JP2016182160A - 運動状態解析システムとその方法、装置及びプログラム - Google Patents

運動状態解析システムとその方法、装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの動作状態として、歩行状態ばかりでなく走行状態も推定できるようにする。
【解決手段】ユーザ3に装着されたセンサ端末2から送信される加速度データを解析端末1で受信する。その後、解析端末1の制御ユニット12において、歩調算出部121でユーザ3の歩調を算出し、振幅情報抽出部122で、加速度の分散値を算出する。そして、算出された歩調および分散値と予め被測定者による実測より導出された非線形関数とを比較することで、ユーザ3の歩行状態、走行状態などの動作状態を推定し、外部へ情報を提供する。
【選択図】図3

Description

この発明は、ユーザに装着されたセンサにより計測される当該ユーザの生体情報をもとに、当該ユーザの運動状態を解析する運動状態解析システム、装置および方法に関する。
近年、被測定者が装着しているセンサから、被測定者の生体情報を検出する技術が提案されている。このような生体情報測定技術の1つとして、XYZ軸の3方向の加速度を検出する3軸の加速度センサにより測定した加速度データより被測定者の歩調を算出し、その歩調から被測定者の歩幅や歩行速度といった特徴量を得る技術が、例えば非特許文献1で提案されている(例えば非特許文献1を参照)。
非特許文献1で提案されている生体特徴量推定技術は、歩幅が歩調に対して線形の比例関係にあるという仮定の下、被測定者の歩行をもとにした歩幅、歩調、歩行の実測値をもとにして歩調に対する歩幅の推定式を作成し、この推定式を用いて歩行中の被測定者の特徴量のひとつである歩幅を求めている。また、歩行速度の推定においても、歩行速度の推定式は歩幅の推定式を内包するため、上記歩幅を推定する場合と同様の仮定を前提としている。
煤孫 光俊、大瀧 保明、鈴木 明宏、佐川 貢一、石原 正、猪岡 光、"移動形態と歩行速度を考慮した消費カロリーの無拘束測定"、計測自動制御学会東北支部、第202回研究集会、資料番号202-11、1-6、2002
ところが、非特許文献1で提案されている生体特徴量推定技術は、歩幅および歩行速度の推定式が歩行の実測値に基づいているため、歩行状態に対してのみ適用可能であり、走行状態に対しては著しく精度が劣化する。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ユーザの歩行状態ばかりでなく走行状態も推定できるようにした運動状態解析システムとその方法、装置及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、ユーザに装着され前記ユーザの生体情報を計測して出力するセンサ端末と、前記センサ端末から出力された前記ユーザの生体情報を受信する解析端末とを具備する。前記解析端末は、前記受信した生体情報をもとに前記ユーザの歩調を算出する歩調算出手段と、前記受信した生体情報を入力として統計学的方法を用いることで前記生体情報の振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、前記歩調算出手段により算出された歩調と、前記振幅情報抽出手段により抽出された振幅情報とに基づいて、前記ユーザの動作状態が歩行状態、走行状態およびそれ以外の状態のいずれかであるかを、推定する状態推定手段とを備えることを具備するようにしたものである。
この発明の第2の態様は、前記センサ端末により、前記ユーザの生体情報として、歩行状態または走行状態において前記ユーザに加わる加速度を示す情報を計測し、前記解析端末の振幅情報抽出手段により、前記振幅情報として、前記加速度を示す情報から当該加速度の一定期間における分散値を計算し、前記状態推定手段により、予め設定された非線形の閾値関数と、前記算出された歩調および前記振幅情報として算出された分散値とを比較することで、前記ユーザの動作状態が歩行状態、走行状態およびそれ以外の状態のいずれかであるかを推定するようにしたものである。
この発明の第3の態様は、前記解析端末に、前記推定された動作状態に対応する演算式を、歩行状態および走行状態のそれぞれに対し予め設定された第1及び第2の演算式から選択し、この選択された第1または第2の演算式に基づいて、前記ユーザの歩行状態または走行状態における歩幅を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段により算出された歩幅を表す情報を、前記推定された動作状態と共に出力する出力手段とをさらに備えるようにしたものである。
この発明の第4の態様は、前記特徴量算出手段により、前記推定された動作状態と、前記算出された歩調および歩幅を表す情報に基づいて、前記歩行状態または走行状態における前記ユーザの移動速度または移動距離を算出することを特徴とするようにしたものである。
この発明の第5の態様は、前記特徴量算出手段に、前記ユーザの歩行状態または走行状態における片足の接地時間を算出する手段をさらに備え、前記接地時間を算出する手段に、前記状態推定手段により動作状態が走行状態と推定された場合には、前記ユーザの加速度と予め設定された接地判定用の閾値とを比較することで片足の接地時間を算出する手段と、前記状態推定手段により動作状態が歩行状態と推定された場合には、前記ユーザの加速度変化に基づいて算出される一歩当りの時間間隔と予め設定された一定量の補正係数とを足し合わせることで、片足の接地時間を算出する手段とを備えるようにしたものである。
この発明の第1の態様によれば、センサ端末から受信した生体情報を入力として統計学的方法を用いることで前記生体情報の振幅情報が抽出され、この抽出された振幅情報と、別途算出された歩調とを組み合わせることで、ユーザの動作状態が歩行状態、走行状態、およびそれ以外の状態のいずれかであるかを推定することが可能となる。
この発明の第2の態様によれば、歩行時または走行時にユーザに加わる加速度の一定期間における分散値が計算され、この計算された加速度の分散値と歩調を予め設定された非線形の閾値関数と比較することで、歩行、走行およびそれ以外のいずれかであるかが推定される。したがって、より実態に近い状況を考慮して、歩行状態、走行状態およびそれ以外の状態のいずれかであるかが推定される。
この発明の第3の態様によれば、歩行および走行のそれぞれに対し予め設定された第1及び第2の演算式を選択的に用いることでユーザの歩行状態または走行状態における歩幅が算出される。したがって、ユーザの歩幅を、歩行および走行それぞれの特徴を考慮して正確に求めることが可能となる。
この発明の第4の態様によれば、ユーザの歩行状態および走行状態それぞれの特徴を考慮して算出された歩幅と歩調を用いることで、ユーザの歩行状態および走行状態における移動速度または移動距離を正確に算出することが可能となる。
この発明の第5の態様によれば、ユーザの歩行と走行のそれぞれについてその動作状態の特徴を考慮した演算を行うことで、ユーザの片足の接地時間を正確に算出することが可能となる。
すなわちこの発明によれば、歩行状態と走行状態を推定できるようにした運動状態解析システムとその方法、装置及びプログラムを提供することができる。
第1乃至5の実施形態に係る運動状態解析システムの全体構成の例を示す図。 第1乃至6の実施形態におけるセンサ端末の機能構成を示すブロック図。 第1の実施形態における解析端末の機能構成を示すブロック図。 状態推定手段において、歩調および加速度の分散の関係を表す非線形関数を利用し、歩行状態と、走行状態と、その他(静止またはそれに近い状態)の状態の推定を行う例を示す図。 歩行状態と、走行状態と、その他(静止またはそれに近い状態)の状態のいずれかであるかの推定を行うプロセスを説明する図。 第2の実施形態における解析端末の機能構成を示すブロック図。 第2の実施形態において、歩幅算出方法を説明するための図。 走行状態における片足の接地時間および無接地時間を算出するための、被測定者に装着された3軸デジタル加速度センサが示す加速度の時間波形。 歩行状態における左足または右足の接地時間を算出するための、被測定者に装着された3軸デジタル加速度センサが示す加速度の時間波形。 第6の実施形態に係る運動状態解析システムの全体構成の例を示す図。 第6の実施形態における解析端末の機能構成を示すブロック図。 第6の実施形態における外部端末の機能構成を示すブロック図。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、この発明の実施形態に係る運動状態解析システムの全体構成を示す図であり、1は解析端末、2はセンサ端末を示している。
センサ端末2は、測定対象となるユーザ3にベルトまたは粘着テープ等により装着される。装着位置としては、例えば胸の中央部分や、うなじ部分(例えばTシャツのタグの位置)、脇腹、太ももなどが挙げられる。
センサ端末2は、図2に示すように、運動中のユーザ3の下半身の動きを3軸で計測する加速度センサ20と、生体情報検出部21と、生体情報記憶部22と、生体情報送信処理部23と、通信インタフェース24と、アンテナ25とから構成される。
生体情報検出部21は、加速度センサ20で計測されたアナログ加速度信号を所定のサンプリングレートでデジタル加速度データに変換する。
生体情報記憶部22は、生体情報検出部21でデジタル化された加速度データを記憶する。
生体情報送信処理部23は、生体情報記憶部22で記憶された加速度データを、通信インタフェース24を通じて解析端末1へ送信する。
通信インタフェース24としては、例えば無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の小電力無線データ通信規格に対応したインタフェースが用いられる。
解析端末1は、例えばタブレット型端末またはスマートフォンからなり、以下のように構成される。図3はその機能構成を示すブロック図である。
すなわち、解析端末1は、インタフェースユニット11と、制御ユニット12と、記憶ユニット13とを備えている。
インタフェースユニット11は、通信インタフェース110と出力インタフェース111を有する。
通信インタフェース110はアンテナ10を備え、センサ端末2から送信された加速度データを受信する。無線インタフェースとしては、先に述べたように例えば無線LANやBluetooth(登録商標)が用いられる。
出力インタフェース111には、表示デバイスとしてのディスプレイ14が接続される。
記憶ユニット13は記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を用いたもので、この実施形態を実施する上で必要な記憶部として、生体情報記憶部130と、推定データ記憶部131とを有している。生体情報記憶部130は、センサ端末2から送信された加速度データを記憶するために使用される。推定データ記憶部131は、後述する状態推定部123により推定された歩行、走行、その他(静止またはそれに近い状態)のいずれかである動作状態の推定結果や推定結果を元に算出されたユーザ3の運動時の特徴量に関する情報を保存するために使用される。
制御ユニット12はCPU(Central Processing Unit)を備え、この実施形態を実施する上で必要な制御機能として、生体情報受信処理部120と、振幅情報抽出部122と、歩調算出部121と、状態推定部123と、推定データ出力処理部124とを有している。
なお、これらの処理部120〜124は何れも記憶ユニット13内の図示しないプログラム記憶領域に格納されたアプリケーション・プログラムを上記CPUに実行させることにより実現される。
生体情報受信処理部120は、ユーザ3の運動中に、上記センサ端末2から送信された加速度データを通信インタフェース110から取り込む処理を行う。
歩調算出部121は、上記生体情報受信処理部120により取り込まれた時系列の加速度データを入力とて、ユーザ3の単位時間当りの歩数である歩調を算出する。
振幅情報抽出部122は、上記生体情報受信処理部120により取り込まれた時系列の加速度データより予め定められた間隔で加速度の分散値を算出し、分散値の集合である振幅情報を得る(例えば図4の四角の点または丸の点参照)。
状態推定部123は、予め取得したユーザ3の歩調、加速度データの分散値および運動状態に基づく非線形の閾値関数と、上記振幅情報抽出部122によって抽出された振幅情報とを比較して、ユーザ3の動作状態が歩行状態、走行状態、その他(静止またはそれに近い状態)のいずれかであるかを推定する。
推定データ出力処理部124は、上記推定データ記憶部131に格納された推定結果を表す表示データを生成する。そして、この生成された表示データを出力インタフェース111を介してディスプレイ14へ出力し表示させる処理を行う。
なお、センサ端末2の生体情報記憶部22と、解析端末1の生体情報記憶部130に格納されている加速度データは、同一のデータであってもよいし、どちらか一方がサンプリングレートに対する補完や間引きがなされたものであってもよい。また、利用する通信手段の方式に則った形式に変換したものであってもよい。
(動作)
次に、以上のように構成された運動状態解析システムの動作を説明する。
(1)センサ端末2における処理
ユーザ3の動作は、その加速度が加速度センサ20より時系列的に計測される。計測される加速度は、ユーザ3の進行方向と、重力方向と、進行方向および重力方向の双方に垂直な方向の3軸に沿った加速度成分からなる。加速度の計測は、歩行または走行動作によりユーザ3のセンサ端末装着部分に生じる振動のスペクトルが10Hz以下であると仮定し、ナイキストの定理に従い、その2倍の20Hzより大きい値、例えば25Hzでサンプリングすることにより行われる。
上記計測された3軸の加速度信号は、生体情報検出部21により例えば所定の間隔でサンプリングされてデジタルデータに変換され、タイムスタンプが付与されて生体情報記憶部22に記憶される。そして、上記記憶された加速度データは、生体情報送信処理部23により一定時間ずつ読み出されて、通信インタフェース24により解析端末1へ送信される。
(2)解析端末1における処理
上記センサ端末2から送信された加速度データは、通信インタフェース110を介して生体情報受信処理部120により受信され、記憶ユニット13内の生体情報記憶部130に保存される。
(2−1)歩調の算出
歩調算出部121は、上記生体情報記憶部130から時系列の加速度データを一定時間分ごとに読み出し、この加速度データをもとにユーザ3の単位時間当りの歩数である歩調を算出する。歩調算出方法としては、例えば以下に説明するものが挙げられる。
静止中の加速度はほぼ1Gであるのに対し、歩行状態や走行状態における加速度時間変化は1Gを中心とした振動波形を示す特徴がある。このため、下限閾値と上限閾値をそれぞれ0.9G、1.1Gとして下限閾値を下回るタイミングまたは上限閾値を上回るタイミングを検出し、当該2回のタイミング検出を例えば1秒以内に生じた場合に歩行動作が発生したものとして1歩とカウントする。このカウントが単位時間に何回生じたか換算することで歩調を求めることができる。
なお、一般に歩調は1分を単位時間とするため、本実施形態でも1分当りの歩数をもって歩調とする。計測開始からn回目の歩数カウントがされてから、n+1回目の歩数カウントがされるまでの時間をTn(s)とすると、歩調fn(spm)は次の式で表される。
fn=60・1/Tn …(1)
なお、上記歩調算出方法は、参考文献1(“3軸加速度センサーアプリケーションノート、北陸電気工業株式会社、2007年”)に詳しく記載されている。
(2−2)振幅情報の抽出
振幅情報抽出部122は、上記生体情報記憶部130から時系列の加速度データを一定時間分ごとに読み出し、この読み出された時系列の加速度データより複数の分散値を算出し、複数の分散値の集合である振幅情報を得る。分散値S は、たとえば時間tの加速度センサ20より得られる加速度の値をa、母集団を時系列の50点の加速度データ、平均をAとしたとき、以下のように表される。
Figure 2016182160
なお、振幅情報抽出部122では、振幅情報として、加速度の分散のみに限られず、たとえば一定期間の加速度センサ値の最大値と最小値の差や、標準偏差Sを算出するようにしてもよい。
また、加速度の値aとしては、ユーザの進行方向、重力方向およびこれらの2方向に垂直な方向にそれぞれ現れる3軸の加速度計測値をそのまま用いてよいが、これら3軸の計測値の二乗和、またはその平方根を用いてもよい。
また、上記AおよびS を算出するにあたり、aをそのまま用いるのではなく、帯域制限を施したa’を用いてもよい。この場合、a’は例えば以下の式で与えられる。
’=h・ai−1’+(1−h)a …(4)
但し、式(4)のhは任意のフィルタ係数であり、0から1の範囲の任意の値をとる。たとえば、h=0.8とした場合、h=0.8であるということは、1つ前の測定値の80%が次の値に引き継がれるということを意味する。h=0.8程度の係数をとることで、前回の測定値をある程度引き継ぐことができ、加速度センサより得られる加速度の値等を示すaの急激な変化が起こった場合を緩和することができる。
なお、このh=0.8は経験的に調整されうる値であるため、被測定者の歩行時および走行時の態様や履いている靴に依存して最適値が異なる可能性があるため、他の値を個人設定として選択してもよい。
(2−3)動作状態の推定
状態推定部123は、予め取得した被測定者の歩調と運動状態に基づく非線形の閾値関数と、上記振幅情報抽出部122によって抽出された振幅情報とを比較して、ユーザ3の動作状態が歩行状態、走行状態、その他(静止またはそれに近い状態)の状態のいずれかであるかを以下のように推定する。
(2−3−1)非線形の閾値関数の導出
図4は、20歳代から50歳代の健常者11名における歩行状態および走行状態それぞれの2秒間における加速度データの分散値と歩調との関係を示す図であり、図中四角の点が歩行状態、丸の点が走行状態の分散値をそれぞれ表す。全体的に見ると、走行状態の分散値が歩行状態の分散値よりも大きな値となっており、2秒程度のデータを母集団として分散を求めれば、同じ歩調であっても、歩行状態と走行状態の点の集団を分離することが分かる。
そこで、例えば歩行状態と走行状態の分散値の集合の間に閾値を設け、ユーザの歩調を考慮した上で、ユーザ3について計測された分散値が該閾値を超えるか否かにより、ユーザ3が歩行状態であるかまたは走行状態であるかを推定することが可能となる。
また、センサ端末2が偶発的に振動して歩数としてカウントされた場合、実際には歩行状態や走行状態ではないにもかかわらず、該偶発的な振動が歩調として検出されることがある。このような誤動作を防止するには、式(1)によって算出された歩調が例えば1分間に60回未満と極端に低い場合は、歩行状態でも走行状態でもないとして、その他(静止またはそれに近い状態)の状態、とすることで、より正確な状態推定が実施できる。
以上のことから、歩行状態と走行状態を推定するための閾値関数は、例えば図4に示す折れ線のように、歩行状態と走行状態の分散値を隔てられるようなものであればよく、例えば以下のように歩調fの非線形関数として表すことができる。
(a)歩調fが140未満の場合
Y=5.24×10−3f−0.12 …(5)
(b)歩調fが140以上の場合
Y=5.24×10−3×140−0.12≒0.62(固定値) …(6)
(2−3−2)歩行状態、走行状態、その他(静止またはそれに近い状態)の状態の推定
状態推定部123は、歩調fを領域分けし、その領域ごとに上記非線形関数に対して加速度センサ20の計測値の分散値Sが閾値Yを超えるかどうかを判定することで、ユーザの動作状態が歩行状態であるか、さらには静止またはそれに近い状態であるかを推定する。図5はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
まずステップS1において、歩調算出部121により算出された歩調fを取得する。次にステップS2において、上記取得した歩調が60以上であるか否かを判定する。
そして、この判定の結果、
f<60の場合には、ステップS21においてその他(静止またはそれに近い状態)の状態であると推定する。これに対しf≧60の場合には、ステップS3において、歩調算出部121が上記歩調fを算出したときと同じ期間に振幅情報抽出部122が算出した加速度データの分散値S を取得する。そしてステップS4において、上記取得した分散値S が式(5)(6)で定義される閾値関数Y以上であるかどうかを判定する。すなわち、S <Yであれば歩行状態と推定し(ステップS41)、S ≧Yであれば走行状態と推定する(ステップS42)。
(第1の実施形態の効果)
以上詳述したように第1の実施形態では、解析端末1において、予め取得したモニタ用の被測定者の歩調と運動状態の統計データに基づき非線形の閾値関数を準備する。その後、ユーザ3に装着されたセンサ端末2によって取得される加速度データを予め定められた時間間隔で取得し、この取得した加速度データをもとに歩調および分散値を算出し、歩調を領域分けしてその領域ごとに分散値を上記非線形の閾値関数と比較することでユーザ3の動作状態を推定するようにしている。したがって、ある時刻において、ユーザ3の動作状態が歩行状態なのか走行状態なのか、さらには静止またはそれに近い状態であるかを高精度に示す情報を提供することが可能となる。
なお、第1の実施形態の構成では、センサ端末と解析端末で機能を適切に分配することで、センサ端末を携帯可能なほどに小型化することができ、ウェアラブル機器として着用利用することができる。また、日常生活における広範な用途に利用することが可能となる。
[第2の実施形態]
前記第1の実施形態は、解析端末1が、ユーザ3の上記動作状態が歩行状態なのか走行状態なのか、さらには静止またはそれに近い状態であるかを推定する機能のみを備えた場合について説明した。これに対し第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した状態推定部123によって推定されたユーザ3動作状態を利用して、ユーザ3の運動の特徴量の1つである歩幅を算出するようにしたものである。
(構成)
図6は、第2の実施形態に係る解析端末1Aの構成を示すものである。なお、同図において前記図3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
制御ユニット12Aは、生体情報受信処理部120、歩調算出部121、振幅情報抽出部122および状態推定部123に加え、特徴量算出部125と、推定データ出力処理部126を備えている。
特徴量算出部125は、状態推定部123により推定されたユーザ3の動作状態、つまり歩行状態および走行状態のそれぞれに応じて、その時の歩調に基づいてユーザの歩幅を算出し、その算出結果を推定データ記憶部131に記憶させる。
推定データ出力処理部126は、上記推定データ記憶部131から、ユーザ3の動作状態の推定データと、特徴量である歩幅の算出データを読み出して、これらを表す表示データを生成する。そして、この生成された表示データを出力インタフェース111を介してディスプレイ14へ出力し表示させる処理を行う。
(動作)
歩幅の算出方法を図7を用いて説明する。
図7は、複数の異なる歩調で歩行または走行した場合における歩調と歩幅の関係を示す。図7中の四角の点は20歳代から50歳代の健常者11名による歩行時の歩幅の測定値の平均値であり、四角の点から上下に伸びる線の上端と下端はそれぞれ最大値と最小値を示す。同様にして、丸の点は走行時の歩幅の平均値、丸の点から上下に伸びる線の上端と下端はそれぞれ最大値と最小値を示す。
非特許文献1における仮定のように、図7における歩行状態または走行状態における歩幅の平均値は、歩調に対して線形の比例関係にある。しかし、歩行状態と走行状態では歩調に対する歩幅の変化率が異なるため、近似式として得られる線形関数は異なる。例えば、歩調をf(spm:step per minute)、歩幅をL(m)として線形関数を求めると、
L=0.001f+0.642 …(7)
L=0.009f−0.181 …(8)
となる。式(7)および(8)よりfの係数である歩幅の増加率が歩行状態と走行状態で大きく異なることが分かる。すなわち、同一推定式では適切に歩幅を推定することができない。
例えば、同じ歩調であっても、歩行状態と走行状態では歩調が160(spm)において、平均値で歩幅に45(cm)の差があり、被測定者の走行時に誤って歩行状態の場合の推定式を用いると、45(cm)の差を含んだ推定値を示してしまうことになるからである。さらに、人間は同じ歩調で歩くことも走ることもできるので、非特許文献1で提案されているような歩調の情報のみを用いた推定手法では、歩行状態と走行状態を判別することはできず、著しく誤った推定値を求めてしまうおそれがある。また、歩幅の推定値が劣化すると、該推定値を用いて算出する移動速度や移動距離の精度も劣化する。ゆえに、歩行状態と走行状態を判定し、それぞれの状態に対して適切な推定式を選択する必要がある。
本実施形態では、図7に示す歩行状態および走行状態に対応する線形関数を使い分けることで、歩行状態および走行状態それぞれにおけるユーザの歩幅を算出する。
たとえば、ある時刻における歩幅L(m)は、歩調をf(spm)とすると、
(a)103≦f≦180のとき
ユーザ3の運動状態が走行状態と推定された場合は、
L=0.009f−0.181 …(8)
を選択し、
ユーザ3の運動状態が歩行状態と推定された場合は、
L=0.001f+0.642 …(7)
を選択する。
(b)60≦f<103のとき
式(8)より得られる値が式(7)より常に小さくなるため、走行状態、歩行状態のどちらであっても、式(7)を選択する。
(c)f<60のとき
歩行および走行は生じていないため、歩幅Lの算出は行わない。
(d)180<fのとき
ユーザ3の運動状態が走行状態と推定された場合は、
L=0.009×180−0.181=1.439
を選択し、
ユーザ3の運動状態が歩行状態と推定された場合は、
L=0.001×180+0.642=0.822
を選択する。
(d)において歩幅Lが固定値となる理由は、fが180、すなわち1秒間に3歩以上の頻度で足を動かす場合、その頻繁さゆえに大股で歩くことができず、fの増加につれてLも増加するという比例関係が成り立たなくなるためである。
(第2の実施形態の効果)
以上詳述したように第2の実施形態では、上記状態推定部123によって推定された動作状態を利用して、当該動作状態に応じた歩幅推定のための線形関数を選択し、歩幅を算出するようにしている。したがって、歩行状態と走行状態のそれぞれで歩幅を精度良く算出することができる。また、その他(静止またはそれに近い状態)の状態においては歩幅を算出しないようにすることで、より実態に近い歩幅情報を提供することが可能となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態で算出された歩幅Lをもとに、ユーザの運動の特徴量としてさらに移動速度を算出するようにしたものである。
(構成)
本実施形態に係る解析端末は、特徴量算出部125に、歩幅Lの算出機能に加え、移動速度の算出機能をさらに備えている。この移動速度の算出は、状態推定部123により推定されたユーザの動作状態と、先に算出された歩幅Lとに基づいて行う。
(動作)
以下、移動速度の算出方法について説明する。すなわち、特徴量算出部125は、第1の実施形態において算出された歩調f(spm)と、第2の実施形態において算出された歩幅L(m)を用いて、移動速度v(km/h)を以下の式により算出する。
v=0.001×L×f×60 …(9)
なお、式(9)は歩行状態と走行状態とで共通である。その他(静止またはそれに近い状態)の状態の場合にはvは提示されない。
(第3の実施形態の効果)
以上詳述したように第3の実施形態では、第1の実施形態において算出された歩調f(spm)と、第2の実施形態において算出された歩幅L(m)を用いて、移動速度v(km/h)の算出するようにしている。したがって、第2の実施形態と同様に歩行状態と走行状態のそれぞれで移動速度を精度良く算出することができる。また、その他(静止またはそれに近い状態)の状態においては移動速度を算出しないようにすることで、より実態に近い移動速度情報を提供することが可能となる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、第3の実施形態で算出された移動速度vをもとに、ユーザの運動の特徴量としてさらに移動距離を算出するようにしたものである。
(構成)
本実施形態に係る解析端末は、特徴量算出部125に、歩幅L、移動速度vの算出機能に加え、移動距離の算出機能をさらに備えている。この移動距離の算出は、状態推定部123により推定されたユーザの動作状態と、先に算出された移動速度vとに基づいて行う。
(動作)
以下移動距離の算出方法について説明する。すなわち、特徴量算出部125は、歩行状態若しくは走行状態の開始からの経過時間t(h)と、第3の実施形態において算出された移動速度v(km/h)を用いると、移動距離d(km)は以下の式により算出される。
d=v×t …(10)
なお、式(10)は歩行状態と走行状態とで共通である。その他(静止またはそれに近い状態)の状態の場合にはdは提示されない。
(第4の実施形態の効果)
以上詳述したように第4の実施形態では、歩行状態若しくは走行状態の開始からの経過時間t(h)と、第3の実施形態において算出された移動速度v(km/h)を用いて、移動距離d(km)の算出するようにしている。したがって、歩行状態と走行状態のそれぞれにおいて移動距離を精度良く算出することができる。また、その他(静止またはそれに近い状態)の状態においては移動距離を算出しないようにすることで、より実態に近い移動距離情報を提供することが可能となる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、ユーザの運動の特徴量としてさらにユーザ3の片足の接地時間を算出するようにしたものである。
(構成)
本実施形態に係る解析端末は、特徴量算出部125に、歩幅L、移動速度v、移動距離dの算出機能に加え、ユーザ3の片足の接地時間の算出機能をさらに備えている。この片足の接地時間の算出は、状態推定部123により推定されたユーザの動作状態に基づき、ユーザの歩行状態と走行状態のそれぞれについて、その動作状態の特徴を考慮して行う。
(動作)
(1)走行状態における片足の接地時間の算出
以下、走行状態における片足の接地時間の算出方法について説明する。すなわち、特徴量算出部125は、ユーザ3の状態が走行状態と推定された場合、上記時系列の加速度データに対して、後述する接地を判定する閾値との比較を行うことで足の接地時間を算出する。
ここで、接地を判定するための閾値の設定方法について説明する。図8は、被測定者が走行状態である動作期間と該期間における時系列の加速度データ値(3軸の各加速度計測値の2乗和の平方根により算出)の関係を示す。走行状態では、片足が地面に接している時間と、両足とも接地していない時間とが交互に繰り返される。両足とも接地していない時間では加速度センサの計測値が0Gに近づくという特徴を発明者は確認した。該特徴を利用して、例えば計測値が重力加速度である1G(安定時の3軸ベクトル合計値と一致)を下回った期間を両足とも接地していない時間とみなす。すなわち、1Gを上回る期間を片足接地時間として扱い接地時間を算出する。なお、上記特徴は、参考文献2(“「3軸デジタル加速度センサによる人の転倒の検出」、Ning Jia著、アナログデバイセズ株式会社、http://www.analog.com/jp/content/cu_ad4307jp/fca.html”)にも記載されている。
(2)歩行状態における片足の接地時間の算出
次に、歩行状態における片足の接地時間の算出方法について、図9を用いて説明する。図9は、被測定者が歩行状態である動作期間と該期間における時系列の加速度データ値の関係を示す。すなわち、特徴量算出部125は、上記状態推定部123によってユーザ3の動作状態が歩行状態であると推定されたとき、上記Tn(s)に対して予め定められた一定量の補正係数αn(s)を加算することで接地時間を算出する。
補正係数αnを加算する理由は、図8に示した走行状態と異なり、図9に示す歩行状態では両足が地面に接する時間が存在するため、片足の接地時間がわずかにTnより長くなるためである。このため、以下に示すような演算をすることで、歩行状態における接地時間を求めることが可能となる。
Tn+αn …(11)
αnは接地時間がTnより大きな値になることを考慮して設定される補正係数であり、0からTnの範囲で任意に設定できる値である。オーダーとしてはTnで想定されているより1桁小さい10msの規模であるため、たとえば50msと設定する。
(実施形態の効果)
以上詳述したように第5の実施形態では、上記状態推定部123によって推定された動作状態を利用し、走行状態および歩行状態それぞれに応じた算出方法を選択することにより、足の接地時間を算出する。したがって、歩行状態と走行状態のそれぞれで高精度な足の接地時間情報の提供ができ、その他(静止またはそれに近い状態)の状態でも誤った推定をしないことで、より実態に近い足の接地時間情報を提供することが可能となる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、第1乃至第5の実施形態における解析端末1、1Aにおいて得られた上記動作状態および特徴量を外部の端末に出力し、該外部の端末においてユーザ3を支援するような機能を持たせるようにしたものである。
(構成)
図10は、第6の実施形態に係る運動状態解析システムの全体構成を示す図であり、1Bは解析端末、4は外部端末を示している。
図11は、第6の実施形態に係る解析端末1Bの構成を示すものである。なお、同図において前記図6と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
インタフェースユニット11Bは、通信インタフェース110および出力インタフェース111に加え、通信インタフェース112を備えている。
通信インタフェース112はアンテナ15を備え、推定データ送信処理部127で生成された送信データを外部端末4へ送信する。
制御ユニット12Bは、生体情報受信処理部120、歩調算出部121、振幅情報抽出部122、状態推定部123、特徴量算出部125および推定データ出力処理部126に加え、推定データ送信処理部127を備えている。
推定データ送信処理部127は、上記推定データ記憶部131に格納された動作状態の推定結果および歩幅、片足の接地時間などの特徴量を表す送信データを生成する。そして、この生成された送信データを通信インタフェース112を介して外部端末4へ送信させる処理を行う。
図12は、第6の実施形態の外部端末4に係る構成を示す図である。外部端末4は、アンテナ40と、通信インタフェース41と、推定データ受信処理部42と、推定データ記憶部43と、動作装置制御部44と、動作装置45とから構成される。
通信インタフェース41はアンテナ40を備え、解析端末1Bから送信された動作状態の推定結果および歩幅、片足の接地時間などの特徴量を示す情報を受信する。無線インタフェースとしては、先に述べたように例えば無線LANやBluetooth(登録商標)が用いられる。
推定データ受信処理部42は解析端末1から上記推定された動作状態および特徴量に関するデータを通信インタフェース41を介して受信した後、推定データ記憶部43に保存する。
推定データ記憶部43は、推定データ受信処理部42で受信した上記動作状態等のデータを記憶する。
動作装置制御部44は、推定データ記憶部43に記憶された上記動作状態または特徴量に関する情報を元に、動作装置45にユーザ3を支援するような動作を実施させる。
動作装置45は、映像出力装置(モニタ等)、音声出力装置(スピーカ、楽器等)、光源(LED: Light Emitting Diodeや電球)、アクチュエーター(振動子やロボットアーム、電気治療器)、温熱機器(ヒータやペルチェ素子)などである。
(動作)
外部端末4では、解析端末1から上記推定された動作状態および特徴量に関するデータに基づき、動作装置制御部44が動作装置45に命令して様々なユーザ3の支援サービスを実現する。以下具体例を記載する。
例えば、ランニングにおいて、ユーザ3の状態が走行状態から歩行状態に遷移した際には、再び走行するように促すための音声の発呼、疲労した筋肉の弛緩のための振動、ペルチェ素子による身体の冷却、ゴール地点までの残距離を示す映像出力などを外部端末から提示することが挙げられる。また、歩行状態と走行状態で提示する音の種類を変えるなど、異なる出力をしてもよい。
また、解析端末1Bの解析結果を利用するのはユーザ3に限られず、解析端末1Bから外部端末4に送信される過程においてインターネット等を介して、遠方における他の利用者、たとえばユーザ3のコーチや知人が利用してもよい。この場合、提示する情報は、上記コーチや知人などの他の利用者に向けた注意喚起、メッセージを出力してもよい。
また、センサ端末2から得られる生体情報を外部端末4へ直接送信し、外部端末4において、解析端末1のような動作状態の推定や上記各種特徴量を算出する機能を持たせて利用するようにしてもよい。
(実施形態の効果)
以上詳述したように第6の実施形態では、解析端末1Bから上記推定された動作状態および特徴量に関するデータに基づき、動作装置制御部44が動作装置45に命令して様々なユーザ3の支援サービスを行う。したがって、ユーザ3に対し、歩行状態と走行状態のそれぞれで高精度な支援サービスの提供ができ、その他(静止またはそれに近い状態)の状態でも誤った推定をしないことで、より実態に近い状況を踏まえた支援サービスを提供することが可能となる。
[その他の実施形態]
第1乃至第6の実施形態では、センサ端末2と解析端末1または1Aまたは1Bとが分離された場合を例にとって説明したが、センサ端末2と解析端末1または1Aまたは1Bとを1つの運動状態解析装置として一体化しても良い。
例えば、スマートフォンに内蔵された3軸加速度センサにより、ユーザ3の運動時にユーザ3に加わる加速度を示す情報(生体情報)を測定し、測定した加速度を示す情報からスマートフォンのプロセッサによってユーザ3の動作状態が歩行状態、走行状態およびその他(静止またはそれに近い状態)の状態のいずれかであることを推定する。そして、歩行状態または走行状態と推定されたときに、上記測定された加速度を示す情報を入力として、歩幅、移動速度、移動距離などのユーザの運動特徴量を算出し、この算出した特徴量を表す表示メッセージをスマートフォンのディスプレイに表示させたり、またはスピーカから音声メッセージを出力させる。さらには、上記算出されたユーザの運動特徴量に応じて映像や音楽を再生し、ユーザ3に提示する。
なお、スマートフォン等のようなセンサ端末と解析端末とを一体化した装置から外部端末へデータを送信するための無線インタフェースとしては、例えば3G(Third-Generation Cellular Phone)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、LTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handyphon System)等の携帯電話やガスメータ検針等に使用されている無線データ通信規格に対応したインタフェースを使用してもよい。
また、第1乃至6の各実施形態においては、加速度センサを用いて歩行状態と走行状態を推定する方法について説明をしたが、これに限定されない。例えば、靴や床に設置する圧力センサにより、圧力がかかる接地時間または接地圧力等を検出してその検出データを解析端末へ送信し、解析端末において上記検出データをもとにユーザの歩行状態と走行状態を推定するようにしてもよい。また、ジャイロセンサによるユーザの体の回転速度の変化、発汗センサによる汗の量、呼気センサによる呼吸の頻度または吐き出す二酸化炭素の量を利用してもよい。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1、1A、1B…解析端末、2…センサ端末、3…ユーザ、4…外部端末、10、25、40…アンテナ、11、11B…インタフェースユニット、12、12A、12B…制御ユニット、13…記憶ユニット、14…ディスプレイ、110、24、41…通信インタフェース、111…出力インタフェース、120…生体情報受信処理部、121…振幅情報抽出部122…歩調算出部、123…状態推定部、124…推定データ出力処理部、125…特徴量算出部、126…推定データ出力処理部、127…推定データ送信処理部、130…生体情報記憶部、131…推定データ記憶部、20…加速度センサ、21…生体情報検出部、22…生体情報記憶部、23…生体情報送信処理部、42…推定データ受信処理部、43…推定データ記憶部、44…動作装置制御部、45…動作装置。

Claims (8)

  1. ユーザに装着され前記ユーザの生体情報を計測して出力するセンサ端末と、
    前記センサ端末から出力された前記ユーザの生体情報を受信する解析端末と
    を具備し、
    前記解析端末は、
    前記受信した生体情報をもとに前記ユーザの歩調を算出する歩調算出手段と、
    前記受信した生体情報を入力として統計学的方法を用いることで前記生体情報の振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、
    前記歩調算出手段により算出された歩調と、前記振幅情報抽出手段により抽出された振幅情報とに基づいて、前記ユーザの動作状態が歩行状態、走行状態およびそれ以外の状態のいずれかであるかを推定する状態推定手段と
    を備えることを特徴とする運動状態解析システム。
  2. 前記センサ端末は、前記ユーザの生体情報として、歩行状態または走行状態において前記ユーザに加わる加速度を示す情報を計測し、
    前記解析端末の前記振幅情報抽出手段は、前記振幅情報として、前記加速度を示す情報から当該加速度の一定期間における分散値を計算し、
    前記状態推定手段は、予め設定された非線形の閾値関数と、前記算出された歩調および前記振幅情報として算出された分散値とを比較することで、前記ユーザの動作状態が歩行
    状態、走行状態およびそれ以外の状態のいずれかであるかを推定することを特徴とする
    請求項1に記載の運動状態解析システム。
  3. 前記解析端末は、
    前記推定された動作状態に対応する演算式を、歩行状態および走行状態のそれぞれに対し予め設定された第1及び第2の演算式から選択し、この選択された第1または第2の演算式に基づいて、前記ユーザの歩行状態または走行状態における歩幅を算出する特徴量算出手段と、
    前記特徴量算出手段により算出された歩幅を表す情報を、前記推定された動作状態と共に出力する出力手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の運動状態解析システム。
  4. 前記特徴量算出手段は、前記推定された動作状態と、前記算出された歩調および歩幅を表す情報に基づいて、前記歩行状態または前記走行状態における前記ユーザの移動速度または移動距離を算出することを特徴とする請求項3に記載の運動状態解析システム。
  5. 前記特徴量算出手段は、前記ユーザの歩行状態または走行状態における片足の接地時間を算出する手段をさらに備え、
    前記接地時間を算出する手段は、
    前記状態推定手段により動作状態が走行状態と推定された場合には、前記ユーザの加速度と、予め設定された接地判定用の閾値とを比較することで前記片足の接地時間を算出する手段と、
    前記状態推定手段により動作状態が歩行状態と推定された場合には、前記ユーザの加速度変化に基づいて算出される一歩当りの時間間隔と、予め設定された一定量の補正係数とを足し合わせることで、前記片足の接地時間を算出する手段と
    を備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の運動状態解析システム。
  6. ユーザに装着され前記ユーザの生体情報を計測して出力するセンサ端末と、前記センサ端末から出力された前記ユーザの生体情報を受信する解析端末とを具備するシステムが実行する運動状態解析方法であって、
    前記解析端末が、前記受信した生体情報をもとに前記ユーザの歩調を算出する歩調算出過程と、
    前記解析端末が、前記受信した生体情報を入力として統計学的方法を用いることで振幅情報を抽出する振幅情報抽出過程と、
    前記解析端末が、前記歩調算出過程により算出された歩調と、前記振幅情報抽出過程により抽出された振幅情報とに基づいて、前記ユーザの動作状態が歩行状態、走行状態およびそれ以外の状態のいずれかであるかを推定する状態推定過程と
    を備えることを特徴とする運動状態解析方法。
  7. ユーザに装着され前記ユーザの生体情報を計測するセンサ部と、
    前記センサ部により計測された生体情報をもとに前記ユーザの歩調を算出する歩調算出手段と、
    前記センサ部により計測された生体情報を入力として統計学的方法を用いることで振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、
    前記歩調算出手段により算出された歩調と、前記振幅情報抽出手段により抽出された振幅情報とに基づいて、前記ユーザの動作状態が歩行状態、走行状態およびそれ以外の状態いずれかであるかを推定する状態推定手段と
    を具備することを特徴とする運動状態解析装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれかに記載の運動状態解析システムの解析端末が具備する手段による処理を、前記解析端末が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
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