JP2016192423A - 光伝導素子及び計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の照射位置を好適に調整可能であると共にS/N比の悪化を抑制可能な光伝導素子及び計測装置を提供する。
【解決手段】光伝導素子(110)は、基板(111)と、光伝導層(112)と、一対の電極層(113a、113b)とを備え、一対の電極層はギャップ部(114)を形成し、光伝導層は、基板の表面のうち一対の電極層及びギャップ部の下側に位置する第1面部分(111a−1、111a−2、111b−1、111b−2、111c)上に形成されている一方で、基板の表面のうち第2面部分(111d)上には形成されていない。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばテラヘルツ波等の電磁波を出射又は検出可能な光伝導素子及びこのような光伝導素子を備える計測装置の技術分野に関する。
計測対象物の特性を計測するための計測装置として、テラヘルツ波計測装置が知られている。テラヘルツ波計測装置は、以下の手順で、計測対象物の特性を計測する。まず、超短パルスレーザ光(例えば、フェムト秒パルスレーザ光)を分岐することで得られる一のレーザ光であるポンプ光(言い換えれば、励起光)が、バイアス電圧が印加されているテラヘルツ波出射素子に照射される。その結果、テラヘルツ波出射素子は、テラヘルツ波を出射する。テラヘルツ波出射素子が出射したテラヘルツ波は、計測対象物に照射される。計測対象物に照射されたテラヘルツ波は、計測対象物によって反射される又は計測対象物を透過する。計測対象物によって反射された又は計測対象物を透過したテラヘルツ波は、超短パルスレーザ光を分岐することで得られる他のレーザ光であって且つポンプ光に対する光学的な遅延(つまり、光路長差)が付与されたプローブ光(言い換えれば、励起光)が照射されているテラヘルツ波検出素子に照射される。その結果、テラヘルツ波検出素子は、計測対象物によって反射された又は計測対象物を透過したテラヘルツ波を検出する。テラヘルツ波計測装置は、当該検出したテラヘルツ波(つまり、時間領域のテラヘルツ波であり、電流信号)を解析することで、計測対象物の特性を計測する。
テラヘルツ波出射素子及びテラヘルツ検出素子の一例として、基板と、基板上に形成された光伝導層と、基板上に形成され且つギャップ部で離隔したアンテナを成すように配置された一対の電極層とを備える光伝導素子がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−26347号公報
特許文献1に記載された光伝導素子では、光伝導層は、一対の電極層の夫々から他方の電極層に向かって延びる電極部分の間に確保されるギャップ領域のみに形成されている。一方で、テラヘルツ波を好適に出射又は検出するためには、レーザ光(つまり、ポンプ光又はプローブ光)が光伝導層に照射される必要がある。しかしながら、光伝導層がギャップ領域のみに形成されている場合には、レーザ光の照射位置を光伝導層上に設定することが困難である。というのも、レーザ光の照射位置は、レーザ光が照射された光伝導層に発生したキャリアに起因した一対の電極層の間の抵抗(例えば、電気抵抗値)の変化を監視することで調整される。しかしながら、特許文献1に記載された光伝導素子では、ギャップ領域以外の領域に光伝導層が形成されていないがゆえに、ギャップ領域以外の領域にレーザ光が照射されたとしても一対の電極層の間の抵抗が殆ど又は全く変化しない。このため、一対の電極層の間の抵抗の変化を監視することでレーザ光の照射位置を調整することが困難であるか、又は、調整に多くの時間を要するという技術的問題が生ずる。
他方で、ギャップ領域のみならず、半導体基板の全面に光伝導層を形成する対応策が考えられる。この場合、ギャップ領域以外の領域にレーザ光が照射された場合においてもギャップ領域の抵抗が変化し得るがゆえに、レーザ光の照射位置が好適に調整される。しかしながら、半導体基板の全面に光伝導層が形成されている場合には、半導体基板の全面に光伝導層が形成されていない場合と比較して、光伝導素子が出射するテラヘルツ波又は光伝導素子が検出したテラヘルツ波に重畳されるノイズ成分の信号レベルが相対的に大きくなる。このため、光伝導素子のS/N比が悪化するという技術的問題が生ずる。
尚、テラヘルツ波とは異なる電磁波を用いて計測対象物の特性を計測する任意の計測装置においても、当該計測装置が光伝導素子を備えている限りは、上述した技術的問題が生ずる。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、レーザ光の照射位置を好適に調整可能であると共にS/N比の悪化を抑制可能な光伝導素子、及び、このような光伝導素子を備える計測装置を提供することを課題とする。
本発明の光伝導素子の第1の例は、基板と、前記基板上に形成された光伝導層と、前記光伝導層上に形成された一対の電極層とを備え、前記一対の電極層は、当該一対の電極層が形成されていないギャップ部を、当該一対の電極層の間に形成し、前記光伝導層は、前記基板の表面のうち前記一対の電極層及び前記ギャップ部の下側に位置する第1面部分上に形成されている一方で、前記基板の表面のうち前記第1面部分とは異なる第2面部分上には形成されていない。
本発明の光伝導素子の第2の例は、基板と、前記基板上に形成された光伝導層と、前記光伝導層上に形成された一対の電極層とを備え、前記一対の電極層は、当該一対の電極層が形成されていないギャップ部を、当該一対の電極層の間に形成し、前記光伝導層は、(i)前記光伝導層の前記一対の電極層側を向いている面の面積である第1面積が、前記一対の電極層の前記光伝導層側を向いている面の面積である第2面積よりも大きくなるように、且つ、(ii)前記第1面積と前記第2面積との差分が所定値以下になるように、前記基板上に形成されている。
本発明の計測装置の第1の例は、計測対象物に電磁波を出射する出射手段と、前記計測対象物に照射された前記電磁波を検出する検出手段とを備え、前記照射手段及び前記検出手段のうちの少なくとも一方は、上述した本発明の光伝導素子の第1又は第2の例を含む。
図1は、本実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 図2(a)は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子の上面を示す上面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すテラヘルツ波出射素子のII(1)−II(1)’断面を示す断面図であり、図2(c)は、図2(a)に示すテラヘルツ波出射素子のII(2)−II(2)’断面を示す断面図である。 図3(a)は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子の構成を示す斜視図であり、図3(b)は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子が備える各構成要素を個別に示す分解斜視図である。 図4は、テラヘルツ波出射素子が出射するテラヘルツ波の波形をフーリエ変換したスペクトルを示すグラフである。 図5(a)は、第2実施例のテラヘルツ波出射素子の上面を示す上面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すテラヘルツ波出射素子のV(1)−V(1)’断面を示す断面図であり、図5(c)は、図5(a)に示すテラヘルツ波出射素子のV(2)−V(2)’断面を示す断面図である。 図6(a)は、第2実施例のテラヘルツ波出射素子の構成を示す斜視図であり、図6(b)は、第2実施例の光伝導層の上面を示す上面図であり、図6(c)は、第2実施例の基板の表面を示す上面図である。 図7(a)は、第3実施例のテラヘルツ波出射素子の上面を示す上面図であり、図7(b)は、図7(a)に示すテラヘルツ波出射素子のVII(1)−VII(1)’断面を示す断面図である。
以下、光伝導素子及び計測装置の実施形態について説明を進める。
(光伝導素子の第1実施形態)
<1>
第1実施形態の光伝導素子は、基板と、前記基板上に形成された光伝導層と、前記光伝導層上に形成された一対の電極層とを備え、前記一対の電極層は、当該一対の電極層が形成されていないギャップ部を、当該一対の電極層の間に形成し、前記光伝導層は、前記基板の表面のうち前記一対の電極層及び前記ギャップ部の下側に位置する第1面部分上に形成されている一方で、前記基板の表面のうち前記第1面部分とは異なる第2面部分上には形成されていない。
第1実施形態の光伝導素子は、テラヘルツ波等の電磁波を出射することができる。例えば、バイアス電圧が一対の電極層に印加されると、一対の電極層が形成するギャップ部に、バイアス電圧が印加される。ギャップ部にバイアス電圧が印加されている状態でギャップ部(特に、ギャップ部に形成されている光伝導層)にレーザ光が照射されると、レーザ光が照射された光伝導層には、レーザ光による光励起によってキャリアが生ずる。キャリアが生ずると、光伝導素子には、発生したキャリアに応じた電流信号が発生する。電流信号は、一対の電極層に流れる。その結果、光伝導素子は、一対の電極層から電磁波を出射する。
一方で、第1実施形態の光伝導素子は、テラヘルツ波等の電磁波を検出することができる。例えば、ギャップ部(特に、ギャップ部に形成されている光伝導層)にレーザ光が照射されると、レーザ光が照射された光伝導層には、レーザ光による光励起によってキャリアが生ずる。キャリアが生ずると、発生したキャリアに応じた電流信号が一対の電極層に流れるのは上述のとおりである。ここで、レーザ光がギャップ部に照射されている状態で光伝導素子に電磁波が照射されると、一対の電極層に流れる電流信号の信号強度は、電磁波の強度に応じて変化する。その結果、光伝導素子は、一対の電極層に流れる電流信号を検出することで、電磁波を検出することができる。
第1実施形態では特に、光伝導層は、第1面部分に形成されている。第1面部分は、基板の表面のうち一対の電極層及びギャップ部の下側に位置する面部分である。従って、光伝導層は、一対の電極層及びギャップ部の下側に形成されている。このため、光伝導層がギャップ部の下側のみに形成されている第1比較例の光伝導素子と比較して、第1実施形態の光伝導素子では、光伝導素子上でのレーザ光の照射位置がより好適に調整される。なぜならば、ギャップ部以外の領域(典型的には、一対の電極層の下側に形成されている光伝導層)にレーザ光が照射された場合においても一対の電極層の間の抵抗が変化し得るからである。
一方で、光伝導層は、第2面部分には形成されていない。第2面部分は、基板の表面のうち第1面部分とは異なる面部分である。つまり、第2面部分は、基板の表面のうち一対の電極層及びギャップ部の下側に位置しない面部分の少なくとも一部である。言い換えれば、第2面部分は、基板の表面のうちその上側に一対の電極層及びギャップ部が形成されない面部分の少なくとも一部である。従って、基板の表面には、光伝導層が形成されない第2面部分が存在する。このため、光伝導層が基板上の全面に渡って形成されている第2比較例の光伝導素子と比較して、第1実施形態の光伝導素子では、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルが小さくなる。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化が好適に抑制される。
以上説明したように、第1実施形態の光伝導素子によれば、レーザ光の照射位置が好適に調整されると共に、S/N比の悪化が抑制される。
<2>
第1実施形態の光伝導素子の他の態様では、前記第2面部分は、前記基板の表面のうち前記第1面部分を除く面部分である。
この態様によれば、基板の表面のうち第1面部分を除く面部分が第2面部分となるがゆえに、光伝導層は、実質的には、電極層及びギャップ部の下側のみに形成される。このため、光伝導層が基板上の全面に渡って形成されている第2比較例の光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子では、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルがより一層小さくなる。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化がより一層好適に抑制される。
<3>
第1実施形態の光伝導素子の他の態様では、前記光伝導層は、前記第1面部分上にのみ形成されている。
この態様によれば、光伝導層は、電極層及びギャップ部の下側のみに形成される。このため、光伝導層が基板上の全面に渡って形成されている第2比較例の光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子では、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルがより一層小さくなる。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化がより一層好適に抑制される。
<4>
第1実施形態の光伝導素子の他の態様では、前記光伝導層は、前記第1面部分に加えて、前記基板の表面のうち前記第1面部分の近傍に位置する第3面部分に形成されており、前記第2面部分は、前記基板の表面のうち前記第1面部分及び前記第3面部分とは異なる面部分である。
この態様によれば、光伝導層は、第1面部分に加えて第3面部分に形成されている。第3面部分は、基板の表面のうち第1面部分の近傍に位置する面部分である。ここでいう「第1面部分の近傍」とは、第1面部分との間の距離(典型的には、第1面部分の外縁との間の距離)が所定距離以下になる領域を意味する。従って、一対の電極層及びギャップ部の下側のみに光伝導層が形成されている光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子は、光伝導層がより広範囲に渡って形成されている。このため、ギャップ部以外の領域(典型的には、一対の電極層の下側に形成されている光伝導層)にレーザ光が照射された場合においても一対の電極層の間の抵抗がより変化しやすくなる。その結果、光伝導層がギャップ部の下側のみに形成されている第1比較例の光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子では、光伝導素子上でのレーザ光の照射位置が調整しやすくなる。
一方で、光伝導層がより広範囲に渡って形成可能であるものの、光伝導層の形成範囲は、第1面部分及び第1面部分の近傍である第3面部分に限定される。従って、光伝導層の形成範囲が必要以上に拡大することはない。従って、光伝導層がより広範囲に渡って形成可能であるものの、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルが過度に大きくなることは殆ど又は全くない。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化が好適に抑制される。
<5>
上述の如く光伝導層が第3面部分に形成される光伝導素子の他の態様では、前記第2面部分は、前記基板の表面のうち前記第1面部分及び前記第3面部分を除く面部分である。
この態様によれば、基板の表面のうち第1面部分及び第3面部分を除く面部分が第2面部分となるがゆえに、光伝導層は、実質的には、電極層及びギャップ部の下側並びにその近傍のみに形成される。このため、光伝導層が基板上の全面に渡って形成されている第2比較例の光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子では、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルがより一層小さくなる。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化がより一層好適に抑制される。
<6>
上述の如く光伝導層が第3面部分に形成される光伝導素子の他の態様では、前記光伝導層は、前記第1面部分及び前記第3面部分上にのみ形成されている。
この態様によれば、光伝導層は、電極層及びギャップ部の下側並びにその近傍のみに形成される。このため、光伝導層が基板上の全面に渡って形成されている第2比較例の光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子では、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルがより一層小さくなる。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化がより一層好適に抑制される。
<7>
第1実施形態の光伝導素子の他の態様では、前記光伝導層は、平面視において前記一対の電極層の形状と同一又は相似の形状を有する光伝導部を含む。
この態様によれば、光伝導層のうちの少なくとも一部の形状が、当該光伝導層の少なくとも一部の上に形成される一対の電極層の形状と同一又は相似となる。このため、上述した光励起によって生じたキャリアに起因した電流信号は、一対の電極層のみならず、当該一対の電極層の下側に形成される光伝導層(実質的には、一対の光伝導層)にも流れる。つまり、光伝導層は、一対の電極層の一部として機能することができる。その結果、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に含まれる信号成分の信号レベルが相対的に大きくなる。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化がより一層好適に抑制される。
<8>
第1実施形態の光伝導素子の他の態様では、前記一対の電極層の夫々は、(i)第1の方向に沿って延びる第1電極部と、(ii)前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って延びると共に前記ギャップ部を形成する第2電極部とを備えており、前記光伝導層は、(i)前記第1電極部の下側に形成され、平面視において前記第1電極部の形状と同一又は相似の形状を有し、且つ前記第1の方向に沿って延びる第1光伝導部と、(ii)前記第2電極部の下側に形成され、平面視において前記第2電極部の形状と同一又は相似の形状を有し、且つ前記第2の方向に沿って延びる第2光伝導部と、(iii)前記ギャップ部の下側に形成され、前記一対の電極層が備える一対の前記第2電極部の下側に形成される一対の前記第2光伝導部を連結する第3光伝導部とを備える。
この態様によれば、一対の電極層及びギャップ部の下側に光伝導層が好適に形成される。
<9>
第1実施形態の光伝導素子の他の態様では、前記光伝導層は、(i)前記光伝導層の前記一対の電極層側を向いている面の面積である第1面積が、前記一対の電極層の前記光伝導層側を向いている面の面積である第2面積よりも大きくなるように、且つ、(ii)前記第1面積と前記第2面積との差分が所定値以下になるように、前記基板上に形成されている。
この態様によれば、光伝導層は、電極層及びギャップ部の下側並びにその近傍に形成される。従って、一対の電極層及びギャップ部の下側のみに光伝導層が形成されている光伝導素子(つまり、第1面積と第2面積とが同一となる光伝導素子)と比較して、この態様の光伝導素子は、光伝導素子がより広範囲に渡って形成されている。このため、ギャップ部以外の領域(典型的には、一対の電極層の下側に形成されている光伝導層)にレーザ光が照射された場合においても一対の電極層の間の抵抗がより変化しやすくなる。その結果、光伝導層がギャップ部の下側のみに形成されている第1比較例の光伝導素子と比較して、この態様の光伝導素子では、光伝導素子上でのレーザ光の照射位置がより好適に調整される。
一方で、光伝導層がより広範囲に渡って形成可能であるものの、光伝導層の形成範囲は、第1面積と第2面積との差分が所定値以下となる程度に制限される。従って、光伝導層の形成範囲が必要以上に拡大することはない。従って、光伝導層がより広範囲に渡って形成可能であるものの、光伝導素子が出射する又は検出した電磁波に重畳されるノイズ成分の信号レベルが過度に大きくなることは殆ど又は全くない。その結果、光伝導素子のS/N比の悪化が好適に抑制される。
(光伝導素子の第2実施形態)
<10>
第2実施形態の光伝送素子は、基板と、前記基板上に形成された光伝導層と、前記光伝導層上に形成された一対の電極層とを備え、前記一対の電極層は、当該一対の電極層が形成されていないギャップ部を、当該一対の電極層の間に形成し、前記光伝導層は、(i)前記光伝導層の前記一対の電極層側を向いている面の面積である第1面積が、前記一対の電極層の前記光伝導層側を向いている面の面積である第2面積よりも大きくなるように、且つ、(ii)前記第1面積と前記第2面積との差分が所定値以下になるように、前記基板上に形成されている。
第2実施形態の光伝導素子は、第1実施形態の光伝導素子と同様に、テラヘルツ波等の電磁波を出射又は検出することができる。
第2実施形態では特に、光伝導層は、電極層及びギャップ部の下側並びにその近傍に形成される。従って、一対の電極層及びギャップ部の下側のみに光伝導層が形成されている光伝導素子(つまり、第1面積と第2面積とが同一となる光伝導素子)と比較して、第2実施形態の光伝導素子は、光伝導素子がより広範囲に渡って形成されている。このため、上述したように、第2実施形態の光伝導素子では、光伝導素子上でのレーザ光の照射位置がより好適に調整される。
一方で、光伝導層がより広範囲に渡って形成可能であるものの、光伝導層の形成範囲は、第1面積と第2面積との差分が所定値以下となる程度に制限される。このため、上述したように、光伝導素子のS/N比の悪化が好適に抑制される。
以上説明したように、第2実施形態の光伝導素子によれば、レーザ光の照射位置が好適に調整されると共に、S/N比の悪化が抑制される。
尚、上述した第1実施形態の光伝導素子が採用し得る態様は、第2実施形態の光伝導素子もまた適宜採用可能である。
(計測装置の実施形態)
<11>
本実施形態の計測装置は、計測対象物に電磁波を出射する出射手段と、前記計測対象物に照射された前記電磁波を検出する検出手段とを備え、前記出射手段及び前記検出手段のうちの少なくとも一方は、上述した第1又は第2実施形態の光伝導素子(但し、その各種態様を含む)を含む。
本実施形態の計測装置によれば、上述した第1又は第2実施形態の光伝導素子が享受することが可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。
<12>
本実施形態の計測装置の他の態様では、前記電磁波は、テラヘルツ波を含む。
この態様によれば、計測装置は、テラヘルツ波を用いて計測対象物の特性を計測するテラヘルツ波計測装置として動作することができる。このようなテラヘルツ波計測装置として動作する計測装置もまた、上述した第1又は第2実施形態の光伝導素子が享受することが可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。
本実施形態の光伝導素子及び計測装置の作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。
以上説明したように、第1実施形態の光伝導素子では、光伝導層は、基板の表面のうち一対の電極層及びギャップ部の下側に位置する第1面部分上に形成されている一方で、基板の表面のうち第1面部分とは異なる第2面部分上には形成されていない。第2実施形態の光伝導素子では、光伝導層は、(i)光伝導層の一対の電極層側を向いている面の面積である第1面積が、一対の電極層の光伝導層側を向いている面の面積である第2面積よりも大きくなるように、且つ、(ii)第1面積と第2面積との差分が所定値以下になるように形成されている。本実施形態の計測装置は、本実施形態の光伝導素子を備える。従って、レーザ光の照射位置を好適に調整されると共に、S/N比の悪化が抑制される。
以下、図面を参照しながら、光伝導素子及び計測装置の実施例について説明する。特に、以下では、夫々が「光伝導素子」の一具体例であるテラヘルツ波出射素子110及びテラヘルツ波検出素子130を備え且つ「計測装置」の一具体例であるテラヘルツ波計測装置100を用いて説明を進める。
(1)テラヘルツ波計測装置100の構成
初めに、図1を参照しながら、本実施例のテラヘルツ波計測装置100の構成について説明する。図1は、本実施例のテラヘルツ波計測装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、テラヘルツ波計測装置100は、テラヘルツ波THzを計測対象物10に照射すると共に、計測対象物10を透過した又は計測対象物10が反射したテラヘルツ波THz(つまり、計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THz)を検出する。尚、図1に示す例では、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10が反射したテラヘルツ波THzを検出している。
テラヘルツ波THzは、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後の周波数領域(つまり、テラヘルツ領域)に属する電磁波成分を含む電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。テラヘルツ領域は、様々な物質が固有の吸収スペクトルを有する周波数領域である。従って、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THzを解析することで、計測対象物10の特性を計測することができる。
ここで、テラヘルツ波THzの周期は、サブピコ秒のオーダーの周期であるがゆえに、当該テラヘルツ波THzの波形を直接的に検出することが技術的に困難である。そこで、テラヘルツ波計測装置100は、時間遅延走査に基づくポンプ・プローブ法を採用することで、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出する。以下、このようなポンプ・プローブ法を採用するテラヘルツ波計測装置100についてより具体的に説明を進める。
図1に示すように、テラヘルツ波計測装置100は、パルスレーザ装置101と、「出射手段」の一具体例であるテラヘルツ波出射素子110と、ビームスプリッタ161と、反射鏡162と、反射鏡163と、ハーフミラー164と、光学遅延機構120と、「検出手段」の一具体例であるテラヘルツ波検出素子130と、バイアス電圧生成部141と、I−V(電流−電圧)変換部142と、制御部150とを備えている。
パルスレーザ装置101は、当該パルスレーザ装置101に入力される駆動電流に応じた光強度を有するサブピコ秒オーダー又はフェムト秒オーダーのパルスレーザ光LBを生成する。パルスレーザ装置101が生成したパルスレーザ光LBは、不図示の導光路(例えば、光ファイバ等)を介して、ビームスプリッタ161に入射する。
ビームスプリッタ161は、パルスレーザ光LBを、ポンプ光LB1とプローブ光LB2とに分岐する。ポンプ光LB1は、不図示の導光路を介して、テラヘルツ波出射素子110に入射する。一方で、プローブ光LB2は、不図示の導光路及び反射鏡162を介して、光学遅延機構120に入射する。その後、光学遅延機構120から出射したプローブ光LB2は、反射鏡163及び不図示の導光路を介して、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
テラヘルツ波出射素子110は、テラヘルツ波THzを出射する。具体的には、テラヘルツ波出射素子110が備えるギャップ部114(図2等参照)には、テラヘルツ波出射素子110が備える電極層113a及び113b(図2等参照)を介して、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧が印加されている。有効なバイアス電圧(例えば、0Vでないバイアス電圧)がギャップ部114に印加されている状態でポンプ光LB1がギャップ部114に照射されると、ギャップ部114の下側に形成されている光伝導層112(図2等参照)にポンプ光LB1が照射される。この場合、ポンプ光LB1が照射された光伝導層112には、ポンプ光LB1による光励起によってキャリアが発生する。その結果、テラヘルツ波出射素子110には、発生したキャリアに応じたサブピコ秒オーダーの又はフェムト秒オーダーのパルス状の電流信号が発生する。発生した電流信号は、電極層113a及び113bに流れる。その結果、テラヘルツ波出射素子110は、当該パルス状の電流信号に起因したテラヘルツ波THzを出射する。
テラヘルツ波出射素子110から出射したテラヘルツ波THzは、ハーフミラー164を透過する。その結果、ハーフミラー164を透過したテラヘルツ波THzは、計測対象物10に照射される。計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THzは、計測対象物10によって反射される。計測対象物10によって反射されたテラヘルツ波THzは、ハーフミラー164によって反射される。ハーフミラー164によって反射されたテラヘルツ波THzは、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
テラヘルツ波検出素子130は、テラヘルツ波検出素子130に入射するテラヘルツ波THzを検出する。具体的には、テラヘルツ波検出素子130が備えるギャップ部114(図2等参照)にプローブ光LB2が照射されると、ギャップ部114の下側に形成されている光伝導層112(図2等参照)にプローブ光LB2が照射される。この場合、プローブ光LB2が照射された光伝導層112には、プローブ光LB2による光励起によってキャリアが発生する。その結果、キャリアに応じた電流信号が、テラヘルツ波検出素子130が備える電極層113a及び113b(図2等参照)に流れる。プローブ光LB2がギャップ部114に照射されている状態でテラヘルツ波検出素子130にテラヘルツ波THzが照射されると、電極層113a及び113bに流れる電流信号の信号強度は、テラヘルツ波THzの光強度に応じて変化する。テラヘルツ波THzの光強度に応じて信号強度が変化する電流信号は、電極層113a及び113bを介して、I−V変換部142に出力される。
光学遅延機構120は、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の差分(つまり、光路長差)を調整する。具体的には、光学遅延機構120は、プローブ光LB2の光路長を調整することで、光路長差を調整する。光路長差が調整されると、ポンプ光LB1がテラヘルツ波出射素子110に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波出射素子110がテラヘルツ波THzを出射するタイミング)と、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミング)との時間差が調整される。テラヘルツ波計測装置100は、この時間差を調整することで、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出する。例えば、光学遅延機構120によってプローブ光LB2の光路が0.3ミリメートル(但し、空気中での光路長)だけ長くなると、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミングが1ピコ秒だけ遅くなる。この場合、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングが、1ピコ秒だけ遅くなる。テラヘルツ波検出素子130に対して同一の波形を有するテラヘルツ波THzが数十MHz程度の間隔で繰り返し入射することを考慮すれば、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングを徐々にずらすことで、テラヘルツ波検出素子130は、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出することができる。つまり、後述するロックイン検出部151は、テラヘルツ波検出素子130の検出結果に基づいて、テラヘルツ波THzの波形を検出することができる。
テラヘルツ波検出素子130から出力される電流信号は、I−V変換部142によって、電圧信号に変換される。
制御部150は、テラヘルツ波検出素子130の検出結果(つまり、I−V変換部142が出力する電圧信号)に基づいて、計測対象物10の特性を計測する。計測対象物10の特性を計測するために、制御部150は、ロックイン検出部151と、信号処理部152とを備えている。
ロックイン検出部151は、I−V変換部142から出力される電圧信号に対して、バイアス電圧生成部141が生成するバイアス電圧を参照信号とする同期検波を行う。その結果、ロックイン検出部151は、テラヘルツ波THzのサンプル値を検出する。その後、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の差分(つまり、光路長差)を適宜調整しながら同様の動作が繰り返されることで、ロックイン検出部151は、テラヘルツ波検出素子130が検出したテラヘルツ波THzの波形(時間波形)を検出することができる。ロックイン検出部151は、テラヘルツ波検出素子130が検出したテラヘルツ波THzの波形を示す波形信号を、信号処理部152に対して出力する。
信号処理部152は、ロックイン検出部151から出力される波形信号に基づいて、計測対象物10の特性を計測する。例えば、信号処理部152は、テラヘルツ時間領域分光法を用いてテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを取得すると共に、当該周波数スペクトルに基づいて計測対象物10の特性を計測する。
(2)テラヘルツ波出射素子110及びテラヘルツ波検出素子130の構成
続いて、テラヘルツ波出射素子110及びテラヘルツ波検出素子130の構成について説明する。尚、テラヘルツ波出射素子110の構成は、テラヘルツ波検出素子130の構成と同様である。従って、以下では、テラヘルツ波出射素子110の構成について説明する。但し、以下の説明は、テラヘルツ波検出素子130に対しても同様に適用可能である。更に、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸によって定義される三次元座標空間を用いて、テラヘルツ波出射素子110を説明する。
(2−1)第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1の構成
はじめに、図2(a)から図2(c)及び図3(a)から図3(b)を参照しながら、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110(以降、便宜上、“テラヘルツ波出射素子110−1”と称する)の構成について説明する。図2(a)は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1の上面を示す上面図である。図2(b)は、図2(a)に示すテラヘルツ波出射素子110−1のII(1)−II(1)’断面を示す断面図である。図2(c)は、図2(a)に示すテラヘルツ波出射素子110−1のII(2)−II(2)’断面を示す断面図である。図3(a)は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1の構成を示す斜視図である。図3(b)は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1が備える各構成要素を個別に示す斜視図である。
図2(a)から図2(c)及び図3(a)から図3(b)に示すように、テラヘルツ波出射素子110−1は、基板111と、基板111の一方の表面(+Z軸方向側の表面)上に形成されている光伝導層112と、光伝導層112の一方の表面(+Z軸方向側の表面)上に形成されている一対の電極層113(つまり、電極層113a及び113b)とを備えている。つまり、テラヘルツ波出射素子110−1は、基板111と光伝導層112と一対の電極層113とが、積層方向であるZ軸方向(つまり、基板111の表面に平行なXY平面に直交する方向)に沿って積層されている積層構造を有している。
基板111は、半導体基板である。例えば、基板111は、InP(リン化インジウム)基板、GaAs(ガリウム砒素)基板又はSi(シリコン)基板等であってもよい。基板111の形状は板状であるが、その他の形状であってもよい。
光伝導層112は、上述したポンプ光LB1又はプローブ光LB2が照射されることでキャリア(例えば、電子又は正孔)が発生する層である。光伝導層112は、例えば、GaAs、AlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)、InGaP(リン化インジウムガリウム)、AlAs(砒化アルミニウム)、InP、InAlAs(砒化インジウムアルミニウム)、InGaAs(砒化インジウムガリウム)、GaAsSb(ガリウム砒素アンチモン)、InGaAsP(リン化インジウムガリウム砒素)、InAs(インジウム砒素)、InSb(アンチモン化インジウム)、及び、低温成長させた上記材料のうちの少なくとも一つから構成される。
電極層113a及び113bは、上述したバイアス電圧が印加されると共に光伝導層112へのポンプ光LB1の照射に起因して発生したキャリアに応じた電流信号が流れる一対の電極層である。但し、電極層113a及び113bがテラヘルツ波検出素子130を構成する場合には、電極層113a及び113bは、光伝導層112へのプローブ光LB2の照射に起因して発生したキャリアに応じた電流信号であって且つテラヘルツ波検出素子130に照射されたテラヘルツ波THzの光強度に応じた電流信号が流れる一対の電極層である。電極層113a及び113bのうちの少なくとも一方は、透明電極材料(例えば、ITO、IZO、AZO、GZO及びIGZOのうちの少なくとも一つ)及び金属材料(例えば、Au、AuCr、AuGeNi及びAuSnのうちの少なくとも一つ)のうちの少なくとも一方から構成される。
電極層113aは、物理的に一体化されている又は電気的に接続されている第1電極部113a−1と第2電極部113a−2とを含む。第1電極部113a−1は、Y軸方向に沿って延びる。第2電極部113a−2は、Y軸方向に直交するX軸方向に沿って延びる。第2電極部113a−2は、第1電極部113a−1の一部を起点に電極層113bに向かって延びる。電極層113aの形状(XY平面上での形状)は、アルファベットの「T」となる。
電極層113bは、物理的に一体化されている第1電極部113b−1と第2電極部113b−2とを含む。第1電極部113b−1は、Y軸方向に沿って延びる。第2電極部113b−2は、Y軸方向に直交するX軸方向に沿って延びる。第2電極部113b−2は、第1電極部113b−1の一部を起点に電極層113aに向かって延びる。電極層113bの形状(XY平面上での形状)は、アルファベットの「T」となる。
第2電極部113a−2及び113b−2の夫々は、アンテナとして機能し得る。例えば、第2電極部113a−2及び113b−2は、いわゆるダイポールアンテナとして機能し得る。一方で、第1電極部113a−1及び113b−1の夫々は、アンテナとして機能し得るとともに、アンテナとして機能し得る第2電極部113a−2及び113b−2を介して電流信号が流れ込む伝送線路として機能し得る。例えば、第1電極部113a−1及び113b−1は、いわゆる平行伝送線路として機能し得る。但し、第2電極部113a−2及び113b−2及び第1電極部113a−1及び113b−1は、その他の形状のアンテナ(例えば、いわゆるボウタイ型のアンテナ)として機能してもよい。この場合、第2電極部113a−2及び113b−2及び第1電極部113a−1及び113b−1は、その他の形状のアンテナとして機能することが可能な形状を有することが好ましい。
第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間には、電極層113a及び113bが形成されないギャップ部114が確保される。従って、第2電極部113a−2及び113b−2の夫々は、ギャップ部114に隣接している(言い換えれば、ギャップ部114を規定又は形成している)電極部である。ポンプ光LB1(更には、プローブ光LB2)は、ギャップ部114に照射されることが好ましい。つまり、ポンプ光LB1(更には、プローブ光LB2)は、少なくとも、ギャップ部114の下側に形成される光伝導層112に照射されることが好ましい。
第1実施例では特に、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側(図中、−Z軸側、以下同じ)のみに形成されている。つまり、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域以外の領域には形成されていない。
言い換えれば、光伝導層112は、基板111の表面(図では、+Z軸側の表面)のうち電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側に位置する第1面部分のみに形成されている。具体的には、光伝導層112は、(i)第1電極部113a−1の下側に位置する第1面部分111a−1、(ii)第2電極部113a−2の下側に位置する第1面部分111a−2、(iii)第1電極部113b−1の下側に位置する第1面部分111b−1、(iv)第2電極部113b−2の下側に位置する第1面部分111b−2、及び、(v)ギャップ部114の下側に位置する第1面部分111cに形成されている。つまり、光伝導層112は、基板111の表面のうち第1面部分を除く第2面部分111dには形成されていない。
このため、光伝導層112は、物理的に一体化されている又は電気的に接続されている第1光伝導部112a−1と、第2光伝導部112a−2と、第1光伝導部112b−1と、第2光伝導部112b−2と、第3光伝導部112cとを含む。
第1光伝導部112a−1は、第1面部分111a−1に形成されている。第1光伝導部112a−1は、第1電極部113a−1の下側に形成されている。第1光伝導部112a−1は、Y軸方向に沿って伸びる。XY平面に沿った第1光伝導部112a−1の形状は、XY平面に沿った第1電極部113a−1の形状と同一である。
第2光伝導部112a−2は、第1面部分111a−2に形成されている。第2光伝導部112a−2は、第2電極部113a−2の下側に形成されている。第2光伝導部112a−2は、X軸方向に沿って、第1光伝導部112a−1の一部を起点に第3光伝導部112cに向かって(言い換えれば、第1光伝導部112b−1又は第2光伝導部112b−2に向かって)伸びる。XY平面に沿った第2光伝導部112a−2の形状は、XY平面に沿った第2電極部113a−2の形状と同一である。
第1光伝導部112b−1は、第1面部分111b−1に形成されている。第1光伝導部112b−1は、第1電極部113b−1の下側に形成されている。第1光伝導部112b−1は、Y軸方向に沿って伸びる。XY平面に沿った第1光伝導部112b−1の形状は、XY平面に沿った第1電極部113b−1の形状と同一である。
第2光伝導部112b−2は、第1面部分111b−2に形成されている。第2光伝導部112b−2は、第2電極部113b−2の下側に形成されている。第2光伝導部112b−2は、X軸方向に沿って、第1光伝導部112b−1の一部を起点に第3光伝導部112cに向かって(言い換えれば、第1光伝導部112a−1又は第2光伝導部112a−2に向かって)伸びる。XY平面に沿った第2光伝導部112b−2の形状は、XY平面に沿った第2電極部113b−2の形状と同一である。
第3光伝導部112cは、第1面部分111cに形成されている。第3光伝導部112cは、ギャップ部114の下側に形成されている。第3光伝導部112cは、X軸方向に沿って伸びる。第3光伝導部112cは、第2光伝導部112a−2と第2光伝導部112b−2との間に位置する。XY平面に沿った第3光伝導部112cの形状は、XY平面に沿ったギャップ部114の形状と同一である。
以上説明した構成を有するテラヘルツ波出射素子110−1は、以下のように製造される。まず、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)装置に、基板111がローディングされる。その後、基板111上に、0.1ミクロンから0.5ミクロン程度の厚みを有するバッファ層が形成される。例えば、GaAsから構成されるバッファ層が形成される場合には、バッファ層は、基板111の温度が概ね500度から600度程度となり、Ga分子線の強度に対するAs分子線の強度の比(以降、“GaAs供給比”と称する)が概ね5から30程度となり且つ1時間当たり1ミクロンの成膜速度が得られる環境下で形成されてもよい。
その後、公知の成膜法等を用いて、バッファ層が形成された基板111上に、1ミクロンから3ミクロン程度の厚みを有する光伝導層112が一様に形成される。例えば、InGaAsから構成される光伝導層112が形成される場合には、光伝導層112は、基板111の温度が概ね500度以下となり且つ1時間当たり1ミクロンの成膜速度が得られる環境下で形成されてもよい。例えば、GaAsから構成される光伝導層112が形成される場合には、光伝導層112は、基板111の温度が概ね400度以下となり、GaAs供給比が、バッファ層を形成したときに用いられたGaAs供給比以上となり且つ1時間当たり1ミクロンの成膜速度が得られる環境下で形成されてもよい。
その後、光伝導層112に対して、熱アニール処理が施されてもよい。例えば、光伝導層112がGaAsから構成される場合には、光伝導層112に対して、基板111の温度が概ね600度程度となる環境下で5分から10分程度熱アニール処理が施されてもよい。
その後、MBE装置から光伝導層112が形成された基板111を取り出して、公知のパターニング法(例えば、リソグラフィー技術及びエッチング技術を組み合わせたパターニング法)を用いて、基板111上に一様に形成された光伝導層112がパターニングされる。その結果、基板111上には、上述した第1光伝導部112a−1と、第2光伝導部112a−2と、第1光伝導部112b−1と、第2光伝導部112b−2と、第3光伝導部112cとが残る。
その後、公知の成膜法(例えば、スパッタリング法や、真空蒸着法や、金属成長法や、スプレー法等)や公知のパターニング方法を用いて、光伝導層112上に、上述した電極層113a及び113bが形成される。その後、ダイシングが施される。その結果、テラヘルツ波出射素子110−1の製造が完了する。
尚、上述の説明では、光伝導層112がパターニングされた後に、一対の電極層113a及び113bが形成されている。しかしながら、電極層113a及び113bが形成された後に、光伝導層112がパターニングされてもよい。
以上説明した構成を有するテラヘルツ波出射素子110−1によれば、以下の技術的効果が得られる。
まず、第1実施例では、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側のみに形成されている。このため、光伝導層112がギャップ部114の下側のみに形成されている第1比較例のテラヘルツ波出射素子と比較して、テラヘルツ波出射素子110−1では、テラヘルツ波出射素子110−1上でのポンプ光LB1の照射位置がより好適に調整される。以下、ポンプ光LB1の照射位置がより好適に調整される理由について説明する。
テラヘルツ波出射素子110−1上でのポンプ光LB1の照射位置は、例えば、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗(つまり、第2電極部113a−2から第2電極部113b−2へと至る電流経路の抵抗)の変化を監視することで調整される。尚、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗は、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間を流れる電流信号を監視することで比較的容易に特定可能である。第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗は、ポンプ光LB1が光伝導層112に照射されることで発生するキャリアの位置がギャップ部114に近づくと小さくなる。つまり、ポンプ光LB1の照射位置がギャップ部114の下部に位置する光伝導層112に近づくと第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗は小さくなる。このため、ポンプ光LB1がギャップ部114(つまり、ギャップ部114の下部に位置する光伝導層112)に適切に照射されている状態を実現するためには、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗が相対的に小さくなる若しくは所定閾値よりも小さくなる又は最も小さくなるようにポンプ光LB1の照射位置が調整されればよい。
ここで、光伝導層112がギャップ部114の下側のみに形成されている第1比較例のテラヘルツ波出射素子では、ギャップ部114以外の領域にポンプ光LB1が照射されたとしても、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗が殆ど又は全く変化しない。このため、第1比較例のテラヘルツ波出射素子では、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗の変化を監視することでポンプ光LB1の照射位置を調整することが困難となる。或いは、ポンプ光LB1の照射位置の調整に多くの時間を要する。
しかるに、第1実施例では、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側のみに形成されている。このため、ギャップ部114以外の領域にポンプ光LB1が照射された場合であっても、ポンプ光LB1が光伝導層112の少なくとも一部に照射されている限りは、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗が変化する。このため、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1では、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗の変化を監視することでポンプ光LB1の照射位置を調整することができる。
第1実施例では更に、光伝導層112は、基板111の表面の全体に形成されることはない。つまり、光伝導層112は、基板111の一部に選択的に形成される一方で、基板111の他の一部に選択的に形成されない。具体的には、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域以外の領域には形成されていない。ここで、ポンプ光LB1の照射に起因して光伝導層112に発生するキャリアは、テラヘルツ波THzの信号成分を構成する電流信号となるだけではなく、テラヘルツ波THzの信号成分に意図せず重畳されてしまうノイズ成分を構成する電流信号ともなりえる。特に、第1電極部113a−1と第1電極部113b−1との間の相対的に広い領域に光伝導層112が形成されている場合には、ギャップ部114やその近傍の光伝導層112にポンプ光LB1が照射されることで発生するキャリアは、ノイズ成分を構成する電流信号となりやすい。このため、光伝導層112が基板111の表面の全体に形成されている第2比較例のテラヘルツ波出射素子が出射するテラヘルツ波THzに重畳されてしまうノイズ成分の信号レベルは、相対的に大きくなる。しかるに、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1では、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域以外の領域には形成されていない。このため、第2比較例のテラヘルツ波出射素子と比較して、テラヘルツ波出射素子110−1が出射するテラヘルツ波THzに重畳されてしまうノイズ成分の信号レベルが小さくなる。その結果、テラヘルツ波出射素子110−1のS/N比の悪化が好適に抑制される。
加えて、光伝導層112の形状(XY平面上での形状)は、電極層113a及び113bの形状と同一となる。このため、上述した光励起によって生じたキャリアに起因した電流信号は、電極層113a及び113bのみならず、当該電極層113a及び113bの下側に形成される光伝導層112にも流れる。つまり、光伝導層112は、実質的には、電極層113a及び113bの一部として機能することができる。その結果、テラヘルツ波出射素子110−1が出射するテラヘルツ波THzに含まれる信号成分の信号レベルが相対的に大きくなる。その結果、テラヘルツ波出射素子110−1のS/N比の悪化が抑制される。
尚、S/N比の悪化は、テラヘルツ波出射素子110−1のダイナミックレンジの狭小化に相当する。ダイナミックレンジは、図4に示すように、テラヘルツ波THz(スペクトル)に含まれる信号成分(図4中の「シグナル(S)」)の信号レベルとテラヘルツ波THz(スペクトル)に含まれるノイズ成分(図4中の「ノイズ(N)」)の信号レベルとの差分に相当する。第1実施例では、ダイナミックレンジの狭小化が抑制される。つまり、ダイナミックレンジが相対的に大きくなる。
このように、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1によれば、ポンプ光LB1の照射位置が好適に調整されると共に、S/N比の悪化が抑制される。同様に、第1実施例のテラヘルツ波検出素子130−1によれば、プローブ光LB2の照射位置が好適に調整されると共に、S/N比の悪化が抑制される(具体的には、テラヘルツ波検出素子130−1が検出するテラヘルツ波THzに重畳されてしまうノイズ成分の信号レベルが小さくなり、加えて、テラヘルツ波検出素子130−1が検出するテラヘルツ波THzに含まれる信号成分の信号レベルが大きくなる)。
(2−2)第2実施例のテラヘルツ波出射素子110−2の構成
続いて、図5(a)から図5(c)及び図6(a)から図6(c)を参照しながら、第2実施例のテラヘルツ波出射素子110(以降、便宜上、“テラヘルツ波出射素子110−2”と称する)の構成について説明する。図5(a)は、第2実施例のテラヘルツ波出射素子110−2の上面を示す上面図である。図5(b)は、図5(a)に示すテラヘルツ波出射素子110−2のV(1)−V(1)’断面を示す断面図である。図5(c)は、図5(a)に示すテラヘルツ波出射素子110−2のV(2)−V(2)’断面を示す断面図である。図6(a)は、第2実施例のテラヘルツ波出射素子110−2の構成を示す斜視図である。図6(b)は、第2実施例の光伝導層112の上面を示す上面図である。図6(c)は、第2実施例の基板111の表面を示す上面図である。
図5(a)から図5(c)及び図6(a)から図6(c)に示すように、第2実施例のテラヘルツ波出射素子110−2は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1と比較して、光伝導層112の形成位置が異なるという点で異なっている。第2実施例のテラヘルツ波出射素子110−2のその他の構成要件は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1のその他の構成要件と同一であってもよい。
具体的には、上述の第1実施例では、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域以外の領域には形成されていない。一方で、第2実施例では、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域以外の領域のうちの少なくとも一部(つまり、第1実施例の第2面111dの少なくとも一部)に形成されていてもよい。その結果、第2実施例では、電極層113a及び113b側を向いている光伝導層112の表面(図中の+Z軸側の表面)の面積は、光伝導層112側を向いている電極層113a及び113bの表面(図中の−Z軸側の表面)の面積よりも小さくなる。但し、光伝導層112が基板111上において過度に広範囲に形成されることを抑制するべく、電極層113a及び113b側を向いている光伝導層112の表面の面積と、光伝導層112側を向いている電極層113a及び113bの表面の面積との差分は、所定値以下となることが好ましい。
例えば、光伝導層112は、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域の近傍に加えて、電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域の近傍にも形成されている。光伝導層112は、上述した第1面部分(つまり、第1面部分111a−1、第1面部分111a−2、第1面部分111b−1、第1面部分111b−2及び第1面部分111c)に加えて、基板111の表面のうち電極層113a及び113b並びにギャップ部114の下側の領域の近傍に位置する第3面部分にも形成されている。具体的には、光伝導層112は、(i)第1面部分111a−1及び111a−2の近傍に位置する第3面部分111a−3、(ii)第1面部分111b−1及び111b−2の近傍に位置する第3面部分111b−3、及び、(iii)第1面部分111cの近傍に位置する第3面部分111c−3に形成されている。つまり、光伝導層112は、基板111の表面のうち第1面部分及び第3面部分を除く第2面部分111e(つまり、第1実施例の第2面部分111dのうちの一部)には形成されていない。
尚、第2実施例でいう「第1面部分の近傍に位置する第3面部分」とは、第1面部分の外縁からの距離が所定距離(例えば、数ミクロンから数十ミクロン)以内におさまる面部分を意味する。従って、第3面部分内の任意の点から第1面部分の外縁までの距離は、最大でも所定距離となる。
このため、光伝導層112は、上述した第1光伝導部112a−1、第2光伝導部112a−2、第1光伝導部112b−1、第2光伝導部112b−2及び第3光伝導部112cに加えて、第4光伝導部112a−3、第4光伝導部112b−3及び第5光伝導部112c−3を含む。第4光伝導部112a−3、第4光伝導部112b−3及び第5光伝導部112c−3は、物理的に一体に構成されている又は電気的に接続されている。第4光伝導部112a−3、第4光伝導部112b−3及び第5光伝導部112c−3は、上述した第1光伝導部112a−1、第2光伝導部112a−2、第1光伝導部112b−1、第2光伝導部112b−2及び第3光伝導部112cと、物理的に一体に構成されている又は電気的に接続されている。
第4光伝導部112a−3は、第3面部分111a−3に形成されている。第4光伝導部112a−3上には、電極層113aが形成されていない。第4光伝導部112a−3は、第1光伝導部112a−1及び第2光伝導部112a−2を取り囲む。XY平面に沿った第4光伝導部112a−3の外縁の形状は、XY平面に沿った第1電極部113a−1及び第2電極部113a−2の外縁の形状と相似である。つまり、第1光伝導部112a−1、第2光伝導部112a−2及び第4光伝導部112a−3からなる構造体のXY平面に沿った形状は、XY平面に沿った第1電極部113a−1及び第2電極部113a−2の形状と相似である。
第4光伝導部112b−3は、第3面部分111b−3に形成されている。第4光伝導部112b−3上には、電極層113bが形成されていない。第4光伝導部112b−3は、第1光伝導部112b−1及び第2光伝導部112b−2を取り囲む。XY平面に沿った第4光伝導部112b−3の外縁の形状は、XY平面に沿った第1電極部113b−1及び第2電極部113b−2の外縁の形状と相似である。つまり、第1光伝導部112b−1、第2光伝導部112b−2及び第4光伝導部112b−3からなる構造体のXY平面に沿った形状は、XY平面に沿った第1電極部113b−1及び第2電極部113b−2の形状と相似である。
第5光伝導部112c−3は、第3面部分111c−3に形成されている。第5光伝導部112c−3は、第3光伝導部112cを取り囲む。XY平面に沿った第5光伝導部112c−3の外縁の形状は、XY平面に沿ったギャップ部114の外縁の形状と相似である。つまり、第3光伝導部112c及び第5光伝導部112c−3からなる構造体のXY平面に沿った形状は、XY平面に沿ったギャップ部114の形状と相似である。
以上説明した第2実施例のテラヘルツ波出射素子110−2は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1が享受する効果と同様の効果を好適に享受することができる。特に、第2実施例では、第1実施例と比較して、光伝導層112がより広範囲に渡って形成されている。このため、第1実施例と比較して、ポンプ光LB1が光伝導層112の少なくとも一部に照射されやすくなるがゆえに、第2電極部113a−2と第2電極部113b−2との間の抵抗がより変化しやすくなる。その結果、第1実施例と比較して、ポンプ光LB1の照射位置が調整しやすくなる。
(2−3)第3実施例のテラヘルツ波出射素子110−3の構成
続いて、図7(a)から図7(b)を参照しながら、第3実施例のテラヘルツ波出射素子110(以降、便宜上、“テラヘルツ波出射素子110−3”と称する)の構成について説明する。図7(a)は、第3実施例のテラヘルツ波出射素子110−3の上面を示す上面図である。図7(b)は、図7(a)に示すテラヘルツ波出射素子110−3のVII(1)−VII(1)’断面を示す断面図である。
図7(a)から図7(b)に示すように、第3実施例のテラヘルツ波出射素子110−3は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1と比較して、光伝導層112の一部の形状が異なるという点で異なっている。第3実施例のテラヘルツ波出射素子110−3のその他の構成要件は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1のその他の構成要件と同一であってもよい。
具体的には、第3実施例では、第3光伝導部112cの表面は、第1光伝導部112a−1及び112b−1並びに第2光伝導部112a−2及び112b−2の表面よりも、+Z軸方向に向かって突き出ている。このとき、第3光伝導部112cの表面の全体が+Z軸方向に向かって突き出ていてもよい。或いは、第3光伝導部112cの表面の一部が+Z軸方向に向かって突き出ていてもよい。その結果、ギャップ部114の少なくとも一部は、第3光伝導部112cによって埋められる。
第3光伝導部112cの表面は、電極層113a及び113bの表面よりも、+Z軸方向に向かって突き出ている。但し、第3光伝導部112cの表面は、電極層113a及び113bの表面よりも、+Z軸方向に向かって突き出ていなくてもよい。第3光伝導部112cの表面の一部が+Z軸方向に向かって突き出ていてもよい。
以上説明した第3実施例のテラヘルツ波出射素子110−3は、第1実施例のテラヘルツ波出射素子110−1が享受する効果と同様の効果を好適に享受することができる。特に、第3実施例では、光伝導層112の一部が+Z軸方向に向かって突き出る立体構造が採用されているがゆえに、テラヘルツ波出射素子110−3が出射する又はテラヘルツ波検出素子130−3が検出したテラヘルツ波THzに含まれる信号成分の信号レベルが相対的に大きくなる。その結果、テラヘルツ波出射素子110−3又はテラヘルツ波検出素子130−3のS/N比の悪化が抑制される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光伝導素子及び計測装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 計測対象物
100 テラヘルツ波計測装置
101 パルスレーザ装置
110 テラヘルツ波出射素子
111 基板
112 光伝導層
113a、113b 電極層
114 ギャップ部
120 光学遅延機構
130 テラヘルツ波検出素子
150 制御部
151 ロックイン検出部
152 信号処理部
LB1 ポンプ光
LB2 プローブ光
THz テラヘルツ波

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された光伝導層と、
    前記光伝導層上に形成された一対の電極層と
    を備え、
    前記一対の電極層は、当該一対の電極層が形成されていないギャップ部を、当該一対の電極層の間に形成し、
    前記光伝導層は、前記基板の表面のうち前記一対の電極層及び前記ギャップ部の下側に位置する第1面部分上に形成されている一方で、前記基板の表面のうち前記第1面部分とは異なる第2面部分上には形成されていない
    ことを特徴とする光伝導素子。
  2. 前記第2面部分は、前記基板の表面のうち前記第1面部分を除く面部分である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  3. 前記光伝導層は、前記第1面部分上にのみ形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝導素子。
  4. 前記光伝導層は、前記第1面部分に加えて、前記基板の表面のうち前記第1面部分の近傍に位置する第3面部分に形成されており、
    前記第2面部分は、前記基板の表面のうち前記第1面部分及び前記第3面部分とは異なる面部分である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  5. 前記第2面部分は、前記基板の表面のうち前記第1面部分及び前記第3面部分を除く面部分である
    ことを特徴とする請求項4に記載の光伝導素子。
  6. 前記光伝導層は、前記第1面部分及び前記第3面部分上にのみ形成されている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の光伝導素子。
  7. 前記光伝導層は、平面視において前記一対の電極層の形状と同一又は相似の形状を有する光伝導部を含む
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子。
  8. 前記一対の電極層の夫々は、(i)第1の方向に沿って延びる第1電極部と、(ii)前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って延びると共に前記ギャップ部を形成する第2電極部とを備えており、
    前記光伝導層は、(i)前記第1電極部の下側に形成され、平面視において前記第1電極部の形状と同一又は相似の形状を有し、且つ前記第1の方向に沿って延びる第1光伝導部と、(ii)前記第2電極部の下側に形成され、平面視において前記第2電極部の形状と同一又は相似の形状を有し、且つ前記第2の方向に沿って延びる第2光伝導部と、(iii)前記ギャップ部の下側に形成され、前記一対の電極層が備える一対の前記第2電極部の下側に形成される一対の前記第2光伝導部を連結する第3光伝導部とを備える
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の光伝導素子。
  9. 前記光伝導層は、(i)前記光伝導層の前記一対の電極層側を向いている面の面積である第1面積が、前記一対の電極層の前記光伝導層側を向いている面の面積である第2面積よりも大きくなるように、且つ、(ii)前記第1面積と前記第2面積との差分が所定値以下になるように、前記基板上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の光伝導素子。
  10. 基板と、
    前記基板上に形成された光伝導層と、
    前記光伝導層上に形成された一対の電極層と
    を備え、
    前記一対の電極層は、当該一対の電極層が形成されていないギャップ部を、当該一対の電極層の間に形成し、
    前記光伝導層は、(i)前記光伝導層の前記一対の電極層側を向いている面の面積である第1面積が、前記一対の電極層の前記光伝導層側を向いている面の面積である第2面積よりも大きくなるように、且つ、(ii)前記第1面積と前記第2面積との差分が所定値以下になるように、前記基板上に形成されている
    ことを特徴とする光伝導素子。
  11. 計測対象物に電磁波を出射する出射手段と、
    前記計測対象物に照射された前記電磁波を検出する検出手段と
    を備え、
    前記照射手段及び前記検出手段のうちの少なくとも一方は、請求項1から10のいずれか一項に記載の光伝導素子を含む
    ことを特徴とする計測装置。
  12. 前記電磁波は、テラヘルツ波を含む
    ことを特徴とする請求項11に記載の計測装置。
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