JP2016182963A - 包装体、及び熱収縮性筒状ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の包装体1は、本体部21と前記本体部21の上面211の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部22とを有する物品2と、前記物品2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を有し、前記熱収縮性筒状ラベル3が、前記物品2の本体部21の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部Aが、前記突出部22の両側部22aに掛かることなく前記本体部21の上面端部に折り曲げられている。
【選択図】 図1
Description
この包装箱の中で、その一部の縁部から板状の吊り下げ用ヘッダー部(突出部)が突出された包装箱も知られている。
特許文献1には、ヘッダー部を有する包装箱を上下に複数を積み重ねた集合物に熱収縮性筒状ラベルを装着することによって、複数の包装箱を結束してなる包装体が開示されている。この包装体においては、熱収縮性筒状ラベルの上端部及び下端部が、集合物の上面端部及び下面端部に折れ曲がって係止されることにより、前記集合物を構成する各包装箱がばらばらにならず、複数の包装箱を結束できる。
しかしながら、この包装体においては、最上段の包装箱のヘッダー部が集合物の上面から上方に突出しているため、その集合物の上面端部に折れ曲がった熱収縮性筒状ラベルの上端部の一部が、ヘッダー部の両側部に邪魔されて上面端部に沿って折れ曲がらず、集合物の上面端部から浮き上がるという問題点がある。
詳しくは、図39に示すように、熱収縮性筒状ラベル30の上端部30Aの一部が、ヘッダー部280に引っかかり、包装箱20(集合物)の上面2110から大きく離れて浮き上がる(浮き上がり部分を矢印で示している)。
このようなPOPラベル290を突出させた包装箱20に前記熱収縮性筒状ラベル30を装着した場合には、図40に示すように、柔軟なPOPラベル290が、熱収縮性筒状ラベル30の上端部30Aの収縮力によって、包装箱20の上面2110に沿って折れ曲がるという問題点がある。
好ましくは、上記第1又は第2の包装体は、前記熱収縮性筒状ラベルの下端部が、前記本体部の下面の一部の縁部を除いて、前記本体部の下面端部に折り曲げられている。
好ましくは、上記第1又は第2の包装体は、前記突出部と前記本体部の周側面が、1枚のシート材から形成されている。
好ましくは、上記第1又は第2の包装体は、前記突出部が、前記本体部の周側面の一部分に貼り付けられたPOPラベルから構成されている。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを筒状に形成した筒状体を有し、
前記筒状体の上縁が、第1上縁と、前記第1上縁よりも上方に突出した第2上縁と、を有する。
本発明の好ましい熱収縮性筒状ラベルは、前記筒状体の下縁が、筒状体の縦方向において前記第1上縁に対応した第1下縁と、筒状体の縦方向において前記第2上縁に対応し且つ前記第1下縁よりも上方に突出した第2下縁と、を有する。
本明細書において、「上」は、物品において突出部が突出された側を指し、「下」は、それとは反対側を指す。さらに、「A〜B」という記載は、A以上B以下を意味する。
各断面図において、各層の大きさ及び厚みは、実際の製品とは異なっていることに留意されたい。
第1実施形態は、1つの物品に熱収縮性筒状ラベルが装着されている包装体に関する。
図1乃至図3に於いて、本実施形態の包装体1は、物品2と、物品2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を有する。物品2は、本体部21と、前記本体部21の上面の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部22と、を有する。この物品2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3は、前記物品2の本体部21の周側面に装着されていると共に、その上端部Aが、前記突出部22の両側部22a,22aに掛かることなく前記本体部21の上面端部に折れ曲がって係止されている。
以下、物品2と熱収縮性筒状ラベル3を個別に説明した後、それらを有する包装体1について具体的に説明する。
熱収縮性筒状ラベル3が装着される物品2は、お菓子などの収納物が入れられた包装箱、収納物が入れられた包装容器、収納物が入れられたブリスター容器、機械部品のような商品そのものなどが挙げられる。
前記包装箱は、シート材を組み立てて箱状に形成した包材であり、前記包装容器は、射出成形やブロー成形などによって形成された合成樹脂製容器、ガラス製容器、金属製容器、陶器製容器などの容器型の包材であり、ブリスター容器は、シート成形などによって形成された合成樹脂製凹状カバーが台紙に取り付けられた包材であり、何れもその包材の内部に収納物を入れることによって取引対象となる物品2が構成される。
この物品2は、本体部21と、突出部22と、を有する。本体部21は、前記包装箱に相当し、突出部22は、前記ヘッダー部に相当する。包装箱などの包材における本体部21は、収納物を入れる収納空間を内部に有する部分である。また、前記物品2がシート材にて形成される場合、本体部21の周側面及び突出部22は、1枚のシート材から形成されていることが好ましく、本体部21の周側面、本体部21の上面及び突出部22は、1枚のシート材から形成されていることがより好ましく、本体部21の周側面、本体部21の上面、本体部22の下面及び突出部22は、1枚のシート材から形成されていることがさらに好ましい。
前記本体部21は、それ自体が自立可能な立体形状であり、例えば、上面と、下面と、上面と下面の間に配置された周側面と、を有する。本体部21は、前記上面、周側面及び下面で囲われた範囲内に収納空間を有する。立体部の具体的な立体形状は、特に限定されず、略四角柱状、略三角柱状、略円柱状、略楕円柱状などの柱状、略四角錐台状、略三角錐台状などの錐台状などが挙げられる。
図示例の本体部21は、略四角柱状である。略四角柱状の本体部21の上面211及び下面は、略四角形であり、その本体部21の周側面は、4つの側面からなる。以下、周側面の各面を区別する場合には、第1側面、第2側面などという。これら第1側面などは、周側面の一部を成す側面である。
突出部22は、前記本体部21の上面211の縁部のうち、一部の縁部を含んで上方に突出されている。この突出部22は、前記一部の縁部に対応する本体部21の周側面に沿って突出されている。
図示例の物品2では、突出部22は、第1側面の延長面上に延出されているので、第1側面に沿って突出されている。かかる突出部22の背面と第1側面は、同一平面上に延在している。
なお、第2側面は、前記第1側面と対向する側面であり、第3側面及び第4側面は、第1側面及び第2側面と直交する側面であって互いに対向した側面である。
前記略四角柱状の本体部21の上面211は、4つの縁部(4辺)を有し、前記突出部22は、前記本体部21の4つの縁部のうち1つの縁部211a(長方形状の上面211の1つの長辺)を含んで上方に突出されている。以下、上面211の縁部のうち突出部22が突出されている縁部を「特定縁部211a」という場合がある。図示例の場合、特定縁部211aは、上面211の一辺(第1側面の上辺)であり、特定縁部211a以外の縁部は、上面211の残る三辺(第2乃至第4側面の上辺)である。
突出部22の正面視形状は、特に限定されず、例えば、正面視略長方形状、略正方形状などの略長方形状に形成されている。また、突出部22は、例えば、板状の部分からなる。
本体部21から突出された板状の突出部22(ヘッダー部)は、通常、その包装箱を吊り下げるための部分、その包装箱を把持するための部分(手提げ部)などとして利用される。なお、図示例では、本体部21の幅方向中央部に、吊り下げ用の孔219が穿設されている。
前記シート材は、収納物を入れた状態で包装箱の形態を維持できる強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、厚紙、硬質合成樹脂製シート、合成紙、これらの積層シート、又は、これらに機能層が積層された積層シートなどが挙げられる。前記機能層としては、アルミニウム箔などの金属箔、不織布、薄い合成樹脂製フィルム層などが挙げられる。
なお、本体部21の上面211、側面及び下面の少なくとも何れか1つは、収納物を取り出すために開閉できるようになっていることが好ましい。
また、本体部21及び突出部22の外面(及び内面)の全部又は一部には、必要に応じて、絵柄、商品名、説明書きなどの所望のデザインが印刷などの手法で表されている(デザイン表示は図示せず)。
図5乃至図6において、熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮性フィルムを筒状に形成した筒状体から構成される。この筒状体は、熱収縮性フィルム4の第1側端部41と第2側端部42を重ね合わせ、その重ね合わせた部分の少なくとも一部を接着することにより形成されたシール部43を有し、そのシール部43は、筒状体の縦方向に延設されている。なお、筒状体の縦方向は、筒状の軸芯方向と平行な方向である。
本明細書において、熱収縮性は、所要温度(例えば70℃〜100℃)に加熱されると収縮する性質をいう。
図5に示すように、扁平状に折り畳まれた熱収縮性筒状ラベル3は、物品2に装着する際には、図6に示すように、筒状に開口される。
熱収縮性フィルム4は、例えば、横方向(熱収縮性フィルム4の横方向は、筒状体とした際に、その周方向)に大きく熱収縮し得るフィルムが用いられる。なお、前記熱収縮性フィルム4は、縦方向(縦方向は、フィルムの面内において前記横方向と直交する方向であって、筒状体とした際に、その縦方向)に若干熱収縮又は若干熱膨張してもよい。熱収縮性フィルム4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物などからなる合成樹脂製フィルムを用いることができる。収縮応力が大きく且つ比較的腰が強いことから、熱収縮性フィルム4として、ポリエステル系樹脂を含むフィルムを用いることが好ましく、中でも、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含むフィルムを用いることがより好ましい。また、前記熱収縮性フィルム4は、熱収縮性及び自己伸縮性を有するものを用いてもよい。前記自己伸縮性は、常温下、引っ張ると伸び且つその引っ張り力を解除するとほぼ元に復元する性質をいう。
熱収縮性フィルム4の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜120μmであり、好ましくは20μm〜80μmである。
前記熱収縮性フィルム4の横方向における熱収縮率は、例えば、20%以上であり、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。前記熱収縮性フィルム4が縦方向に若干熱収縮又は熱膨張するフィルムである場合、その縦方向における熱収縮率は、好ましくは−3%〜15%である。
ただし、前記熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、フィルムを90℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(横方向又は縦方向の元の長さ)−(横方向又は縦方向の浸漬後の長さ)}/(横方向又は縦方向の元の長さ)]×100。
また、前記熱収縮性フィルム4は、非透明でもよいが、印刷層を内面側に設ける場合には、透明性に優れたものが用いられる。透明(無色透明又は有色透明)な熱収縮性フィルム4の透明性の指標は、全光線透過率70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される。
印刷層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1μm〜5μmであり、好ましくは、0.2μm〜3μmである。
また、熱収縮性フィルム4には、必要に応じて、印刷層以外の機能層(図示せず)が設けられていてもよい。前記機能層としては、印刷層の表面を保護する保護層、熱収縮性筒状ラベル3の内面の滑り性を向上させるための滑り層、物品2の外面に接着させるための接着層などが挙げられる。
このような観点から、熱収縮性筒状ラベル3の周長は、物品2の本体部21の周長×1.03倍〜1.3倍が好ましく、1.05倍〜1.15倍がより好ましい。
詳しくは、筒状体の上縁は、第1上縁31uと、その第1上縁31uよりも上方に突出した第2上縁32uと、からなる。第1上縁31u及び第2上縁32uは、いずれも筒状体の周方向に延びる直線状の縁であるが、第2上縁32uは、第1上縁31uよりも筒状体の縦方向上側に配置されている。換言すると、第1上縁31uは、第2上縁32uよりも筒状体の縦方向下側に配置されている。
前記「周方向に延びる直線状」とは、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含むものとする。
第1上縁31uの下端から周方向に仮想直線を引いたときに、その仮想直線と第2上縁32uとで囲われる長方形領域は、第1上縁31uよりも上方に突出した領域である。この領域の全部又は一部は、後述するように、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に装着した際に、本体部21の上面211に折れ曲がり、その上面端部に係止される上端部Aとなる。
詳しくは、筒状体の下縁は、第1下縁31dと、その第1下縁31dよりも上方に位置ずれした第2下縁32dと、からなる。第1下縁31d及び第2下縁32dは、いずれも筒状体の周方向に延びる直線状の縁であるが、第2下縁32dは、第1下縁31dよりも筒状体の縦方向上側に配置されている。換言すると、第1下縁31dは、第2下縁32dよりも下方に突出している。
第2下縁32dの上端から周方向に仮想直線を引いたときに、その仮想直線と第1下縁31dとで囲われる長方形領域は、第2下縁32dよりも下方に突出した領域である。この領域の全部又は一部は、後述するように、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に装着した際に、本体部21の下面に折れ曲がり、その下面に係止される下端部Bとなる。
また、第2下縁32dから周方向に引いた仮想直線と第1上縁31uとの縦方向長さは、特に限定されないが、物品2の本体部21の縦方向長さと略同じであることが好ましい。
ミシン目線51,51は、シール部43の周方向両側にそれぞれ設けられている。この2つのミシン目線51,51は、例えば、第1上縁31uから第1下縁31dにまで形成されている。
ここで、本明細書において、ミシン目線は、熱収縮性フィルムの表裏面に貫通する貫通孔部の複数(本明細書において、複数は、2つ以上という意味である)が1つの方向に延びるように断続的に形成されたものである。隣接する貫通孔部の間には、非貫通部(フィルムそのもの)が存在する。貫通孔部の形状は、細長い直線状、円形状、楕円形状などが挙げられる。ミシン目線51,51の貫通孔部及び非貫通部の長さは、特に限定されない。ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは、0.2mm〜2mmであり、非貫通部の長さは、例えば、0.1mm〜2mmであり、好ましくは、0.1mm〜1mmである。
従来と同様な方法で、長尺状の熱収縮性フィルム4の第1側端部41と第2側端部42を重ね合わせて接着することにより、図7に示すように、扁平状態の長尺筒状体6を形成する。この長尺筒状体6を、図7の一点鎖線で示す切断線Xで切断することにより、上記熱収縮性筒状ラベル3を得ることができる。
前記切断線Xは、筒状体の周方向に延びる直線状の第1切断線X1と、その第1切断線X1から扁平状態の長尺筒状体6の長さ方向にずれ且つ筒状体の周方向に延びる直線状の第2切断線X2と、前記第1切断線X1と第2切断線X2の間に連設され且つ第1切断線X1と第2切断線X2を繋ぐ第3切断線X3と、から構成される。
前記切断線Xは、筒状体を扁平状に折り畳んだときの当該筒状体の第1上縁31u及び第2上縁32u(第1下縁31d及び第2下縁32d)の平面視形状と同じである。
本発明の包装体1は、図1乃至図3に示すように、物品2の本体部21の周側面に、熱収縮性筒状ラベル3が装着されている。
前記熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uは、本体部21の上面211の特定縁部211aに略沿っており、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aは、突出部22に掛かることなく、本体部21の上面端部に折り曲げられている。
上端部Aは、特定縁部211a以外の縁部に対応して折り曲げられている。図示例では、上端部Aは、上面211の三辺(第2乃至第4側面の上辺)に対応して折り曲げられており、より詳しくは、第3及び第4側面の各上辺の全部又は一部及び第2側面の上辺の全部に対応して折り曲げられている。このように上端部Aが上面211の三辺に対応して折り曲げられていることにより、上端部Aが本体部21の上面211にしっかりと係止されるので好ましい。
ただし、前記上端部Aは、特定縁部211a以外の縁部の全部又は一部に対応して折り曲げられていればよく、例えば、前記上端部Aが、第2側面の上辺のみに対応して折り曲げられていてもよい(図示せず)。上面211の縁部全体に対する上端部Aの占める割合は、特に限定されないが、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。
前記上端部Aの占める割合=(折り曲げられた上端部Aが接する上面211の縁部の長さ/上面211の縁部全体の長さ)×100。
かかる包装体1は、突出部22の両側部22a,22aにおいて熱収縮性筒状ラベル3の一部が本体部21の上面211から浮き上がることもなく、又、突出部22が熱収縮性筒状ラベル3によって変形させられることもない。
なお、特に図示しないが、前記熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが特定縁部211aよりも少し下方に位置するようにして(第1上縁31uが周側面の面内に位置するようにして)、熱収縮性筒状ラベル3が物品2に装着されていてもよい。この場合、熱収縮性筒状ラベル3の上記長方形領域の一部が本体部21の上面端部側に折れ曲がり、上記上端部Aとなる。
詳しくは、下端部Bは、筒状体の縦方向において特定縁部211aに対応する下面212の縁部に少なくとも対応して折り曲げられ、特定縁部211a以外に対応する縁部の少なくとも一部には、下端部Bが折り曲げられていない。図示例では、下端部Bは、下面212の三辺(第1乃至第3側面の下辺)に対応して折り曲げられており、より詳しくは、第3及び第4側面の各下辺の全部又は一部及び第1側面の下辺の全部に対応して折り曲げられている。このように下端部Bが下面212の三辺に対応して折り曲げられていることにより、下端部Bが本体部21の下面212にしっかりと係止されるので好ましい。
下面212の縁部全体に対する下端部Bの占める割合は、特に限定されないが、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。前記下端部Bの占める割合=(折り曲げられた下端部Bが接する下面212の縁部の長さ/下面212の縁部全体の長さ)×100。
前記下端部Bが本体部21の下面端部側に折り曲げられていることにより、熱収縮性筒状ラベル3は、本体部21の上方にずれなくなる。上端部A及び下端部Bが本体部21の上下面211,212に係止されることにより、熱収縮性筒状ラベル3が、本体部21から抜け外れることはない。
なお、熱収縮性筒状ラベル3のうち上端部A及び下端部B以外は、本体部21に略沿って密着している。
包装体1を開封する際には、2つのミシン目線51,51の間におけるラベル部分をそのミシン目線51,51を利用して分断することにより、熱収縮性筒状ラベル3を物品2から取り外すことができる。
上記包装体1は、例えば、次のような方法で製造することができる。
(1)第1の製法
扁平状の熱収縮性筒状ラベル3を開口し、図8(a)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが物品2の突出部22に向かい合うように位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を物品2の外側に嵌め入れる。熱収縮性筒状ラベル3は、図8(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが上面211の特定縁部211aに略一致するまで嵌め入れられる。第2下縁32dから周方向に引いた仮想直線と第1上縁31uとの縦方向長さが、物品2の本体部21の縦方向長さと略同じである熱収縮性筒状ラベル3を用いた場合には、第1上縁31uを上面211の特定縁部211aに略一致させると、第2下縁32dが本体部21の下面212の縁部に略一致するようになる。外嵌された熱収縮性筒状ラベル3は、その上端部Aが物品2の上面211よりも上方に突出し、且つ、その下端部Bが物品2の下面212よりも下方に突出している。
続いて、熱収縮性筒状ラベル3が外嵌された物品2を、図9(a)に示すような、水平面91aを有する載置台91上に横向き(本体部21の側面を水平面91aと平行にする)に載置する。物品2を横向きに置くことによって、物品2の上下面211,212から突出した熱収縮性筒状ラベル3の上端部A及び下端部Bが、物品2によって押し潰されることなく、本体部21の側面と平行に突出した状態を保持できる。次に、熱収縮性筒状ラベル3を所要温度に加熱することにより、同図(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3が周方向に熱収縮して本体部21の周側面に密着すると共に、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが本体部21の上面端部側へと折れ曲がり、且つ、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが本体部21の下面端部側へと折れ曲がる。好ましくは、熱収縮性筒状ラベル3の上端部A及び下端部Bを強く加熱する(例えば、加熱温度を高く又は/及び加熱時間を多くする)ことにより、上端部A及び下端部Bが折れ曲がりやすくなる。このようにして上記包装体1を得ることができる。
図10(a)及び(b)に示すように、本体部21の下面212よりも十分に小さい面積の水平面92aを有する載置台92の上に物品2を縦向き(本体部21の下面212を水平面92aと平行にする)に載置する。この載置台92の水平面92aは、その上に物品2を自立させることができ、且つ、熱収縮性筒状ラベル3の加熱時にその下端部Bが折れ曲がった際に載置台92に当たらない程度の大きさ及び形状に形成されている。
載置台92上に載せた物品2の外側に、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが物品2の突出部22に向かい合うように位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を嵌め入れる。熱収縮性筒状ラベル3は、図11(a)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが上面211の特定縁部211aに略一致するまで嵌め入れられる。上記第1の製法と同様に、上記縦方向長さの熱収縮性筒状ラベル3は、第1上縁31uを上面211の特定縁部211aに略一致させると、第2下縁32dが本体部21の下面212の縁部に略一致するようになる。次に、熱収縮性筒状ラベル3を所要温度に加熱することにより、同図(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3が周方向に熱収縮し、本体部21の周側面に密着すると共に、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが本体部21の上面端部側へと折れ曲がり、且つ、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが本体部21の下面端部側へと折れ曲がる。この際、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bは、載置台92に当たって変形することなく、本体部21の下面端部側へと綺麗に折れ曲がる。このようにして上記包装体1を得ることができる。
第3の製法は、第2の製法の載置台92に延出部が設けられている。
すなわち、第3の製法で用いられる載置台92は、図12(a)及び(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第2下縁32dに対応して延出された延出部921を有する。この載置台92の水平面92a上に、特定縁部211aと対角関係にある本体部21の下面212の辺が延出部の水平面92a内に収まるようにして(換言すると、載置台92の延出部921が特定縁部211aと対角関係にある本体部21の下面212の辺の外側に突出するようにして)、物品2を縦向きに載置する。
載置台92上に載せた物品2の外側に、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが物品2の突出部22に向かい合うように位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を上方から下方に嵌め入れる。載置台92の延出部921が特定縁部211aと対角関係にある本体部21の下面212の辺よりも突出しているので、同図に示すように、物品2の外側に入れられた熱収縮性筒状ラベル3の第2下縁32dが延出部921に当たり、熱収縮性筒状ラベル3の第2下縁32dが、本体部21の下面212の辺に略一致して物品2に外嵌される。上記縦方向長さの熱収縮性筒状ラベル3は、第2下縁32dを下面212の辺に略一致させると、第1上縁31uが上面211の特定縁部211aに略一致して外嵌される。以下、第2の製法と同様にして、熱収縮性筒状ラベル3を加熱することにより、上記包装体1を得ることができる。第3の製法によれば、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に外嵌する際に、縦方向の位置合わせを容易に行うことができる。
上記実施形態では、略四角柱状の本体部21を有する物品2を図示したが、その他の物品2の例として、図13は、略円柱状の本体部21を有する物品2に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1を示している。略円柱状の本体部21から突出された突出部22は、図示例のように、周側面形状に沿って曲面状に湾曲して突出している。詳しくは、この突出部22は、上面211の一部の縁部に対応する本体部21の周側面に沿って突出されている
このように本体部21の立体形状が異なる場合であっても、本発明の包装体1は、熱収縮性筒状ラベル3が物品2の本体部21の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部Aが前記突出部22の両側部22a,22aに掛かることなく本体部21の上面端部に折り曲げられている。
かかる物品2に装着する熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、図15に示すように、筒状体の上縁に、突出部22の厚みよりも少し大きい切欠き部が2箇所形成されている。この切欠き部の底縁が、筒状体の第1上縁31uに相当し、その第1上縁31uよりも上方に突出して第2上縁32uが形成されている。
この熱収縮性筒状ラベル3の2つの切欠き部を突出部22の両側部22a,22a(上面211の縁部のうち突出部22が突出された縁部)に位置合わせし且つ切欠き部の底縁(第1上縁31u)を本体部21の上面211に位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を外嵌した後、これを熱収縮させることにより、図16に示すような包装体1が得られる。
この物品2は、例えば包装箱などからなる本体部21と、本体部21の上面211の縁部のうち一部の縁部を含んで上方に突出された突出部22と、を有し、この突出部22がPOPラベルから構成されている。POPラベルは、本体部21の周側面の一部分に貼り付けることによって上面211の縁部から上方に突出されている。なお、POPラベルの具体的構成などは、特開2013−054173などを参照されたい。
この突出部22としてPOPラベルが突設された物品2に、上記実施形態と同様に熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮装着することにより、図18及び図19に示すような、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが本体部21の上面211の特定縁部211aに略沿い、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが、本体部21の上面端部に折り曲げられて係止され、且つ熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが、本体部21の下面端部に折り曲げられて係止された包装体1を構成できる。
第2実施形態は、2つ以上の物品を束ねた集合物に熱収縮性筒状ラベルが装着されている包装体に関する。
図20に於いて、本実施形態の包装体1は、集合物7と、集合物7に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を有する。集合物7は、上記物品2を2つ以上束ねたものから構成される。集合物7は、本体集合部71と、本体集合部71の上面211の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部72と、を有する。集合物7の本体集合部71は、束ねられた複数の物品2の本体部21の集合から構成され、集合物7の突出部72は、束ねられた複数の物品2の突出部22の集合から構成される。
図示例の集合物7は、例えば、横に並べた3つの物品2からなり、隣接する物品2の第3側面と第4側面を対面させて束ねられている。従って、この集合物7の本体集合部71の上面211は、各物品2の上面211からなり、集合物7の突出部72は、3つの物品2の突出部22からなる。
本実施形態の包装体1は、熱収縮性筒状ラベル3が前記集合物7の本体集合部71の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部Aが、前記突出部72の両側部22a,22aに掛かることなく前記本体集合部71の上面端部に折り曲げられて係止されている。
かかる包装体1における熱収縮性筒状ラベル3は、物品2を保護し、物品2が未開封であることが保証し、物品2に更なる広告を付加することに加え、束ねた複数の物品2が離れないように結束するなどの作用を有する。
なお、前記集合物7の包装体1において、熱収縮性筒状ラベル3の一部には、集合物用の機械的読取り記号が読み取り可能に印刷されていることが好ましい。もっとも、個々の物品2に機械的読取り記号が印刷されている場合には、その物品2の機械的読取り記号と集合物7の機械的読取り記号がPOS管理上衝突するので、本実施形態の熱収縮性筒状ラベル3には、物品2の機械的読取り記号が読み取り不能となるように、その記号を隠蔽する隠蔽印刷を行っておくことが好ましい。
上記実施形態では、突出部72としてヘッダー部が突出されている物品2(包装箱)の集合物7を例示したが、例えば、図21に示すように、突出部72として本体部21からPOPラベルが突出されている物品2の集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着されている包装体1であってもよい。なお、図21の例では、例えば、2つの物品2からなる集合物7を例示している。
さらに、上記実施形態では、各物品2の突出部72が直線上に並ぶように物品2が束ねられた集合物7を例示したが、例えば、図22及び図23に示すように、各突出部72が背合わせで一体化するように隣接する物品2の第3側面同士を対面させて束ねられている集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1であってもよい。この集合物7に装着される熱収縮性筒状ラベル3は、図15に示すような、切欠き部が2箇所形成された熱収縮性筒状ラベル3を用いればよい。
また、図23に示すように、物品2の本体部21は、略三角柱状であってもよい。
また、図26及び図27に示すように、1つの物品2の下面212にもう1つの物品2の下面212を対面させて積み重ねた集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1であってもよい。この集合物7に装着される熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、図28に示すように、その上縁が第1上縁31uとその第1上縁31uよりも上方に突出した第2上縁32uとを有し、且つ、その下縁が第1下縁31dとその第1下縁31dよりも下方に突出した第2下縁32dとを有し、第1上縁31uに対して縦方向反対側に第1下縁31dが配置され、且つ、第2上縁32uに対して縦方向反対側に第2下縁32dが配置されていることが好ましい。換言すると、上端部Aに対して縦方向反対側に下端部Bが設けられている熱収縮性筒状ラベル3を前記集合物7に熱収縮装着することにより、図26及び図27に示すような包装体1を得ることができる。
なお、図29に示す熱収縮性筒状ラベル3は、その下縁が周方向に延びる直線状であるが、上記第1実施形態のように、下縁が第1下縁31dと第2下縁32dとを有していてもよい。また、第1下縁31d又は第2下縁32dが、第1上縁31u又は第2上縁32uと同様に傾斜の直線状又は曲線状に形成されていてもよい。
かかる熱収縮性筒状ラベル3を、例えば、2つ以上の物品2からなる集合物7に装着することにより、図30に示すように、突出部72から離れるに従って次第に幅広になった上端部Aが本体集合部71の上面端部に折れ曲がった包装体1を得ることができる。なお、図29に示す熱収縮性筒状ラベル3を、第1実施形態のように1つの物品2に装着することによって包装体1を構成してもよい。
第3実施形態は、上縁全体が周方向に直線状に延びる熱収縮性筒状ラベルを用いて形成された包装体に関する。
上記第1及び第2実施形態においては、第1上縁31uとそれよりも上方に位置する第2上縁32uとからなる上縁を有する熱収縮性筒状ラベル3を物品2又は集合物7に熱収縮装着することにより得られる包装体1を説明したが、例えば、図33及び図34に示すように、全体が周方向に直線状に延びる上縁33uを有する熱収縮性筒状ラベル3を物品2又は集合物7に熱収縮装着することにより、本発明の包装体1を得ることもできる。
熱収縮性筒状ラベル3を物品2(又は集合物7)に外嵌した際に突出部72の両側部22a,22aの近傍に2つのミシン目線52,52が位置するように、前記2つのミシン目線52,52は、筒状体の周方向に所要間隔をあけて設けられる。例えば、筒状体の周方向における2つのミシン目線52,52の間隔は、例えば、突出部72の幅×0.9倍〜突出部72の幅×1.1倍程度である。
次に、熱収縮性筒状ラベル3を所要温度に加熱することにより、熱収縮性筒状ラベル3が周方向に熱収縮する。この際、熱収縮性フィルム4の収縮力により、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが本体部21(ヘッダー部)の両側部22a,22aに強く押し付けられ、上端部Aは、ミシン目線52,52において2つの分断される(第1上端部及び第2上端部)。図36乃至図38に示すように、上面211の縁部のうち突出部22が突出された縁部に対応する第1上端部A1は、突出部22の背面側に沿って上方に立ち上がり、それ以外の縁部に対応する第2上端部A2は、上面端部に折れ曲がるようになる。
本実施形態の包装体1は、開封時に、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aを分断するためのミシン目線52,52を、熱収縮性筒状ラベル3を分断するためのミシン目線52,52として利用できる。すなわち、突出部22の背面側に沿って上方に立ち上がった第1上端部A1を摘んで引き出すことにより、2つのミシン目線52,52を利用して熱収縮性筒状ラベル3を分断し、熱収縮性筒状ラベル3を物品2から取り外すことができる。
なお、特に図示しないが、本実施形態の熱収縮性筒状ラベル3を集合物7に装着して包装体1を構成してもよい。
上記第1乃至第3実施形態及び各実施形態の変形例で示した1つ又は2つ以上の構成を適宜組み合わせ、置換、又は変更して本発明の包装体を構成することもできる。
2 物品
21 本体部
211 本体部の上面
22 突出部
22a 突出部の側部
3 熱収縮性筒状ラベル
31u 第1上縁
32u 第2上縁
4 熱収縮性フィルム
A 上端部
7 集合物
71 本体集合部
72 集合物の突出部
Claims (8)
- 本体部と前記本体部の上面の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部とを有する物品と、
前記物品に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を有し、
前記熱収縮性筒状ラベルが、前記物品の本体部の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部が、前記突出部の両側部に掛かることなく前記本体部の上面端部に折り曲げられている、包装体。 - 前記突出部が、前記一部の縁部に対応する本体部の周側面に沿って突出されている、請求項1に記載の包装体。
- 前記熱収縮性筒状ラベルの下端部が、前記本体部の下面の一部の縁部を除いて、前記本体部の下面端部に折り曲げられている、請求項1または2に記載の包装体。
- 前記突出部と前記本体部の周側面が、1枚のシート材から形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装体。
- 前記突出部が、前記本体部の周側面の一部分に貼り付けられたPOPラベルから構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装体。
- 2つ以上の物品を束ねた集合物であって、本体集合部と前記本体集合部の上面の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部とを有する集合物と、
前記集合物に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を有し、
前記熱収縮性筒状ラベルが、前記集合物の本体集合部の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部が、前記突出部の両側部に掛かることなく前記本体集合部の上面端部に折り曲げられている、包装体。 - 熱収縮性フィルムを筒状に形成した筒状体を有し、
前記筒状体の上縁が、第1上縁と、前記第1上縁よりも上方に突出した第2上縁と、を有する、熱収縮性筒状ラベル。 - 前記筒状体の下縁が、筒状体の縦方向において前記第1上縁に対応した第1下縁と、筒状体の縦方向において前記第2上縁に対応し且つ前記第1下縁よりも上方に突出した第2下縁と、を有する、請求項7に記載の熱収縮性筒状ラベル。
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