JP2016181381A - 放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放電ランプ100は、金属ハロゲン化物が封入された放電空間111を内部に有する発光部11と;放電空間111の内部に突出し、所定の距離を置いて対向配置させた一対の電極32と;を具備している。金属ハロゲン化物は、インジウムのハロゲン化物、ナトリウムのハロゲン化物、およびスカンジウムのハロゲン化物を含んでいる。金属ハロゲン化物の重量をW(μg)、インジウムのハロゲン化物の重量をI(μg)、ナトリウムのハロゲン化物の重量をN(μg)、およびスカンジウムのハロゲン化物の重量をS(μg)とした場合に以下の式を満足する。0.7≦N/S≦1.2、0.04≦I/W≦0.15、0.3≦S/W≦0.45
【選択図】図1
Description
放電ランプが自動車の前照灯などに用いられる場合には、放電ランプから放射された光の色温度(点灯色)は、一般的には4000K程度となっている。
近年においては、色温度がより高い光(例えば、青白い光)を放射する放電ランプが好まれる傾向にある。
そのため、色温度が5500Kの光を放射可能な放電ランプが提案されている。
放電ランプから放射される光の色温度は、金属ハロゲン化物の組成により変化させることができる。
ところが、金属ハロゲン化物の組成を変えることで色温度を高くすると、発光効率が低下したり、光束維持率が低下したりするおそれがある。
そのため、放射される光の色温度が高く、且つ、発光効率の向上と光束維持率の向上を図ることができる放電ランプの開発が望まれていた。
前記金属ハロゲン化物は、インジウムのハロゲン化物、ナトリウムのハロゲン化物、およびスカンジウムのハロゲン化物を含んでいる。
前記金属ハロゲン化物の重量をW(μg)、前記インジウムのハロゲン化物の重量をI(μg)、前記ナトリウムのハロゲン化物の重量をN(μg)、および前記スカンジウムのハロゲン化物の重量をS(μg)とした場合に以下の式を満足する。
0.7≦N/S≦1.2
0.04≦I/W≦0.15
0.3≦S/W≦0.45
前記金属ハロゲン化物は、インジウムのハロゲン化物、ナトリウムのハロゲン化物、およびスカンジウムのハロゲン化物を含んでいる。
前記金属ハロゲン化物の重量をW(μg)、前記インジウムのハロゲン化物の重量をI(μg)、前記ナトリウムのハロゲン化物の重量をN(μg)、および前記スカンジウムのハロゲン化物の重量をS(μg)とした場合に以下の式を満足する。
0.7≦N/S≦1.2
0.04≦I/W≦0.15
0.3≦S/W≦0.45
この放電ランプによれば、放射される光の色温度が高く、且つ、発光効率の向上と光束維持率の向上を図ることができる。
7(μg/μL)≦W/V≦15(μg/μL)
この様にすれば、発光効率の向上と、放電ランプ100の長寿命化を図ることができる。
そして、前記亜鉛のハロゲン化物の重量をZn(μg)とした場合に以下の式を満足するようにすることができる。
0.03≦Zn/W
この様にすれば、電極32の消耗を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る放電ランプは、例えば、自動車の前照灯に用いられるHID(High Intensity Discharge)ランプとすることができる。また、放電ランプが自動車の前照灯に用いられるHIDランプとする場合には、いわゆる水平点灯を行うものとすることができる。
なお、図1においては、放電ランプ100を自動車に取り付けた場合に、前方となる方向を前端側、その反対方向を後端側、上方となる方向を上端側、下方となる方向を下端側としている。
バーナー101には、外管5、内管1、電極マウント3、サポートワイヤ35、スリーブ4、および金属バンド71が設けられている。
外管5は、内管1の外側に内管1と同芯に設けられている。すなわち、二重管構造となっている。
内管1は、発光部11、封止部12、境界部13、および円筒部14を有する。
発光部11の内部には、中央部分がほぼ円柱状で、両端がテーパ状にすぼまっている放電空間111が設けられている。
金属ハロゲン化物2は、例えば、インジウムのハロゲン化物、ナトリウムのハロゲン化物、スカンジウムのハロゲン化物、亜鉛のハロゲン化物などを含むものとすることができる。ハロゲンとしては、例えば、ヨウ素を例示することができる。ただし、ヨウ素の代わりに臭素や塩素などを用いることもできる。
本実施の形態に係る放電ランプ100においては、環境保護の観点から、金属ハロゲン化物2は水銀を含んでいない。
なお、金属ハロゲン化物2の組成に関する詳細は後述する。
不活性ガスの封入圧力は、例えば、常温(25℃)で10atm以上、15atm以下とすることが好ましい。
封止部12は、例えば、ピンチシール法を用いて形成することができる。なお、封止部12は、シュリンクシール法により形成され、円柱状を呈したものであってもよい。
一方の封止部12の発光部11側とは反対側には、境界部13を介して円筒部14が連続的に形成されている。
電極マウント3は、金属箔31、電極32、コイル33、およびリード線34を有する。
金属箔31は、電極32の放電空間111側とは反対側の端部の近傍に接合されている。
金属箔31は、薄板状を呈し、例えば、モリブデンから形成されている。
電極32の太さ寸法(断面形状が円形の場合には直径寸法)は、0.2mm以上0.4mm以下とすることができる。
一対の電極32の先端同士の間の距離(電極間距離)は、例えば、3.4mm以上4.4mm以下とすることができる。
すなわち、一対の電極32は、放電空間111の内部にそれぞれ突出し、所定の距離をおいて対向配置されている。
電極32の他端側は、金属箔31の発光部11側の端部近傍に接合されている。電極32と金属箔31の接合は、レーザ溶接により行うことができる。
リード線34の一端側は、金属箔31の発光部11側とは反対側の端部近傍に接合されている。リード線34と金属箔31の接合は、レーザ溶接により行うことができる。リード線34の他端側は、内管1の外部にまで延びている。
スリーブ4は、サポートワイヤ35の内管1と平行に延びる部分を覆っている。スリーブ4は、例えば、円筒状を呈し、セラミックから形成することができる。
金属バンド71は、外管5の後端側の外周面に固定されている。
本体部6は、樹脂などの絶縁性材料から形成されている。本体部6の内部には、リード線34、サポートワイヤ35、およびスリーブ4の後端側が設けられている。
側部端子82は、本体部6の後端部側の側壁に設けられている。側部端子82は、導電性材料から形成され、サポートワイヤ35と電気的に接続されている。
本発明者の得た知見によれば、金属ハロゲン化物2にインジウムのハロゲン化物、ナトリウムのハロゲン化物、およびスカンジウムのハロゲン化物が含まれている場合に、スカンジウムのハロゲン化物に対するナトリウムのハロゲン化物の比率を減少させたり、金属ハロゲン化物2に対するインジウムのハロゲン化物の比率を高めたりすれば、放電ランプ100から放射される光の色温度を高くすることができる。
発光部11に白濁が生じると、光の透過が阻害されるので、光束維持率が低下してしまう。
ナトリウムおよびスカンジウムは、発光に寄与する元素であるため、ナトリウムおよびスカンジウムの量が減ると、発光量が減少し、ひいては発光効率が低下してしまう。
金属ハロゲン化物2は、ScI3、NaI、ZnI2、およびInBrを含むものとした。
金属ハロゲン化物2の重量は、300μgとした。
放電空間111に封入される不活性ガスは、キセノンとした。キセノンの封入圧力は、常温(25℃)で12atmとした。
発光部11の内径(放電空間111の中央部分の直径寸法)は、2.5mmとした。
発光部11の外径は、6.2mmとした。
放電空間111の容積は、26μL(mm3)とした。
そして、未使用の放電ランプ100を用い、使用開始から所定の時間経過後に色温度および発光効率を測定した。
色温度の評価においては、色温度が4600K以上の場合を「○」とし、色温度が4600K未満の場合を「×」とした。
発光効率の評価においては、発光効率が80lm/W(ルーメン/ワット)以上の場合を「○」とし、発光効率が80lm/W未満の場合を「×」とした。
表1から分かるように、0.7≦N/S≦1.2、0.04≦I/W≦0.15とすれば、色温度が4600K以上、発光効率が80lm/W以上となるようにすることができる。
また、0.7≦N/S≦1.2、0.04≦I/W≦0.15としている。
発光効率の評価基準は、表1の場合と同様である。
光束維持率は、未使用の放電ランプ100を複数用い、使用開始から2000時間の間において評価した。
点灯2000時間時点での放電ランプ100の全光束値が、初期値の70%以上の場合には「◎」、60%以上70%未満の場合には「○」、60%未満の場合には「×」とした。
そのため、0.7≦N/S≦1.2、0.04≦I/W≦0.15、0.3≦S/W≦0.45とすれば、放射される光の色温度が高く、且つ、発光効率の向上と光束維持率の向上を図ることができる放電ランプ100とすることができる。
この場合、7(μg/μL)>W/Vとすれば、発光効率が低下する。W/V>15(μg/μL)とすれば、放電ランプ100の寿命が短くなる。
Claims (4)
- 金属ハロゲン化物が封入された放電空間を内部に有する発光部と;
前記放電空間の内部に突出し、所定の距離を置いて対向配置させた一対の電極と;
を具備し、
前記金属ハロゲン化物は、インジウムのハロゲン化物、ナトリウムのハロゲン化物、およびスカンジウムのハロゲン化物を含み、
前記金属ハロゲン化物の重量をW(μg)、前記インジウムのハロゲン化物の重量をI(μg)、前記ナトリウムのハロゲン化物の重量をN(μg)、および前記スカンジウムのハロゲン化物の重量をS(μg)とした場合に以下の式を満足する放電ランプ。
0.7≦N/S≦1.2
0.04≦I/W≦0.15
0.3≦S/W≦0.45 - 前記放電空間の容積をV(μL)とした場合に、以下の式を満足する請求項1記載の放電ランプ。
7(μg/μL)≦W/V≦15(μg/μL) - 前記金属ハロゲン化物は、亜鉛のハロゲン化物をさらに含み、
前記亜鉛のハロゲン化物の重量をZn(μg)とした場合に以下の式を満足する請求項1または2に記載の放電ランプ。
0.03≦Zn/W - 安定点灯時において、発光効率が80lm/W(ルーメン/ワット)以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の放電ランプ。
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