JP2016183395A - 金属複合材料およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用して性能に優れる金属複合材料を製造する方法を提供する。【解決手段】吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体から吸着水を除去する工程と、吸着水を除去した成形体にめっき処理を施す工程とを含む、金属複合材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、金属複合材料および金属複合材料の製造方法に関し、特には、めっき処理可能な金属と、繊維状炭素ナノ構造体の成形体とが複合化された金属複合材料およびその製造方法に関するものである。
金属、なかでも銅は、導電性が高く、圧延性にも優れるため、配線、電線等の導電材料として広く活用されている。
一方、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)などの繊維状炭素ナノ構造体は、導電性、熱伝導性、摺動特性、機械特性等に優れるため、幅広い用途への応用が検討されている。
そこで、近年、繊維状炭素ナノ構造体の優れた特性を活かし、銅をはじめとした金属と繊維状炭素ナノ構造体とを複合化することで、導電性および熱伝導性をより一層向上させた金属複合材料を提供する技術の開発が進められている。
しかしながら、金属と繊維状炭素ナノ構造体とでは、材料間の比重差が大きいため、上記金属複合材料の調製には、複合化が非常に難しいという点に問題があった。
そこで、上記問題を解決するための方法として、例えば、特許文献1には、微細炭素繊維をめっき液中に混入させ、そのめっき液によりめっき皮膜を形成することで、金属と微細炭素繊維とを良好に複合化させる技術が提案されている。具体的には、特許文献1には、めっき可能な金属イオンと、分散剤としてのポリアクリル酸と、CNTとを含有する電解めっき液を使用することで、金属と微細炭素繊維とが良好に複合化されためっき皮膜(金属複合材料)を有する電子部品などを製造する技術が提案されている。
特開2004−156074号公報
しかし、繊維状炭素ナノ構造体は、凝集し易く、めっき液中に高濃度で分散させることが困難である。そのため、繊維状炭素ナノ構造体を分散させためっき液を用いて金属複合材料を形成する上記特許文献1の技術では、大量の繊維状炭素ナノ構造体を金属複合材料中に混在させることができず、金属複合材料の性能(例えば、導電性および熱伝導性)を十分に向上させることができなかった。
このような問題に対し、本発明者は、鋭意検討を重ね、複数本の繊維状炭素ナノ構造体を集合させてなる成形体にめっき皮膜を形成することにより、繊維状炭素ナノ構造体の含有量を増加させた高性能の金属複合材料を形成することに着想した。そして、本発明者は、様々な繊維状炭素ナノ構造体を用いて成形体および当該成形体にめっき皮膜を形成してなる金属複合材料を調製することを試みた。
しかし、本発明者が更に検討を重ねたところ、導電性や熱伝導性などの物性に優れる繊維状炭素ナノ構造体、特には吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用して形成した成形体では、めっき皮膜を良好に形成することができず、性能に優れる金属複合材料を得ることができない場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用して性能に優れる金属複合材料を製造する方法および性能に優れる金属複合材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。そして、本発明者は、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体はその表面等に吸着した水分(以下、「吸着水」と称する。)が脱離し難く、当該繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体は吸着水の量が多くなるために、めっき皮膜中にボイドなどが発生し、良好なめっき皮膜の形成が困難になることを見出した。そこで、本発明者は更に検討を重ね、成形体から吸着水を除去した後にめっき皮膜を形成すれば、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用した場合であっても成形体にめっき皮膜を良好に形成し、性能に優れる金属複合材料を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の金属複合材料の製造方法は、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体から吸着水を除去する工程と、前記吸着水を除去した成形体にめっき処理を施す工程とを含むことを特徴とする。このように、成形体から吸着水を除去する工程を設ければ、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用した場合であっても成形体にめっき皮膜を良好に形成し、性能に優れる金属複合材料を製造することができる。
ここで、本発明の金属複合材料の製造方法は、前記吸着水の除去を、前記成形体にマイクロ波および赤外線の少なくとも一方を照射して行うことが好ましい。マイクロ波および赤外線の少なくとも一方を用いて吸着水の除去を行えば、成形体から吸着水を十分に除去し、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
また、本発明の金属複合材料の製造方法は、前記t−プロットの屈曲点が、0.2≦t(nm)≦1.5の範囲にあることが好ましい。t−プロットの屈曲点が0.2≦t(nm)≦1.5の範囲にある繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
更に、本発明の金属複合材料の製造方法は、前記t−プロットから得られる全比表面積S1および内部比表面積S2が、0.05≦S2/S1≦0.30を満たすことが好ましい。全比表面積S1および内部比表面積S2が0.05≦S2/S1≦0.30を満たす繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
そして、本発明の金属複合材料の製造方法は、溶媒中に前記繊維状炭素ナノ構造体および分散剤を添加してなる粗分散液をキャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理に供し、繊維状炭素ナノ構造体分散液を得る工程と、前記繊維状炭素ナノ構造体分散液から溶媒を除去して炭素膜を得る工程とを更に含み、前記成形体として前記炭素膜を使用することが好ましい。粗分散液に対してキャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理を施して得られる繊維状炭素ナノ構造体分散液を使用して形成した炭素膜を用いれば、性能に優れる膜状の金属複合材料を容易に製造することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の金属複合材料は、上述した金属複合材料の製造方法の何れかにより得たものであることを特徴とする。上述した金属複合材料の製造方法を用いれば、導電性や熱伝導性などの性能に優れる金属複合材料が得られる。
本発明によれば、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用して性能に優れる金属複合材料を製造することができる。
また、本発明によれば、導電性や熱伝導性などの性能に優れる金属複合材料が得られる。
表面に細孔を有する試料のt−プロットの一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の金属複合材料の製造方法は、繊維状炭素ナノ構造体を使用して形成した成形体と金属とを複合化し、金属複合材料を製造する方法である。そして、本発明の金属複合材料の製造方法は、本発明の金属複合材料の製造に用いられる。
(金属複合材料の製造方法)
本発明の金属複合材料の製造方法では、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体と、金属とを複合化してなる金属複合材料を、めっき法を利用して形成する。そして、本発明の金属複合材料の製造方法は、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体から吸着水を除去する工程(吸着水除去工程)と、吸着水除去工程で吸着水を除去した成形体にめっき処理を施す工程(めっき工程)とを含むことを大きな特徴の一つとする。
ここで、本発明の金属複合材料の製造方法では、導電性や熱伝導性などの性能に優れる金属複合材料を製造する観点から、導電性や熱伝導性などに優れる、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体を使用する。
しかし、本発明者の研究によれば、t−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体では、めっき法を利用して金属と複合化しようとした際に、成形体に金属からなるめっき皮膜を良好に形成することができず、性能に優れる金属複合材料を得ることができない場合がある。この理由は、明らかではないが、t−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体は、多数の開口を有しているため優れた物性を示す一方で、開口部には一般に多数の極性基が存在しているために吸着水が脱離し難く、めっき皮膜を良好に形成することができないからであると推察される。
これに対し、本発明の金属複合材料の製造方法では、吸着水除去工程を実施した後にめっき工程を実施しているので、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体にめっき皮膜を良好に形成し、成形体と金属とを良好に複合化することができる。その結果、導電性や熱伝導性などの性能に優れる金属複合材料が得られる。
<吸着水除去工程>
吸着水除去工程では、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体から吸着水を除去し、吸着水が除去された、めっき皮膜を良好に形成し得る成形体を調製する。
[繊維状炭素ナノ構造体]
ここで、成形体の形成に使用する繊維状炭素ナノ構造体としては、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示すものであれば、特に限定されることなく、例えば、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、t−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体としては、カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることが好ましい。カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
そして、カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、カーボンナノチューブ(CNT)のみからなるものを用いてもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物を用いてもよい。
なお、カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTの開口処理が施されておらず、t−プロットが上に凸な形状を示すことがより好ましい。
ここで、一般に、吸着とは、ガス分子が気相から固体表面に取り去られる現象であり、その原因から、物理吸着と化学吸着に分類される。そして、t−プロットの取得に用いられる窒素ガス吸着法では、物理吸着を利用する。なお、通常、吸着温度が一定であれば、繊維状炭素ナノ構造体に吸着する窒素ガス分子の数は、圧力が大きいほど多くなる。また、横軸に相対圧(吸着平衡状態の圧力Pと飽和蒸気圧P0の比)、縦軸に窒素ガス吸着量をプロットしたものを「等温線」といい、圧力を増加させながら窒素ガス吸着量を測定した場合を「吸着等温線」、圧力を減少させながら窒素ガス吸着量を測定した場合を「脱着等温線」という。
そして、t−プロットは、窒素ガス吸着法により測定された吸着等温線において、相対圧を窒素ガス吸着層の平均厚みt(nm)に変換することにより得られる。即ち、窒素ガス吸着層の平均厚みtを相対圧P/P0に対してプロットした、既知の標準等温線から、相対圧に対応する窒素ガス吸着層の平均厚みtを求めて上記変換を行うことにより、繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットが得られる(de Boerらによるt−プロット法)。
ここで、表面に細孔を有する試料の典型的なt−プロットを図1に示す。表面に細孔を有する試料では、窒素ガス吸着層の成長は、次の(1)〜(3)の過程に分類される。そして、下記の(1)〜(3)の過程によって、図1に示すようにt−プロットの傾きに変化が生じる。
(1)全表面への窒素分子の単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程
そして、本発明で用いる繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットは、図1に示すように、窒素ガス吸着層の平均厚みtが小さい領域では、原点を通る直線上にプロットが位置するのに対し、tが大きくなると、プロットが当該直線から下にずれた位置となり、上に凸な形状を示す。かかるt−プロットの形状は、繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積に対する内部比表面積の割合が大きく、繊維状炭素ナノ構造体を構成する炭素ナノ構造体に多数の開口が形成されていることを示しており、その結果として、繊維状炭素ナノ構造体は、優れた特性を発揮する一方で吸着水が脱離し難くなると推察される。
なお、繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットの屈曲点は、0.2≦t(nm)≦1.5を満たす範囲にあることが好ましく、0.45≦t(nm)≦1.5を満たす範囲にあることがより好ましく、0.55≦t(nm)≦1.0を満たす範囲にあることが更に好ましい。t−プロットの屈曲点の位置が上記範囲であると、繊維状炭素ナノ構造体の特性が更に向上するため、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
ここで、「屈曲点の位置」とは、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。
更に、繊維状炭素ナノ構造体は、t−プロットから得られる全比表面積S1に対する内部比表面積S2の比(S2/S1)が0.05以上0.30以下であるのが好ましい。S2/S1が0.05以上0.30以下であれば、バンドルの形成を十分に抑制しつつ、繊維状炭素ナノ構造体の特性を更に向上させることができるので、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
また、繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積S1および内部比表面積S2は、特に限定されないが、個別には、S1は、600m2/g以上1400m2/g以下であることが好ましく、800m2/g以上1200m2/g以下であることが更に好ましい。一方、S2は、30m2/g以上540m2/g以下であることが好ましい。
ここで、繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積S1および内部比表面積S2は、そのt−プロットから求めることができる。具体的には、図1に示すt−プロットにより説明すると、まず、(1)の過程の近似直線の傾きから全比表面積S1を、(3)の過程の近似直線の傾きから外部比表面積S3を、それぞれ求めることができる。そして、全比表面積S1から外部比表面積S3を差し引くことにより、内部比表面積S2を算出することができる。
因みに、繊維状炭素ナノ構造体の吸着等温線の測定、t−プロットの作成、および、t−プロットの解析に基づく全比表面積S1と内部比表面積S2との算出は、例えば、市販の測定装置である「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用する場合、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
また、繊維状炭素ナノ構造体としては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満の繊維状炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超の繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましく、3σ/Avが0.40超の繊維状炭素ナノ構造体を用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満の繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
なお、「繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)」および「繊維状炭素ナノ構造体の直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られた繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、繊維状炭素ナノ構造体としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、繊維状炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、繊維状炭素ナノ構造体は、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
更に、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)は、2nm以上であることが好ましく、2.5nm以上であることが更に好ましく、10nm以下であることが好ましく、6nm以下であることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が2nm以上10nm以下であれば、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。
また、繊維状炭素ナノ構造体は、合成時における構造体の平均長さが100μm以上であることが好ましい。なお、合成時の構造体の長さが長いほど、分散時に繊維状炭素ナノ構造体に破断や切断などの損傷が発生し易いので、合成時の構造体の平均長さは5000μm以下であることが好ましい。
そして、繊維状炭素ナノ構造体のアスペクト比(長さ/直径)は、10を超えることが好ましい。なお、繊維状炭素ナノ構造体のアスペクト比は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径および長さを測定し、直径と長さとの比(長さ/直径)の平均値を算出することにより求めることができる。
更に、繊維状炭素ナノ構造体は、複数の微小孔を有することが好ましい。繊維状炭素ナノ構造体は、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.40mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。繊維状炭素ナノ構造体が上記のようなマイクロ孔を有することで、製造される金属複合材料の性能を更に向上させることができる。なお、マイクロ孔容積は、例えば、繊維状炭素ナノ構造体の調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、繊維状炭素ナノ構造体の液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
そして、上述した性状を有し、成形体の形成に使用する繊維状炭素ナノ構造体として好適に使用し得るCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行うことで、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
なお、スーパーグロース法により製造した繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTと、導電性を有する非円筒形状の炭素ナノ構造体とから構成されていてもよい。具体的には、繊維状炭素ナノ構造体には、内壁同士が近接または接着したテープ状部分を全長に亘って有する単層または多層の扁平筒状の炭素ナノ構造体(以下、「グラフェンナノテープ(GNT)」と称することがある。)が含まれていてもよい。
ここで、GNTは、その合成時から内壁同士が近接または接着したテープ状部分が全長に亘って形成されており、炭素の六員環ネットワークが扁平筒状に形成された物質であると推定される。そして、GNTの形状が扁平筒状であり、かつ、GNT中に内壁同士が近接または接着したテープ状部分が存在していることは、例えば、GNTとフラーレン(C60)とを石英管に密封し、減圧下で加熱処理(フラーレン挿入処理)して得られるフラーレン挿入GNTを透過型電子顕微鏡(TEM)で観察すると、GNT中にフラーレンが挿入されない部分(テープ状部分)が存在していることから確認することができる。
そして、GNTの形状は、幅方向中央部にテープ状部分を有する形状であることが好ましく、延在方向(軸線方向)に直行する断面の形状が、断面長手方向の両端部近傍における、断面長手方向に直交する方向の最大寸法が、いずれも、断面長手方向の中央部近傍における、断面長手方向に直交する方向の最大寸法よりも大きい形状であることがより好ましく、ダンベル状であることが特に好ましい。
ここで、GNTの断面形状において、「断面長手方向の中央部近傍」とは、断面の長手中心線(断面の長手方向中心を通り、長手方向線に直交する直線)から、断面の長手方向幅の30%以内の領域をいい、「断面長手方向の端部近傍」とは、「断面長手方向の中央部近傍」の長手方向外側の領域をいう。
なお、非円筒形状の炭素ナノ構造体としてGNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、触媒層を表面に有する基材を用いてスーパーグロース法によりCNTを合成する際に、触媒層を表面に有する基材(以下、「触媒基材」と称することがある。)を所定の方法で形成することにより、得ることができる。具体的には、GNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、アルミニウム化合物を含む塗工液Aを基材上に塗布し、塗布した塗工液Aを乾燥して基材上にアルミニウム薄膜(触媒担持層)を形成した後、アルミニウム薄膜の上に、鉄化合物を含む塗工液Bを塗布し、塗布した塗工液Bを温度50℃以下で乾燥してアルミニウム薄膜上に鉄薄膜(触媒層)を形成することで得た触媒基材を用いてスーパーグロース法によりCNTを合成することで得ることができる。
[成形体]
上述した繊維状炭素ナノ構造体を使用して形成した成形体としては、特に限定されることなく、複数本の繊維状炭素ナノ構造体を任意の形状に集合させてなる成形体を用いることができる。具体的には、成形体としては、例えば、複数本の繊維状炭素ナノ構造体を繊維状または糸状に集合させてなる成形体や、複数本の繊維状炭素ナノ構造体を膜状に集合させてなる成形体(炭素膜)を用いることができる。
なお、繊維状炭素ナノ構造体を使用して形成した成形体としては、市販の成形体を用いてもよいが、所望の形状および性状を有する成形体を使用して金属複合材料を得る観点からは、吸着水除去工程の前に、溶媒中に繊維状炭素ナノ構造体を分散させてなる繊維状炭素ナノ構造体分散液を調製する工程(分散液調製工程)と、繊維状炭素ナノ構造体分散液を用いて成形体を形成する工程(成形体形成工程)とを実施して形成した成形体を用いることが好ましい。即ち、本発明の金属複合材料の製造方法は、吸着水除去工程の前に分散液調製工程および成形体形成工程を更に含むことが好ましい。
[[分散液調製工程]]
分散液調製工程では、既知の分散処理方法を使用し、好ましくは分散剤の存在下において、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を溶媒中に分散させ、繊維状炭素ナノ構造体分散液を調製する。中でも、繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させ、分散性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を用いて成形体を良好に形成する観点からは、分散液調製工程では、溶媒中に繊維状炭素ナノ構造体および分散剤を添加してなる粗分散液をキャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理に供し、繊維状炭素ナノ構造体分散液を調製することが好ましい。
−溶媒−
ここで、繊維状炭素ナノ構造体分散液の溶媒(繊維状炭素ナノ構造体の分散媒)としては、特に限定されることなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
−分散剤−
また、繊維状炭素ナノ構造体分散液の調製に用いる分散剤としては、繊維状炭素ナノ構造体を分散可能であり、繊維状炭素ナノ構造体を分散させる溶媒に溶解可能であれば、特に限定されることなく、界面活性剤、合成高分子または天然高分子を用いることができる。
そして、界面活性剤としては、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、合成高分子としては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセタール基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
更に、天然高分子としては、例えば、多糖類であるデンプン、プルラン、デキストラン、デキストリン、グアーガム、キサンタンガム、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、カードラン、キチン、キトサン、セルロース、並びに、その塩または誘導体が挙げられる。
これらの分散剤は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
−粗分散液−
粗分散液は、特に限定されることなく、上述した繊維状炭素ナノ構造体と、上述した分散剤と、上述した溶媒とを既知の方法で混合することにより得ることができる。なお、繊維状炭素ナノ構造体と、分散剤と、溶媒とは任意の順序で混合することができ、例えば、繊維状炭素ナノ構造体と、分散剤と、溶媒とを同時に混合してもよいし、分散剤と溶媒との混合溶液中に繊維状炭素ナノ構造体を添加して混合してもよい。また、粗分散液には、上述した成分以外に、繊維状炭素ナノ構造体分散液および成形体の製造に一般に用いられる添加剤を更に添加してもよい。
−キャビテーション効果が得られる分散処理−
ここで、キャビテーション効果が得られる分散処理は、液体に高エネルギーを付与した際、水に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。この分散方法を用いることにより、繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができる。
そして、キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は一つのみを行なってもよく、複数の分散処理を組み合わせて行なってもよい。より具体的には、例えば超音波ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置が好適に用いられる。これらの装置は従来公知のものを使用すればよい。
繊維状炭素ナノ構造体の分散に超音波ホモジナイザーを用いる場合には、粗分散液に対し、超音波ホモジナイザーにより超音波を照射すればよい。照射する時間は、繊維状炭素ナノ構造体の量等により適宜設定すればよく、例えば、3分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、例えば、出力は20W以上500W以下が好ましく、100W以上500W以下がより好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
また、ジェットミルを用いる場合、処理回数は、繊維状炭素ナノ構造体の量等により適宜設定すればよく、例えば、2回以上が好ましく、100回以下が好ましく、50回以下がより好ましい。また、例えば、圧力は20MPa以上250MPa以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
さらに、高剪断撹拌を用いる場合には、粗分散液に対し、高剪断撹拌装置により撹拌および剪断を加えればよい。旋回速度は速ければ速いほどよい。例えば、運転時間(機械が回転動作をしている時間)は3分以上4時間以下が好ましく、周速は5m/秒以上50m/秒以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
なお、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理は、50℃以下の温度で行なうことがより好ましい。溶媒の揮発による濃度変化が抑制されるからである。
−解砕効果が得られる分散処理−
また、解砕効果が得られる分散処理は、繊維状炭素ナノ構造体を溶媒中に均一に分散できることは勿論、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理に比べ、気泡が消滅する際の衝撃波による繊維状炭素ナノ構造体の損傷を抑制することができる点で有利である。
この解砕効果が得られる分散処理では、粗分散液にせん断力を与えて繊維状炭素ナノ構造体の凝集体を解砕・分散させ、さらに粗分散液に背圧を負荷し、また必要に応じ、粗分散液を冷却することで、気泡の発生を抑制しつつ、繊維状炭素ナノ構造体を溶媒中に均一に分散させることができる。
なお、粗分散液に背圧を負荷する場合、粗分散液に負荷した背圧は、大気圧まで一気に降圧させてもよいが、多段階で降圧することが好ましい。
ここに、粗分散液にせん断力を与えて繊維状炭素ナノ構造体をさらに分散させるには、例えば、以下のような構造の分散器を有する分散システムを用いればよい。
すなわち、分散器は、粗分散液の流入側から流出側に向かって、内径がd1の分散器オリフィスと、内径がd2の分散空間と、内径がd3の終端部と(但し、d2>d3>d1である。)、を順次備える。
そして、この分散器では、流入する高圧(例えば10〜400MPa、好ましくは50〜250MPa)の粗分散液が、分散器オリフィスを通過することで、圧力の低下を伴いつつ、高流速の流体となって分散空間に流入する。その後、分散空間に流入した高流速の粗分散液は、分散空間内を高速で流動し、その際にせん断力を受ける。その結果、粗分散液の流速が低下すると共に、繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散する。そして、終端部から、流入した粗分散液の圧力よりも低い圧力(背圧)の流体が、繊維状炭素ナノ構造体の分散液として流出することになる。
なお、粗分散液の背圧は、粗分散液の流れに負荷をかけることで粗分散液に負荷することができ、例えば、多段降圧器を分散器の下流側に配設することにより、粗分散液に所望の背圧を負荷することができる。
そして、粗分散液の背圧を多段降圧器により多段階で降圧することで、最終的に繊維状炭素ナノ構造体の分散液を大気圧に開放した際に、分散液中に気泡が発生するのを抑制できる。
また、この分散器は、粗分散液を冷却するための熱交換器や冷却液供給機構を備えていてもよい。というのは、分散器でせん断力を与えられて高温になった粗分散液を冷却することにより、粗分散液中で気泡が発生するのをさらに抑制できるからである。
なお、熱交換器等の配設に替えて、粗分散液を予め冷却しておくことでも、繊維状炭素ナノ構造体を含む溶媒中で気泡が発生することを抑制できる。
上記したように、この解砕効果が得られる分散処理では、キャビテーションの発生を抑制できるので、時として懸念されるキャビテーションに起因した繊維状炭素ナノ構造体の損傷、特に、気泡が消滅する際の衝撃波に起因した繊維状炭素ナノ構造体の損傷を抑制することができる。加えて、繊維状炭素ナノ構造体への気泡の付着や、気泡の発生によるエネルギーロスを抑制して、繊維状炭素ナノ構造体を均一かつ効率的に分散させることができる。
以上のような構成を有する分散システムとしては、例えば、製品名「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)などがある。そして、解砕効果が得られる分散処理は、このような分散システムを用い、分散条件を適切に制御することで、実施することができる。
[[成形体形成工程]]
成形体形成工程では、溶媒の除去や凝固等の既知の手法を利用して、繊維状炭素ナノ構造体分散液から成形体を形成する。なお、得られた成形体は、特に限定されることなく、イソプロピルアルコール等のアルコールや、水などを用いて洗浄することができる。また、得られた成形体は、乾燥してもよい。
−繊維状または糸状の成形体の形成−
具体的には、成形体形成工程では、例えば繊維状炭素ナノ構造体分散液を紡糸口金やシリンジなどから凝固液中に押出して紡糸することにより、モノフィラメントまたはマルチフィラメントよりなる繊維状または糸状の成形体を形成することができる。
ここで、凝固液としては、繊維状炭素ナノ構造体分散液中に含まれている溶媒および分散剤を溶解または分散させて繊維状炭素ナノ構造体を繊維状または糸状に集合させることが可能な溶液を用いることができる。具体的には、凝固液としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、水、メタノール、エタノール、プロパノールのいずれか一つを含む溶液を用いることができる。なお、通常、凝固液は、繊維状炭素ナノ構造体分散液の溶媒とは異なるものである。
なお、繊維状炭素ナノ構造体分散液の押出し条件は、所望の成形体の繊維径などに応じて適宜調整することができる。
また、得られた繊維状または糸状の成形体には、特に限定されることなく、洗浄、乾燥および延伸などの処理を施してもよい。
−膜状の成形体(炭素膜)の形成−
また、成形体形成工程では、例えば下記(A)および(B)の何れかの方法を用いて繊維状炭素ナノ構造体分散液から溶媒を除去し、炭素膜を成膜することができる。
(A)繊維状炭素ナノ構造体分散液を成膜基材上に塗布した後、塗布した繊維状炭素ナノ構造体分散液を乾燥させる方法。
(B)多孔質の成膜基材を用いて繊維状炭素ナノ構造体分散液をろ過し、得られたろ過物を乾燥させる方法。
ここで、成膜基材としては、特に限定されることなく、製造する炭素膜の用途に応じて既知の基材を用いることができる。
具体的には、上記方法(A)において繊維状炭素ナノ構造体分散液を塗布する成膜基材としては、樹脂基材、ガラス基材などを挙げることができる。ここで、樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどよりなる基材を挙げることができる。また、ガラス基材としては、通常のソーダガラスよりなる基材を挙げることができる。
また、上記方法(B)において繊維状炭素ナノ構造体分散液をろ過する成膜基材としては、ろ紙や、セルロース、ニトロセルロース、アルミナ等よりなる多孔質シートを挙げることができる。
そして、成膜基材上に形成された炭素膜は、特に限定されることなく、例えばエタノール等のアルコール中で成膜基材から剥離することができる。
また、上記方法(A)において繊維状炭素ナノ構造体分散液を成膜基材上に塗布する方法としては、公知の塗布方法を採用できる。具体的には、塗布方法としては、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法などを用いることができる。
更に、上記方法(B)において成膜基材を用いて繊維状炭素ナノ構造体分散液をろ過する方法としては、公知のろ過方法を採用できる。具体的には、ろ過方法としては、自然ろ過、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心ろ過などを用いることができる。
そして、上記方法(A)において成膜基材上に塗布した繊維状炭素ナノ構造体分散液または上記方法(B)において得られたろ過物を乾燥する方法としては、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、風乾法、熱風乾燥法、真空乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。
上述した中でも、容易かつ迅速に溶媒を除去する観点からは、溶媒除去方法としては、上記方法(B)を用いることが好ましく、ろ過方法として減圧ろ過を採用した上記方法(B)を用いることが更に好ましい。
なお、上述した成形体形成工程において成形体を形成する際に実施する乾燥は、繊維状炭素ナノ構造体を集合させて成形体としてハンドリング可能な状態にするためのものであり、後述する吸着水の除去とは異なるものである。そのため、成形体形成工程において形成される成形体には、通常、0.5質量%以上の水分が含まれている。
ここで、「成形体中の水分量」とは、熱重量測定装置を用いた示差熱−熱重量測定における温度180℃以下の範囲での重量減少量を指す。
[吸着水の除去]
成形体からの吸着水の除去は、特に限定されることなく、真空乾燥、熱風乾燥、誘導加熱、赤外線加熱などを用いて行うことができる。中でも、吸着水を十分に除去する観点からは、加熱により吸着水を除去することが好ましく、成形体へのマイクロ波の照射による誘導加熱および/または成形体への赤外線の照射による赤外線加熱を用いて吸着水を除去することがより好ましい。
そして、吸着水の除去は、後述するめっき工程において成形体上にめっき皮膜を良好に形成する観点からは、成形体中の水分量が0.5質量%未満となるまで行うことが好ましい。また、めっき皮膜を良好に形成する観点からは、吸着水を除去した成形体は、熱重量測定装置を用いた示差熱−熱重量測定において、180℃以下の範囲で重量減少が検出されない(検出下限以下である)ことが好ましい。
なお、マイクロ波の照射による誘導加熱を用いて吸着水を除去する場合には、特に限定されることなく、照射するマイクロ波の周波数は、300MHz以上300GHz以下が好ましく、2.45GHzがより好ましい。また、マイクロ波の照射時間は、例えば1分間以上30分間以下とすることができる。そして、マイクロ波を照射する雰囲気は、例えば窒素雰囲気などの不活性ガス雰囲気とすることができる。
また、赤外線の照射による赤外線加熱を用いて吸着水を除去する場合には、特に限定されることなく、照射する赤外線の波長は1μm以上50μm以下とすることができる。また、赤外線の照射時間は、例えば1分間以上30分間以下とすることができる。そして、赤外線を照射する雰囲気は、例えば窒素雰囲気などの不活性ガス雰囲気とすることができる。
<めっき工程>
上述した吸着水除去工程の後に実施するめっき工程では、吸着水除去工程において吸着水を除去した成形体にめっき処理を施し、t−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体の表面に金属よりなるめっき皮膜を形成して、金属複合材料を得る。
なお、めっき工程では、吸着水を除去した成形体に対してめっき処理を施すので、成形体上にめっき皮膜を良好に形成することができる。
[めっき処理]
成形体のめっき処理は、めっき処理可能な金属のめっき液中に成形体を浸漬して、電解めっきまたは無電解めっきにより行うことができる。なお、電解めっきを用いる場合は、直流めっきに限定されることはなく、電流反転めっき法やパルスめっき法も採用することができる。また、めっき処理条件は、特に限定されず、常法に従えばよい。そして、成形体のめっき処理中は、めっき液の分散状態を維持するため、例えばスターラー等でめっき液を撹拌することが好ましい。
ここで、成形体のめっき処理に用いるめっき液としては、特に限定されることなく、めっき可能な金属イオンと、キレート剤と、めっき液に一般に添加されるその他の添加剤とを含むめっき液を用いることができる。
そして、めっき可能な金属イオンとしては、特に限定されることなく、めっき処理可能な金属のイオン、例えば、銅、ニッケル、錫、白金、クロム、亜鉛のイオンなどが挙げられる。これらの中でも、めっき可能な金属イオンとしては、銅イオンが好ましい。銅は、導電性、熱伝導性および圧延性などに優れており、繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体と複合化させれば、優れた性能(例えば、導電性および熱伝導性)を有する金属複合材料を得ることができるからである。
なお、めっき可能な金属イオンは、特に限定されることなく、例えば硫酸銅五水和物や硫酸ニッケル六水和物などの既知の金属化合物を溶解させることによりめっき液中に導入することができる。また、めっき液中におけるめっき可能な金属イオンの濃度は、特に限定されない。
また、キレート剤としては、上記めっき可能な金属イオンとキレート錯体を形成し得る既知のキレート剤を用いることができる。具体的には、キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、チオ尿素、ロッシェル塩、酒石酸などを使用することができる。
更に、その他の添加剤としては、pH調整剤や光沢剤などの既知の添加剤を使用することができる。
(金属複合材料)
上述した金属複合材料の製造方法を用いて製造された金属複合材料は、t−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体と、当該成形体の表面に形成されためっき皮膜とを備えている。そして、上述した金属複合材料の製造方法を用いて製造された金属複合材料では、金属よりなるめっき皮膜が成形体上に良好に形成されるので、導電性や熱伝導性などの性能を優れたものとすることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
(実施例1)
<繊維状炭素ナノ構造体の調製>
アルミニウム化合物であるアルミニウムトリ−sec−ブトキシド1.9gを有機溶剤としての2−プロパノール100mLに溶解させた。さらに、安定剤としてトリイソプロパノールアミン0.9gを加えて溶解させて、触媒担持層形成用の塗工液Aを調製した。
また、鉄化合物である酢酸鉄174mgを有機溶剤としての2−プロパノール100mLに溶解させた。さらに、安定剤としてトリイソプロパノールアミン190mgを加えて溶解させて、触媒層形成用の塗工液Bを調製した。
基材としてのFe−Cr合金SUS430基板(JFEスチール株式会社製、40mm×100mm、厚さ0.3mm、Cr18%、算術平均粗さRa≒0.59μm)の表面に、室温25℃、相対湿度50%の環境下で、ディップコーティングにより上述の塗工液Aを塗布した。具体的には、基材を塗工液Aに浸漬後、20秒間保持して、10mm/秒の引き上げ速度で基材を引き上げた。その後、5分間風乾し、温度300℃の空気環境下で30分間加熱後、室温まで冷却することにより、基材上に膜厚40nmのアルミナ薄膜(触媒担持層)を形成した。
次いで、室温25℃、相対湿度50%の環境下で、基材に設けられたアルミナ薄膜の上に、ディップコーティングにより上述の塗工液Bを塗布した。具体的には、アルミナ薄膜を備える基材を塗工液Bに浸漬後、20秒間保持して、3mm/秒の引き上げ速度でアルミナ薄膜を備える基材を引き上げた。その後、5分間風乾し、温度300℃の条件下で20分間加熱後、室温まで冷却することにより、膜厚3nmの鉄薄膜(触媒層)を形成した。このようにして、基材の上に、アルミナ薄膜、鉄薄膜をこの順に有してなる触媒基材を得た。
作製した触媒基材を、炉内温度:750℃、炉内圧力:1.02×105Paに保持されたCVD装置の反応炉内に設置し、この反応炉内に、He:100sccmおよびH2:800sccmの混合ガスを10分間導入した。次いで、炉内温度:750℃、炉内圧力:1.02×105Paに保持された状態の反応炉内に、He:850sccm、エチレン:100sccmおよびH2O含有He(相対湿度23%):50sccmの混合ガスを8分間供給した。
その後、反応炉内にHe:1000sccmを供給し、残余の原料ガスおよび触媒賦活物質を排除した。これにより、触媒基材上にCNTよりなる繊維状炭素ナノ構造体の集合物が得られた。そして、作製した繊維状炭素ナノ構造体の集合物を触媒基材から剥離し、CNTよりなる繊維状炭素ナノ構造体を得た。
得られた繊維状炭素ナノ構造体を評価および分析したところ、収量は1.7mg/cm2、G/D比は4.5、炭素純度は99.9%であった。
また、繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットは、上に凸な形状で屈曲していた。そして、屈曲点の位置のtは0.7nmであり、全比表面積S1は1010m2/gであり、内部比表面積S2は120m2/gであり、S2/S1は0.12であった。
<繊維状炭素ナノ構造体分散液の調製>
分散剤としてデオキシコール酸ナトリウム(DOC)を含む濃度2質量%のDOC水溶液500mLに対し、繊維状炭素ナノ構造体としてのCNTを1.0g加え、粗分散液を得た。そして、CNTおよび分散剤を含む粗分散液を、分散時に背圧を負荷する多段圧力制御装置(多段降圧器)を有する高圧ホモジナイザー(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)に充填し、100MPaの圧力で粗分散液の分散処理を行った。具体的には、背圧を負荷しつつ、粗分散液にせん断力を与えてCNTを分散させ、繊維状炭素ナノ構造体分散液としてのCNT分散液を得た。なお、分散処理は、高圧ホモジナイザーから流出した分散液を再び高圧ホモジナイザーに返送しつつ、10分間実施した。
<成形体の調製>
次いで、成膜基材としてのメンブレンフィルターを備えた減圧ろ過装置を用いて、0.09MPaの条件下にてCNT分散液のろ過を実施し、メンブレンフィルター上に炭素膜(CNT膜)を形成した。そして、CNT分散液のろ過終了後、減圧を継続しつつ、イソプロピルアルコールおよび水のそれぞれを通過させることで、メンブレンフィルター上に形成された炭素膜を洗浄し、更に15分間空気を通過させた。その後、得られた炭素膜/メンブレンフィルターの積層体をエタノールに浸漬し、エタノール中で炭素膜をメンブレンフィルターから剥離することにより、成形体としての炭素膜を得た。なお、得られた成形体(炭素膜)中の水分量を、熱重量測定装置を用いて測定したところ、水分量は0.9質量%であった。
<吸着水の除去>
その後、作製した炭素膜に対し、窒素雰囲気下で、周波数2.45GHzのマイクロ波を5分間照射した。なお、マイクロ波を照射した後の炭素膜の水分量を熱重量測定装置にて測定したところ、180℃以下の範囲では重量減少が検出下限以下であった。
<めっき処理>
次いで、めっき可能な金属イオンを与える金属化合物としての硫酸銅五水和物の濃度0.1mol/Lの水溶液と、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩の濃度0.2mol/Lの水溶液とを混合し、その後、水酸化カリウム水溶液を用いて混合液のpHを約12に調整することによって銅めっき液を得た。
その後、表面を活性化処理した銅基板をめっき浴のアノード側に取り付け、めっき浴の温度を50℃に保持し、スターラーを用いて銅めっき液を撹拌速度450rpmで撹拌しながら、吸着水を除去した炭素膜を銅めっき液中に浸漬した。そして、電流密度1Adm-2の条件下、通電量が136.4Cになるように電気めっき処理を行い、炭素膜に銅めっき被膜を形成した。そして、めっき浴から取り出した銅めっき皮膜付き炭素膜を乾燥し、膜状の銅複合材料を得た。
そして、得られた銅複合材料を集束イオンビーム加工観察装置にて加工して電子顕微鏡用試料を作製し、走査型電子顕微鏡にて銅複合材料よりなる電子顕微鏡用試料の表面の状態を観察したところ、ミクロボイドが全く観察されず、炭素膜と銅とが均一に複合化されていることが確認された。
(比較例1)
実施例1と同様にして繊維状炭素ナノ構造体、繊維状炭素ナノ構造体分散液および成形体(炭素膜)を調製した。
その後、マイクロ波の照射による吸着水の除去を実施することなく、マイクロ波を照射していない炭素膜に対して実施例1と同様にしてめっき処理を施し、膜状の比較例銅複合材料を得た。
そして、得られた比較例銅複合材料について、実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡を用いて観察を行ったところ、比較例銅複合材料の表面には直径数μm程度のミクロボイドが観察され、炭素膜と銅との複合化が不均一であることが確認された。
本発明によれば、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を使用して性能に優れる金属複合材料を製造する方法および性能に優れる金属複合材料を提供することができる。

Claims (6)

  1. 吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す繊維状炭素ナノ構造体を用いて形成した成形体から吸着水を除去する工程と、
    前記吸着水を除去した成形体にめっき処理を施す工程と、
    を含む、金属複合材料の製造方法。
  2. 前記吸着水の除去を、前記成形体にマイクロ波および赤外線の少なくとも一方を照射して行う、請求項1に記載の金属複合材料の製造方法。
  3. 前記t−プロットの屈曲点が、0.2≦t(nm)≦1.5の範囲にある、請求項1または2に記載の金属複合材料の製造方法。
  4. 前記t−プロットから得られる全比表面積S1および内部比表面積S2が、0.05≦S2/S1≦0.30を満たす、請求項1〜3の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  5. 溶媒中に前記繊維状炭素ナノ構造体および分散剤を添加してなる粗分散液をキャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理に供し、繊維状炭素ナノ構造体分散液を得る工程と、
    前記繊維状炭素ナノ構造体分散液から溶媒を除去して炭素膜を得る工程と、
    を更に含み、
    前記成形体として前記炭素膜を使用する、請求項1〜4の何れかに記載の金属複合材料の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の金属複合材料の製造方法により得られる、金属複合材料。
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