図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるPOS端末装置の略斜視図である。
本発明の好ましい実施態様のかかるPOS端末装置1はPOSシステム(図示せず)に接続されており、図1に示されるように、POS端末装置1は、バーコード(図示せず)を読み取り可能なバーコードリーダー11、磁気カード(図示せず)に記録された磁気データを読み取り可能な磁気カードリーダー12、オペレータによって、データの入力が可能なタッチパネル13、オペレータ用のディスプレイ14、顧客用のディスプレイ15、レシートに売買データを印刷する印刷装置16、売買代金または釣銭を載置するキャッシュトレイ17およびキャッシュトレイ17の上面の状態を撮像可能な撮像装置であるカメラ18を備えている。後述のように、カメラ18はキャッシュトレイ17の上面の静止画像を所定の時間間隔で撮像するように構成されている。
また、キャッシュトレイ17には、キャッシュトレイ17の上面に硬貨および/または紙幣が載置されたか否かを検出する貨幣センサ19が設けられている。
図1に示されるように、POS端末装置1は、さらに、紙幣および硬貨を入出金可能な貨幣入出金機20を備えている。
図2は、紙幣および硬貨を入出金可能な貨幣入出金機20の構成を示す略平面図である。
図2に示されるように、貨幣入出金機20は、オペレータによって入金された紙幣を収納する紙幣入金機構21と、オペレータによって入金された硬貨を収納し、収納された硬貨を釣銭として出金する硬貨入出金機構22と、紙幣を繰り出して、釣銭として出金する紙幣出金機構23とを備えている。
図1および図2に示されるように、貨幣入出金機20の紙幣入金機構21は、紙幣が入金のために挿入される紙幣入金口30を備え、本実施態様においては、紙幣の長辺が紙幣の挿入方向と平行になるように、オペレータによって、紙幣が1枚ずつ入金されるように構成されている。図1および図2に示されるように、紙幣入金口30はオペレータに対向するような位置に設けられている。
図3は図2のA−A線に沿った略断面図であり、貨幣入出金機20の紙幣入金機構21の構成が示されている。
図3に示されるように、紙幣入金口30には、一対のエンドレスベルト31、32の間に形成された入金紙幣搬送路33が接続され、入金紙幣搬送路33には、入金紙幣の光学的データおよび磁気的データを検出する入金紙幣センサ34が設けられている。図示されてはいないが、紙幣入金口30の近傍には、紙幣入金口30に挿入された紙幣を検出する紙幣センサを備えている。
入金紙幣センサ34によって検出された入金紙幣の光学的データおよび磁気的データに基づき、紙幣が偽造紙幣などの受け入れ不能な紙幣と判別されたときは、エンドレスベルト31、32が反転され、入金紙幣が紙幣入金口30に返却される。これに対して、受け入れ可能な紙幣であると判別された紙幣は、入金紙幣収納ボックス35内に収納される。
図3に示されるように、入金紙幣収納ボックス35は、図示しない開口部が形成され、入金紙幣搬送路33から送り込まれた入金紙幣の長辺近傍を支持するガイド部材36と、入金紙幣が載置される入金紙幣載置板37と、モータ(図示せず)によって駆動されるギア38によって昇降され、ガイド部材36に支持された入金紙幣を、その開口部を介して、入金紙幣載置板37に送って、載置するプッシャー39を備えている。
入金紙幣載置板37はスプリングなどの付勢手段40によって上方に付勢され、ガイド部材36上の入金紙幣が入金紙幣載置板37に載置されると、入金紙幣載置板37が付勢手段40の付勢力に抗して、紙幣の厚みに相当する長さだけ下降されるように構成されている。
こうして、受け入れ可能な紙幣であると判別された紙幣は、入金紙幣載置板37の上面に集積される。
図4は、図2のB−B線に沿った略断面図で、貨幣入出金機20の硬貨入出金機構22の構成が示されている。
図1、図2および図4に示されるように、貨幣入出金機20の硬貨入出金機構22は、入金硬貨が投入される硬貨入金口50と、硬貨入金口50の直下に設けられ、硬貨入金口50から入金された硬貨をその上面で受け取り、回転によって生じた遠心力によって、硬貨を一枚ずつ、入金硬貨搬送路51に送り出す回転円板52を備えている。回転円板52から入金硬貨搬送路51に繰り出された硬貨はエンドレスベルト53によって、入金硬貨搬送路51内を搬送されるように構成されている。図1および図2に示されるように、硬貨入金口50は紙幣入金口30に隣接し、オペレータに対向するように設けられている。図示されていないが、硬貨入出金機構22は、さらに、硬貨入金口50に硬貨が投入されたことを検出する硬貨センサを備えている。
図4に示されるように、入金硬貨搬送路51には、入金硬貨の光学的データおよび磁気的データを検出する入金硬貨センサ54が設けられている。
入金硬貨センサ54によって検出された入金硬貨の光学的データおよび磁気的データに基づき、硬貨が偽造硬貨などの受け入れ不能な硬貨と判別されたときは、入金硬貨センサ54の下流側に設けられた受け入れ不能硬貨回収口55から、受け入れ不能硬貨収納ボックス(図示せず)内に回収される。
図2に示されるように、入金硬貨搬送路51の下流端部には、屈曲部56を介して、硬貨選別通路57が接続されている。
硬貨選別通路57には、基準レール58に沿って、金種別に硬貨を落下させて選別する硬貨選別口59A、59B、59C、59D、59E、59Fが形成されている。最も上流側に位置する硬貨選別口59Aの径は、処理すべき硬貨のうち、最小径の金種の硬貨(日本の場合には1円硬貨)は落下するが、2番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には50円硬貨)は落下しないように設定されている。同様に、硬貨選別口59Bの径は、2番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には50円硬貨)は落下するが、3番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には5円硬貨)は落下しないような径に、硬貨選別口59Cの径は、3番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には5円硬貨)は落下するが、4番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には100円硬貨)は落下しないような径に、硬貨選別口59Dの径は、4番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には100円硬貨)は落下するが、5番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には10円硬貨)は落下しないような径に、硬貨選別口59Eの径は、5番目に径が小さい金種の硬貨(日本の場合には10円硬貨)は落下するが、最大径の金種の硬貨(日本の場合には500円硬貨)は落下しないような径に、硬貨選別口59Fの径は、最大径の金種の硬貨が落下するような径に、それぞれ、設定されている。
したがって、硬貨選別通路57に送られた入金硬貨は、その径に応じて、すなわち、入金硬貨の金種に応じて、選択的に、対応する硬貨選別口59A、59B、59C、59D、59E、59F内に1枚ずつ落下し、硬貨選別口59A、59B、59C、59D、59E、59Fの下方に設けられた硬貨収納筒60A、60B、60C、60D、60E、60F内に金種別に収納されるように構成されている。
硬貨選別通路57の上方には、基準レール58との距離が次第に小さくなるように、一対のエンドレスベルト61、62が設けられ、一対のエンドレスベルト61、62によって、入金硬貨が基準レール58に沿って搬送されるように構成されている。
硬貨は、硬貨収納筒60A、60B、60C、60D、60E、60F内に上下方向に金種別に収納されるように構成され、硬貨収納筒60A、60B、60C、60D、60E、60Fの底部には、硬貨を1枚ずつ繰り出すための繰り出し開口部(図示せず)が形成されている。
こうして、硬貨収納筒60A、60B、60C、60D、60E、60F内に収納された硬貨は、出金硬貨として使用されるように構成され、硬貨繰り出し機構63A、63B、63C、63D、63E、63Fによって、1枚ずつ、硬貨出金用エンドレスベルト64上に繰り出される。
図4に示されるように、硬貨出金用エンドレスベルト64の上方には、硬貨出金用エンドレスベルト64上に繰り出された出金硬貨を硬貨出金口65に導くガイド板66が配置されている。
図5は、図2のC−C線に沿った略断面図で、貨幣入出金機20の紙幣出金機構23の構成が示されている。
図5に示されるように、貨幣入出金機20の紙幣出金機構23は、硬貨出金用エンドレスベルト64の上方に設けられ、出金すべき紙幣を集積して収納する出金紙幣収納ボックス70と、出金紙幣収納ボックス70から繰り出された出金すべき紙幣を搬送する出金紙幣搬送路71と、紙幣を出金する紙幣出金口72を備えている。図1および図2に示されるように、紙幣出金口72は、硬貨入金口50に隣接し、オペレータに対向するように設けられている。
紙幣出金機構23の出金紙幣収納ボックス70は、スプリングなどの付勢手段73によって、上方に向けて付勢される出金紙幣載置板74を備え、出金すべき紙幣は、その長辺が、硬貨選別通路57が延びる方向と略平行になるように、出金紙幣載置板74上に載置されている。ここに、出金紙幣収納ボックス70内に収納された紙幣は、紙幣入金機構21に入金された紙幣とは独立して、あらかじめオペレータなどによって収納されたものである。
また、本実施態様においては、紙幣出金機構23が大型化するのを防止するため、紙幣出金機構23は単一の金種の紙幣を出金するように構成されている。
出金紙幣収納ボックス70内に収納されている紙幣は、もっぱら釣銭として出金されるものであるため、出金紙幣収納ボックス70内には最高額の金種の紙幣以外の紙幣で、最も釣銭として用いられる頻度が高い金種の紙幣が収納される。最も釣銭として用いられる頻度が高い金種の紙幣は、通常、最も金額の低い金種の紙幣であり、日本国の紙幣の場合には、出金紙幣収納ボックス70内に1000円紙幣のみが収納されている。
出金紙幣収納ボックス70の上部には、出金紙幣載置板74上に載置された出金すべき紙幣を出金紙幣搬送路71内に、1枚ずつ繰り出すための繰り出しローラ75と蹴り出しローラ76が設けられている。なお、出金紙幣載置板74上に載置されている出金すべき紙幣のうち、最上部に位置する紙幣の上面は、付勢部材73によって、常時、繰り出しローラ75と蹴り出しローラ76に押し付けられた状態になっている。
さらに、出金紙幣搬送路71を介して、繰り出しローラ75に対向する位置には、繰り出しローラ75および蹴り出しローラ76と協働して、出金すべき紙幣が、1枚ずつ出金紙幣搬送路71に送り出されることを保証するための分離ローラ77が設けられている。
繰り出しローラ75、蹴り出しローラ76および分離ローラ77によって、出金紙幣搬送路71内に1枚ずつ送り出された出金すべき紙幣は、一対の搬送ローラ78、79によって、出金紙幣搬送路71を搬送され、出金紙幣センサ(図示せず)によって、その枚数が計数されて、紙幣出金口72に出金される。
図6は、図1に示されたPOS端末装置1の制御系、検出系、出力系、表示系および入力系を示すブロックダイアグラムである。
図6に示されるように、本発明の好ましい実施態様のかかるPOS端末装置1の制御系は、POS端末装置1の全体の動作を制御するコントロールユニット80と、POS端末装置1の制御プログラムなどが格納されたROM81と、種々のデータが記憶可能なRAM82を備えている。
ROM81には、POS端末装置1の制御プログラムに加えて、処理すべき紙幣の金種別のサイズに関する基準光学データおよび処理すべき硬貨の金種別の径に関する基準光学データを格納する基準データメモリ領域(図示せず)を備えている。
また、RAM82は、顧客が購入した商品の売買金額に関するデータを記憶する第一のメモリ領域82Aと、顧客から受け取った受け取り金額に関するデータを記憶する第二のメモリ領域82Bと、顧客に支払う釣銭の金額に関するデータを記憶する第三のメモリ領域82Cと、カメラ18が撮像した紙幣および/または硬貨の静止画像データを記憶する第四のメモリ領域82Dとを備えている。
図6に示されるように、本発明の好ましい実施態様のかかるPOS端末装置1の検出系は、バーコードリーダー11と、磁気カードリーダー12と、キャッシュトレイ17の上面に硬貨および/または紙幣が載置されたか否かを検出する貨幣センサ19と、キャッシュトレイ17の上面の状態を撮像可能なカメラ18を備えている。
図6に示されるように、本発明の好ましい実施態様のかかるPOS端末装置1の出力系は、レシートに売買データを記録する印刷装置16を備えている。
図6に示されるように、本発明の好ましい実施態様のかかるPOS端末装置1の表示系は、オペレータ用のディスプレイ14と、顧客用のディスプレイ15を備え、入力系はタッチパネル13を備えている。
図7は、貨幣入出金機20の紙幣入金機構21の制御系、検出系、駆動系を示すブロックダイアグラムである。
図7に示されるように、紙幣入金機構21の制御系は、紙幣入金機構21の全体の動作を制御する第一のコントローラ90と、紙幣入金機構21の制御プログラムや紙幣の金種別の光学的基準データ、磁気的基準データなどが格納されたROM91と、種々のデータが記憶可能なRAM92を備えている。
図7に示されるように、紙幣入金機構21の検出系は、紙幣が紙幣入金口30に挿入されたことを検出する紙幣センサ93と、入金紙幣の光学的データおよび磁気的データを検出する入金紙幣センサ34を備えている。
図7に示されるように、紙幣入金機構21の駆動系は、入金紙幣搬送路33を形成する一対のエンドレスベルト31、32を正方向または逆方向に駆動する第一のモータ94と、ギア38を駆動する第二のモータ95とを備えている。
図8は、貨幣入出金機20の硬貨入出金機構22の制御系、検出系、駆動系を示すブロックダイアグラムである。
図8に示されるように、硬貨入出金機構22の制御系は、硬貨入出金機構22の全体の動作を制御する第二のコントローラ100と、硬貨入出金機構22の制御プログラムや硬貨の金種別の光学的基準データ、磁気的基準データなどが格納されたROM101と、種々のデータが記憶可能なRAM102を備えている。
図8に示されるように、硬貨入出金機構22の検出系は、硬貨入金口50に硬貨が投入されたことを検出する硬貨センサ103と、入金硬貨の光学的データおよび磁気的データを検出する入金硬貨センサ54を備えている。
図8に示されるように、硬貨入出金機構22の駆動系は、回転円板52を回転させる回転円板モータ104と、エンドレスベルト53を駆動する第三のモータ105と、硬貨選別通路57に設けられた一対のエンドレスベルト61、62を駆動する第四のモータ106と、硬貨出金用エンドレスベルト64を駆動する第五のモータ107と、硬貨収納筒60A、60B、60C、60D、60E、60F内に収納された硬貨を、出金硬貨として、1枚ずつ繰り出す硬貨繰り出し機構63A、63B、63C、63D、63E、63Fとを備えている。
図9は、貨幣入出金機20の紙幣出金機構23の制御系、検出系、駆動系を示すブロックダイアグラムである。
図9に示されるように、紙幣出金機構23の制御系は、紙幣出金機構23の全体の動作を制御する第三のコントローラ110と、紙幣出金機構23の制御プログラムなどが格納されたROM111と、種々のデータが記憶可能なRAM112を備えている。
図9に示されるように、紙幣出金機構23の検出系は、出金紙幣収納ボックス70から出金紙幣搬送路71に送り出された出金すべき紙幣を検出して、その枚数を計数する出金紙幣センサ113を備えている。
図9に示されるように、紙幣出金機構23の駆動系は、出金紙幣収納ボックス70から出金すべき紙幣を出金紙幣搬送路71に1枚ずつ繰り出すために、繰り出しローラ75を駆動する第六のモータ114と、蹴り出しローラ76を駆動する第七のモータ115と、分離ローラ77を駆動する第八のモータ116と、出金紙幣搬送路71に設けられた一対の搬送ローラ78、79を駆動する第九のモータ117とを備えている。
以上のように構成された本発明の好ましい実施態様にかかるPOS端末装置1は、以下のようにして、顧客から売買代金を受け取って、受け取り金額を自動的に決定し、必要に応じて、釣銭を顧客に支払うように構成されている。
図10は、本発明の好ましい実施態様にかかるPOS端末装置1において、顧客から売買代金を受け取り、必要に応じて、釣銭を算出する処理を示すフローチャートであり、図11は受け取り金額算出処理を示すサブルーチンである。
本実施態様においては、オペレータが、商品に付されたバーコード(図示せず)をバーコードリーダー11に読み取らせることによって、顧客が購入しようとしている商品の売買金額データがPOS端末装置1に読み込まれる(ステップS1)。
商品に付されたバーコード(図示せず)をバーコードリーダー11が読み取ると、その都度、バーコードリーダー11から売買金額データがコントロールユニット80に出力される。
コントロールユニット80は、バーコードリーダー11から売買金額データを受けると、RAM82の顧客が購入した商品の売買金額に関するデータを記憶する第一のメモリ領域82Aに、商品別の売買金額を書き込み、その都度、合計金額を算出して、RAM82の第一のメモリ領域82Aに書き込む(ステップS2)。
商品別の売買金額および合計の売買金額は、RAM82の第一のメモリ領域82Aに書き込まれるとともに、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示される。
顧客が購入したすべての商品の売買金額データの入力が完了すると、オペレータは商品の売買金額データの入力が完了した旨をタッチパネル13に入力する(ステップS3)。
商品の売買金額データの入力が完了した旨がタッチパネル13に入力されると、タッチパネル13からコントロールユニット80に売買金額データ入力完了信号が出力される。
コントロールユニット80は売買金額データ入力完了信号を受けると、RAM82の第一のメモリ領域82Aに書き込まれた合計の売買金額を、顧客が購入した商品の合計の売買金額として、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示する(ステップS4)。
合計の売買金額が、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示された後に、貨幣センサ19がキャッシュトレイ17の上面に硬貨および/または紙幣が載置されたことを検出すると、貨幣検出信号がコントロールユニット80に出力される(ステップS5)。
貨幣センサ19から貨幣検出信号が入力されると、コントロールユニット80によって、受け取り金額の算出処理が実行される(ステップS6)。
図11に示されるように、まず、コントロールユニット80はカメラ18に撮像開始信号を出力し、カメラ18によって、キャッシュトレイ17の上面の静止画像が所定の時間間隔、たとえば、0.2秒ごとに撮像される(ステップSA1)。
カメラ18によって、所定の時間間隔で撮像された静止画像データは、生成されるたびに、コントロールユニット80に出力される。カメラ18から静止画像データが入力されると、コントロールユニット80は、その都度、静止画像データをRAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶する(ステップSA2)。
同時に、コントロールユニット80は、ROM81の基準データメモリ領域に記憶された処理すべき紙幣の金種別のサイズ、色、表面パターンに関する基準光学データおよび処理すべき硬貨の金種別の径、色および孔の有無に関する基準光学データを読み出して、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶された静止画像データと対比して、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数を判別して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに、キャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数を記憶するとともに、キャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の合計金額を算出して、紙幣の合計金額および/または硬貨の合計金額をRAM82の第二のメモリ領域82Bに記憶する(ステップSA3)。この際、コントロールユニット80は、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15にキャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の合計金額を表示する。
ここに、コントロールユニット80は、カメラ18によって撮像された静止画像データに基づいて、たとえば、以下のようにして、紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数が算出される。
図12は、キャッシュトレイ17の上面に3枚の硬貨が重なり合わないように置かれたときに、カメラ18によって撮像された静止画像を示している。
図12に示されるように、静止画像には、キャッシュトレイ17と、その上面に重なり合わないように置かれた3枚の硬貨の画像(画素集合体)120、121、122が含まれている。
顧客によって、キャッシュトレイ17の上面に硬貨が重なり合わないように置かれた場合には、コントロールユニット80は、以下のようにして、キャッシュトレイ17の上面に硬貨が置かれた旨を判定し、キャッシュトレイ17の上面に置かれた硬貨の枚数と金額を算出することができる。
まず、コントロールユニット80は、硬貨や紙幣が載置されていないキャッシュトレイ17を撮像して得られた前回の静止画像と、次に撮像された静止画像を対比する(ステップSA4)。
その結果、前回に撮像された静止画像データのパターンと今回に撮像された静止画像データが異なっていると判定したときは、コントロールユニット80は、キャッシュトレイ17の上面に置かれた硬貨の枚数と金額の算出処理に着手する。
コントロールユニット80は、まず初めに、それぞれの硬貨の画像(画素集合体)120、121、122ごとに、周縁部の隣り合う2つの画素を一組の画素として選択し、一組の画素を結ぶ線分の傾斜角度を算出して、傾斜角度データを生成し、周縁部の隣り合う一組の画素を結ぶ線分の傾斜角度データのうち、傾斜角度を異にしている傾斜角度データを読み出して、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数を求め、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数が第一のしきい値以上のときは、コントロールユニット80は、周縁部の画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nによって画定される画像(画素集合体)120、121、122は硬貨の画像であると暫定的に判定する。
これに対して、以下に詳述するように、周縁部の隣り合う一組の画素を結ぶ線分の傾斜角度データのうち、傾斜角度を異にしている傾斜角度データを読み出して、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数を求めた結果、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数が第一のしきい値未満しかなく、第一のしきい値未満の数の傾斜角度データが傾斜角度を異にしているに過ぎないときは、コントロールユニット80は、周縁部の画素によって画定される画像(画素集合体)120、121、122は紙幣の画像であると暫定的に判定する。
画像(画素集合体)120、121、122が硬貨の画像であると暫定的に判定したときは、コントロールユニット80は、こうして暫定的に決定された硬貨の画像(画素集合体)120、121、122の周縁部の画素から3つの画素を選択し、これら3つの画素の中心点の座標を求め、他の3つの周縁部の画素を選択して、同様にして求めた複数の中心点の座標を平均して、硬貨の中心座標122CC、121CC、122CC・・・を求め、周縁部の画素との距離を測定して、硬貨の半径を求め、2倍して、硬貨の径を決定する。
次いで、コントロールユニット80は、ROM81の基準データメモリ領域に記憶された処理すべき硬貨の金種別の径、色および孔の有無に関する基準光学データを読み出して、このようにして求められた硬貨の径データを各金種の硬貨の基準径データと対比することによって、硬貨の金種を判定する。
さらに、コントロールユニット80は、先に求めた硬貨の中心座標122CC、121CC、122CCと硬貨の径データとによって、3枚の硬貨の画像120、121、122の領域を画定して、それぞれの硬貨の画像120、121、122の領域ごとに、硬貨の色および孔の有無を判定するとともに、硬貨の色および孔の有無に関する硬貨の基準光学データと、硬貨の色および孔の有無に関するデータを対比して、硬貨の金種を最終的に決定する。
硬貨の金種別の径、色および孔の有無に関する基準光学データの例は、日本国の場合には、以下のとおりである。
1円硬貨:約20.0mm、アルミニウム製(白色系)、孔無し
5円硬貨:約22.0mm、黄銅製(黄色系)、孔有り
10円硬貨:約23.5mm、青銅製(茶色系)、孔無し
50円硬貨:約21.0mm、白銅製(白色系)、孔有り
100円硬貨:約22.6mm:白銅製(白色系)、孔無し
500円硬貨:約25.0mm、白銅製(白色系)、孔無し
図12に示されるように、キャッシュトレイ17の上面に3枚の硬貨が重なり合わないように置かれたときに、以下のようにして、キャッシュトレイ17の上面に置かれた貨幣が硬貨であると判別することもできる。
まず、コントロールユニット80は、硬貨や紙幣が載置されていないキャッシュトレイ17を撮像して得られた前回の静止画像と、次に撮像された静止画像を対比する(ステップSA4)。
その結果、前回に撮像された静止画像データのパターンと今回に撮像された静止画像データが異なっていると判定したときは、コントロールユニット80は、キャッシュトレイ17の上面に置かれた硬貨の枚数と金額の算出処理に着手する。
このとき、キャッシュトレイ17の上面には3枚の硬貨が互いに重なり合わないように置かれており、今回に撮像された静止画像には、図12に示されるように、キャッシュトレイ17上に、複数の画素からなる3つの硬貨の画像(画素集合体)120、121、122が含まれている。
次いで、コントロールユニット80は、今回に撮像された静止画像中の各画素集合体120、121、122の周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nを選択する。ここに、各硬貨の画像(画素集合体)120、121、122の周縁部の画素においては、隣り合った画素のうちに、画素間の距離が所定値以上の画素が存在するので、隣り合った画素との距離を求めることによって、各画素集合体120、121、122の周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nを選択することができる。
次いで、コントロールユニット80は、こうして選択をした各硬貨の画像(画素集合体)120、121、122の周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nの2つを一組にして、各一組の画素間距離を求め、すべての組の画素間距離が第一の所定値以下、たとえば、30mm以下である場合には、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣は硬貨であると暫定的に判別する。
これに対して、各組の画素間距離のうち、1つでも第二の所定値以上、たとえば、70mmであるときは、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣は紙幣であると暫定的に判別する。
キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣が硬貨であると暫定的に判別したときは、コントロールユニット80は、周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nの3つを一組として、各組の中心点の座標を求め、平均をして、各硬貨の画像(画素集合体)120、121、122の中心点の座標を求める。
次いで、コントロールユニット80は、こうして求められた中心点と、周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nとの距離を求める。
キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣が硬貨である場合には、中心点と周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nとの距離は互いに近似しているので、コントロールユニット80は、中心点と周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nとの距離が互いに近似している場合には、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣は硬貨であると判別し、それらの距離を2倍して、当該画素集合体120、121、122の径を算出する。
次いで、コントロールユニット80は、ROM81の基準データメモリ領域に記憶された処理すべき硬貨の金種別の径、色および孔の有無に関する基準光学データを読み出して、このようにして求められた硬貨の径データを各金種の硬貨の基準径データと対比することによって、硬貨の金種を判定する。
さらに、コントロールユニット80は、先に求めた硬貨の中心座標122CC、121CC、122CCと硬貨の径データとによって、3枚の硬貨の画像120、121、122の領域を画定して、それぞれの硬貨の画像120、121、122の領域ごとに、硬貨の色および孔の有無を判定するとともに、硬貨の色および孔の有無に関する硬貨の基準光学データと、硬貨の色および孔の有無に関するデータを対比して、硬貨の金種を最終的に決定する。
これに対して、中心点と周縁部を構成する画素120A、120B、120C、120D・・・120N、121A、121B、121C、121D・・・121N、122A、122B、122C・・・122Nとの距離が互いに近似していない場合および上述した方法で算出された画素集合体120、121、122の径が、硬貨の径に関する基準データと大きく異なっている場合には、コントロールユニット80は、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣は紙幣であると判別する。
図13は、キャッシュトレイ17の上面に1枚の紙幣が置かれたときに、カメラ18によって撮像された静止画像を示している。
図13は、キャッシュトレイ17の上面に1枚の紙幣が置かれたときに、カメラ18によって撮像された静止画像を示しており、静止画像には、キャッシュトレイ17の上面に複数の画素からなる紙幣の画像(画素集合体)130が含まれている。
コントロールユニット80は、かかる静止画像に基づいて、硬貨の場合と同様にして、紙幣の画像(画素集合体)130の周縁部に相当すると考えられる多数の画素130A、130B、130C・・・、130Nを選択する。
次いで、コントロールユニット80は、こうして選択された紙幣の画像130の周縁部の画素130A、130B、130C・・・、130Nから、隣り合う画素で、所定値以上の距離にわたって離間している2つの画素を一組の画素として選択し、隣り合う一組の画素を結ぶ線分の傾斜角度を算出して、傾斜角度データを生成する。同様にして、複数組の画素を結ぶ線分の傾斜角度をそれぞれ算出して、傾斜角度データを生成する。
こうして得られた各組の周縁部の隣り合う2つの画素を結ぶ線分の傾斜角度データのうち、傾斜角度を異にしている傾斜角度データを読み出し、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数が第一のしきい値未満に過ぎないときは、コントロールユニット80は、周縁部の画素によって画定される画素集合体130は紙幣の画像130であると判定する。
周縁部の画素130A、130B、130C、130D・・・によって画定される画像が紙幣の画像130であると判定したときは、コントロールユニット80は、こうして求められた複数組の2つの画素の座標点を結ぶ線分の傾斜角度で、傾斜角度の差が、第二のしきい値以下の傾斜角度の平均値を算出し、その傾斜角度が平均値に等しい直線に沿った周縁部の画素間の距離を求めて、周縁部の画素間の最大距離D1を求め、こうして求めた傾斜角度の平均値と直交する角度の直線上に沿った周縁部の画素間の距離を求めて、周縁部の画素間の最大距離D2を求める。
次いで、コントロールユニット80は、周縁部の画素間の最大距離D1と周縁部の画素間の最大距離D2とを対比し、最大距離が長い方を紙幣の長手方向の長さと決定し、ROM81の基準データメモリ領域に記憶された処理すべき紙幣の金種別の長手方向の長さ、色および表面パターンに関する基準光学データを読み出して、このようにして求められた紙幣の長手方向の長さを各金種の紙幣の長手方向の長さと対比することによって、紙幣の金種を暫定的に判定する。
次いで、コントロールユニット80は、紙幣の色および表面パターンに関する紙幣の基準光学データと、周縁部によって画定された紙幣の画像130から読み取られた紙幣の色および表面パターンに関するデータを対比して、紙幣の金種を最終的に決定する。
紙幣の金種別の長手方向の長さおよび色に関する基準光学データの例は、日本国の場合には、以下のとおりである。
1000円券:約150mm、やや青みがかっている
5000円券:約155mm、やや赤みがかっている
10000円券:約160mm、やや黒みがかっている
顧客によって、キャッシュトレイ17の上面に1枚の紙幣が置かれたときは、以下のようにして、キャッシュトレイ17の上面に置かれた貨幣が紙幣であると判別することもできる。
図13は、キャッシュトレイ17の上面に1枚の紙幣が置かれたときに、カメラ18によって撮像された静止画像を示しており、静止画像には、キャッシュトレイ17の上面に複数の画素からなる紙幣の画像(画素集合体)130が含まれている。
まず、コントロールユニット80は、キャッシュトレイ17の上面に置かれた貨幣が硬貨であった場合と同様にして、紙幣の画像(画素集合体)130の周縁部の画素130A、130B、130C・・・、130Nを選択する。
次いで、コントロールユニット80は、こうして選択をした画素集合体130の周縁部を構成する画素130A、130B、130C・・・、130Nの2つを一組にして、各一組の画素間距離を求め、すべての組の画素間距離が第二の所定値以上、たとえば、70mmであるときは、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣は紙幣であると暫定的に判別する。
これに対して、貨幣の画像(画素集合体)130の周縁部を構成する画素130A、130B、130C・・・、130Nの2つを一組にして、各一組の画素間距離を求め、すべての組の画素間距離が第一の所定値以下、たとえば、30mm以下である場合には、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣は硬貨であると暫定的に判別する。
キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣が紙幣であると暫定的に判別したときは、コントロールユニット80は、隣り合う周縁部の2つの画素を一組の画素として選択し、周縁部の隣り合う一組の画素を結ぶ線分の傾斜角度を算出して、傾斜角度データを生成する。同様にして、複数組の画素を結ぶ線分の傾斜角度をそれぞれ算出して、傾斜角度データを生成する。
こうして生成された各組の周縁部の隣り合う2つの画素を結ぶ線分の傾斜角度データのうち、傾斜角度を異にしている傾斜角度データを読み出し、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数が第一のしきい値未満に過ぎないときは、コントロールユニット80は、周縁部の画素によって画定される画像は紙幣の画像130であると判定するとともに、第一のしきい値未満に過ぎない数の傾斜角度を異にしている傾斜角度データの傾斜角度の平均値を算出し、得られた傾斜角度が紙幣の長手方向に一致すると判定する。
これに対して、傾斜角度を異にしている傾斜角度データの数が第二のしきい値以上であるときは、コントロールユニット80は、周縁部の画素によって画定される画像は硬貨の画像130であると暫定的に判定する。
さらに、コントロールユニット80は、長手方向上に位置する周縁部画素の間の距離を算出して、紙幣の長手方向の長さを決定し、紙幣の長手方向の長さに基づいて、キャッシュトレイ17上に載置されている貨幣が紙幣であると暫定的に判別する。
次いで、コントロールユニット80は、紙幣の色および表面パターンに関する紙幣の基準光学データと、周縁部によって画定された紙幣の画像130から読み取られた紙幣の色および表面パターンに関するデータを対比して、紙幣の金種を最終的に決定する。
紙幣の金種別の長手方向の長さおよび色に関する基準光学データの例は、日本国の場合には、以下のとおりである。
1000円券:約150mm、やや青みがかっている
5000円券:約155mm、やや赤みがかっている
10000円券:約160mm、やや黒みがかっている
図14は、キャッシュトレイ17の上面に3枚の紙幣が置かれたときに、カメラ18によって撮像された静止画像を示している。
図14に示されるように、静止画像には、キャッシュトレイ17の上面に互いにずらされた状態で重ねられた3枚の紙幣の画像130、131、132が含まれている。
かかる場合に、一番上に重ねられた紙幣130の金種は、図13に関連して説明をしたように、決定することができる。
上から二番目に重ねられた紙幣131の金種および三番目に重ねられた紙幣132の金種は、表面パターンに関する紙幣の基準光学データに基づいて、紙幣の角部に印刷された額面を表わす数字および色を検出することによって決定することができる。
図15は、キャッシュトレイ17の上面に置かれた1枚の紙幣130の上面に硬貨が置かれたときに、カメラ18によって撮像された静止画像を示している。
この場合には、紙幣130の上面に硬貨120が置かれる直前の静止画像と図15に示された静止画像とを対比することによって、図12に関連して説明をした方法によって、紙幣の上面に置かれた硬貨の金種を判別することができる。
具体的には、コントロールユニット80は、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の金種を判別する場合には、まず、周縁部に相当する多数の画素を決定し、周縁部に相当する画素間の距離および画素間の傾斜角度に基づいて、キャッシュトレイ17の上面に載置されている貨幣が紙幣か、硬貨かを判別し、上述した判別原理に基づいて、紙幣または硬貨の金種および枚数を算出する。
同様にして、カメラ18によって、所定の時間間隔で、キャッシュトレイ17の上面の静止画像が撮像されて、静止画像データが生成され(ステップSA1)、生成された静止画像データは、コントロールユニット80に出力される。
カメラ18から静止画像データが入力されると、コントロールユニット80は、静止画像データを、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶する(ステップSA2)。
同時に、コントロールユニット80は、ROM81の基準データメモリ領域に記憶された処理すべき紙幣の金種別のサイズ、色および表面パターンに関する基準光学データおよび処理すべき硬貨の金種別の径、色および孔の有無に関する基準光学データを読み出して、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶されたキャッシュトレイ17上に載置された紙幣および/または硬貨のパターンと対比して、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数を判別して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに、キャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数を記憶するとともに、キャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の合計金額を算出して、紙幣の合計金額および/または硬貨の合計金額をRAM82の第二のメモリ領域82Bに記憶する(ステップSA3)。
コントロールユニット80は、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶されているキャッシュトレイ17上に載置されている紙幣および/または硬貨のパターンと、前回の撮像時に、カメラ18によって撮像されて、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶された静止画像データのパターンとを対比して、静止画像データのパターンが前回の静止画像データのパターンと異なっているか否かを判定する(ステップSA4)。
その結果、静止画像データのパターンが前回の静止画像データのパターンと異なっているときは、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bにアクセスして、前回の撮像時に、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された貨幣が硬貨のみであったか否かを判定する(ステップSA5)。
前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されていた貨幣が硬貨のみであった場合には、今回、カメラ18によって生成され、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶された静止画像データに基づいて、今回の撮像時においても、キャッシュトレイ17の上面に載置されている貨幣が硬貨のみであるか否かを判定する(ステップSA6)。
その結果、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されている貨幣が硬貨のみであると判定したときは、顧客が、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、キャッシュトレイ17の上面に、キャッシュトレイ17の上面に載置されている硬貨にさらに硬貨を追加したり、キャッシュトレイ17の上面に載置されている硬貨をより高額の硬貨に置き換えたり、あるいは、キャッシュトレイ17の上面に、売買代金を越える硬貨を載置したために、一部の硬貨を取り去ったりしたと考えられる。
したがって、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、硬貨の金種および枚数ならびに硬貨の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSA7)。同時に、コントロールユニット80は、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に硬貨の合計金額を表示する。
これに対して、今回の撮像時にキャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、硬貨のみではない場合には、キャッシュトレイ17の上面に載置されていたのが硬貨だけであった前回の撮像時と今回の撮像時との間に、顧客が紙幣をキャッシュトレイ17の上面に載置し、キャッシュトレイ17の上面に載置されていた硬貨の上に紙幣が置かれたと考えられるから、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、紙幣の金種および枚数ならびに紙幣の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSA8)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた硬貨の合計金額を読み出して、合算し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
一方、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、硬貨のみではないと判定したときは(ステップSA5)、コントロールユニット80は、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであったか否かを判定する(ステップSA9)。
その結果、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであると判定したときは、コントロールユニット80は、さらに、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであるか否かを判定する(ステップSA10)。
その結果、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであると判定したときは、キャッシュトレイ17の上面に紙幣のみが載置されていた前回の撮像時と今回の撮像時との間に、顧客が紙幣をキャッシュトレイ17の上面に追加したか、その一部を取り去ったか、あるいは、異なる金種の紙幣に交換したと考えられるから、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、紙幣の金種および枚数ならびに紙幣の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSA11)。同時に、コントロールユニット80は、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣の合計金額を表示する。
一方、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみではないと判定したときは、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣の上に硬貨が置かれたと考えられるから、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、硬貨の金種および枚数ならびに硬貨の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSA12)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた紙幣の合計金額を読み出して、合算し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
これに対して、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみではないと判定したときは、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは硬貨のみでもないから、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは紙幣と硬貨であり、今回の撮像時においても、キャッシュトレイ17の上面には、紙幣と硬貨が載置されている。キャッシュトレイ17の上面に紙幣と硬貨が置かれている場合、通常は、紙幣の上に硬貨が載置されている。
したがって、コントロールユニット80は、前回に撮像された静止画像データのパターンと今回に撮像された静止画像データのパターンとを対比し、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、キャッシュトレイ17の上面に追加されて、載置されたのは紙幣あるいは硬貨かを判定して(ステップSA13)、紙幣であると判定したときは、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、紙幣の金種および枚数ならびに紙幣の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSA14)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた紙幣および硬貨の合計金額を読み出して、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
これに対して、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、キャッシュトレイ17の上面に追加されて載置され、あるいは、取り除かれたのは硬貨であると判定したときは、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、硬貨の金種および枚数ならびに硬貨の合計金額を新たに算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSA15)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた紙幣および硬貨の合計金額に新たに算出した硬貨の金額が加えられた新たな合計金額を読み出して、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
以上の処理が、所定時間間隔で繰り返して実行され、顧客が売買代金の支払いが完了したと判定すると、オペレータは、タッチパネル13に受け取り金額を確定すべき旨を指示する受け取り金額確定信号を入力する(ステップSA16)。
この際、オペレータが、カメラ18で撮像をした紙幣および/または硬貨の静止画像データに基づいて算出された顧客からの受け取り金額に誤りがあると判定したときは、顧客からの受け取り金額を訂正する旨の受取り金額訂正信号をタッチパネル13に入力するとともに、タッチパネル13に正しい受け取り金額を入力する。タッチパネル13に入力された受取り金額訂正信号と正しい受け取り金額データはコントロールユニット80に入力され、受取り金額訂正信号と正しい受け取り金額データを受けると、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに記憶されている顧客からの受け取り金額を書き換える。
オペレータは、受取り金額訂正信号および正しい受け取り金額をタッチパネル13に入力した後に、タッチパネル13に受け取り金額確定信号を入力する。
受け取り金額確定信号はコントロールユニット80に出力され、コントロールユニット80は受け取り金額確定信号を受けると、第二のメモリ領域82Bに記憶されている紙幣および/または硬貨の合計金額を受け取り金額として決定し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に受け取り金額を表示する(ステップS7)。
コントロールユニット80は、さらに、こうして決定された受け取り金額に関するデータをRAM82の第一のメモリ領域82Aに記憶されている顧客が購入した商品の売買金額に関するデータと対比して、釣銭の金額を算出し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に釣銭の金額を表示するとともに、釣銭として顧客に支払う紙幣の枚数ならびに/または硬貨の金種および枚数を決定し、釣銭の額とともに、RAM82の第三のメモリ領域82Cに書き込む(ステップS8)。
次いで、コントロールユニット80は、貨幣入出金機20の硬貨入出金機構22の第二のコントローラ100に、出金すべき硬貨の金種別枚数を特定して、出金指示信号を出力し、貨幣入出金機20の紙幣出金機構23の第三のコントローラ110に出金すべき紙幣の枚数を特定して、出金指示信号を出力する。ここに、紙幣出金機構23は釣銭として使用される頻度が最も高い金種の紙幣、日本の紙幣の場合には、1000円紙幣のみを出金するように構成されているため、コントロールユニット80は紙幣出金機構23の第三のコントローラ110には、単に出金すべき紙幣の枚数のみを特定して、釣銭として出金することを指示するように構成されている。
POS端末装置1のコントロールユニット80から、出金指示信号を受けると、硬貨入出金機構22の第二のコントローラ100は、コントロールユニット80が特定した出金すべき硬貨の金種別枚数にしたがって、硬貨繰り出し機構63A、63B、63C、63D、63E、63Fに選択的に駆動信号を出力するとともに、第五のモータ107に駆動信号を出力して、硬貨収納筒60A、60B、60C、60D、60E、60F内に収納された硬貨を、選択的に1枚ずつ、硬貨出金用エンドレスベルト64上に繰り出させる。
硬貨出金用エンドレスベルト64上に繰り出された硬貨は、ガイド板66によって、硬貨出金口65に導かれて、釣銭用の硬貨として出金される。
一方、POS端末装置1のコントロールユニット80から、出金指示信号を受けると、紙幣出金機構23の第三のコントローラ110は、コントロールユニット80が特定した出金すべき紙幣の枚数にしたがって、第六モータ114、第七のモータ115、第八のモータ116および第九のモータ117に駆動信号を出力する。
その結果、出金紙幣収納ボックス70の出金紙幣載置板74上に載置された紙幣のうち、最上部に位置する紙幣が蹴り出しローラ75によって、繰り出しローラ76に向けて、蹴り出され、蹴り出しローラ75によって蹴り出された紙幣は繰り出しローラ76によって、出金紙幣搬送路71内に繰り出される。この際、分離ローラ77によって、二枚以上の紙幣が出金紙幣搬送路71内に繰り出されることが防止され、紙幣は1枚ずつ、出金紙幣搬送路71内に繰り出され、一対の搬送ローラ78、79によって、出金紙幣搬送路71内を搬送され、紙幣出金口72に、釣銭用の紙幣として出金される。
出金紙幣搬送路71には、出金される紙幣の枚数を計数する出金紙幣センサ113が設けられており、出金する紙幣を検出するたびに、出金紙幣センサ113から第三のコントローラ110に出金紙幣検出信号が出力され、第三のコントローラ110は、出金紙幣センサ113から入力される出金紙幣検出信号に基づいて、出金された紙幣の枚数を計数し、POS端末装置の1のコントロールユニット80から指示された枚数の紙幣が出金されたと判定をすると、第六のモータ114、第七のモータ115、第八のモータ116および第九のモータ117に駆動停止信号を出力し、紙幣の出金が完了する。
こうして出金された紙幣および/または硬貨は、釣銭として、オペレータによって、顧客に払い渡される。
ステップSA15までの受け取り金額の自動算出処理結果が正しいものと判断して、オペレータがタッチパネル13に直ちに受け取り金額確定信号を入力した場合には、釣銭を顧客に手渡した後に、顧客が売買代金としてキャッシュトレイ17上に載置した現金がオペレータによって取り去られ、貨幣入出金機20に入金される。
これに対して、ステップSA15までの受け取り金額の自動算出処理結果が正しくないとオペレータが判断したときは、売買代金としてキャッシュトレイ17上に載置された現金を、オペレータが手元に置いて再確認した後、タッチパネル13に正しい受け取り金額を入力する。したがって、オペレータが手元に置いた顧客からの紙幣および/または硬貨は、釣銭を顧客に手渡した後、オペレータによって貨幣入出金機20に入金される。
顧客から受け取った紙幣を入金する場合には、オペレータによって、紙幣が1枚ずつ、紙幣入金口30に挿入され、紙幣が紙幣センサ93によって検出される。
紙幣センサ93は紙幣入金口30に挿入された紙幣を検出すると、紙幣検出信号を第一のコントローラ90に出力する。
紙幣検出信号を受けると、第一のコントローラ90は、第一のモータ94に第一の駆動信号を出力して、一対のエンドレスベルト31、32を正方向に回転させるとともに、ギア38を駆動する第二のモータ95に駆動信号を出力する。
その結果、一対のエンドレスベルト31、32によって、紙幣は入金紙幣搬送路33内を搬送され、入金紙幣センサ34によって、紙幣の光学的データおよび磁気的データが検出される。紙幣の光学的データおよび磁気的データは、入金紙幣センサ34から第一のコントローラ90に出力される。
入金紙幣センサ34から紙幣の光学的データおよび磁気的データを受けると、第一のコントローラ90はROM91にアクセスして、紙幣の金種別の光学的基準データおよび磁気的基準データを読み出して、入金紙幣センサ34から入力された紙幣の光学的データおよび磁気的データと対比し、公知の方法で、入金紙幣センサ34によって検出された紙幣が真正で受け取り可能な紙幣か、偽造紙幣などの受け取り不可能な紙幣かを判別する。
その結果、入金紙幣センサ34によって検出された紙幣が偽造紙幣などの受け取り不可能な紙幣であると判別すると、第一のコントローラ90は、第一のモータ94に第二の駆動信号を出力して、一対のエンドレスベルト31、32を逆方向に回転させて、紙幣を紙幣入金口30に返却するとともに、RAM92の入金紙幣の真偽に関する情報を記憶するメモリ領域に、受け取り不能な紙幣が検出された旨の情報を記録する。
これに対して、入金紙幣センサ34によって検出された紙幣が真正で受け取り可能な紙幣であると判別すると、第一のコントローラ90は、同時に、その紙幣の金種を判別し、RAM92のその金種の紙幣に関するデータを記憶するメモリ領域に書き込まれている入金紙幣の枚数を1だけ増大させる。
さらに、第一のコントローラ90は、一対のエンドレスベルト31、32を駆動して、その紙幣を入金紙幣収納ボックス35のガイド部材36上に載置させるとともに、第二のモータ95に駆動信号を出力して、ギア38を回転駆動させる。
その結果、プッシャー39が下方に移動され、ガイド部材36の開口部(図示せず)を通過すると、ガイド部材36に支持された入金紙幣が入金紙幣載置板37に向けて押し込まれ、入金紙幣載置板37上に載置される。
このとき、入金紙幣載置板37は、スプリングなどの付勢手段40の付勢力に抗して、紙幣の厚みに相当する距離だけ、下降される。
こうして、顧客から受け取った紙幣が、貨幣入出金機20の紙幣入金機構21の入金紙幣収納ボックス35内に入金され、入金された紙幣の合計金額はRAM92の入金紙幣に関するデータを記憶するメモリ領域に書き込まれる。
一方、顧客から受け取った硬貨を入金する場合には、オペレータによって、複数の硬貨が硬貨入金口50に投入される。
その結果、硬貨センサ103によって、硬貨が硬貨入金口50に投入されたことが検出され、硬貨検出信号が第二のコントローラ100に出力される。
硬貨センサ103から硬貨検出信号を受けると、第二のコントローラ100は、回転円板モータ104に駆動信号を出力して、回転円板52を回転させる。
その結果、硬貨入金口50に投入された硬貨は、回転している回転円板52の上面に落下し、回転によって生じた遠心力によって、1枚ずつ、入金硬貨搬送路51に送り出される。
硬貨検出信号が第二のコントローラ100に出力されると、第二のコントローラ100は同時に、第三のモータ105に駆動信号を出力して、入金硬貨搬送路51に設けられたエンドレスベルト53を駆動する。
こうして、エンドレスベルト53によって、硬貨が入金硬貨搬送路51内を搬送され、入金硬貨センサ54に達すると、入金硬貨センサ54によって、入金硬貨の光学的データおよび磁気的データが検出され、検出された入金硬貨の光学的データおよび磁気的データは第二のコントローラ100に出力される。
入金硬貨の光学的データおよび磁気的データを受けると、第二のコントローラ100はROM101にアクセスして、硬貨の金種別の光学的基準データおよび磁気的基準データを読み出して、入金硬貨センサ54から入力された硬貨の光学的データおよび磁気的データと対比し、公知の方法で、入金硬貨センサ54によって検出された硬貨が真正で受け取り可能な硬貨か、偽造硬貨などの受け取り不可能な硬貨かを判別する。
その結果、硬貨が偽造硬貨などの受け入れ不能な硬貨と判別されたときは、入金硬貨センサ54の下流側に設けられた受け入れ不能硬貨回収口55から、受け入れ不能硬貨収納ボックス(図示せず)内に回収される。
これに対して、第二のコントローラ100が、硬貨が受け入れ可能な硬貨と判別したときは、RAM102の入金硬貨に関するデータを記憶するメモリ領域に、入金硬貨の金種および枚数を記憶させる。
硬貨は入金硬貨搬送路51内をさらに搬送され、屈曲部56を介して、硬貨選別通路57に送られる。
硬貨検出信号が第二のコントローラ100に出力されると、第二のコントローラ100は同時に、第四のモータ106に駆動信号を出力して、硬貨選別通路57に設けられた一対のエンドレスベルト61、62を駆動する。
その結果、入金硬貨は一対のエンドレスベルト61、62によって、硬貨選別通路57内を基準レール58に沿って、下流側に向けて搬送される。
硬貨選別通路57には、基準レール58に沿って、金種別に硬貨を落下させて選別する硬貨選別口59A、59B、59C、59D、59E、59Fが形成されており、硬貨選別通路57の最も上流側に位置する硬貨選別口59Aの径は、処理すべき硬貨のうち、最小径の金種の硬貨は落下するが、2番目に径が小さい金種の硬貨は落下しないような径に、硬貨選別口59Bの径は、2番目に径が小さい金種の硬貨は落下するが、3番目に径が小さい金種の硬貨は落下しないような径に、硬貨選別口59Cの径は、3番目に径が小さい金種の硬貨は落下するが、4番目に径が小さい金種の硬貨は落下しないような径に、硬貨選別口59Dの径は、4番目に径が小さい金種の硬貨は落下するが、5番目に径が小さい金種の硬貨は落下しないような径に、硬貨選別通路57の最も下流側に位置する硬貨選別口59Eの径は、5番目に径が小さい金種の硬貨は落下するが、最大径の金種の硬貨は落下しないような径に、硬貨選別口59Fの径は、最大径の金種の硬貨が落下するような径に、それぞれ、設定されている。
したがって、処理すべき硬貨のうち、最小径の金種の硬貨のみが硬貨選別通路57の最も上流側に形成された硬貨選別口59Aから、2番目に径が小さい金種の硬貨のみが硬貨選別口59Bから、3番目に径が小さい金種の硬貨のみが硬貨選別口59Cから、4番目に径が小さい金種の硬貨のみが硬貨選別口59Dから、5番目に径が小さい金種の硬貨のみが硬貨選別口59Eから、それぞれ落下し、最大径の硬貨は硬貨選別口59Fから落下するから、処理すべき硬貨のうち、最小径の金種の硬貨は硬貨収納筒60A内に、2番目に径が小さい金種の硬貨は硬貨収納筒60B内に、3番目に径が小さい金種の硬貨は硬貨収納筒60C内に、4番目に径が小さい金種の硬貨は硬貨収納筒60D内に、5番目に径が小さい金種の硬貨は硬貨収納筒60E内に、最大径の硬貨は硬貨収納筒60F内に収納される。
こうして、顧客から受け取った紙幣および/または硬貨が貨幣入出金機20に入金される。
本実施態様によれば、顧客が商品の売買代金として、キャッシュトレイ17の上面に載置された現金の受け取り金額は、カメラ18によって、所定の時間間隔で、キャッシュトレイ17の上面を撮像して、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の静止画像データを生成し、紙幣の金種別のサイズ、色、表面パターンについての光学基準データおよび/または硬貨の金種別の径、孔の有無、色についての光学基準データと対比して、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣ならびに/または硬貨の金種および枚数を判別することによって、確定するように構成されているから、オペレータは自らの責任で顧客から受け取った受取り額を確定する必要がなく、したがって、オペレータの精神的な負担を軽減することができ、受け取り金額が確定後、ただちに釣銭が支払われるので、釣銭を支払うまでに長時間を要し、顧客に時間を浪費させることを確実に防止することが可能になる。
図16は、本発明の別の好ましい実施態様にかかるPOS端末装置1の略斜視図である。
図16に示されるように、本発明の別の好ましい実施態様にかかるPOS端末装置1においては、撮像装置であるカメラ18が、キャッシュトレイ17の上面のみならず、キャッシュトレイ17の上面の周辺領域まで撮像可能に構成されている。
図6に示されるように、本実施態様においても、RAM82は、顧客が購入した商品の売買金額に関するデータを記憶する第一のメモリ領域82Aと、顧客から受け取った受け取り金額に関するデータを記憶する第二のメモリ領域82Bと、顧客に支払う釣銭の金額に関するデータを記憶する第三のメモリ領域82Cと、カメラ18が撮像した紙幣および/または硬貨の静止画像データを記憶する第四のメモリ領域82Dを備えている。
図17は、このように構成された本発明の別の好ましい実施態様にかかるPOS端末装置1において実行される受け取り金額算出処理を示すサブルーチンである。
本実施態様にかかるPOS端末装置1においても、図10に示されるフローチャートにしたがって、顧客から売買代金を受け取り、釣銭が算出される。
まず、オペレータが、商品に付されたバーコード(図示せず)をバーコードリーダー11に読み取らせることによって、顧客が購入しようとしている商品の売買金額データがPOS端末装置1に読み込まれ(ステップS1)、商品に付されたバーコード(図示せず)をバーコードリーダー11が読み取ると、その都度、バーコードリーダー11から売買金額データがコントロールユニット80に出力される。
コントロールユニット80は、バーコードリーダー11から売買金額データを受けると、RAM82の顧客が購入した商品の売買金額に関するデータを記憶する第一のメモリ領域82Aに、商品別の売買金額データを書き込み、その都度、合計金額を算出して、RAM82の第一のメモリ領域82Aに書き込むとともに(ステップS2)、商品別売買金額および合計の売買金額をオペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示される。
顧客が購入したすべての商品の売買金額データの入力が完了すると、オペレータは商品の売買金額データの入力が完了した旨をタッチパネル13に入力する(ステップS3)。
商品の売買金額データの入力が完了した旨がタッチパネル13に入力されると、タッチパネル13からコントロールユニット80に売買金額データ入力完了信号が出力され、コントロールユニット80は売買金額データ入力完了信号を受けると、RAM82の第一のメモリ領域82Aに書き込まれた合計の売買金額を、顧客が購入した商品の合計の売買金額として、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示する(ステップS4)。
合計の売買金額が、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示された後に、貨幣センサ19がキャッシュトレイ17の上面に硬貨および/または紙幣が載置されたことを検出すると、貨幣検出信号がコントロールユニット80に出力される(ステップS5)。
貨幣センサ19から貨幣検出信号が入力されると、コントロールユニット80は受け取り金額算出処理を開始する。
コントロールユニット80は、まず、カメラ18に撮像開始信号を出力し、カメラ18によって、キャッシュトレイ17の上面の静止画像を所定の時間間隔で撮像する(ステップSB1)。
カメラ18によって、所定の時間間隔で撮像された静止画像データは、生成されるたびに、コントロールユニット80に出力される。カメラ18から静止画像データが入力されると、コントロールユニット80は、RAM82の第四のメモリ領域82Dに静止画像データを書き込む。この際、コントロールユニット80は、カメラ18から入力された静止画像データに基づいて、キャッシュトレイ17の周辺領域に手が写っているか否かを判定する(ステップSB2)。
その結果、静止画像のキャッシュトレイ17の周辺領域に手が写っていないと判定したときは、コントロールユニット80は、その都度、静止画像データを、画像パターンの形で、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶する(ステップSB3)。
同時に、コントロールユニット80は、ROM81の基準データメモリ領域に記憶された処理すべき紙幣の金種別のサイズ、色および表面パターンに関する基準光学データおよび処理すべき硬貨の金種別の径、色および孔の有無に関する基準光学データを読み出して、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶されたキャッシュトレイ17上に載置された紙幣および/または硬貨のパターンと対比して、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数を判別して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに、キャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数を記憶するとともに、キャッシュトレイ17の上面に載置されている紙幣および/または硬貨の合計金額を算出して、紙幣の合計金額および/または硬貨の合計金額をRAM82の第二のメモリ領域82Bに記憶する(ステップSB4)。
一方、静止画像に手が写っていると判定したときは、コントロールユニット80は、その手が顧客の手か、オペレータの手かを判定する(ステップSB5)。
ここに、静止画像に移っている手が顧客のものか、オペレータのものかは、手が伸びて来る方向を判別することによって、判定することができる。
その結果、静止画像に写っている手が顧客の手であると判定したときは、顧客はキャッシュトレイ17の上面に紙幣および/または硬貨を追加するため、あるいは、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の一部を取り去るため、あるいは、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨を他の金種の紙幣および/または硬貨に置き換えるために、キャッシュトレイ17の上方に手を伸ばしていると考えられ、売買代金を支払う上での普通の行動であるから、ステップSB3に移行して、静止画像に手が写っていない場合と同様の処理が実行される。
これに対して、静止画像に写っている手がオペレータの手であると判定したときは、コントロールユニット80は、顧客によってキャッシュトレイ17上に載置された紙幣および/または硬貨の受け取り金額を、POS端末装置1が自動的に算出処理できないおそれがあるために、オペレータが顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨を、手にとって確認するために手を伸ばしているものと判断する。
したがって、オペレータの手がキャッシュトレイ17に向けて伸びた場合には、前回の撮像時、すなわち、オペレータがキャッシュトレイ17に向けて手を伸ばす前の撮像時に生成された静止画像データに基づいて算出され、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれているキャッシュトレイ17上の紙幣および/または硬貨の金種および枚数ならびに合計金額をそのまま保持しておくことが効率的であるので、コントロールユニット80は、オペレータがキャッシュトレイ17に向けて手を伸ばした後に撮像された静止画像データをRAM82の第四のメモリ領域82Dには書き込まず、無効とする(ステップSB6)。
オペレータは、手にとって確認した紙幣および/または硬貨の受け取り金額が、カメラ18で撮像をした紙幣および/または硬貨の静止画像データに基づいて算出された顧客からの受け取り金額に一致した場合には、直ちに、タッチパネル13に受け取り金額を確定すべき旨を指示する受け取り金額確定信号を入力する。これに対して、カメラ18で撮像をした紙幣および/または硬貨の静止画像データに基づいて算出された顧客からの受け取り金額に誤りがあると判定したときは、顧客からの受け取り金額を訂正する旨の受取り金額訂正信号をタッチパネル13に入力するとともに、タッチパネル13に正しい受け取り金額を入力した後に、タッチパネル13に受け取り金額確定信号を入力する(ステップSB20)。
静止画像データが、画像パターンの形で、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶されると、コントロールユニット80は、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶されているキャッシュトレイ17上に載置されている紙幣および/または硬貨のパターンが、前回の撮像時に、カメラ18によって撮像されて、入力され、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶された静止画像データのパターンとを対比して、今回の静止画像データのパターンが前回の静止画像データのパターンと異なっているか否かを判定する(ステップSB7)。
その結果、静止画像データのパターンが前回の静止画像データのパターンと異なっているときは、コントロールユニット80は、RAM82の第四のメモリ領域82Dにアクセスして、前回の撮像時に、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された貨幣が硬貨のみであったか否かを判定する(ステップSB8)。
前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されていた貨幣が硬貨のみであったと判定したときは、今回、カメラ18によって生成され、RAM82の第四のメモリ領域82Dに記憶された静止画像データに基づいて、今回の撮像時においても、キャッシュトレイ17の上面に載置されている貨幣が硬貨のみであるか否かを判定する(ステップSB9)。
その結果、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されている貨幣が硬貨のみであると判定したときは、顧客が、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、キャッシュトレイ17の上面に、キャッシュトレイ17の上面に載置されている硬貨にさらに硬貨を追加したり、キャッシュトレイ17の上面に載置されている硬貨をより高額の硬貨に置き換えたり、あるいは、キャッシュトレイ17の上面に、売買代金を越える硬貨を載置したために、一部の硬貨を取り去ったりしていると考えられる。
したがって、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、硬貨の金種および枚数ならびに硬貨の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSB10)。同時に、コントロールユニット80は、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に硬貨の合計金額を表示する。
これに対して、今回の撮像時にキャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、硬貨のみではなく、紙幣が写っている場合には、キャッシュトレイ17の上面に載置されていたのが硬貨だけであった前回の撮像時と今回の撮像時との間に、顧客が紙幣をキャッシュトレイ17の上面に載置し、キャッシュトレイ17の上面に載置された硬貨の上に紙幣が置かれていると考えられるから、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、紙幣の金種および枚数ならびに紙幣の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSB11)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた硬貨の合計金額を読み出して、合算し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
一方、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、硬貨のみではないと判定したときは(ステップSB8)、コントロールユニット80は、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであるか否かを判定する(ステップSB12)。
その結果、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであると判定したときは、コントロールユニット80は、さらに、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであるか否かを判定する(ステップSB13)。
判定の結果、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみであると判定したときは、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、紙幣の金種および枚数ならびに紙幣の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSB14)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた紙幣の合計金額を読み出して、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣の合計金額を表示する。
一方、今回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみではないと判定したときは、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣の上に、さらに硬貨が載置されたと考えられるから、コントロールユニット80は、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、硬貨の金種および枚数ならびに硬貨の合計金額を算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSB15)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた紙幣の合計金額を読み出して、合算し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
これに対して、前回の撮像時に、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは、紙幣のみではないと判定したときは、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは硬貨のみでもないから、キャッシュトレイ17の上面に載置されているのは紙幣と硬貨であり、今回の撮像時においても、キャッシュトレイ17の上面には、紙幣と硬貨が載置されている。キャッシュトレイ17の上面に紙幣と硬貨が置かれている場合、通常は、紙幣の上に硬貨が載置されている。
したがって、コントロールユニット80は、前回に撮像された静止画像データのパターンと今回に撮像された静止画像データのパターンとを対比し、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、キャッシュトレイ17の上面に追加され、載置されたのは紙幣あるいは硬貨かを判定して(ステップSB16)、紙幣であると判定したときは、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、紙幣の金種および枚数ならびに紙幣の合計金額を新たに算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSB17)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた硬貨の合計金額を読み出して、合算し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
これに対して、前回の撮像時と今回の撮像時との間に、キャッシュトレイ17の上面に追加されて載置され、あるいは、取り去られたのは硬貨であると判定したときは、今回の撮像によって生成された静止画像データに基づいて、硬貨の金種および枚数ならびに硬貨の合計金額を新たに算出して、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込む(ステップSB18)。同時に、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれていた紙幣の合計金額を読み出して、合算し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に紙幣および硬貨の合計金額を表示する。
以上の処理が、所定時間間隔で繰り返して実行され、オペレータは、顧客が売買代金の支払いが完了したと判定すると、タッチパネル13に受け取り金額を確定すべき旨を指示する受け取り金額確定信号を入力する(ステップSB19)。
受け取り金額確定信号はコントロールユニット80に出力され、コントロールユニット80は受け取り金額確定信号を受けると、第二のメモリ領域82Bに記憶されている紙幣および/または硬貨の合計金額を受け取り金額として決定し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に受け取り金額を表示する(ステップS7)。
コントロールユニット80は、さらに、こうして決定された受け取り金額に関するデータをRAM82の第一のメモリ領域82Aに記憶されている顧客が購入した商品の売買金額に関するデータと対比して、釣銭の金額を算出し、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に釣銭の金額を表示するとともに、釣銭として顧客に支払う紙幣の金種および枚数ならびに/または硬貨の金種および枚数を決定し、釣銭の額とともに、RAM82の第三のメモリ領域82Cに書き込む(ステップS8)。
ステップSB19において、オペレータが、何らかの理由で、オペレータ用のディスプレイ14に表示された受け取り金額が誤りであると判定したときには、オペレータは受け取り金額訂正信号をタッチパネル13に入力するとともに、正しい受け取り金額をタッチパネル13に入力する。
タッチパネル13に入力された受け取り金額訂正信号および正しい受け取り金額に関するデータは、コントロールユニット80に入力され、受取り金額訂正信号を受けると、コントロールユニット80は、RAM82の第二のメモリ領域82Bに書き込まれている顧客からの受け取り金額を書き換える。次いで、オペレータがタッチパネル13に受け取り金額確定信号が入力されると、コントロールユニット80は訂正された受け取り金額に関するデータをRAM82の第一のメモリ領域82Aに記憶されている顧客が購入した商品の売買金額に関するデータと対比して、釣銭の金額を算出するとともに、RAM82の第一のメモリ領域82Aに記憶された合計の売買金額、RAM82の第二のメモリ領域82Bに記憶された受け取り金額および釣銭の金額を、オペレータ用のディスプレイ14および顧客用のディスプレイ15に表示する。同時に、コントロールユニット80は、釣銭として顧客に支払う紙幣の枚数ならびに/または硬貨の金種および枚数を決定し、釣銭の金額とともに、RAM82の第三のメモリ領域82Cに記憶する(ステップS8)。
次いで、コントロールユニット80は、こうして決定された出金すべき硬貨の金種別枚数に基づいて、貨幣入出金機20の硬貨入出金機構22の第二のコントローラ100に出金指示信号を出力し、こうして決定された出金すべき紙幣の枚数に基づいて、貨幣入出金機20の紙幣出金機構23の第三のコントローラ110に出金指示信号を出力する。
コントロールユニット80から、貨幣入出金機20の硬貨入出金機構22の第二のコントローラ100および貨幣入出金機20の紙幣出金機構23の第三のコントローラ110出金指示信号が出力されると、図1ないし図15に示された実施態様と同様にして、貨幣入出金機20から、釣銭が払い出される。
本実施態様によれば、顧客が商品の売買代金として、キャッシュトレイ17の上面に載置された現金の受け取り金額は、カメラ18によって、所定の時間間隔で、キャッシュトレイ17の上面を撮像し、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の静止画像データと、紙幣の金種別のサイズ、色、表面パターンについての光学基準データおよび/または硬貨の金種別の径、孔の有無、色についての光学基準データと対比して、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣ならびに/または硬貨の金種および枚数を判別することによって、確定するように構成され、POS端末装置1によって、顧客からの受け取り金額が暫定的に確定されるから、オペレータは完全に自らの責任で顧客から受け取った受取り額を確定する必要がなく、したがって、オペレータの精神的な負担を軽減することができ、受け取り金額が確定後、ただちに釣銭が支払われるので、釣銭を支払うまでに長時間を要し、顧客に時間を浪費させることを確実に防止することが可能になる。
さらに、オペレータがキャッシュトレイ17の上面に手を伸ばした場合には、コントロールユニット80は、顧客によってキャッシュトレイ17上に載置された紙幣および/または硬貨の受け取り金額を、POS端末装置1が自動的に算出処理できないおそれがあるために、オペレータが顧客によってキャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨を、手にとって確認するために手を伸ばしているものと判断し、オペレータがキャッシュトレイ17の上面に手を伸ばした後も、撮像された静止画像データに基づいて、キャッシュトレイ17の上面に載置された紙幣および/または硬貨の金種および枚数を算出することは無駄な処理であるし、受け取り金額の算出エラーの原因になる。しかしながら、本実施態様によれば、オペレータがキャッシュトレイ17の上面に手を伸ばした場合には、オペレータがキャッシュトレイ17に向けて手を伸ばした後に撮像された静止画像データを無効にし、前回の撮像時、すなわち、オペレータがキャッシュトレイ17に向けて手を伸ばす前の撮像時に生成された静止画像データに基づいて算出され、RAM82の第二のメモリ領域に書き込まれているキャッシュトレイ17上の紙幣および/または硬貨の金種および枚数ならびに合計金額をそのまま保持しておくように構成されているから、きわめて効率的であり、また、オペレータが紙幣および/または硬貨を手にとって確認した結果、紙幣および/または硬貨の受け取り金額が、カメラ18で撮像をした紙幣および/または硬貨の静止画像データに基づいて算出された顧客からの受け取り金額に一致した場合には、オペレータはタッチパネル13に直ちに受け取り金額確定信号を入力し、これに対して、一致しない場合には、顧客からの受け取り金額を訂正する旨の受取り金額訂正信号をタッチパネル13に入力するとともに、タッチパネル13に正しい受け取り金額を入力した後に、タッチパネル13に受け取り金額確定信号を入力するように構成されているから、オペレータの手がキャッシュトレイ17の上面に向けて伸ばされたことに起因する紙幣および/または硬貨の金種ならびに枚数の算出エラーが発生することを効果的に防止することが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、POS端末装置1について説明がなされているが、本発明はPOS端末装置以外の売買代金支払いシステムに広く適用することができる。
さらに、前記実施態様においては、POS端末装置1は、磁気カード(図示せず)に記録された磁気データを読み取り可能な磁気カードリーダー12を備えているが、磁気カードリーダー12を備えていることは必ずしも必要でない。
また、前記実施態様においては、商品の売買金額は、商品に付されたバーコード(図示せず)をバーコードリーダー11に読み取らせることによって、POS端末装置1に読み込んでいるが、バーコードを用いて、商品の代金を読み取ることは必ずしも必要でなく、バーコード以外の手段を用いて、商品の代金を読み取るようにしてもよく、オペレータが手で商品の代金を入力するようにしてもよい。
さらに、前記実施態様においては、オペレータがデータを入力する手段としてタッチパネル13が用いられているが、データ入力手段としてタッチパネル13を用いることは必ずしも必要でなく、たとえば、キーボードなどの他の入力手段を用いることもできる。
また、前記実施態様においては、貨幣入出金機20の紙幣出金機構23は、釣銭として用いられる頻度が最も高い最も金額の低い単一の金種の紙幣を出金するように構成されているが、複数の金種の紙幣を出金するように構成することもできる。
さらに、前記実施態様においては、POS端末装置1には、上述の構成を有する紙幣入金機構21、硬貨入出金機構22および紙幣出金機構23を備えた貨幣入出金機20が付属されているが、顧客から受け取った紙幣および硬貨を入金可能で、釣銭として、紙幣および硬貨を出金可能であればよく、貨幣入出金機20、紙幣入金機構21、硬貨入出金機構22および紙幣出金機構23の構成は任意であり、図2ないし図9に示された構成を有するものに限定されるものではない。
また、前記実施態様においては、紙幣のサイズ、色および表面パターンに基づいて、紙幣の金種を判別し、硬貨のサイズ(径)、色および孔の有無に基づいて、硬貨の金種を判別しているが、これらに加えて、あるいは、これらに代えて、他のファクターを用いて、紙幣および/または硬貨の金種を判別するようにしてもよい。
さらに、図16ないし図17に示された実施態様においては、撮像装置が単一のカメラ18によって、トレイ17の上面とその周辺領域が撮像されているが、トレイ17の上面を撮像する第一のカメラと、トレイ17の上面の周辺領域を撮像する第二のカメラとによって撮像装置が構成されていてもよい。
また、いずれの実施態様においても、顧客が購入した商品の合計の売買金額が確定した後、貨幣センサ19がキャッシュトレイ17の上面に硬貨および/または紙幣が載置されたことを検出したときに、撮像開始信号が出力されて、カメラ18によって、キャッシュトレイ17上の紙幣および/または硬貨の静止画像が撮像されて、受け取り金額の算出処理が開始されるように構成されているが、受け取り金額の算出処理は、売買金額の入力が完了した後であれば、何時開始されてもよく、貨幣センサ19がキャッシュトレイ17の上面に硬貨および/または紙幣が載置されたことを検出したときに受け取り金額の算出処理が開始されるように構成されていることは必ずしも必要でなく、貨幣センサ19を設けることも必ずしも必要ではない。
さらに、図16ないし図17に示された実施態様においては、静止画像にオペレータの手が写っている場合には、それ以降に撮像された静止画像データを無効にしているが、静止画像にオペレータの手が写っていることが確認された時点で、カメラ18による撮像処理を終了させるようにしてもよい。