JP2016183749A - バルブ用アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温流体が流れる場合にも耐性を発揮し、流体の封止に必要な推力と復帰動作とを確保しつつ、限られたスペースに集積化されて設置されたバルブに搭載できるコンパクトなバルブ用アクチュエータを提供する。【解決手段】ケーシング2内のピストン3と耐熱性のベローズ4で構成した密閉空間S内にエアを導入してピストン3の移動に伴って弁体31開閉用のステム5をばね機構6に抗して移動させる。ピストン3の下部に作動体11を設け、作動体11の下面に中心に向かって傾斜する傾斜面40を形成する。作動体11の下面領域Uにカム12を略均等に配置し、カム12は、一端に傾斜面40に転動する転動部41、他端にステム5を移動させる作動部52、カム12を回動させる支点となる軸部53からなる。転動部41と軸部53との間のカム部片51をピストン3の移動方向に沿って略縦方向に向けて配置し、ピストン3が拡径するのを極力抑制する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、半導体製造装置等の集積化された配管系に使用されるバルブに使用され、特に、高温流体が流れる管路で使用されるバルブに適したバルブ用アクチュエータに関する。
近年、半導体製造装置では、半導体素子の高機能化、小型化や高品質化などの要求に伴って、例えば、幅が狭く深さがあるウエハ表面に対して高アスペクト比を発揮して成膜するために、ALD(Atomic Layer Deposition):原子層堆積と呼ばれる成膜技術が用いられることが多い。ALDによると、原子レベルの制御により極薄の成膜が可能にはなるが、チャンバーに供給される反応ガスの温度が200℃を越え、場合によっては300℃以上の高温に達することもある。
そのため、この種の配管系で用いられるバルブ用のアクチュエータでは、駆動部のシール部にフッ素ゴム系のOリングを使用することが難しく、高温耐性を向上するために、金属材料のみで構成される蛇腹状のベローズを使用したピストン構造の駆動部が採用されることが多い。この場合、所定のスペースに集積化して設置したバルブの弁体を、流路と交差方向に往復動させて弁閉時に確実に弁座に密着させるためには、アクチュエータによりステムの推力を高める必要がある。このため、通常、集積バルブ用のアクチュエータには、推力拡大機構が内蔵されている。
推力拡大機構を有するアクチュエータとして、例えば、特許文献1の制御器や特許文献2のアクチュエータが開示されている。これらのアクチュエータでは、空気圧によりピストンを移動させ、このピストンの移動を複数のカムを介して推力を拡大しながら、スプリングに抗して弁体開閉用のステムに伝達するようになっている。
これらの場合、略水平方向に配置されたカムが、その中間付近でピンにより回動可能に支持され、このカムの外側端部がピストンの下面側に当接され、内側端部がステムの上部側に係合されている。ベローズに接続されたピストンが上下方向に往復動すると、この昇降動は、略水平方向に配置されたカムにより、てこの原理で増幅されてステムに伝達される。
特許第4300345号公報 特許第3067977号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のアクチュエータにおいては、ピストンの動作を略水平方向に配置したカムを介して所定の推力まで拡大しているため、アクチュエータの直径方向に、力点となるピストンとローラとの当接位置から支点となるピンまでの距離を確保する必要が生じる。これを確保するためにはカムの全長が大きくなり、その結果、アクチュエータの直径が、例えば60mmを越える大きいサイズになることもある。そのため、このアクチュエータを、例えば集積用ブロックなどの限られたスペースに集積化されたバルブに搭載できない可能性がある。
これに対して、仮に、この構造のアクチュエータのベローズを小径化して全体の外径を小さくしようとすると、ピストンの有効面積も減ることでバルブの開閉動作に必要な推力が得られないおそれがある。この推力不足を補うためにはカム比を変えることが考えられるが、この場合、ピンからローラまでの距離が延長するために、結果的にアクチュエータが大径化することになる。さらに、カム比に反比例してピストン及びベローズを復帰させるためのスプリング力が減衰して伝達されるため、これらの復帰力が不足する可能性もある。
また、ピストンを小径化しつつ推力を補強するものとして、多段ピストン構造があるが、ベローズを設けるとその内径が狭くなるために、複雑な構造の多段ピストン構造をベローズ構造の内部に設けることは難しい。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、高温流体が流れる場合にも耐性を発揮し、流体の封止に必要な推力と復帰動作とを確保しつつ、限られたスペースに集積化されて設置されたバルブに搭載できるコンパクトなバルブ用アクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ケーシング内に設けたピストンと耐熱性のベローズで構成した密閉空間内にエアを導入してピストンの移動に伴って弁体開閉用のステムをばね機構に抗して移動させるバルブ用アクチュエータであって、ピストンの下部にピストンと連動する作動体を設け、この作動体の下面には中心に向かって傾斜する傾斜面を形成すると共に、作動体の下面領域にカムを略均等に配置し、このカムは、一端には傾斜面に転動する転動部と、他端にはステムを移動させる作動部と、カムを回動させる支点となる軸部とからなり、カムの転動部と軸部との間のカム部片をピストンの移動方向に沿って略縦方向に向けて配置して、ピストンが拡径するのを極力抑制するようにしたバルブ用アクチュエータである。
請求項2に係る発明は、傾斜面は、作動体の下面に均等に形成した転動溝の傾斜面としたバルブ用アクチュエータである。
請求項3に係る発明は、作動体の上面中央位置に形成した嵌合部に、ピストンに設けた突条ガイド部を嵌合して推力方向をガイドしたバルブ用アクチュエータである。
請求項4に係る発明は、ケーシングのカムの下部に軸部支承用のカムフランジを設け、このカムフランジの傾斜面との対向位置に軸部を嵌め込んで抜け出しを防止する固定溝を設けたバルブ用アクチュエータである。
請求項5に係る発明は、カムの軸部をカムフランジに回動自在に軸装し、このカムフランジをケーシング内に固定したバルブ用アクチュエータである。
請求項6に係る発明は、カムフランジと作動体との間に補助スプリングを介在させ、又はベローズの内部に補助スプリングを設けたバルブ用アクチュエータである。
請求項7に係る発明は、ステムの上部にピストンの底面に当接可能な当接部を設け、この当接部をピストンの下死点側でこのピストンに当接させてカムのケーシング側への回転動作を規制したバルブ用アクチュエータである。
請求項1に係る発明によると、ピストンと耐熱性のベローズによる密閉空間内にエアを導入してピストンの移動に伴ってステムをばね機構に抗して移動させるようにした構造により、全体を金属製で設けて高温流体が流れる場合にも優れた耐性を発揮できる。下面に傾斜面を有する作動体をピストンの下部に連動して設け、この作動体の下面領域に転動部、作動部、軸部を有するカムを略均等に配置し、このカムのカム部片をピストンの移動方向に沿って略縦方向に配置してピストンの拡径を極力抑制していることで、カムの軸部を中心とした回転動作を傾斜面を介してステムの昇降移動に高効率で変換しつつ、ピストンを小径化してアクチュエータの直径を抑えることが可能になる。これにより、流体の封止に必要な推力と確実な復帰動作とを確保しつつ、集積用ブロック等の限られた設置スペースに集積化されたバルブにもコンパクト性を維持しながら搭載できる。
請求項2に係る発明によると、作動体の下面に転動溝を均等に形成することにより、この転動溝によりバルブの開閉動作方向に各カムの動きを制限しつつ、これら複数のカムを転動溝を介して均等に動作させ、作動部から均等な力を加えてステムを上下移動できる。これにより、回転や軸振れを防止しながらステムをスムーズに動作させてバルブ制御を高精度におこなって弁閉時のシール性を確保できる。
請求項3に係る発明によると、作動体の嵌合部にピストンの突条ガイド部を嵌合して推力方向をガイドすることにより、作動体のずれや傾きを防止し、ピストンの昇降動作を正確に作動体に伝達できる。そのため、作動体を軸方向に移動させてカムを均等に動作させ、ステムをスムーズに移動して正確にバルブ制御できる。
請求項4に係る発明によると、カムフランジの固定溝にカムの軸部を嵌め込むことで、作動体の傾斜面の位置に対応させながら容易かつ正確に取付けでき、作動体とステムから荷重を受けて組立て後のカムの固定溝からの抜け出しを防止できる。
請求項5に係る発明によると、作動体の昇降動時には、その傾斜面に沿って転動部が転動してカムが軸部を中心に回転し、この回転を作動部からステムに伝達できる。カムフランジをケーシングに固定したことにより、軸装したカムの作動体に対する相対的な上下移動を防ぎ、作動体の昇降動に比例して正確にカムを動作させてバルブ操作できる。
請求項6に係る発明によると、エアの排気時に補助スプリングにより作動体をエア供給時とは逆方向に動作させ、確実に元の状態まで復帰させることができる。
請求項7に係る発明によると、当接部の下死点側でのピストンへの当接により、ピストンの過剰な下降を防ぎ、このピストンに連動する作動体によるケーシング側へのカムの回動を規制してこのカムのケーシングへの不用意な接触や衝突、ステムの必要以上の上昇を防止できる。
本発明におけるバルブ用アクチュエータの実施形態を示す縦断面図である。 図1のバルブ用アクチュエータの弁閉状態を示す断面図である。 作動体を示す一部省略斜視図である。 カムと作動体の装着状態を示す概略斜視図である。 カムの取付け状態を示す一部省略斜視図である。 (a)はカムの側面図である。(b)はカムの正面図である。 カムフランジを示す斜視図である。 カムの取付け状態を示す一部省略斜視図である。 ベローズ位置と荷重との関係を示すグラフである。 図2の一部拡大断面図である。
以下に、本発明におけるバルブ用アクチュエータの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1においては、本発明のバルブ用アクチュエータの弁開状態、図2においては、バルブ用アクチュエータの弁閉状態を示している。
図において、バルブ用アクチュエータ(以下、アクチュエータ本体1という)は、ケーシング2、ピストン3、ベローズ4、ステム5、ばね機構6を有し、バルブ10の上部に搭載される。アクチュエータ本体1の内部には、作動体11、カム12、カムフランジ13、補助スプリング14が設けられる。
アクチュエータ本体1において、ケーシング2は、上部ケーシング15と下部ケーシング16とからなり、これらが螺着されて一体に設けられる。
上部ケーシング15は、略円筒状に形成され、上部側に円板状のキャップ17、ベローズ4、ピストン3が収納され、この上部ケーシング15の下部側と下部ケーシング16との間に、作動体11、カム12が挟み込まれるように収納される。上部ケーシング15の内周中央付近には環状縮径部18が形成され、この環状縮径部18に作動体11の上面が当接することで、作動体11の上昇が所定の位置に規制される。上部ケーシング15の内周下部付近には環状係止部19が形成されている。
上部ケーシング15の上端開口側には、螺着部20を介してキャップ17が取付けられる。キャップ17には、ベローズ4を介してピストン3が溶接により一体に取付けられ、これらピストン3、ベローズ4、キャップ17内には、密閉空間Sが設けられている。これにより、ユニット化されたピストン3、ベローズ4、キャップ17が上部ケーシング15に一体化されてケーシング2内に密閉空間Sが構成される。キャップ17の中央には継手21が設けられ、この継手21に設けられた給排気孔22を介して密閉空間S内にエアが給排気される。給排気孔22には、図示しないチューブが接続され、このチューブ径は、例えば約φ3.18mmに設けられる。
下部ケーシング16は、略円筒状に形成され、内部にスプリング23、リテーナ部材24を有するばね機構6が装着可能に設けられる。下部ケーシング16(ケーシング2)の内部中央にはステム挿入用の貫通穴25が形成され、この貫通穴25に対して、ステム5が上下動可能に設けられる。
ピストン3は、略円板状に形成され、その中央には略円柱状の突条ガイド部30が突設形成される。このピストン3は、図1において、給排気孔22からのエアの導入によりケーシング2内を昇降動方向に移動し、この移動に伴ってステム5が連動し、ばね機構6に抗して、後述するバルブ10のダイヤフラムからなる弁体31を動作可能に下降するように設けられる。
ステム5の上部には、作動体11をガイドするためのガイド軸5aが設けられ、このガイド軸5aの上部には、ピストン3の底面に当接可能な当接部26が設けられる。当接部26は、ピストン3の下死点側でこのピストン3に当接可能になっており、これにより、カム12のケーシング2側への回転動作が規制される。ガイド軸5aの下部には、カム12を受けるためのフランジ部5bが十分な強度により形成され、さらにステム5の下部付近には、下部ケーシング16に形成された当接面16aに当接可能な割リング32が嵌め込みにより固着される。ステム5の底面には、例えば25mmのアール面5cが形成される。
ステム5は、ケーシング2内を昇降動可能に設けられ、このステム5のアール面5c側には、後述するバルブ10のダイヤフラムピース33が配置され、このダイヤフラムピース33の下部には、弁体31、シート34が配設される。ステム5は、弁体31からの合成反力を受けて摺動して摩耗しやすいため、例えば、剛性の高いSUS440系の材料により形成され、図示しないが、表面には硬質クロムメッキが施されている。シートは、例えば、樹脂材料により形成されるが、後述のボデー70と一体に成形されたメタルシートであってもよい。
図1、図2において、ばね機構6は、前述のスプリング23、リテーナ部材24、割リング32を有し、これらは下部ケーシング16内に装着される。スプリング23には、使用する流体の圧力がダイヤフラム31に掛かっている状態、かつ、エアの排気状態で、ダイヤフラム31を押し下げてシールする力が必要になる。この力は、ダイヤフラム31を流体が押し上げる力、ダイヤフラム31がシート34に弁座シールするときに必要な荷重、ダイヤフラム31の反力、ベローズ4が真空時に発生させる膨張力、その他に想定されるロスを合成した反力よりも大きくなるように設定される。これらの合成反力は、例えば824Nになり、これ以上の力が発揮可能になるようにスプリング23のセット時の荷重を1010N、たわみ時の荷重を1260Nに設定することが望ましく、このたわみ時の荷重1260Nがステム5を持ち上げるための力となる。
ばね機構6のうち、スプリング23は、高荷重を発揮しつつコンパクト化するために、皿ばねにより設けられ、その材質は、例えば300℃でも使用可能なSUS304−CSPからなり、へたりを考慮した上で形成される。皿ばねを設ける場合、例えば、マージンを+10%、へたり等による能力低下を仮に100Nとすると、設計値としての合成反力は824N×1.1+100N≒1010Nとなり、この場合にはダイヤフラム(弁体31)の開閉量が1.5mmの範囲となる。
リテーナ部材24は、皿ばね23と割リング32との間に設けられる。リテーナ部材24を介して、皿ばね23の弾発力が割リング32によりステム5に伝達されてステム5が駆動される。
ベローズ4は、例えば、使用温度300℃の耐熱性を有する金属材料により伸縮可能に設けられ、一般的な圧縮ばねと同様に、圧縮されたときに元の状態に戻ろうとする力を発揮可能に設けられる。この反力の大きさは、バネ定数と圧縮量により所定の値に適宜設定される。密閉空間S内にエアを給排気した場合、ベローズ4の伸縮によりピストン3がケーシング2内を移動する。その際、ベローズ4の外径がケーシング2の内径よりもやや小さく設けられていることで、ピストン3移動時のケーシング2内周への接触が防止されている。ベローズ4は、例えば、材質:AM350、外径:φ32mm、内径φ19mm、駆動長:33〜40mm(ストローク7mm)、ばね定数:8.2N/mm、発生荷重:圧縮時57.4N〜セット時8N、有効面積:5.73cmにより設けられる。
前記したピストン3の下部には、このピストン3と連動する図3の作動体11が設けられ、この作動体11によりベローズ4で移動するピストン3の推力がカム12に伝達され、このカム12が開閉動作される。作動体11の下面には、中心に向かって傾斜する傾斜面40が形成され、この傾斜面40に後述するカム12の転動部41が当接可能に設けられている。
傾斜面40は、作動体11の下面に均等に形成された転動溝36の傾斜面として設けられ、3箇所に等間隔に配置される。傾斜面40は転動部41が転動可能に設けられ、この傾斜面40の側部には側壁42が形成される。これによって、転動部41は、側面が側壁42にガイドされつつ傾斜面40を転動するため、作動体11は、回転が抑制されつつ、カム12の回転によりケーシング2内を昇降動する。側壁42により、転動溝36からの転動部41の抜けも防がれる。
図2において、傾斜面40の傾斜角度θを設定する場合、ベローズ4(作動体11、ピストン3)の動作量Y>カム開閉量Xとし、その傾斜率を1より小とした場合には、図2から図1の状態まで作動体11、ピストン3が下降してバルブ10が開動作するときに、カム12が回転しやすくなる。しかし、逆の動作である図1から図2のバルブ10の閉動作のときには、傾斜率の逆数が働くことでカム12が回転しにくくなり、さらに、ステム5の下降により作動体11が上昇するときにはカム12の倍率の逆数が作用することで、作動体11、ピストン3がスムーズに上昇しにくくなる。
このため、ベローズの動作量Y<カム開閉量Xの関係となるように傾斜角度θを設定することが望ましく、本実施形態では、カム開閉量X÷ベローズ動作量Yである傾斜率を1.2(逆数0.83)とし、傾斜面40の傾斜角度θを50.27°に設定した。カム開閉量Xに対するベローズ動作量Yを、リニアの関係に近づけて傾斜角度θを設定することもでき、さらには、傾斜面を曲面状に形成すれば、よりリニアに近づけることもできる。
図3に示すように、傾斜面40の間には、3箇所の有底穴43が等間隔に形成され、各有底穴43に、図4、図5に示すコイルスプリングからなる補助スプリング14が位置決め状態で挿入可能に設けられる。図3において、作動体11の適宜位置には、上下方向に貫通する貫通孔44が形成され、この貫通孔44によりケーシング2内の作動体11の上下側の気圧差の発生を防ぎ、作動体11の昇降動がスムーズとなる。
作動体11の中心にはガイド軸5aを挿入可能なガイド穴45が設けられ、このガイド穴45に嵌め込まれたガイド軸5a、及び上部ケーシング15の内径面でそれぞれガイドされることにより、作動体11の昇降動時の位置精度が高められる。
図1において、ガイド穴45の上部の上面中央位置には円形凹状の嵌合部50が形成され、この嵌合部50に前述した突条ガイド部30が嵌合されて、作動体11の移動が推力方向にガイドされる。
図1、図4、図5に示すように、作動体11の下面領域Uにはカム12が略均等に配置される。図6(a)、図6(b)において、カム12は、略L字状のカム部材51を有し、このカム部材51の一端に前記傾斜面40に転動する転動部41、他端にはステム5を昇降方向に移動させるための作動部52、これら転動部41と作動部52との間にはカム部材51を転動させる支点となる軸部53とがそれぞれローラにより設けられる。カム部材51において、転動部41と軸部53との間には、長尺状のカム部片54が形成されている。
このように、略L字状のカム12は、図1において、転動部41が作動体11側、作動部52、軸部53が作動体11よりも下方に位置するカムフランジ13側にそれぞれ配置されるように取付けられ、転動部41に作動体11からの推力を受ける力点A、軸部53の中心に支点B、作動部52からステム5に力が作用する作用点Cが設けられる。カム部片54は、ピストン3の移動方向に沿って略縦方向に向けて配置され、ピストン3が拡径するのが極力抑制されている。
カム12は、作動体11の昇降動により、てこの原理でピストン3の推力を増幅してステム5に伝達する機能を有し、作動体11の昇降動と反転する方向にステムが動作するように伝達される。すなわち、図1に示すように、ベローズ4が伸長しつつピストン3、作動体11が下降したときには、カム12を介してステム5が上昇し、一方、図2に示すように、ベローズ4が収縮しつつピストン3、作動体11が上昇したときには、カム12を介してステム5が下降する。
上記カム12は、特に、摩耗と機械的ストレスにさらされる部品であるため、例えば、ローラ41、52、53が、高強度で接触耐性の強いC1720B(ベリリウム銅)を材料として設けられ、カム部材51が、強度の高いSUS440系を材料として設けられる。転動部41、作動部52、軸部53は、本実施形態においては、カム倍率が4.7倍程度になるような位置関係に設定される。
カム12の下部には、図5に示した軸部支承用のカムフランジ13が設けられる。カムフランジ13は、主にカム12を保持し、上部の部品の土台として設けられる。このカムフランジ13において、傾斜面40との対向位置には固定溝60が設けられ、この固定溝60に軸部53の両側が矢印に示すように嵌め込まれる。これにより、カム12がカムフランジ13に軸部53で回動自在に軸装される。図8に示した軸部53の嵌め込み後には、図1において、転動部41に傾斜面40が当接し、作動部52がフランジ部5bに係合した状態で、作動体11とステム5とによりカム5に上方側から荷重が加わるため、このカム5の抜け出しが防止される。
この場合、固定溝60は、軸部53が嵌め込まれ、カム12が回転動作するときに上方向や横方向から強い荷重を受けるため、十分な強度を発揮するように設けられる。
図7に示すカムフランジ13において、有底穴43との対向位置には有底の保持穴61が設けられ、この保持穴61に図4、図5に示すように補助スプリング14が載置され、カムフランジ13と作動体11の有底穴43との間に位置決め状態で介在される。補助スプリング14は3箇所に設けられ、図2のエアの排気状態において、この補助スプリング14により作動体11が水平保持されつつ押し上げられ、ベローズ4が収縮された状態になってこの状態が維持される。この場合、例えば、3つの補助スプリング14のセット時の荷重の合計を15N、たわみ時の荷重を29.4Nとするとよい。
補助スプリング14は、カムフランジ13と作動体11との間に装着される以外にも、ベローズ4の内部に設けられていてもよい。
カムフランジ13の中心には、図7に示すようにステム挿入用の連通穴62が設けられ、この連通穴62によりステム5がガイドされて昇降動する。カムフランジ13の外周には環状段部63が形成され、この環状段部63よりも下部には環状の載置面64が設けられる。図1、図2に示すように、カムフランジ13は、載置面64が下部ケーシング16上部の端面16bに載置されつつ、環状段部63がケーシング2の環状係止部19に係合することで、上下に位置決めされつつケーシング2内に固定される。
ガイド軸5aがガイド穴45に挿入され、かつ、ステム5が連通穴62に挿入されていることで、ステム5の動作が軸線上に維持される。これにより、前述したように軸部53を固定溝60に嵌め込むようにすれば、補助スプリング14の両端部を保持穴61、有底穴43に固定する必要がなく、作動体11とカムフランジ13との回転を防止するガイド等をこれらに設ける必要もない。
続いて、前述した皿ばね23と補助スプリング14とを設けるときのばね力について説明する。
先ず、エアの排気時に、皿ばね23によってベローズ4が復帰するかを確認する。ベローズ4を常に押し上げようとする復帰力をFrとすると、この復帰力Frは、皿ばね23の余剰能力がカム12と作動体11とに伝達して影響を及ぼす力に関係し、次式で表される。
復帰力Fr=(皿ばねの荷重−合成反力)×カム倍率×作動体の傾斜率
この復帰力Frは、弁閉状態であっても常にベローズ4に対して発生している荷重であり、補助スプリング14が必要か否かの判断材料となる。
上記の式に対して、前述した皿ばねの荷重として、セット時(弁閉時)の荷重1010N又はたわみ時(弁開時)の荷重1260N、合成反力824N、セット時のカム倍率1/5.77又はたわみ時のカム倍率1/4.79、セット時の作動体11の傾斜率1.37×1.2又はたわみ時の作動体11の傾斜率0.6×1.2をそれぞれ代入すると、図9に示したベローズ位置と荷重との関係を示すグラフにおいて、図2のベローズ4の上限位置7mm、すなわち弁閉状態では、復帰力Frupが最小となり、すなわち、
復帰力Frup=(1010−824)×(1/5.77)×(1.37×1.2)=53Nとなる。
一方、図1のベローズ4の下限位置0mm、すなわち弁開状態では、復帰力Frdownが最大となり、すなわち、
復帰力Frdown=(1260−824)×(1/4.79)×(0.6×1.2)=65.5Nとなる。
上記の弁閉時又は弁開時における各フォロワ傾斜率は、図1において、傾斜面40に対する支点Bから力点Aまでの直線がなす角度をθrとしたときに、この角度θrの傾斜比率tanθrを係数として乗したものである。図1の弁開時では、角度θr=30.97°であるため、傾斜率tanθr=tan30.97°≒0.6とし、一方、図2の弁閉時では、角度θr=54.07°であるため、傾斜率tanθr=tan54.07≒1.38とした。なお、エア排気時には、カム12から作動体11に力が伝達され、エア給気時には、作動体11からカム12に力が伝達される。
図9においては、ベローズ4が0mmから7mmまでのストローク範囲で拡縮する場合の皿ばね23による押し上げ力、ベローズ4が拡縮するときのベローズばね力、及びこれらの合成力をそれぞれ示している。
図9において、ベローズ4の上昇に伴って皿ばね23の復帰力(押し上げ力)Frが小さくなると、この復帰力Frに反比例してベローズ抗力が大きくなる。一方、ベローズ4の下降に伴って皿ばね23の押し上げ力Frが大きくなると、この押し上げ力Frに反比例してベローズ抗力が小さくなる。
図に示した押し上げ力とベローズ抗力の合成力の荷重において、正の側では押し上げ力がベローズ抗力よりも大きいことから、ベローズ4が皿ばね23により持ち上げられ、負の側では押し上げ力がベローズ抗力よりも小さいことから、ベローズ4が有するばね力により下方に伸長しようとする力が大きくなる。
すなわち、グラフのエアの排気時に合成力がゼロとなる位置では、ベローズ4が下方に伸長しようとする力と下からの力が釣り合った状態になり、負の側ではベローズ4が完全に上昇できないことになる。これを防ぐために、補助スプリング14のばね力を適正に調整する。
補助スプリング14のセット時のばね力の荷重を設定する場合、ベローズ4の上昇状態をセット長さとし、このときに必要となる能力を必要最低荷重F3として、圧縮が大きくなったときにもこの荷重F3が大きくなり過ぎないように選定する。必要最低荷重F3は、次の式により表される。
必要最低荷重F3={(ベローズ上昇位置の反力)−(皿ばねの最小の復帰力Frup)+作動体他の重量}÷設置スプリングの本数={(ばね定数8.2×7mm+初期荷重8.1)−53+2}÷3=4.8Nとなり、1本当たり4.8Nの力を発揮する補助スプリング14を3本使用すれば、この補助スプリング14によりエアの排気時にベローズ4を所定位置まで上昇させることができる。
次いで、給排気孔22からエアを供給する場合、このエア供給によりステム5を上昇させて弁開するときに必要な能力を検証する。
供給エア圧力を0.4MPaとすると、弁開動作直後のステム上昇最小荷重Fminは、次の式により求められる。
ステム上昇最小荷重Fmin=(ベローズ推力−抗力(補助スプリングのセット荷重))×弁閉時のカムの倍率×弁閉時の作動体の傾斜率
この式に、例えば、エア供給圧力0.4MPa時のベローズ推力202.8N、抗力5.0N×3、弁閉時のカムの倍率5.77、弁閉時の作動体の傾斜率0.72×0.83を代入すると、
ステム上昇最小荷重Fmin=(202.8−5.0×3)×5.77×(0.72×0.83)≒650.7Nとなる。
一方、全開時のステム上昇最大荷重Fmaxは、次の式により求められる。
ステム上昇最大荷重Fmax=(ベローズ推力−抗力(補助スプリングの合成たわみ荷重))×弁開時のカムの倍率×弁開時の作動体の傾斜率
この式に、例えば、エア供給圧力0.4MPa時のベローズ推力202.8N、抗力9.8N×3、弁閉時のカムの倍率4.79、弁閉時の作動体の傾斜率1.66×0.83を代入すると、
ステム上昇最大荷重Fmax=(202.8−9.8×3)×4.79×(1.66×0.83)≒1144.4Nとなる。なお、何れの式の場合にも、作動体の傾斜率を、1/tanθr×0.83とした。
上記のステム上昇最大荷重Fmax1144.4Nと、前述したたわみ時の合成反力の荷重1260Nとを比較した場合、合成反力の荷重のほうが大きくなっているため、エア給排気時のステム5の昇降動作が難しくなっている。
そこで、ステム5を確実に昇降動作させるために、必要なエア供給圧力を求める。表1においては、エア供給圧力0.4MPaの場合と同様に、エア供給圧力0.5MPa、エア供給圧力0.7MPaについて、ステム上昇最小荷重Fmin、ステム上昇最大荷重Fmaxをそれぞれ求めたものである。ベローズ推力は、ベローズ4の有効面積より算出した。表における抗力は、3つの補助スプリングのたわみ時の荷重の合計とする。
Figure 2016183749
表1の結果より、エア供給圧力が0.5MPaのときには、ステム上昇最大荷重Fmaxが1479.0Nとなり、この値がたわみ時の合成反力の荷重1260Nよりも大きくなる。このように、たわみ時の合成反力の荷重よりも、ステム上昇最大荷重Fmaxが大きくなるようにエア供給圧力を設定すれば、確実にステムを上昇させて弁開動作させることができ、具体的には、エア供給圧力0.5MPa以上であれば弁開動作に支障がなく、スムーズにステムを上昇させることができる。
図1、図2において、上述したアクチュエータ本体1が搭載されるバルブ10は集積ブロック75に集積化されながら搭載される。バルブ10のボデー70内には、耐熱性を有するSUS304等のステンレス合金からなるダイヤフラムピース33、金属製ダイヤフラムからなる弁体31、この弁体31がシールするポリイミド材料からなるシート34が設けられ、これらによりダイヤフラム構造に設けられる。バルブ10の上部側には、アクチュエータ本体1のケーシング2の下部に螺着可能な内ねじ、或は外ねじ方式の螺子部71が設けられ、この螺子部71のねじ込みにより図示しないシール部材を介してアクチュエータ本体1に接続される。ダイヤフラムピース33は、耐熱性を有するポリイミド材料で形成されていたり、或は、例えば、下部をポリイミド材料、上部をSUS304とし、これら異種材料を組み合わせて形成されていてもよい。
アクチュエータ本体1のステム5が昇降動すると、ダイヤフラムピース33を介して推力が弁体31に伝達され、この弁体31がシート34(或はボデー70とメタルシートが成形されている場合にはメタルシート)に接離してバルブ10内の流路72が開閉可能に設けられる。バルブ10は、例えば、サイズ1/2インチ、使用温度300℃、アクチュエータ直径(ベローズ内径)φ38mm(内部有効面積5.73cm)に接続可能に設けられ、使用圧力0.98MPa、常温時のCv値が0.6以上の性能で設けられる。
なお、上記実施形態におけるアクチュエータ本体1は、バルブ10に搭載したときに、このバルブ10が通常時(エアの非供給時)に弁閉状態となり、エアの供給時に弁開状態となる、いわゆるノーマルクローズタイプとしているが、通常時(エアの非供給時)に弁開状態となり、エア供給時に弁閉状態となるノーマルオープンタイプとして設けることもできる。
次いで、本発明のバルブ用アクチュエータの上記実施形態における動作並びに作用を述べる。
図2のバルブの弁閉状態において、給排気孔22よりエアを供給すると、ピストン3、ベローズ4、キャップ17により構成された密閉空間S内にエアが導入され、このエアの圧力によりベローズ4が図において下方に伸長し、ピストン3が下降する。このとき、ベローズ4の外径がケーシング内径よりも小さいことからケーシング2への接触を防止し、ピストン3がスムーズに動作するため、ベローズ4が傷付いたり破損したりするおそれもない。
ピストン3が下降すると、この下降により作動体11が連動して一体に下降する。このとき、ピストン3の突条ガイド部30が作動体11の嵌合部50に嵌合しているため、ピストン3により作動体11を推力方向にガイドし、これらが上下方向に正確に芯出ししながら昇降動する。これにより、作動体11の傾きを防ぎ、この作動体11の各傾斜面40を3つのカム12の転動部41にそれぞれ均等に当接させながら動作する。
図2において、作動体11が下降すると、この作動体11の下面に形成した転動溝36の傾斜面40に転動部41がガイドされ、図1、図4(a)に示すように、転動部41側が広がる方向にカム12が軸部53を中心に回転し、この軸部53を中心に作動部52も回転し、この作動部52を介して、てこの原理により増幅された力をステム5に伝達できる。この場合、側壁42で転動部41をガイドすることで、カム12が振れることなく傾斜面40に沿ってスムーズに回転する。
図10において、作動体11に垂直方向の力Tが加わると、この力Tは、傾斜面40から力点Aにおいて角度αの方向でカム12の一端の転動部41に働く。このとき転動部41に働く力は、Tcosαによって表され、この力Tcosαは、カムの力点A´において支点Bである軸部53を中心に回転半径Rによりトルクとして伝達される。これにより、カム12は左回転し、このときのトルクTcosα・Rは、作用点Cである他端の作動部52からフランジ部5bに加わり、作動体11が左回転することによりフランジ部5bを上方に押し上げてステム5が上方に移動する。
このように、カム12を略L字形に形成し、このカム12の転動部41と軸部53との間のカム部片54をピストン3の移動方向に沿って略縦方向に向けて配置していることで、カム12の力点A、支点B、作用点Cを略縦方向に配置し、転動部41の左右方向の移動量を少なくしてピストン3が拡径するのを極力抑制するようにしている。そのため、アクチュエータ本体1の直径をコンパクト化でき、例えば、φ38mm程度の直径に抑えることで、限られたスペースの集積用のバルブ10に搭載することも可能になる。
しかも、カム部片54により力点Aから支点Bまでの距離を確保していることで、回転半径Rを大きくして力Tcosαを大きいトルクに変換し、このトルクTcosα・Rによりステム5の推力を拡大していることで、ベローズ4の有効面積の縮小によりベローズ推力が小さくなる場合でも、エア供給圧力を高く設定することなく、作動体11、カム12を介してステム5に十分な推力を伝達できる。このとき、上述したように作動体下面の傾斜面40に転動部41を転動させていることで、作動体11の上下移動を狭い直径内でカム12の回転運動に変換してステム5の推力に高効率で変換できる。
さらに、カム部片51をより長く設けるようにすれば、同じアクチュエータ直径で回転半径Rをより長くしてカム12の比率を大きくできるため、ステム5の推力を向上できる。一方、傾斜面40をより急勾配に設けて傾斜角度θを小さくすることで、力Tcosαを作動体11の移動方向の力Tの方向に近づけることができるため、ステム5の推力を向上できる。これらの回転半径R(力点Aから支点Bまでの距離)、傾斜角度θの大きさに加えて、支点Bから作用点Cまでの距離を適宜設定することにより、エアの圧力によりステム5を上昇させて弁体31を開状態にすることができる。
エア供給によりステム5が上昇する際には、図1の弁開時において、ピストン3の下死点側でこのピストン3にステム5の当接部26が当接し、カム12のケーシング2側への回転動作を規制することで弁体31を最大開度状態に保持し、このときに、カム12が過剰に回転してケーシング2の内周に接触したり衝突することを防止する。
図1の弁開状態から給排気孔22よりエアを排気すると、上記の弁開動作とは逆の動作により、図2において皿ばね23の弾発力でカム12が支点Bを中心に右回転し、ステム5が下降して弁閉状態となり、図4(b)に示すように、転動部41が傾斜面40を転動して作動体11が上昇しようとする。この場合、エア供給時の推力を拡大するときの増幅力とは反比例する減衰された力がカム12を介して作動体11に伝わるため、この作動体11を上昇させるための力が不足するおそれがある。
これを解消するために、カムフランジ13と作動体11との間に補助スプリング14を介在させており、この補助スプリング14の弾発力でカムフランジ13、ピストン3を上昇させてベローズ4を所定の状態まで収縮できる。これにより、作動体11を上昇させる際に生じるカム12の減衰した力を補うために皿ばね23のバネ定数を過剰に高く設定する必要もなく、効率の高いカム構造の設計をおこなうことができる。皿ばね23の弾発力により弁閉時に作動体11を所定の位置まで上昇可能であれば、補助スプリング14をベローズ4の内部に設けることもできる。
1 アクチュエータ本体
2 ケーシング
3 ピストン
4 ベローズ
5 ステム
6 ばね機構
10 バルブ
11 作動体
12 カム
13 カムフランジ
14 補助スプリング
26 当接部
30 突条ガイド部
31 弁体
36 転動溝
40 傾斜面
41 転動部
50 嵌合部
51 カム部片
52 作動部
53 軸部
60 固定溝
S 密閉空間
U 下面領域

Claims (7)

  1. ケーシング内に設けたピストンと耐熱性のベローズで構成した密閉空間内にエアを導入してピストンの移動に伴って弁体開閉用のステムをばね機構に抗して移動させるバルブ用アクチュエータであって、前記ピストンの下部にピストンと連動する作動体を設け、この作動体の下面には中心に向かって傾斜する傾斜面を形成すると共に、前記作動体の下面領域にカムを略均等に配置し、このカムは、一端には前記傾斜面に転動する転動部と、他端には前記ステムを移動させる作動部と、前記カムを回動させる支点となる軸部とからなり、前記カムの転動部と軸部との間のカム部片を前記ピストンの移動方向に沿って略縦方向に向けて配置して、前記ピストンが拡径するのを極力抑制するようにしたことを特徴とするバルブ用アクチュエータ。
  2. 前記傾斜面は、前記作動体の下面に均等に形成した転動溝の傾斜面とした請求項1に記載のバルブ用アクチュエータ。
  3. 前記作動体の上面中央位置に形成した嵌合部に、前記ピストンに設けた突条ガイド部を嵌合して推力方向をガイドした請求項1又は2に記載のバルブ用アクチュエータ。
  4. 前記ケーシングの前記カムの下部に前記軸部支承用のカムフランジを設け、このカムフランジの前記傾斜面との対向位置に前記軸部を嵌め込んで抜け出しを防止する固定溝を設けた請求項1乃至3の何れか1項に記載のバルブ用アクチュエータ。
  5. 前記カムの軸部を前記カムフランジに回動自在に軸装し、このカムフランジを前記ケーシング内に固定した請求項4に記載のバルブ用アクチュエータ。
  6. 前記カムフランジと前記作動体との間に補助スプリングを介在させ、又は前記ベローズの内部に補助スプリングを設けた請求項5に記載のバルブ用アクチュエータ。
  7. 前記ステムの上部に前記ピストンの底面に当接可能な当接部を設け、この当接部を前記ピストンの下死点側でこのピストンに当接させて前記カムの前記ケーシング側への回転動作を規制した請求項1乃至6の何れか1項に記載のバルブ用アクチュエータ。
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