JP2016185008A - グロメット、及びグロメット付取付部材 - Google Patents

グロメット、及びグロメット付取付部材 Download PDF

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Abstract

【課題】コネクタシェル30との間における止水性と、コネクタシェル30に対する分解組付け性とを両立して確保できるグロメット40、及びグロメット付取付部材3を提供することを目的とする。【解決手段】ワイヤーハーネス1が接続されるコネクタシェル30の先端近傍に対して装着されるグロメット40であって、被覆電線12を囲繞する電線囲繞部41と、コネクタシェル30が嵌合可能な内径を有して、ハーネス側コネクタ11を囲繞するコネクタ囲繞部44とで構成し、コネクタ囲繞部44に、コネクタシェル30の外周面から立設した第1フランジ部34に対向する前端部を備え、コネクタ囲繞部44の前端部に、結束バンド6を巻着可能にする前方バンド装着部442を備え、前方バンド装着部442における前方側壁部分442aに、前後方向Xに沿って切り欠いて形成した切欠き部444を備えたことを特徴とする。【選択図】図4

Description

この発明は、例えば、ハイブリッド自動車のインバーターとワイヤーハーネスとの接続箇所を覆って、外部からの水分の侵入を阻止するようなグロメット、及びグロメット付取付部材に関する。
従来の内燃機関を動力とする自動車に加えて、内燃機関と電気モーターとを動力とするハイブリッド自動車や、電気モーターを動力とする電気自動車などの車両が増加している。
このような車両では、電気モーターを駆動するためのバッテリーやインバーターなどが車室外に搭載されているため、例えば、インバーターとワイヤーハーネスとの接続箇所も車室外に位置していることが多い。
さらに、ハイブリッド自動車などの車両において、電気モーターに供給される電圧は、オーディオなどの電気機器に供給される電圧よりも高く設定されている。このため、例えば、インバーターとワイヤーハーネスとの接続箇所には、外部からの水分の侵入を阻止する高い止水性が要求されている。
このような要求に対応する先行技術として、例えば、特許文献1には、インバーターに設けたインバーター側コネクタと、ワイヤーハーネスのハーネス側コネクタとの接続箇所を覆うグロメット付取付部材が記載されている。
このグロメット付取付部材は、ハーネス側コネクタの外面に装着されるとともに、インバーターのボス部に締結される取付部材であるシールドシェルと、結束バンドによってシールドシェルに装着されるとともに、ハーネス側コネクタ、及び3本の電線を一体的に覆うグロメットとで構成している。
さらに、シールドシェルと当接するシールリップを、結束バンドの装着位置に対応するグロメットの内周面に形成するとともに、インバーター側コネクタの内周面に当接するシールリングを、ハーネス側コネクタの先端に備えている。
これにより、特許文献1は、インバーター側コネクタとハーネス側コネクタとの接続箇所における止水性を確保することができ、車両を洗浄する際に用いる高圧洗浄水が吹き付けられても接続箇所への水分の侵入を阻止するとされている。
ところで、車両の車体や駆動部品などの寿命に比べて、バッテリーやインバーターの寿命が短いため、ハイブリッド自動車などの車両では、車体や駆動部品などが寿命に達する前に、バッテリーやインバーターの交換が生じることがある。
このため、ハイブリッド自動車などの車両において、例えば、インバーターとワイヤーハーネスとの接続箇所をグロメット付取付部材には、外部からの水分の侵入を防止するだけでなく、分解や組付けが容易であることが新たに求められている。
特開2014−60844号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、取付部材との間における止水性と、取付部材に対する分解組付け性とを両立して確保できるグロメット、及びグロメット付取付部材を提供することを目的とする。
この発明は、ワイヤーハーネスが接続される接続端子が内部に配置されるとともに、所定の取付け面から所定間隔を隔てた位置に先端を有する取付部材の先端近傍に対して装着され、前記ワイヤーハーネスのコネクタ、及び被覆電線を一体的に囲繞する弾性を有するグロメットであって、該グロメットを、前記被覆電線を囲繞する略筒状の電線囲繞部と、該電線囲繞部の軸方向に沿って、前記電線囲繞部から延設するとともに、前記取付部材が嵌合可能な内径を有して、前記コネクタを囲繞する略筒状のコネクタ囲繞部とで構成し、該コネクタ囲繞部に、前記取付部材の外周面から立設したフランジ部に対向する取付部材側端部を備え、該取付部材側端部における外周面に、結束バンドを巻着可能にするバンド装着部と、該バンド装着部に対して前記取付部材側で隣接するとともに、前記コネクタ囲繞部の周方向に沿って形成した取付部材側壁部とを備え、該取付部材側壁部に、前記軸方向に沿って切り欠いて形成した切欠き部を備えたことを特徴とする。
上記ワイヤーハーネスは、1本の被覆電線と被覆電線の先端に装着したコネクタとで構成したワイヤーハーネス、あるいは複数の被覆電線を束ねるとともに、被覆電線の先端にコネクタを装着したワイヤーハーネスとすることができる。
上記所定の取付け面から所定間隔を隔てたとは、所定の取付け面に対してグロメットが近接、あるいは当接しない間隔を隔てたことをいう。もしくは、結束バンドを切断する所定の工具を差し込むことができる間隔を隔てたことをいう。
上記取付部材は、所定の取付け面とは別体で構成した取付部材、あるいは所定の取付け面に一体形成した取付部材とすることができる。さらに、取付部材は、所定の取付け面に取付けた状態で内部に接続端子が配置される構造、あるいは内部に予め接続端子が配置された構造などとすることができる。
この発明により、取付部材との間における止水性と、取付部材に対する分解組付け性とを両立して確保することができる。
具体的には、バンド装着部における取付部材側壁部を切り欠いたことにより、切欠き部は、取付部材側端部の剛性を部分的に低下させることができる。
このため、切欠き部は、コネクタ囲繞部の内径を拡径し易くし、取付部材への装着を容易にすることができる。
さらに、例えば、結束バンドの巻着が容易となる位置に切欠き部を形成することで、切欠き部は、結束バンドをバンド装着部に巻着する際の位置決め手段として機能することができる。
あるいは、例えば、切欠き部を設けたバンド装着部の位置を、結束バンドのバンドを固定するロック部の位置とすることで、切欠き部は、軸方向におけるロック部の長さが異なる結束バンドの巻着を容易にすることができる。
一方、グロメットに巻着した結束バンドを取り外す場合には、切欠き部は、結束バンドを切断する所定の工具を結束バンドに差し込む差込口として機能することができる。
詳しくは、取付部材を介して所定の取付け面に装着した状態において、所定の取付け面から軸方向に離間した位置に配置されるため、切欠き部は、軸方向からの所定の工具の挿入を容易にすることができる。
この際、例えば、切欠き部とロック部とが対向するように、結束バンドを巻着することで、切欠き部は、バンドの重なりによるロック部近傍とバンド装着部との隙間に対する所定の工具の挿入をより容易にすることができる。これにより、結束バンドを所定の工具で切断する際、グロメットが、所定の工具によって損傷することを防止できる。
そして、結束バンドがバンド装着部に巻着された状態において、バンド装着部に対応するコネクタ囲繞部の内周面は、取付部材の先端近傍に隙間なく当接することができる。
この際、取付部材のフランジ部が近接する取付部材側端部にバンド装着部を形成しているため、バンド装着部は、例えば、高圧洗浄水による取付部材側端部のめくり上がりを、結束バンドとの協働によって抑制することができる。
さらに、結束バンド及び取付部材のフランジ部との協働により、バンド装着部は、コネクタ囲繞部の内部への高圧洗浄水の侵入を抑制することができる。
従って、グロメットは、取付部材側端部に形成したバンド装着部と、バンド装着部の壁部に形成した切欠き部とによって、取付部材との間における止水性と、取付部材に対する分解組付け性とを両立して確保することができる。
この発明の態様として、前記コネクタ囲繞部を、略長楕円形状の筒状体に形成し、前記切欠き部を、前記略長楕円形状における湾曲部分に形成することができる。
この発明により、グロメットは、取付部材との間における止水性を低下させることなく、取付部材に対する分解組付け性の向上を図ることができる。
具体的には、略長楕円形状のコネクタ囲繞部における湾曲部に切欠き部を形成したことにより、グロメットは、略長楕円形状の直線部分に切欠き部を形成した場合に比べて、切欠き部の位置の特定を容易にすることができる。
これにより、結束バンドを巻着する際、グロメットは、例えば、バンド装着部との間に隙間が生じ易いロック部を、略長楕円形状の湾曲部分に容易に配置させることができる。この際、結束バンドは、バンド装着部に沿った略長楕円形状ではなく、たまご型に巻着され易い。
このため、結束バンドは、コネクタ囲繞部における略長楕円形状の湾曲部分を締め付ける荷重が高いのに対して、直線部分を締め付ける荷重が低いという特徴がある。
ゆえに、結束バンドがグロメットに巻着された状態において、バンド装着部が取付部材を押圧する押圧荷重は、略長楕円形状の直線部分における押圧荷重に対して、湾曲部分における押圧荷重の方が高くなり易い。
そこで、略長楕円形状のコネクタ囲繞部における湾曲部に切欠き部を形成したことにより、グロメットは、剛性が低くなり易い切欠き部近傍における取付部材側端部のめくり上がりを、結束バンドとの協働によって確実に抑制することができる。これにより、グロメットは、例えば、高圧洗浄水が吹き付けられた場合であっても、コネクタ囲繞部の内部への水分の侵入をより確実に抑制することができる。
従って、グロメットは、略長楕円形状のコネクタ囲繞部における湾曲部分に切欠き部を形成したことにより、取付部材との間における止水性を低下させることなく、取付部材に対する分解組付け性の向上を図ることができる。
またこの発明の態様として、前記切欠き部を、前記取付部材の前記フランジ部における外周縁よりも内側の部分と対向する位置に形成することができる。
この発明により、電線囲繞部の径方向において、フランジ部の縁端に対して、切欠き部が径方向の内側に位置するため、例えば、グロメットに対して高圧洗浄水が吹き付けられた際、取付部材のフランジ部によって高圧洗浄水がコネクタ囲繞部の内部により到達し難くなる。これにより、グロメットは、剛性が低くなり易い切欠き部近傍に対して高圧洗浄水が直接的に吹き付けられることを防止できる。
またこの発明の態様として、前記コネクタ囲繞部の前記取付部材側端部に、前記取付部材側へ向けて延設するとともに、前記取付部材に形成した凹溝部に装着される延設部を備えることができる。
この発明により、グロメットは、止水性を損なうことなく、取付部材に対する分解組付け性をより向上することができる。
具体的には、取付部材に対してグロメットを装着する際、あるいは取付部材からグロメットを取り外す際、延設部は、作業者が保持する持ち手として機能することができる。
例えば、略長楕円形状のコネクタ囲繞部を拡径する場合、略長楕円形状の湾曲部分に対して、直線部分の方が拡径し易い。このため、例えば、略長楕円形状のコネクタ囲繞部の直線部分に延設部を形成した場合、延設部は、略長楕円形状のコネクタ囲繞部を容易に拡径することができる。
さらに、取付部材の凹溝部に装着されるため、延設部は、取付部材に対するグロメットの位置決め手段として機能することができる。
しかしながら、コネクタ囲繞部側のねもと部分である延設部の基部近傍は、その周辺に比べて剛性が高くなり易いため、バンド装着部が取付部材を押圧する押圧荷重を低下させるおそれがある。
このため、例えば、略長楕円形状のコネクタ囲繞部における湾曲部分に切欠き部と延設部とを形成した場合、切欠き部近傍における止水性が低下するおそれがある。そこで、コネクタ囲繞部が略長楕円形状の場合、略長楕円形状の直線部分に延設部を形成することで、グロメットは、結束バンドとの協働によってバンド装着部が取付部材を確実に押圧することができる。
従って、グロメットは、延設部を備えたことにより、止水性を損なうことなく、取付部材に対する分解組付け性をより向上することができる。
またこの発明の態様として、前記バンド装着部に対応する前記コネクタ囲繞部の内周面に、該内周面から突設するとともに、前記周方向に沿って延設した少なくとも2つのリップ部を備えることができる。
この発明により、グロメットは、取付部材との間における止水性をより安定して確保することができる。
具体的には、取付部材との接触面積が小さため、リップ部は、コネクタ囲繞部の内周面で取付部材を押圧した場合の押圧荷重に比べて、より高い押圧荷重で取付部材を押圧することができる。
さらに、リップ部を少なくとも2つ備えているため、グロメットは、結束バンドの巻着位置が軸方向にバラついた場合であっても、取付部材に対してリップ部を当接させることができる。
従って、グロメットは、2つのリップ部を備えたことにより、取付部材との間における止水性をより安定して確保することができる。
またこの発明の態様として、前記バンド装着部を、前記取付部材側壁部よりも前記電線囲繞部側において、前記コネクタ囲繞部の周方向に沿って形成した電線側壁部と、前記取付部材側壁部とで凹溝状に構成し、前記バンド装着部における前記軸方向の長さを、装着部溝幅とし、前記結束バンドにおける前記軸方向の長さをバンド幅とし、前記装着部溝幅から前記バンド幅を減算した長さを隙間長さとして、前記バンド装着部の前記装着部溝幅を、前記バンド幅の2倍未満となるように構成し、前記リップ部を、前記バンド装着部における前記取付部材側壁部、及び前記電線側壁部から、前記軸方向にそれぞれ前記隙間長さだけ離間した前記バンド装着部の範囲に対応する内周面に形成することができる。
この発明により、バンド装着部における取付部材側壁部に結束バンドが当接した状態、あるいは電線側壁部に結束バンドが当接した状態であっても、結束バンドでリップ部を押圧することができる。
このため、バンド装着部に対する結束バンドの巻着位置が軸方向に偏った場合であっても、グロメットは、取付部材に対して少なくとも2つのリップ部をより確実に当接させることができる。
従って、グロメットは、取付部材との間における止水性をより確実に確保することができる。
また、この発明の態様として、前記コネクタ囲繞部に、取付部材に対して略筒状の編組線に挿入した取付部材に巻着される結束バンドのロック部を収容可能な内部空間を有して、外方へ向けて膨出した膨出部を備え、該膨出部を、前記軸方向から見て、前記切欠き部と対向するとともに、前記軸方向において、前記バンド装着部よりも前記電線囲繞部側の位置に形成することができる。
この発明により、グロメットは、取付部材に取付けた状態における重量の偏りを抑制することができる。さらに、例えば、切欠き部をロック部の位置とした場合、軸方向から見て切欠き部と膨出部とが対向しているため、膨出部は、バンド装着部に対する結束バンドの容易な巻着を阻害することを防止できる。
またこの発明は、上述したグロメットと、所定の取付け面に取付けられる本体部、前記グロメットのコネクタ囲繞部に対向するフランジ部、及び前記コネクタ囲繞部に嵌合する嵌合部をこの順番で配置した略筒状の取付部材と、前記グロメットのバンド装着部に巻着する結束バンドとで構成したグロメット付取付部材であることを特徴とする。
この発明により、グロメットと取付部材との間における止水性と、取付部材に対するグロメットの分解組付け性とを両立して確保することできる。
本発明により、取付部材との間における止水性と、取付部材に対する分解組付け性とを両立して確保できるグロメット、及びグロメット付取付部材を提供することができる。
グロメット付取付部材における上方正面視の外観を示す外観斜視図。 グロメット付取付部材、及びインバーター側コネクタにおける下方背面視の外観を示す外観斜視図。 グロメット付取付部材における前後方向に沿った上下方向の断面を示す縦断面図。 グロメット付取付部材における上方正面視からの分解状態を示す分解斜視図。 図3中におけるA部を示す要部拡大図。 グロメット付取付部材における前後方向に沿った幅方向の断面を示す横断面図。 図6中のC−C矢視断面図。 図3中におけるB部を示す要部拡大図。 側面視における切欠き部を示す要部拡大図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1はグロメット付取付部材3における上方正面視の外観斜視図を示し、図2はグロメット付取付部材3、及びインバーター側コネクタ21における下方背面視の外観斜視図を示し、図3はグロメット付取付部材3における前後方向Xに沿った縦断面図を示し、図4はグロメット付取付部材3における上方正面視の分解斜視図を示している。
さらに、図5は図3中におけるA部の要部拡大図を示し、図6はグロメット付取付部材3における前後方向Xに沿った横断面図を示し、図7は図6中のC−C矢視断面図を示し、図8は図3中におけるB部の要部拡大図を示し、図9は側面視における切欠き部444の要部拡大図を示している。
加えて、図示を明確にするため、図4中においてハーネス側コネクタ11を二点鎖線で示し、図7中においてワイヤーハーネス1の図示を省略し、図9において結束バンド6を二点鎖線で示している。
また、図1中において、矢印Xは前後方向を示し(以下「前後方向X」とする)、矢印Yは幅方向を示し(以下、「幅方向Y」とする)、矢印Zは上下方向を示している(以下、「上下方向Z」とする)。さらに、前後方向Xにおいて、後述するコネクタシェル30側(図1中の左側)を前方とし、後述するワイヤーハーネス1側(図1中の右側)を後方とする。加えて、図1中の上側を上方とし、図1中の下側を下方とする。
本実施形態は、詳細な図示を省略するが、例えば、ハイブリッド自動車において、電気モーターに一端が接続されたワイヤーハーネス1と、インバーター2との接続箇所を覆うグロメット付取付部材3について、図1から図8を用いて説明する。
まず、本実施例におけるワイヤーハーネス1は、図1から図3に示すように、グロメット付取付部材3に挿通した状態で、インバーター2に設けたインバーター側コネクタ21に接続される。
ここで、ワイヤーハーネス1、及びインバーター側コネクタ21について説明する。
ワイヤーハーネス1は、図1から図3に示すように、幅方向Yに並置した2つの接続端子(図示省略)を内部に収容したハーネス側コネクタ11と、ハーネス側コネクタ11の接続端子に接続した2本の被覆電線12とで構成している。
ハーネス側コネクタ11は、インバーター側コネクタ21の内部に嵌合する前側部分11aと、グロメット付取付部材3(後述するグロメット付取付部材3のコネクタシェル30)の内部に嵌合する後側部分11bとを、前方からのこの順番で一体形成している。
ハーネス側コネクタ11の前側部分11aは、幅方向Yに長い正面視略長楕円形状であって、その先端近傍の外周に沿って凹設した凹溝に、インバーター側コネクタ21の内部と当接するシールリング11cを装着している。
ハーネス側コネクタ11の後側部分11bは、前側部分11aよりも大きい略相似形の正面視略長楕円形状に形成している。
上述した構成のワイヤーハーネス1における被覆電線12は、金属線を略筒状に編み込んだ編組線4で、その外周面が覆われている。
さらに、2本の被覆電線12及び編組線4は、後述するグロメット40の分岐部42に挿通する被覆電線13とともに、合成樹脂製の略筒状体であるコルゲートチューブ5に一体的に挿通している。
このコルゲートチューブ5における前後方向Xに沿った断面形状は、図2及び図3に示すように、断面略台形状の凸部分5aと凹部分5bとが、前後方向Xに沿って連続する断面凹凸形状の蛇腹状に形成している。
そして、ワイヤーハーネス1、編組線4、被覆電線13、及びコルゲートチューブ5の前端を、後述するグロメット40の内部に収容して、グロメット付ワイヤーハーネス100を構成している(図4参照)。
一方、インバーター側コネクタ21は、図2及び図3に示すように、インバーター2の取付け面2aに所定の大きさで開口形成した開口孔(図示省略)に挿通固定されるコネクタハウジング22と、コネクタハウジング22の内部に配置された2つの接続端子23などで構成している。
コネクタハウジング22は、取付け面2aよりも後方へ突出する本体部分(図示省略)と、取付け面2aの開口孔に挿通するとともに、インバーター2の内部に突出する挿通部分(図示省略)とで一体形成している。
なお、コネクタハウジング22の本体部分は、幅方向Yに長い背面視略長楕円状の閉断面形状を前後方向Xに延設するとともに、ハーネス側コネクタ11の前側部分11aが嵌合可能な大きさの内面形状を有する略筒状体に形成している。
2つの接続端子23は、コネクタハウジング22における本体部分の内部において、幅方向Yに所定間隔を隔てて固定している。この接続端子23は、コネクタハウジング22の挿通部分において、図示を省略した被覆電線に接続している。
このインバーター側コネクタ21が装着された取付け面2aには、図2及び図3に示すように、インバーター側コネクタ21の上方において、グロメット付取付部材3(後述するグロメット付取付部材3のコネクタシェル30)を固定する固定ボルト24が螺合するネジ孔2bを形成している。
上述した構成のワイヤーハーネス1と、インバーター側コネクタ21との接続箇所を一体的に覆うグロメット付取付部材3は、図1から図4に示すように、インバーター側コネクタ21に対して嵌合装着されるアルミ合金製のコネクタシェル30と、コネクタシェル30の後部に対して装着される弾性を有する合成樹脂製のグロメット40と、コネクタシェル30にグロメット40を固定する合成樹脂製の結束バンド6とで構成している。
コネクタシェル30は、図1から図4に示すように、前後方向Xに延びる筒状体であって、取付け面2aに当接するシェル基部31と、インバーター側コネクタ21が嵌合するインバーター側胴部32と、グロメット40に嵌合するグロメット側胴部33とを、前方からこの順番で一体形成して構成している。
さらに、コネクタシェル30には、インバーター側胴部32とグロメット側胴部33との境界部分に第1フランジ部34を形成し、グロメット側胴部33に第2フランジ部35、及び第3フランジ部36を形成している。
コネクタシェル30のシェル基部31は、図3及び図4に示すように、前後方向Xに所定の厚みを有する正面視略矩形の基部本体311と、基部本体311の上端から上方に延設した正面視略三角形の締結固定部312とで一体形成している。
さらに、基部本体311の下端には、前方へ向けて突出するとともに、幅方向Yに延びる線状突部313を形成している。
締結固定部312には、インバーター2のネジ孔2bに螺合する固定ボルト24が挿通する貫通孔314を、前後方向Xに沿って開口形成している。
コネクタシェル30のインバーター側胴部32は、図3及び図4に示すように、幅方向Yに長い背面視略長楕円形状の閉断面形状を前後方向Xに延設した略筒状体に形成している。このインバーター側胴部32の内面形状は、インバーター側コネクタ21と略相似形の正面視略長楕円形状であって、インバーター側コネクタ21が嵌合可能な大きさに形成している。
さらに、インバーター側胴部32の下面には、図2及び図3に示すように、下方へ向けて立設するとともに、後方側が開口した底面視略コ字状の突起によって凹溝状に形成した先端装着部321を備えている。この先端装着部321は、コネクタシェル30にグロメット40を装着した状態において、後述するグロメット40の延設部445が装着可能に形成している。
コネクタシェル30のグロメット側胴部33は、図3及び図4に示すように、インバーター側胴部32と略同等の大きさで、幅方向Yに長い正面視略長楕円状の閉断面形状を、前後方向Xに延設した筒状体に形成している。
コネクタシェル30の第1フランジ部34は、図3及び図4に示すように、インバーター側胴部32とグロメット側胴部33との境界部分における外周面から外方に向けて突出した正面視略長楕円形状に形成している。なお、第1フランジ部34は、正面視略長楕円形状の直線部分における突出長さ(インバーター側胴部32の厚み方向における長さ)に対して、湾曲部分における突出長さ(インバーター側胴部32の厚み方向における長さ)が長い形状に形成している(図7参照)。
コネクタシェル30の第2フランジ部35は、図3及び図4に示すように、前後方向Xにおいて、グロメット側胴部33の略中央における外周面から外方に向けて突出した正面視略長楕円形状に形成している。
コネクタシェル30の第3フランジ部36は、図3及び図4に示すように、第2フランジ部35と略同等の大きさで、グロメット側胴部33の後端から外方に向けて突出した正面視略長楕円形状に形成している。
この第2フランジ部35と第3フランジ部36との間におけるコネクタシェル30には、図3に示すように、外方から覆うように被された編組線4を装着固定する合成樹脂製の結束バンド7を巻着している。
なお、結束バンド7は、コネクタシェル30の周方向に長い略帯状のバンド部7aと、バンド部7aの一端に設けるとともに、内部に挿通したバンド部7aを係止するロック部7bとで一体形成している。
この結束バンド7は、コネクタシェル30における正面視略長楕円形状の湾曲部分に、ロック部7bが位置するように巻着している(図6参照)。
グロメット40は、図1から図4に示すように、ワイヤーハーネス1が挿通する内部空間を有する略筒状体に形成している。
より詳しくは、グロメット40は、コルゲートチューブ5を介して被覆電線12,13を囲繞する電線囲繞部41と、電線囲繞部41の前端近傍から上方へ分岐するとともに、被覆電線13が挿通する分岐部42と、ハーネス側コネクタ11、及び被覆電線12の接続近傍を囲繞する蛇腹部43と、コネクタシェル30のグロメット側胴部33を介して、ハーネス側コネクタ11を囲繞するコネクタ囲繞部44とで一体形成している。
グロメット40の電線囲繞部41は、図2及び図3に示すように、コルゲートチューブ5の外径よりも小径の内径を有する略円筒状に形成している。なお、電線囲繞部41の後端における外面形状は、外径を後方へ向けて徐々に縮径するように傾斜して、薄肉化した傾斜部分41aを有する形状に形成している。
さらに、電線囲繞部41の後端近傍における内周面には、内方へ向けて突設するとともに、周方向に沿って延設した第1環状突部411、第2環状突部412、及び第3環状突部413を形成している。
この第1環状突部411、第2環状突部412、及び第3環状突部413は、図5に示すように、前後方向Xに沿った断面が断面略台形状であって、コルゲートチューブ5の凹部分5bに対して弾性変形しながら凹凸嵌合する大きさで形成している。
第1環状突部411は、電線囲繞部41の後端開口縁に沿って形成している。
第2環状突部412は、第1環状突部411から前方に、コルゲートチューブ5の隣接する2つの凸部分5aの外側寸法Wに対応する長さを隔てた位置に形成している。
第3環状突部413は、第2環状突部412よりも前方において、第2環状突部412が嵌合するコルゲートチューブ5の凹部分5bに隣接する凹部分5bに嵌合可能に形成している。
上述のように、環状突部(411,412,413)を配置したグロメット40は、コルゲートチューブ5と嵌合した状態において、第1環状突部411と第2環状突部412との間に位置するコルゲートチューブ5の隣接する2つの凸部分5aと、電線囲繞部41とが凹凸嵌合しない範囲を設けている。
この電線囲繞部41とコルゲートチューブ5とが凹凸嵌合しない範囲は、第1環状突部411、第2環状突部412、及び第3環状突部413のような突部を配置しておらず、第1環状突部411、第2環状突部412、及び第3環状突部413近傍における電線囲繞部41よりも変形性が高い部分であって、これを高変形性部414とする。
一方、電線囲繞部41の後端近傍における外周面には、図3及び図4に示すように、前後方向Xにおいて、第2環状突部412、及び第3環状突部413と略同等の位置に周方向に沿って凹設するとともに、合成樹脂製の結束バンド8が巻着される後方バンド装着部415を形成している。
なお、結束バンド8は、電線囲繞部41の周方向に長い略帯状のバンド部8aと、バンド部8aの一端に設けるとともに、内部に挿通したバンド部8aを係止するロック部8bとで一体形成している。
この後方バンド装着部415は、図5に示すように、第2環状突部412に対応する位置において、後方バンド装着部415の後方壁と結束バンド8の後端とが当接し、第3環状突部413に対応する位置において、後方バンド装着部415の前方壁と結束バンド8の前端とが当接する前後方向Xの長さを有する凹溝状に形成している。
すなわち、後方バンド装着部415における前後方向Xに沿った所定範囲に、第2環状突部412、及び第3環状突部413が位置するように、後方バンド装着部415を形成している。
詳述すると、後方バンド装着部415における前後方向Xの長さを装着部溝幅とし、結束バンド8のバンド部8aにおける前後方向Xの長さをバンド幅とし、装着部溝幅からバンド幅を減算した前後方向Xの長さを隙間長さと定義する。
この際、後方バンド装着部415の装着部溝幅を、バンド幅の2倍未満として、後方バンド装着部415における前後方向Xの前端、及び後端からそれぞれ前後方向Xに隙間長さだけ離間した後方バンド装着部415の範囲を、後方バンド装着部415における前後方向Xに沿った所定範囲とする。
そして、第2環状突部412、及び第3環状突部413に対して、後方バンド装着部415における前後方向Xに沿った所定範囲が対向するように、バンド幅の2倍未満の装着部溝幅を有する後方バンド装着部415を電線囲繞部41の外周面に形成している。
換言すると、図5及び下記「数1」に示すように、結束バンド8における前後方向Xの長さ(以下、「バンド幅W1」とする)が、第2環状突部412及び第3環状突部413における前後方向Xの間隔(以下、「突部間隔W2」とする)以上となるように結束バンド8が形成されている。
そして、下記「数2」に示すように、後方バンド装着部415における前後方向Xの長さ(以下、「装着部溝幅W3」とする)が突部間隔W2よりも長く、かつバンド幅W1に「2」を乗算した値から突部間隔W2を減算した長さよりも短くなるように、後方バンド装着部415を形成している。
Figure 2016185008
Figure 2016185008
グロメット40の分岐部42は、図3及び図4に示すように、前方斜め上方へ向けて延設した略円筒状であって、電線囲繞部41の内部空間と連通するように形成している。なお、分岐部42の先端部は、電線囲繞部41の後端部と同様の構成のため、電線囲繞部41と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
グロメット40の蛇腹部43は、図3及び図4に示すように、正面視略円状の閉断面形状が、幅方向Yに長い正面視略長楕円状の閉断面形状となるように、電線囲繞部41の前端から前方へ向けて、その内外径を拡径するように延設している。
グロメット40のコネクタ囲繞部44は、図3及び図4に示すように、幅方向Yに長い背面視略長楕円状の閉断面形状を前後方向Xに延設した略筒状体に形成している。より詳しくは、コネクタシェル30に装着した状態において、コネクタ囲繞部44は、コネクタシェル30の第1フランジ部34に、コネクタ囲繞部44の前端部が近接対向する前後方向Xの長さで、蛇腹部43から前方へ向けて延設している。
このコネクタ囲繞部44の外面形状は、上下方向Zの長さが第1フランジ部34における上下方向Zの長さよりも長く、かつ幅方向Yにおける長さが第1フランジ部34における幅方向Yの長さよりも短い正面視略長楕円形状に形成している。
一方、コネクタ囲繞部44の内面形状は、コネクタシェル30におけるグロメット側胴部33の外面形状よりも小さい略相似形の正面視略長楕円形状であって、グロメット側胴部33が嵌合可能な大きさに形成している。
さらに、コネクタ囲繞部44には、図2に示すように、正面視略長楕円形状における一方の湾曲部分の頂部に、幅方向Yの外側へ向けて膨出した膨出部441を形成している。
膨出部441は、図6に示すように、コネクタシェル30が嵌合した状態において、グロメット側胴部33における第2フランジ部35と第3フランジ部36との間に対応する部分に形成している。この膨出部441は、結束バンド7のロック部7bを収容可能な内部空間を有する形状に形成している。
加えて、コネクタ囲繞部44の前端部における外周面には、図1及び図3に示すように、コネクタシェル30にグロメット40を固定する結束バンド6が巻着される前方バンド装着部442を形成している。
なお、結束バンド6は、コネクタ囲繞部44に巻着される略帯状のバンド部6aと、バンド部6aの一端に設けるとともに、内部に挿通したバンド部6aを係止するロック部6bとで一体形成している。
この結束バンド6は、後述する前方バンド装着部442の切欠き部444(図7参照)と前後方向Xで対向する位置に、ロック部6bが位置するようにコネクタ囲繞部44に巻着されている。
前方バンド装着部442は、図3に示すように、コネクタシェル30が嵌合した状態において、第1フランジ部34と第2フランジ部35との間におけるグロメット側胴部33に対応する外周面に形成している。
より詳しくは、前方バンド装着部442は、図8に示すように、コネクタ囲繞部44の周方向に沿って凹設するとともに、結束バンド6におけるバンド部6aの肉厚よりも低い高さの前方側壁部分442a、及び後方側壁部分442bを、それぞれ前方側、及び後方側に有する凹溝状に形成している。
この前方バンド装着部442に対応するコネクタ囲繞部44の内周面には、内方へ向けて突設するとともに、周方向に沿って延設したリップ部443を、前後方向Xに沿って並置するように2つ形成している。
この2つのリップ部443は、前後方向Xの断面において、前方バンド装着部442の前方側壁部分442a、及び結束バンド6におけるバンド部6aの前端が当接する状態と、前方バンド装着部442の後方側壁部分442b、及び結束バンド6におけるバンド部6aの前端が当接する状態とにおいて、バンド部6aが重合する範囲に形成している。
すなわち、前方バンド装着部442における前後方向Xに沿った所定範囲に、2つのリップ部443が位置するように、前方バンド装着部442を形成している。
詳述すると、前方バンド装着部442における前後方向Xの長さを装着部溝幅とし、結束バンド6のバンド部6aにおける前後方向Xの長さをバンド幅とし、装着部溝幅からバンド幅を減算した前後方向Xの長さを隙間長さと定義する。
この際、前方バンド装着部442の装着部溝幅を、バンド幅の2倍未満として、前方側壁部分442a、及び後方側壁部分442bからそれぞれ隙間長さだけ前後方向Xに離間した前方バンド装着部442の範囲を、前方バンド装着部442における前後方向Xに沿った所定範囲とする。
そして、2つのリップ部443に対して前方バンド装着部442における前後方向Xに沿った所定範囲が対向するように、バンド幅の2倍未満の装着部溝幅を有する前方バンド装着部442をコネクタ囲繞部44の外周面に形成している。
換言すると、図8及び下記「数3」に示すように、結束バンド6における前後方向Xの長さ(以下「バンド幅W11」とする)が、2つのリップ部443における前後方向Xの間隔(以下、「リップ部間隔W12」とする)以上となるように結束バンド6が形成されている。
そして、下記「数4」に示すように、前方バンド装着部442における前後方向Xの長さ(以下、「装着部溝幅W13」とする)がリップ部間隔W12よりも長く、かつバンド幅W11に「2」を乗算した値からリップ部間隔W12を減算した長さよりも短くなるように、前方バンド装着部442を形成している。
Figure 2016185008
Figure 2016185008
この前方バンド装着部442の前方側壁部分442aには、図4、図6、及び図7に示すように、正面視において、膨出部441に対して幅方向Yで対向する湾曲部分の頂部を、前後方向Xに沿って切欠いた切欠き部444を形成している。
切欠き部444は、正面視において、結束バンド6のロック部6bと対向する範囲を、図9に示すように、側面視において、後方側が幅広で、前方側が幅狭の側面視略台形状に切り欠いて形成している。
より詳しくは、切欠き部444は、上下方向Zにおける前方側の切欠き長さ、及び後方側の切欠き長さが、ロック部6bにおける上下方向Zの長さよりも長い側面視略台形状に切り欠いている。
なお、切欠き部444は、コネクタシェル30にグロメット40を装着した状態において、第1フランジ部34の外周縁よりも内側の部分と対向するように形成している。
加えて、コネクタ囲繞部44の前端下部には、図2及び図3に示すように、正面視略長楕円形状における直線部分から前方へ向けて延設した平面視略矩形の延設部445を備えている。この延設部445は、コネクタシェル30にグロメット40を装着した状態において、コネクタシェル30の先端装着部321に装着可能に形成している。
引き続き、上述した構成のグロメット付取付部材3の組付け方法について簡単に説明する。まず、コネクタシェル30のグロメット側胴部33を、編組線4に挿通したのち、結束バンド7をグロメット側胴部33に巻着して、グロメット側胴部33に編組線4を組付ける。
その後、予めグロメット40に挿通したワイヤーハーネス1をコネクタシェル30に嵌合したのち、コネクタシェル30をグロメット40に嵌合する。その後、後方バンド装着部415、及び前方バンド装着部442にそれぞれ結束バンド8、及び結束バンド6を巻着して、ワイヤーハーネス1が挿通されたグロメット付取付部材3を構成する。
以上のような構成を実現するグロメット40は、コネクタシェル30との間における止水性と、コネクタシェル30に対する分解組付け性とを両立して確保することができる。
具体的には、前方バンド装着部442における前方側壁部分442aを切り欠いたことにより、切欠き部444は、前端部の剛性を部分的に低下させることができる。
このため、切欠き部444は、コネクタ囲繞部44の内径を拡径し易くし、コネクタシェル30への装着を容易にすることができる。
さらに、例えば、結束バンド6の巻着が容易となる位置に切欠き部444を形成することで、切欠き部444は、結束バンド6を前方バンド装着部442に巻着する際の位置決め手段として機能することができる。
あるいは、切欠き部444を設けた前方バンド装着部442の位置を、結束バンド6のバンド6aを固定するロック部6bの位置とすることで、切欠き部444は、前後方向Xにおけるロック部6bの長さが異なる結束バンド6の巻着を容易にすることができる。
一方、グロメット40に巻着した結束バンド6を取り外す場合には、切欠き部444は、結束バンド6を切断する所定の工具を結束バンド6に差し込む差込口として機能することができる。
詳しくは、コネクタシェル30を介して取付け面2aに装着した状態において、取付け面2aから前後方向Xに離間した位置に配置されるため、切欠き部444は、前後方向Xからの所定の工具の挿入を容易にすることができる。
この際、例えば、切欠き部444とロック部6bとが対向するように、結束バンド6を巻着することで、切欠き部444は、バンドの重なりによるロック部6b近傍と前方バンド装着部442との隙間に対する所定の工具の挿入をより容易にすることができる。これにより、結束バンド6を所定の工具で切断する際、グロメット40が、所定の工具によって損傷することを防止できる。
そして、結束バンド6が前方バンド装着部442に巻着された状態において、前方バンド装着部442に対応するコネクタ囲繞部44の内周面は、コネクタシェル30の先端近傍に隙間なく当接することができる。
この際、コネクタシェル30の第1フランジ部34が近接する前端部に前方バンド装着部442を形成しているため、前方バンド装着部442は、例えば、高圧洗浄水による前端部のめくり上がりを、結束バンド6との協働によって抑制することができる。
さらに、結束バンド6及びコネクタシェル30の第1フランジ部34との協働により、前方バンド装着部442は、コネクタ囲繞部44の内部への高圧洗浄水の侵入を抑制することができる。
従って、グロメット40は、前端部に形成した前方バンド装着部442と、前方バンド装着部442の前方側壁部分442aに形成した切欠き部444とによって、コネクタシェル30との間における止水性と、コネクタシェル30に対する分解組付け性とを両立して確保することができる。
また、コネクタ囲繞部44における略長楕円形状の湾曲部分に、切欠き部444を形成したことにより、グロメット40は、コネクタシェル30との間における止水性を低下させることなく、コネクタシェル30に対する分解組付け性の向上を図ることができる。
具体的には、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44における湾曲部に切欠き部444を形成したことにより、グロメット40は、略長楕円形状の直線部分に切欠き部444を形成した場合に比べて、切欠き部444の位置の特定を容易にすることができる。
これにより、結束バンド6を巻着する際、グロメット40は、前方バンド装着部442との間に隙間が生じ易いロック部6bを、略長楕円形状の湾曲部分に容易に配置させることができる。この際、結束バンド6は、前方バンド装着部442に沿った略長楕円形状ではなく、たまご型に巻着され易い。
このため、結束バンド6は、コネクタ囲繞部44における略長楕円形状の湾曲部分を締め付ける荷重が高いのに対して、直線部分を締め付ける荷重が低いという特徴がある。
ゆえに、結束バンド6がグロメット40に巻着された状態において、前方バンド装着部442がコネクタシェル30を押圧する押圧荷重は、略長楕円形状の直線部分における押圧荷重に対して、湾曲部分における押圧荷重の方が高くなり易い。
そこで、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44における湾曲部に切欠き部444を形成したことにより、グロメット40は、剛性が低くなり易い切欠き部444近傍における前端部のめくり上がりを、結束バンド6との協働によって確実に抑制することができる。
これにより、グロメット40は、例えば、高圧洗浄水が吹き付けられた場合であっても、コネクタ囲繞部44の内部への水分の侵入をより確実に抑制することができる。
従って、グロメット40は、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44における湾曲部分に切欠き部444を形成したことにより、コネクタシェル30との間における止水性を低下させることなく、コネクタシェル30に対する分解組付け性の向上を図ることができる。
また、コネクタシェル30の第1フランジ部34における外周縁よりも内側の部分と対向する位置に、換言すると、幅方向Yにおける第1フランジ部34の縁端に対して、切欠き部444が幅方向Yの内側に位置するため、例えば、グロメット40に対して高圧洗浄水が吹き付けられた際、コネクタシェル30の第1フランジ部34によって高圧洗浄水がコネクタ囲繞部44の内部により到達し難くなる。これにより、グロメット40は、剛性が低くなり易い切欠き部444近傍に対して高圧洗浄水が直接的に吹き付けられることを防止できる。
また、コネクタシェル30に形成した先端装着部321に装着される延設部445を備えたことにより、グロメット40は、コネクタシェル30に対する分解組付け性をより向上することができる。
具体的には、コネクタシェル30に対してグロメット40を装着する際、あるいはコネクタシェル30からグロメット40を取り外す際、延設部445は、作業者が保持する持ち手として機能することができる。
例えば、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44を拡径する場合、略長楕円形状の湾曲部分に対して、直線部分の方が拡径し易い。このため、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44の直線部分に延設部445を形成した場合、延設部445は、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44を容易に拡径することができる。
さらに、コネクタシェル30の先端装着部321に装着されるため、延設部445は、コネクタシェル30に対するグロメット40の位置決め手段として機能することができる。
しかしながら、後方側のねもと部分である延設部445の基部近傍は、その周辺に比べて剛性が高くなり易いため、前方バンド装着部442がコネクタシェル30を押圧する押圧荷重を低下させるおそれがある。
このため、例えば、略長楕円形状のコネクタ囲繞部44における湾曲部分に切欠き部444と延設部445とを形成した場合、切欠き部444近傍における止水性が低下するおそれがある。そこで、略長楕円形状の直線部分に延設部445を形成することで、グロメット40は、結束バンド6との協働によって前方バンド装着部442がコネクタシェル30を確実に押圧することができる。
従って、グロメット40は、延設部445を備えたことにより、コネクタシェル30に対する分解組付け性をより向上することができる。
また、前方バンド装着部442に対応するコネクタ囲繞部44の内周面に、2つのリップ部443を備えたことにより、グロメット40は、コネクタシェル30との間における止水性をより安定して確保することができる。
具体的には、コネクタシェル30との接触面積が小さため、リップ部443は、コネクタ囲繞部44の内周面でコネクタシェル30を押圧した場合の押圧荷重に比べて、より高い押圧荷重でコネクタシェル30を押圧することができる。
さらに、リップ部443を少なくとも2つ備えているため、グロメット40は、結束バンド6の巻着位置が前後方向Xにバラついた場合であっても、コネクタシェル30に対してリップ部443を当接させることができる。
従って、グロメット40は、2つのリップ部443を備えたことにより、コネクタシェル30との間における止水性をより安定して確保することができる。
また、前方バンド装着部442における前後方向Xの長さを、装着部溝幅とし、結束バンド6における前後方向Xの長さをバンド幅とし、装着部溝幅からバンド幅を減算した長さを隙間長さとして、前方バンド装着部442を、装着部溝幅がバンド幅の2倍未満となるように構成し、前方バンド装着部442における前方側壁部分442a、及び後方側壁部分442bから、前後方向Xにそれぞれ隙間長さだけ離間した前方バンド装着部442の範囲に対応する内周面に、リップ部443を形成したことにより、前方バンド装着部442における前方側壁部分442aに結束バンド6が当接した状態、あるいは後方側壁部分442bに結束バンド6が当接した状態であっても、結束バンド6でリップ部443を押圧することができる。
このため、前方バンド装着部442に対する結束バンド6の巻着位置が前方あるいは後方に偏った場合であっても、グロメット40は、コネクタシェル30に対して少なくとも2つのリップ部443をより確実に当接させることができる。
従って、グロメット40は、コネクタシェル30との間における止水性をより確実に確保することができる。
また、結束バンド7のロック部7bを収容可能な内部空間を有する膨出部441を、正面視において、切欠き部444と対向する位置に形成したことにより、グロメット40は、コネクタシェル30に取付けた状態における重量の偏りを抑制することができる。さらに、正面視において、切欠き部444と膨出部441とが幅方向Yで対向しているため、膨出部441は、前方バンド装着部442に対する結束バンド6の容易な巻着を阻害することを防止できる。
また、上述したグロメット40と、取付け面2aに取付けられる本体部、グロメット40のコネクタ囲繞部44に近接対向する第1フランジ部34、及びコネクタ囲繞部44に嵌合するグロメット側胴部33をこの順番で配置した略筒状のコネクタシェル30と、グロメット40の前方バンド装着部442に巻着する結束バンド6とで構成したことにより、グロメット付取付部材3は、グロメット40とコネクタシェル30との間における止水性と、コネクタシェル30に対するグロメット40の分解組付け性とを両立して確保することできる。
また、上下方向Zにおける前方側の切欠き長さ、及び後方側の切欠き長さが、ロック部6bにおける上下方向Zの長さよりも長い側面視略台形状に切欠き部444を形成したことにより、グロメット40は、切欠き部444に対向するようにロック部6bを配置した場合であっても、バンド部6aに対して所定の工具が挿入可能な隙間を確実に確保することができる。
なお、上述の実施形態において、2本の被覆電線12とハーネス側コネクタ11とでワイヤーハーネス1を構成したが、これに限定せず、例えば3本の被覆電線とハーネス側コネクタとで構成したワイヤーハーネスであってもよい。あるいは、1本の被覆電線とハーネス側コネクタとで構成したワイヤーハーネスであってもよい。
また、インバーター2に接続するワイヤーハーネス1と構成としたが、これに限定せず、電気的に接続可能であれば、バッテリー、電気モーターやキャパシタなどに接続するワイヤーハーネス1としてもよい。
また、インバーター側コネクタ21に装着するコネクタシェル30としたが、これに限定せず、インバーター側コネクタ21とコネクタシェル30とを一体形成した取付部材を構成してもよい。この際、取付け面2aに予め装着した取付部材に対してグロメット40を装着するようにしてもよい。
また、正面視略長楕円形状のコネクタ囲繞部44としたが、これに限定せず、略円筒状のコネクタ囲繞部としてもよい。この場合、正面視略円形状のハーネス側コネクタとするとともに、略円筒状のコネクタシェルとする。
また、合成樹脂製の結束バンド6,7,8としたが、これに限定せず、金属製の結束バンドであってもよい。
また、結束バンド6におけるバンド部6aの肉厚よりも低い高さの前方側壁部分442a、及び後方側壁部分442bを有する前方バンド装着部442としたが、これに限定せず、結束バンド6におけるバンド部6aの肉厚よりも高い高さの前方側壁部分442a、及び後方側壁部分442bを有する前方バンド装着部442としてもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の所定の取付け面は、実施形態の取付け面2aに対応し、
以下同様に、
取付部材は、コネクタシェル30に対応し、
取付部材の先端近傍、及び嵌合部は、コネクタシェル30のグロメット側胴部33に対応し、
コネクタは、ハーネス側コネクタ11に対応し、
軸方向は、前後方向Xに対応し、
フランジ部は、第1フランジ部34に対応し、
取付部材側端部は、コネクタ囲繞部44の前端部に対応し、
バンド装着部は、前方バンド装着部442に対応し、
取付部材側壁部は、前方側壁部分442aに対応し、
電線側壁部は、後方側壁部分442bに対応し、
凹溝部は、先端装着部321に対応し、
取付部材に巻着される結束バンドは、結束バンド7に対応し、
直交方向は、幅方向Yに対応し、
本体部は、シェル基部31に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1…ワイヤーハーネス
2a…取付け面
3…グロメット付取付部材
6…結束バンド
7…結束バンド
7b…ロック部
11…ハーネス側コネクタ
12…被覆電線
23…接続端子
30…コネクタシェル
31…シェル基部
33…グロメット側胴部
34…第1フランジ部
40…グロメット
41…電線囲繞部
44…コネクタ囲繞部
321…先端装着部
441…膨出部
442…前方バンド装着部
442a…前方側壁部分
442b…後方側壁部分
443…リップ部
444…切欠き部
445…延設部
W11…バンド幅
W13…装着部溝幅
X…前後方向
Y…幅方向

Claims (8)

  1. ワイヤーハーネスが接続される接続端子が内部に配置されるとともに、所定の取付け面から所定間隔を隔てた位置に先端を有する取付部材の先端近傍に対して装着され、前記ワイヤーハーネスのコネクタ、及び被覆電線を一体的に囲繞する弾性を有するグロメットであって、
    該グロメットを、
    前記被覆電線を囲繞する略筒状の電線囲繞部と、
    該電線囲繞部の軸方向に沿って、前記電線囲繞部から延設するとともに、前記取付部材が嵌合可能な内径を有して、前記コネクタを囲繞する略筒状のコネクタ囲繞部とで構成し、
    該コネクタ囲繞部に、
    前記取付部材の外周面から立設したフランジ部に対向する取付部材側端部を備え、
    該取付部材側端部における外周面に、
    結束バンドを巻着可能にするバンド装着部と、
    該バンド装着部に対して前記取付部材側で隣接するとともに、前記コネクタ囲繞部の周方向に沿って形成した取付部材側壁部とを備え、
    該取付部材側壁部に、
    前記軸方向に沿って切り欠いて形成した切欠き部を備えた
    グロメット。
  2. 前記コネクタ囲繞部を、略長楕円形状の筒状体に形成し、
    前記切欠き部を、前記略長楕円形状における湾曲部分に形成した
    請求項1に記載のグロメット。
  3. 前記切欠き部を、
    前記取付部材の前記フランジ部における外周縁よりも内側の部分と対向する位置に形成した
    請求項1または請求項2記載のグロメット。
  4. 前記コネクタ囲繞部の前記取付部材側端部に、
    前記取付部材側へ向けて延設するとともに、前記取付部材に形成した凹溝部に装着される延設部を備えた
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のグロメット。
  5. 前記バンド装着部に対応する前記コネクタ囲繞部の内周面に、
    該内周面から突設するとともに、前記周方向に沿って延設した少なくとも2つのリップ部を備えた
    請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のグロメット。
  6. 前記バンド装着部を、
    前記取付部材側壁部よりも前記電線囲繞部側において、前記コネクタ囲繞部の周方向に沿って形成した電線側壁部と、前記取付部材側壁部とで凹溝状に構成し、
    前記バンド装着部における前記軸方向の長さを、装着部溝幅とし、
    前記結束バンドにおける前記軸方向の長さをバンド幅とし、
    前記装着部溝幅から前記バンド幅を減算した長さを隙間長さとして、
    前記バンド装着部の前記装着部溝幅を、
    前記バンド幅の2倍未満となるように構成し、
    前記リップ部を、
    前記バンド装着部における前記取付部材側壁部、及び前記電線側壁部から、前記軸方向にそれぞれ前記隙間長さだけ離間した前記バンド装着部の範囲に対応する内周面に形成した
    請求項5に記載のグロメット。
  7. 前記コネクタ囲繞部に、
    取付部材に対して略筒状の編組線に挿入した取付部材に巻着される結束バンドのロック部を収容可能な内部空間を有して、外方へ向けて膨出した膨出部を備え、
    該膨出部を、
    前記軸方向から見て、前記切欠き部と対向するとともに、前記軸方向において、前記バンド装着部よりも前記電線囲繞部側の位置に形成した
    請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のグロメット。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のグロメットと、
    所定の取付け面に取付けられる本体部、前記グロメットのコネクタ囲繞部に対向するフランジ部、及び前記コネクタ囲繞部に嵌合する嵌合部をこの順番で配置した略筒状の取付部材と、
    前記グロメットのバンド装着部に巻着する結束バンドとで構成した
    グロメット付取付部材。
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