JP2016198814A - ガス切断方法及びガス切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、水素ガス供給路を流通する水素ガス流量を検知し、その水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算して炭化水素系ガス添加量を制御することを目的としている。【解決手段】 水素ガスとLPガスを混合するインジェクタ10と、混合ガスを略一定圧力に制御する圧力調整器12と、水素ガス流量を検知する水素ガス流量検知部14と、LPガス流量を制御するLPガス流量制御部15と、水素ガス流量検知部14により検知した水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づくLPガス流量を演算する混合比率一定制御装置16とを有し、LPガス流量制御部15は、該混合比率一定制御装置16により演算したLPガス流量に基づいてLPガス添加量を制御することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス切断方法及びガス切断装置に関するものである。
従来、水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして切断トーチに供給して被切断材を切断するガス切断装置が提案されている。
燃料ガスとしては、LPガス(液化石油ガス)、プロパンガス、ブタンガス、メタンガス、アセチレンガス等が広く使用されているが、最近、切断速度、切断品質、切断時間の短縮等に優れ、燃焼後の環境にも優しい水素ガスが注目されている。
水素ガス単体では、燃焼時に切断トーチの火口から白点が見えず、燃焼時に逆火等が発生し易く、取扱いが困難であるため水素ガスにLPガス(液化石油ガス)等の炭化水素系ガスを混合して白点が確認できるようにしている。
また、酸素ガスと水素ガスとを混合したガス(酸水素ガス)では、炭化水素系ガスを適量混合して安全性と切断効率とを確保できるようにしている。
例えば、特許文献1には、複数の切断トーチを選択的に使用する際に、供給される水素ガスに対するプロパンガスの混合比率が一定になるように、水素ガスの供給量を検知し、その検知データと混合設定値データとにより水素ガスに添加される添加ガスの供給量を制御することが提案されている。
また、特許文献2では、被切断材を加熱する場合の水素ガスと炭化水素系ガスとの比率と、被切断材を切断する場合の水素ガスと炭化水素系ガスとの比率とを変更することが提案されている。
また、特許文献3、4では、水素ガスと炭化水素系ガスとを混合した燃料ガスにおける炭化水素系ガスの含有量を規定したものが提案されている。
また、特許文献5では、酸素ガスと水素ガスとの混合ガス(酸水素ガス)に対して炭化水素系ガスの含有量を安全性と切断効率とを考慮して規定したものが提案されている。
また、特許文献6では、複数本の切断トーチを有する切断装置において火炎調整を行なう技術が提案されている。
また、特許文献7では、複数本のトーチの各トーチの火炎調整を自動設定で行なう技術が提案されている。
特開2003−080368号公報 特開2010−069487号公報 国際公開第2011/132496号パンフレット 特開2014−069232号公報 特開2001−246464号公報 特開平10−175066号公報 特開平08−197257号公報
しかしながら、前述の従来例では、燃料ガスとなる水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスの混合比率を切断途中で変更した場合、支燃ガスである予熱酸素の流量も混合比率に応じて変更する必要がある。
また、燃料ガスとなる水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスの混合比率を一定とし、切断途中で混合ガス流量を変更した場合、支燃ガスである予熱酸素の流量も混合比率に応じて変更する必要がある。
また、燃料ガスとなる水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスの混合比率及び流量と、予熱酸素の流量は、多様な切断要求諸元(切断板厚及び材質、切断形状、切断品質、切断速度、切断プロセス等)に応じて適正な火炎性状の予熱炎となるように調整されるのが好ましい。
そして、適正な火炎性状の予熱炎に調整する場合は、燃料ガスとなる水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスの混合比率及び流量の双方を勘案して、予熱酸素の流量を調整及び/又は設定するのが一般的である。
多様な切断要求諸元に応じて適正な火炎性状の予熱炎となるように、燃料ガス及び予熱酸素の流量を決定するに当り、複数本の切断トーチ(吹管)の各切断トーチ(吹管)の火炎調整を手動設定で行なう場合は、特許文献6に記載されたように、全ての切断トーチ(吹管)について順次行なうのが一般的である。これらの調整作業は、火炎性状と切断特性の関係を熟知した熟練技能者によって行なわれ、多大な時間を要する。この場合において、燃料ガスとなる水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスの複数本の切断トーチ(吹管)への供給圧力の変動があると火炎性状が定まらない。
多様な切断要求諸元に応じて適正な火炎性状の予熱炎となるように、燃料ガス及び予熱酸素の流量を決定するに当り、複数本の切断トーチ(吹管)の各切断トーチ(吹管)の火炎調整を自動設定で行なう場合は、特許文献7に記載されたように、個々の切断トーチ(吹管)の燃料ガスと予熱酸素とに対して予め流量指令値を設定し、定流量制御機器によって燃料ガスと予熱酸素との定流量制御を行なうのが一般的である。この方法によれば、熟練技能者による個々の切断トーチ(吹管)の予熱炎の火炎調整は不要となるが、制御系を含む装置の費用が嵩むきらいがある。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、1本又は複数本の切断トーチを備えた切断機に水素ガスと炭化水素系ガスの所定の混合比率の混合ガスを切断トーチの燃料ガスとして供給し、個々の切断トーチに対して前記燃料ガスを予め設定された所定の流量で供給されるように制御すると共に、前記燃料ガス流量に予め設定された1本又は複数本の切断トーチの中から任意の切断トーチを簡便に選択して使用することができるガス切断装置及びガス切断方法を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明に係るガス切断方法の代表的な構成は、水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして略一定圧力で切断トーチに供給して被切断材を切断するガス切断方法であって、水素ガス供給路を流通する水素ガス流量を検知し、その水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算して炭化水素系ガス添加量を制御することを特徴とする。
また、本発明に係るガス切断装置の代表的な構成は、水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして切断トーチに供給して被切断材を切断するガス切断装置であって、水素ガスを供給する水素ガス供給路と、炭化水素系ガスを供給する炭化水素系ガス供給路と、前記水素ガス供給路から供給された水素ガスと、前記炭化水素系ガス供給路から供給された炭化水素系ガスとを混合する混合手段と、前記混合手段により混合された混合ガスを前記水素ガスと前記炭化水素系ガスの流量変化に関わらず略一定圧力に制御する圧力制御手段と、前記水素ガス供給路を流通する水素ガス流量を検知する水素ガス流量検知手段と、前記炭化水素系ガス供給路を流通する炭化水素系ガス流量を制御する炭化水素系ガス流量制御手段と、前記水素ガス流量検知手段により検知した水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算する演算手段と、を有し、前記炭化水素系ガス流量制御手段は、前記演算手段により演算した炭化水素系ガス流量に基づいて前記炭化水素系ガス供給路を流通する炭化水素系ガス添加量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、水素ガス供給路を流通する水素ガス流量を検知し、その水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算して炭化水素系ガス添加量を制御して混合比率を一定に制御すると共に、混合ガスの圧力を一定制御して切断トーチに供給することで火炎調整中の切断トーチの燃料ガス流量調整弁の調整が他の調整済み切断トーチの燃料ガス流量に干渉しないため調整済み切断トーチの火炎性状が変化することを防止することが出来る。
また、火炎性状が略同一となるように調整された全ての切断トーチの燃料ガス流量調整弁及び予熱酸素ガス流量調整弁の開度は略一律となり、使用する切断トーチの本数や組合せを切断途中で適時変更しても個々の切断トーチの火炎性状が変化することがない。
本発明によれば、1本又は複数本の切断トーチの個々の切断トーチの火炎調整(予熱炎の火炎性状の調整)を容易に行うことができ、1本又は複数本の切断トーチから任意の切断トーチを目的に応じて容易に適時選択して被切断材を切断することができる。
本発明に係るガス切断装置の構成を示す模式説明図である。 本発明に係るガス切断装置の構成を示す模式説明図である。 火口諸元表の一例である。
図により本発明に係るガス切断方法及びこれを用いたガス切断装置の一実施形態を具体的に説明する。
<ガス切断装置>
図1及び図2において、ガス切断装置1は、水素ガス供給設備2から供給される水素ガスと、炭化水素系ガスの一例としてLPガス(Liquefied Petroleum Gas;液化石油ガス)供給設備3から供給される炭化水素系ガスの一例としてのLPガスとの混合ガスを燃料ガスとして、また酸素ガス供給設備4に接続された予熱酸素ガス供給配管6から供給される予熱酸素ガスを切断トーチ(切断吹管)5に供給して該切断トーチ5に予熱炎を形成して図示しない被切断材を予熱すると共に、酸素ガス供給設備4に接続された切断酸素ガス供給配管7から供給される切断酸素ガスを切断トーチ(切断吹管)5に供給して予熱された被切断材に噴射し、図示しない被切断材を切断する。
水素ガス供給設備2は、水素ガス(H)を充填した水素ガスボンベや別途、水素ガス供給源から水素ガスが供給される水素ガス供給配管が適用される。LPガス供給設備3は、LPガスを充填したLPガスボンベや別途、LPガス供給源からLPガスが供給されるLPガス供給配管が適用される。
炭化水素系ガスの一例としては、プロパンガス(C)、ブタンガス(C10)、メタンガス(CH)、エタンガス(C)、エチレンガス(C)、プロピレンガス(C)、アセチレンガス(C)、ヘキサンガス(C14)等が適用出来る。或いは、プロパンガス(C)やブタンガス(C10)を主成分とするLPガス、或いは、メタン(CH)を主成分とし、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)等を含む天然ガス、或いは、これらの混合ガスが適宜適用出来る。
一方、酸素ガス供給設備4から供給される酸素ガスは、予熱酸素ガス供給配管6と切断酸素ガス供給配管7とに分岐され、それぞれの経路に設けられた電磁弁6a,7aにより適宜、切り替えられる。酸素ガス供給設備4は、酸素ガスを充填した酸素ガスボンベや別途、酸素ガス供給源から酸素ガスが供給される酸素ガス供給配管が適用される。
以降は、炭化水素系ガスとしてLPガスを選択した場合について説明する。水素ガス供給設備2から供給された水素ガスは、水素ガス供給路となる水素ガス供給配管8を流通してガス混合装置18のインジェクタ(混合器)10の入口側に供給される。一方、LPガス供給設備3から供給されたLPガスは、炭化水素系ガス供給路となるLPガス供給配管9を流通して同じくガス混合装置18のインジェクタ(混合器)10の入口側に供給される。水素ガス供給配管8及びLPガス供給配管9は、電磁弁8a,9aにより、それぞれ開閉される。
インジェクタ10により混合された水素ガスと、LPガスとは、該インジェクタ10の出口側に接続されたバッファタンク11内に一旦収容されて均一化される。その後、圧力調整器12により水素ガスと、LPガスとの混合ガスからなる燃料ガスの圧力が調整されて燃料ガス供給路となる燃料ガス供給配管13に燃料ガス消費量(使用する切断トーチ5の本数や組合せにより変化する)に関わらず、略一定圧力で供給される。燃料ガス供給配管13は燃料ガス主電磁弁13aにより開閉される。
圧力調整器12は、燃料ガス消費量の変化に関わらずにガス混合装置18の混合ガスの出口圧力を略一定の圧力に維持できる性能を求められるが、ガス切断装置1に設けられる切断トーチ5の本数が少ない場合は、一般的な圧力調整器で対応できる。
ガス切断装置1に設けられる切断トーチ5の本数が多い場合は、使用する切断トーチ5の本数の変化に伴う燃料ガス消費量の変化が大きいので、一般的な圧力調整器ではガス混合装置18の混合ガスの出口圧力を略一定に維持することが困難となり、予熱炎が変動するきらいがある。このような場合には、ガス混合装置18の混合ガスの出口圧力をフィードバックして該出口圧力を一定に維持することができる圧力調整器(例えば、パイロット式圧力調整器(機械式)、電空圧力調整器等)に置き換えることで対応することができる。
燃料ガス供給配管13から供給される水素ガスとLPガスとを混合した燃料ガスと、予熱酸素ガス供給配管6から供給される予熱酸素ガスとを、それぞれ切断トーチ5に供給して予熱炎を形成し、図示しない鋼板等の被切断材の加熱を行なって該被切断材を予熱する。被切断材が所定温度に予熱されると、切断酸素ガス供給配管7から切断酸素ガスを切断トーチ5に供給して図示しない鋼板等の被切断材との化学反応により切断を行なう。
ガス切断装置1には、1本又は複数本の切断トーチ5が搭載されており、切断目的に応じて使用本数や組合せを適時選択変更できるようになっている。
1本又は複数本の切断トーチ5には、使用する切断トーチ5の選択変更が容易に行えるように、個々の切断トーチ5の燃料ガス入口、予熱酸素ガス入口及び切断酸素ガス入口の下流に燃料ガス流量調整弁13c、予熱酸素ガス流量調整弁6c、切断酸素ガス流量調整弁7c、燃料ガス電磁弁13d、予熱酸素ガス電磁弁6d、切断酸素ガス電磁弁7dが設けられている。
また、個々の切断トーチ5の燃料ガス入口及び予熱酸素ガス入口近傍に逆火を阻止するための逆火防止器(安全器)13e(燃料ガス系統)、逆火防止器(安全器)6e(予熱酸素ガス系統)が設けられている。
1本又は複数本の切断トーチ5は、使用する切断トーチ5の選択変更が容易に行えるように、個々の切断トーチ5の燃料ガス流量、予熱酸素ガス流量及び切断酸素ガス流量が切断トーチ5に設けられた前記各ガス流量調整弁13c,6c,7cにより切断諸元に従って予め適正値に調整及び/又は設定されている。
ここで、調整及び/又は設定としているのは、流量調整手段として、流量調整弁の他に、固定オリフィス選択方式、圧力調整方式、質量流量調整器(マスフローコントローラ)等の選択可能な種々の流量調整手段に対応するためである。
予熱炎の性状の調整は、手動操作方式の場合は、熟練技能者が火炎の状態を目視で判断しながら燃料ガス流量と予熱酸素ガス流量を流量調整弁で調整するのが一般的である。切断酸素ガス流量の調整も、予熱炎中に噴射する切断酸素ガス気流の状態を熟練技能者が目視で判断して切断酸素ガス流量調整弁7cで流量(圧力)を調整するのが一般的である。
従来の技術による予熱炎及び切断酸素ガス流量の調整は、手動操作方式の場合は、使用する切断トーチ5の1本目から全本数n本目まで順次行うが、予熱炎の点火本数の増加に伴って燃料ガス供給配管13の供給圧力が変動するきらいがあるため、1本目からn本目の切断トーチ5について火炎調整を繰返し行う必要がある。
一方、本実施形態による切断トーチ5の火炎調整では、切断トーチ5で消費される燃料ガスの流量が変化しても、燃料ガス供給配管13の供給圧力が変動することがないため、切断トーチ5の火炎調整を繰返し行う必要がない。更に、予熱炎を形成する燃料ガスと予熱酸素ガスの流量を質量流量調整器(マスフローコントローラ)で調整する場合は、n本全ての切断トーチ5に対して燃料ガスと予熱酸素ガスの流量が予め設定されており、前記ガス流量は、マスフローコントローラで設定された流量に定流量制御されるため予熱炎の事前の調整は必要ない。
使用する切断トーチ5の本数や組合せの変更は、ガス切断装置1の図示しない制御装置の指令により、個々の切断トーチ5の燃料ガス入口、予熱酸素ガス入口及び切断酸素ガス入口の上流に設けられた各ガス電磁弁13d,6d,7dの開閉操作によって行なわれる。
図1及び図2に示すガス切断装置1では、被切断材の枚数や幅寸法に応じて複数の切断トーチ5の中から所定の切断トーチ5の本数や組合せが適宜選択されて使用される。このとき、使用される切断トーチ5の本数や組合せが変化すると、それに応じて燃料ガスの消費量が変化する。このときの燃料ガスの消費量の変化に伴ってガス混合装置18の混合ガス供給量も変化するが、水素ガスとLPガスとの混合比率が変化する場合がある。水素ガスとLPガスとの混合比率の変化は切断性能や切断面の品質にバラツキを生じさせる。また、被切断材の板厚に応じて切断トーチ5の火口部品を交換する必要がある。また、被切断材の材質、切断形状等に応じて燃料ガス及び予熱酸素ガスの流量を調整して予熱炎の性状を調整する必要がある。これらの場合も同様に燃料ガスの供給量が変化し、それに伴ってガス混合装置18から供給する混合ガスの水素ガスとLPガスとの混合比率が変化する場合がある。本実施形態では、これを解決したものである。
<水素ガスとLPガスとの混合比率一定制御>
以降は、炭化水素系ガスとしてLPガスを使用し、図1及び図2に示す水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)としてマスフローメータ(質量流量計)を採用し、LPガス流量制御部15(炭化水素系ガス流量制御手段)としてマスフローコントローラ(質量流量調整弁)を採用した場合の一例として説明する。
水素ガス供給配管8における電磁弁8aと、インジェクタ10の入口側との間には、該水素ガス供給配管8を流通する水素ガスの流量を検知する水素ガス流量検知手段となるマスフローメータ(質量流量計)からなる水素ガス流量検知部14が設けられている。本実施形態では、水素ガス流量検知部14の一例として、アズビル株式会社製のマスフローメータ(質量流量計)「CMS0500(商品名)」を使用している。
一方、LPガス供給配管9における電磁弁9aと、インジェクタ10の入口側との間には、該LPガス供給配管9を流通するLPガスの流量を制御する炭化水素系ガス流量制御手段となるマスフローコントローラ(質量流量調整弁)からなるLPガス流量制御部15が設けられている。本実施形態では、LPガス流量制御部15の一例として、アズビル株式会社製のマスフローコントローラ(質量流量調整弁)「MQV0200(商品名)」を使用している。
<演算手段>
マスフローメータからなる水素ガス流量検知部14と、マスフローコントローラからなるLPガス流量制御部15との間には、演算手段となる混合比率一定制御装置16が電気的に接続されている。混合比率一定制御装置16は、水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)により検知した水素ガス流量を基に、該水素ガスを含む混合ガスの{水素ガス:LPガス}の混合比率が所定の混合比率となるLPガスの流量に換算してLPガス流量制御部15にLPガス流量指令値を与える。
LPガス流量制御部15は、前記LPガス流量指令値に応じてLPガスの流量を自動調整し、自動調整された結果のLPガス流量をLPガス流量制御部15の流量検知手段で検知し、LPガス実行流量として混合比率一定制御装置16の演算回路のCPU16aに伝送する。
前記水素ガス流量とLPガス流量指令値とは、混合比率一定制御装置16の演算回路のCPU16aで加算演算され、所定の混合比率の混合ガス流量の基準流量Cとして定義される。
また、前記水素ガス流量とLPガス実行流量とは、混合比率一定制御装置16の演算回路のCPU16aで加算演算され、所定の混合比率の混合ガス流量の実行流量C´として定義される。
前述したように、LPガス流量を自動調整することにより、切断トーチ5で調整及び/又は設定された燃料ガスの消費量が変化しても、燃料ガスに含まれる{水素ガス:LPガス}の混合比率は一定に保たれる。
ここで、切断トーチ5で消費される燃料ガスの{水素ガス:LPガス}の混合比率が所定の混合比率と仮定した混合ガスの流量は、全ての切断トーチ5について行なう予熱炎の火炎性状の調整(具体的には、切断トーチ5に供給される燃料ガスの混合比率及び流量と、前記燃料ガスと相対的に調整される予熱酸素ガス流量の調整)の結果で与えられるものである。
ここで、前記火炎調整の結果の信憑性を得るために、また、個々の切断トーチ5に対して実施した火炎性状の調整結果が決定的なものであり、使用する切断トーチ5の本数や組合せが変更されても干渉を受けないようにするためには、全ての切断トーチ5について行なう予熱炎の火炎性状の調整の間中、常に全ての切断トーチ5に供給する燃料ガスの供給圧力が略一定圧力に保たれていることを前提条件としている。
図1及び図2に示すガス切断装置1で使用する切断トーチ5の1本目の調整は、予め設定された水素ガス混合比率a(体積%)で混合された燃料ガス流量と予熱酸素ガス流量とを調整して予熱炎が目的の火炎性状になるように火炎調整する。
これにより、所定の水素ガス混合比率a(体積%)の燃料ガスの切断トーチ5の1本当りの混合ガスの基準流量C(水素ガス流量A+LPガス流量B)が与えられる。このとき、LPガス流量Bは、基準流量C中に含まれる水素ガスの実測流量Aを基準として、所定の水素ガス混合比率a(体積%)となるLPガス流量Bの流量指令値が混合比率一定制御装置16の演算手段となるCPU16aで演算され、火炎調整中も常に流量指令値と一致するように炭化水素系ガス流量制御手段となるマスフローコントローラからなるLPガス流量制御部15により自動調整される。演算手段となる混合比率一定制御装置16のCPU16aは、水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)により検知した水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率a(体積%)に基づくLPガス流量を演算する。
ここで、水素ガスとLPガスとを混合した燃料ガスにおける水素ガスの混合比率をa(体積%)、水素ガス流量検知部14により随時検知される水素ガス供給配管8を流通する水素ガスの流量をA(NL/min)、LPガス供給配管9を流通させるLPガスの制御流量(炭化水素系ガス添加量)をB(NL/min)とする。尚、「NL/min(ノルマルリットル/分)」とは、基準状態(圧力が0.1013MPa、温度が0℃、湿度が0%)において毎分流れるガス流量である。LPガス供給配管9を流通させるLPガスの制御流量(LPガス添加量)Bは、以下の数1式により求められる。
[数1]
B=A{1−(a/100)}/(a/100)
図1及び図2に示すガス切断装置1で使用する切断トーチ5の2本目以降の調整は、前述した1本目と同様に、図1及び図2に示すガス切断装置1で使用する切断トーチ5の全本数n本の予熱炎を目的の火炎性状に順次調整する。
ここで、本実施形態で解決すべき課題を明確にするために、従来技術の問題点を図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2に示すガス切断装置1で使用する切断トーチ5の火炎調整を順次進めることにより、混合ガスの基準流量Cは、C〜C(理想的には、C=C×n)に変化する。尚、Cは切断トーチ5の1本当りの混合ガスの基準流量であり、nは、図1及び図2に示すガス切断装置1で使用する切断トーチ5の全本数である。このとき、混合ガスの基準流量Cの変化に伴って、燃料ガス供給配管13に供給される混合ガスの圧力が変化すると、火炎調整済みの切断トーチ5の燃料ガス流量が基準流量Cから変化し、調整された火炎性状が変化してしまう(従来技術の問題点)。
このため各切断トーチ5の火炎調整は、全ての切断トーチ5の予熱炎が目的の火炎性状となるまで(混合ガスの基準流量CがC=C×nとなるまで)繰り返し行なわれる。即ち、前述したように、全ての切断トーチ5の火炎性状が略同一となるように火炎調整を行った状態(全ての切断トーチ5の燃料ガス流量と、該燃料ガス流量に対応する適正な予熱酸素ガス流量が略同一に調整された状態)における個々の切断トーチ5の燃料ガス流量調整弁13cの開度は一律ではない(従来技術の問題点)。
従って、前述のようにして、全ての切断トーチ5の予熱炎の火炎性状を予め調整しておいても、使用する切断トーチ5の本数や組合せを変更することにより混合ガス流量Cの流量が変化し、燃料ガス供給配管13内の燃料ガスの供給圧力が変化することにより、予熱炎の火炎性状が変化する。このため、予熱炎の火炎調整作業は、使用する切断トーチ5の本数や組合せを変更するたびに行う必要がある(従来技術の問題点)。
即ち、前述した混合ガスの混合比率を一定制御するガス混合装置18を多数(複数)本の切断トーチ5を有するガス切断装置1に適用する場合には、ガス混合装置18の混合ガスの出口圧力を略一定圧力に制御する機能を付加する必要がある。或いは、ガス切断装置1側に燃料ガスとなる混合ガスの供給圧力変動の影響を受けない定流量制御を個々の切断トーチ5に対して行う機能を付加する必要がある。
本実施形態では、前述した混合ガスのガス混合装置18には、混合比率を一定制御する混合比率一定制御装置16と、該ガス混合装置18の混合ガスの出口圧力を一定制御する圧力一定制御回路19とを備えている。これにより個々の切断トーチ5の燃料ガスの混合比率を一定に制御すると共に、使用する切断トーチ5の本数や組合せに応じた燃料ガスの流量を定流量制御する機能を有し、更に個々の切断トーチ5に予め設定した予熱炎の火炎性状を維持しつつ使用する切断トーチ5の本数や組合せを適時選択できる機能を有する1本または複数本の切断トーチ5を有するガス切断装置1として構成される。
混合比率一定制御装置16には、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)16aが設けられている。更に、記憶手段となるメモリ16bが接続されている。メモリ16bは、ROM(Read Only Memory;リードオンリメモリ)と、RAM(Randam AccessMemory;ランダムアクセスメモリ)とを備えている。ROMには、水素ガスとLPガスとの混合比率を一定制御するための各種制御プログラムや各種設定、初期値等が記憶されている。
本実施形態において、混合ガスの混合比率は、混合される水素ガスとLPガスの個々のガスの流量を制御することで所望の混合比率となるように制御する方式を採用している。ここで、水素ガス流量検知部14で検知される流量、及びLPガス流量制御部15で検出及び/又は調整される前記個々のガスの見掛けの流量(流量計の指示値)は、供給されるガスの温度及び圧力に依存して変化する。
混合ガスの混合比率を正確に制御するためには、水素ガス流量検知部14で検出される流量、及びLPガス流量制御部15で検出及び/又は調整される前記個々のガスの見掛けの流量を真流量に補正(温度補正及び圧力補正)して制御する必要がある。
従って、本実施形態では、水素ガス流量検知部14に供給される水素ガス供給配管8を流れる水素ガスの温度を検出する温度センサ17及び圧力を検出する圧力センサ8f、並びにLPガス流量制御部15に供給されるLPガス供給配管9を流れるLPガスの温度を検出する温度センサ21及び圧力を検出する圧力センサ9fで検出されたアナログ信号がアナログ/デジタル変換回路22に入力され、該アナログ/デジタル変換回路22でアナログ信号がデジタル信号に変換されて演算手段となるCPU16aに伝達される。
アナログ/デジタル変換回路22で変換されたデジタル信号は、混合比率一定制御装置16に入力されて水素ガス及びLPガスの見掛けの流量を真流量に補正する。混合比率一定制御装置16のCPU16aには、前記見掛けの流量を真流量に補正する真流量補正テーブルがROMに記憶されている。尚、前記真流量補正テーブルに代えて、前記見掛けの流量を真流量にリアルタイムに補正する図示しない真流量演算回路とすることもできる。
前記真流量補正テーブル及び真流量補正演算回路の演算式は、以下の公知の数2式で与えられる。水素ガス供給配管8を流れる水素ガス、並びにLPガス供給配管9を流れるLPガスの真流量をQ、水素ガス流量検知部14、並びにLPガス流量制御部15に設けられた流量計の指示値をQ、該流量計に設定された圧力(MPa)をP、該流量計にかかる圧力(MPa)をP、該流量計に設定されたガスの比重をm、該流量計に流れる水素ガス、並びにLPガスの比重をm、該流量計に設定された温度(℃)をT、該流量計に流れる水素ガス、並びにLPガスの温度(℃)をTとすると、水素ガス供給配管8を流れる水素ガスの真流量Q、並びにLPガス供給配管9を流れるLPガスの真流量Qは、以下の数2式により求められる。
[数2]
=Q×[{(P+0.1013)/(P+0.1013)}×(m/m)×{(T+273)/(T+273)}]1/2
尚、前述した見掛け流量から真流量に補正するための温度補正及び圧力補正は、水素ガス流量検知部14及びLPガス流量制御部15が体積流量検出方式の場合に必要となる処理であり、水素ガス流量検知部14及びLPガス流量制御部15が質量流量検出方式の場合には、検出するガスの温度及び圧力に依存せず、検出流量を真流量として取扱うことができるので、省略することができる。
また、ガスの比重補正{m/m}は、該流量計に設定されたガスの比重mと該流量計に流れるガスの比重mとが同一である場合は、省略することができる。本実施形態では、水素ガス流量検知部14及びLPガス流量制御部15に質量流量検出方式を採用しており、水素ガス流量検知部14及びLPガス流量制御部15で設定されたガスと検出されるガスとを同一としているので、前記数2式による補正は省略している。
混合比率一定制御装置16のCPU16aには、前記真流量補正テーブル、若しくは真流量演算回路によって与えられる水素ガスの真流量を基に、混合ガス中の水素ガスとLPガスの混合比率(=流量比率)が、混合比率一定制御装置16の図示しない混合比率設定器で設定された混合比率となるLPガスの真流量を与えるLPガス流量換算テーブルがROMに記憶されている。
尚、前記LPガス流量換算テーブルに代えて、前記水素ガスの真流量を基に、前記混合比率設定器で設定された混合比率となるLPガスの真流量をリアルタイムに演算する図示しないLPガス流量演算回路とすることもできる。LPガス流量換算テーブル及びLPガス流量演算回路のLPガス流量の演算式は、前記数1式で与えられる。
RAMは、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、或いは、水素ガス流量検知部14により随時検知される水素ガス供給配管8を流通する水素ガス及びLPガス流量制御部15で随時検知されるLPガス供給配管9を流通するLPガスの流量情報を一時的に記憶する記憶領域として利用される。
CPU16aは、水素ガス流量検知部14により随時検知される水素ガス供給配管8を流通する水素ガスの真流量を基に、ROMに記憶されたLPガス流量換算テーブルから、混合ガス中の水素ガスとLPガスの混合比率が、混合比率設定器で設定された混合比率となるLPガス流量を選定する。若しくは、前記水素ガスの真流量を基に、前記混合比率設定器で設定された混合比率となるLPガスの真流量をリアルタイムに演算する。
マスフローコントローラからなるLPガス流量制御部15は、混合比率一定制御装置16(演算手段)により水素ガス供給配管8を流通する水素ガスの真流量を基に、ROMに記憶されたLPガス流量換算テーブルから、選定されたLPガス流量指令値、若しくは、前記水素ガスの真流量を基に、リアルタイムに演算されたLPガス流量指令値に基づいて、LPガス供給配管9を流通するLPガスの流量を自動制御する。
LPガス流量換算テーブル又はLPガス流量演算回路で与えられるLPガス流量指令値は、LPガス流量制御部15に伝達され、LPガス流量は、該LPガス流量制御部15で、LPガス流量指令値と一致するように自動調整される。
これにより水素ガス供給配管8を流通する水素ガスの流量変化に対応してLPガス供給配管9を流通するLPガスの流量を制御することで、インジェクタ10の入口側に供給される水素ガスとLPガスとの混合比率を一定に制御することができる。
水素ガス流量AとLPガス流量制御部15の流量検知手段で検知されるLPガス実行流量B´は、CPU16aで加算演算され、メモリ16bに混合ガスの実行流量C´として記憶される。また、水素ガス流量A、LPガス実行流量B´及び混合ガスの実行流量C´は、混合比率一定制御装置16の報知手段となる報知部23に表示される。
例えば、混合比率一定制御装置16の図示しない混合比率設定器で水素ガスとLPガスとの混合ガスの混合比率a(水素ガスの体積%)を90(体積%)に設定して切断トーチ5に燃料ガスとして供給し、1本又は複数本の切断トーチ5から適宜選択された切断トーチ5が適正火炎性状に調整された状態における水素ガス流量Aが70(NL/min)であれば、CPU16aのLPガス流量換算テーブルから選択されるLPガス流量指令値B、若しくは、CPU16aで演算されるLPガス流量指令値Bは、前記数1式を用いて7.8(NL/min)に設定される。
水素ガス流量AとLPガス流量指令値Bとは、CPU16aで加算演算され、メモリ16bに混合ガスの流量制御目標値となる基準流量Cとして、77.8(NL/min)が記憶される。
また、混合比率一定制御装置16の図示しない混合比率設定器で水素ガスとLPガスとの混合ガスの混合比率a(水素ガスの体積%)を80(体積%)に設定して切断トーチ5に燃料ガスとして供給し、1本又は複数本の切断トーチ5から適宜選択された切断トーチ5が適正火炎性状に調整された状態における水素ガス流量Aが200(NL/min)であれば、CPU16aのLPガス流量換算テーブルから選択されるLPガス流量指令値B、若しくは、CPU16aで演算されるLPガス流量指令値Bは、前記数1式を用いて50(NL/min)に設定される。
水素ガス流量AとLPガス流量指令値Bとは、CPU16aで加算演算され、メモリ16bに混合ガスの流量制御目標値となる基準流量Cとして250(NL/min)が記憶される。
メモリ16bに記憶された水素ガス流量A、LPガス流量指令値B及び混合ガスの基準流量C、並びに水素ガス流量A、LPガス実行流量B´及び混合ガスの実行流量C´は、随時、CPU16aに伝送され、CPU16aの比較演算回路で処理を行い、混合ガスの混合比率及び流量制御の状態監視、個々の切断トーチ5の火炎調整作業時の混合ガスの基準流量Cと、混合ガスの実行流量C´との合致度合い等の判定を行う。
前記CPU16aの比較演算回路で処理された判定結果は、報知部23の適当な表示器や警報装置に送られてガス切断装置1の運転情報として利用される。
<混合ガス圧力一定制御>
インジェクタ10で混合された混合ガスは、バッファタンク11、及び混合ガス供給圧力を供給流量の変化に関わらずに一定圧力に制御する圧力調整器12を介して燃料ガス供給配管13に一定圧力で供給される。
インジェクタ10は、水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)から供給された水素ガスと、LPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)から供給されたLPガス(炭化水素系ガス)とを混合する混合手段として構成される。
インジェクタ10で混合された混合ガスは、バッファタンク11にチャージされた後に圧力調整器12で所定の燃料ガス供給圧力に調整され、燃料ガス主電磁弁13aを介して各切断トーチ5に略一定圧力で供給される。圧力調整器12は、混合手段となるインジェクタ10により混合された混合ガスを水素ガスとLPガスの流量変化に関わらず略一定圧力に制御する圧力制御手段として構成される。
バッファタンク11は、マスフローメータからなる水素ガス流量検知部14に水素ガスが流れ始めたときの流量検知信号の立上りの遅れ、及びマスフローコントローラからなるLPガス流量制御部15によるLPガス流量制御の過渡現象による一時的な混合比率の乱れを吸収し、混合ガスの水素ガスとLPガスとの混合比率の過渡的な変動を抑える圧力平滑手段として構成される。
前記バッファタンク11により、切断トーチ5の使用本数や組合せの変更による混合ガス消費量の急激な変化に対して、圧力調整器12の入口側圧力を略一定にする。これにより、混合ガス消費量の急激な変化があっても圧力調整器12の過渡的な出口圧力の変動を抑えることができる。
バッファタンク11の容量は、燃料ガス供給配管13の全長(バッファタンク11から燃料ガス主電磁弁13aに至る間と、該燃料ガス主電磁弁13aから各切断トーチ5に至る間の経路長)及びガス切断装置1に搭載される切断トーチ5の本数等を考慮して適宜設定される。燃料ガス供給配管13の経路長が長い場合や、搭載する切断トーチ5の本数が少ない場合は、バッファタンク11を省略することもできる。
圧力調整器12は、切断トーチ5の本数や組合せの変更に伴う燃料ガスの消費量の変化に関わらず、燃料ガス供給配管13(圧力調整器12の出口から切断トーチ5に至る間の経路)内の混合ガス(燃料ガス)の圧力を略一定に保ち、既に調整済みの予熱炎の火炎性状が変化しないようにする。
一般的なダイアフラム式(機械式)の圧力調整器12の場合は、放出流量の増大に伴って出口圧力が徐々に低下する放出流量−圧力特性を有する。従って、厳密には使用する切断トーチ5の本数や組合せの変更に伴って切断トーチ5の入口の燃料ガス供給圧力が変化し、若干の予熱炎の火炎性状の変化が出るが、ガス切断装置1に搭載する切断トーチ5の本数が少ない場合、或いは、使用する切断トーチ5の本数や組合せの変化幅が狭い場合は、適正な流量−圧力特性を持つダイアフラム式(機械式)の圧力調整器12を適用することができる。
搭載する切断トーチ5の本数が多い場合、或いは、使用する切断トーチ5の本数や組合せの変化幅が広い場合は、出口圧力をフィードバックして出口圧力を設定された一定圧力に自動制御する機能を有する電空式の圧力調整器12を適用することが好ましい。電空式の圧力調整器12を適用する場合は、ガス混合装置18に図示しない混合ガス出口圧力設定回路が組み込まれ、切断トーチ5の本数や組合せの変更に伴う燃料ガスの消費量の変化に関わらず、燃料ガス供給配管13(圧力調整器12の出口から切断トーチ5に至る間の経路)内の混合ガス(燃料ガス)の圧力を一定に保ち、予熱炎の火炎性状の変化をなくすることができる。
更に、ガス切断装置1側の機能として、搭載された全ての切断トーチ5に対して、個々の切断トーチ5の燃料ガス流量及び予熱酸素流量を流量設定回路から指令し、指令された燃料ガス流量及び予熱酸素流量に一定制御する機能を組合せることにより、燃料ガスの水素ガスとLPガスとの混合比率の変更、燃料ガスと予熱酸素ガスの流量及び混合比率の変更が可能となり、より高度な切断諸元設定が可能となる。
尚、図1及び図2は、水素ガスと炭化水素系ガス(本実施形態ではLPガス)とをそれぞれ独立したガス供給源から供給して任意の混合比率の混合ガスを燃料ガスとしてガス切断装置1に供給し、1本又は複数本の切断トーチ5で図示しない被切断材を切断するガス切断装置1において、燃料ガスの混合比率の安定制御及び使用する切断トーチ5の本数や組合せの変更に伴う燃料ガス消費量の変化に対応した燃料ガスの所定の混合比率及び流量の自動調整機能を説明するための機器構成及び系統の概念を示すものであり、そのガス混合装置18内の構成機器や配置順序及びガス混合装置18の設置位置を限定するものではない。
また、図1及び図2では、ガス混合装置18に供給するガスを水素ガスと炭化水素系ガス(本実施形態ではLPガス)としているが、水素ガスを炭化水素系ガス又は水素ガスと炭化水素系ガスの予混合ガス供給源から供給し、もう一方のガス供給経路から前記水素ガスと予混合された炭化水素系ガスとは異なる炭化水素系ガスを供給してガス混合装置18で混合して、水素ガスを含む三種以上の混合ガスとしてガス切断装置1に燃料ガスを供給しても良い。
本実施形態のガス切断装置1では、水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして1本又は複数本の切断トーチ5に供給して被切断材を切断する。水素ガスを供給する水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)と、LPガス(炭化水素系ガス)を供給するLPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)と、水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)から供給された水素ガスと、LPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)から供給されたLPガス(炭化水素系ガス)とを混合するインジェクタ10(混合手段)と、該インジェクタ10(混合手段)により混合された混合ガスを水素ガスとLPガス(炭化水素系ガス)の流量変化に関わらず略一定圧力に制御する圧力調整器12(圧力制御手段)と、水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)を流通する水素ガス流量を検知する水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)と、LPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)を流通するLPガス流量(炭化水素系ガス流量)を制御するLPガス流量制御部15(炭化水素系ガス流量制御手段)と、水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)により検知した水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づくLPガス流量(炭化水素系ガス流量)を演算する混合比率一定制御装置16(演算手段)と、水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)により検知した水素ガス流量と、LPガス流量制御部15(炭化水素系ガス流量制御手段)に対してCPU16a(炭化水素系ガス流量演算手段)から指令される炭化水素系ガス流量指令値と、該炭化水素系ガス流量指令値に基づいてLPガス流量制御部15(炭化水素系ガス流量制御手段)により制御されたLPガス流量(炭化水素系ガス流量)の実行値を記憶するメモリ16b(記憶手段)と、個々の切断トーチ5に対して設定された水素ガスとLPガス(炭化水素系ガス)との混合ガスからなる燃料ガス流量と、メモリ16b(記憶手段)に随時記憶される各ガスの流量情報に基づいて混合ガスの混合比率及び流量の基準値と実行値とを比較して良否判断するCPU16a(比較演算手段)と、該CPU16a(比較演算手段)による判定結果を報知する報知手段となる報知部23とを有する。報知部23はディスプレイや表示灯等の表示手段やブザーやサイレン等の警報手段を含む。LPガス流量制御部15(炭化水素系ガス流量制御手段)は、混合比率一定制御装置16(演算手段)により演算したLPガス流量(炭化水素系ガス流量)に基づいてLPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)を流通するLPガス添加量(炭化水素系ガス添加量)を制御することにより、1本又は複数本の切断トーチ5の個々の切断トーチ5の予熱炎の火炎性状を決定し、目的に応じて任意の切断トーチ5を適時選択することが出来る。
<ガス切断方法>
以降は、炭化水素系ガスとしてLPガスを使用し、図1及び図2に示す水素ガス流量検知部14(水素ガス流量検知手段)としてマスフローメータ(質量流量計)を採用し、LPガス流量制御部15(炭化水素系ガス流量制御手段)としてマスフローコントローラ(質量流量調整弁)を採用した場合の一例として説明する。
本実施形態のガス切断装置1によれば、水素ガスとLPガスとの混合ガスを燃料ガスとして切断トーチ5に供給して図示しない被切断材を切断する。その際に、水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)を流通する水素ガス流量を水素ガス流量検知部14により検知する。
そして、水素ガス流量検知部14により検知した水素ガス流量を基に、混合比率一定制御装置16により混合ガス中の水素ガスとLPガスの混合比率が所定の混合比率となるLPガス流量に演算する。マスフローコントローラからなるLPガス流量制御部15は、混合比率一定制御装置16により演算したLPガス流量指令値に基づいて、LPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)を流通するLPガス流量を自動制御する。これによりインジェクタ10の入口側に供給される水素ガスとLPガスとの混合比率(流量比率)を一定に制御することができる。
インジェクタ10は、水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)から供給された水素ガスと、LPガス供給配管9(炭化水素系ガス供給路)から供給されたLPガスとを設定された混合比率の混合ガスとして混合する。
インジェクタ10で混合された混合ガスは、バッファタンク11にチャージされた後に圧力調整器12で所定の燃料ガス供給圧力に調整され、燃料ガス主電磁弁13aを介して燃料ガス供給配管13から各切断トーチ5に略一定圧力で供給される。圧力調整器12は、インジェクタ10により混合された混合ガスを切断トーチ5で消費される混合ガスの流量変化に関わらず略一定圧力に制御して、切断トーチ5に混合ガスを供給する。
ガス切断装置1は、切断トーチ5に供給される既混合ガスからなる燃料ガス及び予熱酸素ガス供給配管6から供給される予熱酸素ガスにより切断トーチ5に予熱炎を形成し、切断酸素ガス供給配管7から供給される切断酸素ガスを予熱された図示しない被切断材に噴射して、図示しない被切断材を切断する。
前述した実施形態のガス切断装置1により被切断材を切断する場合、切断トーチ5に取り付けられた切断火口で消費する燃料ガス(水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガス)の流量及び混合比率、並びに予熱酸素の流量は、切断火口を製造するメーカが標準切断諸元として提供するのが一般的である。図3(a)〜(c)は火口諸元表の一例である。
本実施形態では、水素ガスと炭化水素系ガスとの所定の混合比率の混合ガスを燃料ガスとして略一定圧力で1本又は複数本の切断トーチ5に供給して被切断材を切断するガス切断方法である。水素ガス供給配管8(水素ガス供給路)を流通する水素ガス流量を検知し、その水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算して炭化水素系ガス添加量を制御する。更に、検知した水素ガス流量と炭化水素系ガス流量の演算結果及び炭化水素系ガス添加量の制御結果をCPU16a(演算回路)で比較して混合ガスの混合比率及び流量の監視し、並びに、切断トーチ5に形成する予熱炎の火炎性状の再現性を担保する。更に、予め予熱炎の火炎性状が設定された個々の切断トーチ5の情報をメモリ16b(記憶手段)に記憶し、記憶された切断トーチ5の情報に基づいて任意の切断トーチ5を適時選択して被切断材を切断することが出来る。
従って、インジェクタ10から供給すべき混合ガスの流量及び混合比率の制御は、消費される混合ガスの混合比率を第一義で定義し、混合ガスの流量(質量流量又は真流量)を第二義に定義するのが簡便である。
本実施形態において、目的の混合比率の混合ガス中の水素ガスの流量を決めるのは、水素ガスとLPガスとからなる燃料ガスと、予熱酸素ガスの流量調整により行う1本目の切断トーチ5の火炎調整(熟練技能者による目視判断)の結果で得られる混合ガス流量(メーカが提供する標準切断諸元流量、若しくは目的に応じて標準切断諸元流量から多少調整された流量)が基準となる。ここで基準とした火炎調整の結果で得られる流量の混合ガスに含まれる水素ガスの真流量が実測され、炭化水素系ガスの流量(炭化水素系ガス流量指令値B)は、ガス混合装置18で設定された水素ガスとLPガスの混合比率(a)と水素ガス流量の実測値(水素ガス流量A)から演算される。この間、LPガスの流量は、設定された混合ガスの混合比率が一定に維持されるように自動制御される。2本目以降の切断トーチ5も同様に行なわれるが、この間、燃料ガス供給配管13の切断トーチ5の入口圧力は、圧力調整器12により略一定に保たれる。
これにより、ガス切断装置1の1本又は複数本の切断トーチ5を順次点火して、順次個々の切断トーチ5の火炎調整を行う際に、火炎調整が完了した切断トーチ5の火炎性状(前記混合ガスの混合比率及び流量、並びに前記混合ガスの混合比率及び流量に対応する予熱酸素ガスの流量の調整値)は決定的なものとなり、他の切断トーチ5の火炎調整による干渉を受けることがない。
ここで、切断トーチ5のn本目の切断トーチ5の火炎調整を行っている間の混合ガス実行流量Cn´は、CPU16aの演算回路で、{Cn´=C´−Cn−1´}で演算され、メモリ16bに記憶された標準切断諸元流量と比較演算される。
前記n本目の切断トーチ5に供給している混合ガス実行流量Cn´とメモリ16bに記憶されたn本目の切断トーチ5の標準切断諸元流量に一致または許容ゾーンに入ったと判断されると、該切断トーチ5の近傍(作業者が容易に認識できる位置)に設けられた報知部23に火炎調整合致情報を報知する。
作業者は、報知部23に報知された火炎調整合致情報を確認し、または、目視による火炎性状の判定結果が目的とする予熱炎となったことを確認すると、この時の混合ガス実行流量Cn´を該切断トーチ5に与えられえた切断トーチ番号(n)と共にメモリ16bに記憶して登録する。
前述したように全ての切断トーチ5の火炎調整を予め実施することで、個々の切断トーチ5に与えられた固有の番号(1〜n)に対応する適正な予熱炎の火炎性状となる混合ガス実行流量{C1〜n´}を事前に設定することができる。
メモリ16bに記憶して登録された該切断トーチ番号(1〜n)と対応する混合ガス実行流量{C1〜n´}は、CPU16aに伝送され、被切断材の切断中の予熱炎の火炎性状を制御する制御目標値である{C1〜n}となる。
本実施形態によれば、燃料ガスとして水素ガスとLPガスとの混合ガスを用いる1本又は複数本の切断トーチ5を有するガス切断装置1において、混合ガスの混合比率を切断要求諸元の適正な比率に予め設定し、使用する切断トーチ5の個々の切断トーチ5に対して、個別の予熱炎の火炎性状(前記混合ガスの流量、及び前記混合ガスの流量に対応する予熱酸素ガスの流量の調整値)を前記混合ガスの混合比率を変動させることなく設定することができる。
当然のことながら、全ての切断トーチ5の予熱炎の火炎性状を、前記混合ガスの混合比率を変動させることなく同一に設定することができる。これにより、前述したように同一又は個別の予熱炎の火炎性状に予め設定されたガス切断装置1の1本又は複数本の切断トーチ5から個々の切断トーチ5を適宜選択して、図示しない被切断材を切断することができる。
ガス切断装置1の1本又は複数本の切断トーチ5の使用本数の選択や組合せの変更は、ガス切断装置1の図示しない制御装置から選択する切断トーチ5を指令するだけで簡便に行うことができる。
本実施形態のガス切断方法によれば、被切断材の板厚の変更に伴う切断火口の番定の変更、被切断材の枚数の変更、被切断材から切り出す同一形状の切断部材の枚数の変更等に際して、使用する切断トーチ5の火炎調整を前記変更の都度行う必要がない。又、使用する切断トーチ5の本数や組合せを適時簡便に行うことができる。
また、被切断材の材質の変更、被切断材から切り出す切断部材の形状等に応じて、切断トーチ5に供給する前記混合ガスの水素ガスとLPガスとの混合比率を変更するに際して、混合比率一定制御装置16によって混合ガスの混合比率設定を変更するだけで、所望する普遍的な混合比率の前記混合ガスを切断トーチ5の全ての切断トーチ5に対して燃料ガスとして供給することができる。所望する前記混合ガスの混合比率は、混合比率一定制御装置16の図示しない混合比率設定器によって、所望する混合比に適時に、また簡便に変更することができる。
尚、前記混合ガスの水素ガスとLPガスとの混合比率は、任意に設定することが可能であるが、前記混合ガスの混合比率は、水素ガスを燃料ガスとした切断特性の優れた点と、予熱炎の視認性(白点形成)を両立することができる範囲として、ノルマル状態(温度0℃、圧力0Pa(大気圧))で水素ガスの混合比率が85体積%〜95体積%(LPガスの混合比率が5体積%〜15体積%)に設定されるのが好ましい。
また、図1及び図2では、ガス混合装置18に供給するガスを水素ガスと炭化水素系ガス(本実施形態ではLPガス)としているが、水素ガスを炭化水素系ガス又は水素ガスと炭化水素系ガスの予混合ガス供給源から供給し、もう一方のガス供給経路から前記水素ガスと予混合された炭化水素系ガスとは異なる炭化水素系ガスを供給してガス混合装置18で混合して、水素ガスを含む三種以上の混合ガスとしてガス切断装置1に燃料ガスを供給しても良い。
尚、図1及び図2は、水素ガスと炭化水素系ガス(本実施形態ではLPガス)とをそれぞれ独立したガス供給源から供給して任意の混合比率の混合ガスを燃料ガスとしてガス切断装置1に供給し、1本又は複数本の切断トーチ5で図示しない被切断材を切断するガス切断装置1において、燃料ガスの混合比率の安定制御及び使用する切断トーチ5の本数や組合せの変更に伴う燃料ガス消費量の変化に対応した燃料ガスの混合比率及び流量の自動調整機能を説明するための機器構成及び系統の概念を示すものであり、そのガス混合装置18内の構成機器や配置順序及びガス混合装置18の設置位置を限定するものではない。
本発明の活用例として、水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして切断トーチに供給して被切断材を切断するガス切断方法及びガス切断装置に適用出来る。
a…水素ガスとLPガスとを混合した燃料ガスにおける水素ガスの混合比率(体積%)
A…水素ガス流量検知部14により随時検知される水素ガス供給配管8を流通する水素ガスの流量(NL/min)
A1…切断トーチ5の1本当りの混合ガスの水素ガス流量
B…LPガス供給配管9を流通させるLPガスの制御流量(NL/min)(LPガス流量指令値)
B´…LPガス実行流量
B1…切断トーチ5の1本当りの混合ガスの炭化水素系ガス流量
C…混合ガスの基準流量
C´…所定の混合比率の混合ガス流量の実行流量
C1…切断トーチ5の1本当りの混合ガスの基準流量
Cn´…混合ガス実行流量
m…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計に流れる水素ガスの比重
m0…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計に設定されたガスの比重
n…使用する切断トーチ5の本数
P…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計にかかる圧力(MPa)
P0…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計に設定された圧力(MPa)
Q…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計の指示値
Q0…水素ガス供給配管8を流れる水素ガスの真流量
T…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計に流れる水素ガスの温度(℃)
T0…水素ガス流量検知部14に設けられた流量計に設定された温度(℃)
1…ガス切断装置
2…水素ガス供給設備
3…LPガス供給設備
4…酸素ガス供給設備
5…切断トーチ
6…予熱酸素ガス供給配管
6a…予熱酸素ガス主電磁弁
6c…予熱酸素ガス流量調整弁
6d…予熱酸素ガス電磁弁
6e…逆火防止器(予熱酸素ガス系統)
7…切断酸素ガス供給配管
7a…切断酸素ガス主電磁弁
7b…酸素ガス主遮断弁
7c…切断酸素ガス流量調整弁
7d…切断酸素ガス電磁弁
8…水素ガス供給配管(水素ガス供給路)
8a…電磁弁
8b…水素ガス主遮断弁
8f…圧力センサ(水素ガス供給路)
9…LPガス供給配管(炭化水素系ガス供給路)
9a…電磁弁
9b…LPガス主遮断弁
9f…圧力センサ(炭化水素系ガス供給路)
10…インジェクタ(混合手段)
11…バッファタンク
12…圧力調整器(圧力制御手段)
13…燃料ガス供給配管
13a…燃料ガス主電磁弁
13c…燃料ガス流量調整弁
13d…燃料ガス電磁弁
13e…逆火防止器(燃料ガス系統)
14…水素ガス流量検知部(水素ガス流量検知手段)
15…LPガス流量制御部(炭化水素系ガス流量制御手段)
16…混合比率一定制御装置(演算手段)
16a…CPU(演算手段;比較演算手段)
16b…メモリ(記憶手段)
17…温度センサ(水素ガス供給路)
18…ガス混合装置
19…圧力一定制御回路
21…温度センサ(炭化水素系ガス供給路)
22…アナログ/デジタル変換回路
23…報知部(報知手段)

Claims (8)

  1. 水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして略一定圧力で切断トーチに供給して被切断材を切断するガス切断方法であって、
    水素ガス供給路を流通する水素ガス流量を検知し、その水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算して炭化水素系ガス添加量を制御することを特徴とするガス切断方法。
  2. 前記水素ガス混合比率をa、前記水素ガス供給路を流通する水素ガス流量をAとすると、前記炭化水素系ガス添加量Bは、B=A{1−(a/100)}/(a/100)により求められることを特徴とする請求項1に記載のガス切断方法。
  3. 前記水素ガス流量と、前記炭化水素系ガス流量の演算結果及び前記炭化水素系ガス添加量の制御結果を演算回路で比較して前記混合ガスの混合比率及び流量を監視し、並びに、前記切断トーチに形成する予熱炎の火炎性状の再現性を担保すると共に、予め予熱炎の火炎性状が設定された個々の切断トーチの情報を記憶手段に記憶し、該記憶された切断トーチの情報に基づいて任意の切断トーチを選択して被切断材を切断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス切断方法。
  4. n本目の前記切断トーチに供給している混合ガス実行流量と前記記憶手段に記憶されたn本目の切断トーチの標準切断諸元流量に一致または許容ゾーンに入ったと判断されると、該切断トーチの近傍に設けられた報知手段に火炎調整合致情報を報知することを特徴とする請求項3に記載のガス切断方法。
  5. 前記記憶手段に記憶された前記切断トーチの番号と対応する前記混合ガス実行流量を被切断材の切断中の予熱炎の火炎性状を制御する制御目標値とすることを特徴とする請求項4に記載のガス切断方法。
  6. 水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを燃料ガスとして切断トーチに供給して被切断材を切断するガス切断装置であって、
    水素ガスを供給する水素ガス供給路と、
    炭化水素系ガスを供給する炭化水素系ガス供給路と、
    前記水素ガス供給路から供給された水素ガスと、前記炭化水素系ガス供給路から供給された炭化水素系ガスとを混合する混合手段と、
    前記混合手段により混合された混合ガスを前記水素ガスと前記炭化水素系ガスの流量変化に関わらず略一定圧力に制御する圧力制御手段と、
    前記水素ガス供給路を流通する水素ガス流量を検知する水素ガス流量検知手段と、
    前記炭化水素系ガス供給路を流通する炭化水素系ガス流量を制御する炭化水素系ガス流量制御手段と、
    前記水素ガス流量検知手段により検知した水素ガス流量を基準として設定された水素ガス混合比率に基づく炭化水素系ガス流量を演算する演算手段と、
    を有し、
    前記炭化水素系ガス流量制御手段は、前記演算手段により演算した炭化水素系ガス流量に基づいて前記炭化水素系ガス供給路を流通する炭化水素系ガス添加量を制御することを特徴とするガス切断装置。
  7. 前記水素ガス混合比率をa、前記水素ガス流量検知手段により検知される前記水素ガス供給路を流通する水素ガス流量をAとすると、前記炭化水素系ガス供給路を流通させる前記炭化水素系ガス添加量Bは、B=A{1−(a/100)}/(a/100)により求められることを特徴とする請求項6に記載のガス切断装置。
  8. 前記水素ガス流量検知手段により検知した水素ガス流量と、前記炭化水素系ガス流量制御手段に対して前記演算手段から指令される炭化水素系ガス流量指令値と、前記炭化水素系ガス流量指令値に基づいて前記炭化水素系ガス流量制御手段により制御された炭化水素系ガス流量の実行値とを記憶する記憶手段と、
    個々の前記切断トーチで設定された水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスからなる燃料ガス流量と、前記記憶手段に随時記憶される前記各ガスの流量情報とに基づいて前記混合ガスの混合比率及び流量の基準値と実行値とを比較して良否判断する比較演算手段と、
    前記比較演算手段による判定結果を報知する報知手段と、
    を有し、
    前記炭化水素系ガス流量制御手段は、前記演算手段により演算した炭化水素系ガス流量に基づいて前記炭化水素系ガス供給路を流通する炭化水素系ガス添加量を制御することにより、1本又は複数本の切断トーチの個々の切断トーチの予熱炎の火炎性状を決定し、目的に応じて任意の切断トーチを選択することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のガス切断装置。
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