JP2016196678A - Rfマグネトロンスパッタリング装置 - Google Patents

Rfマグネトロンスパッタリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属基板の最表層に比べて結晶配向がより改善した酸化物層を形成することができ、しかも、より高速かつ効率的に製造することができる、エピタキシャル成長用積層基材を製造するためのRFスパッタリング装置を提供することを目的とする。【解決手段】帯状の金属基板20を搬送するための搬送部30と、金属基板20に対向するように配置される酸化物のターゲット10と、金属基板20及びターゲット10の間に配置される、開口部40aを有するマスク40とを備えるRFマグネトロンスパッタリング装置1Aであって、開口部40aが、開口部40aを通して金属基板20上に成膜する際に、金属基板20上の成膜位置での垂線と、開口部40aによって区画されるターゲット10上の領域における、前記成膜位置から最短距離にある前記領域の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度が15°以内になるように形成されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、RFマグネトロンスパッタリング装置に関する。
超電導線材は、金属基板の上に、酸化セリウム(CeO)、ジルコニア添加酸化イットリウム(YSZ)、酸化イットリウム(Y)等の酸化物層やバッファー層等からなる単層又は複数層の中間層を積層して超電導線材用積層基材(エピタキシャル成長用積層基材)を形成し、この超電導線材用積層基材の上に、さらに超電導層(RE123膜等、RE:Y、Gd、Ho、Sm、Dy等)を積層することで製造する。
上記超電導線材においては、超電導層の結晶配向性が高いほど、得られる超電導特性が改善することが知られている。超電導層は、スパッタ法、パルスレーザー蒸着(PLD)法等の気相成長法や、塗布熱分解(MOD)法等の液相成長法を用いて、表層が結晶配向した超電導線材用積層基材の上に酸化物超電導体を所定の方向に結晶成長させて形成するため、超電導層の結晶配向性を向上させるには超電導線材用積層基材の結晶配向性を高めることが有効となる。
結晶配向性に優れた超電導線材用積層基材(エピタキシャル成長用積層基材)を得るための手段として、例えば(特許文献1)には、配向金属基板上に、中間層、酸化物超電導層が順に積層されている酸化物超電導薄膜線材の製造方法であって、前記中間層の形成工程が、少なくとも、前記配向金属基板上にRFスパッタリング法を用いてCeO層を形成するCeO層形成工程と、前記CeO層上に電子ビーム蒸着法を用いてY層を形成するY層形成工程とを備えていることを特徴とする酸化物超電導薄膜線材の製造方法が開示されている。RFスパッタリングによって、配向金属基板上にCeO層を高い配向率で形成することができ、そのCeO層の結晶性の影響を受けて、上層であるY層の配向性が高まるとされている。
特開2012−243499号公報
上記のように、金属基板の最表層を予め結晶配向させておき、その金属基板最表層の結晶配向を引き継いで酸化物層をエピタキシャル成長させたエピタキシャル成長用積層基材においては、酸化物層の結晶配向性をより一層高めることが求められており、そのための製造装置としてRFスパッタリング装置が用いられている。しかし、酸化物層の結晶配向を金属基板最表層の結晶配向よりもむしろ改善させることができるRFスパッタリング装置については従来知られていない。また、そのような、酸化物層の結晶配向を金属基板の最表層の結晶配向よりも向上させたエピタキシャル成長用積層基材を製造する際には、より高速かつ効率的な製造を可能にして量産性を高めることが求められるが、従来のRFスパッタリング装置では高速かつ効率的な製造に十分対応することができなかった。
そこで本発明は、金属基板の最表層に比べて結晶配向がより改善した酸化物層を形成することができ、しかも、より高速かつ効率的に製造することができる、エピタキシャル成長用積層基材を製造するためのRFスパッタリング装置を提供することを目的とする。なお、本明細書においてエピタキシャル成長用積層基材とは、金属基板とその上に形成された酸化物層とを含む積層基材を指し、その上に超電導層を形成して超電導線材を製造するために使用される超電導線材用積層基材の他、Si等の太陽光発電層を成膜するための基材や、半導体層を成膜するための半導体用積層基材等を含む概念である。
本発明者らが鋭意研究を行った結果、RFマグネトロンスパッタリング装置を用いて金属基板上へ酸化物層を成膜するに際し、酸化物層を構成するスパッタターゲットと金属基板における成膜位置との相対位置が所定の範囲内に制御された状態とすることによって、酸化物層の結晶配向が金属基板の最表層の結晶配向よりも向上した状態が得られることを見出した。さらに、上記のように相対位置が所定の範囲内に制御された装置を用いて行う成膜は、金属基板と酸化物層の界面近傍でのみ行えば良く、その後は非最適条件にて成膜を行っても最終的な酸化物層の高い結晶配向は維持されることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)帯状の金属基板を搬送するための搬送部と、前記金属基板に対向するように配置される酸化物のターゲットと、前記金属基板及び前記ターゲットの間に配置される、開口部を有するマスクとを備えるRFマグネトロンスパッタリング装置であって、
前記開口部が、前記開口部を通して前記金属基板上に成膜する際に、前記金属基板上の成膜位置での垂線と、前記開口部によって区画される前記ターゲット上の領域における、前記成膜位置から最短距離にある前記領域の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度が15°以内になるように形成される前記RFマグネトロンスパッタリング装置。
(2)搬送される前記金属基板上に酸化物から構成される結晶配向性改善層が前記開口部を通して成膜された後、前記結晶配向性改善層上に酸化物から構成される第2酸化物層が前記開口部を通さず成膜されるように、前記マスクが、前記金属基板及び前記ターゲットの間のうち搬送方向に沿って前半部分のみに配置される上記(1)に記載のRFマグネトロンスパッタリング装置。
(3)前記金属基板上の同一の成膜位置に前記開口部を通る成膜と前記開口部を通らない成膜とが同時に行われることを防ぐ仕切り部が、前記マスクが配置される前半部分と前記マスクが配置されない後半部分との間に配置される上記(2)に記載のRFマグネトロンスパッタリング装置。
(4)帯状の金属基板を搬送するための搬送部と、前記金属基板に対向するように配置される酸化物のターゲットとを備えるRFマグネトロンスパッタリング装置であって、
前記ターゲットが、搬送される前記金属基板上に酸化物から構成される結晶配向性改善層を成膜するための前半部分の第一ターゲットと、前記結晶配向性改善層上に酸化物から構成される第2酸化物層を成膜するための後半部分の第二ターゲットとから構成され、
前記結晶配向性改善層を成膜する際における、前記金属基板上の成膜位置での垂線と、前記成膜位置から最短距離にある前記第一ターゲット上の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度が15°以内であり、
前記金属基板上の同一の成膜位置に前記第一ターゲットによる成膜と前記第二ターゲットによる成膜が同時に行われることを防ぐ仕切り部が、前記第一ターゲットと前記第二ターゲットとの間に配置される前記RFマグネトロンスパッタリング装置。
本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置によれば、金属基板の最表層に比べてΔφ及びΔωが小さく結晶配向が改善した酸化物層を、より高速且つ効率的に成膜し、優れた特性を有するエピタキシャル成長用積層基材を得ることができる。また、得られる酸化物層の結晶配向について、所定の結晶方位からある程度以上ずれている面積の割合を低減することができる。
本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置の第一の実施形態を示す図である。 本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置による成膜方法を説明するための図である。 本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置の第二の実施形態を示す図である。 本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置の第三の実施形態を示す図である。 参考例における成膜方法を説明するための図である。 参考例の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置の第一の実施形態を図1及び図2に基づき説明する。図1のRFマグネトロンスパッタリング装置1Aは、帯状の金属基板20を搬送するための搬送部30と、金属基板20に対向するように配置される酸化物のターゲット10と、金属基板20及びターゲット10の間に配置されるマスク40とを備える。ターゲット10の下部には電極及び永久磁石が備えられ、搬送部30には対向電極が備えられ、2つの電極間に高周波電圧を印加することにより、加速したガスイオンがターゲット10に衝突して酸化物の分子が放出され、金属基板20上に成膜される。マスク40は開口部40aを有し、開口部40aの開口形状に対応してターゲット10上の領域の一部が区画されており、その区画された領域から放出された分子は開口部40aを通過して金属基板20上に成膜されるように構成されている。搬送部30の構成は特に限定されるものではなく、例えばローラ対(図示せず)によって金属基板20を挟持する等の一般的な手段を採用して、帯状の金属基板20を連続的に、図1の矢印方向へ所定の速度で搬送することができる。また、搬送部30は、必要に応じてヒーターを内蔵し、金属基板20の温度を制御することが可能である。
図1のRFマグネトロンスパッタリング装置は、便宜のため図示を省略しているが、ガス供給手段、ガス排気手段、電力供給手段、反応室等のRFマグネトロンスパッタリング装置が通常備えるべき各構成を有している。
ガス供給手段は、ガス容器、流量計及びそれらを接続する配管等により構成されている。スパッタガスとして複数のガスを混合して用いる場合、流量計はそれぞれのガスの配管に取り付けられ、ガス流量を各ガス毎に制御することが可能である。また、ガス排気手段は、ポンプ等から構成され、ポンプの前段に設けられたバルブにより排気量を調整し、反応室内のガス圧力を調節することができる。さらに、電力供給手段は、高周波電源等を備えている。
また、ターゲット10と金属基板20の間には、必要に応じてシャッター(図示せず)を設置することができる。このシャッターを放電開始時に閉じることにより、プレスパッタリングを行うことができる。プレスパッタリングを行うことにより、ターゲット10表面の不純物を除去することができ、また、ターゲット10が急速な温度上昇によって割れないように、低いRF電力で放電を開始してターゲット10の温度を徐々に増加させることができる。
搬送部30によって搬送される金属基板20は、最表層のc軸配向率が99%以上であることが好ましい。c軸配向率は、X線回折のθ/2θ測定での(200)面の回折ピーク強度率から求められ、(200)面が金属基板の表面と垂直になっている割合を示している。具体的には、c軸配向率(%)=I(200)/ΣI(hkl)×100(%)により求められる。また、最表層の面内配向度(Δφ)及び面外配向度(Δω)については、Δφ≦6°、Δω≦8°であることが好ましく、特に超電導線材に用いる場合は、Δφ≦5°、Δω≦6°であることがより好ましい。いずれも、最表層のEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定により求めることができる。EBSDとは、SEM(Scanning Electron Microscope:走査電子顕微鏡)内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折(菊池パターン)を利用して結晶方位を解析する技術である。通常、電子線は最表層表面に照射され、このとき得られる情報は電子線が侵入する数十nmの深さまでの方位情報、すなわち最表層の方位情報である。
金属基板20の最表層は、特に限定されず種々の金属を含むことができる。例えば、ニッケル、銅、銀、タングステン、バナジウム、クロム、モリブデン、マンガン、アルミニウム、鉄及びパラジウムよりなる群から選ばれる1種以上又はそれらの合金を含むことができ、特に、ニッケル又はニッケル合金を含むことが好ましい。金属基板が複数の層から構成される場合、最表層にニッケル又はニッケル合金が含まれると、金属基板上に設けられる酸化物層によって最表層が酸化され、結晶配向が乱れるのを防止することができる。
また、金属基板20は、最表層が上記のような所定の結晶配向を有していれば良く、その下層に例えば無配向の別の金属層が存在しても良い。一実施形態において、本発明における金属基板は、非磁性の金属板と、その非磁性の金属板の上に積層され、熱処理により結晶配向させた高圧下率金属層(以下、結晶配向金属層という)とを含む。なお、高圧下率金属層は、非磁性の金属板の片面のみに積層させても良く、あるいは金属板の両面に積層させても良い。
本発明において、「非磁性」とは、77K以上で強磁性体ではない状態、すなわちキュリー点やネール点が77K以下に存在し、77K以上の温度では常磁性体又は反強磁性体となる状態をいう。非磁性の金属板としては、ニッケル合金やオーステナイト系ステンレス鋼板が、強度に優れた補強材としての役割を有することから好ましく用いられる。一般に、オーステナイト系ステンレス鋼は、常温では非磁性の状態、すなわち金属組織が100%オーステナイト(γ)相であるが、強磁性体であるマルテンサイト(α’)相変態点(Ms点)が77K以上に位置している場合、液体窒素温度で強磁性体であるα’相が発現する可能性がある。そのため、液体窒素温度(77K)下で使用される超電導線材用の金属板としては、Ms点が77K以下に設計されているものが好ましく用いられる。使用するオーステナイト系ステンレス鋼板としては、Ms点が77Kより十分に低く設計された安定なγ相を有し、且つ一般に普及し、比較的安価に入手できるという点から、SUS316やSUS316L、SUS310やSUS305等の金属板が好ましく用いられる。これらの金属板の厚さは、通常20μm以上であれば適用可能であり、超電導線材の薄肉化及び強度を考慮すると、50μm〜100μmであることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
また、本発明において、「高圧下率金属層」とは、最終圧延時の圧下率が好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の高圧下率で冷間圧延され、且つ、その冷間圧延後再結晶のための熱処理が未だ施されず、冷間圧延により発達した圧延集合組織を保持した金属層をいう。圧下率が90%未満であると、後に行う熱処理において金属が配向しない恐れがある。金属基板に用いられる高圧下率金属層は、特に限定されずに、ニッケル、銅、銀、タングステン、バナジウム、クロム、モリブデン、マンガン、アルミニウム及び鉄よりなる群から選ばれる1種以上又はそれらの合金を含むことができるが、二軸結晶配向しやすく、特に超電導線材として用いる際には中間層との格子マッチングが良いことから、好ましくは銅又は銅合金を含む。高圧下率金属層には、熱処理による2軸結晶配向性をより向上させるため、1%以下程度の微量の元素を含有させても良い。このような添加元素としては、Ag、Sn、Zn、Zr、O及びN等から選択される一種以上の元素が挙げられる。これらの添加元素と高圧下率金属層に含まれる金属とは固溶体を形成するが、添加量が1%を超えると固溶体以外の酸化物等の不純物が増加してしまい、結晶配向性に悪影響を及ぼす恐れがある。
高圧下率金属層としては、金属箔が好ましく用いられる。適用可能な金属箔は、一般的にも入手可能であり、例えば、銅箔として、JX日鉱日石金属(株)製の高圧下率銅箔(HA箔(商品名))や、(株)SHカッパープロダクツ製の高圧下率銅箔(HX箔(商品名))等がある。
高圧下率金属層の厚さは、高圧下率金属層自体の強度を確保するとともに、後に超電導線材を加工する際の加工性を良好にするため、通常7μm〜70μmの範囲とすることが好ましい。
非磁性の金属板と高圧下率金属層とを積層させるには、種々の方法により行われるが、その中でも表面活性化接合法を用いて積層させることが好ましい。表面活性化接合法では、非磁性の金属板及び高圧下率金属層のそれぞれの表面にスパッタエッチング処理を行うことによって表面吸着層及び表面酸化膜を除去して活性化させ、その後、活性化した2つの面同士を冷間圧接することにより接合する。
具体的には、例えば、非磁性の金属板及び高圧下率金属層を、幅150mm〜600mmの長尺コイルとして用意し、表面活性化接合装置のリコイラー部にそれぞれ設置する。各リコイラー部から搬送された非磁性の金属板及び高圧下率金属層は、連続的に表面活性化処理工程へ搬送され、そこで接合する2つの面を予め活性化処理した後、冷間圧接する。
表面活性化処理は、接合面を有する非磁性の金属板と高圧下率金属層をそれぞれアース接地した一方の電極とし、絶縁支持された他の電極との間に1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を発生させ、スパッタエッチング処理することで行われる。その際に用いる不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン等や、これらを少なくとも1種類含む混合気体を適用することができる。
スパッタエッチング処理では、非磁性の金属板及び高圧下率金属層の接合する面を不活性ガスによりスパッタすることにより、少なくとも表面吸着層を除去し、さらに表面酸化膜を除去しても良く、この処理により接合する面を活性化させる。このスパッタエッチング処理中は、アース接地した電極が冷却ロールの形をとっており、各搬送材料の温度上昇を防いでいる。
その後、連続的に圧接ロール工程に搬送し、活性化された面同士を圧接する。圧接下の雰囲気は、Oガス等が存在すると、搬送中、活性化処理された面が再酸化され密着に悪影響を及ぼす恐れがある。前記圧接工程を通って密着させた積層体は、巻き取り工程まで搬送され、そこで巻き取られる。
なお、前記スパッタエッチング工程において、接合面の吸着物は完全に除去するものの、表面酸化層は完全に除去する必要はない。表面全体に酸化層が残留していても、接合工程において圧下率を上げ、接合面での摩擦により素地を露出させることで、非磁性の金属板と高圧下率金属層との接合性を確保することができるからである。
また、乾式エッチングで酸化層を完全に除去しようとすると、高プラズマ出力、又は長時間のエッチングが必要となり、材料の温度が上昇してしまう。スパッタエッチング処理において、温度が、高圧下率金属層中の金属の再結晶開始温度以上に上昇すると、高圧下率金属層の再結晶が起こり、高圧下率金属層は接合前に結晶配向してしまうこととなる。結晶配向した高圧下率金属層を圧延すると、高圧下率金属層に歪が導入され、高圧下率金属層の2軸結晶配向性が劣化する。このような理由から、スパッタエッチング工程では、高圧下率金属層の温度を、金属の再結晶開始温度未満に保持する必要がある。例えば、高圧下率金属層として銅箔を用いる場合、銅箔の温度を150℃未満に保持する。好ましくは、100℃以下に保持し高圧下率金属層の金属組織を圧延集合組織のまま保持する。
また、非磁性の金属板をスパッタエッチングする処理においても、高プラズマ出力で処理したり、時間をかけ金属板温度を高圧下率金属層中の金属の再結晶開示温度以上にしたりすると、圧接時に高圧下率金属層との接触で高圧下率金属層の温度が上昇し、圧延と同時に高圧下率金属層の再結晶が起こり、2軸結晶配向性が劣化する恐れがある。このため、非磁性の金属板のスパッタエッチング工程においても、金属板の温度を高圧下率金属層中の金属の再結晶開始温度未満に保つことが望ましい。例えば、高圧下率金属層として銅箔を用いる場合、150℃未満、好ましくは常温〜100℃に銅箔を保持すると良い。
このように非磁性の金属板及び高圧下率金属層の表面を活性化処理した後、両者を真空中で圧延ロールにて接合する。この時の真空度は、表面への再吸着物を防止するため高い方が好ましいが、10−5Pa〜10−2Paの範囲の真空度であれば良い。また、非磁性の金属板表面や高圧下率金属層表面への酸素の再吸着によって両者間の密着強度が低下するので、非酸化雰囲気中、例えばAr等の不活性ガス雰囲気中で前記圧延ロール接合をすることも好ましい。
圧延ロールによる加圧は、接合界面の密着面積の確保、及び圧下時の接合界面で起こる摩擦により一部表面酸化膜層を剥離させ、素地を露出させるために行い、300MPa以上加えることが好ましく、特に、非磁性の金属板及び高圧下率金属層は、共に硬い材料であるため、600MPa以上1.5GPa以下での加圧が好ましい。圧力はこれ以上かけても良く、圧下率で30%までは後の熱処理後に結晶配向性が劣化しないことは確認されているが、好ましくは、5%未満の圧下率となるように加圧する。圧下率で30%を超えると、高圧下率金属層の表面にクラックが発生するとともに、圧延、熱処理後の結晶配向金属層の結晶配向性が低下する場合がある。
金属板及び高圧下率金属層を接合した後、熱処理を行い、高圧下率金属層を結晶配向させて結晶配向金属層とする。熱処理は、例えば、150℃以上の温度で行う。熱処理時間は温度によって異なるが、例えば400℃であれば1時間〜10時間、700℃以上の高温であれば数秒〜5分程度保持すると良い。熱処理温度をあまり高温にすると結晶配向金属層が2次再結晶を起こしやすくなり、結晶配向性が悪くなるため、150℃以上1000℃以下で行うことが好ましい。特に、700℃以上の高温において良い結晶配向が得られること、及び、超電導線材として用いる場合には後の超電導層を形成する工程において基板が600℃〜900℃の高温雰囲気におかれることを考慮すると、700℃〜900℃での熱処理が好ましい。結晶配向金属層を金属基板の最表層とする場合、上記熱処理によって、結晶配向金属層のc軸配向率を99%以上にすることが好ましく、Δφ及びΔωについても所定の範囲内になるように制御することが好ましい。より好ましくは段階的に、低温での熱処理の後、高温での熱処理を行うことにより、結晶配向金属層及びその後に形成する保護層の結晶配向及び表面粗度が良好となる。具体的には200℃〜400℃での熱処理の後、800℃〜900℃での熱処理を行うことが特に好ましい。
また、本発明における金属基板20は、結晶配向金属層の上にさらに保護層を形成することが好ましい。この場合、保護層が金属基板の最表層となる。保護層は、特に限定されず、ニッケル、パラジウム、銀等又はそれらの合金を含み、好ましくはニッケル又はニッケル合金を含む。ニッケルを含む保護層は耐酸化性に優れ、また保護層が存在することによって、その上にCeO等の酸化物層を形成する際に、結晶配向金属層に含まれる金属の酸化膜が生成して結晶配向性が崩れることを防止することができる。ニッケル、パラジウム又は銀の合金中の含有元素としては、磁性が低減されるものが好ましく、例としてCu、Sn、W、Cr等の元素が挙げられる。また、結晶配向性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、不純物を含んでいても良い。
保護層の厚さは、薄過ぎると、例えば超電導線材の製造において、その上に酸化物層、超電導層を積層する際に結晶配向金属層中の金属が保護層表面まで拡散することにより表面が酸化する可能性があり、また厚過ぎると保護層の結晶配向性が崩れ、めっき歪も増大するため、これらを考慮して適宜設定される。具体的には、1μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
上記保護層は、熱処理により2軸結晶配向した非磁性の金属板と結晶配向金属層との積層体をめっき処理することにより、結晶配向金属層の上に結晶配向金属層の結晶配向を引き継いだ保護層を形成することができる。めっき処理は、保護層のめっき歪が小さくなるような条件を適宜採用して行うことができる。ここで、めっき歪とは、金属板等の下地にめっき処理を施した場合に、めっき皮膜内に生ずる歪(ひずみ)の度合いをいう。例えば、保護層としてニッケルからなる層を形成する場合は、めっき浴として従来知られたワット浴やスルファミン酸浴を用いて行うことができる。特に、スルファミン酸浴は、保護層のめっき歪を小さくしやすいため好適に用いられる。めっき浴組成の好ましい範囲は以下の通りであるが、これに限定されるものではない。
(ワット浴)
硫酸ニッケル 200〜300g/l
塩化ニッケル 30〜60g/l
ホウ酸 30〜40g/l
pH 4〜5
浴温 40〜60℃
(スルファミン酸浴)
スルファミン酸ニッケル 200〜600g/l
塩化ニッケル 0〜15g/l
ホウ酸 30〜40g/l
添加剤 適量
pH 3.5〜4.5
浴温 40〜70℃
めっき処理を行う際の電流密度は、特に限定されるものではなく、めっき処理に要する時間とのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、例えば、保護層として2μm以上のめっき皮膜を形成する場合、低電流密度であるとめっき処理に要する時間が長くなり、その時間を確保するためにラインスピードが遅くなって、生産性が低下したり、めっきの制御が困難になる場合があるため、通常、電流密度を10A/dm以上とすることが好ましい。また、電流密度の上限は、めっき浴の種類によって異なり、特に限定されるものではないが、例えばワット浴であれば25A/dm以下、スルファミン酸浴であれば35A/dm以下とすることが好ましい。一般に、電流密度が35A/dmを超えると、所謂めっき焼けによって良好な結晶配向が得られない場合がある。
保護層の表面には酸化物が存在する場合があるので、熱処理によって酸化物を除去し、また、めっき条件等によって表面にマイクロピットが発生する場合があるので、必要に応じて、めっき後にさらに熱処理による平均化を行ない、表面を平滑にすることができる。保護層の熱処理は、Hを3モル%含んだArガス等の1Pa程度の還元雰囲気下、650℃〜1000℃の温度で5分〜30分行うことが好ましい。
金属基板20の厚さは、最終的なエピタキシャル成長用積層基材の用途等によっても異なり特に限定されないが、例えば50μm〜200μmであることが好ましい。厚さが50μm未満であると基板の機械的強度が確保できず、厚さが200μmより大きいと例えば超電導線材に加工する際の加工性が確保できない場合があるためである。
また、特に超電導線材として用いる場合、保護層の上にさらにエピタキシャル成長によって積層させる中間層及び超電導層の結晶配向性を良好に維持するため、必要に応じて、非磁性金属板と高圧下率金属層とを接合させた後、熱処理の前に、高圧下率金属層の表面粗度Raを低減するための処理を行っても良い。具体的には、圧延ロールによる圧下、バフ研磨、電解研磨、電解砥粒研磨等の方法を用いることができ、これらの方法により、表面粗度Raを例えば20nm以下、好ましくは10nm以下にすることが望ましい。
以上のような結晶配向した金属基板20の上に、RFマグネトロンスパッタリングを行って酸化物を成膜する。この際、図1に示すように、マスク40を、金属基板20及びターゲット10の間のうち搬送方向に沿って前半部分のみに配置することにより、装置内へ搬送されてきた金属基板20上に、まずマスク40の開口部40aを通して配向性の高い結晶配向性改善層を成膜し、その後、金属基板20の搬送が進むとともに、結晶配向性改善層の上に開口部40aを通らない第2酸化物層を成膜することができる。金属基板20上に形成する酸化物の組成は特に限定されないが、例えば超電導線材用としては、蛍石型、パイロクロア型、岩塩型又はペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物が好ましく、具体的には、CeO、MgO、SrTiO、La、YSZ、Y等を挙げることができる。これらの酸化物は、金属基板と超電導層との格子定数の差を緩和するとともに、金属基板から超電導層への金属原子の拡散を防止する役割を果たす。特に、CeO等の蛍石型構造を有する酸化物は、金属基板の最表層がNiを含む2軸結晶配向状態である場合、本発明の装置によって結晶配向性が非常に良い結晶配向性改善層を形成可能であるため好ましく用いられる。
RFマグネトロンスパッタリングでは、上記酸化物からターゲット10を構成し、このターゲット10の裏面に磁石を設置して磁界を発生させ、ガスイオンをターゲット10の表面に衝突させ、叩き出される二次電子をローレンツ力で捕らえてサイクロトロン運動で不活性ガスのイオン化を促進する。負イオンや二次電子が磁界で捕らえられるため、金属基板20の温度上昇が抑えられ、捕らえた電子でガスイオン化が促進され、成膜速度を高速にすることができる。
結晶配向性改善層の厚さは、特に限定されるものではなく、金属基板の最表層を完全に覆わない状態、例えば最表層の一部が結晶配向性改善層によって島状、まだら状に覆われている状態であっても良い。好ましくは、結晶配向性改善層は金属基板の最表層を完全に覆った状態とし、且つその厚さは少なくとも1単位格子の酸化物から構成されるような厚さとするが、それを超える厚さを有していても構わない。しかし、図1に示すRFマグネトロンスパッタリング装置の利点は、金属基板と結晶配向性改善層の界面近傍のみを開口部40aを通して成膜し、その後は開口部40aを通さない非最適条件による成膜を行うことによって全体の製造効率を向上させることにあるので、Δφ及びΔωの改善効果が得られる範囲で、結晶配向性改善層の厚さはできるだけ小さい方が好ましい。具体的には、結晶配向性改善層が1単位格子〜7単位格子の酸化物から構成されることが好ましい。ここで、1単位格子に相当する厚さは、結晶配向性改善層を構成する酸化物の組成によって異なる。例えば、CeOによって結晶配向性改善層を構成する場合、1単位格子は、0.5411nmの厚さに相当する。なお、結晶配向性改善層の厚さは、主に、スパッタリング中における金属基板20の搬送速度を変えることにより、適宜調節することができる。
マスク40の開口部40aを通して、RFマグネトロンスパッタリングにより結晶配向性改善層を金属基板20上に成膜する際には、図2に示すように、金属基板20上の成膜位置20aにおける垂線と、マスクの開口部によって区画されるターゲット10上の領域における、成膜位置20aから最短距離にある前記領域の垂直方向の磁束密度0地点10aへ至る線とが成す角度αが15°以内になるようにしてRFマグネトロンスパッタリングを行う。図2では、説明の便宜のため金属基板20及びターゲット10の間に配置されるマスクは図示を省略しているが、スパッタによりターゲット10から放出される分子がマスクの開口部を通って金属基板20上に成膜される場合において、本発明では、金属基板20上の任意の成膜位置20aについて、図2に示す角度αが15°以内となる条件が常に満たされるように、マスクの開口部の形状・大きさ、マスクのターゲット10からの高さが、垂直方向の磁束密度0地点10aから一定の距離に制限されることとなる。なお、垂直方向の磁束密度0地点とは、ターゲット10の裏面に設置する磁石からの磁力線によって形成される、垂直方向の磁束密度が0となる地点であり、この地点を中心としてエロージョン領域(ターゲットが侵食される領域)が形成される。角度αを15°以内とすることにより、下層となる金属基板20の最表層の粒径が結晶配向性改善層に引き継がれ、さらに第2酸化物層を形成した際にその第2酸化物層のΔωを0.5°以上、例えば0.5°〜3.0°向上させることができる。すなわち、第2酸化物層の面内配向度及び面外配向度をそれぞれΔφ、Δωとし、金属基板20の最表層の面内配向度及び面外配向度をそれぞれΔφ、Δωとしたとき、Δω−Δω≧0.5°の関係を満たすような第2酸化物層を得ることができる。特に、角度αが任意の成膜位置に対して常に13.5°以内となるようにマスクの開口部を形成することが好ましい。得られる第2酸化物層の結晶配向性は、c軸配向率が99%以上であり、好ましくはΔφ≦5.5°、特に好ましくはΔφ≦4.5°であり、好ましくはΔω≦7.5°、特に好ましくはΔω≦5.5°である。
RFマグネトロンスパッタリングは、Arガス雰囲気下で行うことが好ましいが、ヘリウム、ネオン、クリプトン等の他の不活性ガスを用いても良い。また、ガス圧は特に限定されないが、例えば0.01Pa〜6Paの範囲内とすることが好ましい。さらに、結晶配向性改善層の成膜速度は、1nm/min〜30nm/minの範囲内になるよう金属基板20の搬送速度を設定することが好ましい。
また、RFマグネトロンスパッタリングを行う際の金属基板20の温度は、350℃以上600℃未満、特に400℃以上550℃未満となるように制御することが好ましい。350℃以上600℃未満の範囲内に制御することにより、結晶配向性改善層のc軸配向率を良好に維持することができる。
図1において金属基板20の矢印方向への搬送が進むと、結晶配向性改善層の上に、ターゲット10の酸化物から構成される第2酸化物層が形成される。この第2酸化物層の成膜においては、結晶配向性改善層の成膜時のような、ターゲット上の垂直方向の磁束密度0地点10aと成膜位置20aとの相対的な位置関係についての制限はなく、マスクの開口部40aを通さずに、ターゲット10上のより広い領域から分子を放出させて、結晶配向性改善層よりも高速且つ効率的に第2酸化物層を成膜することができる。なお、必要に応じて、図1に示すように、マスク40の外形を開口部40aの開口形状よりも搬送方向の下流へ向かって大きくすることによって、マスクの開口部40aを通る結晶配向性改善層の成膜中に、マスクの開口部40aを通らないターゲット10からの成膜が金属基板20上の同一箇所に起こるのを防止することができる。第2酸化物層の厚さは、特に限定されるものではないが、結晶配向性改善層との合計厚さが、50nm〜300nmの範囲であることが好ましい。これにより、金属基板20の最表層のΔφ及びΔωに比べて各々小さい面内配向度(Δφ)及び面外配向度(Δω)を有する第2酸化物層が得られる。
また、結晶配向性改善層を介して形成した第2酸化物層の結晶配向について、所定の結晶方位からある程度以上ずれている面積の割合を、従来の金属基板上に形成した酸化物層に比して低減することができる。ここで、「所定の結晶方位からある程度以上ずれている面積の割合」とは、EBSD法で観察した場合に、所定の結晶方位(例えば、(001)[110])からの角度差がある程度(例えば、4°)以上である結晶の面積の割合をいう。このように、上層である第2酸化物層の結晶配向性が金属基板の最表層よりも改善される理由は定かではないが、結晶配向性改善層の形成過程において角度αを15°以内とすることによって、酸化物ターゲット表面で発生する酸素イオンが成膜中の結晶配向性改善層へ衝突し、酸素欠損等の格子欠陥が起こりにくい状態で結晶配向性改善層が成膜されてΔφ及びΔωが大きく低下し、一旦そのようにして金属基板最表層の界面近傍の結晶配向性が改善した後は、その上に非最適条件で第2酸化物層を成膜しても界面近傍における高い結晶配向性が引き継がれる可能性が考えられる。
以上のようなRFマグネトロンスパッタリング装置を用いて得られる超電導線材用積層基材(エピタキシャル成長用積層基材)の上に、従来の方法に従って中間層及び超電導層を順次積層することにより、超電導線材を製造することができる。具体的には、超電導線材用積層基材の最表層の上に、SrTiO、MgO、La、YSZ、Y等を含む一つ又は複数の中間層をエピタキシャル成膜し、さらにその上にREBaCuO(RE:Y、Gd、Ho、Sm、Dy等)等の超電導化合物層をスパッタ法、EB蒸着法、MOD(有機金属成膜;Metal Organic Deposition)法、PLD(パルスレーザー蒸着;Pulse Laser Deposition)法、MOCVD(有機金属気相成長;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等の方法により成膜することによって超電導線材を得ることができる。また、必要に応じて、超電導層の上にさらにAg、Au、Pt、Al又はこれらの合金等からなる保護層を設けても良い。
なお、上述のように、第2酸化物層と超電導層の間に中間層をさらに形成する場合、その中間層を形成する際の成膜方法は、RFマグネトロンスパッタ法に限らず、例えば、EBD(電子線ビーム蒸着;Electron Beam Deposition)法、PLD法、熱蒸着法等によって形成しても良い。
続いて、本発明に係るRFマグネトロンスパッタリング装置の第二の実施形態について図3に基づき説明する。図3のRFマグネトロンスパッタリング装置1Bは、図1の装置と同様に、帯状の金属基板20を搬送するための搬送部30と、金属基板に対向するように配置される酸化物のターゲット10と、金属基板20及びターゲット10の間に配置される、開口部40aを有するマスク40とを備えており、マスク40は、搬送方向に沿って前半部分のみに配置されている。そして、この実施形態では、マスク40が配置される前半部分とマスク40が配置されない後半部分との間に仕切り部50を配置している。図1のように、仕切り部を設置しない装置であっても、マスク40の外形を適切な大きさとする等して、結晶配向性改善層と第2酸化物層とが同一の成膜位置に同時に成膜される事態を避けることは可能であるが、図2のように仕切り部50で遮断することにより、金属基板20上の同一の成膜位置に開口部40aを通る成膜と開口部40aを通らない成膜とが同時に行われることをより確実に防止することができる。この第二の実施形態においては、第2酸化物層を形成する後半のターゲットは、結晶配向性改善層を形成する前半のターゲットと同一の酸化物であっても良く、異なる酸化物であっても良い。第2酸化物層を形成する後半のターゲットの酸化物としては、特に限定されるものではなく、結晶配向性改善層を形成する前半のターゲットと同様に、蛍石型、パイロクロア型、岩塩型、ペロブスカイト型等の結晶構造を有する酸化物から適宜選択することができる。具体的には、酸化セリウム(CeO)、ジルコニア添加酸化イットリウム(YSZ)、酸化イットリウム(Y)等を挙げることができる。特に、結晶配向性改善層の酸化物と格子定数が同一もしくは近い酸化物から第2酸化物層を構成することが好ましい。
仕切り部50の構成は、ターゲット10から放出された分子を遮断できるものであれば特に限定されるものではなく、板状の部材のような構成を採用することもできる。
次に、本発明に係るRFマグネトロンスパッタリング装置の第三の実施形態について図4に基づき説明する。図4のRFマグネトロンスパッタリング装置1Cは、上記第一及び第二の実施形態と異なり、金属基板及びターゲットの間にマスクを備えていない。図4の装置では、ターゲットを、金属基板上20上に酸化物から構成される結晶配向性改善層を成膜するための前半部分の第一ターゲット10Aと、結晶配向性改善層上に酸化物から構成される第2酸化物層を成膜するための後半部分の第二ターゲットとから構成している。第一ターゲット10Aと第二ターゲット10Bとの間には、仕切り部50を配置し、金属基板20上の同一の成膜位置に第一ターゲット10Aによる成膜と第二ターゲット10Bによる成膜が同時に起こることを防止している。そして、第一ターゲット10Aによる結晶配向性改善層の成膜においては、図2の場合と同様に、金属基板20上の成膜位置20aでの垂線と、成膜位置20aから最短距離にある第一ターゲット10A上の垂直方向の磁束密度0地点10aへ至る線とが成す角度が常に15°以内になるように、第一ターゲット10Aの大きさを制限している。この第三の実施形態によれば、ターゲットから放出される分子がマスクによって遮られることなく、有効に利用されるため、より効率的なエピタキシャル成長用積層基板の製造が可能となる。第三の実施形態におけるその他の構成については、上述の第一及び第二の実施形態と同様である。
第一〜第三の実施形態の他にも、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の構成を採用することができる。例えば、図3及び図4のような仕切り部50を設ける代わりに、スパッタリング装置の反応室を2つに分けて、それらの反応室を帯状の金属基板が順次搬送されるように構成し、最初の反応室においては、金属基板上の成膜位置での垂線と、その成膜位置から最短距離にあるターゲット(第一ターゲット)上の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度が常に15°以内になるように、第一ターゲットの大きさを制限するか、所定の開口部を有するマスクを設置する等して、配向性の高い結晶配向性改善層が成膜されるようにしても良い。また、マスクを設置する場合は、図1及び図3のように必ずしも金属基板の搬送方向に沿って前半部分のみに限定されるものではなく、ターゲット上の、搬送方向に沿った全範囲を覆うように設けても良い。この場合、例えば、ターゲット上の垂直方向の磁束密度が0となる地点が、直線状に、金属基板の搬送方向に沿って一本又は複数本形成されるように永久磁石を配置し、マスクの開口部を、上記の直線状に延びる磁束密度0地点に沿って、一定幅(磁束密度0地点と成膜位置との位置関係が15°以内の角度αを満たすような幅)で開口された形状とすることにより、製造効率は図1及び図3の場合よりも低下する可能性があるものの、結晶配向性改善層及び第2酸化物層の2層から構成する場合に比べて結晶配向性がさらに向上した酸化物層を成膜することができる。
次に、参考例により本発明をさらに詳細に説明する。下記の参考例では、金属基板上の成膜位置での垂線と、その成膜位置から最短距離にあるターゲット上の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度を15°以内にしたとき、金属基板の最表層に比べてΔφ及びΔωが小さく結晶配向が改善した酸化物層が形成されることを明らかにしている。これらの結果に基づき、本発明のRFマグネトロンスパッタリング装置によって、結晶配向性に優れたエピタキシャル成長用積層基材が高速且つ効率的に製造可能となることが示唆される。
(参考例1〜6)
非磁性の金属板としてSUS316L(厚さ100μm)を用い、高圧下率金属層として、圧下率96.8%で圧延された銅箔(厚さ48μm)を用いた。SUS316Lと銅箔とを、表面活性化接合装置を用いて常温で表面活性化接合し、SUS316Lと銅箔の積層材を形成した。表面活性化接合においては、スパッタエッチングを、0.1Pa下で、プラズマ出力を200W、接合面へのスパッタ照射時間を20秒の条件で実施し、SUS316L及び銅箔上の吸着物層を完全に除去した。また、圧延ロールでの加圧は600MPaとした。
得られた積層材に対し、積層材の銅箔側表面を研磨して表面粗度Raを20nm以下とした後、Arの非酸化雰囲気下、温度250℃にて5分均熱保持し、続いて850℃にて5分均熱保持するという条件にて熱処理を行い、銅箔を2軸結晶配向させて結晶配向金属層を形成した。
次に、積層材をカソードとして、銅箔からなる結晶配向金属層上にニッケルめっきを施し、ニッケルめっき層を保護層として形成して、Ni/Cu/SUSの3層からなるφ50mmの金属基板を作製した。めっき浴の組成は以下の通りである。めっき厚は2.5μmとし、めっき浴温は60℃、めっき浴のpHはpH4に設定した。得られた金属基板の中心部分の最表層のc軸配向率、Δφ、Δω、並びに結晶方位が(001)[100]から4°以上6°未満ずれている面積の割合、6°以上8°未満ずれている面積の割合及び8°以上ずれている面積の割合をX線回折及びEBSDによって測定したところ、サンプルによって異なるが、最表層のNiのc軸配向率は99%以上であり、Δφ=4.02°〜4.68°、Δω=4.7°〜5.26°であり、4°以上6°未満ずれている面積の割合が16.5%〜22.2%、6°以上8°未満ずれている面積の割合が1.1%〜4.2%、8°以上ずれている面積の割合が0〜0.7%であった。
(スルファミン酸浴)
スルファミン酸ニッケル 450g/l
塩化ニッケル 5g/l
ホウ酸 30g/l
添加剤 5ml/l
続いて、金属基板に対し、Hを3モル%含んだArガスからなる1Paの還元雰囲気下、温度700℃、20分間の条件にて熱処理を行い、表面のNi酸化物を除去した。次に、ターゲットとしてCeOを用意し、図5に示すように基板アダプター60(金属基板を保持する皿状部材)の中心から10mm偏心した位置(位置I)に金属基板20をはめ込み、この基板アダプター60とターゲットとを平行に設置し、RFマグネトロンスパッタリングにより金属基板20上にCeOからなる結晶配向性改善層及び第2酸化物層を成膜して、エピタキシャル成長用積層基材を製造した。ターゲットから金属基板20を含む面までの距離は40mm、60mm又は80mmに設定した。RFマグネトロンスパッタリングは、Arガス、1Pa雰囲気下、基板温度を400℃に設定し、成膜初期は図5の位置Iの状態で所定の時間スパッタリングを行い、結晶配向性改善層を形成した。このとき、位置Iにおける金属基板20の中心は、ターゲット上のエロージョン領域の直上付近(すなわち、金属基板上の成膜位置における垂線と、その成膜位置から最短距離にあるターゲット上の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度αが3.81°の地点)に位置する。
上記のように結晶配向性改善層を形成した後、ターゲットと基板アダプター60との相対位置は変えずに、基板アダプター60を図5の矢印で示すように半回転(180度回転)させ、結晶配向性改善層の場合と同じ条件下で所定の時間スパッタリングを行って第2酸化物層を形成した。基板アダプター60を半回転させて金属基板20を対称となる位置(位置II)に切り替えた状態では、金属基板20の中心における「金属基板上の成膜位置における垂線と、その成膜位置から最短距離にあるターゲット上の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度α」は21.80°(非最適条件)となる。下表に、参考例1〜6における結晶配向性改善層の成膜時間、形成される結晶配向性改善層の平均膜厚、及び第2酸化物層の成膜時間をまとめて示す。なお、結晶配向性改善層の成膜条件は、参考例1ではRF出力25W(約2.8nm/min)、参考例2〜6ではRF出力50W(約7.1nm/min)に設定した。これは、スパッタリング装置の設計上、成膜時間を3.0秒以下に設定できないため、成膜速度を下げることで結晶配向性改善層の厚さが0.35nm未満である場合(参考例1の0.18nm)の効果を検証可能にしたものである。参考例1における0.18nmの膜厚は、CeOの格子定数よりも小さいため、参考例1における結晶配向性改善層は金属基板の最表層の全面を覆っていないと考えられる。また、第2酸化物層の成膜条件は参考例1〜6でいずれもRF出力50Wに設定した。参考例1〜6において形成された結晶配向性改善層及び第2酸化物層の合計厚さは、金属基板の中心部において約100nmであった。
Figure 2016196678
形成した第2酸化物層の中心部分のCeOの結晶配向性について、Δφ、Δω、並びに結晶方位が(001)[110]から4°以上6°未満ずれている面積の割合、6°以上8°未満ずれている面積の割合及び8°以上ずれている面積の割合をEBSDにより測定した。表2及び図6に、金属基板の最表層における測定値と第2酸化物層における測定値との差をまとめて示す。表2中、「4°〜6°」、「6°〜8°」及び「8°〜」の各項目は金属基板の最表層における測定値から第2酸化物層における測定値を引いた値を示している。また、Δφの測定値にはΔωの成分が含まれているため、Δφ成分の大きさのみを反映していないことに留意する。表2及び図6に示すように、角度αを15°以内として結晶配向性改善層を形成した場合には、その後に非最適条件下で第2酸化物層を成膜したとしても、第2酸化物層のΔωは金属基板の最表層のΔωに比べていずれも0.5°以上改善されることが明らかとなった。また、結晶配向性改善層を1単位格子以上の酸化物から構成することによって結晶配向性の改善効果はより高まることが分かった。さらに、Δφについても改善されることが分かった。そして、表2に示すように、角度αを15°以内にすることによって、所定の結晶方位からずれている面積の割合が大きく低減することが明らかとなった。なお、第2酸化物層のc軸配向率は、実施例1〜6のいずれにおいても99%以上であった。
ここで、以下に、面内配向度(Δφ)、面外配向度(Δω)及び結晶方位がずれている面積の割合の測定方法を具体的に示す。
(1)面内配向度(Δφ)
EBSD(日本電子株式会社SEM-840及び株式会社TSLソリューションズDigiView、以下同じ)及び結晶方位解析ソフト(EDAX社OIM Data Collection及びOIM Analysis、以下同じ)を用い、「Crystal Direction」の<111>‖NDを用いて以下の方法で解析することにより得た。
1. 結晶座標系において、<111>を試料座標系のND[001]と合わせるような軸の回転操作を行う。
2. その後、試料座標系のND[001]軸に対して、各測定点の結晶座標系の<111>軸がどれくらい傾いているかを測定点毎に算出する。
3. 各点の傾きを積算グラフで表示し、縦軸:Number fractionが0.5のときの傾き:AlignmentをΔφの1/2とする。よって、Δφは得られた値の2倍とする。
(2)面外配向度(Δω)
EBSD及び結晶方位解析ソフトを用い、「Crystal Direction」の<001>‖NDを用いて以下の方法で解析することにより得た。
1. 試料座標系のND[001]軸に対して、各測定点の結晶座標系の<001>軸がどれくらい傾いているかを測定点毎に算出する。
2. 各点の傾きを積算グラフで表示し、縦軸:Number fractionが0.5のときの傾き:AlignmentをΔωの1/2とする。よって、Δωは得られた値の2倍とする。
(3)結晶方位がずれている面積の割合
EBSD及び結晶方位解析ソフトを用いて解析し、1mm当たりの結晶方位がずれている面積の割合を求めた。具体的には、金属基板の保護層(Niめっき層)の測定においては結晶方位が(001)[100]から4°以上6°未満ずれている面積の割合、6°以上8°未満ずれている面積の割合、及び8°以上ずれている面積の割合を、第2酸化物層(CeO層)の測定においては結晶方位が(001)[110]から4°以上6°未満ずれている面積の割合、6°以上8°未満ずれている面積の割合及び8°以上ずれている面積の割合を求めた。
具体的には、「Crystal Orientation」にて、Orientationを金属基板の保護層の測定においては(001)[100]に設定し、第2酸化物層の測定においては(001)[110]に設定し、その方向からの傾きの範囲を指定して、それぞれの範囲での面積率を算出した。
(参考例7)本発明の装置による成膜条件外
金属基板に対し、最初に図5の位置IIに示す相対位置でCeOを60秒成膜し(非最適条件)、その後に、基板アダプター60を半回転させ位置Iの状態として840秒成膜した以外は、参考例1と同様にしてエピタキシャル成長用積層基材を製造した。なお、成膜条件はRF出力50W(約7.1nm/min)に設定した。得られたエピタキシャル成長用積層基材について測定した値を表2及び図6に示す。これらの結果から、第2酸化物層の結晶配向性は金属基板の最表層に比べてほとんど改善しないことが分かった。
(参考例8)本発明の装置による成膜条件外
金属基板に対し、成膜初期から最後まで図5の位置IIに示す相対位置に固定してCeOを900秒成膜した以外は、参考例1と同様にしてエピタキシャル成長用積層基材を製造した。なお、成膜条件はRF出力50W(約7.1nm/min)に設定した。得られたエピタキシャル成長用積層基材について測定した値を表2及び図6に示す。これらの結果から、酸化物層の結晶配向性は金属基板の最表層に比べてほとんど改善せず、むしろ低下する可能性があることが分かった。
Figure 2016196678
(参考例9)
金属基板に対し、CeOの結晶配向性改善層を図5の位置Iの状態で30秒間成膜し、その後に位置Iの状態のまま870秒間YSZからなる第2酸化物層を形成した以外は、参考例1と同様にしてエピタキシャル成長用積層基材を製造した。なお、結晶配向性改善層の成膜工程及び第2酸化物層の成膜工程のいずれにおいても、成膜条件はRF出力50Wに設定した。得られたエピタキシャル成長用積層基材について測定した値を図6に示す。この結果から、結晶配向性改善層及び第2酸化物層が異なる酸化物から構成された場合であっても、結晶配向性改善層の結晶配向性を引き継いでYSZが成長し、結晶配向性の改善効果が得られることが分かった。
1A、1B、1C RFマグネトロンスパッタリング装置
10 ターゲット
10A 第一ターゲット
10B 第二ターゲット
10a 垂直方向の磁束密度0地点
20 金属基板
20a 成膜位置
30 搬送部
40 マスク
40a 開口部
50 仕切り部
60 基板アダプター

Claims (4)

  1. 帯状の金属基板を搬送するための搬送部と、前記金属基板に対向するように配置される酸化物のターゲットと、前記金属基板及び前記ターゲットの間に配置される、開口部を有するマスクとを備えるRFマグネトロンスパッタリング装置であって、
    前記開口部が、前記開口部を通して前記金属基板上に成膜する際に、前記金属基板上の成膜位置での垂線と、前記開口部によって区画される前記ターゲット上の領域における、前記成膜位置から最短距離にある前記領域の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度が15°以内になるように形成される前記RFマグネトロンスパッタリング装置。
  2. 搬送される前記金属基板上に酸化物から構成される結晶配向性改善層が前記開口部を通して成膜された後、前記結晶配向性改善層上に酸化物から構成される第2酸化物層が前記開口部を通さず成膜されるように、前記マスクが、前記金属基板及び前記ターゲットの間のうち搬送方向に沿って前半部分のみに配置される請求項1に記載のRFマグネトロンスパッタリング装置。
  3. 前記金属基板上の同一の成膜位置に前記開口部を通る成膜と前記開口部を通らない成膜とが同時に行われることを防ぐ仕切り部が、前記マスクが配置される前半部分と前記マスクが配置されない後半部分との間に配置される請求項2に記載のRFマグネトロンスパッタリング装置。
  4. 帯状の金属基板を搬送するための搬送部と、前記金属基板に対向するように配置される酸化物のターゲットとを備えるRFマグネトロンスパッタリング装置であって、
    前記ターゲットが、搬送される前記金属基板上に酸化物から構成される結晶配向性改善層を成膜するための前半部分の第一ターゲットと、前記結晶配向性改善層上に酸化物から構成される第2酸化物層を成膜するための後半部分の第二ターゲットとから構成され、
    前記結晶配向性改善層を成膜する際における、前記金属基板上の成膜位置での垂線と、前記成膜位置から最短距離にある前記第一ターゲット上の垂直方向の磁束密度0地点へ至る線とが成す角度が15°以内であり、
    前記金属基板上の同一の成膜位置に前記第一ターゲットによる成膜と前記第二ターゲットによる成膜が同時に行われることを防ぐ仕切り部が、前記第一ターゲットと前記第二ターゲットとの間に配置される前記RFマグネトロンスパッタリング装置。
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