JP2016188661A - 車両の無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速時アイドルストップにおいて、CVTに、CVTの伝達トルクを超える逆駆動トルクが入力されてもベルト滑りを防止することができるようにする。
【解決手段】CVT6のプーリ出力軸8aから駆動輪へ動力を伝達する経路にトルクヒューズ機構21を介装する。トルクヒューズ機構21は直結摩擦クラッチ21bとCVT6からの駆動トルクを駆動輪側へ伝達するワンウェイクラッチ21cを有し、直結摩擦クラッチ21bに供給する油圧をCVT6のセカンダリプーリ8に供給するセカンダリ圧を元圧とし、その伝達トルクが、[セカンダリプーリ8>直結摩擦クラッチ21b+トランスファクラッチ25]となるように油圧作動面の受圧面積を設定し、減速時アイドルストップにおいて駆動側からCVT6へセカンダリプーリ8の伝達トルクを超えた逆駆動トルクが入力された場合、直結摩擦クラッチ21bをスリップさせてCVT6の滑りを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、減速時アイドルストップ制御中において、駆動輪側から無段変速機の出力軸側に大きな逆駆動トルクが入力されても、無段変速機の伝達部材に滑りが生じないようにした車両の無段変速装置に関する。
従来、燃費向上のため、信号停止時等において所定のエンジン停止条件を満たした場合に、自動的にエンジンを停止し、又、所定のエンジン再始動条件を満たした場合に、自動的にエンジンを始動させるアイドルストップ機能を備える車両が知られている。又、最近では、より一層の燃費改善を図る目的で、停車前の減速走行時にアイドルストップさせるようにした減速時アイドルストップ制御技術も知られている。
このような減速時アイドルストップ機能を備える車両では、アイドルストップによるエンジン停止に伴い、エンジンによって駆動する機械式オイルポンプも停止するため、例えば、無段変速機(CVT)では、プライマリプーリに供給するプライマリ圧とセカンダリプーリに供給するセカンダリ圧が共にリークして低下し、スチールベルトやチェーンベルト等の伝達部材に対する狭圧力が低下し、滑りが発生し易くなる。
そのため、多くの場合、機械式オイルポンプに加え、電動モータによって駆動する電動式オイルポンプを併設し、エンジンが減速時アイドルストップにより停止した場合、電動オイルポンプを稼働させて、油圧不足を補うようにしている。
このように、電動オイルポンプはアイドルストップ時の油圧を確保するためのものであり、エンジン稼働中に必要とする油圧は機械式オイルポンプで賄うことができるので、電動オイルポンプの容量は必要最小限のものが採用されている。
しかし、例えば減速時アイドルストップ制御中において、駆動輪に一時的なショック入力があり、これにより駆動輪側からCVTへ伝達される逆駆動トルクが増加し、それが、電動オイルポンプからの油圧によって賄われているCVTの伝達トルクを超えている場合、伝達部材に滑りが発生してしまう。
この対策として、例えば、特許文献1(特開2014−122662号公報)には、CVTの出力軸に副変速機を設け、減速時アイドルストップにおいて駆動輪側からトルクが入力された場合、副変速機の摩擦締結要素をスリップさせることで、CVTに設けた伝達ベルトの滑り(ベルト滑り)を防止する技術が開示されている。
特開2014−122662号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術のように、変速機にCVTと副変速機とが設けられている場合、副変速機の摩擦締結要素を、いわゆるトルクヒューズとして機能させることができるが、副変速機の備えられていない変速装置では対応することができない不具合がある。
又、電動オイルポンプの容量を大きくしてベルト滑りを防止することも考えられるが、電動オイルポンプ、及びインバータ等の周辺機器全体が大型化してしまうばかりでなく、製品コストが高くなる不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、電動オイルポンプの容量を大型化することなく、簡単な構造で、減速時アイドルストップ制御において、駆動輪側から大きな逆駆動トルクが入力されても無段変速機に設けた伝達部材の滑りを未然に防止することのできる車両の無段変速装置を提供することを目的とする。
本発明は、駆動源から動力を変速して伝達する無段変速機と、前記無段変速機の出力軸と駆動輪との間に介装したトルクヒューズ機構と、前記無段変速機の伝達部材を挟持する油圧の元圧を発生させる電動オイルポンプと、車速が設定車速以下のときにアイドルストップ条件を判定し、アイドルストップ条件成立と判定した場合、前記電動オイルポンプを駆動させて、発生した油圧を前記無段変速機の伝達部材を挟持する油圧の元圧とするアイドルストップ制御手段とを有する車両の無段変速装置において、前記トルクヒューズ機構は前記無段変速機から駆動輪へ動力を伝達するワンウェイクラッチと、前記無段変速機と前記駆動輪との間の動力を伝達する第1摩擦クラッチとを有し、前記第1摩擦クラッチを締結する油圧は前記無段変速機の前記出力軸側に設けた狭圧手段に供給する油圧を元圧とし、前記第1摩擦クラッチの伝達トルクは前記狭圧手段の伝達トルクよりも低く設定されている。
本発明によれば、無段変速機の出力軸と駆動輪との間に介装したトルクヒューズ機構が、無段変速機と駆動輪との間にの動力を伝達する第1摩擦クラッチとを有し、この第1摩擦クラッチを締結する油圧が無段変速機の出力軸側に設けた狭圧手段に供給する油圧を元圧とし、この第1摩擦クラッチの伝達トルクを、狭圧手段の伝達トルクよりも低く設定したので、駆動輪側から無段変速機の伝達トルクを超える逆駆動トルクが入力された場合、第1摩擦クラッチがスリップするため、伝達部材の滑りを未然に防止することができる。その結果、電動オイルポンプの容量を大型化する必要がなく、装置全体の小型化が実現できると共に、構造の簡素化を実現することができる。
第1実施形態によるパワーユニットの全体構成図 同、油圧制御回路の構成図 同、(a)は減速時アイドルストップ制御中における速度変化を示すタイミングチャート、(b)は機械式オイルポンプからの油圧と電動式オイルポンプ空の油圧の変化を示すタイミングチャート 第2実施形態によるパワーユニットの全体構成図 同、油圧制御回路の構成図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図3に本発明の第1実施形態を示す。図1に示すように、車両に搭載されているパワーユニット1は、駆動源としてのエンジン2と無段変速装置3とを有し、無段変速装置3に設けたトルクコンバータ4が、エンジン2の出力軸2aに連設されている。更に、このトルクコンバータ4が前後進切換装置5を介して無段変速機(CVT)6に連設されている。
CVT6は、前後進切換装置5に連結するプーリ入力軸7aと、このプーリ入力軸7aに平行なプーリ出力軸8aとを有し、この各軸7a,8aに、狭圧手段としてのプライマリプーリ7とセカンダリプーリ8とが軸着されている。更に、この両プーリ7,8間が、伝達部材としてのスチールベルトやチェーンベルト等の巻き掛け式の伝達ベルト9を介して連設されている。CVT6は、各プーリ7,8に対する伝達ベルト9の巻掛け半径を相対的に変化させることで変速比を連続的に設定することができる。
又、プーリ出力軸8aに第1出力ギヤ15が軸着され、この第1出力ギヤ15に噛合する第1入力ギヤ16が、トルクヒューズ機構21に設けた軸部21aの一端に軸着されている。トルクヒューズ機構21は、後述するように前輪に動力を配分する出力伝達軸17と前輪に動力を配分するトランスファ軸23とが集合された分岐部とプーリ出力軸8aとの間に配設されており、軸部21aは出力伝達軸17に回動自在に支持されている。
更に、この軸部21aの他端に第1摩擦クラッチとしての直結摩擦クラッチ21bが設けられ、中央にワンウェイクラッチ21cが設けられている。又、この両クラッチ21b,21cのアウタ部材がアウタリング21dを介して連結されており、このアウタリング21dが、出力伝達軸17に軸着されている第2出力ギヤ22に固設されている。
又、この出力伝達軸17が、前輪に連設する前輪出力軸18に直結されている。一方、後輪に動力を伝達する動力経路に、トランスファ軸23と後輪出力軸26とが配設されており、このトランスファ軸23に、第2出力ギヤ22に噛合する第2入力ギヤ24が軸着されている。更に、このトランスファ軸23と後輪出力軸26との間にトランスファクラッチ25が介装され、この後輪出力軸26が後輪に連設されている。
トランスファクラッチ25は前後輪に対するトルク配分比率を設定するもので、直結状態でトルク配分比率が50(前輪):50(後輪)となり、締結力を弱めるに従い、前輪側への配分比率が多くなり、開放状態で100(前輪):0(後輪)となる。図2に示すように、トランスファクラッチ25によるトルク配分比は、トランスミッション制御ユニット(TCU)51にて制御される。TCU51は、車両の運転状態を検出する各種センサ類52で検出した各パラメータに基づきトルク配分比率を実現するクラッチ締結力を求め、このクラッチ締結力に対応する駆動信号をトランスファクラッチ25へ出力して、所望の締結力を設定する。
又、トルクヒューズ機構21に設けられているワンウェイクラッチ21cは、プーリ出力軸8aからの駆動トルクを第2出力ギヤ22に伝達するもので、減速走行等、駆動輪から第2出力ギヤ22に逆駆動トルクが入力された場合は空転する。又、直結摩擦クラッチ21bに供給されるクラッチ圧は、セカンダリプーリ8に供給されるセカンダリ圧を元圧としている。
次に、CVT6、及び直結摩擦クラッチ21bに油圧を供給する油圧回路について、図2を参照して説明する。尚、図においては、油圧ラインを太線で、電源ライン、及び信号ラインを細線で示す。
同図に示すように、無段変速装置3内に設けられたオイルパン31に、オイルストレーナ32を介して吸入油路33aが臨まされており、この吸入油路33aの下流端に機械式オイルポンプ34の吸入側が接続されている。又、この機械式オイルポンプ34の吐出側に吐出油路33bが接続され、この吐出油路33bの下流端がコントロールバルブ35の流入側に接続されている。
又、吸入油路33aに上流分岐油路36aを介して電動式オイルポンプ37の吸入側が接続されており、更に、この電動式オイルポンプ37の吐出側が下流分岐油路36bを介して吐出油路33bに連通されている。又、この下流分岐油路36bに、機械式オイルポンプ34から吐出された油圧が電動式オイルポンプ37側へ逆流することを防止するチェックバルブ38が介装されている。
更に、コントロールバルブ35の吐出側にプライマリ油路39aとセカンダリ油路39bとを介して、CVT6のプライマリプーリ(P/P)7とセカンダリプーリ(S/P)8との各油圧室が連通されており、両プーリ7,8に対し伝達ベルト9を挟圧するプライマリ圧とセカンダリ圧とをそれぞれ供給する。又、セカンダリ油路39bにセカンダリ分岐油路40を介して直結摩擦クラッチ(Tf/C)21bの油圧室が連通されている。
直結摩擦クラッチ21bは、その伝達トルクが
セカンダリプーリ8の伝達トルク>直結摩擦クラッチ21bの伝達トルク
となる仕様に設定されており、本実施形態では、直結摩擦クラッチ21bの油圧室に設けた油圧作動面の受圧面積を調整することで具現化している。
又、機械式オイルポンプ34はエンジン2を駆動源としており、例えばエンジン2の出力軸2aに直結するトルクコンバータ4のポンプインペラに設けられている。一方、電動式オイルポンプ37は電動モータ42に連設されており、インバータを内蔵するモータ駆動回路43から出力されるモータ駆動電流によって回転駆動される。尚、本実施形態では、電動モータ42と電動式オイルポンプ37とで電動オイルポンプが構成されている。
上述したコントロールバルブ35、及びモータ駆動回路43、トランスファクラッチ25はトランスミッション制御ユニット(TCU)51からの指令信号に基づいて制御動作される。TCU51は、周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROMに記憶されている制御プログラムに従い、車両の運転状態を検出する各種センサ類52で検出した各パラメータを読込み、CVT6を変速動作させる。
すなわち、TCU51は検出したパラメータに基づいて、CVT6の目標変速比を設定し、対応する駆動信号(プライマリ圧駆動信号、セカンダリ圧駆動信号)をコントロールバルブ35へ出力し、このコントロールバルブ35を所定に動作させて、調圧されたブライマリ圧とセカンダリ圧とをプライマリプーリ7とセカンダリプーリ8との各油圧室に供給し、CVT6を所定に変速動作させる。
更に、TCU51は、車速が設定車速(例えば15[Km/h])以下のときアイドルストップ条件を判定し、条件成立と判定した場合、エンジン2を制御するエンジン制御ユニット(図示せず)へ燃料カット信号を送信し、又、モータ駆動回路43へ駆動信号を出力する。そして、エンジン2を停止させると共に、電動モータ42を介して電動式オイルポンプ37を回転駆動させ、電動式オイルポンプ37による油圧の供給を開始する。従って、このTCU51は減速時アイドルストップ制御機能を備えている。
本実施形態は、オイルポンプとして、エンジン2の駆動トルクで動作する機械式オイルポンプ34と電動式オイルポンプ37とを併設しており、機械式オイルポンプ34はエンジン2が稼動している領域全体において、必要とする油圧を各部へ供給している。又、トランスファクラッチ25は、TCU51から出力される駆動信号に基づきクラッチ締結トルクが可変設定され、前後輪に対するトルク配分が制御される。
一方、減速時アイドルストップ制御では、エンジン2の停止により機械式オイルポンプ34から油圧を供給させることができないため、電動式オイルポンプ37を駆動させて、減速走行時のCVT6の変速動作、及び停車時におけるCVT6の変速比(ロー状態)を維持させる油圧を供給する。従って、電動式オイルポンプ37の容量は、CVT6に対し伝達ベルト9を滑らせることなくトルク伝達可能な油圧を供給できる程度に設定されている。
次に、このような構成による本実施形態の作用について説明する。通常走行時、エンジン2の出力は、出力軸2aを介して無段変速装置3に設けられているトルクコンバータ4に伝達され、前後進切換装置5を経てCVT6のプーリ入力軸7aに入力される。又、エンジン2が稼働すると、このエンジン2を駆動源とする機械式オイルポンプ34が回転駆動し、オイルパン31に貯留されているオイルを、オイルストレーナ32を介し、吸入油路33aを経て吸引し、所定に昇圧された油圧を吐出油路33bからコントロールバルブ35へ送給する。
コントロールバルブ35は、TCU51から送信される、目標変速比に対応する駆動信号(プライマリ圧駆動信号、セカンダリ圧駆動信号)に従ってブライマリ圧とセカンダリ圧とを生成し、この各油圧をプライマリ油路39a、セカンダリ油路39bを経て、CVT6のプライマリプーリ7、セカンダリプーリ8に設けた各油圧室に各々供給し、CVT6を所定に変速動作させる。
その後、CVT6で所定に変速された駆動トルクが、プーリ出力軸8aから第1出力ギヤ15、及びこれに噛合する第1入力ギヤ16を介してトルクヒューズ機構21の軸部21aを回転させ、この軸部21aに設けられているワンウェイクラッチ21cと直結摩擦クラッチ21bとの双方を介し、アウタリング21dを経て第2出力ギヤ22に伝達される。ワンウェイクラッチ21cと直結摩擦クラッチ21bとの双方を介して駆動トルクを伝達させることで、相対的にワンウェイクラッチ21cのトルク伝達容量を小さくすることができ、小型化が実現できる。
そして、第2出力ギヤ22から出力された駆動トルクは、この第2出力ギヤ22を軸着する出力伝達軸17と、第2出力ギヤ22に噛合する第2入力ギヤ24とに配分される。
そして、出力伝達軸17に伝達された駆動トルクは前輪出力軸18から前輪へ出力される。一方、第2入力ギヤ24に入力された駆動トルクはトランスファクラッチ25介し、後輪出力軸26を経て後輪へ出力される。
又、車両が減速走行すると、前輪、及び後輪からの逆駆動トルクが第2出力ギヤ22からトルクヒューズ機構21に入力される。すると、ワンウェイクラッチ21cは空転するが直結摩擦クラッチ21bは締結されているため、この直結摩擦クラッチ21bを介してCVT6側へ伝達され、エンジンブレーキが作動する。
又、TCU51において、予め設定したアイドルストップ条件が満足された場合、エンジン制御ユニットに対し燃料カット信号を出力してエンジン2を停止させる。このアイドルストップ条件としては、例えば、ブレーキペダルの踏込みを検出するブレーキスイッチとアクセルペダルの踏込み量を検出するアクセル開度センサと車速を検出する車速センサとで検出したパラメータに基づき、ブレーキスイッチがON、且つアクセルペダル開放、且つ車速Vsが予め設定したアイドルストップ車速Vs1(例えば15[Km/h])以下と判定した場合、アイドルストップ条件成立と判定する。
図3(a)に示すように、減速走行中にTCU51がアイドルストップ条件成立と判定し、減速時アイドルストップ制御が実行されると(時間t0)、エンジン2は燃料カットにより停止されるため機械式オイルポンプ34も停止する。その結果、同図(b)に実線で示すように機械式オイルポンプ34の停止より、コントロールバルブ35に供給される油圧P[kPa]は、定常圧Pmから急激に低下する。
一方、TCU51は、アイドルストップ条件成立と判定すると、前後進切換装置5をニュートラルとしてエンジン2と無段変速装置3との動力伝達を遮断すると共に、モータ駆動回路43へ駆動信号を送信する。すると、モータ駆動回路43は電動モータ42へモータ駆動電流を出力し、電動モータ42により電動式オイルポンプ37を回転駆動させてコントロールバルブ35へ供給する油圧Pを発生させる。
そして、図3(b)に破線で示すように、コントロールバルブ35へ供給する油圧Pが電動式オイルポンプ37の定常圧Pmに達し、機械式オイルポンプ34からの吐出圧を超えると(時間t1)、その差圧によりチェックバルブ38が開弁し、電動式オイルポンプ37から吐出される定常圧Peがコントロールバルブ35に供給される。すると、コントロールバルブ35は、この定常圧Peを元圧として、TCU51からの駆動信号に従い、CVT6の伝達ベルト9を挟圧するプライマリ圧とセカンダリ圧とを生成し、各プーリ7,8の油圧室に供給する。
ところで、減速時アイドルストップ制御中においては、前後輪からの逆駆動トルクが出力伝達軸17とトランスファ軸23とを介して、第2出力ギヤ22に集合され、この集合された逆駆動トルクがトルクヒューズ機構21のアウタリング21dに伝達される。そして、この逆駆動トルクでCVT6のプーリ出力軸8a及びセカンダリプーリ8を回転させようとするが、
トルクヒューズ機構21の直結摩擦クラッチ21bの締結力は、常時、
セカンダリプーリ8の伝達トルク>直結摩擦クラッチ21bの伝達トルク
の関係に設定されているため、逆駆動トルクが直結摩擦クラッチ21bの伝達トルクを超えた場合、この直結摩擦クラッチ21bがスリップので、プーリ出力軸8a側に過大な逆駆動トルクが伝達されることはない。その結果、CVT6のベルト滑りを未然に防止することができる。
このように、本実施形態では、トルクヒューズ機構21に設けた直結摩擦クラッチ21bによる伝達トルクを、セカンダリ圧を元圧とする油圧で発生させるようにしたのでの、常時、
セカンダリプーリ8の伝達トルク>直結摩擦クラッチ21bの伝達トルク
の関係を維持させることができ、複雑な油圧制御が不要となり、構成の簡素化を実現することができる。又、直結摩擦クラッチ21bは、減速走行時のエンジンブレーキトルクをCVT6側へ伝達させれば良いだけであるため、比較的小さい容量で充分に対応することができ、装置全体の大型化を抑制することができる。
[第2実施形態]
図4、図5に本発明の第2実施形態を示す。上述した第1実施形態では、トルクヒューズ機構21を、駆動トルクを4輪駆動車の前後輪に配分する手前、すなわち、第1入力ギヤ16と第2出力ギヤ22との間に介装した。これに対し、本実施形態では、フロントトルクヒューズ機構56を、前輪側への動力経路である出力伝達軸17と前輪出力軸18との間に介装し、直結摩擦クラッチ56aは前輪から比較的大きな逆駆動トルクが入力されたときにスリップさせる。一方、後輪から比較的大きな逆駆動トルクが入力された場合は、既存のトランスファクラッチ25を、本発明の第2摩擦クラッチとして機能させてスリップさせるようにしたものである。尚、第1実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
すなわち、図4に示すように、出力伝達軸17には、第1入力ギヤ16と第2出力ギヤ22とフロントトルクヒューズ機構56とが軸着されている。フロントトルクヒューズ機構56は、直結摩擦クラッチ56aとワンウェイクラッチ56bとを備えており、この両クラッチ56a,56bのアウタがアウタリング56cを介して連結されていると共に前輪出力軸18に連設されている。ワンウェイクラッチ56bは出力伝達軸17からの駆動トルクを、アウタリング56cを介して前輪出力軸18へ伝達するものであり、前輪出力軸18から逆駆動トルクが伝達された場合は空転する。
又、図5に示すように、TCU51にて油圧制御されるコントロールバルブ35の吐出側に連通するセカンダリ油路39bに、直結摩擦クラッチ(Tf/C)56aの油圧室がセカンダリ分岐油路40を介して連通され、セカンダリプーリ8と直結摩擦クラッチ56aとの油圧室に設けた油圧作動面の受圧面積は、その伝達トルクが、
セカンダリプーリ8の伝達トルク>直結摩擦クラッチ56aの伝達トルク+トランスファクラッチ25の伝達トルク …(1)
となるように設定されている。
更に、コントロールバルブ35の吐出側にトランスファ油路39cを介してトランスファクラッチ25の油圧室が連通されている。前述した第1実施形態のトランスファクラッチ25はTCU51からの駆動信号にて電気的、或いは電磁的に動作させるようにしているが、本実施形態のトランスファクラッチ25は油圧にて動作させるようにしている。TCU51は、各種センサ類52で検出した運転状態を検出するパラメータに基づき、前後輪へのトルク配分比率を実現するクラッチ締結力を求め、対応する駆動信号をコントロールバルブ35へ出力し、コントロールバルブ35からトランスファクラッチ25の油圧室へ所望の油圧を供給して、クラッチ締結力を可変設定する。
又、TCU51は減速時アイドルストップ条件成立と判定した場合、トランスファクラッチ(Tr/C)25の締結力を、上述した(1)の関係、すなわち、カンダリプーリ8の伝達トルクと直結摩擦クラッチ56aの伝達トルクとの差分よりも小さくなるように制御して、トランスファクラッチ25をリヤトルクヒューズ機構(本発明の第2摩擦クラッチ)として機能させる。
このような構成では、通常走行時、エンジン2からの出力は、CVT6にて所定に変速され、第1出力ギヤ15、第1入力ギヤ16を経て出力伝達軸17に伝達され、ここで、フロントトルクヒューズ機構56と第2出力ギヤ22とに配分される。
そして、フロントトルクヒューズ機構56に伝達された駆動トルクは、ワンウェイクラッチ56bからアウタリング56cを経て、前輪出力軸18に伝達されて前輪へ出力される。一方、第2出力ギヤ22へ配分された駆動トルクは、第2入力ギヤ24、トランスファクラッチ25を経て、後輪出力軸26に伝達されて後輪へ出力される。尚、このときの前後輪に対するトルク配分比は、TCU51が各種センサ類52で検出した各パラメータを読込み、このパラメータに基づいて、トランスファクラッチ25の締結力を可変設定することで制御する。
減速走行時は、前輪からの逆駆動トルクが前輪出力軸18からフロントトルクヒューズ機構56のアウタリング56cに伝達される。すると、ワンウェイクラッチ56bは空転するが、直結摩擦クラッチ56aは締結されているため、この直結摩擦クラッチ56aを介し、CVT6側へ伝達されてエンジンブレーキが作動する。
次に、TCU51がアイドルストップ条件成立と判定した場合の動作について説明する。尚、このときのエンジン制御ユニットによる燃料カット制御、電動式オイルポンプ37及びCVT6の動作は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
フロントトルクヒューズ機構56に設けた直結摩擦クラッチ56aの油圧室は、セカンダリ分岐油路40を介してセカンダリ油路39bに連通されており、又、油圧作動面の受圧面積は、
セカンダリプーリ8の伝達トルク>直結摩擦クラッチ56aの伝達トルク
の関係となるように設定されている。
一方、減速時アイドルストップ条件成立と判定した場合、TCU51は、直結摩擦クラッチ56aに供給する油圧或いは締結力から伝達トルクを推定し、この伝達トルクをトランスファクラッチ25の伝達トルクに置換し、対応する駆動信号をコントロールバルブ35へ出力する。そして、コントロールバルブ35からトランスファクラッチ25の油圧室に、トランスファ油路39cを介して、上述した伝達トルクを実現する油圧を供給し、
直結摩擦クラッチ56aの伝達トルク=トランスファクラッチ25の伝達トルク
となる。
その結果、減速時アイドルストップにおいて、前後駆動輪からCVT6側へ直結摩擦クラッチ56a及びトランスファクラッチ25の伝達トルクを超えた逆駆動トルクが入力された場合、両クラッチ56a,25がスリップするので、セカンダリプーリ8には自己の伝達トルクを超えた逆駆動トルクが入力されることはなく、従って、伝達ベルト9の滑りを未然に防止することができる。
又、本実施形態では、前輪側と後輪側とからそれぞれ入力される逆駆動トルクを、フロントトルクヒューズ機構56に設けた直結摩擦クラッチ56aとトランスファクラッチ25とを介してCVT6側へ伝達するようにしたので、フロントトルクヒューズ機構56は前輪側へ駆動トルクを伝達させるだけで良いことになる。従って、伝達するトルクが半減されるため、上述した第1実施形態に比し、直結摩擦クラッチ56aの容量を小型化することができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限るものではなく、例えば第2実施形態におけるフロントトルクヒューズ機構56は前輪駆動車に適用することができる。又、このフロントトルクヒューズ機構56をトランスファクラッチ25に代えて配設することで、後輪駆動車に適用することもできる。更に、無段変速機はベルト式に限らずトロイダル式であっても良く、この場合、狭圧手段が入出力ディスクに対応し、伝達部材がパワーローラに対応する。
2…エンジン、
3…無段変速装置、
6…無段変速機、
7…プライマリプーリ、
7a…プーリ入力軸、
8…セカンダリプーリ、
8a…プーリ出力軸、
9…伝達ベルト、
15…第1出力ギヤ、
16…第1入力ギヤ、
17…出力伝達軸、
18…前輪出力軸、
21…トルクヒューズ機構、
21a…軸部、
21b,56a…直結摩擦クラッチ、
21c,56b…ワンウェイクラッチ、
21d,56c…アウタリング、
22…第2出力ギヤ、
23…トランスファ軸、
24…第2入力ギヤ、
25…トランスファクラッチ、
26…後輪出力軸、
34…機械式オイルポンプ、
35…コントロールバルブ、
37…電動式オイルポンプ、
38…チェックバルブ、
39a…プライマリ油路、
39b…セカンダリ油路、
39c…トランスファ油路、
40…セカンダリ分岐油路、
42…電動モータ、
43…モータ駆動回路、
52…各種センサ類、
56…フロントトルクヒューズ機構、
P…油圧、
Pe,Pm…定常圧、
Vs…車速
Vs1…アイドルストップ車速

Claims (5)

  1. 駆動源から動力を変速して伝達する無段変速機と、
    前記無段変速機の出力軸と駆動輪との間に介装したトルクヒューズ機構と、
    前記無段変速機の伝達部材を挟持する油圧の元圧を発生させる電動オイルポンプと、
    車速が設定車速以下のときにアイドルストップ条件を判定し、アイドルストップ条件成立と判定した場合、前記電動オイルポンプを駆動させて、発生した油圧を前記無段変速機の伝達部材を挟持する油圧の元圧とするアイドルストップ制御手段と
    を有する車両の無段変速装置において、
    前記トルクヒューズ機構は前記無段変速機から駆動輪へ動力を伝達するワンウェイクラッチと、前記無段変速機と前記駆動輪との間の動力を伝達する第1摩擦クラッチとを有し、
    前記第1摩擦クラッチを締結する油圧は前記無段変速機の前記出力軸側に設けた狭圧手段に供給する油圧を元圧とし、
    前記第1摩擦クラッチの伝達トルクは前記狭圧手段の伝達トルクよりも低く設定されている
    ことを特徴とする車両の無段変速装置。
  2. 前記第1摩擦クラッチは、油圧室に設けた油圧作動面が前記狭圧手段の伝達トルクよりも低い伝達トルクを発生させる受圧面積に設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載の車両の無段変速装置。
  3. 前記トルクヒューズ機構は前記無段変速機の出力軸と前後輪に動力が配分される分岐部との間に配設されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載の車両の無段変速装置。
  4. 前記トルクヒューズ機構は前輪に動力を伝達する動力経路に介装されているフロントトルクヒューズ機構である
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載の車両の無段変速装置。
  5. 後輪に動力を伝達する動力経路に第2摩擦クラッチが介装され、
    前記制御手段は、該第2摩擦クラッチの伝達トルクが、前記第1摩擦クラッチの伝達トルクと同一となるように油圧制御する
    ことを特徴とする請求項4記載の車両の無段変速装置。
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