JP2016184657A - 電子機器筺体の放熱構造 - Google Patents

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兼悟 仲本
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Abstract

【課題】 電子機器の高性能化に伴って発熱密度が大きくなり、その冷却においても性能向上が必要となるため、放熱経路内の熱抵抗を低減する必要がある。また、冷媒流路の圧力損失が高くなると、下流において十分な冷却能力を確保できなくなるという課題がある。【解決手段】 シャーシ内部に配置されていた熱交換機を放熱板側面に配置することにより、放熱板とシャーシの間に生じる接触熱抵抗を解消し、かつ電子回路モジュールの発熱量に応じて熱交換機の圧力損失を変化させることで、電子機器全体で高い放熱能力を実現する。【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱する電子部品が実装された複数の電子回路基板の発熱を冷却する電子機器筐体の放熱構造に係るものである。
電子回路基板の一般的な冷却方式は、冷却空気を直接基板上に吹き当てる方法であるが、冷却空気の状態が管理されていない環境下では好ましくない。これは、冷却空気中に含まれる塵、ほこり、水分等が付着することで、腐食や絶縁破壊が生じる恐れがあるためである。また、小型で発熱量の大きい発熱密度の高い部品は、部品表面積も小さいため放熱性が低い。
車両や航空機等の移動体に搭載する電子回路基板では、上記のような粉塵等による信頼性低下を防ぎ、かつ発熱密度が高い部品の冷却を行うために間接冷却方式を用いることがある(例えば、特許文献1、2参照)。
図5は従来の間接冷却方式の電子機器を示す組立斜視図、図6は図5における断面AAを示す図であり、図7は図5における断面BBを示す図である。
図おいて、1は電子回路基板2を放熱板3に固定した電子回路モジュール1である。4は上記電子回路モジュール1を収納するための箱状のシャーシであり、電子回路モジュール1を着脱するための開口部5を有している。また、シャーシ4は排気装置6(例えばブロワ等)、排気口7、および冷媒8(例えば冷却空気等)をシャーシ4内部に取り込むための吸気口9が設けられており、吸気口9から排気口8の間の空間に熱交換器10が設けられている。
電子回路モジュール1はシャーシ4の開口部5よりガイド溝11に沿ってシャーシ4内に挿入・着脱することができる。シャーシ4に挿入された電子回路モジュール1はカードリテーナ12によりガイド面13に押し付けられ、さらにカバー14により電子回路基板2を外気より遮断する。
電子回路基板2の発熱は、放熱板3に伝導され、シャーシ4との接触面15よりシャーシ4のガイド面13に放熱される。シャーシ4に放熱された後、熱交換器10により吸気口9より取り込まれた冷媒8に放熱される。
特開2009-283489号公報 特開2014-123650号公報
しかしながら、上記に示した従来の電子機器の冷却方式は、次のような課題があった。
電子機器の高性能化に伴って発熱密度が大きくなり、その冷却においても更なる性能向上が必要となる。一方では、小型・軽量化が進んでおり、放熱板およびシャーシを大型化することが困難であり、放熱経路内の熱抵抗を削減する必要があった。
また、発熱量が大きく異なる複数の電子回路基板を共通のシャーシおよび熱交換器により冷却する場合、その冷却能力は発熱量の大きな電子回路基板をターゲットとして設計されている。そのため、シャーシ内の熱交換器は発熱量が小さい電子回路基板に対しても発熱量の大きな電子回路基板と同様の圧力損失を有しているため、全体の圧力損失が高くなり、流路下流において十分な冷却能力を確保できなくなっていた。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、従来構造と同等以下の大きさで、発熱部品からシャーシに至る放熱経路内の熱抵抗を低減し、かつ電子回路基板の発熱量の大小に応じて最適な熱交換器とすることで、流路の圧力損失の最小化による冷媒流量の最大化を図り、電子機器に対して高い放熱能力を得ることを目的とする。
この発明に係る電子機器筺体の放熱構造は、発熱体である電子回路基板を固定可能である熱交換器一体型放熱板と、電子回路基板を固定した複数の熱交換器一体型放熱板を収納可能な箱型のシャーシとから構成され、前記熱交換器一体型放熱板は、前記電子回路基板を固定する放熱板部分と熱交換器とが接触しており、前記シャーシに設けられたスリットに沿って挿入された状態で固定される。
本発明により、シャーシ内部に配置されていた熱交換器を放熱板側面に配置することにより、放熱板とシャーシの間に生じる接触熱抵抗を解消し、尚且つ電子回路モジュール毎に熱交換器の諸元を変えることで、全系として高い放熱能力を実現する。
実施の形態1の電子機器筐体の放熱構造の全体構成を示す組立斜視図である。 実施の形態1の電子機器筐体の放熱構造(図1)のAA断面を示す図である。 実施の形態1の電子回路モジュールの分解斜視図である。 実施の形態2の電子機器筐体の放熱構造(図1)のAA断面を示した図である。 従来の電子機器筐体の放熱構造の全体構成を示す組立斜視図である。 従来の電子機器筐体の放熱構造(図5)のAA断面を示す図である。 従来の電子機器筐体の放熱構造(図5)のBB断面を示す図である。
実施の形態1.
図1はこの発明に係る電子機器の第1の実施形態による電子機器の組立斜視図であり、図2は図1における断面AAを示す図である。図において、実施の形態1の電子機器筐体の放熱構造は、電子回路モジュール1および、それらを収納するシャーシ4より構成されている。
図1、図2において、4は上記電子回路モジュール1を収納するための箱状のシャーシで、電子回路モジュール1を着脱するための開口部5および電子回路モジュール1の保持を目的とし、電子回路モジュール1の挿入方向に矩形のスリット17が設けられている。また、シャーシ4は排気装置6および排気口7、並びに冷媒8をシャーシ4内部に取り込むための吸気口9が設けられている。
電子回路モジュール1はシャーシ4のスリット17に沿って挿入され、スリット17と電子回路モジュール1は隙間無く固定される。固定された電子回路モジュールの熱交換器10はスリット17より吸気口9と排気口7の間の空間に納置される。
図3は実施の形態1における電子回路モジュール1の分解斜視図である。
本実施の形態における電子回路モジュール1は、熱交換器10が放熱板3の側面に設けられた熱交換器一体型放熱板16に、電子回路基板2が固定された構成を有する。
また、電子回路基板2は熱交換器一体型放熱板16に熱伝導性を持って結合されている。
上記の様に構成された電子機器筐体の放熱構造においては、電子回路基板2で発生した熱は熱交換器一体型放熱板16に伝達され、熱交換器一体型放熱板16の内部を伝導してシャーシ4のスリット17間に位置する熱交換器10により冷媒8に放熱される。
ここで、従来の電子機器筐体の放熱構造と本構造を比較すると、本実施の形態に係る電子機器筐体の放熱構造では主放熱経路18(図2の破線)にシャーシ4と電子回路モジュールの接触面を含んでいない。
この結果、接触面における接触熱抵抗が解消されることで、放熱性能が向上する。
実施の形態2.
実施の形態2に係る電子機器筐体の放熱構造は、基本的に実施の形態1と同様の構成を有している(図1)。図4は実施の形態2における、電子機器筐体の放熱構造の全体構成(図1)の断面AA相当の図を示している。
図4において、19、20はそれぞれ高発熱の電子回路モジュールおよび低発熱の電子回路モジュールである。高発熱の電子回路モジュール19、低発熱の電子回路モジュール20は実施形態1における電子回路モジュール1と基本構造は同一であるが、本実施の形態に係る電子機器筐体の放熱構造では、熱交換器一体型放熱板16の形状は電子回路モジュール毎の電子回路基板2上の部品配置や発熱量に応じて決定することができる。
また、熱交換器一体型放熱板16に設けられた熱交換器は、高発熱の電子回路モジュール19においては放熱性が高く、高圧力損失の熱交換器21が、低発熱の電子回路モジュール20においては21と比較して放熱性が低く、低圧力損失の熱交換器22が設けられている。
このように、実施の形態2に係る電子機器筺体の放熱構造においては、実施の形態1の放熱構造で得られた接触熱抵抗の削減による冷却能力向上に加え、電子回路モジュールの発熱量に応じて熱交換器の圧力損失を変化させたことで、従来構造と比較して流路全体の総圧力損失が抑制される。したがって、総圧力損失低下により流路内の冷媒の流量は増加し、電子機器全体において高い放熱能力を得ることができる。
1 電子回路モジュール、2 電子回路基板、3 放熱板、4 シャーシ、5 開口部、6 排気装置、7 排気口、8 冷媒、9 吸気口、10 熱交換器、11 ガイド溝、12 カードリテーナ、13 ガイド面、14 カバー、15 接触面、16 熱交換器一体型放熱板、17 スリット、18 放熱経路、19 高発熱の電子回路モジュール、20 低発熱の電子回路モジュール、21 高圧力損失の熱交換器、22 低圧力損失の熱交換器

Claims (4)

  1. 発熱体である電子回路基板を固定可能である熱交換器一体型放熱板と、
    電子回路基板を固定した複数の熱交換器一体型放熱板を収納可能な箱型のシャーシと、
    から構成され、
    前記熱交換器一体型放熱板は、前記電子回路基板を固定する放熱板部分と熱交換器とが接触しており、前記シャーシに設けられたスリットに沿って挿入された状態で固定されることを特徴とする電子機器筐体の放熱構造。
  2. 前記熱交換器一体型放熱板の熱交換器は、前記シャーシに設けられた吸気口と排気口の間の空間に設置されることを特徴とする請求項1記載の電子機器筐体の放熱構造。
  3. 前記シャーシに収納された複数の前記熱交換器一体型放熱板の各熱交換器は、前記熱交換器一体型放熱板に固定される電子回路基板の発熱量に応じた放熱性を有することを特徴とする請求項1、2いずれか記載の電子機器筐体の放熱構造。
  4. 前記シャーシは複数の吸気口を備え、前記熱交換器一体型放熱板は、各吸気口から取り込まれた冷媒が通過する経路に各々熱交換器を備えることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電子機器筐体の放熱構造。
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DE112017004745T5 (de) 2016-09-21 2019-07-11 Honda Motor Co., Ltd. Wischervorrichtung und Fahrzeugkörperheckstruktur
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