しかしながら、専用回線を用いた場合、一般の通信回線に比べてセキュリティ性は確保できるが、通信コストが高く、設置に手間がかかってしまう。このため、一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる技術が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる防災インフラ設備の遠隔監視システム及び防災インフラ設備の遠隔監視方法を提供することを目的とする。
本発明に係る防災インフラ設備の遠隔監視システムは、防災インフラ設備に接続され、前記防災インフラ設備に関する設備データを収集するデータ収集装置と、前記データ収集装置から分離して設けられ、前記データ収集装置によって収集された前記設備データを記憶する中間側記憶部を有する中間記憶装置と、前記中間記憶装置の前記中間側記憶部に記憶された前記設備データを、外部ネットワークを介して受信可能な遠隔監視装置と、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間の通信が切断されかつ前記中間記憶装置と前記外部ネットワークとの間の通信が切断された切断状態と、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間が少なくとも前記設備データを通信可能に接続されかつ前記中間記憶装置と前記外部ネットワークとの間では通信が切断される第1接続状態と、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間では通信が切断されかつ前記中間記憶装置と前記外部ネットワークとの間が少なくとも前記設備データを通信可能に接続される第2接続状態とに切り替え可能なスイッチ装置とを備える。
本発明によれば、スイッチ装置を切断状態とすることにより、データ収集装置及び中間記憶装置のそれぞれにおいて、外部との通信が隔絶された状態にすることができる。これにより、外部からのウィルスや不正アクセスなどを確実に防ぐことができる。また、スイッチ装置が第1接続状態又は第2接続状態となるように、つまり、中間記憶装置がデータ収集装置及び構成されるため、データ収集装置と外部ネットワークとの間が通信可能な状態になることを防止できる。したがって、設備データの送信時においても、外部からのウィルスや不正アクセスなどを確実に防ぐことができる。これにより、外部ネットワークとして一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記中間記憶装置は、前記スイッチ装置が前記第2接続状態から前記切断状態に切り替えられた場合、前記中間側記憶部を初期化する動作及び前記中間記憶装置内のウィルスを検索して除去する動作のうち少なくとも一方のセキュリティ対策動作を行う。
本発明によれば、中間記憶装置と外部ネットワークとの接続が切断された後、中間記憶装置において中間側記憶部の初期化及びウィルスを検索して除去する動作のうち少なくとも一方のセキュリティ対策動作を行うことにより、高度のセキュリティ性を確保できる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記中間記憶装置における前記セキュリティ対策動作が完了するまで前記切断状態から他の状態に切り替わることを規制する。
本発明によれば、中間記憶装置においてセキュリティ対策動作が行われた後にデータ収集装置等に接続可能となるため、セキュリティ性を確保することができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ収集装置は、前記設備データを記憶する収集側記憶部と、前記スイッチ装置が前記第1接続状態である場合に前記収集側記憶部に記憶された前記設備データを前記中間記憶装置に送信させる通信制御部と、を有する。
本発明によれば、収集側記憶部において設備データを記憶させることができるため、設備データを漏れなく送信することができる。また、スイッチ装置が第1接続状態である場合に設備データが通信制御部によって自動的に送信されるため、作業者が送信操作を行う手間を省くことができる。これにより、作業者の負担を低減することができ、また作業者が不在でも設備データが確実に送信されることとなる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ収集装置は、前記設備データから一部のデータを抽出して前記設備データとは別個に前記収集側記憶部に抽出データとして記憶させるデータ抽出部を有し、前記通信制御部は、前記抽出データを単独で前記中間記憶装置に送信可能である。
本発明によれば、データ抽出部に記憶された抽出データを単独で中間記憶装置に送信可能であるため、設備データに比べて容量の小さい抽出データを短時間で送信することができる。これにより、効率的にデータの送信を行うことができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ抽出部は、前記防災インフラ設備の動作異常が発生した場合、前記動作異常に関するデータを前記抽出データとして抽出する。
本発明によれば、防災インフラ設備の動作異常に関するデータを短時間で中間記憶装置に送信することができる。これにより、防災インフラ設備の動作異常をより短時間で検知することができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ収集装置及び前記中間記憶装置のうち少なくとも一方は、前記通信を行う回路とは異なる回路を介して前記スイッチ装置の前記切断状態、前記第1接続状態及び前記第2接続状態を切り替え可能なスイッチ制御部を有する。
本発明によれば、データ収集装置及び中間記憶装置のうち少なくとも一方に、スイッチ装置を切り替えるスイッチ制御部が設けられるため、設備データを自動でデータ収集装置から中間記憶装置に、また、中間記憶装置から遠隔監視装置に送信することができる。したがって、作業者が操作を行うことなく設備データが送信可能となる。これにより、作業者の負担を軽減することができ、また作業者が不在でも設備データが確実に送信される。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ収集装置は、前記スイッチ制御部を有し、前記データ収集装置に設けられる前記スイッチ制御部は、前記防災インフラ設備の動作異常が発生した場合、前記スイッチ装置が前記第1接続状態となるように制御する。
本発明によれば、防災インフラ設備の動作異常が発生した場合に、短時間でデータ収集装置から中間記憶装置にデータを送ることができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記スイッチ装置は、前記切断状態、前記第1接続状態及び前記第2接続状態の切り替えを外部から入力可能な外部入力部を有する。
本発明によれば、作業者等が外部からスイッチ装置を切断状態、第1接続状態及び第2接続状態に切り替えることができるため、操作性が向上することになる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ収集装置は、情報を出力する出力部と、前記スイッチ装置を所定の状態に切り替えるように外部に通知するための通知情報を前記出力部から出力させる通知部と、を有する。
本発明によれば、スイッチ装置を所定の状態に切り替えるように外部に通知することができるため、作業者に第1接続状態及び第2接続状態の切り替えを促すことができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記データ収集装置は、前記防災インフラ設備の動作異常の有無を判断する異常判断部を有する。
本発明によれば、防災インフラ設備の動作異常の有無を自動的に判断することができるため、より確実に動作異常を検出することができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視システムにおいて、前記防災インフラ設備は、ダムのゲート又は水門である。
本発明によれば、ダムのゲート又は水門を遠隔監視する場合、外部ネットワークとして一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる。
また、本発明に係る防災インフラ設備の遠隔監視によれば、防災インフラ設備に接続され、防災インフラ設備に関する設備データを収集するデータ収集装置と、前記データ収集装置から分離して設けられ、前記データ収集装置によって収集された前記設備データを記憶する中間側記憶部を有する中間記憶装置と、前記中間記憶装置の前記中間側記憶部に記憶された前記設備データを、外部ネットワークを介して受信可能な遠隔監視装置とを用いた防災インフラ設備の遠隔監視方法であって、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間の通信が切断されかつ前記中間記憶装置と前記外部ネットワークとの間の通信が切断された切断状態と、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間が少なくとも前記設備データを通信可能に接続されかつ前記中間記憶装置と前記外部ネットワークとの間では通信が切断される第1接続状態と、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間では通信が切断されかつ前記中間記憶装置と前記外部ネットワークとの間が少なくとも前記設備データを通信可能に接続される第2接続状態とに切り替え可能なスイッチ装置により、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間を前記第1接続状態とし、前記データ収集装置によって収集された前記設備データを前記中間記憶装置に送信して前記中間側記憶部に記憶させるステップと、前記データ収集装置と前記中間記憶装置との間が第2接続状態となるように前記スイッチ装置を切り替え、前記中間側記憶部に記憶された前記設備データを前記遠隔監視装置に前記外部ネットワークを介して送信するステップとを含む。
本発明によれば、スイッチ装置を切断状態から第1接続状態としてデータ収集装置から中間記憶装置に設備データを送信するため、データ収集装置と外部ネットワークとの間が通信可能な状態になることなく、設備データをデータ収集装置の外部に送ることができる。その後、スイッチ装置を第2接続状態として中間記憶装置から外部ネットワークを介して遠隔監視装置に設備データを送信するため、この場合においても、データ収集装置と外部ネットワークとの間が通信可能な状態になることなく、設備データを遠隔監視装置に送ることができる。このように、設備データの送信時において、外部からのウィルスや不正アクセスなどを確実に防ぐことができる。これにより、外部ネットワークとして一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視方法において、前記防災インフラ設備の異常動作が発生した場合、前記スイッチ装置を前記第1接続状態となするように外部に通知するステップを更に含む。
本発明によれば、防災インフラ設備の異常動作が発生した場合、スイッチ装置を第1接続状態にするように外部に通知するため、作業者が切り替え操作を行う手間を省くことができる。これにより、作業者の負担を低減することができ、また作業者が不在でも設備データが確実に送信されることとなる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視方法において、前記通知が行われてから所定時間を経過した後、前記第1接続状態とはならない場合、前記第1接続状態となるように前記スイッチ装置を切り替えるステップを更に含む。
本発明によれば、通知が行われてから所定時間を経過した後、第1接続状態とはならない場合に、スイッチ装置を何か自動的に切り替えることができる。これにより、防災インフラ設備に異常動作が発生した場合、確実にデータを送信することができる。
上記の防災インフラ設備の遠隔監視方法において、所定のフラグが検出された場合、前記スイッチ装置が第1接続状態となるように前記スイッチ装置切り替えるステップを更に含む。
本発明によれば、所定のフラグが検出された場合に、スイッチ装置が第1接続状態となるように自動的に切り替えることができる。これにより、無人の施設であっても、設備データを送信することができる。所定のフラグは、例えば定期的に設備データを送信する場合に当該設備データを送信するタイミングになったときや、防災インフラ設備の動作異常が発生したときなどに生じるように設定可能である。
本発明に係る防災インフラ設備の遠隔監視システム及び防災インフラ設備の遠隔監視方法によれば、一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる。
以下、本発明に係る防災インフラ設備の遠隔監視システム及び防災インフラ設備の遠隔監視方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、防災インフラ設備101の遠隔監視システム100の一例を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、遠隔監視システム100は、データ収集装置10と、中間記憶装置20と、スイッチ装置30と、遠隔監視装置40とを有している。本実施形態では、防災インフラ設備101として、ダムのゲートを例に挙げて説明する。なお、防災インフラ設備は、ダムのゲートの他に水門なども含まれる。
上記のデータ収集装置10と、中間記憶装置20と、スイッチ装置30とは、例えば防災インフラ設備101の近隣に設けられた建屋102内などに配置される。建屋102には、上記データ収集装置10、中間記憶装置20及びスイッチ装置30の操作やメンテナンス等を行う作業者が待機可能である。なお、建屋102は、無人であってもよい。
また、建屋102の他に、防災インフラ設備101を管理する不図示の管理所(例、ダム管理所等)が設置される場合がある。この管理所は、防災インフラ設備101又は建屋102に対して操作指令を出力可能である。管理所は、当該操作指令の出力操作やメンテナンス等を行う作業者が待機可能であってもよいし、無人であってもよい。
データ収集装置10は、防災インフラ設備101に接続され、防災インフラ設備101に関する設備データを収集する。防災インフラ設備101は、監視制御装置を有する。監視制御装置は、例えばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成される。データ収集装置10は、例えばパーソナルコンピュータ及び通信装置を有する。また、データ収集装置10は、PLC、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、データサーバなど、複数種類の装置を有してもよい。
設備データは、プロセスデータや運転履歴データ、動作異常データなどのデータを含む。プロセスデータは、ダムのゲートの位置及び開度、ゲートを制御する電動バルブの開閉状態、ゲートを操作する操作ボタンの状態、ダムに設けられる放水管ゲートの情報、各部の配管の圧力値などのデータを含む。運転履歴データは、ダムに設けられる排砂管やバルブなどの各部における時刻毎の運転内容を含む。また、上記の管理所から操作指令があった場合には、運転履歴データとして、当該操作指令の内容に関する情報や当該操作指令の受信履歴に関する情報(ログ等)を含めてもよい。
動作異常データは、異常履歴データ及び操作信号データを含む。異常履歴データは、異常の部位や異常の程度(レベル分類)、異常内容に関するデータを含む。また、操作信号データは、防災インフラ設備101の操作に関する外部機器からの入力信号や各種操作機器への出力信号に関するデータを含む。また、操作信号データは、入力信号を処理して出力信号とするための演算信号に関するデータを含む。
中間記憶装置20は、データ収集装置10から分離して設けられ、データ収集装置10によって収集された設備データを記憶する。中間記憶装置20としては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション等が用いられる。
スイッチ装置30は、収集側端子31と、中間側端子32と、外部側端子33と、スイッチ部材34とを有している。収集側端子31は、データ線61を介してデータ収集装置10に接続されている。中間側端子32は、データ線62を介して中間記憶装置20に接続されている。外部側端子33は、データ線63を介して外部ネットワーク50に接続されている。
スイッチ部材34は、中間側端子32が収集側端子31にも外部側端子33にも接続されない位置P0と、中間側端子32が収集側端子31には接続されかつ外部側端子33には接続されない位置P1と、中間側端子32が収集側端子31には接続されずかつ外部側端子33には接続される位置P2と、の3つの位置に切り替え可能である。スイッチ部材34は、例えば作業者が外部から手作業によって切り替え操作が可能である。
スイッチ部材34が位置P0に配置された場合、データ収集装置10と中間記憶装置20との間の通信が切断され、中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間の通信が切断された切断状態となる。スイッチ部材34が位置P1に配置された場合、データ収集装置10と中間記憶装置20との間では通信可能となり、中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間では通信が切断される第1接続状態となる。スイッチ部材34が第2接続状態P2に配置された場合、中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間では通信可能となり、データ収集装置10と中間記憶装置20との間では通信が切断される第2接続状態となる。このように、データ収集装置10と中間記憶装置20との間、中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間は、それぞれが同時に切断状態となるか、いずれか一方のみが通信可能な状態となる。このため、両方が接続された状態となることを回避できる。
遠隔監視装置40は、防災インフラ設備101に対して遠隔地に設けられる。遠隔監視装置40は、中間記憶装置20に記憶された設備データを、外部ネットワーク50を介して受信可能に設けられる。外部ネットワーク50としては、例えば衛星回線やインターネット回線、携帯電話回線などの一般的な通信回線が用いられる。
図2は、データ収集装置10の一例を示すブロック図である。図2に示すように、データ収集装置10は、処理部10aと、記憶部(収集側記憶部)10bと、入力部10cと、出力部10dと、これらを接続するバス10eとを有する。また、データ収集装置10は、スイッチ制御部10fを有する。
処理部10aは、通信制御部11と、データ抽出部12と、通知部13と、異常判断部14と、設備制御部15とを有する。
通信制御部11は、データ収集装置10と外部との情報の通信を制御する。通信制御部11は、防災インフラ設備101からの情報を受信して記憶部10bの設備データ記憶部17に記憶させる。通信制御部11は、スイッチ部材34が接続状態となっている場合、設備データ記憶部17に記憶される設備データ及び抽出データ記憶部18に記憶される抽出データ(後述)を中間記憶装置20に送信させる。通信制御部11は、抽出データ記憶部18に記憶された抽出データを単独で中間記憶装置20に送信可能である。
データ抽出部12は、記憶部10bの設備データから一部のデータを抽出して設備データとは別個に記憶部10bに抽出データとして記憶させる。例えば、データ抽出部12は、防災インフラ設備101の動作異常が発生した場合、動作異常に関するデータを抽出データとして抽出する。
通知部13は、スイッチ部材34の状態を切り替えるように外部に通知するための通知情報を出力させる。通知部13は、例えば出力部10dに予め接続される出力装置を介して、通知情報を視覚情報や聴覚情報として出力させる。建屋102の作業者は、出力装置から出力される通知情報に視覚情報や聴覚情報などにより通知情報を確認できる。例えば、出力部10dに警報器を接続させておくことにより、フラグの発生時にはアラームを出力することができる。通知部13は、設備データ又は抽出データを送信するフラグが生じた場合に、通知情報を出力させる。このようなフラグは、例えば定期的に設備データを送信する場合に当該設備データを送信するタイミングになったときや、防災インフラ設備101の動作異常が発生したときなどに生じるように設定できる。なお、防災インフラ設備101の動作異常については、例えば作業者の判断や後述の異常判断部14の判断によって検出される。
異常判断部14は、防災インフラ設備101の動作異常を判断する。異常判断部14は、例えば防災インフラ設備101の各部に所定の動作を行うよう制御信号が入力された場合に、動作が行われなかったり、想定していた動作とは異なる動作が行われたりした場合に動作異常であると判断する。この動作異常は、例えば防災インフラ設備101の各部の故障によるものが含まれる。
設備制御部15は、防災インフラ設備101の動作を制御する。設備制御部15は、例えば防災インフラ設備101に所定の動作を行うよう制御信号を入力する。
記憶部10bは、設備データ記憶部17と、抽出データ記憶部18とを有する。設備データ記憶部17は、防災インフラ設備101の設備データを記憶する。抽出データ記憶部18は、データ抽出部12によって抽出された抽出データを記憶する。設備データ記憶部17及び抽出データ記憶部18は、同一の記憶装置に設けられてもよいし、互いに異なる記憶装置に用いられてもよい。
入力部10cには、防災プラント設備101から収集する設備データなどが入力される。出力部10dには、設備データなどの情報が出力される。また、出力部10dには、通知情報を出力する上記の出力装置等が接続される。
スイッチ制御部10fは、スイッチ部材34の状態が切断状態、第1接続状態及び第2接続状態のそれぞれに自動的に切り替わるように制御する。スイッチ制御部10fは、例えば防災インフラ設備101の動作異常が発生した場合、スイッチ部材34を第1接続状態に切り替わるように制御を行う。スイッチ制御部10fは、バス10e及びデータ線61とは異なる回線(制御線64)によってスイッチ部材34の切り替え制御を実行可能である。なお、制御線64は、スイッチ部材34の切り替え制御を行う制御信号のみを伝達するものである。したがって、制御線64は、設備データ及び抽出データ等の通信には用いられない。
図3は、中間記憶装置20の一例を示すブロック図である。図3に示すように、中間記憶装置20は、処理部20aと、記憶部(中間側記憶部)20bと、入力部20cと、出力部20dと、これらを接続するバス20eとを有する。また、中間記憶装置20は、スイッチ制御部20fを有する。
処理部20aは、通信制御部21と、セキュリティ対策部22とを有する。
通信制御部21は、中間記憶装置20と外部との情報の通信を制御する。通信制御部21は、データ収集装置10から送信された設備データ及び抽出データを受信する。通信制御部21は、スイッチ部材34が接続状態となっている場合、設備データ記憶部24に記憶される設備データ及び抽出データ記憶部25に記憶された抽出データを、外部ネットワーク50へ送信させる。
セキュリティ対策部22は、中間記憶装置20のセキュリティ対策を行う。このようなセキュリティ対策としては、例えば中間記憶装置20内のウィルスを検索し、ウィルスが発見された場合には除去することが挙げられる。また、セキュリティ対策としては、例えば記憶部20bに記憶された設備データ及び抽出データが外部ネットワーク50へ送信された後、これらの設備データ及び抽出データを消去することが挙げられる。これらのセキュリティ対策動作を行う場合、セキュリティ対策部22は、後述のセキュリティ対策プログラムを実行させる。
記憶部20bは、設備データ記憶部24と、抽出データ記憶部25と、セキュリティ対策プログラム記憶部26とを有する。
設備データ記憶部24は、データ収集装置10から受信した設備データを記憶する。抽出データ記憶部25は、データ収集装置10から受信した抽出データを記憶する。設備データ記憶部24及び抽出データ記憶部25は、同一の記憶装置に設けられてもよいし、互いに異なる記憶装置に用いられてもよい。
セキュリティ対策プログラム記憶部26は、中間記憶装置20のセキュリティ対策動作を行うためのプログラムを記憶する。セキュリティ対策プログラムとしては、例えばウィルス除去プログラムやデータ消去プログラムなどが含まれる。ウィルス除去プログラムは、中間記憶装置20内のウィルスを検索し、ウィルスが発見された場合には除去する。データ消去プログラムは、記憶部20bの設備データ記憶部24及び抽出データ記憶部25に記憶されるデータを消去させるプログラムである。
スイッチ制御部20fは、スイッチ部材34の状態が切断状態、第1接続状態及び第2接続状態のそれぞれに自動的に切り替わるように制御する。スイッチ制御部20fは、中間記憶装置20と遠隔監視装置40との間で設備データ等を送受信する際に、送受信の状況に応じてスイッチ部材34が切り替えられるように制御する。スイッチ制御部20fは、バス20e及びデータ線62とは異なる回線(制御線65)によってスイッチ部材34の切り替え制御を実行可能である。なお、制御線65は、スイッチ部材34の切り替え制御を行う制御信号のみを伝達するものである。したがって、制御線65は、設備データ及び抽出データ等の通信には用いられない。
図4は、遠隔監視装置40の一例を示すブロック図である。図4に示すように、遠隔監視装置40は、処理部40aと、記憶部40bと、入力部40cと、出力部40dと、これらを接続するバス40eとを有する。また、遠隔監視装置40は、不図示の表示部を有してもよい。この表示部は、出力部40dに接続されてもよい。
処理部40aは、通信制御部41と、セキュリティ対策部42とを有する。通信制御部41は、遠隔監視装置40と外部との情報の通信を制御する。通信制御部41は、外部ネットワーク50を介して中間記憶装置20から送信された設備データ及び抽出データを受信する。
セキュリティ対策部42は、遠隔監視装置40のセキュリティ対策動作を行う。セキュリティ対策動作としては、例えば遠隔監視装置40内のウィルスを検索しウィルスが発見された場合には除去することや、記憶部40bに記憶された設備データ及び抽出データを消去することが挙げられる。これらのセキュリティ対策動作を行う場合、セキュリティ対策部42は、後述のセキュリティ対策プログラムを実行させる。
記憶部40bは、設備データ記憶部43と、抽出データ記憶部44と、セキュリティ対策プログラム記憶部45とを有する。
設備データ記憶部43は、外部ネットワーク50を介して中間記憶装置20から送信された設備データを記憶する。抽出データ記憶部44は、外部ネットワーク50を介して中間記憶装置20から送信された抽出データを受信し、記憶部40bの抽出データ記憶部44に記憶させる。
セキュリティ対策プログラム記憶部45は、セキュリティ対策プログラムを記憶する。セキュリティ対策プログラムとしては、遠隔監視装置40内のウィルスを検索しウィルスが発見された場合には除去するプログラムと、記憶部40bに記憶された設備データ及び抽出データを消去するプログラムとを含む。
次に、上記のように構成された防災インフラ設備101の遠隔監視システム100を用いた遠隔監視方法を説明する。図5は、遠隔監視方法の一例を示すフローチャートである。なお、図5のフローチャートでは、データ収集装置10における処理と中間記憶装置20における処理とを一連の流れで示している。本実施形態では、建屋102に作業者が待機し、当該作業者がスイッチ部材34を手作業で切り替える場合について説明する。
まず、データ収集装置10側の動作を説明する。遠隔監視システム100では、スイッチ装置30のスイッチ部材34を切断状態とし、データ収集装置10の設備制御部15により防災インフラ設備101の制御動作が行われる。この制御動作において、通信制御部11は、防災インフラ設備101の設備データを記憶部10bの設備データ記憶部17に記憶させる。
この動作の中で、処理部10aは、データ収集装置10から中間記憶装置20へとデータを送信するためのフラグがあるか否かを判断する(ステップS01)。処理部10aは、フラグがあるまでステップS01の判断を繰り返し行う(ステップS01のNo)。
例えば設備データの定期的な送信タイミングになった場合や、防災インフラ設備101の動作異常が検出された場合等、所定のフラグがあった場合(ステップS01のYes)には、処理部10aは、スイッチ部材34が第1接続状態に切り替わったか否かを判断する(ステップS02)。処理部10aは、ここでは例えばスイッチ部材34が第1接続状態に切り替わるまで処理を待機させる(ステップS02のNo)が、後述するようにこの動作に限定するものではない。なお、上記のフラグがあった場合、通知部13は、出力部10dに接続された出力装置などを介して、フラグがあった旨を作業者に通知する通知情報を出力させてもよい。これにより、通知情報を作業者に確実に通知することができる。作業者は、例えばこの通知情報等に基づいて、スイッチ部材34を手作業で第1接続状態に切り替える。
処理部10aにおいて、スイッチ部材34が第1接続状態に切り替わったと判断された場合(ステップS02のYes)、データ収集装置10と中間記憶装置20との間が通信可能となる。中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間については通信が切断された状態のままである。したがって、データ収集装置10は、中間記憶装置20との間のみ通信が可能となる。そこで、通信制御部11は、記憶部10bの設備データ記憶部17に記憶された設備データを中間記憶装置20へと送信させる(ステップS03)。これにより、中間記憶装置20ひいてはデータ収集装置10と外部ネットワーク50との間で通信が切断された状態で、データ収集装置10から中間記憶装置20に設備データの送信が行われるため、セキュリティ性が確保される。
次に、中間記憶装置20側の動作を説明する。中間記憶装置20では、送信された設備データが記憶部20bの設備データ記憶部24に記憶される。通信制御部21は、設備データの受信が完了したか否かを判断する(ステップS04)。通信制御部21によって受信が完了したと判断された場合(ステップS04のYes)、スイッチ制御部20fは、スイッチ部材34を切断状態に切り替える(ステップS05)。スイッチ部材34が切断状態となることで、データ収集装置10と中間記憶装置20との間の通信が切断される。なお、スイッチ部材34が切断状態となった後、データ収集装置10は、通常の動作に戻る。
スイッチ部材34が切断状態となった後、スイッチ制御部20fは、スイッチ部材34を第2接続状態に切り替える(ステップS06)。また、スイッチ部材34が第2接続状態となることで、中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間が通信可能となる。したがって、中間記憶装置20は、外部ネットワーク50を介して遠隔監視装置40との間で通信が可能となる。なお、ステップS05及びステップS06については、スイッチ部材34を一動作で第1接続状態から第2接続状態に切り替えるようにしてもよい。
上記のようにスイッチ部材34が第2接続状態に切り替えられた後、通信制御部21は、記憶部20bの設備データ記憶部24に記憶された設備データを、外部ネットワーク50を介して遠隔監視装置40に送信する(ステップS07)。データ収集装置10と中間記憶装置20との間は通信が切断されているため、セキュリティが確保された状態で設備データの送信が行われる。
遠隔監視装置40に送信された設備データは、記憶部40bの設備データ記憶部43に記憶される。通信制御部41は、設備データの受信が完了した場合、データ受信完了の信号を中間記憶装置20に送信する。中間記憶装置20において、通信制御部21は、このデータ受信完了の信号を受信することにより、設備データの送信が完了したと判断する(ステップS08のYes)。
その後、スイッチ制御部20fは、スイッチ部材34を切断状態に切り替える(ステップS09)。これにより、中間記憶装置20と外部ネットワーク50及び遠隔監視装置40との間は、通信が切断された状態となる。なお、中間記憶装置20とデータ収集装置10との間は、通信が切断された状態である。したがって、中間記憶装置20は、他の装置との間で通信が切断された状態となる。
このような状態となった後、セキュリティ対策部23は、セキュリティ対策動作を行う(ステップS10)。ステップS10では、セキュリティ対策部23は、プログラム記憶部26に記憶されたセキュリティ対策プログラムを実行する。これにより、例えば記憶部20bに記憶された設備データの消去が行われ、記憶部20bが初期化される。その後、セキュリティ対策部23は、中間記憶装置20の全体に亘ってウィルスを検索し、ウィルスが発見された場合には、当該ウィルスの除去を行うようにしてもよい。ステップS06でスイッチ部材34を接続状態とすることにより、中間記憶装置20が外部ネットワーク50との間で通信可能な状態となる。本実施形態では、外部ネットワーク50として一般の通信回線が用いられるため、中間記憶装置20に外部ネットワーク50を介してウィルスが侵入する可能性がある。これに対して、本実施形態では、スイッチ部材34を切断状態とし、外部との通信を隔絶した状態で中間記憶装置20のウィルスを検索及び除去処理を行うことにより、新たなウィルスの侵入を防ぐことができ、かつ確実にウィルスを除去することができる。なお、1回の除去処理では除去しきれないウィルスが存在する場合、除去処理を複数回行ってもよい。除去処理を所定回数行ってもウィルスが除去しきれない場合、エラーを出して処理を停止させてもよい。
以上により、データ収集装置10から遠隔監視装置40への設備データの送信動作が完了する。遠隔監視装置40側の作業者は、送信された設備データに基づいて防災インフラ設備101の状態を確認することができる。また、作業者は、防災インフラ設備101の状態を確認した後、セキュリティ対策動作を行わせてもよい。この場合、セキュリティ対策部42は、セキュリティ対策プログラム記憶部45に記憶されたセキュリティ対策プログラムを実行する。これにより、遠隔監視装置40においてもセキュリティ性が確保される。
以上のように、本実施形態によれば、スイッチ部材34を切断状態とすることにより、データ収集装置10及び中間記憶装置20のそれぞれにおいて外部との通信が隔絶された状態にすることができる。これにより、外部からのウィルスや不正アクセスなどを確実に防ぐことができる。また、スイッチ部材34が第1接続状態又は第2接続状態となるようにスイッチ装置30が構成されるため、データ収集装置10と外部ネットワーク50との間が通信可能な状態になることを防止できる。したがって、設備データの送信時においても、外部からのウィルスや不正アクセスなどを確実に防ぐことができる。これにより、外部ネットワーク50として一般の通信回線を用いてもセキュリティ性を確保できる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、建屋102に作業者が待機し、当該作業者がスイッチ部材34を切り替え可能な場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。
図6は、変形例に係る防災インフラ設備101の遠隔監視方法を示すフローチャートである。図6では、建屋102が無人であり、上記実施形態で作業者が手作業でスイッチ部材34を切り替えていたところをスイッチ制御部10fによって自動的に切り替える場合の手順を示している。図6に示す場合において、まず遠隔監視システム100では、スイッチ部材34を切断状態とし、データ収集装置10の設備制御部15により防災インフラ設備101の制御動作が行われる。この制御動作において、設備制御部15は、防災インフラ設備101の設備データを記憶部10bの設備データ記憶部17に記憶させる。
このような動作の中で、処理部10aは、上記同様にデータ収集装置10から中間記憶装置20へとデータを送信するためのフラグがあるか否かを判断する。そして、フラグがあった場合(ステップS01のYes)、そのフラグが動作異常によるものか否かを判断する(ステップS11)。
フラグが動作異常によるものであると判断された場合(ステップS11のYes)、データ抽出部12は、記憶部10bの設備データ記憶部17に記憶された設備データのうち動作異常に関連するデータを抽出データとして抽出し(ステップS12)、記憶部10bの抽出データ記憶部18に記憶させる(ステップS13)。
その後、スイッチ制御部10fは、スイッチ装置30のスイッチ部材34を第1接続状態に切り替える(ステップS14)。その後、通信制御部11は、記憶部10bの抽出データ記憶部18に記憶された抽出データを単独で中間記憶装置20へと送信させる(ステップS15)。したがって、設備データ記憶部17に記憶された設備データは、中間記憶装置20には送信されない。その後、中間記憶装置20において、上記実施形態のステップS04以降の動作を行う。
なお、例えば定期的に設備データを送信する動作の途中で、防災インフラ設備101に動作異常が生じる場合がある。つまり、設備データが中間記憶装置20から外部ネットワーク50を介して遠隔監視装置40に送信されている途中で、ステップS14が行われる可能性がある。一方、防災インフラ設備101に動作異常が発生した場合には、動作異常に関する抽出データが短時間で遠隔監視装置40に伝達されることが望ましい。したがって、このような場合には、抽出データの送信を設備データの送信に優先させて行わせるようにする。そこで、スイッチ制御部10fは、上記ステップS14を行うことにより、定期的な設備データの送信が行われている場合には、当該設備データの送信を中断し、抽出データの送信を行う。これにより、抽出データを短時間で遠隔監視装置40に送信できる。なお、中間記憶装置20でセキュリティ対策動作を行っている途中であった場合、セキュリティ対策動作が完了するまでステップS14を待機させておいてもよい。これにより、セキュリティ性を確保することができる。
なお、動作異常が短時間で連続して発生した場合、ステップS14では、スイッチ部材34が抽出データを送信するため第2接続状態となっていたり、セキュリティ対策動作を行うため切断状態となっていたりする可能性がある。このような場合には、当該抽出データが送信されるまで、あるいはセキュリティ対策動作が完了するまでステップS14の処理を待機させる。そして、抽出データの送信後あるいはセキュリティ対策動作の完了後にスイッチ部材34を第1接続状態に切り替えるようにしてもよい。これにより、動作異常が短時間で連続して発生した場合であっても、それぞれの動作異常に関する抽出データを確実に遠隔監視装置40に伝達することができ、セキュリティ性の確保を図ることができる。
続いて、ステップS11において、フラグが動作異常によるものではないと判断された場合(ステップS11のNo)、スイッチ制御部10fは、スイッチ部材34が切断状態か否かを判断する(ステップS16)。スイッチ部材34が切断状態である場合(ステップS16のYes)、スイッチ制御部10fは、スイッチ部材34を第1接続状態に切り替える(ステップS17)。その後、通信制御部11は、記憶部10bの設備データ記憶部17に記憶された設備データを中間記憶装置20へと送信させる(ステップS18)。その後、中間記憶装置20において、上記実施形態のステップS04以降の動作を行う。
なお、ステップS16において、スイッチ部材34が第2接続状態である場合(ステップS16のNo)、スイッチ部材34が切断状態となるまでスイッチ部材34の切り替えを待機させる。例えば定期的に設備データを送信する場合は、設備データを確実に送信することが求められる。したがって、通信制御部11は、中間記憶装置20から遠隔監視装置40へのデータの送信が完了した後、スイッチ部材34が切断状態に切り替わるまで設備データの送信を待機させる。そして、通信制御部11は、スイッチ部材34が切断状態に切り替わった後に設備データを送信させるようにする。
このように、建屋102が無人の状態であっても、スイッチ部材34が自動的に切り替わる。これにより、定期的に設備データを送信する場合であっても、防災インフラ設備101の動作異常に伴って抽出データを送信する場合であっても、セキュリティ性を確保しつつ、確実にデータを送信することが可能となる。
この他、例えば上記実施形態においては、建屋102に待機する作業者がデータ送信のフラグに気づかない場合や、データ送信のフラグがあったときに作業者が不在になっている場合も考えられる。そこで、データ収集装置10の出力部10dにアラームを接続させておき、データ送信のフラグがあった場合、アラームを鳴らして作業者に通知してもよい。図7は、変形例に係る防災インフラ設備101の遠隔監視方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、データ送信のフラグがあり、スイッチ部材34が切断状態となっている場合(ステップS02のNo)、通知部13は、出力部10dを介してアラームを出力させる(ステップS21)。これにより、フラグが発生したことを作業者に気づかせることができる。
アラームを出力した後にスイッチ部材34が切り替わらない場合には、作業者が不在である可能性がある。したがって、処理部10aは、アラームを出力した後に所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS22)。所定時間が経過する前にスイッチ部材34が接続状態になった場合(ステップS22のNo、ステップS23のYes)、作業者によってスイッチ部材34が切り替えられたものと判断できる。したがって、この場合、通知部13によってアラームを停止させ(ステップS24)、その後は上記実施形態と同様に、ステップS03以降の動作を行わせる。
また、所定時間を経過してもスイッチ部材34が接続状態にならない場合(ステップS22のNo、ステップS23のNo、ステップS22のYes)、作業者が不在であると判断できる。したがって、この場合、通知部13によってアラームを停止させ(ステップS25)、その後はスイッチ制御部10fによって自動的にスイッチ部材34を切り替える動作(例えば上記のステップS11以降の動作)を行わせる。これにより、作業者がスイッチ部材34を操作する手動操作モードから、スイッチ制御部10fがスイッチ部材34を制御する自動制御モードに切り替わる。このようにすることで、作業者が不在等の場合であっても確実にデータを中間記憶装置20に送信することができる。
なお、図7においては、ステップS25の後、データ送信のフラグが動作異常によるものである場合には自動制御モードに切り替えるようにし、データ送信のフラグが動作異常によるものではない場合(例、定期的な設備データの送信の場合等)には手動操作モードのまま切り替えずに処理を待機させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、外部ネットワーク50として、一般的な通信回線を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、外部ネットワーク50として、遠隔監視システム100の専用回線と、一般的な通信回線とを併用する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、スイッチ装置30には3つの位置P1、P2、P3の間で切り替え可能なスイッチ部材34が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、他の形態であってもよい。例えば、スイッチ装置30として、機械式スイッチではなく電子制御によるスイッチが設けられてもよい。この場合、データ収集装置10と中間記憶装置20との間、及び中間記憶装置20と外部ネットワーク50との間を、両方同時に切断状態にすると共に、一方が接続状態とする場合には他方は切断状態となるように制御する構成とする。