JP2016191097A - 容器に成膜する装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器にバリア膜を形成するにあたり異常放電を防止する機能を誘電体の厚みによらずに実現するとともに、誘電体の突き当て部に容器が干渉しても異常放電抑止の機能を維持すること。
【解決手段】成膜装置1は、チャンバ3と、容器2内に膜原料を含むガスを導入するガス導入部4と、チャンバ3内の空気を排気する排気部5と、容器2の外周部を包囲する外部電極7と、容器2内に配置される内部電極8と、外部電極7の内周面7Bを覆う誘電体9とを備える。外部電極7および誘電体9を含んで構成されるチャンバ3は、分割されており、分割されたチャンバ3の突き当て部3Xには、誘電性を有する材料から形成され、外部電極7と誘電体9との境界部79からチャンバ3の内部空間30にまで通じる経路s1を塞ぐ閉塞部材34が配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂製の容器にバリア膜を形成する装置および方法に関する。
ペットボトル等の容器の内面に、DLC(Diamond-like Carbon)等の炭素膜を形成することで、容器外からの酸素ガスの侵入や、容器内からの炭酸ガスの抜けを防止するガスバリア性が容器に付与されている(特許文献1)。
図7(a)に示すように、炭素膜等のバリア膜を成膜する成膜装置は、チャンバ3に収容された容器2内にバリア膜の原料を含むガスを導入するガス導入部4と、チャンバ3内の空気を排気する排気部5と、高周波電源6と、容器2の外周部を包囲する外部電極7と、容器2の口部2Aから容器2内に挿入される内部電極8と、外部電極7および容器2の間に配置される誘電体9とを備えている。
高周波電源6に接続された外部電極7と、接地された内部電極8との間に高周波電圧が印加される。
外部電極7および誘電体9を含んで構成されるチャンバ3は、上部31と下部32とに分割されている。上部31の下端と下部32の上端とが突き当てられる。
ここで、誘電体9の突き当て部9Xに隙間があると、それに起因して異常な放電が発生することがある。そのため、特許文献2では、突き当て部9Xの端面が平坦な場合と比べて隙間ができにくいように、図7(b)に示すように、誘電体9を突き当て部9Xで段差状に加工している。そして、上部31の誘電体9に形成された凸部91と、下部32の誘電体9に形成された凸部92とを噛み合わせている。
特開2008−231468号公報 特開2013−256708号公報
誘電体9が段差状に形成されていると、一方の凸部92が突き当て部9Xから突出する。そのため、チャンバ3内に容器2を収容する際に上部31と下部32との間に容器2が噛み込まれると、凸部92が破損するおそれがある。破損すると異常放電を防止する機能が失われるので、誘電体9の交換が必要となり、復旧に時間が掛かる。
また、バリア膜の品質向上のため、近年、誘電体の全体が薄肉化されている。誘電体が薄い場合は、その突き当て部を特許文献2のように段差状に加工することによって異常放電を防止する機能を得ることが難しい。
そこで、本発明は、容器にバリア膜を形成するにあたり異常放電を防止する機能を誘電体の厚みによらずに実現するとともに、誘電体の突き当て部に容器が干渉しても異常放電抑止の機能を維持することができる成膜装置および成膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、容器に成膜する装置であって、容器を収容する内部空間を有するチャンバと、チャンバに収容された容器内に膜原料を含むガスを導入するガス導入部と、チャンバ内の空気を排気する排気部と、容器の外周部を包囲する外部電極と、容器内に配置される内部電極と、外部電極の内周部を覆う誘電体と、を備えている。
外部電極および誘電体を含んで構成されるチャンバは、分割されている。
そして、本発明は、分割されたチャンバの突き当て部に、誘電性を有する材料から形成され、外部電極と誘電体との境界部からチャンバの内部空間にまで通じる経路を塞ぐ閉塞部材が配置されていることを特徴とする。
本発明における閉塞部材は、弾性体であることが好ましい。
本発明において、外部電極に内周側を開放するように形成された凹部と、凹部よりも内周側に位置する誘電体とによって区画された溝の内部に閉塞部材を保持させることができる。
その場合に、誘電体が、溝から突出した閉塞部材の部分に接触する接触部を有することが好ましい。
閉塞部材は、外部電極に内周側を開放するように形成された凹部と、誘電体に外周側を開放するように形成された凹部とによって区画された溝の内部に保持されていてもよい。
本発明における閉塞部材は、チャンバの内部空間を密閉状態に封止するシール部材を兼ねることができる。
本発明は、容器に成膜する方法であって、分割されたチャンバの突き当て部を突き当ててチャンバ内に容器を収容する第1ステップと、チャンバ内の空気を排気しつつ、容器内に膜原料を含むガスを導入する第2ステップと、容器の外周部を包囲する外部電極と容器との間に誘電体が介在した状態で、外部電極と、容器内に配置される内部電極との間に電圧を印加する第3ステップと、を備えている。
そして、本発明は、第1ステップにおいて、チャンバの突き当て部に位置し、誘電性を有する材料から形成された閉塞部材により、外部電極と誘電体との境界部からチャンバの内部空間にまで通じる経路を塞ぐことを特徴とする。
分割されたチャンバが突き当てられると、外部電極から放出されて突き当て部を進む電子の進路上に閉塞部材が位置するので、電子が閉塞部材に入射する。それによって電子のエネルギーが減衰されるため、外部電極から放出されて突き合わせ部を進む電子は、異常放電にまで成長しない。その結果、放電が均一化されるので、容器に均一な厚みで成膜することができる。
また、本発明によれば、チャンバの突き当て部に閉塞部材を配置するだけで、誘電体の厚みには関係なく、異常放電を防止することができる。
さらに、誘電体とは別途備えられた閉塞部材により異常放電を防止しているので、容器が誘電体に干渉することとは関係なく、異常放電防止の機能を維持することができる。
閉塞部材が弾性体である場合には、閉塞部材がチャンバの突き当て部に噛み込まれた容器に干渉したとしても弾性変形し、容器を除去すれば復元するので、容器の噛み込みの前後に亘り、異常放電防止の機能をより確実に維持することができる。
本発明の第1実施形態に係る成膜装置を示す縦断面図である。 分割されたチャンバの上部と下部との突き当て部を示す図である。 図2の要部拡大図である。 第1実施形態の変形例に係るチャンバの上部と下部との突き当て部を示す図である。 第1実施形態の変形例に係るチャンバの上部と下部との突き当て部を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る成膜装置のチャンバの上部と下部との突き当て部を示す図である。 従来の成膜装置を示す縦断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す成膜装置1は、容器2の内面2Bにバリア膜21(二点鎖線で示す)を形成する。
容器2は、PET(polyethylene terephthalate)樹脂から形成されたボトルであり、口部2Aを有する。口部2Aから容器2内に飲料が充填された後、図示しないキャップにより口部2Aが塞がれる。
バリア膜21は、例えば炭素を含む材料から緻密な構造に形成されており、PET樹脂を通じた通気を阻止するガスバリア性を有する。
バリア膜21として、DLC(Diamond-like Carbon)を採用することができる。
成膜装置1は、容器2が収容されたチャンバ3の内部空間30から排気するとともに、バリア膜21の原料を含むガス(原料ガス)を導入することでチャンバ3の内部を所定のガス圧に調整しつつ、容器2に電圧を印加する。
成膜装置1は、容器2内に原料ガスを導入するガス導入部4と、チャンバ3内の空気を排気する排気部5と、高周波電源6と、容器2の外周部2Cを包囲する外部電極7と、口部2Aから容器2内に挿入される内部電極8と、外部電極7および容器2の間に配置される誘電体9と、外部電極7の外側に配置されるシールド11と、排気部5および外部電極7の間に介在する上部絶縁体12と、外部電極7とシールド11との間に介在する下部絶縁体13とを備えている。
容器2が収容されるチャンバ3は、外部電極7および誘電体9と、外部電極7の上端部に設けられる排気部5と、上部絶縁体12とにより構成されている。
ガス導入部4は、原料ガスの図示しない供給源に接続された管を有する。ガス導入部4は、導体であり、内部電極8として用いられている。
排気部5は、図示しない真空ポンプに接続されており、この排気部5内の流路を通じてチャンバ3の内部の空気が排気される。排気部5は、ガス導入部4を支持している。
外部電極7は、口部2Aを除いて容器2の外周部2Cの全体を包囲するように、有底筒状に形成されている。
外部電極7は、整合器61を介して高周波電源6に接続される。整合器61は、外部電極7と内部電極8との間に印加する電圧を所定の周波数に制御する。
内部電極8(ガス導入部4)は、接地されており、容器2の口部2Aに対向する底部2Dの近くまで挿入される。
誘電体9は、フッ素系樹脂等の樹脂材料から形成され、外部電極7の内周面7Bの全体を覆っている。誘電体9として、例えば、テフロン(登録商標)が好適である。
シールド11は、排気部5を介して接地され、外部電極7の全体を覆っている。電圧印加に伴って生じる電磁波は、シールド11により遮蔽される。
シールド11は、板状、メッシュ状等の適宜な形状に形成することができる。
いずれも接地電位とされる内部電極8(ガス導入部4)、排気部5、およびシールド11は、上部絶縁体12、下部絶縁体13、および空気層14により外部電極7に対して絶縁されている。
高周波電源6および整合器61より、外部電極7と内部電極8との間に高周波電圧を印加すると、それらの電極7,8間に介在する容器2に電圧が印加される。電圧印加により、外部電極7から内部電極8に向けた放電が生じる。原料ガスが導入された容器2内の雰囲気は、放電によりプラズマ状態となり、原料ガスに含まれる炭素等が解離して容器2の内面2Bに堆積することで、バリア膜21が形成される。
誘電体9は、外部電極7と容器2との間に介在することにより、容器2の内面2Bの全体に亘り均一な厚みのバリア膜21を形成することに寄与する。
チャンバ3は、容器2の高さ方向(口部2Aと底部2Dとを結ぶ方向)において2つに分割されている。つまり、チャンバ3は上部31と下部32とを備えている。
上部31の位置は固定されており、図1に白抜き矢印U,Dで示すように、下部32が上部31に対して上下方向に移動される。
以下、上部31の下端と下部32の上端のことをチャンバ3の突き当て部3Xと称する。
図2に示すように、外部電極7および誘電体9は、容器2の口部2Aと底部2Dとの間に位置する胴部2Eに対応する位置で分割線Lに沿って分割されている。図示は省略するが、シールド11も同様に分割されている。
上部31における外部電極7および誘電体9の各々の下端面は、平坦に形成されている。
下部32における外部電極7および誘電体9の各々の上端面も、平坦に形成されている。
容器2に成膜する手順について簡単に説明する。
まず、成膜装置1のチャンバ3内に容器2を収容する(第1ステップ)。このとき、上部31の内側に下方より容器2を挿入し、成膜装置1に備えられている図示しない駆動装置により下部32を上昇させると(図1の白抜き矢印Uを参照)、上部31の下端と下部32の上端とが互いに突き当てられ、チャンバ3の内部空間30に容器2が収容される。
その後、内部空間30の空気を排気しつつ、容器2内に原料ガスを導入することで、内部空間30を所定のガス圧に調整する(第2ステップ)。
さらに、高周波電源6および整合器61により電圧を印加することで、外部電極7から内部電極へと放電させる(第3ステップ)。
以上により、容器2の内面2Bにバリア膜21が形成される。
さて、図3に示すように、突き当て部3Xには、上部31の下端と下部32の上端との間の隙間Sを封止するシール部材33と、外部電極7と誘電体9との境界部79からチャンバ3の内部空間30にまで通じる経路(s1)を全周に亘り塞ぐ閉塞部材34とが配置されている。
シール部材33は、排気により減圧されるチャンバ3の内部空間30を密閉された状態に封止する。
シール部材33は、環状に形成されたOリングであり、図3に示すように、上部31の外部電極7の下端面7Aに形成された環状のシール溝71の内部に保持されている。
上部31と下部32とが突き当てられると、上部31の外部電極7と下部32の外部電極7との間でシール部材33が弾性変形し、シール部材33により、突き当て部3Xの隙間Sが全周に亘り封止される。
シール部材33は、必要な弾性力が得られる適宜な材料から形成することができる。例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム系材料を好適に用いることができる。
閉塞部材34は、外部電極7から内部電極8(図2)に向けて放出された電子のうち、誘電体9を介さずに直線的に進行する電子を受け止めることで電子のエネルギーを減衰させる。閉塞部材34は、誘電性(絶縁性)を有する材料から形成されている。
ここで、外部電極7から図3に破線の矢印e1で示すように放出された電子は誘電体9へと入射する。誘電体9を通過して所定のエネルギーレベルにある電子によって均一な放電状態が作り出される。
しかし、図3に二点鎖線の矢印e2で示すように、外部電極7から誘電体9の突き当て部9Xにあいている隙間s1へと電子が放出され、減衰されないで高いエネルギーを保ったままチャンバ3の内部空間30へと放出されるとすると、想定した放電状態からエネルギーレベルが突出した異常な放電に繋がる可能性がある。
そうした異常放電の発生を防止するために、閉塞部材34により、突き当て部9Xにおいて外部電極7からチャンバ3の内部空間30に通じる経路である隙間s1を塞いでいる。
外部電極7から放出され、隙間s1に向けて直線的に進行する電子は、図3に実線の矢印e3で示すように、閉塞部材34に入射する。閉塞部材34によりエネルギーが減衰された電子は、異常放電にまで成長しない。その結果、放電が均一化されるので、容器2に均一な厚みのバリア膜21を安定して形成することができる。
閉塞部材34は、シール部材33と同心円をなすように環状に形成されている。閉塞部材34は弾性体であることが好ましい。閉塞部材34としていわゆるOリングを用いることができる。
閉塞部材34は、必要な弾性力が得られる適宜な材料から形成することができる。例えば、ば、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム系材料を好適に用いることができる。
閉塞部材34およびシール部材33を同じ材料から形成することもできる。
本実施形態の閉塞部材34は、上部31の外部電極7に環状に形成された凹部72の内部に配置されている。
凹部72は、上部31の外部電極7の下端面7Aと、下端面7Aに直交し誘電体9により覆われる内周面7Bとの双方から窪むように、内周側を開放して形成されている。
閉塞部材34は、凹部72と、凹部72よりも内周側に位置する誘電体9とによって区画された環状の溝73の内部に保持されている。
本実施形態では、閉塞部材34を保持する溝等を誘電体9に加工する必要がなく、シール溝71と凹部72とを外部電極7に対する一度の加工で形成することができる。
上部31と下部32とが突き当てられると、上部31の外部電極7と下部32の外部電極7との間で閉塞部材34が弾性変形し、閉塞部材34により、隙間s1の入口INが全周に亘り塞がれる。このとき閉塞部材34は全周に亘り、上部31の誘電体9と下部32の誘電体9との双方に接触しており、閉塞部材34により、外部電極7から放出されて突き当て部9Xを進む電子の経路(隙間s1)が塞がれている。
本実施形態では、溝73から突出した閉塞部材34の部分を下部32の誘電体9に確実に接触させて隙間s1の入口INを塞ぐため、下部32の誘電体9に、閉塞部材34に接触する接触部としての突片95を形成している。突片95は下部32の外部電極7に形成された凹部に嵌め込まれている。閉塞部材34の断面形状により、あるいは閉塞部材34の配置により(図4(a)、図4(b)、図5)、閉塞部材34が誘電体9の本体90(誘電体層)に接触する場合は、この突片95は必要ない。
電子の進路上に位置する閉塞部材34により、上述したように、電子のエネルギーが減衰されるため、異常放電の発生を防止することができる。
以上より、本実施形態の成膜装置1によれば、異常放電により容器2の一部が溶けたりピンホールがあいたりすることなく、容器2にバリア膜21を安定して確実に形成することができる。
ところで、チャンバ3の上部31に容器2が傾いた状態で挿入され、その容器2が上部31と、上昇した下部32との間に噛み込まれることがある。その場合に上部31と下部32との内周側に容器2が押し付けられたとしても、閉塞部材34による異常放電防止の機能を容易には喪失せず、もし喪失したとしても迅速に復旧可能であることが要求される。
本実施形態では、誘電体9とは別途備えられた閉塞部材34により異常放電を防止しているので、容器2が誘電体9に干渉することとは関係なく、異常放電防止の機能を維持することができる。
本実施形態によれば、チャンバ3の突き当て部3Xに閉塞部材34を配置するだけで異常放電を防止することができるため、図7(b)に示すような凸部91,92を誘電体9に加工する必要がない。
誘電体9が薄い場合は凸部91,92の加工が難しいが、例えば0.5mm〜1.0mm程度にまで誘電体9が薄く形成されているとしても、閉塞部材34を容易に配置できる。
したがって、誘電体9の薄肉化によりバリア膜21の品質を向上させつつ、異常放電を防止する機能を確保することができる。
とりわけ、閉塞部材34を保持する溝等を誘電体9に加工する必要がない本実施形態によれば、誘電体9を極めて薄く形成することが可能となる。
以上で説明した閉塞部材34による作用効果は、閉塞部材34が弾性体ではない場合にも該当する。
閉塞部材34が弾性体であれば、閉塞部材34が容器2との干渉により弾性変形しても容器2を除去すれば復元するので、閉塞部材34の破損を免れることができる。そのため、異常放電防止の機能をより確実に維持することができる。
万一、閉塞部材34が破損したとしても、溝73から閉塞部材34を取外し、良品と交換するだけで、容易かつ迅速に、安価に復旧することができる。
しかも、本実施形態では、突き当て部3Xにシール部材33と閉塞部材34とが配置されているので、二重の封止機能を実現できる。つまり、シール部材33により突き当て部3Xの隙間Sが封止されることに加えて、弾性体である閉塞部材34によっても隙間Sが封止されるので、チャンバ3の内部空間30を所定のガス圧に確実に保持して成膜を実施することができる。
〔第1実施形態の変形例〕
図4(a)、図4(b)、および図5はそれぞれ、閉塞部材34の位置や形態に関する変形例を示す。
図4(a)に示す例では、外部電極7に内周側を開放するように形成された凹部72と、誘電体9に外周側を開放するように形成された凹部93とによって、閉塞部材34を保持する環状の溝73が区画されている。閉塞部材34は、外部電極7と誘電体9との境界部79に配置される。
外部電極7の凹部72および誘電体9の凹部93から突出した閉塞部材34の下部は、チャンバ下部32の誘電体9の上面に接触する。そのため、閉塞部材34により、隙間s1が全周に亘り塞がれる。
図4(a)に示す例のように閉塞部材34の半分程度を収容する凹部93が誘電体9に形成されていると、閉塞部材34と接触する突片95(図3)を誘電体9に形成する場合と比べて、突片95を設置する凹部を下部32の外部電極7に形成する加工が必要ない分、コストを抑えることができる。
また、図4(b)に示す例では、誘電体9に形成された環状の溝96の内側に閉塞部材34が保持されている。
そして、図5に示す例では、誘電体9の下端面9Aと内周面9Bとに亘りパッキン状に形成された閉塞部材34が誘電体9に装着されている。誘電体9には閉塞部材34を係止する係止部94が形成されている。
図4(b)に示す構成および図5に示す構成によれば、閉塞部材34を保持するための凹部や溝や係止部を外部電極7に加工する必要がない。そのため、既存のチャンバ3の誘電体9を溝等を加工したものに交換し、閉塞部材34を追加するだけで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図4(a)、図4(b)、および図5のいずれの構成においても、上記の第1実施形態と同様に、閉塞部材34により、突き当て部3Xにおいて外部電極7からチャンバ3の内部空間30に通じる経路(隙間s1)を塞ぎ、その経路を通じた電子のエネルギーの漏洩を避けることで、異常放電の発生を防止することができる。
誘電体9の厚みも考慮の上、図3、図4(a)、図4(b)、および図5に示したような適宜な位置に、適宜な形態で閉塞部材34を配置すればよい。
〔第2実施形態〕
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、異常放電を防止する閉塞部材34が、チャンバ3内の密閉性を担保するシール部材33を兼ねている。
閉塞部材34は、チャンバ3の上部31と下部32との間の隙間Sを塞いでおり、それによってチャンバ3の内部空間30が密閉状態に封止されている。
第2実施形態によれば、シール部材33が省略されている分、成膜装置の部材コストを低減することができる。
〔本発明の変形例〕
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明の成膜装置および成膜方法は、飲料の容器の他にも、食品用容器、医療用容器、あるいは燃料用容器等の種々の容器に成膜するために利用することができる。
1 成膜装置
2 容器
2A 口部
2B 内面
2C 外周部
2D 底部
2E 胴部
3 チャンバ
3X 突き当て部
4 ガス導入部
5 排気部
6 高周波電源(電源)
7 外部電極
7A 下端面
7B 内周面(内周部)
8 内部電極
9 誘電体
9A 下端面
9B 内周面
9X 突き当て部
11 シールド
12 上部絶縁体
13 下部絶縁体
14 空気層
21 バリア膜
30 内部空間
31 上部
32 下部
33 シール部材
34 閉塞部材
61 整合器
71 シール溝
72 凹部
73 溝
79 境界部
90 本体
91,92 凸部
93 凹部
94 係止部
95 突片(接触部)
96 溝
S 隙間
s1 隙間(経路)

Claims (7)

  1. 容器に成膜する装置であって、
    前記容器を収容する内部空間を有するチャンバと、
    前記チャンバに収容された前記容器内に膜原料を含むガスを導入するガス導入部と、
    前記チャンバ内の空気を排気する排気部と、
    前記容器の外周部を包囲する外部電極と、
    前記容器内に配置される内部電極と、
    前記外部電極の内周部を覆う誘電体と、を備え、
    前記外部電極および前記誘電体を含んで構成される前記チャンバは、
    分割されており、
    分割された前記チャンバの突き当て部には、
    誘電性を有する材料から形成され、前記外部電極と前記誘電体との境界部から前記チャンバの前記内部空間にまで通じる経路を塞ぐ閉塞部材が配置されている、
    ことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記閉塞部材は、
    弾性体である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記閉塞部材は、
    前記外部電極に内周側を開放するように形成された凹部と、前記凹部よりも内周側に位置する前記誘電体とによって区画された溝の内部に保持されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記誘電体は、
    前記溝から突出した前記閉塞部材の部分に接触する接触部を有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記閉塞部材は、
    前記外部電極に内周側を開放するように形成された凹部と、前記誘電体に外周側を開放するように形成された凹部とによって区画された溝の内部に保持されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  6. 前記閉塞部材は、
    前記チャンバの前記内部空間を密閉状態に封止するシール部材を兼ねている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. 容器に成膜する方法であって、
    分割されたチャンバの突き当て部を突き当てて前記チャンバ内に前記容器を収容する第1ステップと、
    前記チャンバ内の空気を排気しつつ、前記容器内に膜原料を含むガスを導入する第2ステップと、
    前記容器の外周部を包囲する外部電極と前記容器との間に誘電体が介在した状態で、外部電極と、前記容器内に配置される内部電極との間に電圧を印加する第3ステップと、を備え、
    前記第1ステップでは、
    前記チャンバの前記突き当て部に位置し、誘電性を有する材料から形成された閉塞部材により、前記外部電極と前記誘電体との境界部から前記チャンバの内部空間にまで通じる経路を塞ぐ、
    ことを特徴とする成膜方法。
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