JP2016188300A - 非水系洗浄剤組成物 - Google Patents

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Hiroki Sato
裕樹 佐藤
里奈 齊藤
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里奈 齊藤
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Rie Suzuki
理恵 鈴木
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Abstract

【課題】
手肌にマイルドであり、洗浄効果に優れ、且つ使用感と長期保存における安定性に優れる。特に酸化に弱いとされる不飽和結合を持った香料、リモネンを多く含む柑橘系精油、ローズヒップ油や月見草油等を配合しても香調安定性に優れている非水系洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】
(A)〜(C)成分を含有し、実質的に水を含有しない非水系洗浄剤組成物
(A)多価アルコール 5〜60重量%
(B)トコフェロール 0.0001〜2重量%
(C)脂肪酸アルカノールアミド 残分量
【選択図】なし

Description

本発明は、人体に付着したグリース、機械油、シリコーン油、インキ、ペイント等の落ちにくい汚れを除去するのに用いる非水系洗浄組成物に関する。
一般に、皮膚の表面に付着した重質油汚れ、金属粉汚れなどが付着すると、その汚れを容易に除去することが困難である。
このような頑固な汚れを除去するために、無機鉱物系研磨剤を含有した洗浄剤が用いられている(特許文献1)。
しかしながら、上記した洗浄剤では洗浄力に優れるものの皮膚に対する刺激性があり、手荒れが生じるなどの問題がある。また、近年では、皮膚刺激性の少ない有機系合成研磨剤を配合した洗浄剤も知られているが(特許文献2)、汚れに対する除去性に劣るという欠点があり、汚れの除去効果は十分ではない。
加えて、研磨剤を含有した洗浄剤は、研磨成分の付着により周囲を汚す上に、比重が重いため流しや配管に残り、配管を詰まらせる原因となる。
一方、研磨剤を含有せず、油類を中心に組成された洗浄剤組成物の技術が開示されている。例えば流動パラフィンからなる油性成分と、エーテル類やエステル類等の非イオン性界面活性剤と、水分とから構成されるクレンジングハンドクリーナーの技術が開示されている(特許文献3)。
配管汚染の問題もなく優れた洗浄力を示すが、浄時、すすぎ時のヌルつきが強く使用感に劣るという問題を有していた。
更に、研磨剤を含有せず、脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキシド付加物を主体とする非水系洗浄剤組成物の技術が開示されている(特許文献4)。
洗浄力の大幅な向上が図れ、しかも洗浄液としての有機溶剤中への水の可溶化能が大きくて無機質の汚れに対しても効果が見られたが、製剤の安定性に問題があり、長期保存において脂肪酸アルカノールアミドの不飽和結合の酸化によって臭いや着色により品質が低下する問題があり、特に香料を添加した場合その変質は商品価値を大きく損なう。
現在に至るまで十分に満足できる皮膚の表面に付着した重質油汚れ、金属粉汚れに対する洗浄剤組成物は開発されていない。
特開2007-332190号公報 特公平6-33414号公報 特開2003-146867号公報 特開昭62-57491号公報
本発明の目的は、これらの問題に鑑み、製剤安定性がよく、皮膚の表面に付着したグリース、機械油、シリコーン油、インキ、ペイント等の落ちにくい汚れ、金属粉汚れに対する洗浄力に優れる非水系洗浄組成物を提供することにある。
本発明者は、このような要望に答えるべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪酸アルカノールアミドに特定のポリオールと特定の酸化防止剤を配合することにより手肌にマイルドであり、洗浄効果に優れ、且つ使用感と長期保存における安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。特に酸化に弱いとされる不飽和結合を持った香料、リモネンを多く含む柑橘系精油、ローズヒップ油や月見草油等を配合しても香調安定性に優れている。
即ち、本発明は、
(A)〜(C)成分を含有し、実施的に水を含有しない非水系洗浄剤組成物を提供するものである。
(A)多価アルコール 5〜60重量%
(B)トコフェロール 0.0001〜2重量%
(C)脂肪酸アルカノールアミド 残分量
更に不飽和結合を有する香料成分を0.01〜3.0重量%含有することが好ましい。
(C)成分として配合される脂肪酸アルカノールアミドは常温で液状を示す脂肪酸ジエタノールアミドであることがより好ましい。
不飽和結合を有する香料がリモネンであることがより好ましい。
本発明の非水系洗浄剤組成物は、肌にマイルドであり、グリース、機械油、シリコーン油、インキ、ペイント等の落ちにくい汚れを除去するのに十分な洗浄効果を有し、しかも、長期保存において臭いの変化や着色がなく、良好な安定性を有する。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の非水系洗浄剤組成物の(a)成分は多価アルコールである。
好適例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
中でもプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンが、洗浄時のヌルつきが少なく、すすぎやすく、肌の保湿感の点からより好ましい。
また、必要に応じて1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は全組成中の5〜60重量%で、より好ましくは10〜40重量%である。
多価アルコールの配合量が5重量%を下回ると洗浄時のヌルつきが強くなる不具合があり、60重量%を超えて配合すると洗浄効果が十分に得られない不具合がある。
本発明でいう非水系洗浄剤組成物とは、洗浄剤組成物中に水を含有しないか、本発明構成要件外の添加成分からキャリーオーバーされる水が組成物内に含まれる場合もあるが、水が含まれても5%未満の組成物であることを示す。
(B)成分はトコフェロールである。
トコフェロールは、トコールの各種(α、β、γ、δ)メチル化誘導体であり、合成によって生成されたものでも、植物から抽出する等により天然から得られたものであってもよく、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
トコフェロールとしては具体的には、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロールなどがあり、好ましくは、dl−α−トコフェロール、d−δ−トコフェロールが挙げられる。
トコフェロールの配合量は全組成中の0.0001〜2重量%、より好ましくは0.001〜0.5重量%である。
トコフェロールの配合量が0.001重量%に満たない場合は、香調安定性が低下する不都合があり、0.5重量%を超えて配合されると着色を生じてしまう不都合があり好ましくない。
(C)成分は脂肪酸アルカノールアミドとして広く用いられている非イオン性界面活性剤である。
本発明で使用される脂肪酸アルカノールアミドは、室温で液状を保っていることが重要なことである。
好ましくは、炭素数1〜24のアシル基を有するもの、さらに好ましくは炭素数6〜20のアシル基を有する
ジエタノールアミド型の脂肪酸アルカノールアミドであることがより好ましい。
好適例としてはヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドが挙げられる。
脂肪酸ジエタノールアミドは常温液状を満たすならば必要に応じて1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪酸アルカノールアミドの配合量は、組成物全体を100重量%とする量であり、後述する(D)成分である香料成分及びその他添加可能微量成分が配合される場合脂肪酸アルカノールアミドの配合量を調整する。
脂肪酸アルカノールアミドの配合量はおよそ全組成中の50〜95重量%になるが、より好ましくは60〜90重量%である。この範囲内であれば、脂肪酸アルカノールアミドによる洗浄効果が十分に得られる。60重量%未満では、洗浄効果が十分に得られない。また、90重量%を超えて配合すると、洗浄時のヌルつきが強くなり、すすぎ時の残存感を招いてしまうため適さない。
(D)成分は香料成分である。通常0.01〜3.0重量%配合される。
不飽和結合を有する香料は、酸化を受けやすく、従来技術の非水系洗浄剤組成物に配合した場合、香調が変化し商品価値を損なうものであったが、本発明非水系洗浄剤組成物はこの香調変化がきわめて起こりにくいという特色がある。不飽和結合を有する香料としては、リモネンを多く含む柑橘系精油、ローズヒップ油、月見草油やハッカ油等が挙げられる。
更に本発明の効果を妨害しない範囲で他のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および通常洗浄剤あるいは化粧品に用いられる他の成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級アルコール、エステル類、シリコーン、保湿剤、被膜剤、紫外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、低級アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH 調整剤、頭皮栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、抗菌剤、香料などを必要に応じて1種あるいは2種以上用いても良い。
本発明の効果に関して以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
表1の配合組成で各サンプルを試作し、保存安定性、洗浄性、使用感、保湿性を下記の方法で評価し、併せて表1に示した。
(安定性試験方法)
作成サンプルを透明ガラス瓶に入れ、−5℃で3日間及び50℃で1カ月間保存した時の外観を観察し、安定性を評価した。また、50℃保存品については室温に戻した後、においの変化についても評価を行い、以下の通り評価した。
・−5℃保存安定性
(評価)
○:変化なし
△:クスミが観られる
×:析出が観られる
・50℃保存安定性
(評価)
○:変化なし
△:クスミが観られる
×:分離が観られる
・におい
(評価)
○:変化なし
×:変化あり
(洗浄性評価方法)
シャーシーグリス0.5gを手に塗り、サンプル1.0gを用いて馴染ませた後、流水で洗浄を行った。
洗浄後、汚れの残り具合を目視で判定し、洗浄性を以下の通り評価した。
(評価)
○:完全に汚れが落ちる
△:僅かに汚れが落ちる
×:全く汚れが落ちない
(使用感評価方法)
パネル6名を用いて、洗浄時のヌルつき、すすぎ時のすすぎやすさ、洗浄後の肌の刺激について評価をした。各評価項目について、洗浄時のヌルつきが少ない、すすぎ時のすすぎが早い、刺激がないと回答したパネルが4名以上を○、3名以下を×として判定した。
(保湿性評価方法)
パネル3名の前腕部内部を用いて、実使用を想定して洗浄から乾燥までの工程を5回繰り返した時の、使用前後の皮膚コンダクタンス比を測定した。洗浄後に恒温恒湿室で20分乾燥させて測定を行った。試験前の皮膚コンダクタンスに対する試験後の皮膚コンダクタンスの比を計算し、以下の通り評価した。
(評価)
○:皮膚コンダクタンス比が0.8以上1.0未満
×:皮膚コンダクタンス比が0.8未満
使用した測定機器
表皮角質水分量測定装置 SKICON-200EX(アイ・ビイ・エス株式会社製)
注1 トコリットパウダー30 エーザイフード・ケミカル株式会社
注2 アミゾールFDE 川研ファインケミカル社製
注3 小川香料株式会社製
注4 第一ファインケミカル株式会社製
実施例1〜4は本発明範囲の非水系洗浄剤組成物であるが、保存安定性、洗浄性、使用感、保湿性において優れた性能を示した。実施例4〜6は使用する多価アルコールがプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール
グリセリン、PEG-8、PEG-400と変わっても本発明の範囲に配合されていれば、本発明の効果が維持されることを示している。
実施例7は本発明非水系洗浄剤組成物に優れた抗酸化作用があり、脂肪酸アルカノールアミドの安定性のみならず、酸化に弱い、リモネンを主成分とするオレンジ油の香調安定性をも維持していることを示す。
また、実施例2と比較例3を比較するとB成分である抗酸化剤は何でも良い訳ではなく、本発明の効果かがトコフェロールと脂肪酸アルカノールアミドと多価アルコールの組み合わせのみで発現していることがわかる。
本発明非水系洗浄剤組成物は、本発明の効果を損ねない範囲で他成分を配合できる。実用的なハンドソープとして有用な非水系洗浄剤組成物の配合例を以下に示す。いずれの処方も保存安定性、洗浄性、使用感、保湿性において優れた効果を示した。
実施例8 ハンドクリーナー
パーム脂肪酸ジエタノールアミド 50.0%
グリセリン 25.0
ヘキシレングリコール 24.3
プロピルパラベン 0.3
ハッカ油 0.3
トコフェロール 0.1
(合計) 100.0
実施例9 ハンドクリーナー
パーム脂肪酸ジエタノールアミド 35.0%
ヤシ油ジエタノールアミド 35.0
1,3−ブチレングリコール 25.0
エタノール 3.0
プロピルパラベン 0.3
ローズヒップ油 0.3
トコフェロール 0.1
リモネン 1.3
(合計) 100.0

手肌にマイルドであり、グリース、機械油、シリコーン油、インキ、ペイント等の落ちにくい汚れを除去するのに十分な洗浄効果を有し、しかも、長期保存において臭いの変化や着色がなく、良好な安定性を有する非水系洗浄剤組成物を提供する。

Claims (4)

  1. 以下の(A)〜(C)成分を含有し、実質的に水を含有しない非水系洗浄剤組成物
    (A)多価アルコール 5〜60重量%
    (B)トコフェロール 0.0001〜2重量%
    (C)脂肪酸アルカノールアミド 残分量
  2. 更に不飽和結合を有する香料成分を0.01〜3.0重量%含有することを特徴とする請求項1記載の非水系洗浄剤組成物
  3. 脂肪酸アルカノールアミドが常温で液状を示す脂肪酸ジエタノールアミドであることを特徴とする請求項1〜2記載の非水系洗浄剤組成物。
  4. 香料がリモネンであることを特徴とする請求項2及び3記載の非水系洗浄剤組成物。
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