JP2016190853A - 炭素−炭素結合形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】白金族金属担持触媒の存在下、芳香族ハロゲン化物と有機ホウ素化合物との反応、芳香族ハロゲン化物と末端にアルキニル基を有する化合物との反応、又は芳香族ハロゲン化物とアルケニル基を有する化合物との反応を行う炭素−炭素結合形成方法であり、該白金族金属担持触媒が、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%である炭素−炭素結合形成方法。
【選択図】なし
Description
該白金族金属担持触媒が、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥
状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする炭素−炭素結合形成反応を提供するものである。
該白金族金属担持触媒が、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする炭素−炭素結合形成反応である。
しくない。一方、モノリスイオン交換体の連続骨格の厚みが、100μmを越えると、骨格が太くなり過ぎ、基質の拡散に時間を要するようになって触媒活性が低下するため好ましくない。なお、連続骨格の厚みは、SEM観察により決定される。
ビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。
モノリスの形態例としては、以下に示す第1のモノリス〜第5のモノリスが挙げられる。また、モノリスイオン交換体としては、以下に示す第1のモノリスイオン交換体〜第5のモノリスイオン交換体が挙げられる。
本発明の白金族金属担持触媒において、白金族金属粒子の担体となる第1のモノリスイオン交換体は、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が乾燥状態で1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜50ml/gであり、イオン交換基を有しており、イオン交換基が均一に分布しており、乾燥状態の重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであるモノリスイオン交換体である。また、第1のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が乾燥状態で1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜50ml/gである有機多孔質体である。
スイオン交換体の形態例の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示すが、図1に示す第1のモノリスイオン交換体は、多数の気泡状のマクロポアを有しており、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が共通の開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体となっており、その大部分がオープンポア構造である。メソポアの乾燥状態での平均直径が1μm未満であると、通液時の圧力損失が著しく大きくなってしまうため好ましくなく、メソポアの乾燥状態での平均直径が1000μmを越えると、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。第1のモノリスイオン交換体の構造が上記のような連続気泡構造となることにより、マクロポア群やメソポア群を均一に形成できると共に、特開平8−252579号公報等に記載されるような粒子凝集型多孔質体に比べて、細孔容積や比表面積を格段に大きくすることができる。
ニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記有機ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続マクロポア構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。
交換体〜第5のモノリスイオン交換体においても同様である。イオン交換基は、カチオン交換基又はアニオン交換基であり、カチオン交換基としては、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基等が挙げられ、また、アニオン交換基としては、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム基、メチルジヒドロキシエチルアンモニウム基等の四級アンモニウム基や、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。
第1のモノリスの製造方法としては、特に制限されないが、特開2002−306976号公報記載の方法に準じた、製造方法の一例を以下示す。すなわち、第1のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得、これを重合させてモノリスを形成することにより得られる。このような、第1のモノリスの製造方法は、モノリスの多孔構造の制御が容易である点で、好ましい。
ルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜10モル%、好適には0.3〜5モル%とすることが、後の工程でイオン交換基を定量的に導入し、かつ、実用的に十分な機械的強度を確保できる点で好ましい。
き、その平均径を幅広い範囲で任意に設定できるため、好ましく用いられる。
、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間、加熱重合させればよく、開始剤として過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、0〜30℃で1〜48時間重合させればよい。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノール等の溶剤でソックスレー抽出し、未反応モノマーと残留界面活性剤を除去して第1のモノリスを得る。
入した後、三級アミンと反応させる方法やクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの共重合によりモノリスを製造し、三級アミンと反応させる方法が、イオン交換基を均一かつ定量的に導入できる点で好ましい。なお、導入するアニオン交換基としては、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム基、メチルジヒドロキシエチルアンモニウム基等の四級アンモニウム基や、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。また、例えば、スルホン酸基を導入する方法としては、モノリスがスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等であればクロロ硫酸や濃硫酸、発煙硫酸を用いてスルホン化する方法;モノリスに均一にラジカル開始基や連鎖移動基を骨格表面及び骨格内部に導入し、スチレンスルホン酸ナトリウムやアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸をグラフト重合する方法;同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合した後、官能基変換によりスルホン酸基を導入する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、クロロ硫酸を用いてスチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸を導入する方法が、イオン交換基を均一かつ定量的に導入できる点で好ましい。なお、導入するカチオン交換基としては、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基等のカチオン交換基が挙げられる。
本発明の白金族金属担持触媒において、白金族金属粒子の担体となる第2のモノリスイオン交換体は、粒子凝集型モノリスであり、平均粒子径が乾燥状態で1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が
乾燥状態で20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜10ml/gである有機多孔質体であり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第2のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、粒子凝集型モノリスであり、平均粒子径が乾燥状態で1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が乾燥状態で20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜10ml/gである有機多孔質体である有機多孔質体である。
間に三次元的に連続して存在する空孔径が小さくなってしまい、圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。
等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー;スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、粒子凝集構造の形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。
第2のモノリスの製造方法としては、ビニルモノマー、特定量の架橋剤、有機溶媒および重合開始剤とを混合し、静置状態でこれを重合させることにより、第2のモノリスを得る方法が挙げられる。
ルエン、ビニルベンジルクロライド等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジ
エン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチ
ルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用される。好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等のスチレン系モノマーである。
ゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過
酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの種類や重合温度等によって大きく変動するが、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対する重合開始剤の使用量({重合開始剤/(ビニルモノマー+架橋剤)}×100)は、約0.01〜5モル%である。
り出し、未反応ビニルモノマーと有機溶媒の除去を目的に、アセトン等の溶剤で抽出して第2のモノリスを得る。
本発明の白金族金属担持触媒において、白金族金属粒子の担体となる第3のモノリスイオン交換体は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第3のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%である有機多孔質体である有機多孔質体である。
開口の平均直径が大き過ぎると、反応液とモノリスイオン交換体および担持された白金族金属粒子との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。
強度が不足するため好ましくなく、一方、10モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。
ルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続マクロポア構造形成の容易さ、イオン交換基を導入する場合は、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。
第3のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルジョンを調製し、次いで油中水滴型エマルジョンを重合させて全細孔容積が5〜16ml/gの連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体(以下、モノリス中間体(3)とも記載する。)を得るI工程、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体(3)の存在下に重合を行い、モノリス中間体(3)の骨格より太い骨格を有する第3のモノリスを得るIII工程、を行うことにより得られる。
まない油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は一種単独又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを言う。上記界面活性剤の添加量としては、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。
マー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などが使用できる。エマルジョンを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができ、目的のエマルジョン粒径を得るのに適切な装置を選択すればよい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルジョン粒径を得ることができる攪拌回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。
して骨太の骨格を有する多孔構造が形成される。また、モノリス中間体(3)は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。特に、全細孔容積が10〜16ml/gと大きい場合には、連続マクロポア構造を維持するため、架橋構造単位を2モル%以上含有していることが好ましい。一方、10モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。
ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等の芳香族ビニルモノマーである。
が暴走する恐れがあるため好ましくない。
)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−
メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)
、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの種類や重合温度等によって大きく変動するが、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して、約0.01〜5%の範囲で使用することができる。
第3のモノリスの製造方法に係るIII工程において、反応容器中、モノリス中間体(3)は混合物(溶液)で含浸された状態に置かれる。II工程で得られた混合物とモノリス中間体(3)の配合比は、前述の如く、モノリス中間体(3)に対して、ビニルモノマーの添加量が重量で3〜50倍、好ましくは4〜40倍となるように配合するのが好適である。これにより、適度な開口径を有しつつ、骨太の骨格を有する第3のモノリスを得ることができる。反応容器中、混合物中のビニルモノマーと架橋剤は、静置されたモノリス中間体の骨格に吸着、分配され、モノリス中間体(3)の骨格内で重合が進行する。
(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよい。加熱重合により、モノリス中間体(3)の骨格に吸着、分配したビニルモノマーと架橋剤が骨格内で重合し、骨格を太らせる。重合終了後、内容物を取り出し、未反応ビニルモノマーと有機溶媒の除去を目的に、アセトン等の溶剤で抽出して第3のモノリスを得る。
本発明の白金族金属担持触媒において、白金族金属粒子の担体となる第4のモノリスイオン交換体は、全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが乾燥状態で1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第4のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが乾燥状態で1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gである有機多孔質体である。
の第4のモノリス中間体(4)の開口の平均直径は、水銀圧入法により測定され、水銀圧入法により得られた細孔分布曲線の極大値を指す。また、第4のモノリスイオン交換体の骨格の乾燥状態での平均太さは、乾燥状態の第4のモノリスイオン交換体のSEM観察により求められる。具体的には、乾燥状態の第4のモノリスイオン交換体のSEM観察を少なくとも3回行い、得られた画像中の骨格の太さを測定し、それらの平均値を平均太さとする。なお、骨格は棒状であり円形断面形状であるが、楕円断面形状等異径断面のものが含まれていてもよい。この場合の太さは短径と長径の平均である。
10ml/gである。全細孔容積が0.5ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過量が小さくなり、処理量が低下してしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が10ml/gを超えると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体との接触効率が低下するため、触媒効率も低下してしまうため好ましくない。三次元的に連続した空孔の大きさ及び全細孔容積が上記範囲にあれば、反応液との接触が極めて均一で接触面積も大きく、かつ低圧力損失下での通液が可能となる。
ド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、共連続構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。
第4のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルジョンを調製し、次いで油中水滴型エマルジョンを重合させて全細孔容積が16ml/gを超え、30ml/g以下の連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体(以下、モノリス中間体(4)とも記載する。)を得るI工程、芳香族ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%の架橋剤、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つI工
程で得られたモノリス中間体(4)の存在下に重合を行い、共連続構造体である有機多孔質体である第4のモノリスを得るIII工程、を行うことにより得られる。
トルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーの中で、好適なものとしては、芳香族ビニルモノマーであり、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%、好ましくは0.3〜3モル%とすることが、共連続構造の形成に有利となるため好ましい。
ソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロ
ヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム
、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。一方、5モル%を超えると、モノリスの構造が共連続構造を逸脱し易くなるため好ましくない。特に、全細孔容積が16〜20ml/gの場合には、共連続構造を形成させるため、架橋
構造単位は3モル%未満とすることが好ましい。
ルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。好適に用いられる芳香族ビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等で
ある。
デカノール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記芳香族ビニルモノマーの濃度が30〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱して芳香族ビニルモノマー濃度が30重量%未満となると、重合速度が低下したり、重合後のモノリス構造が第4のモノリスの範囲から逸脱してしまうため好ましくない。一方、芳香族ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。
本発明の白金族金属担持触媒において、白金族金属粒子の担体となる第5のモノリスイオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなる有機多孔質体と、該有機多孔質体の骨格表面に固着する乾燥状態で直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが乾燥状態で4〜40μmの多数の突起体との複合構造体であって、乾燥状態での孔の平均直径が10〜200μm、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜
10ml/gであり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第5のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、連続骨格相と連続空孔相からなる有機多孔質体と、該有機多孔質体の骨格表面に固着する乾燥状態で直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが乾燥状態で4〜40μmの多数の突起体との複合構造体であって、乾燥状態での孔の平均直径が10〜200μm、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gである有機多孔質体である。
態で平均太さが1〜50μm、好ましくは5〜50μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に乾燥状態での平均直径が10〜100μm、好ましくは10〜90μmの三次元的に連続した空孔を有する共連続構造である。第5−2のモノリスイオン交換体の三次元的に連続した空孔の乾燥状態での平均直径が10μm未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、また、100μmを超えると、反応液とモノリスイオン交換体および担持された白金族金属粒子との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。また、第5−2のモノリスイオン交換体の骨格の平均太さが乾燥状態で1μm未満であると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。一方、第5−2のモノリスイオン交換体の骨格の平均太さが乾燥状態で50μmを越えると、骨格が太くなり過ぎ、通液時の圧力損失が増大するため好ましくない。
以外の大きさの範囲の粒子体及び突起体も全て含めた、骨格層の表面に形成されている全ての粒子体及び突起体を指す。
ロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系
ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続空孔構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸及びアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。
第5のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルションを調製し、次いで油中水滴型エマルションを重合させて全細孔容積が5〜30ml/gの連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体(以下、モノリス中間体(5)とも記載する。)を得るI工程、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つ
該I工程で得られたモノリス中間体(5)の存在下に重合を行い、複合構造を有する複合モノリスである第5のモノリスを得るIII工程、を行うことにより得られる。
ソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロ
ヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム
、過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
できる。エマルションを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができ、目的のエマルション粒径を得るのに適切な装置を選択すればよい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルション粒径を得ることができる攪拌回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。
マクロポア構造のものが得られ、III工程を経て得られるモノリスは第5−1のモノリスとなる。また、配合比率を、概ね1:20〜1:35とすれば、モノリス中間体(5)の全細孔容積が16ml/gを超え、30ml/g以下の連続マクロポア構造のものが得られ、III工程を経て得られるモノリスは第5−2のモノリスとなる。
メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテ
ン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル
、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等の芳香族ビニルモノマーである。
オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記ビニルモノマーの濃度が5〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱してビニルモノマー濃度が5重量%未満となると、重合速度が低下してしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。
)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−
メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)
、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの種類や重合温度等によって大きく変動するが、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して、約0.01〜5%の範囲で使用することができる。
(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、20〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよい。加熱重合により、モノリス中間体(5)の骨格に吸着、分配したビニルモノマーと架橋剤が該骨格内で重合し、該特定の骨格構造を形成させる。重合終了後、内容物を取り出し、未反応ビニルモノマーと有機溶媒の除去を目的に、アセトン等の溶剤で抽出して特定骨格構造の複合モノリスである第5のモノリスを得る。
(1)III工程における重合温度が、重合開始剤の10時間半減温度より、少なくとも5℃低い温度である。
(2)II工程で用いる架橋剤のモル%が、I工程で用いる架橋剤のモル%の2倍以上である。
(3)II工程で用いるビニルモノマーが、I工程で用いた油溶性モノマーとは異なる構造のビニルモノマーである。
(4)II工程で用いる有機溶媒が、分子量200以上のポリエーテルである。
(5)II工程で用いるビニルモノマーの濃度が、II工程の混合物中、30重量%以下である。
10時間半減温度は重合開始剤の特性値であり、使用する重合開始剤が決まれば10時間半減温度を知ることができる。また、所望の10時間半減温度があれば、それに該当する重合開始剤を選択することができる。III工程において、重合温度を低下させることで、重合速度が低下し、骨格相の表面に粒子体等を形成させることができる。その理由は、モノリス中間体の骨格相の内部でのモノマー濃度低下が緩やかとなり、液相部からモノリス中間体へのモノマー分配速度が低下するため、余剰のモノマーがモノリス中間体の骨格層の表面近傍で濃縮され、その場で重合したためと考えられる。
第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いる架橋剤のモル%を、I工程で用いる架橋剤のモル%の2倍以上に設定して重合すると、複合構造を有するモノリスが得られる。その理由は、モノリス中間体と含浸重合によって生成したポリマーとの相溶性が低下し相分離が進行するため、含浸重合によって生成したポリマーはモノリス中間体の骨格相の表面近傍に排除され、骨格相表面に粒子体等の凹凸を形成したものと考えられる。なお、架橋剤のモル%は、架橋密度モル%であって、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対する架橋剤量(モル%)を言う。
モノリスの脆化が進行して柔軟性が失われる、また、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基の導入量が減少してしまう場合があるといった問題点が生じるため好ましくない。好ましい架橋剤モル%の倍数は2倍〜10倍である。一方、I工程で用いる架橋剤モル%をII工程で用いられる架橋剤モル%に対して2倍以上に設定しても、骨格相表面への粒子体等の形成は起こらず、第5のモノリスは得られなかった。
第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いるビニルモノマーが、I工程で用いた油溶性モノマーとは異なる構造のビニルモノマーであると、第5のモノリスが得られる。例えば、スチレンとビニルベンジルクロライドのように、ビニルモノマーの構造が僅かでも異なると、骨格相表面に粒子体等が形成された複合モノリスが生成する。一般に、僅かでも構造が異なる二種類のモノマーから得られる二種類のホモポリマーは互いに相溶しない。したがって、I工程で用いたモノリス中間体形成に用いたモノマーとは異なる構造のモノマーをII工程で用いてIII工程で重合を行うと、II工程で用いたモノマーはモノリス中間体に均一に分配や含浸がされるものの、重合が進行してポリマーが生成すると、生成したポリマーはモノリス中間体とは相溶しないため、相分離が進行し、生成したポリマーはモノリス中間体の骨格相の表面近傍に排除され、骨格相の表面に粒子体等の凹凸を形成したものと考えられる。
第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いる有機溶媒が、分子量200以上のポリエーテルであると、第5のモノリスが得られる。ポリエーテルはモノリス中間体との親和性が比較的高く、特に低分子量の環状ポリエーテルはポリスチレンの良溶媒、低分子量の鎖状ポリエーテルは良溶媒ではないがかなりの親和性を有している。しかし、ポリエーテルの分子量が大きくなると、モノリス中間体との親和性は劇的に低下し、モノリス中間体とほとんど親和性を示さなくなる。このような親和性に乏しい溶媒を有機溶媒に用いると、モノマーのモノリス中間体の骨格内部への拡散が阻害され、その結果、モノマーはモノリス中間体の骨格の表面近傍のみで重合するため、骨格相表面に粒子体等が形成され骨格表面に凹凸を形成したものと考えられる。
第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いるビニルモノマーの濃度が、II工程中の混合物中、30重量%以下であると、第5のモノリスが得られる。II工程でモノマー濃度を低下させることで、重合速度が低下し、前記(1)と同様の理由で、骨格相表面に粒子体等が形成でき、骨格相表面に凹凸を形成されることができる。モノマー濃度の下限値は特に限定されないが、モノマー濃度が低下するほど重合速度が低下し、重合時間が実用上許容できないほど長くなってしまうため、モノマー濃度は10〜30重量%に設定することが好ましい。
40μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に乾燥状態での直径が8〜80μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体(「第5−2のモノリス」)が挙げられる。
白金、パラジウム、白金/パラジウム合金は触媒活性が高く、好適に用いられる。
ンス-テトラクロロジアンミン白金塩化物、塩化ロジウム、酢酸ロジウム、ヘキサアンミ
ンロジウム塩化物、ヘキサアンミンロジウム臭化物、ヘキサアンミンロジウム硫酸塩、ペンタアンミンアクアロジウム塩化物、ペンタアンミンアクアロジウム硝酸塩、シス-ジク
ロロテトラアンミンロジウム塩化物、トランス-ジクロロテトラアンミンロジウム塩化物
、塩化ルテニウム、ヘキサアンミンルテニウム塩化物、ヘキサアンミンルテニウム臭化物、ヘキサアンミンルテニウムヨウ化物、クロロペンタアンミンルテニウム塩化物、シス-
ジクロロテトラアンミンルテニウム塩化物、トランス-ジクロロテトラアンミンロジウム
塩化物、塩化イリジウム(III)、塩化イリジウム(IV)、ヘキサアンミンイリジウム塩化物、ヘキサアンミンイリジウム硝酸塩、クロロペンタアンミンイリジウム塩化物、クロロペンタアンミンイリジウム臭化物、ヘキサアンミンオスミウム塩化物、ヘキサアンミンオスミウム臭化物、ヘキサアンミンオスミウムヨウ化物等が挙げられる。これらの化合物の使用量は、金属換算で担体であるモノリスイオン交換体に対して0.005〜30重量%である。
てもよい。)で示される有機ホウ素化合物である。そして、炭素−炭素結合形成方法(1)で用いられる有機ホウ素化合物としては、下記一般式(I)で示される芳香族ホウ素化合物が好ましい。
Ar1−B(OH)2 (I)
(式中、Ar1は、炭素数6〜18の芳香族炭素環式基または芳香族複素環式基である。)
Ar2−X (II)
(式中、Ar2は、炭素数6〜18の芳香族炭素環式基または芳香族複素環式基であり、Xはハロゲン原子である。)
Ar1−Ar2 (III)
(式中、Ar1及びAr2は前記式(I)および(II)と同様である。)
HC≡C−R1 (IV)
(式中、R1は水素原子、炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭素環式基または芳香族複素環式基、炭素数1〜18の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、炭素数2〜18の置換基を有していてもよいアルケニル基、炭素数2〜10の置換基を有していてもよいアルキニル基である。)
Ar2−C≡C−R1 (V)
(式中、Ar2及びR1は、式(II)および(IV)と同様である。)
)で示される化合物である。
R2HC=CR3R4 (VI)
(式中、R2、R3、R4は、それぞれ独立して水素原子、炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭素環式基または芳香族複素環式基、炭素数1〜18の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、カルボン酸誘導体、酸アミド誘導体またはシアノ基である。)
R2Ar2C=CR3R4 (VII)
(式中、Ar2、R2、R3及びR4は、式(II)および(VI)と同様である。)
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明
を制限するものではない。
(モノリス中間体の製造(I工程))
スチレン9.28g、ジビニルベンゼン0.19g、ソルビタンモノオレエート(以下SMOと略す)0.50gおよび2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.25gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該スチレン/ジビニルベンゼン/SMO/2,2’-ア
ゾビス(イソブチロニトリル)混合物を180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて減圧下撹拌して、油中水滴型エマルションを得た。このエマルションを速やかに反応容器に移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、メタノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリス中間体を製造した。このようにして得られたモノリス中間体(乾燥体)の内部構造をSEMにより観察した。SEM画像を図10に示すが、隣接する2つのマクロポアを区画する壁部は極めて細く棒状であるものの、連続気泡構造を有しており、水銀圧入法により測定したマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の平均直径は40μm、全細孔容積は18.2ml/gであった。
次いで、スチレン216.6g、ジビニルベンゼン4.4g、1-デカノール220g
、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.8gを混合し、均一に溶解させた(II工程)。次に上記モノリス中間体を反応容器に入れ、当該スチレン/ジビニル
ベンゼン/1-デカノール/2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)混合物に浸漬させ、減圧チャンバー中で脱泡した後、反応容器を密封し、静置下50℃で24時間重合させた。重合終了後内容物を取り出し、アセトンでソックスレー抽出した後、減圧乾燥した(III工程)。
このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を1.
2モル%含有したモノリス(乾燥体)の内部構造を、SEMにより観察した結果を図11に示す。図11から明らかなように、当該モノリスは骨格及び空孔はそれぞれ3次元的に連続し、両相が絡み合った共連続構造であった。また、SEM画像から測定した骨格の平均太さは20μmであった。また、水銀圧入法により測定した、当該モノリスの三次元的に連続した空孔の平均直径は70μm、全細孔容積は4.4ml/gであった。なお、空孔の平均直径は、水銀圧入法により得られた細孔分布曲線の極大値から求めた。
上記の方法で製造したモノリスをカラム状反応器に入れ、クロロスルホン酸500gとジクロロメタン4Lからなる溶液を通液して、20℃、3時間反応させた。反応終了後、
系内にメタノールを添加し、未反応のクロロスルホン酸を失活させ、更にメタノールで洗浄して生成物を取り出した。最後に純水で洗浄して、モノリスカチオン交換体を得た。
得られたモノリスカチオン交換体のカチオン交換容量は、乾燥状態で4.7mg当量/gであり、スルホン酸基が定量的に導入されていることを確認した。また、図11から明らかなように、当該モノリスカチオン交換体は骨格及び空孔はそれぞれ3次元的に連続し、両相が絡み合った共連続構造であった。また、SEM画像から測定した乾燥状態での骨格の平均太さは20μmであり、水銀圧入法による測定から求めた、当該モノリスカチオン交換体の三次元的に連続した空孔の乾燥状態での平均直径は70μm、乾燥状態での全細孔容積は4.4ml/gであった。
次いで、モノリスカチオン交換体中のスルホン酸基の分布状態を確認するため、EPMAにより硫黄の分布状態を観察した。モノリスカチオン交換体の表面における硫黄の分布状態を図12に、骨格断面における硫黄の分布状態を図13に示すが、硫黄はモノリスカチオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも均一に分布しており、スルホン酸基がモ
ノリスカチオン交換体中に均一に導入されていることが確認できた。
参考例1のモノリスカチオン交換体を減圧乾燥し、乾燥後のモノリスカチオン交換体をナイフで刻んで3mm程度の小片とした。この小片1.5gをメタノール30mlに分散させ、更に酢酸パラジウム160mgを加え、室温にて6日間攪拌し、モノリスカチオン交換体にパラジウムイオンを担持させた。次いで、固液分離してモノリスカチオン交換体を取り出し、純水50mlに分散させ、ヒドラジン一水和物10ミリモルを加え還元を行った。モノリスカチオン交換体にパラジウムイオンを担持させた状態では黄色であった試料が還元後に黒色に変色したことから、パラジウムナノ粒子の生成が示唆された。還元後の試料は、数回純水で洗浄した後、検圧乾燥により乾燥させた。
パラジウムの担持量をICP発光分光分析法で求めたところ、パラジウム担持量は4.0
重量%であった。モノリスカチオン交換体に担持されたパラジウムの分布状態を確認するため、EPMAによりパラジウムの分布状態を観察した。モノリスカチオン交換体の骨格断面におけるパラジウムの分布状態を図14に示すが、パラジウムはモノリスカチオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも分布しており、内部の方か濃度が若干高いものの、比較的均一に分布していることが確認できた。また、担持されたパラジウム粒子の平均粒子径を測定するため、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。得られたTEM画像を図15に示す。パラジウムナノ粒子の平均粒子径は、10nmであった。
参考例2で調製したパラジウム担持触媒を用いて、4-ニトロ-1-ブロモベンゼンとフェ
ニルボロン酸の反応を行った。4-ニトロ-1-ブロモベンゼン101mg(0.50ミリモ
ル)とフェニルボロン酸67.1mg(0.55ミリモル)を水/イソプロパノール(1/1)混合溶媒2ml中に加え、次いで参考例2で調製したパラジウム担持触媒5.3mg(パラジウムは4-ニトロ-1-ブロモベンゼンに対し0.5モル%)を加えた。更に、塩基と
してリン酸ナトリウム12水和物665mg(4-ニトロ-1-ブロモベンゼンに対し3.5
倍当量)を加え、室温で6時間反応させた。反応後の4-ニトロ-1-ブロモベンゼンの転化
率をGCMSで測定したところ、100%であった。反応生成物である4-ニトロ-ビフェニル
の収率は92%であった。
4-ニトロ-1-ブロモベンゼンにかえて4-メトキシ-1-ブロモベンゼン93.5mg(0.50ミリモル)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。19時間反応後の4-メトキシ-1-ブロモベンゼンの転化率は100%であり、反応生成物である4-メ
トキシ-ビフェニルの収率は97%であった。
参考例2で調製したパラジウム担持触媒を用いて、4’-ヨードアセトフェノンとエチニルベンゼンの反応を行った。4’-ヨードアセトフェノン123mg(0.50ミリモル)とエチニルベンゼン65.9μl(0.60ミリモル)を水/イソプロパノール(1/1)混合溶媒2ml中に加え、次いで参考例2で調製したパラジウム担持触媒4.2mg(パラジウムは4’-ヨードアセトフェノンに対し0.4モル%)を加えた。更に、塩基としてリン酸ナトリウム12水和物380mg(4’-ヨードアセトフェノンに対し2倍当量)を加え、80℃で1時間反応させた。反応生成物の収率は100%であった。
参考例2で調製したパラジウム担持触媒を用いて、ヨードベンゼンとアクリル酸ブチルの反応を行った。ヨードベンゼン55.8μl(0.50 ミリモル)とアクリル酸ブチル85.4μl(0.60ミリモル)をジメチルアセトアミド2ml中に加え、次いで参
考例2で調製したパラジウム担持触媒2.1mg(パラジウムはヨードベンゼンに対し0.2モル%)を加えた。更に、塩基としてトリブチルアミン131μl(ヨードベンゼンに対し1.1倍当量)を加え、100℃で3時間反応させた。反応生成物の収率は91%であった。
参考例1で製造したカチオン交換基を導入する前のモノリスを減圧乾燥し、ナイフで刻んで3mm程度の小片とした。この小片2.0gをメタノール40mlに分散させ、更に酢酸パラジウム210mgを加え、室温にて6日間攪拌した。反応後、試料が還元後に黒色に変色したことから、パラジウムナノ粒子の生成が示唆された。得られた試料は、数回純水で洗浄した後、検圧乾燥により乾燥させた。パラジウムの担持量をICP発光分光分析
法で求めたところ、パラジウム担持量は4.8重量%であった。
参考例2で調製したパラジウム担持触媒に代えて参考例3で調製したパラジウム担持触媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の反応を行った。実施例1においては、6時間の反応で収率は92%に達したのに対し、参考例3の触媒(担体としてイオン交換基を有しないモノリスを使用)を用いた場合では、24時間反応させても収率はわずか2%であった。
参考例2で調製したパラジウム担持触媒に代えて参考例3で調製したパラジウム担持触媒を用いたこと以外は、実施例2と同様の反応を行った。実施例3においては、19時間の反応で収率は97%に達したのに対し、参考例3の触媒(担体としてイオン交換基を有しないモノリスを使用)を用いた場合では、24時間反応させても収率は31%であった。
(モノリスアニオン交換体の製造)
参考例1で製造したモノリスをカラム状反応器に入れ、クロロスルホン酸1600gと四塩化スズ400g、ジメトキシメタン2500mlからなる溶液を循環・通液して、30℃、5時間反応させ、クロロメチル基を導入した。反応終了後、クロロメチル化モノリスをTHF/水=2/1の混合溶媒で洗浄し、更にTHFで洗浄した。このクロロメチル化モノリスにTHF1600mlとトリメチルアミン30%水溶液1400mlを加え、60℃、6時間反応させた。反応終了後、生成物をメタノールで洗浄し、次いで純水で洗浄してモノリスアニオン交換体を得た。
得られたモノリスアニオン交換体のアニオン交換容量は、乾燥状態で4.2mg当量/
gであり、四級アンモニウム基が定量的に導入されていることを確認した。また、SEM画像から測定した乾燥状態での骨格の平均太さは20μmであり、水銀圧入法による測定から求めた、当該モノリスアニオン交換体の三次元的に連続した空孔の乾燥状態での平均直径は70μm、乾燥状態での全細孔容積は4.4ml/gであった。
次に、モノリスアニオン交換体中の四級アンモニウム基の分布状態を確認するため、モノリスアニオン交換体を塩酸水溶液で処理して塩化物型とした後、EPMAにより塩化物イオンの分布状態を観察した。モノリスアニオン交換体の表面における塩化物イオンの分布状態を図16に、骨格断面における塩化物イオンの分布状態を図17に示すが、塩化物イオンはモノリスアニオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも均一に分布しており、四級アンモニウム基がモノリスアニオン交換体中に均一に導入されていることが確認できた。
参考例4のモノリスアニオン交換体をCl形にイオン交換した後、乾燥状態で円柱状に切り出し、減圧乾燥した。乾燥後のモノリスアニオン交換体の重量は、1.2gであった。この乾燥状態のモノリスアニオン交換体を、塩化パラジウム100mgを溶解した希塩酸に24時間浸漬し、塩化パラジウム酸形にイオン交換した。浸漬終了後、モノリスアニオン交換体を純水で数回洗浄し、ヒドラジン水溶液中に24時間浸漬して還元処理を行った。塩化パラジウム酸形モノリスアニオン交換体が茶色であったのに対し、還元処理終了後のモノリスアニオン交換体は黒色に着色しており、パラジウムナノ粒子の生成が示唆された。還元後の試料は、数回純水で洗浄した後、検圧乾燥により乾燥させた。
パラジウムの担持量をICP発光分光分析法で求めたところ、パラジウム担持量は3.9
重量%であった。モノリスアニオン交換体に担持されたパラジウムの分布状態を確認するため、EPMAによりパラジウムの分布状態を観察した。モノリスアニオン交換体の骨格断面におけるパラジウムの分布状態を図18に示すが、パラジウムはモノリスアニオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも分布しており、内部の方か濃度が若干高いものの、比較的均一に分布していることが確認できた。また、担持されたパラジウム粒子の平均粒子径を測定するため、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。得られたTEM画像を図19に示す。パラジウムナノ粒子の平均粒子径は、8nmであった。
参考例5で調製したパラジウム担持触媒を用いて、4-メトキシ-1-ブロモベンゼンとフ
ェニルボロン酸の反応を行った。4-メトキシ-1-ブロモベンゼン93.5mg(0.50
ミリモル)とフェニルボロン酸67.1mg(0.55ミリモル)を水/イソプロパノー
ル(1/1)混合溶媒2ml中に加え、次いで参考例5で調製したパラジウム担持触媒6.
8mg(パラジウムは4-メトキシ-1-ブロモベンゼンに対し0.5モル%)を加えた。更
に、塩基としてリン酸ナトリウム12水和物665mg(4-メトキシ-1-ブロモベンゼン
に対し3.5倍当量)を加え、室温で24時間反応させた。反応後の4-メトキシ-1-ブロ
モベンゼンの転化率をGCMSで測定したところ、97%であった。反応生成物である4-メトキシ-ビフェニルの収率は76%であった。
4-メトキシ-1-ブロモベンゼンにかえて4-ブロモアニリン86.0mg(0.50ミリ
モル)を用い、反応温度を80℃としたことを除いて、実施例5と同様の条件で反応を行った。反応は僅か30分で完結し、転化率は100%、収率は95%であった。
参考例5で調製したパラジウム担持触媒を用いて、4’-ヨードアセトフェノンとエチニルベンゼンの反応を行った。4’-ヨードアセトフェノン123mg(0.50ミリモル)とエチニルベンゼン65.9μl(0.60ミリモル)を水/イソプロパノール(1/1)混合溶媒2ml中に加え、次いで参考例5で調製したパラジウム担持触媒5.5mg(パラジウムは4’-ヨードアセトフェノンに対し0.4モル%)を加えた。更に、塩基としてリン酸ナトリウム12水和物380mg(4’-ヨードアセトフェノンに対し2倍当量)を加え、80℃で1時間反応させた。反応生成物の収率は99%であった。
参考例5で調製したパラジウム担持触媒を用いて、ヨードベンゼンとアクリル酸ブチルの反応を行った。ヨードベンゼン55.8μl(0.50 ミリモル)とアクリル酸ブチル85.4μl(0.60ミリモル)をジメチルアセトアミド2ml中に加え、次いで参考例5で調製したパラジウム担持触媒2.8mg(パラジウムはヨードベンゼンに対し0.2モル%)を加えた。更に、塩基としてトリブチルアミン131μl(ヨードベンゼンに対し1.1倍当量)を加え、100℃で4時間反応させた。反応生成物の収率は100
%であった。
2 空孔相
10 モノリス
11 画像領域
12 断面で表れる骨格部
13 マクロポア
21 骨格表面
22 突起体
30 モノリス(モノリスイオン交換体)
31 マクロポア
32 開口
33 内層部
34 表層部
35 気相部(気泡部)
36 壁部(骨格部)
37 細孔
Claims (8)
- 白金族金属担持触媒の存在下、(1)芳香族ハロゲン化物と有機ホウ素化合物との反応、(2)芳香族ハロゲン化物と末端にアルキニル基を有する化合物との反応、又は(3)芳香族ハロゲン化物とアルケニル基を有する化合物との反応を行い、炭素−炭素結合を形成させる炭素−炭素結合形成方法であり、
該白金族金属担持触媒が、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする炭素−炭素結合形成方法。 - 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量
が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の炭素−炭素結合形成方法。 - 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、平均粒子径1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、全細孔容積が1〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の炭素−炭素結合形成方法。
- 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積が0.5〜10ml/g、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であることを特徴とする請求項1記載の炭素−炭素結合形成方法。
- 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の炭素−炭素結合形成方法。
- 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、連続骨格相と連続空孔相からなり、該骨格は、表面に固着する直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが4〜40μmの多数の突起体を有し、連続空孔の平均直径が10〜200μm、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の炭素−炭素結合形成方法。
- 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、非粒子状有機多孔質アニオン交換体であり、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、アニオン交換基が該有機多孔質アニオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の炭素−炭素結合形成方法。
- 前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、非粒子状有機多孔質カチオン交換体であり、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、カチオン交換基が該有機多孔質カチオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の炭素−炭素結合形成方法。
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