JP2016187893A - 金属箔積層フィルムの製造方法およびこれにより製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板 - Google Patents

金属箔積層フィルムの製造方法およびこれにより製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板 Download PDF

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晋 中山
渡邉 拓生
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Abstract

【課題】高い接着性と高い耐デスミア処理性を有する金属箔積層フィルムの製造方法およびこれにより製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板を提供することである。
【解決手段】耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に、耐熱性樹脂層を介して金属箔を積層する金属箔積層フィルムの製造方法であって、
(1)前記耐熱性樹脂フィルムの前記耐熱性樹脂層を形成させる面に放電処理をする工程、
(2)前記耐熱性樹脂フィルムの放電処理をした面に、前記耐熱性樹脂層に用いる耐熱性樹脂組成物を塗工して、前記耐熱性樹脂層を形成させる工程、
(3)前記耐熱性樹脂層を形成させた面に金属箔を積層する工程および
(4)前記金属箔を積層した積層体を250〜400℃で熱処理する工程
をこの順に有することを特徴とする金属箔積層フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子工業分野で広く使用されている回路基板、特にフレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いられる金属箔積層フィルムの製造方法に関する。詳しくは、接着力およびデスミア処理耐性に優れた金属箔積層フィルムの製造方法およびこれにより製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板に関する。
耐熱性樹脂フィルムに金属箔を積層した金属箔積層フィルムは、フレキシブルプリント配線基板(FPC)用の基板材料として使用されている。このような基板材料は、折り曲げが自在であることから、空間的に狭い実装領域に対して有効に用いられている。例えば、カメラ、パソコン、携帯電話等の小型液晶周りだけでなく、プリンター、HDD等のPC周辺機器等の狭いスペースに対しても使用されている。近年、電子機器が小型・軽量・薄型化されるにつれて、高密度・薄型化が求められており、フレキシブルプリント配線基板においても微細配線形成は重要な課題である。ここで微細配線を形成するには、金属箔積層フィルムに対し、導体層となる金属箔と耐熱性樹脂フィルムの間で高い接着性が要求される。また、フレキシブルプリント配線基板の加工工程で使用される各種薬液に対しても高い耐性が求められる。
導体層となる金属と耐熱性樹脂フィルムとの接着性を高める方法として、絶縁層上に、少なくとも無電解めっき層を形成する工程と、前記絶縁層および前記無電解めっき層を加熱処理する工程とを含むプリント配線板の製造方法が提案されている (特許文献1を参照)。しかしながら、この方法では十分な接着力が得られていなかった。
一方で、耐熱性樹脂からなるベースフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を有するボンディングシートにおいて、ベースフィルムに不活性ガスを主とする混合気体中でのプラズマ放電処理を施し、次に熱可塑性ポリイミドを積層し、その後で熱可塑性ポリイミドに金属箔を熱圧着する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながらこの方法で金属箔積層フィルムを作製すると、接着力は大きく向上するものの、レーザーやドリルで穴あけ加工し、残渣を除去するためにデスミア処理を行って、得られた穴あきの金属箔積層フィルムを回路基板に適用すると、配線間でのショートが起こりやすいという問題があった。
特開2005−135985 特開2000−289165
本発明の発明者らは、上記問題点はデスミア処理の際に、ベースフィルムと熱可塑性ポリイミド層との界面にデスミア液が浸透してしまうことによるものであることをつきとめ、次の課題の設定に至った。
かかる状況に鑑み、本発明の目的は、高い接着性と高い耐デスミア処理性を有する金属箔積層フィルムの製造方法およびこれにより製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板を提供することである。
すなわち本発明は、耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に、耐熱性樹脂層を介して金属箔を積層する金属箔積層フィルムの製造方法であって、
(1)前記耐熱性樹脂フィルムの前記耐熱性樹脂層を形成させる面に放電処理をする工程、
(2)前記耐熱性樹脂フィルムの放電処理をした面に、前記耐熱性樹脂層に用いる耐熱性樹脂組成物を塗工して、前記耐熱性樹脂層を形成させる工程、
(3)前記耐熱性樹脂層を形成させた面に金属箔を積層する工程および
(4)前記金属箔を積層した積層体を250〜400℃で熱処理する工程
をこの順に有することを特徴とする金属箔積層フィルムの製造方法である。
本発明によれば、高い接着性と高い耐デスミア処理性を有する金属箔積層フィルムを得ることができ、該金属箔積層フィルムを用いることで、信頼性の高い回路基板を得ることができる。
本発明で使用できるロールラミネーターの一態様を示した概略図である。 本発明で使用できるロールラミネーターの他の態様を示した概略図である。
本発明の金属箔積層フィルムは、耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に耐熱性樹脂層を介して金属箔を積層したものである。
本発明の耐熱性樹脂フィルムには、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホンなどの耐熱性樹脂が用いられるが、中でもポリイミドが好ましく、耐熱性、寸法安定性の点から芳香族ポリイミドがより好ましい。ポリイミドフィルムとしては市販されているものを用いることができる。具体的には東レ・デュポン(株)製“カプトン”、宇部興産(株)製“ユーピレックス”、鐘淵化学工業(株)製“アピカル”などが挙げられる。耐熱性樹脂フィルムの厚みは特に限定されないが、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また150μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましい。3μmを下回ると支持体としての強度が不足し、150μmを上回ると柔軟性が低下し、折り曲げが困難となる場合がある。
本発明の耐熱性樹脂層は接着層として機能するものであり、熱圧着性を有する層である。耐熱樹脂層としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などを用いることができるが、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
本発明の熱可塑性ポリイミド樹脂は、酸二無水物成分とジアミン成分から成るものである。ジアミン成分中には一般式(1)で示されるシロキサン系ジアミンを含むことが好ましい。
Figure 2016187893
nは1〜30の範囲を示す。また、RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、フェニレン基または炭素数1〜30のアルキレン基を示す。R〜R12は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、フェニル基、フェノキシ基または炭素数1〜30のアルキル基を示す。
一般式(1)で示されるシロキサン系ジアミンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、などが挙げられる。上記シロキサン系ジアミンは単独でも良く、2種以上を混合して使用しても良い。
全ジアミン成分中、シロキサン系ジアミンの含有量は2〜40モル%、好ましくは5〜25モル%である。シロキサン系ジアミンの含有量がこの範囲にあることで、適切な温度で金属箔を良好に熱圧着することができる。
本発明においては、シロキサン系ジアミンと芳香族ジアミンを共重合しても良い。芳香族ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。上記芳香族ジアミンは単独でも良く、2種以上を混合して使用しても良い。
酸二水物成分としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。上記芳香族ジアミンは単独でも良く、2種以上を混合して使用しても良い。
本発明の金属箔としては、銅箔、アルミ箔、SUS箔などが用いられ、通常銅箔が用いられる。銅箔には電解銅箔と圧延銅箔があり、どちらでも用いることができる。
本発明の金属箔積層フィルムの製造方法は、少なくとも下記の(1)〜(4)の工程を含み、この順で製造されるものである。
(1)前記耐熱性樹脂フィルムの前記耐熱性樹脂層を形成させる面に放電処理をする工程、
(2)前記耐熱性樹脂フィルムの放電処理をした面に、前記耐熱性樹脂層に用いる耐熱性樹脂組成物を塗工して、前記耐熱性樹脂層を形成させる工程、
(3)前記耐熱性樹脂層を形成させた面に金属箔を積層する工程および
(4)前記金属箔を積層した積層体を250〜400℃で熱処理する工程。
まず(1)前記耐熱性樹脂フィルムの前記耐熱性樹脂層を形成させる面に放電処理をする工程について、説明する。
本発明において、耐熱性樹脂フィルムへの放電処理としては、常圧プラズマ放電処理、コロナ放電処理、真空プラズマ放電処理などの放電処理が挙げられる。本発明においては、放電処理の雰囲気は低酸素雰囲気下の減圧状態であることが好ましいので、真空プラズマ放電処理を施すことが好ましい。なお低酸素雰囲気下とは、酸素の分圧が0.1Pa以下であることをいう。これにより耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の接着力を向上させることができる。
なお真空プラズマ放電処理とは、可能な限り真空に近づけて放電処理を行うものではなく、真空に近づけた後で放電処理に適したガスを低圧状態で注入し、その中で放電処理を行うものである。真空プラズマ放電処理で使用するガスとしてはHe、Ne、Ar、Kr、Xe、N、CFなどの単体あるいは混合ガスが挙げられる。なかでもArは安価でフィルム表面の処理効果が良好であり好ましい。また低圧状態とは1〜1000Paのことをいう。
真空プラズマ放電処理の方法は特に限定されないが、例えばドラム状電極と複数の棒状電極からなる対極電極を有する内部電極型の放電処理装置内に被処理基材をセットし、処理ガスを1〜1000Pa、好ましくは5〜100Paに調整した状態で電極間に直流あるいは交流の高電圧を印加して放電を行い、前記処理ガスのプラズマを発生させ、該プラズマに基材表面をさらして処理する方法などが好ましく使用される。
金属箔積層フィルムにおいて、耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の界面における接着力が低いと、剥離が起こりやすい。そこで接着力を向上させるためには、耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層間の接着力を上げる処理をすることが有効である。本発明の金属箔積層フィルムの製造方法では、耐熱性樹脂フィルムにプラズマ処理を施すことで、耐熱性樹脂層との接着性が向上し、金属箔積層フィルムとしての接着力が向上する。
本発明においては、耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の接着力が8N/cm以上であることが好ましく、より好ましくは10N/cm以上である。8N/cm以上の接着力があれば、フレキシブルプリント配線基板の製造工程において、配線が剥がれることなく、信頼性の高いフレキシブルプリント配線基板を得ることができる。
次に(2)前記耐熱性樹脂フィルムの放電処理をした面に、前記耐熱性樹脂層に用いる耐熱性樹脂組成物を塗工して、前記耐熱性樹脂層を形成させる工程について、説明する。
本発明において、耐熱性樹脂フィルムの片面または両面に耐熱性樹脂を塗工して耐熱性樹脂を積層する方法としては、グラビアコーター、コンマコーター、リバースコーター、バーコーター、スリットダイコーターなどが挙げられる。
耐熱性樹脂フィルムの両面に耐熱性樹脂を形成する場合、耐熱性樹脂を含む溶液を片面ずつ塗工、乾燥してもよいし、両面同時に塗工、乾燥してもよい。乾燥は60〜300℃、好ましくは100〜250℃で連続的または断続的に行っても良い。耐熱性樹脂層の厚みは0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
次に、(3)前記耐熱性樹脂層を形成させた面に金属箔を積層する工程について、説明する。
本発明において、金属箔の積層はラミネート法による加熱圧着で行ってもよいし、プレス法による加熱圧着で行ってもよいが、生産性、コスト面からラミネート法で行うことが好ましい。
ラミネート法での加熱圧着にはロールラミネーターを用いる。ロールラミネーターでの加熱圧着は、図1に示すように1対以上のラミネートロールに金属箔巻出しロール3から巻出された金属箔、耐熱性樹脂層が形成された耐熱性樹脂フィルムの巻出しロール4から巻出された、耐熱性樹脂層が形成された耐熱性樹脂フィルムをラミネートロール部分に通して加熱圧着する。ここで、図1(a)は片面金属箔積層フィルム、図1(b)は両面金属箔積層フィルムそれぞれのロールラミネーターを用いての加熱圧着方法である。
ロールラミネーターのロールは金属ロール−金属ロール、金属ロール−ゴムロール、ゴムロール−ゴムロールなど種々の組み合わせで使用することができる。通常、片面金属箔積層フィルムの場合は金属ロール−ゴムロールの組み合わせが用いられ、金属ロール側に銅箔、ゴムロール側に耐熱性樹脂積層フィルムが接するように加熱圧着される。ただし、ロール温度が200℃以上では金属ロール−金属ロールの組み合わせが好ましい。また、両面金属箔積層フィルムの場合は金属ロール−金属ロールの組み合わせが用いられる。
また、図2に示すように、耐熱性樹脂層が形成された耐熱性樹脂フィルムとラミネートロールの間、金属箔とラミネートロールの間に、保護フィルム巻出しロール6から巻出された保護フィルムを介在させて加熱圧着しても良い。ここで、図2(a)は片面金属箔積層フィルム、図2(b)は両面金属箔積層フィルムそれぞれのロールラミネーターを用いての加熱圧着方法である。
次に、(4)前記金属箔を積層した積層体を250〜400℃で熱処理する工程について、説明する。本発明においては、金属箔を加熱圧着した後、得られた金属箔を積層した積層体をさらに熱処理することで、高い接着性を有し、デスミア処理においてデスミア液が耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の界面に浸透しなくなり、耐デスミア処理性を高くすることができる。これにより耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の界面の剥離が少なくなる。そのため本発明の製造方法により得られる金属箔積層フィルムをレーザーやドリルで穴あけ加工し、残渣を除去するためにデスミア処理を行って、得られた穴あきの金属箔積層フィルムを回路基板に適用しても、配線間でのショートが起こりにくくなる。
本発明での金属箔を積層した積層体の熱処理は、ロールトゥロールでの連続処理、または、バッチ処理のどちらを選んでも良い。熱処理温度は250〜400℃であり、270℃以上であることが好ましい。また350℃以下であることが好ましい。400℃より高いと耐熱性樹脂フィルムおよび耐熱性樹脂が熱分解を発生し、接着性が低下する恐れがある。また、400℃より高い温度で熱処理すると寸法変化率が大きくなる。また250℃より低いと耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の界面にデスミア液が浸透する。熱処理温度を250〜400℃にすることで、接着性、耐デスミア処理性が高く、また、寸法変化率の小さい金属箔積層フィルムを得ることができる。寸法変化率は±0.1以内であることが好ましく、より好ましくは±0.05以内である。
熱処理時間は30秒〜120分、好ましくは5分〜60分であり、適宜設定することができる。また、熱処理の雰囲気は低酸素雰囲気下であることが好ましく、例えば真空中または窒素雰囲気中で処理することが好ましい。なお低酸素雰囲気下とは、酸素の分圧が0.1Pa以下であることをいう。これにより金属箔の酸化を抑制し、接着力の低下を防ぐことができる。
本発明の回路基板は、上記製造方法により製造された金属箔積層フィルムを有することを特徴とする。回路基板としては、例えばフレキシブルプリント配線基板が挙げられる。
以下に本発明の金属箔積層フィルムを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法例について説明する。
まず金属箔積層フィルムに、レーザーまたはドリルを用いて、ビアホールまたはスルーホール加工を行う。ここで上記のように、ビアホールまたはスルーホール加工を行うと、穴を開けた部分にスミアと呼ばれる樹脂のカスが付着する。そこで、このスミアを除去するデスミア処理を行う。デスミア処理には過マンガン酸、水酸化ナトリウムを混合した水溶液が一般的に用いられ、これらの水溶液にビアホールまたはスルーホール加工を行った金属箔積層フィルムを浸漬させることにより行う。浸漬条件としては、60〜80℃で5〜20分とすることが好ましい。デスミア処理後、無電解銅めっきと電解銅めっきを組み合わせてビアホール、スルーホールに銅層を充填する。
次に、金属箔積層フィルムにドライフィルムレジストを圧着し、所望の配線パターンを形成したマスクを介して露光、現像、レジスト剥離することで、配線パターンを形成する。
配線パターンを形成後、所望の位置にカバーレイまたはソルダーレジストを積層し、保護層を形成させる。また、端子となる部分などには金や錫でめっきをする。
このように製造したフレキシブルプリント配線基板は、本発明の金属箔積層フィルムが有する高い接着性と耐デスミア処理性により、高い生産歩留まりと高い信頼性をもつ。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。接着力、耐デスミア処理性、寸法変化率の評価方法について述べる。
(1)接着力の測定
金属箔積層フィルムを塩化第2鉄溶液で2mm幅にエッチングし、2mm幅の銅層を TOYO BOLDWIN社製”テンシロン”UTM−4−100にて引っ張り速度50mm/分、90゜剥離で測定した。
(2)耐デスミア処理性の評価
金属箔積層フィルムの片面の金属箔を塩化第2鉄溶液で全面エッチングし、パンチングで穴あけ加工した。次に、以下に示す方法でデスミア処理を行った。金属箔を全面エッチングした側から光学顕微鏡(Nikon社製オプチフォト−300D)を用いて倍率50倍で穴周辺を観察し、デスミア液の浸透の有無を評価した。
<デスミア処理>
まず、スゥエリングディップセキュリガントP(アトテック社)250mlと、水750mlを混合して、膨潤液1lを作製した。次に、上記パンチングで穴あけ加工したサンプルをこの膨潤液に50℃で2分浸漬して膨潤させ、膨潤後のサンプルを水洗した。次にKMnO濃度が5.5重量%、NaOH濃度が4.5重量%の混合水溶液を作製し、これに水洗後のサンプルを70℃で15分間浸漬させ、その後でサンプルを水洗した。次にリダクションソリューションセキュリガントP500(アトテック社)100ml、硫酸45ml、水855mlを混合して、中和液1lを作製した。これに上記水洗後のサンプルを40℃で1分間浸漬させることにより中和させた。
(3)寸法変化率
金属箔積層フィルムの上にA、Bの2点を間隔が150〜200mmとなる範囲で刻印し、この間隔A,Bの長さ(L)を測定した。その後、両面の金属箔を塩化第2鉄溶液で全面エッチングし、水洗を行った後、150℃30分熱処理を行い、常温(23℃55rh%)環境下に1日保持した後、上記A、Bの長さ(L)を測定し、以下の式を用い寸法変化率を求めた。寸法変化率の値が小さいほど寸法精度が良いことを示す。寸法変化率はMD方向、TD方向の2方向で測定した。
寸法変化率={(L−L)/L}×100(%)
:エッチング前のA、B間の長さ
L:エッチング、熱処理、常温環境下保持後のA、B間の長さ
以下の製造例に示してある酸二無水物、ジアミンの略記号の名称は下記の通りである。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
SiDA :1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン
TPE−R :1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
DMAc :N,N−ジメチルアセトアミド
製造例1
温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、攪拌装置を付した反応釜に、SiDA 12.4g(0.05mol)、TPE−R 277.7g(0.95mol)をDMAc 3311gと共に仕込み、溶解させた後、s−BPDA 294.2g(1mol)を添加し、室温で1時間、続いて70℃で5時間反応させて、15重量%のポリアミド酸溶液(PA1)を得た。
実施例1
厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(“カプトン”50EN 東レ・デュポン(株)製)の両面を、春日電機社製HF403型を用いて、Ar雰囲気中で真空プラズマ放電処理した。ここで、ポリイミドフィルム両面のそれぞれをA面、B面とした。
製造例1で得られたポリアミド酸溶液(PA1)を、ポリイミドフィルムA面に乾燥後の膜厚が3μmになるようにリバースコーターで塗工し、150℃で2分乾燥し、続いてポリイミドフィルムB面にも同様に膜厚が3μmになるようにリバースコーターで塗工し、150℃で2分乾燥した。該塗工品を260℃で10分加熱処理をして、イミド化および残存溶媒の除去を行い、両面に耐熱性樹脂層を有する耐熱性樹脂フィルムを得た。
上記作製の耐熱性樹脂フィルムの耐熱性樹脂層に、接着面側を粗化処理した厚さ12μmの電解銅箔(3EC−M3S−HTE 三井金属鉱業(株)製)を貼り合わせ、ロールの表面温度を320℃に加熱したロールラミネーターで、図2(b)のように保護フィルムとして厚さ75μmのポリイミドフィルム(”カプトン”300H 東レ・デュポン(株)製)を両ロールと銅箔の間にそれぞれ介在させ、線圧50N/mm、速度1m/分で加熱圧着し、両面に銅箔が積層された金属箔積層フィルムを得た。得られた金属箔積層フィルムをN雰囲気中で300℃30分熱処理した。
熱処理した金属箔積層フィルムの接着力を測定したところ、いずれの面の金属箔についても12N/cmであった。また、耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層の界面へのデスミア液浸透は無く、耐デスミア処理性は良好であった。寸法変化率は、MD:−0.05%、TD:0.03%であった。
実施例2〜5、比較例1〜5
厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(“カプトン”50EN 東レ・デュポン(株)製)を真空プラズマ放電処理する際の条件、金属箔積層フィルムを熱処理する際の条件を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、金属箔積層フィルムを得た。得られた金属箔積層フィルムについて、接着力、耐デスミア処理性、寸法変化率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016187893
本発明の実施例では、ポリイミドフィルムに真空プラズマ放電処理を施した後に熱可塑性ポリイミド樹脂からなる耐熱性樹脂層を積層し、金属箔を積層後に熱処理をすることで、高い接着力をもち、さらにデスミア液がポリイミドフィルムと耐熱性樹脂層の界面に浸透しない、高い耐デスミア処理性を持つことが示された。
これに反し比較例1、3では、ポリイミドフィルムに真空プラズマ放電処理を施さないで耐熱性樹脂層を積層すると、ポリイミドフィルムと耐熱性樹脂層の界面剥離で低い接着力を示した。また比較例2、4では、真空プラズマ放電処理を施しても、金属箔積層後に熱処理を施さないか熱処理温度が低いと、接着力は高いが、デスミア処理でポリイミドフィルムと耐熱性樹脂層の界面にデスミア液が浸透した。また比較例5では、金属箔積層後の熱処理温度が450℃と高すぎるため、ポリイミドフィルムと耐熱性樹脂層の界面剥離で低い接着力を示した。また寸法変化率も大きな値を示した。
1 ラミネートロール(上)
2 ラミネートロール(下)
3 金属箔巻出しロール
4 耐熱性樹脂層が形成された耐熱性樹脂フィルムの巻出しロール
5 製品巻取りロール
6 保護フィルム巻出しロール
7 保護フィルム巻取りロール

Claims (5)

  1. 耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に、耐熱性樹脂層を介して金属箔を積層する金属箔積層フィルムの製造方法であって、
    (1)前記耐熱性樹脂フィルムの前記耐熱性樹脂層を形成させる面に放電処理をする工程、
    (2)前記耐熱性樹脂フィルムの放電処理をした面に、前記耐熱性樹脂層に用いる耐熱性樹脂組成物を塗工して、前記耐熱性樹脂層を形成させる工程、
    (3)前記耐熱性樹脂層を形成させた面に金属箔を積層する工程および
    (4)前記金属箔を積層した積層体を250〜400℃で熱処理する工程
    をこの順に有することを特徴とする金属箔積層フィルムの製造方法。
  2. 前記放電処理が真空プラズマ放電処理であることを特徴とする請求項1に記載の金属箔積層フィルムの製造方法。
  3. 前記熱処理を低酸素雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の金属箔積層フィルムの製造方法。
  4. 前記耐熱性樹脂層に用いる耐熱性樹脂組成物が、熱可塑性ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属箔積層フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属箔積層フィルムの製造方法により製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板。
JP2015068206A 2015-03-30 2015-03-30 金属箔積層フィルムの製造方法およびこれにより製造された金属箔積層フィルムを有する回路基板 Pending JP2016187893A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107498980A (zh) * 2017-09-18 2017-12-22 广州通泽机械有限公司 一种双涂型无溶剂复合机及其复合方法

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