JP2016196721A - 着用者識別用被服および着用者識別用被服の着用者の支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、認知症患者に限らず、知的障害者や幼児等が家族等と外出中にはぐれたときも、同様に家族等の不安や心配を増大させることになる。
さらに、認知症患者や知的障害者以外の人であっても、心臓病等の身体に障害を持つ人の場合は、外出先で急な発作に見舞われて意思表示できなくなることもあり、その際に身元を特定できる身分証明書を持っていないと、身元特定が容易でなく、家族への連絡が遅れて、適切な対応ができなくなってしまう。
しかし、被服等に個人情報を明記すると、外観から一見して個人情報を第三者に知られてしまい、個人情報を悪用される懸念又は問題がある。
個人情報カードを所持する場合も、身元不明のような身元特定の必要性が生じる以外の状態のとき、個人情報カードを外出先で落としたりすると、悪用のリスクが生じる。ここで、懸念される個人情報の悪用の例としては、高齢者や認知症患者が訪問販売や振り込め詐欺のターゲットとされる懸念もある。
また、個人情報カードを首にぶら下げて所持させる方法も、同様の懸念が生じるだけでなく、本人が嫌がって意図的に所持しないで外出すると、身元特定に全く役立たないという問題もある。
特許文献2は、個人情報の所在を案内する個人情報案内物を開示しているが、係る個人情報案内物を見られたくない第三者(悪用する恐れのある人)にも個人情報を知られてしまう問題がある。
特許文献3は、個人情報を知られる懸念がないが、高齢者が無線通信装置を所持しない状態で家族の知らない間に外出すると、高齢者を追跡することができない。特に、高齢者が認知症患者の場合は、家族の知らない間に外出する際に無線通信装置を所持することを忘れることも多く、無線通信装置をポケットに入れた上着以外の服で外出すると追跡ができなくなる問題もある。
上半身用の被服部は、上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる。着用者識別情報表示部は、上半身用被服部の少なくとも一つの面(前面又は背面)の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれる。通報先情報表示部は、着用者の連絡先(例えば自宅住所・電話番号等)以外の情報であって、当該被服の着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人が通報できるように、通報先(例えば支援センターの電話番号等)と通報に関連する情報(例えば通報時に教えて欲しい着用者識別情報や着用者を保護した場所等)を記載している。
第1の発明によれば、着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族等に連絡することの可能な、着用者識別用被服が得られる。それによって、個人情報の悪用を確実に防止できる。
第2の発明によれば、地域又は地方によって異なる事業者が着用者識別用被服を販売し、着用者識別情報を一元管理できない場合でも、着用者識別情報と地域識別情報の組合せで着用者の身元を確実に割り出すことができる、着用者識別用被服が得られる。
第3の発明によれば、第2の発明と同様の効果に加えて、地域を広域と狭域の組合せで識別でき、着用者の身元割り出しが容易となる。
第4の発明によれば、第2の発明と同様の効果に加えて、着用者が広域地域を表す図柄に愛着又は親しみを持ち、着用者識別用被服の着用を嫌がるのを防止できる。
第5の発明によれば、着用しても蒸し暑くなることもなく、快適に着用できる。
支援センターは、少なくとも着用者識別用被服の複数の着用者に関するユーザー登録情報を記憶するユーザー登録情報記憶部と、通報装置(例えばユーザー登録情報記憶部を検索するコンピュータ及び電話等の通信機器)とを備える。
上半身用被服部は、上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる。着用者識別情報表示部は、上半身用被服部の少なくとも一つの面の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報を記載している(又は描いている)。通報先情報表示部は、着用者識別用被服の着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援してくれる人が通報できるように、通報先(例えば支援センターの電話番号・名称)と通報に関連する通報関連情報(例えば通報時に教えて欲しい、着用者識別情報や着用者を保護し現在居る場所等)を記載している。
ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、着用者識別情報と、各着用者の連絡先情報(例えば家族等への連絡先情報)とを予め登録しておく。そして、オペレーターは、ある着用者が身元不明となり、かつ第三者から着用者識別用被服の着用者識別情報表示部に描かれている着用者識別情報の通報を受けたとき、通報装置を操作して、ユーザー登録情報記憶部に登録されている着用者識別情報に基づいて当該着用者の連絡先情報を抽出し、当該連絡先情報に基づく連絡先に対して第三者から通報された着用者の所在場所情報を連絡する。
第6の発明によれば、着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族等に連絡することの可能な支援システムが得られ、家族に安心感を与えることができる。
第7の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏することのできる、支援システムが得られる。
図1はこの発明の一実施例の着用者識別用被服の外観図である。
図1を参照して、この実施例の着用者識別用被服10Aは、上半身用の下着の上に重ねて着用され、又は下着と上着の間に着用される中着であって、薄くて強靭性のある素材が用いられる上半身用の被服部11aを含む。
被服部11aは、自ら着用すること、又は家族等の補助者が着用させることが容易なように、ベスト状またはスポーツ用ビブスのような袖なし形状に選ばれる。すなわち、被服部11aは、前身頃と後ろ見頃を両脇で縫い合わせ、左右両側の袖部分を無くしてノースリーブとし、両腕を通し易い形状又は構造とされる。
なお、被服部11aの変形例として、前身頃と後身頃を両脇で縫い合わせることなく、前身頃と後身頃を幅の広いバンドで連結したような構造でもよい。
地域コード表示領域122は、広域の都道府県および市町村を識別するための広域地域コード(図示の例では、「KYKM」)と、狭域の町又は地区若しくは学区単位の地域を表す狭域地域コード(図示の例では、「TBS」)を表示する。
具体的には、出願人の住所を例にすれば、京都府を間接的に表す「KY」および亀岡市を間接的に表す「KM」を組み合わせたコード又は記号「KYKM」を広域地域コード、千歳町毘沙門西条を間接的に表すコード又は記号「TBS」を狭域地域コードとして表示した例を図示する。
このように、図柄および/または広域地域コードを用いて広域地域を示し、狭域地域コードを用いて狭域地域を示すことにより、個人情報の1つである住所そのものを用いることなく、着用者の居住地域を間接的に示すことができる。
また、地域情報表示部12に表示する情報としては、広域地域コードを省略して、広域地域を表す図柄と、狭域地域コードの組合せでもよい。
なお、地域情報表示部12に表示する広域地域コードおよび狭域地域コードは、広域地域および狭域地域と何の関連性もない記号又は番号を用いても良いことは勿論である。
また、着用者識別情報は、氏名を直接的に示すことのない氏名以外の情報であって、複数の着用者のそれぞれに割り当てられた記号と番号の組合せでもよい。将来的に、国の制度としてマイナンバー制が導入された場合は、マイナンバー(マイ番号)を用いてもよい。
また、着用者識別情報としてマイナンバーを用いる場合は、支援センター(図4参照)に対してマイナンバーを登録した着用者であれば、地域識別情報を用いなくてもマイナンバーだけで着用者の特定又は割り出しが可能なので、地域識別情報(又は地域情報表示部12)を省略しても差し支えない。
例えば、通報先情報表示部14には、着用者識別用被服10Aを着用した着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人(発見し連絡してくれる人)が通報できるように、通報先(支援センターの電話番号等)と、通報に関連する情報(通報時に教えて欲しい情報、例えば着用者を保護した場所や現在地等)を記載している。
より具体的には、「この被服を着用した人が自分の意思を伝えることができない場合、次の通報先(事業者の名称と電話番号)へご連絡下さい。その際、胸に表示している図柄,2種類のコードと、現在場所をお知らせ下さい。」等の説明文が記載される。
必要に応じて、「この被服の着用者を、弊社が提携している協力者又は支援機関をお伝えしますので、この被服の着用者をそこまでへ連れて行って頂けないでしょうか。」等のメッセージを記載してもよい。
薄くて強靭性のある素材としては、炭素繊維又はポリエステル等の素材が適している。
通気性の良い素材は涼しく蒸れにくく、透湿性の良い素材は汗をかいても汗を体外へ発散させる作用があるので、着心地よく快適に着用できる。
さらに、被服11が夏用(又は冬以外の季節で春,初夏,真夏,初秋,秋)の場合は、清潔で衛生的な状態を保つため、抗菌性及び/又は抗かび性を有する素材が用いられる。
これらの通気性及び/又は透湿性と、抗菌性及び/又は抗かび性を有する素材を有する素材としては、炭素繊維,メッシュ状に編んだポリエステル等の素材が適している。
また、着用者識別用被服10Aが夏用と冬用の2種類ある場合は、夏用の被服にのみ通気性,透湿性,抗菌性,抗かび性を有する素材を用いれば足り、冬用には必ずしも必要な性質ではない。
図2はこの発明の他の実施例の着用者識別用被服の外観図である。
図2の実施例に示す着用者識別用被服10Bが図1の実施例(10A)と異なる点は、次のように構成したことである。
この実施例の着用者識別用被服10Bは、被服部11の左右の腕を通す部分に袖部15を縫い付けた半袖タイプの形状であり、Tシャツ代わりに着用できように構成されるとともに、地域情報表示部12が図柄表示領域121と地域コード表示領域122によって図柄のデザインと一体的に見えるように構成される。
すなわち、地域情報表示部12は、図柄表示領域121の広域地域を示す図柄(例えばつつじの花)を囲むように、図柄の上部に地域コード表示領域122を配置して構成される。そして、図柄表示領域121の下部には、着用者識別情報表示部13が図柄を囲むように配置されることにより、地域コード表示領域122と着用者識別情報表示部13とが図柄表示領域121を取り囲むように表されて、地域情報表示部12と着用者識別情報表示部13とがデザイン的に一体に表現される。
この二次元バーコード記録領域16は、着用者が意思表示できない状態で身元不明者になった場合に、着用者を見つけて保護又は支援する支援者(善意の第三者)が自分自身のカメラ付の携帯電話又はスマートフォンで二次元バーコードを撮影して、撮影した二次元バーコードの画像とともに、着用者を発見・保護し現在居る場所・所在地等のテキストデータを支援センターへ送信するために利用される。
ここでも、二次元バーコード記録領域16には、着用者の個人情報(例えば、氏名,住所,生年月日)等に直接的に結びつく情報を一切記載していないので、着用者を保護した人が万一個人情報を悪用する意思のある人であったとしても、着用者の個人情報が直ちに知られる心配も全くない。
この場合、通報先等情報表示領域14には、例えば「この被服を着用した人が自分の意思を伝えることができない場合、次の電話番号(通報先)へご連絡頂くか、あなたの携帯電話又はスマートフォンのカメラで二次元バーコードを撮影した画像とともに、現在居る場所を記載してメール送信して下さい。電話で連絡頂く際は、胸に表示している図柄,2種類のコードと、現在場所もお知らせ下さい。」等の説明文を記載しておく。
また、着用者識別用被服10Bは、Tシャツとしても着用できるので、下着の上から重ね着してそのまま外出することもでき、そのような被服を着用していることを外見上から一目瞭然に認識できるので、身元不明者となったときの保護又は支援活動を速やかに行うことができる。
図3はこの発明のその他の実施例の着用者識別用被服の外観図である。
図3の実施例に示す着用者識別用被服10Cが図1の実施例と異なる点は、次のように構成したことである。
この実施例の着用者識別用被服10Cは、被服部11の首回り部分に襟17を縫い付けたポロシャツタイプであり、ポロシャツ代わりに着用できように構成されるとともに、通報先等情報表示部14に代えてカード収納ポケット18を形成したものである。
襟17の一部(図示では胸元に近い部分)には、着用者識別用被服10Cの着用者が身元等の意思表示をできない者であることを外見から判別容易なように、図柄表示部121に表示される図柄と同じような図柄が印刷される。
カード収納ポケット18は、被服部11の裾の近傍に縫い付けられ、その中に情報カード19を収納可能な大きさであって、情報カード19が不所望に脱落しないようにファスナー等で開閉自在に構成される。
カード収納ポケット18の取付け位置は、被服部11の裾の近傍に限らず、目立ち易い位置、例えば左右何れか一方の肩に近い胸上部の位置(図示の18´で示す点線部分の位置)にしてもよい。その理由は、被服部11の裾をズボンの内側に入れて着用する場合、通報先等情報を見つけ難くて通報が遅れることもあるのに対して、肩に近い胸上部に取付ければ情報カード19に気付き易く、迅速に通報できるからである。
この場合でも、情報カード19の裏面に記載される着用者識別情報は、着用者の氏名・住所等の着用者を直接的に特定する情報が含まれず、それだけでは着用者を直接的に特定できない着用者識別コード(記号又は番号)が記載される。また、地域識別情報には、着用者の住所を直接的に特定する情報が含まれず、広域地域と狭域地域の両方を特定できる情報が含まれる。
例えば、着用者識別情報としてマイナンバーを利用する場合や、この発明の着用者識別用被服の販売者(又は着用者を支援する支援センターの運営者)が着用者識別情報を全国的に一元管理している場合は、地域情報表示部12を必要としない。
しかし、着用者識別用被服の販売者又は支援センターの運営者が地方(例えば、北海道,東北,関東,東海,近畿,中国,四国,九州等の各地方)で別々に存在する場合は、着用者識別情報が一元管理されないので、地域情報表示部12が必要となる。
図4はこの発明の一実施例の着用者識別用被服を着用した着用者を支援するための支援システムの概念図である。
図4において、支援システム20は、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)と、支援センター21に設置されるパソコン30及びサーバー40を含んで構成される。すなわち、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)の販売者又は販売者から委託を受けた支援事業者は、サービスの一環として、支援センター21(サービスセンター)を配置する。支援センター21には、1または複数台の端末機の一例のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略称)30が設置されるとともに、サーバー40が設置される。
サーバー40には、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)の販売に関連して、当該被服10Aの着用者に関するユーザー情報が登録されて、データベース化される。ユーザー登録情報の詳細については、図5を参照して後述する。
図5において、支援センター21に設置されるパソコン30は、中央処理ユニット(以下、「CPU」と略称)31を含む。CPU31には、データバスを介して、メモリ等の記憶部32,入出力制御部33およびモデム34が接続される。記憶部32は、通報者からの通報を受けて着用者を割り出すためのプログラムを記憶する領域(不揮発性記憶領域)と、地図データを記憶する領域と、演算処理のためのワーキング領域(RAM領域)を含む。地図データに関連して、協力団体の名称と所在地のデータが登録される。モデム34は、インターネット網又は公衆回線網に接続される。
入出力制御部33には、キーボード35,モニター等の表示部36およびプリンタ37が接続される。また、各パソコン30が設置された支援センターには、複数のオペレーターが待機しており、各オペレーターに対応して通報装置の一つの電話機38が設置される。なお、電話機38はモデム34に接続してもよい。
これらのパソコン30および電話機38によって、通報装置が構成される。
ここで、家族連絡先情報記憶領域42eに登録される着用者の家族の連絡先情報は、自宅の電話番号と家族の代表者の携帯電話(又はスマートフォン)の電話番号、又は自宅の電話番号と配偶者や子供等の携帯電話等の電話番号等、複数の家族に連絡できるように複数登録しておくことが好ましい。
これらの各着用者の氏名,地域識別情報,着用者識別情報,家族の連絡先情報および着用者の顔写真登録先等の情報は、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を販売したときのユーザー登録書類(又はアンケート用紙)に記載のデータに基づいて、随時登録される。
顔写真データ記憶部43は、ユーザー登録書類の提出に併せて着用者の顔写真(又は写真データ)も提出してもらい、各着用者の着用者識別情報,地域識別情報等のデータ登録に関連して着用者の顔写真を画像データ化して登録しておく。
捜索届出情報記憶部44は、何れかの着用者が家族に無断で外出することにより、行方が分からない状態になり家族から捜索の要請を受けたとき、オペレーターがキーボード35を操作して着用者の氏名を入力すると、CPU41によってユーザー登録情報記憶部42から読み出された当該着用者(ユーザー)の氏名,着用者識別情報,地域識別情報および家族の連絡先情報等を一時記憶するとともに、当該着用者の顔写真データを一時記憶する記憶部である。
認知症等の高齢者には、毎朝、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)が家族によって上半身の下着の上に着せられ、その上に上着が着せられる。
そして、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)の着用者が家族に無断で外出した場合に早期に気づいた家族は、支援センター21へ連絡して、着用者の氏名および/または着用者識別情報とともに、無断で外出して行方不明であることをオペレーターに伝える。
CPU41は、ユーザー登録情報記憶部42にアクセスして、当該着用者の氏名に対応する着用者識別情報,地域識別情報,家族の連絡先情報および着用者の顔写真登録先等の情報を読み出して(又は抽出して)、捜索届出情報記憶部44に転送して一時記憶させるとともに、入出力制御部45,33を経由してこれらの情報をCPU31へ送信(転送)する。このとき、CPU41は、顔写真登録先等の情報に基づいて顔写真データ記憶部43に登録されている当該着用者の顔写真データを読み出して捜索届出情報記憶部44に一時記憶させるとともに、入出力制御部45,33を経由してCPU31へ送信する。
CPU31は、サーバー40から送信された当該着用者の氏名に対応する着用者識別情報,地域識別情報,家族の連絡先情報および着用者の顔写真データを記憶部32に一時記憶させるとともに、入出力制御部33を介して表示部36に表示させる。
さらに、オペレーターは、家族から当該着用者が出かけたときの服装・持ち物(カバン類)の特徴等を聞き、キーボード35の操作により服装等の特徴に関する情報を入力して、捜索届出情報記憶部44に登録しておく。
このようにして、家族から連絡を受けたオペレーターは、不明となった或る着用者の各種情報をサーバー40の捜索届出情報記憶部44に登録することにより、当該着用者の発見の通報に備える(準備する)。
この場合、捜索(尋ね人)連絡書には、行方不明の着用者に関する情報として、氏名や住所・電話番号等の個人情報に直接的に結びつく情報が一切記載されず、着用者の特定に間接的に役立つ着用者識別情報および地域識別情報や、着用者の発見に役立つ顔写真および服装等の特徴に関する情報だけが記載されているので、着用者の個人情報を確実に保護できるとともに、個人情報の悪用を防止できる。
それに気づいた第三者は、上着の下に着用している着用者識別用被服10A(又は10B)を見て、通報先等情報表示部14に記載されている説明内容を読み、通報先(支援センター21)へ電話等で連絡し、地域情報表示部12に記載されている(又は描かれた)地域識別情報と、着用者識別情報表示部13に記載されている着用者識別情報と、現在場所(又は周囲の目印となる建造物等)をオペレーターに伝える。
オペレーターは、通報者から聞いた着用者の特徴と着用者の外出時の服装や顔写真とを照合して、当該着用者であることを確認する。
そして、オペレーターは、地図データを参照して現在場所に近い協力団体(又は保護協力者;例えば22a〜22nの何れか)を調べて、通報者に対して「着用者を近くの協力団体の場所まで案内・誘導して頂けないでしょうか」と電話等で依頼する。さらに、オペレーターは、近くの協力団体にその旨を連絡して、「当該着用者(但し、氏名ではなく着用者識別コードで呼ぶ)がそちらへ着いたときは、家族が迎えに来るまでしばらく保護して(預かって)下さい」と依頼するとともに、当該着用者の家族の連絡先情報を参照して家族に連絡し、「着用者を保護している協力団体の場所まで迎えに行って下さい」と要請する。
そして、CPU41は、当該地域識別情報及び着用者識別情報に対応する着用者の家族への連絡先情報および顔写真データを読み出して(又は抽出して)、入出力制御部45,33を介してCPU31へ送信(又は転送)する。オペレーターは、顔写真データと通報者に聞いた着用者の顔立ち・外見上の特徴を比較して着用者を確認し、上述の事前に捜索届出のあった着用者を発見した場合の対応と同様に、通報者への要請や協力団体への手配、家族への連絡を行う。
このようにして、身元不明となった着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を着た着用者は、個人情報を第三者に知られることなく保護され、家族の元へ戻されることになる。
オペレーターは、送信された二次元バーコード画像を解析ソフトで解析して、着用者の着用者識別情報と地域識別情報を取得し、その着用者識別情報と地域識別情報をサーバー40のCPU41へ送信する。これに応じて、CPU41が送信された着用者識別情報と地域識別情報に基づいて捜索届出情報記憶部44又はユーザー登録情報記憶部42に登録されているユーザーの中から対応する着用者を割り出し、当該着用者に関する各種情報を読み出してCPU31へ送信する。それ以降のオペレーターの対応については、着用者識別用被服10Aを着た着用者を保護した場合と同様である。
また、自分の名前や親の名前・連絡先を意思表示できない幼児の場合でも、人混みの多い場所へ出かけるときに、着用者識別用被服10Aを着用させておけば、幼児が迷子になったときに、支援センター21から通報を受けることができる。
11 被服部
12 地域情報表示部
121 図柄表示部
122 地域コード表示領域
13 着用者識別情報表示部
14 通報先等情報表示部
15 袖部
16 二次元バーコード記録領域
17 襟
18 カード収納ポケット
19 情報カード
20 支援システム
21 支援センター
30 パソコン(端末機)
31,41 CPU
32 記憶部
33,45 入出力制御部
35 キーボード
36 表示部
40 サーバー
42 ユーザー登録情報記憶部
43 顔写真データ記憶部
44 捜索届出情報記憶部
例えば、通報先情報表示部14には、着用者識別用被服10Aを着用した着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人(発見し連絡してくれる人)が通報できるように、通報先(支援センターの電話番号等)と、通報に関連する情報(通報時に教えて欲しい情報、例えば着用者を保護した場所や現在地等)を記載している。
より具体的には、「この被服を着用した人が自分の意思を伝えることができない場合、次の通報先(事業者の名称と電話番号)へご連絡下さい。その際、胸に表示している図柄,2種類のコードと、現在場所をお知らせ下さい。」等の説明文が記載される。
必要に応じて、「弊社が提携している協力者又は支援機関をお伝えしますので、この被服の着用者をそこまでへ連れて行って頂けないでしょうか。」等のメッセージを記載してもよい。
Claims (7)
- 上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる上半身用の被服部、
前記上半身用被服部の少なくとも一つの面の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれた着用者識別情報表示部、および
着用者の連絡先情報ではなく、着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人が通報できるように、通報先の情報と通報に関連して教えて欲しい通報関連情報を記載した通報先等情報表示部を備えた、着用者識別用被服。 - 前記上半身用被服部には、前記着用者識別情報に関連して、着用者の住所以外の情報であって着用者の居住する地域を間接的に識別するための地域識別情報が描かれた地域情報表示部が設けられる、請求項1に記載の着用者識別用被服。
- 前記地域情報表示部に表示される前記地域識別情報は、着用者の居住する広域地域を表す広域地域情報と、狭域地域を表す狭域地域情報とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の着用者識別用被服。
- 前記地域情報表示部に描かれた前記地域識別情報は、着用者の居住する広域地域情報として当該広域地域を間接的に表す図柄と、狭域地域情報を表す地域コード情報とからなることを特徴とする、請求項3に記載の着用者識別用被服。
- 上半身用被服部は、通気性および透湿性のうちの少なくとも一方の性質を有する素材が選ばれる、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の着用者識別用被服。
- 着用者識別用被服を着た着用者を支援するための支援センターを含む支援システムであって、
前記着用者識別用被服は、
上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる上半身用被服部と、
前記上半身用被服部の少なくとも一つの面の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれた着用者識別情報表示部と、
前記被服を着用した着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人が通報できるように、通報先と通報に関連して教えて欲しい通報関連情報を記載した通報先等情報表示部とを備え、
前記支援センターは、
少なくとも前記着用者識別用被服の複数の着用者に関するユーザー登録情報を記憶するユーザー登録情報記憶部を備え、
前記ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、前記着用者識別情報と、各着用者の連絡先情報とを予め登録しておき、
ある着用者が身元不明となり、かつ第三者から着用者識別用被服の着用者識別情報表示部に描かれている着用者識別情報の通報を受けたとき、前記ユーザー登録情報記憶部に登録されている前記着用者識別情報に基づいて当該着用者の連絡先情報を抽出し、当該連絡先情報に基づく連絡先に対して第三者から通報された着用者の所在場所情報を連絡する通報装置をさらに備えた、支援システム。 - 前記上半身用被服部には、前記着用者識別情報に関連して、着用者の住所以外の情報であって着用者の居住する地域を間接的に識別するための地域識別情報を描いた地域情報表示部が設けられ、
前記ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、前記着用者識別情報に加えて、前記地域情報表示部に描かれた前記地域識別情報が登録され、
前記通報装置は、第三者から前記着用者識別情報とともに前記地域識別情報の通報を受けたとき、前記ユーザー登録情報記憶部に登録されている前記着用者識別情報と前記地域情報に基づいて当該着用者の連絡先情報を抽出することを特徴とする、請求項6に記載の支援システム。
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- 2015-04-06 JP JP2015077709A patent/JP6349482B2/ja active Active
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