JP2016196339A - カール矯正装置、及び、プリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】カール矯正機構の構造が簡単なカール矯正装置を提供する。
【解決手段】シート材S1をガイドするためのガイド部材40が配置されたシート材S1の搬送経路Rsの途中に配設され、搬送中のシート材S1を所定の方向に押圧してシート材S1のカールを矯正するカール矯正機構51を備えたカール矯正装置50であって、カール矯正機構51は、ガイド部材40と隣接して配置され、シート材S1のシート面に沿ってシート材S1の搬送方向と直交する方向に延びる軸部51aと、軸部51aの外周部に設けられた少なくとも1つの押圧部51bとを有し、軸部51aは、自身の延長方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持され、押圧部51bは、軸部51aと共に回転し、押圧部51bの形状は、自身の回転軸から外周部までの距離が自身の周方向に沿って変化するような形状となっていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート材のカールを矯正するためのカール矯正装置、及び、カール矯正装置を備えたプリンタに関する。
プリンタ等の装置を用いて印刷用紙等のシート材に印刷を行う際には、シート材が所定の方向に湾曲するカールと呼ばれる現象が発生し易い。シート材のカール量は、シート材の保持状態や、シート材の材質や、シート材の含水量や、シート材の周囲の温度や、シート材の周囲の湿度や、シート材に印刷を行う場合の印刷内容等の条件に影響され易い。そして、シート材がカールした状態で搬送されると、搬送経路の途中でシート材が他の部材に引っ掛かったりしてジャムと呼ばれる現象を引き起こし、シート材への印刷やシート材の排出に支障をきたす可能性が有った。
このようなシート材のカールによる影響を低減するために、シート材のカールを矯正するカール矯正装置が従来より提案されている。このようなカール矯正装置では、前述した条件によるカール量の変化に対応するために、カールの矯正力が調整可能であることが望ましい。
カールの矯正力が調整可能な構成の従来のカール矯正装置に関しては、特許文献1や特許文献2等が開示されている。以下、従来のカール矯正装置の構成について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、従来のカール矯正装置の構成を示す第1の説明図であり、特許文献1に係るカール補正装置301(カール矯正装置)の構成を示している。図8は、従来のカール矯正装置の構成を示す第2の説明図であり、特許文献2に係るシート反転搬送装置420(カール矯正装置)の構成を示している。
特許文献1に係るカール補正装置301は、電子写真複写機における用紙(シート材)の搬送経路の途中に設けられた装置である。カール補正装置301は、図7に示すように、用紙の搬送手段であるベルト部材302と、ベルト部材302を支持する駆動軸303及び支持軸304と、ベルト部材302の所定の位置を押圧する押圧ロール305と、リンク部材306及びカム従動部材307を介して押圧ロール305を支持するカム部材310と、カム部材310を駆動する駆動軸311と、ベルト部材302の張力を一定に維持するための張力調整用ロール330とを備えている。そして、押圧ロール305とリンク部材306とカム従動部材307とカム部材310と駆動軸311とで、用紙のカールを矯正するためのカール矯正機構を構成している。
カール補正装置301では、用紙はベルト部材302の延長方向に沿って搬送される。そして、カール補正装置301は、押圧ロール305によって用紙をベルト部材302と共に用紙のカール方向とは反対の方向に押圧し、それによって用紙のカールを矯正している。また、カール補正装置301は、駆動軸311がカム部材310を駆動することによって押圧ロール305の位置を変化させ、それによってカールの矯正力を調整している。
特許文献2に係るシート反転搬送装置420(カール矯正装置)は、両面印刷用のプリンタにおいて、一方の面の印刷が終わったシート(シート材)の裏表を反転させて再度印刷を行うことができるようにするための装置であり、一方の面の印刷が終わったシートのカールを矯正するための機能を有している。
シート反転搬送装置420は、図8に示すように、シート供給用の搬送経路となる導入パス421と、シートを反転して搬送するための搬送経路となる反転パス422と、シート排出用の搬送経路となる導出パス423と、シートのカールを矯正するためのカール付けローラ424aと、カール付けローラ424aと近接して対向するように配置された従動ローラ424bと、シートの裏表を反転させるための反転ローラ425と、シートの搬送経路の所定の位置に配置された搬送ローラ426と、従動ローラ424bを支持するコロ427と、コロ427を押圧するための偏心カム431と偏心カム431の回転軸となるカム軸429とを備えている。そして、カール付けローラ424aと従動ローラ424bとコロ427と偏心カム431とカム軸429とで、シートのカールを矯正するためのカール矯正機構を構成している。
シート反転搬送装置420では、シートにカール付けローラ424aと従動ローラ424bとの間を通過させている。そして、シート反転搬送装置420は、カール付けローラ424aと従動ローラ424bとの硬度の違いを利用して、シートを当初のカール方向とは反対の方向にカールさせ、それによってシートのカールを矯正している。また、シート反転搬送装置420は、偏心カム431を回転させてコロ427を従動ローラ424bと共に押圧方向に移動させ、それによって、カール付けローラ424aと従動ローラ424bとの軸間距離を変化させている。そして、シート反転搬送装置420は、カール付けローラ424aと従動ローラ424bとの軸間距離の変化を利用して、カールの矯正力を調整している。
特開平6−144677号公報 特開2000−7205号公報
このようなカール矯正装置では、小型・軽量化や低コスト化や加工性等の観点から、カール矯正機構の構造が簡単であることが望ましい。しかしながら、特許文献1に係るカール補正装置301では、押圧ロール305とリンク部材306とカム従動部材307とカム部材310と駆動軸311という5つの部材でカール矯正機構を構成しているので、カール矯正機構の構造が複雑になっていた。また、特許文献2に係るシート反転搬送装置420でも、カール付けローラ424aと従動ローラ424bとコロ427と偏心カム431とカム軸429という5つの部材でカール矯正機構を構成しているので、カール矯正機構の構造が複雑になっていた。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、カール矯正機構の構造が簡単なカール矯正装置を提供することにある。
この課題を解決するために、請求項1に記載のカール矯正装置は、シート材をガイドするためのガイド部材が配置された前記シート材の搬送経路の途中に配設され、搬送中の前記シート材を所定の方向に押圧して前記シート材のカールを矯正するカール矯正機構を備えたカール矯正装置であって、前記カール矯正機構は、前記ガイド部材と隣接して配置され、前記シート材のシート面に沿って前記シート材の搬送方向と直交する方向に延びる軸部と、前記軸部の外周部に設けられた少なくとも1つの押圧部とを有し、前記軸部は、自身の延長方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持され、前記押圧部は、前記軸部と共に回転し、前記押圧部の形状は、自身の回転軸から外周部までの距離が自身の周方向に沿って変化するような形状となっていることを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、軸部の外周部に設けられた押圧部で直接シート材を押圧してシート材のカールを矯正することができ、押圧部を回転させてカールの矯正力を変化させることができる。しかも、軸部をガイド部材と隣接して配置することによって、ガイド部材をカール矯正時の支持用の部材として利用することもできる。そのため、軸部と押圧部とでカール矯正機構を構成することができ、カール矯正機構の構造を簡単にすることができる。その結果、カール矯正機構の構造が簡単なカール矯正装置を提供することができる。
請求項2に記載のカール矯正装置は、前記搬送経路には少なくとも2つの前記ガイド部材が配置され、前記2つのガイド部材は、前記軸部の両側に、且つ、前記シート材を挟んで前記軸部とは反対側に位置するように配置されていることを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、2つのガイド部材が、軸部の両側に、且つ、シート材を挟んで軸部とは反対側に位置するように配置されているので、軸部の両側でシート材を支持することができ、シート材を安定して押圧することができるようになる。その結果、カールの矯正をより確実に行うことができるようになる。
請求項3に記載のカール矯正装置は、前記押圧部は、偏心ローラ又は偏心カムであることを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、押圧部が偏心ローラ又は偏心カムである。偏心ローラや偏心カムは構造が簡単なので、カール矯正機構の構造を更に簡単にすることができる。
請求項4に記載のカール矯正装置は、前記押圧部は、偏心ローラであり、前記偏心ローラの外周部には、従動スリーブが設けられていることを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、押圧部が偏心ローラであり、偏心ローラの外周部には従動スリーブが設けられている。そのため、従動スリーブがシート材の搬送に伴って回転することによって、押圧部とシート材との摺動を抑制することができる。その結果、シート材を搬送する際の押圧部とシート材との摩擦による負荷の増大を抑制することができる。また、押圧部とシート材との摺動を抑制することができるので、シート材が傷付き易い材質である場合に好適である。
請求項5に記載のカール矯正装置は、前記軸部の回転角度を変化させるための角度調整手段を更に備え、前記角度調整手段によって前記軸部の回転角度を変化させ、前記軸部の回転角度に対応して前記押圧部による前記シート材の押圧量を変化させることを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、角度調整手段によって軸部の回転角度を変化させ、軸部の回転角度に対応して押圧部によるシート材の押圧量を変化させることができる。そして、カールの矯正力は、シート材の押圧量に対応して変化する。すなわち、シート材の押圧量が大きい程、カールの矯正力は大きくなり、シート材の押圧量が小さい程、カールの矯正力は小さくなる。その結果、軸部の回転角度を変化させるだけでカールの矯正力を変化させることができ、簡単な動作でカールの矯正力を調整することができるようになる。
請求項6に記載のカール矯正装置は、前記軸部の回転角度を制御するための制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記シート材の保持状態と、前記シート材の材質と、前記シート材の含水量と、前記シート材の周囲の温度と、前記シート材の周囲の湿度と、前記シート材に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、前記軸部の回転角度を制御していることを特徴とする。
シート材のカール量は、シート材の保持状態や、シート材の材質や、シート材の含水量や、シート材の周囲の温度や、シート材の周囲の湿度や、シート材に印刷を行う場合の印刷内容等の条件に影響され易い。それに対して、この構成のカール矯正装置では、制御手段が、シート材の保持状態と、シート材の材質と、シート材の含水量と、シート材の周囲の温度と、シート材の周囲の湿度と、シート材に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、軸部の回転角度を制御している。そして、軸部の回転角度に対応してシート材の押圧量を変化させ、それによって、カールの矯正力を変化させることができる。その結果、適切な情報に基づいてカールの矯正力を調整することができるようになる。
請求項7に記載のカール矯正装置は、前記軸部を回転させるための動力を伝達する動力伝達手段を更に備え、前記動力伝達手段によって前記軸部と共に前記押圧部を回転させ、前記軸部の回転速度に対応して前記押圧部による前記シート材の押圧の頻度を変化させることを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、動力伝達手段によって軸部と共に押圧部を回転させ、軸部の回転速度に対応して押圧部によるシート材の押圧頻度を変化させることができる。そして、カールの矯正力は、シート材の押圧頻度に対応して変化する。すなわち、シート材の押圧頻度が高い程、カールの矯正力は大きくなり、シート材の押圧頻度が低い程、カールの矯正力は小さくなる。その結果、軸部の回転速度を変化させるだけでカールの矯正力を変化させることができ、簡単な動作でカールの矯正力を調整することができるようになる。
請求項8に記載のカール矯正装置は、前記軸部の回転速度を制御するための制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記シート材の保持状態と、前記シート材の材質と、前記シート材の含水量と、前記シート材の周囲の温度と、前記シート材の周囲の湿度と、前記シート材に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、前記軸部の回転速度を制御していることを特徴とする。
シート材のカール量は、シート材の保持状態や、シート材の材質や、シート材の含水量や、シート材の周囲の温度や、シート材の周囲の湿度や、シート材に印刷を行う場合の印刷内容等の条件に影響され易い。それに対して、この構成のカール矯正装置では、制御手段が、シート材の保持状態と、シート材の材質と、シート材の含水量と、シート材の周囲の温度と、シート材の周囲の湿度と、シート材に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、軸部の回転速度を制御している。そして、軸部の回転速度に対応してシート材の押圧頻度を変化させ、それによって、カールの矯正力を変化させることができる。その結果、適切な情報に基づいてカールの矯正力を調整することができるようになる。
請求項9に記載のカール矯正装置は、前記シート材は、前記シート材が巻かれると共に回転可能に支持されたロール部材から供給され、前記ロール部材は、自身の外径に対応して回転速度が変化するように支持され、前記動力伝達手段は、前記ロール部材の回転速度と対応した回転速度で前記軸部が回転するように、前記軸部に動力を伝達することを特徴とする。
この構成のカール矯正装置では、ロール部材の外径に対応してシート材のカール量が変化する。すなわち、シート材の巻き数が多くロール部材の外径が大きい時には、シート材のカール量が小さくなり易く、シート材の巻き数が少なくロール部材の外径が小さい時には、シート材のカール量が大きくなり易い。それに対して、この構成のカール矯正装置では、ロール部材は、自身の外径に対応して回転速度が変化するように支持され、動力伝達手段は、ロール部材の回転速度と対応した回転速度で軸部が回転するように、軸部に動力を伝達している。そのため、ロール部材の外径に対応して軸部の回転速度を変化させることができる。そして、軸部の回転速度に対応してシート材の押圧頻度を変化させ、それによって、カールの矯正力を変化させることができる。その結果、複雑な制御を行わなくてもロール部材の外径に合わせてカールの矯正力を調整することができるようになる。
請求項10に記載のプリンタは、前記シート材を供給するシート供給手段と、前記シート材に印刷を行う印刷手段と、前記シート材を搬送するための搬送手段と、前記シート材をガイドするためのガイド部材と、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のカール矯正装置とを備えたことを特徴とする。
この構成のプリンタは、シート材を供給するシート供給手段と、シート材に印刷を行う印刷手段と、シート材を搬送するための搬送手段と、シート材をガイドするためのガイド部材と、カール矯正装置とを備えているので、シート材に印刷を行うと共に、シート材のカールを矯正することができる。しかも、プリンタが備えるカール矯正装置は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のカール矯正装置なので、カール矯正機構の構造を簡単にすることができる。
本発明によれば、カール矯正機構の構造が簡単なカール矯正装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るプリンタの構成を示す第1の説明図である。 本発明の第1実施形態に係るプリンタの構成を示す第2の説明図である。 本発明の第1実施形態に係るカール矯正機構の構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係るカール矯正機構の動作に関する説明図である。 本発明の第2実施形態に係るプリンタの構成を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係るプリンタの構成を示す説明図である。 従来のカール矯正装置の構成を示す第1の説明図である。 従来のカール矯正装置の構成を示す第2の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。尚、各図における方向は、X1を左、X2を右、Y1を前、Y2を後、Z1を上、Z2を下とする。また、各図において、太い点線の矢印はシート材S1の搬送方向を示し、太い実線の矢印は各部材の回転方向を示すものとする。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリンタの構成を示す第1の説明図である。図1は、プリンタ1を上からみた場合の模式図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るプリンタの構成を示す第2の説明図である。図2(a)は、シート材S1が搬送されていない時のプリンタ1を右から見た場合の模式図である。図2(b)は、シート材S1が搬送されている時のプリンタ1を右から見た場合の模式図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るカール矯正機構の構成を示す説明図である。図3は、カール矯正機構51とガイド用ローラ41とシート材S1を右から見た場合の模式図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るカール矯正機構の動作に関する説明図である。図4(a)は、基準状態におけるカール矯正機構51を右から見た場合の模式図である。図4(b)は、基準状態から軸部51aが角度θだけ時計方向に回転した時のカール矯正機構51を右から見た場合の模式図である。図4(c)は、基準状態から軸部51aがπ(90度)だけ回転した時のカール矯正機構51を右から見た場合の模式図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係るプリンタの構成を示す説明図である。図5は、プリンタ101を上からみた場合の模式図である。図6は、本発明の第3実施形態に係るプリンタの構成を示す説明図である。図6は、プリンタ201を上からみた場合の模式図である。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係るプリンタ及びカール矯正装置の構成について、図1ないし図4を用いて説明する。本発明の第1実施形態に係るプリンタ1は、図1に示すように、シート供給手段10と、印刷手段20と、搬送手段30と、ガイド部材40と、カール矯正装置50とを備えている。また、プリンタ1は、周囲の環境に関する情報を検出するための図示しないセンサ装置や、印刷動作を制御するための図示しない制御装置等も備えている。
シート供給手段10は、シート材S1を供給している。シート供給手段10は、図1及び図2に示すように、保持用リール11を有して構成される。保持用リール11には、図示しない支持機構によって回転可能に支持される軸部11aが設けられている。また、保持用リール11には、シート材S1が複数回巻かれたロール部材S0がセットされている。そして、シート材S1は、ロール部材S0から巻き戻されるようにして印刷手段20に供給される。
印刷手段20は、供給されたシート材S1に印刷を行っている。印刷手段20は、図1及び図2に示すように、印刷用ヘッド21と、加圧用ローラ22とを有して構成される。印刷用ヘッド21には、プリンタ1の規格等に合わせて各種の構造のものが使用されるが、例えば、熱転写方式のプリンタでは、複数の加熱素子がライン状に配置されたサーマルヘッドと呼ばれる印刷用ヘッドが使用される。加圧用ローラ22は、シート材S1を印刷用ヘッド21側に押し当てている。
搬送手段30は、図1及び図2に示すように、搬送用ローラ31と、搬送用モータ32と、図示しない動力伝達用のギアとを有して構成される。搬送用ローラ31は、シート材S1を搬送するための搬送経路Rsの途中の所定の位置に配設されている。そして、搬送用ローラ31は、自身の回転を利用してシート材S1に力を加え、シート材S1を印刷手段20側に移動させている。搬送用モータ32は、搬送用ローラ31が回転するための動力を、前述したギアを介して搬送用ローラ31に伝達している。搬送手段30は、このようにして、シート材S1を搬送経路Rsに沿ってシート供給手段10側から印刷手段20側に搬送している。
尚、シート材S1を搬送する際には、シート材S1が搬送中に弛まないように、搬送用ローラ31によってシート材S1に加えられる力よりも弱いバックテンションと呼ばれる力が、シート材S1の搬送方向とは反対の方向に働くようになっている。このような力は、例えば、前述した保持用リール11の支持機構が、摩擦等を利用して、保持用リール11の回転と反対の方向に力が加わるように軸部11aを支持することによって実現することができる。
ガイド部材40は、本実施形態では、搬送経路Rsの途中に配設された2つのガイド用ローラ41である。2つのガイド用ローラ41は、図1及び図2に示すように、シート供給手段10から印刷手段20までの間の搬送経路Rsの途中の所定の位置に、シート材S1の下側に位置するように、所定の間隔を開けて並べて配置されている。そして、2つのガイド用ローラ41は、シート材S1を下側から支持している。
カール矯正装置50は、シート材S1のカールを矯正している。カール矯正装置50は、図1及び図2に示すように、カール矯正機構51と、角度調整手段である調整用モータ52と、制御手段であるカール量制御部53と、図示しない動力伝達用のギアとを有して構成される。カール矯正機構51は、搬送中のシート材S1を所定の方向に押圧している。カール矯正機構51は、図3に示すように、搬送経路Rsの途中に配設された軸部51aと、軸部51aの外周部に設けられた押圧部51bとを有して構成される。
尚、本実施形態では、シート材S1は、軸部51a付近では一方の面(シート面)を上に向けて前方に搬送される。そして、2つのガイド用ローラ41は、軸部51aと前後に隣接するように軸部51aの両側に配置されている。以下、シート材S1の一方の面を表面と略称して説明を進める。
軸部51aは、シート材S1の表面に沿って左右方向に延びる細長い円柱状の部分であり、シート供給手段10から印刷手段20までの間の搬送経路Rsの途中の所定の位置に、シート材S1の上側に位置するように配置されている。そして、軸部51aは、図示しない支持機構によって回転軸を中心に回転可能に支持されている。尚、本実施形態では、軸部51aの回転軸は、軸部51aの中心軸と一致するように設定されており、軸部51aの延長方向に沿ったものとなっている。
押圧部51bは、シート材S1を押圧するための部分である。本実施形態では、押圧部51bは、軸部51aの外周部に設けられて軸部51aと共に回転する円柱状の偏心ローラである。偏心ローラは、自身の回転軸が中心軸と異なる位置に設けられたローラであり、自身の回転軸から外周部までの距離が周方向に沿って異なるような形状となっている。押圧部51bをこのような偏心ローラとすることによって、軸部51aの回転角度に対応して押圧部51bの下端部の高さを変化させることができる。尚、押圧部51bの外周部には、従動スリーブ51cが設けられており、軸部51aが回転しなくても、シート材S1の移動に合わせて、押圧部51bの外周部が回転できるようになっている。
調整用モータ52は、軸部51aが回転するための動力を発生させ、調整用モータ52が発生させた動力は、前述したギアを介して軸部51aに伝達される。そして、調整用モータ52から伝達された動力によって、軸部51aの回転角度が所定の回転角度となるように軸部51aが回転する。カール量制御部53は、前述したプリンタ1側のセンサ装置や制御装置と接続されている。そして、カール量制御部53は、プリンタ1側のセンサ装置や制御装置から、ロール部材S0の外径等のシート材S1の保持状態と、シート材S1の厚さや吸水率等の材質と、シート材S1の水分量と、シート材S1の周囲の温度と、シート材S1の周囲の湿度と、シート材S1への印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報を入手し、入手した情報に基づいてカールの矯正に適した軸部51aの回転角度を決定している。そして、カール量制御部53は、軸部51aの回転角度が決定した回転角度が維持されるように調整用モータ52の動作を制御している。
カール量制御部53が、プリンタ1側のセンサ装置や制御装置からどの条件に関する情報を入手して使用するかは、プリンタ1の規格やプリンタ1の使用環境によって異なるが、シート材S1のカールへの影響が大きい条件に関する情報が優先的に使用される。プリンタ1及びカール矯正装置50はこのような構成となっている。
次に、シート材S1のカールの矯正方法について、図4を用いて説明する。本実施形態のプリンタ1では、シート材S1が複数回巻き回されたロール部材S0からシート材S1が供給されるので、シート材S1の巻き回しによってカールが発生し易くなる。本実施形態では、シート材S1のカールは、シート材S1を表面を上に向けて前方に搬送している時に、シート材S1の前寄りの所定の位置と後寄りの所定の位置とを下から支持すると、その中央部が上方に盛り上がるようなカールとなる。このようなシート材S1のカールは、シート材S1をカールの方向とは反対の方向に押圧することによって矯正することができる。すなわち、シート材S1を表面を上に向けて前方に搬送している時に、シート材S1の前寄りの所定の位置と後寄りの所定の位置とを下から支持すると共に、その中央部を下方に押圧することによって、シート材S1のカールを矯正することができる。
そして、本実施形態では、シート材S1は、軸部51a付近では表面を上に向けて前方に搬送される。そして、2つのガイド用ローラ41は、軸部51aと前後に隣接するように軸部51aの両側に配置されている。そのため、2つのガイド用ローラ41によって、シート材S1の前寄りの所定の位置と後寄りの所定の位置とを下から支持すると共に、軸部51aの外周部に設けられた押圧部51bによって、その中央部を下方に押圧することができる。本実施形態では、このようにして、シート材S1のカールを矯正している。
尚、シート材S1のカール量は、前述したシート材S1の保持状態や、シート材S1の材質や、シート材S1の周囲の温度や、シート材S1の周囲の湿度や、シート材S1に印刷を行う場合の印刷内容等の条件に影響され易く、これらの条件によってシート材S1のカール量が変化する。そのため、カールの矯正力はこれらの条件に合わせて調整可能であることが望ましい。そして、カールの矯正力は、シート材S1の押圧量(押圧した箇所の押圧方向への移動量)によって変化させることができる。すなわち、シート材S1の押圧量が大きい程カールの矯正力は大きくなり、シート材S1の押圧量が小さい程カールの矯正力は小さくなる。
それに対して、カール矯正装置50では、押圧部51bが軸部51aの外周部に設けられた偏心ローラであり、軸部51aと共に回転する。そして、押圧部51bの回転に伴って、押圧部51bの下端部の高さが変化するようになっている。そして、押圧部51bの下端部の高さに合わせてシート材S1の下方への押圧量を変化させることができ、それによって、カールの矯正力を調整することができる。
例えば、図4において、Poを、右から見た場合の軸部51aの中心軸の位置とし、P1を、右から見た場合の、押圧部51bの外周部において押圧部51bの回転軸から外周部までの距離が最大となる位置とし、θを、位置P1が位置Poの真上にある状態を基準とした軸部51aの回転角度とし、回転角度θが0の状態、すなわち、位置P1が位置Poの真上にある状態をカール矯正機構51の基準状態とすると、図4(a)に示すように、カール矯正機構51が基準状態にある時、すなわち、位置P1が位置Poの真上にある時に、押圧部51bの下端部の高さが最も高くなる。
そして、図4(b)に示すように、基準状態から軸部51aが角度θだけ回転すると、軸部51aの回転に伴って、押圧部51bの下端部の高さが低くなる。押圧部51bの下端部の高さは、図4(c)に示すように、軸部51aの回転角度θがπ(180度)になった時、すなわち、位置P1が位置Poの真下に来た時に最も低くなる。そのため、回転角度θが0の時の押圧部51bの下端部の高さとシート材S1の高さとがほぼ一致するようにシート材S1の搬送経路Rsを設定すれば、回転角度θが0の時にシート材S1の押圧量が最小となり、回転角度θがπ(180度)の時に、シート材S1の押圧量が最大となる。
本実施形態では、このようにして、軸部51aの回転角度θに対応して押圧部51bの下端部の高さを変化させることができ、押圧部51bの下端部の高さに対応してシート材S1の押圧量を変化させることができる。そして、シート材S1の押圧量を変化させることによって、シート材S1のカールの矯正力を調整することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態のカール矯正装置50では、軸部51aの外周部に設けられた押圧部51bで直接シート材S1を押圧してシート材S1のカールを矯正することができ、押圧部51bを回転させてカールの矯正力を変化させることができる。しかも、軸部51aをガイド用ローラ41と隣接して配置することによって、ガイド用ローラ41をカール矯正時の支持用の部材として利用することもできる。そのため、軸部51aと押圧部51bとでカール矯正機構51を構成することができ、カール矯正機構51の構造を簡単にすることができる。その結果、カール矯正機構51の構造が簡単なカール矯正装置50を提供することができる。
また、本実施形態のカール矯正装置50では、ガイド用ローラ41が、軸部51aの両側に、且つ、シート材S1を挟んで軸部51aとは反対側に位置するように配置されているので、軸部51aの両側でシート材S1を支持することができ、シート材S1を安定して押圧することができるようになる。その結果、カールの矯正をより確実に行うことができるようになる。
また、本実施形態のカール矯正装置50では、押圧部51bが偏心ローラである。偏心ローラは構造が簡単なので、カール矯正機構51の構造を更に簡単にすることができる。尚、本実施形態のカール矯正装置50では、押圧部51bが偏心ローラであるが、押圧部51bが偏心カムであっても構わない。押圧部51bが偏心カムであっても、本実施形態と同様にシート材のカールを矯正することができる。そして、偏心カムは構造が簡単なので、押圧部51bが偏心カムであっても、カール矯正機構51の構造を簡単にすることができる。
また、本実施形態のカール矯正装置50では、押圧部51bが偏心ローラであり、押圧部51bである偏心ローラの外周部には従動スリーブ51cが設けられている。そのため、従動スリーブ51cがシート材S1の搬送に伴って回転することによって、押圧部51bとシート材S1との摺動を抑制することができる。その結果、シート材S1を搬送する際の押圧部51bとシート材S1との摩擦による負荷の増大を抑制することができる。また、押圧部51bとシート材S1との摺動を抑制することができるので、シート材S1が傷付き易い材質である場合に好適である。
また、本実施形態のカール矯正装置50では、角度調整手段である調整用モータ52によって軸部51aの回転角度を変化させ、軸部51aの回転角度に対応して押圧部51bによるシート材S1の押圧量を変化させることができる。そして、カールの矯正力は、シート材S1の押圧量に対応して変化する。すなわち、シート材S1の押圧量が大きい程、カールの矯正力は大きくなり、シート材S1の押圧量が小さい程、カールの矯正力は小さくなる。その結果、軸部51aの回転角度を変化させるだけでカールの矯正力を変化させることができ、簡単な動作でカールの矯正力を調整することができるようになる。
また、カール矯正装置50のような装置では、シート材S1のカール量は、シート材S1の保持状態や、シート材S1の材質や、シート材S1の水分量や、シート材S1の周囲の温度や、シート材S1の周囲の湿度や、シート材S1に印刷を行う場合の印刷内容等の条件に影響され易い。それに対して、本実施形態のカール矯正装置50では、制御手段であるカール量制御部53が、シート材S1の保持状態と、シート材S1の材質と、シート材S1の含水量と、シート材S1の周囲の温度と、シート材S1の周囲の湿度と、シート材S1に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、軸部51aの回転角度を制御している。そして、軸部51aの回転角度に対応してシート材S1の押圧量を変化させ、それによって、カールの矯正力を変化させることができる。その結果、適切な情報に基づいてカールの矯正力を調整することができるようになる。
また、本実施形態のプリンタ1は、シート材S1を供給するシート供給手段10と、シート材S1に印刷を行う印刷手段20と、シート材S1を搬送するための搬送手段30と、シート材S1をガイドするためのガイド部材であるガイド用ローラ41と、カール矯正装置50とを備えているので、シート材S1に印刷を行うと共に、シート材S1のカールを矯正することができる。しかも、カール矯正装置50は、前述したような構成となっているので、カール矯正機構51の構造を簡単にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るプリンタ及びカール矯正装置の構成について、図5を用いて説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第2実施形態に係るプリンタ101は、第1実施形態に係るプリンタ1のカール矯正装置50がカール矯正装置150に置き換わったものである。カール矯正装置150は、図5に示すように、カール矯正機構51と、駆動用モータ152と、制御手段であるカール量制御部53と、図示しない動力伝達用のギアとを有して構成される。
カール矯正機構51の構造は、第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、シート材S1の搬送中に軸部51aの回転角度が所定の回転角度に維持されるのではなく、軸部51aが所定の回転速度で連続して回転するようになっている。そして、カール矯正装置150は、軸部51aと共に押圧部51bが所定の回転速度で回転し、押圧部51bが所定の頻度でシート材を押圧することによって、シート材のカールを矯正している。
また、カール矯正装置150は、軸部51aの回転速度を変化させ、シート材への押圧の頻度を変化させることによって、カールの矯正力を変化させている。すなわち、軸部51aの回転速度が速い程、シート材への押圧の頻度が高くなり、シート材への押圧の頻度が高い程、カールの矯正力が大きくなる。また、軸部51aの回転速度が遅い程、シート材への押圧の頻度が低くなり、シート材への押圧の頻度が低い程、カールの矯正力が小さくなる。
駆動用モータ152は、軸部51aが回転するための動力を発生させ、駆動用モータ152が発生させた動力は、前述したギアを介して軸部51aに伝達される。そして、駆動用モータ152から伝達された動力によって軸部51aが所定の回転速度で回転する。カール量制御部53は、プリンタ101側のセンサ装置やプリンタ101側の制御装置等から、シート材S1の保持状態と、シート材S1の材質と、シート材S1の水分量と、シート材S1の周囲の温度と、シート材S1の周囲の湿度と、シート材S1への印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報を入手し、入手した情報に基づいてカールの矯正に適した軸部51aの回転速度を決定している。そして、カール量制御部53は、決定した回転速度で軸部51aが回転するように、駆動用モータ152の動作を制御している。
カール矯正装置150は、このようにして、シート材S1のカールを矯正すると共に、シート材S1の保持条件やシート材S1への印刷条件に関する情報に基づいてカールの矯正力を調整している。
次に、本実施形態の効果について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる効果についてのみ説明する。
本実施形態のカール矯正装置150では、動力伝達手段である駆動用モータ152によって軸部51aと共に押圧部51bを回転させ、軸部51aの回転速度に対応して押圧部51bによるシート材S1の押圧頻度を変化させることができる。そして、カールの矯正力は、シート材S1の押圧頻度に対応して変化する。すなわち、シート材S1の押圧頻度が高い程、カールの矯正力は大きくなり、シート材S1の押圧頻度が低い程、カールの矯正力は小さくなる。その結果、軸部51aの回転速度を変化させるだけでカールの矯正力を変化させることができ、簡単な動作でカールの矯正力を調整することができるようになる。
また、カール矯正装置150のような装置では、シート材S1のカール量は、シート材S1の保持状態や、シート材S1の材質や、シート材S1の水分量や、シート材S1の周囲の温度や、シート材S1の周囲の湿度や、シート材S1に印刷を行う場合の印刷内容等の条件に影響され易い。それに対して、本実施形態のカール矯正装置150では、制御手段であるカール量制御部53が、シート材S1の保持状態と、シート材S1の材質と、シート材S1の含水量と、シート材S1の周囲の温度と、シート材S1の周囲の湿度と、シート材S1に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、軸部51aの回転速度を制御している。そして、軸部51aの回転速度に対応してシート材の押圧頻度を変化させ、それによって、カールの矯正力を変化させることができる。その結果、適切な情報に基づいてカールの矯正力を調整することができるようになる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るプリンタ及びカール矯正装置の構成について、図6を用いて説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第3実施形態に係るプリンタ201は、第2実施形態に係るプリンタ101のカール矯正装置150がカール矯正装置250に置き換わったものである。カール矯正装置250は、図6に示すように、カール矯正機構51と、動力伝達手段である動力伝達用ベルト252とを有している。
動力伝達用ベルト252は、保持用リール11の軸部11aとカール矯正機構51の軸部51aとを連結している。保持用リール11にはシート材S1が巻かれたロール部材S0がセットされており、シート材S1の搬送時に保持用リール11がロール部材S0と共に回転するようになっている。そして、搬送用ローラ31が一定の搬送速度でシート材S1を搬送している場合、ロール部材S0及び保持用リール11の回転速度は、ロール部材S0の外径によって変化する。すなわち、ロール部材S0の外径が大きい程、ロール部材S0及び保持用リール11の回転速度は小さくなり、ロール部材S0の外径が小さい程、ロール部材S0及び保持用リール11の回転速度は大きくなる。尚、本実施形態では、シート材S1の搬送速度は一定であるものとする。
また、カール矯正装置150では、動力伝達用ベルト252が保持用リール11の軸部11aとカール矯正装置50の軸部51aとを連結し、軸部11aから軸部51aに動力を伝達している。そして、軸部51aは、ロール部材S0及び保持用リール11の回転速度と対応した回転速度で回転するようになっている。すなわち、ロール部材S0及び保持用リール11の回転速度が小さい程、軸部51aの回転速度は小さくなり、ロール部材S0及び保持用リール11の回転速度が大きい程、軸部51aの回転速度は大きくなる。
カール矯正装置250をこのような構成とすることによって、軸部51aの回転速度がロール部材S0の外径に対応して変化するようになる。そして、第2実施形態で説明したように、カールに矯正力は軸部51aの回転速度に対応して変化するので、カールに矯正力がロール部材S0の外径に対応して変化するようになる。すなわち、ロール部材S0の外径が大きい程、軸部51aの回転速度が小さくなり、それに伴ってカールの矯正力が小さくなる。また、ロール部材S0の外径が小さい程、軸部51aの回転速度が大きくなり、それに伴ってカールの矯正力が大きくなる。
次に、本実施形態の効果について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と異なる効果についてのみ説明する。
本実施形態のカール矯正装置250では、ロール部材S0の外径に対応してシート材S1のカール量が変化する。すなわち、シート材S1の巻き数が多くロール部材S0の外径が大きい時には、シート材S1のカール量が小さくなり易く、シート材S1の巻き数が少なくロール部材S0の外径が小さい時には、シート材S1のカール量が大きくなり易い。それに対して、本実施形態のカール矯正装置250では、ロール部材S0は、自身の外径に対応して回転速度が変化するように支持され、動力伝達手段である動力伝達用ベルト252は、ロール部材S0の回転速度と対応した回転速度で軸部51aが回転するように、軸部51aに動力を伝達している。そのため、ロール部材S0の外径に対応して軸部51aの回転速度を変化させることができる。そして、軸部51aの回転速度に対応してシート材S1の押圧頻度を変化させ、それによって、カールの矯正力を変化させることができる。その結果、複雑な制御を行わなくてもロール部材S0の外径に合わせてカールの矯正力を調整することができるようになる。
尚、このようなカール矯正装置250は、ロール部材S0の外径がシート材S1のカールに及ぼす影響が、他の条件がシート材S1のカールに及ぼす影響と比較して大きい場合に特に好適である。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
例えば、本発明の実施形態において、プリンタ1やプリンタ101やプリンタ201は、前述した以外の部材を更に備えていても構わない。また、カール矯正装置50やカール矯正装置150やカール矯正装置250は、前述した以外の部材を更に備えていても構わない。
また、本発明の実施形態において、プリンタ1の規格等に合わせて、搬送用ローラ31の配置や、カール矯正機構51の配置や、シート材S1の押圧の方向等を適宜変更しても構わない。例えば、搬送用ローラ31を、印刷手段20の前方やガイド部材40の後方等に配置しても構わない。また、カール矯正機構51を、印刷手段20と搬送用ローラ31との間や、印刷手段20の前方に配置しても構わない。また、シート材S1のカールの方向が本実施形態と上下逆の場合には、ガイド用ローラ41をシート材の上側に配置し、カール矯正機構51の軸部51aをシート材の下側に配置して、押圧部51bにシート材S1を上方に押圧させても構わない。
また、本発明の実施形態において、カール矯正機構51の形状を適宜変更しても構わない。例えば、シート材S1と押圧部51bとの摺動が円滑であるならば、押圧部51bには、従動スリーブが設けられていなくても構わない。軸部51aには押圧部51bとなる複数の偏心ローラが設けられていても構わない。カール矯正機構51
また、本発明の実施形態において、シート材S1は、ロール部材S0として供給されるのではなく、所定のサイズに切断された用紙として供給されても構わない。また、印刷が可能ならば、シート材S1の材質は紙以外でも構わない。また、カール矯正装置50やカール矯正装置150やカール矯正装置250は、プリンタ以外の装置に搭載されていても構わない。
また、本発明の第3実施形態において、動力伝達用ベルト252によって保持用リール11の軸部11aからカール矯正装置50の軸部51aに動力を伝達するのではなく、動力伝達用のギア等によって保持用リール11の軸部11aからカール矯正装置50の軸部51aに動力を伝達しても構わない。
1 プリンタ
10 シート供給手段
11 保持用リール
11a 軸部
20 印刷手段
21 印刷用ヘッド
22 加圧用ローラ
30 搬送手段
31 搬送用ローラ
32 搬送用モータ
40 ガイド部材
41 ガイド用ローラ
50 カール矯正装置
51 カール矯正機構
51a 軸部
51b 押圧部
51c 従動スリーブ
52 調整用モータ
53 カール量制御部
101 プリンタ
150 カール矯正装置
152 駆動用モータ
201 プリンタ
250 カール矯正装置
252 動力伝達用ベルト
Rs 搬送経路
S0 ロール部材
S1 シート材

Claims (10)

  1. シート材をガイドするためのガイド部材が配置された前記シート材の搬送経路の途中に配設され、搬送中の前記シート材を所定の方向に押圧して前記シート材のカールを矯正するカール矯正機構を備えたカール矯正装置であって、
    前記カール矯正機構は、
    前記ガイド部材と隣接して配置され、前記シート材のシート面に沿って前記シート材の搬送方向と直交する方向に延びる軸部と、
    前記軸部の外周部に設けられた少なくとも1つの押圧部とを有し、
    前記軸部は、自身の延長方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持され、
    前記押圧部は、前記軸部と共に回転し、
    前記押圧部の形状は、自身の回転軸から外周部までの距離が自身の周方向に沿って変化するような形状となっていることを特徴とするカール矯正装置。
  2. 前記搬送経路には少なくとも2つの前記ガイド部材が配置され、
    前記2つのガイド部材は、前記軸部の両側に、且つ、前記シート材を挟んで前記軸部とは反対側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカール矯正装置。
  3. 前記押圧部は、偏心ローラ又は偏心カムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカール矯正装置。
  4. 前記押圧部は、偏心ローラであり、
    前記偏心ローラの外周部には、従動スリーブが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のカール矯正装置。
  5. 前記軸部の回転角度を変化させるための角度調整手段を更に備え、
    前記角度調整手段によって前記軸部の回転角度を変化させ、
    前記軸部の回転角度に対応して前記押圧部による前記シート材の押圧量を変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のカール矯正装置。
  6. 前記軸部の回転角度を制御するための制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記シート材の保持状態と、前記シート材の材質と、前記シート材の含水量と、前記シート材の周囲の温度と、前記シート材の周囲の湿度と、前記シート材に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、前記軸部の回転角度を制御していることを特徴とする請求項5に記載のカール矯正装置。
  7. 前記軸部を回転させるための動力を伝達する動力伝達手段を更に備え、
    前記動力伝達手段によって前記軸部と共に前記押圧部を回転させ、
    前記軸部の回転速度に対応して前記押圧部による前記シート材の押圧の頻度を変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のカール矯正装置。
  8. 前記軸部の回転速度を制御するための制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記シート材の保持状態と、前記シート材の材質と、前記シート材の含水量と、前記シート材の周囲の温度と、前記シート材の周囲の湿度と、前記シート材に印刷を行う場合の印刷内容とのうちの少なくとも1つの条件を含む情報に基づいて、前記軸部の回転速度を制御していることを特徴とする請求項7に記載のカール矯正装置。
  9. 前記シート材は、前記シート材が巻かれると共に回転可能に支持されたロール部材から供給され、
    前記ロール部材は、自身の外径に対応して回転速度が変化するように支持され、
    前記動力伝達手段は、前記ロール部材の回転速度と対応した回転速度で前記軸部が回転するように、前記軸部に動力を伝達することを特徴とする請求項7に記載のカール矯正装置。
  10. 前記シート材を供給するシート供給手段と、
    前記シート材に印刷を行う印刷手段と、
    前記シート材を搬送するための搬送手段と、
    前記シート材をガイドするためのガイド部材と、
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のカール矯正装置とを備えたことを特徴とするプリンタ。

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