JP2016182639A - 鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法 - Google Patents

鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016182639A
JP2016182639A JP2016009457A JP2016009457A JP2016182639A JP 2016182639 A JP2016182639 A JP 2016182639A JP 2016009457 A JP2016009457 A JP 2016009457A JP 2016009457 A JP2016009457 A JP 2016009457A JP 2016182639 A JP2016182639 A JP 2016182639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
runner
molten metal
casting mold
casting
impurities
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016009457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6765630B2 (ja
JP2016182639A5 (ja
Inventor
保 北川
Tamotsu Kitagawa
保 北川
正典 森下
Masanori Morishita
正典 森下
麻斗 竹内
Asato Takeuchi
麻斗 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to CN201610176912.3A priority Critical patent/CN106001427B/zh
Publication of JP2016182639A publication Critical patent/JP2016182639A/ja
Publication of JP2016182639A5 publication Critical patent/JP2016182639A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6765630B2 publication Critical patent/JP6765630B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 溶湯に含まれる不純物をフィルタを使用せずに効率よく除去することができる鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法を提供すること。
【解決手段】 鋳造用鋳型を、溶湯が流れる湯道と、湯道の片側に設けられ、溶湯に含まれる不純物を捕捉する不純物捕捉手段と、湯道のうち不純物捕捉手段が設けられる側と反対側に設けられ、溶湯の流れを妨げる流れ妨害手段とを有しているものとして構成する。好ましくは、溶湯が流れる方向が水平方向で、不純物捕捉手段が湯道の上側に設けられ、流れ妨害手段が湯道の下側に設けられる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、金属を溶融した溶湯を注入して鋳物を製造するための鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法に関する。
鋳造用鋳型を使用して鋳物を製造する際に、鋳型に注入される溶湯に不純物が混入することがある。溶湯中の不純物には、溶湯中にもともと含まれていた鋼滓(スラグ)などの不純物、溶湯の鋳型との接触により発生する不純物及び鋳型砂の一部が脱落してできた不純物などがある。これらの不純物が溶湯から除去されないまま溶湯が鋳型に注入されると、溶湯は不純物を含んだまま鋳型内で凝固するため、鋳物中に溶湯中の不純物に由来する非金属介在物などが残存し、「ノロかみ」又は「砂かみ」などと呼ばれる鋳物製品の欠陥の原因となる。
従来より、溶湯中に含まれる不純物を除去するためのさまざまな方法が知られている。特許文献1には、湯口の下方部分にセラミックスでなるフィルタを設けることにより、溶湯に含まれる不純物を漉し取る方法が記載されている。特許文献2には、湯道の外側壁に設けられた三角形状の凹部により溶湯凝固膜等の不純物を捕捉する方法が記載されている。この凹部の壁面のうち、入口側壁面は湯道外側壁からの傾斜を少なくして、不純物が凹部内に入り易いようにしてある。出口側壁面は湯道外側壁からの傾斜を大にして、不純物がひっかかって凹部から出にくいようにしてある。
非特許文献1には、図3に示すように、湯道の上方にのこぎりの刃の形をしたくぼみ5を設けることにより、不純物をくぼみ5に捕捉する方法が記載されている。くぼみ5は、溶湯の上流側から下流側に向かって一定の傾斜角で上昇した後、急激に下降するという波形を複数回繰り返した形状をしている。不純物は一般に溶湯に比べて軽いので、上方に浮上しやすい。くぼみ5の上方では溶湯の流れに対する抵抗が大きく流速が低下するので、浮上した不純物がくぼみ5の鋳型面に捕捉される。
特開2014−205167号公報 特開平7−39994号公報
社団法人日本鋳物協会編、「鋳物便覧」、改訂第3版、丸善株式会社、昭和48年5月20日、p.169−170
特許文献1に記載された方法のようにフィルタを用いて不純物を除去する場合、フィルタの空隙の大きさを不純物の大きさより小さくする必要がある。このため、溶湯の流れに対する抵抗が大きくなり鋳造に要する時間が長くなったり、フィルタの空隙が不純物でふさがれて鋳造を継続できなくなったりするおそれがある。また、この方法ではフィルタより下流側で生成した不純物を除去することはできない。さらに、フィルタは消耗品であり再利用することができないので、フィルタを購入するための費用がかかる。
特許文献2及び非特許文献1に記載された方法では、溶湯から不純物を効率よく分離するためには、不純物を捕捉するように設計された鋳型面に不純物が接触する機会がなければならない。このため、湯道を進む溶湯の流れがスムースで乱れが少ない場合や、湯道における溶湯の流速が大きい場合には、不純物が捕捉される前に溶湯が下流側に流出するので、溶湯中の不純物を十分に除去することができない。逆に、不純物の鋳型面への接触の機会を増やすために溶湯の流速を小さくすると、鋳造に要する時間が長くなり、製造コストが増大する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、溶湯に含まれる不純物をフィルタを使用せずに効率よく除去することができる鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る鋳造用鋳型は、溶湯が流れる湯道と、湯道の片側に設けられ、溶湯に含まれる不純物を捕捉する不純物捕捉手段と、湯道のうち不純物捕捉手段が設けられる側と反対側に設けられ、溶湯の流れを妨げる流れ妨害手段とを有している。流れ妨害手段によって溶湯のスムースな流れが妨げられることにより、溶湯は湯道を上流側から下流側に向かってまっすぐに流れるのではなく、不純物捕捉手段が設けられる側に向かって流れの向きを変えながら流れる。不純物が溶湯の流れに乗って不純物捕捉手段に接近し、これと接触することによって捕捉される機会が増えるので、溶湯中の不純物を効率よく除去することができる。
好ましい実施の形態において、本発明に係る鋳造用鋳型は、溶湯が流れる方向が水平方向で、不純物捕捉手段が湯道の上側に設けられ、流れ妨害手段が湯道の下側に設けられる。溶湯が水平方向に流れる湯道に対して不純物捕捉手段を上側、流れ妨害手段を下側にそれぞけ設けることにより、重力の影響のもとで溶湯よりも軽い不純物が浮上する性質を利用してより多くの不純物を不純物捕捉手段に接近させることができる。
本発明に係る鋳物の製造方法は、本発明に係る鋳造用鋳型を使用して鋳物を製造する。本発明に係る鋳物の製造方法によれば、溶湯が鋳造用鋳型の湯道を流れる間に溶湯に含まれる不純物を効率よく除去することができるので、ノロかみ又は砂かみなどと呼ばれる欠陥の少ない鋳物を製造することができる。
本発明によれば、フィルタなどの部材を追加することなく、湯道の形状を変更するだけで溶湯中に含まれる不純物を従来よりも高い確率で除去することができるので、不純物に起因する鋳物の欠陥の発生が抑制される。これにより、製造コストを増加させることなく鋳物の品質を向上させることができる。
本発明に係る鋳物用鋳型の全体を示す模式図である。 本発明に係る鋳物用鋳型の湯道の部分を示す拡大図である。 従来技術に係る鋳物用鋳型を示す模式図である。
本発明を実施するための形態につき、以下、図を参照しながら詳細に説明する。なお、ここに記載する実施の形態はあくまで例示に過ぎず、本発明の実施の形態はここに記載された形態に限定されない。
図1は、本発明に係る鋳物用鋳型の全体を示す模式図である。鋳造用鋳型1は、上型1a及び下型1cで構成されており、両者は型割面1bにおいて相手方と接合されている。鋳造用鋳型1を例えば枠と鋳型砂とで構成する場合、上型1a及び下型1cをそれぞれ別々に成形した後、両者を型割面1bで接合して一体化することにより、鋳造用鋳型1が完成する。
図1に示すように、鋳造用鋳型1には、湯口2、スプルー3、湯道4、堰8及び製品型9が成形されている。これらの形状は、例えば、枠に入れられた原型の上から鋳型砂を入れて突き固めるなどの公知の方法により成形することができる。鋳物用鋳型1の使用の際は、湯口2から注入された溶湯はスプルー3を経て湯道4の中を進み、最終的に堰8を通って製品型9の中に充填され、ここで冷却され、凝固する。湯道は一般にスプルーの底及び堰8よりも高い上型1aの側に設けられ、その断面は例えば台形など不純物が浮上し易い形状とする。これを「滓(かす)取り湯道」又は「滓上げ湯道」などと称する場合がある。
本発明に係る鋳造用鋳型の湯道には、片側に溶湯に含まれる不純物を捕捉する不純物捕捉手段が設けられ、その反対側に溶湯の流れを妨げる流れ妨害手段が設けられる。不純物捕捉手段及び流れ妨害手段はいずれも湯道に設けられ、湯道を流れる溶湯と接するように構成される。その意味で、不純物捕捉手段及び流れ妨害手段は湯道の一部であるといってもよい。
本発明に係る鋳造用鋳型において、不純物捕捉手段が設けられる湯道の片側とは、湯道を流れる溶湯の進行方向に対して垂直な方向に見た一方の側をいう。本発明にいう湯道の片側は、溶湯の進行方向に対して垂直な方向に見た一方の側であれば上下左右いずれの側であってもよいし、上下左右に限らずどのような方向であってもよい。また、流れ妨害手段が設けられる反対側とは、不純物捕捉手段が設けられる湯道の片側から湯道をはさんで反対の側をいう。例えば、上側に対する反対側は下側であり、右側に対する反対側は左側である。
本発明における不純物捕捉手段は、溶湯に含まれる不純物を捕捉する機能を有するものであれば、どのような形態のものであってもよい。例えば、湯道の一部に設けられるくぼみであってもよいし、不純物を捕捉しやすい部材等が配置されるようなものであってもよい。不純物捕捉手段は、溶湯中の不純物を一旦捕捉したら、捕捉された不純物を容易に解放しないようなものであることが好ましい。
本発明における流れ妨害手段は、湯道における溶湯のスムースな流れを妨害するものであれば、どのような形態のものであってもよい。例えば、湯道に障害物として微小な杭を多数設けたようなものであってもよいし、溶湯が流れる方向に垂直な平面で構成される板状のものであってもよい。流れ妨害手段は、溶湯との接触によって溶湯の表面に形成された酸化膜を破壊するようなものであることが好ましい。不純物は、不純物捕捉手段によって捕捉されるだけでなく、流れ妨害手段によっても捕捉されることがある。
本発明において不純物捕捉手段及び流れ妨害手段は、湯道を挟んで互いに反対側の位置に設けられる。このような位置関係を満たすことにより、流れ妨害手段によって妨げられた溶湯の流れが、湯道の不純物捕捉手段が設けられる側に向かって向きを変える。不純物が溶湯の流れに乗って不純物捕捉手段に接近し、これと接触することによって捕捉される機会が増えるので、溶湯中の不純物を効率よく除去することができる。
一般に、湯道に溶湯の流れを妨げるようなものを設けると、その妨害物の周囲で乱流が発生し、溶湯に空気が巻き込まれて鋳物に空隙が発生したり、溶湯の流れの不均一に起因するさまざまな欠陥が発生したりする場合があるため、好ましくないとされている。本発明に係る鋳造用鋳型では、そのようなリスクのある流れ妨害手段を敢えて導入することにより、不純物の混入に起因する鋳物の欠陥を低減する効果を得ることができる。
好ましい実施の形態において、本発明に係る鋳造用鋳型は、溶湯が流れる方向が水平方向で、不純物捕捉手段が湯道の上側に設けられ、流れ妨害手段が湯道の下側に設けられる。湯道をこのように構成することにより、重力の影響のもとで溶湯よりも軽い不純物が浮上する性質を利用して、より多くの不純物を不純物捕捉手段に接近させることができる。ここで水平方向とは、重力の方向に対して正確に垂直な方向である必要はなく、湯道を流れる溶湯中で密度の差による不純物の分離が起こる程度に水平であれば足りる。
好ましい実施の形態において、本発明に係る鋳造用鋳型は、図1及びその湯道の部分を示す拡大図である図2に示すように、不純物捕捉手段が1又は2以上のくぼみ5で構成され、流れ妨害手段が、湯道4を挟んでくぼみ5に対向する位置に配置される1又は2以上の突起6で構成される。くぼみとは湯道に設けられた凹部であり、突起とは湯道に設けられた凸部である。
本発明におけるくぼみ5の作用は、例えば特許文献2に記載された三角形状の凹部(図3参照)の作用と同様である。すなわち、くぼみ5の位置において湯道の断面積が拡大されることによって溶湯の流れが遅くなるので、溶湯に含まれる不純物7がくぼみ5の鋳型面と接触するとそこに捕捉され、再び溶湯中に流出しない。しかし、図3に示す従来技術の構成は本発明の流れ妨害手段に相当する構成を欠くので、湯道4を進む溶湯は堰8の方向に向かってスムースに流れるため、溶湯に含まれる不純物の多くはくぼみ5に捕捉されることなく製品型9に注湯される。
これに対し、本発明の好ましい実施の形態においては、図2に示すように、流れ妨害手段が、湯道4を挟んでくぼみ5に対向する位置に配置された1又は2以上の突起6で構成されている。このため、湯道4を進む溶湯の流れは突起6によって妨げられ、その進行方向が図2の矢印のようにくぼみ5が設けられた方向に向かって向きを変える。そうすると、溶湯に含まれる不純物7がくぼみ5の鋳型面に接近し、これと接触して捕捉される確率が高まるので、従来技術に比べて鋳物における不純物に由来する欠陥の発生頻度が低下する。
不純物捕捉手段としてのくぼみの数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。同様に、流れ妨害手段としての突起の数も1つであってもよく、2つ以上であってもよい。くぼみ及び突起を複数個設ける場合は、全てのくぼみが湯道の片側に設けられ、全ての突起が湯道のうちくぼみが設けられる側と反対側に設けられる必要がある。このような構成により、複数の不純物捕捉手段を同一の条件で重畳的に作用させることができるので、溶湯に含まれる不純物を効率よく除去することができる。
本発明の好ましい実施の形態において、突起が湯道をはさんでくぼみに対向する位置に配置されているとは、くぼみと突起とが湯道を挟んで互いに向かい合う位置に配置されていることを意味する。全てのくぼみと全ての突起がこのように配置されていることにより、本発明の効果が最大限に発揮される。ただし、くぼみ又は突起のうちスプルー又は堰の近くに位置しているものについては、鋳造用鋳型の製作上の制約等により、くぼみと突起の位置がずれていたり、くぼみと突起のうちのいずれかを欠く構成としたりしてもよい。
くぼみを湯道の上側に設ける場合は、図1に示すように、鋳造用鋳型1の上型1aに湯道4の一部とくぼみ5を設け、下型1cに突起6を設けるとよい。実際には、下型1cに設けた突起以外の部分は湯道4の一部となるので、この場合、くぼみ5と突起6をのぞく湯道4の部分は上型1aと下型1cの両方にまたがって設けられることになる。
好ましい実施の形態において、本発明に係る鋳造用鋳型は、突起6のうち湯道の上流側に最も近い位置6aが、突起に対向するくぼみ5のうち湯道の上流側に最も近い位置5aよりも下流側で、かつ、くぼみ5のうち湯道の上流側に最も近い位置5aと湯道の下流側に最も近い位置5cとの中間点5bよりも上流側に位置する。溶湯が流れる方向に対するくぼみ5と突起6の位置関係をこのように調整することにより、突起6に妨げられた溶湯の流れがくぼみ5の中間点5bの方向に向って向きを変えるようにくぼみ5と突起6が配置されるので、くぼみ5による不純物7の捕捉がさらに容易になる。
本発明の好ましい実施の形態において、くぼみ5が、湯道4の上流側から下流側に向かって突起6から次第に遠ざかる捕捉面5d及び前記捕捉面に連続し前記湯道の上流側から下流側に向かって前記突起に再び近づく停止面5eとを有する。捕捉面5dは緩やかな傾斜を有することによって、不純物7を含む溶湯がくぼみ5に侵入しやすくなっている。停止面5eは湯道4の長さ方向に対してほとんど垂直になるくらいに大きな傾斜を有することによって、不純物7を含む溶湯がくぼみ5に停滞しやすくなっている。
好ましい実施の形態において、本発明に係る鋳造用鋳型は、図1及び図2に示すように、捕捉面5dの傾斜角が湯道の上流側から下流側に向かって次第に増加する。捕捉面5dの形状をこのように構成することにより、くぼみ5の先端に近づくにつれて幅が急に狭くなるので溶湯がそこで停滞し、不純物7が捕捉面5dで捕捉される確率が高まる。
好ましい実施の形態において、本発明に係る鋳造用鋳型は、スプルーの断面積と湯道の最も狭い位置における断面積とがほぼ等しく、堰の断面積がこれらよりも小さい。このような構成により、湯口からスプルーを経て湯道に至る溶湯の流速は、製品型に注入された溶湯の量の多少にかかわらずほぼ一定の値となるため、注湯の開始から終了まで安定して溶湯に含まれる不純物を除去することができる。本発明の効果を高めるためにくぼみと突起との距離を小さく設定した場合は、湯道の幅を湯道の長さ全体にわたって拡大することにより、湯道の最も狭い位置における断面積をスプルーの断面積とほぼ等しくすることができる。
本発明に係る鋳物の製造方法は、本発明に係る鋳造用鋳型を準備する工程と、溶湯を準備する工程と、鋳造用鋳型に溶湯を注湯し、溶湯が鋳造用鋳型の湯道を流れる間に溶湯に含まれる不純物を不純物捕捉手段によって除去しながら鋳物を鋳造する工程とを有する。本発明に係る鋳造用鋳型を使用することによって溶湯に含まれる不純物を効率よく除去することができるので、ノロかみ又は砂かみなどと呼ばれる欠陥の少ない鋳物を鋳造することができる。
鋳物の製造方法に使用する鋳造用鋳型において、スプルーから分岐する湯道の数は製品型の数に応じて適宜設計することができる。例えば、製品型の数が多いときは、1つのスプルーから2本又はそれ以上の数の湯道を分岐し、それぞれの湯道に不純物捕捉手段及び流れ妨害手段を設けることにより、全ての製品型に不純物の少ない溶湯を供給することができる。
鋳型砂を使用して鋳造用鋳型を成形することにより、図1に示すような、湯道4にくぼみ5と突起6とが複数個設けられた鋳造用鋳型1を作製した。この鋳造用鋳型1に可鍛鋳鉄でなる溶湯を注湯し、呼び径が2−1/2インチのねじ込み式管継手を360個製造した。得られたねじ込み式管継手について目視による外観検査を行った結果、ノロかみ又は砂かみが検出された製品は2個(0.6%)だけで、残りの358個についてはノロかみ及び砂かみは検出されなかった。一方、鋳造後の湯道に残って凝固した鋳造物の表面をショットブラストで研削した後、表面を観察したところ、くぼみの捕捉面に不純物に起因すると思われる凹部が多数観察された。
(比較例1)
鋳型砂を使用して鋳造用鋳型を成形することにより、実施例の鋳造用鋳型1と同一の寸法を有し、湯道4にくぼみ5のみが複数個設けられ、突起6は設けられていない鋳造用鋳型1’を作製した。この鋳造用鋳型1’に可鍛鋳鉄でなる溶湯を注湯し、呼び径が2−1/2インチのねじ込み式管継手を360個製造した。得られたねじ込み式管継手について目視による外観検査を行った結果、製造した製品のうち59個(16.4%)についてノロかみ又は砂かみが検出された。一方、鋳造後の湯道に残って凝固した鋳造物の表面をショットブラストで研削した後、表面を観察したところ、くぼみの捕捉面に不純物に起因すると思われる凹部が数個観察されたが、その数は実施例の場合よりも少なかった。
(比較例2)
鋳型砂を成形することにより、くぼみも突起も設けられていないまっすぐな湯道を設けた鋳造用鋳型を作製した。これに可鍛鋳鉄でなる溶湯を注湯し、呼び径が2−1/2インチのねじ込み式管継手を60個製造した。得られたねじ込み式管継手について目視による外観検査を行った結果、製造した製品のうち9個(15%)についてノロかみ又は砂かみが検出された。一方、鋳造後の湯道に残って凝固した鋳造物の表面をショットブラストで研削した後、表面を観察したところ、くぼみの捕捉面に不純物に起因すると思われる凹部が数個観察されたが、その数は実施例の場合よりも少なかった。
これらの結果から、本発明に係る不純物捕捉手段と流れ妨害手段の両方を備えた鋳造用鋳型を使用した場合には、流れ妨害手段を欠いた鋳造用鋳型(比較例1)又は不純物捕捉手段及び流れ妨害手段の双方を欠いた鋳造用鋳型(比較例2)を使用した場合に比べて、得られる鋳物に含まれる不純物由来の欠陥の発生頻度を著しく低減できることが分かった。
1 鋳造用鋳型
1a 上型
1b 型割面
1c 下型
2 湯口
3 スプルー
4 湯道
5 くぼみ
5a くぼみのうち湯道の上流側に最も近い位置
5b 中間点
5c くぼみのうち湯道の下流側に最も近い位置
5d 捕捉面
5e 停止面
6 突起
6a 突起のうち湯道の上流側に最も近い位置
7 不純物
8 堰
9 製品型

Claims (7)

  1. 溶湯が流れる湯道と、
    前記湯道の片側に設けられ、前記溶湯に含まれる不純物を捕捉する不純物捕捉手段と、
    前記湯道のうち前記不純物捕捉手段が設けられる側と反対側に設けられ、前記溶湯の流れを妨げる流れ妨害手段とを有する
    鋳造用鋳型。
  2. 前記溶湯が流れる方向が水平方向で、前記不純物捕捉手段が前記湯道の上側に設けられ、前記流れ妨害手段が前記湯道の下側に設けられる、請求項1に記載の鋳造用鋳型。
  3. 前記不純物捕捉手段が1又は2以上のくぼみで構成され、前記流れ妨害手段が前記湯道を挟んで前記くぼみに対向する位置に配置される1又は2以上の突起で構成される、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の鋳造用鋳型。
  4. 前記突起のうち湯道の上流側に最も近い位置が、前記突起に対向する前記くぼみのうち湯道の上流側に最も近い位置よりも下流側で、かつ、前記くぼみのうち湯道の上流側に最も近い位置と湯道の下流側に最も近い位置との中間点よりも上流側に位置する、請求項3に記載の鋳造用鋳型。
  5. 前記くぼみが、前記湯道の上流側から下流側に向かって前記突起から次第に遠ざかる捕捉面及び前記捕捉面に連続し前記湯道の上流側から下流側に向かって前記突起に再び近づく停止面とを有する、請求項3又は請求項4のいずれかに記載の鋳造用鋳型。
  6. 前記捕捉面の傾斜角が前記湯道の上流側から下流側に向かって次第に増加する、請求項5に記載の鋳造用鋳型。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の鋳造用鋳型を準備する工程と、
    溶湯を準備する工程と、
    前記鋳造用鋳型に前記溶湯を注湯し、前記溶湯が前記鋳造用鋳型の湯道を流れる間に前記溶湯に含まれる不純物を不純物捕捉手段によって除去しながら鋳物を鋳造する工程とを有する
    鋳物の製造方法。
JP2016009457A 2015-03-26 2016-01-21 鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法 Active JP6765630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201610176912.3A CN106001427B (zh) 2015-03-26 2016-03-25 铸造用铸型以及使用该铸造用铸型的铸件的制造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063882 2015-03-26
JP2015063882 2015-03-26

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016182639A true JP2016182639A (ja) 2016-10-20
JP2016182639A5 JP2016182639A5 (ja) 2019-01-31
JP6765630B2 JP6765630B2 (ja) 2020-10-07

Family

ID=57242429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016009457A Active JP6765630B2 (ja) 2015-03-26 2016-01-21 鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6765630B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106513589A (zh) * 2016-12-31 2017-03-22 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 一种半弯管的制造方法
WO2019120634A1 (en) * 2017-12-18 2019-06-27 Foseco International Limited Filtration device
CN114130954A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 山西柴油机工业有限责任公司 一种具有集渣功能的浇注系统及集渣方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106513589A (zh) * 2016-12-31 2017-03-22 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 一种半弯管的制造方法
CN106513589B (zh) * 2016-12-31 2018-01-05 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 一种半弯管的制造方法
WO2019120634A1 (en) * 2017-12-18 2019-06-27 Foseco International Limited Filtration device
CN114130954A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 山西柴油机工业有限责任公司 一种具有集渣功能的浇注系统及集渣方法
CN114130954B (zh) * 2021-12-06 2024-01-12 山西柴油机工业有限责任公司 一种具有集渣功能的浇注系统及集渣方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6765630B2 (ja) 2020-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5460854B2 (ja) 鋳造のためのモールドおよびそれを用いる方法
JP2016182639A (ja) 鋳造用鋳型及びこれを使用する鋳物の製造方法
JP5663800B1 (ja) 迅速な凝固が可能な湯道及び鋳造方法
JP2016182639A5 (ja)
KR100654889B1 (ko) 연속주조용 노즐
JP5315370B2 (ja) 鋳造用金型
KR20200096984A (ko) 연속 주조를 위한 침지형 입구 노즐
KR101223014B1 (ko) 노즐 세정 장치
CN106001427B (zh) 铸造用铸型以及使用该铸造用铸型的铸件的制造方法
JP6862547B2 (ja) 連続鋳造用ノズルのためのデフレクタ
US2944310A (en) Method of continuous casting
JP6249940B2 (ja) 3基の鋳型と2基の鋳型とを非対称に配置した下注造塊装置における下注造塊方法
JP5738255B2 (ja) 鋳型及び鋳造方法
KR101322395B1 (ko) 턴디쉬
KR20090105371A (ko) 연속주조용 쉬라우드 노즐
KR101541715B1 (ko) 슬래그 제거 장치
TWI551375B (zh) 具有缺槽之鑄件組樹蠟模的成型方法
KR20050016086A (ko) 비철 금속의 용융된 매스를 푸어링하기 위한 주조 시스템및 푸어링 방법
JP6318849B2 (ja) 誘導加熱型タンディッシュの堰耐火物施工方法及びこの方法で施工した堰耐火物の補修方法
JP4464900B2 (ja) 鋳造用鋳型
JP2009090324A (ja) 連続鋳造装置及び連続鋳造方法
JP6904132B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
JP2015024442A (ja) 鋳造物品の製造方法
JP2003245757A (ja) タンディッシュ
JP2007120114A (ja) グレーチング蓋及び道路の排水構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181210

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200529

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6765630

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350