JP2004039323A - メタルハライドランプとそれを用いた自動車用前照灯装置 - Google Patents

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Nobuhiro Tamura
田村 暢宏
Kiyoko Kawashima
川島 淨子
Takuya Honma
本間 卓也
Hiromichi Kawashima
川島 弘道
Hiroyuki Kato
加藤 啓幸
Makoto Deguchi
出口 誠
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Abstract

【課題】環境に悪影響を及ぼすHgを本質的に用いていないメタルハライドランプにおいて、Hgレスメタルハライドランプに特有のランプ点灯時における水分量の増大を抑制することによって、寿命特性の低下などを改善する。
【解決手段】メタルハライドランプ1は、放電空間2aと封止部2bを有する放電容器2を具備する。放電容器2内には、ハロゲン化金属と希ガスとを含み、本質的に水銀を含まない放電媒体が封入されている。放電空間2a内には一対の電極3が対向配置されており、これら電極3の基部側端部は封止部2aにより保持されている。このようなHgレスメタルハライドランプ1中のハロゲン化金属(発光物質6)に含まれる水分量を50ppm以下に制御する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Hgレスのメタルハライドランプと、それを用いた自動車用前照灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、発光管内に水銀および希ガスと共に各種のハロゲン化金属(メタルハライド)を封入することにより、ランプの発光効率や演色性を向上させたものである。メタルハライドランプは高効率、高演色性などの特徴を有することから、店舗照明や道路照明などの一般照明用として幅広く使用されている。さらに、自動車の前照灯装置においても、光源としてメタルハライドランプが使用されるようになってきている。
【0003】
上述したように、従来のメタルハライドランプは放電媒体の一部として水銀を用いたものが一般的である。しかし、環境問題が深刻化してきている現在では、照明分野においても環境負荷が大きい水銀の使用を減少させることが求められており、さらにはランプ全般から水銀を廃絶することが非常に重要な問題として考えられている。このような問題に対して、メタルハライドランプにおいても水銀を使用しないための対策がいくつか提案されている。
【0004】
例えば、特開平11−238488号公報には、主発光物質であるスカンジウム(Sc)、ナトリウム(Na)、希土類元素などのハロゲン化物からなる第1のハロゲン化金属と、蒸気圧が高い亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)などのハロゲン化物からなる第2のハロゲン化金属とを、希ガスと共に放電媒体として封入したメタルハライドランプが記載されている。また、特開平11−307048号公報には、さらに第3のハロゲン化金属としてイットリウム(Y)やインジウム(In)のハロゲン化物などを封入したメタルハライドランプが記載されている。これらはいずれも水銀(Hg)を用いないことに基づく種々の問題に対処したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したHgを用いないメタルハライドランプ(Hgレスメタルハライドランプ)においては、放電媒体の一部としてHgを使用しないことに基づいて、新たに以下に示すような問題が生じている。すなわち、Hgレスメタルハライドランプでは、従来のHgを封入したメタルハライドランプに比べてランプの白濁現象や黒化現象が早期に生じやすく、これにより実用的なランプ寿命を得ることが難しいという問題がある。具体的には、Hg封入メタルハライドランプの寿命は3000時間程度であるのに対して、Hgレスメタルハライドランプでは500時間程度のランプ寿命しか得られていない。
【0006】
ここで、放電ランプの寿命にはランプ中に存在する水分などの不純物が影響を及ぼしていることが知られている。例えば、特開平11−329350号には放電容器を構成する石英ガラス中のOH基含有量を低減(10ppm以下)すると共に、放電容器内に予め水素、酸素およびそれらの化合物(HO)を除去した希ガス、例えば水分含有量がモル比で5ppm以下の希ガスを封入した高圧放電ランプやメタルハライドランプなどの放電ランプが記載されている。また、特開2001−357818号公報には、放電空間に封入されたガスの水分含有率を130ppm以下としたHg封入メタルハライドランプが記載されている。
【0007】
しかしながら、Hgレスメタルハライドランプでは、上述したような石英ガラス中のOH基量や希ガス中の水分量などを低減しただけではランプ寿命を十分に高めることができず、長寿命を有するHgレスメタルハライドランプを再現性よく得るまでには至っていない。Hgレスメタルハライドランプのランプ寿命の低下には、放電容器内に発光物質として封入するハロゲン化金属に含まれる水分が影響しているものと考えられる。
【0008】
すなわち、Hgレスメタルハライドランプでは、蒸気圧が高いハロゲン化金属(上述したZn、Mn、Alなどのハロゲン化物)を含む発光物質を使用して、水銀の代わりにランプ電圧を確保することが行われているが、このようなランプではハロゲン化金属の封入量がHg封入メタルハライドランプに比べて大幅に増大する。従って、メタルハライドランプの作製材料として使用するハロゲン化金属原料中の水分量が同等であったとしても、Hgレスメタルハライドランプではハロゲン化金属から放電空間中に放出される水分量がHg封入メタルハライドランプに比べて増加することが考えられる。
【0009】
さらに、蒸気圧が高いハロゲン化金属を使用してランプ電圧を確保した場合、点灯中のハロゲン化金属の蒸発濃度が高まることに伴って、遊離ヨウ素などのハロゲンガスの発生量も増加する。遊離ヨウ素などのハロゲンガスが多量に存在していると、放電容器を構成する石英ガラスにSiOの浸食と堆積(Siの輸送現象)が起こり、これによって白濁現象(および黒化現象)が生じるものと考えられている。なお、Hg封入メタルハライドランプではHgIなどを形成するために、遊離ヨウ素などのハロゲンガスが発生しにくい。
【0010】
一方、メタルハライドランプの発光物質として使用するハロゲン化金属自体に関しても、例えば特表2000−516901号公報に記載されているように、水分含有量や酸素含有量などを低減することが行われている。具体的には、酸素濃度が200ppm以下でかつ水素濃度が100ppm以下のハロゲン化金属粒子やハロゲン化金属ペレットが記載されている。このようなハロゲン化金属の粒子やペレットは含水率の増加を防ぐような製造装置を用い、かつ例えば露点が−50℃というような環境下で作製される。
【0011】
しかしながら、上述したようなハロゲン化金属の粒子やペレットをHgレスメタルハライドランプの発光物質として用いた場合においても、ランプ寿命を必ずしも再現性よく高めることはできない。これは製造工程のみならず、後処理工程や移送工程などで取り扱う際に吸湿などにより含水率が上昇する可能性があるためである。ZnIのように潮解性が高いハロゲン化金属を含む発光物質は特にこの傾向が強く、ランプ封入時点では水分含有量が増大しているおそれが強い。従って、そのような発光物質を用いて作製したHgレスメタルハライドランプの寿命特性は低いものとなってしまう。
【0012】
上述したように、Hgレスメタルハライドランプにおいては、白濁現象や黒化現象によるランプ寿命の低下が大きな問題となっている。このランプ寿命の低下には、点灯時における放電空間中の水分量が影響しているものと考えられるが、従来の石英ガラス中のOH基量や希ガス中の水分量を低減する寿命向上策のみでは、Hgレスメタルハライドランプのランプ寿命を再現性よく高めることができない。このようなことから、Hgレスメタルハライドランプに特有のランプ点灯時における水分量の増大を抑制することによって、Hgレスメタルハライドランプの寿命の向上を図ることが強く望まれている。
【0013】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、水銀を本質的に用いていないメタルハライドランプに特有のランプ点灯時における水分量の増大を抑制することによって、ランプ寿命を向上させたHgレスメタルハライドランプ、およびそのようなHgレスメタルハライドランプを用いた自動車用前照灯装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のメタルハライドランプは、放電空間と前記放電空間の両端に設けられた封止部とを有する放電容器と;前記放電空間内に対向して配置され、かつ前記封止部に保持された一対の電極と;前記放電容器内に封入され、ハロゲン化金属からなる発光物質と希ガスとを含み、かつ本質的に水銀を含まない放電媒体と;を具備するメタルハライドランプであって、前記メタルハライドランプの消灯時における前記ハロゲン化金属中に含まれる水分量が50ppm以下であることを特徴としている。
【0015】
上記した請求項1記載の発明および以下に示す各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は以下の通りである。
【0016】
放電容器は、耐火性で透光性の気密容器により構成されており、放電空間とその両端に設けられた封止部とを有する。気密容器は、放電ランプの通常の作動温度に十分耐え得る耐火性を備え、かつ放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのよう材料で作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどのセラミックス、またはこれらの単結晶などを用いることができる。なお、必要に応じて気密容器の内面に耐ハロゲン性や耐金属性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。放電容器の内容積(放電空間の体積)は特に限定されるものではないが、例えば0.02〜0.06mL(リットル)の範囲とすることが適当である。
【0017】
なお、本発明はハロゲン化金属中に含まれる水分量を50ppm以下としたことに特徴を有するものであるが、ハロゲン化金属以外のランプ構成材料についても水分含有量を低減することが好ましい。ハロゲン化金属以外に水分含有量が多くなりやすい材料としては放電容器材料、例えば石英ガラスが挙げられる。従って、放電容器についても予め真空加熱処理などを施して、水分含有量(ガラス表面などに付着しているOH基量なども含む)を低減しておくことが好ましい。
【0018】
一対の電極は、放電空間内に対向して配置され、放電容器の封止部に一部が埋め込まれて封止・保持されるものである。本発明のメタルハライドランプは、交流および直流のいずれで点灯するように構成してもよく、それぞれの点灯方式に応じた形状や材質の電極が用いられる。また、一対の電極の電極間距離は、実用的には5mm以下が好適である。すなわち、電極間距離が5mmを超えると、点光源から離れてしまい、光学系の焦点特性が悪くなり、例えば自動車前照灯用光源として用いた場合に、照射面の明るさが低下してしまう。なお、ここで言う電極間距離は、短アーク形のメタルハライドランプに対応するものであるが、本発明は必ずしもこれに限られるものではなく、長アーク形のメタルハライドランプを構成することも可能である。
【0019】
放電媒体は放電容器内に封入されて用いられ、ハロゲン化金属からなる発光物質と希ガスとを含むものである。ハロゲン化金属としては、種々の金属元素のハロゲン化物を用いることができ、例えば主として発光に寄与する金属のハロゲン化物が使用される。このような第1のハロゲン化金属としては、ナトリウム(Na)、スカンジウム(Sc)および希土類元素から選ばれる一種または複数種の金属元素のハロゲン化物を用いることができる。NaやScは特に高効率な発光物質である。
【0020】
発光物質(ハロゲン化金属)は、蒸気圧が相対的に高く、かつ第1のハロゲン化物の金属に比較して可視光域に発光しにくい金属の一種または複数種のハロゲン化物を、第2のハロゲン化金属として含むことができる。可視光域に発光しにくい金属とは、第1のハロゲン化金属の金属成分よりエネルギー準位が高く、第1のハロゲン化金属の金属元素が主として発光する状態であればよい。このような第2のハロゲン化金属を添加することによって、Hgを含むランプに近いランプ電圧を得ることができるため、Hgレスメタルハライドランプの電気特性や発光特性を改善することが可能となる。第2のハロゲン化金属は色度改善などに対しても寄与する。
【0021】
第2のハロゲン化金属としては、例えば亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)から選ばれる一種または複数種の金属元素のハロゲン化物が用いられる。
【0022】
さらに、発光物質は第3のハロゲン化金属として、インジウム(In)、錫(Sn)、セシウム(Cs)などから選ばれる一種または複数種の金属元素のハロゲン化物を含んでいてもよい。Inのハロゲン化物は発光色度の改善などに寄与する。Snのハロゲン化物は遊離ハロゲンの抑制に寄与する成分として添加される。また、Csのハロゲン化物はアーク温度の分布を補正して熱損失を低減する成分などとして添加される。
【0023】
本発明における発光物質としては、上述した第1のハロゲン化金属と第2のハロゲン化金属との混合物、さらに第3のハロゲン化金属を混合したものなどが例示されるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明は上記したようなハロゲン化金属からなる発光物質を、放電容器の内容積1mL当たりに2mg以上、さらには10mg以上含むメタルハライドランプに対して好適である。このような比較的多量のハロゲン化金属が封入されたメタルハライドランプでは、特にハロゲン化金属中の水分量がランプ寿命に大きな影響を及ぼすためである。
【0024】
ハロゲン化金属を構成するハロゲンとしては、反応性が高いヨウ素(I)が最も適当である。さらに、臭素(Br)、塩素(Cl)、フッ素(F)の順に反応性が強くなっていくが、要すれば以上のいずれを用いてもよい。また、例えばヨウ化物と臭化物のように、異なるハロゲンの化合物を併用することもできる。
【0025】
ハロゲン化金属の封入量については、例えば主として発光に寄与する第1のハロゲン化金属は、放電容器の内容積1mL当たりに2〜110mgの範囲で封入することができる。さらに好適な範囲は放電容器の内容積1mL当たりに5〜35mgである。このような範囲において、光束の立ち上がりを早くすることができると共に、光色を安定させることができる。第2のハロゲン化金属は、放電容器の内容積1mL当たりに1〜200mgの範囲で封入することができる。さらに好適な範囲は放電容器の内容積1mL当たりに2〜50mgである。他のハロゲン化物については適宜調整される。
【0026】
希ガスは、始動用および緩衝ガスとして作用すると共に、始動直後には主発光を担うように作用するものである。一般的には気密容器を透過しなければ特に限定されないが、ネオン(Ne)は石英ガラスを透過しやすいので、気密容器を石英ガラスで形成する場合には、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)またはキセノン(Xe)が推奨される。始動直後の発光を希ガスに依存する場合には、最も発光効率が高いのはキセノンであるため、キセノンが最適である。
【0027】
また、希ガスの封入圧力を高くすると、メタルハライドランプのランプ電圧が高くなり、同一ランプ電流に対してランプ入力を大きくして、光束の立ち上がり特性を向上させることができる。光束の立ち上がり特性が良好であることは、どのような使用目的であっても好都合であるが、特に自動車用前照灯装置や液晶プロジェクタなどにおいて重要である。希ガスは例えば3気圧以上の圧力で封入され、特に5〜15気圧の範囲で封入することが好ましい。
【0028】
本発明のメタルハライドランプは、水銀が本質的に封入されていないものである。ここで、「本質的に水銀が封入されていない」とは、水銀を全く封入していない状態に限られるものではなく、放電容器の内容積1mL当たり2mg未満の水銀、さらに好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容することを意味する。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように、水銀蒸気により放電ランプの電気特性を維持する場合、短アーク形においては放電容器の内容積1mL当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上の水銀を封入していたことからすれば、本発明のメタルハライドランプは水銀量が本質的に少ないといえる。
【0029】
本発明におけるハロゲン化金属中の水分量は、メタルハライドランプの消灯時における固体状のハロゲン化金属中に含まれる水分量を示すものであり、本発明ではこのようなハロゲン化金属の水分含有量を50ppm以下としている。メタルハライドランプ中に存在するハロゲン化金属の水分含有量は以下のようにして測定するものとする。すなわち、密閉された加熱セル(大気に触れない状態)内で消灯状態のメタルハライドランプを分割し、固体として存在するハロゲン化金属がセル内に露出した状態で加熱して水分を蒸発させ、この水分量をカールフィッシャー法やFT−IR法で測定する。この際、加熱温度によりハロゲン化金属から生じた水分か、あるいは石英ガラスなどの放電容器から生じた水分かを判断することができる。ここでは、加熱温度が室温から800℃までの範囲に生じた水分を、ハロゲン化金属中に含まれていた水分量とする。
【0030】
前述したように、Hgレスメタルハライドランプでは、蒸気圧が高いハロゲン化金属(上記した第2のハロゲン化金属)を含む発光物質を使用して、ランプ電圧を確保することが行われている。ここで、点灯時におけるハロゲン化金属の蒸発濃度は各ハロゲン化金属の蒸気圧により決まるため、上記したようなHgレスメタルハライドランプではハロゲン化金属の蒸発濃度が高まることに伴って、遊離ヨウ素などのハロゲンガスの発生量も増加する。具体的には、第2のハロゲン化金属を含むHgレスメタルハライドランプでは、ハロゲン蒸気圧がHg封入メタルハライドランプに比べて10倍程度まで増加していることが判明した。
【0031】
上記した遊離ヨウ素などのハロゲンガスが多量に存在していると、放電容器を構成する石英ガラスにSiOの浸食と堆積(Siの輸送現象)、すなわちSiO+2I→SiI↑などの反応に基づくSiOの浸食と、SiOの分解反応により生じたSiIなどの堆積が起こり、これによって白濁現象が生じるものと考えられている。さらに、SiOの分解反応により生じたSiIなどが電極と反応すると電極を構成する金属成分が飛散し、これが放電容器の内壁面に付着することで黒化現象が生じるものと考えられている。
【0032】
上述したSiの輸送反応は放電空間に存在する水分により反応性が高まることから、遊離ヨウ素などのハロゲンガス量が多いHgレスメタルハライドランプでは白濁現象や黒化現象が生じやすくなる。さらに、放電空間に存在する水分は遊離ヨウ素などのハロゲンガス量の増加にも影響を及ぼしているものと考えられる。そして、Hgレスメタルハライドランプではハロゲン化金属の封入量がHg封入メタルハライドランプに比べて多くなることから、ハロゲン化金属中の水分量が同等であったとしても、放電空間中に放出される水分量はHg封入メタルハライドランプに比べて増加することになる。これらによって、従来のHgレスメタルハライドランプでは光束維持率が早期に低下することになる。
【0033】
そこで、本発明においてはランプ消灯時のメタルハライドランプ中のハロゲン化金属(固体状のハロゲン化金属)に含まれる水分量を50ppm以下に制御している。このように、ハロゲン化金属に含まれる水分量を50ppm以下とすることによって、比較的多量のハロゲン化金属が封入されるHgレスメタルハライドランプにおいても、ランプ点灯時にハロゲン化金属から放電容器内に放出される水分量を低減することが可能となる。そして、ハロゲン化金属から放出される水分量を減らすことで、上述したSiの輸送反応を抑制することができるため、白濁現象や黒化現象に基づく光束維持率の低下が抑えられる。すなわち、Hgレスメタルハライドランプの寿命特性を向上させることが可能となる。
【0034】
上述したハロゲン化金属中の水分量の低減に基づくランプ寿命の改善は、特にハロゲン化金属の封入量が多く、かつ遊離ヨウ素などのハロゲンガスの蒸気圧が高くなる傾向にあるHgレスメタルハライドランプに対して効果を発揮するものである。このようなことから、本発明は放電容器の内容積1mL当たりに2mg以上、さらには10mg以上のハロゲン化金属からなる発光物質を含むメタルハライドランプに対して好適に適用されるものである。また、本発明におけるメタルハライドランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量は20ppm以下とすることがより好ましく、これによってランプ寿命をさらに高めることが可能となる。なお、ハロゲン化金属中の水分を完全に除去することは、工業的には極めて困難であることから、実用的には0.1ppm以上50ppm以下(さらには20ppm以下)の水分を含んでいてもよいものとする。
【0035】
請求項2記載の発明は、上述した請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、前記発光物質はナトリウム、スカンジウムおよび希土類元素から選ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物からなる第1のハロゲン化金属と、亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、クロム、ニッケル、マンガン、アルミニウム、アンチモン、ベリリウム、レニウム、ガリウム、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物からなる第2のハロゲン化金属とを含むことを特徴としている。請求項2記載のメタルハライドランプは、上述した本発明の作用(ハロゲン化金属中の水分量の低減に基づくランプ寿命の改善)がより顕著に得られる発光物質の構成を規定したものである。
【0036】
すなわち、前述した第1のハロゲン化金属(Na、Scおよび希土類元素から選ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物)に加えて、蒸気圧が高い第2のハロゲン化金属(Zn、Mg、Fe、Co、Cr、Ni、Mn、Al、Sb、Be、Re、Ga、Ti、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物)を使用すると、ハロゲン化金属の蒸発濃度が高まることで、遊離ヨウ素などのハロゲンガスの発生量も増加する。このような場合においても、本発明に基づいてハロゲン化金属中の水分量を低減することによって、遊離ヨウ素などに起因するSiの輸送現象を再現性よく抑制することが可能となる。
【0037】
請求項3記載の発明は、上述した請求項1または2記載のメタルハライドランプにおいて、前記ハロゲン化金属は少なくとも亜鉛のハロゲン化物を含むことを特徴としている。ZnIのようなハロゲン化亜鉛は潮解性を有することから、ハロゲン化亜鉛を含む発光物質を使用したメタルハライドランプでは、ハロゲン化金属に含まれる水分量が多くなる傾向がある。このような場合においても、メタルハライドランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量を50ppm以下とすることによって、ランプ寿命を再現性よく高めることができる。
【0038】
請求項4記載の発明は、上述した請求項1ないし3のいずれか一項記載のメタルハライドランプにおいて、前記放電容器内に水分量が100ppm以下のハロゲン化金属原料を封入することを特徴としている。ここで、ハロゲン化金属原料とは上述した第1のハロゲン化金属と第2のハロゲン化金属との混合物、さらに第3のハロゲン化金属を添加した混合物などのペレットや粒子などを意味する。
【0039】
上述したように、ハロゲン化金属原料中の水分量を100ppm以下とし、それを放電容器内に封入することによって、メタルハライドランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量を再現性よく50ppm以下とすることができる。なお、ハロゲン化金属原料中の水分の一部は石英ガラスに吸着されたり、あるいは分解されたりするため、メタルハライドランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量は原料中の水分量より低下するものと考えられる。ハロゲン化金属原料中の水分量は、密閉された加熱セル内でカールフィッシャー法やFT−IR法で測定したり、あるいは加熱脱着型のマス分析装置で測定するものとする。
【0040】
請求項5記載の発明は、上述した請求項4記載のメタルハライドランプにおいて、前記ハロゲン化金属原料には真空加熱処理が施されていることを特徴としている。本発明で使用するハロゲン化金属原料としては、水分量が100ppm以下であればその製造工程や処理工程などに限定されるものではないが、特にハロゲン化金属原料に真空加熱処理を施すことによって、ハロゲン化金属原料中の水分量を再現性よく100ppm以下とすることができる。
【0041】
すなわち、ハロゲン化金属原料の製造条件の制御のみでは水分含有量を再現性よく低減することが難しく、さらに後工程や移送工程などで吸湿するなどして水分含有量が増加する傾向がある。これに対して、ハロゲン化金属原料に真空加熱処理を施した後に、大気に晒すことなく放電容器内に封入することによって、ハロゲン化金属中の水分量を再現性よく低減することができる。
【0042】
本発明において、ハロゲン化金属原料に対する真空加熱処理は1×10−3Pa以下の真空雰囲気中にて300〜350℃の温度で実施することができる。さらに、真空加熱処理の時間は30分〜2時間程度とすることが好ましい。真空加熱処理はハロゲン化金属原料を放電容器に入れる前に実施し、その後大気に晒すことなく放電容器内に封入してもよいし、あるいは放電容器内にハロゲン化金属原料を入れた後に開放状態で真空加熱処理を実施し、その後に放電容器を封止するようにしてもよい。
【0043】
請求項6記載の発明は、上述した請求項1ないし5いずれか一項記載のメタルハライドランプにおいて、前記ハロゲン化金属は化学量論比に対して金属成分を過剰に含んでいることを特徴としている。金属成分がリッチのハロゲン化金属は、放電容器内に発生する遊離ヨウ素などを消費する(ハロゲン化金属に戻す)役割を担うことから、遊離ヨウ素などのハロゲンガスに起因して生じるSiの輸送現象、さらにはそれに基づく白濁現象や黒化現象をより一層抑制することが可能となる。このような金属成分がリッチのハロゲン化金属は、上述したハロゲン化金属原料に対する真空加熱処理により得ることができる。これは真空加熱処理によりハロゲンが多少抜けるためである。なお、ハロゲンが抜けすぎる場合には、加熱処理容器内にハロゲンガスをスローリークさせながら加熱処理を実施することによって、金属/ハロゲン比を制御することができる。
【0044】
上述した金属成分がリッチのハロゲン化金属において、金属成分の過剰量が多くなりすぎるとハロゲン化金属本来の特性(蒸気圧など)が得られなくなるおそれがあるため、金属成分は化学量論組成に対して30%以下の範囲で過剰に含んでいることが好ましい。金属成分の過剰量は化学量論組成より多ければよいが、より効果的に遊離ヨウ素などを消費させるために、金属成分は化学量論組成に対して1%以上の範囲で過剰に含んでいることが好ましい。例えば、化学量論組成(モル組成)が1:1であるヨウ素化ナトリウム(NaI)については、ランプ中の実組成がNa1.01 1.3Iであることが好ましい。同様に、化学量論組成(モル組成)が1:2であるヨウ素化亜鉛(ZnI)についてもランプ中の実組成がZn1.01 1.3であることが好ましい。他のハロゲン化金属についても同様である。
【0045】
請求項7記載の発明は、上述した請求項1ないし6いずれか一項記載のメタルハライドランプと;前記メタルハライドランプが配設され、前記メタルハライドランプの前記放電容器の長手方向に沿った光軸を有する自動車用前照灯装置本体と;を具備することを特徴とする自動車用前照灯装置である。本発明の自動車用前照灯装置においては、本発明のメタルハライドランプに基づいて寿命特性を高めることができるため、Hgレスの自動車用前照灯装置の実用性を大幅に高めることが可能となる。なお、自動車用前照灯装置本体とは、自動車用前照灯装置からメタルハライドランプを除いた残余の構成を全て含むものである。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0047】
図1は本発明のメタルハライドランプの第1の実施形態の概略構成を示す断面図である。図1において、1はメタルハライドランプ、2は放電容器、3は電極、4は封着金属箔、5は外部リード、6は発光物質である。
【0048】
メタルハライドランプ1は、中空紡錘形状の石英ガラス製気密容器からなる放電容器2を有している。この放電容器2の内部には、細長い放電空間2aが形成されており、さらに放電空間2aの両端には一対の封止部2bがそれぞれ一体的に設けられている。放電空間2a内には一対の電極3が対向して配置されており、これら電極3は基部側端部を封止部2b内に埋設して保持することによって、放電空間2a内の所定の位置に支持されている。
【0049】
また、各電極3の基部側端部は、それぞれMo箔などからなる封着金属箔4の一方の端部側に接合されている。封着金属箔4の他方の端部側には、それぞれ外部リード5の一方の端部が接合されており、これら外部リード5の他方の端部は放電容器2の外部に導出されている。封着金属箔4は電極3および外部リード5が接合された状態で、封止部2bにより気密に封着されている。このように、放電容器2の気密状態は封着金属箔4を封止部2bの石英ガラスに密着させることで維持されている。
【0050】
放電容器2内には、放電媒体としてハロゲン化金属からなる発光物質6と希ガスとが封入されている。放電媒体は本質的にHgを含まないものである。発光物質6には種々のハロゲン化金属を使用することができる。例えば、主として発光に寄与するNa、Scおよび希土類金属から選ばれる一種または複数種の第1のハロゲン化金属に、前述した第2のハロゲン化金属や第3のハロゲン化金属を添加した混合発光物質が用いられる。
【0051】
ハロゲン化金属からなる発光物質6は、放電容器2の内容積1mL当たり2mg以上、さらには10mg以上の範囲で封入されており、ランプ消灯時には固体として放電容器2の内壁面に付着している。この実施形態のHgレスメタルハライドランプ1においては、このような発光物質6を構成するハロゲン化金属中の水分量を、ランプ消灯時に測定した際に50ppm以下に制御している。Hgレスメタルハライドランプ1中のハロゲン化金属6に含まれる水分量を50ppm以下とするためには、水分量が100ppm以下のハロゲン化金属原料を使用することが好ましく、これにより上記したようなハロゲン化金属6中の水分量を再現性よく実現することができる。また、水分量が100ppm以下のハロゲン化金属原料は真空加熱処理により再現性よく得ることができるものである。
【0052】
上述したHgレスメタルハライドランプ1によれば、ランプ消灯時のハロゲン化金属6に含まれる水分量を50ppm以下に制御しているため、ランプ点灯時にハロゲン化金属6からなる発光物質から放出される水分量を低減することが可能となる。これによって、ハロゲン化金属6からなる発光物質の封入量が多く、かつ遊離ヨウ素などのハロゲンガスの蒸気圧が高くなる傾向にあるHgレスメタルハライドランプ1においても、Siの輸送反応に基づく白濁現象や黒化現象の発生を抑制することができる。従って、Hgレスメタルハライドランプ1の光束維持率の低下が抑えられ、ランプ寿命を大幅に向上させることが可能となる。
【0053】
次に、第1の実施形態によるHgレスメタルハライドランプ1の具体例とその評価結果について述べる。
【0054】
実施例1〜3、比較例1
放電容器2としては、外径が6mm、内径が2.7mm、内容積が約0.03mL、発光空間長さが6mmの石英ガラス製気密容器を使用した。また、電極3には外径が0.35mmのW電極を用い、封止部2bからの突出長さは1.4mm、電極間距離は4.2mmとした。このような放電容器2に対して、放電媒体のうちハロゲン化金属についてはScIとNaIとZnIの混合物を封入した。これらハロゲン化金属の混合比は質量比でScI:NaI:ZnI=1:2:1とし、封入量は混合物の量として0.3mgとした。ハロゲン化金属には水分含有量が少ない良質の薬品を使用した。
【0055】
そして、上述したハロゲン化金属の混合物からなる発光物質原料を複数用意し、表1に示すような真空加熱処理(VT処理)を施して放電容器2内に封入した。真空加熱処理はハロゲン化金属原料を放電容器2内に入れる前に実施し、さらに前述した方法(カールフィッシャー法)で水分量を測定した後に、大気に晒すことなく放電容器2内に封入した。ハロゲン化金属原料中の水分量(封入前/真空加熱処理後)はそれぞれ表1に示す通りである。希ガスとしては10気圧のXeを用いた。なお、表1中の比較例1は若干水分量が多いハロゲン化金属原料を真空加熱処理せずに用いたものであり、上記実施例と同様にハロゲン化金属原料中の水分量を測定した後、大気に晒すことなく放電容器2内に封入した。
【0056】
上述した実施例1〜3および比較例1による各Hgレスメタルハライドランプ1をランプ電力40Wで点灯させ、各ランプの2000hr点灯後の光束維持率を測定した。また、点灯試験後の各Hgレスメタルハライドランプ1において、消灯時に放電容器2の内壁面に固体状態で付着しているハロゲン化金属の混合物(発光物質6)中の水分量を、前述した方法(カールフィッシャー法)によって測定した。さらに、ハロゲン化金属の組成比を分析した。このハロゲン化金属の組成比はイオンクロマトグラフィーやICP法などによる化学分析を行うことにより測定した。これらの測定結果を表1に併せて示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004039323
【0058】
表1から明らかなように、Hgレスメタルハライドランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量を50ppm以下に制御した場合には、2000hr点灯後に60%以上の光束維持率を実現することができる。また、真空加熱処理を施したハロゲン化金属原料を用いることによって、ランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量を一層低減することができ、これによって光束維持率を向上させることが可能となる。この光束維持率の向上にはハロゲン化金属の金属成分をリッチにしたことも影響しているものと考えられる。
【0059】
図2は本発明のメタルハライドランプの第2の実施形態の概略構成を示す正面図である。この第2の実施形態は、図1と同様な構成を有するメタルハライドランプ1を、さらに自動車用前照灯装置に装着するのに適した構造を示すものである。同図において、11は外管、12は口金、13は絶縁チューブである。
【0060】
外管11は紫外線カット性能を備えており、その内部に図1と同様な構成を有するメタルハライドランプ1が収納されている。外管11の両端はメタルハライドランプ1の封止部2bにそれぞれ固定されているが、内部は気密ではなく、外気に連通している。メタルハライドランプ1の一方の封止部2bは、口金12に植立されている。他端から導出された外部リード5は、外管11に平行に配置されており、先端は口金12内に導入されて図示しない端子に接続されている。この外部リード5の周囲は絶縁チューブ13で覆われている。
【0061】
メタルハライドランプ1による光照射方向は、絶縁チューブ13と反対側の方向になる。この際、絶縁チューブ13をセラミックスチューブで構成し、このセラミックスチューブを黒色などに着色することも有効である。黒色のセラミックスチューブによれば、メタルハライドランプ1からの光が反射しにくいため、光の乱反射によるグレアを抑制することができる。グレアの抑制は自動車用前照灯装置に対して特に有効である。セラミックスチューブの黒色化は、金属酸化物の塗布、焼成などにより実施可能である。また、外管11の所要の部位に図示を省略した遮光膜を形成することも有効である。
【0062】
図3は本発明の自動車用前照灯装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図であめ。同図において、14は反射鏡、15は前面カバーである。反射鏡14は、プラスチックスの成形によって異形の回転放物面に形成され、頂部背面から図2に示すメタルハライドランプ(図示せず)を着脱するように構成されている。前面カバー15は、透明性のプラスチックスの成形によりプリズムまたはレンズが一体に形成されており、反射鏡14の前面開口部に気密に装着されている。このような自動車用前照灯装置はメタルハライドランプの放電容器の長手方向に沿って光軸が設定される。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ランプ中のハロゲン化金属に含まれる水分量を低減することによって、Hgレスメタルハライドランプに特有のランプ点灯時における水分量の増大を抑制しているため、再現性よくランプ寿命を向上させたHgレスメタルハライドランプを提供することが可能となる。
【0064】
請求項2または3記載の発明によれば、ランプ内のハロゲン蒸気圧が高くなるハロゲン化金属を用いた場合においても、再現性よくランプ寿命を向上させることができる。また、請求項4ないし6記載の発明によれば、Hgレスメタルハライドランプのランプ寿命をより一層高めることが可能となる。
【0065】
請求項7記載の発明によれば、自動車用前照灯装置本体に本発明のメタルハライドランプを装着しているため、寿命特性に優れる自動車用前照灯装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるHgレスメタルハライドランプの構成を示す断面図である。
【図2】本発明のメタルハライドランプを自動車用前照灯装置に適用するための一構成例を示す正面図である。
【図3】本発明の自動車用前照灯装置の一構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……Hgレスメタルハライドランプ,2……放電容器,2a……放電空間,2b……封止部,3……電極,6……発光物質

Claims (7)

  1. 放電空間と前記放電空間の両端に設けられた封止部とを有する放電容器と;前記放電空間内に対向して配置され、かつ前記封止部に保持された一対の電極と;前記放電容器内に封入され、ハロゲン化金属からなる発光物質と希ガスとを含み、かつ本質的に水銀を含まない放電媒体と;を具備するメタルハライドランプであって、
    前記メタルハライドランプの消灯時における前記ハロゲン化金属中に含まれる水分量が50ppm以下であることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 前記発光物質は、ナトリウム、スカンジウムおよび希土類元素から選ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物からなる第1のハロゲン化金属と、亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、クロム、ニッケル、マンガン、アルミニウム、アンチモン、ベリリウム、レニウム、ガリウム、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物からなる第2のハロゲン化金属とを含むことを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  3. 前記ハロゲン化金属は少なくとも亜鉛のハロゲン化物を含むことを特徴とする請求項1または2記載のメタルハライドランプ。
  4. 前記放電容器内に水分量が100ppm以下のハロゲン化金属原料を封入することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載のメタルハライドランプ。
  5. 前記ハロゲン化金属原料には真空加熱処理が施されていることを特徴とする請求項4記載のメタルハライドランプ。
  6. 前記ハロゲン化金属は化学量論比に対して金属成分を過剰に含んでいることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項記載のメタルハライドランプ。
  7. 請求項1ないし6いずれか一項記載のメタルハライドランプと;
    前記メタルハライドランプが配設され、前記メタルハライドランプの前記放電容器の長手方向に沿った光軸を有する自動車用前照灯装置本体と;
    を具備することを特徴とする自動車用前照灯装置。
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JP2016181381A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 東芝ライテック株式会社 放電ランプ

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