JP2016185733A - 車両用乗員拘束装置 - Google Patents

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【課題】斜め衝突等の衝突形態における乗員保護性能を向上させる。【解決手段】車両用乗員拘束装置は、ルーフサイドレール18に沿って収納され、車両の衝突時にガスの供給を受けて車両用シート20に着座した乗員22とサイドドア24(車両側部)との間へカーテン状に膨張展開するカーテンエアバッグ12と、サイドドア24又は車両用シート20に折畳み状態で配設され、車両26の衝突時にガスの供給を受けて乗員22とサイドドア24との間へ膨張展開するサイドエアバッグと、サイドドア24の車室側において、カーテンエアバッグ12の展開領域の車両下方かつサイドエアバッグ14の展開領域の車両前方側に設けられ、車両26の衝突が予知されると乗員22側へ延び出して乗員22に対する衝撃吸収準備状態となり、衝突が回避された場合には元の位置に戻る延出部16と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用乗員拘束装置に関する。
車両の側面衝突や横転等に対して乗員を保護するために、カーテンエアバッグとサイドエアバッグとを備えた構造が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008−290529号公報
車両前部の衝突が例えば斜め衝突であった場合には、衝突側に着座している乗員が車両外側の斜め前方へ慣性移動するが、上記した従来例では、このような衝突形態が考慮されておらず、未だ改善の余地がある。
本発明は、斜め衝突等の衝突形態における乗員保護性能を向上させることを目的とする。
請求項1に係る車両用乗員拘束装置は、ルーフサイドレールに沿って収納され、車両の衝突時にガスの供給を受けて車両用シートに着座した乗員と車両側部との間へカーテン状に膨張展開するカーテンエアバッグと、前記車両側部又は車両用シートに折畳み状態で配設され、前記車両の衝突時にガスの供給を受けて前記乗員と前記車両側部との間へ膨張展開するサイドエアバッグと、車両側部の車室側において、前記カーテンエアバッグの展開領域の車両下方かつ前記サイドエアバッグの展開領域の車両前方側に設けられ、前記車両の衝突が予知されると前記乗員側へ延び出して前記乗員に対する衝撃吸収準備状態となり、衝突が回避された場合には元の位置に戻る延出部と、を有する。
この車両用乗員拘束装置では、車両側部に設けられた延出部が、車両の衝突予知時に乗員側に延び出して、衝撃吸収準備状態となる。車両が実際に衝突し、その衝突形態が斜め衝突だった場合には、乗員が車両外側の斜め前方へ慣性移動しようとするが、該乗員を延出部で受けることで該乗員の移動量を抑制して、該乗員に対する衝撃を吸収することができる。衝突が予知されたものの、実際には衝突が回避された場合には、延出部が元の位置に戻り原状復帰するので、部品の交換は不要である。
本発明に係る車両用乗員拘束装置によれば、斜め衝突等の衝突形態における乗員保護性能を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
本実施形態に係る車両用乗員拘束装置が設けられた車両の側面視における車室を示す断面図である。 本実施形態に係る車両用乗員拘束装置において、通常時と、延出部が延び出した状態とを示す、乗員正面から見た車両の断面図である。 延出部及びカーテンエアバッグにより乗員が拘束された状態を示す、乗員正面から見た車両の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。図1において、本実施形態に係る車両用乗員拘束装置10は、カーテンエアバッグ12と、サイドエアバッグ14と、延出部16とを有している。
図2において、カーテンエアバッグ12は、ルーフサイドレール18に沿って収納され、車両26の衝突時に、インフレータ(図示せず)からのガスの供給を受けて車両用シート20に着座した乗員22と車両側部の一例たるサイドドア24との間へカーテン状に膨張展開する袋体である(図1も参照)。ルーフサイドレール18は、車両26のルーフ28の車幅方向両端において、夫々車両前後方向に延びる骨格部材である。図2に示されるように、ルーフ28の下面には、内装材であるルーフトリム30が設けられており、該ルーフトリム30の車幅方向端部とルーフサイドレール18との間に、カーテンエアバッグ12が収納されている。
サイドドア24は、アウタパネル32と、該アウタパネル32の車両内側に位置するインナパネル34とを接合して構成されている。インナパネル34の車両内側には、内装材であるドアトリム36が設けられている。ドアトリム36には、アームレスト38及び収納部40が設けられている。アームレスト38は、ドアトリム36の車両上下方向中央部に配置され、収納部40は、ドアトリム36の下部に設けられている。
サイドドア24には、開閉可能なサイドガラス42が設けられている。カーテンエアバッグ12がカーテン状に膨張展開することにより、サイドガラス42の開閉領域が、該カーテンエアバッグ12により車両内側から覆われるようになっている。換言すれば、カーテンエアバッグ12の展開領域は、主に、サイドガラス42の開閉領域となっている。
車両用シート20は、車両26のフロア44上に設けられており、例えば前席と後席がある。車両用シート20には、乗員拘束用のシートベルト装置46が設けられている。なお、図面においては、前席用のシートベルト装置の図示を省略している。
図1において、サイドエアバッグ14は、サイドドア24又は車両用シート20に折畳み状態で配設され、車両26の例えば側面衝突時に、インフレータ(図示せず)からのガスの供給を受けて乗員22とサイドドア24(図2)との間へ膨張展開する袋体である。このサイドエアバッグ14は、乗員22の例えば肩部22S(図2)から腰部22W(図2)にかけての部分に対応して膨張展開するようになっている。
図1、図2において、延出部16は、サイドドア24の車室側において、カーテンエアバッグ12の展開領域の車両下方かつサイドエアバッグ14の展開領域の車両前方側に設けられている。この延出部16は、車両26の衝突が予知されると乗員22側へ延び出して乗員22に対する衝撃吸収準備状態となるように構成されている。換言すれば、延出部16は、カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14の展開領域から外れた位置に設けられている。延出部16が延び出す際には、カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14との干渉が生じないようになっている。また、延出部16は、衝突が回避された場合には元の位置に戻るように構成されている。つまり、延出部16は、可逆的に動作する部位である。
図1,図2において、延出部16は、カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14の展開領域から外れた、例えばアームレスト38の車両上側に設けられ、通常時はドアトリム36の一部を構成している。延出部16のうち、乗員22と接触し得る部位は、弾力性を有する表皮(図示せず)で覆われている。図1に示されるように、延出部16は、例えば略四角形に形成されている。この延出部16は、図示しないロッド又はリンク機構を介して、モータ等の駆動手段により駆動されて、乗員22側へ延び出したり(矢印A方向)、元の位置に戻ったり(矢印B方向)するようになっている。延出部16が延び出す方向は、例えば車両斜め後方かつ斜め上方であり、これは乗員22の上半身に接近する方向である。延出部16は、延び出した状態で乗員22を受けた際に、乗員22に対して一定の反力を作用させつつ矢印B方向に後退することで、衝撃吸収を行うようになっている。
車両26の衝突の予知は、図示しないプリクラッシュセンサ等により、衝突の発生の可能性が高くなった状態を判定するものである。延出部16を作動させる衝突形態は、例えば前面衝突や側面衝突である。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図2において、本実施形態に係る車両用乗員拘束装置10では、サイドドア24に設けられた延出部16が、車両26の衝突予知時に、図2に示されるように、乗員22側に延び出して(矢印A方向)、衝撃吸収準備状態となる。
車両26の前部が実際に衝突し、その衝突形態が乗員22の着座側に対する斜め衝突だった場合には、乗員22が車両外側の斜め前方へ慣性移動しようとする。しかしながら、図3に示されるように、予め延び出した延出部16により乗員22を受けることで、該乗員22の移動量を抑制することができる。この際、延出部16を矢印B方向に後退可能に延出させることで、乗員22に対する衝撃を吸収することができる。
また、車両26の衝突時には、カーテンエアバッグ12が、ガスの供給を受けて車両用シート20に着座した乗員22とサイドドア24との間へカーテン状に膨張展開する(矢印C方向)。図示は省略するが、例えば側面衝突時には、サイドエアバッグ14が、ガスの供給を受けて乗員22とサイドドア24との間へ膨張展開する。カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14によっても、乗員22に対する衝撃を吸収することができる。
なお、延出部16は、カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14の展開領域から外れた位置に設けられているので、該カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14と延出部16との干渉は抑制される。
一方、図2において、前述した通り、延出部16はモータ等により駆動されるため、車両26の衝突が予知されたものの、実際には衝突が回避された場合には、延出部16が元の位置に戻り(矢印B方向)、原状復帰する。つまり、延出部16は、可逆的に動作する。これにより、サイドドア24におけるドアトリム36の外観も元通りとなるので、延出部16に関する部品の交換は不要である。
このように、本実施形態によれば、カーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ14の展開領域から外れた位置に延出部16を設けることで、斜め衝突等の衝突形態における乗員保護性能を向上させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
車両側部の一例として、サイドドア24を挙げたが、車両側部はこれに限られるものではなく、非ドア部であってもよい。
10 車両用乗員拘束装置
12 カーテンエアバッグ
14 サイドエアバッグ
16 延出部
18 ルーフサイドレール
20 車両用シート
22 乗員
24 サイドドア(車両側部)
26 車両

Claims (1)

  1. ルーフサイドレールに沿って収納され、車両の衝突時にガスの供給を受けて車両用シートに着座した乗員と車両側部との間へカーテン状に膨張展開するカーテンエアバッグと、
    前記車両側部又は車両用シートに折畳み状態で配設され、前記車両の衝突時にガスの供給を受けて前記乗員と前記車両側部との間へ膨張展開するサイドエアバッグと、
    車両側部の車室側において、前記カーテンエアバッグの展開領域の車両下方かつ前記サイドエアバッグの展開領域の車両前方側に設けられ、前記車両の衝突が予知されると前記乗員側へ延び出して前記乗員に対する衝撃吸収準備状態となり、衝突が回避された場合には元の位置に戻る延出部と、
    を有する車両用乗員拘束装置。
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