JP2016183912A - 物理量検出用回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

物理量検出用回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】検出信号を受信する装置が誤った処理を行うおそれを低減させることが可能な物理量検出用回路を提供すること。【解決手段】物理量検出用回路200は、物理量検出素子100からの信号が入力され、検出信号VOを出力する検出回路30と、異常診断回路40と、を備え、検出回路30は、少なくとも1つの増幅回路35を有し、異常診断回路40は、増幅回路35よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する監視判定回路41を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、物理量検出用回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体に関する。
特許文献1には、振動子の診断用電極に故障診断用信号を入力し、振動子の角速度検出電極から故障診断用信号に基づく信号を検出し、故障診断用信号と同周波数の信号で同期検波することにより、駆動系および検出系のワイヤ断線を検出可能な角速度センサーが開示されている。
特開2000−146590号公報
しかしながら、特許文献1に記載の角速度センサーにおいて、振動子にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合、検出系において信号の飽和が発生し、検出系が実際の挙動とは異なる誤った検出信号を出力することになり、検出信号を受信した処理装置が誤った信号であることを認識することができずに誤った処理を行ってしまうという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、検出信号を受信する装置が誤った処理を行うおそれを低減させることが可能な物理量検出用回路及び物理量検出装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、当該物理量検出用回路を用いた電子機器及び移動体を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る物理量検出用回路は、物理量検出素子からの信号が入力され、検出信号を出力する検出回路と、異常診断回路と、を備え、前記検出回路は、少なくとも1つの増幅回路を有し、前記異常診断回路は、前記増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する監視判定回路を有する。
例えば、前記監視判定回路は、前記増幅回路の出力信号の大きさを監視してもよい。
本適用例に係る物理量検出用回路によれば、物理量検出素子にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子の出力信号に重畳される信号が増幅回路による信号の増幅によって増大するので、増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視することにより、検出信号が誤っているか否かを診断することができる。従って、検出信号を受信する装置は、この診断結果に基づいて検出信号が誤った信号であることを認識することができるので、検出信号を用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る物理量検出用回路において、前記監視判定回路は、前記増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の飽和を監視してもよい。
「飽和を監視する」とは、前記増幅回路の出力信号が出力レンジの最大値に達したか否かを監視することであってもよいし、前記最大値よりも少し低い値(例えば、最大値の90%)に達したか否かを監視することであってもよい。
本適用例に係る物理量検出用回路によれば、物理量検出素子にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号が飽和しやすいので、当該信号の飽和を監視することにより、検出信号が誤っているか否かを診断することができる。
[適用例3]
上記適用例に係る物理量検出用回路において、前記増幅回路の1つは、AC増幅回路であってもよい。
前記検出回路は、同期検波回路を有し、前記AC増幅回路は、前記同期検波回路よりも前段の回路であってもよい。
本適用例に係る物理量検出用回路によれば、物理量検出素子に比較的高い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子の出力信号に重畳される信号がAC増幅回路による信号の増幅によって増大するので、AC増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視することにより、検出信号が誤っているか否かを診断することができる。
[適用例4]
上記適用例に係る物理量検出用回路において、前記増幅回路の1つは、DC増幅回路であってもよい。
前記DC増幅回路は、前記同期検波回路よりも前段の回路であってもよい。
本適用例に係る物理量検出用回路によれば、物理量検出素子に比較的低い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子の出力信号に重畳される信号がDC増幅回路による信号の増幅によって増大するので、DC増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視することにより、検出信号が誤っているか否かを診断することができる。
[適用例5]
上記適用例に係る物理量検出用回路において、前記検出回路は、前記増幅回路よりも後段にローパスフィルターを有してもよい。
本適用例に係る物理量検出用回路によれば、ローパスフィルターの出力遅延が比較的大きいため、誤った検出信号に先立って検出信号が誤っていることを示す信号を出力することができる。
[適用例6]
上記適用例に係る物理量検出用回路において、前記異常診断回路は、複数の前記増幅回路と、前記複数の増幅回路のそれぞれよりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する複数の前記監視判定回路と、を有してもよい。
[適用例7]
上記適用例に係る物理量検出用回路において、前記異常診断回路は、前記複数の監視判定回路からの信号が入力される論理和回路を有してもよい。
これらの適用例に係る物理量検出用回路によれば、複数の増幅回路のそれぞれよりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視することにより、検出信号が誤っているか否かをより確実に診断することができる。
[適用例8]
本適用例に係る物理量検出装置は、物理量検出素子と、前記物理量検出素子を駆動する駆動回路と、前記物理量検出素子からの信号が入力され、検出信号を出力する検出回路と、異常診断回路と、を備え、前記検出回路は、少なくとも1つの増幅回路を有し、前記異常診断回路は、前記増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する監視判定回路を有する。
本適用例に係る物理量検出装置によれば、物理量検出素子にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子の出力信号に重畳される信号が増幅回路による信号の増幅によって増大するので、増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視することにより、検出信号が誤っているか否かを診断することができる。従って、検出信号を受信する装置は、この診断結果に基づいて検出信号が誤った信号であることを認識することができるので、検出信号を用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。
[適用例9]
本適用例に係る電子機器は、上記のいずれかの物理量検出用回路を備えている。
[適用例10]
本適用例に係る移動体は、上記のいずれかの物理量検出用回路を備えている。
これらの適用例によれば、検出信号を受信する装置が誤った処理を行うおそれを低減させることが可能な物理量検出用回路を用いるので、例えば、信頼性の高い電子機器及び移動体を実現することも可能である。
本実施形態の物理量検出装置の構成例を示す図。 振動子の振動片の平面図。 振動子の動作について説明するための図。 振動子の動作について説明するための図。 駆動回路の構成例を示す図。 第1実施形態における検出回路及び異常診断回路の構成例を示す図。 物理量検出素子の固有周波数(共振周波数)の一例を示す図。 角速度信号と診断信号の波形の一例を示す図。 第2実施形態における検出回路及び異常診断回路の構成例を示す図。 第3実施形態における検出回路及び異常診断回路の構成例を示す図。 本実施形態の電子機器の一例である横すべり防止装置の機能ブロック図。 本実施形態の移動体の一例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説
明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)を例にとり説明する。
1.物理量検出装置
1−1.第1実施形態
[物理量検出装置の構成]
図1は、本実施形態の物理量検出装置(角速度検出装置)の機能ブロック図である。本実施形態の物理量検出装置1は、物理量に関わるアナログ信号を出力する物理量検出素子(センサー素子)100と物理量検出用回路200を含んで構成されている。
物理量検出素子100は、駆動電極と検出電極が配置された振動片を有し、一般的に、振動片のインピーダンスをできるだけ小さくして発振効率を高めるために、振動片は気密性が確保されたパッケージに封止されている。本実施形態では、物理量検出素子100は、T型の2つの駆動振動腕を有するいわゆるダブルT型の振動片を有する。
図2は、本実施形態の物理量検出素子100の振動片の平面図である。物理量検出素子100は、例えば、Zカットの水晶基板により形成されたダブルT型の振動片を有する。水晶を材料とする振動片は、温度変化に対する共振周波数の変動が極めて小さいので、角速度の検出精度を高めることができるという利点がある。なお、図2におけるX軸、Y軸、Z軸は水晶の軸を示す。
図2に示すように、物理量検出素子100の振動片は、2つの駆動用基部104a、104bからそれぞれ駆動振動腕101a、101bが+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。駆動振動腕101aの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極112及び113が形成されており、駆動振動腕101bの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極113及び112が形成されている。駆動電極112、113は、それぞれ、図1に示した物理量検出用回路200のDS端子,DG端子を介して駆動回路20に接続される。
駆動用基部104a、104bは、それぞれ−X軸方向と+X軸方向に延びる連結腕105a、105bを介して矩形状の検出用基部107に接続されている。
検出振動腕102は、検出用基部107から+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。検出振動腕102の上面には検出電極114及び115が形成されており、検出振動腕102の側面には共通電極116が形成されている。検出電極114、115は、それぞれ、図1に示した物理量検出用回路200のS1端子,S2端子を介して検出回路30に接続される。また、共通電極116は接地される。
駆動振動腕101a、101bの駆動電極112と駆動電極113との間に駆動信号として交流電圧が与えられると、図3に示すように、駆動振動腕101a、101bは逆圧電効果によって矢印Bのように、2本の駆動振動腕101a、101bの先端が互いに接近と離間を繰り返す屈曲振動(励振振動)をする。
この状態で、物理量検出素子100の振動片にZ軸を回転軸とした角速度が加わると、駆動振動腕101a、101bは、矢印Bの屈曲振動の方向とZ軸の両方に垂直な方向にコリオリの力を得る。その結果、図4に示すように、連結腕105a、105bは矢印Cで示すような振動をする。そして、検出振動腕102は、連結腕105a、105bの振動(矢印C)に連動して矢印Dのように屈曲振動をする。このコリオリ力に伴う検出振動
腕102の屈曲振動と駆動振動腕101a、101bの屈曲振動(励振振動)とは位相が90°ずれている。
ところで、駆動振動腕101a、101bが屈曲振動(励振振動)をするときの振動エネルギーの大きさ又は振動の振幅の大きさが2本の駆動振動腕101a、101bで等しければ、駆動振動腕101a、101bの振動エネルギーのバランスがとれており、物理量検出素子100に角速度がかかっていない状態では検出振動腕102は屈曲振動しない。ところが、2つの駆動振動腕101a、101bの振動エネルギーのバランスがくずれると、物理量検出素子100に角速度がかかっていない状態でも検出振動腕102に屈曲振動が発生する。この屈曲振動は漏れ振動と呼ばれ、コリオリ力に基づく振動と同様に矢印Dの屈曲振動であるが、駆動信号とは同位相である。
そして、圧電効果によってこれらの屈曲振動に基づいた交流電荷が、検出振動腕102の検出電極114、115に発生する。ここで、コリオリ力に基づいて発生する交流電荷は、コリオリ力の大きさ(言い換えれば、物理量検出素子100に加わる角速度の大きさ)に応じて変化する。一方、漏れ振動に基づいて発生する交流電荷は、物理量検出素子100に加わる角速度の大きさに関係せず一定である。
なお、駆動振動腕101a、101bの先端には、駆動振動腕101a、101bよりも幅の広い矩形状の錘部103が形成されている。駆動振動腕101a、101bの先端に錘部103を形成することにより、コリオリ力を大きくするとともに、所望の共振周波数を比較的短い振動腕で得ることができる。同様に、検出振動腕102の先端には、検出振動腕102よりも幅の広い錘部106が形成されている。検出振動腕102の先端に錘部106を形成することにより、検出電極114、115に発生する交流電荷を大きくすることができる。
以上のようにして、物理量検出素子100は、Z軸を検出軸としてコリオリ力に基づく交流電荷(角速度成分)と、励振振動の漏れ振動に基づく交流電荷(振動漏れ成分)とを検出電極114、115を介して出力する。
図1に戻り、本実施形態の物理量検出用回路200は、基準電圧回路10、駆動回路20、検出回路30、異常診断回路40及び記憶部50を含んで構成されており、例えば、1チップの集積回路(IC:Integrated Circuit)であってもよい。なお、本実施形態の物理量検出用回路200は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
基準電圧回路10は、物理量検出用回路200のVDD端子より供給される電源電圧から基準電圧(アナロググランド電圧)などの定電圧や定電流を生成し、駆動回路20や検出回路30に供給する。
駆動回路20は、物理量検出素子100を励振振動させるための駆動信号を生成し、DS端子を介して物理量検出素子100の駆動電極112に供給する。また、駆動回路20は、物理量検出素子100の励振振動により駆動電極113に発生する発振電流がDG端子を介して入力され、この発振電流の振幅が一定に保持されるように駆動信号の振幅レベルをフィードバック制御する。また、駆動回路20は、駆動信号と位相が同じ検波信号SDETを生成し、検出回路30に出力する。
検出回路30は、S1端子とS2端子を介して、物理量検出素子100の2つの検出電極114、115に発生する交流電荷(検出電流)がそれぞれ入力され、検波信号SDETを用いて、これらの交流電荷(検出電流)に含まれる角速度成分を検出し、角速度成分
の大きさに応じた電圧レベルの検出信号(角速度信号)VOを生成して出力する。この角速度信号VOは、物理量検出用回路200のVOUT端子を介して、物理量検出用回路200の外部装置であるMCU(Micro Control Unit)2(制御装置)に出力される。
異常診断回路40は、検出回路30の内部信号を監視して、物理量検出素子100の出力信号が正常な状態か異常な状態かを診断し、正常か異常かを示す診断信号DIAGを生成して出力する。本実施形態では、診断信号DIAGは、ローレベルの時に正常な状態を示し、ハイレベルの時に異常な状態を示すものとする。この診断信号DIAGは、物理量検出用回路200のDOUT端子を介して、MCU2に出力される。
記憶部50は、不図示の不揮発性メモリーを有し、当該不揮発性メモリーには、駆動回路20や検出回路30に対する各種のトリミングデータ(調整データや補正データ)が記憶されている。不揮発性メモリーは、例えば、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)型メモリーやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)として構成することができる。さらに、記憶部50は、不図示のレジスターを有し、物理量検出用回路200電源投入時(VDD端子の電圧が0Vから所望の電圧まで立ち上がる時)に不揮発性メモリーに記憶されている各種のトリミングデータがレジスターに転送されて保持され、レジスターに保持された各種のトリミングデータが駆動回路20や検出回路30に供給されるように構成してもよい。
[駆動回路の構成]
次に、駆動回路20について説明する。図5は、駆動回路20の構成例を示す図である。図5に示すように、本実施形態の駆動回路20は、I/V変換回路21、ハイパスフィルター(HPF)22、コンパレーター23、全波整流回路24、積分器25及びコンパレーター26を含んで構成されている。なお、本実施形態の駆動回路20は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
I/V変換回路21は、物理量検出素子100の励振振動により発生し、DG端子を介して入力された発振電流を交流電圧信号に変換する。
ハイパスフィルター22は、I/V変換回路21の出力信号のオフセットを除去する。
コンパレーター23は、ハイパスフィルター22の出力信号の電圧を基準電圧と比較して2値化信号を生成し、この2値化信号がハイレベルの時はNMOSトランジスターを導通させてローレベルを出力し、2値化信号がローレベルの時はNMOSトランジスターを非導通にし、抵抗を介してプルアップされる積分器25の出力電圧をハイレベルとして出力する。そして、コンパレーター23の出力信号は、駆動信号として、DS端子を介して物理量検出素子100に供給される。この駆動信号の周波数(駆動周波数)を物理量検出素子100の共振周波数と一致させることで、物理量検出素子100を安定発振させることができる。
全波整流回路24は、I/V変換回路21の出力信号を整流(全波整流)して直流化された信号を出力する。
積分器25は、基準電圧回路10から供給される所望の電圧VRDRを基準に、全波整流回路24の出力電圧を積分して出力する。この積分器25の出力電圧は、全波整流回路24の出力が高いほど(I/V変換回路21の出力信号の振幅が大きいほど)低くなる。従って、発振振幅が大きいほど、コンパレーター23の出力信号(駆動信号)のハイレベルの電圧が低くなり、発振振幅が小さいほど、コンパレーター23の出力信号(駆動信号)のハイレベルの電圧が高くなるので、発振振幅が一定に保持されるように自動利得制御
(AGC:Auto Gain Control)がかかる。
コンパレーター26は、ハイパスフィルター22の出力信号の電圧を増幅して2値化信号(方形波電圧信号)を生成し、検波信号SDETとして出力する。
[検出回路及び異常診断回路の構成]
次に、検出回路30及び異常診断回路40について説明する。図6は、検出回路30及び異常診断回路40の構成例を示す図である。図6に示すように、本実施形態の検出回路30は、チャージアンプ31,32、差動増幅回路33、ハイパスフィルター(HPF)34、AC増幅回路35、同期検波回路36、DC増幅回路37、ローパスフィルター38、出力バッファー39を含んで構成されている。なお、本実施形態の検出回路30は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
チャージアンプ31には、S1端子を介して物理量検出素子100の振動片の検出電極114から角速度成分と振動漏れ成分を含む交流電荷(検出電流)が入力される。同様に、チャージアンプ32には、S2端子を介して物理量検出素子100の振動片の検出電極115から角速度成分と振動漏れ成分を含む交流電荷(検出電流)が入力される。
このチャージアンプ31,32は、それぞれ入力された交流電荷(検出電流)を交流電圧信号に変換する。チャージアンプ31に入力される交流電荷(検出電流)とチャージアンプ32に入力される交流電荷(検出電流)は互いに位相が180°異なり、チャージアンプ31の出力信号とチャージアンプ32の出力信号の位相は互いに逆位相である(180°ずれている)。
差動増幅回路33は、チャージアンプ31の出力信号とチャージアンプ32の出力信号を差動増幅する。差動増幅回路33により、同相成分はキャンセルされ、逆相成分は加算増幅される。
ハイパスフィルター34は、差動増幅回路33の出力信号に含まれる直流成分を除去するする。
AC増幅回路35は、ハイパスフィルター34の出力信号を増幅した交流電圧信号を出力する。
同期検波回路36は、駆動回路20が出力する検波信号SDETを用いてAC増幅回路35の出力信号(被検波信号)に含まれる角速度成分を同期検波する。同期検波回路36は、例えば、検波信号SDETがハイレベルの時はAC増幅回路35の出力信号をそのまま選択し、検波信号SDETがローレベルの時はAC増幅回路35の出力信号を基準電圧に対して反転した信号を選択する回路として構成することができる。
AC増幅回路35の出力信号には角速度成分と振動漏れ成分が含まれているが、この角速度成分は検波信号SDETと同位相であるのに対して、振動漏れ成分は逆位相である。そのため、同期検波回路36により角速度成分は同期検波されるが、振動漏れ成分は検波されないようになっている。
DC増幅回路37は、同期検波回路36の出力信号を増幅又は減衰させて所望の電圧レベルの信号を出力し、DC増幅回路37の出力信号はローパスフィルター38に入力される。このDC増幅回路37は、可変ゲインアンプであってもよい。
ローパスフィルター38は、DC増幅回路37の出力信号に含まれる高周波成分を除去
するとともに仕様で決められる周波数範囲の信号を通過させる。このローパスフィルター38は、スイッチトキャパシタフィルター(SCF)であってもよい。スイッチトキャパシタフィルター(SCF)の周波数特性は、物理量検出素子100の安定発振により得られるクロック信号(不図示)の周波数とキャパシター(不図示)の容量比によって決まるため、RCローパスフィルターと比較して、周波数特性のばらつきが極めて小さいという利点がある。
ローパスフィルター38の出力信号は、出力バッファー39でバッファリングされるとともに、必要に応じて所望の電圧レベルの信号に増幅又は減衰される。この出力バッファー39の出力信号は、角速度信号VOとして検出回路30から出力される。
このように構成された検出回路30は、S1端子及びS2端子から入力される微小な検出電流を、同期検波回路36の前段で差動増幅回路33及びAC増幅回路35により増幅し、同期検波回路36の後段でDC増幅回路37により増幅して角速度信号VOを生成している。
ところで、図7の例に示すように、物理量検出素子100は、複数の固有周波数(共振周波数)(図7において振幅がピークとなる周波数)を有しており、物理量検出素子100に、いずれかの固有周波数に近い(ほぼ等しい)周波数で図4に示した向きの振動を生じさせるような衝撃が加わった場合、瞬時的に検出電流の振幅が大きくなる。そうすると、検出回路30において、AC増幅回路35の出力電圧が瞬時的に飽和し、その結果、DC増幅回路37の出力信号も飽和し、瞬時的に大きな角速度を検出したことを示す角速度信号VOを出力することになる。例えば、物理量検出装置1を車両に取り付けた場合を想定すると、車が衝突し、あるいは車両が横転するなど、車両に大きな衝撃が加わった場合だけでなく、車両に石がぶつかり、あるいは、車両が縁石に乗り上げるなど、車両に比較的小さな衝撃が加わった場合でも、物理量検出素子100が固有周波数で図4に示した向きに振動し、瞬時的に検出電流の振幅が大きくなる可能性がある。従って、実際には大きな衝撃が加わったわけではないのに、検出回路30が大きな角速度を検出したかのような角速度信号VOを出力するため、MCU2は、この角速度信号VOを用いて誤った処理(例えば、車両が縁石に乗り上げただけでエアーバッグを開いてしまうなど)を行うおそれがある。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、異常診断回路40は、AC増幅回路35よりも後段にある回路に入力される信号(AC増幅回路35の出力信号)の大きさを監視する監視判定回路41を有する。例えば、監視判定回路41は、AC増幅回路35の出力信号が所定の閾値よりも高いか低いかを監視してもよい。本実施形態では、監視判定回路41は、AC増幅回路35よりも後段にある回路に入力される信号(AC増幅回路35の出力信号)の飽和を監視する。例えば、監視判定回路41は、AC増幅回路35の出力電圧が出力レンジの最大値に達したか否かを監視し、あるいは、出力レンジの最大値よりも少し低い値(例えば、最大値の90%)に達したか否かを監視することで飽和を監視してもよい。そして、監視判定回路41は、AC増幅回路35の出力信号が飽和状態(飽和した状態もしくは飽和に近い状態)でなければローレベル、飽和状態であればハイレベルとなる信号を出力する。あるいは、監視判定回路41は、AC増幅回路35の出力信号が飽和状態となった時にハイレベルとなり、一定時間、飽和状態でなければローレベルに戻る信号を出力してもよい。異常診断回路40は、監視判定回路41の出力信号を診断信号DIAGとして出力する。
図8は、角速度信号VOと診断信号DIAGの波形の一例を示す図である。図8の例では、時刻tより前は、診断信号DIAGがローレベル(正常な状態であることを示す電圧レベル)であり、MCU2は、角速度信号VOを用いて各種の処理を行う。時刻t
においてAC増幅回路35の出力信号が飽和状態となって診断信号DIAGがハイレベル(異常な状態であることを示す電圧レベル)となり、MCU2は、時刻t〜tにおいて角速度信号VOを用いた各種の処理を停止する。時刻tにおいて、AC増幅回路35の出力信号の飽和状態ではなくなって診断信号DIAGがローレベルとなり、MCU2は、角速度信号VOを用いた各種の処理を再開する。
本実施形態では、検出回路30は、AC増幅回路35よりも後段にローパスフィルター38を有し、このローパスフィルター38の出力遅延が比較的大きいため、角速度信号VOが異常な信号となる少し前に診断信号DIAGがローレベルからハイレベルに変化する。そのため、MCU2は、診断信号DIAGがハイレベルになった時刻t以降、角速度信号VOを用いた各種の処理を停止することで誤った処理を回避することができる。一方、角速度信号VOが正常な信号に戻る前に、診断信号DIAGがハイレベルからローレベルに変化するため、MCU2は、診断信号DIAGがローレベルに戻った時刻tから一定時間(角速度信号VOと診断信号DIAGの遅延差よりも長い時間)が経過した時刻t以降、角速度信号VOを用いた各種の処理を再開することで誤った処理を回避することができる。
[効果]
以上に説明したように、第1実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、物理量検出素子100にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がAC増幅回路35による信号の増幅によって増大するので、AC増幅回路35の出力信号の大きさ(例えば、飽和)を監視することにより、角速度信号VOが誤っているか否かを診断することができる。従って、MCU2は、診断信号DIAGに基づいて角速度信号VOが誤った信号であることを認識することができるので、角速度信号VOを用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。特に、第1実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、物理量検出素子100に比較的高い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合にも、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がAC増幅回路35による信号の増幅によって増大するので、AC増幅回路35の出力信号の大きさを監視することにより、角速度信号VOが誤っているか否かを診断することができる。
また、第1実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、AC増幅回路35よりも後段にあるローパスフィルター38の出力遅延が比較的大きいため、誤った角速度信号VOに先立って角速度信号VOが誤っていることを示す診断信号DIAGを出力することができる。従って、MCU2は、診断信号DIAGによって事前に角速度信号VOが誤った信号であることを認識することができるので、角速度信号VOを用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。
1−2.第2実施形態
第2実施形態の物理量検出装置1は、第1実施形態と同様、物理量検出素子100と物理量検出用回路200を含んで構成されており、物理量検出用回路200は、第1実施形態と同様、基準電圧回路10、駆動回路20、検出回路30、異常診断回路40及び記憶部50を含んで構成されている。ただし、第2実施形態の物理量検出装置1では、異常診断回路40の構成が第1実施形態と異なる。
図9は、第2施形態の物理量検出装置1における検出回路30及び異常診断回路40の構成例を示す図である。以下では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と重複する説明を省略する。
図9に示すように、検出回路30の構成は図6と同様である。
異常診断回路40は、監視判定回路41、監視判定回路42及び論理和回路44を含んで構成されている。監視判定回路41は、第1実施形態と同様、AC増幅回路35よりも後段にある回路に入力される信号(AC増幅回路35の出力信号)の大きさ(飽和)を監視する回路である。
監視判定回路42は、DC増幅回路37よりも後段にある回路に入力される信号(DC増幅回路37の出力信号)の大きさを監視する回路である。例えば、監視判定回路42は、DC増幅回路37の出力信号が所定の閾値よりも高いか低いかを監視してもよい。本実施形態では、監視判定回路42は、DC増幅回路37よりも後段にある回路に入力される信号(DC増幅回路37の出力信号)の飽和を監視する。例えば、監視判定回路42は、DC増幅回路37の出力電圧が出力レンジの最大値に達したか否かを監視し、あるいは、出力レンジの最大値よりも少し低い値(例えば、最大値の90%)に達したか否かを監視することで飽和を監視してもよい。そして、監視判定回路42は、DC増幅回路37の出力信号が飽和状態(飽和した状態もしくは飽和に近い状態)でなければローレベル、飽和状態であればハイレベルとなる信号を出力する。あるいは、監視判定回路42は、DC増幅回路37の出力信号が飽和状態となった時にハイレベルとなり、一定時間、飽和状態でなければローレベルに戻る信号を出力してもよい。
論理和回路44は、監視判定回路41からの信号及び監視判定回路42からの信号が入力され、これらの信号の論理和信号を出力する。すなわち、論理和回路44は、監視判定回路41の出力信号及び監視判定回路42の出力信号がともにローレベル(飽和状態でないことを示す電圧レベル)の時はローレベルとなり、監視判定回路41の出力信号及び監視判定回路42の出力信号の少なくとも1つがハイレベル(飽和状態であることを示す電圧レベル)の時はハイレベルとなる信号を出力する。異常診断回路40は、論理和回路44の出力信号を診断信号DIAGとして出力する。
本実施形態でも、診断信号DIAGは、ローレベルの時に正常な状態を示し、ハイレベルの時に異常な状態を示すものとして、物理量検出用回路200のDOUT端子を介して、MCU2に出力される。
また、検出回路30は、AC増幅回路35及びDC増幅回路37よりも後段に、出力遅延が比較的大きいローパスフィルター38を有するため、角速度信号VOが異常な信号となる少し前に診断信号DIAGがローレベルからハイレベルに変化する。そのため、MCU2は、診断信号DIAGがハイレベルになった以降、角速度信号VOを用いた各種の処理を停止することで誤った処理を回避することができる。一方、角速度信号VOが正常な信号に戻る前に、診断信号DIAGがハイレベルからローレベルに変化するため、MCU2は、診断信号DIAGがローレベルに戻ってから一定時間(角速度信号VOと診断信号DIAGの遅延差よりも長い時間)が経過した後、角速度信号VOを用いた各種の処理を再開することで誤った処理を回避することができる。
この第2実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、物理量検出素子100にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がAC増幅回路35及びDC増幅回路37の少なくとも一方による信号の増幅によって増大するので、AC増幅回路35の出力信号の大きさ(例えば、飽和)及びDC増幅回路37の出力信号の大きさ(例えば、飽和)を監視することにより、角速度信号VOが誤っているか否かを診断することができる。従って、MCU2は、診断信号DIAGに基づいて角速度信号VOが誤った信号であることを認識することができるので、角速度信号VOを用いた誤った
処理を行うおそれを低減させることができる。特に、第2実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、物理量検出素子100に比較的高い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合には、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がAC増幅回路35による信号の増幅によって増大し、物理量検出素子100に比較的低い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合には、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がDC増幅回路37による信号の増幅によって増大するので、角速度信号VOが誤っているか否かをより確実に診断することができる。
また、第2実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、AC増幅回路35及びDC増幅回路37よりも後段にあるローパスフィルター38の出力遅延が比較的大きいため、誤った角速度信号VOに先立って角速度信号VOが誤っていることを示す診断信号DIAGを出力することができる。従って、MCU2は、診断信号DIAGによって事前に角速度信号VOが誤った信号であることを認識することができるので、角速度信号VOを用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。
1−3.第3実施形態
第3実施形態の物理量検出装置1は、第1実施形態及び第2実施形態と同様、物理量検出素子100と物理量検出用回路200を含んで構成されており、物理量検出用回路200は、第1実施形態及び第2実施形態と同様、基準電圧回路10、駆動回路20、検出回路30、異常診断回路40及び記憶部50を含んで構成されている。ただし、第3実施形態の物理量検出装置1では、異常診断回路40の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
図10は、第3形態の物理量検出装置1における検出回路30及び異常診断回路40の構成例を示す図である。以下では、第1施形態又は第2実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、第1実施形態又は第2実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態又は第2実施形態と重複する説明を省略する。
図10に示すように、検出回路30の構成は図6と同様である。
異常診断回路40は、監視判定回路41、監視判定回路42、監視判定回路43及び論理和回路44を含んで構成されている。監視判定回路41は、第1実施形態と同様、AC増幅回路35よりも後段にある回路に入力される信号(AC増幅回路35の出力信号)の大きさ(飽和)を監視する回路である。また、監視判定回路42は、第2実施形態と同様、DC増幅回路37よりも後段にある回路に入力される信号(DC増幅回路37の出力信号)の大きさ(飽和)を監視する回路である。
監視判定回路43は、差動増幅回路33よりも後段にある回路に入力される信号(差動増幅回路33の出力信号)の大きさを監視する回路である。例えば、監視判定回路43は、差動増幅回路33の出力信号が所定の閾値よりも高いか低いかを監視してもよい。本実施形態では、監視判定回路43は、差動増幅回路33よりも後段にある回路に入力される信号(差動増幅回路33の出力信号)の飽和を監視する。例えば、監視判定回路43は、差動増幅回路33の出力電圧が出力レンジの最大値に達したか否かを監視し、あるいは、出力レンジの最大値よりも少し低い値(例えば、最大値の90%)に達したか否かを監視することで飽和を監視してもよい。そして、監視判定回路43は、差動増幅回路33の出力信号が飽和状態(飽和した状態もしくは飽和に近い状態)でなければローレベル、飽和状態であればハイレベルとなる信号を出力する。あるいは、監視判定回路43は、差動増幅回路33の出力信号が飽和状態となった時にハイレベルとなり、一定時間、飽和状態でなければローレベルに戻る信号を出力してもよい。
論理和回路44は、監視判定回路41からの信号、監視判定回路42からの信号及び監視判定回路43からの信号が入力され、これらの信号の論理和信号を出力する。すなわち、論理和回路44は、監視判定回路41の出力信号、監視判定回路42の出力信号及び監視判定回路43の出力信号がともにローレベル(飽和状態でないことを示す電圧レベル)の時はローレベルとなり、監視判定回路41の出力信号、監視判定回路42の出力信号及び監視判定回路43の出力信号の少なくとも1つがハイレベル(飽和状態であることを示す電圧レベル)の時はハイレベルとなる信号を出力する。異常診断回路40は、論理和回路44の出力信号を診断信号DIAGとして出力する。
本実施形態でも、診断信号DIAGは、ローレベルの時に正常な状態を示し、ハイレベルの時に異常な状態を示すものとして、物理量検出用回路200のDOUT端子を介して、MCU2に出力される。
また、検出回路30は、差動増幅回路33、AC増幅回路35及びDC増幅回路37よりも後段に、出力遅延が比較的大きいローパスフィルター38を有するため、角速度信号VOが異常な信号となる少し前に診断信号DIAGがローレベルからハイレベルに変化する。そのため、MCU2は、診断信号DIAGがハイレベルになった以降、角速度信号VOを用いた各種の処理を停止することで誤った処理を回避することができる。一方、角速度信号VOが正常な信号に戻る前に、診断信号DIAGがハイレベルからローレベルに変化するため、MCU2は、診断信号DIAGがローレベルに戻ってから一定時間(角速度信号VOと診断信号DIAGの遅延差よりも長い時間)が経過した後、角速度信号VOを用いた各種の処理を再開することで誤った処理を回避することができる。
この第2実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、物理量検出素子100にその固有周波数に近い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合に、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号が差動増幅回路33、AC増幅回路35及びDC増幅回路37の少なくとも1つによる信号の増幅によって増大するので、差動増幅回路33の出力信号の大きさ(例えば、飽和)、AC増幅回路35の出力信号の大きさ(例えば、飽和)及びDC増幅回路37の出力信号の大きさ(例えば、飽和)を監視することにより、角速度信号VOが誤っているか否かを診断することができる。従って、MCU2は、診断信号DIAGに基づいて角速度信号VOが誤った信号であることを認識することができるので、角速度信号VOを用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。
特に、第2実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、物理量検出素子100に比較的高い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合には、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がAC増幅回路35による信号の増幅によって増大し、物理量検出素子100に比較的低い周波数の振動を生じさせるような衝撃が加わった場合には、当該衝撃によって物理量検出素子100の出力信号に重畳される信号がDC増幅回路37による信号の増幅によって増大するので、角速度信号VOが誤っているか否かをより確実に診断することができる。
また、第2実施形態の物理量検出装置1(物理量検出用回路200)によれば、差動増幅回路33、AC増幅回路35及びDC増幅回路37よりも後段にあるローパスフィルター38の出力遅延が比較的大きいため、誤った角速度信号VOに先立って角速度信号VOが誤っていることを示す診断信号DIAGを出力することができる。従って、MCU2は、診断信号DIAGによって事前に角速度信号VOが誤った信号であることを認識することができるので、角速度信号VOを用いた誤った処理を行うおそれを低減させることができる。
2.電子機器
図11は、電子機器の一例である横滑り防止装置の機能ブロック図である。図11に示す横滑り防止装置300は、角速度センサー310、加速度センサー320、車速センサー330、舵角センサー340、制御装置(MCU)350及びブレーキ装置360を含んで構成されており、例えば、不図示の車両に取り付けられる。
制御装置(MCU)350は、角速度センサー310の出力信号(車両の角速度の情報)、加速度センサー320の出力信号(車両の加速度の情報)、車速センサー330の出力信号(車両の速度の情報)及び舵角センサー340(車両のハンドルもしくはタイヤの角度の情報)を取得し、車両の姿勢を保持するようにブレーキ装置360を制御する。
例えば、角速度センサー310として、例えば上述した各実施形態の物理量検出装置1を適用し、あるいは、角速度センサー310に含まれる角速度検出用回路312として、例えば上述した各実施形態の物理量検出用回路200を適用することにより、制御装置(MCU)350が誤った処理を行うおそれを低減させ、信頼性の高い横滑り防止装置300を実現することができる。
なお、例えば、加速度センサー320として、上述した各実施形態の物理量検出装置1を適用し、あるいは、加速度センサー320に含まれる加速度検出用回路(不図示)として、上述した各実施形態の物理量検出用回路200を適用することもできる。
上述した各実施形態の物理量検出装置1あるいは物理量検出用回路200を適用可能な電子機器としては、横滑り防止装置300以外にも種々の電子機器が考えられ、例えば、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、スマートフォンや携帯電話機などの移動体端末、ディジタルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、エアーバッグ制御装置、リアルタイムクロック装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
3.移動体
図12は、本実施形態の移動体の一例を示す図(上面図)である。図12に示す移動体400は、物理量検出装置410,420,430、コントローラー440,450,460、バッテリー470、ナビゲーション装置480を含んで構成されている。なお、本実施形態の移動体は、図12の構成要素(各部)の一部を省略し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
物理量検出装置410,420,430、コントローラー440,450,460、ナビゲーション装置480は、バッテリー470から供給される電源電圧で動作する。
コントローラー440,450,460は、それぞれ、物理量検出装置410,420,430が出力する物理量信号の一部又は全部を用いて、姿勢制御システム、横転防止シ
ステム、ブレーキシステム、エアーバッグシステム等の各種の制御を行う。
ナビゲーション装置480は、内蔵のGPS受信機(不図示)の出力情報に基づき、移動体400の位置や時刻その他の各種の情報をディスプレイに表示する。また、ナビゲーション装置480は、物理量検出装置490を内蔵しており、GPSの電波が届かない時でも物理量検出装置490の出力信号に基づいて移動体400の位置や向きの計算を行い、必要な情報の表示を継続する。
物理量検出装置410,420,430,490は、検出した物理量に応じたレベルの信号(物理量信号)を出力する装置であり、それぞれ、例えば、角速度センサー、加速度センサー、速度センサー、傾斜計等である。
例えば、物理量検出装置410,420,430,490として、上述した各実施形態の物理量検出装置1を適用し、あるいは、物理量検出装置410,420,430,490に含まれる物理量検出用回路(不図示)として、上述した各実施形態の物理量検出用回路200を適用することにより、コントローラー440,450,460あるいはナビゲーション装置480が誤った処理を行うおそれを低減させ、信頼性の高い移動体を実現することができる。
このような移動体400としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した第2実施形態(図9)において、異常診断回路40から監視判定回路41及び論理和回路44を削除し、監視判定回路42の出力信号を診断信号DIAGとしてもよい。また、例えば、上述した第3実施形態(図9)において、異常診断回路40から監視判定回路41及び監視判定回路42のいずれか一方を削除してもよいし、異常診断回路40から監視判定回路41、監視判定回路42及び論理和回路44を削除し、監視判定回路43の出力信号を診断信号DIAGとしてもよい。
また、上述した各実施形態では、角速度を検出する物理量検出素子100を含む角速度検出装置を例に挙げて説明したが、本発明は、種々の物理量を検出する物理量検出素子を含む物理量検出装置にも適用することができる。物理量検出素子が検出する物理量は、角速度に限らず、角加速度、加速度、速度、力などであってもよい。また、物理量検出素子の振動片は、ダブルT型でなくてもよく、例えば、音叉型やくし歯型であってもよいし、三角柱、四角柱、円柱状等の形状の音片型であってもよい。また、物理量検出素子の振動片の材料としては、水晶(SiO2)の代わりに、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスなどの圧電性材料を用いてもよいし、シリコン半導体を用いてもよい。また、例えば、シリコン半導体の表面の一部に、駆動電極に挟まれた酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)等の圧電薄膜を配置した構造であってもよい。また、物理量検出素子は、圧電型の素子に限らず、動電型、静電容量型、渦電流型、光学型、ひずみゲージ型等の振動式の素子であってもよい。あるいは、物理量検出素子の方式は、振動式に限らず、例えば、光学式、回転式、流体式であってもよい。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 物理量検出装置、2 MCU、10 基準電圧回路、20 駆動回路、21 帰還発振用回路、21 I/V変換回路(電流電圧変換回路)、22 ハイパスフィルター、23 コンパレーター、24 全波整流回路、25 積分器、26 コンパレーター、30
検出回路、31,32 チャージアンプ、33 差動増幅回路、34 ハイパスフィルター、35 AC増幅回路、36 同期検波回路、37 DC増幅回路、38 ローパスフィルター、39 出力バッファー、40 異常診断回路、41,42,43 監視判定回路、44 論理和回路、50 記憶部、100 物理量検出素子、101a〜101b
駆動振動腕、102 検出振動腕、103 錘部、104a〜104b 駆動用基部、105a〜105b 連結腕、106 錘部、107 検出用基部、112〜113 駆動電極、114〜115 検出電極、116 共通電極、300 横滑り防止装置、310 角速度センサー、312 角速度検出用回路、320 加速度センサー、330 車速センサー、340 舵角センサー、350 制御装置(MCU)、360 ブレーキ装置、400 移動体、410,420,430 物理量検出装置、440,450,460 コントローラー、470 バッテリー、480 ナビゲーション装置、490 物理量検出装置

Claims (10)

  1. 物理量検出素子からの信号が入力され、検出信号を出力する検出回路と、
    異常診断回路と、を備え、
    前記検出回路は、少なくとも1つの増幅回路を有し、
    前記異常診断回路は、前記増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する監視判定回路を有する、物理量検出用回路。
  2. 前記監視判定回路は、前記増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の飽和を監視する、請求項1に記載の物理量検出用回路。
  3. 前記増幅回路の1つは、AC増幅回路である、請求項1又は2に記載の物理量検出用回路。
  4. 前記増幅回路の1つは、DC増幅回路である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物理量検出用回路。
  5. 前記検出回路は、前記増幅回路よりも後段にローパスフィルターを有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物理量検出用回路。
  6. 前記異常診断回路は、
    複数の前記増幅回路と、前記複数の増幅回路のそれぞれよりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する複数の前記監視判定回路と、を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の物理量検出用回路。
  7. 前記異常診断回路は、前記複数の監視判定回路からの信号が入力される論理和回路を有する、請求項6に記載の物理量検出用回路。
  8. 物理量検出素子と、
    前記物理量検出素子を駆動する駆動回路と、
    前記物理量検出素子からの信号が入力され、検出信号を出力する検出回路と、
    異常診断回路と、を備え、
    前記検出回路は、少なくとも1つの増幅回路を有し、
    前記異常診断回路は、前記増幅回路よりも後段にある回路に入力される信号の大きさを監視する監視判定回路を有する、物理量検出装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の物理量検出用回路を備えている、電子機器。
  10. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の物理量検出用回路を備えている、移動体。
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