JP2016188766A - 検査装置、検査方法、及び検査プログラム - Google Patents

検査装置、検査方法、及び検査プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】検査精度が低精度であることを通知可能な検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供する。【解決手段】検査装置のCPUは、試薬と検体との混合液を透過して光センサによって取得された光の光量から検量線関数に基づいて、検体中の成分濃度を取得する(S8)。CPUは、取得された成分濃度が、検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する(S10又はS11)。CPUは、成分濃度が低精度領域にあると判断した場合に(S10:YES、又は、S11:YES)、成分濃度が低精度領域にあることを示す情報である低精度情報を通知する(S12又はS14)。【選択図】図5

Description

本発明は、試料を検査する検査装置、検査方法、及び検査プログラムに関する。
従来、試料を検査する検査装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の自動分析装置は、試料と試薬とを反応させて反応液を生成し、反応液を光学測定して、試料中の成分を分析する。試薬が収容される試薬容器には、バーコードが付されている。バーコードに含まれるバーコード情報は、試薬ロット固有のものとして、予め定められた試料分析条件を表す情報を含んでいる。試料分析条件としては、濃度計算用の計算式及びその式中の計算パラメータが含まれる。濃度計算式の基礎をなす検量線は、直線の場合もあれば、非直線の場合もある。
特開平8−262029号公報
検量線が非直線である場合、その検量線が表す関数は、曲線上の箇所に応じて微分係数が異なる曲線関数になる場合がある。曲線関数における微分係数が大きい箇所においては、対応する光学測定量が変化すると、算出される濃度も大きく変わってしまう。測定される光学測定量は一定の誤差を含みうる。この誤差などの変動量によって、対応する曲線関数の箇所において微分係数が大きいと、検出精度は低下する傾向がある。このため、検査精度が低精度となる検出結果が提示される可能性があった。
本発明の目的は、検査精度が低精度であることを通知可能な検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供することである。
本発明の第1の態様に係る検査装置は、第1試薬と試料との混合液を透過して受光部において取得された光の光量から検量線関数に基づいて、前記試料中の成分濃度を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記成分濃度が前記低精度領域にあると判断された場合に、前記成分濃度が前記低精度領域にあることを示す情報である低精度情報を通知する通知手段とを備えている。
この場合、通知手段が、成分濃度が低精度領域にあることを示す低精度情報を通知する。すなわち、検査装置は、ユーザに検査精度が低精度であることを通知することができる。よって、検査装置は、ユーザに、検査精度が低精度であることを容易に把握させることができる。故に、ユーザの利便性が向上する。
前記検査装置において、前記低精度領域は、前記検量線関数に基づき定められる領域であって前記所定精度以上の精度である高精度領域より、前記成分濃度が低濃度である第一低精度領域と、前記高精度領域より前記成分濃度が高濃度である第二低精度領域とを含み、前記判断手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記第一低精度領域にあるか否かを判断し、前記通知手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記低精度情報を通知してもよい。
前記検査装置において、前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記第1試薬を異なる第2試薬に変更した再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知してもよい。
前記検査装置において、前記判断手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記第二低精度領域にあるか否かを判断し、前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第二低精度領域にあると判断された場合に、前記取得手段によって取得された前記成分濃度に関する第一参考値を含む前記低精度情報を通知してもよい。
前記検査装置は、試薬に関するパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記パラメータ取得手段によって取得された前記パラメータを係数に有する前記検量線関数に基づき前記低精度領域を規定する規定手段とを備え、前記判断手段は、前記規定手段によって規定された前記低精度領域に基づいて判断を実行してもよい。
前記検査装置において、前記通知手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度を前記高精度領域に位置させる前記パラメータである基本パラメータを有する第3試薬を用いた再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知してもよい。
前記検査装置は、記憶部に記憶された、前記基本パラメータを取得するための情報である基本パラメータ取得情報から、前記取得手段において取得された前記成分濃度に基づいて前記基本パラメータを取得する基本パラメータ取得手段を備え、前記通知手段は、前記基本パラメータ取得手段によって取得された前記基本パラメータを有する前記試薬を用いた再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知してもよい。
前記検査装置において、前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記取得手段によって取得された前記成分濃度に関する第二参考値を含む前記低精度情報を通知してもよい。
前記検査装置において、前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記第一低精度領域用の試薬を用いた再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知してもよい。
本発明の第2の態様に係る検査方法は、試薬と試料との混合液を透過して受光部において取得された光の光量から検量線関数に基づいて、前記試料中の成分濃度を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記成分濃度が、前記検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記成分濃度が前記低精度領域にあると判断された場合に、前記成分濃度が前記低精度領域であることを示す情報である低精度情報を通知する通知ステップとを備えている。この場合、検査装置は、ユーザに、検査精度が低精度であることを容易に把握させることができる。故に、ユーザの利便性が向上する。
本発明の第3の態様に係る検査プログラムは、試薬と試料との混合液を透過して受光部において取得された光の光量から検量線関数に基づいて、前記試料中の成分濃度を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記成分濃度が、前記検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記成分濃度が前記低精度領域にあると判断された場合に、前記成分濃度が前記低精度領域であることを示す情報である低精度情報を通知する通知ステップとを検査装置のコンピュータに実行させる。この場合、検査装置は、ユーザに、検査精度が低精度であることを容易に把握させることができる。故に、ユーザの利便性が向上する。
検査装置1及び制御装置90を含む検査システム3の構成を示す図である。 検査チップ2の正面図である。 ロジスティック関数に基づくグラフである。 誤差曲線61〜64を示すグラフである。 メイン処理のフローチャートである。 ディスプレイ96に表示される低精度情報70の一例を示す図である。 ディスプレイ96に表示される情報の一例を示す図である。 ディスプレイ96に表示される低精度情報70の一例を示す図である。 試薬データテーブル101のデータ構成図である。 ディスプレイ96に表示される低精度情報70の一例を示す図である。
本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。尚、図1は、検査システム3を構成する検査装置1の平面及び制御装置90の内部の機能ブロックを示している。
<1.検査システム3の概略構造>
図1を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査装置1が検査チップ2から離間した第一軸心A1を中心として検査チップ2を回転させると、遠心力が検査チップ2に作用する。第一軸心A1は、上下方向である鉛直方向に延びる。検査装置1が第一軸心A1に直交する水平方向に延びる第二軸心A2を中心に検査チップ2を回転させると、検査チップ2に作用する遠心力の方向である遠心方向が検査チップ2に対して切り替えられる。尚、本実施形態の検査システム3及び検査装置1は、特開2012−78107号公報に記載されているように周知の構造であるので、以下の説明では、検査装置1の構造の概略について説明する。
<2.検査装置1の構造>
図1を参照して、検査装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の前方、後方、右方、左方、上方、及び下方とする。本実施形態では、第一軸心A1の方向は検査装置1の上下方向であり、第二軸心A2の方向は、検査チップ2が第一軸心A1を中心として回転される際の速度の方向である。なお、図1は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、上板32、ターンテーブル33、角度変更機構34、及び制御装置90を備える。ターンテーブル33は、後述する上板32の上側に回転可能に設けられた円盤である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に設けられたホルダ6に保持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。この角度変更機構34は、第二軸心A2を中心に検査チップ2を各々回転させる。上部筐体30は、後述する下部筐体31の上側に固定されており、検査チップ2に対して光学測定を行う測定部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の各種処理を制御するコントローラである。
下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31内の左方寄りには、主軸モータ35が設けられている。主軸モータ35は、駆動機構47を介してターンテーブル33を第一軸心A1を中心に回転させる。主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動することによって、検査チップ2が垂直軸である主軸57を中心に回転して、検査チップ2に遠心力が作用される。即ち、主軸モータ35は、第一軸心A1を中心に検査チップ2を回転させ、検査チップ2に遠心力を作用させる。検査チップ2の第一軸心A1を中心とした回転を、公転と呼ぶ。
下部筐体31内の右後部には、ステッピングモータ51が設けられている。ステッピングモータ51は、角度変更機構34を介して、第二軸心A2を中心に検査チップ2を保持するホルダ6を回転させる。これによって、検査チップ2に作用する遠心力の方向が相対変化する。検査チップ2の第二軸心A2を中心とした回転を、自転と呼ぶ。
上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。上部筐体30は、検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。上部筐体30の内部に設けられた測定部7は、測定光を発光する光源71と、光源71から発せられた測定光を検出する光センサ72とを有する。光源71及び光センサ72は、検査チップ2の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に測定光が照射される測定位置である。検査チップ2が測定位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が、検査チップ2の前面及び後面に対して略垂直に交差する。
<3.制御装置90の電気的構成>
図1を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、操作部94、ハードディスク装置であるHDD95、ディスプレイ96、及び読取部100が接続されている。操作部94は、制御装置90に対するユーザの指示を入力する。HDD95は、各種データ及びプログラムを記憶する。ディスプレイ96は、各種情報を表示する。読取部100は、例えば、RFIDリーダであり、後述するRFIDタグ82から試薬に関するパラメータ等を取得する。RFIDは、Radio Frequency IDentificationの略である。
CPU91には、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99が接続されている。CPU91は、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99を制御する。公転コントローラ97は、主軸モータ35を回転駆動させる制御信号を主軸モータ35に送信することによって、検査チップ2の公転を制御する。自転コントローラ98は、ステッピングモータ51を回転駆動させる制御信号をステッピングモータ51に送信することによって、検査チップ2の自転を制御する。測定コントローラ99は、測定部7を駆動することによって、検査チップ2の光学測定を実行する。詳細には、測定コントローラ99は、光源71の発光、及び光センサ72の光検出を実行させる制御信号を、光源71及び光センサ72に送信する。本実施形態においては、光量に応じて、光センサ72から出力される電圧値が変化する。CPU91は、電圧値を取得することで、光センサ72において取得された光の光量を取得する。
<4.検査チップ2の構造>
図2及び図3を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の構造を説明する。以下の説明においては、図2の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
図2に示すように、検査チップ2は一例として前方から見た場合に、正方形状であり、前後方向に所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。板材20の前面201は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート291によって封止されている。板材20とシート291との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面201側に所定深さに形成された凹部であり、板材20の厚み方向である前後方向と直交する方向に延びる。シート291は板材20の流路形成面を封止する。
液体流路25は、検体注入部11、試薬注入部13,15、検体定量部111、試薬定量部131、151、及び測定部81等を含む。検体注入部11は、検査チップ2の左上部に設けられている。試薬注入部15は、検査チップ2の右上部に設けられている。試薬注入部13は、検体注入部11と試薬注入部15との間に設けられている。測定部81は、前面201における右下部に設けられている。検体注入部11及び試薬注入部13,15は、測定部81に繋がっている。検体定量部111は、検体注入部11から測定部81に至る流路に設けられている。試薬定量部131は、試薬注入部13から測定部81に至る流路に設けられている。試薬定量部151は、試薬注入部15から測定部81に至る流路に設けられている。
試薬注入部13は、試薬18が貯留される部位である。試薬注入部15は、試薬19が貯留される部位である。以下の説明においては、試薬18及び試薬19を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、試薬16という場合がある。検体注入部11は、検体17が貯留される部位である。本実施形態の検体17は、例えば、血液、血漿、血球、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、動物の血液、動物の組織、又は食料品などの成分を含む液体である。検体定量部111は、検体17を定量する部位である。試薬定量部131,151は、夫々、試薬18,19を定量する部位である。
CPU91は、図5に示す後述するS6において検査レシピを実行する。検査レシピとは、検体注入部11、試薬注入部13、及び試薬注入部15に貯留された検体17、試薬18、及び試薬19を定量し、測定部81において混合液26を生成するために、公転コントローラ97と自転コントローラ98とを制御する制御プログラムである。後述する光学測定が行われる際には、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が測定部81に配置された混合液26に透過される。
CPU91は、測定結果を得るために、検量線関数を使用する。本実施形態における検量線関数は、単調増加関数である。本実施形態においては、検量線関数は、以下の式(1)(2)に示すロジスティック関数であるとする。
Figure 2016188766
Figure 2016188766
上記式(2)において、V0は、測定部81に液体が配置されていない場合における光量に基づく光センサ72の出力電圧値である。V1は、測定部81に混合液26が配置された場合における光量に基づく光センサ72の出力電圧値である。a,b,c,d,p,qは、パラメータである。
図3は、上記式(1)に示すロジスティック関数に、ΔVを代入して計算した結果を示すグラフである。なお、係数であるパラメータa,b,c,dの値は、夫々、所定の値に固定しているとする。図3は、後述する第一の中値用の試薬16の曲線である。ロジスティック関数は、ΔVの値に応じて微分係数が異なる曲線関数である。図3に示す曲線が、いわゆる検量線である。本実施形態においては一例として、成分濃度は、検体17中の測定対象成分の濃度であるとする。成分濃度の単位は、一例として、mg/cmであるとする。
図3に示すグラフは、誤差0%の場合の曲線である。ここで、設計上予め分かっているΔVの誤差を使用して計算すると、誤差0%との差から、成分濃度に応じた誤差が算出される。算出された誤差をグラフ化すると、図4に示す、第一の中値用の試薬16の誤差曲線61となる。すなわち、検量線関数であるロジスティック関数を使用して、成分濃度の算出が行われた場合に、発生し得る誤差が誤差曲線61によって表される。この誤差曲線61のグラフが、ROM93に記憶されている。なお、誤差曲線61のグラフそのものではなく、ΔVの分解能に応じて、ΔVと誤差とを対応付けたデータテーブルとしてROM93に記憶されていてもよい。ΔVの分解能は、例えば、10mVである。
図4に示す誤差曲線61,62,63,64は、夫々、第一の中値用の試薬16、低値用の試薬16、高値用の試薬16、及び第二の中値用の試薬16の誤差曲線である。誤差曲線62,63,64は、上述の誤差曲線61の場合と同様に算出することができる。なお、図示しないが、誤差曲線61〜64以外にも、パラメータa,b,c,dの値によって異なる誤差曲線がROM93に記憶されていてもよい。
第一の中値用の試薬16の誤差曲線61は、高精度領域611と、低精度領域612とを含む。高精度領域611は、所定精度以上の精度の領域であり、検量線関数に基づき定められる。図4に示すグラフにおいては、所定の誤差の値以下の領域である。本実施形態においては一例として、所定の誤差は、5%であるとする。低精度領域612は、所定精度より精度の低い領域である。図4に示すグラフにおいては、所定の誤差の値より大きい領域である。低精度領域612は、第一低精度領域612Aと第二低精度領域612Bとを含む。第一低精度領域612Aは、高精度領域611より成分濃度が低精度の領域である。第二低精度領域612Bは、高精度領域611より成分濃度が高精度の領域である。
同様に、低値用の試薬16の誤差曲線62は、高精度領域621と、低精度領域622とを含む。低精度領域622は、第一低精度領域622Aと第二低精度領域622Bとを含む。高値用の試薬16の誤差曲線63は、高精度領域631と、低精度領域632とを含む。低精度領域632は、第一低精度領域632Aと第二低精度領域632Bとを含む。第二の中値用の試薬16の誤差曲線64は、高精度領域641と、低精度領域642とを含む。低精度領域642は、第一低精度領域642Aと第二低精度領域642Bとを含む。
試薬16の種類に応じて、高精度領域と低精度領域となる成分濃度が異なる。例えば、低値用の試薬16の高精度領域621は、第一の中値用の試薬16の高精度領域611より、低濃度寄りである。すなわち、低値用の試薬16は、低濃度において高い精度となる試薬である。高値用の試薬16の高精度領域631は、第一の中値用の試薬16の高精度領域611より、高濃度寄りである。すなわち、高値用の試薬16は、高濃度において高い精度となる試薬である。
また、同じ種類の試薬16であっても、ロットに応じて、高精度領域となる成分濃度が異なる。すなわち、ロットに応じて、高精度領域となる成分濃度にばらつきがある。例えば、第一の中値用の試薬16と第二の中値用の試薬16とは、同じ種類の試薬である。しかし、第一の中値用の試薬16と第二の中値用の試薬16とは互いにロットが異なるので、高精度領域611と高精度領域641とは、互いに領域の範囲が異なる。
図5を参照し、メイン処理について説明する。以下の説明においては、ユーザは検体17中に含まれる測定対象成分が欠乏していることを検出するという目的を有しているとする。このため、成分濃度が低い値の領域において高精度で算出することは、成分濃度が高い値の領域において高精度で算出することよりも重要である。
また、図3に示すように、成分濃度が低い値である場合、ΔVが小さい傾向にある。このため、例えば、ΔVが5mVである場合は、ΔVが80mVである場合よりも成分濃度が低い値となる。光学検出の誤差として、例えば、±1mVの誤差が発生する場合を考える。この場合、5mVに対する光学検出の誤差±1mVが占める割合は、80mVに対する光学検出の誤差1mVが占める割合よりも大きい。すなわち、成分濃度が高い値の領域において、ΔVに占める光学検出の誤差は小さいが、低濃度領域において、ΔVに占める光学検出の誤差は大きくなる。よって、上記目的の他にも、より正確な検出をするという技術観点において、成分濃度が低い値の領域において高精度にすることは、成分濃度が高い値の領域において高精度にすることよりも、重要である。
まず、測定対象成分が、高い値、すなわち、第二低精度領域612Bの範囲にある場合について説明する。検査用の試薬16として、図4の誤差曲線61で表される第一の中値用の試薬16が用いられるとする。なお、本実施形態においては、高値用の試薬16及び第二の中値用の試薬16は、必ずしも必要ではない。また、ユーザは、検体17中に含まれる測定対象成分が欠乏していることを検出するという目的を有しているものの、成分濃度が低い領域で高精度となるパラメータを有する低値用の試薬16を用いると、成分濃度が高い領域における誤差が大きくなってしまうので、第一の中値用の試薬16を用いる。
試薬16としての試薬18,19は、図1に示す袋83に入れられ、工場から出荷される。袋83には、RFIDタグ82が貼り付けられている。RFIDタグ82が記憶する情報には、試薬18と試薬19とのそれぞれが検体17と混合された時のパラメータa,b,c,d,p,qと、試薬16の種類を示す種類情報とが含まれる。尚、試薬16と混合される検体17は、混合される前に分離などの前処理が行われてもよい。具体例においては、種類情報は、試薬16が中値用の試薬であることを示す情報である。尚、検査装置1は二つの検査チップ2を同時に検査可能であるが、以下においては説明の便宜のため、一つの検査チップ2を検査する手順を説明する。
検査装置1の電源がONされると、CPU91は、ROM93に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM92に展開する。CPU91は、制御プログラムに基づいて、メイン処理を実行する。CPU91は、初期化を実行する(S1)。S1においては、例えば、RAM92に記憶されたパラメータa,b,c,d,p,q等、各種の値がリセットされる。CPU91は、図1に示す読取部100を介してRFIDタグ82を検出したか否かを判断する(S2)。RFIDタグ82が検出されない場合(S2:NO)、CPU91は、S2を繰り返す。
図1に示すように、ユーザは、第一の中値用の試薬16が入った袋83に貼り付けられたRFIDタグ82を、読取部100に近づける。図5に示すように、CPU91は、読取部100を介してRFIDタグ82を検出する(S2:YES)。
CPU91は、RFIDタグ82から試薬16に関するパラメータa,b,c,d,p,qと種類情報とを取得する(S3)。CPU91は、取得したパラメータと種類情報とをRAM92に記憶する。CPU91は、図1に示す操作部94の図示しない測定開始スイッチがONされたか否かを判断する(S4)。測定開始スイッチがONされていない場合(S4:NO)、CPU91はS4を繰り返す。
ユーザによって、測定の準備が行われる。図2に示すように、検体17が検査チップ2に注入され、検体注入部11に貯留される。図1に示す袋83内の試薬18が検査チップ2に注入され、試薬注入部13に貯留される。試薬19が検査チップ2に注入され、試薬注入部15に貯留される。検査チップ2が図1に示すホルダ6に取り付けられ、操作部94の測定開始スイッチがONされる。
測定開始スイッチがONされた場合(S4:YES)、CPU91は、光学測定による初期測定を行う(S5)。詳細には、CPU91は公転コントローラ97を制御し、検査チップ2を測定位置の角度まで回転移動させる。図1に示す測定コントローラ99が光源71を発光させると、測定光が図2示す測定部81を通る。なお、測定部81には、液体は存在せず、空の状態である。CPU91は、空の測定部81を透過して光センサ72に受光された光量に基づく電圧V0を取得する。CPU91は、取得した電圧V0をRAM92に記憶する。
CPU91は、検査レシピを実行する(S6)。詳細には、CPU91は、HDD95に予め記憶されているモータの駆動情報を読み込み、公転コントローラ97に主軸モータ35の駆動情報をセットし、自転コントローラ98にステッピングモータ51の駆動情報をセットする。駆動情報に基づき主軸モータ35が駆動され、ターンテーブル33が回転されると、検査チップ2が公転し、検査チップ2に数百Gほどの遠心力が作用する。また、駆動情報に基づきステッピングモータ51が駆動され、検査チップ2が自転する。これによって、検査チップ2に作用する遠心力の方向が変化する。検査チップ2に作用する遠心力の方向が複数回変化されることで、検体17、試薬18、及び試薬19が、夫々、図2に示す検体定量部111、試薬定量部131、及び試薬定量部151において定量され、測定部81に流入する。測定部81において、検体17、試薬18、及び試薬19が混合した混合液26が生成される。CPU91は公転コントローラ97を制御し、主軸モータ35の回転を停止する。故に、検査チップ2の公転が終了する。これによって、検査レシピが終了される。
CPU91は、光学測定を開始する(S7)。詳細には、CPU91は図1に示す公転コントローラ97を制御し、検査チップ2を測定位置の角度まで回転移動させる。測定コントローラ99が光源71を発光させると、測定光が測定部81に貯溜された混合液26を通る。CPU91は、混合液26を透過して光センサ72に受光された光量に基づく電圧V1を取得する。CPU91は、取得した電圧V1をRAM92に記憶する。
CPU91は、上記式(1)(2)に示すロジスティック関数をHDD95から読み出し、ロジスティック関数を使用した計算によって、検体17中の成分濃度を取得する(S8)。なお、CPU91は、S3において取得したパラメータa,b,c,d,p,qと、S5とS7において取得した電圧V0,V1を使用して計算する。CPU91は、取得した成分濃度をRAM92に記憶する。具体例においては、成分濃度は、図4に示すN1であるとする。
CPU91は、S3において取得されたパラメータを使用して、低精度領域と高精度領域とを規定する(S9)。詳細には、CPU91は、ROM93に記憶された複数種類の誤差曲線のグラフの中から、パラメータa,b,c,dの値に基づき誤差曲線61を特定する。そして、誤差曲線61において、誤差εが例えば、5%より大きくなる領域を低精度領域612と規定する。また、誤差εが例えば5%以下になる領域を高精度領域611と規定する。また、低精度領域612のうち、高精度領域611より成分濃度が低濃度である領域を第一低精度領域612Aと規定し、高精度領域611より成分濃度が高濃度である領域を第二低精度領域612Bと規定する。
CPU91は、S8において取得した成分濃度が、第一低精度領域612Aにあるか否かを判断する(S10)。具体例においては、成分濃度N1は、第二低精度領域612Bにある。このため、成分濃度が第一低精度領域612Aにないと判断される(S10:NO)。CPU91は、S8において取得した成分濃度が、第二低精度領域612Bにあるか否かを判断する(S11)。なお、第一低精度領域612Aではなく、且つ第二低精度領域612Bにない場合とは、成分濃度が高精度領域611にある場合である。
具体例の場合、成分濃度N1は、第二低精度領域612Bにある。このため、第二低精度領域612Bにあると判断され(S11:YES)、CPU91は、S8において取得した成分濃度に関する図6に示す第一参考値701を含む低精度情報70を通知する(S12)。本実施形態においては、成分濃度N1は、70[mg/cm]であるとする。図6に示すように、ディスプレイ96には、第一参考値701が70[mg/cm]であることを示す低精度情報70「[Reference value] 70 mg/cm」が表示されることで、低精度情報70が通知される。なお、第一参考値701は、成分濃度に関する値であればよく、例えば、「60[mg/cm]以上」など、成分濃度N1が含まれる範囲の値が、第一参考値701として表示されてもよい。
前述したように、ユーザは、検体17中に含まれる測定対象成分が欠乏していることを検出するという目的を有している。このため、成分濃度が高い第二低精度領域612Bにおける成分濃度は、精度が低くてもよい。精度が低くても、第一参考値701がディスプレイ96に表示されることは、ユーザにとっては参考として測定結果を確認することができるため有用である。図5に示すように、CPU91は、S12を実行した後、処理をS1に戻す。
具体例において、成分濃度が図4に示す高精度領域611にあるN2[mg/cm]であるとする。この場合において、第一の中値用の試薬16が用いられて検査が実行されると、S1〜S11の処理が実行される。CPU91は、第二低精度領域612Bにないと判断する(S11:NO)。CPU91は、成分濃度をディスプレイ96に表示することで、成分濃度を通知する(S13)。本実施形態においては、成分濃度N2は50[mg/cm]であるとする。図7に示すように、CPU91は、ディスプレイ96に「50 mg/cm」を表示する。成分濃度N2は、高精度領域611にあるので、ユーザは、高精度な検査結果を得ることができる。CPU91は、S13を実行した後、処理をS1に戻す。
具体例において、成分濃度が図4に示す第一低精度領域612AにあるN3[mg/cm]であるとする。この場合において、検査が実行されると、図5に示すS1〜S10の処理が実行される。CPU91は、成分濃度が第一低精度領域612Aにあると判断する(S10:YES)。CPU91は、試薬16を異なる試薬16に変更した再検査を推奨する図8に示す情報703と、S8において取得された成分濃度に関する図8に示す第二参考値702とを含む低精度情報70を通知する。(S14)。
本実施形態においては、試薬16を異なる試薬16に変更した再検査を推奨する情報703を含む低精度情報70の一例として、第一低精度領域612A用の試薬である低値用の試薬16を用いた再検査を推奨する情報706を含む低精度情報70が通知される。このとき、CPU91は、S3において取得した種類情報から、現在の試薬16が中値用の試薬16であることを特定し、中値用の試薬16とは異なり、第一低精度領域612A用の試薬として、低値用の試薬16を推奨する。すなわち、CPU91は、ディスプレイ96に、低値用の試薬16を用いた再検査を推奨する図8に示す情報706を表示する。情報706は、再検査を推奨する情報704「Recommend a retest」と、低値用の試薬16を用いることを推奨する情報705「Use reagent for low value test」とを含む。また、本実施形態においては、成分濃度N3は、30[mg/cm]であるとする。図8に示すように、CPU91は、ディスプレイ96に、第二参考値702「30 mg/cm」を表示する。なお、第二参考値702は、成分濃度に関する値あればよく、例えば、「25〜35 mg/cm」など、成分濃度N3が含まれる範囲の値が、第二参考値702として表示されてもよい。図5に示すように、CPU91は、S14を実行した後、処理をS1に戻す。
以上のように、本実施形態における処理が実行される。本実施形態においては、CPU91は、成分濃度が、検量線関数に基づき定められる低精度領域612にあることを示す低精度情報70を通知する(S12及びS14)。すなわち、検査装置1は、検査精度が低精度であることをユーザに通知することができる。よって、検査装置1は、ユーザに、検査精度が低精度であることを容易に把握させることができる。故に、ユーザの利便性が向上する。
また、前述したように、ユーザは、検体17中に含まれる測定対象成分が欠乏していることを検出するという目的を有している。このため、成分濃度が高い第二低精度領域612Bにおける成分濃度は、精度が低くてもよい。従って、低い値における成分濃度の精度は、高い値における成分濃度よりも重要である。このため、ユーザは、第二低精度領域612Bにおいて精度が高いことを所望していない。そして、ユーザは、高精度領域611及び第一低精度領域612Aにおいて精度が高いことを所望している。このため、ユーザは、成分濃度が第二低精度領域612Bから高精度領域611までの間は、第一の中値用の試薬16を使って、検査を行う。そして、成分濃度が第一低精度領域612Aになると(S10:YES)、低精度情報70が報知される(S14)。このため、ユーザは、第一の中値用の試薬16を低値用の試薬16に切り替えるタイミングを知ることができる。よって、ユーザが試薬16を切り替えるタイミングが分からず、第一の中値用の試薬16を使い続ける可能性を低減することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。なお、仮に、ユーザが第二低精度領域612Bにおいて精度が高いことを所望している場合、ユーザは、S12において通知された低精度情報70を確認した時に、高値用の試薬16に切り替えて再検査を行えばよい。
また、CPU91は、成分濃度が第一低精度領域612Aにある場合に(S10:YES)、第一の中値用の試薬16を異なる試薬16に変更した再検査を推奨する図8に示す情報703を含む低精度情報70を通知する(S14及び図8参照)。よって、ユーザは、通知される情報に従って再検査を行うことで、より精度の高い検査結果を得ることができる。例えば、低値用の試薬16を使用すれば、図4に示すように成分濃度N3が、高精度領域621に位置するので、精度の高い検査結果を得ることができる。
特に、本実施形態においては、CPU91は、成分濃度が第一低精度領域612Aにある場合に(S10:YES)、低値用の試薬16を用いた再検査を推奨する図8に示す情報706を含む低精度情報70を通知する(S14)。低値用の試薬16とは、第一低精度領域612A用の試薬16である。すなわち、検査装置1は、第一低精度領域612A用の試薬16を用いた再検査を推奨する情報706を含む低精度情報70を通知することで、ユーザに、再検査した方が良いことを容易に確認させることができる。よって、ユーザは、通知される情報に従って第一低精度領域612A用の試薬16、すなわち、低値用の試薬16を用いた再検査を行うことで、より精度の高い検査結果を得ることができる。
また、CPU91は、成分濃度が第一低精度領域612Aにある場合に(S10:YES)、S8において取得した成分濃度に関する図8に示す第二参考値702を含む低精度情報70を通知する(S14)。このため、検査装置1は、成分濃度に関する第二参考値702を含んだ低精度情報70を通知することで、ユーザに、参考の情報として成分濃度を確認させることができる。よって、成分濃度が全く通知されない場合に比べて、ユーザの利便性が向上する。
また、CPU91は、成分濃度が第二低精度領域612Bにある場合に(S11:YES)、成分濃度に関する図6に示す第一参考値701を含む低精度情報70を通知する(S12)。これによって、CPU91は、ユーザに、参考の情報として成分濃度を確認させることができる。よって、成分濃度が全く通知されない場合に比べて、ユーザの利便性が向上する。
また、CPU91は、S9において規定された低精度領域に基づいて判断を実行する(S10及びS11)。このため、検査装置1は、パラメータに応じてより正確に低精度領域を規定することができる。よって、S12及びS14において低精度情報70を通知する精度が向上する。
上記実施形態において、検体17は本発明の「試料」の一例である。第一の中値用の試薬16は本発明の「第1試薬」の一例である。低値用の試薬16は本発明の「第2試薬」及び「第3試薬」の一例である。S8の処理を行うCPU91は本発明の「取得手段」の一例である。S10及びS11の処理を行うCPU91は本発明の「判断手段」の一例である。S12及びS14の処理を行うCPU91は本発明の「通知手段」の一例である。S3の処理を行うCPU91は本発明の「パラメータ取得手段」の一例である。S8の処理は本発明の「取得ステップ」の一例である。S10及びS11は本発明の「判断ステップ」の一例である。S12及びS14の処理は本発明の「通知ステップ」の一例である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、読取部100は、RFIDタグ82から情報を読み取るRFIDリーダであったが、これに限定されない。例えば、バーコードから情報を読み取るバーコードリーダであってもよい。この場合、RFIDタグ82はバーコードであってもよい。
また、S14において通知される低精度情報70には、低精度であることを通知する情報が含まれればよく、その態様は限定されない。例えば、S14において通知される低精度情報70に、図6に示す第二参考値702が含まれなくてもよい。また、S14において通知される低精度情報70に、第一低精度領域612A用の試薬16を用いた再検査を推奨する図8に示す情報706が含まれなくてもよい。第一低精度領域612A用の試薬16を用いた再検査を推奨する情報706ではなく、単に異なる試薬16を用いた再検査を推奨する情報が含まれてもよい。つまり、試薬16を異なる試薬16に変更した再検査を推奨する図8に示す情報703は、第一低精度領域612A用の試薬16、すなわち低値用の試薬16を用いた再検査を推奨する情報706に限定されない。
また、S12〜S14において通知される情報は、ディスプレイ96に表示されていたが、通知の方法は限定されない。例えば、所定のパターンで点滅するLED等の照明によって通知されてもよい。
また、S8において取得された成分濃度が第一低精度領域612Aにあると判断された場合に(S10:YES)、低精度情報70が通知されればよく(S14)、例えば、第二低精度領域612Bにあると判断された場合には、低精度情報70が通知されなくてもよい。この場合、成分濃度が第一低精度領域612Aにある場合に(S10:YES)、通知手段によって低精度情報70が通知される(S14)。よって、検査装置1は、ユーザに、検査精度が低精度であることを容易に把握させることができる。故に、ユーザの利便性が向上する。
また、S14において、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報を含む低精度情報70が通知されてもよい。基本パラメータは、S8において取得された成分濃度が高精度領域に位置する値となるパラメータである。以下、本変形例の一例について説明する。以下の説明において、HDD95には、基本パラメータを取得するための情報である基本パラメータ取得情報が記憶されているとする。基本パラメータ取得情報は、図9に示す試薬データテーブル101であるとする。
試薬データテーブル101には、成分濃度Nの範囲と基本パラメータとが対応付けられて記憶されている。基本パラメータは、成分濃度Nの範囲において高精度領域となる条件であるパラメータa,b,c,d,p,qの値を含む。図9における第一〜第六パラメータにおいては、パラメータa,b,c,d,p,qの組み合わせが互いに異なる。
CPU91は、S14において、一例として以下の処理を行い、低精度情報70を通知する。すなわち、CPU91は、試薬データテーブル101から、S8において取得された成分濃度Nに基づいて、基本パラメータを取得する。例えば、成分濃度Nが30[mg/cm]である場合、第二パラメータが取得される。第二パラメータは、a=M1,b=M2,c=M3,d=M4,p=M5,q=M6であるとする。M1〜M6は、成分濃度Nの範囲が25<N≦35において高精度領域となる試薬のパラメータの値である。
CPU91は、取得した基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708を含む低精度情報70を通知する。例えば、図10に示す低精度情報70がディスプレイ96に表示される。図10に示すように、参考値として、「[Reference value 30 mg/cm」が表示される。また、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708「Recommend a retest Parameter:a=M1,b=M2,C=M3,d=M4,p=M5,q=M6」が表示される。
ここで、例えば、図1に示す袋83において、シール等によって、試薬16のパラメータの値が貼り付けられている。ユーザは、シール等を参照し、ディスプレイ96に表示されたパラメータを有する試薬16、又は所有している試薬16のうちでディスプレイ96に表示されたパラメータに最も近い試薬16を探す。そして、ディスプレイ96に表示されたパラメータを有する試薬16又は所有している試薬16の中のうちでディスプレイ96に表示されたパラメータに近い試薬16を使って再検査を行うことで、高精度な検査結果を得ることができる。又は、M1,M2,M3,M4,M5,M6が所定の範囲を持った値で表示される場合、ユーザは、シール等を参照し、ディスプレイ96に表示されたパラメータの範囲に含まれる試薬16を探し、再検査を行う。
なお、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708は、パラメータの値を表示する場合に限定されない。例えば、複数種類の試薬16があった場合に、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708として、基本パラメータと試薬16が有するパラメータとの差分が最も小さい1つの試薬16を示す名称又は記号等の情報をディスプレイ96に表示してもよい。また、基本パラメータ取得情報は、試薬データテーブル101に限定されない。例えば、上記式(1)(2)に示すロジスティック関数であってもよい。この場合、CPU91は、S14において、一例として以下の処理を行い、低精度情報70を通知する。すなわち、CPU91は、パラメータa,b,c,d,p,qの値を変更しながら、式(1)(2)を使用して演算を行い、図4に示すような誤差関数のグラフを複数作成する。そして、CPU91は、S9において取得した成分濃度Nが高精度領域となるグラフを特定し、このグラフのパラメータa,b,c,d,p,qを特定する。このパラメータが、基本パラメータである。CPU91は、取得した基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708を含む低精度情報70を通知する。
本変形例において、検査装置1は、基本パラメータ取得情報に基づいて、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708を含む低精度情報70を通知することで、ユーザに、成分濃度が高精度領域に位置する試薬16を容易に把握させることができる。よって、ユーザは、通知される情報に従って再検査を行うことで、より精度の高い検査結果を得ることができる。本変形例において、S14において試薬データテーブル101又はロジスティック関数を用いて基本パラメータを取得する処理が、本発明の「基本パラメータ取得手段」の一例である。基本パラメータを有する試薬16が本発明の「第3試薬」の一例である。HDD95は本発明の「記憶部」の一例である。
なお、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708を含む低精度情報70を通知する場合に、基本パラメータ取得情報に基づいて通知しなくてもよい。例えば、S8において取得された成分濃度とともに、検査装置1は、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708を含む低精度情報70を通知する。このとき、特定の試薬16を推奨するのではなく、参考の情報として、複数種類の試薬16の一覧と、それぞれの高精度領域の範囲とを、ディスプレイ96を表示する。この場合、ユーザは、複数の種類の試薬16の中から、高精度領域の範囲に成分濃度が位置する試薬16を選択する。そして、ユーザは選択した試薬16を用いて、再検査を行う。また、ユーザが試薬16を選択するのではなく、CPU91が、複数の種類の試薬16の中から、高精度領域の範囲に成分濃度が位置する試薬16を選択し、ディスプレイ96に表示してもよい。
この場合においても、検査装置1は、基本パラメータを有する試薬16を用いた再検査を推奨する情報708を含む低精度情報70を通知することで、ユーザに、成分濃度が高精度領域に位置する試薬を容易に把握させることができる。よって、ユーザは、通知される情報に従って再検査を行うことで、より精度の高い検査結果を得ることができる。
また、S12又はS14において低精度情報70を通知する場合に、低精度情報70として、成分濃度Nに対応する図9に示す基本パラメータを用いて成分濃度を再計算し、再計算した成分濃度を示す情報を含む低精度情報70を通知してもよい。この場合、S8において取得された成分濃度において高精度となるパラメータを有する試薬16を実際に用いた場合より精度は劣る可能性があるものの、S8において取得された成分濃度よりは精度が高くなる傾向にある。よって、検査装置1は、ユーザにより精度が高い検査結果を通知できる可能性が高くなる。よって、ユーザの利便性が向上する。
また、図5に示すメイン処理を実行するのは、制御装置90のCPU91に限定されない。例えば、検査システム3の外部のコンピュータによって実行されてもよい。また、外部のコンピュータと制御装置90によって分散処理されてもよい。この場合、外部のコンピュータと、制御装置90とが、図示しないネットワークで接続されてもよい。メイン処理において、外部のコンピュータと制御装置90のCPU91との間で各種情報を送受信しながら、メイン処理を実行すればよい。
例えば、S3のおいては、外部のコンピュータは、制御装置90のCPU91によって取得されたRFIDタグ82からの情報を、ネットワークを介して取得する。そして、CPU91によって測定されたS5及びS7の測定の結果を、ネットワークを介して外部のコンピュータが取得する。外部のコンピュータは、S8〜S14の処理を実行する。このとき、S12〜S14において表示される情報は、外部のコンピュータのディスプレイに表示されてもよい。また、S12〜S14において表示される情報が、外部のコンピュータから制御装置90に送信され、ディスプレイ96に表示されてもよい。
1 検査装置
2 検査チップ
16,18,19 試薬
17 検体
26 混合液
61,62,63,64 誤差曲線
72 光センサ
96 ディスプレイ
100 読取部
101 試薬データテーブル
611,621,631,641 高精度領域
612,622,632,642 低精度領域
612A,622A,632A,642A 第一低精度領域
612B,622B,632B,642B 第二低精度領域

Claims (11)

  1. 第1試薬と試料との混合液を透過して受光部において取得された光の光量から検量線関数に基づいて、前記試料中の成分濃度を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段によって前記成分濃度が前記低精度領域にあると判断された場合に、前記成分濃度が前記低精度領域にあることを示す情報である低精度情報を通知する通知手段と
    を備えたことを特徴とする検査装置。
  2. 前記低精度領域は、前記検量線関数に基づき定められる領域であって前記所定精度以上の精度である高精度領域より、前記成分濃度が低濃度である第一低精度領域と、前記高精度領域より前記成分濃度が高濃度である第二低精度領域とを含み、
    前記判断手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記第一低精度領域にあるか否かを判断し、
    前記通知手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記第1試薬を異なる第2試薬に変更した再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記判断手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度が、前記第二低精度領域にあるか否かを判断し、
    前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第二低精度領域にあると判断された場合に、前記取得手段によって取得された前記成分濃度に関する第一参考値を含む前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項2又は3に記載の検査装置。
  5. 試薬に関するパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
    前記パラメータ取得手段によって取得された前記パラメータを係数に有する前記検量線関数に基づき前記低精度領域を規定する規定手段と
    を備え、
    前記判断手段は、前記規定手段によって規定された前記低精度領域に基づいて判断を実行することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の検査装置。
  6. 前記通知手段は、前記取得手段によって取得された前記成分濃度を前記高精度領域に位置させる前記パラメータである基本パラメータを有する第3試薬を用いた再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
  7. 記憶部に記憶された、前記基本パラメータを取得するための情報である基本パラメータ取得情報から、前記取得手段において取得された前記成分濃度に基づいて前記基本パラメータを取得する基本パラメータ取得手段を備え、
    前記通知手段は、前記基本パラメータ取得手段によって取得された前記基本パラメータを有する前記第3試薬を用いた再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項6に記載の検査装置。
  8. 前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記取得手段によって取得された前記成分濃度に関する第二参考値を含む前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の検査装置。
  9. 前記通知手段は、前記判断手段によって前記成分濃度が前記第一低精度領域にあると判断された場合に、前記第一低精度領域用の試薬を用いた再検査を推奨する情報を含む前記低精度情報を通知することを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の検査装置。
  10. 試薬と試料との混合液を透過して受光部において取得された光の光量から検量線関数に基づいて、前記試料中の成分濃度を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップによって取得された前記成分濃度が、前記検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップによって前記成分濃度が前記低精度領域にあると判断された場合に、前記成分濃度が前記低精度領域であることを示す情報である低精度情報を通知する通知ステップと
    を備えたことを特徴とする検査方法。
  11. 試薬と試料との混合液を透過して受光部において取得された光の光量から検量線関数に基づいて、前記試料中の成分濃度を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップによって取得された前記成分濃度が、前記検量線関数に基づき定められる領域であって所定精度より精度の低い低精度領域にあるか否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップによって前記成分濃度が前記低精度領域にあると判断された場合に、前記成分濃度が前記低精度領域であることを示す情報である低精度情報を通知する通知ステップと
    を検査装置のコンピュータに実行させるための検査プログラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018110344A1 (ja) * 2016-12-14 2019-10-24 コニカミノルタ株式会社 検査カートリッジ及び血液検査装置
CN117388445A (zh) * 2023-12-12 2024-01-12 山东省计量科学研究院 一种大气环境监测系统

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