JP2016196723A - 繊維材料の形状固定捺染法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、繊維製品の伸縮性の為に不良品の発生率が高かった捺染法の問題点を解決し、精細な捺染図柄の表現と卓越した安定生産性及び環境適合性並びに柔軟な繊維の風合を再現性良く得る形状固定捺染法の開発を目的とする。【解決手段】繊維材料を捺染するにあたり、一時的接着剤を用いて未処理又は前処理済布帛に紙又はフイルムを貼り付けた後、未処理布帛の場合は前処理剤を塗布してから布帛に水性染顔料インキを用いて柄模様を印刷し、最後に紙又はフイルムを剥離してから染料又は顔料を固着処理した後、仕上げる方法によって不良品の発生率が激減し、精細・堅牢で風合の良好な捺染製品が得られる。特に本発明は設備費の削減と安定生産に貢献する経済性とエコロジー性に優れた新規な捺染法である。【選択図】なし
Description
本発明は布帛に紙又はフイルムを貼り付けて一時的に布帛を形状固定化すると共に、紙又はフイルムをインク流出による汚染防止材としても用いる事を特徴とする捺染法に係わるものである。
更に詳しくは、本発明は、繊維材料を捺染するにあたり、一時的接着剤を用いて未処理の布帛又は前処理剤を付与された布帛に紙又はフイルムを貼り付ける工程、未処理布帛の場合は紙又はフイルムを貼り付けられた布帛側に前処理剤を塗布する工程、前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを貼り付けたまま、又は紙又はフイルムを剥離してから布帛上の染料又は顔料を固着処理したあとソーピングして仕上げる工程を有する新しい形状固定捺染法である。
本発明の様に紙又はフイルムを貼り付けた状態で前処理された布帛に染顔料を付与したあと、染顔料の固着処理を実施して仕上げる捺染法は新規な加工法であるので「形状固定捺染法」と名付けた。
更に詳しくは、本発明は、繊維材料を捺染するにあたり、一時的接着剤を用いて未処理の布帛又は前処理剤を付与された布帛に紙又はフイルムを貼り付ける工程、未処理布帛の場合は紙又はフイルムを貼り付けられた布帛側に前処理剤を塗布する工程、前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを貼り付けたまま、又は紙又はフイルムを剥離してから布帛上の染料又は顔料を固着処理したあとソーピングして仕上げる工程を有する新しい形状固定捺染法である。
本発明の様に紙又はフイルムを貼り付けた状態で前処理された布帛に染顔料を付与したあと、染顔料の固着処理を実施して仕上げる捺染法は新規な加工法であるので「形状固定捺染法」と名付けた。
従来より布帛に染顔料で図柄を堅牢・精細に描く方法として、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリースクリーン捺染、グラビア印刷或いはこれらのプリント技法を用いた転写捺染法等が知られており、工業的に実施されている。
これらの製版プリント方式では色数に制約があること、3原色色分解型枠によるプリントでは多色感を表現できるが、3原色組成に用いる組成の色相・濃度を整える事が困難とか、多重層を形成する為プリント加工の再現性や精細性を欠く恐れが大きいと言う問題がある。加えて、最近の様に小ロット生産が増えると製版費用が割高となり採算が悪化する。更にプリント加工時、加工必要量に加え余剰色糊を調製する必要があり、最終的には廃棄され、型枠の洗浄作業等でも多量の排水負荷が発生する事もあって環境汚染問題から問題視されている。
これらの問題点を解決する新たな捺染法として、コンピュータで画像処理を行い、水性の染顔料インクを用いてインクジェット方式でプリントする無製版プリントが脚光を浴び、インクジェットプリンターの進歩(高速化)に従って前処理した布帛へ直接プリントするダイレクト法の成長率が著しく高くなっている。しかしながら、インクジェットプリンターによって生地に直接水性染顔料インクをプリントするダイレクト法にも下記の通り問題点が多い。
1.プリンターに付属したエンドレスベルト(搬送ベルト)へ布帛を密着させるのが難しく、完全密着しない場合はプリンターヘッドの故障の原因となる。
2.布帛を完全密着させたとしても搬送ベルトが蛇行して柄模様がずれる。
3.厚手生地や毛羽だった生地はノズルを傷めるため加工が困難。
4.薄手生地やレースはインクが裏まで浸透し搬送ベルトを汚染したり柄が滲む。
吐出したインクが搬送ベルトに付着したり、インクの液滴が空気中で散乱して搬送ベルトに付着したり布帛を汚染して不良品が発生する。
5.ニットの様な伸縮性の著しい生地は前処理したとしても加工が困難。
6.形状安定化の為に糊剤を過剰に塗布すると糊が染料の染着を阻害し、染色力が低下し濃厚・鮮明な発色が困難となる。
7.糊剤を薄く塗布するとインクが布帛を通過して搬送ベルトを汚染する。また、少量の糊では塗工バラツキが発生し易く、その結果染め斑や滲みが発生する。
8.搬送ベルトや搬送ベルトの洗浄装置を重装備したプリンターは高価である。
9.プリンターノズルの目詰まり防止の目的でインクには多価アルコール類が多量に配合されている為、画像に滲みが発生しやすく、染料固着後の洗浄排水負荷も大きい。
以上の様な理由からダイレクト法は不良品の発生率が高く、結果的にコストアップとなるので問題視されている。
これらの製版プリント方式では色数に制約があること、3原色色分解型枠によるプリントでは多色感を表現できるが、3原色組成に用いる組成の色相・濃度を整える事が困難とか、多重層を形成する為プリント加工の再現性や精細性を欠く恐れが大きいと言う問題がある。加えて、最近の様に小ロット生産が増えると製版費用が割高となり採算が悪化する。更にプリント加工時、加工必要量に加え余剰色糊を調製する必要があり、最終的には廃棄され、型枠の洗浄作業等でも多量の排水負荷が発生する事もあって環境汚染問題から問題視されている。
これらの問題点を解決する新たな捺染法として、コンピュータで画像処理を行い、水性の染顔料インクを用いてインクジェット方式でプリントする無製版プリントが脚光を浴び、インクジェットプリンターの進歩(高速化)に従って前処理した布帛へ直接プリントするダイレクト法の成長率が著しく高くなっている。しかしながら、インクジェットプリンターによって生地に直接水性染顔料インクをプリントするダイレクト法にも下記の通り問題点が多い。
1.プリンターに付属したエンドレスベルト(搬送ベルト)へ布帛を密着させるのが難しく、完全密着しない場合はプリンターヘッドの故障の原因となる。
2.布帛を完全密着させたとしても搬送ベルトが蛇行して柄模様がずれる。
3.厚手生地や毛羽だった生地はノズルを傷めるため加工が困難。
4.薄手生地やレースはインクが裏まで浸透し搬送ベルトを汚染したり柄が滲む。
吐出したインクが搬送ベルトに付着したり、インクの液滴が空気中で散乱して搬送ベルトに付着したり布帛を汚染して不良品が発生する。
5.ニットの様な伸縮性の著しい生地は前処理したとしても加工が困難。
6.形状安定化の為に糊剤を過剰に塗布すると糊が染料の染着を阻害し、染色力が低下し濃厚・鮮明な発色が困難となる。
7.糊剤を薄く塗布するとインクが布帛を通過して搬送ベルトを汚染する。また、少量の糊では塗工バラツキが発生し易く、その結果染め斑や滲みが発生する。
8.搬送ベルトや搬送ベルトの洗浄装置を重装備したプリンターは高価である。
9.プリンターノズルの目詰まり防止の目的でインクには多価アルコール類が多量に配合されている為、画像に滲みが発生しやすく、染料固着後の洗浄排水負荷も大きい。
以上の様な理由からダイレクト法は不良品の発生率が高く、結果的にコストアップとなるので問題視されている。
上記問題点は搬送ベルトに帰因する事が多く、これらの問題を解決する方法として、特開2001−130776号には搬送ベルトに保護シートを取り付ける方法が開示されている。特開2010−234579号には搬送ベルトのクリーニング装置が開示されている。特開2012−245704号には吸引搬送ベルト清掃装置、特開2010−260242号には搬送ベルトの送り量補正方法など、搬送ベルトの改良法は多数の特許が公開されており、課題が多いことを示している。
この他に、熱で昇華する昇華染料を用いたポリエステル繊維の乾式転写捺染法はポリエステルに限定される上に耐熱堅牢度も低く、高温で保管或いは輸送したり、熱処理すると汚染が発生して使い物にならなくなる。布帛を水で湿らせ転写紙と合わせ強く圧着・転写するセルロース系繊維或いは蛋白質系繊維の湿式転写法は図柄の繊細性と再現性に欠けると言う問題が生じやすく歩留まりが悪い。なお、湿式転写法に関しては、特許第2925562号、特開06−287870号等が公知である。
この他に、熱で昇華する昇華染料を用いたポリエステル繊維の乾式転写捺染法はポリエステルに限定される上に耐熱堅牢度も低く、高温で保管或いは輸送したり、熱処理すると汚染が発生して使い物にならなくなる。布帛を水で湿らせ転写紙と合わせ強く圧着・転写するセルロース系繊維或いは蛋白質系繊維の湿式転写法は図柄の繊細性と再現性に欠けると言う問題が生じやすく歩留まりが悪い。なお、湿式転写法に関しては、特許第2925562号、特開06−287870号等が公知である。
特許第4058470号或いは特開平06−270596号には、離型紙の上にインク受容層を塗布乾燥し、次いでプリントされたインク受容層を布帛へ乾式転写して離型紙を剥離したあと、染料をスチーミング等で固着処理する方法が開示されている。この方法の問題点は、(A)高価な離型紙を用いる事の他に、(B)インク受容層を布帛に転写する工程での剥離性(紙の剥離の再現性)に難しさがあり、インク受容層を100%布帛へ転写出来ない場合があり、部分的にインク受容層が転写紙に残ると、その部分が斑染めになり不良品が発生すると言う問題がある。(C)この加工法ではインク受容層を100%布帛へ移す必要がある為、染料固着処理後の布帛の洗浄工程で使用済の糊と樹脂は全量排水へ流れ出し、余剰染料インクも排水に流れ出すので、排水を汚染すると言う問題があった。(D)汎用の離型剤は融点の低いものが多く、転写性を向上する為に高温、例えば150℃以上で転写すると、メルトした有機溶剤可溶性の離型剤樹脂が布帛へ付着して洗浄で落ちない為、布帛の風合いが硬くなるという問題がある。或いはメルトした樹脂がインク受容層の一部を紙に接着・残留させ、不良品が発生してしまうと言う問題が生じやすい。(E)離型剤の融点が低いので、混合糊液塗工後の乾燥温度に制約があり、生産スピードを上げる事が出来ない等の生産効率上の問題もある。
特開2001−130776号 特開2010−234579号 特開2012−245704号 特開2010−260242号 特許第2925562号公報 特開06−287870号公報 特許第4058470号公報 特開平06−270596号公報
本発明者等は、インクジェットプリント方式、グラビア印刷方式又はフレキソ印刷方式等あらゆる印刷方式での布帛へのプリント方法について鋭意研究を重ねた結果、未処理布帛又は前処理剤を付与した布帛に一時的接着剤を塗布した紙或いはフイルムを貼り付ける事によって伸縮性を持つ布帛の形状を固定し、次に未処理布帛の場合は紙又はフイルムを貼り付けられた布帛に前処理剤を塗布し、次いで前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与した後、最後に紙又はフイルムを貼り付けたまま、又は紙又はフイルムを剥離してから布帛上の染料又は顔料を固着処理(スチーミング、キュアリング等)したあとソーピングして仕上げる新しい形状固定捺染法を確立した。
本発明の様に紙又はフイルムを貼り付けた状態で前処理布帛(前処理剤の付与はは紙又はフイルムを貼り付ける前でも良いし、貼り付けた後でも良い)に染顔料を付与したあと、染顔料の固着処理を実施する捺染法は新規な加工法であるので「形状固定捺染法」と名付けた。
本発明の様に紙又はフイルムを貼り付けた状態で前処理布帛(前処理剤の付与はは紙又はフイルムを貼り付ける前でも良いし、貼り付けた後でも良い)に染顔料を付与したあと、染顔料の固着処理を実施する捺染法は新規な加工法であるので「形状固定捺染法」と名付けた。
この新しい形状固定捺染法によって、従来多くの課題を抱えていたダイレクト法の問題点を解決しただけでなく、水性染顔料インキによるグラビア印刷、フレキソ印刷も可能とした。
本発明の特徴は、
1. 安価な少量の接着剤を塗布された紙或いはフイルムによって布帛の伸縮性が無くなり形状が固定化されるので、インクジェットプリンターの価格を押し上げていた搬送ベルトや洗浄装置は不要となる。
2. 搬送ベルトへの密着性不良によるノズルの故障が無くなる。
3. 搬送ベルトがインクで汚染される事による生地の汚染が無くなり不良品の発生が激減する。搬送ベルトに起因する問題は全て解決される。
4. 紙或いはフイルムと布帛との密着工程はプリンターとは別個の装置で自由に最適条件(圧力、温度、スピード)を調整できるので容易確実な密着作業が可能となる。
5. 布帛は紙或いはフイルムによって形状が固定化されるので、紙或いはフイルムと同様に扱う事が可能となり、安定生産が可能となるだけでなく、グラビア印刷機やフレキソ印刷機等、高速印刷機による印刷が可能となるので大量生産も可能となる。
本発明の特徴は、
1. 安価な少量の接着剤を塗布された紙或いはフイルムによって布帛の伸縮性が無くなり形状が固定化されるので、インクジェットプリンターの価格を押し上げていた搬送ベルトや洗浄装置は不要となる。
2. 搬送ベルトへの密着性不良によるノズルの故障が無くなる。
3. 搬送ベルトがインクで汚染される事による生地の汚染が無くなり不良品の発生が激減する。搬送ベルトに起因する問題は全て解決される。
4. 紙或いはフイルムと布帛との密着工程はプリンターとは別個の装置で自由に最適条件(圧力、温度、スピード)を調整できるので容易確実な密着作業が可能となる。
5. 布帛は紙或いはフイルムによって形状が固定化されるので、紙或いはフイルムと同様に扱う事が可能となり、安定生産が可能となるだけでなく、グラビア印刷機やフレキソ印刷機等、高速印刷機による印刷が可能となるので大量生産も可能となる。
当目的を達成する為に、本発明は次の条件で構成される。
繊維材料を捺染するにあたり、一時的接着剤を用いて未処理布帛又は前処理した布帛に紙又はフイルムを貼り付ける工程、(未処理布帛の場合は紙又はフイルムを貼り付けられた布帛側に前処理剤を塗布する工程)、前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを剥離してから(又は紙又はフイルムを貼り付けたまま)布帛上の染料又は顔料を固着処理したあと仕上げる工程を有する事を特徴とする形状固定捺染法である。
繊維材料を捺染するにあたり、一時的接着剤を用いて未処理布帛又は前処理した布帛に紙又はフイルムを貼り付ける工程、(未処理布帛の場合は紙又はフイルムを貼り付けられた布帛側に前処理剤を塗布する工程)、前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを剥離してから(又は紙又はフイルムを貼り付けたまま)布帛上の染料又は顔料を固着処理したあと仕上げる工程を有する事を特徴とする形状固定捺染法である。
布帛と紙又はフイルムの一時的接着剤として使用が可能なバインダーは水性又は油性合成樹脂系バインダー、ゴム類、ホットメルト接着剤又は天然系糊剤から選択された1種又は2種以上の混合物が使用可能である。
例えば、油性接着剤としては、特許第2606782号に記載されているアクリル系重合体がモノ、ジ及びトリプロピレングリコールのメチル又はエチルエーテルを含有する溶剤に溶解した油性捺染用地場り剤が挙げられる。
また、プラスターW(新中村化学社製)なども使用できる。
水性の接着剤としては、水溶性ポリビニルアルコール系バインダー、水溶性アクリル系バインダー、水溶性ウレタン系バインダー、水溶性ウレタン変性エーテル系バインダー、水溶性ポリエチレンオキサイド系バインダー、水溶性ポリアミド系バインダー、水溶性フェノール系バインダー、水溶性酢酸ビニル系バインダー、水溶性スチレンアクリル酸系バインダー、水溶性スチレンマレイン酸系バインダー、水溶性スチレンアクリルマレイン酸系バインダー、水溶性ポリエステル系バインダー、水溶性ポリビニルアセタール系バインダー、水溶性ポリエステル・ウレタン系バインダー、水溶性ポリエーテル・ウレタン系バインダー、水溶性ホットメルト接着剤等の水溶性接着剤から選択された1種又は2種以上の混合物が使用できる。
例えば、油性接着剤としては、特許第2606782号に記載されているアクリル系重合体がモノ、ジ及びトリプロピレングリコールのメチル又はエチルエーテルを含有する溶剤に溶解した油性捺染用地場り剤が挙げられる。
また、プラスターW(新中村化学社製)なども使用できる。
水性の接着剤としては、水溶性ポリビニルアルコール系バインダー、水溶性アクリル系バインダー、水溶性ウレタン系バインダー、水溶性ウレタン変性エーテル系バインダー、水溶性ポリエチレンオキサイド系バインダー、水溶性ポリアミド系バインダー、水溶性フェノール系バインダー、水溶性酢酸ビニル系バインダー、水溶性スチレンアクリル酸系バインダー、水溶性スチレンマレイン酸系バインダー、水溶性スチレンアクリルマレイン酸系バインダー、水溶性ポリエステル系バインダー、水溶性ポリビニルアセタール系バインダー、水溶性ポリエステル・ウレタン系バインダー、水溶性ポリエーテル・ウレタン系バインダー、水溶性ホットメルト接着剤等の水溶性接着剤から選択された1種又は2種以上の混合物が使用できる。
具体的には、パナレジンA−30(アクリル系)、パナレジンKS−200(ポバール系)、パナレジンN−250、N−350、N−450(アクリル系)、プラスターEH(いずれも新中村化学社製)等が挙げられる。
更に天然系糊剤として動物系糊料、植物系糊料、具体的には、天然ガム糊(エーテル化タマリンドガム、エーテル化ローカストビーンガム、エーテル化グアガム、アカシアアラビア系ガム等)、繊維素誘導糊(エーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、多糖類(澱粉、グリコーゲン、デキストリン、アミロース、ヒアルロン酸、葛、片栗粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等)海藻類(アルギン酸ソーダ、寒天等)、動物性糊料(カゼイン、ゼラチン、卵蛋白等)から選択された1種又は2種以上の混合物も使用可能である。
接着剤の塗布量は、好ましくは0.5〜20g/m2紙であるが、より好ましくは0.5〜5.0g/m2である。過剰に接着剤を塗布すると生地を汚染し、風合いを悪化させる恐れがあるし、経済性から言っても多く塗布する必要はない。
これらの一時的接着剤を紙或いはフイルムに塗布する方法は、通常用いられる塗工機による塗工やスプレー法が採用できる。接着剤の塗布乾燥と紙の布帛への貼り付けを連続で行っても良いし、個別に行っても良い。また、紙(以降フイルムという表現を省略する事もある)へ接着剤の塗布→紙の布帛への貼り付け→布帛の前処理→染顔料インクによる印刷、或いは、布帛の前処理→紙へ接着剤の塗布→紙の布帛への貼り付け→染顔料インクによる印刷、以上の順番で工程を連続で行う事も可能である。
なお、紙又はフイルムへ接着剤を塗布乾燥する工程を省いて接着剤が付いた紙又はフイルム(既製品)を購入使用してもよい。
なお、紙又はフイルムへ接着剤を塗布乾燥する工程を省いて接着剤が付いた紙又はフイルム(既製品)を購入使用してもよい。
布帛に塗布する前処理剤としては糊剤、固着剤、湿潤剤、浸透剤、ブリード防止剤、硬水軟化剤、帯電防止剤、均染剤、PH調整剤、濃染化剤、還元防止剤、防腐剤、防黴剤、脱気剤、消泡剤、水及び界面活性剤から選択された1種又は2種以上である。具体例を挙げると特開11−302986号の[0009]〜[0016]に記載されている化合物、例えば、アルギン酸ナトリウム、CMC、尿素、重曹、メタニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ、サンフローレンSN(日華化学社製)、水等の混合物である。これら前処理剤の布帛への付与方法は塗工機による塗布、パッドドライ法、スプレー法等の公知方法が採用できる。前処理剤の塗布量は生地の目付によって変化し、目付100g/m2前後の生地の場合、5〜10g/m2、厚手の生地の場合は10〜30g/m2塗布すればよい。
紙又はフイルムを貼り付けた後、前処理剤を塗布された布帛に対して、水性染料インク又は顔料インクを用いて柄模様を付与する方法は、インクジェットプリンターを用いる方法、グラビア印刷機を用いる方法、フレキソ印刷機を用いる方法等、あらゆる印刷法が採用できる。染料或いは顔料を付与された布帛は紙或いはフイルムを剥離して、又はそのまま常法でスチーミング処理、サーモゾル処理、キュアリング処理する事によって洗顔料を固着する事が出来る。
布帛を構成する繊維材料としては綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料、又はナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリアクリルと呼ばれる合成繊維材料の織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊或いは交織品を対象として、形状固定化された前処理布帛に対して染顔料を付与して固着処理すれば、柄模様の滲みがなくシャープで高濃度な、再現性と精細性、鮮明性に優れた捺染物が得られる。
前処理された布帛に印刷する水性染料インク用の染料として、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、分散染料、カチオン染料を用いる事が出来、また、水性顔料インクの顔料としては2酸化チタン、亜鉛華、カーボン等の無機顔料、アントラキノン、キナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニン、アゾ系等の有機顔料、蛍光顔料を用いる事が出来る。これらの染顔料の布帛への固着方法は、常法に従えばよい、例えば、反応染料の場合は前処理剤にアルカリ剤を配合しておき100℃で約10分間スチーミングすれば固着する。顔料の場合はインクに顔料用バインダーを配合しておきキュアリングで固着する方法が一般的である。
布帛に貼り付けられる紙又はフイルムとしては、クラフトパルプ等の化学パルプ、グラインドパルプ等の機械パルプ、古紙を原料とする古紙パルプに各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、各種添加剤を配合して抄紙されたパルプ紙、再生紙、各種コート紙、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリ乳酸フイルム等、布帛の形状を一時的に固定化するに適した坪量20〜200gの安価な上質紙、晒し・未晒しクラフト紙、各種コート紙、又は各種合成樹脂フイルムを用いる事が出来る。
本発明は風合、繊細性、堅牢性、発色性等の卓越した捺染性能を提供し、更に設備費の大幅低減、加工の再現性向上による不良品発生の撲滅、排水負荷の削減、生産効率の向上と安定生産の達成を目指したものであって、本発明方法によりエコロジカルで、且つエコノミカルな捺染法の提供を可能ならしめた。
本発明は風合、繊細性、堅牢性、発色性等の卓越した捺染性能を提供し、更に設備費の大幅低減、加工の再現性向上による不良品発生の撲滅、排水負荷の削減、生産効率の向上と安定生産の達成を目指したものであって、本発明方法によりエコロジカルで、且つエコノミカルな捺染法の提供を可能ならしめた。
本発明で用いられる布帛に貼り付けられる紙又はフイルムとしては、一般的に使用されている安価な紙又はフイルムで、コート紙等の加工紙でも良いが高価な紙を用いる必要はない。重さは20g〜200g/m2、好ましくは30〜100g/m2のクラフトパルプ又はグラインドパルプ等のパルプ或いはリサイクル紙を原料として抄紙されたパルプ紙、再生紙等が用いられる。作業性から厚さは0.02〜1.0mm程度が好ましい。具体例を挙げると、日本製紙社製の上質紙、晒し又は未晒しクラフト紙、日本大昭和板紙社製の銘柄で銀竹、銀嶺、白銀等、大昭和製紙社製の片艶クラフト紙、グラシン紙、晒しクラフト紙、未晒しクラフト紙、三島製紙社製の各種コート紙などを挙げる事が出来るが、これらはほんの一例に過ぎない。
フイルムについては、ポリエステルフイルム、例えばテイジンテトロンフイルム、東レルミラー、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルムに粘着剤を塗布した既製品でもよく、厚さが0.05〜1mm程度の物を使用できる。
これらの紙又はフイルムに対して一時的接着力が強く、且つ、布帛へ移転して風合いを阻害する事のない水溶性合成系バインダー、水溶性ホットメルト接着剤等の水溶性接着剤の単独或いは混合物、又は、これらのバインダーに配合できる天然系糊剤としては、天然ガム糊、繊維素誘導糊、多糖類、海藻類、動物性糊料から選定された1種又は2種以上の混合物を塗布する。アクリル系の油性地張り剤を用いても良い。
塗布するバインダーと糊剤の付着量は、多過ぎると一部が生地に残って生地の風合いを悪くする事があるので、混合糊液の付与量はドライ換算で0.5〜20g/m2が好ましい。混合糊液の塗布装置の具体例を挙げると、コンマコーター、バーコーター、メイヤーバーコーター、グラビアコーター、リップダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーター、エアナイフコーター、ジェットコーター、パッディングマシン等がある。
塗布するバインダーと糊剤の付着量は、多過ぎると一部が生地に残って生地の風合いを悪くする事があるので、混合糊液の付与量はドライ換算で0.5〜20g/m2が好ましい。混合糊液の塗布装置の具体例を挙げると、コンマコーター、バーコーター、メイヤーバーコーター、グラビアコーター、リップダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーター、エアナイフコーター、ジェットコーター、パッディングマシン等がある。
この様にして得た接着剤が付与された紙又はフイルムを布帛に貼り合わせる。貼り付け方法は公知の貼り合わせ機・ラミネート機を用いて皺や空気が入ら様に貼り合わせる事が出来る。接着剤の種類によっては室温で軽くマングルで圧着するだけで密着させる事が出来るが、加熱して軟化或いはメルトする接着剤の場合は、熱ロールを使用して加熱・加圧して両者を接着する事も可能である。
次いで未処理布帛の場合は前処理機を用いて布帛側に前処理剤を塗布する。布帛に工程中又は事前に付与する前処理剤としては糊剤、固着剤、湿潤剤、浸透剤、ブリード防止剤、硬水軟化剤、帯電防止剤、均染剤、PH調整剤、濃染化剤、還元防止剤、防腐剤、防黴剤、脱気剤、消泡剤、水及び界面活性剤等の混合物を挙げる事が出来る。代表例を挙げると、アルギン酸ナトリウム、CMC、尿素、重曹、メタニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ、サンフローレンSN(濃染剤・日華化学社製)、水等の混合物である。これら前処理剤の布帛への付与方法は塗工機による塗布法、スプレー法、パッドドライ等の公知方法が採用できる。前処理剤の塗布量は生地の目付によって変化し、目付100g/m2前後の生地の場合、ドライ換算5〜10g/m2、厚手の生地の場合は10〜30g/m2塗布すればよい。これら前処理剤の塗布工程は紙又はフイルムの貼り付け前でもよいし、貼り付けたあとでもよい。
次いで、裏面に紙が貼り付けられ、表面の布帛に前処理剤が塗布された布帛に水性染顔料インクでプリントする。前処理した布帛に印刷する水性染料インク用の染料として、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、分散染料、カチオン染料を用いる事が出来る。また、水性顔料インクの顔料としては2酸化チタン、亜鉛華、カーボン等の無機顔料、アントラキノン、キナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニン、アゾ系等の有機顔料、蛍光顔料を用いて常法によりインク化したものをプリントすればよい。プリント後原則的に紙又はフイルムを剥離する。剥離された布帛上の染顔料の固着方法は、常法に従えばよい。例えば、反応染料の1相スチーム固着法では、100〜105℃、5〜20分間のスチーミング処理、アルカリを含まないインク受容層の場合は、2相法(例えばコールドフィックス法等)が適用できる。酸性染料では100〜105℃・10〜30分間のスチーミング処理を行う。分散染料の場合は、160〜220℃1〜20分間のHTスチーミング又は乾熱処理を行う。染料の固着処理後は常法の洗浄条件(水洗、ソーピング、水洗。分散染料の場合は水洗、還元洗浄、水洗)で処理する事で、風合が良好で精細、濃厚な捺染物を得る事が出来る。
顔料の場合はインクに顔料用バインダーを配合しておきキュアリングで固着する方法が一般的である。
顔料の場合はインクに顔料用バインダーを配合しておきキュアリングで固着する方法が一般的である。
本発明に於いて布帛とは、綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛等の蛋白質系繊維材料、動物系皮革、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリアクリル等の合成繊維材料の織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊或いは交織品が挙げられる。更に複合系繊維でも良い。
本発明に於いてインクジェットプリントに使用する場合のインクとしては、染料と染料溶解剤、例えば水、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、εカプロラクタム並びに分散剤等と、必要に応じて乾燥防止剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、PH調整剤、防腐剤、防黴剤、金属イオン封鎖剤、消泡剤、脱気剤等を添加・混合して、微量の不溶物を1ミクロン以下のメンブレンフィルターでろ過・脱気したものが使用される。
染料の種属は布帛を構成する繊維の種類に応じて選択されるが、反応染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩型染料、分散染料、カチオン染料等が適用できる。なお、分散染料をインク化する場合は、0.1〜0.3mmのジルコニュウムビーズを用いて染料の平均粒径を0.1μm程度に微粒化してからインク化する事が望ましい。
染料の種属は布帛を構成する繊維の種類に応じて選択されるが、反応染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩型染料、分散染料、カチオン染料等が適用できる。なお、分散染料をインク化する場合は、0.1〜0.3mmのジルコニュウムビーズを用いて染料の平均粒径を0.1μm程度に微粒化してからインク化する事が望ましい。
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、%は重量%を意味する。
実施例1
紙として坪量75g/m2、1.6m幅の未晒しクラフト紙の片面に、ボンコートAB−901(DIC社製アクリル系バインダー)を1.8g/m2塗布して乾燥する。
この紙と綿ニット(目付120g/m2)を貼り合わせ機を用いて貼り合わせる事によってニットの形状を固定化した。紙を貼り合わせた綿ニットに前処理剤として、FDアルギンBL(古川化学工業社製:アルギン酸ソーダ粉体)20g、尿素70g、m−ニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ15g、重層25g、水160gを混合し前処理糊を作る。この混合糊液をコンマコーター(横山製作所製)を使用して布帛に塗布・乾燥した。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は10g/m2であった。
次いで反応染料インク液(C.I.Reactive Red 226 10%、ポエチレングリコール5%、グリセリン15%、εカプロラクタム5%、イオン交換水65%)を、上記捺染用紙上にインクジェットプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマンド型ピエゾインクジェットプリンター)によってプリントを行い、次いで紙を剥離した。
次いでこの反応染料で印刷した綿ニットを100℃・10分間、HTスチーム処理を行い、その後、常法により水洗・ソーピング・水洗・乾燥した。この様にして得られた捺染布は繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着しており、柔軟な風合を示す捺染布であった。
紙として坪量75g/m2、1.6m幅の未晒しクラフト紙の片面に、ボンコートAB−901(DIC社製アクリル系バインダー)を1.8g/m2塗布して乾燥する。
この紙と綿ニット(目付120g/m2)を貼り合わせ機を用いて貼り合わせる事によってニットの形状を固定化した。紙を貼り合わせた綿ニットに前処理剤として、FDアルギンBL(古川化学工業社製:アルギン酸ソーダ粉体)20g、尿素70g、m−ニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ15g、重層25g、水160gを混合し前処理糊を作る。この混合糊液をコンマコーター(横山製作所製)を使用して布帛に塗布・乾燥した。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は10g/m2であった。
次いで反応染料インク液(C.I.Reactive Red 226 10%、ポエチレングリコール5%、グリセリン15%、εカプロラクタム5%、イオン交換水65%)を、上記捺染用紙上にインクジェットプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマンド型ピエゾインクジェットプリンター)によってプリントを行い、次いで紙を剥離した。
次いでこの反応染料で印刷した綿ニットを100℃・10分間、HTスチーム処理を行い、その後、常法により水洗・ソーピング・水洗・乾燥した。この様にして得られた捺染布は繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着しており、柔軟な風合を示す捺染布であった。
実施例2
実施例1に於けるボンコートAB−901の代わりにNKバインダーAS‐93HN(水溶性アクリル酸エステル系33%水溶液:新中村化学工業社製)を2.0g/m2塗工、FDアルギンBL20gの代わりに、FDアルギンBL10gを使用する以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
実施例1に於けるボンコートAB−901の代わりにNKバインダーAS‐93HN(水溶性アクリル酸エステル系33%水溶液:新中村化学工業社製)を2.0g/m2塗工、FDアルギンBL20gの代わりに、FDアルギンBL10gを使用する以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
実施例3
実施例1に於けるボンコートAB−901の代わりに地張り剤バナレジンKS‐200(水溶性ポバール系20%水溶液:新中村化学工業社製)を2.0g/m2塗工する以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
実施例1に於けるボンコートAB−901の代わりに地張り剤バナレジンKS‐200(水溶性ポバール系20%水溶液:新中村化学工業社製)を2.0g/m2塗工する以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
実施例4
実施例1に於けるボンコートAB−901の代わりにNKバインダーAS‐93HN(水溶性アクリル酸エステル系33%水溶液:新中村化学工業社製)を2.0g/m2塗工し、繊維材料としてリヨセル(コートルズ社登録商標:テンセル)のサテン生地を密着させ、印刷機としてはインクジェットプリンターの代りにグラビア印刷機と水性顔料グラビアインキを用いて150℃で3分間キュアリングする以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した捺染布が得られた。
実施例1に於けるボンコートAB−901の代わりにNKバインダーAS‐93HN(水溶性アクリル酸エステル系33%水溶液:新中村化学工業社製)を2.0g/m2塗工し、繊維材料としてリヨセル(コートルズ社登録商標:テンセル)のサテン生地を密着させ、印刷機としてはインクジェットプリンターの代りにグラビア印刷機と水性顔料グラビアインキを用いて150℃で3分間キュアリングする以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した捺染布が得られた。
実施例5
実施例1に於ける綿ニット生地の代わりにナイロンタフタ生地を用い、前処理剤から重曹を省く代わりに酒石酸を3g加え、染料インクとして酸性染料インク、スチーミングは100℃で30分間処理する以外は同様に処理した結果、ナイロンタフタの捺染布は繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟で、耐光、洗濯、汗等の各種堅牢性も良好であった。
実施例1に於ける綿ニット生地の代わりにナイロンタフタ生地を用い、前処理剤から重曹を省く代わりに酒石酸を3g加え、染料インクとして酸性染料インク、スチーミングは100℃で30分間処理する以外は同様に処理した結果、ナイロンタフタの捺染布は繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟で、耐光、洗濯、汗等の各種堅牢性も良好であった。
実施例6
実施例1に於ける布帛の前処理剤の代わりに、ソルビトーゼC−5(エーテル化澱粉:AVEBE社製)60g、EX−100S(タマリンドガム:トモエ製糊社製)30g、酒石酸3g、EDTA3g、水800gの混合糊液を使用し、分散染料インク液(C.I.Disperse Blue60:6%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水64%)を使用してポリエステルサテン生地にプリントし、次いで紙を剥離したポリエステル生地を180℃・8分間、HTスチーム処理を行い、その後常法により水洗・還元洗浄・水洗・乾燥した。この様にして得られたポリエステル捺染布は繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟であり、各種堅牢性も4級以上であった。
実施例1に於ける布帛の前処理剤の代わりに、ソルビトーゼC−5(エーテル化澱粉:AVEBE社製)60g、EX−100S(タマリンドガム:トモエ製糊社製)30g、酒石酸3g、EDTA3g、水800gの混合糊液を使用し、分散染料インク液(C.I.Disperse Blue60:6%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水64%)を使用してポリエステルサテン生地にプリントし、次いで紙を剥離したポリエステル生地を180℃・8分間、HTスチーム処理を行い、その後常法により水洗・還元洗浄・水洗・乾燥した。この様にして得られたポリエステル捺染布は繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟であり、各種堅牢性も4級以上であった。
実施例7
実施例1に於ける布帛の前処理方法として、紙を貼り付ける前に同じ前処理剤を布帛へパッドドライする方法で同量付与する(工程の順番を変える)以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
実施例1に於ける布帛の前処理方法として、紙を貼り付ける前に同じ前処理剤を布帛へパッドドライする方法で同量付与する(工程の順番を変える)以外は同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
本発明は従来の捺染技術で問題の多かった柄模様のずれや汚れ等による不良品発生問題を解決し、精細な捺染図柄の表現を優れた経済性とエコロジー性の元に再現性良く安定生産できる技術を提供する全繊維材料を対象とする形状固定捺染法に関するものである。
特に本発明方法はインクジェットプリンターの高額な部品であるノズルの故障を減らし、搬送ベルトや洗浄装置などの高額な装置を不要ならしめ、滲み、汚れ図柄のズレ等による不良品の発生を減らす事ができ、更に公知方法に比べて一段と品質効果にも優れた製品の生産を可能とする環境適合性と共に経済性に優れた捺染法であり、捺染繊維製品の付加価値向上と用途拡大に大きく寄与する新規な形状固定捺染法である。
特に本発明方法はインクジェットプリンターの高額な部品であるノズルの故障を減らし、搬送ベルトや洗浄装置などの高額な装置を不要ならしめ、滲み、汚れ図柄のズレ等による不良品の発生を減らす事ができ、更に公知方法に比べて一段と品質効果にも優れた製品の生産を可能とする環境適合性と共に経済性に優れた捺染法であり、捺染繊維製品の付加価値向上と用途拡大に大きく寄与する新規な形状固定捺染法である。
Claims (9)
- 布帛に一時的接着剤を用いて紙又はフイルムを貼り付ける工程、紙又はフイルムを貼り付けられた布帛に前処理剤を塗布する工程、前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを貼り付けたまま、又は紙又はフイルムを剥離してから布帛上の染料又は顔料を固着処理したあと仕上げる工程を有する事を特徴とする繊維材料の形状固定捺染法。
- 前処理剤を付与された布帛に一時的接着剤を用いて紙又はフイルムを貼り付ける工程、次いで前処理剤を付与された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを貼り付けたまま、又は紙又はフイルムを剥離してから布帛上の染料又は顔料を固着処理したあと仕上げる工程を有する事を特徴とする繊維材料の形状固定捺染法。
- 布帛と紙又はフイルムの一時的接着剤として水性又は油性合成樹脂系バインダー、ゴム類、ホットメルト接着剤、又は天然系糊剤から選択された1種又は2種以上の混合物である事を特徴とする請求項1乃至2記載の繊維材料の形状固定捺染法。
- 紙又はフイルムを貼り付けられた布帛に塗布する前処理剤としては糊剤、固着剤、湿潤剤、浸透剤、ブリード防止剤、硬水軟化剤、帯電防止剤、均染剤、PH調整剤、濃染化剤、還元防止剤、防腐剤、防黴剤、脱気剤、消泡剤、水及び界面活性剤から選択された1種又は2種以上である事を特徴とする請求項1乃至3記載の形状固定捺染法。
- 紙又はフイルムを貼り付けた後、前処理剤を塗布された布帛に対して、水性染料インキ又は顔料インキを用いて柄模様を付与した後、染料或いは顔料を固着する事を特徴とする請求項1乃至5記載の形状固定捺染法。
- 布帛を構成する繊維材料として綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料、又はナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリアクリル等の合成繊維材料の織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊或いは交織品を対象として、形状固定捺染する事を特徴とする請求項1乃至5に記載の形状固定捺染法。
- 水性染料インク用の染料として、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、分散染料、カチオン染料を用いる事を、また、水性顔料インクの顔料として、2酸化チタン、亜鉛華、カーボン等の無機顔料、アントラキノン、キナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニン、アゾ系等の有機顔料、蛍光顔料を用いる事を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の形状固定捺染法。
- 布帛に貼り付けられる紙又はフイルムとしては、クラフトパルプ等の化学パルプ、グラインドパルプ等の機械パルプ、古紙を原料とする古紙パルプに各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、各種添加剤を配合して抄紙されたパルプ紙、再生紙、コート紙、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリ乳酸フイルム等を用いる事を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の形状固定捺染法。
- 繊維材料を捺染するにあたり、一時的接着剤を用いて未処理又は前処理剤を付与された布帛に紙又はフイルムを貼り付ける工程、未処理布帛の場合は紙又はフイルムを貼り付けられた布帛に前処理剤を塗布する工程、前処理剤を塗布された布帛に水性染料インキ又は水性顔料インキを用いて柄模様を付与する工程、最後に紙又はフイルムを貼り付けたまま、又は紙又はフイルムを剥離してから布帛上の染料又は顔料を固着処理したあと仕上げる工程を有する事を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の形状固定捺染法で捺染された繊維材料。
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JP2015087108A JP2016196723A (ja) | 2015-04-03 | 2015-04-03 | 繊維材料の形状固定捺染法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019208048A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インク吐出装置、印刷装置、及び、インク吐出装置の制御方法 |
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2015
- 2015-04-03 JP JP2015087108A patent/JP2016196723A/ja active Pending
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WO2019208048A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インク吐出装置、印刷装置、及び、インク吐出装置の制御方法 |
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