JP2016197025A - 角速度検出素子の調整方法 - Google Patents

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菊池  尊行
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【課題】離調周波数のバラつきが小さく、均質な特性を有する角速度検出素子の調整方法を提供することにある。【解決手段】角速度検出素子の調整方法は、駆動腕241、243と検出腕221とを備える2つの角速度検出素子1を用意し、これらについて、振動漏れが低減するように駆動腕241、242の質量を変化させるバランス調整工程と、バランス調整工程での一方の角速度検出素子1の質量変化量ΔM1と、他方の角速度検出素子1Bの質量変化量ΔM2とがΔM1<ΔM2なる関係を満足する場合に、一方の角速度検出素子1の駆動腕241、243の質量を変化させる質量調整工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、角速度検出素子の調整方法に関するものである。
従来から、特許文献1のような角速度検出素子(ジャイロ素子)が知られている。このような角速度検出素子においては、まず、複数の角速度検出素子をウエハ状態で離調調整し、次に、各角速度検出素子をパッケージに実装してから振動バランスを整えるバランス調整を行う。バランス調整は、駆動腕の先端の錘部を除去することで行われるが、駆動腕の質量が小さくなれば、駆動振動モードの周波数が高くなり、せっかく調整した離調周波数が再びずれてしまう。さらには、各角速度検出素子で錘の除去量が異なるため、各角速度検出素子の離調周波数にバラつきが生じる。このようなバラつきが生じてしまうと、均質な角速度検出素子を提供することができないという問題がある。
特開2005−37235号公報
本発明の目的は、離調周波数のバラつきが小さく、均質な特性を有する角速度検出素子の調整方法を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の角速度検出素子の調整方法は、少なくとも2つの第1駆動腕と少なくとも1つの第1検出腕とを備える第1角速度検出素子を用意し、駆動振動モード時の前記第1検出腕の不要振動が低減するように、少なくとも1つの前記第1駆動腕の質量を変化させるバランス調整と、少なくとも2つの第2駆動腕と少なくとも1つの第2検出腕とを備える第2角速度検出素子を用意し、駆動振動モード時の前記第2検出腕の不要振動が低減するように、少なくとも1つの前記第2駆動腕の質量を変化させるバランス調整と、を行うバランス調整工程と、
前記バランス調整工程での各前記第1駆動腕の質量変化量の総和をΔM1とし、各前記第2駆動腕の質量変化量の総和をΔM2としたとき、ΔM1<ΔM2なる関係を満足する場合に、少なくとも1つの前記第1駆動腕の質量を変化させる質量調整工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、離調周波数のバラつきが小さく、均質な特性を有する角速度検出素子を提供することができる。
[適用例2]
本適用例の角速度検出素子の調整方法では、前記質量調整工程では、前記バランス調整工程において調整したバランスを保つように、少なくとも1つの前記第1駆動腕の質量を変化させることが好ましい。
これにより、振動漏れの少ない角速度検出素子となる。
[適用例3]
本適用例の角速度検出素子の調整方法では、前記バランス調整工程より前に行われる工程であって、前記第1角速度検出素子の前記駆動振動モードの周波数と検出振動モードの周波数の差である離調周波数を調整する離調周波数調整と、前記第2角速度検出素子の前記駆動振動モードの周波数と検出振動モードの周波数の差を調整する離調周波数調整と、を行う離調周波数調整工程を含むことが好ましい。
これにより、離調周波数を所定値とすることができる。
[適用例4]
本適用例の角速度検出素子の調整方法では、前記離調周波数調整工程は、前記第1角速度検出素子および前記第2角速度検出素子がウエハに保持されている状態で行い、
前記バランス調整工程および前記質量調整工程は、前記第1角速度検出素子および前記第2角速度検出素子が個片化されてパッケージに支持された状態で行うことが好ましい。
これにより、各工程をスムーズに行うことができる。
[適用例5]
本適用例の角速度検出素子の調整方法は、少なくとも2つの駆動腕と少なくとも1つの検出腕とを備える角速度検出素子を用意し、角速度検出素子の駆動振動モードの周波数と検出振動モードの周波数の差を調整する離調周波数調整工程と、
前記駆動振動モード時の前記検出腕の不要振動が低減するように、少なくとも1つの前記駆動腕の質量を変化させるバランス調整工程と、を含み、
前記離調周波数調整工程では、前記駆動振動モード時での前記検出腕の不要振動の大きさに基づいて、前記バランス調整工程での各前記駆動腕の総質量の変化量を求め、前記総質量の変化量に基づいて、前記バランス調整工程での前記駆動振動モードの周波数の変化量を求め、前記バランス調整工程で前記駆動振動モードの周波数が変化した後の離調周波数が所定範囲となるように、前記離調周波数を調整することを特徴とする。
これにより、離調周波数のバラつきが小さく、均質な特性を有する角速度検出素子を提供することができる。
角速度検出デバイスの断面図である。 図1に示す角速度検出デバイスが備え、本発明の第1実施形態に係る角速度検出素子の調整方法によって調整された角速度検出素子を示す平面図である。 図2に示す角速度検出素子の駆動を説明する図であり、(a)が駆動振動モードを示す模式図、(b)が検出振動モードを示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る角速度検出素子の調整方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る角速度検出素子の調整方法を説明する図である。 振動漏れの大きさと駆動振動モードの周波数の変動との関係を示すグラフである。 電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 電子機器を適用したデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。 移動体を適用した自動車の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の角速度検出素子の調整方法に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、角速度検出デバイスの断面図である。図2は、図1に示す角速度検出デバイスが備え、本発明の第1実施形態に係る角速度検出素子の調整方法によって調整された角速度検出素子を示す平面図である。図3は、図2に示す角速度検出素子の駆動を説明する図であり、(a)が駆動振動モードを示す模式図、(b)が検出振動モードを示す模式図である。図4および図5は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る角速度検出素子の調整方法を説明する図である。なお、以下では、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸とする。また、説明の便宜上、+Z軸側を「上側」とも言い、−Z軸側を「下側」とも言う。
1.角速度検出デバイス
まず、本実施形態の角速度検出素子の調整方法によって調整された角速度検出素子1を組み込んだ角速度検出デバイス10について説明する。
図1に示す角速度検出デバイス10は、角速度検出素子(ジャイロ素子)1と、角速度検出素子1を収容するパッケージ8と、IC9と、を有している。
−角速度検出素子−
図2に示す角速度検出素子1は、Z軸まわりの角速度ωzを検出することができる。このような角速度検出素子1は、図2に示すように、水晶からなる振動片2と、振動片2に配置された質量調整膜4と、を有している。
なお、振動片2の材料としては、水晶に限定されず、この他にも、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li)、ランガサイト(LaGaSiO14)等の各種圧電体材料を用いることができる。
振動片2は、水晶の結晶軸であるX軸(電気軸)およびY軸(機械軸)で規定されるXY平面に広がりを有し、Z軸(光学軸)方向に厚みを有している、ただし、水晶のカット角については、目的を達成することができる限りこれに限定されず、例えば、厚み方向に対してZ軸が若干ずれていてもよい。
このような振動片2は、基部21と、基部21からY軸方向両側に延出する一対の検出腕221、222と、基部21からX軸方向両側へ延出する連結腕231、232と、連結腕231の先端部からY軸方向両側に延出する駆動腕241、242と、連結腕232の先端部からY軸方向両側に延出する駆動腕243、244と、を有している。このような角速度検出素子1は、基部21において対象物に固定される。
また、検出腕221、222には、それぞれ、図示しない検出信号電極と検出接地電極とが設けられており、これら電極の間から、検出腕221、222に生じた検出振動を電荷(信号)として取り出すことができるようになっている。一方、駆動腕241〜244には、それぞれ、図示しない駆動信号電極と駆動接地電極とが設けられており、これら電極の間に駆動信号を印加することで、駆動腕241〜244をX軸方向に屈曲振動させることができる。
また、検出腕221、222の先端部は、それぞれ、幅広のハンマーヘッドとなっており、同様に、駆動腕241、242、243、244の先端部は、それぞれ、幅広のハンマーヘッドとなっている。そして、これら各ハンマーヘッドに、質量調整膜4が配置されている。必要に応じて、所定の質量調整膜4の一部を除去することで、角速度検出素子1の振動特性を調整することができる。
このような質量調整膜4は、例えば、電極膜と、電極膜上に配置された錘層と、で構成されている。電極膜は、前述した各種電極のいずれかと一体形成されている。一方、錘層は、電極膜と比較して厚さが厚くなるように形成されている。ここで、錘層から電極膜が露出するように、電極膜上の一部にのみ錘層を配置してもよい。これにより、錘層を除去することで質量の粗調整ができ、電極膜のみを除去することで質量の微調整ができるようになる。なお、電極膜は、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などの下地層に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することがで、錘層は、例えば、Au(金)、Ag(銀)等の金属材料で構成することができる。
以上、角速度検出素子1の構成について説明した。このような構成の角速度検出素子1は、次のようにしてZ軸まわりの角速度ωzを検出する。
前述した駆動信号電極と駆動接地電極との間に駆動信号を印加すると、図3(a)に示すように、駆動腕241〜244が矢印Aで示すように屈曲振動する(以下、この振動を「駆動振動モード」とも言う)。この状態では駆動腕241〜244の振動がキャンセルされているため、検出腕221、222は、ほとんど振動しない。そして、駆動振動モードで振動している状態で、角速度検出素子1にZ軸まわりの角速度ωzが加わると、図3(b)に示すように、駆動腕241〜244に矢印Bで示すコリオリの力が働いて、駆動腕241〜244が矢印Bの方向に振動する。また、同時に、矢印Bの振動に呼応して検出腕221、222が矢印Cで示すように屈曲振動する(以下、この振動を「検出振動モード」と言う)。このような検出腕221、222の屈曲振動によって、前述した検出信号電極と検出接地電極の間に電荷が発生する。そして、この発生した電荷を信号として取り出し、取り出した信号の大きさに基づいて角速度ωzが求められる。
−パッケージ−
パッケージ8は、凹部811を有する箱状のベース(本体)81と、凹部811の開口を塞いでベース81に接合された板状のリッド(蓋体)82とを有している。そして、凹部811がリッド82によって塞がれることにより収容空間Sが形成され、この収容空間Sに角速度検出素子1が収納されている。収容空間Sは、例えば、減圧(真空)状態となっている。
また、凹部811の中段には、角速度検出素子1が、TAB(Tape Automated Bonding)と呼ばれる実装用の支持基板3を介してベース81に固定されている。
また、凹部811の下段には、IC9が配置されている。このIC9は、角速度検出素子1と電気的に接続されており、例えば、角速度検出素子1を駆動振動させるための駆動回路や、角速度が加わったときに角速度検出素子1に生じる検出振動を検出する検出回路等を有する。なお、本構成では、IC9がパッケージ8の内部に設けられているが、IC9は、パッケージ8の外部に設けられていてもよい。
以上、角速度検出デバイス10について説明したが、角速度検出デバイス10の構成としては、本実施形態の構成に限定されない、例えば、角速度検出素子1は、検出腕221および駆動腕242、244が省略された構成であってもよい。
2.角速度検出素子の調整方法
次に、上述した角速度検出素子1の調整方法について説明する。
角速度検出素子1の調整方法は、離調周波数調整工程と、バランス調整工程と、質量調整工程と、を有している。なお、離調周波数調整工程に先立って、パターニング工程が行われる。以下、これら工程について順番に説明する。
[パターニング工程]
まず、水晶ウエハをフォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いてパターニングし、さらに、その表面に電極(図示せず)および質量調整膜4を成膜することで、水晶ウエハに保持された状態の角速度検出素子1を複数形成する。なお、以下では、水晶ウエハから形成された2つの角速度検出素子1を使って説明する。また、以下では、2つの角速度検出素子1を、角速度検出素子(第1角速度検出素子)1A、角速度検出素子(第2角速度検出素子)1Bと言う。
[離調周波数調整工程]
この工程では、各角速度検出素子1A、1Bについて、駆動振動モードの周波数fdと検出振動モードの周波数fsの差である離調周波数を調整する。
具体的には、角速度検出素子1Aについて、検出腕(第1検出腕)221、222に形成された質量調整膜4の少なくとも一部をレーザー照射により除去し、検出腕221、222の固有共振周波数を変化させることで、離調周波数を所定値(所定範囲内)に合わせ込む。角速度検出素子1Bについても同様に、検出腕(第2検出腕)221、222に形成された質量調整膜4の少なくとも一部をレーザー照射により除去し、検出腕221、222の固有共振周波数を変化させることで、離調周波数を所定値(所定範囲内)に合わせ込む。これにより、離調周波数のほぼ等しい角速度検出素子1A、1Bとなる。
なお、本工程は、角速度検出素子1A、1Bがそれぞれ水晶ウエハに保持された状態で行うことが好ましい。これにより、本工程を正確かつスムーズに行うことができる。また、本工程は、必要がなければ省略してもよい。
[バランス調整工程]
この工程では、各角速度検出素子1A、1Bについて、駆動振動モードで駆動させたときの検出腕221、222の不要振動(振動漏れ)が低減するように、駆動腕241〜244の振動バランスを調整する。
具体的には、検出腕221、222の不要振動は、駆動腕241〜244の固有共振周波数の違いによって発生する。そのため、角速度検出素子1Aについて、駆動腕(第1駆動腕)241〜244に形成された質量調整膜4の少なくとも一部をレーザー照射によって除去し、駆動腕241〜244の固有共振周波数を一致させる。角速度検出素子1Bについても同様に、駆動腕(第2駆動腕)241〜244に形成された質量調整膜4の少なくとも一部をレーザー照射によって除去し、駆動腕241〜244の固有共振周波数を一致させる。これにより、角速度検出素子1A、1Bの振動漏れが低減される。
なお、本工程は、角速度検出素子1A、1Bをそれぞれ水晶ウエハから切り取って個片化し、ベース81に固定した(支持された)状態で行うことが好ましい。ベース81に固定された状態で振動漏れを低減することで、より振動漏れも少ない角速度検出デバイス10を製造することができる。
[質量調整工程]
この工程では、上記のバランス調整工程でずれた角速度検出素子1A、1Bの質量差を低減する。
上記のバランス調整工程における角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244の質量変化量の総和(すなわち、質量調整膜4の総除去量)をΔM1とし、角速度検出素子1Bの駆動腕241〜244の質量変化量の総和(すなわち、質量調整膜4の総除去量)をΔM2としたとき、ΔM1<ΔM2なる関係を満足する場合には、角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244の質量変化の総和が(ΔM2−ΔM1)となるように、駆動腕241〜244の少なくとも1つの質量を軽くする。
以下、1つの例を挙げて具体的に説明する。上記のバランス調整工程において、角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244上の質量調整膜4を図4(a)に示すように除去したとし、角速度検出素子1Bの駆動腕241〜244上の質量調整膜4を図4(b)に示すように除去したとする。なお、図4(a)、(b)では、説明の便宜上、除去量の単位を「%」としているが、「%」は、重さの単位(例えば「μg」)に置き換えることができる。
図4に示す場合では、ΔM1=400%であり、ΔM2=800%である。駆動振動モードの周波数fdは、駆動腕241〜244の質量に影響されるため、このようにΔM1とΔM2とに差が生じると、角速度検出素子1A、1Bの駆動振動モードの周波数fdに差が生じてしまい、せっかく離調周波数調整工程において等しく調整した離調周波数が再びずれてしまう。そこで、本工程において、バランス調整工程でずれてしまった角速度検出素子1A、1Bの離調周波数を再び一致させる。
前述したように、ΔM1=400%、ΔM2=800%であるのだから、角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244から計400%(=ΔM2−ΔM1)の質量を除去すれば、再び、角速度検出素子1A、1Bの離調周波数を一致させることができる。ここで、ただ単に角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244から計400%の質量を除去してしまうと、駆動腕241〜244の振動バランスが崩れてしまい、せっかくバランス調整工程で低減させた検出腕221、222の不要振動(振動漏れ)が再び増加し、振動特性が悪化してしまう。
そこで、本工程は、上記のバランス調整工程において調整した振動バランスを保つように、駆動腕241〜244の質量を除去する。具体的には、まず、400%のうちの150%を基部21に対して+Y軸側に位置する駆動腕241、243に振り分けると共に、残りの250%を基部21に対して−Y軸側に位置する駆動腕242、244に振り分ける。これにより、バランス調整工程で除去した分を含めて、質量調整膜4の除去量が、+Y軸側にある駆動腕241、243と、−Y軸側にある駆動腕242、244とで吊り合うことになる。次に、駆動腕241、243に振り分けた150%を二等分して、75%を駆動腕241に振り分け、残りの75%を駆動腕243に振り分ける。同様に、駆動腕242、244に振り分けた250%を二等分して、125%を駆動腕242に振り分け、残りの125%を駆動腕244に振り分ける。すると、本工程で除去する量は、図5(a)に示すようになり、除去を終えたときの除去量は、図5(b)に示すようになる。このような方法で駆動腕241〜244の質量を除去することにより、バランス調整工程で調整した振動バランスを崩すことなく、角速度検出素子1A、1Bの離調周波数を再び一致させることができる。
なお、本工程に先立って、または、本工程と共に、角速度検出素子1Bの離調周波数の微調を行うために、角速度検出素子1Bの駆動腕241〜244上の質量調整膜4の一部を除去する場合も考えられる。この場合は、当該工程における角速度検出素子1Bの駆動腕241〜244の質量変化量の総和(すなわち、質量調整膜4の総除去量)をΔM3としたとき、{(ΔM2+ΔM3)−ΔM1}分の質量を上述した方法と同じ方法で角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244から除去すればよい。より具体的には、ΔM3=200%としたときは、角速度検出素子1Aの駆動腕241〜244から計600%の質量を除去すればよい。
以上、角速度検出素子1の調整方法について説明した。このような調整方法によれば、離調周波数が揃った角速度検出素子1、すなわち、均質な特性を有する角速度検出素子1を簡単に、かつ、大量に得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の角速度検出素子の調整方法の第2実施形態について説明する。
図6は、振動漏れの大きさと駆動振動モードの周波数の変動との関係を示すグラフである。
以下、第2実施形態の角速度検出素子の調整方法について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の角速度検出素子1の調整方法は、離調周波数調整工程と、バランス調整工程と、を有している。なお、離調周波数調整工程に先立って、パターニング工程が行われる。以下、これら工程について順番に説明する。
[パターニング工程]
本工程は、前述した第1実施形態のパターニング工程と同様である。そのため、本工程の説明を省略する。
[離調周波数調整工程]
この工程では、角速度検出素子1の離調周波数を調整する。
具体的には、まず、駆動振動モード時の検出腕221、222の不要振動(振動漏れ)の大きさを測定または予測する。そして、この測定結果(推定結果)から、後のバランス調整工程での駆動腕241〜244の総質量の変化量ΔMを求める。すなわち、後のバランス調整工程において、駆動腕241〜244の振動バランスを整えるために除去しなければならない駆動腕241〜244上の質量調整膜4の総除去量(=ΔM)を求める。次に、後のバランス調整工程において、駆動腕241〜244上の質量調整膜4を変化量ΔMだけ除去したときの駆動振動モードの周波数fdの変化量Δfdを求める。
なお、検出腕221、222の不要振動(振動漏れ)の大きさと駆動振動モードの周波数の変化量Δfdには、例えば、図6に示すような相関関係がある。そのため、この相関関係を予め求めてテーブル等にしておくことで、変化量Δdfを簡単に求めることができる。
次に、駆動振動モードの周波数fdから変化量Δfdだけ変化した周波数fd’(=fd−Δfd)、すなわち、バランス調整工程を終えた時点での離調周波数(fd’とfsの差)が所定値(所定範囲)となるように、検出腕221、222上の質量調整膜4の少なくとも一部を除去して検出振動モードの周波数fsを調整する。
なお、本工程は、角速度検出素子1が水晶ウエハに保持された状態で行うことが好ましい。これにより、本工程を正確かつスムーズに行うことができる。また、本工程は、必要がなければ省略してもよい。
[バランス調整工程]
この工程では、駆動振動モードで駆動させたときの検出腕221、222の不要振動(振動漏れ)が低減するように、駆動腕241〜244の振動バランスを調整する。
具体的には、駆動腕241〜244に形成された質量調整膜4の少なくとも一部をレーザー照射によって除去し、駆動腕241〜244の固有共振周波数を一致させる。この際、駆動腕241〜244上の質量調整膜4の総除去量が、離調周波数調整工程で求めた変化量ΔMとなるようにする。これにより、検出腕221、222の不要振動(振動漏れ)が低減されると共に、離調周波数が所定値(所定範囲)に合わせ込まれる。
なお、本工程は、角速度検出素子1を水晶ウエハから切り取って個片化し、ベース81に固定した(支持された)状態で行うことが好ましい。ベース81に固定された状態で振動漏れを低減することで、より振動漏れも少ない角速度検出デバイス10を製造することができる。
以上、角速度検出素子1の調整方法について説明した。このような調整方法によっても、前述した第1実施形態と同様に、離調周波数が揃った角速度検出素子1、すなわち、均質な特性を有する角速度検出素子1を簡単に、かつ、大量に得ることができる。
以上、本発明の角速度検出素子の調整方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
次に、角速度検出デバイス10を適用した電子機器および移動体について説明する。
[電子機器]
次いで、角速度検出デバイス10を備える電子機器について、図7〜図9に基づき、詳細に説明する。
図7は、電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度検知手段として機能する角速度検出デバイス10が内蔵されている。
図8は、電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度検知手段として機能する角速度検出デバイス10が内蔵されている。
図9は、電子機器を適用したデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度検知手段として機能する角速度検出デバイス10が内蔵されている。
なお、電子機器は、図7のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図8の携帯電話機、図9のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
[移動体]
次いで、角速度検出デバイス10を備える移動体について、図10に基づき、詳細に説明する。
図10は、移動体を適用した自動車の構成を示す斜視図である。
自動車1500には角速度検知手段として機能する角速度検出デバイス10が内蔵されており、角速度検出デバイス10によって車体1501の姿勢を検出することができる。角速度検出デバイス10からの検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。その他、このような姿勢制御は、二足歩行ロボットやラジコンヘリコプターで利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、角速度検出デバイスが組み込まれる。
1、1A、1B……角速度検出素子
10……角速度検出デバイス
2……振動片
21……基部
221、222……検出腕
231、232……連結腕
241、242、243、244……駆動腕
3……支持基板
4……質量調整膜
8……パッケージ
81……ベース
811……凹部
82……リッド
9……IC
1100……パーソナルコンピューター
1102……キーボード
1104……本体部
1106……表示ユニット
1108……表示部
1200……携帯電話機
1202……操作ボタン
1204……受話口
1206……送話口
1208……表示部
1300……デジタルスチールカメラ
1302……ケース
1304……受光ユニット
1306……シャッターボタン
1308……メモリー
1310……表示部
1500……自動車
1501……車体
1502……車体姿勢制御装置
1503……車輪
A、B、C……矢印
S……収容空間
ωz……角速度

Claims (5)

  1. 少なくとも2つの第1駆動腕と少なくとも1つの第1検出腕とを備える第1角速度検出素子を用意し、駆動振動モード時の前記第1検出腕の不要振動が低減するように、少なくとも1つの前記第1駆動腕の質量を変化させるバランス調整と、少なくとも2つの第2駆動腕と少なくとも1つの第2検出腕とを備える第2角速度検出素子を用意し、駆動振動モード時の前記第2検出腕の不要振動が低減するように、少なくとも1つの前記第2駆動腕の質量を変化させるバランス調整と、を行うバランス調整工程と、
    前記バランス調整工程での各前記第1駆動腕の質量変化量の総和をΔM1とし、各前記第2駆動腕の質量変化量の総和をΔM2としたとき、ΔM1<ΔM2なる関係を満足する場合に、少なくとも1つの前記第1駆動腕の質量を変化させる質量調整工程と、を含むことを特徴とする角速度検出素子の調整方法。
  2. 前記質量調整工程では、前記バランス調整工程において調整したバランスを保つように、少なくとも1つの前記第1駆動腕の質量を変化させる請求項1に記載の角速度検出素子の調整方法。
  3. 前記バランス調整工程より前に行われる工程であって、前記第1角速度検出素子の前記駆動振動モードの周波数と検出振動モードの周波数の差である離調周波数を調整する離調周波数調整と、前記第2角速度検出素子の前記駆動振動モードの周波数と検出振動モードの周波数の差を調整する離調周波数調整と、を行う離調周波数調整工程を含む請求項1または2に記載の角速度検出素子の調整方法。
  4. 前記離調周波数調整工程は、前記第1角速度検出素子および前記第2角速度検出素子がウエハに保持されている状態で行い、
    前記バランス調整工程および前記質量調整工程は、前記第1角速度検出素子および前記第2角速度検出素子が個片化されてパッケージに支持された状態で行う請求項3に記載の角速度検出素子の調整方法。
  5. 少なくとも2つの駆動腕と少なくとも1つの検出腕とを備える角速度検出素子を用意し、角速度検出素子の駆動振動モードの周波数と検出振動モードの周波数の差を調整する離調周波数調整工程と、
    前記駆動振動モード時の前記検出腕の不要振動が低減するように、少なくとも1つの前記駆動腕の質量を変化させるバランス調整工程と、を含み、
    前記離調周波数調整工程では、前記駆動振動モード時での前記検出腕の不要振動の大きさに基づいて、前記バランス調整工程での各前記駆動腕の総質量の変化量を求め、前記総質量の変化量に基づいて、前記バランス調整工程での前記駆動振動モードの周波数の変化量を求め、前記バランス調整工程で前記駆動振動モードの周波数が変化した後の離調周波数が所定範囲となるように、前記離調周波数を調整することを特徴とする角速度検出素子の調整方法。
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