JP2016198272A - シェル固定枠およびシェル固定枠の固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者を移動しないようにベースプレートに固定するために用いる熱可塑性樹脂からなる体位固定用のシェルをベースプレートの側に固定するために、シェル縁端部に取り付けて用いるシェル固定枠を、シェル縁端部から外れないようにすること。
【解決手段】シェル固定枠5にはシェル縁端部3aを差し込む差込溝12が形成されている。差込溝12の最小溝幅部23は両側の第1鋸歯状突起25によって規定され、この部分の溝幅はシェル3の板厚T(3a)より狭い。差込溝12に差し込まれた接着固定されたシェル縁端部3aには、使用時に軟化させて再び硬化させる過程で、両側から第1鋸歯状突起25が弾性復帰力によって食い込み、物理的なかみ合い状態が形成される。この部分が抜け止め部として機能し、シェル固定枠5からシェル縁端部3aが抜けて外れてしまうことを確実に防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、患者あるいは被験者を移動しないようにベースプレートに固定するために用いる熱可塑性樹脂からなる体位固定用のシェルを前記ベースプレートの側に固定するために、シェル縁端部に取り付けて用いるシェル固定枠に関する。また、シェル縁端部にシェル固定枠を固定するためのシェル固定枠の固定構造に関する。
患者、被験者の頭部等を固定するために用いる体位固定用のシェルは、熱可塑性樹脂からなるネット状のシート素材から形成されている。治療台等の天板に固定したベースプレートに患者等を載せ、熱を加えて軟化させた状態のシェルを患者の頭部に押し付けて型を取り、型取りした後のシェルを用いて患者の頭部等を、移動しないようにベースプレートに固定している。あるいは、ベースプレートに取り付けた取付け枠に固定している。体位固定用のシェルは非特許文献1に開示されている。
このような体位固定用のシェルの両側の縁端部には、ベースプレートの側に取り付けるための硬質の樹脂板からなるシェル固定枠が固定されている。シェル固定枠を介して、シェルを確実にベースプレートの側に固定することができる。
"ESFORM製品紹介"、[online]、エンジニアリングシステム株式会社、[平成26年7月24日検索]、インターネット<URL:http://www.esform.com>
ここで、シェルの両側の縁端部に確実にシェル固定枠が取り付けられていないと、シェル縁端部の一部がシェル固定枠から外れ、あるいは、シェル縁端部の全体がシェル固定枠から外れてしまう危険性がある。このような事態が生じると、患者等の頭部等を移動しないように確実に固定することができない。
従来においては、シェル固定枠に差込溝を形成し、そこに、シェル縁端部を差し込み、接着剤によって差込溝に固定している。しかしながら、シェル固定枠を、シェル縁端部から外れないように確実に固定するための方法、構造については着目されておらず、また、そのような提案もなされていない。
本発明の課題は、この点に鑑みて、体位固定用のシェルのシェル縁端部に確実に固定できるようにしたシェル固定枠および、その固定構造を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、患者あるいは被験者を移動しないようにベースプレートに固定するために用いる熱可塑性樹脂からなる体位固定用のシェルを前記ベースプレートの側に固定するために、前記シェルのシェル縁端部に取り付けて用いるシェル固定枠であって、
前記シェル縁端部が差し込み固定される差込溝が形成された枠本体板を備え、
前記差込溝の溝開口縁の溝幅は前記シェル縁端部の板厚よりも広く、
前記溝開口縁から溝底面までの間の途中の部位に、前記差込溝の最小溝幅となっている
最小溝幅部が形成され、
前記最小溝幅部から前記溝底面までの間の溝幅は、前記溝底面に向かって徐々に広がっており、
前記最小溝幅は前記シェル縁端部の板厚よりも狭く、
前記差込溝は前記シェル縁端部を差し込むと弾性変形して溝幅が広がる方向に弾性変形可能となっていることを特徴としている。
また、本発明は、患者あるいは被験者を移動しないようにベースプレートに固定するために用いる熱可塑性樹脂からなる体位固定用のシェルのシェル縁端部を、当該シェル縁端部を前記ベースプレートの側に固定するシェル固定枠に取り付けるために用いる、シェル縁端部をシェル固定枠に固定するためのシェル固定枠の固定構造であって、
前記シェル固定枠は、前記シェル縁端部が差し込まれて接着剤により固定される差込溝が形成された枠本体板を備え、
前記差込溝において、その溝開口縁の溝幅は前記シェル縁端部の板厚よりも広く、前記溝開口縁から溝底面までの間の途中の部位に溝幅が最小の最小溝幅部が形成され、前記最小溝幅部から前記溝底面までの間の溝幅は、前記溝底面に向かって徐々に広がっており、
前記最小溝幅は前記シェル縁端部の板厚よりも狭く、
前記差込溝が形成されている前記枠本体板の溝形成部は前記シェル縁端部を差し込むことにより溝幅が広がる方向に弾性変形した状態となっており、
前記シェルを用いて患者あるいは被験者を前記ベースプレートに固定する際に、前記シェルに熱を加えて軟化させると、前記溝形成部の弾性復帰力によって前記差込溝の溝幅が狭まって前記最小溝幅部が軟化した前記シェル縁端部に食い込む食い込み状態が形成され、
前記食い込み状態のまま前記シェル縁端部が硬化して、前記最小溝幅部が前記シェル縁端部の抜け防止部として機能することを特徴としている。
シェル固定枠の差込溝にシェル縁端部を差し込むと、当該差込溝が形成されている枠本体板の部分が弾性変形して押し広げられて、シェル縁端部を差込溝の溝底面まで差し込むことができる。差込溝あるいはシェル縁端部に予め塗布しておいた接着剤によって、シェル縁端部は差込溝に差し込まれて接着固定される。
患者等を固定するためにシェルを使用する際には、固定対象の患者の部位の型取りをするために、シェルは熱が加えられて軟化する。差込溝に差し込まれて接着固定されているシェル縁端部が軟化すると、シェル縁端部によって押し広げられていた差込溝が弾性復帰力によって窄まり、差込溝の深さ方向の途中位置に形成されている最小溝幅部分が軟化したシェル縁端部に対して厚さ方向の両側から食い込む。軟化したシェルが型取り後に冷却されて硬化すると、差込溝に差し込まれて接着固定されているシェル縁端部は、差込溝の両側の溝側面の最小溝幅部分が食い込んだ状態で硬化する。
このように、シェル縁端部と、シェル固定枠の差込溝の両側の溝側面の部分が物理的にかみ合う状態(食い込み状態)が形成され、このかみ合い部分がシェル縁端部の抜け止め部として機能する。よって、シェルを軟化させて患者等の型取りを行う際、および、その後の患者固定状態において、シェル固定枠からシェル縁端部がずれること、あるいは外れてしまうことを確実に防止できる。
ここで、シェル縁端部とシェル固定枠の差込溝の両側の溝側面の最小溝幅部との間の物理的なかみ合い状態を確実に形成するために、当該最小溝幅部の最小溝幅を、シェルの板厚の80%以下に設定しておくことが望ましい。
また、差込溝に対するシェル縁端部の差込作業を簡単に行うことができるように、差込
溝の両側の溝側面における溝開口縁から最小溝幅部に至る側面部分は、溝開口縁から最小溝幅に向けて溝幅が漸減するように、それぞれ、凸曲面によって規定されていることが望ましい。
さらに、シェル縁端部とシェル固定枠の差込溝の両側の溝側面との間の物理的なかみ合い状態を確実に形成し、シェル縁端部の抜け止め効果を高めるために、差込溝の両側の溝側面には、それぞれ、少なくとも1つの鋸歯状突起が形成されていることが望ましい。また、シェル縁端部が差込溝から抜け出る方向に移動しようとすると、鋸歯状突起が縁端部に食い込むように、鋸歯状突起は、一方の溝側面において、差込溝の溝開口縁から溝底面に向かって、相対的に小さな傾斜角で徐々に他方の溝側面の側に迫り出す緩斜面と、他方の溝側面から相対的に大きな傾斜角で後退する急斜面とによって規定しておけばよい。
鋸歯状突起を形成する場合には、これらの鋸歯状突起は、差込溝の両側の溝側面において左右対称の状態に形成され、鋸歯状突起の形成位置が最小溝幅部となっていることが望ましい。このようにすれば、シェル縁端部に鋸歯状突起が確実に食い込むので、鋸歯状突起がシェル縁端部の抜け止め部として確実に機能する。
鋸歯状突起の緩斜面と急斜面とのなす角度は、60°から100°までの範囲内の値としておけば、差込溝から抜け出ようとするシェル縁端部に対して鋸歯状突起を確実に食い込ませることができる。
また、溝側面のそれぞれに、鋸歯状突起として、溝開口縁から溝底面に向かって、第1鋸歯状突起および第2鋸歯状突起をこの順序で左右対称の状態に形成することも可能である。この場合には、第1鋸歯状突起の形成位置を最小溝幅部とし、第2鋸歯状突起によって規定される溝幅を最小溝幅よりも広い幅に設定しておくことができる。
次に、差込溝の溝深さは、少なくとも、シェル縁端部の板厚の4倍の深さ、好ましくは5倍の深さに設定しておくことが望ましい。これよりも溝の深さが浅いと、シェル縁端部を差込溝に確実に保持することができないことがある。溝深さをシェル縁端部の板厚の6倍以上にすることも可能であるが、費用対効果の点で、5倍程度にしておくことが望ましい。
一方、シェル固定枠は一般に直方体形状の樹脂などからなる枠本体板からなり、その枠本体板における一方の長辺縁の全体に亘って当該長辺縁の縁端面に開口する差込溝が形成される。この場合、シェル固定枠の前後方向を一瞥しただけで分かるように、あるいは、前後逆に取り付けられることが無いようにするために、枠本体板には、当該枠本体板の長さ方向の一方の短辺縁である前端縁と、他方の短辺縁である後端縁とを識別するための識別部が備わっていることが望ましい。
このような識別部として、枠本体板をベースプレートの側に固定するために、当該枠本体板に形成した複数個の留め穴を利用することができる。
例えば、枠本体板に、第1、第2の留め穴が、差込溝の長さ方向に沿って形成されている場合には、前端縁の側に位置する第1の留め穴を、前端縁から第1の距離の位置に形成し、後端縁の側に位置する第2の留め穴を、後端縁から第2の距離の位置に形成し、第1の距離と第2の距離とを異なる距離とすることで、第1、第2の留め穴を識別部として機能させることができる。
また、枠本体板に、3個以上の留め穴が差込溝の長さ方向に沿って形成されている場合には、前端縁に最も近い留め穴を第1の留め穴、後端縁に最も近い留め穴を第2の留め穴
とすると、第1の留め穴と、当該第1の留め穴に隣接する留め穴との間の距離を第1の距離、第2の留め穴と、当該第2の留め穴に隣接する留め穴との間の距離を第2の距離とすると、第1の距離と第2の距離とを異なる距離とすることで、第1、第2の留め穴を識別部として機能させることができる。
本発明を適用したシェル固定枠を備えた体位固定シェルシステムの一例を示す部分斜視図および体位固定用のシェルの一例を示す平面図である。 図1のシェルに取り付けられているシェル固定枠を示す平面図および側面図である。 図2のシェル固定枠の差込溝の部分を示す部分拡大図および差込溝の鋸歯状突起の部分を示す部分拡大図である。
以下に、図面を参照して、体位固定用のシェルをベースプレートの側に固定するために用いるシェル固定枠の実施の形態を説明する。なお、以下に述べる実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明のシェル固定枠の各部の構造は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(体位固定シェルシステム)
図1は本発明のシェル固定枠を備えた体位固定シェルシステムの一例を示す図である。図1(a)は体位固定シェルシステムの使用状態を示す部分斜視図であり、図1(b)は体位固定用のシェルの一例の頭部固定用のシェルを示す平面図である。
これらの図に示すように、体位固定シェルシステム1は、ベースプレート2と、このベースプレート2に取り外し可能な状態で取り付けられる体位固定用のシェルである頭部固定用のシェル3と、頭頸部サポート4とを備えている。
図1(b)に示すように、頭部固定用のシェル3は、成形前の平面展開状態において、略長方形の輪郭形状をしたネット状の熱可塑性樹脂からなるシート素材からなる。シェル3の幅方向Xの両側のシェル縁端部3a、3bには、これらに沿って、シェル固定枠5、6がそれぞれ固定されている。両側のシェル固定枠5、6を介して、両側のシェル縁端部3a、3bがベースプレート2に取り外し可能に固定される。
この構成の体位固定シェルシステム1では、図1(a)に示すように、シェル3によって、患者の頭部が移動しないようにベースプレート2に固定される。すなわち、シェル3は熱可塑性樹脂からなるネット状の一枚のシート素材から形成されているので、熱を加えて軟化させた状態で、ベースプレート2に載せた患者の頭頸部に押し付けて型を取ることができる。型取りした後のシェル3は、その両側に取り付けたシェル固定枠5、6を介して、ベースプレート2に取り付けられて、患者の頭頸部が移動しないように固定する。
図示の例では、ベースプレート2の端面に、シェル固定枠6に重ねて留め付け板7が取り付けられ、留め具8によって留め付け板7がベースプレート2の端面に固定されている。これにより、シェル固定枠6は留め付け板7によってベースプレート2の端面に固定される。他方のシェル固定枠5の側も同様に固定されている。シェル固定枠5をベースプレート2に固定するための機構としては、図示の例とは異なる各種の機構を用いることができる。
(シェル固定枠)
図2(a)はシェル固定枠を示す平面図であり、図2(b)はその側面図である。両側
のシェル固定枠5、6は同一形状および寸法であり、左右対称な構造となっているので、一方のシェル固定枠5について説明する。
シェル固定枠5は、硬質樹脂製の長方形の枠本体板11からなり、当該枠本体板11における一方の長辺縁11aの全体に亘って当該長辺縁11aの縁端面に開口する差込溝12が形成されている。差込溝12には、シェル3のシェル縁端部3aが差し込まれて接着固定される。また、枠本体板11における差込溝12が形成されている溝形成部13と他方の長辺縁11bとの間には、枠本体板11の長さ方向に沿って、一定の間隔で3個の留め穴14、15、16が形成されている。
図3(a)は差込溝12を示す部分拡大図であり、図3(b)は差込溝12の溝側面に形成されている抜け止め用の鋸歯状突起を示す部分拡大図である。溝形成部13は、枠本体板11における長辺縁11aの側の板部分11cと、当該部分に一定の間隔で対峙する状態に一体形成された板部分11dとを備え、これらの間に差込溝12が形成されている。
差込溝12の溝開口縁21の溝幅W(21)は想像線で示すシェル縁端部3aの板厚T(3a)よりも広い。また、溝開口縁21から溝底面22までの間における溝開口縁21に近い側の部位に、溝幅が差込溝12における最小溝幅W(23)となっている最小溝幅部23が形成されている。さらに、2本の一点鎖線17a、17bで示すように、最小溝幅部23から溝底面22までの間の溝幅は、全体として、溝底面22に向かって徐々に広がっている。
差込溝12の最小溝幅W(23)は、図3(a)において想像線で示すシェル縁端部3aの板厚T(3a)よりも狭い。差込溝12を規定している溝形成部13は、差込溝12にシェル縁端部3aを差し込むと、弾性変形して左右に押し広げられ、差込溝12の溝幅が広がる弾性特性を備えている。差込溝12内あるいはシェル縁端部3aに接着剤(図示せず)を塗布して、差込溝12にシェル縁端部3aが差し込まれ、シェル縁端部3aが接着固定されると共に、溝形成部13の弾性復帰力によって差込状態に保持される。最小溝幅W(23)は、シェルの板厚T(3a)の80%以下に設定しておくことが望ましい。例えば、シェル3の板厚T(3a)が2mmの場合には最小溝幅W(23)を約1.6mmとすればよい。
差込溝12に、シェル縁端部3aを簡単に差し込むことができるように、本例では、差込溝12の両側の溝側面における溝開口縁21から最小溝幅部23に至る側面部分24a、24bが凸曲面によって規定されている。これにより、溝開口縁21から最小溝幅部23に向けて溝幅が漸減するように設定されている。このようにすると、凸曲面からなる側面部分24a、24bがシェル縁端部3aのガイド面として機能するので、シェル縁端部3aを差込溝12に差し込む操作を簡単に行うことができる。
差込溝12の溝形状を更に詳しく説明する。本例の差込溝12の両側の溝側面には、それぞれ、溝開口縁21から溝底面22に向かって、第1鋸歯状突起25および第2鋸歯状突起26がこの順序でほぼ左右対称の状態に形成されている。溝開口縁21の側の第1鋸歯状突起25によって最小溝幅部23が形成されている。これに対して、第2鋸歯状突起26によって規定される溝幅は最小溝幅W(23)よりも広い。
図3(b)に示すように、第1鋸歯状突起25は、一方の溝側面において、差込溝12の溝開口縁21から延びている凸曲面からなる側面部分24bの溝底側の部分を規定している小さな傾斜角で徐々に他方の溝側面の側に迫り出す緩斜面25aと、他方の溝側面から大きな傾斜角で後退する急斜面25bとによって規定されている。同様に、第2鋸歯状
突起26も、一方の溝側面において、急斜面25bの端から小さな傾斜角で徐々に他方の溝側面の側に迫り出す緩斜面26aと、この緩斜面26aの端から他方の溝側面から大きな傾斜角で後退する急斜面26bとによって規定されている。急斜面26bの溝底面22の側の端には緩斜面25aとほぼ平行な緩斜面27aが繋がり、この緩斜面27aと溝底面22の隅との間は、溝底面22に向けて緩斜面27aよりも小さな角度で外方に広がる斜面27bによって規定されている。
本例では、緩斜面26aと急斜面26bとのなす角度θがほぼ90°に設定されている。この角度θは60°から100°までの範囲内の角度とすることが望ましい。このような角度をなす緩斜面と急斜面とによって形成される第1、第2鋸歯状突起25、26は、差込溝12に差し込まれたシェル縁端部3aの抜け防止用の突起として有効に機能する。
すなわち、患者等を固定するためにシェル3を使用する際には、固定対象の患者の部位の型取りをするために、シェルは熱が加えられて軟化する。差込溝12に差し込まれて接着固定されているシェル縁端部3aが軟化すると、シェル縁端部3aによって押し広げられていた差込溝12が弾性復帰力によって窄まり、差込溝12の両側の第1、第2鋸歯状突起25、26が軟化したシェル縁端部3aに対して厚さ方向の両側から食い込む。
軟化したシェル3が型取り後に冷却されて硬化すると、差込溝12に差し込まれて接着固定されているシェル縁端部3aは、差込溝12の両側の第1、第2鋸歯状突起25、26が食い込んだ状態で硬化する。
このようにして、シェル縁端部3aと、シェル固定枠5の差込溝12の両側の第1、第2鋸歯状突起25、26が物理的にかみ合った状態が形成され、これらのかみ合い部分がシェル縁端部3aの抜け止めとして機能する。よって、シェル3を軟化させて患者等の型取りを行う際、および、その後の患者固定状態において、シェル固定枠5からシェル縁端部3aがずれること、あるいは外れてしまうことを確実に防止できる。
ここで、本例の差込溝12においては、その溝深さDがほぼシェル3の板厚T(3a)の5倍とされている。本発明者等の実験によれば、溝深さDをシェル3の板厚T(3a)の4倍以上、好ましくは略5倍にすると、差込溝12にシェル縁端部3aが確実に保持され、そこから抜け出てしまうことが無いことが確認された。板厚T(3a)が2mmの場合には、溝深さDを10mm程度にすればよい。
なお、本例のシェル固定枠5の留め穴14、16は、シェル固定枠5の前後方向を目視によって識別可能な識別部としての機能が備わっている。すなわち、シェル固定枠5の枠本体板11における前端縁11eの側に位置する留め穴14は、前端縁11eから第1の距離L1の位置に形成されている。これに対して、枠本体板11の後端縁11fの側に位置する留め穴16は、後端縁11fから第2の距離L2の位置に形成されている。第1の距離L1は第2の距離L2に比べて一瞥して分かる程度に長い。
シェル固定枠5は、その前端縁11eがベースプレート2の前後方向Yの前側(頭尾方向の頭側)に位置し、その後端縁11fがベースプレート2の後側(頭尾方向の尾側)に位置するように、ベースプレート2に取り付けられる。留め穴14、16の位置から、簡単に前後方向を識別できるので便利である。なお、留め穴14と15の間隔を、留め穴16と15の間隔とは異なるように設定し、これによって前後を識別できるようにしてもよい。
1 体位固定シェルシステム
2 ベースプレート
3 シェル
3a,3b シェル縁端部
4 頭頸部サポート
5,6 シェル固定枠
7 留め付け板
8 留め具
11 枠本体板
12 差込溝
13 溝形成部
14,15,16 留め穴
17a,17b 一点鎖線
21 溝開口縁
22 溝底面
23 最小溝幅部
24a,24b 側面部分
25 第1鋸歯状突起
26 第2鋸歯状突起
25a,26a 緩斜面
25b,26b 急斜面
27a 緩斜面
27b 斜面
T(3a) 板厚
W(21) 溝開口縁の溝幅
W(23) 最小溝幅
θ 角度

Claims (12)

  1. 患者あるいは被験者を移動しないようにベースプレートに固定するために用いる熱可塑性樹脂からなる体位固定用のシェルを前記ベースプレートの側に固定するために、前記シェルのシェル縁端部に取り付けて用いるシェル固定枠であって、
    前記シェル縁端部が差し込み固定される差込溝が形成された枠本体板を備え、
    前記差込溝の溝開口縁の溝幅は前記シェル縁端部の板厚よりも広く、
    前記溝開口縁から溝底面までの間の途中の部位に、前記差込溝の最小溝幅となっている最小溝幅部が形成され、
    前記最小溝幅部から前記溝底面までの間の溝幅は、前記溝底面に向かって徐々に広がっており、
    前記最小溝幅は前記シェル縁端部の板厚よりも狭く、
    前記差込溝は前記シェル縁端部を差し込むと弾性変形して溝幅が広がる方向に弾性変形可能となっていることを特徴とするシェル固定枠。
  2. 前記最小溝幅は、前記シェル縁端部の板厚の80%以下である請求項1に記載のシェル固定枠。
  3. 前記差込溝の両側の溝側面における前記溝開口縁から前記最小溝幅部に至る側面部分は、前記溝開口縁から前記最小溝幅に向けて溝幅が漸減するように、それぞれ、凸曲面によって規定されている請求項1に記載のシェル固定枠。
  4. 前記差込溝の両側の溝側面には、それぞれ、少なくとも1つの鋸歯状突起が形成されており、
    前記鋸歯状突起は、一方の前記溝側面において、前記差込溝の溝開口縁から溝底面に向かって、相対的に小さな傾斜角で徐々に他方の前記溝側面の側に迫り出す緩斜面と、他方の前記溝側面から相対的に大きな傾斜角で後退する急斜面とによって規定されている、
    請求項1に記載のシェル固定枠。
  5. 前記鋸歯状突起は、前記差込溝の両側の溝側面において左右対称の状態に形成されており、
    前記鋸歯状突起の形成位置が前記最小溝幅部である、
    請求項4に記載のシェル固定枠。
  6. 前記鋸歯状突起の前記緩斜面と前記急斜面とのなす角度は、60°から100°までの範囲内の値である請求項4に記載のシェル固定枠。
  7. 前記溝側面のそれぞれには、前記鋸歯状突起として、前記溝開口縁から前記溝底面に向かって、第1鋸歯状突起および第2鋸歯状突起がこの順序で左右対称の状態に形成されており、
    前記第1鋸歯状突起の形成位置が前記最小溝幅部であり、
    前記第2鋸歯状突起によって規定される溝幅は、前記最小溝幅よりも広い、
    請求項4に記載のシェル固定枠。
  8. 前記差込溝の溝深さは、少なくとも、前記シェルの板厚の4倍の深さである請求項1に記載のシェル固定枠。
  9. 前記枠本体板は長方形輪郭の板であり、
    前記枠本体板における一方の長辺縁の全体に亘って当該長辺縁の縁端面に開口する前記差込溝が形成されており、
    前記枠本体板には、当該枠本体板の長さ方向の一方の短辺縁である前端縁と、他方の短辺縁である後端縁とを識別するための識別部が備わっている、
    請求項1に記載のシェル固定枠。
  10. 前記枠本体板には、当該枠本体板を前記ベースプレートの側に固定するために用いる第1、第2の留め穴が、前記差込溝の長さ方向に沿って形成されており、
    前記前端縁の側に位置する前記第1の留め穴は、前記前端縁から第1の距離の位置に形成されており、
    前記後端縁の側に位置する前記第2の留め穴は、前記後端縁から第2の距離の位置に形成されており、
    前記第1の距離と前記第2の距離とを異なる距離とすることで、前記第1、第2の留め穴が前記識別部として機能する請求項9に記載のシェル固定枠。
  11. 前記枠本体板には、当該枠本体板を前記ベースプレートの側に固定するために用いる3個以上の留め穴が、前記差込溝の長さ方向に沿って形成されており、
    前記前端縁に最も近い前記留め穴を第1の留め穴、前記後端縁に最も近い前記留め穴を第2の留め穴とすると、
    前記第1の留め穴と、当該第1の留め穴に隣接する前記留め穴との間の距離を第1の距離、前記第2の留め穴と、当該第2の留め穴に隣接する前記留め穴との間の距離を第2の距離とすると、前記第1の距離と前記第2の距離とを異なる距離とすることで、前記第1、第2の留め穴が前記識別部として機能する請求項9に記載のシェル固定枠。
  12. 患者あるいは被験者を移動しないようにベースプレートに固定するために用いる熱可塑性樹脂からなる体位固定用のシェルのシェル縁端部を、当該シェル縁端部を前記ベースプレートの側に固定するシェル固定枠に取り付けるために用いる、シェル縁端部をシェル固定枠に固定するためのシェル固定枠の固定構造であって、
    前記シェル固定枠は、請求項1ないし11のうちのいずれか一つの項に記載のシェル固定枠であり、
    前記シェルを用いて患者あるいは被験者を前記ベースプレートに固定する際に、前記シェルに熱を加えて軟化させると、前記差込溝の形成部分の弾性復帰力によって前記差込溝の溝幅が狭まって前記最小溝幅部が軟化した前記シェル縁端部に食い込む食い込み状態が形成され、
    前記食い込み状態のまま前記シェル縁端部が硬化して、前記最小溝幅部が前記シェル縁端部の抜け防止部として機能することを特徴とするシェル固定枠の固定構造。
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