JP2016180769A - 層間光波結合デバイス - Google Patents

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榊原 陽一
Yoichi Sakakibara
陽一 榊原
亮平 武井
Ryohei Takei
亮平 武井
雅彦 森
Masahiko Mori
雅彦 森
利浩 亀井
Toshihiro Kamei
利浩 亀井
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Abstract

【課題】製造コストの増大を極力抑えながら、高性能な層間光信号デバイスを提供すること。
【解決手段】基板と、該基板上又は基板に配置された下クラッドと、該下クラッド上に配置され第一の先鋭構造を有するシリコンからなる第一のコアと、該下クラッド上に形成され少なくとも該第一のコアを被覆する層間クラッドと、該層間クラッド上に形成され第二の先鋭構造を有するシリコンからなる第三のコアと、該下クラッド及び該第三のコアを被覆し、第二のコアを構成するポリマ層とを備え、該第一の先鋭構造及び該第二の先鋭構造は、平面視して重なりを持たないように配置されるとともに、該第二のコアの屈折率は、該第一のコア及び該第三のコアの屈折率よりも小さく、かつ該下クラッドの屈折率よりも大きく、該層間クラッドの屈折率は、該第二のコアの屈折率よりも小さく、かつ下クラッドの屈折率と同等以上の屈折率であることを特徴とする層間光波結合デバイス。
【選択図】 図1

Description

本発明は、層間光波結合デバイスに関するものである。
将来の高性能コンピューティングシステムは、プロセッサーのグローバル配線に対して、十分な通信帯域幅を持つことや、通信遅延が小さいこと及び消費電力が低いことなどが必要とされる。しかしながら既存の金属配線技術には、配線断面積の縮小や駆動周波数の上昇などの理由により、今後の性能向上が十分に期待できない。
そこで、シリコンフォトニクスに基づいたオンチップ光配線技術が有望であるが、配線に求められる通信帯域幅は急激な速度で増大し続けているため、いかに光配線技術を導入したとしても単層の光配線では帯域幅が不足する。このため、配線密度を劇的に増加させることのできる、光配線層を多層に積層した三次元光配線技術に高い期待が寄せられている。
三次元光配線技術は、帯域幅を拡大させるだけに止まらず、低損失かつ漏洩の少ない光導波路交差を実現できるという長所も併せ持つ。これは、二つの交差する光導波路を空間的に分離することができるためである。高性能な優れた光導波路交差の重要性は、光配線の高密度化及び複雑化に伴い劇的に増大している。
三次元光配線を実現するためには、異なる二つの光配線層間での低損失な光結合が不可欠であるが、この実現は容易ではない。なぜならば、光は電気の場合と異なり、急激な伝送路の屈曲や屈折率の不連続によって大きな光損失が発生してしまうためである。そのため、層間で光波をやり取りする際には、以下のような技術が提案されている。
チップと光ファイバの間の光信号の接続に用いられるテーパを有するスポットサイズ変換器を複数組み合わせることにより、異なる光導波路の層間で光信号を相互に結合する方法が提案されている。(非特許文献1参照)
非特許文献1に記載のデバイス構造の場合、上下層に配置されている光導波路が互いにテーパ構造を有しているために、互いの光導波路に構造的あるいは材料的な屈折率の差異が存在したとしても、テーパ構造のどこかで、上下層の光導波路がそれぞれ単独で存在した場合の実効屈折率が上下層で一致する箇所が存在する。そのため、構造的あるいは材料的な屈折率の変動に対して鈍感な光波結合を実現できる。加えて、光波結合を利用しているために原理的に低損失であり、しかも光波の上下層間の結合箇所は一箇所のみであるため、一度光波が移行した後は再び元の光導波路へ光波が戻ることはほとんどない。
この方法では層間の距離を十分に離すことは難しい。すなわち、テーパ構造の先端幅を十分に細くすることで、光波のモード形状を光導波路の外側へ広く拡大させることができるために、層間距離を十分に離しても原理的には光波を結合させることはできるが、その場合、意図せず発生するわずかな光導波路構造の摂動により容易に光波は光導波路から散逸してしまい、損失の原因となる。
すなわち、この方法は、効率は高いものの、層間の間隔を十分に離すことが困難であるといった問題がある。
発明者らは、上記の問題を解決するために、異なる光波回路層間で光波回路中を伝搬する光波を、擬TEモードと擬TMモードとの両偏波に対して効率よく結合させかつ、製造等によって生じる構造的、並びに材料的な変動による結合効率の劣化を十分抑制できる層間光波結合デバイスを提案している。(特許文献2、3参照)
ところが、上記のデバイス構造では第二の光導波路の第二のコアに、典型的にはSiOからなる下クラッドよりも屈折率が高く、典型的にはSi(シリコン)からなる第一の光導波路の第一のコア及び第三の光導波路の第三のコアよりも屈折率の低いコア材が必要である。
加えて、第二の光導波路の上部に配置されている光導波路のコアとなるSiを形成する際に、良質なSiを得るためにも250度以上のプロセス温度を用いることが望ましく、また一般的に高い清浄度の要求される真空装置中でこれを形成するために、下地となる第二の光導波路の第二のコアは有機材料ではなく無機材料であることが望ましい。
上記の2点の要求を満足する第二の光導波路の第二のコアとして、SiO(0<x<2)あるいはSi(O)Nが最も適切であるが、これらの成膜には専用の高額な成膜装置を用いなければならないのみならず、シラン系ガスやアンモニアガス等の危険なガスを用いなければならないために、製造コストが増大する。
特開2011−180166号公報 特願2013−006445号 特願2013−152430号
R.Sun et al.,"Impedance matching vertical opticalwaveguide couplers for dense high index contrast circuits," Opt. Express 16,pp. 11683-11690, 2008 「i線露光法を用いた超低損失シリコン導波路スポットサイズ変換器」、2012年秋季第73回応用物理学会学術講演会「講演予稿集」 Ryohei Takei et al., "Ultra-Low-Loss Silicon BasedSpot-Size Converter Fabricated by CMOS Compatible Process," IEEE THE9THINTERNATIONAL CONFERENCE ON GROUP IV PHOTONICS(GFP) 29-31 August 2012 WB4 P36-38
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、製造コストの増大を極力抑えながら、高性能な層間光信号デバイスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は次のとおりである。
(1)基板と、該基板上又は基板に配置された下クラッドと、該下クラッド上に配置され第一の先鋭構造を有するシリコンからなる第一のコアと、該下クラッド上に形成され少なくとも該第一のコアを被覆する層間クラッドと、該層間クラッド上に形成され第二の先鋭構造を有するシリコンからなる第三のコアと、該下クラッド及び該第三のコアを被覆し、第二のコアを構成するポリマ層とを備え、該第一の先鋭構造及び該第二の先鋭構造は、平面視して重なりを持たないように配置されるとともに、該第二のコアの屈折率は、該第一のコア及び該第三のコアの屈折率よりも小さく、かつ該下クラッドの屈折率よりも大きく、該層間クラッドの屈折率は、該第二のコアの屈折率よりも小さく、かつ下クラッドの屈折率と同等以上の屈折率であることを特徴とする層間光波結合デバイス。
(2)上記第一のコア、上記第二のコア及び上記第三のコアの内の少なくとも一つがステップ屈折率導波路あるいはグレーデッド屈折率導波路であることを特徴とする(1)に記載の層間光波結合デバイス。
(3)上記層間クラッドは、TEOS(TetraEthOxySilane)−SiOからなり、上記第三のコアは、非晶質シリコンからなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の層間光波結合デバイス。
(4)上記第二のコアを構成するポリマ層は、BCB(ベンゾシクロブテン)、エポキシ樹脂又はポリイミドからなる層であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
(5)上記基板上に、上記第二のコアを覆う上クラッドをさらに備えたことを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
(6)上記上クラッドは、上記第二のコアを構成するポリマ層より屈折率の小さいエポキシ樹脂からなることを特徴とする(5)に記載の層間光波結合デバイス。
(7)上記先鋭構造は、少なくとも一辺に傾斜した側壁を有することを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
(8)上記先鋭構造を構成する一辺及び他の一辺の双方が、傾斜した側壁を有することを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
(9)上記先鋭構造は、先端に向かって厚みが減少していることを特徴とする(1)ないし(8)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
(10)上記先鋭構造の先端付近の断面形状が三角形であることを特徴とする(9)に記載の層間光波結合デバイス。
(11)上記基板は、SOI基板であることを特徴とする(1)ないし(10)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
(12)上記基板は、光集積回路基板であることを特徴とする(1)ないし(10)のいずれかに記載の層間光波結合デバイス。
本発明によれば、第二のコアをスピン塗布法を用いて簡便に塗布できるポリマ材料からなるコアとすることにより、製造コストの増大を極力抑えながら、高性能な層間光波結合デバイスを提供することができる。
さらに、本願第三発明によれば、第二のコアをポリマ材料からなるコアとするとともに、層間クラッドをTEOS−SiOとし、第三のコアを非晶質シリコンとしたため、比較的低温で形成することができ、かつ製造コストの増大を極力抑えながら、高性能な層間光波結合デバイスを得ることができる。
本発明に係る層間光波結合デバイスの基本構造を示す平面模式図である。 本発明に係る層間光波結合デバイスの基本構造を示す中央横断面模式図である。 本発明に係る層間光波結合デバイスの基本構造を示す左側面模式図である。 本発明に係る層間光波結合デバイスの基本構造を示す右側面模式図である。 本発明に係る層間光波結合デバイスの一例の構造に対する、シミュレーションによる電磁界分布を示した図である。 層間光結合デバイスを備えた光路の透過率の測定値を示す図である。
(本発明に係る層間光波結合デバイス)
図1は、本発明に係る層間光波結合デバイスの基本構造を示す平面模式図である。
図2は、その中央横断面模式図である。また、図3は、その左側面模式図であり、図4は、その右側面模式図である。
なお、図1ないし図4において、第一及び第二の先鋭構造の長さ方向は、実際より縮小して模式的に図示している。
図1ないし図4に示す本発明に係る層間光波結合デバイスの基本構造は、次のとおりである。
上記の層間光波結合デバイスの基本構造は、光集積回路基板又はSOI(Silicon On Insulator)基板等の基板と、光集積回路基板等の基板上又はSOI基板に配置された下クラッドと、下クラッド上に配置され第一の先鋭構造を有するSiからなる第一のコアと、下クラッド上に形成され少なくとも第一のコアを被覆する、TEOS−SiO等からなる層間クラッドと、層間クラッド上に形成され第二の先鋭構造を有する非晶質シリコン等からなる第三のコアと、下クラッド及び第三のコアを被覆する第二のコアと、第二のコアを覆うように形成される上クラッド層からなる。
そして、図1ないし図4から分かるように、第一の先鋭構造及び第二の先鋭構造は、空間的に離隔して配置されるとともに、平面視して重なりを持たないように配置されている。
第二のコアの屈折率は、第一のコア及び第三のコアの屈折率よりも小さく、かつ下クラッドの屈折率よりも大きい。また、層間クラッドの屈折率は、第二のコアの屈折率よりも小さく、かつ下クラッドの屈折率と同等以上の屈折率を有している。
(本発明に係る層間光波結合デバイスの動作)
第一の光導波路又は第三の光導波路中を伝搬している光波は、それぞれの先鋭構造の箇所を通過することで、第二の光導波路へと結合する。その後、第二の光導波路中を伝搬している光波は、異なる光波回路層に配置されている第三の光導波路あるいは第一の光導波路へ、先鋭構造の箇所を通過することで結合する。
たとえ、第二の光導波路の第二のコアより屈折率の低い層間クラッドが介在していても、図5に示すように、第一の光導波路と上層の第三の光導波路とは、第二の光導波路を介して光波結合される。
(層間光波結合デバイスの一実施形態)
第一のコアの材料は、屈折率等の関係からSiが好ましい。そこで、例えばSOI基板のトップシリコン層をコアとする第一の先鋭構造を有する第一の光導波路を形成する。
なお、光集積回路基板等の基板を使用する場合には、基板上にSiO膜等の下クラッドを形成し、その上に成膜したSi層をコアとする第一の先鋭構造を有する第一の光導波路を形成する。
その後、TEOSを材料ガスとしてPCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiOを成膜する。
なお、第一のコアが単結晶、多結晶シリコンの場合、SOG(Spin-On-Glass)の使用が可能である。また、第一のコアが非晶質シリコンの場合、低温焼結可能な特殊なSOGの利用が可能である。
SiOを成膜した後に、必要に応じて基板最表面を平坦化する目的でCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて研磨する。
第三のコアの材料も、屈折率等の関係からSiが好ましい。Si材料としては、低温で成膜可能かつ安価なa−Si(アモルファスシリコン)がより好ましい。a−Siの場合、材料の吸収損失を低減化するために、a−Si:H(水素化アモルファスシリコン)が特に好ましい。
なお、第一のコアが単結晶、多結晶シリコンの場合は、第三のコアの材料として多結晶シリコンの使用も可能である。ここで、第一のコアが非晶質シリコンの場合であっても、低温レーザアニール等の方法により低温で結晶化させる技術を用いることで、多結晶Siを用いることが可能である。
また、Si元素以外に炭素、ゲルマニウム等を添加した材料であってもよい。
平坦化した基板上にa−Si:Hを成膜し、成膜したa−Si:Hをコアとする第二の先鋭構造を有する第三の光導波路を形成する。
次に、第三の導波路の下方以外の部分のSiOをパターニングとエッチング等を用いて除去する。その工程によって第三の導波路に損傷が与えられないように、第三の導波路の周囲に空間的な余裕を持ってSiOを除去する。
SiOを部分的に除去した後、ポリマ材をスピン塗布し、必要に応じて焼結あるいは紫外線照射等によって固形化する。ポリマ材として、BGB(ベンゾシクロブテン)、エポキシ樹脂、ポリイミドなどが好ましい。これらは、下クラッドや層間クラッドのSiOよりも屈折率が高く、第一及び第三の光導波路のコアであるSiよりも屈折率は低い。塗布したポリマ材を、パターニングとエッチング等によって、第二の光導波路の形状に加工する。または、感光性のエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂を用いることで、パターニングのみによって光導波路の形状に加工する。
必要に応じて、第二のコアを覆うように上クラッドを形成する。
上クラッド材としては、ポリマで形成されている第二の光導波路と同じポリマ材であるエポキシ樹脂が好ましい。
なお、第二のコアにポリマ材としてエポキシ樹脂を使用する際には、上クラッド材のエポキシ樹脂よりも、屈折率が大きくなるように調整したエポキシ樹脂を使用する必要がある。
第一ないし第三の光導波路の第一ないし第三のコアと第一及び第二の先鋭構造と層間クラッドの断面形状並びに位置関係は、図1ないし図4に示す、本発明に係る層間光波結合デバイスの一実施形態の模式図のとおりである。
図2ないし図4から分かるように、第一の光導波路の第一のコアと第三の光導波路の第三のコアとは、層間クラッドを介して空間的に離隔されている。
なお、第一のコアの第一の先鋭構造と第三のコアの第二の先鋭構造は、平面視して重なりを持たないように配置されていることが肝要である。
第二の光導波路の第二のコアの厚みは、第三の光導波路を全て覆っていればいくらでもよい。
この様にして作製される層間光デバイスの挿入損失を評価した。
挿入損失を正確に評価するために、互いに異なる数の層間光結合デバイスがシリコン細線導波路を用いて直列に接続された複数の光導波路を同一基板上に形成した。これらの光導波路全体の挿入損失の差異から、単位数当たりの層間光結合デバイスの挿入損失が評価できる。
波長1550nmのTE偏光に調整された光波を上記光導波路へ入力した。入力された光波は、シリコン細線光導波路並びに層間光結合デバイスを通過後、基板から出力される。その出力光は、光パワーメータを用いて検出された。図6に検出された測定値を示す。
測定結果から、層間光結合デバイスの挿入損失は1.8dBであると評価され、グレーティング結合器やミラーを用いた従来の層間光結合デバイスより低い挿入損失が実現されている。
(本発明に係る層間光波結合デバイスの先鋭構造)
本発明では、光導波路の先端部のコアの構造が鋭角を構成するものを先鋭構造とする。図1から分かるように、コアの先端が平面視して鋭角の二等辺三角形を構成する構造が代表例である。
本発明者らは、光導波路の先鋭構造をi線ステッパ等解像度が低いステッパを用いても電子ビーム露光技術あるいは液浸エキシマーステッパ技術によると同等に作製することができる方法を提案している。(特許文献1参照)
この方法によれば、先鋭構造として、コアの先端の各辺を均等に斜めに除去した鋭角の二等辺三角形やコアの先端の一辺のみを斜めに除去して鋭角の三角形としたものを精度良く作製することができる。
さらに、本発明者らは、上記の技術を改良した、コアの先端の辺に傾斜した側壁を形成した先鋭構造及び先端に向かって厚みを低減させた先鋭構造とその作製方法を提案している。(特許文献2、非特許文献2、3参照)
これによれば、さらに先鋭構造として次のような変形例があげられる。
(1)一辺に傾斜した側壁を有する先鋭構造。
側壁の傾斜角度は、60度以上85度以下が好ましい。さらに、75度以上80度以下がより好ましい。
(2)一辺及び他の一辺の双方が、傾斜した側壁を有する先鋭構造。
側壁の傾斜角度は、上記(1)に準ずる。各辺の傾斜角度は必ずしも同一である必要はない。
(3)先端に向かって厚みが減少している先鋭構造。
(4)上記(2)及び(3)の構造を組み合わせることにより、先端付近の断面形状を三角形とした先鋭構造。
なお、上記(1)ないし(4)の先鋭構造は、特許文献1に開示したダブルパターニング技術と、特許文献2及び非特許文献2ないし3に開示した側壁の上部に比べて下部が広がる傾斜構造を形成できるドライエッチング方法を適宜採用することにより実現可能である。
例えば、先鋭構造における側壁の傾斜構造は、シリコンにアンダーカットの入るガス、SFと、側壁の保護膜を堆積させることのできるガス、例えばCとの混合ガス雰囲気中で誘導結合型反応性イオンエッチング行い、その混合比R(=SF/C)を調整することで適宜傾斜角度を制御することにより実現することができる。
本発明に係る層間光波結合デバイスでは、先鋭構造を用いることによって、層間での光波結合効率の偏波依存性を減少させることができる。
特に上記(1)ないし(4)の先鋭構造を用いることによって、擬TMモードに対する層間での光波結合効率を顕著に減少させることができ、光波結合効率の偏波依存性を減少させることができる。
以上、図1ないし図4に図示した基本構造及び実施形態を参照して、本発明の層間光波結合デバイスを説明したが、これらはあくまでも本発明の層間光波結合デバイスの理解を容易にするためのものである。
したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想に基づく変形、他の実施形態は、当然本発明の層間光波結合デバイスに包含されるものである。
例えば、図1ないし図4に図示した基本構造及び実施形態における第一のコア及び第三のコアの先鋭構造の各辺は、平面視して直線形状であるが、凹形状又は凸形状であってもよい。
また、第一のコア、第二のコア及び第三のコアの内の少なくとも一つをグレーデッド屈折率導波路あるいはステップ屈折率導波路とすることもできる。この場合、第一の光導波路及び第三の光導波路が単独で存在した時の実効屈折率が第二の光導波路のそれよりも大きい必要がある。

Claims (12)

  1. 基板と、該基板上又は基板に配置された下クラッドと、該下クラッド上に配置され第一の先鋭構造を有するシリコンからなる第一のコアと、該下クラッド上に形成され少なくとも該第一のコアを被覆する層間クラッドと、該層間クラッド上に形成され第二の先鋭構造を有するシリコンからなる第三のコアと、該下クラッド及び該第三のコアを被覆し、第二のコアを構成するポリマ層とを備え、該第一の先鋭構造及び該第二の先鋭構造は、平面視して重なりを持たないように配置されるとともに、該第二のコアの屈折率は、該第一のコア及び該第三のコアの屈折率よりも小さく、かつ該下クラッドの屈折率よりも大きく、該層間クラッドの屈折率は、該第二のコアの屈折率よりも小さく、かつ下クラッドの屈折率と同等以上の屈折率であることを特徴とする層間光波結合デバイス。
  2. 上記第一のコア、上記第二のコア及び上記第三のコアの内の少なくとも一つがステップ屈折率導波路あるいはグレーデッド屈折率導波路であることを特徴とする請求項1に記載の層間光波結合デバイス。
  3. 上記層間クラッドは、TEOS−SiOからなり、上記第三のコアは、非晶質シリコンからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の層間光波結合デバイス。
  4. 上記第二のコアを構成するポリマ層は、BCB、エポキシ樹脂又はポリイミドからなる層であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
  5. 上記基板上に、上記第二のコアを覆う上クラッドをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
  6. 上記上クラッドは、上記第二のコアを構成するポリマ層より屈折率の小さいエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の層間光波結合デバイス。
  7. 上記先鋭構造は、少なくとも一辺に傾斜した側壁を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
  8. 上記先鋭構造を構成する一辺及び他の一辺の双方が、傾斜した側壁を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
  9. 上記先鋭構造は、先端に向かって厚みが減少していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
  10. 上記先鋭構造の先端付近の断面形状が三角形であることを特徴とする請求項9に記載の層間光波結合デバイス。
  11. 上記基板は、SOI基板であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
  12. 上記基板は、光集積回路基板であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の層間光波結合デバイス。
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