアウトが、棒状の熱交換部材30によって制限されることがない。
なお、この変形例では、一本の棒状の熱交換部材30が、略「U」字形状に形成される構成であってもよく、複数の棒状の熱交換部材を略「U」字形状に組み合わせる構成であってもよい。例えば、前面視において略「L」字形状や「J」字形状に形成される二本の棒状の熱交換部材30を組み合わせることによって、棒状の熱交換部材30を略「U」字形状に形成する構成が適用できる。要は、単数または複数の棒状の熱交換部材30が、全体として略「U」字形状に形成される構成であればよい。そして、略「U」字形状に形成された状態で、中間部が接触部301となってシリンダーブロック133の車幅方向の側面および下面に接し、両端部が突出部302となって上方に向かって突出する構成であればよい。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、本発明の冷却構造がアンダーボーンタイプの自動二輪車に適用される例を示したが、本発明の冷却構造が適用される自動二輪車の種類は限定されない。本発明の冷却構造は、オンロードタイプの自動二輪車、オフロードタイプの自動二輪車、スクーター型の自動二輪車など、各種自動二輪車(原動機付き自転車を含む)に適用できる。また、自動二輪車のほか、たとえば不整地走行用の三輪車や四輪車など、鞍乗型の車両であれば適用できる。要は、シリンダーブロックの前側にシリンダーヘッドが位置し、シリンダーブロックを覆うようにサイドカバー(車体カバー)が設けられる構成であれば、種類を問わずに適用できる。
本発明は、鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造に有効な技術である。そして、本発明によれば、エンジンおよびエンジンを覆うカバーの車幅方向寸法を増大させることなく、エンジンの冷却能力の向上を図ることができる。
1:自動二輪車、11:車体フレーム、111:ステアリングヘッドパイプ、112:メインフレーム、113:リヤフレーム、121:前輪、122:ステアリングシャフト、123:フロントフォーク、124:ハンドルユニット、125:ブレーキキャリパー、126:ハンドルグリップ、127:ハンドルカバー、13:エンジンユニット、132:クランクケースアセンブリ、133:シリンダーブロック、134:シリンダーヘッド、135:シリンダーヘッドカバー、136:インテークポート、137:エグゾーストポート、138:燃焼室、139:放熱フィン、141:後輪、142:スイングアーム、144:ショックアブソーバ、151:フロントフェンダ、152:リヤフェンダ、153:シート、154:サイドカバー、155:フロントカバー、156:レッグシールド、161:吸気経路、171:スロットルボディ、172:排気管、173:消音器、174:ヘッドライト、175:エアクリーナー、30:熱交換部材、301:接触部、302:突出部

Claims (5)

  1. 内部に燃焼室が形成されたシリンダーブロックを有する内燃機関が適用された鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造であって、
    前記シリンダーブロックは、前記燃焼室の軸線が水平方向かまたは鉛直方向よりも水平方向に近い前傾となる向きで配置され、
    前記シリンダーブロックの熱を外気に放出する棒状の熱交換部材を有し、
    前記熱交換部材の一部は前記シリンダーブロックの側面に接触しており、他の一部は前記シリンダーブロックの上端よりも上方に突出していることを特徴とする鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造。
  2. 前記熱交換部材は、内部に空間が形成されるとともに前記空間に冷媒が封入されているヒートパイプであることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造。
  3. 前記熱交換部材は略「U」字形状を有しており、
    前記熱交換部材の中間部は、前記シリンダーブロックの下面および車幅方向の側面に接しており、
    前記熱交換部材の両端部は、前記シリンダーブロックの上端よりも上方に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造。
  4. 前記シリンダーブロックは、前記燃焼室の軸線方向に直角な板状で外側に向かって延出する複数の放熱フィンを有し、
    前記熱交換部材は、前記複数の放熱フィンどうしの間に取り付けられること特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造。
  5. 燃焼用の空気が通過する吸気経路は、前記シリンダーブロックの上方に設けられ、
    前記熱交換部材の一部は、側面視において前記吸気経路と重畳することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の内燃機関の冷却構造。
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