JP2016196721A - 着用者識別用被服および着用者識別用被服の着用者の支援システム - Google Patents

着用者識別用被服および着用者識別用被服の着用者の支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族に連絡できるようにした着用者識別用被服及び支援システムを提供する。【解決手段】着用者識別用被服(10A)は上半身用の被服部(11)に着用者識別情報表示部(13)と通報先情報表示部(14)とを備える。上半身用の被服部は、下着の上から重ねて着用され薄くて強靭性のある素材が用いられる。着用者識別情報表示部は、被服部の一つの面の一部領域に、着用者の個人情報となる氏名ではなくかつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれる。通報先情報表示部は、着用者の連絡先以外の情報であって、被服の着用者が身元不明者となったとき、着用者を支援する人が通報できるように、通報先(支援センターの電話番号)と通報に関連する情報(通報時に教えて欲しい着用者識別情報,保護した場所)を記載している。【選択図】図1

Description

この発明は、着用者識別用被服および当該被服の着用者の支援システムに関し、特に例えば高齢者や認知症患者又は障害者等が外出先で迷って意思表示できなくなるような身元不明者になった場合に、着用者を識別できるようにした着用者識別用被服と、その被服に付された着用者識別情報等を頼りとして着用者の身元を特定できるようにした着用者の支援システムに関する。
近年、高齢者の認知症患者の増大が社会問題化している。特に、認知症患者は、家族の知らない間に外出して外出先で帰り道を忘れ、自分の氏名・自宅の住所・電話番号等の連絡先を第三者に対して意思表示できないこともあり、身元確認の遅れや家族への連絡の遅れを招き、家族の不安・心配を増大させることになっている。家族への連絡ができない場合は、認知症患者等の身元不明者を保護して預けられた行政機関又は福祉団体がその人を世話しなければならなくなり、これらの機関又は団体の負担増加を招くことになる。
また、認知症患者に限らず、知的障害者や幼児等が家族等と外出中にはぐれたときも、同様に家族等の不安や心配を増大させることになる。
さらに、認知症患者や知的障害者以外の人であっても、心臓病等の身体に障害を持つ人の場合は、外出先で急な発作に見舞われて意思表示できなくなることもあり、その際に身元を特定できる身分証明書を持っていないと、身元特定が容易でなく、家族への連絡が遅れて、適切な対応ができなくなってしまう。
かかる場合に、簡単な身元特定の方法としては、被服(特に上着)の一部に氏名,住所,電話番号等の個人情報を明記するか、個人情報を明記した個人情報カードを所持することが考えられる。
しかし、被服等に個人情報を明記すると、外観から一見して個人情報を第三者に知られてしまい、個人情報を悪用される懸念又は問題がある。
個人情報カードを所持する場合も、身元不明のような身元特定の必要性が生じる以外の状態のとき、個人情報カードを外出先で落としたりすると、悪用のリスクが生じる。ここで、懸念される個人情報の悪用の例としては、高齢者や認知症患者が訪問販売や振り込め詐欺のターゲットとされる懸念もある。
また、個人情報カードを首にぶら下げて所持させる方法も、同様の懸念が生じるだけでなく、本人が嫌がって意図的に所持しないで外出すると、身元特定に全く役立たないという問題もある。
一方、外出先で身元不明となった高齢者等の個人情報を特定する技術として、特許文献1や特許文献2がある。また、徘徊している高齢者を探す技術として、特許文献3がある。
特許文献1は、マトリックス型二次元バーコードを下着(衣類)に印刷したものであるが、バーコードを読み取るためのバーコード読取装置が手元になければ個人情報を読み取れず、着用者を特定することが容易でない。また、バーコード読取装置が手元にあったとしても、バーコードを読み取ることにより、住所・氏名等の個人情報を許容されていない第三者に知られてしまう問題もある。
特許文献2は、個人情報の所在を案内する個人情報案内物を開示しているが、係る個人情報案内物を見られたくない第三者(悪用する恐れのある人)にも個人情報を知られてしまう問題がある。
特許文献3は、個人情報を知られる懸念がないが、高齢者が無線通信装置を所持しない状態で家族の知らない間に外出すると、高齢者を追跡することができない。特に、高齢者が認知症患者の場合は、家族の知らない間に外出する際に無線通信装置を所持することを忘れることも多く、無線通信装置をポケットに入れた上着以外の服で外出すると追跡ができなくなる問題もある。
特開2006−249638号公報 特開2012−068553号公報 特開2002−271835号公報
この発明の主たる目的は、着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族等に連絡できるようにした、着用者識別用被服およびその被服着用者を支援する支援システムを提供することである。
この発明の他の目的は、身元不明者の連絡先を割り出して家族等の連絡先へ通報可能にするとともに、個人情報の悪用を防止し得る、着用者識別用被服およびその被服着用者を支援する支援システムを提供することである。
この発明のその他の目的は、着用者が着用者識別用被服を着用しているときに、不快に感じることのない、着用者識別用被服を提供することである。
第1の発明に係る着用者識別用被服(実施例との対応関係を示せば10A,10B,10C)は、上半身用の被服部(11)に、着用者識別情報表示部(13)と通報先情報表示部(14)とを備える。
上半身用の被服部は、上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる。着用者識別情報表示部は、上半身用被服部の少なくとも一つの面(前面又は背面)の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれる。通報先情報表示部は、着用者の連絡先(例えば自宅住所・電話番号等)以外の情報であって、当該被服の着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人が通報できるように、通報先(例えば支援センターの電話番号等)と通報に関連する情報(例えば通報時に教えて欲しい着用者識別情報や着用者を保護した場所等)を記載している。
第1の発明によれば、着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族等に連絡することの可能な、着用者識別用被服が得られる。それによって、個人情報の悪用を確実に防止できる。
第2の発明に係る着用者識別用被服は、第1の発明において、上半身用被服部には地域情報表示部が形成される。地域情報表示部は、着用者識別情報に関連して、着用者の住所以外の情報であって着用者の居住する地域を間接的に識別するための地域識別情報が描かれる。
第2の発明によれば、地域又は地方によって異なる事業者が着用者識別用被服を販売し、着用者識別情報を一元管理できない場合でも、着用者識別情報と地域識別情報の組合せで着用者の身元を確実に割り出すことができる、着用者識別用被服が得られる。
第3の発明に係る着用者識別用被服は、第2の発明において、上半身用の被服部に設けられる着用者識別情報表示部に関連して、地域識別情報を表示するための地域情報表示部が形成される。地域情報表示部は、地域識別情報として、着用者の居住する広域地域を表す広域地域情報と、狭域地域を表す狭域地域情報とを含む。
第3の発明によれば、第2の発明と同様の効果に加えて、地域を広域と狭域の組合せで識別でき、着用者の身元割り出しが容易となる。
第4の発明に係る着用者識別用被服は、第3の発明において、地域情報表示部に描かれた地域識別情報が、着用者の居住する広域地域情報として、当該広域地域を間接的に表す図柄と、狭域地域情報を表す狭域地域コード情報によって表示される。
第4の発明によれば、第2の発明と同様の効果に加えて、着用者が広域地域を表す図柄に愛着又は親しみを持ち、着用者識別用被服の着用を嫌がるのを防止できる。
第5の発明に係る着用者識別用被服は、第1の発明ないし第4の発明において、上半身用被服部が、通気性および透湿性のうちの少なくとも一方の性質を有する素材に選ばれる。
第5の発明によれば、着用しても蒸し暑くなることもなく、快適に着用できる。
第6の発明に係る支援システム(20)は、着用者識別用被服(10A,10B,10C)を着た着用者を支援するための支援センター(21)を含む。着用者識別用被服は、上半身用の被服部(11)に描かれる着用者識別情報表示部(13)と通報先情報表示部(14)とを備える。
支援センターは、少なくとも着用者識別用被服の複数の着用者に関するユーザー登録情報を記憶するユーザー登録情報記憶部と、通報装置(例えばユーザー登録情報記憶部を検索するコンピュータ及び電話等の通信機器)とを備える。
上半身用被服部は、上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる。着用者識別情報表示部は、上半身用被服部の少なくとも一つの面の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報を記載している(又は描いている)。通報先情報表示部は、着用者識別用被服の着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援してくれる人が通報できるように、通報先(例えば支援センターの電話番号・名称)と通報に関連する通報関連情報(例えば通報時に教えて欲しい、着用者識別情報や着用者を保護し現在居る場所等)を記載している。
ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、着用者識別情報と、各着用者の連絡先情報(例えば家族等への連絡先情報)とを予め登録しておく。そして、オペレーターは、ある着用者が身元不明となり、かつ第三者から着用者識別用被服の着用者識別情報表示部に描かれている着用者識別情報の通報を受けたとき、通報装置を操作して、ユーザー登録情報記憶部に登録されている着用者識別情報に基づいて当該着用者の連絡先情報を抽出し、当該連絡先情報に基づく連絡先に対して第三者から通報された着用者の所在場所情報を連絡する。
第6の発明によれば、着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族等に連絡することの可能な支援システムが得られ、家族に安心感を与えることができる。
第7の発明に係る支援システムは、第6の発明において、ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、着用者識別情報に加えて、地域情報表示部に描かれた地域識別情報が登録される。通報装置は、第三者から着用者識別情報とともに地域識別情報の通報を受けたとき、ユーザー登録情報記憶部に登録されている着用者識別情報と地域識別情報に基づいて当該着用者の家族の連絡先情報を抽出する。
第7の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏することのできる、支援システムが得られる。
この発明によれば、着用者の個人情報を第三者に知られることなく、着用者の家族等に確実に連絡することができる、着用者識別用被服と、その被服着用者を支援する支援システムが得られる。
また、この発明によれば、身元不明者の連絡先を割り出して家族等の連絡先へ通報可能にするとともに、個人情報の悪用を確実に防止できる、着用者識別用被服およびその被服着用者を支援する支援システムが得られる。
この発明の一実施例の着用者識別用被服の外観図である。 この発明の他の実施例の着用者識別用被服の外観図である。 この発明のその他の実施例の着用者識別用被服の外観図である。 この発明の一実施例の着用者識別用被服を着用した着用者を支援するための支援システムの概念図である。 この発明の一実施例の着用者識別用被服を着用した着用者を支援するための支援システムの詳細を示すブロック図である。
(実施例1)
図1はこの発明の一実施例の着用者識別用被服の外観図である。
図1を参照して、この実施例の着用者識別用被服10Aは、上半身用の下着の上に重ねて着用され、又は下着と上着の間に着用される中着であって、薄くて強靭性のある素材が用いられる上半身用の被服部11aを含む。
被服部11aは、自ら着用すること、又は家族等の補助者が着用させることが容易なように、ベスト状またはスポーツ用ビブスのような袖なし形状に選ばれる。すなわち、被服部11aは、前身頃と後ろ見頃を両脇で縫い合わせ、左右両側の袖部分を無くしてノースリーブとし、両腕を通し易い形状又は構造とされる。
なお、被服部11aの変形例として、前身頃と後身頃を両脇で縫い合わせることなく、前身頃と後身頃を幅の広いバンドで連結したような構造でもよい。
被服部11aには、少なくとも一つの面(図示では前身頃の前面を示すが背面でもよい)の一部の領域に、地域情報表示部12と、着用者識別情報表示部13と、通報先及び通報の方法等の通報先等情報表示部14とが形成される。
地域情報表示部12は、着用者の個人情報の1つである住所以外の地域情報であって、広い地域を表す広域地域情報と、狭い地域を表す狭域地域情報を表示する領域であり、被服部11aの一つの面(図示では前身頃)の目立つ位置に選ばれる。この地域情報表示部12に含まれる広域地域情報は、着用者の居住する広域(広い地域)を表す地域情報、例えば都道府県および/または市区町村(ここでいう「町村」は行政単位の町村を意味する)を連想させる図柄又は広域地域コードである。地域情報表示部12に含まれる狭域地域情報は、着用者の居住する狭域(狭い地域)を表す地域情報、例えば町又は地区若しくは学区単位の地域を表す狭域地域コードである。
図示の例では、地域情報表示部12が図柄表示領域121と、地域コード表示領域122とを含む。図柄表示領域121は、広域の行政区域となる市又は町の特徴を表す図柄、例えば市のシンボルとして指定された花(市花),木(市木),動物等をデザイン化して表示する領域である。この図柄表示領域121に描かれた図柄(図示では、亀岡市の市花の「さつき」をデザインした図柄を示す)を見れば、着用者がどの市町に住んでいる人かが間接的に分かる。
地域コード表示領域122は、広域の都道府県および市町村を識別するための広域地域コード(図示の例では、「KYKM」)と、狭域の町又は地区若しくは学区単位の地域を表す狭域地域コード(図示の例では、「TBS」)を表示する。
具体的には、出願人の住所を例にすれば、京都府を間接的に表す「KY」および亀岡市を間接的に表す「KM」を組み合わせたコード又は記号「KYKM」を広域地域コード、千歳町毘沙門西条を間接的に表すコード又は記号「TBS」を狭域地域コードとして表示した例を図示する。
このように、図柄および/または広域地域コードを用いて広域地域を示し、狭域地域コードを用いて狭域地域を示すことにより、個人情報の1つである住所そのものを用いることなく、着用者の居住地域を間接的に示すことができる。
ところで、広域地域情報は、広域地域に関連する図柄または広域地域コードの一方だけでもよいが、図柄を表示すれば着用者識別用被服10Aを着用することに愛着を感じさせることもでき、着用者が着用者識別用被服10Aの着用を嫌がるのを防止できる。
また、地域情報表示部12に表示する情報としては、広域地域コードを省略して、広域地域を表す図柄と、狭域地域コードの組合せでもよい。
なお、地域情報表示部12に表示する広域地域コードおよび狭域地域コードは、広域地域および狭域地域と何の関連性もない記号又は番号を用いても良いことは勿論である。
地域情報表示部12に関連して、着用者識別情報表示部13が形成される。着用者識別情報表示部13には、着用者の識別情報として、着用者の氏名を含まない識別コード(以下「着用者識別コード」)が描かれる。この着用者識別コードは、例えば着用者のイニシャル(図示の例では、出願人のイニシャル「SH」)と複数の着用者のそれぞれに割り当てられた通し番号(例えば「0123」)の組み合わせからなるコードを用いても良い。
また、着用者識別情報は、氏名を直接的に示すことのない氏名以外の情報であって、複数の着用者のそれぞれに割り当てられた記号と番号の組合せでもよい。将来的に、国の制度としてマイナンバー制が導入された場合は、マイナンバー(マイ番号)を用いてもよい。
なお、着用者識別情報としてマイナンバーを用いる場合は、番号だけで着用者個人を特定することが可能となるが、第三者にはマイナンバーと氏名との対応関係が分からなければ氏名を特定できないので、氏名等の個人情報を第三者に直接知られることもない。
また、着用者識別情報としてマイナンバーを用いる場合は、支援センター(図4参照)に対してマイナンバーを登録した着用者であれば、地域識別情報を用いなくてもマイナンバーだけで着用者の特定又は割り出しが可能なので、地域識別情報(又は地域情報表示部12)を省略しても差し支えない。
被服部11aの下方の裾の部分には、通報先・通報方法等の通報関連情報を記載(又は表示)した通報先等情報表示部14が形成される。通報先等情報表示部14には、着用者の氏名・住所や電話番号等の着用者を直接的に特定する氏名等の個人情報ではなく、着用者識別用被服10Aを着用した人が意思表示できない状態になったときに、当該着用者を支援する支援センター(又はサービスセンター;後述の図4に示す21)の通報先(着用者を発見し保護してくれる第三者にとっては唯一の連絡先)と、通報の方法等の情報が記載される。ここで、「通報先」は、着用者を発見し通報してくれる人にとっての連絡先の意味であり、支援センターから家族へ連絡する場合の「連絡先」と区別するため、異なる用語を用いている。
例えば、通報先情報表示部14には、着用者識別用被服10Aを着用した着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人(発見し連絡してくれる人)が通報できるように、通報先(支援センターの電話番号等)と、通報に関連する情報(通報時に教えて欲しい情報、例えば着用者を保護した場所や現在地等)を記載している。
より具体的には、「この被服を着用した人が自分の意思を伝えることができない場合、次の通報先(事業者の名称と電話番号)へご連絡下さい。その際、胸に表示している図柄,2種類のコードと、現在場所をお知らせ下さい。」等の説明文が記載される。
必要に応じて、「この被服の着用者を、弊社が提携している協力者又は支援機関をお伝えしますので、この被服の着用者をそこまでへ連れて行って頂けないでしょうか。」等のメッセージを記載してもよい。
そして、着用者識別用被服10Aの販売者は、後述の図4を参照して説明するように、着用者識別用被服10Aの販売に際して着用者の個人情報(氏名)や着用者識別情報及び地域識別情報に加えて、着用者の家族への連絡先等に関する情報をデータベース化しておき、第三者から連絡を受けたときにデータベース(図5のサーバー40に含まれるユーザー登録情報記憶部42)を参照して着用者を割り出して、家族等に連絡するために準備しておく。
被服部11aの一部領域の地域情報表示部12に描かれ又は記載される地域識別情報、着用者識別情報表示部13に記載される着用者識別情報、および通報先等情報表示部14に記載される通報先及び通報の方法等の情報は、印刷等の方法によって記載される。
また、被服部11aの素材は、薄くて強靭性のある素材が用いられる。薄くて強靭性のある素材を選ぶ理由は、着用者識別用被服10Aが下着の上に着るか、上着と下着の間に着るものであるため、重ね着しても厚着したような違和感が少なく、毎日着るものなので頻繁に洗濯しても破れ難いようにするためである。
薄くて強靭性のある素材としては、炭素繊維又はポリエステル等の素材が適している。
また、被服部11aは、着用者が快適に感じるように、通気性及び/又は透湿性を有する素材の繊維が選ばれる。例えば、被服11が夏用(又は冬以外の季節で春,初夏,真夏,初秋,秋)の場合は、通気性及び/又は透湿性の良い素材としては、生地がメッシュ状に織られたものや、小さな通気孔を多数形成したものが選ばれる。
通気性の良い素材は涼しく蒸れにくく、透湿性の良い素材は汗をかいても汗を体外へ発散させる作用があるので、着心地よく快適に着用できる。
さらに、被服11が夏用(又は冬以外の季節で春,初夏,真夏,初秋,秋)の場合は、清潔で衛生的な状態を保つため、抗菌性及び/又は抗かび性を有する素材が用いられる。
これらの通気性及び/又は透湿性と、抗菌性及び/又は抗かび性を有する素材を有する素材としては、炭素繊維,メッシュ状に編んだポリエステル等の素材が適している。
なお、被服部11aの素材は、通気性・透湿性の良い素材であるか、抗菌性・抗かび性を有する素材であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、何れか1つの性質を有するものであってもよい。
また、着用者識別用被服10Aが夏用と冬用の2種類ある場合は、夏用の被服にのみ通気性,透湿性,抗菌性,抗かび性を有する素材を用いれば足り、冬用には必ずしも必要な性質ではない。
また、実施例1の着用者識別用被服10Aや実施例2の着用者識別用被服10Bが外見上から着用していることを分かり難い場合、実施例3のように着用状態を分かり易くするために、襟17に描かれた広域地域を表す図柄と同様の図柄を描いたリボンを作成して同梱し、そのリボンを上着の目立つ位置にピン止めするように、取扱説明書に記載しても良い。
(実施例2)
図2はこの発明の他の実施例の着用者識別用被服の外観図である。
図2の実施例に示す着用者識別用被服10Bが図1の実施例(10A)と異なる点は、次のように構成したことである。
この実施例の着用者識別用被服10Bは、被服部11の左右の腕を通す部分に袖部15を縫い付けた半袖タイプの形状であり、Tシャツ代わりに着用できように構成されるとともに、地域情報表示部12が図柄表示領域121と地域コード表示領域122によって図柄のデザインと一体的に見えるように構成される。
すなわち、地域情報表示部12は、図柄表示領域121の広域地域を示す図柄(例えばつつじの花)を囲むように、図柄の上部に地域コード表示領域122を配置して構成される。そして、図柄表示領域121の下部には、着用者識別情報表示部13が図柄を囲むように配置されることにより、地域コード表示領域122と着用者識別情報表示部13とが図柄表示領域121を取り囲むように表されて、地域情報表示部12と着用者識別情報表示部13とがデザイン的に一体に表現される。
さらに必要に応じて、着用者識別用被服10Bは、通報先等情報表示領域14の近傍に、二次元バーコード記録領域16が形成される。この二次元バーコード記録領域16には、通報先となる販売者の支援センター(又はサービスセンター)の電子メールアドレスや着用者識別情報(必要に応じて地域識別情報)等が二次元バーコードで記録される。
この二次元バーコード記録領域16は、着用者が意思表示できない状態で身元不明者になった場合に、着用者を見つけて保護又は支援する支援者(善意の第三者)が自分自身のカメラ付の携帯電話又はスマートフォンで二次元バーコードを撮影して、撮影した二次元バーコードの画像とともに、着用者を発見・保護し現在居る場所・所在地等のテキストデータを支援センターへ送信するために利用される。
ここでも、二次元バーコード記録領域16には、着用者の個人情報(例えば、氏名,住所,生年月日)等に直接的に結びつく情報を一切記載していないので、着用者を保護した人が万一個人情報を悪用する意思のある人であったとしても、着用者の個人情報が直ちに知られる心配も全くない。
この場合、通報先等情報表示領域14には、例えば「この被服を着用した人が自分の意思を伝えることができない場合、次の電話番号(通報先)へご連絡頂くか、あなたの携帯電話又はスマートフォンのカメラで二次元バーコードを撮影した画像とともに、現在居る場所を記載してメール送信して下さい。電話で連絡頂く際は、胸に表示している図柄,2種類のコードと、現在場所もお知らせ下さい。」等の説明文を記載しておく。
二次元バーコード記録領域16付の着用者識別用被服10Bを着用していれば、着用者を保護又は支援した人がカメラ付の携帯電話又はスマートフォンのカメラを用いて二次元バーコードを撮影し、着用者を保護又は支援した場所若しくは現在の所在地に関する情報をメール文中に記載して送信することにより、簡単に支援センター(図4の21)へ連絡することが可能となる。
また、着用者識別用被服10Bは、Tシャツとしても着用できるので、下着の上から重ね着してそのまま外出することもでき、そのような被服を着用していることを外見上から一目瞭然に認識できるので、身元不明者となったときの保護又は支援活動を速やかに行うことができる。
(実施例3)
図3はこの発明のその他の実施例の着用者識別用被服の外観図である。
図3の実施例に示す着用者識別用被服10Cが図1の実施例と異なる点は、次のように構成したことである。
この実施例の着用者識別用被服10Cは、被服部11の首回り部分に襟17を縫い付けたポロシャツタイプであり、ポロシャツ代わりに着用できように構成されるとともに、通報先等情報表示部14に代えてカード収納ポケット18を形成したものである。
襟17の一部(図示では胸元に近い部分)には、着用者識別用被服10Cの着用者が身元等の意思表示をできない者であることを外見から判別容易なように、図柄表示部121に表示される図柄と同じような図柄が印刷される。
カード収納ポケット18は、被服部11の裾の近傍に縫い付けられ、その中に情報カード19を収納可能な大きさであって、情報カード19が不所望に脱落しないようにファスナー等で開閉自在に構成される。
カード収納ポケット18の取付け位置は、被服部11の裾の近傍に限らず、目立ち易い位置、例えば左右何れか一方の肩に近い胸上部の位置(図示の18´で示す点線部分の位置)にしてもよい。その理由は、被服部11の裾をズボンの内側に入れて着用する場合、通報先等情報を見つけ難くて通報が遅れることもあるのに対して、肩に近い胸上部に取付ければ情報カード19に気付き易く、迅速に通報できるからである。
情報カード19は、表面に支援センターなどの通報先(電話番号、フリーダイヤルの番号等)と連絡方法に関する説明情報が印刷等で記録され、裏面に着用者識別情報や必要に応じて地域情報(図柄と地域コード又は地域コードのみ等)が記録される。
この場合でも、情報カード19の裏面に記載される着用者識別情報は、着用者の氏名・住所等の着用者を直接的に特定する情報が含まれず、それだけでは着用者を直接的に特定できない着用者識別コード(記号又は番号)が記載される。また、地域識別情報には、着用者の住所を直接的に特定する情報が含まれず、広域地域と狭域地域の両方を特定できる情報が含まれる。
また、被服部11の胸部分の地域情報表示部12には、地域情報として、広域地域を図柄で表した図柄表示領域121だけを記録し、狭域地域情報(図示では記号「TSB」)を着用者識別情報表示部13に関連して表示するようにしてもよい。
ところで、上述の図1,図2,図3の各実施例では、着用者識別用被服10A,10B,10Cが何らかの地域識別情報を記載した地域情報表示部12を有する場合を説明したが、着用者識別情報表示部13に記載される着用者識別情報が全ての着用者のそれぞれに異なる情報を割り当てられる場合は、地域情報表示部12を省略しても差し支えない。
例えば、着用者識別情報としてマイナンバーを利用する場合や、この発明の着用者識別用被服の販売者(又は着用者を支援する支援センターの運営者)が着用者識別情報を全国的に一元管理している場合は、地域情報表示部12を必要としない。
しかし、着用者識別用被服の販売者又は支援センターの運営者が地方(例えば、北海道,東北,関東,東海,近畿,中国,四国,九州等の各地方)で別々に存在する場合は、着用者識別情報が一元管理されないので、地域情報表示部12が必要となる。
次に、上述の図1,図2,図3の各実施例の着用者識別用被服10A,10B,10Cを活用して着用者を保護し又は支援する場合の支援センターを含む支援システムの実施例を説明する。
(実施例4)
図4はこの発明の一実施例の着用者識別用被服を着用した着用者を支援するための支援システムの概念図である。
図4において、支援システム20は、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)と、支援センター21に設置されるパソコン30及びサーバー40を含んで構成される。すなわち、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)の販売者又は販売者から委託を受けた支援事業者は、サービスの一環として、支援センター21(サービスセンター)を配置する。支援センター21には、1または複数台の端末機の一例のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略称)30が設置されるとともに、サーバー40が設置される。
サーバー40には、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)の販売に関連して、当該被服10Aの着用者に関するユーザー情報が登録されて、データベース化される。ユーザー登録情報の詳細については、図5を参照して後述する。
販売者又は支援事業者は、警察・交番、市区町村の行政機関(市民センター,支所,福祉センター等)、又は待ち合い場所(椅子)のある郵便局や医院等の協力団体(又は保護協力者)に対して、着用者識別用被服10Aの着用者を見つけたときに通報してもらうとか、発見者が着用者を案内して連れて来たときに一時的に預かってもらう等の協力を、予め要請しておく。また、販売者又は支援事業者は、市区町村の行政機関等の協力団体と協力して、図1〜図3に示す着用者識別用被服10A,10B,10Cの着用者を見つけたときに通報を呼びかけるポスター等を掲示し、一般市民への広報活動を行うことが好ましい。
図5はこの発明の一実施例の着用者識別用被服を着用した着用者を支援するための支援システムの詳細を示すブロック図である。
図5において、支援センター21に設置されるパソコン30は、中央処理ユニット(以下、「CPU」と略称)31を含む。CPU31には、データバスを介して、メモリ等の記憶部32,入出力制御部33およびモデム34が接続される。記憶部32は、通報者からの通報を受けて着用者を割り出すためのプログラムを記憶する領域(不揮発性記憶領域)と、地図データを記憶する領域と、演算処理のためのワーキング領域(RAM領域)を含む。地図データに関連して、協力団体の名称と所在地のデータが登録される。モデム34は、インターネット網又は公衆回線網に接続される。
入出力制御部33には、キーボード35,モニター等の表示部36およびプリンタ37が接続される。また、各パソコン30が設置された支援センターには、複数のオペレーターが待機しており、各オペレーターに対応して通報装置の一つの電話機38が設置される。なお、電話機38はモデム34に接続してもよい。
これらのパソコン30および電話機38によって、通報装置が構成される。
サーバー40は、複数台のパソコン30から離れた場所に設置され、各パソコン30からアクセス可能とされる。このサーバー40は、CPU(サーバー用中央処理ユニット)41とユーザー登録情報記憶部42とを含む。ユーザー登録情報記憶部42は、書込み読出し可能な不揮発性メモリ(例えばハードディスク)が用いられ、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を購入したユーザー毎に、着用者の氏名を記憶する着用者氏名記憶領域42a,着用者識別情報を記憶する着用者識別情報記憶領域42b,地域識別情報を記憶する地域識別情報記憶領域42c,着用者の家族の連絡先情報を記憶する家族連絡先情報記憶領域42dおよび着用者の顔写真データの登録先ファイル名(後述の顔写真データ記憶部43の当該着用者の写真を保存しているファイル名又は先頭アドレス)を記憶する顔写真データ登録先記憶領域42eを含む。必要に応じて、ユーザー登録情報記憶部42は、支援システム20による支援を受けるための対価として、着用者の氏名別に年会費の支払状況を記憶する領域を追加してもよい。
ここで、家族連絡先情報記憶領域42eに登録される着用者の家族の連絡先情報は、自宅の電話番号と家族の代表者の携帯電話(又はスマートフォン)の電話番号、又は自宅の電話番号と配偶者や子供等の携帯電話等の電話番号等、複数の家族に連絡できるように複数登録しておくことが好ましい。
これらの各着用者の氏名,地域識別情報,着用者識別情報,家族の連絡先情報および着用者の顔写真登録先等の情報は、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を販売したときのユーザー登録書類(又はアンケート用紙)に記載のデータに基づいて、随時登録される。
また、CPU41には、データバスを介して、顔写真データ記憶部43,捜索届出情報記憶部44および入出力制御部45が接続される。この入出力制御部45には、複数のパソコン30に含まれる入出力制御部33が接続される。
顔写真データ記憶部43は、ユーザー登録書類の提出に併せて着用者の顔写真(又は写真データ)も提出してもらい、各着用者の着用者識別情報,地域識別情報等のデータ登録に関連して着用者の顔写真を画像データ化して登録しておく。
捜索届出情報記憶部44は、何れかの着用者が家族に無断で外出することにより、行方が分からない状態になり家族から捜索の要請を受けたとき、オペレーターがキーボード35を操作して着用者の氏名を入力すると、CPU41によってユーザー登録情報記憶部42から読み出された当該着用者(ユーザー)の氏名,着用者識別情報,地域識別情報および家族の連絡先情報等を一時記憶するとともに、当該着用者の顔写真データを一時記憶する記憶部である。
次に、この実施例の支援システム20によって、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を着用した着用者が家族に無断で外出し身元不明者となった場合に、着用者を割り出す仕組みを説明する。
認知症等の高齢者には、毎朝、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)が家族によって上半身の下着の上に着せられ、その上に上着が着せられる。
そして、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)の着用者が家族に無断で外出した場合に早期に気づいた家族は、支援センター21へ連絡して、着用者の氏名および/または着用者識別情報とともに、無断で外出して行方不明であることをオペレーターに伝える。
オペレーターは、キーボード35を操作して当該着用者の氏名を入力し、サーバー40に含まれるユーザー登録情報記憶部42にアクセスする。これに応じて、CPU31が当該着用者の氏名を、入出力制御部33,45を介してサーバー40のCPU41へ送信する。
CPU41は、ユーザー登録情報記憶部42にアクセスして、当該着用者の氏名に対応する着用者識別情報,地域識別情報,家族の連絡先情報および着用者の顔写真登録先等の情報を読み出して(又は抽出して)、捜索届出情報記憶部44に転送して一時記憶させるとともに、入出力制御部45,33を経由してこれらの情報をCPU31へ送信(転送)する。このとき、CPU41は、顔写真登録先等の情報に基づいて顔写真データ記憶部43に登録されている当該着用者の顔写真データを読み出して捜索届出情報記憶部44に一時記憶させるとともに、入出力制御部45,33を経由してCPU31へ送信する。
CPU31は、サーバー40から送信された当該着用者の氏名に対応する着用者識別情報,地域識別情報,家族の連絡先情報および着用者の顔写真データを記憶部32に一時記憶させるとともに、入出力制御部33を介して表示部36に表示させる。
さらに、オペレーターは、家族から当該着用者が出かけたときの服装・持ち物(カバン類)の特徴等を聞き、キーボード35の操作により服装等の特徴に関する情報を入力して、捜索届出情報記憶部44に登録しておく。
このようにして、家族から連絡を受けたオペレーターは、不明となった或る着用者の各種情報をサーバー40の捜索届出情報記憶部44に登録することにより、当該着用者の発見の通報に備える(準備する)。
より好ましくは、オペレーターは、提携している協力団体に情報提供するために、キーボード35を操作して捜索(尋ね人)連絡書の作成を行う。これに応じて、CPU31は、不明の着用者の着用者識別情報,地域識別情報,顔写真および服装等の特徴に関する情報を印刷して、捜索連絡書を作成する。オペレーターは、この捜索(尋ね人)連絡書をファクシミリ(FAX)又は電子メールにより協力団体へ送信して、当該着用者の発見に役立つように手配する(又は第三者からの通報に備える)。
この場合、捜索(尋ね人)連絡書には、行方不明の着用者に関する情報として、氏名や住所・電話番号等の個人情報に直接的に結びつく情報が一切記載されず、着用者の特定に間接的に役立つ着用者識別情報および地域識別情報や、着用者の発見に役立つ顔写真および服装等の特徴に関する情報だけが記載されているので、着用者の個人情報を確実に保護できるとともに、個人情報の悪用を防止できる。
一方、家族に無断で外出した着用者は、外出先で帰りの道順を忘れて第三者から氏名や住所を聞かれても自分の氏名等を答えられずに身元不明者となった場合、周りにいる誰かに助けを求めるか、行き先が分からずに途方に暮れて立ち止まることになる。
それに気づいた第三者は、上着の下に着用している着用者識別用被服10A(又は10B)を見て、通報先等情報表示部14に記載されている説明内容を読み、通報先(支援センター21)へ電話等で連絡し、地域情報表示部12に記載されている(又は描かれた)地域識別情報と、着用者識別情報表示部13に記載されている着用者識別情報と、現在場所(又は周囲の目印となる建造物等)をオペレーターに伝える。
第三者からの通報を受けたオペレーターは、キーボード35を操作して着用者識別情報と地域識別情報を入力し、着用者の身元の割り出しを行う。すなわち、これらの情報がCPU31から入出力制御部33,45を介してサーバー40へ送信される。サーバー40側のCPU41は、パソコン30から送信される地域識別情報と着用者識別情報に基づいて、捜索届出情報記憶部44を先に(又は優先的に)検索し、当該記憶部44に当該地域識別情報と着用者識別情報が登録されているか否かを検索し、登録されていれば対応する着用者の外出時の服装や顔写真データを読み出してCPU31へ送信する。この検索結果の各種データがCPU31によって表示部36に表示される。
オペレーターは、通報者から聞いた着用者の特徴と着用者の外出時の服装や顔写真とを照合して、当該着用者であることを確認する。
そして、オペレーターは、地図データを参照して現在場所に近い協力団体(又は保護協力者;例えば22a〜22nの何れか)を調べて、通報者に対して「着用者を近くの協力団体の場所まで案内・誘導して頂けないでしょうか」と電話等で依頼する。さらに、オペレーターは、近くの協力団体にその旨を連絡して、「当該着用者(但し、氏名ではなく着用者識別コードで呼ぶ)がそちらへ着いたときは、家族が迎えに来るまでしばらく保護して(預かって)下さい」と依頼するとともに、当該着用者の家族の連絡先情報を参照して家族に連絡し、「着用者を保護している協力団体の場所まで迎えに行って下さい」と要請する。
一方、第三者から通報を受けた着用者が家族等から行方不明の連絡を受けていない人である場合は、CPU41が捜索届出情報記憶部44を検索しても、捜索届出の登録がないので、パソコン30から送信される着用者識別情報と地域識別情報に基づいてユーザー登録情報記憶部42を検索する。
そして、CPU41は、当該地域識別情報及び着用者識別情報に対応する着用者の家族への連絡先情報および顔写真データを読み出して(又は抽出して)、入出力制御部45,33を介してCPU31へ送信(又は転送)する。オペレーターは、顔写真データと通報者に聞いた着用者の顔立ち・外見上の特徴を比較して着用者を確認し、上述の事前に捜索届出のあった着用者を発見した場合の対応と同様に、通報者への要請や協力団体への手配、家族への連絡を行う。
このようにして、身元不明となった着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を着た着用者は、個人情報を第三者に知られることなく保護され、家族の元へ戻されることになる。
ところで、身元不明となった着用者が着用者識別用被服10Bを着用している場合は、オペレーターが通報者に「あなたの携帯電話かスマートフォンがカメラ付であれば、二次元バーコード記録領域16のバーコードを写真に撮り、メール添付で送って下さい」と依頼するとともに、現在場所を尋ねる。通報者が二次元バーコードを撮影しメール送信すると、二次元バーコードに記録された画像がインターネット網及びモデム34を介して送信宛先の支援センター21内の何れかのオペレーターのパソコン30に届く(受信される)。
オペレーターは、送信された二次元バーコード画像を解析ソフトで解析して、着用者の着用者識別情報と地域識別情報を取得し、その着用者識別情報と地域識別情報をサーバー40のCPU41へ送信する。これに応じて、CPU41が送信された着用者識別情報と地域識別情報に基づいて捜索届出情報記憶部44又はユーザー登録情報記憶部42に登録されているユーザーの中から対応する着用者を割り出し、当該着用者に関する各種情報を読み出してCPU31へ送信する。それ以降のオペレーターの対応については、着用者識別用被服10Aを着た着用者を保護した場合と同様である。
上述の説明では、着用者識別用被服10A(又は10B,10C)を着用した人が認知症等の高齢者の場合を説明したが、着用者識別用被服の着用対象となる人は高齢者に限らず、知的障害者や、心臓発作の懸念のある心臓病患者等にも適用できる。
また、自分の名前や親の名前・連絡先を意思表示できない幼児の場合でも、人混みの多い場所へ出かけるときに、着用者識別用被服10Aを着用させておけば、幼児が迷子になったときに、支援センター21から通報を受けることができる。
この発明は、高齢者や認知症患者又は障害者等が外出先で迷って意思表示できなくなるような身元不明者になった場合に、着用者を識別して身元を割り出すことのできる着用者識別用被服と、その被服に付された着用者識別情報等を頼りとして着用者の身元を特定できるようにした支援システムを実現でき、産業上の利用可能性が高い。
10A,10B,10C 着用者識別用被服
11 被服部
12 地域情報表示部
121 図柄表示部
122 地域コード表示領域
13 着用者識別情報表示部
14 通報先等情報表示部
15 袖部
16 二次元バーコード記録領域
17 襟
18 カード収納ポケット
19 情報カード
20 支援システム
21 支援センター
30 パソコン(端末機)
31,41 CPU
32 記憶部
33,45 入出力制御部
35 キーボード
36 表示部
40 サーバー
42 ユーザー登録情報記憶部
43 顔写真データ記憶部
44 捜索届出情報記憶部
服部11aの下方の裾の部分には、通報先・通報方法等の通報関連情報を記載(又は表示)した通報先等情報表示部14が形成される。通報先等情報表示部14には、着用者の氏名・住所や電話番号等の着用者を直接的に特定する氏名等の個人情報ではなく、着用者識別用被服10Aを着用した人が意思表示できない状態になったときに、当該着用者を支援する支援センター(又はサービスセンター;後述の図4に示す21)の通報先(着用者を発見し保護してくれる第三者にとっては唯一の連絡先)と、通報の方法等の情報が記載される。ここで、「通報先」は、着用者を発見し通報してくれる人にとっての連絡先の意味であり、支援センターから家族へ連絡する場合の「連絡先」と区別するため、異なる用語を用いている。
えば、通報先情報表示部14には、着用者識別用被服10Aを着用した着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人(発見し連絡してくれる人)が通報できるように、通報先(支援センターの電話番号等)と、通報に関連する情報(通報時に教えて欲しい情報、例えば着用者を保護した場所や現在地等)を記載している。
り具体的には、「この被服を着用した人が自分の意思を伝えることができない場合、次の通報先(事業者の名称と電話番号)へご連絡下さい。その際、胸に表示している図柄,2種類のコードと、現在場所をお知らせ下さい。」等の説明文が記載される。
要に応じて、「弊社が提携している協力者又は支援機関をお伝えしますので、この被服の着用者をそこまでへ連れて行って頂けないでしょうか。」等のメッセージを記載してもよい。
また、被服部11の胸部分の地域情報表示部12には、地域情報として、広域地域を図柄で表した図柄表示領域121だけを記録し、狭域地域情報(図示では記号「TBS」)を着用者識別情報表示部13に関連して表示するようにしてもよい。

Claims (7)

  1. 上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる上半身用の被服部、
    前記上半身用被服部の少なくとも一つの面の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれた着用者識別情報表示部、および
    着用者の連絡先情報ではなく、着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人が通報できるように、通報先の情報と通報に関連して教えて欲しい通報関連情報を記載した通報先等情報表示部を備えた、着用者識別用被服。
  2. 前記上半身用被服部には、前記着用者識別情報に関連して、着用者の住所以外の情報であって着用者の居住する地域を間接的に識別するための地域識別情報が描かれた地域情報表示部が設けられる、請求項1に記載の着用者識別用被服。
  3. 前記地域情報表示部に表示される前記地域識別情報は、着用者の居住する広域地域を表す広域地域情報と、狭域地域を表す狭域地域情報とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の着用者識別用被服。
  4. 前記地域情報表示部に描かれた前記地域識別情報は、着用者の居住する広域地域情報として当該広域地域を間接的に表す図柄と、狭域地域情報を表す地域コード情報とからなることを特徴とする、請求項3に記載の着用者識別用被服。
  5. 上半身用被服部は、通気性および透湿性のうちの少なくとも一方の性質を有する素材が選ばれる、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の着用者識別用被服。
  6. 着用者識別用被服を着た着用者を支援するための支援センターを含む支援システムであって、
    前記着用者識別用被服は、
    上半身用の下着の上から重ねて着用され、薄くて強靭性のある素材が用いられる上半身用被服部と、
    前記上半身用被服部の少なくとも一つの面の一部の領域に、着用者の個人情報を直接的に特定する氏名ではなく、かつ着用者の個人情報を間接的に特定するのに役立つ着用者識別情報が描かれた着用者識別情報表示部と、
    前記被服を着用した着用者が身元不明者となったときに、着用者を支援する人が通報できるように、通報先と通報に関連して教えて欲しい通報関連情報を記載した通報先等情報表示部とを備え、
    前記支援センターは、
    少なくとも前記着用者識別用被服の複数の着用者に関するユーザー登録情報を記憶するユーザー登録情報記憶部を備え、
    前記ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、前記着用者識別情報と、各着用者の連絡先情報とを予め登録しておき、
    ある着用者が身元不明となり、かつ第三者から着用者識別用被服の着用者識別情報表示部に描かれている着用者識別情報の通報を受けたとき、前記ユーザー登録情報記憶部に登録されている前記着用者識別情報に基づいて当該着用者の連絡先情報を抽出し、当該連絡先情報に基づく連絡先に対して第三者から通報された着用者の所在場所情報を連絡する通報装置をさらに備えた、支援システム。
  7. 前記上半身用被服部には、前記着用者識別情報に関連して、着用者の住所以外の情報であって着用者の居住する地域を間接的に識別するための地域識別情報を描いた地域情報表示部が設けられ、
    前記ユーザー登録情報記憶部には、着用者識別用被服の着用者別に、前記着用者識別情報に加えて、前記地域情報表示部に描かれた前記地域識別情報が登録され、
    前記通報装置は、第三者から前記着用者識別情報とともに前記地域識別情報の通報を受けたとき、前記ユーザー登録情報記憶部に登録されている前記着用者識別情報と前記地域情報に基づいて当該着用者の連絡先情報を抽出することを特徴とする、請求項6に記載の支援システム。
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