JP2016191665A - 自動整準方法及び自動整準装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの傾斜センサで広範囲の傾斜角で、而も高精度の整準を可能とした自動整準方法及び自動整準装置を提供する。
【解決手段】整準基板4に設けられた1つの傾斜センサ19と、整準基板4を少なくとも2方向に傾斜可能な整準機構部8,9,11,12,13と、整準機構部8,9,11,12,13を制御し、整準基板4を所要の状態に傾斜させる制御装置21とを具備し、制御装置21は、傾斜センサ19からの傾斜検出信号が得られない状態からの整準では、整準基板4の傾斜の変化が予め設定したサーチ経路に従う様、整準基板4を傾斜させ、傾斜を変化させる過程で前記傾斜センサ19からの信号を取得する補助整準を実行し、補助整準の過程で傾斜センサ19からの傾斜検出信号が得られた場合は、傾斜センサ19からの検出結果に基づき整準機構部8,9,11,12,13を制御して本整準を実行する様、構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、簡単な構成で広範囲の傾斜角を高精度で整準可能とする自動整準方法及び自動整準装置に関するものである。
測量機等、高精度の整準が要求される装置では高精度で水平を検出可能な傾斜センサを具備し、該傾斜センサからの信号に基づき、装置が水平となる様に整準している。
ところが、高精度の傾斜センサでは、傾斜角の検出範囲が狭く、傾斜角が大きい場合は整準できない。この為、従来の自動整準装置では、高精度の検出精度を有する高精度傾斜センサと精度は低いが広範囲の傾斜角を検出可能な通常傾斜センサとを設け、高精度の傾斜センサの検出範囲を超える傾斜角の場合は、通常傾斜センサの検出結果に基づき粗整準を行い、更に高精度傾斜センサの検出結果に基づき精密整準を行っている。
この為、精度の異なる2つの傾斜センサが必要であり、部品点数が多くなり、構造が複雑となって製作コストが増大する。
実開平2−55113号公報 実開平5−33014号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、1つの傾斜センサで広範囲の傾斜角で、而も高精度の整準を可能とした自動整準方法及び自動整準装置を提供するものである。
本発明は、整準基板に設けられた1つの傾斜センサを備えた自動整準装置に於ける自動整準方法であり、該自動整準方法は、補助整準と本整準とを含み、前記補助整準は、前記整準基板の傾斜を変化させ、変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得するものであり、前記本整準は前記傾斜センサからの信号に基づき前記整準基板を水平に整準する自動整準方法に係るものである。
又本発明は、前記補助整準は、前記自動整準装置の持つ最大の整準範囲に対し、所定の余裕分を残して設定された駆動限度で前記整準基板の傾斜を変化させる自動整準方法に係るものである。
又本発明は、前記自動整準装置は、前記整準基板を水平に整準した際に得られる整準結果を絶対位置として有し、前記補助整準は前記絶対位置から開始される自動整準方法に係るものである。
又本発明は、自動整準が実行される度に整準結果が取得され、該整準結果に基づき前記絶対位置が更新される自動整準方法に係るものである。
又本発明は、整準基板に設けられた1つの傾斜センサと、前記整準基板を少なくとも2方向に傾斜可能な整準機構部と、該整準機構部を制御し、前記整準基板を所要の状態に傾斜させる制御装置とを具備し、該制御装置は、前記傾斜センサからの傾斜検出信号が得られない状態からの整準では、前記整準基板の傾斜の変化が予め設定したサーチ経路に従う様、前記整準基板を傾斜させ、傾斜を変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得する補助整準を実行し、該補助整準の過程で前記傾斜センサからの傾斜検出信号が得られた場合は、前記傾斜センサからの検出結果に基づき前記整準機構部を制御して本整準を実行する様構成された自動整準装置に係るものである。
又本発明は、前記制御装置は、前記整準機構部が有する最大の整準範囲に対し、所定の余裕分を残して設定された駆動限度で前記整準基板の傾斜を変化させ、変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得する補助整準を実行する自動整準装置に係るものである。
又本発明は、前記制御装置は、前記整準基板を水平に整準した際に得られる整準結果を絶対位置として記憶し、前記補助整準は前記絶対位置から開始される自動整準装置に係るものである。
又本発明は、前記整準機構部は、傾斜限度を検出するリミットセンサを有し、前記制御装置は、該リミットセンサが傾斜限度を検出した時の前記整準基板の位置を絶対位置として記憶し、前記補助整準は前記絶対位置から開始される自動整準装置に係るものである。
更に又本発明は、前記制御装置は、自動整準が実行される度に整準結果を取得し、該整準結果に基づき前記絶対位置を更新する自動整準装置に係るものである。
本発明によれば、整準基板に設けられた1つの傾斜センサを備えた自動整準装置に於ける自動整準方法であり、該自動整準方法は、補助整準と本整準とを含み、前記補助整準は、前記整準基板の傾斜を変化させ、変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得するものであり、前記本整準は前記傾斜センサからの信号に基づき前記整準基板を水平に整準するので、1つの傾斜センサのみの簡単な構成で、該傾斜センサの検出範囲を超えた状態から自動整準が可能である。
本発明によれば、前記補助整準は、前記自動整準装置の持つ最大の整準範囲に対し、所定の余裕分を残して設定された駆動限度で前記整準基板の傾斜を変化させるので、傾斜センサの検出範囲に応じた補助整準が可能となる。
本発明によれば、前記自動整準装置は、前記整準基板を水平に整準した際に得られる整準結果を絶対位置として有し、前記補助整準は前記絶対位置から開始されるので、前記補助整準開始時に、絶対位置を設定する必要が無く、直ちに開始される。
又本発明によれば、自動整準が実行される度に整準結果が取得され、該整準結果に基づき前記絶対位置が更新されるので、前記補助整準開始時に、絶対位置を設定する必要が無く、前回の整準状態から直ちに整準動作を開始できる。
又本発明によれば、整準基板に設けられた1つの傾斜センサと、前記整準基板を少なくとも2方向に傾斜可能な整準機構部と、該整準機構部を制御し、前記整準基板を所要の状態に傾斜させる制御装置とを具備し、該制御装置は、前記傾斜センサからの傾斜検出信号が得られない状態からの整準では、前記整準基板の傾斜の変化が予め設定したサーチ経路に従う様、前記整準基板を傾斜させ、傾斜を変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得する補助整準を実行し、該補助整準の過程で前記傾斜センサからの傾斜検出信号が得られた場合は、前記傾斜センサからの検出結果に基づき前記整準機構部を制御して本整準を実行する様構成されたので、1つの傾斜センサのみの簡単な構成で、該傾斜センサの検出範囲を超えた状態から自動整準が可能である。
又本発明によれば、前記制御装置は、前記整準機構部が有する最大の整準範囲に対し、所定の余裕分を残して設定された駆動限度で前記整準基板の傾斜を変化させ、変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得する補助整準を実行するので、傾斜センサの検出範囲に応じた補助整準が可能となる。
又本発明によれば、前記制御装置は、前記整準基板を水平に整準した際に得られる整準結果を絶対位置として記憶し、前記補助整準は前記絶対位置から開始されるので、前記補助整準開始時に、絶対位置を設定する必要が無く、直ちに開始される。
又本発明によれば、前記整準機構部は、傾斜限度を検出するリミットセンサを有し、前記制御装置は、該リミットセンサが傾斜限度を検出した時の前記整準基板の位置を絶対位置として記憶し、前記補助整準は前記絶対位置から開始されるので、前記補助整準開始時に、絶対位置を設定する必要が無く、直ちに開始される。
更に又本発明によれば、前記制御装置は、自動整準が実行される度に整準結果を取得し、該整準結果に基づき前記絶対位置を更新するので、前記補助整準開始時に、絶対位置を設定する必要が無く、前回の整準状態から直ちに整準動作を開始できるという優れた効果を発揮する。
本発明の実施例に係る自動整準装置の平面図である。 該自動整準装置の正面図である。 該自動整準装置の制御装置を示すブロック図である。 本実施例の整準作動と傾斜センサの検出範囲の関係を示す説明図である。 本実施例の整準作動を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
図1、図2は本発明の実施例に係る自動整準装置を示している。
図1、図2中、1は自動整準装置、2は該自動整準装置1が載置される部位、例えば座板を示す。又、4は整準基板、5は固定軸、6は右駆動軸、7は左駆動軸を示している。又、前記整準基板4に測定機等、整準が必要な装置、機械が設置される。
前記固定軸5、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7は前記整準基板4に対して垂直下方に延出し、それぞれ下端部は円錐状の尖端となっている。前記固定軸5は固定的に設けられ、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7は、それぞれ回転を拘束され、軸心方向に摺動自在に設けられている。
前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の上端部は、螺子部8となっており、該螺子部8にはナット部9が螺合している。該ナット部9には、整準ギア10が設けられ、該整準ギア10と前記ナット部9とは一体に回転する様になっている。
前記右駆動軸6に対して右整準モータ11が設けられ、前記左駆動軸7に対して左整準モータ12が設けられ、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12の出力軸には、それぞれ駆動ギア13が軸着されている。該駆動ギア13は前記整準ギア10と噛合し、前記右整準モータ11の駆動により、前記駆動ギア13、前記整準ギア10を介して前記ナット部9が回転し、前記螺子部8が前記整準基板4に対して上下に変位(以下螺子作用と称す)する。即ち、前記ナット部9の正逆回転に対応して前記右駆動軸6が上下に変位する。
或は、前記左整準モータ12の駆動により、前記駆動ギア13、前記整準ギア10を介して前記ナット部9が回転し、該ナット部9と前記螺子部8間の螺子作用により、前記整準基板4に対して前記左駆動軸7が上下に変位する。
前記右整準モータ11、前記左整準モータ12を個別に駆動することで、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7は、独立して上下方向に変位する。前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の変位を制御することで、前記整準基板4は前記固定軸5を中心とし、2方向の傾斜が調整できる。
個々で、前記螺子部8、前記ナット部9、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12、前記駆動ギア13等は、前記整準基板4を2方向に傾斜可能な整準機構部を構成する。
前記右駆動軸6、前記左駆動軸7に対してそれぞれ右リミットセンサ15、左リミットセンサ16が設けられている。両リミットセンサ15,16は同一であるので、以下は、前記右駆動軸6に対して設けられた前記右リミットセンサ15について説明する。
該右リミットセンサ15は、前記右駆動軸6の変位の限界を検出するものである。前記右リミットセンサ15としては種々のタイプが利用可能である。
例えば、右リミットセンサ15として光センサ(以下、右リミットセンサ15を光センサとして説明する)が用いられる。図示の様に、前記右駆動軸6の表面に非反射部17が設けられる。該非反射部17は、前記右駆動軸6の軸心方向、即ち鉛直方向に既知の長さを有している。
前記非反射部17に対向して支持片18が設けられ、該支持片18に前記右リミットセンサ15が設けられる。該右リミットセンサ15は、投光器と受光器から成り、投光器から検出光が射出され、受光器によって反射光の有無が検出される様になっている。従って、前記右リミットセンサ15が前記非反射部17と対峙する位置では反射光は検出されず、受光器が反射光を検出した時の位置が限界位置となる。
前記右整準モータ11を駆動して、前記右駆動軸6を伸張させれば、前記右リミットセンサ15が前記非反射部17の上端を検出し、該右リミットセンサ15の検出に基づき前記右整準モータ11の駆動が停止される。又、前記右整準モータ11を駆動して、前記右駆動軸6を短縮させれば、前記右リミットセンサ15が前記非反射部17の下端を検出し、該右リミットセンサ15の検出に基づき前記右整準モータ11の駆動が停止される。
又、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12として回転量を検出可能なモータ、或は回転量を制御可能な駆動方式とすれば、前記非反射部17の上端、或は下端を基準として前記右リミットセンサ15に対する前記右駆動軸6の変位量を監視できる。
尚、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12としては、パルスモータ或はエンコーダ付のモータ等が用いられる。
次に、リミットセンサとしては光学的なものに限られるものではない。例えば、リミットセンサの他の例として、磁気を利用した近接センサが用いられる。近接センサでは、前記右駆動軸6、前記支持片18のいずれか一方に磁石が設けられ、他方に磁気検出器が設けられる。
或は、接触式のセンサが用いられる。接触式のセンサとしては、前記支持片18に電極が設けられ、電極が前記右駆動軸6に接触し、該右駆動軸6の変位により、接触位置が変化し、電極と該右駆動軸6間の通電状態から限界位置を検出するものである。
更に、前記右リミットセンサ15としては、前記右駆動軸6と前記右リミットセンサ15間の位置を検出するものであればよく、種々のセンサが適用可能である。
前記整準基板4の上面、中央に傾斜センサ19が設けられる。該傾斜センサ19は、水平2方向の傾斜(例えば、X軸方向、Y軸方向)を、±1゜〜±2゜の範囲で高精度に検出可能である。
前記右整準モータ11、前記左整準モータ12、前記傾斜センサ19は制御装置21に電気的に接続され、前記傾斜センサ19の検出結果に基づき前記右整準モータ11、前記左整準モータ12を駆動して、前記整準基板4が水平となる様に自動整準する。
図3を参照して、前記制御装置21の概略を説明する。
前記制御装置21は、演算処理部(例えば、CPU)22、記憶部23、右モータ駆動部24、左モータ駆動部25を有する。又、前記制御装置21には、整準作動を開始させる為の操作部26、整準状態、整準結果等を表示する為の表示部27が接続される。
ここで、整準状態としては、整準の進行状態、整準完了等が例示され、整準結果としては、整準を実行して前記整準基板4をX軸方向、Y軸方向にそれぞれどの程度傾斜させたか、或は前記右整準モータ11、前記左整準モータ12をどの方向にどれだけ回転させたか等、前記整準基板4の傾斜を修正したことの情報が含まれる。
前記記憶部23には、前記右モータ駆動部24、前記左モータ駆動部25を介して前記右整準モータ11、前記左整準モータ12に整準動作を行わせる為のシーケンスプログラム、前記右リミットセンサ15、前記左リミットセンサ16、前記傾斜センサ19の検出結果に基づき傾斜角、傾斜方向を演算し、更に前記右整準モータ11、前記左整準モータ12の駆動量等を演算し、前記右モータ駆動部24、前記左モータ駆動部25の駆動を制御する整準プログラム等のプログラムが格納される。又、整準結果は前記記憶部23に記憶され、更に自動整準が実行される度に最新の整準結果に更新される。
図4に於いて、前記自動整準装置1による自動整準方法について説明する。
図4中、X軸、Y軸で示される座標系は、前記整準基板4の傾斜方向と傾斜角を示すものであり、X軸とY軸との交点(原点)O1は、X軸方向、Y軸方向共に傾斜角が0、即ち水平状態を示している。
図1を参照すると、前記整準基板4は、前記固定軸5の下端、前記右駆動軸6の下端、前記左駆動軸7の下端の3点で支持されており、前記固定軸5の中心を頂点とする3角形が形成さる。図1では、前記右駆動軸6の中心と前記左駆動軸7の中心とを結ぶ線分が底辺、前記固定軸5の中心と前記右駆動軸6の中心とを結ぶ線分が右斜辺、前記固定軸5の中心と前記左駆動軸7の中心とを結ぶ線分が左斜辺とする2等辺3角形となっている。
更に、図1と図4とを対比させると、前記底辺がX軸と平行であり、底辺の垂直2等分線(前記固定軸5の中心を通過する線)がY軸と一致する。
前記整準基板4は、前記固定軸5が固定、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7が鉛直方向に変位するので、前記整準基板4は、前記固定軸5を中心にXY2方向に傾斜する。
例えば、前記右駆動軸6をΔ伸張させ、前記左駆動軸7を同量Δ短縮させると、前記整準基板4はY軸を中心にX軸方向に傾斜する。この場合は、Y軸方向の傾斜には変化がない。
又、前記右駆動軸6と前記左駆動軸7を同量Δ短縮又は伸張させると、前記整準基板4は前記固定軸5の下端を中心にY軸方向に傾斜する。この場合、X軸方向の傾斜には変化がない。而して、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の変位量を制御することで、前記整準基板4をX軸、Y軸の任意な方向に、任意の傾斜量だけ傾斜させることができる。
更に、図4に於いて、原点O1を中心とする円は、前記傾斜センサ19が傾斜を検出可能な範囲(センサ検出範囲31)を示しており、実線の菱形は、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7を変位させ、前記整準基板4を傾斜させることができる限界(変位限界32)を示している。
図中、前記変位限界32は、Y軸方向に扁平な菱形となっているが、これはX軸方向の傾斜については、例えば前記右駆動軸6を最大に伸張させ、前記左駆動軸7を最大に短縮させることで、前記右駆動軸6の変位量と前記左駆動軸7の変位量とを加算した変化量が得られる。一方、Y軸方向の傾斜については、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7を同方向に最大変位させた場合が、最大の傾斜角となるからである。
尚、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の実際の駆動量は、所定の余裕分残して破線で示す菱形を駆動限度33として設定する。該余裕分は、後述する様に、前記センサ検出範囲31の大きさ等を考慮して設定される。
尚、菱形の中心O2が、前記自動整準装置1の初期状態を示している。初期状態としては、工場出荷の際に水平な平面上で整準させた状態とする。従って、もし前記自動整準装置1が水平面に設置されたとすると、原点O1と中心O2とは合致する。
尚、初期状態での、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の軸心方向の位置は、前記右リミットセンサ15、前記左リミットセンサ16が前記非反射部17の上端、或は下端を検出した点を基準として設定される。
図4の状態では、前記自動整準装置1が傾斜した平面に設置されたことを示し、X軸の+方向、Y軸の+方向にそれぞれ傾斜していることを示し、更に前記傾斜センサ19の傾斜検出範囲を超えて傾斜していることを示している。尚、前記中心O2が前記センサ検出範囲31の範囲内に入っていれば、前記傾斜センサ19の検出結果に基づき自動整準を実行できる。
未整準の状態で自動整準装置1の傾斜が、前記傾斜センサ19の検出範囲を超えていた場合、本実施例では、傾斜センサは前記傾斜センサ19の1つのみであるので、前記整準基板4の傾斜を前記傾斜センサ19が検出可能な傾斜迄整準(以下、補助整準と称す)する必要がある。
本実施例に於ける自動整準は、補助整準と本整準を含む。
先ず、補助整準について図4を参照して説明する。
補助整準では、前記センサ検出範囲31を探索(サーチ)する。サーチは、予めサーチ経路が設定されている。サーチ経路の設定は任意であるが、設定されるサーチ経路の一例としては前記駆動限度33が示す菱形(以下この菱形をサーチ経路33aとする)がある。
又、該サーチ経路33aを経由する様に整準を行う過程で、前記整準基板4の傾斜が前記センサ検出範囲31に含まれる様に、前記サーチ経路33a(前記駆動限度33)が設定される。
次に、補助整準が開始されると、先ず前記サーチ経路33a上の所要の点で示される傾斜状態に前記整準基板4を傾斜させ、その後前記サーチ経路33aに沿って傾斜が変化する様に前記右整準モータ11、前記左整準モータ12が駆動される。即ち、前記サーチ経路33aに乗る様に、先ず前記整準基板4が傾斜される。
ここで、前記サーチ経路33aに乗せる為には、整準方向(前記整準基板4を傾斜させる方向)、整準量(前記整準基板4を傾斜させる量)を求める必要がある。この為、補助整準開始時の前記整準基板4の姿勢、即ち前記自動整準装置1に対する前記整準基板4の位置(絶対位置)を知る必要がある。
前記自動整準装置1が水平平面に設置され、前記整準基板4が水平に整準された状態で、前記整準基板4は前記自動整準装置1に対して基準位置にあるとする。更に、この基準位置は、図4中の前記中心O2で示される。
前記整準基板4の絶対位置の取得については、直前に整準された時の絶対位置が前記記憶部23に記憶される。この絶対位置は、前記右モータ駆動部24の回転位置及び前記左モータ駆動部25の回転位置によって特定される。
次に整準される場合は、前記記憶部23に記憶された絶対位置が、補助整準が開始される位置となる。
尚、上記説明では、水平を基準として絶対位置を取得したが、前記右リミットセンサ15、前記左リミットセンサ16が検出したリミット位置を基準として絶対位置を取得してもよい。この場合も、絶対位置は前記記憶部23に記憶され、記憶された絶対位置が補助整準が開始される位置となる。
補助整準を開始時に、基準位置が前記中心O2であった場合、中心O2をサーチ始点として、前記整準基板4の傾斜が前記サーチ経路33aに達する様に、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12が駆動される。尚、最初、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12のいずれを駆動するか、或はどの様な順序で駆動するか等については、最短経路で前記サーチ経路33aに到達する様、シーケンスプログラムにプログラムされている。
図4の例では、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12を同方向に最大量駆動し、前記右駆動軸6、前記左駆動軸7を同方向に同量変位させて、前記サーチ経路33aに到達させている。傾斜はY軸方向の傾斜角最大となる。その後、前記整準基板4の傾斜が、前記サーチ経路33aの線上を変移する様に、前記右整準モータ11により前記右駆動軸6を短縮させる。X軸傾斜角が増大すると共に、Y軸傾斜角が減少し、前記駆動限度33のX軸傾斜角最大に到達する。前記左整準モータ12を駆動させ、前記左駆動軸7を短縮させる。
X軸傾斜角が減少しつつ、Y軸傾斜角が減少し、Y軸傾斜角最小に到達する。
次に、前記右駆動軸6を伸張させると、X軸傾斜角が減少しつつ、Y軸傾斜角が増大し、X軸傾斜角最小に到達する。前記左駆動軸7を伸張すると、X軸傾斜角が増大しつつY軸傾斜角が増大し、Y軸傾斜角最大に復帰する。この様に、前記整準基板4を傾斜させることで、前記自動整準装置1の持つ最大の整準範囲で、前記整準基板4の傾斜を変化させたことになる。
前記整準基板4の傾斜角が、前記サーチ経路33aの線上を変移する様に、前記整準基板4を傾斜させている過程で、前記傾斜センサ19からの信号が得られたら、即ち、前記整準基板4の傾斜方向、傾斜量が前記センサ検出範囲31の範囲に入ったら、該傾斜センサ19からの信号に基づく自動整準(本整準)に移行する。
この場合、本整準に移行して、前記傾斜センサ19の信号に基づき正確に整準が完了する為には、原点O1が前記変位限界32の範囲内に有ることが条件となる。前記傾斜センサ19からの信号を取得しても、前記原点O1が前記変位限界32の外にある場合は、再度自動整準装置1の設置をする必要が生じる。従って、前記変位限界32と前記サーチ経路33aとの間の余裕分は、前記センサ検出範囲31等を考慮し、前記傾斜センサ19の信号を検出した状態では、前記原点O1が前記変位限界32内に存在する様に設定されることが好ましい。
前記傾斜センサ19の検出信号に基づく自動整準が完了すると、整準結果は前記記憶部23に記憶される。尚、整準結果としては、前記右モータ駆動部24の回転位置、前記左モータ駆動部25の回転位置、或は前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の垂直方向の位置がある。整準後の前記右駆動軸6、前記左駆動軸7の位置は、前記記憶部23に記憶される。
記憶された整準結果は、次に前記自動整準装置1が設置され、整準を行う場合の補助整準開始時の絶対位置(初期値)として利用される。該整準結果に基づき前記絶対位置が更新され、整準後の前記自動整準装置1の状態が記憶されることになり、整準を開始する為にその都度、前記自動整準装置1を基準状態に再設定する必要がなく、前回使用した状態から直ちに整準作業を開始できる。
尚、整準が繰返されることで、絶対位置に誤差が累積される場合がある。この場合、以下の方法で誤差が修正される。
前記右リミットセンサ15、前記左リミットセンサ16がリミットを検出した時の、前記整準基板4の絶対位置を記憶させておく。所定時期に、作業者が、或はプログラムにより、前記右整準モータ11、前記左整準モータ12を駆動し、前記右リミットセンサ15、前記左リミットセンサ16で変位限界32を検出させ(前記非反射部17の上端、又は下端を検出させ)、変位限界32を検出させた時の前記右整準モータ11、前記左整準モータ12の回転位置から絶対位置を求め、求めた絶対位置と前記記憶された絶対位置とを比較し、誤差があれば、この誤差を0とする様自動的に、或は作業者がリセットする。
而して、本整準を実行する前に、補助整準を実行することで、1つの高精度の傾斜センサのみで、傾斜センサの検出範囲を超える広範囲での自動整準が可能となる。
図5を参照して、本実施例の整準作動について、更に説明する。
前記自動整準装置1を所定位置に設置し、前記操作部26より自動整準を指令する。
STEP:01、STEP:02 前記傾斜センサ19から傾斜角の取得を行い、傾斜角の取得の有無から、設置状態で前記整準基板4の傾斜が前記傾斜センサ19の検出範囲であるかどうかが判断される。
前記傾斜センサ19からの傾斜検出が可能な場合は、STEP:06に移行し、前記傾斜センサ19の検出結果に基づき本整準が行われる。
STEP:03 前記傾斜センサ19により傾斜検出ができない場合は、補助整準が実行される。補助整準は、前記記憶部23に記憶された絶対位置を始点とし、前記サーチ経路33aに到達する迄前記整準基板4を傾斜させ、更に前記整準基板4を前記サーチ経路33aの経路で傾斜を変化させる。補助整準は、前記センサ検出範囲31をサーチする動作である。
STEP:04、STEP:05 サーチの過程で、前記傾斜センサ19からの検出信号が取得されると、前記整準基板4の傾斜が前記傾斜センサ19の検出範囲となったと判断され、補助整準は終了する。
STEP:06 前記傾斜センサ19の検出結果に基づき、本整準が実行される。
STEP:07 補助整準の過程で、前記傾斜センサ19からの信号が得られず、前記サーチ経路33a全周のサーチが完了し、尚且つ、信号が得られない場合は、前記自動整準装置1の設置時の傾斜量が、整準動作の範囲を超えている場合であり、この時は整準不能の判断がなされ、整準不能は前記表示部27に表示され、或は該表示部27から警告が発せられ、自動整準できなかったことを作業者に告知する。
作業者は、前記自動整準装置1の再設置を行う等、所要の作業を実行できる。
尚、上記自動整準装置は、1つの固定軸と、2つの駆動軸を有し、該2つの駆動軸を変位させることで整準を行ったが、1つの固定軸と3つの駆動軸を有し、該3つの駆動軸を変位させる自動整準装置等、他の整準機構を用いた自動整準装置にも実施可能であることは言う迄もない。
又、前記サーチ経路33aは前記駆動限度33と同一にする必要はなく、要は前記センサ検出範囲31が検出できる様にサーチできればよい。
1 自動整準装置
4 整準基板
5 固定軸
6 右駆動軸
7 左駆動軸
8 螺子部
9 ナット部
11 右整準モータ
12 左整準モータ
13 駆動ギア
15 右リミットセンサ
16 左リミットセンサ
17 非反射部
19 傾斜センサ
21 制御装置
22 演算処理部
23 記憶部
31 センサ検出範囲
32 変位限界
33 駆動限度

Claims (9)

  1. 整準基板に設けられた1つの傾斜センサを備えた自動整準装置に於ける自動整準方法であり、該自動整準方法は、補助整準と本整準とを含み、前記補助整準は、前記整準基板の傾斜を変化させ、変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得するものであり、前記本整準は前記傾斜センサからの信号に基づき前記整準基板を水平に整準することを特徴とする自動整準方法。
  2. 前記補助整準は、前記自動整準装置の持つ最大の整準範囲に対し、所定の余裕分を残して設定された駆動限度で前記整準基板の傾斜を変化させる請求項1の自動整準方法。
  3. 前記自動整準装置は、前記整準基板を水平に整準した際に得られる整準結果を絶対位置として有し、前記補助整準は前記絶対位置から開始される請求項1の自動整準方法。
  4. 自動整準が実行される度に整準結果が取得され、該整準結果に基づき前記絶対位置が更新される請求項3の自動整準方法。
  5. 整準基板に設けられた1つの傾斜センサと、前記整準基板を少なくとも2方向に傾斜可能な整準機構部と、該整準機構部を制御し、前記整準基板を所要の状態に傾斜させる制御装置とを具備し、該制御装置は、前記傾斜センサからの傾斜検出信号が得られない状態からの整準では、前記整準基板の傾斜の変化が予め設定したサーチ経路に従う様、前記整準基板を傾斜させ、傾斜を変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得する補助整準を実行し、該補助整準の過程で前記傾斜センサからの傾斜検出信号が得られた場合は、前記傾斜センサからの検出結果に基づき前記整準機構部を制御して本整準を実行する様構成されたことを特徴とする自動整準装置。
  6. 前記制御装置は、前記整準機構部が有する最大の整準範囲に対し、所定の余裕分を残して設定された駆動限度で前記整準基板の傾斜を変化させ、変化させる過程で前記傾斜センサからの信号を取得する補助整準を実行する請求項5の自動整準装置。
  7. 前記制御装置は、前記整準基板を水平に整準した際に得られる整準結果を絶対位置として記憶し、前記補助整準は前記絶対位置から開始される請求項5の自動整準装置。
  8. 前記整準機構部は、傾斜限度を検出するリミットセンサを有し、前記制御装置は、該リミットセンサが傾斜限度を検出した時の前記整準基板の位置を絶対位置として記憶し、前記補助整準は前記絶対位置から開始される請求項5の自動整準装置。
  9. 前記制御装置は、自動整準が実行される度に整準結果を取得し、該整準結果に基づき前記絶対位置を更新する請求項7又は請求項8の自動整準装置。
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