JP2016186665A - 2層の少なくとも部分的に交差したフォトクロミック二色層を有するフォトクロミック物品 - Google Patents

2層の少なくとも部分的に交差したフォトクロミック二色層を有するフォトクロミック物品 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトクロミック二色物品を提供すること
【解決手段】
基材、該基材上の第1フォトクロミック二色層及び第1フォトクロミック二色層上の第2フォトクロミック二色層を含むフォトクロミック二色物品を提供する。第1フォトクロミック二色層は第1フォトクロミック二色層内で横方向に整列し、かつ第1フォトクロミック二色層の第1偏光軸を画定する第1フォトクロミック二色化合物を含む。第2フォトクロミック二色層は第2フォトクロミック二色層内で横方向に整列し、かつ第2フォトクロミック二色層の第2偏光軸を画定する第2フォトクロミック二色化合物を含む。第1偏光軸と第2偏光軸は互いに対して0°より大きく90°より小さいか又は90°に等しい角度の向きである。フォトクロミック二色物品は所与量の化学放射線に曝露されると、例えば高い光学密度と高い速度論の組合せをもたらし得る。
【選択図】図1

Description

分野
本発明は、基材、該基材の上の第1のフォトクロミック−二色層、および第1のフォトクロミック−二色層の上の第2のフォトクロミック−二色層を含み、第1および第2のフォトクロミック−二色層の偏光軸が互いに対して0°より大きく90°より小さいかまたは90°に等しい角度の向きであるフォトクロミック−二色物品に関する。
背景
従来の直線偏光性エレメント、例えば、サングラス用の直線偏光性レンズおよび直線偏光性フィルターは、典型的には、必要に応じて二色材料、例えば二色染料を含んでいてもよい一方向に延伸されたポリマーシートから形成される。その結果、従来の直線偏光性エレメントは、1つの直線偏光状態を有する静的エレメントである。したがって、従来の直線偏光性エレメントが、ランダム偏光放射線または適切な波長の反射放射線のいずれかに曝露されると、このエレメントを透過する放射線は一定の割合が直線偏光される。
また、従来の直線偏光性エレメントは、典型的には着色している。典型的には、従来の直線偏光性エレメントは静的または固定着色剤を含み、化学放射線に応答して変化しない吸収スペクトルを有する。従来の直線偏光性エレメントの色は、該エレメントを形成するために使用される静的着色剤に依存し、最も一般的には、ニュートラルカラー(例えば、ブラウン、ブルー、またはグレー)である。したがって、従来の直線偏光性エレメントは、反射光のまぶしさを低減させるには有用であるが、その静的着色剤のため、典型的には、微光条件下での使用には充分に適していない。さらに、従来の直線偏光性エレメントは、着色している直線偏光状態を1つしか有していないため、情報を格納または提示する能力が制限される。
従来のフォトクロミックエレメント、例えば、従来の熱可逆性のフォトクロミック材料を用いて形成されたフォトクロミックレンズは、一般的に、化学放射線に応答して第1の状態、例えば「透明な状態」から第2の状態、例えば「着色した状態」に転換され得、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻り得る。したがって、従来のフォトクロミックエレメントは、一般的に、低光条件および明条件の両方における使用に充分に適している。しかしながら、直線偏光性フィルターを含まない従来のフォトクロミックエレメントは、一般的に、放射線を直線偏光させることができない。両状態における従来のフォトクロミックエレメントの吸収比は、一般的に2未満である。したがって、従来のフォトクロミックエレメントは、従来の直線偏光性エレメントと同程度まで反射光のまぶしさを低減させることができない。また、従来のフォトクロミックエレメントが有する情報を格納または提示する能力は限定的である。
適性に少なくとも充分に整列させるとフォトクロミック特性と二色性の両方をもたらすフォトクロミック−二色化合物および材料が開発されている。しかしながら、着色した状態または暗状態では、例えば化学線に曝露されたとき、フォトクロミック−二色化合物は、典型的には、等価な濃度および試験片厚の非偏光性または従来のフォトクロミック化合物よりも大きな透過率を有する。いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、手元の証拠に基づくと、暗状態または着色した状態でのフォトクロミック−二色材料の透過率が大きいのは、透過率が偏光放射線の2つの直交する平面偏光成分の平均であるためと考えられる。フォトクロミック−二色材料は、ランダムな入射放射線の2つの直交す
る平面偏光成分のうちの一方をより強く吸収し、透過する(試験片内を貫通する)偏光の一方の平面が、直交する他方の平面偏光成分よりも大きな透過率を有することになる。2つの直交する平面偏光成分の平均は、典型的には大きな値の平均透過率となる。一般的に、フォトクロミック−二色化合物の直線偏光効率(吸収比に換算して定量することができる)が増大するにつれて、それに伴う透過率も増大する。
フォトクロミック−二色化合物を含み、かつ着色した状態または暗状態の場合、例えば化学線に曝露されたときに線形偏光特性と低透過率の組合せをもたらす新たな偏光性フォトクロミック物品が開発されることが望ましい。さらに、このような新たに開発される偏光性フォトクロミック物品は、高い光学密度と高い速度論の組み合わせ、例えば、所与の量の化学放射線に曝露されたとき高い退色速度を有するものであることが望ましい。
概要
本発明によれば(a)第1表面と第2表面を有する基材を含むフォトクロミック−二色物品が提供される。また、フォトクロミック−二色物品は(b)基材の第1表面の上に配置された第1のフォトクロミック−二色層も含む。第1のフォトクロミック−二色層は、第1のフォトクロミック−二色層内で横方向に整列しており、かつ第1のフォトクロミック−二色層の第1の偏光軸を画定する第1のフォトクロミック−二色化合物を含む。フォトクロミック−二色物品は、さらに(c)第1のフォトクロミック−二色層の上に配置された第2のフォトクロミック−二色層を含む。第2のフォトクロミック−二色層は、第2のフォトクロミック−二色層内で横方向に整列しており、かつ第2のフォトクロミック−二色層の第2の偏光軸を画定する第2のフォトクロミック−二色化合物を含む。第1のフォトクロミック−二色層の第1の偏光軸と第2のフォトクロミック−二色層の第2の偏光軸は互いに対して0°より大きく90°より小さいかまたは90°に等しい角度の向きである。
さらに本発明によれば、さらにポリマーを含む複屈折層を含み、該複屈折層が第1のフォトクロミック−二色層と第2のフォトクロミック−二色層との間に挟まれている上記のフォトクロミック−二色物品が提供される。
図1は、本発明のいくつかの実施形態によるフォトクロミック−二色物品の代表的な分解斜視図である。
図2は、第1および第2のフォトクロミック−二色層との間に挟まれた複屈折層を含む本発明のいくつかの実施形態によるフォトクロミック−二色物品の代表的な分解斜視図である。
図3は、第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物と第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物の波長に対する吸光度のプロットの代表的なグラフ表示を含めた、本発明のいくつかの実施形態によるフォトクロミック−二色物品の代表的な側面立面断面図である。
図4は、波長の関数としての平均Δ吸光度のグラフ表示であり(化学放射線での活性化後の可視光波長領域)、本発明のいくつかの実施形態によるフォトクロミック−二色物品の第1または第2のフォトクロミック−二色層内に含めることができるフォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層の2つの直交する面で得られた2つの平均差吸収スペクトルを示す。
図1〜4において、特に記載のない限り、同様の文字は同じ構造的特徴および成分を示す。
(詳細な説明)
本明細書で使用する場合、「化学放射線」との用語および同様の用語、例えば「化学放射光」は、材料の中で応答を起こさせることができる、例えば限定されないが、本明細書においてさらに詳細に記載するように、ある形または状態から別の形または状態へとフォトクロミック材料を変換させることができる電磁放射線を意味する。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック」との用語および関連する用語、例えば「フォトクロミック化合物」は、少なくとも化学放射線の吸収に対して応答して変わる少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有することを意味する。さらに、本明細書で使用する場合、「フォトクロミック材料」との用語は、フォトクロミック特性を示すように調整され(すなわち、少なくとも化学放射線の吸収に応答して変わる少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有するように調整され)、少なくとも1つのフォトクロミック化合物を含む任意の物質を意味する。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック化合物」との用語は、熱可逆性のフォトクロミック化合物と非熱可逆性のフォトクロミック化合物を含む。「熱可逆性のフォトクロミック化合物/材料」との用語は、本明細書で使用する場合、化学放射線に応答して第1の状態(例えば「透明な状態」)から第2の状態(例えば「着色した状態」)へと変わることが可能であり、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻ることが可能な化合物/材料を意味する。「非熱可逆性のフォトクロミック化合物/材料」との用語は、本明細書で使用する場合、化学放射線に応答して第1の状態(例えば「透明な状態」)から第2の状態(例えば「着色した状態」)へと変わることが可能であり、着色した状態の吸収(1つまたは複数)と実質的に同じ波長(1つまたは複数)の化学放射線に応答して(例えば、このような化学放射線にさらすのを止めると)第1の状態に戻ることができる化合物/材料を意味する。
本明細書で使用する場合、「二色」との用語は、少なくとも透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分のうちの一方を他方よりも強く吸収することができることを意味する。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック−二色性の」との用語ならびに同様の用語、例えば「フォトクロミック−二色材料」および「フォトクロミック−二色化合物」は、フォトクロミック特性(すなわち、少なくとも化学放射線に応答して変わる少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有する)と、二色性(すなわち、少なくとも透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分のうちの一方を他方よりも強く吸収することができる)の両方を有する、および/またはもたらす材料および化合物を意味する。
本明細書で使用する場合、「吸収比」との用語は、第1面内で直線偏光した放射線の吸光度と、第1面に直交する面内で直線偏光した同じ波長の放射線の吸光度との比率を指し、ここで、第1面は、最も高い吸光度を有する表面であるとする。
「状態」との用語を修飾するために本明細書で使用する場合、「第1の」および「第2の」との用語は、いかなる特定の順序も時間的な先後も指すことを意図しているのではなく、その代わりに、2つの異なる条件または性質を指す。非限定的な例示のために、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の第1の状態と第2の状態は、少
なくとも1つの光学特性、例えば限定されないが、可視放射線および/またはUV放射線の吸収または直線偏光に関して異なっていてもよい。したがって、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態と第2の状態それぞれで異なる吸収スペクトルを有していてもよい。例えば、本発明を限定しないが、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態では透明であり、第2の状態では着色していてもよい。または、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態では第1の色を有し、第2の状態では第2の色を有していてもよい。さらに、以下にさらに詳細に記載するように、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態では非直線偏光性(または「非偏光性」)であり、第2の状態では直線偏光性であってもよい。
本明細書で使用する場合、「光学」との用語は、光および/または視力に関するか、またはこれらに関連することを意味する。例えば、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、光学物品またはエレメントまたはデバイスは、眼科用物品、エレメントおよびデバイス、ディスプレイ物品、エレメントおよびデバイス、窓、鏡、アクティブおよびパッシブ液晶セル物品、エレメントおよびデバイスから選択され得る。
本明細書で使用する場合、「眼科用」との用語は、目および視力に関するもの、またはこれらに関連するものを意味する。眼科用物品またはエレメントの非限定的な例としては、矯正レンズおよび非矯正レンズ、例えば、単焦点レンズまたは多焦点レンズ(セグメント型または非セグメント型のいずれの多焦点レンズであってもよい)(例えば限定されないが、二焦点レンズ、三焦点レンズおよび多重焦点レンズ)、ならびに、視力を矯正し、保護し、または高める(美容的またはその他の様式で)ために用いられるおよび他のエレメント、例えば限定されないが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズおよび保護レンズまたは遮光板が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「眼科用基材」との用語は、レンズ、部分的に形成したレンズ、レンズブランクを意味する。
本明細書で使用する場合、「ディスプレイ」との用語は、文字、数字、記号、デザインまたは図面の情報の視認可能または機械可読の表示を意味する。ディスプレイ物品、エレメントおよびデバイスの非限定的な例としては、スクリーン、モニター、およびセキュリティエレメント、例えば、セキュリティマークが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「窓」との用語は、放射線が透過することができるように調整された開口部を意味する。窓の非限定的な例としては、自動車用および航空機用の透明部品、フィルター、シャッターおよび光学スイッチが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「鏡」との用語は、入射光の大部分またはかなりの部分を鏡面的に反射する表面を意味する。
本明細書で使用する場合、「液晶セル」との用語は、順に並べることができる液晶材料を含む構造を指す。アクティブ液晶セルは、外力(例えば、電場または磁場)を加えることにより、液晶材料が、順に並んだ状態と順に並んでいない状態との間、または2種類の順に並んだ状態の間を可逆的かつ制御可能に切り替えもしくは転換することができるセルである。パッシブ液晶セルは、液晶材料が順に並んだ状態で維持されているセルである。アクティブ液晶セルエレメントまたはデバイスの非限定的な一例は、液晶ディスプレイである。
本明細書で使用する場合、「コーティング」との用語は、液状または固形の微粒状の流動可能な組成物から誘導され、均一な厚みを有していてもよく、有していなくてもよい支持膜を意味し、具体的にはポリマーシートを除外する。非限定的な例示のために、固形の微粒状の流動可能な組成物の一例は粉末コーティング組成物である。本発明のフォトクロミック−二色物品の第1および第2のフォトクロミック−二色層ならびに任意選択のさらなる層、例えば、任意選択のプライマー層および任意選択のトップコート層は、いくつかの実施形態では、それぞれ独立してコーティングであってもよく、コーティング組成物で形成されていてもよい。
本明細書で使用する場合、「シート」との用語は、ほぼ均一な厚みを有し、自立できるあらかじめ形成した膜を意味する。
本明細書で使用する場合、「〜に接続する」との用語は、ある対象物との直接的な接触、またはある対象物との1種類または1種類より多くの他の構造もしくは材料(少なくとも1つが該対象物と直接接触している)を介しての間接的な接触を意味する。非限定的な例示のために、例えば、第1のフォトクロミック−二色層は、基材の少なくとも一部と直接的に接触していてもよく(例えば、隣接接触)、1つまたは1つより多くの他の介在構造または材料を介して基材の少なくとも一部と間接的に接触していてもよく、例えば(such as a)、基材の少なくとも一部と直接的に接触していてもよく(例えば、隣接接触)、または1つまたは1つより多くの他の介在構造または材料(例えば、プライマー層および/またはカップリング剤もしくは接着剤の単分子層)を介して基材の少なくとも一部と間接的に接触していてもよい。例えば、本発明を限定しないが、第1のフォトクロミック−二色層は、1つまたは1つより多くの他の介在コーティング、ポリマーシートまたはこれらの組み合わせ(これらのうち少なくとも1つは基材の少なくとも一部と直接的に接触している)と接触していてもよい。
本明細書で使用する場合、「感光性材料」との用語は、電磁放射線に物理的または化学的に応答する材料を意味し、限定されないがリン光発光材料および蛍光材料が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「非感光性材料」との用語は、電磁放射線に物理的にも化学的にも応答しない材料を意味し、限定されないが、静的染料が挙げられる。
本明細書で使用する場合、ポリマーの分子量値、例えば、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびz平均分子量(Mz)は、適切な標準(例えば、ポリスチレン標準)を用いたゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。
本明細書で使用する場合、多分散指数(PDI)値は、ポリマーの数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比率(すなわち、Mw/Mn)を表す。
本明細書で使用する場合、「ポリマー」との用語は、ホモポリマー(例えば、単一のモノマー種から調製される)、コポリマー(例えば、少なくとも2種類のモノマー種から調製される)ならびにグラフトポリマー(限定されないが、櫛型グラフトポリマー、星型グラフトポリマー、および樹状グラフトポリマーが挙げられる)を意味する。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリレート」との用語および類似の用語、例えば「(メタ)アクリル酸エステル」は、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル酸」との用語は、メタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。
特に記載のない限り、本明細書に開示するあらゆる範囲または比率は、その中に包含される任意のすべての下位範囲または下位比率を包含していると理解されたい。例えば「1〜10」という記載の範囲または比率は、最小値が1であり、最大値が10であるその間(両端を含む)の任意のすべての下位範囲;すなわち、最小値が1または1より大きい数から始まり、最大値が10または10より小さい数で終わるあらゆる下位範囲または下位比率、例えば限定されないが、1〜6.1、3.5〜7.8、5.5〜10を含むとみなされたい。
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、特に記載のない限り、接続基(例えば、二価の接続基)の左から右への表示は、他の適切な向き、例えば限定されないが、右から左への向きを含む。非限定的な例示のために、二価の接続基の左から右への表現
Figure 2016186665
または等価な−C(O)O−は、
その右から左への表現
Figure 2016186665
または等価な−O(O)C−もしくは−OC(O)−を含む。
本明細書で使用する場合、冠詞“a”、“an”および“the”は、特に明示的かつ明白に1つの指示対象物に限定していない限り、複数の指示対象物も含む。
本明細書で使用する場合、「第1のフォトクロミック−二色化合物」との用語は少なくとも1種類の第1のフォトクロミック−二色化合物を意味する。2種類または2種類より多くの第1のフォトクロミック−二色化合物を存在させる場合、いくつかの実施形態によれば、これらの化合物は一体で、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長(または平均波長)、特定の波長範囲で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度(または平均吸光度)、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長(または平均波長)、および第1の不活性な状態の初期最小吸光度波長(または平均波長)を有するもの、またはこれらを示すものであり得る。
本明細書で使用する場合、「第2のフォトクロミック−二色化合物」との用語は少なくとも1つの第2のフォトクロミック−二色化合物を意味する。2種類または2種類より多くの第2のフォトクロミック−二色化合物を存在させる場合、いくつかの実施形態によれば、これらの化合物は一体で、第2の不活性な状態のピーク吸光度(または平均吸光度)、特定の波長範囲で0より大きい第2の不活性な状態の吸光度波長(または平均波長)、第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長(または平均波長)、および第2の不活性な状態の初期最小吸光度波長(または平均波長)を有するもの、またはこれらを示すものであり得る。
本明細書で使用する場合、フォトクロミック化合物(例えば、第1のフォトクロミック−二色化合物および第2のフォトクロミック−二色化合物)に関する「不活性な状態」との用語は、フォトクロミック化合物が(i)330nmより大きいか330nmに等しい波長および450nmより小さいか450nmに等しい波長、例えば、430nmより小さいか430nmに等しい波長または410nmより小さいか410nmに等しい波長で
測定可能な吸光度;および(ii)450nmより大きい波長で最小限または実質的に無の測定可能な吸光度を有するか、または該吸光度もたらすフォトクロミック化合物が得られるのに充分なエネルギーを有する化学放射線に曝露されたことを意味する。
本明細書で使用する場合、フォトクロミック化合物(例えば、第1のフォトクロミック−二色化合物および第2のフォトクロミック−二色化合物、ならびにフォトクロミック−二色物品)に関する「活性化した状態」との用語は、フォトクロミック化合物および/またはフォトクロミック物品が(i)330nmより大きいか330nmに等しい波長および450nmより小さいか450nmに等しい波長、例えば、430nmより小さいか430nmに等しい波長または410nmより小さいか410nmに等しい波長で測定可能な吸光度;および(ii)450nmより大きい波長で測定可能な吸光度を有するか、または該吸光度もたらすフォトクロミック化合物および/またはフォトクロミック物品が得られるのに充分なエネルギーを有する化学放射線に曝露されたことを意味する。
本明細書で使用する場合、ある特定の波長範囲で、例えば「340nm〜380nmの全波長で」「0より大きい第1の不活性な状態の吸光度」との用語は、第1のフォトクロミック−二色化合物が、ある特定の波長範囲で、例えば340nm〜380nmの全波長で0より大きい不活性な状態の吸光度を有することを意味する。
本明細書で使用する場合、「第1の不活性な状態のピーク吸光度波長」との用語は、不活性な状態の(第1のフォトクロミック−二色層の)第1のフォトクロミック−二色化合物がピーク(または最大)吸光度を有する波長を意味する。第1の不活性な状態のピーク吸光度波長は、典型的には340nm〜380nmに存在する。
本明細書で使用する場合、「第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長」との用語は、不活性な状態の(第1のフォトクロミック−二色層の)第1のフォトクロミック−二色化合物が末端(または上端)最小吸光度を有する波長を意味する。第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長は、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長よりも高波長側である。
本明細書で使用する場合、「第1の不活性な状態の初期最小吸光度波長」との用語は、不活性な状態の(第1のフォトクロミック−二色層の)第1のフォトクロミック−二色化合物が初期(または下端)最小吸光度を有する波長を意味する。第1の不活性な状態の最小吸光度波長は、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長および第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長よりも低波長側である。
本明細書で使用する場合、ある特定の波長範囲で、例えば「340nm〜380nmの波長の少なくとも一部で」「0より大きい第2の不活性な状態の吸光度」との用語は、第2のフォトクロミック−二色化合物が、ある特定の波長範囲で、例えば、340nm〜380nmの波長の少なくとも一部、例えば、340nm〜370nm、または350nm〜380nm、または340nm〜380nmで0より大きい不活性な状態の吸光度を有することを意味する。
本明細書で使用する場合、0より大きい不活性な状態の吸光度に関する「x nm〜y
nmの波長の少なくとも一部で」との用語は、記載の範囲内(記載の上端および下端の波長値を含む)の連続している波長の少なくとも一部であることを意味する。
本明細書で使用する場合、「第2の不活性な状態のピーク吸光度波長」との用語は、不活性な状態の(第2のフォトクロミック−二色層の)第2のフォトクロミック−二色化合物がピーク(または最大)吸光度を有する波長を意味する。第2の不活性な状態のピーク吸光度波長は、典型的には340nm〜380nmに存在する。
本明細書で使用する場合、「第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長」との用語は、不活性な状態の(第2のフォトクロミック−二色層の)第2のフォトクロミック−二色化合物が末端(または上端)最小吸光度を有する波長を意味する。第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長は、第2の不活性な状態のピーク吸光度波長よりも高波長側である。
本明細書で使用する場合、「第2の不活性な状態の初期最小吸光度波長」との用語は、不活性な状態の(第2のフォトクロミック−二色層の)第2のフォトクロミック−二色化合物が初期(または下端)最小吸光度を有する波長を意味する。第2の不活性な状態の最小吸光度波長は、第2の不活性な状態のピーク吸光度波長および第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長よりも低波長側である。
不活性な状態の初期最小吸光度波長値、例えば、第1および/または第2の不活性な状態の初期最小吸光度波長値は、それぞれ、使用される分析方法および機器、ならびに具体的なフォトクロミック化合物を存在させる基材および/またはマトリックス(例えば、コーティングマトリックス)によって影響され得る(これを本明細書では「USIMAWVの影響(USIMAWV affect)」と称する)。USIMAWVの影響は、不活性な状態の初期最小吸光度波長値が360nm未満である場合、より顕著になり得る。USIMAWVの影響は、加法的であっても減法的であってもよく、より高い、またはより低い不活性な状態の初期最小吸光度波長値をもたらす。代替的にまたは追加的に、USIMAWVの影響は、負の吸光度値を有する不活性な状態の初期最小吸光度波長値をもたらすものであってもよい。なお、さらに、USIMAWVの影響は、正および/または負の吸光度の急上昇(特に360nm未満の波長値で)をもたらすものであってもよい。いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、有機ポリマー基材および有機ポリマーコーティングの場合、USIMAWVの影響は、少なくとも一部において、基材および/またはコーティングマトリックス中の、装置の参照サブトラクションとカップリングしている芳香族環の存在によるものであると考えられる。いくつかの実施形態では、基材が水晶である場合、USIMAWVの影響は最小限になり得る。有機ポリマー材料で構成された基材およびコーティングならびに装置参照サブトラクションを使用した場合、非限定的な例示の目的で図3に関して本明細書にさらに詳細に記載したような第1および第2の不活性な状態の初期最小吸光度波長値(例えば、図3の71および80)はそれぞれ、USIMAWVの影響に供され得ると考えられる。
本明細書で使用する場合、特に記載のない限り、「透過率」は、当該技術分野で認識されている装置、例えば、ULTRASCAN PRO分光計(HunterLabから市販により入手される)を用いて、該分光計のユーザーマニュアルに示された使用説明書に従って測定され得る。
本明細書で使用する場合、「直線偏光する」との用語は、光波などの電磁波の電気ベクトルの振動を1つの方向または平面に制限することを意味する。
本実施例以外、またはそうでないと記載している場合以外、本明細書および特許請求の範囲で使用している成分の量、反応条件などを示す数字はすべて、あらゆる場合において「約」との用語で修飾されていると理解されたい。
本明細書で使用する場合、空間または方向を示す用語、例えば、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上」、「下」などは、図面の図に示されたとおりの本発明に関するものである。しかしながら、本発明は種々の択一的な向きが想定され得、したがって、このような用語は限定的とみなされるべきではないことを理解されたい。
本明細書で使用する場合、「〜の上に作られた」、「〜の上に堆積した」、「〜の上に提供された」、「〜の上に塗布された」、「〜の上に存在する」、または「〜の上に配置された」との用語は、その下にあるエレメント上またはその下にあるエレメントの表面上に作られるか、堆積させられるか、提供されるか、塗布されるか、存在するか、または配置されるが、必ずしも直接接触(または隣接)している必要はないことを意味する。例えば、基材「の上に配置された」層は、配置された層または作られた層と基材との間に位置する同じ組成または異なる組成の1つまたは1つより多くの他の層、コーティングまたは膜が存在することを除外するものではない。
本明細書で言及している文献、例えば限定されないが、発行特許および特許出願はすべて、特に記載のない限り、その全体が「参考として組み込まれる」とみなされたい。
本発明のフォトクロミック−二色物品は基材を含む。本発明のフォトクロミック−二色物品の基材が選択され得る基材としては、限定されないが、有機材料、無機材料またはこれらの組み合わせ(例えば、複合材料)で形成された基材が挙げられる。本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態に従って使用され得る基材の非限定的な例は以下により詳細に記載している。
本発明のフォトクロミック−二色物品の基材を形成するために使用され得る有機材料の非限定的な例としては、ポリマー材料、例えば、米国特許第5,962,617号および米国特許第5,658,501号の第15欄第28行〜第16欄第17行(これらの米国特許の開示内容は、本明細書に具体的に参考として組み込まれる)に開示されているモノマーおよびモノマー混合物から調製されるホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。例えば、このようなポリマー材料は、熱可塑性ポリマー材料であっても熱硬化性ポリマー材料であってもよく、透明であっても光学的に透明であってもよく、必要な任意の屈折率を有するものであり得る。このような開示されたモノマーおよびポリマーの非限定的な例としては:ポリオール(アリルカーボネート)モノマー、例えば、アリルジグリコールカーボネート、例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)が挙げられ、このモノマーは、PPG Industries,Inc.によって商標名CR−39で販売されている;ポリウレア−ポリウレタン(ポリウレア−ウレタン)ポリマー、これは、例えばポリウレタンプレポリマーとジアミン硬化剤の反応によって調製され、このようなポリマーの一例の組成物は、PPG Industries,Inc.によって商標名TRIVEXによって販売されている;ポリオール(メタ)アクリロイル末端カーボネートモノマー;ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー;エトキシル化フェノールメタクリレートモノマー;ジイソプロペニルベンゼンモノマー;エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー;エチレングリコールビスメタクリレートモノマー;ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー;ウレタンアクリレートモノマー;ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(塩化ビニル);ポリ(塩化ビニリデン);ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリウレタン;ポリチオウレタン;熱可塑性ポリカーボネート、例えば、ビスフェノールAとホスゲンから誘導されるカーボネート結合型樹脂(このような材料の一例は商標名LEXANで販売されている);ポリエステル、例えば、商標名MYLARとして販売されている材料;ポリ(エチレンテレフタレート);ポリビニルブチラール;ポリ(メタクリル酸メチル)、例えば、商標名PLEXIGLASとして販売されている材料、ならびに多官能性イソシアネートをポリチオールまたはポリエピスルフィドモノマーと反応させることにより調製され、ポリチオール、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートおよび必要に応じてエチレン性不飽和のモノマーまたはハロゲン化芳香族含有ビニルモノマーと単独重合されているか、あるいは共重合および/または三元重合されているかのいずれかであるポリマーが挙げられる。また、例えば、ブロックコポリマーまたは相互貫入網目構造生成物を形成するための、このようなモノマーのコポリマー、
ならびに記載のポリマーおよびコポリマーと他のポリマーとのブレンドも想定される。
基材は、いくつかの実施形態では眼科用基材であり得る。眼科用基材の形成における使用に適した有機材料の非限定的な例としては、限定されないが、眼科用基材として有用であると当該技術分野で認識されているポリマー、例えば、光学用途(例えば、眼科用レンズ)のための光学的に透明なキャスト成型物を調製するために使用される有機光学樹脂が挙げられる。
本発明のフォトクロミック−二色物品の基材の形成における使用に適した有機材料の他の非限定的な例としては、合成有機材料および天然有機材料の両方が挙げられ、限定されないが:不透明または半透明のポリマー材料、天然および合成の繊維製品、セルロース材料(例えば、紙および木材)が挙げられる。
本発明のフォトクロミック−二色物品の基材の形成における使用に適した無機材料の非限定的な例としては、ガラス、鉱物、セラミック、金属が挙げられる。例えば、非限定的な一実施形態では、基材はガラスを含み得る。他の非限定的な実施形態では、基材は反射面を有するもの、例えば、研磨したセラミック基材、金属基材または鉱物基材であり得る。他の非限定的な実施形態では、反射性にするか、または反射性を高めるために反射性のコーティングまたは層が無機もしくは有機基材の表面に堆積あるいは塗布され得る。
さらに、本明細書に開示する特定の非限定的な実施形態によれば、基材は、保護コーティング、例えば限定されないが耐摩耗性コーティング、例えば「ハードコート」をその外表面に有するものであってもよい。例えば、市販の熱可塑性ポリカーボネート眼科用レンズ基材は、その表面が容易に傷つき、摩耗し、または擦り傷ができる傾向があるため、多くの場合、外表面に耐摩耗性コーティングが既に施された状態で販売されている。このようなレンズ基材の一例は、GENTEXTMポリカーボネートレンズ(Gentex Opticsから入手可能)である。したがって、本明細書で使用する場合、「基材」との用語は、保護コーティング(例えば限定されないが、耐摩耗性コーティング)をその表面上に有する基材を含む。
なお、さらに、本発明のフォトクロミック−二色物品の基材は、無色(“untinted”または“non−tinted”)基材、着色基材、直線偏光性基材、円偏光性基材、楕円偏光性基材、フォトクロミック基材、または着色フォトクロミック基材から選択され得る。基材に関して本明細書で使用する場合、「無色」との用語は、本質的に着色剤(例えば限定されないが、従来の染料)は添加されておらず、化学放射線に応答して有意に変化しない可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。さらに、基材に関して、「着色」との用語は、着色剤(例えば限定されないが、従来の染料)が添加されており、化学放射線に応答して有意に変化しない可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。
本明細書で使用する場合、基材に関する「直線偏光性」との用語は、放射線を直線偏光するように調整された基材を意味する。本明細書で使用する場合、基材に関する「円偏光性」との用語は、放射線を円偏光するように調整された基材を意味する。本明細書で使用する場合、基材に関する「楕円偏光性」との用語は、放射線を楕円偏光するように調整された基材を意味する。本明細書で使用する場合、基材に関する「フォトクロミック」との用語は、少なくとも化学放射線に応答して変化する可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。さらに、本明細書で使用する場合、基材に関する「着色フォトクロミック」との用語は、着色剤の添加およびフォトクロミック材料を含み、少なくとも化学放射線に応答して変化する可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。したがって、例えば限定されないが、着色フォトクロミック基材は、着色剤の第1の色特性と、
化学放射線に曝露されたときの着色剤とフォトクロミック材料の組み合わせの第2の色特性とを有するものであり得る。
図1を参照されたい。非限定的な例示の目的で、本発明によるフォトクロミック−二色物品3を示している。フォトクロミック−二色物品3は、第1表面14と第2表面17を有する基材11を含み、ここで、第1表面14と第2表面17は互いの反対側である。基材11の第1表面14は、いくつかの実施形態では、矢印20で示す入射化学放射線に対向する。フォトクロミック−二色物品3は、さらに、基材11の第1表面14の上に配置された第1のフォトクロミック−二色層23を含む。いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層23は第1表面14に隣接している。さらなる実施形態によれば、1つまたは1つより多くのさらなる層、例えば、プライマー層(図示せず)および/または第1のアライメント層(図示せず)が第1のフォトクロミック−二色層23と基材11の第1表面14との間に挟まれる。
第1のフォトクロミック−二色層には少なくとも1つの第1のフォトクロミック−二色化合物が含まれている。第1のフォトクロミック−二色化合物は、第1のフォトクロミック−二色層内で横方向に整列している。横方向に整列しているとは、第1のフォトクロミック−二色化合物が第1のフォトクロミック−二色層の幅または長さの少なくとも一部の全体にわたって横方向に整列していることを意味する。第1のフォトクロミック−二色化合物は、第1のフォトクロミック−二色層の内部の少なくとも一部内で第1のフォトクロミック−二色層の上側および/または下側表面に沿って横方向に整列していてもよく、これらの任意の組み合わせであってもよい。第1のフォトクロミック−二色層内での第1のフォトクロミック−二色化合物の横方向アライメントは、第1のフォトクロミック−二色層の第1の偏光軸を画定する役目を果たす。図1に対する非限定的な参照では、第1のフォトクロミック−二色層23は、両方向矢印26で示す第1の偏光軸を有する。
フォトクロミック−二色物品3は、さらに、第1のフォトクロミック−二色層23の上に配置された第2のフォトクロミック−二色層29を含む。いくつかの実施形態では、第2のフォトクロミック−二色層29は第1のフォトクロミック−二色層23に隣接している。さらなる実施形態によれば、1つまたは1つより多くのさらなる層、例えば、第2のアライメント層(図示せず)が第2のフォトクロミック−二色層29と第1のフォトクロミック−二色層23との間に挟まれる。
第2のフォトクロミック−二色層は、少なくとも1つの第2のフォトクロミック−二色化合物を含む。第2のフォトクロミック−二色化合物は、第2のフォトクロミック−二色層内で横方向に整列している。横方向に整列しているとは、第2のフォトクロミック−二色化合物が第2のフォトクロミック−二色層の幅または長さの少なくとも一部の全体にわたって横方向に整列していることを意味する。第2のフォトクロミック−二色化合物は、第2のフォトクロミック−二色層の内部の少なくとも一部内で第2のフォトクロミック−二色層の上側および/または下側表面に沿って横方向に整列していてもよく、これらの任意の組み合わせであってもよい。第2のフォトクロミック−二色層内での第2のフォトクロミック−二色化合物の横方向アライメントは、第2のフォトクロミック−二色層の第2の偏光軸を画定する役目を果たす。図1に対する非限定的な参照では、第2のフォトクロミック−二色層29は、両方向矢印32で示す第2の偏光軸を有する。
本発明のフォトクロミック−二色物品では、第1のフォトクロミック−二色層の第1の偏光軸と第2のフォトクロミック−二色層の第2の偏光軸は互いに対して0°より大きく90°より小さいか90°に等しい、例えば、0.1°〜90°、または1°〜90°、または10°〜90°、または25°〜90°、または45°〜90°、または60°〜90°(記載の両端値を含む)の角度の向きである。いくつかの実施形態では、第1およ
び第2の偏光軸が互いに対して90°の角度の向きである場合、入射化学放射線に曝露されたとき、例えば、直射日光に曝露されたときに第1および第2のフォトクロミック−二色化合物がフォトクロミック活性化(例えば、着色した状態に転換される)と二色活性化の両方を受けるとすれば、本発明のフォトクロミック−二色物品は最低レベルの入射化学放射線透過率を有する。
入射電磁エネルギーの波長もしくは波長範囲および/またはエネルギー(もしくは強度)に応じて、本発明のフォトクロミック−二色物品は、さまざまなフォトクロミック応答および/または二色応答をもたらし、さまざまな観察可能な色、色強度、偏光効果、および/または少なくとも部分的に交差偏光効果が得られ得る。本発明のフォトクロミック−二色物品の第2のフォトクロミック−二色化合物およびその下にある第1のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、フォトクロミック活性化(例えば、着色した状態への転換)および/または二色活性化(入射電磁放射線の少なくとも部分的に直線偏光がもたらされる)の任意の組み合わせを受けることができる。いくつかの実施形態では、下層の第1のフォトクロミック−二色化合物がフォトクロミック活性化または二色活性化を受けると、その上にある第2のフォトクロミック−二色化合物がフォトクロミックおよび/または二色活性化を受ける。
いくつかの実施形態では、例えばフォトクロミック−二色物品が直射日光に曝露されると、第2のフォトクロミック−二色化合物はフォトクロミック活性化(例えば、着色した状態に転換される)と二色活性化を受け、一方、その下にある第1のフォトクロミック−二色化合物はフォトクロミック活性化と二色活性化を受ける。いくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色物品が、限られた波長範囲および/または低エネルギーを有する化学放射線に曝露した場合、例えば、ガラスパネル、例えば、自動車のフロントガラスまたは窓が化学放射線源とフォトクロミック−二色物品との間に挟まれている場合、第2のフォトクロミック−二色化合物はフォトクロミック活性化(例えば、着色した状態に転換される)および/または二色活性化を受け、一方、その下にある第1のフォトクロミック−二色化合物は実質的にフォトクロミック活性化を受けず、実質的に二色活性化を受けない。いくつかのさらなる実施形態では、例えば、フォトクロミック−二色物品を屋内周囲光、例えば蛍光灯に曝露した場合、第2のフォトクロミック−二色化合物は実質的にフォトクロミック活性化を受けず、実質的に二色活性化を受けず、その下にある第1のフォトクロミック−二色化合物は実質的にフォトクロミック活性化を受けず、実質的に二色活性化を受けない。
第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、本発明のフォトクロミック−二色物品のいくつかの実施形態では、透過する放射線に関して、それぞれ独立して、第1の状態では非偏光性であり得(すなわち、該層は光波の電気ベクトルの振動を一方向に制限しない)、第2の状態では直線偏光性であり得る。本明細書で使用する場合、「透過する放射線」との用語は、物体の少なくとも一部分を貫通する放射線を指す。本発明を限定しないが、透過する放射線は、紫外線放射線、可視光放射線、赤外線放射線、またはこれらの組み合わせであり得る。したがって、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、第1の状態では非偏光性であり得、第2の状態では直線偏光性であり得、それにより、第2の状態では直線偏光紫外線放射線が透過するか、直線偏光可視光放射線が透過するか、またはこれらの組み合わせである。
さらに他の非限定的な実施形態によれば、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、第1の状態では第1の吸収スペクトル、第2の状態では第2の吸収スペクトルを有するものであり得、第1の状態および第2の状態の両方で直線偏光性であり得る。
いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、少なくとも1つの状態で少なくとも1.5の平均吸収比を有するものであり得る。いくつかのさらなる実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、少なくとも1つの状態で少なくとも1.5〜50(またはそれより大きい)の範囲の平均吸収比を有するものであり得る。「吸収比」との用語は、第1面内で直線偏光した放射線の吸光度と、第1面に直交する面内で直線偏光した放射線の吸光度との比率を指し、ここで、第1面は、最も高い吸光度を有する面であるとする。したがって、吸収比(および以下に記載する平均吸収比)は、放射線の2つの直交する平面偏光成分のうちの一方が物体または材料によってどれだけ強く吸収されるかの指標である。
フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層の平均吸収比は以下に示すようにして求めることができる。例えば、フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層の平均吸収比を求めるためには、層を有する基材を光学ベンチに配置し、該層を、フォトクロミック−二色化合物の活性化によって、直線偏光状態で配置する。活性化は、飽和状態またはほぼ飽和な状態(すなわち、該層の吸収特性が、測定が行われる時間枠にわたって実質的に変化しない状態)に達するのに充分な時間、該層をUV放射線に曝露することにより行なわれる。吸光度の測定は、ある時間にわたって(典型的には、10〜300秒)3秒間隔で、光学ベンチに垂直な面(0°偏光面または方向と称される)内で直線偏光する光、および光学ベンチに平行な面(90°偏光面または方向と称される)内で直線偏光する光について以下のシーケンス:0°、90°、90°、0°などで行われる。該層による直線偏光の吸光度は、試験される全波長について、それぞれの時間枠で測定され、同じ波長範囲での活性化していない吸光度(すなわち、不活性な状態でのコーティングの吸光度)を差し引き、0°および90°の偏光面それぞれで、活性化した状態での該層の吸収スペクトルを得、飽和状態またはほぼ飽和な状態のコーティングのそれぞれの偏光面における平均差吸収スペクトルを得る。
例えば、図4を参照されたい。本明細書に開示する非限定的な一実施形態によるフォトクロミック−二色層について得られた1つの偏光面における平均差吸収スペクトル(一般的に、38で示す)を示している。平均吸収スペクトル(一般的に、35で示す)は、直交偏光面における同じフォトクロミック−二色層で得られた平均差吸収スペクトルである。
フォトクロミック−二色層で得られた平均差吸収スペクトルに基づき、フォトクロミック−二色層の平均吸収比は、以下のように得られる。λmax−vis±5ナノメートル(ここで、λmax−visは、任意の平面でコーティングが最も高い平均吸光度を有する波長である)に対応する所定の波長範囲(一般的に、図4で41として示す)におけるそれぞれの波長でのフォトクロミック−二色層の吸収比は、以下の数式(式1):
ARλi=Ab λi/Ab λi 式1
にしたがって計算される。数式の式1について、ARλiは、波長λでの吸収比であり、Ab λiは、高い方の吸光度を有する偏光方向(すなわち、0°または90°)における波長λでの平均吸収であり、Ab λiは、残りの偏光方向における波長λでの平均吸収である。先に記載のように、「吸収比」は、第1面内で直線偏光する放射線の吸光度と、第1面に直交する面内で直線偏光する同じ波長の放射線の吸光度との比率を指し、ここで、第1面は、最も高い吸光度を有する面であるとする。
次いで、以下の数式(式2):
AR=(ΣARλi)/n 式2
にしたがって所定範囲の波長(すなわち、λmax−vis±5ナノメートル)における
個々の吸収比を平均することによりフォトクロミック−二色層の平均吸収比(「AR」)を計算する。数式の式2について、ARは、コーティングの平均吸収比であり、ARλiは、所定の波長範囲内のそれぞれの波長についての個々の吸収比であり(式1にて上記で求められる)、nは、平均する個々の吸収比の数である。平均吸収比を求めるこの方法のさらなる詳細説明は、米国特許第7,256,921号の第102欄第38行〜第103欄第15行の実施例(その開示内容は本明細書に具体的に参考として組み込まれる)に示されている。
いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物および第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、少なくとも部分的に整列していてもよい。先に記載のように、「フォトクロミック−二色性」との用語は、特定の条件下でフォトクロミック特性と二色(すなわち、直線偏光)特性の両方を示すことを意味し、この特性は、少なくとも機器類によって検出可能なものである。したがって、「フォトクロミック−二色化合物」は、特定の条件下でフォトクロミック特性および二色(すなわち、直線偏光)特性の両方を示す化合物であり、この特性は、少なくとも機器類によって検出可能なものである。したがって、フォトクロミック−二色化合物は、少なくとも化学放射線に応答して変化する少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有し、少なくとも透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分の一方を他方よりも強く吸収することができる。さらに、本明細書に記載の従来のフォトクロミック化合物のように、本明細書に開示する第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、熱可逆性であり得る。すなわち、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、化学放射線に応答して第1の状態から第2の状態へと切り替わり得、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻り得る。本明細書で使用する場合、いくつかの実施形態では、「化合物」との用語は、2種類または2種類より多くの元素、構成要素、成分または部分の結合によって形成される物質を意味し、限定されないが、2種類または2種類より多くの元素、構成要素、成分、または部分の結合によって形成される分子および高分子(例えば、ポリマーおよびオリゴマー)が包含される。
例えば、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、第1の吸収スペクトルを有する第1の状態と、第1の吸収スペクトルとは異なる第2の吸収スペクトルを有する第2の状態を有するものであり得、少なくとも化学放射線に応答して第1の状態から第2の状態へと切り替わり、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻るように調整され得る。さらに、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、第1の状態および第2の状態の一方または両方で二色(すなわち、直線偏光性)であってもよい。例えば、必須ではないが、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、活性化した状態で直線偏光性であり、光退色または消光した状態(活性化していない状態、または不活性な状態)では非偏光性であり得る。本明細書で使用する場合、「活性化した状態」との用語は、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部が第1の状態から第2の状態へと切り替わるのに充分な化学放射線に曝露されているときのフォトクロミック−二色化合物を指す。さらに、必須ではないが、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、第1の状態および第2の状態の両方で二色性であり得る。本発明を限定しないが、例えば、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、活性化した状態および光退色した状態の両方で可視光放射線を直線偏光し得る。さらに、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、活性化した状態で可視光放射線を直線偏光し、光退色した状態ではUV放射線を直線偏光し得る。
必須ではないが、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色層の第1および第2のフォトクロミック−二色化
合物は、それぞれ独立して、CELL方法に従って測定したとき活性化した状態で少なくとも1.5の平均吸収比を有するものであり得る。本明細書に開示する他の非限定的な実施形態によれば、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、CELL方法に従って測定したとき活性化した状態で2.3より大きい平均吸収比を有するものであり得る。さらに他の非限定的な実施形態によれば、それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色層の少なくとも部分的に整列している第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、CELL方法に従って測定したとき活性化した状態で1.5〜50の範囲の平均吸収比を有するものであり得る。他の非限定的な実施形態によれば、それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色層の少なくとも部分的に整列している第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、CELL方法に従って測定したとき活性化した状態で4〜20の範囲の平均吸収比、または3〜30の範囲の平均吸収比、または2.5〜50の範囲の平均吸収比を有するものであり得る。しかしながら、より典型的には、少なくとも部分的に整列している第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の平均吸収比は、それぞれ独立して、本発明のフォトクロミック−二色物品に望ましい特性が付与されるのに充分な任意の平均吸収比であり得る。第1および第2のフォトクロミック−二色化合物がそれぞれ独立して選択され得る適切なフォトクロミック−二色化合物の非限定的な例を、いくつかの実施形態で、本明細書において以下に詳細に記載する。
フォトクロミック−二色化合物(例えば、第1および第2のフォトクロミック化合物)の平均吸収比を求めるためのCELL方法は、コーティングされた基材の吸光度を測定するのではなく、整列している液晶材料と特定のフォトクロミック−二色化合物とを含むセルアセンブリを試験すること以外、このようなフォトクロミック−二色化合物を含有しているフォトクロミック−二色層の平均吸収比を求めるために使用される方法と本質的に同じである。
いくつかの実施形態では、非限定的な例示の目的で、セルアセンブリは、20ミクロン±1ミクロン離れた2つの対向するガラス基材を含み得る。基材を2つの対向する縁に沿って密閉し、セルを形成する。それぞれのガラス基材の内側表面をポリイミドコーティングでコーティングし、その表面を擦ることによって少なくとも部分的に順に並べておいた。フォトクロミック−二色化合物のアライメントは、フォトクロミック−二色化合物と液晶媒体をセルアセンブリ内に導入し、液晶媒体を擦ったポリイミド表面と整列させることにより行なわれる。液晶媒体とフォトクロミック−二色化合物が整列したら、セルアセンブリを光学ベンチ(これは、実施例に詳細に記載している)に置き、セルアセンブリの活性化していない吸光度を活性化した吸光度から差し引き、平均差吸収スペクトルを得ること以外は、コーティングされた基材について既に記載した様式で平均吸収比を求める。
二色化合物は、平面偏光の2つの直交する成分の一方を優先的に吸収することができるが、一般的に、正味の直線偏光効果を得るために二色化合物の分子を適切に配置または整列させることが必要である。同様に、一般的に、正味の直線偏光効果を得るためにフォトクロミック−二色化合物の分子を適切に配置または整列させることが必要である。すなわち、一般的に、活性化した状態のフォトクロミック−二色化合物の分子の長軸が互いに概ね平行になるように、フォトクロミック−二色化合物の分子を整列させることが必要である。したがって、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、少なくとも部分的に整列している。さらに、フォトクロミック−二色化合物の活性化した状態が、該化合物が存在する材料の二色状態に対応する場合、フォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態のフォトクロミック−二色化合物の分子の長軸が整列するように少なくとも部分的に整列し得る。本明細書で使用する場合、「整列する」との用語は、別の材料、化合物または構造と相互作用することにより適切な配置または位置がもたらされることを意味する。
さらに、本発明を限定しないが、第1のフォトクロミック−二色層は、複数の第1のフォトクロミック−二色化合物を含むものであってもよい、および/または第2のフォトクロミック−二色層は複数の第2のフォトクロミック−二色化合物を含むものであってもよい。本発明を限定しないが、2種類または2種類より多くのフォトクロミック−二色化合物を組み合わせて使用する場合、フォトクロミック−二色化合物は、所望の色または色相がもたらされるように互いに相補的になるように選択され得る。例えば、フォトクロミック−二色化合物の混合物を本明細書に開示する特定の非限定的な実施形態に従って使用し、活性化した特定の色、例えば、ニュートラルグレーに近い色、またはニュートラルブラウンに近い色を得てもよい。例えば、ニュートラルグレーおよびニュートラルブラウンの色を定義するパラメーターが記載された米国特許第5,645,767号、第12欄第66行〜第13欄第19行(その開示内容は、本明細書に参考として具体的に組み込まれる)を参照のこと。さらに、あるいはまた、本発明のフォトクロミック−二色物品のそれぞれのフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、相補的な直線偏光状態を有するフォトクロミック−二色化合物の混合物を含むものであってもよい。例えば、具体的なフォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、所望の波長範囲で光を偏光し得るフォトクロミック−二色物品が得られるように所望の波長範囲で相補的な直線偏光状態を有するように選択され得る。なお、さらに、得られる全直線偏光を強化または増強するために、同じ波長で本質的に同じ偏光状態を有する相補的なフォトクロミック−二色化合物の混合物が選択され得る。例えば、いくつかの非限定的な実施形態によれば、本発明のフォトクロミック−二色物品のそれぞれのフォトクロミック−二色層は、独立して、少なくとも2種類の少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物を含み得、それぞれの少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は:補色;および/または相補的な直線偏光状態を有する。
第1および第2のフォトクロミック−二色層に、それぞれ独立して、さらに、該層の加工成形、特性または性能のうちの1つまたは1つより多くを助長し得る少なくとも1つの添加剤を含めてもよい。このような添加剤の非限定的な例としては、染料、アライメント促進剤、水平アライメント剤、速度向上添加剤、光開始剤、熱開始剤、重合阻害剤、溶媒、光安定化剤(例えば限定されないが、紫外光吸収剤および光安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS))、熱安定化剤、離型剤、レオロジー制御剤、レベリング剤(例えば限定されないが、界面活性剤)、遊離ラジカル捕捉剤、ならびに接着促進剤(例えば、ヘキサンジオールジアクリレートおよびカップリング剤)が挙げられる。
第1および/または第2のフォトクロミック−二色層中に存在させてもよい染料の例としては、限定されないが、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層に対して所望の色または他の光学特性を付与することができる有機染料が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「アライメント促進剤」との用語は、これを添加する材料のアライメントの速度および均一性のうちの少なくとも一方を助長し得る添加剤を意味する。第1および/または第2のフォトクロミック−二色層中に存在させてもよいアライメント促進剤の非限定的な例としては、限定されないが、米国特許第6,338,808号および米国特許公開第2002/0039627号(これらは、本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に記載されたものが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態で使用され得る水平アライメント(または配向)剤は、フォトクロミック−二色化合物の長手方向の軸をフォトクロミック−二色層の水平面に実質的に平行に整列させることを補助するものである。本発明のいくつかの実施形態で使用され得る水平アライメント剤の例としては、限定されないが、米国特許第7,315,341B2号の第13欄第58行〜第23欄第2行(その開示内容は、本明細書に参考として
組み込まれる)に開示されたものが挙げられる。
本発明のフォトクロミック−二色物品の種々の層、例えば、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層中に存在させてもよい速度向上添加剤の非限定的な例としては、エポキシ含有化合物、有機ポリオールおよび/または可塑剤が挙げられる。このような速度向上添加剤のさらなる具体例は、米国特許第6,433,043号および米国特許公開第2003/0045612号(これらは、本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に開示されている。
本発明のフォトクロミック−二色物品の種々の層、例えば、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層中に存在させてもよい光開始剤の非限定的な例としては、限定されないが、開裂型光開始剤および抽出型光開始剤が挙げられる。開裂型光開始剤の非限定的な例としては、アセトフェノン、α−アミノアルキルフェノン、ベンゾインエーテル、ベンゾイルオキシム、アシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシド、またはこのような開始剤の混合物が挙げられる。このような光開始剤の市販の例はDAROCURE(登録商標)4265であり、これは、Ciba Chemicals,Inc.から入手可能である。抽出型光開始剤の非限定的な例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、アントラキノン、カンファーキノン、フルオロン、ケトクマリンまたはこのような開始剤の混合物が挙げられる。
本発明のフォトクロミック−二色物品の層、例えば、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の1つまたは1つより多くに存在させてもよい光開始剤の別の非限定的な例は可視光光開始剤である。適切な可視光光開始剤の非限定的な例は、米国特許第6,602,603号の第12欄第11行〜第13欄第21行(これは、本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に開示されている。
熱開始剤の例としては、限定されないが、有機ペルオキシ化合物およびアゾビス(有機ニトリル)化合物が挙げられる。熱開始剤として有用な有機ペルオキシ化合物の例としては、限定されないが、ペルオキシモノカーボネートエステル、例えば、ターシャリーブチルペルオキシイソプロピルカーボネート;ペルオキシジカーボネートエステル、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(セカンダリーブチル)ペルオキシジカーボネートおよびジイソプロピルペルオキシジカーボネート;ジアシル(diacy)ペルオキシド、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドおよびp−クロロベンゾイルペルオキシド;ペルオキシエステル、例えば、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシオクチレート、t−ブチルペルオキシイソブチレート;メチルエチルケトンペルオキシド、およびアセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシドが挙げられる。非限定的な一実施形態では、使用される熱開始剤は、得られる重合物を変色させないものである。熱開始剤として使用され得るアゾビス(有機ニトリル)化合物の例としては、限定されないが、アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、またはこれらの混合物が挙げられる。
重合阻害剤の例としては、限定されないが:ニトロベンゼン、1,3,5,−トリニトロベンゼン、p−ベンゾキノン、クロラニル、DPPH、FeCl、CuCl、酸素、イオウ、アニリン、フェノール、p−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、および2,4,6−トリメチルフェノールが挙げられる。
本発明のフォトクロミック−二色物品の種々の層、例えば、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の形成において存在させてもよい溶媒の例としては、限定され
ないが、コーティングの固形成分を溶解するもの、コーティングならびにエレメントおよび基材と適合性のもの、および/またはコーティングが塗布される外表面(1つもしくは複数)を確実に均一に被覆し得るものが挙げられる。溶媒の例としては、限定されないが、以下のもの:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびその誘導体(DOWANOL(登録商標)工業用溶媒として販売)、アセトン、プロピオン酸アミル、アニソール、ベンゼン、酢酸ブチル、シクロヘキサン、エチレングリコールのジアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびその誘導体(CELLOSOLVE(登録商標)工業用溶媒として販売)、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメトキシベンゼン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピオン酸メチル、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、2−メトキシエチルエーテル、3−プロピレングリコールメチルエーテル、およびこれらの混合物が挙げられる。
別の非限定的な実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、少なくとも1つの従来の二色化合物を含み得る。適切な従来の二色化合物の例としては、限定されないが、アゾメチン、インジゴイド、チオインジゴイド、メロシアニン、インダン、キノフタロン系染料、ペリレン、フタロペリン、トリフェノジオキサジン、インドロキノキサリン、イミダゾ−トリアジン、テトラジン、アゾ染料および(ポリ)アゾ染料、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノンおよび(ポリ)アントラキノン、アントラピリミジノン(anthropyrimidinones)、ヨウ素およびヨウ化物が挙げられる。別の非限定的な実施形態では、二色材料は、別の材料と少なくとも1つの共有結合を形成することができる少なくとも1つの反応性官能基を含み得る。いくつかの実施形態では、二色材料は重合可能な二色化合物であり得る。これに対応して、二色材料は、重合され得る少なくとも1つの基(すなわち、「重合可能な基」)を含むものであってもよい。例えば、本発明を限定しないが、非限定的な一実施形態では、二色化合物は、末端に少なくとも1つの重合可能な基を有する少なくとも1つのアルコキシ、ポリアルコキシ、アルキルまたはポリアルキル置換基を有するものであり得る。
存在させる場合、いくつかの実施形態によれば、1つまたは1つより多くの従来の二色化合物は独立して、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層内に少なくとも0.001重量パーセントであって10(もしくは10.0)重量パーセントより小さいか10(もしくは10.0)重量パーセントに等しい、例えば、0.01重量パーセント〜4(もしくは4.0)重量パーセント、または0.1重量パーセント〜1(もしくは1.0)重量パーセントの量で存在させ得、ここで、重量パーセントは、各場合においてそれぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色層の総重量に対するものである。
いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、少なくとも1つの従来のフォトクロミック化合物を含み得る。本明細書で使用する場合、「従来のフォトクロミック化合物」との用語は、熱可逆性フォトクロミック化合物と非熱可逆性(例えば、化学線可逆性、例えば、光可逆性)フォトクロミック化合物との両方を包含している。一般的に、本発明を限定しないが、2種類または2種類より多くの従来のフォトクロミック材料を互いに組み合わせて、またはフォトクロミック−二色化合物と組み合わせて使用する場合、種々の材料は、所望の色または色相がもたらされるように互いに補足するように選択され得る。例えば、フォトクロミック化合物の混合物を、本明細書に開示する特定の非限定的な実施形態に従って使用し、活性化した特定の色、例えば、ニュートラルグレーに近い色、またはニュートラルブラウンに近い色を得てもよい。例えば、ニュートラルグレーおよびニュートラルブラウンの色を定義するパラメーターが記載された米国特許第5,645,767号、第12欄第66行〜第13欄第19行(その開示内容は、本明細書に具体的に参考として組み込まれる)を参照のこと。
存在させる場合、いくつかの実施形態によれば、1つまたは1つより多くの従来のフォトクロミック化合物は、独立して、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層内に、少なくとも0.001重量パーセントであって5(もしくは5.0)重量パーセントより小さいか5(もしくは5.0)重量パーセントに等しい、例えば、0.01重量パーセント〜4(もしくは4.0)重量パーセント、または0.1重量パーセント〜1(もしくは1.0)重量パーセントの量で存在させ得、ここで、重量パーセントは、各場合においてそれぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色層の総重量に対するものである。
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、従来のフォトクロミック化合物を含まない。
第1のフォトクロミック−二色層は1種類または1種類より多くの適切な第1のフォトクロミック−二色化合物を含んでいてもよく、第2のフォトクロミック−二色層は1種類または1種類より多くの適切な第2のフォトクロミック−二色化合物を含んでいてもよい。第1および第2のフォトクロミック−二色化合物のそれぞれが独立して選択され得るフォトクロミック−二色化合物の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
(PCDC−1)3−フェニル−3−(4−(4−(3−ピペリジン−4−イル−プロピル)ピペリジノ)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−2)3−フェニル−3−(4−(4−(3−(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)ピペリジノ)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−3)3−フェニル−3−(4−(4−(4−ブチル−フェニルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−4)3−フェニル−3−(4−([1,4’]ビピペリジニル−1’−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−([1,4’]ビピペリジニル−1’−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−5)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−6)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−7)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−8)3−フェニル−3−(4−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−13,13
−ジメチル−6−メトキシ−7−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−9)3−フェニル−3−(4−(4−フェニルピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−10)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルオキシフェニルカルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−11)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−(2−フルオロベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−12)3−フェニル−3−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13−ヒドロキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−13)3−フェニル−3−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−14)3−フェニル−3−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−15)3−フェニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)−ピペラジン−1−イル))フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(3−フェニルプロプ−2−イノイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−16)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−17)3−フェニル−3−{4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシ]−13−エチル−6−メトキシ−7−(4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペラジン−1−イル)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−18)3−フェニル−3−(4−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−13−エ
チル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−19)3−フェニル−3−{4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−(3−フェニル−3−{4−(ピロリジン−1−イル)フェニル}−13,13−ジメチル−6−メトキシ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン−7−イル)−ピペラジン−1−イル)オキシカルボニル)フェニル)フェニル)カルボニル(cabonyl)オキシ)−3H、13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−20)3−{2−メチルフェニル}−3−フェニル−5−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−21)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−22)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−(4−フェニル−(フェン−1−オキシ)カルボニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−23)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−(N−(4−((4−ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)フェニル)カルバモイル−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−24)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−ベンゾフロ[3’,2’:7,8]ベンゾ[b]ピラン;
(PCDC−25)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−ベンゾチエノ[3’,2’:7,8]ベンゾ[b]ピラン;
(PCDC−26)7−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}−2−フェニル−2−(4−ピロリジン−1−イル−フェニル)−6−メトキシカルボニル−2H−ベンゾ[b]ピラン;
(PCDC−27)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−9−ヒドロキシ−8−メトキシカルボニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−28)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−9−ヒドロキシ−8−(N−(4−ブチル−フェニル))カルバモイル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−29)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−9−ヒドロキシ−8−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−30)1,3,3−トリメチル−6’−(4−エトキシカルボニル)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−31)1,3,3−トリメチル−6’−(4−[N−(4−ブチルフェニ
ル)カルバモイル]−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−32)1,3,3−トリメチル−6’−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−33)1,3,3−トリメチル−6’−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−34)1,3,3,5,6−ペンタメチル−7’−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル))−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−35)1,3−ジエチル−3−メチル−5−メトキシ−6’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−36)1,3−ジエチル−3−メチル−5−[4−(4−ペンタデカフルオロヘプチルオキシ−フェニルカルバモイル)−ベンジルオキシ]−6’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−37)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−カルボメトキシ−8−(N−(4−フェニル)フェニル)カルバモイル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−38)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−カルボメトキシ−8−(N−(4−フェニル)フェニル)カルバモイル−2H−フルオアンテノ[1,2−b]ピラン;
(PCDC−39)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−カルボメトキシ−11−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル)−2H−フルオアンテノ[1,2−b]ピラン;
(PCDC−40)1−(4−カルボキシブチル)−6−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−3,3−ジメチル−6’−(4−エトキシカルボニル)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[(1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4’,5’:6,7]インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−41)1−(4−カルボキシブチル)−6−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−3,3−ジメチル−7’−(4−エトキシカルボニル)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[(1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4’,5’:6,7]インドリン−2,3’−3H−ナフト[1,2−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−42)1,3−ジエチル−3−メチル−5−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル)−6’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−43)1−ブチル−3−エチル−3−メチル−5−メトキシ−7’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イ
ル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[1,2−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−44)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−9−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−(1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4’,5’:6,7])ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−45)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−3H,13H−[1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4”,5”:6,7][インデノ[2’,3’:3,4]]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−46)3−フェニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−3H,13H−[1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4”,5”:5,6][インデノ[2’,3’:3,4]]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−47)4−(4−((4−シクロヘキシリデン−1−エチル−2,5−ジオキソピロリン−3−イリデン)エチル)−2−チエニル)フェニル−(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−48)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−1−(4−(4−ヘキシルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−2,5−ジオキソピロリン−3−イリデン)エチル)−2−チエニル)フェニル−(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−49)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−2,5−ジオキソ−1−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)ピロリン−3−イリデン)エチル)−2−チエニル)フェニル(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−50)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−2,5−ジオキソ−1−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)ピロリン−3−イリデン)エチル)−1−メチルピロール−2−イル)フェニル(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−51)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−2,5−ジオキソ−1−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル)ピロリン−3−イリデン)エチル)−1−メチルピロール−2−イル)フェニル(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−52)4−(4−メチル−5,7−ジオキソ−6−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)スピロ[8,7a−ジヒドロチアフェノ[4,5−f]イソインドール−8,2’−アダマンタン(adamentane)]−2−イル)フェニル(4−プロピル)フェニルベンゾエート;
(PCDC−53)N−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル−6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−54)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−55)N−フェニルエチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−4−メチルス
ピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−56)N−フェニルエチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−4−シクロプロピルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−57)N−フェニルエチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−4−シクロプロピルスピロ(5,6−ベンゾ[b]フロジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−58)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−59)N−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニル−6,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)フェニル−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−60)N−シアノメチル−2−(4−(6−(4−ブチルフェニル)カルボニルオキシ−(4,8−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクト−2−イル))オキシカルボニル)フェニル−6,7−ジヒドロ−4−シクロプロピルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−61)6,7−ジヒドロ−N−メトキシカルボニルメチル−4−(4−(6−(4−ブチルフェニル)カルボニルオキシ−(4,8−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクト−2−イル))オキシカルボニル)フェニル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);および
(PCDC−62)3−フェニル−3−(4−ピロリジニルフェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−(4−(6−(4−(4−(4−オニルフェニルカルボニルオキシ)フェニル)オキシカルボニル)フェノキシ)ヘキシルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック−二色物品の第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、以下のものから選択され得る。
(PCDC−a1)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル]−13,13−ジメチル−12−ブロモ−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a2)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル]−6,13,13−トリメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a3)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロ(fluro)メチル−11,13,13−
トリメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a4)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a5)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a6)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a7)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル]−12−ブロモ−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a8)3−フェニル−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−12−ブロモ−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a9)3−フェニル−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル]−12−ブロモ−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a10)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a11)3,3−ビス(4−メトキシジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−12−ブロモ−6,7−ジメトキシ−11,13,13−トリメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a12)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a13)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10,12−ビス[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a14)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a15)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a16)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a17)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13−メチル−13−ブチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a18)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a19)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a20)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a21)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a22)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a23)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ブトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a24)3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−モルホリノフェニル)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a25)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a26)3−(4−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−フェニル−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a27)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(((trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−イル)オキシ)カルボニル)フェニル)−
6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a28)3−(4−フルオロフェニル)−13−ヒドロキシ−13−メチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−(4−ブトキシフェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロインデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a29)3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a30)3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a31)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a32)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a40)12−ブロモ−3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−((4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)オキシ)ベンズアミド)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a41)3−(4−ブトキシフェニル)−5,7−ジクロロ−11−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a42)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−((4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)オキシ)ベンズアミド)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a43)5,7−ジクロロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11−メトキシ−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a44)6,8−ジクロロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11−メトキシ−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン

(PCDC−a45)3−(4−ブトキシフェニル)−5,8−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a46)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a47)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−10,7−ビス[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5−フルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a48)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a49)3、3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a50)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a51)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(2−メチル−4−(trans−4−((4’−((trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルオキシ)カルボニル)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a52)3−(4−(4−(4−ブチルフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a53)3−(4−(4−(4−ブチルフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−7−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a54)3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−7,10−ビス(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−フェニル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a55)3−p−トリル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−13,13−ジメチル−7−(4’−(trans,trans−4’−ペンチルビ(シクロヘキサン−4−)カルボニルオキシ)ビフェニルカルボニルオキシ)−10−(4
−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a56)10−(4−(((3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)−10,13−ジメチル−17−((R)−6−メチルヘプタン−2−イル)−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシ)カルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−モルホリノフェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a57)6−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a58)6−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−7−(4’−(trans,trans−4’−ペンチルビ(シクロヘキサン−4−)カルボニルオキシ)ビフェニルカルボニルオキシ)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;および
(PCDC−a59)6−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−10−(4−(((3R,3aS,6S,6aS)−6−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニルカルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルオキシ)カルボニル)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック−二色物品のフォトクロミック−二色化合物は、以下のものから選択され得る。
(PCDC−b1)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾイル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b2)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4−(4’−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ))−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b3)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾイル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b4)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4−(4’−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ))−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b5)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−(4−(
trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ))−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b6)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−((trans,trans)−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b7)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b8)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b9)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b10)3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−3−フェニル−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4’−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾイルオキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b11)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(3−フェニルプロピオロイルオキシ)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b12)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b13)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6,13−ジメトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1イル)−13−トリフルオロメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b14)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1イル)−13−ヒドロキシ−13−トリフルオロメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b15)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6,7−ジ(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1イル)−13−メトキシ−13−トリフルオロメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b16)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(
4−(4−((trans,trans)−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−13−フルオロ−13−トリフルオロメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b17)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b18)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b19)3−(4−(N−モルホリニル)フェニル)−3−フェニル−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b20)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b21)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b22)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b23)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b24)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)ベンズアミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b25)3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b26)3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−
7−(2−メチル−4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b27)3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4−((trans,trans)−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボキサミド)ベンズアミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b28)3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(trans−4−(((4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)カルボニル)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b29)3−(4−N−モルホリニルフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b30)3−(4−N−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(trans−4−(((4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)カルボニル)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b31)3−(4−N−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b32)3−(4−N−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b33)3−(4−N−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b34)3−フェニル−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b35)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,
2−b]ピラン;
(PCDC−b36)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(trans−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシカルボニル)シクロヘキサンカルボニルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b37)3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(trans−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシカルボニル)シクロヘキサンカルボニルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b38)3−(4−(N−モルホリノ)フェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(trans−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシカルボニル)シクロヘキサンカルボニルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b39)3−(4−(N−モルホリノ)フェニル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(4−(4−((trans,trans)−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ベンゾイルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b40)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−((trans,trans)−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ベンゾイルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b41)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−((trans,trans)−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ベンゾイルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b42)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−6−メトキシ−7−(trans−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシカルボニル)シクロヘキサンカルボニルオキシ)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b43)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6,13−ジメトキシ−7−(trans−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシカルボニル)シクロヘキサンカルボニルオキシ)−13−エチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b44)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b45)3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−10,12−ジ
(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b46)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b47)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−N−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b48)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシカルボニル)シクロヘキサンカルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b49)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans−4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−フェニルオキシカルボニル)−シクロヘキサンカルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−10,12−ジ(トリフルオロメチル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b50)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−7−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシカルボニル)フェニル)−11−メチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b51)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−6−メチル−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b52)3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−7−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b53)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(4−(trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−b54)3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−3−フェニル−6−メトキシ−7−(4−((4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニルオキシカルボニル)−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;および
(PCDC−b55)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−7−(4−([1,1’:4’,1’’−ターフェニル]−4−イルカルバモイル)ピペラジン−1−イル)−6,13−ジメトキシ−13−トリフルオロメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2
’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
さらに一般的に、本発明のフォトクロミック−二色物品のフォトクロミック−二色化合物は:(a)例えば、ピラン、オキサジンおよびフルギドから選択され得る少なくとも1つのフォトクロミック基(PC);ならびに(b)フォトクロミック基に結合している少なくとも1つの伸長剤または伸長基を含む。このようなフォトクロミック−二色化合物は、米国特許第7,342,112B1号の第5欄第35行〜第14欄第54行;および表1(この記載箇所は本明細書に参考として組み込まれる)に詳細に記載されている。他の適切なフォトクロミック化合物およびその調製のための反応スキームは米国特許第7,342,112B1号の第23欄第37行〜第78欄第13行(この記載箇所は本明細書に参考として組み込まれる)において知得され得る。
第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物のフォトクロミック(PC)基が選択され得る熱可逆性のフォトクロミックピランの非限定的な例としては、ベンゾピラン、ナフトピラン、例えば、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ縮合ナフトピラン、例えば、米国特許第5,645,767号に開示されているもの、および複素環式縮合ナフトピラン、例えば、米国特許第5,723,072号、同第5,698,141号、同第6,153,126号、第6,022,497号(本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているもの;スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、例えば、スピロ−9−フルオレノ[1,2−b]ピラン;フェナントロピラン;キノピラン;フルオランテノ(fluoroantheno)ピラン;スピロピラン、例えば、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)キノピランおよびスピロ(インドリン)ピランが挙げられる。ナフトピランおよび相補的な有機フォトクロミック物質のさらなる具体例は、米国特許第5,658,501号(これらは、本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に記載されている。また、スピロ(インドリン)ピランは、教本Techniques in Chemistry,第III巻,“Photochromism”,第3章,Glenn H.Brown編,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1971(これは、本明細書に参考として組み込まれる)にも記載されている。
PC基が選択され得るフォトクロミックオキサジンの非限定的な例としては、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、およびスピロ−オキサジン、例えば、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、およびスピロ(インドリン)キノキサジンが挙げられる。PCが選択され得るフォトクロミックフルギドの非限定的な例としては:フルギイミド、ならびに3−フリルおよび3−チエニルフルギドおよびフルギイミド(これは、米国特許第4,931,220号(これは、本明細書に具体的に参考として組み込まれる)に開示されている)および前述の任意のフォトクロミック材料/化合物の混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、少なくとも2種類のフォトクロミック化合物(PC)を含むものであってもよく、この場合、PCは、個々のPC上の接続置換基を介して互いに連結していてもよい。例えば、PCは、重合可能なフォトクロミック基またはホスト材料と相溶化するように調整されたフォトクロミック基(「相溶化されたフォトクロミック基」)であり得る。PCが選択され得、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態に関して有用な重合可能なフォトクロミック基の非限定的な例は、米国特許第6,113,814号(これは、本明細書に具体的に参考として組み込まれる)に開示されている。PCが選択され得、
本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態に関して有用な相溶化されたフォトクロミック基の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に開示されている。
他の適切なフォトクロミック基および相補的なフォトクロミック基は、米国特許第6,080,338号の第2欄第21行〜第14欄第43行;同第6,136,968号の第2欄第43行〜第20欄第67行;同第6,296,785号の第2欄第47行〜第31欄第5行;同第6,348,604号の第3欄第26行〜第17欄第15行;同第6,353,102号の第1欄第62行〜第11欄第64行;および同第6,630,597号の第2欄第16行〜第16欄第23行に記載されており;前述の特許の開示内容は本明細書に参考として組み込まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色化合物は少なくとも1つの第1のフォトクロミック部分(または第1のPC部分/基)を含み、第2のフォトクロミック−二色化合物は少なくとも1つの第2のフォトクロミック部分(または第2のPC部分/基)を含み、それぞれの第1のフォトクロミック部分およびそれぞれの第2のフォトクロミック部分は、各場合において、独立して、インデノ縮合ナフトピラン、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオロアンテノピラン、スピロピラン、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジン、フルギド、フルギイミド、ジアリールエテン、ジアリールアルキルエテン、ジアリールアルケニルエテン、熱可逆性のフォトクロミック化合物、非熱可逆性のフォトクロミック化合物、およびこれらの混合物から選択される。
第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色層内に、フォトクロミック−二色物品が所望の光学特性、例えば、所望のフォトクロミック活性レベルおよび所望の二色活性レベルを示すような量(または比率)で存在させ得る。それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色層内に存在させる第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の具体的な量は、いくつかの実施形態では、各場合において所望の効果がもたらされるような少なくとも充分な量が存在しているのであれば重要でない。非限定的な例示のために、それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色層内に存在させる第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の量は、さまざまな要素、例えば限定されないが、具体的なフォトクロミック−二色化合物の吸収特性、フォトクロミック活性化時の具体的なフォトクロミック−二色化合物の色および強度、二色活性化時の具体的なフォトクロミック−二色化合物の二色活性レベル、ならびに具体的なフォトクロミック−二色化合物を具体的なフォトクロミック−二色層内に組み込むために使用される方法に依存し得る。
本発明のフォトクロミック−二色物品の第1のフォトクロミック−二色層は、いくつかの実施形態では、1つまたは1つより多くの第1のフォトクロミック−二色化合物を第1のフォトクロミック−二色層の重量に対して0.01〜40重量パーセント、または0.05〜15、または0.1〜5重量パーセントの量で含み得る。本発明のフォトクロミック−二色物品の第2のフォトクロミック−二色層は、いくつかの実施形態では、1つまたは1つより多くの第2のフォトクロミック−二色化合物を第2のフォトクロミック−二色層の重量に対して0.01〜40重量パーセント、または0.05〜15、または0.1〜5重量パーセントの量で含み得る。
本発明のフォトクロミック−二色物品の第1および第2のフォトクロミック−二色化合
物は当該技術分野で認識されている方法に従って調製され得る。いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、米国特許第7,256,921号の第35欄第28行〜第66欄第60行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に示された説明に従って調製され得る。
第1のフォトクロミック−二色層は、いくつかの実施形態では、それぞれが第1のフォトクロミック−二色化合物を含む単層または多層(同じであっても異なっていてもよい)を含み得る。第2のフォトクロミック−二色層は、いくつかの実施形態では、それぞれが第2のフォトクロミック−二色化合物を含む単層または多層(同じであっても異なっていてもよい)を含み得る。第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、当該技術分野で認識されている方法、例えば限定されないが:例えば、1つまたは1つより多くのプラスチックシートまたは膜の積層;インモールド成形、例えば、インモールドコーティング;フィルムキャスト成型;およびコーティング方法によって形成され得る。いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、それぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色コーティング組成物から形成される。第1および第2のフォトクロミック−二色コーティング組成物は、それぞれ独立して、例えば:2成分コーティング組成物の場合などでは周囲温度;熱熱硬化性コーティング組成物の場合などでは高温(例えば、150℃〜190℃で5〜60分);または紫外線硬化性コーティング組成物の場合などでは化学放射線への曝露によって硬化性である硬化性フォトクロミック−二色コーティング組成物であり得る。
第1および第2のフォトクロミック−二色層はそれぞれ、典型的には、独立して、有機マトリックス、例えば、熱可塑性有機マトリックスおよび/または架橋した有機マトリックスを含む。第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の有機マトリックスの少なくとも一部は、いくつかの実施形態では、独立して、本明細書でさらに詳細に記載しているように、異方性材料、例えば、液晶材料、添加剤、オリゴマーおよび/またはポリマーを含み得る。有機マトリックスに加えて、または代替的に、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、例えば、シラン結合、シロキサン結合および/またはチタネート結合を含む無機マトリックスを含むものであってもよい。第1および第2のフォトクロミック−二色層の有機マトリックスは、各場合において、独立して、例えば:アクリレート残基(またはモノマー単位)および/またはメタクリレート残基;ビニル残基;エーテル結合;スルフィド結合、例えば、モノスルフィド結合および/またはポリスルフィド結合;カルボン酸エステル結合;カーボネート結合(例えば、−O−C(O)−O−)ウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−O−);および/またはチオウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−S−)を含み得る。
第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、任意の適切な厚みを有するものであり得る。いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、0.5〜50ミクロン、例えば、1〜45ミクロン、または2〜40ミクロン、または5〜30ミクロン、または10〜25ミクロンの厚みを有する。
いくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色物品の第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、さらに、少なくとも部分的に順に並んだマトリックス相;および少なくとも部分的に順に並んだゲスト相を含む相分離したポリマーを含む。第1のフォトクロミック−二色層のゲスト相は第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、第1のフォトクロミック−二色化合物は、前記第1のフォトクロミック−二色層のゲスト相の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している。第2のフォトクロミック−二色層のゲスト相は第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、第2のフォトクロミック−二色化合物は、第2のフォトクロミック−二色層のゲスト相の少なくとも一部と少
なくとも部分的に整列している。
本発明のさらなる実施形態によれば、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、さらに、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料とポリマー材料を含む相互貫入ポリマー網目構造を含む。第1のフォトクロミック−二色層の異方性材料は第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、第1のフォトクロミック−二色化合物は、第1のフォトクロミック−二色層の異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している。第2のフォトクロミック−二色層の異方性材料は第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、第2のフォトクロミック−二色化合物は、第2のフォトクロミック−二色層の異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している。
本発明のいくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、さらに異方性材料を含む。本明細書で使用する場合、「異方性」との用語は、少なくとも異なる方向で測定したときに値が異なる少なくとも1つの特性を有することを意味する。したがって、「異方性材料」は、少なくとも1つの異なる方向で測定したときに値が異なる少なくとも1つの特性を有する材料である。第1および/または第2のフォトクロミック−二色層に含められ得る異方性材料の非限定的な例としては、限定されないが、本発明のフォトクロミック−二色物品の任意選択の第1および第2のアライメント層に関して本明細書にさらに記載している液晶材料が挙げられる。
いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層の異方性材料および第2のフォトクロミック−二色層の異方性材料は、それぞれ独立して、液晶材料を含む。液晶材料の類型としては、限定されないが、液晶オリゴマー、液晶ポリマー、メソゲン化合物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して:(i)少なくとも一部がメソゲン化合物モノマーで調製された液晶オリゴマーおよび/またはポリマー;および/または(ii)メソゲン化合物(各場合において、米国特許第7,910,019B2号の第43〜90欄の表1(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されたもの)を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、それぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色層の第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、具体的な層の異方性材料(これ自体も少なくとも部分的に順に並んでいる)との相互作用によって少なくとも部分的に整列させることができる。非限定的な例示のために、第1のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部は、二色状態の第1のフォトクロミック−二色化合物の長軸が第1のフォトクロミック−二色層の異方性材料の一般的な方向と本質的に平行になるように整列させ得る。さらに、必須ではないが、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物を、それぞれ独立して、それぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色層の少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料の少なくとも一部と結合または反応させてもよい。
第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の異方性材料を順に並べるか、または順序を導入する方法としては、限定されないが、異方性材料を、磁場、電場、直線偏光紫外線放射線、直線偏光赤外線放射線、直線偏光可視光放射線および剪断力のうちの少なくとも1つに曝露することが挙げられる。代替的にまたは追加的に、該異方性材料は、該異方性材料の少なくとも一部を別の材料または構造と整列させることにより少なくとも部分的に順に並べることができる。例えば、該異方性材料は、該異方性材料をアライメン
ト層(または配向設備)、例えば限定されないが、本明細書に以下にさらに詳細に記載している第1および第2のアライメント層と整列させることにより少なくとも部分的に順に並べることができる。
該異方性材料の少なくとも一部を順に並べることにより、それぞれ第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の異方性材料中に含まれているか、あるいは連結している第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部を少なくとも部分的に整列させることが可能になる。必須ではないが、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、活性化した状態である間に少なくとも部分的に整列させ得る。いくつかの実施形態では、異方性材料を順に並べること、および/または第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物を整列させることは、それぞれ独立して、それぞれ第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の塗布または形成の前、その最中、またはその後に行なわれ得る。
第1および第2のフォトクロミック−二色化合物およびその関連異方性材料は、それぞれ独立して、それぞれ第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の塗布または形成中に整列させ、順に並べてもよい。非限定的な例示の目的のため、第1のフォトクロミック−二色層に関して、第1のフォトクロミック−二色層は、塗布中に異方性材料に剪断力を導入するコーティング手法を用いて、該異方性材料が塗布した剪断力の方向と概ね平行な少なくとも部分的に順に並ぶように塗布され得る。さらなる非限定的な例示の目的のため、例えば、第1のフォトクロミック−二色化合物と異方性材料を含む溶液または混合物(必要に応じて溶媒中または担体中)を基材上に、塗布対象の材料に対する基材表面の相対移動によって剪断力が塗布対象の材料に導入されるようにコーティングしてもよい。少なくとも充分な剪断力が導入され得るコーティングプロセスの一例はカーテンコーティングプロセスである。剪断力により、異方性材料の少なくとも一部が該表面の移動方向と実質的に平行な一般的な方向に順に並べられることが引き起こされ得る。上記のように、異方性材料の少なくとも一部をこの様式で順に並べることにより、第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部を整列させることができる。また、場合により、カーテンコーティングプロセス中に、第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物が活性化した状態に転換されるように第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部を化学放射線に曝露することにより、活性化した状態のままで第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも部分的なアライメントも得られ得る。
第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物ならびに異方性材料は、それぞれ第1および/または第2のフォトクロミック−二色層の塗布後に整列させ、順に並べてもよい。非限定的な例示の目的のため、第1のフォトクロミック−二色層に関して、第1のフォトクロミック−二色化合物と異方性材料(必要に応じて溶媒中もしくは担体中)の溶液または混合物を基材の少なくとも一部にスピンコーティングしてもよい。その後、異方性材料の少なくとも一部は、例えば、異方性材料を磁場、電場、直線偏光紫外線放射線、直線偏光赤外線放射線、直線偏光可視光放射線および/または剪断力に曝露することにより順に並べることができる。代替的にまたは追加的に、該異方性材料は、別の材料または構造、例えばアライメント層とのアライメントによって少なくとも部分的に順に並べることができる。
第1および第2のフォトクロミック−二色化合物およびその関連異方性材料は、それぞれ独立して、それぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色層の塗布前に整列させ、順に並べてもよい。非限定的な例示の目的のため、第1のフォトクロミック−二色層に関して、第1のフォトクロミック−二色化合物と異方性材料の溶液または混合物(必要に応じて溶媒中または担体中)を順に並んだポリマーシートの上に塗布し、その上に層を形成
してもよい。その後、異方性材料の少なくとも一部を、その下にある順に並んだポリマーシートと整列させてもよい。続いて、ポリマーシートが、例えば、当該技術分野で認識されている積層方法または結合方法によってフォトクロミック−二色物品の基材の上に塗布され得る。または、順に並んだ第1および第2のフォトクロミック−二色層を、それぞれ独立して、当該技術分野で認識されている方法、例えば、熱スタンプ加工によってそれぞれポリマーシートからその下にある構造(例えば、基材または第1のフォトクロミック−二色層)の上に移してもよい。
いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、マトリックス相;および該マトリックス相中に分散されたゲスト相を含む相分離したポリマーを含み得る。それぞれのマトリックス相は、独立して、少なくとも部分的に順に並んだ液晶ポリマーを含み得る。それぞれのゲスト相は、独立して、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と、第1または第2のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部(場合によっては、これは少なくとも部分的に整列していてもよい)を含み得る。少なくとも部分的に整列した第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、それぞれの少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料との相互作用によって少なくとも部分的に整列させることができる。
非限定的な例示の目的のため、第1のフォトクロミック−二色層に関して、いくつかの実施形態では、異方性材料および第1のフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料と液晶材料を含むマトリックス相形成材料を含む相分離ポリマー系を基材上に塗布する。相分離ポリマー系を塗布した後、マトリックス相の液晶材料の少なくとも一部およびゲスト相の異方性材料の少なくとも一部が少なくとも部分的に順に並び、その結果、第1のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部が、ゲスト相の少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料の少なくとも一部と整列する。相分離ポリマー系のマトリックス相形成材料とゲスト相形成材料を順に並べる方法は、限定されないが、塗布した層を:磁場、電場、直線偏光赤外線放射線、直線偏光紫外線放射線、直線偏光可視光放射線および剪断力のうちの少なくとも1つに曝露することを含む。代替的にまたは追加的に、マトリックス相形成材料とゲスト相形成材料を順に並べることは、本明細書でさらに詳細に記載するように、その下にあるアライメント層との相互作用によるアライメントを含み得る。上記の非限定的な例示は第2のフォトクロミック−二色層にも塗布可能である。
マトリックス相形成材料とゲスト相形成材料を順に並べた後、ゲスト相形成材料をマトリックス相形成材料から、重合誘導性相分離および/または溶媒誘導性相分離によって分離してもよい。マトリックス相形成材料とゲスト相形成材料の分離は、本明細書において、マトリックス相形成材料からのゲスト相形成材料の分離に関して記載しているが、
この文言は、これらの2つの相形成材料の間の任意の分離を包含していることを意図していることを認識されたい。すなわち、この文言は、マトリックス相形成材料からのゲスト相形成材料の分離、およびゲスト相形成材料からのマトリックス相形成材料の分離、ならびに両方の相形成材料の同時分離、ならびにこれらの任意の組み合わせを包含していることを意図している。
いくつかの実施形態によれば、それぞれのマトリックス相形成材料は、独立して、液晶モノマー、液晶プレポリマーおよび液晶ポリマーから選択される液晶材料を含み得る。それぞれのゲスト相形成材料は、いくつかの実施形態では、独立して、液晶メソゲン、液晶モノマーならびに液晶ポリマーおよびプレポリマーから選択される液晶材料を含み得る。このような材料の例としては、限定されないが、上述のもの、さらに任意選択の第1および第2のアライメント層に関して本明細書中に記載のものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、それぞれの相分離ポリマー系は、独立して、液晶モノマーを
含むマトリックス相形成材料と、液晶メソゲンおよび場合により第1または第2のフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料の混合物を含み得る。このような非限定的な実施形態では、マトリックス相形成材料からのゲスト相形成材料の分離を引き起こすことは、重合誘導性相分離を含み得る。典型的には、マトリックス相の液晶モノマーを重合させ、それにより、ゲスト相形成材料の液晶メソゲンの少なくとも一部から分離され得る。重合方法の例としては、限定されないが、光誘導性重合および熱誘導性重合が挙げられる。
いくつかのさらなる実施形態では、それぞれの相分離ポリマー系は、独立して、液晶モノマーを含むマトリックス相形成材料と、マトリックス相の液晶モノマーと異なる官能部を有する低粘度液晶モノマーおよび場合により第1または第2のフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料の混合物を含み得る。本明細書で使用する場合、「低粘度液晶モノマー」との用語は、室温で自由流動性の液晶モノマーの混合物または溶液を指す。典型的には、マトリックス相形成材料からゲスト相形成材料を分離することは、重合により誘導される相分離が挙げられる。例えば、マトリックス相の液晶モノマーの少なくとも一部を、ゲスト相の液晶モノマーが重合しないような条件で重合させ得る。マトリックス相形成材料の重合中、ゲスト相形成材料は、典型的にはマトリックス相形成材料から分離される。その後、ゲスト相形成材料の液晶モノマーを別個の重合プロセスで重合させ得る。
それぞれの相分離ポリマー系は、独立して、いくつかの実施形態では、液晶ポリマー、マトリックス相形成材料の液晶ポリマーと異なる液晶ポリマーを含むゲスト相形成材料、および場合により第1または第2のフォトクロミック−二色化合物を含むマトリックス相形成材料の少なくとも1つの一般的な溶媒中の溶液を含み得る。マトリックス相形成材料からのゲスト相形成材料の分離を引き起こすことは、典型的には溶媒誘導性相分離を含む。典型的には、該一般的な溶媒の少なくとも一部を液晶ポリマー混合物から蒸発させ、それにより該2つの相を互いに分離させる。
さらなる実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、相互貫入ポリマー網目構造を含み得る。少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料とポリマー材料により相互貫入ポリマー網目構造が形成され得、ここで、該ポリマー材料の少なくとも一部が少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料の少なくとも一部と相互貫入する。本明細書で使用する場合、「相互貫入ポリマー網目構造」との用語は、少なくとも1つは架橋しているが互いに結合していないポリマーの絡み合った組み合わせを意味する。したがって、本明細書で使用する場合、相互貫入ポリマー網目構造との用語には、半相互貫入ポリマー網目構造も包含される。例えば、L.H.Sperling,Introduction to Physical Polymer Science,John Wiley & Sons,New York(1986)の第46頁を参照のこと。また、少なくとも1つの少なくとも部分的に整列している第1または第2のフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部を、それぞれの少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と少なくとも部分的に整列させてもよい。なお、さらに、ポリマー材料は、等方性であってもよくまたは異方性であってもよいが、全体として第1または第2のフォトクロミック−二色層(場合により)は異方性であるものとする。このような第1および第2のフォトクロミック−二色層を形成する方法を本明細書において以下にさらに詳細に記載する。
いくつかの実施形態によれば、それぞれの異方性材料は、独立して、それぞれ第1または第2のフォトクロミック−二色化合物が所望の速度で第1の状態から第2の状態に切り替わるように調整され得る。一般に、従来のフォトクロミック化合物は、化学放射線に応答してある異性体形態から別の異性体形態への変換を受けるものであり得、それぞれの異
性体形態は特性吸収スペクトルを有する。本発明のフォトクロミック−二色物品の第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、類似した異性体変換を受けるものであり得る。いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、この異性体変換(および逆変換)が起こる率または速度は、一部において、具体的なフォトクロミック−二色化合物(これは「ホスト」と称され得る)の周囲の局所環境の性質に依存する。本発明を限定しないが、手元の証拠に基づくと、第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の変換速度は、一部において、それぞれホストの鎖セグメントの柔軟性、さらに具体的にはそれぞれホストの鎖セグメントの可動性または粘度に依存すると考えられる。これに対応して、いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の変換速度は、一般的に、硬いまたは剛性の鎖セグメントを有するホストよりも柔軟な鎖セグメントを有するホストの方が速いと考えられる。したがって、いくつかの実施形態によれば、異方性材料がホストである場合、該異方性材料は、第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物が所望の速度で種々の異性体状態間で変換されるように調整され得る。例えば、異方性材料は、該異方性材料の分子量および/または架橋密度を調整することにより調整され得る。
いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色層は、それぞれ独立して、液晶ポリマーを含むマトリックス相と、該マトリックス相中に分散されたゲスト相を含む相分離したポリマーを含む。ゲスト相は異方性材料を含み得る。典型的には、第1または第2のフォトクロミック−二色化合物の大部分はそれぞれの相分離したポリマーのそれぞれゲスト相中に含まれ得る。先に記載のように、フォトクロミック−二色化合物の変換速度は、一部において、内包される、または存在させるホストに依存するため、いくつかの実施形態では、第1および/または第2のフォトクロミック−二色化合物の変換速度は実質的にそれぞれゲスト相の性質に依存する。
いくつかの実施形態では、本明細書にさらに詳細に記載のように、本発明のフォトクロミック−二色物品は、第1のアライメント層および/または第2のアライメント層(アライメントもしくは配向設備とも称する)を含み得る。いくつかのさらなる実施形態では、フォトクロミック−二色物品は:基材と第1のフォトクロミック−二色層との間に挟まれた第1のアライメント層(ここで、第1のアライメント層と第1のフォトクロミック−二色層は互いに少なくとも部分的に隣接(または接触)している);および/または第2のフォトクロミック−二色層と第1のフォトクロミック−二色層との間に挟まれた第2のアライメント層(ここで、第2のアライメント層と第2のフォトクロミック−二色層は互いに少なくとも部分的に隣接(または接触)している)を含み得る。第1および第2のアライメント層は本明細書において第1および第2の配向設備と称している場合もあり得る。第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物は、その下にある第1のアライメント層との相互作用によって少なくとも部分的に整列され得る。第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物は、その下にある第2のアライメント層との相互作用によって少なくとも部分的に整列され得る。
図3を参照されたい。フォトクロミック−二色物品5は、基材11と第1のフォトクロミック−二色層23との間に挟まれた第1のアライメント層47を含む。第1のアライメント層47とその上にある第1のフォトクロミック−二色層23は互いに少なくとも部分的に隣接している。さらに図3を参照されたい。フォトクロミック−二色物品5はまた、第2のフォトクロミック−二色層29と第1のフォトクロミック−二色層23との間に挟まれた第2のアライメント層50も含む。第2のアライメント層50とその上の第2のフォトクロミック−二色層29は互いに少なくとも部分的に隣接している。図3に示すように、第1のフォトクロミック−二色層23と第2のアライメント層50は互いに隣接している。いくつかの実施形態では、1つまたは1つより多くのさらなる層(図示せず)が第1のフォトクロミック−二色層23と第2のアライメント層50との間に挟まれ得る。
また、図3のフォトクロミック−二色物品5は、基材11と第1のアライメント層47との間に挟まれたプライマー層44も含む。また、図3のフォトクロミック−二色物品5は、第2のフォトクロミック−二色層29の上に存在するトップコート層53も含む。いくつかの実施形態では、1つまたは1つより多くのさらなる層(図示せず)がトップコート層53と第2のフォトクロミック−二色層29との間に挟まれ得る。
本明細書で使用する場合、「アライメント層」との用語は、少なくともその一部に直接的および/または間接的に曝露される1つまたは1つより多くの他の構造の位置決めを容易にし得る層を意味する。本明細書で使用する場合、「順に並べる」との用語は、適切な配置もしくは位置をもたらすこと、例えば、別の構造もしくは材料と整列させること、またはなんらかの他の力もしくは効果によるものを意味する。したがって、本明細書で使用する場合、「順に並べる」との用語は、例えば、別の構造または材料と整列させることにより材料を順に並べる接触方法と、例えば、外力または外的効果への曝露によって材料を順に並べる非接触方法の両方を包含している。また、順に並べるとの用語は、接触方法と非接触方法の組み合わせも包含している。
例えば、アライメント層との相互作用によって少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態のフォトクロミック−二色化合物の長軸がアライメント層の少なくとも第1の一般的な方向と本質的に平行になるように少なくとも部分的に整列され得る。いくつかの実施形態では、アライメント層との相互作用によって少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物はアライメント層と結合または反応する。材料または構造を順に並べること、またはアライメントに関して本明細書で使用する場合、「一般的な方向」との用語は、材料、化合物または構造の優勢な配列または向きを指す。さらに、当業者には、材料、化合物または構造は、該材料、化合物または構造の配置にある程度のばらつきが存在する場合であっても一般的な方向を有し得ることが認識されよう。ただし、該材料、化合物または構造は少なくとも1つの優勢な配置を有するものとする。
それぞれのアライメント層は、いくつかの実施形態では、独立して、少なくとも第1の一般的な方向を有するものであり得る。例えば、アライメント層は、第1の一般的な方向を有する第1の順に並んだ領域と、第1の順に並んだ領域と隣接しており、第1の一般的な方向とは異なる第2の一般的な方向を有する少なくとも1つの第2の順に並んだ領域とを含み得る。さらに、アライメント層は複数の領域を有していてもよく、該領域のそれぞれが、所望のパターンまたはデザインが形成されるように、残りの領域と同じか、または異なる一般的な方向を有する。アライメント層は、例えば、少なくとも部分的に順に並んだアライメント媒体を含むコーティング、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシート、少なくとも部分的に処理された表面、Langmuir−Blodgett膜、およびこれらの組み合わせを含み得る。
アライメント層は、いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に順に並んだアライメント媒体を含むコーティングを含み得る。第1および第2のアライメント層と併せて使用され得る適切なアライメント媒体の例としては、限定されないが、光配向材料、擦り配向材料、および液晶材料が挙げられる。アライメント媒体の少なくとも一部を順に並べる方法は、本明細書において以下にさらに詳細に記載している。
アライメント層のアライメント媒体は液晶材料であってもよく、このアライメント層は液晶アライメント層と称され得る。液晶材料は、その構造のため、一般的に、一般的な方向を取るように順に並ぶまたは整列し得る。さらに具体的には、液晶分子は、棒状または円板状の構造、硬い長軸、および強い双極子を有するため、液晶分子は、分子の長軸が共
通軸と概ね平行な向きとなるように、外力または別の構造との相互作用によって順に並ぶか、または整列し得る。例えば、液晶材料の分子を磁場、電場、直線偏光赤外線放射線、直線偏光紫外線放射線、直線偏光可視光放射線または剪断力を用いて整列させることが可能である。また、液晶分子を配向した表面と整列させることも可能である。例えば、液晶分子を、例えば、擦り合わせ、溝切り、または光アライメント方法を用いて、配向した表面に塗布し、続いて、液晶分子のそれぞれの長軸が該表面の向きの一般的な方向と概ね平行な向きとなるように整列させ得る。アライメント媒体としての使用に適した液晶材料の例としては、限定されないが、液晶ポリマー、液晶プレポリマー、液晶モノマー、および液晶メソゲンが挙げられる。本明細書で使用する場合、「プレポリマー」との用語は、部分的に重合した材料を意味する。
独立して第1および第2のアライメント層と併せて使用するのに適した液晶モノマーの類型としては、限定されないが、一官能性および多官能性の液晶モノマーが挙げられる。液晶モノマーは、いくつかの実施形態では、架橋可能な液晶モノマー、例えば、光架橋可能な液晶モノマーから選択され得る。本明細書で使用する場合、「光架橋可能な」との用語は、化学放射線に曝露されると架橋し得る材料、例えば、モノマー、プレポリマーまたはポリマーを意味する。例えば、光架橋可能な液晶モノマーとしては、限定されないが、重合開始剤の使用を伴う場合、または伴わない場合のいずれであっても、紫外線放射線および/または可視光放射線に曝露すると架橋可能である液晶モノマーが挙げられる。
第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る架橋可能な液晶モノマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アリル、アリルエーテル、アルキン、アミノ、無水物、エポキシド、ヒドロキシド、イソシアネート、ブロックイソシアネート、シロキサン、チオシアネート、チオール、尿素、ビニル、ビニルエーテルおよびこれらのブレンドから選択される官能基を有する液晶モノマーが挙げられる。第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る光架橋可能な液晶モノマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アルキン、エポキシド、チオール、およびこれらのブレンドから選択される官能基を有する液晶モノマーが挙げられる。
第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る液晶ポリマーおよびプレポリマーとしては、限定されないが、主鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーならびに側鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーが挙げられる。主鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーでは、棒状または円板状の液晶メソゲンは主にポリマー骨格内に位置する。側鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーでは、棒状または円板状の液晶メソゲンは、主にポリマーの側鎖内に位置する。さらに、液晶ポリマーまたはプレポリマーは、架橋可能であってもよく、さらに光架橋可能であってもよい。
第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る液晶ポリマーおよびプレポリマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アリル、アリルエーテル、アルキン、アミノ、無水物、エポキシド、ヒドロキシド、イソシアネート、ブロックイソシアネート、シロキサン、チオシアネート、チオール、尿素、ビニル、ビニルエーテル、およびこれらのブレンドから選択される官能基を有する主鎖および側鎖のポリマーおよびプレポリマーが挙げられる。第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る光架橋可能な液晶ポリマーおよびプレポリマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アルキン、エポキシド、チオール、およびこれらのブレンドから選択される官能基を有するポリマーおよびプレポリマーが挙げられる。
第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る液晶メソゲンとしては、限定されないが、サーモトロピック液晶メソゲンおよびリオトロピック液晶メソゲンが挙げ
られる。第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る液晶メソゲンのさらなる類型としては、限定されないが、円柱状(または棒状)の液晶メソゲンおよび円板(または円板状)液晶メソゲンが挙げられる。
第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る光配向材料の例としては、限定されないが、光配向可能なポリマー網目構造が挙げられる。光配向可能なポリマー網目構造のさらなる具体例としては、限定されないが、アゾベンゼン誘導体、ケイ皮酸誘導体、クマリン誘導体、フェルラ酸誘導体、およびポリイミドが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1および第2のアライメント層は、それぞれ独立して、アゾベンゼン誘導体、ケイ皮酸誘導体、クマリン誘導体、フェルラ酸誘導体および/またはポリイミドから選択される少なくとも部分的に順に並んだ光配向可能なポリマー網目構造を含み得る。第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得るケイ皮酸誘導体の例としては、限定されないが、ポリ桂皮酸ビニル、パラメトキシ桂皮酸のポリビニルエステルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「擦り配向材料」との用語は、材料表面の少なくとも一部を別の適切な質感の材料を用いて擦ることにより少なくとも部分的に順に並び得る材料を意味する。例えば、擦り配向材料は適切な質感の布またはベルベットブラシで擦られ得る。第1および第2のアライメント層内に独立して含められ得る擦り配向材料の例としては、限定されないが、(ポリ)イミド、(ポリ)シロキサン、(ポリ)アクリレート、および(ポリ)クマリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1および第2のアライメント層は、独立して、ポリイミドを含み得、第1および/または第2のアライメント層は、ベルベットまたは綿布で、擦ったアライメント層の表面の少なくとも一部が少なくとも部分的に順に並べるように擦られ得る。
いくつかの実施形態では、第1および第2のアライメント層は、それぞれ独立して、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシートを含み得る。例えば、ポリビニルアルコールのシートは、シートを延伸する(例えば、一軸延伸する)ことにより少なくとも部分的に順に並ばせることができ、その後、延伸シートを基材表面の少なくとも一部に、または少なくとも一部の上に結合させ、配向設備を形成し得る。または、順に並んだポリマーシートは、製作中、例えば、押出成形中にポリマー鎖を少なくとも部分的に並べる方法によって作製され得る。さらに、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシートは、液晶材料のシートをキャスト成型するか、または他の方法で形成し、その後、例えば、該シートを磁場、電場および/または剪断力に曝露することにより(but)少なくとも部分的に順に並べられ得る。なお、さらに、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシートは光配向方法を用いて作製され得る。例えば、光配向材料のシートは、例えば、キャスト成型し、その後、直線偏光紫外線放射線に曝露することによって少なくとも部分的に順に並べることにより形成され得る。
本発明のフォトクロミック−二色物品の第1および第2のアライメント層は、それぞれ独立して、少なくとも部分的に処理された表面を含み得る。本明細書で使用する場合、「処理された表面」との用語は、表面の少なくとも一部の上に少なくとも1つの順に並んだ領域が創出されるように物理的に改変された表面の少なくとも一部を指す。処理された表面の例としては、限定されないが、擦られた表面、エッチングされた表面、エンボス加工された表面が挙げられる。さらに、処理された表面は、例えば、フォトリソグラフィープロセスまたはインターフェログラフィープロセスを用いてパターン形成され得る。いくつかの実施形態では、アライメント層の表面は、例えば、化学エッチングされた表面、プラズマエッチングされた表面、ナノエッチングされた表面(例えば、走査型トンネル顕微鏡または原子間力顕微鏡を用いてエッチングされた表面)、レーザーエッチングされた表面、および/または電子線エッチングされた表面から選択される処理された表面であり得る
いくつかの実施形態によれば、第1および/または第2のアライメント層が処理された表面を含む場合、処理された表面は、金属塩(例えば、金属酸化物または金属フッ化物)を表面の少なくとも一部(例えば、アライメント層自体の表面、またはプライマー層の表面)に堆積させ、その後、この堆積物をエッチングし、処理された表面を形成することにより形成され得る。金属塩を堆積させる当該技術分野で認識されている方法としては、限定されないが、プラズマ蒸着、化学蒸着、スパッタリングが挙げられる。エッチングは、当該技術分野で認識されている方法、例えば、本明細書で先に記載のものに従って行なわれ得る。
本明細書で使用する場合、「Langmuir−Blodgett膜」との用語は、表面上の1つまたは1つより多くの少なくとも部分的に順に並んだ分子膜を意味する。Langmuir−Blodgett膜は、例えば、基材を液体中に、少なくとも部分的に分子膜で覆われるように1回または1回より多く浸し、次いで、基材を液体から取り出すことにより形成され得、その結果、液体と基材間の相対表面張力により、分子膜の分子が実質的に1つの(または単一の)一般的な方向に少なくとも部分的に順に並ぶ。本明細書で使用する場合、分子膜との用語は、単分子膜(これは本明細書では単層とも称され得る)ならびに1つより多い単層を含む膜を指す。
いくつかの実施形態では、具体的なフォトクロミック−二色層の相分離したポリマーはマトリックス相(該相の少なくとも一部はその下にあるアライメント層と少なくとも部分的に整列している)と、異方性材料を含むゲスト相(ここで、ゲスト相はマトリックス相中に分散されている)を含み得る。ゲスト相の異方性材料の少なくとも一部を、その下にあるアライメント層の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列させてもよく、具体的なフォトクロミック−二色化合物を、該異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列させてもよい。また、相分離したポリマーのマトリックス相は液晶ポリマーを含み得、ゲスト相の異方性材料は液晶ポリマーおよび液晶メソゲンから選択され得る。このような材料の非限定的な例は上記に詳細に示している。記載の相分離したポリマーを含める場合、第1および/または第2のフォトクロミック−二色層は実質的に曇りがないものであり得る。曇りは、ASTM D 1003の透明プラスチックの曇りおよび発光透過度の標準試験法に従って、入射光から平均で2.5度より大きくずれて透過した光の割合であると定義される。ASTM D 1003に従って曇りが測定され得る装置の一例は、Haze−Gard PlusTM(BYK−Gardener製)である。
本発明のフォトクロミック−二色物品は、いくつかの実施形態では、さらに、第1のアライメント層と第1のフォトクロミック−二色層との間に挟まれた、および/または第2のアライメント層と第2のフォトクロミック−二色層との間に挟まれたアライメント移動材料を含み得る。アライメント移動材料は、アライメント層との相互作用によって整列され得、それに対応して、第1または第2のフォトクロミック−二色化合物をそれぞれのアライメント移動材料との相互作用によって整列させ得る。アライメント移動材料は、いくつかの実施形態では、アライメント層からその上にあるフォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物への適切な配置または位置の伝搬または移動を助長し得る。
アライメント移動材料の例としては、限定されないが、本明細書に開示するアライメント媒体に関して上記の液晶材料が挙げられる。液晶材料の分子を配向した表面と整列させることが可能である。例えば、液晶材料は、配向させておいた表面に塗布され、続いて、液晶分子の長軸が該表面の向きである同じ一般的な方向と概ね平行な向きになるように整列され得る。アライメント移動材料の液晶材料をアライメント層とのアライメントによって少なくとも部分的に順に並べてもよく、その結果、液晶材料の分子の長軸は、例えば、
配向設備の第1の一般的な方向と概ね平行になる。このようにして、アライメント層の一般的な方向を液晶材料に移動させることができ、さらにこの一般的な方向を別の構造または材料に移動させることができる。さらに、アライメント層が、一体となってあるデザインまたはパターンを形成する一般的な方向を有する複数の領域を含む場合、該デザインまたはパターンは液晶材料に、該液晶材料をアライメント層の該種々の領域と整列させることにより、移動させることができる。さらに、必須ではないが、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、アライメント移動材料の液晶材料の少なくとも一部は、アライメント層の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列したまま、磁場、電場、直線偏光赤外線放射線、直線偏光紫外線放射線および直線偏光可視光放射線のうちの少なくとも1つに曝露され得る。
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ独立して、比較的柔軟な鎖セグメントを有する異方性材料(例えば、液晶材料)で封入またはコーバーコートし、その後、比較的剛性の鎖セグメントを有する別の材料中に分散または分布させてもよい。封入異方性材料は、少なくとも部分的に順に並んでいるものであり得る。例えば、封入されたフォトクロミック−二色化合物は、比較的剛性の鎖セグメントを有する液晶ポリマー中に分散または分布され、その後、この混合物が基材に、具体的なフォトクロミック−二色層が形成されるように塗布され得る。
さらなる実施形態では:第1のフォトクロミック−二色層は第1のポリマーシートによって画定され、第1のポリマーシートは第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、第1のポリマーシートは第1の横方向に沿って横方向に整列しており、フォトクロミック−二色化合物は該第1の横方向に沿って実質的に横方向に整列している;および/または第2のフォトクロミック−二色層は第2のポリマーシートによって画定され、第2のポリマーシートは第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、第2のポリマーシートは第2の横方向に沿って横方向に整列しており、第2のフォトクロミック−二色化合物は第2の横方向に沿って実質的に横方向に整列している。第1および第2のポリマーシートは、いくつかの実施形態では、それぞれ独立して一軸延伸されたものであり得る。ポリマーシートの延伸により、典型的には、内部のフォトクロミック−二色材料のアライメントおよび順に並ぶことがもたらされる。第1のフォトクロミック−二色層は、いくつかの実施形態では、それぞれが第1のフォトクロミック−二色化合物を含んでいる2つまたは2つより多くのポリマーシートを含み得、ここで、それぞれのポリマーシートは同じ方向に延伸されたものであり得る。第2のフォトクロミック−二色層は、いくつかの実施形態では、それぞれが第2のフォトクロミック−二色化合物を含んでいる2つまたは2つより多くのポリマーシートを含み得、ここで、それぞれのポリマーシートは同じ方向に延伸されたものであり得る。
第1および第2のフォトクロミック−二色層として、または該層を形成するために使用され得るポリマーシートの例としては、限定されないが:延伸(例えば、一軸延伸)ポリマーシート;順に並んだ液晶ポリマーシート;および光配向ポリマーシートが挙げられる。第1および/または第2のフォトクロミック−二色層のポリマーシートの形成に使用され得る、液晶材料および光配向材料以外のポリマー材料の例としては、限定されないが:ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアクリレート、およびポリカプロラクタムが挙げられる。ポリマーシートを少なくとも部分的に順に並べる方法の非限定的な例は、以下にさらに詳細に記載する。
いくつかの実施形態によれば、本発明のフォトクロミック−二色物品のそれぞれのフォトクロミック−二色層は、独立して、少なくとも1つの異方性材料を塗布し、先に塗布した異方性材料中にフォトクロミック−二色化合物を吸収させ、該異方性材料を順に並ばせ、該フォトクロミック−二色化合物を順に並んだ該異方性材料の少なくとも一部と整列さ
せることにより形成され得る。異方性材料は、フォトクロミック−二色化合物の吸収の前に順に並ばせても、該吸収中に並ばせても、該吸収後に並ばせてもよい。フォトクロミック−二色化合物は、いくつかの実施形態では、活性化した状態のままで整列させ得る。
先に塗布した異方性材料中へのフォトクロミック−二色化合物の吸収は、いくつかの実施形態では、担体中のフォトクロミック−二色化合物の溶液または混合物を、先に塗布した異方性材料に塗布し、フォトクロミック−二色化合物を異方性材料中に、例えば、加熱を伴って、または伴わずに拡散させることを伴うものであり得る。先に塗布した異方性材料は、いくつかの実施形態では、上記の相分離したポリマーコーティングの一部であってもよい。
本発明のフォトクロミック−二色物品は、いくつかの実施形態では、必要に応じて紫外光吸収剤が含まれたトップコート層を含み得る。図3を参照されたい。トップコート層53は第2のフォトクロミック−二色層29の上に存在している。トップコート層は、少なくとも1つに必要に応じて紫外光吸収剤が含まれた単層または多層を含み得る。トップコート層は、典型的には、有機マトリックス、例えば、熱可塑性有機マトリックスおよび/または架橋型有機マトリックスを含む。有機マトリックスに加えて、または代替的に、トップコート層は、例えば、シラン結合、シロキサン結合および/またはチタネート結合を含む無機マトリックスを含むものであってもよい。有機マトリックスは、例えば:アクリレート残基(またはモノマー単位)および/またはメタクリレート残基;ビニル残基;エーテル結合;スルフィド結合、例えば、モノスルフィド結合および/またはポリスルフィド結合;カルボン酸エステル結合;カーボネート結合(例えば、−O−C(O)−O−)ウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−O−);および/またはチオウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−S−)を含み得る。
トップコート層は、当該技術分野で認識されている方法、例えば限定されないが:例えば、1つまたは1つより多くのプラスチックシートまたは膜の積層;インモールド成形、例えば、インモールドコーティング;フィルムキャスト成型;およびコーティング方法によって形成され得る。典型的には、トップコート層はトップコートコーティング組成物から形成される。トップコートコーティング組成物は、例えば:2成分コーティング組成物の場合などでは周囲温度;熱熱硬化性コーティング組成物の場合などでは高温(例えば、150℃〜190℃で5〜60分);または紫外線硬化性コーティング組成物の場合などでは化学放射線への曝露によって硬化性である硬化性トップコートコーティング組成物であり得る。
トップコート層は任意の適切な厚みを有するものであり得る。いくつかの実施形態では、トップコートは、0.5ミクロン〜10ミクロン、例えば、1〜8ミクロン、または2〜5ミクロン(記載の両端値を含む)の厚みを有する。
いくつかの実施形態では、トップコート層は、放射線硬化型アクリレート系組成物から形成された有機マトリックスを含み、これに対応して、トップコート層をアクリレート系トップコート層と記載している場合があり得る。
アクリレート系トップコート層は、(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリル酸モノマーを用いて調製され得る。(メタ)アクリレートモノマーは、1個、2個、3個、4個、または5個の(メタ)アクリレート基を含み得る。また、さらなる共重合可能なモノマー、例えば、エポキシモノマー、例えば、エポキシ(またはオキシラン)官能部を含むモノマー、(メタ)アクリレート官能部とエポキシ官能部の両方を含むモノマーなどを、(メタ)アクリレート系トップコート層を調製するために使用する配合物中に存在させてもよい。(メタ)アクリレート系トップコート層を調製するために使用
されるモノマーは、複数の、例えば過半量の、すなわち、50重量%より多くの(メタ)アクリレートモノマーを含み;したがって、「(メタ)アクリレート系トップコート層」と表記する。また、(メタ)アクリレート系トップコート層を調製するために使用される配合物に、少なくとも1つのイソシアネート(−NCO)基を有する成分(例えば、有機モノイソシアネート、有機ジイソシアネート、および有機トリイソシアネート)を含めてもよく、それによりウレタン結合がトップコート層内に組み込まれ得る。
(メタ)アクリレート系トップコート層は、典型的には、例えば、透明性、その下にある第2のフォトクロミック−二色層への接着性、アルカリ金属水酸化物水溶液による除去に対する抵抗性、表面に塗布された任意選択の耐摩耗性コーティング(例えば、ハードコート層)との適合性、および耐引っ掻き性などの物性を有するものである。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート系トップコート層は、第2のフォトクロミック−二色層よりも大きい硬度を有する。
(メタ)アクリレート系ポリマー系の放射線硬化は、例えば、電子線硬化(EB)および/または紫外光(UV)放射線を用いて行なわれ得る。紫外線硬化では、典型的には少なくとも1つの光開始剤の存在が必要とされるが、EB手法による硬化では光開始剤は必要とされない。光開始剤の有無以外、UV放射線技術またはEB放射線技術のいずれかによって硬化される(メタ)アクリレート系配合物はその他の点では同一であり得る。
放射線硬化性(メタ)アクリレート系ポリマー系はポリマー分野で周知であり、任意のこのような系が、本発明のフォトクロミック−二色物品の(メタ)アクリレート系トップコート層の作製に使用され得る。いくつかの実施形態によれば、(メタ)アクリレート系トップコート層は、1種類または1種類より多くの遊離ラジカル開始型(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリレートオリゴマーと、1種類または1種類より多くのカチオン開始型エポキシモノマーとの組み合わせまたは混和性ブレンドを含む組成物から形成される。このモノマーブレンドを硬化させると、重合物の形態の(メタ)アクリレート系トップコート層が形成され、ポリマー成分の相互貫入網目構造を含むものになる。
(メタ)アクリレート系トップコート層が形成され得る組成物に含めてもよい(メタ)アクリレートモノマーの例としては、限定されないが、例えば、1、2、3、4または5個の(メタ)アクリレート基を有する多官能性(メタ)アクリレート、単官能性(メタ)アクリレート、例えば、1個の(メタ)アクリレート基を含むモノマー、ヒドロキシ置換(メタ)アクリレートおよびアルコキシシリルアルキルアクリレート、例えば、トリアルコキシシリルプロピルメタクリレートが挙げられる。また、他の反応性モノマー/希釈剤、例えば、エチレン性官能基を含むモノマー((メタ)アクリレートモノマー以外)を存在させてもよい。
(メタ)アクリレート系トップコート層が形成され得る組成物およびこのような組成物を塗布し、硬化させる方法は、米国特許第7,452,611B2号の第16欄第14行〜第25欄第3行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されている。
トップコート層を形成する組成物に、1種類または1種類より多くの添加剤、例えば限定されないが、接着促進剤、カップリング剤、紫外光吸収剤、熱安定化剤、触媒、遊離ラジカル捕捉剤、可塑剤、流動添加剤、および/または静的着色剤または静的染料(すなわち、フォトクロミックではない着色剤または染料)を含めてもよい。
いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート系トップコート層が形成され得る組成
物は、さらに接着促進剤を含み得る。接着促進剤は、例えば、有機シラン、例えば、アミノ有機シラン、有機チタネートカップリング剤、有機ジルコネートカップリング剤、およびこれらの組み合わせから選択され得る。アクリレート系トップコート層が形成され得る組成物に含めてもよい接着促進剤の例としては、限定されないが、米国特許第7,410,691B2号の第5欄第52行〜第8欄第19行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。
トップコート層は、いくつかの実施形態では、紫外光吸収剤を含む。紫外光吸収剤は、当該技術分野で認識されている1種類または1種類より多くの類型の紫外光吸収剤、例えば限定されないが:例えば1個または1個より多くの2,2,6,6−テトラメチルN置換ピペリジン基を含み得るヒンダードアミン;ベンゾフェノン;および/またはベンゾトリアゾールから選択され得る。紫外光吸収剤は、典型的には少なくとも有効量で、例えば、トップコート層が調製されるコーティング組成物の総固形分重量に対して0.1〜10重量パーセント、または0.2〜5重量パーセント、または0.3〜3重量パーセントで存在させる。
本発明のフォトクロミック−二色物品は、いくつかの実施形態では、トップコート層の上に存在しているハードコート層を含み得る。図3を参照されたい。フォトクロミック−二色物品5は、トップコート層53の上に存在しているハードコート層56を含んでいる。ハードコート層は単層を含むものであっても多層を含むものであってもよい。
ハードコート層は、有機シランを含む耐摩耗性コーティング、放射線硬化型アクリレート系薄膜を含む耐摩耗性コーティング、無機材料、例えば、シリカ、チタニアおよび/またはジルコニアを主体とする耐摩耗性コーティング、紫外線硬化型の有機耐摩耗性コーティング、酸素バリアコーティング、UV遮蔽コーティング、ならびにこれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの実施形態では、ハードコート層は、放射線硬化型アクリレート系薄膜の第1のコーティングと、有機シランを含む第2のコーティングを含み得る。市販のハードコーティング製品の非限定的な例としては、それぞれSDC Coatings,Inc.およびPPG Industries,Inc.から入手可能なSILVUE(登録商標)124コーティングおよびHI−GARD(登録商標)コーティングが挙げられる。
ハードコート層は、当該技術分野で認識されているハードコート材料、例えば、有機シラン耐摩耗性コーティングから選択され得る。有機シラン耐摩耗性コーティングは、多くの場合、ハードコートまたはシリコーン系ハードコーティングと称され、当該技術分野で周知であり、SDC Coatings,Inc.およびPPG Industries,Inc.などの種々の製造業者から市販されている。開示内容が有機シランハードコーティングの説明である米国特許第4,756,973号の第5欄第1〜45行;ならびに米国特許第5,462,806号の第1欄第58行〜第2欄第8行および第3欄第52行〜第5欄第50行(これらの開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)を参照されたい。また、有機シランハードコーティングの開示について、米国特許第4,731,264号、同第5,134,191号、同第5,231,156号および国際特許出願公開公報WO94/20581(これらの開示内容も本明細書に参考として組み込まれる)も参照されたい。ハードコート層は、当該技術分野で認識されている方法、例えばスピンコーティングによって塗布され得る。
ハードコート層を形成するために使用され得る他のコーティングとしては、限定されないが、多官能性アクリルハードコーティング、メラミン系ハードコーティング、ウレタン系ハードコーティング、アルキド系コーティング、シリカゾル系ハードコーティングまたは他の有機もしくは無機/有機ハイブリッドハードコーティングが挙げられる。
ハードコート層は、いくつかの実施形態では、有機シラン型ハードコーティングから選択される。本発明のフォトクロミック−二色物品のハードコート層が選択され得る有機シラン型ハードコーティングとしては、限定されないが、米国特許第7,465,414B2号の第24欄第46行〜第28欄第11行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明のフォトクロミック−二色物品はプライマー層を含む。いくつかの実施形態では、プライマー層は基材の第1表面と第1のフォトクロミック−二色層との間に挟まれる。非限定的な例示の目的のため、図3を参照されたい。プライマー層44は、基材11の第1表面14と第1のフォトクロミック−二色層23との間に挟まれており、より具体的には、プライマー層44は第1表面14に隣接し、第1のアライメント層47に隣接している。
プライマー層は、単層を含むものであっても多層(同じであっても異なっていてもよい)を含むものであってもよい。プライマー層は、典型的には、有機マトリックス、例えば、熱可塑性有機マトリックスおよび/または架橋型有機マトリックスを含む。有機マトリックスに加えて、または代替的に、プライマー層は、例えば、シラン結合、シロキサン結合および/またはチタネート結合を含む無機マトリックスを含むものであってもよい。有機マトリックスは、例えば:アクリレート残基(またはモノマー単位)および/またはメタクリレート残基;ビニル残基;エーテル結合;スルフィド結合、例えば、モノスルフィド結合および/またはポリスルフィド結合;カルボン酸エステル結合;カーボネート結合(例えば、−O−C(O)−O−)ウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−O−);および/またはチオウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−S−)を含み得る。
プライマー層は、当該技術分野で認識されている方法、例えば限定されないが:例えば、1つまたは1つより多くのプラスチックシートまたは膜の積層;インモールド成形、例えば、インモールドコーティング;フィルムキャスト成型;およびコーティング方法によって形成され得る。典型的には、プライマー層はプライマーコーティング組成物から形成される。プライマーコーティング組成物は、例えば:2成分コーティング組成物の場合などでは周囲温度;熱熱硬化性コーティング組成物の場合などでは高温(例えば、150℃〜190℃で5〜60分);または紫外線硬化性コーティング組成物の場合などでは化学放射線への曝露によって硬化性である硬化性プライマーコーティング組成物であり得る。
プライマー層は任意の適切な厚みを有するものであり得る。いくつかの実施形態では、プライマーは、0.5ミクロン〜20ミクロン、例えば、1〜10ミクロン、または2〜8ミクロン、または3〜5ミクロン(記載の両端値を含む)の厚みを有する。
いくつかの実施形態では、プライマー層は、ウレタン結合を含む有機マトリックスを含む。いくつかの実施形態によれば、ウレタン結合を含むプライマー層は:ヒドロキシル、チオール、第一級アミン、第二級アミン、およびこれらの組み合わせから選択される活性水素官能部を有する(メタ)アクリレートコポリマー;ブロックイソシアネート、例えば、適切なブロッキング基または脱離基、例えば、3,5−ジメチルピラゾールを用いてブロックしたジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネート;ならびに1種類または1種類より多くの添加剤、例えば限定されないが、接着促進剤、カップリング剤、紫外光吸収剤、熱安定化剤、触媒、遊離ラジカル捕捉剤、可塑剤、流動添加剤および/または静的着色剤もしくは静的染料(すなわち、フォトクロミックではない着色剤もしくは染料)を含む硬化性コーティング組成物から形成される。
活性水素官能性(メタ)アクリレートコポリマーが調製され得る(メタ)アクリレートモノマーの例としては、限定されないが、ヒドロキシル、チオール、第一級アミン、第二級アミンから選択される少なくとも1つの活性水素基を有するC〜C20(メタ)アクリレート、C〜C20(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリレートのC〜C20基は、例えば、C〜C20線形アルキル、C〜C20分岐アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20縮合環ポリシクロアルキル、C〜C20アリール、C10〜C20縮合環アリールから選択され得る。
プライマー層が調製されるプライマーコーティング組成物に使用され得るさらなるポリオールとしては、限定されないが、当該技術分野で認識されている材料、例えば、米国特許第7,465,414号の第15欄第22行〜第16欄第62行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載の材料が挙げられる。プライマー層が調製されるプライマーコーティング組成物に使用され得るイソシアネートとしては、限定されないが、当該技術分野で認識されている材料、例えば、米国特許第7,465,414号の第16欄第63行〜第17欄第38行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載の材料が挙げられる。プライマー層が調製されるプライマーコーティング組成物に使用され得る触媒としては、限定されないが、当該技術分野で認識されている材料、例えば、米国特許第7,465,414号の第17欄第39行〜第62行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載の材料が挙げられる。
プライマー層に1種類または1種類より多くの添加剤を含めてもよい。このような添加剤としては、限定されないが、紫外光吸収剤、安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)、酸化防止剤、例えば、ポリフェノール酸化防止剤、非対称ジアリールオキサルアミド(オキサニリド)化合物、一重項酸素クエンチャー、例えば、有機配位子とのニッケルイオン錯体、ならびにこのようなフォトクロミック特性能強化添加剤材料の混合物および/または組み合わせが挙げられ得る。
プライマー層は基材の上に、当該技術分野で認識されている方法、例えば限定されないが、スプレー塗布、スピンコーティング、ドクター(またはドローダウン)ブレード塗布、カーテン塗布によって塗布され得る。
プライマー層は、カップリング剤の少なくとも部分的加水分解生成物およびその混合物を含み得る。本明細書で使用する場合、「カップリング剤」は、少なくとも1つの表面上の基と反応、結合および/または会合し得る少なくとも1つの基を有する材料を意味する。いくつかの実施形態では、カップリング剤は、類似する表面であっても異なる表面であってもよい少なくとも2つの表面の界面で分子橋絡部としての機能を果たすものであり得る。さらなる実施形態では、カップリング薬剤はモノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/またはポリマーであり得る。このような材料としては、限定されないが、有機金属類、例えば、シラン、チタネート、ジルコネート、アルミネート、ジルコニウムアルミネート、これらの加水分解生成物およびこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用する場合、「カップリング剤の少なくとも部分的加水分解生成物」との語句は、カップリング剤の加水分解可能な基の少なくとも一部ないし全部が加水分解されていることを意味する。
カップリング剤および/またはカップリング剤の加水分解生成物に加えて、または代替的に、プライマー層は他の接着促進成分を含むものであってもよい。例えば、本発明を限定しないが、プライマー層は、さらに、接着促進量のエポキシ含有材料を含み得る。接着促進量のエポキシ含有材料は、プライマー層に含めると、続いて塗布されるコーティングまたは層の接着が改善され得る。プライマー層を形成する組成物に含めてもよいエポキシ(またはオキシラン)官能性接着促進剤の類型としては、限定されないが、オキシラン官
能性アルキルトリアルコキシシラン、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
本発明のフォトクロミック−二色物品に、さらなるコーティング、例えば反射防止コーティングを含めてもよい。いくつかの実施形態では、反射防止コーティングはハードコート層の上に塗布され得る。反射防止コーティングの例は、米国特許第6,175,450号および国際特許出願公開公報WO00/33111(これらの開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載されている。
本発明のいくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の活性化が各場合において実質的に最大になるように選択される。これは、いくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物を、その吸光度スペクトル、例えば、不活性な状態の吸光度スペクトルが完全に重複しないように、より具体的には、第2のフォトクロミック−二色化合物の吸光度スペクトルがすべての入射化学放射線を吸収するのではなく、したがって、一部の入射化学放射線がその下にある第1のフォトクロミック−二色化合物に達して活性化させるように選択することにより行なわれ得る。
本発明のいくつかの実施形態によれば:第1のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜380nmの全波長で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度および380nmより大きい第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有し;第2のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜380nmの波長の少なくとも一部で0より大きい第2の不活性な状態の吸光度および340nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有する。また、いくつかの実施形態によれば、第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長は第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長より小さいか末端最小吸光度波長に等しい。
非限定的な例示の目的のため、図3を参照されたい。第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物23はグラフ59で示される吸光度特性を有し、このグラフは、不活性な状態の第1のフォトクロミック−二色化合物の波長に対する吸光度の代表的なプロットである。図3のグラフ59および62で示される吸光度特性は例示の目的で示したものであり、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の実際の分析によって得られたものではない。
例えばグラフ59で示される第1のフォトクロミック−二色化合物の吸収特性は、他の下層または上層の存在なしで基材に直接塗布された第1のフォトクロミック−二色層の分析によって得られ得る。同様に、例えばグラフ62で示される第2のフォトクロミック−二色化合物の吸光度特性は、他の下層または上層の存在なしで基材に直接塗布された第2のフォトクロミック−二色層の分析によって得られ得る。
図3のグラフ59を参照されたい。第1のフォトクロミック−二色化合物は、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長65、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長68、および第1の不活性な状態の初期最小吸光度波長71を有する。第1のフォトクロミック−二色化合物の第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長68は、その第1の不活性な状態のピーク吸光度波長65よりも高波長側である。第1の不活性な状態の初期最小吸光度波長71は、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長65よりも低波長側である。
非限定的な例示のために、さらに図3のグラフ59を参照されたい。第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物23の第1の不活性な状態のピー
ク吸光度波長65は約360nmであり、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長68は約437nmであり、第1の不活性な状態の初期最小吸光度波長71は約342nmである。
本発明のフォトクロミック−二色物品の第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の不活性な状態の末端最小吸光度波長値は当該技術分野で認識されている方法に従って測定され得る。いくつかの実施形態において、フォトクロミック−二色化合物の不活性な状態の吸光度は明白にゼロまで下がり、ゼロ点における波長が記録される。他の実施形態では、フォトクロミック−二色化合物の不活性な状態の吸光度は平坦域最低値(これは測定値吸光度がゼロに達していなくてもよい)まで下がる。平坦域最低値の場合、不活性な状態の末端最小吸光度波長値は典型的には概算値である。いくつかの実施形態では、不活性な状態の末端最小吸光度波長、例えば、第1のフォトクロミック−二色化合物の第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長68は、吸光度対波長の線図の変曲点の左側(すなわち、低波長側)に存在する線図の線形部分からの線を延長することにより概算され得る。延長線がx軸と交差する点を不活性な状態の末端最小吸光度波長値として記録する。概算値の不活性な状態の末端最小吸光度波長の点および値は、計算(典型的には、コンピュータグラフ作成プログラムの使用を伴って)または手作業(例えば、定規を用いて)によって求めることができる。特に記載のない限り、図3に関して示し、記載した概算値の不活性な状態の末端最小吸光度波長の点および値を手作業で求めた。
不活性な状態の初期最小吸光度波長値は、末端最小吸光度波長値に関して記載したものと同様の方法に従って概算され得る。線図の低い方の変曲点の右側(すなわち、高波長側)に存在する吸光度対波長の線図の線形部分から線が延長され得る。いくつかの実施形態では、不活性な状態の初期最小吸光度はx軸上の吸光度ゼロ値に明白に存在し、したがって概算する必要はない。
フォトクロミック−二色物品5の第2のフォトクロミック−二色層29は、グラフ62で示される吸光度特性を有する第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、このグラフは、第2のフォトクロミック−二色化合物の波長に対する吸光度の代表的なプロットである。いくつかの実施形態では、例えばグラフ62で示される第2のフォトクロミック−二色化合物の吸光度特性は、他の下層または上層の存在なしで基材11に塗布された第2のフォトクロミック−二色層29の分析から得られ得る。図3のグラフ62を参照されたい。第2のフォトクロミック−二色化合物は、第2の不活性な状態のピーク吸光度波長74、第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長77、および第2の不活性な状態の初期最小吸光度80を有する。第2のフォトクロミック−二色化合物の不活性な状態の第2の末端最小吸光度波長77は、その第2のピーク吸光度波長74よりも高波長側である。第2のフォトクロミック−二色化合物の不活性な状態の第2の初期最小吸光度波長80は、第2のピーク吸光度波長74よりも低波長側である。
非限定的な例示のために、さらに図3のグラフ62を参照されたい。第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物29の第2の不活性な状態のピーク吸光度波長74は約365nmであり、第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長77は約423nmであり、第2の不活性な状態の初期最小吸光度波長80は約345nmである。
図3のグラフ59および62はそれぞれ、340nm〜460nmの波長の関数としての吸光度の代表的な図示である。本明細書において先に記載のように、グラフ59および62を含む図3は非限定的な例示の目的で示している。したがって、各場合における第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の波長の関数としての吸光度は図3に示したものに限定されない。
第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜380nmの全波長で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度を有し、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長は380nmより大きい。いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜400nmの全波長で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度を有し、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長は400nmより大きい。いくつかのさらなる実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜410nmの全波長で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度を有し、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長は410nmより大きい。非限定的な例示の目的のため、図3のグラフ59を参照されたい。第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物23は、340nm〜380nmの全波長で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度および380nmより大きい第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有する。本明細書において先に記載のように、図3のフォトクロミック−二色物品5の第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物23の第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長は約437nmである。
第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜380nmの波長の少なくとも一部で0より大きい第2の不活性な状態の吸光度、および340nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有する。非限定的な例示のために、第2のフォトクロミック−二色化合物は、いくつかの実施形態では:340nm〜370nmの全波長にわたって0より大きい第2の不活性な状態の吸光度、および370nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長;または350nm〜380nmの全波長にわたって0より大きい第2の不活性な状態の吸光度、および380nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有するものであり得る。
いくつかの実施形態では、第2のフォトクロミック−二色コーティング層の第2のフォトクロミック−二色化合物は、340nm〜380nmの波長の少なくとも一部で0より大きい第2の不活性な状態の吸光度、および380nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有する。
いくつかのさらなる実施形態では、第2のフォトクロミック−二色コーティング層の第2のフォトクロミック−二色化合物は、全340nm〜380nmの波長で(または該全波長にわたって)0より大きい第2の不活性な状態の吸光度、および380nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長は380nmより大きく450nmより小さいか450nmに等しい、例えば、440nmより小さいか440nmに等しいあるいは430nmより小さいか430nmに等しい。さらなる実施形態では、第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長は340nmより大きく450nmより小さいか450nmに等しい、例えば、440nmより小さいか440nmに等しいあるいは430nmより小さいか430nmに等しい。
第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長は、本発明のいくつかの実施形態では、第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長より低い。
第2のフォトクロミック−二色層29の第2のフォトクロミック−二色化合物およびその下にある第1のフォトクロミック−二色層23の第1のフォトクロミック−二色化合物はそれぞれ、上記の吸光度特性を有するように選択される。本発明のいくつかの実施形態によれば、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ、フォトクロミ
ック−二色物品が340nm〜380nmの全波長で5%未満の不活性な状態の透過率を有するように選択される。340nm〜380nmの全波長における不活性な状態の透過率は、いくつかの実施形態では、4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満であり得る。いくつかの実施形態では、不活性な状態の透過率は340nm〜380nmの全波長で実質的に0%である。340nm〜380nmの全波長における本発明のフォトクロミック−二色物品中の電磁放射線の透過率を低減および最小限にすることは、例えば限定されないが、フォトクロミック−二色物品の背後の対象物、例えば人間の目が340nm〜380nmの波長を有する電磁放射線に曝露されることから保護するという理由で望ましい。記載の波長範囲(1つまたは複数)における透過率パーセントは、当該技術分野で認識されている方法に従って当該技術分野で認識されている市販の分析機器を用いて測定される。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック−二色物品は340nm〜400nmの全波長で5%未満の不活性な状態の透過率を有する。340nm〜400nmの全波長における不活性な状態の透過率は、いくつかの実施形態では、4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満であり得る。いくつかの実施形態では、不活性な状態の透過率は340nm〜400nmの全波長で実質的に0%である。340nm〜380nmに関して上記のように、340nm〜400nmの全波長における本発明のフォトクロミック−二色物品中の電磁放射線の透過率低減および最小限にすることは、例えば限定されないが、フォトクロミック−二色物品の背後の対象物、例えば人間の目が340nm〜400nmの波長を有する電磁放射線に曝露されることから保護するという理由で望ましい。
フォトクロミック−二色物品は、本発明のいくつかの実施形態では、基材と第1のフォトクロミック−二色層または第2のフォトクロミック−二色層の一方とを含む対照フォトクロミック−二色物品の活性化した状態の対照光学密度より大きい活性化した状態の光学密度を有する。フォトクロミック−二色物品と対照フォトクロミック−二色物品の基材は、各場合において実質的に同じであり、実質的に同じ特性および厚みを有する。フォトクロミック−二色物品と対照フォトクロミック−二色物品のコーティング層は、各場合において実質的に同じであり、実質的に同じ特性および厚みを有する。
これに対応して、高い光学密度では、例えば、上記の第1のフォトクロミック−二色層または第2のフォトクロミック−二色層の一方のみを有する活性化した状態の比較フォトクロミック−二色物品と同レベルの入射化学放射線に曝露したとき、活性化した状態の本発明によるフォトクロミック−二色物品の方が典型的には暗色になる。
活性化した状態の対照光学密度の活性化した状態の光学密度はそれぞれ、典型的には、可視光スペクトルの少なくとも一部において測定される。いくつかの実施形態では、活性化した状態の光学密度と活性化した状態の対照光学密度はそれぞれ、410nm〜800nmで測定される。光学密度は当該技術分野で認識されている方法に従って当該技術分野で認識されている市販の機器を用いて測定される。
本発明のフォトクロミック−二色物品のいくつかの実施形態では、第1および第2のフォトクロミック−二色化合物の不活性な状態のピーク吸光度波長値は互いに等価でない。より具体的には、(第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物の)第1の不活性な状態のピーク吸光度波長と(第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物の)第2の不活性な状態のピーク吸光度波長は互いに等価でない。
第1および第2のフォトクロミック−二色化合物をその不活性な状態のピーク吸光度波
長値が互いに等価でないように選択することは、いくつかの実施形態では、例えば限定されないが、フォトクロミック−二色物品に吸収される入射放射線(340nm〜380nmまたは340nm〜400nmの波長を有する)の総量が増大するという理由で望ましい。不活性な状態のピーク吸光度波長値が互いに等価でない場合、それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色化合物に吸収される入射放射線(340nm〜380nmまたは340nm〜400nmの波長を有する)の量は、入射放射線が第2のフォトクロミック−二色層(29)および第1のフォトクロミック−二色層(23)に伝わるにつれて増大するか、または最適化され得る。それぞれ第1および第2のフォトクロミック−二色化合物に吸収される入射放射線(340nm〜380nmまたは340nm〜400nmの波長を有する)の量の増大および/または最適化により、記載の化合物のフォトクロミック−二色応答が増大および/または最適化され得、これに対応して、本発明のフォトクロミック−二色物品のフォトクロミック−二色応答および特性が改善され得る。代替的に、またはこれに加えて、本発明のフォトクロミック−二色物品中の340nm〜380nmまたは340nm〜400nmの波長を有する入射放射線の透過率は、第1および第2の不活性な状態のピーク波長を非等価にし、上記および本明細書においてさらに記載のように相殺すると、最小限にすることができる。
いくつかの実施形態によれば、第2の不活性な状態のピーク吸光度波長と第1の不活性な状態のピーク吸光度波長の差の絶対値は0.5nm以上20nm以下、または1nm以上15nm以下、または2nm以上10nm以下、または2nm以上7nm以下、またはこれらの記載の上端および下端の波長値の任意の組み合わせである。
第2の不活性な状態のピーク吸光度波長は第1の不活性な状態のピーク吸光度波長より大きくても小さくてもよい。これに対応して、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長は第2の不活性な状態のピーク吸光度波長よりも大きくても小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第2の不活性な状態のピーク吸光度波長は第1の不活性な状態のピーク吸光度波長より大きく、これに対応して、第1の不活性な状態のピーク吸光度波長は第2の不活性な状態のピーク吸光度波長より小さい。
本発明のいくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色物品は、さらに、ポリマーを含む複屈折層を含む。複屈折層は、第1のフォトクロミック−二色層と第2のフォトクロミック−二色層との間に挟まれている。図2を参照されたい。フォトクロミック−二色物品7は、第1のフォトクロミック−二色層23と第2のフォトクロミック−二色層29との間に挟まれている複屈折層83を含む。複屈折層は本明細書において代償層または遅延層と称している場合もあり得る。複屈折層は単層で構成されたものであっても多層で構成されたものであってもよい。複屈折層が多層で構成されている場合、それぞれの層は同じであってもよく、多層の少なくとも2つの層が異なっていてもよい。複屈折層は、1つまたは1つより多くのポリマーシート、1つまたは1つより多くのコーティング組成物、およびこれらの組み合わせで形成されたものであり得る。
いくつかの実施形態では、複屈折層は、本発明のフォトクロミック−二色物品に色増強特性および/またはスペクトルフィルタリング特性をもたらす目的で含める。いくつかの実施形態によれば、複屈折層の特性、例えば、該層によってもたらされる色増強、スペクトルフィルタリング、円偏光および/または楕円偏光の度合いは、複屈折層の厚み、屈折率、および異方性に順に並んでいるレベルの1つまたは1つより多くを改良することによって選択され得る。複屈折層の異方性に順に並んでいるレベルは、いくつかの実施形態では、当該技術分野で認識されている方法に従って、複屈折層を一方向に延伸することおよび/または複屈折層内の1つまたは1つより多くの液晶材料を異方性に順に並べることによって調整され得る。
本発明のいくつかの実施形態によれば、複屈折層は、透過する放射線を円偏光するように、または透過する放射線を楕円偏光するように操作可能である。本明細書で使用する場合、いくつかの実施形態では、複屈折層に関する「透過する放射線」との用語は、複屈折層内を透過する放射線を意味する。いくつかの実施形態では、複屈折層は、四分の一波長板または層を含む。いくつかのさらなる実施形態によれば、複屈折層は四分の一波長板を画定する。
複屈折層は、いくつかの実施形態では、第1の一般的な方向を有する第1の順に並んだ領域と、第1の一般的な方向と同じまたは異なる第2の一般的な方向を有する第1の順に並んだ領域に隣接した少なくとも1つの第2の順に並んだ領域とを、複屈折層内に所望のパターンが形成されるように含む。所望のパターンとしては、限定されないが、印、例えば英数字、およびデザインが挙げられる。
複屈折層が調製され得る材料としては、いくつかの実施形態では、当該技術分野で公知の複屈折材料が挙げられる。例えば、ポリマー膜、液晶膜、自己集合性材料、または液晶材料が整列している膜が複屈折層として、または複屈折層を形成するために使用され得る。複屈折層の例としては、限定されないが、米国特許第6,864,932号の第3欄第60行〜第4欄第64行;米国特許第5,550,661号の第4欄第30行〜第7欄第2行;米国特許第5,948,487号の第7欄第1行〜第10欄第10行(これらの記載の開示内容は、各場合において、本明細書に参考として組み込まれる)に記載のものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、複屈折層は、ポリマーコーティングを含むもの(またはポリマーコーティング組成物から形成されるもの)である。いくつかのさらなる実施形態では、ポリマーコーティング(またはポリマーコーティング組成物)は自己集合性材料および/または膜形成材料を含み得る。
複屈折層が形成され得る市販の複屈折膜またはシートの例としては:型番NRF−140の膜(正複屈折一軸膜,日東電工株式会社(日本)またはNitto Denko America,Inc.(New Brunswick,New Jersey)から入手可能;およびOPTIGRAFIX円偏光子膜(GRAFIX Plastics(GRAFIX,Inc.の子会社,Cleveland,Ohio)から入手可能)が挙げられる。
複屈折層は、1つまたは1つより多くのポリマーを含む。複屈折層に含めてもよい、および/または複屈折層が調製され得るポリマーの例としては、限定されないが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(C〜C12)アルキルメタクリレート、ポリオキシ(アルキレンメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ((メタ)アクリルアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ((メタ)アクリル酸)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(αメチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラールならびにポリオール(アリルカーボネート)モノマー、単官能性アクリレートモノマー、単官能性メタクリレートモノマー、多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、アルコキシル化多価アルコールモノマーおよびジアリリデンペンタエリトリトールモノマーからなる群の構成員のポリマー;ならびに特に、自己
集合性材料、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート、多環式アルケン、ポリウレタン、ポリ(ウレア)ウレタン、ポリチオウレタン、ポリチオ(ウレア)ウレタン、ポリオール(アリルカーボネート)、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリアルケン、ポリアルキレン−酢酸ビニル、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ビニルホルマール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリオレフィン、これらのコポリマー、および/またはこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、複屈折層は、それぞれが1つまたは1つより多くのポリマー(例えば限定されないが、複屈折層に含めてもよい、および/または複屈折層が調製され得るポリマーに関して記載した例)を含む1つまたは1つより多くのポリマーシートから形成される。
いくつかの実施形態によれば、複屈折層は、自己集合性材料、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート、多環式アルケン、ポリウレタン、ポリ(ウレア)ウレタン、ポリチオウレタン、ポリチオ(ウレア)ウレタン、ポリオール(アリルカーボネート)、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリアルケン、ポリアルキレン−酢酸ビニル、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ビニルホルマール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリオレフィン、これらのコポリマー、および/またはこれらの混合物を含むポリマーシートを含む。
複屈折層は、いくつかの実施形態では、複屈折層の遅軸方向(面内で屈折率が最も大きくなる方向)が、第1のフォトクロミック−二色層および/または第2のフォトクロミック−二色層のアライメント方向に対して所望の生成偏光、例えば、円偏光または楕円偏光が得られるような向きになるような様式で配置され得る。例えば、四分の一波長板が、いくつかの実施形態では、第1のフォトクロミック−二色層の第1のフォトクロミック−二色化合物または第2のフォトクロミック−二色層の第2のフォトクロミック−二色化合物のアライメント方向に対して45°+/−5°または45°+/−3°の角度の向きにされ得る。
さらなる実施形態によれば、本発明のフォトクロミック−二色物品は、眼科用物品またはエレメント、ディスプレイ物品またはエレメント、窓、鏡、包装材料、例えば、シュリンクラップ、ならびにアクティブおよびパッシブ液晶セル物品またはエレメントから選択され得る。
眼科用物品またはエレメントの例としては、限定されないが、矯正レンズおよび非矯正レンズ、例えば、単焦点レンズまたは多焦点レンズ(セグメント型または非セグメント型のいずれの多焦点レンズであってもよい)(例えば限定されないが、二焦点レンズ、三焦点レンズおよび多重焦点レンズ)、ならびに、視力を矯正し、保護し、または高める(美容的またはその他の様式で)ために用いられるおよび他のエレメント、例えば限定されないが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズ、および遮光板(保護的遮光板など)が挙げられる。
ディスプレイ物品、エレメントおよびデバイスの例としては、限定されないが、スクリーン、モニター、ならびにセキュリティエレメント、例えば限定されないが、セキュリティマークおよび認証マークが挙げられる。
窓の例としては、限定されないが、自動車用および航空機用の透明部品、フィルター、
シャッター、および光学スイッチが挙げられる。
いくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色物品はセキュリティエレメントであり得る。セキュリティエレメントの例としては、限定されないが、基材、例えば:アクセスカードおよびパス、例えば、切符、バッジ、身分証明カードまたはメンバーシップカード、デビットカードなど;譲渡可能証券および譲渡不能証券、例えば、手形、小切手、債券、約束手形、譲渡性預金証書、株券など;公文書、例えば、通貨、ライセンス、身分証明カード、ベネフィットカード(benefit card)、ビザ、パスポート、公的証明書、証書など;消費財、例えば、ソフトウェア、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、電気器具、家庭用電化製品、スポーツ用品、車など;クレジットカード;商品タグ、ラベル、包装の少なくとも一部と関連させたセキュリティマークおよび認証マークが挙げられる。
さらなる実施形態では、セキュリティエレメントは、透明基材および反射性基材から選択される基材の少なくとも一部と関連させたものであってもよい。あるいはまた、反射性基材が必要とされるさらなる実施形態によれば、基材が意図した用途に対して反射性でない、または充分に反射性でない場合、セキュリティマークを塗布する前に、まず反射性材料を基材の少なくとも一部に塗布してもよい。例えば、上面にセキュリティエレメントを形成する前に、反射性アルミニウムコーティングが基材の少なくとも一部に塗布され得る。さらに、あるいはまた、セキュリティエレメントは、無色基材、着色基材、フォトクロミック基材、着色フォトクロミック基材、直線偏光性基材、円偏光性基材、楕円偏光性基材から選択される基材の少なくとも一部と関連させたものであってもよい。
さらに、前述の実施形態によるセキュリティエレメントに、さらに1つまたは1つより多くの他のコーティングまたは膜またはシートを含めて、視角依存性特性を有する多層の反射性セキュリティエレメントを形成してもよい(例えば、米国特許第6,641,874号に記載)。
本発明を以下の実施例にさらに具体的に記載する。当業者には数多くの修正例および変形例が自明となるため、本実施例は例示を意図したものにすぎない。特に記載のない限り、部およびパーセンテージはすべて重量基準である。
実施例
第1および第2のコーティングとして使用するコーティング溶液の調製を第1部に記載している。基材の清浄手順を第2部に記載しており、2つの光アライメント層ならびに2つのコーティング層のコーティング手順を第3部〜6に記載している。移行コーティング溶液(トップコート)の調製およびそのコーティング塗布手順を第7部に記載している。保護コーティング(ハードコート)の調製およびそのコーティング塗布手順を第8部に記載している。フォトクロミック−二色性能試験を第9部に記載している。実施例1、1Aおよび1B〜3、3Aおよび3Bならびに比較例1、1Aおよび1Bの結果を表1に含めている。
第1部:異方性材料とフォトクロミック/二色材料のコーティング溶液の調製
アニソール(3.990g)とBYK(登録商標)−322添加剤0.004gの混合物を入れた適切なフラスコにRM−257(1.500g)、RM−105(1.500g)、およびRM−82(1.500g)を添加した。RM−257はC333210の分子式を有すると報告されており;RM−105はC2326の分子式を有すると報告されており;RM−82はC394410の分子式を有すると報告されており、すべて、EMD Chemicals,Inc.から入手可能である。続いて、LC
M−1(1.500g)(後述)、グレーフォトクロミック−二色染料の組合せ(0.720グラムの以下の重量パーセントの染料混合物:20%のフォトクロミック−二色番号1(黄色がかった褐色の活性化した色を示すインデノナフトピラン);15%のフォトクロミック−二色番号2(緑がかった青色の活性化した色を示すインデノナフトピラン);および65%のフォトクロミック−二色番号3(シアンの活性化した色を示すインデノナフトピラン);これを80℃まで60分間加熱し、次いで約26℃まで冷却した)、4−メトキシフェノール(0.006g)、およびIRGACURE(登録商標)819(0.090g)。得られた混合物を60℃で2時間撹拌し、約26℃まで冷却した。
LCM−1は1−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(8−(4−(4−(4−(8−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルオキシカルボニル)フェノキシ)オクチルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキサン−1−オールであり、これは、米国特許出願公開公報第2009/0323011号(その液晶モノマーの開示内容は本明細書に参考として組み込まれる)の実施例17に記載の手順にしたがって調製した。
第2部:基材の清浄化
CR−39(登録商標)モノマーから調製された5.08cm×5.08cm×0.318cm(2インチ(in.)×2in.×0.125in.)の寸法の正方形の基材をHomalite,Inc.から入手した。それぞれの基材を、アセトンを浸漬させたティッシュで拭くことによって清浄にし、空気流で乾燥させ、高電圧変圧器を備えたTantec EST Systems Serial No.020270 Power Generator HV 2000シリーズのコロナ処理機にコンベアベルト上で通過させることによりコロナ処理した。基材は、53.99KV、500ワットで発生させたコロナにコンベア上を3ft/分のベルト速度で移動させながら曝露した。
第3部:第1の光アライメント層のコーティング手順
光アライメント材料StaralignTM2200 CP2(Vantico,Inc.製)を試験基材にスピンコーティングによって試験基材表面の一部分におよそ1.0mLの該溶液を分注し、この基材を800の毎分回転数(rpm)で3秒間、続いて1,000rpmで7秒間、続いて2500rpmで4秒間スピンすることにより塗布した。Laurell Technologies Corp.製のスピンプロセッサ(WS−400B−6NPP/LITE)をスピンコーティングに使用した。その後、コーティングされた基材を、120℃に維持した炉内に30分間入れた。コーティングされた基材を約26℃まで冷却した。
それぞれの基材上の乾燥光アライメント層を、DYMAX(登録商標)UVC−6 UV/コンベアシステム(DYMAX Corp.製,400ワットの電源を有する)を用いた直線偏光紫外線放射線への曝露によって少なくとも部分的に順に並ばせた。光源は、放射線が基材表面に垂直な面内で直線偏光するような向きにした。それぞれの光アライメント層に曝露した紫外線放射線の量をUV Power PuckTM高エネルギー線量計(EIT Inc製(シリアルナンバー2066))を用いて測定し、以下のとおり:UVA 0.126W/cmおよび5.962J/cm;UVB 0.017W/cmおよび0.078J/cm;UVC 0W/cmおよび0J/cm;ならびにUVV 0.046W/cmおよび2.150J/cmであった。光配向可能なポリマー網目構造の少なくとも一部を順に並べた後、基材を約26℃まで冷却し、覆いをして維持した。
第4部:第1のコーティングのコーティング手順
第1のコーティングを、第1部(およそ2.0mL)のコーティングをそれぞれの基材に、2000毎分回転数(rpm)の速度で10秒間のスピンコーティングによって、少なくとも部分的に順に並んだ光アライメント材料上に分注することにより塗布した。コーティングされたそれぞれの基材を60℃の炉内に30分間入れた。その後、基材を、UV
Curing Oven Machine(Belcan Engineeringによって設計および構築)内の2つの紫外線ランプ下で、窒素雰囲気中、コンベアベルト上を2ft/分の速度で移動させながら、ピーク強度が0.445ワット/cmのUVAおよび0.179ワット/cmのUVVならびにUV線量が2.753ジュール/cmのUVAおよび1.191ジュール/cmのUVVで硬化させた。硬化したそれぞれの層を53.00KV、500ワットによって発生させたコロナに、コンベア上を3ft/分のベルト速度で移動させながら曝露した。
第5部:第2の光アライメント層のコーティング手順
光アライメント材料の第2の塗布を第3部の手順に従って行なった。第2の光アライメント層を乾燥させ、基材を適切な角度まで回転させて第3部に記載のようにして直線偏光紫外線放射線に曝露することにより第1のアライメント層に対して0°、30°、60°または90°の向きに少なくとも部分的に順に並べた。
第6部:第2のコーティングのコーティング手順
第2のコーティングを、第1部(およそ2.0mL)のコーティングを、第5部で調製した少なくとも部分的に順に並んだ光アライメント層上に2000毎分回転数(rpm)の速度で10秒間のスピンコーティングによって分注することにより塗布した。コーティングされたそれぞれの基材を60℃の炉内に30分間入れた。その後、基材を、UV Curing Oven Machine(Belcan Engineeringによって設計および構築)内の2つの紫外線ランプ下で、窒素雰囲気中、第4部に記載のようにして硬化させた。硬化した層を53.00KV、500ワットによって発生させたコロナに、コンベア上を3ft/分のベルト速度で移動させながら曝露した(後続のコーティング層を塗布する場合)。あるいは、試験片を105℃で3時間後焼成した。コーティング1に対して30°の向きのコーティング番号2を有する基材を実施例1とし;コーティング番号1に対して60°の向きのコーティング番号2を実施例2とし;;コーティング番号1に対して90°の向きのコーティング番号2を実施例3とし;コーティング1に対して0°の向きのコーティング番号2を比較例(CE)1とした。
第7部:移行コーティング(TC)のコーティング手順
移行コーティング溶液を以下のようにして調製した:
磁気撹拌バーを備えた50mL容アンバーガラスビン内に以下の材料:
ヒドロキシメタクリレート(1.242g),Sigma−Aldrich製;
ネオペンチルグリコールジアクリレート(13.7175g)SR247,Sartomer製;
トリメチロールプロパントリメタクリレート(2.5825g)SR350,Sartomer製;
DESMODUR(登録商標)PL 340(5.02g),Bayer Material Science製;
IRGACURE(登録商標)−819(0.0628g),Ciba Speciality Chemicals製;
DAROCUR(登録商標)TPO(0.0628g;Ciba Speciality Chemicals製、
ポリブチルアクリレート(0.125g)、
3−アミノプロピルプロピルトリメトキシシラン(1.4570g)A−1100,M
omentive Performance Materials製;
200度の純無水エタノール(1.4570g),Pharmaco−Aaper製
を添加し;室温で2時間撹拌した。
移行コーティング(およそ4.0mL)を硬化コーティング基材上に、1,400毎分回転数(rpm)の速度で7秒間スピンコーティングした。その後、基材を、UV Curing Oven Machine(Belcan Engineeringによって設計および構築)内の2つの紫外線ランプ下で、窒素雰囲気中、コンベアベルト上を6ft/分の速度で移動させながら、ピーク強度が1.887ワット/cmのUVAおよび0.694ワット/cmのUVVならびにUV線量が4.699ジュール/cmのUVAおよび1.787ジュール/cmのUVVで硬化させた。硬化した移行層を、53.00KV、500ワットによって発生させたコロナに、コンベア上を3ft/分のベルト速度で移動させながら曝露した。
第8部:保護コーティング(PC)のコーティング手順
保護コーティングを以下のようにして調製した:仕込み1を清浄な乾燥ビーカーに添加し、撹拌しながら5℃の氷浴中に入れた。仕込み2を添加すると、発熱によって反応混合物の温度が50℃まで上昇した。得られた反応混合物の温度を20〜25℃まで冷却し、撹拌しながら仕込み3を添加した。仕込み4を添加してpHを約3〜約5.5に調整した。仕込み5を添加し、溶液を半時間混合した。得られた溶液を公称0.45ミクロンのカプセルフィルターに通して濾過し、使用時まで4℃で保存した。
仕込み1
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 32.4グラム
メチルトリメトキシシラン 345.5グラム
仕込み2
硝酸を含む脱イオン水(DI)(硝酸1g/7000g)の溶液 292グラム
仕込み3
DOWANOL(登録商標)PM溶媒 228グラム
仕込み4
TMAOH(メタノール中25%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)
0.45グラム仕込み5
BYK(登録商標)−306界面活性剤 2.0グラム
得られた保護コーティング溶液(およそ4.0mL)を2,000毎分回転数(rpm)の速度で10秒間、硬化移行層がコーティングされた基材上にスピンコーティングした。コーティングされた基材の後硬化は105℃にて3時間で完了した。
第9部:フォトクロミック−二色性能試験
上記で調製したコーティングされたそれぞれの基材を二連で、フォトクロミック−二色応答について、Bench for Measuring Photochromics(「BMP」)光学ベンチ(Essilor,Ltd.(France)製)で試験した。試験中、この光学ベンチを73.4°F(23℃)の一定温度に維持した。
光学ベンチでの試験前、コーティングされたそれぞれの基材を、約14センチメートルの間隔で365ナノメートルの紫外線に約10分間曝露し、フォトクロミック−二色材料を活性化させた。基材におけるUVA(315〜380nm)放射照度をLICOR(登録商標)Model Li−1800分光放射計で測定し、22.2ワット/平方メートルであることがわかった。次いで、基材を500ワットの高輝度ハロゲンランプ下に、約36センチメートルの間隔で約10分間置き、フォトクロミック−二色材料を漂白(不活性化)した。基材における照度をLICOR(登録商標)分光放射計で測定し、21.4
キロルクスであることがわかった。次いで、基材を暗環境内で、光学ベンチ上で試験前に少なくとも1時間、室温(70〜75°F、または21〜24℃)で維持した。光学ベンチでの測定前、基材を390ナノメートルにおける紫外線吸光度について測定した。
BMP光学ベンチに2つの150ワットORIEL(登録商標)Model #66057 Xenonアークランプを互いに直角で取り付けた。ランプ1からの光路は、3mmのSCHOTT(登録商標)KG−2帯域通過フィルターおよび、必要とされるUVおよび部分可視光放射照度レベルに寄与する適切な減光フィルターによって指向した。ランプ2からの光路は、補光可視光照度が得られるように順に並べた3mmのSCHOTT(登録商標)KG−2帯域通過フィルター、SCHOTT(登録商標)ショートバンド400nmカットオフフィルターおよび適切な減光フィルターによって指向した。2インチ×2インチの50%ポルカドットビームスプリッタを各ランプに対して45°で使用し、2つのビームを混合する。減光フィルターとXenonアークランプの電圧制御の組合せを用いて、放射照度の強度を調整した。BMPに対して、タイミング、放射照度、エアセルおよび試験片の温度、シャッター操作、フィルター選択ならびに応答の測定を制御するためにプロプライエタリソフトウェアを使用した。基材への光送達のための光ファイバーケーブルを備えたZEISS(登録商標)分光計Model MCS 501を応答および色の測定に使用した。選択した4つの波長での明順応応答の測定値ならびに応答値をそれぞれの基材で収集した。
光学ベンチの出力、すなわち、基材が曝露される光の被曝量を6.7ワット/平方メートル(W/m)UVAに調整し、315から380nmまで積分し、50キロルクス照度は380から780nmまで積分した。出力の測定は視力測定装置およびBMPに内蔵されたソフトウェアを用いて行なった。
活性化していない、または光退色した状態から活性化した、または着色した状態への光学密度の変化(ΔOD)に関する応答の測定は、初期の活性化していない透過率を確認し、Xenonランプ(1つまたは複数)のシャッターを開放し、活性化中の選択した時間間隔で透過率を測定することにより行なった。光学密度の変化は、式:ΔOD=log(10)(%Tb/%Ta)に従って求め、式中、%Tbは光退色した状態での透過率であり、%Taは活性化した状態での透過率である。光学密度の測定は明順応光学密度に基づいたものとした。
この試験の結果を以下に表1に示す。ここで、飽和時のΔODは15分間の活性化後であり、退色半減期(Fade Half Life)(「T1/2」)値は、活性化光源を除いた後、コーティング中のフォトクロミック/二色材料の活性化形態のΔODが73.4°F(23℃)で15分間のΔODの半分に達する時間枠(単位:秒)である。報告した結果は、それぞれの実施例および比較例の二連の試験基材の相加平均である。
表1において、実施例1は第1のコーティングに対して30°の向きの第2のコーティングを有し;実施例1Aは実施例1に塗布された移行コーティング(TC)を有し;実施例1Bは実施例1Aに塗布された保護コーティング(PC)を有し;実施例2は第1のコーティングに対して60°の向きの第2のコーティングを有し;実施例2Aは実施例2に塗布されたTCを有し;実施例2Bは実施例2Aに塗布されたPCを有し;実施例3は第1のコーティングに対して90°の向きの第2のコーティングを有し;実施例3Aは実施例3に塗布されたTCを有し;実施例3Bは実施例3Aに塗布されたPCを有し;比較例(CE)1は第1のコーティングに対して0°の向きの第2のコーティングを有し;CE
1AはCE 1に塗布されたTCを有し; CE 1BはCE 1Aに塗布されたPCを有する。
Figure 2016186665
本発明を、特定の実施形態の具体的な詳細に関して説明した。このような詳細は、添付の特許請求の範囲に包含される範囲内および程度である場合を除き、本発明の範囲に対する限定とみなされることを意図するものではない。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
フォトクロミック−二色物品であって:
(a)第1表面と第2表面を有する基材;
(b)該基材の該第1表面の上に配置された第1のフォトクロミック−二色層であって、該第1のフォトクロミック−二色層は第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、該第1のフォトクロミック−二色化合物は該第1のフォトクロミック−二色層内で横方向に整列しており、該第1のフォトクロミック−二色層の第1の偏光軸を画定する、第1のフォトクロミック−二色層;および
(c)該第1のフォトクロミック−二色層の上に配置された第2のフォトクロミック−二色層であって、該第2のフォトクロミック−二色層は第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、該第2のフォトクロミック−二色化合物は該第2のフォトクロミック−二色層内で横方向に整列しており、該第2のフォトクロミック−二色層の第2の偏光軸を画定する、第2のフォトクロミック−二色層
を含み、
該第1の偏光軸と該第2の偏光軸が互いに対して0°より大きく90°より小さいかまたは90°に等しい角度の向きである
フォトクロミック−二色物品。
(項2)
前記第1のフォトクロミック−二色層と前記第2のフォトクロミック−二色層が、それぞれ独立して、さらに異方性材料を含む、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項3)
前記第1のフォトクロミック−二色層の前記異方性材料、および前記第2のフォトクロミック−二色層の前記異方性材料が、それぞれ独立して、液晶材料を含む、上記項2に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項4)
前記第1のフォトクロミック−二色層が第1のポリマーシートによって画定され、前記第1のポリマーシートが前記第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第1のポリマーシートが第1の横方向に沿って横方向に整列しており、前記第1のフォトクロミック−二色化合物が前記第1の横方向に沿って実質的に横方向に整列している、および
前記第2のフォトクロミック−二色層は第2のポリマーシートによって画定され、前記第2のポリマーシートが前記第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第2のポリマーシートが第2の横方向に沿って横方向に整列しており、前記第2のフォトクロミック−二色化合物が前記第2の横方向に沿って実質的に横方向に整列している、
の少なくとも一方である、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項5)
前記第1のフォトクロミック−二色層と前記第2のフォトクロミック−二色層が、それぞれ独立して、さらに、
少なくとも部分的に順に並んだマトリックス相と、
少なくとも部分的に順に並んだゲスト相
を含む相分離したポリマー
を含み、
前記第1のフォトクロミック−二色層の前記ゲスト相が前記第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第1のフォトクロミック−二色化合物が前記第1のフォトクロミック−二色層の前記ゲスト相の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列しており、
前記第2のフォトクロミック−二色層の前記ゲスト相が前記第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第2のフォトクロミック−二色化合物が前記第2のフォトクロミック−二色層の前記ゲスト相の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している、
上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項6)
前記第1のフォトクロミック−二色層と前記第2のフォトクロミック−二色層が、それぞれ独立して、さらに、
少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と、
ポリマー材料
を含む相互貫入ポリマー網目構造
を含み、
前記第1のフォトクロミック−二色層の前記異方性材料が前記第1のフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第1のフォトクロミック−二色化合物が前記第1のフォトクロミック−二色層の前記異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列しており、
前記第2のフォトクロミック−二色層の前記異方性材料が前記第2のフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第2のフォトクロミック−二色化合物が前記第2のフォトクロミック−二色層の前記異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項7)
前記第1のフォトクロミック−二色層と前記第2のフォトクロミック−二色層が、それぞれ独立して、さらに、染料、アライメント促進剤、水平アライメント剤、速度向上添加剤、光開始剤、熱開始剤、重合阻害剤、溶媒、光安定化剤、熱安定化剤、離型剤、レオロジー制御剤、レベリング剤、遊離ラジカル捕捉剤、および接着促進剤から選択される少なくとも1つの添加剤を含む、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項8)
前記第1のフォトクロミック−二色層と前記第2のフォトクロミック−二色層が、それぞれ独立して、さらに、アゾメチン、インジゴイド、チオインジゴイド、メロシアニン、インダン、キノフタロン系染料、ペリレン、フタロペリン、トリフェノジオキサジン、インドロキノキサリン、イミダゾ−トリアジン、テトラジン、アゾ染料および(ポリ)アゾ染料、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノンおよび(ポリ)アントラキノン、アントラピリミジノン、ヨウ素およびヨウ化物から選択される少なくとも1つの二色材料を含む、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項9)
前記第1のフォトクロミック−二色化合物が少なくとも1つの第1のフォトクロミック部分を含み、前記第2のフォトクロミック−二色化合物が少なくとも1つの第2のフォトクロミック部分を含み、それぞれの第1のフォトクロミック部分およびそれぞれの第2のフォトクロミック部分が、それぞれ独立して、インデノ縮合ナフトピラン、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオロアンテノピラン、スピロピラン、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジン、フルギド、フルギイミド、ジアリールエテン、ジアリールアルキルエテン、ジアリールアルケニルエテン、熱可逆性のフォトクロミック化合物、非熱可逆性のフォトクロミック化合物、およびこれらの混合物から選択される、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項10)
前記基材と前記第1のフォトクロミック−二色層との間に挟まれた第1のアライメント層であって、ここで、前記第1のアライメント層と前記第1のフォトクロミック−二色層は互いに少なくとも部分的に隣接している、第1のアライメント層および
前記第2のフォトクロミック−二色層と前記第1のフォトクロミック−二色層との間に挟まれた第2のアライメント層であって、ここで、前記第2のアライメント層と前記第2のフォトクロミック−二色層は互いに少なくとも部分的に隣接している、第2のアライメント層
をさらに含む、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項11)
紫外光吸収剤を含むトップコート層をさらに含み、前記トップコート層が前記第2のフォトクロミック−二色層の上に存在している、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項12)
さらにハードコート層を含み、前記ハードコート層が前記トップコート層の上に存在している、上記項11に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項13)
前記第1のフォトクロミック−二色化合物が、340nm〜380nmの全波長で0より大きい第1の不活性な状態の吸光度および380nmより大きい第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有し、
前記第2のフォトクロミック−二色化合物が340nm〜380nmの波長の少なくとも一部で0より大きい第2の不活性な状態の吸光度および340nmより大きい第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長を有し、
前記第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長が前記第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長より小さいか末端最小吸光度波長に等しい、
上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項14)
前記第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長が380nmより大きい、上記項13に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項15)
前記0より大きい第2の不活性な状態の吸光度が340nm〜380nmの全波長に存在し、前記第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長が380nmより大きい、上記項13に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項16)
前記第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長が380nmより大きく450nmより小さいか450nmに等しいであり、前記第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長が340nmより大きく450nmより小さいか450nmに等しい、上記項13に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項17)
前記第2の不活性な状態の末端最小吸光度波長が前記第1の不活性な状態の末端最小吸光度波長より小さい、上記項13に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項18)
前記フォトクロミック−二色物品が340nm〜380nmの全波長で5%未満の不活性な状態の透過率を有する、上記項13に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項19)
ポリマーを含む複屈折層をさらに含み、前記複屈折層が前記第1のフォトクロミック−二色層と前記第2のフォトクロミック−二色層との間に挟まれている、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項20)
前記複屈折層が、透過する放射線を円偏光するか、または透過する放射線を楕円偏光するように操作可能である、上記項19に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項21)
前記複屈折層が、第1の一般的な方向を有する第1の順に並んだ領域と、第1の順に並んだ領域と隣接しており、第1の一般的な方向と同じまたは異なる第2の一般的な方向を有する少なくとも1つの第2の順に並んだ領域とを、前記複屈折層内に所望のパターンが形成されるように含む、上記項19に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項22)
前記複屈折層が、自己集合性材料または膜形成材料を含むポリマーコーティングを含む、上記項19に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項23)
前記複屈折層が、自己集合性材料、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート、多環式アルケン、ポリウレタン、ポリ(ウレア)ウレタン、ポリチオウレタン、ポリチオ(ウレア)ウレタン、ポリオール(アリルカーボネート)、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリアルケン、ポリアルキレン−酢酸ビニル、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ビニルホルマール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリオレフィン、これらのコポリマー、および/またはこれらの混合物を含むポリマーシートを含む、上記項19に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項24)
前記複屈折層は四分の一波長板を画定する、上記項19に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項25)
前記フォトクロミック−二色物品が、眼科用物品、ディスプレイ物品、窓、鏡、ならびにアクティブ液晶セル物品およびパッシブ液晶セル物品から選択される、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項26)
前記フォトクロミック−二色物品が眼科用物品から選択され、該眼科用物品が、矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズおよび遮光板から選択される、上記項25に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項27)
前記フォトクロミック−二色物品がディスプレイ物品から選択され、該ディスプレイ物品が、スクリーン、モニターおよびセキュリティエレメントから選択される、上記項25に記載のフォトクロミック−二色物品。
(項28)
前記基材が、無色基材、着色基材、フォトクロミック基材、着色フォトクロミック基材および直線偏光性基材から選択される、上記項1に記載のフォトクロミック−二色物品。

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