以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るシステムについて図1を用いて説明する。
第1の実施形態では、コントローラ部107のCPU101は、原稿の画像を読み取り、読み取った原稿の画像データを任意のタイミングで送信可能にする為に、当該画像データをHDD150に記憶する。そして、HDD150に記憶されている画像データを読み出して、例えば、読み取った原稿に含まれている文字を認識する為に、記憶された画像データに対して文字認識処理を実行しても、文字認識の精度を保証できるようにする。
そこで、原稿の画像を読み取り、読み取った原稿の画像データを任意のタイミングで送信可能にする為に、当該画像データをHDD150に記憶する場合は、原稿の画像を所定の解像度で読み取るよう制御するものである。
以下、詳細に説明する。
本実施形態に係るシステムは、原稿の画像を読み取る画像読取装置の一例であるMFP1001と、外部装置であるPC(コンピュータ)1003、ファクシミリ1004で構成される。尚、MFPとは、Multi Functional Peripheralのことである。
尚、MFP1001は、原稿を読み取って画像データを生成する画像読取機能と、生成した画像データに基づいて画像をシートに印刷する印刷機能(コピー機能)を備えている。また、MFP1001は、PC1003等の外部装置から印刷ジョブを受信し、当該印刷ジョブに基づいて文字や画像をシートに印刷する印刷機能(PCプリント機能)を備えている。
即ち、MFP1001は画像読取装置としての役割の他に、印刷装置としての役割を果たしている。尚、本実施形態では、MFP1001を画像読取装置の一例として説明するが、画像読取機能があれば、画像読取装置は、原稿を読み取って画像データを生成し、生成した画像データをPC1003へ送信するスキャナであってもよい。尚、画像読取装置は、生成した画像データをPC1003へ送信するのではなく、USB(Universal Serial Bus)等の着脱可能な外部メモリに保存するスキャナであってもよい。
MFP1001は、PC1003と、ローカルエリアネットワーク等のLAN1005(Local Area Network)を介して接続されており、PC1003と通信を行う。
また、MFP1001は、ファクシミリ1004と、公衆回線1006を介して接続されており、ファクシミリ1004と通信を行う。
PC1003は、LAN1005等のネットワークを介してMFP1001に印刷ジョブを投入する。そして、MFP1001は、LAN1005等のネットワークを介してPC1003から投入された印刷ジョブを処理する。
尚、本実施形態では、MFP1001とPC1003がLAN1005を介して接続されている例を説明するが、MFP1001とPC1003はインターネット等のWANを介して接続されていてもよい。もしくは、MFP1001とPC1003は、USBケーブルを介して接続されてもよい。また、MFP1001とPC1003は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)やBluetooth(登録商標)などの無線通信によって通信可能に構成されてもよい。
また、PC1003は、アプリケーションソフトによって画像データを生成し、生成した画像データをMFP1001に送信する。尚、本実施形態では、外部装置としてPC1003を例に挙げて説明するが、これに限らずに、PDA(personal digital assistant)やスマートフォン等の携帯情報端末、ネットワーク接続機器、又は外部専用装置等であっても良い。
MFP1001は、後述するコントローラ部(制御部)107、スキャナ部111、プリンタ部121、ネットワークI/F140、ハードディスク(HDD)150、操作部160、及び、回線I/F170を有する。これらは電気的に接続されており、互いに制御コマンドやデータを送受信する。
通信部の一例であるネットワークI/F140は、PC1003と画像データの送受信を行うためのインタフェースである。一方、通信部の一例である回線I/F170は、コントローラ部107を公衆回線1006に接続するためのインタフェースである。
コントローラ部107は、複数の機能ブロックとして、CPU101、ROM102、画像処理部103、RAM104、圧縮展開部108、スキャナI/F110、プリンタI/F120、及び、I/O制御部130を有する。これらは、バスコントローラ105を介して電気的に接続されており、互いに制御コマンドやデータを送受信する。
CPU101は、MFP1001が備える、スキャナ部111、プリンタ部121、及び、各種ユニット(給送ユニット123等)の処理や動作等を制御する。
ROM102は、読み出し専用のメモリであり、ブートシーケンスやフォント情報等のプログラムを予め記憶している。
RAM104は、読み出し及び書き込み可能なメモリであり、スキャナ部111やネットワークI/F140より送られてきた画像データや、各種プログラムや設定情報等を記憶する。尚、RAM104は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
ROM102又はHDD150には、CPU101により実行される、後述するフローチャートの各種処理等を実行するために必要な各種の制御プログラムが記憶されている。また、ROM102又はHDD150には、ユーザインタフェース画面(以下、UI画面)を含む、後述する操作部160の表示部に各種のUI画面を表示させるための表示制御プログラムも記憶されている。CPU101が、ROM102又はHDD150に記憶されているプログラムを読み出して、RAM104に当該プログラムを展開することにより、本実施形態に係る各種動作を実行する。
また、CPU101が、ネットワークI/F140を介してPC1003から受信したページ記述言語データを解釈し、ラスタイメージデータ(ビットマップ画像データ)に展開する動作を実行するプログラム等もROM102又はHDD150に記憶されている。これらは、ソフトウェアによって処理される。尚、ページ記述言語(Page Description Language)は、PDLと略す。
スキャナI/F110は画像読取装置であるスキャナ部111と接続するためのインタフェースである。一方、プリンタI/F120は画像出力装置であるプリンタ部121と接続するためのインタフェースである。コントローラ部107は、スキャナI/F110やプリンタI/F120を通じて画像データの同期系/非同期系の変換や制御を行う。
また、MFP1001は、記憶部の一例として、ジョブを記憶するHDD150等の不揮発性メモリを備えている。HDD150は、システムソフトウェアや、ジョブのプリントデータや、後述する画像処理部112によってRGBの信号に変換された画像データや、後述する圧縮展開部108によって圧縮された画像データ等の複数のデータを格納する。尚、本実施形態では、大容量かつ不揮発な記憶装置の例としてHDD150について説明したが、これに限らない。大容量かつ不揮発な記憶装置であるならば、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリであってもよい。
コントローラ部107は、複数の機能を有する。例えば、コントローラ部107は、スキャナ部111で読み取った原稿203の画像データをHDD150に記憶する。そして、コントローラ部107は、HDD150から画像データを読み出す。もしくは、コントローラ部107は、PC1003からネットワークI/F140を介して受信した印刷ジョブをHDD150に記憶する。そして、コントローラ部107は、HDD150からコードデータを読み出して、画像データに変換する。
更に、コントローラ部107は、プリンタ部121で当該画像データに基づいて画像をシート201に印刷するプリント機能を実行する。もしくは、コントローラ部107は、スキャナ部111で読み取った原稿203の画像データをコードデータに変換し、ネットワークI/F140を介して、PC1003に送信するスキャナ機能を実行する。
スキャナ部111は、画像処理部112、A/D変換部113、CCDセンサ部114、画像メモリ部115、CPU116、モータ制御部117、及びモータ118を有する。また、スキャナ部111は、I/O制御部130におけるシリアル通信コントローラ131を介して電気的に接続されている。
モータ118は、スキャナ部111の後述する露光部213、及びミラーユニット214の移動を行うために駆動される。
尚、モータ118による露光部213、及びミラーユニット214等の移動指示は、コントローラ部107からモータ制御部117を介して行われる場合について以降説明するが、このような場合に限らない。モータ118による露光部213、及びミラーユニット214等の移動指示は、スキャナ部111のCPU116から直接行われてもよい。
CCDセンサ部114で読み取られた原稿203の画像データは、A/D変換部113によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。その後、デジタル信号は画像処理部112によってRGBの信号に変換される。RGBの信号は、コントローラ部107のスキャナI/F110、及び、バスコントローラ105を介して、RAM104に一時格納される。そして、コントローラ部107のCPU101の制御により、画像データはI/O制御部130を介してHDD150に保存される。
HDD150に保存された画像データを印刷する場合、コントローラ部107のCPU101の制御によって、HDD150に保存された画像データはRAM104に一時保存される。一時保存された画像データは、その後、画像処理部103によってRGB→CMYK変換などの色空間変換などが行われた後、プリンタI/F120を介してプリンタ部121へ転送される。尚、プリンタ部121は、コントローラ部107との通信を制御するプリンタ制御部122を有する。さらに、プリンタ部121は、印刷に使用するシート201を収納する複数のカセットや手差しトレイを備えた給送ユニット(シート収納部)123を有する。また、プリンタ部121は、I/O制御部130におけるシリアル通信コントローラ131を介して電気的に接続されている。
プリンタ部121では、HDD150に記憶された印刷対象のジョブの印刷処理を実行する。プリンタ部121での画像データの印刷指示はコントローラ部107からプリンタ制御部122を介して行われる。プリンタ部121は、給送ユニット123から給送されたシート201に画像データに基づいて形成されたトナー(現像剤)画像の転写と定着を行い、シート201にトナーを用いて画像を形成(印刷)する。尚、転写と定着については後述する。
圧縮展開部108は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM104、HDD150に記憶されている画像データ等を圧縮したり伸張したりする処理を行い、RAM104に再度格納する画像処理ブロックを有する。圧縮展開部108によって圧縮された画像データは、ネットワークI/F140を介してPC1003へ送信する。
尚、コントローラ部107は、ネットワークI/F140を介して、PC1003から画像データを受信する。そして、コントローラ部107は、ネットワークI/F140を介して受信した画像データをHDD150に格納する際に、当該画像データを圧縮展開部108によって圧縮する。一方、コントローラ部107は、HDD150に格納された画像データに基づいて画像をシート201に印刷する際に、当該画像データを圧縮展開部108によって伸張する。
MFP1001は、ユーザインタフェース部の一例に該当する、表示部(不図示)を有する操作部160を備えている。MFP1001の操作部160は、表示部とハードキーとを有する。表示部は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)と、LCD上に貼られた透明電極(静電容量方式でもよい)とを有するタッチパネルシートとで構成され、LCDには操作画面やMFP1001の状態が表示される。操作部160は、当該操作画面またはハードキーを介して、ユーザからの各種設定を受け付ける機能と、ユーザに情報を提供する機能とを有する。
続いて、図1に示したスキャナ部111及びプリンタ部121の断面図を図2に示す。尚、自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)における原稿トレイ202に載置された原稿203の画像の読み取り動作を行う場合について以降説明する。
ADFにおける原稿トレイ202上に載置された原稿203は、対になっている原稿給送ローラ204と分離パッド205によって、1枚ずつ搬送される。そして、1枚ずつ搬送された原稿203は、搬送ローラ206で装置内に送られる。搬送ローラ206により搬送された原稿203は、原稿通過検知センサ216によって検出される。そして、検出時間に基づいて1枚目の原稿203の通過が終了したか否かを判定する。
搬送ローラ206で装置内に送られた原稿203は、大ローラ208とローラ209によって搬送され、更に、大ローラ208とローラ210によって搬送される。そして、原稿ガラス212に接触する形で原稿ガイド板217との間を通って搬送された原稿203は、ジャンプ台218を経由した後、大ローラ208とローラ211によって更に搬送されて、原稿排出ローラ対207により原稿排出トレイ237に排出される。
尚、原稿203が原稿ガラス212上を通過する際に、原稿ガラス212に接している面が露光部213によって露光されて、原稿203の画像が主走査方向、及び、副走査方向に対して読み取られる。その結果得られる原稿203からの反射光が複数のミラーを介してミラーユニット214に伝達される。そして、伝達された反射光はレンズ215を通過し、集光されて、CCD(Charge Coupled Device)センサ部114によって電気信号に変換される。CCDセンサ部114から出力される画像データは、前述した所定の処理が施された後、コントローラ部107へ転送される。
尚、本実施形態では、スキャナ部111が備える光学系は、原稿203からの反射光をCCDセンサ上に結像する縮小光学系である場合について説明したが、これに限らない。スキャナ部111が備える光学系は、原稿203からの反射光をCIS(ContactImage Sensor)上に結像する等倍光学系であってもよい。
CISは、CCD等の光電変換素子によって構成される(一般的に、複数の光電変換素子が一列に並べられる)。また、画像メモリ部115は、各素子の画像を蓄積するためのFIFO(First In First Out)部を有している。尚、FIFO部、及びCCDを制御するための制御信号の生成は同時に行われる。
CISへの信号の読み出しは、各画素から画像を読み出す「読み出しクロック301」と、読み出した画素をコントローラ部107へ転送するか否かを制御する「転送イネーブルクロック302」によって読み出しデータ量を制御する。そして、原稿203の画像の読み取りにおける主走査方向の間引き処理(以降、主走査方向の間引き処理と呼ぶ)は、転送イネーブルクロック302のクロック周波数を変更することにより実現される。
画素数を間引かずに読み取った原稿203の画像データをコントローラ部107に入力する場合を図3(A)に示す。一方、画素数を1/2に間引いて読み取った原稿203の画像データをコントローラ部107に入力する場合について図3(B)に示す。
各光電変換素子のデータ読み出しは、読み出しクロック301によって制御される。読み出しクロック301の立ち上がり時に、各素子のデータがCIS上から読み出される。そして、読み出したデータに対して、転送イネーブルクロック302が入力される。そして、転送イネーブルクロック302の立ち上がりに同期して、各画素のデータがCISのFIFO部に取り込まれる。
図3(A)の302aは、主走査方向の間引き処理を実行しない時(通常時)の転送イネーブルクロック302aである。一方、図3(B)の302bは、主走査方向の間引き処理を実行した時(1/2間引き時)の転送イネーブルクロック302bである。1/2に間引き時の転送イネーブルクロック302bは、通常時の転送イネーブルクロック302aに対して、半分の周波数クロックが入力される。前述したように、転送イネーブルクロック302の立ち上がりに同期して、FIFO部に画素が取り込まれる。そのため、転送イネーブルクロック302が半分の周波数になると、1画素ごとにFIFO部に取り込まれない素子が発生し、1/2の間引き処理が実現される(303a,303b参照)。そして、FIFO部に取り込まれたデータは、適宜、コントローラ部107に転送される。
尚、原稿給送ローラ204、搬送ローラ206、大ローラ208、ローラ209、ローラ210、ローラ211、及び原稿排出ローラ対207は、不図示のステッピングモータによってそれぞれ駆動される。尚、これらの各種ローラを駆動するために、ステッピングモータへの入力パルスの周波数を高くすることにより、ステッピングモータの回転速度が速くなる。そして、ステッピングモータの回転速度を速くしたことに従って、単位時間当たりの移動量が増える。そのため、同じ領域をスキャンしたとしても、原稿203の画像をスキャンするライン数が少なくなる。
例えば、ステッピングモータの回転速度を2倍にした場合は、原稿203の画像に対する副走査方向の読み取り処理でスキャンする画素数を1/2に間引くことができる(以降、副走査方向の間引き処理と呼ぶ)。同様に、ステッピングモータの回転速度を4倍にした場合は、原稿203の画像に対する副走査方向の読み取り処理でスキャンする画素数を1/4に間引くことができる。
以上説明したように、原稿203の画像に対する主走査方向、及び副走査方向のそれぞれについて間引き処理を実行することができる。
尚、スキャナ部111は、主走査方向の間引き処理、及び、副走査方向の間引き処理をそれぞれ実行するか否かに係る指示をコントローラ部107から受け付ける。そして、当該指示に従って間引き処理を実行し、読み取った原稿203の画像データをコントローラ部107に入力する。
尚、主走査方向の1/2の間引き処理を実行した場合は、主走査方向に対する読み取り解像度が1/2に変更される。即ち、主走査方向に対する読み取り解像度を600dpiに予め設定していた場合は、主走査方向の1/2の間引き処理の実行によって、主走査方向に対する読み取り解像度は300dpiに変更される。
同様に、副走査方向の1/2の間引き処理を実行した場合は、副走査方向に対する読み取り解像度が1/2に変更される。即ち、副走査方向に対する読み取り解像度を600dpiに予め設定していた場合は、副走査方向の1/2の間引き処理の実行によって、副走査方向に対する読み取り解像度は300dpiに変更される。
尚、主走査方向の間引き処理、又は副走査方向の間引き処理を実行することにより、原稿203の画像の読み取り速度を速くすることができる。一方、前述したように、主走査方向の間引き処理、又は副走査方向の間引き処理を実行した場合は、読み取り解像度が低くなる。
一方、原稿203の画像を読み取って画像データを生成する際のファイルフォーマットの設定によっては、読み取った原稿203に含まれている文字情報をメタデータとして画像データに付加する為に、当該画像データに対して文字認識処理を行う場合がある。その場合は、原稿203の文字を正しく認識すること(以降、文字認識精度と呼ぶ)が求められる。そのため、文字認識精度が求められるような場合は、原稿203の画像の読み取りによって高精細な画像データを生成するために、読み取り解像度は所定の値より高い方が望ましい。即ち、文字認識精度が求められるような場合は、主走査方向の間引き処理、又は副走査方向の間引き処理のいずれか一方は実行しないようにする。
尚、スキャナ部111によって実行される原稿203の画像の読み取り動作は、光学系の位置を固定し、ADFによって原稿203を搬送させながら、原稿203の画像を読み取る場合(ADF読みと呼ぶ)について説明したが、これに限らない。原稿220をプラテンガラス221(原稿台)に載置し、原稿220の位置を固定させながら、モータ118の駆動により光学系を移動させることによって原稿220の画像を読み取ってもよい(圧板読みと呼ぶ)。
尚、圧板読み時においても、ADF読み時と同様に、原稿220の画像に対する主走査方向、及び副走査方向のそれぞれについて間引き処理を実行することができる。
続いて、プリンタ部121に転送された画像データに基づいて画像をシート201に出力する動作について以降説明する。
プリンタ部121に転送された画像データは、レーザユニット222によって画像データに応じたレーザ光への変換が行われる。そして、このレーザ光は感光体ドラム223〜226に照射され、感光体ドラム223〜226にはレーザ光に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム223〜226の潜像の部分には、現像ユニット227〜230によってトナー(現像剤)が付着される。尚、カラー機では、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック用に、感光体ドラム及び現像ユニットは4つずつ備えている。
また、プリンタ部121は、給送ユニット123に備えられたシート収納部として、カセット251〜254、及び、手差しトレイ250を有している。尚、カセット251〜254は、引き出し式の形状になっており、複数枚のシート201を収納することができる。一方、手差しトレイ250は、差し込み式の形状になっており、複数枚のシート201を保持することができる。尚、プリンタ部121は、カセット251〜254、及び手差しトレイ250を複数備えていてもよく、カセット251〜254、又は手差しトレイ250のうち、少なくともいずれか一つを備えていればよい。尚、本実施形態におけるMFP1001では、例えば、4つのカセット251〜254と、1つの手差しトレイ250を備えているものとして以降説明を進める。
プリンタ部121は、カセット251〜254、及び、手差しトレイ250のいずれかからシート201を給送する。そして、給送されたシート201に対して、感光体ドラム223〜226に付着したトナー(現像剤)をシート201に転写した後、当該シート201を定着器233に搬送する。そして、熱と圧力によりトナー(現像剤)をシート201に定着する。定着器233を通過したシート201は、搬送ローラ234、235によって排出トレイ236に排出される。
尚、本実施形態に係るMFP1001は、感光体ドラム及び現像ユニットを4つずつ備えるカラー機である場合について説明したが、これに限らない。MFP1001は、感光体ドラムと現像ユニットを1つずつ備えるモノクロ機であっても、本発明を同様に適用できる。また、本実施形態に係るMFP1001では、電子写真方式で画像をシート201に印刷する方法について説明したが、これに限らない。画像をシート201に印刷することができるものであれば、例えばインクジェット方式等であってもよく、その他の方法(例えば、熱転写方式等)であってもよい。
第1の実施形態に係るMFP1001において、操作部160に表示されるメイン画面400の一例を図4に示す。メイン画面400には、コピー機能401、スキャン送信機能402、ファクス機能403といった各種機能を呼び出す選択ボタンが列挙されている。ユーザは所望の選択ボタンを押下することによって、各種機能を利用するための画面に遷移するよう構成されている。例えば、コピー機能401が選択された場合は、コピー機能401を利用するための不図示の実行画面が操作部160に表示される。また、例えば、ファクス機能403が選択された場合は、ファクス機能403を利用するための不図示の実行画面が操作部160に表示される。
一方、スキャン送信機能402が選択された場合は、原稿203の画像を読み取り、読み取った原稿203の画像データを任意の宛先に送信するための図5に示す実行画面500が操作部160に表示される。
実行画面500には、例えば、送信する画像データの解像度(以降、送信解像度と呼ぶ)を指定するための設定ボタン501、及び、原稿203の画像を読み取って生成する画像データのファイルフォーマットを指定するための設定ボタン502が表示される。また、実行画面500には、例えば、読み取る原稿203の種類を指定するための設定ボタン503、及び、読み取った原稿203の画像データを任意の宛先に送信するための設定ボタン504が表示される。
設定ボタン501が押下された場合、操作部160に図6(A)に示す設定画面610が表示される。そして、ユーザは、送信解像度(例えば、300dpi×300dpi、600×600dpi等)を設定画面610から任意に選択することができる。尚、設定画面610上で設定された設定情報(送信解像度)は、RAM104に不揮発に記憶される。
尚、原稿203の画像は所定の解像度によって読み取られ(以降、読み取り解像度と呼ぶ)、原稿203の画像を読み取って生成された画像データは、任意の宛先に送信される際にユーザによって指定された送信解像度に変換される。尚、読み取り解像度は、例えば、600dpi×600dpiである。一方、副走査方向の1/2の間引き処理を実行する場合は、副走査方向に対する読み取り解像度が1/2に変更されるため、読み取り解像度は、例えば、600dpi×300dpiとなる。更に、主走査方向の1/2の間引き処理を実行する場合は、更に主走査方向に対する読み取り解像度が1/2に変更されるため、読み取り解像度は、例えば、300dpi×300dpiとなる。
一方、設定ボタン502が押下された場合は、操作部160に図6(B)に示す設定画面620が表示される。ユーザは、画像データのファイルフォーマット(例えば、JPEG(621)、TIFF(622)、PDF(623)、XPS(624)、PDF(OCR)625、XPS(OCR)626等)を設定画面620から任意に選択することができる。尚、OCRとは、Optical Character Recognitionのことである。尚、設定画面620上で設定された設定情報(画像データのファイルフォーマット)は、RAM104に不揮発に記憶される。
尚、例えば、PDF(OCR)625、又は、XPS(OCR)626が選択された場合は、読み取った原稿203に含まれている文字情報をメタデータとして画像データに付加する為に、当該画像データに対して文字認識処理が行われる。前述したように文字認識処理は、原稿203の画像を読み取る解像度(読み取り解像度)に依存する。
そこで、読み取った原稿203の画像データに対して文字認識処理を行う場合は、文字認識の精度を保証するために、読み取り解像度を600dpi×300dpi以上とすることが望ましい。
一方、設定ボタン503が押下された場合は、操作部160に図6(C)に示す設定画面630が表示される。ユーザは、読み取る原稿203の種類(例えば、文字(631)、写真(632)、文字/写真(633))を設定画面630から任意に選択することができる。尚、設定画面630上で設定された設定情報(読み取る原稿203の種類)は、RAM104に不揮発に記憶される。
尚、文字と写真の混在で構成される原稿203の画像を読み取る場合は、原稿203の画像データに対して、文字の領域と写真の領域を分離する処理(像域分離処理と呼ぶ)が行われる。そして、特に、文字部に対しては、エッジを強調するフィルタリング処理、及びガンマ処理が行われる。
尚、像域分離処理は、文字認識処理と同様に、原稿203の画像を読み取る解像度(読み取り解像度)に依存する。例えば、読み取り解像度を300dpi×300dpiとして原稿203の画像を読み取って、TIFF(622)のように白黒2値の画像データを生成し、当該画像データに対して像域分離処理を行う場合は、像域分離処理に失敗する。その場合は、文字の領域に対する文字用の画像処理が正しく行われないため、文字つぶれ等が発生し、画像の文字の視認性が落ちてしまう。
そこで、読み取った原稿203の画像データに対して像域分離処理を行う場合は、像域分離の精度による画像品質を保証する為に、生成する画像データのフォーマットの設定に応じて、読み取り解像度を600dpi×300dpi以上とすることが望ましい。
一方、設定ボタン504が押下された場合は、操作部160に図6(D)に示す設定画面640が表示される。ユーザは、読み取った原稿203の画像データの送信先(例えば、Eメール(641)、ボックスに保存(642)等)を設定画面640から任意に選択することができる。尚、設定画面640上で設定された設定情報(画像データの送信先)は、RAM104に不揮発に記憶される。尚、ユーザは、設定画面640から複数の宛先を選択することで、読み取った原稿203の画像データを複数の宛先に送信するよう指示することができる。尚、ユーザによって指定された送信先は、実行画面500上の宛先一覧505に表示される。
尚、「ボックスに保存(642)」とは、読み取った原稿203の画像データを即時送信するのではなく任意のタイミングで送信可能にするために、読み取った原稿203の画像データをHDD150に記憶することである。尚、「ボックス」では、HDD150の記憶領域が複数の区画に区切られ、それぞれの区画に画像データを記憶可能になっている。尚、図6(D)の設定画面640によって、「ボックスに保存(642)」が選択された場合は、操作部160に図7(A)に示す選択画面710が更に表示される。そして、ユーザは、図7(A)の選択画面710から任意のボックス番号711を選択し、読み取った原稿203の画像データの送信先として指定することができる。
尚、図4のメイン画面400中のスキャン保存機能404を呼び出すことによって、前述した「ボックスに保存(642)」機能と同様に、読み取った原稿203の画像データを任意のボックスに保存する処理を実行することができる。
尚、ユーザは、図4のメイン画面400中の「保存ファイルの利用(404)」の選択ボタンを押下することによって、任意のボックスに保存されているファイルを利用することができる。図4のメイン画面400上で、「保存ファイルの利用(404)」機能が呼び出された場合は、操作部160に図7(B)に示す選択画面720が更に表示される。そして、図7(B)の選択画面720上で、任意のボックス番号721がユーザによって選択された場合は、操作部160に図7(C)に示す選択画面730が更に表示される。
ユーザは、図7(C)の選択画面730上で、選択されたボックスに保存されているファイルを任意に選択し、印刷指示(731)もしくは送信指示(732)をすることができる。例えば、ユーザによって送信指示(732)を受け付けた場合は、操作部160に前述した図5に示す実行画面500が表示される。そして、図5の実行画面500上で、ユーザは、送信対象とするファイル(画像データ)の送信解像度やファイルフォーマット等を任意に指定し、当該画像データをPC1003やファクシミリ1004等の任意の宛先に送信することができる。
第1の実施形態では、コントローラ部107のCPU101は、原稿203の画像を読み取り、読み取った原稿203の画像データを任意のタイミングで送信可能にする為に、当該画像データをHDD150に記憶する(ボックスに保存(642))。そして、ボックスに保存されている画像データを読み出して、例えば、当該画像データに対して文字認識処理を実行した場合であっても、文字認識の精度を保証できるようにする。
そこで、原稿203の画像を読み取り、読み取った原稿203の画像データを任意のボックスに保存するよう設定された場合は、原稿の画像を所定の解像度(例えば、600dpi×300dpi)で読み取るよう制御する。
以下にその詳細を説明する。
第1の実施形態に係るMFP1001において、ジョブ(スキャン送信ジョブ、又は、ボックス送信ジョブ)の実行指示を受け付けて、受け付けたジョブを実行するための一連の処理の詳細について、図8に示したフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部107のCPU101が、ROM102又はHDD150から読み出され、RAM104に展開された制御プログラムを実行することにより達成される。尚、ユーザによって、図4のメイン画面400上でスキャン送信機能402、又は「保存ファイルの利用(405)」機能が選択されて、且つ、図5の実行画面500上で送信解像度や送信先等が予め設定された状態で、図8に係る一連の処理が開始される。
S801において、CPU101は、操作部160に表示される不図示の実行ボタン(例えば、スタートキー)がユーザによって押下されることにより、ボックス送信ジョブの実行指示を受け付けたか否かを判定する。尚、ボックス送信ジョブとは、ボックスに保存(即ち、HDD150に記憶)されている画像データを読み出して、PC1003やファクシミリ1004等の任意の宛先に送信するジョブのことである。
CPU101は、ボックス送信ジョブの実行指示を受け付けたと判定したならば、S805に進む。一方、CPU101は、NOと判定したならば、S802に進む。
S802において、CPU101は、操作部160に表示される不図示の実行ボタン(例えば、スタートキー)がユーザによって押下されることにより、スキャン送信ジョブの実行指示を受け付けたか否かを判定する。尚、スキャン送信ジョブとは、原稿203の画像をスキャナ部111で読み取り、読み取った原稿203の画像データをPC1003やファクシミリ1004等の任意の宛先に送信するジョブのことである。
CPU101は、スキャン送信ジョブの実行指示を受け付けたと判定したならば、S803に進む。一方、CPU101は、NOと判定したならば、S801に戻る。
S803において、CPU101は、実行指示を受け付けたスキャン送信ジョブの設定情報をRAM104から取得して、S900に進む。尚、S803で取得される設定情報とは、例えば、送信解像度、原稿203の画像を読み取って生成する画像データのファイルフォーマット、読み取る原稿203の種類、又は、読み取った原稿203の画像データの送信先等である。
S900において、CPU101は、スキャナ部111によって一連のスキャンジョブを実行する。尚、スキャンジョブとは、原稿203の画像をスキャナ部111で読み取るジョブのことである。以降、S900で実行されるスキャンジョブの詳細について図9を用いて説明する。
第1の実施形態に係るMFP1001において、スキャンジョブを実行するための一連の処理の詳細について、図9に示したフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部107のCPU101が、ROM102又はHDD150から読み出され、RAM104に展開された制御プログラムを実行することにより達成される。
S901において、CPU101は、図6(A)の設定画面610上で設定された送信解像度(主走査方向)は300dpi以下であるか否かを判定する。CPU101は、300dpi以下であると判定したならば、S904に進む。一方、CPU101は、NOと判定したならば、S902に進む。
S902において、CPU101は、図6(A)の設定画面610上で設定された送信解像度(副走査方向)は300dpi以下であるか否かを判定する。CPU101は、300dpi以下であると判定したならば、S904に進む。一方、CPU101は、NOと判定したならば、S903に進む。
S903において、CPU101は、原稿の画像を読み取る解像度(読み取り解像度)を例えば600dpi×600dpiに決定して、S910に進む。
S904において、CPU101は、図8のS803で取得した設定情報(原稿203の画像を読み取って生成する画像データのファイルフォーマット)に基づいて、読み取った原稿203の画像データに対して文字認識処理が行われるか否かを判定する。
前述したように、画像データのファイルフォーマットとして、例えば、PDF(OCR)625やXPS(OCR)626が選択された場合は、読み取った原稿203の画像データに対して文字認識処理が行われる。そのため、文字認識処理が行われるファイルフォーマットが選択された場合は、文字認識の精度を保証する必要がある。即ち、画像データのファイルフォーマットが、例えば「PDF(OCR)625」や「XPS(OCR)626」である場合に、CPU101は、YESと判定する。
一方、画像データのファイルフォーマットとして、例えば、JPEG(621)、TIFF(622)、PDF(623)、又は、XPS(624)が選択された場合は、読み取った原稿203の画像データに対して文字認識処理が行われない。即ち、画像データのファイルフォーマットが、例えば「JPEG(621)」や「TIFF(622)」や「PDF(623)」や「XPS(624)」である場合に、CPU101は、NOと判定する。
S904において、CPU101は、YESと判定した場合は、S908に進む。一方、S904において、CPU101は、NOと判定した場合は、S905に進む。
S905において、CPU101は、図8のS803で取得した設定情報(読み取る原稿203の種類)に基づいて、読み取った原稿203の画像データに対して像域分離処理が行われるか否かを判定する。
前述したように、文字と写真の混在で構成される原稿203の画像を読み取る場合は、読み取った原稿203の画像データに対して像域分離処理が行われる。即ち、読み取る原稿203の種類が「文字/写真(633)」である場合に、CPU101は、YESと判定する。
一方、読み取る原稿203の種類として、文字(631)、写真(632)が選択された場合は、読み取った原稿203の画像データに対して像域分離処理が行われない。即ち、読み取る原稿203の種類が「文字(631)」、又は「写真(632)」である場合に、CPU101は、NOと判定する。
S905において、CPU101は、YESと判定した場合は、S906に進む。一方、S905において、CPU101は、NOと判定した場合は、S907に進む。
S906において、CPU101は、図8のS803で取得した設定情報(原稿203の画像を読み取って生成する画像データのファイルフォーマット)に基づいて、画像データのファイルフォーマットが「TIFF(622)」であるか否かを判定する。
前述したように、読み取る原稿203の種類として、文字/写真(633)が選択されて、且つ、画像データのファイルフォーマットとして、例えば、TIFF(622)が選択された場合は、像域分離の精度による画像品質を保証する必要がある。即ち、読み取る原稿203の種類が「文字/写真(633)」である場合に、画像データのファイルフォーマットが「TIFF(622)」であるならば、CPU101は、YESと判定する。S906において、CPU101は、YESと判定した場合は、S908に進む。一方、S906において、CPU101は、NOと判定した場合は、S907に進む。
尚、画像データのファイルフォーマットが「TIFF(622)」である場合に、CPU101は、YESと判定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、像域分離の精度による画像品質を保証するために、画像データのファイルフォーマットが「JPEG(621)」である場合に、CPU101は、YESと判定してもよい。また、例えば、像域分離の精度による画像品質を保証するために、画像データのファイルフォーマットに応じて、S906における判定結果をユーザによって任意に設定可能にしてもよい。
S907において、CPU101は、図8のS803で取得した設定情報(画像データの送信先)に基づいて、送信先に「ボックスに保存」が指定されているか否かを判定する。尚、ボックスに保存された画像データは読み出され、当該画像データのファイルフォーマットが変換されて、更に文字認識処理が実行されることがある。そのため、当該画像データに対して文字認識処理が実行される場合に、文字認識の精度を保証できるようにする必要がある。そこで、CPU101は、送信先に「ボックスに保存」が指定されていると判定したならば、S908に進む。一方、CPU101は、NOと判定したならば、S909に進む。尚、送信先が複数指定されている場合は、送信先の一つに「ボックスに保存」が含まれていれば、S907で、CPU101は、YESと判定する。
S908において、CPU101は、読み取り解像度を例えば600dpi×300dpiに決定して、S910に進む。尚、S910で決定される読み取り解像度(600dpi×600dpi)に対して、副走査方向の1/2の間引き処理を実行することにより、読み取り解像度を600dpi×300dpiに変更することが可能である。尚、原稿203の画像を600dpi×300dpiで読み取る場合は、600dpi×600dpiで読み取る場合と比べて、コントローラ部107に入力される画像データの画素数が1/2となるため、画像の転送時間を短縮することができる。そのため、原稿203の画像を600dpi×300dpiで読み取る場合は、600dpi×600dpiで読み取る場合に比べて、原稿203の画像の読み取り速度を速くすることができる。尚、原稿203の画像を600dpi×300dpiで読み取った画像データに対して、文字認識処理を実行した場合に、文字認識の精度を保証することができる。また、原稿203の画像を600dpi×300dpiで読み取った画像データに対して、像域分離処理を実行した場合に、像域分離の精度による画像品質を保証することができる。
S909において、CPU101は、読み取り解像度を例えば300dpi×300dpiに決定して、S910に進む。尚、S903で決定される読み取り解像度(600dpi×600dpi)に対して、主走査方向の1/2の間引き処理、及び、副走査方向の1/2の間引き処理を実行することにより、読み取り解像度を300dpi×300dpiに変更することが可能である。尚、原稿203の画像を300dpi×300dpiで読み取る場合は、600dpi×600dpiで読み取る場合と比べて、コントローラ部107に入力される画像データの画素数が1/4となるため、画像の転送時間を短縮することができる。そのため、原稿203の画像を300dpi×300dpiで読み取る場合は、600dpi×600dpiで読み取る場合や、600dpi×300dpiで読み取る場合に比べて、原稿203の画像の読み取り速度を速くすることができる。
S910において、CPU101は、原稿トレイ202上に載置された原稿203を搬送して、S911に進む。
S911において、CPU101は、S903、S908、又はS909で決定した読み取り解像度に従って、S910で搬送された原稿203の画像をスキャナ部111によって順次読み取り、画像データを生成して、S912に進む。
S912において、CPU101は、S911で生成した画像データをHDD150に順次保存して、S913に進む。
S913において、CPU101は、原稿トレイ202上に載置された原稿203の画像の読み取り動作が完了したか否かを判定する。CPU101は、完了したと判定したならば、S900に係る一連のスキャンジョブの実行を終了して、図8のS1000に進む。一方、CPU101は、NOと判定したならば、S908に戻って以降の処理を進める。
以上が、第1の実施形態に係るMFP1001において、スキャンジョブを実行するための一連の処理(S900)の詳細である。
尚、S903、S908、S909のそれぞれで決定する読み取り解像度は、それぞれ600dpi×600dpi、600dpi×300dpi、300dpi×300dpiとする場合について説明したが、これに限らない。S903、S908、S909のそれぞれで決定する読み取り解像度の関係として、S909で決定する読み取り解像度よりも、S908で決定する読み取り解像度の方が高ければ良い。更に、S908で決定する読み取り解像度よりも、S903で決定する読み取り解像度の方が高ければ良い。
尚、図9に係る一連のスキャンジョブは、MFP1001のスキャナ部111によって実行される場合について説明したが、これに限らない。例えば、JAVA(登録商標)言語等で動作する外部のアプリケーションによってスキャンジョブを生成し、S900において当該スキャンジョブを実行することができる。尚、外部のアプリケーション側でスキャンした画像データを送信する場合は、外部のアプリケーション側で画像データのフォーマット変換が可能である。そこで、外部のアプリケーションの動作を保証する為に、外部のアプリケーションによってスキャンジョブを実行する場合は、読み取り解像度を例えば600dpi×600dpiに固定する。即ち、CPU101は、主走査方向の送信解像度が300dpi以下であるか、又は、副走査方向の送信解像度が300dpi以下であるかにかかわらず、読み取り解像度を600dpi×600dpiに決定すればよい(S903)。
図8のS1000において、CPU101は、読み取った原稿203の画像データを任意の宛先に送信する一連の送信ジョブを実行する。以降、S1000で実行される送信ジョブの詳細について図10を用いて説明する。
S1001において、CPU101は、HDD150に記憶されている画像データを読み出して、S1002に進む。尚、CPU101は、前述したS802でスキャン送信ジョブの実行指示を受け付けたと判定した場合に、S1001において、前述したS900で実行したスキャンジョブにより生成した画像データを読み出す。一方、CPU101は、前述したS801でボックス送信ジョブの実行指示を受け付けたと判定した場合に、S1001において、ユーザによって指定された任意のボックスに保存された画像データを読み出す。そして、S1001の処理の後、S1002に進む。
S1002において、CPU101は、S1001で読み出した画像データを画像処理部103に転送する。そして、CPU101は、当該画像データを、所定の送信解像度(図6(A)の設定画面610上で設定された送信解像度)に変換して、S1003に進む。尚、CPU101は、当該画像データを所定の送信解像度に変換する前に、前述したファイルフォーマットの変換処理や文字認識処理等をユーザの設定に応じて実行する。
S1003において、CPU101は、前述したS1002で変換した画像データを、所定の宛先(図6(D)の設定画面640上で設定された宛先)に送信して、図8のS804に進む。
以上が、第1の実施形態に係るMFP1001において、送信ジョブを実行するための一連の処理(S1000)の詳細である。
図8のS804において、CPU101は、HDD150に記憶されている画像データのうち、前述したS900で実行したスキャンジョブにより生成した画像データを削除する。ただし、S804において、CPU101は、HDD150に記憶されている画像データのうち、ボックスに保存されている画像データは削除しない。
S804の処理の後、図8に係る一連の処理を終了する。
一方、S805において、CPU101は、実行指示を受け付けたボックス送信ジョブの設定情報をRAM104から取得して、前述したS1000に進む。尚、S805で取得される設定情報とは、例えば、送信解像度、原稿203の画像を読み取って生成する画像データのファイルフォーマット、読み取る原稿203の種類、読み取った原稿203の画像データの送信先(ボックス番号711)等である。
前述したS1000において、CPU101は、ユーザによって指定されたボックスを宛先として、一連の送信ジョブを実行する。S1000の処理の後、図8に係る一連の処理を終了する。以上が、第1の実施形態に係るMFP1001において、ジョブ(スキャン送信ジョブ、又は、ボックス送信ジョブ)の実行指示を受け付けて、受け付けたジョブを実行するための一連の処理の詳細である。
本発明を適用した第1の実施形態では、CPU101は、原稿203の画像を読み取り、読み取った原稿203の画像データを任意のタイミングで送信可能にする為に、当該画像データをHDD150に記憶した(ボックスに保存(642))。そして、ボックスに保存されている画像データを読み出して、例えば、当該画像データに対して文字認識処理を実行した場合であっても、文字認識の精度を保証できるようにした。
そこで、原稿203の画像を読み取り、読み取った原稿203の画像データを任意のボックスに保存するよう設定された場合は、原稿の画像を所定の解像度(例えば、600dpi×300dpi)で読み取るよう制御した。
そのため、ボックスに保存(HDD150に記憶)されている画像データに対して、画像データのファイルフォーマットを変換し、更に文字認識処理を実行した場合であっても、文字認識の精度を保証することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
例えば、本実施形態では、原稿トレイ202にセットされた原稿203の画像を原稿ガラス212上で読み取る場合について説明したが、これに限らない。原稿台に載置された原稿220の画像をプラテンガラス221上で読み取る場合についても同様に本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、外部装置としてPC1003を例に挙げて説明したが、PDAやスマートフォン等の携帯情報端末、ネットワーク接続機器、又は外部専用装置等であっても良い。
また、本実施形態では、MFP1001のコントローラ部107のCPU101が上記各種制御の主体となっていたが、MFP1001と別筐体の外付けコントローラ等の印刷制御装置によって、上記各種制御の一部又は全部を実行可能に構成しても良い。
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。