JPH0683162U - ガス切断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス圧の調整を自動化するとともに、圧力調
整時の失火がないというガス切断機を提供する。 【構成】 予熱酸素と燃焼ガスと切断酸素とを切断吹管
４に供給し、最初に予熱酸素と燃焼ガスとを供給して予
熱した後に、高圧の切断酸素を供給して切断を行うガス
切断機において、予熱酸素及び燃焼ガスをそれぞれサー
ボレギュレータ５，６を介して切断吹管４へ供給すると
ともに、ガス圧を所要の設定パターンになるように前記
サーボレギュレータを制御する制御部７を備え、同制御
部による圧力調整を徐々に増減するように設定し、又予
熱酸素用供給部８と燃焼ガス用供給部９とに圧力センサ
ー１０，１１を設けて制御部７に入力する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、鋼板のガス切断加工機において、鋼板のガス切断にいたる前のガ ス火焔による予熱の段階で、予熱時間の短縮をはかるガス切断機に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

一般にガス火焔により大型鋼板の切断を行う場合は、図３に示すように、複数 本の切断吹管２４を備えた自動切断機により行っている。それぞれの切断吹管２ ４には鋼板３２を溶融点まで加熱するための予熱用加熱酸素（予熱酸素）と燃焼 ガス及び切断用の高圧酸素（切断酸素）の手動バルブ３３，３４，３５が付属し ており、切断吹管２４の先端には被加工材である鋼板３２の板厚に応じた火口が 取付けられている。切断作業の開始にあたり、まず切断吹管２４に付属の予熱酸 素と燃焼ガスの手動バルブ３３，３４を操作して予熱酸素と燃焼ガスの混合ガス による予熱焔で鋼板３２を溶融点まで上昇させた後、予熱焔はそのまま進行しな がら、その部分に切断用の切断酸素を噴射し、その物理的エネルギーと酸化によ って切断作業を行う。

【０００３】 この場合、予熱酸素と燃焼ガスはそれぞれの圧力調整器によって一定圧力で切 断吹管２４に供給され、切断吹管２４に付属の予熱酸素用と燃焼ガス用の手動バ ルブ３３，３４を開閉操作して予熱用の混合ガスを形成して着火するが、複数の 切断吹管２４で同時切断の場合は、各切断吹管に付属している予熱酸素用手動バ ルブ３３と燃焼ガス用手動バルブ３４の全てを一つひとつ人手により開閉調整を 行い、混合ガスに点火して予熱火焔を形成する。一方各切断吹管に付属の切断酸 素用手動バルブ３５は開放状態にして各切断吹管に分岐している主管の元バルブ を電磁弁３１の操作で開閉して複数の切断吹管２４への切断酸素を同時供給する 。

【０００４】 実際の作業面において、鋼板３２の切断は必ずしも端面からの切断開始ではな く、造船材等様々な形状を切断する場合に鋼板表面の所定の位置からの切断開始 がある。その場合、鋼板３２表面で予熱火焔が拡散するので端面から切断開始の 場合より予熱に多くの時間を費やしている。特に型切断の場合は少品種長尺切断 と異なり多品種小物切断が多いので、切断開始時にその都度行う各切断吹管２４ 毎の予熱酸素用手動バルブ３３と燃焼ガス用手動バルブ３４の開閉調整の作業及 び予熱のため所要時間の頻度が多い程全体の作業時間が長くなる。

【０００５】 その対応策として予熱時間のみ予熱酸素と燃焼ガスの供給圧力を上げて高圧で 多量のガスを供給し短時間での予熱効果を得た後、切断用の高圧酸素を噴射して 切断を開始し、切断作業中は予熱用の予熱酸素と燃焼ガスの圧力を低圧に切り換 えて通常の圧力を保ちながら切断工程を進め、次の切断工程の予熱開始時に再び 予熱用の酸素と燃焼ガスの調整圧力を高くして予熱時間の短縮をはかる高低２段 切替えの圧力調整装置が使用されている。そのため、圧力調整装置に、予熱酸素 高圧用電磁弁２７，燃料ガス高圧用電磁弁２９，パイロット式レギュレータ２８ ，３０を備えている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述の通り、予熱時間の短縮をはかることを目的として予熱用の酸素と燃焼ガ スの圧力を異常に高くした場合、高圧と低圧との圧差により、低い圧力から高い 圧力へ、又は高い圧力から低い圧力へ急激に切替えた場合、予熱酸素と燃焼ガス による混合ガスの流速と燃焼速度のバランスがくずれて火口の先端部で予熱火焔 が失火し作業が中断する。また一定の圧力で供給された予熱酸素と燃焼ガスを複 数の切断吹管に対して順番にそれぞれの手動バルブ操作で調整して混合し予熱火 焔を形成するのに多くの時間を費やし、全切断吹管に点火し予熱火焔の形成を完 了するまで既に点火済みの切断吹管はガスを放出状態にしている無駄がある。

【０００７】 本考案が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、人手作業 を必要とせずに予熱を適切なガス圧に調整できるとともに圧力調整時の失火がな いというガス切断機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の要旨は、 １） 予熱酸素と燃焼ガスと切断酸素とを切断吹管に供給し、最初に予熱酸素と 燃焼ガスとを供給して予熱した後に、高圧の切断酸素を供給して切断を行うガス 切断機において、予熱酸素及び燃焼ガスをそれぞれサーボレギュレータを介して 切断吹管へ供給するとともに、ガス圧を所要の設定パターンになるように前記サ ーボレギュレータを制御する制御部を備えたことを特徴とするガス切断機 ２） 予熱酸素及び燃焼ガスのガス圧値を大きく増減するときに制御部は徐々に 圧力変化させるように調整した１）記載のガス切断機 ３） ガス切断吹管の予熱酸素供給部及び燃焼ガス供給部それぞれに圧力センサ ーを組み込み、同圧力センサーの圧力信号をフィードバック信号として制御部へ 入力させた１）又は２）記載のガス切断機 にある。

【０００９】

【作用】

この考案では、鋼板の切断吹管へ予熱酸素と燃焼ガスを供給する圧力調整器と して、高圧と低圧交互の微調整切替えが外部からの電気的信号で行えるサーボレ ギュレータを使用し、該レギュレータに対しては点火時、予熱火焔形成時及び切 断時の場合でそれぞれ異なる調整圧力と設定時間を予めプログラムとして組み込 んでいる制御部からの信号を送り、自動的に予熱用の燃焼ガスと予熱酸素の圧力 を徐々に切替えて調整できるので作業中の失火を防止し、複数の切断吹管に付属 の予熱酸素バルブと燃焼ガスバルブは開放したまま、制御部からの操作で予熱酸 素と燃焼ガスのサーボレギュレータによる開閉のみで予熱火焔を形成する。

【００１０】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図１，２の図面に基づいて説明すると、複数の切断 吹管４を備えた自動ガス切断機において、予熱酸素ガスは予熱酸素ガス管１から 、又燃焼ガスは燃焼ガス管２より、切断酸素は切断酸素ガス管３から供給される 。それぞれの切断吹管４の先端部には被加工材である鋼板１９の板厚に応じた火 口が取付けられており、切断吹管４にはオリフィス絞りの予熱酸素用手動バルブ １６、燃焼ガス用手動バルブ１７及び切断酸素用手動バルブ１８が付属しており 、切断工程開始の前にそれぞれの手動バルブ１６，１７，１８は全て開放状態に して、予熱酸素と燃焼ガスの各圧力調整用サーボレギュレータ５，６と切断酸素 用電磁弁２０が組み込まれ、制御部７からの電気的指示により複数の切断吹管４ へ同時に各ガスの供給が行われる。その場合予熱酸素及び燃焼ガス用は制御部７ からの指示信号によって作業中に圧力の微調整が可能なサーボレギュレータ５， ６を使用し、切断酸素用は一定圧力にセットされ切断酸素用電磁弁２０の開閉に より作動する高圧酸素調整器を使用する。

【００１１】 切断の作業例として、造船材等に見られる大型鋼板に対する様々な形状の型切 断がある。その場合は必ずしも鋼板端部からの切断開始ではなく端部から入り込 んだ平面上の所定の位置からの切断開始となる。そこで切断吹管４からの予熱焔 は鋼板１９面に触れて拡散状態となり予熱に時間を要するので予熱時間の短縮の ため高い圧力にセットされたサーボレギュレータ５，６から予熱用の加熱酸素と 燃焼ガスを供給する。鋼板１９の板厚に応じた火口の番号と通常の加熱酸素と燃 焼ガスの圧力及び予熱時間は図２の通りである。サーボレギュレータ５，６を使 用することにより得られるガス圧力及び予熱時間の条件が制御部７の圧力コント ロールユニット１２，１３にプログラムとして組み込まれる。切断工程の開始時 点で制御部７のスイッチを入れることにより、上記設定圧力と設定時間で作動し て鋼板１９の予熱を行い、自動的に切断酸素が供給されて切断を開始する。切断 作業の進行中は高い圧力での予熱酸素と燃焼ガスは必要としないので、制御部７ からの信号により各サーボレギュレータ５，６の圧力を下げて燃料コストの低減 をはかる。

【００１２】 ひとつの切断工程が終了して再び次の切断工程を開始する時は、制御部７から サーボレギュレータ５，６への信号により予熱酸素と燃焼ガスの圧力を徐々にあ げて失火することなく予熱効果をあげて前述の工程を繰り返す。予熱酸素、燃焼 ガスはそれぞれ１台のサーボレギュレータ５，６により圧力を調整されて切断吹 管４に供給されるが、作業内容により複数本の切断吹管４を使用したり、他の切 断吹管４の各手動バルブ１６，１７，１８を閉じて１本の切断吹管４による使用 がある。その場合、複数と１本では各ガスの供給条件が異なるので、各ガスの供 給部分８，９の切断吹管４に近い位置に各ガスの圧力センサー１０，１１を組み 込み、複数の場合と１本の場合の各ガスの使用圧力を感知して制御部７にフィー ドバックし、切断吹管４の本数に応じた流量を維持すべき圧力を検出して各ガス のサーボレギュレータ５，６に指示することにより、予熱火焔の形成、切断酸素 バルブの開閉タイミングが正しく行われる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の如く、この考案によると被加工材である鋼板の板厚によって異なる使用 火口の番号に従い予熱用の加熱酸素と燃焼ガスの設定圧力並びに予熱時間が予め 設定された制御部に組み込まれることにより、鋼板の切断作業開始時に全ての切 断吹管のバルブを一つひとつ操作することなく、オペレーターによる制御部の操 作により点火、高圧での予熱、予熱用ガスの抑制、切断開始の作業が正しく自動 的に行えるので失火による作業のロスタイム発生の防止並びに各切断吹管のバル ブ操作の不要と高圧での予熱時間短縮による能率向上に加えて消費する加熱用酸 素と燃焼ガスの費用節減の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の説明図である。

【図２】実施例の圧力制御パターン例を示す説明図であ
る。

【図３】従来のガス切断機を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 予熱酸素ガス管 ２ 燃焼ガス管 ３ 切断酸素ガス管 ４ 切断吹管 ５ 予熱酸素用サーボレギュレータ ６ 燃焼ガス用サーボレギュレータ ７ 制御部 ８ 予熱酸素用供給部 ９ 燃焼ガス用供給部 １０ 予熱酸素ガス圧用圧力センサー １１ 燃焼ガス圧用圧力センサー １２ 予熱酸素用圧力コントロールユニット １３ 燃焼ガス用圧力コントロールユニット １４ 圧力コントロール指令ユニット １５ ガス切断機のＮ／Ｃコントローラ １６ 予熱酸素用手動バルブ １７ 燃焼ガス用手動バルブ １８ 切断酸素用手動バルブ １９ 鋼板 ２０ 切断酸素用電磁弁 ２１ 予熱酸素ガス管 ２２ 燃焼ガス管 ２３ 切断酸素ガス管 ２４ 切断吹管 ２５ 予熱酸素用供給部 ２６ 燃焼ガス用供給部 ２７ 予熱酸素高圧用電磁弁 ２８ 予熱酸素用パイロット式レギュレータ ２９ 燃焼ガス高圧用電磁弁 ３０ 燃料ガス用パイロット式レギュレータ ３１ 切断酸素用電磁弁 ３２ 鋼板 ３３ 予熱酸素用手動バルブ ３４ 燃焼ガス用手動バルブ ３５ 切断酸素用手動バルブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 高 伸一 福岡県北九州市小倉北区清水１丁目13番20 号 株式会社セントラルユニ内 (72)考案者 前田 榮三 東京都千代田区神田東松下町17ファースト ビル 株式会社アサヒ・エンタープライズ 内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 予熱酸素と燃焼ガスと切断酸素とを切断
   吹管に供給し、最初に予熱酸素と燃焼ガスとを供給して
   予熱した後に、高圧の切断酸素を供給して切断を行うガ
   ス切断機において、予熱酸素及び燃焼ガスをそれぞれサ
   ーボレギュレータを介して切断吹管へ供給するととも
   に、ガス圧を所要の設定パターンになるように前記サー
   ボレギュレータを制御する制御部を備えたことを特徴と
   するガス切断機。
2. 【請求項２】 予熱酸素及び燃焼ガスのガス圧値を大き
   く増減するときに制御部は徐々に圧力変化させるように
   調整した請求項１記載のガス切断機。
3. 【請求項３】 ガス切断吹管の予熱酸素供給部及び燃焼
   ガス供給部それぞれに圧力センサーを組み込み、同圧力
   センサーの圧力信号をフィードバック信号として制御部
   へ入力させた請求項１又は２記載のガス切断機。