JP6721416B2 - 事故予報システム、および、事故予報方法 - Google Patents

事故予報システム、および、事故予報方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、事故予報システム、および、事故予報方法に関する。
道路上における渋滞発生の原因の中で、特に影響の大きい交通事故の発生状況については、路側に設けられた各種センサや、CCTVカメラ等の映像情報に基づき、交通管制官が、道路上に設けられた表示板等に表示することにより、利用者に通知を行っている。最近では、交通事故情報の通知を一歩進めて、道路における各地点で過去に計測された交通データ(交通事故発生時に計測された交通データを含む。)を使用して学習を行い、当該各地点における事故予報を行う技術の検討が進められている。
特開2010−39992号公報 特開2009−223460号公報
しかしながら、従来技術の事故予報は、直近の交通状況を充分に反映したものとは言えず、精度に改善の余地がある。
実施形態における事故予報システムは、事故予報用テーブル作成処理部と、交通データ取得処理部と、プローブ情報取得処理部と、事故予報処理部と、を備える。事故予報用テーブル作成処理部は、道路の所定の区間について、少なくとも、過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する。交通データ取得処理部は、前記区間について、交通状況を計測するセンサから現在交通データを取得する。プローブ情報取得処理部は、外部のプローブ情報システムから、前記区間を走行する車両の現在プローブ情報を取得する。事故予報処理部は、前記区間について、現在交通データ、現在プローブ情報、および、事故予報用テーブルを用いて、事故発生度を予報した後に、現在プローブ情報を用いて事故発生度を調整する。
図1は、第1実施形態における事故予報システムの構成の一例を示したブロック図である。 図2は、第1実施形態において、道路の区間と道路センサ部との関係の一例を模式的に示した説明図である。 図3は、第1実施形態におけるプローブ情報取得処理の一例を示したフローチャートである。 図4は、第1実施形態におけるプローブ情報の集計結果の例を示した図である。 図5は、第1実施形態における事故予報用テーブル作成処理の流れの一例を示したフローチャートである。 図6は、第1実施形態において用いられる自己組織化マップの一般的な構成の一例を示した図である。 図7は、第1実施形態において用いられる自己組織化マップのより具体的な構成の一例を示した図である。 図8は、第1実施形態における事故予報用テーブルの一例を示した図である。 図9は、第1実施形態における事故予報処理の流れの一例を示したフローチャートである。 図10は、図7の自己組織化マップを用いて事故予報処理を行う場合の説明図である。 図11は、第2実施形態における事故予報システムの構成の一例を示したブロック図である。 図12は、第2実施形態における事故予報処理の概要を説明するための模式図である。 図13は、第2実施形態における事故発生度調整テーブルの一例を示した図である。 図14は、第2実施形態における事故予報処理の流れの一例を示したフローチャートである。 図15は、第3実施形態における事故予報システムの構成の一例を示したブロック図である。 図16は、第3実施形態における事故予報処理の概要を説明するための模式図である。 図17は、第3実施形態における入力調整テーブルの一例を示した図である。 図18は、第3実施形態における事故予報処理の流れの一例を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下において、「予報」とは、道路における各地点での過去の交通データ(事故発生時の交通データを含む。)に基づいて、交通事故(以下、単に「事故」ともいう。)の発生の危険性を計算/予測して事故予報として報知する意味を含むが、予測結果の報知は行わずに、単に、当該各地点における事故の発生しやすさの「予測」だけを行う場合の意味も含むものとする。また、「路線」とは、道路法における路線の意味を含むが、それに限定されず、管理単位の道路という意味も含むものとする。
(第1実施形態)
まず、図1、図2を参照して、第1実施形態における事故予報システム1の構成について説明する。図1は、第1実施形態における事故予報システム1の構成の一例を示したブロック図である。図2は、第1実施形態において、道路の区間と道路センサ部との関係の一例を模式的に示した説明図である。
図1に示す事故予報システム1は、図2に示す路線Aの区間A−1、A−2、・・・、A−(n−1)、A−n、路線Bの区間B−1、B−2、・・・、B−(m−1)、B−mのそれぞれに対応する道路センサ部RSA−1、RSA−2、・・・、RSA−(n−1)、RSA−n、RSB−1、RSB−2、・・・、RSB−(m−1)、RSB−m(以下、特に区別しないときは「RS」と表す。)により計測される交通データを用いて、各区間における交通事故の発生しやすさを示す事故発生度を予報するシステムである。
道路センサ部RSは、対応する区間について、交通状況(走行車両等)を計測するセンサ(センシングデバイス)を含む。このセンサは、例えば、路面下に設置されるループコイルや、路面を上方から監視するカメラ、超音波センサの少なくともいずれか、またはいくつかの組み合わせなどから構成される。
また、道路センサ部RSは、交通データ処理部を含む。具体的に、交通データ処理部は、センサによって計測された交通データに基づいて、道路上を走行する車両の交通量[台/h]、平均速度[km/h]、車両密度[台/km]、占有率(オキュパンシー)[%]などを算出し、算出結果を道路交通管制装置2に送信する。この算出と送信は、例えば、1分や5分等の時間単位で実行される。なお、道路センサ部RSがセンサによる計測結果だけを道路交通管制装置2の交通データ取得処理部211に送信し、交通データ取得処理部211が交通量等を算出するようにしてもよい。
ここで、第1実施形態では、事故予報システム1は、道路交通管制装置2と、事故予報用テーブル作成装置3と、を備える。また、道路交通管制装置2と事故予報用テーブル作成装置3は、外部のプローブ情報システム4からプローブ情報を取得する。ここで、プローブ情報とは、プローブカーが送信する車両の位置、速度、加速度、ハンドル操作、ブレーキ作動、各種ランプ状態、ワイパー動作等の情報を指す。また、プローブカーとは、そのような情報の送信機能を有する車両を指す。道路交通管制装置2は、例えば、一般に道路交通管制システムと呼ばれているコンピュータシステムである。道路交通管制装置2は、図1では説明を簡潔にするために1台のコンピュータ装置のように示しているが、複数台のコンピュータ装置によって実現してもよい。
道路交通管制装置2は、処理部21と、記憶部22と、表示部23と、入力部24と、を備える。なお、道路交通管制装置2は、外部装置との通信のための通信部も有しているが、説明を簡潔にするために図示および説明を省略する。
処理部21は、道路交通管制装置2の全体の動作を制御し、道路交通管制装置2が有する各種の機能を実現する。処理部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備える。CPUは、道路交通管制装置2の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりするための記憶媒体である。CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM、記憶部22等に格納されたプログラムを実行する。処理部21は、交通データ取得処理部211と、プローブ情報取得処理部212と、受信処理部213と、事故予報処理部214と、表示制御部215と、通知部216と、を備える。
交通データ取得処理部211は、道路の区間ごとに設置されている道路センサ部RSそれぞれから、計測した交通データを定期的に取得する。そして、交通データ取得処理部211は、その取得した交通データを、記憶部22の現在データベース221に現在交通データとして蓄積するように送信するとともに、事故予報用テーブル作成装置3の記憶部32に過去交通データとして蓄積するように送信する。なお、道路の車線が複数で、それぞれの車線に対応して道路センサ部RSが設定されている場合、交通データ取得処理部211は、例えば、各車線の交通データを統合すればよい。また、本実施形態において、交通データのうち、例えば直近の数分間程度の交通データを現在交通データと称し、現在交通データを含む過去の長期間の交通データを過去交通データと称する。また、過去交通データは、事故発生時に計測された交通データも含んでいる。
プローブ情報取得処理部212は、通信ネットワークを介してプローブ情報システム4から車両のプローブ情報を取得する。なお、本実施形態において、プローブ情報のうち、例えば直近の数分間程度のプローブ情報を現在プローブ情報と称し、現在プローブ情報を含む過去の長期間のプローブ情報を過去プローブ情報と称する場合がある。ただし、事故予報に用いる現在プローブ情報は、直近の数分程度に限定されず、数十分、数時間程度のプローブ情報の履歴情報であってもよい。
プローブ情報は、例えば、車両の位置、速度、加速度、ハンドル操作、ブレーキ作動、各種ランプ状態、ワイパー動作の情報を含む。また、プローブ情報取得処理部212は、プローブ情報を元に事故予報に必要なデータの集計等を行う。例えば、プローブ情報取得処理部212は、位置情報から車両の滞在区間を判定するとともに、区間ごとに次の(101)〜(105)の計算(集計)を行う。
(101)ワイパー動作を行った車両の数および割合の計算
(102)急加速を行った車両の数および割合の計算
(103)ブレーキ作動を行った車両の数および割合の計算
(104)ハザードランプ点灯を行った車両の数および割合の計算
(105)前照灯点灯を行った車両の数および割合の計算
以下に、プローブ情報取得処理について、より具体的に説明する。図3は、第1実施形態におけるプローブ情報取得処理の一例を示したフローチャートである。まず、プローブ情報取得処理部212は、プローブ情報システム4からプローブ情報を取得する(ステップS1)。
次に、プローブ情報取得処理部212は、取得したプローブ情報から、1台分のプローブ情報を抽出する(ステップS2)。
次に、プローブ情報取得処理部212は、抽出したプローブ情報について位置情報を分析し、滞在区間を判定する(ステップS3)。
次に、プローブ情報取得処理部212は、その車両の状態(例えば、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯等)を判定する(ステップS4)。
次に、プローブ情報取得処理部212は、取得したプローブ情報について全車両の処理を終了したか否かを判定し(ステップS5)、Yesの場合はステップS6に進み、Noの場合はステップS2に戻る。
ステップS6において、プローブ情報取得処理部212は、区間ごとの集計処理を行う。次に、プローブ情報取得処理部212は、集計結果をプローブ情報データベース223に出力(蓄積)する(ステップS7)。図4は、第1実施形態におけるプローブ情報の集計結果の例を示した図である。
図4(a)では、路線Aの各区間ごとのワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯を行った車両の割合を示している。例えば、区間A−1において、ワイパー動作を行っている車両の割合は0.53(53%)である。同様に、図4(b)では、路線Bの各区間ごとのワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯を行った車両の割合を示している。
図1に戻って、受信処理部213は、事故予報用テーブル作成装置3の送信処理部313から受信した事故予報用テーブル(詳細は後述)を記憶部22の事故予報用テーブルデータベース222に格納する。受信処理部213は、事故予報用テーブルが複数の場合は、それぞれの事故予報用テーブルを識別情報とともに事故予報用テーブルデータベース222に格納する。
事故予報処理部214は、道路の区間ごとに、現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)、現在プローブ情報(例えば、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯)、および、事故予報用テーブルを用いて、事故発生度を予報する(詳細は後述)。
表示制御部215は、事故予報処理部214が算出した事故発生度等を表示部23に事故予報として表示するよう制御を行う。例えば、事故発生度が高い区間については事故が発生しやすいものとして表示部23の警報ランプを点灯表示する等して管制員に知らせるのが好ましい。なお、道路交通管制装置2では、上記のように警報ランプを点灯表示する場合、例えば、併せて、音声出力手段(不図示)により警報音を鳴らす等してもよい。
通知部216は、事故予報処理部214が算出した事故発生度等を、プローブ情報の送信機能を有する車両5に通知する。なお、この通知は、プローブ情報システム4を経由してもよいし、経由しなくてもよい。
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部22は、現在データベース221と、事故予報用テーブルデータベース222と、プローブ情報データベース223と、を記憶する。
現在データベース221は、交通データ取得処理部211が取得した直近の例えば数分間程度の交通データ(現在交通データ)を記憶する。また、現在データベース221では、交通データ取得処理部211にて取得された交通データを蓄積するとともに、対象道路の特性を表す道路特性データ(例えば道路長やセンサ設置位置、各計測地点の周辺情報、料金所位置等)や、施策情報、事故情報、工事情報等の道路交通管制において管理されている情報や制限速度情報等を格納する。対象道路の特性を表す道路特性データは、事前のシステム構築時に入力しておいてもよいが、管制官等により追記修正してもよい。また、施策情報、事故情報、工事情報等の道路交通管制において管理されている情報や制限速度情報は、例えば、道路交通管制装置2のユーザ(管制官等)が手作業で入力すればよい。そして、現在データベース221における現在交通データは、事故予報処理部214にて事故予報を行う際に利用される。このとき、事故予報を行う際には、現在データベース221に格納された道路特性データを参照してその事故予報の該当箇所に対応する現在交通データをデータセット(例えば、交通量[台/h]、占有率[%](または車両密度[台/km])、平均速度[km/h]のセット)として利用する。
事故予報用テーブルデータベース222は、1つ以上の事故予報用テーブル(詳細は後述)を記憶する。
プローブ情報データベース223は、プローブ情報取得処理部212が集計したプローブ情報を逐次記憶する。
表示部23は、例えば、事故予報処理部214による事故の予報結果等を表示する。表示部23は、例えば、液晶表示装置(LCD(Liquid Crystal Display))、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置等により実現される。
入力部24は、道路交通管制装置2に対するユーザの操作を受け付ける。入力部24は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置である。
事故予報用テーブル作成装置3は、事故予報用テーブルを作成するためのコンピュータ装置である。事故予報用テーブル作成装置3は、処理部31と、記憶部32と、表示部33と、入力部34とを備えている。なお、事故予報用テーブル作成装置3は、外部装置との通信のための通信部も有しているが、説明を簡潔にするために図示および説明を省略する。
処理部31は、事故予報用テーブル作成装置3の全体の動作を制御し、事故予報用テーブル作成装置3が有する各種の機能を実現する。処理部31は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、を備える。CPUは、事故予報用テーブル作成装置3の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりするための記憶媒体である。CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM、記憶部32等に格納されたプログラムを実行する。処理部31は、プローブ情報取得処理部311と、事故予報用テーブル作成処理部312と、送信処理部313と、を備える。
プローブ情報取得処理部311の機能は、プローブ情報取得処理部212の機能と同様であるので、説明を省略する。プローブ情報取得処理部311は、集計したプローブ情報を記憶部32のプローブ情報データベース322に蓄積する。
事故予報用テーブル作成処理部312は、複数の区間に分けられている道路について、過去データベース321の過去交通データ、過去事故データ、および、プローブ情報データベース322の過去プローブ情報を用いて、所定の学習アルゴリズム(例えば自己組織化マップを用いた学習アルゴリズム)に基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況(交通量、占有率、平均速度、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯等)ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する。ここで、自己組織化マップとは、プロセス解析や、制御、検索システム、さらには経営のための情報分析など、実社会における重要な分野に応用されるニューラルネットワークの一種であり、高次元の入力データを、教師信号(入力データに対して理想的と考えられる出力)などの予備知識なしにクラスタリングするためのアルゴリズムである。この自己組織化マップの具体的な内容については後述する。
また、事故予報用テーブル作成処理部312は、所定のタイミングで、または、ユーザによる指示入力があったときに、その時点で取得している過去交通データ、過去事故データ、および、過去プローブ情報を用いて事故予報用テーブルを更新する。所定のタイミングとは、例えば、1年ごとで、直近1年分の過去交通データ、過去事故データ、および、過去プローブ情報が蓄積されたタイミングである。この際に、事故予報用テーブル作成装置3で蓄積された1年分の当該データを用いて事故予報用テーブルを作成し、その事故予報用テーブルを道路交通管制装置2に送信して事故予報用テーブルデータベース222の事故予報用テーブルを更新する。また、ユーザによる指示入力があったときとは、例えば、対象道路の周辺に大きな道路ができた等により、対象道路の車両の流れが変わった場合に、その後、例えば数か月分程度等、充分な量の過去交通データ、過去事故データ、および、過去プローブ情報が蓄積されたときにユーザが事故予報用テーブルの更新のための指示入力を事故予報用テーブル作成装置3の入力部34を用いて行った場合である。
送信処理部313は、事故予報用テーブル作成処理部312が作成(初回作成、更新用作成)した事故予報用テーブル(詳細は後述)を道路交通管制装置2の処理部21の受信処理部213に送信する。
記憶部32は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部32は、過去データベース321と、プローブ情報データベース322と、を記憶する。過去データベース321は、過去交通データと、過去事故データを記憶する。過去交通データは、道路交通管制装置2の交通データ取得処理部211から受信する交通データにより順次蓄積される。
過去事故データとは、対象道路において起きた過去の事故のデータである。この過去事故データは、例えば、ユーザが事故帳票等を見ながら事故予報用テーブル作成装置3の入力部34を用いて入力することで、記憶部32の過去データベース321に格納するようにすればよい。過去事故データは、具体的には、例えば、事故に関する情報として、事故発生地点、事故発生日時、事故タイプ等を含んでいる。過去事故データは、過去数年以上の事故情報であることが好ましい。また、過去事故データは、ユーザが事故予報用テーブル作成装置3の入力部34で入力するほか、ユーザが道路交通管制装置2の入力部24で入力して道路交通管制装置2から事故予報用テーブル作成装置3に送信することで、記憶部32の過去データベース321に格納するようにしてもよい。あるいは、他のコンピュータ装置にある過去事故データを、DVD(Digital Versatile Disk)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の情報記憶媒体を介して事故予報用テーブル作成装置3の記憶部32の過去データベース321に格納するようにしてもよい。
プローブ情報データベース322は、プローブ情報取得処理部311が集計したプローブ情報を逐次記憶する。
表示部33は、各種画面を表示する。表示部33は、例えば、液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置等により実現される。
入力部34は、事故予報用テーブル作成装置3に対するユーザの操作を受け付ける。入力部34は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置である。
次に、第1実施形態における事故予報システム1の動作について説明する。まず、図5を参照して、第1実施形態における事故予報用テーブル作成処理について説明する(適宜他図参照)。図5は、第1実施形態における事故予報用テーブル作成処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図5に示すように、事故予報用テーブル作成処理部312は、まず、ステップS11において、過去データベース321から過去交通データと過去事故データを読み出す。
次に、事故予報用テーブル作成処理部312は、ステップS12において、プローブ情報データベース322から過去プローブ情報を読み出す。
次に、事故予報用テーブル作成処理部312は、ステップS13において、過去交通データ、過去事故データ、および、過去プローブ情報に基づいて、過去交通データ、過去プローブ情報と事故の発生しやすさ(事故発生度)との相関関係を学習する。学習方法としては、例えば、次のような自己組織化マップを用いた方法を用いる。
図6は、第1実施形態において用いられる自己組織化マップの一般的な構成の一例を示した図である。図6に示すように、自己組織化マップとは、入力層および競合層(出力層)を備えた2層構造のニューラルネットワークである。入力層は、分析対象のデータx1,…,xi,…,xnと同数のユニットを備えた平面として表される。ここで、分析対象のデータx1,…,xi,…,xnの組み合わせを、入力ベクトルと呼ぶ。また、競合層は、複数のユニット1,…,j,…,Nを備えた平面として表される。入力層の各ユニットと、競合層の各ユニットとは、入力ベクトルと同次元の重みベクトルw=(wj1,…,wji,…,wjn)によって関連付けられている。
図7は、第1実施形態において用いられる自己組織化マップのより具体的な構成の一例を示した図である。図7に示すように、過去データベース321から読み出された過去交通データと、プローブ情報データベース322から読み出された過去プローブ情報とが、学習対象の入力ベクトルとして用いられる。
図7の自己組織化マップでは、まず、(1)勝者ユニットを決定し、当該勝者ユニットの重みベクトルを更新する処理が実行される。そして、(2)勝者ユニットの近傍に位置する近傍ユニットの重みベクトルを更新する処理が実行される。なお、勝者ユニットとは、入力ベクトルと最も類似する重みベクトルによって当該入力ベクトルと関連付けられる競合層上の1つのユニットである。また、重みベクトルの更新は、学習回数と、所定の学習係数とを考慮した数式を用いて行われる。なお、入力ベクトルと最も類似する重みベクトルの決定方法や、重みベクトルの更新に用いられる数式の詳細については、例えば特開2014−35639号公報に開示されているため、ここではこれ以上の説明を省略する。
また、入力ベクトルとして用いられる過去交通データ、過去プローブ情報に対応して設定される事故発生度が入力される。事故発生度とは、入力ベクトルに対応して設定される事故の発生しやすさを示す値である。入力ベクトルの各要素が事故発生時のデータである場合、事故発生度は、例えば「1」(または「100」)に設定される。また、入力ベクトルの各要素が事故の無い時のデータである場合、事故発生度は、例えば「0」に設定される。また、入力ベクトルの各要素が事故発生直前のデータである場合、事故発生度は、事故発生時の事故発生度(「1」(または「100」))よりも小さい値に設定される。
第1実施形態では、上記の(1)および(2)の処理が実行された後、(3)入力された事故発生度で、競合層上の勝者ユニットおよび近傍ユニットに対応する事故発生度分布の層上のユニットの値を更新する処理が実行される。具体的に、勝者ユニットに対応するユニットの値が、入力された事故発生度によって更新され、近傍ユニットに対応するユニットの値が、入力された事故発生度よりも小さい値によって更新される。この更新処理の詳細についても、上記の特開2014−35639号公報に開示されているため、ここではこれ以上の説明を省略する。
第1実施形態では、上記の(1)〜(3)の処理が繰り返し実行されることで、過去交通データ、過去プローブ情報と事故発生度との相関関係が学習される。
図5に戻り、ステップS14において、事故予報用テーブル作成処理部312は、ステップS13における学習結果に基づいて、事故予報用テーブルを作成する。すなわち、事故予報用テーブル作成処理部312は、図7に示した自己組織化マップによって得られた相関関係をテーブル化し、過去交通データ、過去プローブ情報と事故発生度との相関関係を定義する事故予報用テーブルを作成する。図8を用いて、事故予報用テーブルの一例について説明する。
図8は、第1実施形態における事故予報用テーブルの一例を示した図である。図8に示す事故予報用テーブルでは、競合層(および事故発生度分布)のユニットごとに、交通量、占有率、平均速度、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯の各重み、および、事故発生度が関連付けられている。
次に、図9を参照して、第1実施形態における事故予報処理について説明する。図9は、第1実施形態における事故予報処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図9に示すように、事故予報処理部214は、まず、ステップS21において、予報タイミングが到来したか否かを判定し、Yesの場合はステップS22に進み、Noの場合はステップS21に戻る。予報タイミングは、例えば、5分おきとすればよいが、これに限定されない。
次に、事故予報処理部214は、ステップS22〜S28で路線ごとの処理を行う。つまり、事故予報処理部214は、複数の路線について区間ごとの事故予報を行う場合、まず1つ目の路線についてステップS23〜S27の処理を行い、次に2つ目の路線についてステップS23〜S27の処理を行い、・・・、という処理をすべての路線について順番に行う。
前記したように、事故予報処理部214は、ステップS23〜S27で区間ごとの処理を行う。つまり、事故予報処理部214は、着目する路線に関し、まず1つ目の区間についてステップS24〜S26の処理を行い、次に2つ目の区間についてステップS24〜S26の処理を行い、・・・、という処理をすべての区間について行う。
ステップS24において、事故予報処理部214は、着目する区間について、記憶部22の現在データベース221から現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)を読み出す。
次に、ステップS25において、事故予報処理部214は、着目する区間について、プローブ情報データベース223から現在プローブ情報(例えば、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯)を読み出す。
次に、ステップS26において、事故予報処理部214は、その区間に対応する事故予報用テーブルを記憶部22の事故予報用テーブルデータベース222から読み出して、現在交通データ、現在プローブ情報とともに用いて事故予報を行う。
ここで、ステップS26について、図10を用いて説明する。図10は、図7の自己組織化マップを用いて事故予報処理を行う場合の説明図である。図10に示すように、この自己組織化マップでは、次の(11)〜(13)の処理を実行する。
(11)勝者ユニットを決定。なお、勝者ユニットの決定の方法は、前記した(1)(図7)の場合と同様である。
(12)当該勝者ユニットに対応した事故発生度分布の層上のユニットを選択。
(13)選択されたユニットの事故発生度を出力。
このようにして、事故予報処理部214は、ステップS22〜S28で、複数の路線について、路線ごとに各区間の事故発生度を取得することができる。
ステップS29において、表示制御部215は、事故予報処理部214による事故の予報結果(事故発生度等)を警報ランプ等とともに表示部23に事故予報として表示するよう制御を行う。これにより、道路交通管制装置2を用いる管制員等は、対象道路について、各区間ごとに、現在の交通状況に対応した事故の発生しやすさを認識することができる。ステップS29の後、ステップS21に戻る。
このように、第1実施形態の事故予報システム1によれば、プローブ情報を用いて事故発生度をより高精度で予報することができる。つまり、道路センサ部RSから得た情報(交通データ)に加えて、プローブ情報によるリアルタイムな車両の状態の情報を用いることで、より迅速かつ高精度に事故予報が可能であり、道路交通の安全性を向上させることができる。また、通知部216から車両5に事故発生度等を通知することもでき、そうすれば、道路交通の安全性をさらに向上させることができる。
なお、一般の気象情報は広い地域に対するもので、必ずしも個々の区間の気象状態に一致するとは限らない。また、気象情報の更新は、本実施形態の事故予報ほど頻繁には行われない。したがって、本実施形態では、例えば、プローブ情報におけるワイパー動作の情報によって、個々の区間の気象情報をリアルタイムで正確に認識することができるので、事故発生度の予報精度向上に大きく寄与できる。
(第2実施形態)
次に、図11〜図14を参照して、第2実施形態の事故予報システム1について説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態と比較して、プローブ情報を、事故予報用テーブルの作成や事故発生度の算出に使用するのではなく、事故予報用テーブルを用いて算出した事故発生度の調整に使用する点で異なっている。以下、第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。
図11は、第2実施形態における事故予報システム1の構成の一例を示したブロック図である。図1の事故予報用テーブル作成装置3におけるプローブ情報取得処理部311、プローブ情報データベース322は、図11の事故予報用テーブル作成装置3にはない。
そして、事故予報用テーブル作成処理部312は、複数の区間に分けられている道路について、過去プローブ情報は使用せず、過去データベース321の過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズム(例えば自己組織化マップを用いた学習アルゴリズム)に基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況(交通量、占有率、平均速度等)ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する。
また、図11の道路交通管制装置2では、新たに、予報調整部217(事故予報処理部)、事故発生度調整テーブル224が設けられている(詳細は後述)。そして、事故予報処理部214は、道路の区間ごとに、現在プローブ情報は使用せず、現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)、および、事故予報用テーブルを用いて、事故発生度を予報する。
また、予報調整部217は、現在プローブ情報を用いて、事故予報処理部214が算出(予報)した事故発生度を調整する。具体的には、予報調整部217は、例えば、現在プローブ情報が示す情報のうち、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速(図4には図示無し)の少なくともいずれかについて、実行した車両の割合が所定値(例えば5割)以上の場合に、事故発生度を所定値分増加する。例えば、ワイパー動作を実行した車両の割合が所定値以上であれば、その場所で雨が降っていると考えられるので、事故発生度を、統計等に基づいてその雨による影響を考慮して増加する。急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速についても同様に、事故発生度を、統計等に基づいて増加する。
図12は、第2実施形態における事故予報処理の概要を説明するための模式図である。第2実施形態では、前記したように、まず、プローブ情報(現在プローブ情報、および、過去プローブ情報)は使用せずに、現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)、および、事故予報用テーブルを用いて、事故発生度を算出し(21)、その後、現在プローブ情報に基づいてその事故発生度を調整し(22)、調整後の事故発生度を事故予報とする。
図13は、第2実施形態における事故発生度調整テーブル224の一例を示した図である。事故発生度調整テーブル224では、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯のそれぞれについて、調整ありと調整なしの場合の事故発生度の数値の変化について定めている。事故発生度調整テーブル224は、統計等に基づいて予め作成された情報である。なお、調整ありが適用されるのは、例えば、対象区間における全車両中におけるその項目が実行された割合が所定値(例えば5割)以上だった場合である。例えば、ワイパー動作について、対象区間における全車両中に、ワイパー動作を実行した車両の割合が50%以上であれば、調整ありが適用される。
調整ありの欄における数値の単位は「%」である。例えば、ワイパー動作についての調整ありの欄の「+0.2」は、元々の事故発生度に対して0.2%分を上乗せして増加させることを示す。この数値は、実際の運用の結果に基づいて、精度が上がるように調整することが好ましい。急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯についても同様である。なお、調整なしの場合、事故発生度の調整は行わない。
図14は、第2実施形態における事故予報処理の流れの一例を示したフローチャートである。なお、図9のフローチャートと比較して、ステップS24〜S26がステップS31〜S35に変わった点以外は同様であるので、ステップS31〜S35のみについて説明する。
ステップS31において、事故予報処理部214は、着目する区間について、記憶部22の現在データベース221から現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)を読み出す。
次に、ステップS32において、事故予報処理部214は、その区間に対応する事故予報用テーブルを記憶部22の事故予報用テーブルデータベース222から読み出して、現在交通データとともに用いて事故予報を行う。
次に、ステップS33において、予報調整部217は、着目する区間について、プローブ情報データベース223から現在プローブ情報(例えば、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯)を読み出す。
次に、ステップS34において、予報調整部217は、事故発生度を調整する必要があるか否かを判定し、Yesの場合はステップS35に進み、Noの場合はステップS27に進む。このステップS34では、前記したように、例えば、ワイパー動作について、対象区間における全車両中、ワイパー動作を実行した車両の割合が50%以上であれば、事故発生度を調整する必要がある(事故発生度調整テーブル224の調整ありを適用する)と判定する。
ステップS35において、予報調整部217は、事故発生度を調整する。具体的には、予報調整部217は、例えば、事故発生度調整テーブル224(図13)を参照して、ワイパー動作についてであれば、事故発生度に対して0.2%分を上乗せして増加させる。
このように、第2実施形態の事故予報システム1によれば、プローブ情報を用いないで算出した事故発生度を、プローブ情報を用いて調整することができる。したがって、例えば、プローブ情報を用いないで作成した事故予報用テーブルを用いて事故発生度を算出する仕組みがすでに出来上がっている場合に、少ない手間で、プローブ情報を有効に活用して事故発生度の予報精度を高めることができる。
(第3実施形態)
次に、図15〜図18を参照して、第3実施形態の事故予報システム1について説明する。なお、第3実施形態は、第1実施形態と比較して、プローブ情報を、事故予報用テーブルの作成に使用するのではなく、事故発生度を算出するときに事故予報用テーブルに入力する現在交通データの調整に使用する点で異なっている。以下、第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。
図15は、第3実施形態における事故予報システムの構成の一例を示したブロック図である。図1の事故予報用テーブル作成装置3におけるプローブ情報取得処理部311、プローブ情報データベース322は、図11の事故予報用テーブル作成装置3にはない。
そして、事故予報用テーブル作成処理部312は、複数の区間に分けられている道路について、過去プローブ情報は使用せず、過去データベース321の過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズム(例えば自己組織化マップを用いた学習アルゴリズム)に基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況(交通量、占有率、平均速度等)ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する。
また、図15の道路交通管制装置2では、新たに、入力調整部218(事故予報処理部)、入力調整テーブル225が設けられている。
入力調整部218は、現在プローブ情報を用いて、現在交通データを調整する。具体的には、入力調整部218は、例えば、現在プローブ情報が示す情報のうち、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速の少なくともいずれかについて、実行する車両の割合が所定値(例えば5割)以上の場合に、現在交通データの数値を所定値分増加または減少する。例えば、ワイパー動作を実行した車両の割合が所定値以上であれば、その場所で雨が降っていると考えられるので、現在交通データの数値を、統計等に基づいてその雨による影響を考慮して増加または減少する。急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速についても同様に、現在交通データの数値を、統計等に基づいて増加または減少する。
そして、事故予報処理部214は、道路の区間ごとに、現在プローブ情報を用いて調整した現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)、および、事故予報用テーブルを用いて、事故発生度を予報する。
図16は、第3実施形態における事故予報処理の概要を説明するための模式図である。第3実施形態では、前記したように、現在プローブ情報を用いて現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)(31)を調整し(32)、その調整後の現在交通データ、および、事故予報用テーブルを用いて、事故発生度を算出する。
図17は、第3実施形態における入力調整テーブルの一例を示した図である。入力調整テーブル225では、現在交通データ(交通量、占有率、平均速度)に関して、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯のそれぞれに基づいて、調整ありと調整なしの場合の数値の変化について定めている。入力調整テーブル225は、統計等に基づいて予め作成された情報である。なお、調整ありが適用されるのは、例えば、対象区間における全車両中におけるその項目が実行された割合が所定値以上だった場合である。例えば、ワイパー動作について、対象区間における全車両中に、ワイパー動作を実行した車両の割合が50%以上であれば、調整ありが適用される。
調整ありの欄における数値の単位は「%」である。例えば、交通量に関して、ワイパー動作に基づく調整ありの欄の「+2」は、元々の交通量に対して2%分を上乗せして増加させることを示す。この数値の符号(+、−)および数値は、実際の運用の結果に基づいて、精度が上がるように調整することが好ましい。なお、調整なしの場合、現在交通データ(交通量、占有率、平均速度)の調整は行わない。
図18は、第3実施形態における事故予報処理の流れの一例を示したフローチャートである。なお、図9のフローチャートと比較して、ステップS24〜S26がステップS41〜S45に変わった点以外は同様であるので、ステップS41〜S45のみについて説明する。
ステップS41において、入力調整部218は、着目する区間について、記憶部22の現在データベース221から現在交通データ(例えば、交通量、占有率、平均速度)を読み出す。
次に、ステップS42において、入力調整部218は、着目する区間について、プローブ情報データベース223から現在プローブ情報(例えば、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯)を読み出す。
次に、ステップS43において、入力調整部218は、現在交通データを調整する必要があるか否かを判定し、Yesの場合はステップS44に進み、Noの場合はステップS45に進む。このステップS43では、前記したように、例えば、ワイパー動作について、対象区間における全車両中に、ワイパー動作を実行した車両の割合が50%以上であれば、現在交通データを調整する必要がある(入力調整テーブル225の調整ありを適用する)と判定する。
ステップS44において、入力調整部218は、現在交通データを調整する。具体的には、入力調整部218は、例えば、入力調整テーブル225(図17)を参照して、交通量に関してであれば、ワイパー動作に基づく調整ありの欄の「+2」に基づいて、交通量に対して2%分を上乗せして増加させる。
次に、ステップS45において、事故予報処理部214は、その区間に対応する事故予報用テーブルを記憶部22の事故予報用テーブルデータベース222から読み出して、現在交通データ(ステップS44を経由している場合は、調整後の現在交通データ)とともに用いて事故予報を行う。
このように、第3実施形態の事故予報システム1によれば、事故予報用テーブルに入力する現在交通データを、プローブ情報を用いて調整することができる。したがって、例えば、プローブ情報を用いないで作成した事故予報用テーブルを用いて事故発生度を算出する仕組みがすでに出来上がっている場合に、少ない手間で、プローブ情報を有効に活用して事故発生度の予報精度を高めることができる。
(変形例)
上記の実施形態では、学習および予報を行うための方法として、自己組織化マップを用いた方法を例示した。しかしながら、学習および予報の方法としては、自己組織化マップを用いた方法以外にも、種々の方法が考えられる。例えば、比較的簡単な方法として、事故発生時の過去交通データを保持(蓄積)して現在交通データと単純に比較する方法や、事故発生時の過去交通データの組合せを統計処理でクラスタリングし、事故発生時に類似したケースの交通データを生成する方法などが考えられる。また、他の方法として、例えばペイジアンネットワークなどの他の多変量解析を利用した方法も考えられる。
また、上記の実施形態では、学習および予報に使用するデータとして、交通量、平均速度、車両密度、占有率を例示した。しかし、これら4種類以外の他の情報であっても、事故の発生と相関が見られる情報であれば、学習および予報に使用してよく、例えば、次の(A)〜(K)のような情報がある。
(A)大型車混入情報(トラック、バス等の大型車の混入率等)
(B)低速車両混入情報(所定値以下の速度で走行する低速車両の混入率等)
(C)制限速度情報(常時制限速度、臨時制限速度等)
(D)イベント情報(道路の周辺におけるイベントの開催状況情報等)
(E)ハザード情報(ハザードマップなどに基づく道路の状態に関する情報等)
(F)二輪車混入情報(二輪車の混入率等)
(G)道路整備情報(道路工事情報等)
(H)通行止め情報(事故や設備トラブルなどによる通行止めの状況を示す情報等)
(I)路面状態情報(路面の乾燥、湿潤、凍結を示す情報等)
(J)渋滞情報(渋滞の長さ、開始位置、終了位置等)
(K)車線制限情報(3車線中の1車線が現在使用不可等)
また、図1、図11、図15における道路交通管制装置2の構成と事故予報用テーブル作成装置3の構成を一体化して、物理的に単一の事故予報システムとしてもよい。そうすれば、単一のシステムであるので、構成や処理がシンプルになるほか、リアルタイムに得られる交通データ、プローブ情報を使用しての事故予報用テーブルの更新が容易となる。この場合、例えば、1日毎や1ヶ月毎に、交通データ、事故データ、プローブ情報が蓄積される毎に事故予報用テーブルを自動で更新するようにしたり、あるいは、事故データが所定件数蓄積される毎に事故予報用テーブルを自動で更新するようにしたりする方法が考えられる。
また、図1、図11、図15の事故予報用テーブル作成装置3を、クラウドコンピューティング技術を利用してクラウド化させてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 事故予報システム
2 道路交通管制装置
3 事故予報用テーブル作成装置
4 プローブ情報システム
21 処理部
22 記憶部
23 表示部
24 入力部
211 交通データ取得処理部
212 プローブ情報取得処理部
213 受信処理部
214 事故予報処理部
215 表示制御部
216 通知部
217 予報調整部(事故予報処理部)
218 入力調整部(事故予報処理部)
221 現在データベース
222 事故予報用テーブルデータベース
223 プローブ情報データベース
224 事故発生度調整テーブル
225 入力調整テーブル
31 処理部
32 記憶部
33 表示部
34 入力部
311 プローブ情報取得処理部
312 事故予報用テーブル作成処理部
313 送信処理部
321 過去データベース
322 プローブ情報データベース
RS 道路センサ部

Claims (12)

  1. 道路の所定の区間について、少なくとも、過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する事故予報用テーブル作成処理部と、
    前記区間について、交通状況を計測するセンサから現在交通データを取得する交通データ取得処理部と、
    外部のプローブ情報システムから、前記区間を走行する車両の現在プローブ情報を取得するプローブ情報取得処理部と、
    前記区間について、前記現在交通データ、前記現在プローブ情報、および、前記事故予報用テーブルを用いて、前記事故発生度を予報した後に、前記現在プローブ情報を用いて前記事故発生度を調整する事故予報処理部と、
    を備える事故予報システム。
  2. 道路の所定の区間について、少なくとも、過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する事故予報用テーブル作成処理部と、
    前記区間について、交通状況を計測するセンサから現在交通データを取得する交通データ取得処理部と、
    外部のプローブ情報システムから、前記区間を走行する車両の現在プローブ情報を取得するプローブ情報取得処理部と、
    前記現在プローブ情報を用いて前記現在交通データを調整した後に、前記区間について、前記調整した現在交通データ、前記現在プローブ情報、および、前記事故予報用テーブルを用いて、前記事故発生度を予報する事故予報処理部と、
    を備える事故予報システム。
  3. 前記事故予報用テーブル作成処理部は、前記道路の所定の区間について、前記過去交通データ、および、前記過去事故データに加えて、車両から得られた過去プローブ情報を用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、前記事故予報用テーブルを作成する、請求項1または請求項2に記載の事故予報システム。
  4. 前記事故予報処理部は、前記現在プローブ情報を用いて前記事故発生度を調整する際に、前記現在プローブ情報が示す情報のうち、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速の少なくともいずれかについて、実行した車両の割合が所定値以上の場合に、前記事故発生度を所定値分増加する、請求項に記載の事故予報システム。
  5. 前記事故予報処理部は、前記現在プローブ情報を用いて前記現在交通データを調整する際に、前記現在プローブ情報が示す情報のうち、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速の少なくともいずれかについて、実行する車両の割合が所定値以上の場合に、前記現在交通データを所定値分増加または減少する、請求項に記載の事故予報システム。
  6. 前記事故予報システムは、前記事故発生度を、プローブ情報の送信機能を有する車両に通知する通知部、をさらに備える、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の事故予報システム。
  7. 道路の所定の区間について、少なくとも、過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する事故予報用テーブル作成処理ステップと、
    前記区間について、交通状況を計測するセンサから現在交通データを取得する交通データ取得処理ステップと、
    外部のプローブ情報システムから、前記区間を走行する車両の現在プローブ情報を取得するプローブ情報取得処理ステップと、
    前記区間について、前記現在交通データ、前記現在プローブ情報、および、前記事故予報用テーブルを用いて、前記事故発生度を予報した後に、前記現在プローブ情報を用いて前記事故発生度を調整する事故予報処理ステップと、
    を含む事故予報方法。
  8. 道路の所定の区間について、少なくとも、過去交通データ、および、過去事故データを用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、交通状況ごとの事故発生度を表す事故予報用テーブルを作成する事故予報用テーブル作成処理ステップと、
    前記区間について、交通状況を計測するセンサから現在交通データを取得する交通データ取得処理ステップと、
    外部のプローブ情報システムから、前記区間を走行する車両の現在プローブ情報を取得するプローブ情報取得処理ステップと、
    前記現在プローブ情報を用いて前記現在交通データを調整した後に、前記区間について、前記調整した現在交通データ、前記現在プローブ情報、および、前記事故予報用テーブルを用いて、前記事故発生度を予報する事故予報処理ステップと、
    を含む事故予報方法。
  9. 前記事故予報用テーブル作成処理ステップは、前記道路の所定の区間について、前記過去交通データ、および、前記過去事故データに加えて、車両から得られた過去プローブ情報を用いて、所定の学習アルゴリズムに基づいて事故発生パターンを学習して、前記事故予報用テーブルを作成する、請求項7または請求項8に記載の事故予報方法。
  10. 前記事故予報処理ステップは、前記現在プローブ情報を用いて前記事故発生度を調整する際に、前記現在プローブ情報が示す情報のうち、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速の少なくともいずれかについて、実行した車両の割合が所定値以上の場合に、前記事故発生度を所定値分増加する、請求項に記載の事故予報方法。
  11. 前記事故予報処理ステップは、前記現在プローブ情報を用いて前記現在交通データを調整する際に、前記現在プローブ情報が示す情報のうち、ワイパー動作、急加速、ブレーキ作動、ハザードランプ点灯、前照灯点灯、急減速の少なくともいずれかについて、実行する車両の割合が所定値以上の場合に、前記現在交通データを所定値分増加または減少する、請求項に記載の事故予報方法。
  12. 前記事故発生度を、プローブ情報の送信機能を有する車両に通知する通知ステップ、をさらに含む、請求項から請求項11のいずれか一項に記載の事故予報方法。
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