実施形態によれば、複数の学習部と、複数の予報部と、切替部とを備えた事故発生予報装置が提供される。複数の学習部は、過去の交通情報を用いて交通事故の発生パターンの学習を実行する。複数の予報部は、複数の学習部に対応するように設けられる。複数の予報部の各々は、複数の学習部の各々による学習結果に基づいて、交通事故が発生する可能性を示す予報を出力する。切替部は、交通情報に含まれる第1情報であって、交通事故の発生傾向に応じて交通情報を複数に分類可能な第1情報を用いて、学習を実行させる学習部を複数の学習部の間で切り替えるとともに、予報を出力させる予報部を複数の予報部の間で切り替える。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態による交通事故発生予報装置100の構成について説明する。第1実施形態では、上記の「第1情報」の一例として、時間に関する情報、より具体的には時間帯情報(詳細は後述する)が用いられる。
図1に示すように、第1実施形態による交通事故発生予報装置100は、機能的構成として、交通情報管理部101と、交通情報DB(データベース)102と、時間帯判定部103と、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bと、事故発生予報部105Aおよび105Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部105Aおよび105Bは、「予報部」の一例である。また、時間帯判定部103は、「切替部」の一例である。
なお、図1には、「学習部」の一例としての事故発生パターン学習部104Aおよび104Bの個数と、「予報部」の一例としての事故発生予報部105Aおよび105Bの個数とが共に2個である構成を示したが、第1実施形態の技術は、「学習部」の個数と「予報部」の個数とが共に3個以上である構成にも適用可能である。
交通情報管理部101は、交通情報の入力を受け付け、受け付けた交通情報を交通情報DB102に蓄積して管理するように構成されている。第1実施形態による交通情報管理部101には、交通情報として、センサ情報と、管制情報と、時間帯情報とが入力される。
センサ情報とは、高速道路などの道路の路側に設置される各種センサ(たとえば、車両感知器)により計測された交通状況を示す情報である。センサ情報としては、たとえば、単位時間当たりに道路を通過する車両の数などを示す交通量の積算値や、単位時間当たりの車両の平均速度や、道路における車両の占有率などが挙げられる。
また、管制情報とは、交通管制システムにおいて使用される情報であって、交通状況に影響を与える可能性のある情報である。このような管制情報は、交通管制システムの管制官により入力され得る。管制情報としては、たとえば、管制官が行う施策に関する情報や、道路上で発生した交通事故に関する情報や、道路上で行われる工事に関する情報などが挙げられる。また、交通事故に関する情報としては、たとえば、交通事故が発生する要因を示すフラグや、交通事故が発生した時刻や、交通事故のタイプなどが挙げられる。
また、時間帯情報とは、交通事故の発生傾向に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB102に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向(交通事故の発生しやすさや種類や規模など)に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部104Aおよび104Bの個数と同数に)分類可能な情報である。時間帯情報としては、たとえば、深夜、朝方、日中、夕方などの、互いに異なる時間帯を示す情報が設定される。時間帯情報は、上記の管制情報と同様に、交通管制システムの管制官により入力され得る。
交通情報管理部101は、上記のセンサ情報、管制情報、および時間帯情報を互いに対応付けて交通情報DB102に蓄積し、蓄積した交通情報を必要に応じて(たとえば交通事故発生予報装置100のオペレータからの要求などに応じて)時間帯判定部103に出力するように構成されている。時間帯判定部103は、交通情報管理部101から入力された交通情報を、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bと、事故発生予報部105Aおよび105Bとに出力することが可能なように構成されている。
ここで、第1実施形態では、時間帯判定部103は、交通情報管理部101から入力される交通情報のうちの時間帯情報を用いて、交通情報の出力先を、事故発生パターン学習部104Aおよび事故発生予報部105Aと、事故発生パターン学習部104Bおよび事故発生予報部105Bとで切り替えるように構成されている。たとえば、時間帯判定部103は、時間帯情報が、交通事故が発生しやすい時間帯(夕方など)を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部104Aおよび事故発生予報部105Aに設定し、時間帯情報が、交通事故が発生しにくい時間帯(日中など)を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部104Bおよび事故発生予報部105Bに設定するように構成されている。
事故発生パターン学習部104Aおよび104Bは、それぞれ、時間帯判定部103を介して交通情報管理部101から入力される過去の交通情報を用いて、交通事故の発生時における交通情報の相関関係などを学習することにより、交通事故の発生パターンの学習を実行するように構成されている。第1実施形態では、上記のように、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bには、時間帯情報が互いに異なる交通情報が入力される。これにより、第1実施形態では、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bに学習させる交通情報を、交通事故の発生しやすさに応じて異ならせることができる。
なお、学習の方法としては、種々の方法が考えられる。比較的簡単な方法としては、たとえば、事故発生時の交通情報(センサ情報、管制情報、および時間帯情報の組合せ)を保持(蓄積)する方法や、事故発生時の交通情報の組合せを統計処理でクラスタリングし、類似したケースのデータを作成する方法などが挙げられる。また、他の方法としては、ニューラルネットワークの一種としての自己組織化マップを利用したアルゴリズム(たとえば、特開2014−35639号公報参照)などが挙げられる。なお、第1実施形態では、交通事故の発生時における交通情報の相関関係などを学習することが可能な方法であれば、自己組織化マップを利用した方法以外の、たとえばペイジアンネットワークなどを利用した方法で学習が行われてもよい。
事故発生予報部105Aおよび105Bは、それぞれ、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bに対応するように設けられている。事故発生予報部105Aおよび105Bは、それぞれ、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bによる学習結果に基づいて、交通事故が発生する可能性を示す予報を出力するように構成されている。
たとえば、事故発生予報部105Aおよび105Bは、それぞれ、予報の対象となる時点の交通情報と、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bによる学習結果に基づく交通事故発生時の交通情報との類似度を比較し、類似度がしきい値以上の場合に、交通事故が発生する可能性が高い旨を予報(事故発生傾向)として出力するように構成されている。図1では、事故発生予報部105Aが出力する予報を事故発生傾向Aとして図示し、事故発生予報部105Bが出力する予報を事故発生傾向Bとして図示している。なお、第1実施形態による事故発生予報部105Aおよび105Bは、交通事故が発生する可能性を示す数値を上記の類似度に基づいて算出し、交通事故が発生する可能性を定量的に出力するように構成されていてもよい。
なお、実施形態による交通事故発生予報装置100は、図2に示すような通常のコンピュータ10を利用したハードウェア構成を有する。すなわち、交通事故発生予報装置100は、ハードウェア構成として、入出力I/F(インターフェース)11と、ストレージ12と、CPU(Central Processing Unit)13と、ROM(Read Only Memory)14と、RAM(Random Access Memory)15とを備える。これらのハードウェアは、バス16に接続されている。
入出力I/F11は、ディスプレイなどの出力デバイスや、キーボードなどの入力デバイスなどを接続するためのインターフェースである。ストレージ12は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などの、各種データを記憶するための記憶媒体である。CPU13は、各種コンピュータプログラムを実行することにより、各種演算処理を行うように構成された演算処理部である。ROM14は、CPU13により実行される各種コンピュータプログラムなどを記憶するように構成された不揮発性メモリである。RAM15は、CPU13が各種コンピュータプログラムを実行するための作業領域として機能するメモリである。図1に示した各機能モジュールは、CPU13がROM14から所定のコンピュータプログラムを読み出して実行した結果としてRAM15上に生成される。
次に、図3を参照して、第1実施形態による交通情報管理部101が実行する処理について説明する。
図3の処理フローでは、まず、S1において、交通情報管理部101は、交通情報の入力を受け付ける。第1実施形態による交通情報管理部101は、交通情報として、センサ情報と、管制情報と、時間帯情報との入力を受け付ける。そして、S2に処理が進む。
S2において、交通情報管理部101は、S1において入力された交通情報に含まれる各種情報(センサ情報、管制情報、および時間帯情報)を互いに対応付けて交通情報DB102に保存する。そして、S3に処理が進む。
S3において、交通情報管理部101は、交通情報DB102から交通情報を読み出して時間帯判定部103に出力する。このS3の処理は、たとえば交通事故発生予報装置100のオペレータからの要求などに応じて実行される。そして、処理が終了する。
次に、図4を参照して、第1実施形態による時間帯判定部103が実行する処理について説明する。
図4の処理フローでは、まず、S11において、時間帯判定部103は、交通情報管理部101からの交通情報の入力を受け付ける。そして、S12に処理が進む。
S12において、時間帯判定部103は、S11において入力された交通情報のうちの時間帯情報を参照し、時間帯情報に応じて、交通情報の出力先を、事故発生パターン学習部104Aおよび事故発生予報部105Aと、事故発生パターン学習部104Bおよび事故発生予報部105Bとで切り替える。そして、処理が終了する。
次に、図5を参照して、第1実施形態による事故発生パターン学習部104Aおよび104Bが実行する処理について説明する。
図5の処理フローでは、まず、S21において、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bは、時間帯判定部103からの交通情報の入力を受け付ける。上記図4のS12の処理により、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bには、時間帯情報が互いに異なる交通情報が入力される。そして、S22に処理が進む。
S22において、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bは、S21において入力された交通情報を使用して、交通事故の発生パターンを学習する。そして、処理が終了する。
次に、図6を参照して、第1実施形態による事故発生予報部105Aおよび105Bが実行する処理について説明する。
図6の処理フローでは、まず、S31において、事故発生予報部105Aおよび105Bは、予報の対象となる時点の交通情報の入力を受け付ける。予報の対象となる時点が未来である場合、交通情報の予測値が事故発生予報部105Aおよび105Bに入力される。そして、S32に処理が進む。
S32において、事故発生予報部105Aおよび105Bは、S31において入力された、予報の対象となる時点の交通情報と、上記図5のS22における事故発生パターン学習部104Aおよび104Bによる学習結果との類似度を演算する。そして、S33に処理が進む。
S33において、事故発生予報部105Aおよび105Bは、S32において算出された類似度がしきい値以上が否かを判断する。
S33において、類似度がしきい値以上であると判断された場合には、S34に処理が進む。そして、S34において、事故発生予報部105Aおよび105Bは、交通事故が発生する可能性が高い旨を出力する。そして、処理が終了する。
なお、S33において、類似度がしきい値未満であると判断された場合には、上記のS34のような処理は実行されず、そのまま処理が終了する。
以上説明したように、第1実施形態による交通事故発生予報装置100は、交通情報に含まれる情報であって、交通事故の発生傾向に応じて交通情報を複数に分類可能な情報の一例である時間帯情報を用いて、学習を実行させる事故発生パターン学習部104Aおよび104Bを切り替えるとともに、予報を出力させる事故発生予報部105Aおよび105Bを切り替える時間帯判定部103を備える。これにより、第1実施形態によれば、時間帯情報を用いて、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bと事故発生予報部105Aおよび105Bとの組み合わせを、交通事故の発生しやすさに応じて適切に選択することができる。この結果、事故発生パターン学習部104Aおよび104Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部105Aおよび105Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、第2実施形態による交通事故発生予報装置200について説明する。第2実施形態は、「第1情報」の一例として時間に関する情報が用いられる点で第1実施形態と同様であるが、時間に関する情報として、時間帯情報ではなく、曜日情報(詳細は後述する)が用いられる点で第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と第2実施形態とで異なる部分について主に説明する。
図7に示すように、第2実施形態による交通事故発生予報装置200は、機能的構成として、交通情報管理部201と、交通情報DB202と、曜日判定部203と、事故発生パターン学習部204Aおよび204Bと、事故発生予報部205Aおよび205Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部204Aおよび204Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部205Aおよび205Bは、「予報部」の一例である。また、曜日判定部203は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部201は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および曜日情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および曜日情報を互いに対応付けて交通情報DB202に蓄積するように構成されている。
曜日情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB202に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部204Aおよび204Bの個数と同数に)分類可能な情報である。曜日情報としては、月曜、火曜、…、日曜などの曜日の名前を示す情報や、平日および休日などの曜日の種別を示す情報などが設定される。
ここで、一般的に、平日と休日とでは、自動車の利用者の目的地の傾向が異なるため、曜日によって交通量が異なることが知られている。また、休日は、日常的に自動車を運転しないドライバーでも自動車を運転する機会が多くなる傾向があるため、平日と休日とでは、交通量が異なることが知られている。したがって、交通事故の発生傾向は、交通量と同様に、曜日によって異なると考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部204Aおよび204Bを曜日情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第2実施形態による曜日判定部203は、交通情報管理部201から入力される交通情報のうちの曜日情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、曜日判定部203は、曜日情報が、交通事故が発生しやすい曜日を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部204Aおよび事故発生予報部205Aに設定し、曜日情報が、交通事故が発生しにくい曜日を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部204Bおよび事故発生予報部205Bに設定するように構成されている。
第2実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第2実施形態によれば、曜日情報を用いて、事故発生パターン学習部204Aおよび204Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部205Aおよび205Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第3実施形態)
次に、図8を参照して、第3実施形態による交通事故発生予報装置300について説明する。第3実施形態では、第1および第2実施形態と異なり、「第1情報」の一例として、天候に関する情報(天候情報)が用いられる。以下では、第3実施形態の、第1および第2実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図8に示すように、第3実施形態による交通事故発生予報装置300は、機能的構成として、交通情報管理部301と、交通情報DB302と、天候判定部303と、事故発生パターン学習部304Aおよび304Bと、事故発生予報部305Aおよび305Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部304Aおよび304Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部305Aおよび305Bは、「予報部」の一例である。また、天候判定部303は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部301は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および天候情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および天候情報を互いに対応付けて交通情報DB302に蓄積するように構成されている。
天候情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB302に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部304Aおよび304Bの個数と同数に)分類可能な情報である。天候情報としては、たとえば、晴れ、雨、霧、および雪などの、天候を示す情報が設定される。
ここで、一般的に、雨や霧などのように視界が遮られる状況下では、自動車の速度を通常の晴れの時よりも大きく低下させるドライバーが多くなるため、交通の乱れが起こりやすくなる傾向がある。また、雪や雨などのように路面が滑りやすい状況下では、自動車の制動距離が晴れの時よりも伸びやすいため、晴れの時よりも交通事故が起こりやすい傾向があると考えられる。したがって、交通事故の発生傾向は、道路の天候によって異なると考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部304Aおよび304Bを天候情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第3実施形態による天候判定部303は、交通情報管理部301から入力される交通情報のうちの天候情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、天候判定部303は、天候情報が、交通事故が発生しやすい天候を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部304Aおよび事故発生予報部305Aに設定し、天候情報が、交通事故が発生しにくい天候を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部304Bおよび事故発生予報部305Bに設定するように構成されている。
第3実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第3実施形態によれば、天候情報を用いて、事故発生パターン学習部304Aおよび304Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部305Aおよび305Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第4実施形態)
次に、図9を参照して、第4実施形態による交通事故発生予報装置400について説明する。第4実施形態では、第1〜第3実施形態と異なり、「第1情報」の一例として、道路を走行する車両に関する情報、より具体的には大型車混入情報(詳細は後述する)が用いられる。以下では、第4実施形態の、第1〜第3実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図9に示すように、第4実施形態による交通事故発生予報装置400は、機能的構成として、交通情報管理部401と、交通情報DB402と、大型車混入判定部403と、事故発生パターン学習部404Aおよび404Bと、事故発生予報部405Aおよび405Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部404Aおよび404Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部405Aおよび405Bは、「予報部」の一例である。また、大型車混入判定部403は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部401は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および大型車混入情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および大型車混入情報を互いに対応付けて交通情報DB402に蓄積するように構成されている。
大型車混入情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB402に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部404Aおよび404Bの個数と同数に)分類可能な情報である。大型車混入情報としては、道路における大型の車両(大型車)の混入度合を示す数値などの情報が設定される。なお、大型車とは、トラックやバスなどの、所定の基準以上のサイズを有する車両のことである。
ここで、一般的に、高速道路などにおいては、前方を走行する車両との車間距離を一定以上に保ちながら、複数の車両で車群を作って走行する傾向がある。その際、多くのドライバーは、2台先を走行する車両の動きにも注意して速度を調整しながら車群を作っていることが多いとされている。しかしながら、目の前にトラックやバスなどの大型車が走行していると、見通しが悪くなり、急ブレーキ操作などを行う必要性が高くなる可能性がある。このため、大型車が混入している状況下では、その混入度合によって、交通事故の発生傾向が異なると考えられる。したがって、学習を実行させる事故発生パターン学習部404Aおよび404Bを大型車混入情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第4実施形態による大型車混入判定部403は、交通情報管理部401から入力される交通情報のうちの大型車混入情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、大型車混入判定部403は、大型車混入情報に基づく大型車の混入度合が、交通事故が発生しやすい混入度合を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部404Aおよび事故発生予報部405Aに切り替え、大型車混入情報に基づく大型車の混入度合が、交通事故が発生しにくい混入度合を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部404Bおよび事故発生予報部405Bに切り替えるように構成されている。
第4実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第4実施形態によれば、大型車混入情報を用いて、事故発生パターン学習部404Aおよび404Bに学習させる交通情報を、交通事故が発生する可能性の高さに応じて異ならせることができるので、事故発生パターン学習部404Aおよび404Bの各々による学習の精度を高めることができる。この結果、事故発生パターン学習部404Aおよび404Bに対応する事故発生予報部405Aおよび405Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第5実施形態)
次に、図10を参照して、第5実施形態による交通事故発生予報装置500について説明する。第5実施形態では、第1〜第4実施形態と異なり、「第1情報」の一例として、道路の構造、形状、または状態に関する情報、より具体的には道路勾配情報(詳細は後述する)が用いられる。以下では、第5実施形態の、第1〜第4実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図10に示すように、第5実施形態による交通事故発生予報装置500は、機能的構成として、交通情報管理部501と、交通情報DB502と、道路勾配判定部503と、事故発生パターン学習部504Aおよび504Bと、事故発生予報部505Aおよび505Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部504Aおよび504Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部505Aおよび505Bは、「予報部」の一例である。また、道路勾配判定部503は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部501は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および道路勾配情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および道路勾配情報を互いに対応付けて交通情報DB502に蓄積するように構成されている。
道路勾配情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB502に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部504Aおよび504Bの個数と同数に)分類可能な情報である。道路勾配情報としては、道路の構造または形状に関する情報、より具体的には道路における上り坂および下り坂の有無などを示す情報が設定される。
ここで、一般的に、高速道路などでは、長距離を運転するドライバーが多いため、運転負担を軽減するために、車両の走行速度が一定に保たれる傾向がある。しかしながら、同じアクセル量で走行すると、下り坂では速度が上昇し、上り坂では速度が低下する。たとえば、下り坂のあとに上り坂があるサグ部と呼ばれる場所では、下り坂で速度が出過ぎないようにアクセル量を絞っている状態で上り坂に進入することになるため、急に速度が低下して渋滞が発生しやすいことが知られている。したがって、道路においてサグ部などの勾配がある部分では、平坦な部分よりも交通事故が発生しやすいと考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部504Aおよび504Bを道路勾配情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第5実施形態による道路勾配判定部503は、交通情報管理部501から入力される交通情報のうちの道路勾配情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、道路勾配判定部503は、道路勾配情報が、交通事故が発生しやすい勾配が道路上に存在することを示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部504Aおよび事故発生予報部505Aに設定し、道路勾配情報が、交通事故が発生しやすい勾配が道路上に存在しないこと示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部504Bおよび事故発生予報部505Bに設定するように構成されている。
第5実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第4実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第5実施形態によれば、道路勾配情報を用いて、事故発生パターン学習部504Aおよび504Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部505Aおよび505Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第6実施形態)
次に、図11を参照して、第6実施形態による交通事故発生予報装置600について説明する。第6実施形態は、「第1情報」の一例として、道路を走行する車両に関する情報が用いられる点で第4実施形態と同様であるが、道路を走行する車両に関する情報として、大型車混入情報ではなく、低速車両混入情報(詳細は後述する)が用いられる点で第5実施形態とは異なる。以下では、第6実施形態の、第4実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図11に示すように、第6実施形態による交通事故発生予報装置600は、機能的構成として、交通情報管理部601と、交通情報DB602と、低速車両混入判定部603と、事故発生パターン学習部604Aおよび604Bと、事故発生予報部605Aおよび605Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部604Aおよび604Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部605Aおよび605Bは、「予報部」の一例である。また、低速車両混入判定部603は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部601は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および低速車両混入情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および低速車両混入情報を互いに対応付けて交通情報DB602に蓄積するように構成されている。
低速車両混入情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB602に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部604Aおよび604Bの個数と同数に)分類可能な情報である。低速車両混入情報としては、道路における低速車両の混入度合を示す数値などの情報が設定される。なお、低速車両とは、道路を所定値以下の速度で走行する車両のことである。
ここで、前述のように、高速道路などにおいては、複数の車両が車群を作って走行することが多い。しかしながら、その車群の速度よりも低い速度で走行している車両に車群の先頭が追いついた場合、車群全体の速度が急に低下するため、後続車両はブレーキを踏まなければならない状況となる。この場合、速度の急な低下により急な車線変更を行うドライバーが発生すると考えられるため、後続車両との追突などの交通事故が発生しやすい状態になると考えられる。したがって、低速車両が混入している状況下では、その混入度合によって、交通事故の発生傾向が異なると考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部604Aおよび604Bを低速車両混入情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第6実施形態による低速車両混入判定部603は、交通情報管理部601から入力される交通情報のうちの低速車両混入情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、低速車両混入判定部603は、低速車両混入情報に基づく低速車両の混入度合が、交通事故が発生しやすい混入度合を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部604Aおよび事故発生予報部605Aに切り替え、低速車両混入情報に基づく低速車両の混入度合が、交通事故が発生しにくい混入度合を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部604Bおよび事故発生予報部605Bに切り替えるように構成されている。
第6実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第5実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第6実施形態によれば、低速車両混入情報を用いて、事故発生パターン学習部604Aおよび604Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部605Aおよび605Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第7実施形態)
次に、図12を参照して、第7実施形態による交通事故発生予報装置700について説明する。第7実施形態では、第1〜第6実施形態と異なり、「第1情報」の一例として、道路の交通量に関する情報、より具体的にはインターチェンジにおける交通量情報(詳細は後述する)が用いられる。以下では、第7実施形態の、第1〜第6実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図12に示すように、第7実施形態による交通事故発生予報装置700は、機能的構成として、交通情報管理部701と、交通情報DB702と、交通量判定部703と、事故発生パターン学習部704Aおよび704Bと、事故発生予報部705Aおよび705Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部704Aおよび704Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部705Aおよび705Bは、「予報部」の一例である。また、交通量判定部703は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部701は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および交通量情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および交通量情報を互いに対応付けて交通情報DB702に蓄積するように構成されている。
交通量情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB702に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部704Aおよび704Bの個数と同数に)分類可能な情報である。交通量情報としては、道路のインターチェンジを通過する車両の数などを示す情報が設定される。
ここで、一般的に、追突事故は、渋滞時に発生しやすい傾向がある。渋滞は、道路上のサグ部や信号が設置された部分や分岐部分などにおける交通集中により発生するが、道路を走行する車両の数が少ない場合には渋滞は発生しにくい。たとえば、高速道路は閉塞空間であるため、高速道路における車両数は、基本的に、インターチェンジでの流入出量で決まる。このため、高速道路においては、インターチェンジにおいて流入する車両の数が通常よりも多い場合には、本線において渋滞が発生する可能性が高くなる。したがって、交通事故の発生傾向は、インターチェンジにおける交通量によって異なると考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部704Aおよび704Bを交通量情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第7実施形態による交通量判定部703は、交通情報管理部701から入力される交通情報のうちの交通量情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、交通量判定部703は、交通量情報に基づく車両の数が、交通事故が発生しやすい数値を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部704Aおよび事故発生予報部705Aに設定し、交通量情報に基づく車両の数が、交通事故が発生しにくい数値を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部704Bおよび事故発生予報部705Bに設定するように構成されている。
第7実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第6実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第7実施形態によれば、交通量情報を用いて、事故発生パターン学習部704Aおよび704Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部705Aおよび705Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第8実施形態)
次に、図13を参照して、第8実施形態による交通事故発生予報装置800について説明する。第8実施形態は、「第1情報」の一例として、道路の構造、形状、または状態に関する情報が用いられる点で第5実施形態と同様であるが、道路の構造、形状、または状態に関する情報として、道路勾配情報ではなく、制限速度情報(詳細は後述する)が用いられる点で第5実施形態とは異なる。以下では、第8実施形態の第5実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図13に示すように、第8実施形態による交通事故発生予報装置800は、機能的構成として、交通情報管理部801と、交通情報DB802と、制限速度判定部803と、事故発生パターン学習部804Aおよび804Bと、事故発生予報部805Aおよび805Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部804Aおよび804Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部805Aおよび805Bは、「予報部」の一例である。また、制限速度判定部803は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部801は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および制限速度情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および制限速度情報を互いに対応付けて交通情報DB802に蓄積するように構成されている。
制限速度情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB802に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部804Aおよび804Bの個数と同数に)分類可能な情報である。制限速度情報としては、道路の状態に関する情報、より具体的には道路に設定される制限速度を示す数値などの情報が設定される。
ここで、一般的に、制限速度が高い場合と低い場合とでは、発生し得る交通事故のパターンが異なる。たとえば、制限速度が高い場合、制限速度が低い場合よりも、交通事故の規模が大きくなることがある。したがって、交通事故の発生傾向は、制限速度によって異なると考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部804Aおよび804Bを制限速度情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第8実施形態による制限速度判定部803は、交通情報管理部801から入力される交通情報のうちの制限速度情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、制限速度判定部803は、制限速度情報が、交通事故が発生しやすい数値を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部804Aおよび事故発生予報部805Aに設定し、制限速度情報が、交通事故が発生しにくい数値を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部804Bおよび事故発生予報部805Bに設定するように構成されている。
第8実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第7実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第8実施形態によれば、制限速度情報を用いて、事故発生パターン学習部804Aおよび804Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部805Aおよび805Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第9実施形態)
次に、図14を参照して、第9実施形態による交通事故発生予報装置900について説明する。第9実施形態では、第1〜第8実施形態と異なり、「第1情報」の一例として、道路の周辺の状況に関する情報、より具体的にはイベント情報(詳細は後述する)が用いられる。以下では、第9実施形態の、第1〜第8実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図14に示すように、第9実施形態による交通事故発生予報装置900は、機能的構成として、交通情報管理部901と、交通情報DB902と、イベント判定部903と、事故発生パターン学習部904Aおよび904Bと、事故発生予報部905Aおよび905Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部904Aおよび904Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部905Aおよび905Bは、「予報部」の一例である。また、イベント判定部203は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部901は、交通情報として、センサ情報、管制情報、およびイベント情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、およびイベント情報を互いに対応付けて交通情報DB902に蓄積するように構成されている。
イベント情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB902に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部904Aおよび904Bの個数と同数に)分類可能な情報である。イベント情報としては、道路の周辺におけるイベントの開催状況などを示す情報が設定される。
ここで、一般的に、予報を行う対象の道路の周辺で多くの人が移動するようなイベントが開催される場合、その道路の周辺における交通集中により、渋滞が発生することが考えられる。この場合、イベントが無い場合に発生し得る渋滞と比べると、渋滞が発生する時間帯や、渋滞にはまる車種などが異なったり、その道路の周辺を走行し慣れていない人も多く集まったりすることが考えられる。したがって、交通事故の発生傾向は、道路の周辺におけるイベントの開催状況によって異なると考えられる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部904Aおよび904Bをイベント情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第9実施形態によるイベント判定部903は、交通情報管理部901から入力される交通情報のうちのイベント情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、イベント判定部903は、イベント情報に基づくイベントの開催状況が、交通事故が発生しやすい状況を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部904Aおよび事故発生予報部905Aに設定し、イベント情報に基づくイベントの開催状況が、交通事故が発生しにくい状況を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部904Bおよび事故発生予報部905Bに設定するように構成されている。
第9実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第8実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第9実施形態によれば、イベント情報を用いて、事故発生パターン学習部904Aおよび904Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部905Aおよび905Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第10実施形態)
次に、図15を参照して、第10実施形態による交通事故発生予報装置1000について説明する。第10実施形態では、「第1情報」の一例として、道路の構造、形状、または状態に関する情報が用いられる点で第5および第8実施形態と同様であるが、道路勾配情報でも制限速度情報でもなく、ハザード情報(詳細は後述する)が用いられる点で第5および第8実施形態とは異なる。以下では、第10実施形態の、第5および第8実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図15に示すように、第10実施形態による交通事故発生予報装置1000は、機能的構成として、交通情報管理部1001と、交通情報DB1002と、ハザード判定部1003と、事故発生パターン学習部1004Aおよび1004Bと、事故発生予報部1005Aおよび1005Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部1004Aおよび1004Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部1005Aおよび1005Bは、「予報部」の一例である。また、ハザード判定部1003は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部1001は、交通情報として、センサ情報、管制情報、およびハザード情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、およびハザード情報を互いに対応付けて交通情報DB1002に蓄積するように構成されている。
ハザード情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB1002に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部1004Aおよび1004Bの個数と同数に)分類可能な情報である。ハザード情報としては、ハザードマップなどに基づく道路の状態に関する情報、つまり道路の危険度を示す情報が設定される。
ここで、一般的に、道路に設けられるカーブやサグ部などの、車両の急な速度変化が発生しやすい箇所においては、同じ交通状況でも、速度変化が発生しにくい箇所と比べて追突事故が発生する確率が高くなる。このため、速度変化が発生しやすい箇所において予報を行う場合には、事故発生件数などを統計的に分析して危険な個所をまとめたハザード情報を考慮することが望ましい場合がある。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部1004Aおよび1004Bをハザード情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第10実施形態によるハザード判定部1003は、交通情報管理部1001から入力される交通情報のうちのハザード情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、ハザード判定部1003は、ハザード情報に基づく道路の危険度が、交通事故が発生しやすい危険度を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1004Aおよび事故発生予報部1005Aに設定し、ハザード情報に基づく道路の危険度が、交通事故が発生しにくい危険度を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1004Bおよび事故発生予報部1005Bに設定するように構成されている。
第10実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第9実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第10実施形態によれば、ハザード情報を用いて、事故発生パターン学習部1004Aおよび1004Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部1005Aおよび1005Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第11実施形態)
次に、図16を参照して、第11実施形態による交通事故発生予報装置1100について説明する。第11実施形態では、「第1情報」の一例として、道路を走行する車両に関する情報が用いられる点で第4および第6実施形態と同様であるが、道路を走行する車両に関する情報として、大型車混入情報でも低速車両混入情報でもなく、二輪車混入情報(詳細は後述する)が用いられる点で第4および第6実施形態とは異なる。以下では、第11実施形態の、第4および第6実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図16に示すように、第11実施形態による交通事故発生予報装置1100は、機能的構成として、交通情報管理部1101と、交通情報DB1102と、二輪車混入判定部1103と、事故発生パターン学習部1104Aおよび1104Bと、事故発生予報部1105Aおよび1105Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部1104Aおよび1104Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部1105Aおよび1105Bは、「予報部」の一例である。また、二輪車混入判定部1103は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部1101は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および二輪車混入情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および二輪車混入情報を、互いに対応付けて交通情報DB1102に蓄積するように構成されている。
二輪車混入情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB1102に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部1104Aおよび1104Bの個数と同数に)分類可能な情報である。二輪車混入情報としては、二輪車に関する情報、より具体的には道路における二輪車の混入度合を示す数値などの情報が設定される。なお、二輪車混入情報は、過去の交通情報や画像式の車両感知器の計測結果などに基づいて作成されたものであってもよいし、管制官がITV(Industrial Television)カメラの映像や過去の経験などに基づいて入力したものであってもよい。
ここで、道路に設置される車両感知器は、超音波式であることが多い。一般的に、超音波式の車両感知器は、画像式の車両感知器と異なり、道路を走行する車両の車種までは判別できないため、道路を走行する車両に二輪車が混入している場合、その二輪車の数を計測することができない。つまり、超音波式の車両感知器では、通常の自動車と二輪車とが混在している場合、通常の車の数や車速や車両密度などしか計測できないため、車両感知器による計測結果と現実の交通状況とのかい離が発生する。したがって、交通事故の発生パターンの学習においては、二輪車の混入度合を考慮することが望ましい。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部1104Aおよび1104Bを二輪車混入情報に応じて切り替えることができれば、より精度の高い学習を実行することが可能になる。
そこで、第11実施形態による二輪車混入判定部1103は、交通情報管理部1101から入力される交通情報のうちの二輪車混入情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、二輪車混入判定部1103は、二輪車混入情報に基づく二輪車の混入度合が、交通事故が発生しやすい数値を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1104Aおよび事故発生予報部1105Aに設定し、二輪車混入情報に基づく二輪車の混入度合が、交通事故が発生しにくい数値を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1104Bおよび事故発生予報部1105Bに設定するように構成されている。
第11実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第10実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第11実施形態によれば、二輪車混入情報を用いて、事故発生パターン学習部1104Aおよび1104Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部1105Aおよび1105Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第12実施形態)
次に、図17を参照して、第12実施形態による交通事故発生予報装置1200について説明する。第12実施形態では、「第1情報」の一例として、道路の構造、形状、または状態に関する情報が用いられる点で第5、第8、および第10実施形態と同様であるが、道路の構造、形状、または状態に関する情報として、道路勾配情報、制限速度情報、およびハザード情報のいずれでもない道路整備情報(詳細は後述する)が用いられる点で第5、第8、および第10実施形態とは異なる。以下では、第12実施形態の、第5、第8、および第10実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図17に示すように、第12実施形態による交通事故発生予報装置1200は、機能的構成として、交通情報管理部1201と、交通情報DB1202と、道路整備判定部1203と、事故発生パターン学習部1204Aおよび1204Bと、事故発生予報部1205Aおよび1205Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部1204Aおよび1204Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部1205Aおよび1205Bは、「予報部」の一例である。また、道路整備判定部1203は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部1201は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および道路整備情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および道路整備情報を、互いに対応付けて交通情報DB1202に蓄積するように構成されている。
道路整備情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB1202に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部1204Aおよび1204Bの個数と同数に)分類可能な情報である。道路整備情報としては、道路で行われる工事などの道路整備に起因する道路の状態、つまり道路整備の状況を示す情報が設定される。
ここで、一般的に、道路整備のために走行車線または追い越し車線だけが走行可能となることが多い路線においては、車線数が減少した場合、車両感知器で計測した交通量が、車線数の減少がない通常の時と異なっている。たとえば、片側2車線の道路の場合では、追い越し車線だけが走行可能となると、走行車線を走っていた車両が追い越し車線に車線変更することになり、走行形態が異なるドライバーが1つの車線上に混在することになる。この場合、車間距離の取り方や走行速度などが通常とは異なってくるため、追突事故などの発生パターンも異なってくる。このため、学習を実行させる事故発生パターン学習部1204Aおよび1204Bを道路整備情報に応じて切り替えることができれば、交通事故の発生傾向に応じた学習を実行することが可能になる。
そこで、第12実施形態による道路整備判定部1203は、交通情報管理部1201から入力される交通情報のうちの道路整備情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、道路整備判定部1203は、道路整備情報に基づく道路の整備状況が、交通事故が発生しやすい状況を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1204Aおよび事故発生予報部1205Aに設定し、道路整備情報に基づく道路の整備状況が、交通事故が発生しにくい状況を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1204Bおよび事故発生予報部1205Bに設定するように構成されている。
第12実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第11実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第12実施形態によれば、道路整備情報を用いて、事故発生パターン学習部1204Aおよび1204Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部1205Aおよび1205Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第13実施形態)
次に、図18を参照して、第13実施形態による交通事故発生予報装置1300について説明する。第13実施形態は、「第1情報」の一例として、道路の構造、形状、または状態に関する情報が用いられる点で第5、第8、第10および第12実施形態と同様であるが、道路の構造、形状、または状態に関する情報として、道路勾配情報、制限速度情報、ハザード情報、および道路整備情報のいずれでもない通行止め情報(詳細は後述する)が用いられる点で第5、第8、第10および第12実施形態とは異なる。以下では、第13実施形態の、第5、第8、第10および第12実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図18に示すように、第13実施形態による交通事故発生予報装置1300は、機能的構成として、交通情報管理部1301と、交通情報DB1302と、通行止め判定部1303と、事故発生パターン学習部1304Aおよび1304Bと、事故発生予報部1305Aおよび1305Bとを備える。なお、事故発生パターン学習部1304Aおよび1304Bは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部1305Aおよび1305Bは、「予報部」の一例である。また、通行止め判定部1303は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部1301は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および通行止め情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および通行止め情報を互いに対応付けて交通情報DB1302に蓄積するように構成されている。
通行止め情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB1302に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部1304Aおよび1304Bの個数と同数に)分類可能な情報である。通行止め情報としては、事故や設備トラブルなどにより発生する突発的な通行止めに起因する道路の状態、つまり通行止めの状況を示す情報が設定される。
ここで、一般的に、道路においては、朝や夕方などの時間帯に渋滞が発生することが多い。この渋滞は、出勤や帰宅などによる交通集中が原因で発生する自然渋滞であり、このような自然渋滞しか発生しない場合、交通状況の変化は、交通量が徐々に増加して交通容量を超える交通量に達したときに渋滞が発生するというように、ある程度規則的となる。しかしながら、事故や設備トラブルなどにより発生する突発的な通行止めに起因する突発渋滞では、自然渋滞とは異なり、交通状況の変化が急峻となることが多い。このため、交通事故の発生パターンの学習においては、突発的な通行止めの有無などを考慮することが望ましい。つまり、学習を実行させる事故発生パターン学習部1304Aおよび1304Bを通行止め情報に応じて切り替えることができれば、より精度の高い学習を実行することが可能になると考えられる。
そこで、第13実施形態による通行止め判定部1303は、交通情報管理部1301から入力される交通情報のうちの通行止め情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、通行止め判定部1303は、通行止め情報に基づく突発的な通行止めの状況が、交通事故が発生しやすい状況を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1304Aおよび事故発生予報部1305Aに設定し、通行止め情報に基づく突発的な通行止めの状況が、交通事故が発生しにくい状況を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1304Bおよび事故発生予報部1305Bに設定するように構成されている。
第13実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第12実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第13実施形態によれば、通行止め情報を用いて、事故発生パターン学習部1304Aおよび1304Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部1305Aおよび1305Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第14実施形態)
次に、図19を参照して、第14実施形態による交通事故発生予報装置1400について説明する。第14実施形態では、「第1情報」の一例として、道路の構造、形状、または状態に関する情報が用いられる点で第5、第8、第10、第12および第13実施形態と同様であるが、道路の構造、形状、または状態に関する情報として、道路勾配情報、制限速度情報、ハザード情報、道路整備情報、および通行止め情報のいずれでもない路面状態情報(詳細は後述する)が用いられる点で第5、第8、第10、第12および第13実施形態とは異なる。以下では、第14実施形態の、第5、第8、第10、第12および第13実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図19に示すように、第14実施形態による交通事故発生予報装置1400は、機能的構成として、交通情報管理部1401と、交通情報DB1402と、路面状態判定部1403と、事故発生パターン学習部1404Aおよび1404Bと、事故発生予報部1405Aおよび1405Bとを備える。路面状態判定部1403は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部1401は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および路面状態情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および路面状態情報を互いに対応付けて交通情報DB1402に蓄積するように構成されている。
路面状態情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB1402に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部1404Aおよび1404Bの個数と同数に)分類可能な情報である。路面状態情報としては、路面(道路)が乾いているか、濡れているか、または凍っているかなどの、路面(道路)の状態を示す情報が設定される。
ここで、一般的に、車両の制動距離は、路面の状態に応じて変化する。たとえば、降雨などにより路面が濡れている場合では、路面が乾いている場合よりも制動距離が伸びることが一般的に知られているため、ドライバーは車間距離を取って速度を落として走行する傾向がある。したがって、路面が濡れている場合では、路面が乾いている場合とは異なった交通状況で交通事故が発生することとなる。このため、交通事故の発生パターンの学習においては、路面の状態を考慮することが望ましい。つまり、学習を実行させる事故発生パターン学習部1404Aおよび1404Bを路面状態情報に応じて切り替えることができれば、より精度の高い学習を実行することが可能になる。
そこで、第14実施形態による路面状態判定部1403は、交通情報管理部1401から入力される交通情報のうちの路面状態情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、路面状態判定部1403は、路面状態情報に基づく路面の状態が、交通事故が発生しやすい状態を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1404Aおよび事故発生予報部1405Aに設定し、路面状態情報に基づく路面の状態が、交通事故が発生しにくい状態を示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1404Bおよび事故発生予報部1405Bに設定するように構成されている。
第14実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第13実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第14実施形態によれば、路面状態情報を用いて、事故発生パターン学習部1404Aおよび1404Bの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部1405Aおよび1405Bの各々による予報の精度を高めることができる。
(第15実施形態)
次に、図20を参照して、第15実施形態による交通事故発生予報装置1500について説明する。第15実施形態では、「第1情報」の一例として、交通量に関する情報が用いられる点で第7実施形態と同様であるが、交通量に関する情報として、インターチェンジにおける交通量情報ではなく、渋滞情報(詳細は後述する)が用いられる点で第7実施形態とは異なる。以下では、第15実施形態の第7実施形態とは異なる部分について主に説明する。
図20に示すように、第15実施形態による交通事故発生予報装置1500は、機能的構成として、交通情報管理部1501と、交通情報DB1502と、渋滞判定部1503と、事故発生パターン学習部1504A〜1504Cと、事故発生予報部1505A〜1505Cとを備える。なお、事故発生パターン学習部1504A〜1504Cは、「学習部」の一例であり、事故発生予報部1505A〜1505Cは、「予報部」の一例である。また、渋滞判定部1503は、「切替部」の一例である。
交通情報管理部1501は、交通情報として、センサ情報、管制情報、および渋滞情報の入力を受け付け、受け付けたセンサ情報、管制情報、および渋滞情報を互いに対応付けて交通情報DB1502に蓄積するように構成されている。
渋滞情報とは、交通事故の発生に影響を与える可能性のある情報であって、交通情報DB1502に蓄積される交通情報を、交通事故の発生傾向に応じて複数に(少なくとも事故発生パターン学習部1504A〜1504Cの個数と同数に)分類可能な情報である。渋滞情報としては、渋滞の長短(大小)などの渋滞の度合を示す情報が設定される。渋滞は、道路における交通量や、道路上の車両の密度や、道路を走行する車両の速度などと関連している。
ここで、一般的に、高速道路では、1〜2kmおきに車両感知器が設置されることが多く、朝方や夕方や大型連休などに発生する渋滞は、車両感知器が設置された区間を複数跨ぐこととなる。車両感知器が設置された区間ごとに事故発生予報を行う場合には、各区間で発生した混雑などを考慮することができるが、複数の区間を跨ぐような渋滞が発生している状況下では、対象の区間の事故発生予報を行う場合に、下流側の区間における渋滞の影響を受けてしまうことが考えられる。したがって、複数の区間を跨ぐような長大な渋滞が発生している場合には、区間ごとに事故発生予報を行うのではなく、複数の区間全体を対象として事故発生予報を行うことが望ましい。このため、交通事故の発生パターンの学習においては、渋滞の長短などの度合を考慮することが望ましい。つまり、学習を実行させる事故発生パターン学習部1504A〜1504Cを渋滞情報に応じて切り替えることができれば、より精度の高い学習を実行することが可能になる。
そこで、第15実施形態による渋滞判定部1503は、交通情報管理部1501から入力される交通情報のうちの渋滞情報に基づいて、交通情報の出力先を切り替えるように構成されている。たとえば、渋滞判定部1503は、渋滞情報が長い渋滞が発生していることを示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1504Aおよび事故発生予報部1505Aに設定し、渋滞情報が中ぐらいの渋滞が発生していることを示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1504Bおよび事故発生予報部1505Bに設定し、渋滞情報が短い渋滞が発生していることを示す場合、交通情報の出力先を事故発生パターン学習部1504Cおよび事故発生予報部1505Cに設定するように構成されている。
第15実施形態では、上記のように構成されていることによって、第1〜第14実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第15実施形態によれば、渋滞情報を用いて、事故発生パターン学習部1504A〜1504Cの各々による学習の精度を高めることができ、事故発生予報部1505A〜1505Cの各々による予報の精度を高めることができる。
上記の第1〜第15実施形態は、組み合わせることも可能である。すなわち、上記の第1〜第15実施形態で例示した互いに異なる15個の「第1情報」のうち2個以上が組み合わされ、それら2個以上の「第1情報」に応じて、複数の「学習部」および複数の「予報部」が切り替えられてもよい。
なお、上記の第1〜第15実施形態において実行されるコンピュータプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。すなわち、第1〜第15実施形態において実行されるコンピュータプログラムは、CD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)などの、非一時的で、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトに含まれた状態で提供される。
また、上記の第1〜第15実施形態において実行されるコンピュータプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータに格納された状態で、ネットワーク経由で提供または配布されてもよい。また、第1〜第15実施形態において実行されるコンピュータプログラムは、ROMなどに予め組み込まれた状態で提供されてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。