以下に添付図面を参照して、金銭処理装置の実施形態を詳細に説明する。本実施形態は、金銭処理装置として、顧客が自身で商品登録および決済を行うセルフチェックアウト装置を適用した例について説明するものである。また、本実施形態は、硬貨収納部として、硬貨釣銭機を適用した例について説明する。なお、入金処理とは、決済処理に伴い硬貨を硬貨釣銭機に入金する処理をいう。また、入金処理とは、釣銭準備金等の硬貨を硬貨釣銭機に入金する処理をいう。また、硬貨と紙幣の総称として、あるいは、硬貨と紙幣のいずれか一方を不特定に示す場合に、金銭という。すなわち、金銭処理装置は、硬貨または紙幣、またはその両方を扱う装置をいう。
図1は、実施形態にかかるセルフチェックアウト装置100の外観を示す正面図である。図1に示すように、セルフチェックアウト装置100は、決済端末1と、籠置き棚2と、袋詰め棚3とを備えている。決済端末1は、入出金部4、読取部5、表示操作部6、および各部を制御する制御部7(図6参照)を備えている。
決済端末1は、第1筐体11と第2筐体12とを備えている。第1筐体11は、開放および閉止可能な扉111を備える。扉111は、ヒンジ部111aを中心に上下方向に回動する。第1筐体11は、内部に、入出金部4を構成する紙幣釣銭機41および硬貨釣銭機42(いずれも図2参照)を収納している。第2筐体12は、内部に、制御部7を収納している。
読取部5は、商品を特定するために、商品の外観や商品に付された符号(バーコードなど)を読み取るスキャナ50を備えている。また、読取部5は、制御部7が実行する商品販売データ処理に係るレシートを印字するプリンタ51を備えている。プリンタ51は、排出されたレシートをレシート発行口51bから発行する。発行されたレシートはレシート排出台51aによって下側から支持される。レシート排出台51aは、第1筐体11に立設された前面11aから奥行方向手前側に向けて突出させた凸形状の凸部である。さらに、読取部5は、制御部7が実行する決済処理に係るクレジットカードの読取りを行うカードリーダ52を備えている。決済処理とは、顧客が購入した商品についての代金の支払いに関する処理をいう。
表示操作部6は、モニタ61と、タッチパネル62とを備える。モニタ61は、制御部7の制御に従って画像を表示する。タッチパネル62は、モニタ61の表面に設けられており、オペレータが触れた位置に基づく情報を制御部7に出力する。
籠置き棚2は、籠内の商品を取り出して読取部5にかざす動作を行う際に、籠の置き場とする物置台である。籠置き棚2は、決済端末1の一側方に設けられている。
袋詰め棚3は、スキャン後の商品を袋詰めするための台である。袋詰め棚3は、決済端末1の他側方(籠置き棚2の反対側)に設けられている。
ここで、図2は決済端末1の扉111を開放とした状態の外観を示す斜視図である。図3に示すように、第1筐体11は、扉111を上方に回動させることで第1筐体11の内部を開放し、紙幣釣銭機41および硬貨釣銭機42を露出する。紙幣釣銭機41と硬貨釣銭機42とは、第1筐体11内に重ねて収納されており、紙幣釣銭機41が硬貨釣銭機42の下に位置している。
紙幣釣銭機41は、取り込んだ紙幣の正否を判別して正貨を収納し、釣銭としての紙幣を出金する。硬貨釣銭機42は、取り込んだ硬貨の正否を判別して収納し、釣銭としての硬貨を出金する。紙幣釣銭機41および硬貨釣銭機42は、収納した貨幣の金額を制御部7へ連絡する。また、紙幣釣銭機41および硬貨釣銭機42は、制御部7から、釣銭として出金すべき金額の連絡を受ける。
制御部7は、決済端末1が備える各部(入出金部4、読取部5、および表示操作部6)を統括的に制御する。制御部7は、読取部5からコード情報を取得する。また、制御部7は、表示操作部6のモニタ61に表示させる情報を出力し、タッチパネル62からオペレータが行った操作の情報を取得する。さらに、制御部7は、入出金部4への入金を把握し、入出金部4に出金の指示を行う。
ここで、図3はセルフチェックアウト装置100を上方から見た状態の外観を示す斜視図である。図3に示すように、第1筐体11は、上向きの平面部11bの一端部側に、硬貨を載置する硬貨載置部70と、硬貨釣銭機42に入金する金銭投入口である硬貨投入部421を設けている。硬貨投入部421は、投入された硬貨を受ける。硬貨投入部421が受けた硬貨は、硬貨収納部である硬貨釣銭機42に収納される。
また、第1筐体11(入出金部4)は、硬貨投入部421が設けられた奥側から手前側に向けて、受皿状の硬貨排出部422およびリジェクト皿423と、紙幣投入部411および排出部である紙幣排出部412とを順に階段状に設けている。すなわち、硬貨投入部421が設けられている面が上段、硬貨排出部422およびリジェクト皿423が設けられている面が中段、紙幣投入部411および紙幣排出部412が設けられている面が下段である。このように各種の投入口や排出口を階段状に配設することにより、奥側から手前にかけて全ての投入口や排出口を見渡すことができるようになっている。
硬貨排出部422は、硬貨釣銭機42から排出された硬貨を受ける受け皿である。リジェクト皿423は、変形硬貨、外国銭、偽貨等の硬貨釣銭機42内に収容すべきではない硬貨(リジェクト硬貨)を受ける受け皿である。
図3に示すように、硬貨排出部422は、硬貨投入部421が設けられた決済端末1の幅方向端部とは反対側端部に設けられている。このように硬貨投入部421と硬貨排出部422とは、高さ方向と幅方向と奥行き方向においてそれぞれずらして設けられているので、硬貨排出部422に対する視認性、操作性が良好なものとなっている。なお、リジェクト皿423は、硬貨投入部421の下方位置において硬貨排出部422に並べられて設けられている。
紙幣投入部411は、紙幣釣銭機41に入金する紙幣を受ける投入口である。顧客は揃えた紙幣を硬貨投入部411に上から落とすように投入する。紙幣投入部411は、投入された紙幣を受ける。紙幣投入部411が受けた紙幣は、紙幣釣銭機41に収納される。紙幣排出部412は、紙幣釣銭機41から排出される紙幣を支持する排出口である。釣銭となる紙幣は、紙幣釣銭機41から上方に向けて搬送され、搬送された紙幣は紙幣排出部412で支持されて停止する。このようにして紙幣釣銭機41から紙幣が払い出される。顧客は払い出された紙幣を受け取る。
加えて、硬貨投入部421と硬貨排出部422とリジェクト皿423と紙幣投入部411と紙幣排出部412とのそれぞれの近傍には、操作手順やエラーを報知するためのLED43〜46が設けられている。なお、LED43〜46が設けられる場所は各部の近傍であれば特に限定されない。また、LED43〜46の個数や配列も特に限定されない。
次に、硬貨投入部421および硬貨載置部70の構成と、付近の構成について説明する。ここで、図4は硬貨投入部421付近の外観を示す平面図である。図4に示すように、硬貨投入部421は、外側から内側へ向かって下る漏斗状の傾斜面421aと、傾斜面421aの最下部に設けられた孔421bとを有している。孔421bは、傾斜面421aを滑り落ちた硬貨を、硬貨釣銭機422に落下させる孔である。孔421bは、決済端末1の正面に立った顧客から見て縦長の長孔である。孔421bの長手方向の寸法は、最大の硬貨である500円硬貨の直径より大きく、孔421bの長手方向に直交する幅方向の寸法は、複数枚の硬貨が重なって通過できる程度とされている。このような構成により、硬貨投入部421は、複数枚の硬貨を一括して受け入れ可能である。
孔421bは、硬貨を硬貨投入部421に向けて滑らせる方向の長さより硬貨を硬貨投入部に向けて滑らせる方向と直交する方向の長さを長くした形状となっている。理想的には、孔421bは、記硬貨を硬貨投入部421に向けて滑らせる方向と直交する方向に長手方向が形成された長孔とするが、孔421bの長手方向は、必ずしも硬貨を硬貨投入部に向けて滑らせる方向と直行する方向でなくてもよい。
加えて、第1筐体11の扉111は、硬貨投入部421に対して決済端末1の幅方向に並ぶ位置に連設された硬貨載置部70を平面部11bに備えている。硬貨載置部70は、一般には、吟味台や検銭台と呼ばれている。硬貨載置部70は、決済端末1の決済処理の際に、顧客が財布から金銭を取り出して並べ、支払いに使用する金銭を目視で確認するためのものである。硬貨載置部70は、第1筐体11の中央部に位置している。また、硬貨投入部421は、第1筐体11の中央部より第1筐体11の幅方向片側に位置している。そして、硬貨載置部70は、第1筐体11の中央部より硬貨投入部421とは反対側に延びて設けられている。
より詳細には、硬貨載置部70は、平面部11bから少し下方向に凹んだ凹形状であって、硬貨載置部70の底面部には、硬貨を載置する平面形状の硬貨載置面71を備える。硬貨載置面71は、硬貨を一時的に載置する平らな面である。また、硬貨載置部70は、硬貨載置面71の3方の周辺部を形成する案内壁72を備えている。案内壁72は、平面部11bから硬貨載置面71に向けて下方に下がる面である。なお、硬貨載置面71は、平面形状に限るものではなく、凹面形状に湾曲していても良い。また、平面部11bに上方へ突出した硬貨載置面71の3方を囲む縁を設け、この縁の上端部から下方に凹んだ凹形状の硬貨載置部70としてもよい。この場合、硬貨載置面71は、平面部11bより上方に位置していても、平面部11bと面一であっても、平面部11bより下方に位置していていてもよい。この場合、縁は、硬貨載置部70の周囲を連続的に囲む縁であってもよい。また、縁は、硬貨載置部70から硬貨が周りにこぼれない程度の断続的に囲む縁であってもよい。なお、硬貨載置面71は硬貨載置部70とほぼ同じ大きさで形成されている。
ところで、顧客は、硬貨載置部70のどのあたりに財布に入っている硬貨を載置すべきかの目印が欲しいことがある。そのため、実施形態では、硬貨載置面71に、プラスチックや金属で形成されたシート71aが貼付されている。シート71aの表面は、フッ素加工等の低摩擦コーティングが施されている。そのため、シート71a上に載置された硬貨は、シート71a上を滑りやすい。
シート71aは、載置された金銭によって硬貨載置部70が汚れたり傷ついたりするのを防止するために貼付される。また、シート71aの表面には、硬貨載置部70の使用態様の説明表示が設けられている。実施形態では、硬貨載置部70が硬貨を載置する領域であることを示すガイドの一例として、「コイン」の文字71bと硬貨の図71cと矢印71dの図がシート71aの表面に表示されている。すなわち、「コイン」の文字71bと硬貨の図71cは、硬貨載置部70が硬貨を載置する領域であることを示すメッセージである。また、矢印71dの図は、シート71a上の硬貨を金銭の投入方向である矢印の方向に滑らせる操作を顧客に示すメッセージである。なお、硬貨載置面71にシート71aを貼付した場合、シート71aの表面が硬貨載置面71である。
なお、ガイドは、硬貨載置部70の硬貨載置面71に印刷される等、硬貨載置面71に直接表示してもよい。また、ガイドは、上方から硬貨載置面71に投影するようにして硬貨載置面71に表示してもよい。また、硬貨載置面71は、当該硬貨載置面71に載置される硬貨とは色合いが大きく異なる色、あるいは硬貨載置面71に載置された硬貨がはっきりと認識できる色(例えば灰色)で形成されている。具体的には、硬貨載置面71は、1円、50円、100円、500円硬貨の銀色、および5円、10円の銅色とは異なる色で形成されている。そのため、顧客は、硬貨載置面71に載置されている硬貨を硬貨載置面71と区別して認識する。したがって、顧客は、硬貨載置面71置き忘れた硬貨の有無を目視で容易に確認することができる。
なお、文字71bと図71cと矢印71dのすべてが必要ではなく、例えば、硬貨載置部70上の硬貨を載置する位置を示すためには、文字71bと図71cのいずれかまたは両方がシート71a印刷されていればよい。なお、シート71aを硬貨載置面71に貼付する代わりに、硬貨載置面71に文字71bと硬貨の図71cと矢印71dを直接印刷(ガイド部を形成)してもよい。
硬貨投入部421は、4個の傾斜面421aを備える。第1の傾斜面421aは、後述する硬貨載置面71と連接する傾斜面421a1である。傾斜面421a1は、硬貨を滑らせる方向に向けて下向きに傾斜している。第2の傾斜面421aは、傾斜面421a1と反対側に設けられた傾斜面421a2である。傾斜面421a2は、傾斜面421a1とは反対側から下側に傾斜している(すなわち、硬貨を滑らせる方向とは反対側に向けて下向きに傾斜している)。第3の傾斜面と第4の傾斜面は、いずれも第1の傾斜面421a1および第2の傾斜面421a2と連接した傾斜面であり、硬貨を滑らせる方向と直交する方向に向けて下向きに傾斜している。第3の傾斜面と第4の傾斜面421aは、互いに対向した位置に設けられている。
第1の傾斜面421a1と第2の傾斜面421a2と第3の傾斜面と第4の傾斜面421aによって、硬貨投入部421は四角状に形成されている。そして、第1の傾斜面421a1と第2の傾斜面421a2と第3の傾斜面と第4の傾斜面421aは、それぞれ硬貨投入部421の中央部に向けて下る傾斜面を形成する。すなわち、硬貨投入部421は、硬貨投入部421の中央部に向けて下方に傾斜する四面の傾斜面を備えている。そして、硬貨投入部421は、中央部に孔421bを備える。孔421bは、それぞれの傾斜面と連通している。
また、第2の傾斜面421a2の傾斜方向の長さKは、第1の傾斜面421a1の傾斜方向の長さJより長く形成されている。すなわち、第1の傾斜面421a1の傾斜方向の長さJは、第2の傾斜面421a2の傾斜方向の長さKより短い。換言すると、第2の傾斜面421a2は、第1の傾斜面421a1より高い位置まで形成されている。そのため、硬貨載置面71を滑らせて硬貨投入部421まで運ばれ、第1の傾斜面421a1を勢いよく滑り落ちた硬貨が、孔421bを飛び越えて第2の傾斜面421a2側に搬送されても、当該硬貨が第2の傾斜面421a2を乗り越えて外部に飛び出す恐れはなく、当該硬貨は、第2の傾斜面421a2を孔421bに向けて滑り落ちる。
硬貨載置面71を滑って移動した硬貨は、硬貨投入部421に設けられた傾斜面421aが受ける。そして、傾斜面421aを滑り落ちた硬貨は、孔421bに落下して、硬貨釣銭機422に収納される。
なお、硬貨投入部421は、硬貨載置部70や第1筐体11とは、色合いが大きく異なる色、あるいは硬貨投入部421が強調される色、あるいは硬貨投入部421が明確に認識できる色(例えばだいだい色)で形成されている。そのため、顧客は、硬貨投入部421の位置を目視で容易に確認することができる。
また、硬貨載置部70は、硬貨載置面71の連結部421cの硬貨の滑り方向上流側に、複数のゴミ落とし孔70bを備える。ゴミ落とし孔70bは、硬貨に付着したゴミ等を落下させる。ゴミ落とし孔70bは、硬貨の滑り方向(すなわち、矢印71d方向)に長孔を千鳥上に配置して形成している。そのため、矢印71d方向に滑る硬貨が、長孔に引っかかりにくい。なお、シート71aは、ゴミ落とし孔70bの手前位置まで貼付されており、ゴミ落とし孔70bを隠す位置には貼付されない。
また、シート71a上を滑って硬貨投入部421に投入された硬貨が孔421bに引っかかって詰まることがないように入金したい。このようなことから、実施形態では、孔421bは、孔の長手方向が、硬貨の滑り方向(すなわち矢印の方向)と交差する方向(実施形態では、硬貨の滑り方向と直交する方向)に形成されている。このような方向に孔421bを形成することで、シート71a上を滑らせて硬貨投入部421まで指で運ばれ、連結部421cを通過して孔421bに向かって傾斜面421aを滑り落ちる、最大硬貨である500円硬貨の直径より孔421bの長手方向の寸法が大きいので、硬貨が孔421b付近で詰まることがない。
なお、硬貨の滑り方向が、孔421bの長手方向と直交する方向で無くても、ある程度の角度で交差する方向であれば、硬貨が孔421b付近で詰まることがなく入金することができる。
案内壁72は、硬貨載置面71における硬貨投入部421と連接する辺を除く縁部に設けられている。案内壁72は、硬貨載置面71よりも上方に突出して当該硬貨載置面71上に載置された金銭(特に、硬貨)の側部を支持する。なお、このような案内壁72は、第1筐体11の一部として形成されている。
一方、硬貨投入部421は、硬貨載置面71と連接する位置に、傾斜面421aから連なる平面形状の連結部421cを有している。すなわち、硬貨投入部421と硬貨載置面71とは連接されている。なお、連結部421cは、硬貨載置面71が凹面形状に湾曲している場合には、当該形状に合わせて成型されていることは言うまでもない。ここで、硬貨投入部421と硬貨載置面71とが連接されているとは、例えば、硬貨投入部421と硬貨載置面71とが略平らな平面で繋がっていることをいう。なお、硬貨投入部421と硬貨載置面71とが多少の凸凹面を含む面で繋がっている場合も、硬貨投入部421と硬貨載置面71とが連接されている概念に含まれる。また、硬貨載置面71から硬貨投入部421に硬貨を滑らせて移動させることができるので、連接されている概念に含まれる。
また、第1筐体11の扉111に凹形状で形成された硬貨載置部70は、扉111を上方に回動させて第1筐体11の内部を開放した状態において、プリンタ51のレシート排出台51aに干渉する位置に設けられる。そして、硬貨載置部70の凹形状部分の深さは、レシート排出台51aとの衝突を回避可能な深さ(すなわち、レシート排出台51aの長さより大きい深さ)に設定されている。
次に、硬貨排出部422に排出された釣銭の硬貨を顧客が取り忘れることを防止するために、顧客からより硬貨排出部422を見易くしたい。また、顧客が釣銭の硬貨を取り忘れたことを確認するために、硬貨排出部422付近を上方からカメラ(図示せず)で撮像した画像を、硬貨の取り忘れを確認し易い画像としたい。そのため、図4に示すように、第1筐体11の硬貨載置部70近傍は、硬貨排出部422をカメラ(図示せず)や顧客から見え易くするため、第1筐体11の一部をセットバックしている。さらに、第1筐体11における硬貨載置部70の下部であって硬貨排出部422の上方には、発光により光を照射する照射部であるLED47(図6参照)が設けられている。このLED47は、硬貨排出部422に釣銭の硬貨が排出される際に光を照射し、硬貨排出部422を照らす。
すなわち、図4において、第1筐体11は、第1筐体11の幅方向に沿った硬貨載置部70の手前側の前面11eを備える。前面11eの第1筐体11の幅方向の長さは、硬貨載置部70の第1筐体11の幅方向の長さと略等しい。また、第1筐体11は、第1筐体11の幅方向に沿った硬貨投入部421の手前側の前面11fを備える。そして、前面11eは、前面11fより第1筐体11の奥行方向奥側に位置する構成となっている。また、前面11eは、硬貨排出部422の第1筐体11の奥行方向手前側の縁422aより、第1筐体11の奥行方向手奥側に位置している。そのため、セルフチェックアウト装置100の上方に位置するカメラは、前面11eが前面11fより切り欠いていることにより、硬貨載置部70の下方に位置する硬貨排出部422の全部または少なくとも一部を撮像することができる。そのため、LED47が硬貨排出部422を照射した際のカメラが撮像した画像を確認することで、顧客が釣銭の硬貨を取り忘れたか否かを確認することができる。
また、決済端末1は、当該硬貨載置面71の上または当該硬貨載置面71の周辺に置かれた物体(財布や硬貨など)を検出する検出部であるセンサ73(図6参照)を備えている。センサ73としては、光センサ、磁気センサ、画像センサなどが挙げられる。光センサは、例えば、当該光センサの光軸が硬貨載置面71を這うように配され、光軸が遮られると硬貨載置面71上に物体があると判定する。磁気センサは、例えば、硬貨載置面71の裏側にあたる位置に配され、金属を検知すると硬貨載置面71上に物体があると判定する。画像センサは、例えば、硬貨載置面71の上方に配され、画像認識により硬貨載置面71上に物体があると判定する。
なお、図4において、A〜Gは第1筐体11の各部の長さを示す。Aは、硬貨載置部70の硬貨投入部421との連結部421cとは第1筐体11の幅方向反対側の端部70aと第1筐体11の左側端部11hとの間の距離を示す。Bは、硬貨載置部70の第1筐体11の幅方向の長さを示す。Cは、硬貨投入部421の第1筐体11の幅方向の長さを示す。Dは、硬貨投入部421の硬貨載置部70との連結部421cとは第1筐体11の幅方向反対側の端部421dと第1筐体11の右側端部11g(他の側端部)との間の距離を示す。Eは、硬貨載置部70の第1筐体11の奥行方向の長さを示す。Fは、硬貨投入部421の第1筐体11の奥行方向の長さを示す。Gは、第1筐体11の幅方向の長さを示す。また、Hは、第1筐体11の幅方向の中央部を示す。なお、Aは、硬貨載置部70と最も近い第1筐体11の側端部との長さである。また、Dは、金銭投入口421と最も近い第1筐体11の側端部との長さである。また、硬貨投入部421の第1筐体11の奥行方向の長さFは、硬貨載置部70の第1筐体11の奥行方向の長さEより長い。
ここで、セルフレジを利用する顧客が、硬貨を確認してから硬貨投入部421に投入するために、硬貨を並べた後に硬貨釣銭機に対する硬貨投入部へ入れる作業を容易に行える硬貨載置部70が必要となる。そのため、実施形態では、硬貨載置部70の第1筐体11の幅方向の長さ(B)と硬貨投入部421の第1筐体11の幅方向の長さ(C)とを合わせた長さ(B+C)は、第1筐体11の幅方向の長さ(G)の70%以上としている。また、硬貨載置部70の硬貨投入部421との連結部421cとは第1筐体11の幅方向反対側の端部70aと第1筐体11の左側端部11hとの間の距離(A)と、硬貨投入部421の硬貨載置部70との連結部421cとは第1筐体11の幅方向反対側の端部421dと第1筐体11の右側端部11gとの間の距離(D)は、いずれも硬貨載置部70の奥行方向の長さ(E)より小さい。
また、硬貨投入部421は、中央部Hより第1筐体11の幅方向右側(片側)に設けられている。そして、硬貨投入部421は、中央部Hより右側の位置で硬貨載置面71と、第1筐体11の幅方向に連接している。換言すると、硬貨投入部421は、中央部Hより右側の位置で硬貨載置部70と第1筐体11の幅方向に連接している。硬貨載置部70は、この連接した位置から中央部Hより硬貨投入部421と反対側に延びて形成されている。すなわち、硬貨載置部70は、第1筐体11の幅方向の中央部Hをまたいで両側に形成されており、また、中央部Hをまたぐ大きさに設けられている。すなわち、金銭投入口421は、第1筐体11の幅方向の中央部Hより片側に位置し、硬貨載置部70は、第1筐体11の幅方向の中央部Hを含む位置に位置し、かつ、金銭投入口421から第1筐体11の幅方向の中央部Hより反対側にまで延びて設けられている。
このように、実施形態は、硬貨載置部70を、第1筐体11の幅方向に対して大きく、奥行方向に対しても大きく設けることが可能となるので、硬貨載置部70は、並べた硬貨を確認してから連接された硬貨投入部421への投入を可能としている。具体的には、顧客は、決済端末1の決済処理の際に、財布から支払いに用いる金銭(硬貨)を取り出して硬貨載置部70の硬貨載置面71に並べて確認することが可能である。また、顧客は、並べた硬貨を硬貨投入部421に向けて硬貨載置面71上を矢印71dの方向に滑らせて運び、硬貨投入部421に投入して支払いを行うことが可能である。実施形態では、このように、第1筐体11の幅方向に対して大きく、奥行方向に対してもある程度大きくもうけられているので、顧客は、硬貨を並べた後に硬貨釣銭機に対する硬貨投入部421へ投入する作業を容易に行うことができる。なお、この際、硬貨載置部70の案内壁72は、硬貨の側部を支持することで、硬貨載置面71から硬貨が落下するのを阻止する。
続いて、レシート発行口51b、硬貨載置部70、硬貨排出部422、紙幣投入部411および紙幣排出部412の上下および前後の配置関係について説明する。すなわち、決済端末1は顧客が操作するため、操作性を向上させるために、レシート発行口51b、硬貨載置部70、硬貨排出部422、紙幣投入部411および紙幣排出部412等が全体的に顧客から見渡せることが必要である。そのため実施形態では、これらの上下および前後の配置関係を以下のようにした。図5は、第1筐体11を図3における左側から見た概略図である。図5において、点線は実際には筐体等で隠されて実際には見えない箇所の構成を示す仮想線である。
第1筐体11の上部の平面状の前面11aには、決済処理に基づく内容(商品情報や決済情報等)を印字したレシートRを発行するレシート発行口51bを備える。レシートRは、図5において、右側方向に発行される。また、レシート排出台51aは、第1筐体11から、第1筐体11の奥行方向手前側(図5における右側)に突出した凸形状の凸部である。レシート排出台51aは、レシート発行口51bから発行直後のレシートRを下側から上方に支持する。
また、硬貨載置部70は、レシート発行口51bより下方の平面部11bに、レシート発行口51bより第1筐体11の奥行方向手前側に形成される。ここで、高い位置にある前面11aから発行されるレシートRを受ける受面が欲しい。そのため、決済装置1は、レシートRを硬貨載置面71に向けて発行する。そのため、レシート発行口51bより発行され、レシート排出台51aを超えたレシートRの先端部は、やがて硬貨載置部70の硬貨載置面71に当接して、レシートRを受ける。この硬貨載置部70がレシートRの受面となる。なお、硬貨投入部421も硬貨載置部70と同一平面部11bに形成される。
また、ヒンジ部111aからのレシート発行口51bまでの長さL1とヒンジ部111aからの硬貨載置部70の第1筐体11の奥行方向中央部までの長さL2はほぼ同じである。そのため、扉111を上方向に回動した場合、レシート排出台51aと硬貨載置部70とは干渉する位置となる。そして、レシート排出台51aは、硬貨載置部70の凹形状部分にはまり、互いに衝突はしない。
また、硬貨排出部422は、硬貨載置部70より下方の平面部11cに、硬貨載置部70より第1筐体11の奥行方向手前側に形成される。また、紙幣投入部411および紙幣排出部412は、硬貨排出部422より下方の平面部11dに、硬貨排出部422より第1筐体11の奥行方向手前側に並べて形成される。紙幣投入部411は、紙幣排出部412より第1筐体11の奥行方向手前側に形成される。
このように、第1筐体11の上部から下部に向けて、にレシート発行口51b、硬貨載置部70、硬貨排出部422、紙幣投入部411および紙幣排出部412が略階段状に形成される。そのため、顧客は、レシート発行口51b、硬貨載置部70、硬貨排出部422、紙幣投入部411および紙幣排出部412を全体的に見渡すことができる。また、硬貨は紙幣より釣銭として顧客に払い出す頻度が高いため、硬貨排出部422は、紙幣排出部412より上方に位置している。また、最下部にある紙幣投入部411は、上向きに開口するように形成されている。そして、紙幣投入部411は、顧客が上方から下方に投入した紙幣を受ける。そのため、顧客は入金操作がし易い。また、紙幣排出部412は、上向きに開口するように形成されている。そして、紙幣排出部412は、紙幣釣銭機41から払い出された紙幣を下側から上方に向けて排出する。そのため、顧客は払い出された紙幣を受取り易い。なお、レシート発行口51b、硬貨載置部70、硬貨排出部422、紙幣投入部411および紙幣排出部412は、この順に段階的に下方に形成されかつ、かつこの順に段階的に奥行方向手前側に形成されればよく、必ずしも階段状に形成されなくてもよい。
続いて、セルフチェックアウト装置100のハードウェア構成について説明する。図6は、セルフチェックアウト装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6に示すように、決済端末1は、制御部7、I/O機器制御部81、および通信I/F82を備えている。通信I/F(インタフェース)82は、自装置を袋詰め棚3と通信可能に接続する。I/O機器制御部81は、制御部7に、紙幣釣銭機41、硬貨釣銭機42、LED43−47、スキャナ50、プリンタ51、カードリーダ52、モニタ61、タッチパネル62、センサ73を接続する。
一方、袋詰め棚3は、I/O機器制御部31、通信I/F32、および計量器33を、さらに備えている。計量器33は、袋詰め棚3に載せられた物品の重さを量る。通信I/F(インタフェース)32は、自装置を決済端末1と通信可能に接続する。すなわち、I/O機器制御部31は、通信I/F32,82を介して、制御部7に計量器33を接続する。計量器33は、不正防止を目的として、袋詰め棚3上の物品の重さを量るものである。
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。ROMは、CPUが実行する各種コンピュータプログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUがコンピュータプログラムを実行する際に一時的にデータやコンピュータプログラムを記憶する。制御部7は、CPUがROMから読み出したコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、各部を統括的に制御する。
なお、本実施形態のセルフチェックアウト装置100で実行されるコンピュータプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態のセルフチェックアウト装置100で実行されるコンピュータプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のセルフチェックアウト装置100で実行されるコンピュータプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態のセルフチェックアウト装置100で実行されるコンピュータプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
次に、セルフチェックアウト装置100の決済端末1の制御部7が実行する各種の処理のうち、本実施形態の特徴的な機能である決済処理について説明する。ここで、図7は決済処理にかかる機能を示す機能ブロック図、図8は決済処理の流れを示すフローチャートである。
決済処理では、決済端末1の制御部7は、コンピュータプログラムに従うことにより、図7に示すように、照射手段91と、報知手段92と、を機能部として実現する。
照射手段91は、硬貨釣銭機42の出金のタイミングに応じて、LED47を発光させて光の照射を実行する。
報知手段92は、支払いが終わった段階で、センサ73によって硬貨載置面71の上または硬貨載置面71の周辺に置かれた物体(財布や硬貨など)を検出した場合、その旨を報知する。
決済処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。図8に示すように、まず、決済端末1の制御部7は、商品登録処理を実行する(ステップS1)。
ここで、商品登録処理について説明する。顧客がスキャナ50に商品コードが符号化された画像をかざすと、スキャナ50は、符号を読み取って商品コードを出力する。制御部7は、スキャナ50が商品コードを出力すると、例えば自装置ないしオンライン接続された外部装置の記憶部に記憶されたPLU(Price Look Up)ファイルを参照する。PLUファイルは、商品コードに関連付けて、商品の名称や価格などを、例えばテーブルの形式で記録したものである。
次いで、制御部7は、PLUファイルに記録された情報のうち、スキャナ50が読み取った商品コードに関連付けられた情報を得る。そして、これらの情報を、商品の情報として記録するとともに、商品の価格を購入金額に加算する。これにより、商品登録が行われる。
次いで、決済端末1の制御部7は、顧客が商品登録および袋詰めまで終えると(ステップS2のYes)、決済処理を行う(ステップS3)。決済端末1の制御部7は、顧客が商品登録等の処理が終了していない場合(ステップS2のNo)、商品登録処理(ステップS1)に戻る。
ここで、決済処理について説明する。決済端末1の制御部7は、顧客から決済に進むための操作を受けると、モニタ61に登録済みの商品の価格を合計した代金を表示する。これに伴い、決済端末1の制御部7は、顧客による決済操作の受け付けを開始する。
制御部7は、現金決済においては、紙幣釣銭機41の紙幣投入部411および硬貨釣銭機42の硬貨投入部421への入金があると、代金との差異(釣銭)を算出する。制御部7は、釣銭が有る場合には、紙幣釣銭機41の紙幣排出部412および硬貨釣銭機42の硬貨排出部422から釣銭を出金する。
ここで、決済端末1の制御部7(照射手段91)は、硬貨釣銭機42の硬貨排出部422への出金のタイミングに応じて、LED47の照射を実行する(ステップS4)。このように硬貨釣銭機42の出金のタイミングに応じて、LED47の照射を実行することにより、硬貨排出部422に排出された硬貨を顧客が取り忘れるのを防止することができる。
また、決済端末1の制御部7(報知手段92)は、顧客の支払いが終わった段階(入金処理が終わった状態の一例)で、硬貨載置面71の上または硬貨載置面71の周辺に置かれた物体(財布や硬貨など)を検出した場合(ステップS5のYes)、その旨を報知する(ステップS6)。その旨とは、物体を取り忘れたことを示すメッセージ等である。報知手法は、音声、画面表示、図示しないアテンダント端末に信号を出力する、などである。これにより、顧客が硬貨載置面71の上または硬貨載置面71の周辺に財布や硬貨などを置き忘れるのを防止することができる。決済端末1の制御部7(報知手段92)は、物体(財布や硬貨など)を検出しない場合(ステップS5のNo)、そのままステップS7に進む。なお、入金処理が終わった状態は、顧客の支払いが終わった段階以外に、決済処理が終了した段階や、人感センサが顧客の支払いが終わった後に人を検知しなくなった状態等を含む。
決済端末1の制御部7は、決済完了をもって一つの取引を終了し(ステップS7のYes)、次の取引の開始を待機する状態(ステップS1)へ移る。
このように、本実施形態の決済装置1によれば、顧客は、硬貨載置部70の硬貨載置面71上に硬貨を載置した後、所望の硬貨を硬貨載置面71上を滑らせることで、硬貨投入部421へ投入することができる。そのため、顧客は、硬貨載置面71上に確認するために並べて載置した硬貨から所望の硬貨を持ち直して硬貨投入部421へ投入する必要はなく、顧客は、硬貨載置面71上の硬貨を硬貨釣銭機42に対する硬貨投入部421へ投入する作業を容易に行うことができる。
また、実施形態では、硬貨載置部70と硬貨載置部70から最も近い第1筐体11の側端部11hとの距離および硬貨投入部421と硬貨投入部421から最も近い第1筐体11の他の側端部11Gとの距離は、いずれも硬貨載置部70の奥行の長さEより小さい。そのため、決済端末1の平面部11bにおける硬貨載置部70の広さを広く確保することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、硬貨載置面71は、実施形態では、平らな面であるとして説明したが、これに限るものではない。例えば、硬貨載置面71は、硬貨の滑り方向と直交する方向に凹凸を繰り返す凹凸面であってもよい。この場合、硬貨と硬貨載置面71との接触面が少なくなるため、硬貨が硬貨載置面71上を滑りやすい。
また、実施形態では、金銭処理装置として、顧客が自身で商品登録および決済を行うためのセルフチェックアウト装置100である決済端末1を適用した例について説明したがこれに限るものではない。例えば、金銭処理装置として、セミセルフのチェックアウトレーンに設置され、店員による商品登録の後、顧客による決済処理に用いられる会計機を適用するようにしても良い。
また、実施形態では、金銭処理装置として、飲食店の食券などを発行する券売機(発券機)、駐車場や駅などの精算機、自動販売機などを適用することもできる。
また、実施形態は、金銭入金装置と金銭入出金装置として、硬貨釣銭機42を適用した例について説明した。しかしながら、これに限らず、金銭入金装置と金銭入出金装置として、紙幣釣銭機41を適用してもよい。
また、実施形態では、図4に示すように、硬貨投入部421の左側に硬貨載置部70を連接させたが、これに限るものではない。例えば、硬貨投入部421が左側に配置されているような場合には、硬貨投入部421の右側に硬貨載置部70を連接させるようにしても良い。