JP2016191884A - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)、酸発生剤(B)、メルカプト基を有する珪素化合物(G)及び溶剤(D)を含有するレジスト組成物。メルカプト基を有する珪素化合物(G)は、式(IIA)で表される化合物及び/又は該化合物に由来する単位を含む重合体であることが好ましい。
[式(IIA)中、Rj1は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基を表す。Rj2〜Rj4は、互いに独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基を表し、Rj2〜Rj4のうちの少なくとも一つはメルカプト基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基である。tiは、1〜10の整数を表す。]
【選択図】なし
Description
〔1〕酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)、酸発生剤(B)、メルカプト基を有する珪素化合物(G)及び溶剤(D)を含有するレジスト組成物。
〔2〕前記メルカプト基を有する珪素化合物(G)が、式(IIA)で表される化合物及び/又は該化合物に由来する単位を含む重合体である〔1〕記載のレジスト組成物。
[式(IIA)中、
Rj1は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基を表す。
Rj2〜Rj4は、互いに独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基を表し、Rj2〜Rj4のうちの少なくとも一つはメルカプト基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基である。
tiは、1〜10の整数を表す。]
〔3〕前記珪素化合物が、レジスト組成物の固形分に対して、0.001質量%〜0.45質量%で含有される〔1〕又は〔2〕記載のレジスト組成物。
〔4〕前記酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂が、式(1)で表される基及び式(2)で表される基から選ばれる少なくとも一種の基を含む構造単位を有する樹脂である〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(1)中、
Ra1〜Ra3は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
[式(2)中、
Ra1’及びRa2’は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数2〜20の2価の複素環を形成し、前記炭化水素基及び2価の複素環基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
〔5〕式(1)で表される基を有する構造単位が、式(a1−1)で表される構造単位である〔4〕記載のレジスト組成物。
[式(a1−1)中、
Ra1、Ra2、Ra3は、それぞれ上記と同じ意味を表す。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。]
〔6〕式(2)で表される基を有する構造単位が、式(a1−2)で表される構造単位である〔4〕記載のレジスト組成物。
[式(a1−2)中、
Ra1’、Ra2’及びRa3’は、それぞれ上記と同じ意味を表す。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRa6は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
〔7〕(1)〔1〕〜〔6〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板に塗布する工程、
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
また、本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構造との双方をとり得るものは、そのいずれでもよい。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を含む。
また、本明細書中、固形分とは、レジスト組成物に含まれる全成分から、溶剤を除いた成分の合計をいう。
本発明のレジスト組成物は、
酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(以下、樹脂(A1)という場合がある)、
酸発生剤(以下、酸発生剤(B)という場合がある)、
メルカプト基を有する珪素化合物(G)及び
溶剤(D)を含む。
本発明のレジスト組成物は、さらに樹脂(A1)とは異なる樹脂(以下、樹脂(A2)という場合がある)、クエンチャー(C)、密着性向上剤(E)等を含んでいてもよい。
樹脂(A1)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を含む。
酸不安定基とは、酸との接触により脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。言い換えると、酸の作用により、酸不安定基を有する構造単位のアルカリ水溶液への溶解性を増大させるものを意味する。従って、樹脂(A1)は、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する。
樹脂(A1)は、酸不安定基を有する構造単位に加え、さらに、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)など、当該分野で公知の構造単位を含んでいてもよい。
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アルキル基と脂環式炭化水素基とが組合された基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基及び2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
アルキル基と芳香族炭化水素基とが組合せられた基としては、例えばアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基はさらに置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えば、炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。
アルキル基と脂環式炭化水素基とが組合された基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基及び2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
アルキル基と芳香族炭化水素基とが組合せられた基としては、例えばアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
構造単位(a1)を導くモノマーは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましく、式(1)で表される基及び/又は式(2)で表される基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることがより好ましい。
樹脂(A1)は、構造単位(a1)の1種のみを有していてもよく、複数種を有していてもよい。
Ra1、Ra2、Ra3、Ra1’、Ra2’及びRa3’は、それぞれ上記と同じ意味を表す。
Ra4及びRa5は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRa6は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
式(a1−2)において、Ra1’は、好ましくは水素原子である。
Ra2’は、好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基であり、より好ましくはメチル基及びエチル基である。
Ra3’の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらが組合せられた基であり、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。前記アルキル基及び前記脂環式炭化水素基は無置換であることが好ましい。前記芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
Ra5は、水素原子であることが好ましい。
Ra6は、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基及びエトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基であることがさらに好ましい。
mは、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
なかでも、式(a1−2−2)、式(a1−2−3)、(a1−2−4)、(a1−2−9)、(a1−2−14)で表されるモノマーから誘導される構造単位が好ましく、式式(a1−2−2)、(a1−2−3)、(a1−2−4)、(a1−2−9)で表されるモノマーから誘導される構造単位がより好ましい。
樹脂(A1)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する場合、これらの合計含有割合は、樹脂(A1)の全構造単位の合計に対して、5〜60モル%であることが好ましく、10〜55モル%であることがより好ましく、15〜50モル%であることがさらに好ましく、20〜45モル%であることが特に好ましい。
樹脂(A1)は、1種又は2種以上の構造単位(a2)を有していてもよい。
Ra7、Ra8及びRa9は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra10は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
m’は0〜4の整数を表す。m’が2以上のとき、複数のRa10は互いに同一であっても異なっていてもよい。
Ra11は、水素原子又は炭素数1〜10の1級炭化水素基又は2級炭化水素基を表す。
Ra12は、炭素数1〜6の1級又は2級のアルキル基を表す。
La1は、炭素数2〜6のアルカンジイル基を表す。ただし、酸素原子と結合する炭素原子は、1級又は2級の炭素原子である。
nは、1〜30の整数を表す。nが2以上のとき、複数のLa1は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Ra10で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
Ra11で表される炭化水素基としてアルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組合せることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプタン基、オクタン基、ノナン基、デカン基等が挙げられる、
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
アルキル基と芳香族炭化水素基とを組合せた基としては、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
Ra8及びRa9は、互いに独立に、メチル基であることが好ましい。
Ra10は、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基又はエトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基であることがさらに好ましい。
m’は、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
Ra11は、炭素数1〜6の1級又は2級のアルキル基であることが好ましい。
La1は、炭素数2〜4のアルカンジイル基であることが好ましく、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基であることがより好ましく、エタン−1,2−ジイル基であることがさらに好ましい。
nは、1〜10の整数であることが好ましい。
Ra12は、炭素数1〜3の1級又は2級のアルキル基であることが好ましい。
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
アダマンチル(メタ)アクリレート等の多環式(メタ)アクリル酸エステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;が挙げられる。
[式(a2−4)中、
Ra13は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra14は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
Ra15は、炭素数1〜12の1級炭化水素基又は2級炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。ただし、酸素原子に結合するメチレン基は、酸素原子に置換されない。
m”は0〜4の整数を表す。m”が2以上のとき、複数のRa14は互いに同一であっても異なっていてもよい。
m'''は0〜4の整数を表す。m'''が2以上のとき、複数のRa15は互いに同一であっても異なっていてもよい。
ただし、m”とm'''の合計は、5以下である。
Ra15の炭化水素基としては、Ra11と同様の基が挙げられる。
Ra15は、なかでも、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基、フェニル基又はこれらを組合せて形成される基、あるいは、これら基の酸素原子に隣接する炭素原子がカルボニル基に置き換わった基であることが好ましい。
樹脂(A1b)は、フェノール性水酸基を含有する樹脂と、1分子中に2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物とを反応させて得られる樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、構造単位(a2−1)を含む樹脂と、1分子中に2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物とを反応させて得ることができる。また、フェノール性水酸基を含有する樹脂として、後述するノボラック樹脂を用い、このノボラック樹脂と、前述のビニルオキシ基含有化合物とを反応させて得られた樹脂でもよい。さらに、構造単位(a2−1)を有する樹脂と、ノボラック樹脂とを混合し、得られた樹脂混合物に、前述のビニルオキシ基含有化合物を反応させて得られた樹脂でもよい。また、構造単位(a2−1)を含む樹脂及び前述のビニルオキシ基含有化合物を反応させて得られた樹脂と、ノボラック樹脂及び前述のビニルオキシ基含有化合物を反応させて得られた樹脂を併用してもよい。
1分子中に少なくとも2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
樹脂(A1)の重量平均分子量は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上であり、好ましくは600,000以下、より好ましくは500,000以下である。
樹脂(A1b)の重量平均分子量は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上であり、また好ましくは300,000以下、より好ましくは200,000以下である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
本発明のレジスト組成物が、樹脂(A1)以外に、さらに樹脂(A2)を含むことができる。該樹脂(A2)としては、特に限定されるものではないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂とは、酸性基を含有し、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。酸性基は、カルボキシ基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、レジスト分野で公知のアルカリ可溶性樹脂が挙げられ、ノボラック樹脂、構造単位(a2−1)を有し、構造単位(a1)を有さない樹脂、例えば、ヒドロキシスチレン由来の重合単位を有する樹脂、(メタ)アクリル酸エステル由来の重合単位を有する樹脂及びポリアルキレングリコール等が挙げられ、好ましくはノボラック樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸のように、カルボキシル基をもつもの;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基をもつもの;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート類等の複数のエーテル結合をもつもの。
本発明のレジスト組成物は酸発生剤(B)を含有する。酸発生剤は、露光により酸を発生し、発生した酸が、触媒的に働き、樹脂(A1)の酸により脱離する基を脱離させる。酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類されるが、本発明のレジスト組成物の酸発生剤(B)においては、いずれを用いてもよい。
非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)及びスルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、及びスルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
上記炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10の芳香族炭化水素基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。該炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置換された基としては、式(Y1)〜式(Y12)で表される基が挙げられ、好ましくは式(Y7)〜式(Y9)で表される基が挙げられ、より好ましくは式(Y9)で表される基が挙げられる。
Rb1は、上記と同じ意味を表す。
Rb2’、Rb3及びRb4は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基を表す。
環Wb1は、炭素数6〜14の芳香族炭化水素環又は炭素数6〜14の芳香族複素環を表す。
xは、0から2の整数を表す。xが2の場合、複数のRb2’は同一であっても異なっていてもよい。]
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基が挙げられる。
芳香族複素環としては、環を構成する原子数が6〜14の環が挙げられ、好ましくは下記の環が挙げられる。
環Wb1が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基等が挙げられ、好ましくはナフタレン環が挙げられる。
[式(b8)及び式(b9)中、
Ab1及びAb2は、互いに独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
Rb8〜Rb11は、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
X1−及びX2−は、有機アニオンを表す。]
炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
Rb8〜Rb11は、互いに独立に、好ましくは炭素数6〜12の芳香族化合物であり、より好ましくはフェニル基である。
[式(b10)中、
Rb12は、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。]
Rb12としては、式(B1)中のRb1と同様の基が挙げられる。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
メルカプト基を有する珪素化合物(G)は、メルカプト基と、珪素原子とを有するものであればよく、1以上のメルカプト基と1以上のシロキサン単位(−O−Si(R)2−)とを有する化合物であってもよいし、1以上のメルカプト基を有する珪素化合物に由来する単位を含む重合体であってもよいし、1以上のメルカプト基を有する珪素化合物から導かれる基を側鎖に有する構造単位を含む重合体又は1以上のメルカプト基と1以上のシロキサン単位とを有する化合物に由来する構造単位を含む重合体であってもよい。
[式(IIA)中、
Rj1は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基を表す。
Rj2〜Rj4は、互いに独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基を表し、Rj2〜Rj4のうちの少なくとも一つはメルカプト基又は炭素数1〜5のメルカプトアルキル基である。
tiは、1〜10の整数を表す。]
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
メルカプトアルキル基としては、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられる。
Rj2〜Rj4は、互いに独立に、炭素数1又は2の脂肪族炭化水素基、炭素数1又は2のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、メトキシ基であることがより好ましい。ただし、これらのうちの少なくとも1つは、メルカプト基又は炭素数1〜3のメルカプトアルキル基であることが好ましく、メルカプト基又はメルカプトプロピル基であることがより好ましい。
Rj2及びRj3は、互いに同一であっても異なってもよいが、生産性の観点からは同一であることが好ましい。
なかでも、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が好ましい。
重合体は、上述した構造単位は単独でもよいし、2種以上を組み合わせたものでもよい。
溶剤(D)は、本発明のレジスト組成物に含まれる成分を溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
溶剤(D)の含有率は、本発明のレジスト組成物の総量に対して、一般に40質量%以上75質量%以下であり、好ましくは45質量%以上70質量%以下、より好ましくは50質量%以上68質量%以下である。
溶剤(D)の含有率が上記範囲内であると、レジストパターンを製造する際に、厚み3〜150μm程度の組成物層を形成しやすい。
本発明のレジスト組成物は、クエンチャー(C)を含有していてもよい。
クエンチャー(C)は、露光により酸発生剤から発生する酸を捕捉する作用を有する化合物である。クエンチャー(C)としては、塩基性の含窒素有機化合物が挙げられる。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミン;第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
[式(C1)中、
Rc1〜Rc3は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数5〜10の脂環式炭化水素で置換されていてもよい。]
環W1は、環を構成する原子に窒素原子を含む複素環、あるいは、置換又は無置換のアミノ基を有するベンゼン環を表し、該複素環及び該ベンゼン環は、ヒドロキシ基及び炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
A1は、フェニル基又はナフチル基を表す。
ncは、2又は3を表す。]
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、式(1)中のRa1〜Ra3におけるものと同様の基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、式(2)中のRa1’〜Ra3’におけるものと同様の基が挙げられる。
密着性向上剤(E)は、基板又は配線等に用いられる金属等に対して腐食を防止し及び/又は密着性を向上し得るものであれば特に限定されない。金属の腐食を防止することにより、防錆の作用を発揮する。また、これらの作用とともに、基板又は金属等とレジスト組成物との密着性を向上させることができる。
密着性向上剤(E)としては、例えば、環を有する含硫黄化合物、芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及びトリアジン系化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
複素環としては、炭素数2〜12の複素環が好ましく、炭素数2〜6の複素環がより好ましい。複素環は、単環であることが好ましい。複素環は不飽和であることが好ましい。複素環は、不飽和であり単環であることが好ましい。
ポリマーの重量平均分子量は、通常3000以上、好ましくは5000以上であり、通常100,000以下、好ましくは50,000以下である。
含硫黄化合物がポリマーである場合、スルフィド結合とメルカプト基とを有する構造単位の含有量は、含硫黄化合物のポリマーの全構造単位に対して、通常0.1〜50モル%であり、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは1〜20モル%である。
Ri22及びRi32は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A2及びB3は、互いに独立に窒素原子又は炭素原子を表す。
n3及びm3は、互いに独立に、0又は1を表す。但し、A2が窒素原子である場合、n3は0を表し、A2が炭素原子である場合、n3は1を表し、B2が窒素原子である場合、m3は0を表し、B2が炭素原子である場合、m3は1を表す。
Xi11は、硫黄原子及びNH基を表す。
Li2は、炭素数1〜18の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。
Ri5は、水素原子又はメチル基を表す。
式(IB−2)中、
Ri23及びRi33は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A3及びB3は、互いに独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。
n4及びm4は、互いに独立に、0又は1を表す。但し、A3が窒素原子である場合、n4は0を表し、A3が炭素原子である場合、n4は1を表し、B3が窒素原子である場合、m4は0を表し、B3が炭素原子である場合、m4は1を表す。
Xi12は、硫黄原子及びNH基を表す。
Li3は、炭素数1〜14の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。
Ri7は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
Ri6は、水素原子又はメチル基を表す。
mxは、0〜4の整数を表す。]
Ri6、Ri7及びRi8は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Xi1、Xi11及びXi12は、互いに独立に、硫黄原子及びNH基を表す。
Li1は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。
Li2は、炭素数1〜18の2価の炭化水素基を表す。
Li3は、炭素数1〜14の2価の炭化水素基を表す。これら炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。]
Ri22、Ri32、Ri23及びRi33で表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基としては、Ri21及びRi31で表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基と同じものが挙げられる。
Ri22、Ri32、Ri23及びRi33で表される炭素数3〜18の脂環式炭化水素基としては、Ri21及びRi31で表される炭素数3〜18の脂環式炭化水素基と同じものが挙げられる。
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Li2は、好ましくは炭素数1〜14のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜11のアルカンジイル基である。
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Li3は、好ましくは炭素数1〜14のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜11のアルカンジイル基である。
フェニル基における主鎖と結合している位置を基準として、Li3は、p位に結合していることが好ましい。
好ましくは、式(I―27)〜式(I―36)で表される構造単位の1以上を含むコポリマーであり、より好ましくは式(I―33)で表される構造単位を含むコポリマーである。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、式(I)で表される化合物が挙げられる。
[式(I)中、
R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ホルミル基、スルホニルアルキル基又はスルホ基を表す。
Qは、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、アリール基又は**−R3−N(R4)−R5を表し、前記炭化水素基は、構造中にアミド結合、エステル結合を有していてもよい。
R3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。**は、環に含まれる窒素原子との結合手を表す。
R4及びR5は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基を表す。]
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシエチル基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、エトキシプロピル基等が挙げられる。
なお、これらの密着性向上剤は、例えば、特開2004−347951号公報、2004−361872号公報等に記載の公知の化合物を利用してもよい。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、クエンチャー、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
その他の成分(F)を用いる場合、その含有量は、その他の成分(F)の種類に応じて適宜選択する。
本発明のレジスト組成物は、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)、酸発生剤(B)、メルカプト基を有する珪素化合物(G)及び溶剤(D)並びに、必要に応じて用いられる樹脂(A2)、クエンチャー(C)、その他の成分(F)を混合することにより調製できる。混合順は特に限定されるものではない。混合する際の温度は、通常、10〜40℃である。混合時間は、通常、0.5〜24時間である。なお、混合手段も制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。各成分を混合した後は、孔径0.11〜50μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板に塗布する工程、
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程及び
(4)露光後の組成物層を現像する工程を含む。
これらの基板は、予め洗浄してもよいし、該基板上に反射防止膜が形成されていてもよい。この反射防止膜の形成には、市販の有機反射防止膜用組成物を用いることができる。
工程(2)で得られた組成物層の膜厚は、3〜150μmであることが好ましく、4〜100μmであることがより好ましい。
現像後、超純水等でリンス処理を行い、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、厚膜のレジストフィルムの製造に有用である。
膜厚3〜150μmのレジストフィルムを製造するための該レジスト組成物は、本発明の1つである。
更に、本発明のレジスト組成物はバンプの製造に有用である。
バンプは、レジスト組成物を用いて製造する場合、通常、以下の手順より形成することができる。
まず、半導体素子等が形成されたウェハ上に、導電材料(シードメタル)を積層して導電層を形成した後、該導電層上に本発明のレジスト組成物によりレジストパターンを形成する。次いで、該レジストパターンを鋳型として、メッキにより電極材料(例えば、銅、ニッケル、はんだ等)を堆積させた後、レジストパターンと、レジストパターンの下に残存する導電層をエッチング等により除去することにより、バンプを形成することができる。導電層を除去した後、必要に応じて、熱処理によって電極材料を溶融させたものをバンプとしてもよい。
樹脂の重量平均分子量は、下記の分析条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
ポリビニルフェノール(VP−15000;日本曹達(株)製)20部をメチルイソブチルケトン240部に溶解し、エバポレーターで濃縮した。還流冷却管、攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、濃縮後の樹脂溶液及びp−トルエンスルホン酸2水和物0.003部を仕込んだ。20〜25℃に保持したまま、得られた混合物にエチルビニルエーテル5.05部を10分間かけて滴下した。混合液を、同温度を保持したまま、2時間攪拌を継続した。得られた反応混合物をメチルイソブチルケトン200部で希釈し、イオン交換水で分液洗浄を5回行った。得られた有機層を、エバポレーターを用いて45部まで濃縮を行ったのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150部を加えて、再度濃縮を行い、樹脂A1−1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液78部(固形分29%)を得た。樹脂A1−1の重量平均分子量は2.21×104、エトキシエチル基の導入率は38.5%であった。樹脂A1−1は、下記の構造単位を有する。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、2,5−キシレノール413.5部、サリチルアルデヒド103.4部、p−トルエンスルホン酸20.1部、メタノール826.9部を仕込み、還流状態まで昇温し、4時間保温した。冷却後、得られた混合物にメチルイソブチルケトン1320部を仕込み、常圧で1075部留去した。得られた混合物に、m−クレゾール762.7部と2−tert−ブチル−5−メチルフェノール29.0部とを加え65℃まで昇温し、37%ホルマリン678部を滴下終了時に87℃になるように温調しながら1.5時間かけて滴下した。得られた混合物を87℃で10時間保温した後、メチルイソブチルケトン1115部を加え、イオン交換水で3回分液水洗した。得られた樹脂液にメチルイソブチルケトン500部を加えて全量が3435部になるまで減圧濃縮した。得られた樹脂を含む溶液にメチルイソブチルケトン3796部とn−ヘプタン4990部とを加え60℃に昇温して1時間攪拌後、分液し、樹脂液を得た。得られた樹脂を含む溶液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3500部で希釈し、濃縮を行い、ノボラック樹脂A2−1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液1690部(固形分43%)を得た。ノボラック樹脂A2−1の重量平均分子量は7×103であった。
(レジスト組成物の調製)
表1又は表2に示す成分のそれぞれを、該表1又は表2に示す質量部で混合して溶剤に溶解させた後、孔径0.5μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1−1:樹脂A1−1
A2−1:ノボラック樹脂A2−1
<酸発生剤>
B1:N−ヒドロキシナフタルイミドトリフラート;(NAI−105;みどり化学(株)製)
<クエンチャー>
C1:2,4,5−トリフェニルイミダゾール (東京化成工業(株)製)
<珪素化合物(G)>
I1:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Z−6062:東レ・ダウコーニング(株)製)
I2:信越シリコーンX−41−1818(信越化学(株)製)
I3:信越シリコーンX−41−1810(信越化学(株)製)
I4:信越シリコーンX−41−1805(信越化学(株)製)
S1:3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(Z−6883:東レ・ダウコーニング(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<界面活性剤>
ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
4インチのシリコンウェハ上に銅が蒸着された基板に上記のレジスト組成物をプリベーク後の膜厚が8μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレートで、表1又は表2の「PB」欄に示す温度で180秒間プリベークして組成物層を形成した。
次いで、該組成物層に、i−線ステッパー〔NSR−2005i9C;(株)ニコン製、NA=0.5〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン(ホール径;20μm、ピッチ;20μm)を形成するためのマスクを介して露光した。
露光後、ホットプレートにて表1の「PEB」欄に示す温度で180秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、コンタクトホールパターンのホール径が20μmとなる露光量を実効感度とした。
4インチのシリコンウェハ上に銅が蒸着された基板に上記のレジスト組成物をプリベーク後の膜厚が25μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレートで、表1の「PB」欄に示す温度で180秒間プリベークして組成物層を形成した。
次いで、該組成物層に、i−線ステッパー〔NSR−2005i9C;(株)ニコン製、NA=0.5〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン(ホール径;20μm、ピッチ;20μm)を形成するためのマスクを介して露光した。
露光後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、コンタクトホールパターンのホール径が20μmとなる露光量を実効感度とした。
上記パターンを作製後の基板を「ミクロファブAu660(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製」で電解めっきを行った。
Claims (7)
- 酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)、酸発生剤(B)、メルカプト基を有する珪素化合物(G)及び溶剤(D)を含有するレジスト組成物。
- 前記珪素化合物が、レジスト組成物の固形分に対して、0.001質量%〜0.45質量%で含有される請求項1又は2記載のレジスト組成物。
- 前記酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂が、式(1)で表される基及び式(2)で表される基から選ばれる少なくとも一種の基を含む構造単位を有する樹脂である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(1)中、
Ra1〜Ra3は、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
[式(2)中、
Ra1’及びRa2’は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数2〜20の2価の複素環を形成し、前記炭化水素基及び2価の複素環基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。*は結合手を表す。] - (1)請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物を基板に塗布する工程、
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を現像する工程
を含むレジストパターンの製造方法。
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