JP2016198902A - 白色発光性蓄光シート - Google Patents

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嗣貴 西原
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健太郎 窪田
靖洋 羽場
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靖洋 羽場
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健太 小沼
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Abstract

【課題】 従来から使用されている蓄光機能を持つシートでは、発光効率が良い緑色及び青色発光材料が広く使用されており、その発光色から意匠性が低く使用範囲が限られていた。従来からある白色発光蓄光シートでは、顔料を混合し、発光層を作製していたが、混合不良による発光性不具合が発生していた。【解決手段】 本発明では、光の3原色である赤色、青色、緑色の発光色を持つ蓄光性顔料層を各々作製、積層する事により、各顔料の粒径不ぞろい等による発光性不具合を改善し、可視光下ならびに発光時に白色発光する蓄光シートを提供する事が可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、蛍光灯や太陽光等の可視光下で白色に見え、入射光が無い時に白色に発光する蓄光シートを提供する。
現在、光源が無くなった状況であっても避難誘導や安全確認が可能となる蓄光機能を有する標識が、旧来の電気式標識の代替として利用される事が多くなっている。蓄光機能を有する標識は、太陽光や蛍光灯などの入射光が存在する環境下では、照射された光エネルギーを吸収する。そして、照射される光源が日没や停電により消失した後に、燐光によって光エネルギーを長時間に亘り放出することができる。つまり、視認性が悪い環境でも視認性を高めるものである。
従来使用されている蓄光機能を有するフィルム/シートは、使用する顔料の制限から発光波長が480nm近傍の青色発光や、発光波長が520nm近傍の緑色発光である事が多い。そのため、可視光下であってもそれぞれの発光色を視認してしまい、意匠性に乏しいといった問題がある。
これを解決する方法として、例えば特許文献1では、光の3原色、すなわち緑、青、赤及びその加色混合を有する顔料を混合し白色発光を得ることで、可視光下での見た目、並びに入射光が無い場合での発光色を白色にすることが試みられている。
特開2008−101146号公報
しかし、特許文献1の方法により得られる白色発光シートは、使用する顔料粒径が異なるため均一に蓄光性顔料を分散する事が難しく、その混合状態の変化により白色発光の再現に乏しい。そのため、安定した白色発光シートを得る事が難しいといった課題がある。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
赤色蓄光性顔料を第一の保持基材に単一に分散した赤色蓄光層と、緑色蓄光性顔料を第二の保持基材に単一に分散した緑色蓄光層と、青色蓄光性顔料を第三の保持基材に単一に分散した青色蓄光層とで構成され、前記赤色蓄光層、前記緑色蓄光層、前記青色蓄光層が順不同で積層されている事を特徴とする白色発光性蓄光シートである。
さらに、白色発光性蓄光シートを押出成形法又はウェットコーティング法により製造することを特徴とする白色発光性蓄光シートの製造方法である。
さらに、白色発光性蓄光シートを備えたことを特徴とする標識である。
本発明により作製される蓄光シートでは、光の3原色である緑、青、赤色に発光する蓄光性顔料を単一で含有した層が積層されている事により、各発光を再現するための蓄光性顔料の粒径の選択性を広げ、蛍光灯や太陽光等の可視光下においても白色に見え、入射光が無くなった際にも白色に発光する事から意匠性に優れた白色発光性シートを提供する事が可能となる。
本発明の実施形態の一例を示した概略図である。 本発明の実施形態の別の一例を示した概略図である。 本発明の実施形態の別の一例を示した概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、各図は模式的に示してあり、各部の大きさや形状は理解を容易にするために適宜誇張して示している。また、説明を簡単にするため、各図の対応する部位には同じ符号を付している。
始めに、本発明の特徴について概要を説明する。
図1に示されるように、白色発光性蓄光シート10は、赤色に発光する蓄光性顔料が保持基材中に単一で分散されている赤色蓄光層11、青色に発光する蓄光性顔料が単一で保持基材中に分散されている青色蓄光層12、緑色に発光する蓄光性顔料が単一で保持基材中に分散されている緑色蓄光層13、を積層して構成されている。
光の3原色である緑、青、赤に発光する蓄光性顔料をそれぞれ単一に分散された蓄光層を積層する事により、特許文献1のように粒径の異なる蓄光性顔料を混合する必要がないため、分散不具合による白色発光性低下が無く、白色発光再現性が高い白色発光性蓄光シート10を形成することができる。また、各発光を再現するための蓄光性顔料の粒径が限定されないため、使用する蓄光性顔料の選択肢を広げることが可能となる。
以下では、本実施形態における各構成の詳細を説明する。
(保持基材)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13を構成するための保持基材としては、蓄光性顔料に必要な励起光と、それぞれの蓄光性顔料からの発光を十分に透過する事が望ましく、400nm以上800nm以下の可視光領域において全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
上記の性能を満たす保持基材としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられるが、用途に応じて単一または混合、積層して使用する事が可能である。
以下では、各樹脂の特徴について説明する。本発明の白色発光性蓄光シート10を使用する環境に応じて適宜選定すればよい。
アクリル系樹脂の特徴としては、高い透明性、耐候性が挙げられる。アクリル系樹脂は可視領域の光線の吸収が無く、蓄光性顔料中の光線を散乱させる様な結晶粒子も殆ど無い。紫外領域ではカルボニル基に由来する電子遷移吸収があるが、併用する蓄光性顔料の吸収波長とも重ならないため、励起光及び放出光に対して透明性が非常に高い特性がある。また、一般的にアクリル系樹脂では熱可塑性アクリル系樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化アクリル樹脂等があるが特に制限されるものではなく、本発明を再現するための加工方法により適宜使用する事が可能である。
ポリカーボネート系樹脂の特徴としては、アクリル系樹脂と同様、全光線透過率が90%程度と高いことが挙げられる。また、紫外領域では、400nm以下の波長に対しては透過率が低下するが、可視光領域では大きな吸収が無い。紫外線による劣化が起こるが、その波長は290nm前後であるので、得られた白色発光性蓄光シート10の極表面の劣化は起こるものの、白色発光性に大きな影響は無い。
ポリスチレン系樹脂は、汎用グレードにおいては非晶性で立体規則性が無いアタクチックポリマーである。しかし、Ziegler−Natta触媒を用いた場合にはアイソタクチック構造となり、オレフィン重合触媒、メタロセン触媒を用いた場合ではシンジオタクチック構造となる。アイソタクチック構造の場合、結晶化速度が遅く、実用性が低いたく、加工時間が長くなってしまうため成形用途として用いられる事は少ない。シンジオタクチック構造の場合、アタクチック構造の場合と異なり、融点が270℃程度まで向上するので耐熱性が高く高強度となる利点がある。しかし、結晶性が高まった事による不透明化により本発明シート用材料としては好適ではないため、アタクチック構造のポリスチレンを使用する事が好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂は、全光線透過率はアクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂と比較すると可視光領域で80%程度とやや低下するが、各種顔料との相溶性が良い等の利点がある。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンとエチレンの共重合体であり光学適性に優れた材料である。主鎖に嵩高い脂環構造を有するため非晶性で高いガラス転移温度を有し、耐熱安定性や耐光性などの化学的性質や耐薬品性に優れる。特にオレフィン系材料がベースのため、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂と比較すると高い水蒸気バリア性を持つ。
ポリエチレン樹脂は、結晶性の熱可塑性樹脂である事から成形時にシート内に結晶が生成されるが、一般的なポリエチレンは密度により結晶の数や大きさが変化する。特に密度が940kg/mを超える高密度ポリエチレンでは結晶性が高くなるため、全体として乳白色をしたシートとなる。よって、蓄光性顔料の光励起に必要な入射光及び燐光の発光を散乱してしまうといった問題がある。そのため、密度の小さいポリエチレン樹脂を使用する事が好ましい。本用途としては、密度が900kg/m以上930kg/m以下である低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン等を使用する事が好ましい。
ポリプロピレン樹脂は、結晶性の熱可塑性樹脂であるが重合する際に導入するコポリマーによって性質が変化する。ポリプロピレン単独で重合したホモポリマー、エチレンを少量重合したランダムコポリマー、ポリプロピレンの重合後にエチレンを重合し、エチレン−プロピレン共重合連鎖を持つブロックコポリマーがある。本用途としては、蓄光性顔料の光励起に必要な入射光及び蓄光性顔料から発光した燐光を透過する必要があるため、光線透過性がポリプロピレンの中では比較的良い、ホモポリマー、ランダムコポリマーを使用する事が好ましい。
上記に使用可能なプラスチックを記載したが、上記材料に制限する事なく、必要に応じて、上記ポリマーの誘導体や、各種プラスチックを積層、混合して用いても良い。
(蓄光性顔料)
次に各色の蓄光層に使用する蓄光性顔料について説明する。
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に使用する蓄光性顔料としては、硫化カルシウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム等の硫化物蛍光体や、ストロンチウム、ユウロピウムやジスプロシウムを含むアルミン酸塩蛍光体などが使用出来る。アルミン酸塩蛍光体としては、MAl24 で表わされる化合物のうち、Mは、カルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素からなる化合物を母結晶とし、賦活剤としてユウロピウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等を好適に含むものである。
上述した蓄光性顔料の中から適宜選択すればよいが、より好ましい蓄光性顔料を以下に例示する。
緑色蓄光性顔料としては、SrAl:Eu、DyやZnS:Cu等が使用できる。青色蓄光性顔料としては、SrAl1425:Eu、Dy、及びSrAl1425:Eu、DyとCaAl4:Eu、Ndの混合体等が使用できる。赤色蓄光性顔料としてはCaS:Eu、DyやYS:Eu、Mg、Tiのうちそれぞれ単独または混合して使用する事が可能である。
(粒径)
蓄光性顔料の粒径としては平均粒度D50が1μm以上50μm以下である事が好ましい。平均粒度D50とは、蓄光性顔料の粉体を乾式処理後に大小2つの粒子径に分類したとき、大きい側と小さい側が等量となったときの径と定義する。平均粒度D50の測定については、蓄光性顔料の粉体を乾式処理後にMEK溶液に質量比で10%となる様に分散した後、レーザー回折・散乱法を用いて観測される粉体粒子径分布の累積分布50%時の粒子径(メジアン)を取る事とする。平均粒度D50が1μm未満となった場合、蓄光性顔料の表面が周囲の水分等により酸化されやすくなる事から本来の発光性能を得る事が難しく、取り扱い時にも粉塵が発生しやすくなり取り扱いが難しくなる。一方、平均粒度D50が50μmより大きい場合、保持基材への分散性が悪くなる事から、得られる蓄光シートの外観が悪くなる。なお、各色に用いる蓄光性顔料は上記範囲内において、後述する粉砕法を用いて同程度の粒径に揃えてから使用しても良いし、各色ごとに粒径を適宜変化させることで色味を調整しても良い。
(混合割合)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13において、保持基材として使用する樹脂と蓄光性顔料の混合割合であるが、使用時の視認性向上、加工性担保のために、蓄光性顔料は母体として使用する各樹脂に対して、重量比率で10%以上50%以下とする事が好ましい。なお、各色に用いる蓄光性顔料は上記範囲内において同程度の重量比率としても良いし、重量比率を各色ごとに適宜変化させることで色味を調整しても良い。
蓄光性顔料の混合割合が重量比率10%未満の場合では、各蓄光層を積層したシートの発光輝度が十分ではなく、視認性に乏しい。また、重量比率が50%を超える場合には加工性が低下してしまう。即ち、熱可塑性樹脂を保持基材として使用し、押出成形する場合には、押出成形機のスクリュー負荷の上昇等が発生し成形する事が難しい。また、保持基材として熱硬化性樹脂及び紫外線硬化樹脂を用い、ウェットコーティング法を利用する場合は、通常、各樹脂の親溶媒に蓄光性顔料及び保持樹脂を溶解した分散液を使用する。ここで蓄光性顔量の混合比率が大きいと分散液内での蓄光性顔料の沈降、ウェット塗布時の流動不安定等の問題が起こりやすいといった問題が発生する。
(積層順番)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の積層順番により白色発光性が損なわれる事は無い。そのため、積層順番について特に制限は無い。白色発光性蓄光シート10を使用する際の可視光の色調や、最適な色味を得るために、適宜積層順番は変更してよい。
(膜厚)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の各層厚みについてはそれぞれ0.02mm以上0.5mm以下が好ましい。各蓄光層がそれぞれ0.02mm未満の場合では、入射光により励起された蓄光性顔料から放出される光が、視認に必要となる輝度を得る事が難しい。また、0.5mmより厚くなった場合、蓄光性顔料から発光した光を蓄光層から効率的に取り出す事が難しくなり、十分に視認できないといった問題がある。なお、各蓄光層の膜厚は上記範囲内において同程度の膜厚としても良いし、各蓄光層ごとに適宜変化させても良い。
(製造方法)
保持基材に用いる樹脂の加工適性により、本発明を実施する際の加工方法を適宜選択する事が可能である。例えば、保持基材として熱可塑性樹脂を使用した場合には押出成形法等による加熱溶融製膜を用いる事が出来る。また、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いる場合には、使用する樹脂の親溶媒に樹脂及び蓄光性顔料を混合、分散した後、ウェットコーティング法により塗工液を塗布後、熱乾燥及び紫外線ランプによる硬化を行う事で蓄光性シートを得る事が可能となるが、特に制限は無く公知の方法が利用できる。
例えば、白色発光性蓄光シート10を単軸スクリュ−押出機、2軸スクリュ−押出機、多軸スクリュ−押出機等の一般的な熱可塑性プラスチック加工用の押出機にて、赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13についてそれぞれ熱可塑性プラスチック及び蓄光性顔料を混合し溶融混合した後、フィードブロック法またはマルチマニホールド法を用いて溶融状態で各蓄光層を積層し、Tダイから白色発光性蓄光シート10を作製する事が可能である。
またウェットコーティング法を用いる場合には、赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13をそれぞれ保持基材、顔料を親溶媒に分散した塗布液をグラビア印刷、オフセット印刷、マイクログラビアコート、リバースコート、スピンコート、スクリーン印刷法等を用いて剥離可能な基材上に随時塗布、積層する事で白色発光性蓄光シート10を作製する事が可能である。
蓄光性顔料の粒径を所望する大きさに調整する方法については、必要に応じてボールミル、ビーズミル、高圧流体衝突ミル、ロールミル、高速回転ミル、高速旋回薄膜ミル等の湿式粉砕法、衝突粉砕、気流式粉砕、機械式粉砕等の乾式粉砕法を用いて蓄光性顔料の粒径を変更する事が可能であり、必要に応じて上記記載の粉砕方法を適宜使用する事が可能である。
(反射層)
上述の製造方法にて得られた白色発光性蓄光シート10を、他の機能を持つ層と積層して用いても良い。例えば、白色発光性蓄光シート10を効率的に発光させるために、図2に示すように当該シートのどちらか一方の面に反射層20を設けることも可能である。
具体的には、反射層20は白色発光性蓄光シート10に到達した入射光により励起された燐光を効率良く放出するために、燐光の持つ可視光波長において反射率を高くする必要がある。この性質を満たす材料として、アルミニウム、銀、金、銅などを適宜積層して利用する事が可能である。
(発光層)
また、他の機能層の別の一例として、図3に示すように、発光層30上に本発明の白色発光性蓄光シート10を積層しても良い。発光層30は、LEDやエレクトロルミネッセンス、蛍光灯といった公知の発光媒体を適宜使用できる。本発明の白色発光性蓄光シート10は可視光下において白色に見えることから、発光層30からの光は白色発光性蓄光シート10越しであっても白色に発光する。そのため、蓄光機能を有した意匠性の高い照明装置を形成することが可能となる。同時に、白色発光性蓄光シート10に発光層30からの入射光が吸収される。そして、震災等により発光層30が消灯した場合は、吸収されていた光エネルギーを放出することで周囲の視認性を高めることが可能となる。
(実施例1)
赤色蓄光層11に使用する保持基材として三菱レイヨン株式会社製アクリル樹脂(品名 アクリペットVH000)を2軸混練押出機のメインフィード部に投入し、270℃に加熱、溶融する。サイドフィードから根元特殊化学株式会社製蓄光性顔料(品名 RAS)を供給し、保持プラスチックと蓄光性顔料の重量比率が30%となる様に混練する。
青色蓄光層12に使用する保持基材として三菱レイヨン株式会社製アクリル樹脂(品名 アクリペットVH000)を2軸混練押出機のメインフィード部に投入し、270℃に加熱、溶融する。サイドフィードから根元特殊化学株式会社製蓄光性顔料(品名 B−300M)を供給し保持プラスチックと蓄光性顔料の重量比率が30%となる様に混練する。
緑色蓄光層13に使用する保持基材として三菱レイヨン株式会社製アクリル樹脂(品名 アクリペットVH000)を2軸混練押出機のメインフィード部に投入し、270℃に加熱、溶融する。サイドフィードから根元特殊化学株式会社製蓄光性顔料(品名 GLL−300M)を供給し保持プラスチックと蓄光性顔料の重量比率が30%となる様に混練する。
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13を溶融状態でフィードブロックTダイに接続し、各層厚みが40μm毎となる様にそれぞれ積層し、総厚み120μmの白色発光性蓄光シート10を得た。なお、各蓄光層に使用した蓄光性顔料の平均粒度D50は5μmとし、蓄光層の積層順番は赤/青/緑の順とした。
(実施例2)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の各層厚みを20μmとし、実施例1と同様に成形し実施例2を得た。
(実施例3)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の各層厚みを100μmとし、実施例1と同様に成形し実施例3を得た。
(実施例4)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の各層厚みを500μmとし、実施例1と同様に成形し実施例4を得た。
(実施例5)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に添加している各層の保持基材に対する蓄光性顔料の重量混合比率を10%とし、実施例1と同様に成形し実施例5を得た。
(実施例6)
赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に添加している各層の保持基材に対する蓄光性顔料の重量混合比率を50%とし、実施例1と同様に成形し実施例6を得た。
(実施例7)
実施例1で赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に使用した保持基材を帝人化成株式会社製ポリカーボネート(品名 パンライトL1250ZW)に変更し、蓄光性顔料比率及び各層膜厚を実施例1と同様に成形し実施例7を得た。
(実施例8)
実施例1で赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に使用した保持基材をPSジャパン株式会社製ポリスチレン(品名 HF77)に変更し、蓄光性顔料比率及び各層膜厚を実施例1と同様に成形し実施例8を得た。
(実施例9)
実施例1で赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に使用した保持基材を三井化学株式会社製環状オレフィン(品名 アペルAPL5014DP)に変更し、蓄光性顔料比率及び各層膜厚を実施例1と同様に成形し実施例9を得た。
(実施例10)
実施例1で赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に使用した保持基材をプライムポリマー株式会社製LLDPE(品名 SP2040)に変更し、蓄光性顔料比率及び各層膜厚を実施例1と同様に成形し実施例10を得た。
(実施例11)
実施例1で赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に使用した保持基材を日本ポリプロ株式会社製ポリプロピレン(品名 EG7FTB)に変更し、蓄光性顔料比率及び各層膜厚を実施例1と同様に成形し実施例11を得た。
(実施例12)
実施例1において、赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13に添加する蓄光性顔料比率を5%とし、各層厚み、保持樹脂種類は実施例1と同様に成形し、実施例12を得た。
(実施例13)
実施例1において、赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の各層厚みを10μmとし、保持樹脂種類、蓄光性顔料添加量は実施例1と同様に成形し、実施例13を得た。
(実施例14)
実施例1において、赤色蓄光層11、青色蓄光層12、緑色蓄光層13の各層厚みを1000μmとし、保持樹脂種類、蓄光性顔料添加量は実施例1と同様に成形し、実施例14を得た。
(比較例1)
白色発光性蓄光シート10の保持基材として三菱レイヨン株式会社製アクリル樹脂(品名 アクリペットVH000)を2軸混練押出機のメインフィード部に投入し、270℃に加熱、溶融する。サイドフィードから実施例1で使用した赤色、青色、緑色の蓄光性顔料を重量比1:1:1で混合した混合顔料をサイドフィードから供給し保持プラスチックと混合蓄光性顔料の重量比率が30%となる様に混練し、厚みが120μmとなる様に成形した。その他の構成は実施例1と同様に成形し、比較例1を得た。
(評価試験)
得られた白色発光性蓄光シート10について可視光下での見た目評価を行った。また、励起光入射後の蓄光発光性評価については、白色発光性蓄光シート10の表側と裏側にあたる赤側、緑側それぞれから見た場合について評価を実施した。
(見た目評価)
可視光下での見た目評価については、蛍光灯下において、白色発光性蓄光シートを50mm角に切出し、2m離れた距離から観察した際の見た目を評価した。評価基準としては、5人で見た目を評価し、白く見えると判断した人数を評価し、4人以上が白色に見えると判断した場合を〇、3人が白色に見えると判断した場合を△、その他を×とした。
(蓄光発光性評価)
励起光入射後の蓄光発光性評価については、可視光下で準備した白色発光性蓄光シート10を、暗室内にて標準光D65を200lx、20分間照射した後、光源を遮断した。そして、20分経過後のシート発光に関して2m離れた距離から観察した際の見た目を評価した。評価基準としては、はっきりと見える状態を2点、何とか見える状態を1点、全く見えない状態を0点とし、5人で見た目を評価した際の合計点が7点以上を◎、5点以上を〇、3点以上を△、その他を×として評価した。
(評価結果)
可視光下での見た目評価、励起光入射後の蓄光発光性評価について、実施例1から実施例14、比較例1を実施した結果を表1に記載する。
Figure 2016198902
実施例1から11より、本発明の白色発光性蓄光シート10は可視光下において良好に白色表示されていることが確認できた。また、可視光下並びに蓄光発光時の見た目について、各蓄光材料を混合して製造した比較例1より優れていることがわかる。
実施例12では各蓄光層の蓄光性顔料含有量が十分ではないため、可視光下での見た目は白色に表示されるものの、蓄光発光強度が実施例1乃至11より弱い。
また、実施例13では各蓄光層の厚みが十分ではなく、実施例14では各蓄光層の厚みが厚すぎるため、可視光下及び蓄光発光時には白色に表示されるものの、実施例1乃至11より低下している。
一方、本発明の白色発光性蓄光シート10の構造を有さず、各蓄光材料を混合して製造した比較例4では、発光色別に蓄光層が分離していないため可視光下、蓄光発光時の見た目が十分ではない。
本発明による白色発光性蓄光シートを用いる事で、可視光下、並びに発光時の色が白色となり意匠性が向上した事から、従来蓄光性基材を用いた場合での意匠性低下による使用適用範囲を拡大する事が可能となる。
10…白色発光性蓄光シート
11…赤色蓄光層
12…青色蓄光層
13…緑色蓄光層
20…反射層
30…発光層

Claims (10)

  1. 赤色蓄光性顔料を第一の保持基材に単一に分散した赤色蓄光層と、
    緑色蓄光性顔料を第二の保持基材に単一に分散した緑色蓄光層と、
    青色蓄光性顔料を第三の保持基材に単一に分散した青色蓄光層とで構成され、
    前記赤色蓄光層、前記緑色蓄光層、前記青色蓄光層が積層されている事を特徴とする白色発光性蓄光シート。
  2. 前記第一の保持基材、前記第二の保持基材、前記第三の保持基材がそれぞれアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のうち少なくとも一つ以上含有されている事を特徴とする請求項1に記載の白色発光性蓄光シート。
  3. 前記赤色蓄光性顔料がCaS:Eu、D及びYS:Eu、Mg、Tiのいずれか、または両方を含んでいる事を特徴とする請求項1又は2に記載の白色発光性蓄光シート。
  4. 前記緑色蓄光性顔料がSrAl:Eu、DyやZnS:Cuのいずれかまたは両方を含んでいる事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シート。
  5. 前記青色蓄光性顔料がSrAl1425:Eu、Dy、及びCaAl4:Eu、Ndのいずれか、または両方を含んでいる事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シート。
  6. 前記赤色蓄光層、前記緑色蓄光層、前記青色蓄光層の厚みがそれぞれ0.02mm以上0.5mm以下である事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シート。
  7. 前記赤色蓄光性顔料、前記緑色蓄光性顔料、前記青色蓄光性顔料の平均粒度D50が1μm以上50μm以下である事を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シート。
  8. 前記各保持基材に対する前記赤色蓄光性顔料、前記緑色蓄光性顔料、前記青色蓄光性顔料の混合比率が、重量比率でそれぞれ10%以上50%以下である事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シート。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シートを押出成形法又はウェットコーティング法により製造することを特徴とする白色発光性蓄光シートの製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の白色発光性蓄光シートを備えたことを特徴とする標識。
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