JP2016184710A - 蓄電デバイスおよび一軸延伸セパレータ - Google Patents

蓄電デバイスおよび一軸延伸セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】安価で蓄電デバイスを組む際に裂け難い一軸延伸セパレータ、および、正極と負極との短絡が有効に抑止されて高い安全性が得られる蓄電デバイスを提供すること。
【解決手段】正極および負極が一軸延伸セパレータを介して積層された電極ユニットと、電解液とを有する蓄電デバイスにおいて、一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有する構成とされている。一軸延伸セパレータは、少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極および負極がセパレータを介して交互に積層された電極ユニットを有する蓄電デバイスおよび一軸延伸セパレータに関する。
近年、高エネルギー密度および高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタ等が知られている。これらの蓄電デバイスにおいては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂組成物を使用した、安価な一軸延伸セパレータが多く用いられてきた。しかし、一軸延伸セパレータは衝撃等により裂け易く、内部短絡の危険性があった。
そこで、二層構造のフィルムの流れ方向(MD)の引裂強度(HMD)と、流れ方向に対して垂直方向(TD)の引裂強度(HTD)との比率を規定した、裂け難い二軸延伸セパレータが開示されている(特許文献1参照。)。
しかし、縦・横に延伸するための設備が大がかりであり、溶剤を多く使用するため環境への負担も生じやすい。更に、工程数が多いため、コストアップも懸念されている。
また、不織布を使用する方法も提案されているが、不織布は繊維が絡んでいるだけなので、全方向へ裂け易いという問題があった。
さらに、セパレータの孔径の調整が困難であり、膜厚は繊維径で決定するため、近年の主要な方向である薄膜化への対応が困難であった。
特開2010−111096号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、安価で蓄電デバイスを組む際に裂け難い一軸延伸セパレータを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、裂け難いセパレータを使用する事で、正極と負極との短絡が有効に抑止されて高い安全性が得られる蓄電デバイスを提供することにある。
本発明の蓄電デバイスは、正極および負極が一軸延伸セパレータを介して積層された電極ユニットと、電解液とを有する蓄電デバイスであって、
前記一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形の長辺が前記一軸延伸セパレータの延伸方向に対して交差するように形成されていることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記凹部または凸部は、前記一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に点在していることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記凹部または凸部は、長方形状、楕円状、S字状、十字状、I字状、L字状、円弧状、ジグザグ状、波線状等から選ばれる少なくとも1種の形状とすることができる。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形のそれぞれの端部が延伸方向に対して交差する方向に隙間を有さないように形成されていることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記凹部または凸部が高分子物質で形成されたパターンであることが好ましい。
前記高分子物質は、エラストマー、樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記凹部または凸部は、熱エネルギーもしくは光エネルギーによって形成されていることが好ましい。
前記光エネルギーは、レーザー光であることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタとして適用されることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータは、少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有することを特徴とする。
本発明の一軸延伸セパレータにおいては、前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形の長辺が前記一軸延伸セパレータの延伸方向に対して交差するように形成されていることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータにおいては、前記凹部または凸部は、前記一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に点在していることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータにおいては、前記凹部または凸部は、長方形状、楕円状、S字状、十字状、I字状、L字状、円弧状、ジグザグ状、波線状等から選ばれる少なくとも1種の形状とすることができる。
本発明の一軸延伸セパレータにおいては、前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形のそれぞれの端部が延伸方向に対して交差する方向に隙間を有さないように形成されていることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータにおいては、前記凹部または凸部が高分子物質で形成されたパターンであることが好ましい。
前記高分子物質は、エラストマー、樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータにおいては、前記凹部または凸部は、熱エネルギーもしくは光エネルギーによって形成されていることが好ましい。
前記光エネルギーは、レーザー光であることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータは、蓄電デバイス用途に用いることが好ましい。
本発明の一軸延伸セパレータによれば、特定の構成を有することにより、蓄電デバイス内で使用した際のセパレータの裂けを防止することができる。
従って、このような一軸延伸セパレータを備えた本発明の蓄電デバイスによれば、セパレータの裂けに起因した蓄電デバイスセル内での短絡もしくは急な発熱を防止することができるので、高い安全性を得ることができる。
本発明に係る一軸延伸セパレータの構成を概略的に示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は凸部が形成されたものにおけるA−A線断面図、(c)は凹部が形成されたものにおけるA−A線断面図である。 一軸延伸セパレータにおける凹部または凸部の形状を示す説明図である。 図1における破線で示す円領域の拡大図である。
以下、本発明について、本発明の蓄電デバイスをリチウムイオンキャパシタに適用した場合を具体例に挙げて説明する。
本発明の蓄電デバイスに係るリチウムイオンキャパシタは、基本的に、外装容器内に、正極と負極とを一軸延伸セパレータを介して交互に積層させた電極ユニットが収容されていると共に、電解液が充填されて構成されている。外装容器は、円筒型、角型、ラミネート型等の筐体を適宜使用することができ、特に限定されない。なお、「積層」とは、捲回されて積層された状態も含める概念である。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいて、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいては、正極または負極に形成された活物質層にリチウムイオンおよびアニオンが予めドープされている。本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入をも意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいはまた、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出をも意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
正極および負極の少なくとも一方にリチウムイオンを予めドープする方法としては、例えば、金属リチウム等のリチウムイオン供給源をリチウム極として外装容器内に配置し、正極および負極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンをドープさせる方法が用いられる。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタでは、リチウム極を外装容器内に局所的に配置して電気化学的接触させることによっても、正極および負極の少なくとも一方にリチウムイオンを均一にドープすることができる。
従って、正極および負極が積層された、または更に捲回された大容量の電極ユニットを構成する場合にも、正極および負極の少なくとも一方に円滑にかつ均一にリチウムイオンをドープすることができる。
〔一軸延伸セパレータ〕
電極ユニットを構成する一軸延伸セパレータは、当該一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有している。そして、当該一軸延伸セパレータは、例えばポリオレフィン製微多孔膜で構成されている。
本発明に係る一軸延伸セパレータに使用されるポリオレフィンとは、エチレン、プロピレンのホモ重合体、またはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン、ノルボルネンの共重合体であって、上記重合体の混合物でもよいが、微多孔膜の性能の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびこれらの共重合体が好ましい。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいて、電極ユニットを構成する一軸延伸セパレータの厚みは、例えば5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。一軸延伸セパレータの厚みが5μm未満である場合は、リチウムデンドライトが析出した際に正極と負極との短絡を抑制することが困難となるおそれがある。また、一軸延伸セパレータの厚みが100μmを超える場合は、厚膜であるためにリチウムイオンキャパシタの高エネルギー密度化を図ることが困難となるおそれがある。また、リチウムイオンの移動距離が長くなるためにリチウムイオンキャパシタの抵抗が上昇する傾向にある。
〔一軸延伸セパレータの作製方法〕
以下に、本発明に係る一軸延伸セパレータの製造方法を記す。一軸延伸セパレータの製造方法としては、大きく分けて湿式法(相分離法)と乾式法(延伸法)が知られている。
湿式法ではポリマーと溶剤とを高温で混合して調整した均一溶液を、Tダイ法、インフレーション法等でフィルム化した後、延伸及び溶剤を別の溶剤で抽出除去することにより製造される。
乾式法では、溶融ポリマーをTダイやサーキュラーダイから押し出してフィルム化した後、熱処理を施して延伸を行う事により製造される。
各方法において、ポリマーや溶剤の組み合わせにより得られる一軸延伸セパレータの仕上がりを調整する事は可能である。
具体的な製造方法としては、例えば、ロール延伸による一軸延伸、抽出前に延伸する一軸延伸、溶剤除去後に延伸する一軸延伸等が挙げられる。なお、延伸用設備や倍率等その他条件については不問である。
また、湿式法、乾式法に関わらず、ポリマーには帯電防止剤や酸化防止剤、滑材、中和剤等の各種添加剤を混合しても良い。
〔任意の添加剤:帯電防止剤〕
一軸延伸セパレータの製造に用いられる帯電防止剤としては、例えばグリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル類を例示することができる。
〔任意の添加剤:酸化防止剤〕
一軸延伸セパレータの製造に用いられる酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、又はトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤等を例示することができ、これらを複数入れても良い。
一軸延伸セパレータの製造に用いられる滑剤としては、例えばステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド類を例示することができる。
〔任意の添加剤:中和剤〕
一軸延伸セパレータの製造に用いられる中和剤としては、例えばステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩類を例示することができる。
〔任意の添加剤:ブロッキング防止剤〕
一軸延伸セパレータの製造に用いられるブロッキング防止剤としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等を例示することができる。
〔任意の添加剤:無機粒子、無機フィラー〕
さらに、一軸延伸セパレータの製造においては、機械的強度を向上させるために、無機粒子、無機フィラーおよびこれらの組合せを用いることが出来る。無機微粒子および無機フィラーとしては、以下に述べる凸部形成用スラリーに用いられる無機微粒子および無機フィラーとして例示するものを用いることができる。
而して、本発明に係る一軸延伸セパレータは、少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に延びる裂け防止用の無多孔状態の凹部または凸部を有している。
本発明における「無多孔状態」とは、100%孔が無いという意味ではなく、一軸延伸セパレータにおける凹部または凸部のない領域に比べて一軸延伸セパレータが有する微細な多孔が潰れている、もしくは多孔の数が凹部または凸部が形成されていない領域よりも少ない状態を意図する。
一方の面に凹部または凸部が形成された一軸延伸セパレータの構成例を図1に示す。なお、図1(a)においては、凹部または凸部を後述する外接矩形Crで示している。図1(b)は、一方の面に凹部12が形成された一軸延伸セパレータ10における図1(a)のA−A線断面図である。また、図1(c)は、一方の面に、凸部13が形成された一軸延伸セパレータ10における図1(a)のA−A線断面図である。
凹部12または凸部13は1つ以上存在していればよいが、複数のものが一軸延伸セパレータ10の少なくとも一方の面に点在していることが好ましい。凹部12または凸部13が点在していることで、一軸延伸セパレータ10の大きな裂けを抑止できて細かい裂けとなる。このため、正極および負極がセパレータの裂けによって接触する領域を小さくすることができ、急激な温度上昇を抑制することができる。
凹部12または凸部13は、規則的に配列されて点在する状態とされていても、ランダムに配列されて点在する状態とされていてもよい。例えば、図1(a)においては、各々延伸方向に交差するTD方向(以下、「幅方向」ともいう。)の寸法が小さい複数の線状(帯状)凹部12または複数の線状(帯状)凸部13からなる複数のパターン15が互いに平行に延伸方向(MD方向)に間隔をあけながら隣接して配列されている。隣接する2つのパターン15a,15bの外接矩形CrのMD方向における配置間隔ΔLは、例えば1〜50mmであることが好ましい。また、隣接する2つのパターン15a,15cの外接矩形CrのTD方向における配置間隔ΔWは、例えば1〜50mmであることが好ましい。図1(a)において、配置間隔ΔLは、第1パターン15aの外接矩形Crの隣接する第2パターン15bの外接矩形Crの長辺と対向する長辺を始点とし、第1パターン15aの外接矩形Crの長辺と対向する隣接する第2パターン15bに係る外接矩形Crの長辺を終点としたときの、MD方向の離間距離をいう。また、配置間隔ΔWは、第1パターン15aの外接矩形Crの短辺を始点とし、第1パターン15aの外接矩形Crの短辺と対向する、隣接する第3パターン15cの外接矩形Crの短辺を終点としたときの、TD方向の離間距離をいう。
例えば、複数のパターン15の夫々が特定の角度で配列されている場合には、隣接する2つのパターンの外接矩形の互いに対向する長辺同士または短辺同士もしくは長辺と短辺とが最も近づく点の離間距離をそれぞれΔLおよびΔWとする。
なお、図1(a)では、複数のパターン15の配列が例えば千鳥配列とされたものを一例として挙げたが、複数のパターン15の配列は、ランダム配列など、いかような配列であってもよい。
凹部12または凸部13は、図2に示すように、平面視で、例えば(a)長方形状、(b)楕円状、(c)S字状、(d)十字状、(e)I字状、(f)L字状、(g)円弧状、(h)ジグザグ状、(i)波線状等から選ばれる少なくとも1種の形状であればよい。なお、(a)長方形状の凹部12または凸部13の外接矩形Crは、例えば凹部12の開口形状または凸部13の外周輪郭形状と一致する。本発明における外接矩形Crとは、固有の形状を有した凹部12または凸部13を矩形で囲った際に、例えば凹部12の開口縁または凸部13の外周縁に接するように形成される矩形の事を意図する。
なお、凹部12または凸部13は、TD方向(幅方向)と同一の長さのパターンで形成され、MD方向に並列して複数配裂されている線状もしくは帯状のパターンであってもよい。この場合、ΔWは存在しないためΔLのみを考慮すればよい。
また、凹部12または凸部13は、全てが同じサイズで形成されている必要性は無く、本発明の効果を満たす構成であれば、各パターンのサイズが異なっていてもよい。
凹部12または凸部13は、凹部12または凸部13に係る外接矩形Crの長辺がMD方向と交差するように形成されていることが好ましい。外接矩形Crの長辺がMD方向と交差するように形成されることにより、一軸延伸セパレータ10のMD方向の裂けを外接矩形Crの長辺によって幅広く防止しやすくなる。
凹部12または凸部13は、外接矩形Crの短辺が0.02〜3mm、長辺が0.2〜5mmとなる大きさであることが好ましい。また、外接矩形Crのアスペクト比(短辺:長辺)は、例えば1:2〜1:30であることが好ましい。
凹部12または凸部13に係る外接矩形Crの長辺の、MD方向に対する交差角度は、2°〜178°の範囲内であればよいが、例えば20°〜170°が好ましく、30°〜160°であることがより好ましい。更に、当該交差角度が90°である場合には、裂け防止効果を最大限に発揮することができる。
更に、凹部12または凸部13は、MD方向からの側面視で、外接矩形Crのそれぞれの端部がTD方向に隙間を有さないように形成されていることが好ましい。このような構成にすることで、MD方向におけるいかような場所で裂けたとしても、必ずいずれかの凹部12または凸部13によって裂けを防止することができる。なお、段落0037で述べたTD方向(幅方向)と同一の長さのパターンの場合には、TD方向に隙間が存在しないため、同等の効果が奏される。
具体的には、図3(a)に示すように、MD方向に隣接する第1パターン15aおよび第2パターン15bの各々の外接矩形CrのTD方向における端部が一致した状態で形成された構成とされていればよい。しかしながら、一軸延伸セパレータ10の裂けを一層確実に防止することができることから、図3(b)に示すように、第1パターン15aおよび第2パターン15bの各々の外接矩形CrのTD方向における端部が互いに重なりあった状態で形成された構成とされていることが好ましい。図3(b)に示す構成のものにおいては、外接矩形Crの重なった部分の長さd1は、例えば0.1〜10.0mmであることが好ましい。
一方、図3(c)に示すように、第1パターン15aおよび第2パターン15bの各々における外接矩形CrのTD方向における端部が、互いに離間して隙間Sが形成された構成とされている場合には、凹部12または凸部13による裂け防止機能を十分に得ることができず、一軸延伸セパレータ10の裂けを防止することができなくなる。
凸部13を有する一軸延伸セパレータ(以下、「(A)セパレータ」と称す。)10は、例えば、凸部形成用スラリーを前述のようにして得られた一軸延伸セパレータの片面もしくは両面に塗布することにより得ることができる。
また、凹部12を有する一軸延伸セパレータ(以下、「(B)セパレータ」と称す。)10は、例えば、前述のようにして得られた一軸延伸セパレータの一部を熱エネルギーまたは光エネルギーを利用して溶融して一軸延伸セパレータにおける細孔を潰すことにより得ることができる。
前述した方法によって凹部12または凸部13を形成することで無多孔状態の凹部12または凸部13を形成することができる。凹部12または凸部13を無多孔状態にすることによって、一層強度の高い領域を形成することができ、一軸延伸セパレータのMD方向の裂けを確実に防止することができる。
〔凸部形成用スラリー〕
(A)セパレータ10の製造に使用される凸部13を形成するためのスラリー溶媒である凸部形成用スラリーとしては、例えば脂肪族炭化水素系有機溶媒、芳香族炭化水素系有機溶媒、脂環式炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機溶媒、アルデヒド系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、エステル系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、ハロゲン化炭化水素系有機溶媒、石油系有機溶媒などが挙げられるが、これらに限定されない。
より具体的な成分としては、ベンゼン、メチルベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ノナン、デカン、デカリン、ドデカン、ガソリン、工業用ガソリン、ソルベントナフサなどが挙げられ、これらは、単独で或いは二種類以上を混合して用いてもよい。
凸部形成用スラリーの溶質は、高分子物質であればよく、例えばエラストマー、樹脂等が挙げられる。
エラストマーとしては、例えば、イソブチレン−イソプレン共重合体(ブチルゴム)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、ピペリレンゴム、ニトリルゴム、1,3−ペンタジエンゴム、イソブチレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム等が挙げられ、これらは、単独で或いは二種類以上を混合して用いてもよい。
樹脂としては、例えば、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン、塩化ビニルなどが挙げられ、これらは、単独で或いは二種類以上を混合して用いてもよい。
凸部形成用スラリーの固形分濃度は、例えば1〜70%であることが好ましい。
以上、凸部形成用スラリーの溶質として用いられる高分子物質を例示したが、これらに限定されない。
〔任意の添加剤:無機粒子、無機フィラー〕
更に、凸部形成用スラリーにおいては、得られる(A)セパレータ10の機械的強度を向上させるために、無機粒子、無機フィラーおよびこれらの組合せたものを混合してもよい。
無機粒子、無機フィラーとしては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア等を挙げることができる。当該無機粒子、無機フィラーは、凸部形成用スラリーの合計重量割合に対して0.1wt%〜50wt%含まれている事が好ましい。
(A)セパレータの製造において、凸部形成用スラリーを塗布して形成する方法としては、例えばグラビア印刷、スタンパによる転写、インクジェット塗布、マスクパターンを使用したスプレー噴霧等が挙げられるが、上述した製造方法以外の塗布方法で形成する事も可能である。
膜厚は、例えば0.5〜20μmであることが好ましい。0.5μmを下回ると、得られる(A)セパレータにおいて延伸方向の裂けを防止する事ができない。これに対し、膜厚が20μmを上回ると、得られる(A)セパレータ10と各電極との間隔が大きくなるため、電極における抵抗が大きくなる傾向にある。
(B)セパレータの製造において利用される光エネルギーは、例えばレーザー光であることが好ましい。具体的には、発振波長が10〜10600nmであるレーザー光を用いることができる。
レーザー光の照射エネルギーは、例えば1〜500Wであることが好ましい。1Wを下回ると、レーザーの出力が弱く、凹部を形成することが困難となり、得られる(B)セパレータ10において延伸方向の裂けを防止することができなくなる。一方、500Wを上回ると、レーザーの出力が強く、得られる(B)セパレータ10に穴が開き、穴を介して正極と負極が短絡してしまうためセパレータとしての機能を果たさなくなる。
また、(B)セパレータの製造において、熱エネルギーを利用する場合には、例えば、作成したいパターン形状に作成された電熱ゴテを当てる方法がある。具体的には70〜150℃に加熱された電熱ゴテをセパレータ表面に押し当て、0.05〜3secの範囲で一軸延伸セパレータに熱エネルギーを与えることにより凹部12を形成することができる。
(B)セパレータ10において、凹部12の深さは、一軸延伸セパレータ10全体(凹部非形成部分)の膜厚に対して5〜95%の大きさであることが好ましい。
〔正極および負極〕
本発明に係るリチウムイオンキャパシタを構成する正極および負極は、例えば正極集電体および負極集電体(以下、両者を併せて「電極集電体」ともいう。)上における一方の表面あるいは両方の表面に、正極活物質または負極活物質が結着剤によって結着された状態の正極活物質層または負極活物質層(以下、両者を併せて「電極活物質層」ともいう。)が積層された構成を有する。
〔電極集電体〕
電極集電体としては、例えば、パンチングメタル、エキスパンドメタルまたは電解エッチング箔のような表裏面を貫通する貫通孔や空隙が形成された多孔材を用い、これにより、リチウム極を正極および負極の少なくとも一方に対向させて配置することにより、電気化学的にリチウムイオンを活物質層に供給することが好ましい。貫通孔の形態、数等は特に限定されず、電解液中におけるリチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく、正極(負極)の表裏間を移動できるように設定することができる。
電極集電体の貫通孔は、エッチング等によって開孔を形成する方法、機械的な打ち込みにより開孔を形成する方法のいずれの方法によって形成されてもよい。
正極集電体の材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼等を用いることができ、一方、負極集電体の材質としては、例えばステンレス鋼、銅、ニッケル等を用いることができる。
〔正極活物質〕
正極活物質層に含有される正極活物質としては、リチウムイオンおよびテトラフルオロボレート等の少なくとも1種のアニオンを可逆的に吸着(ドープ)・脱離(脱ドープ)可能な物質が用いられ、このような物質としては、例えば活性炭粉末が挙げられる。
〔負極活物質〕
負極活物質層に含有される負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質であって、例えば黒鉛系材料が用いられる。
黒鉛系材料としては、具体的には、黒鉛(グラファイト)、複合炭素等が挙げられる。
複合炭素としては、非晶質性炭素により表面の一部または全部が被覆された黒鉛である被覆黒鉛粒子、非晶質性炭素と黒鉛とを混合した黒鉛である複合黒鉛粒子等が挙げられる。
〔電極活物質層〕
電極活物質層の膜厚は、1〜100μmであればよく、例えば1〜80μmであることが好ましく、2〜70μmであることがより好ましい。
〔正極および負極の作製方法〕
正極または負極は、通常用いられる既知の方法によって作製することができる。
例えば、各活物質粉末と、電極用バインダと、必要に応じて、導電材、CMC(カルボキシメチルセルロース塩を含む)等の増粘剤とが少なくとも含有された電極形成用スラリーを、各電極集電体の一方の表面あるいは両方の表面に塗布することにより、あるいは、当該電極形成用スラリーをシート状に成形したものを各電極集電体に貼付することにより、正極または負極を作製することができる。
〔電極用バインダ〕
正極および負極の作製において用いられる電極用バインダとしては、具体的には、水系分散体バインダを用いることが好ましい。水や水溶性有機溶媒、またはこれらの混合溶媒にバインダ樹脂が分散された分散体を水系分散体バインダという。
水系分散体バインダに分散されるバインダ樹脂としては、例えば、SBR等のゴム系樹脂、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレンおよびポリエチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、フッ素アクリル重合体等の含フッ素アクリル系樹脂などを用いることができる。特に良好な密着性および優れた電気特性が得られる観点から、フッ素アクリル重合体が分散された水系分散体バインダを用いることが好ましい。
〔導電材〕
導電材としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、その他の気相法炭素繊維、金属粉末等が挙げられる。
導電材の添加量は、用いられる電極活物質の電気伝導度、作製される電極形状等によっても異なるが、いずれも、通常、電極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
〔電解液〕
本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいては、電解液として、リチウム塩などの支持電解質が非プロトン性有機溶媒に溶解された電解質溶液が用いられる。以下に、電解液中の各成分について説明する。
〔非プロトン性有機溶媒〕
電解液を構成する非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカーボネート(MBC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。これらのうちの2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよく、特に、粘度が低く、解離度が高く、イオン伝導性が高い電解液が得られることから、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物を用いることが好ましい。
本発明において、電解液を構成する非プロトン性有機溶媒は、環状カーボネートおよび鎖状カーボネート以外の有機溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、スルホラン等の環状スルホン、ジオキソラン等の環状エーテル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等を含有していてもよい。
非プロトン性有機溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒である場合は、その混合割合は、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、質量比で5:95〜80:20であることが好ましく、さらに好ましくは10:90〜70:30である。このような混合割合であることによって、電解液の粘度の上昇が抑制され、支持電解質の解離度を高めることができるため、充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができ、また、支持電解質の溶解度をさらに高めることができる。
〔支持電解質〕
電解液を構成する支持電解質としては、リチウム塩を用いることが好ましく、リチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO2 2 、LiN(CF3 SO2 2 等が挙げられる。これらのうちでも、特に、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好適に用いられる。
電解液におけるリチウム塩の濃度は、低い内部抵抗が得られることから、例えば0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
〔リチウムイオンキャパシタの構造〕
本発明に係るリチウムイオンキャパシタの具体的な構造としては、特に、電極ユニットが帯状の正極と負極とを一軸延伸セパレータ10を介して積層して捲回させる捲回型、板状またはシート状の正極と負極とを一軸延伸セパレータ10を介して各3層以上積層された積層型、並びに、このように積層された構成の電極ユニットを外装フィルム内に封入したフィルム型等が挙げられる。
これらのリチウムイオンキャパシタの構造は、特開2004−266091号公報等により既知であり、それらと同様の構成とすることができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されず、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタに限定されず、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオン二次電池にも好適に適用することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔実施例1:リチウムイオンキャパシタ〕
(1)正極の作製
正極集電体の両面に、導電性塗料を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、正極集電体前駆体の表裏面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体前駆体の表裏面に形成された導電層上に、電極用バインダとしてのフッ素アクリル重合体を含む水系分散体バインダ、CMCナトリウム塩および活性炭粉末よりなる正極活物質が混合された電極形成用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、導電層上に正極活物質層を形成した。
このようにして得られた、正極集電体前駆体の一部分に導電層および正極活物質層が積層された材料を、導電層および正極活物質層が積層された部分(以下、正極電極シートについて「塗工部」ともいう。)、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極電極シートについて「未塗工部」ともいう。)を含むように切断することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された正極電極シートを作製した。
ここに、正極活物質層の厚みは50μmである。
(2)負極の作製
負極集電体の両面に、電極用バインダとしてのフッ素アクリル重合体を含む水系分散体バインダ、CMCナトリウム塩および非晶質性炭素で被覆した被覆黒鉛粒子よりなる負極活物質が混合された電極形成用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用いて両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、負極集電体の表裏面に負極活物質層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極活物質層が形成された材料を、負極活物質層が形成された部分(以下、負極電極シートについて「塗工部」ともいう。)、負極活物質層が形成されてない部分(以下、負極電極シートについて「未塗工部」ともいう。)を含むように切断することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極電極シートを作製した。
ここに、負極活物質層の厚みは30μmである。
(3)セパレータの作製(塗布型)
ポリプロピレンよりなるセパレータ形成材料を押出機で溶融し、先端に接続した口金からシート状に成形した溶融シートをキャスティングロールに密着させて冷却し、熱処理後に縦延伸機にて延伸して厚さ20μmの一軸延伸セパレータを得た。
また、テトラヒドロフラン/イソプロピルルコール(=80/20wt%)溶媒にフッ素アクリル20wt%を含有したスラリー全質量に対して、更に30wt%のアルミナ粒子を混合して凸部形成用スラリーを調製した。
このようにして得られた一軸延伸セパレータの片面に、凸部形成用スラリーをグラビア印刷することにより以下の条件で凸部を形成した(以下、「セパレータ(1)」ともいう。)。
(凸部条件)
MD方向(延伸方向)の寸法:1mm
延伸方向に交差するTD方向(幅方向)の寸法:10mm
凸部のみの厚み:4μm
形状:長方形状の無多孔状態の線状形状
配列:千鳥格子状の配列パターンで点在し、外接矩形の長辺が一軸延伸セパレータのMD方向に垂直(上記交差角度が90°)になるように形成
TD方向における隙間の有無:無し(図3(b)参照。)
隙間の状態:−2mm(MD方向に互いに隣接する2つの線状凸部に係る外接矩形の端部は、TD方向に1mmずつ(両端で合計2mm)重なる。)
ΔL(MD方向に隣接する2つの線状凸部に係る外接矩形の互いに対向する長辺の離間距離):5mm
ΔW(TD方向に隣接する2つの線状凸部に係る外接矩形の互いに対向する短辺の離間距離):8mm
(4)電極ユニットの作製
正極電極シート10枚、負極電極シート11枚、セパレータ(1)を24枚用意し、正極電極シートと負極電極シートとを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になり重ならないよう、セパレータ(1)、負極電極シート、セパレータ(1)、正極電極シートの順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層ユニットを作製した。
次いで、箔状のリチウム極を切断し、銅網に圧着することにより、リチウムイオン供給源を作製し、このリチウムイオン供給源を電極積層ユニットの上側に負極と対向するよう2枚のセパレータ(1)を介して配置した。
そして、作製した電極積層ユニットの10枚の正極電極シートの各々の未塗工部に、矩形状のアルミニウム製の正極用電源タブにシーラントフィルムを予め熱融着し、正極用電源タブを重ねて溶接した。一方、電極積層ユニットの11枚の負極電極シートの各々の未塗工部およびリチウムイオン供給源の各々に、矩形状の銅製の負極用電源タブにシーラントフィルムを予め熱融着し、負極用電源タブを重ねて溶接し、もって電極ユニットを作製した。
(5)リチウムイオンキャパシタの作製
次いで、ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、中央部分に絞り加工が施された一方の外装フィルム、並びにポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層された他方の外装フィルムを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、上記の電極ユニットを、その正極端子および負極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、この電極ユニットに一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極端子および負極端子が突出する2辺を含む)を熱融着した。
一方、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネート(体積比で3:1:4)の混合溶媒を用い、濃度1.2mol/LのLiPF6 を含む電解液を調製した。
次いで、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、上記電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残りの一辺を熱融着した。
以上のようにして、ラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「リチウムイオンキャパシタセル」という。)〔S1〕を作製した。
〔実施例2:リチウムイオンキャパシタ〕
凸部形成用スラリーを用いず、一軸延伸セパレータにレーザービームを照射エネルギーが100Wとなる条件で照射することにより、一軸延伸セパレータの厚みに対する凹み量(凹部の深さ)が30%の、無多孔状態の凹部のパターンを形成したこと以外は実施例1と同様にして、無多孔状態の線状凹部を千鳥格子状の配列パターンで形成した一軸延伸セパレータ(以下、「セパレータ(2)」ともいう。)を作製した。このようにして得られたセパレータ(2)を用いたことの他は実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタセル〔S2〕を作製した。
〔実施例3:リチウムイオンキャパシタ〕
TD方向における隙間が0mm(両端で合計0mm)になるように(図3(a)参照。)凸部を形成したこと以外は実施例1と同様にして、無多孔状態の線状凸部を千鳥格子状の配列パターンで形成した一軸延伸セパレータ(以下、「セパレータ(3)」ともいう。)を作製した。このようにして得られたセパレータ(3)を用いたことの他は実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタセル〔S3〕を作製した。
〔実施例4:リチウムイオンキャパシタ〕
TD方向における隙間が1mm(両端で合計2mm)になるように(図3(c)参照。)凸部を形成したこと以外は実施例1と同様にして、無多孔状態の線状凸部を千鳥格子状の配列パターンで形成した一軸延伸セパレータ(以下、「セパレータ(4)」ともいう。)を作製した。このようにして得られたセパレータ(4)を用いたことの他は実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタセル〔S4〕を作製した。
〔実施例5:リチウムイオンキャパシタ〕
凸部を、MD方向の寸法が1mm、TD方向の寸法が20mm、厚みが4μmの長方形状とし、MD方向における配置間隔(ΔL)を10mm、TD方向における配置間隔(ΔW)を18mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、無多孔状態の線状凸部を千鳥格子状の配列パターンで形成した一軸延伸セパレータ(以下、「セパレータ(5)」ともいう。)を作製した。このようにして得られたセパレータ(5)を用いたことの他は実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタセル〔S5〕を作製した。
〔比較例1:リチウムイオンキャパシタ〕
一軸延伸セパレータを加工せずにそのままセパレータ(以下、「セパレータ(6)」ともいう。)として用いたこと以外は実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタセル〔C1〕を作製した。
〔圧壊試験〕
以上のようにして作製されたリチウムイオンキャパシタセル〔S1〕〜〔S5〕,〔C1〕の各々について、下記の条件で、圧壊試験を行った。結果を下記表1に示す。
(試験条件・制限条件)
圧壊圧力:13kN
押し潰し治具
丸棒:φ15.8mm
圧壊速度:1−20mm/sec
温度計測:0−300℃
(評価基準)
安全弁からガス発生が無いもしくは若干確認された場合を「○」、安全弁からのガス発生が確認された場合を「△」、安全弁からのガス発生とともに電解液の吹き出しが確認された場合を「×」とした。
Figure 2016184710
実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔S1〕、実施例2に係るリチウムイオンキャパシタセル〔S2〕および実施例5に係るリチウムイオンキャパシタセル〔S5〕は、隙間が無く、更に凸部または凹部の端部同士が重なり合った状態で形成されているため、いずれも、圧壊試験において安全に安全弁が開放し、若干のガス発生が確認された。
実施例3に係るリチウムイオンキャパシタセル〔S3〕は、圧壊試験において安全弁からのガス発生が確認された。圧壊試験後のリチウムイオンキャパシタセル〔S3〕を解体したところ、一軸延伸セパレータにおいて一部延伸方向の裂けが確認された。このことから、裂けた箇所での正極と負極との短絡が生じたためにガス発生が生じたものと考えられる。
この結果より、MD方向に互いに隣接する線状凸部パターンを外接矩形の端部がTD方向に重なり合った状態で形成することが好ましいことが確認された。
実施例4に係るリチウムイオンキャパシタセル〔S4〕は、圧壊試験において安全弁からのガス発生が確認された。圧壊試験後のリチウムイオンキャパシタセル〔S4〕を解体したところ、実施例3に係るリチウムイオンキャパシタセル〔S3〕よりも多いMD方向の裂けが部分的に確認された。このことから、裂けた箇所での正極と負極との大きな短絡が生じたためにガス発生が生じたものと考えられる。
この結果より、延伸方向に互いに隣接する線状凸部パターンを外接矩形の端部がTD方向における隙間がないように形成することが好ましいことが確認された。
比較例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔C1〕は、圧壊試験において安全弁からの強いガス発生と電解液の吹き出しが確認された。圧壊試験後のリチウムイオンキャパシタセル〔C1〕を解体したところ、複数の延伸方向の裂けが確認された。このことからの、裂けた箇所での正極と負極との大きな短絡が生じたために強いガス発生と電解液の吹き出しが生じたものと考えられる。
また、凸部または凹部に係る外接矩形の大きさが同一となるサイズで、凸部または凹部の形状を、図2に示す形状に適宜変更したこと以外は実施例1と同様にして一軸延伸セパレータを作製し、当該一軸延伸セパレータを用いたことは実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタセルを作製した。このようにして得られたリチウムイオンキャパシタセルの各々について、上記と同様の方法により圧壊試験を行ったところ、安全に安全弁が開放し、若干のガス発生が確認された。
10 一軸延伸セパレータ
12 凹部
13 凸部
15 パターン
15a 第1パターン
15b 第2パターン
15c 第3パターン
Cr 外接矩形
S 隙間

Claims (20)

  1. 正極および負極が一軸延伸セパレータを介して積層された電極ユニットと、電解液とを有する蓄電デバイスであって、
    前記一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有することを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形の長辺が前記一軸延伸セパレータの延伸方向に対して交差するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記凹部または凸部は、前記一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に点在していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記凹部または凸部は、長方形状、楕円状、S字状、十字状、I字状、L字状、円弧状、ジグザグ状、波線状等から選ばれる少なくとも1種の形状であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形のそれぞれの端部が延伸方向に対して交差する方向に隙間を有さないように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記凹部または凸部が高分子物質で形成されたパターンであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  7. 前記高分子物質は、エラストマー、樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の蓄電デバイス。
  8. 前記凹部または凸部は、熱エネルギーもしくは光エネルギーによって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  9. 前記光エネルギーは、レーザー光であることを特徴とする請求項8に記載の蓄電デバイス。
  10. リチウムイオンキャパシタとして適用されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  11. 少なくとも一方の面に、延伸方向に対して交差する方向に凹部または凸部を有することを特徴とする一軸延伸セパレータ。
  12. 前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形の長辺が前記一軸延伸セパレータの延伸方向に対して交差するように形成されていることを特徴とする請求項11に記載の一軸延伸セパレータ。
  13. 前記凹部または凸部は、前記一軸延伸セパレータの少なくとも一方の面に点在していることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の一軸延伸セパレータ。
  14. 前記凹部または凸部は、長方形状、楕円状、S字状、十字状、I字状、L字状、円弧状、ジグザグ状、波線状等から選ばれる少なくとも1種の形状であることを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の一軸延伸セパレータ。
  15. 前記凹部または凸部は、当該凹部または凸部の外接矩形のそれぞれの端部が延伸方向に対して交差する方向に隙間を有さないように形成されていることを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の一軸延伸セパレータ。
  16. 前記凹部または凸部が高分子物質で形成されたパターンであることを特徴とする請求項11〜請求項15のいずれか1項に記載の一軸延伸セパレータ。
  17. 前記高分子物質は、エラストマー、樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項16に記載の一軸延伸セパレータ。
  18. 前記凹部または凸部は、熱エネルギーもしくは光エネルギーによって形成されていることを特徴とする請求項11〜請求項17のいずれか1項に記載の一軸延伸セパレータ。
  19. 前記光エネルギーは、レーザー光であることを特徴とする請求項18に記載の一軸延伸セパレータ。
  20. 蓄電デバイスのセパレータとして用いられることを特徴とする請求項11〜請求項19のいずれか1項に記載の一軸延伸セパレータ。
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