JP2016180684A - 渦流探傷装置の感度補正方法および感度補正装置 - Google Patents

渦流探傷装置の感度補正方法および感度補正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】渦流センサで生じる感度変化に対して製造ラインが操業中に感度を補正すること。
【解決手段】非金属ロール上を走行する金属帯を検査する探傷用センサを有する渦流探傷装置の感度補正方法において、金属帯の製造ラインが操業中に、非接触式の渦流センサからなる補正用センサによって、非金属ロールのロール面のうち幅方向で金属帯のエッジ部よりも外側に設けられた金属片を検出する検出ステップ(ステップS1,S2)と、補正用センサによる金属片の検出値に基づいて補正係数を算出する算出ステップ(ステップS3)と、探傷用センサから出力される金属帯の検出値を補正係数によって感度補正する補正ステップ(ステップS5)とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、渦流探傷装置の感度補正方法および感度補正装置に関する。
従来、導体である金属帯の表層に存在する欠陥を検出する方法として、渦流探傷法が広く知られている。渦流探傷法は、一次コイルを励磁することにより金属帯の表層に渦電流を発生させ、その渦電流によって生じる磁界が二次コイルに誘導電圧を誘起し、その誘導電圧による出力電圧を計測することで金属帯の欠陥を検出する。
金属帯の表面に欠陥があった場合、欠陥で渦電流の流れが変化するため、渦電流による磁界の生じ方が変化し、二次コイルに誘起される誘導電圧が通常とは異なる。そのため、二次コイルを差動接続している場合には、その欠陥によって二次コイル間の出力電圧がゼロではなくなるため、金属帯の欠陥を検出することが可能である。
例えば、特許文献1には、渦流探傷装置に使用する非接触式の渦流センサとして、E形状のコアに一次コイルと二つの二次コイルとが巻かれたE型センサが開示されている。E型センサでは、中央脚部に一次コイルが巻かれ、両側脚部に巻かれた二つの二次コイルが差動的に接続されている。その三本の脚部が検査対象となる金属帯の表面へ向けて突出するようにして、E型センサを金属帯とは非接触の位置に配置させる。
また、特許文献2には、定期的に製造ラインを停止させて、センサ列のE型センサについて感度を校正する渦流探傷装置の感度校正方法が記載されている。このように、渦流探傷装置には、長期間にわたり精度良く安定して金属帯の欠陥を検出できることが要求されるため、定期的に渦流センサの感度校正を実施する必要がある。
特開平7−116732号公報 特開2006−234750号公報
しかしながら、渦流探傷装置を継続的に使用すると、渦流センサや電気回路における温度変化による感度変化や経時変化などが生じる。そのため、製造ラインを停止して定期的に感度校正を実施しても、次回の感度校正を実施するまでの間、渦流センサの感度は一定であるとは限らない。
また、製造ラインを停止しなければならない場合、鉄鋼製造ラインのように大規模ラインでは頻繁に感度校正を行うことが困難となる。短くて3〜4ヶ月周期でライン停止中の感度校正が実施されるため、その間に渦流センサの感度が大きく変化することもある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、渦流センサで生じる感度変化に対して製造ラインが操業中に感度を補正できる渦流探傷装置の感度補正方法および感度補正装置を提供することを目的とする。
本発明に係る渦流探傷装置の感度補正方法は、非金属ロール上を走行する金属帯を検査対象とする非接触式の渦流センサからなる探傷用センサを有する渦流探傷装置の感度補正方法において、前記金属帯の製造ラインが操業中に、非接触式の渦流センサからなる補正用センサによって、前記非金属ロールのロール面のうち前記金属帯の幅方向で当該金属帯のエッジ部よりも外側に設けられた金属片を検出する検出ステップと、前記補正用センサによる前記金属片の検出値に基づいて補正係数を算出する算出ステップと、前記操業中に、前記探傷用センサから出力される前記金属帯の検出値を、前記補正係数によって感度補正する補正ステップとを含むことを特徴とする。
上記渦流探傷装置の感度補正方法は、前記補正係数が予め定められた所定閾値を超える場合、前記補正ステップによる感度補正を行わずに、前記補正係数が所定閾値を超えた旨を識別可能な情報で報知する報知ステップをさらに含むことが好ましい。
上記渦流探傷装置の感度補正方法は、前記検出ステップは、前記製造ラインが操業再開時に、前記補正用センサによって前記金属片を検出し、かつ当該金属片の検出値を基準値として取得するステップと、前記基準値を取得後に、所定周期で前記金属片を複数回検出し、かつ当該金属片の検出値を現在検出値として取得するステップとを含み、前記算出ステップは、前記現在検出値に対する前記基準値の比となる前記補正係数を算出するステップを含むことが好ましい。
上記渦流探傷装置の感度補正方法は、前記検出ステップは、複数の前記補正用センサによって前記金属片を検出するステップを含み、前記算出ステップは、前記複数の補正用センサによる前記金属片の検出値に基づく平均値を用いて前記補正係数を算出するステップを含むことが好ましい。
本発明に係る渦流探傷装置の感度補正装置は、非金属ロール上を走行する金属帯を検査対象とする非接触式の渦流センサからなる探傷用センサを有する渦流探傷装置の感度補正装置において、前記非金属ロールのロール面のうち前記金属帯の幅方向で当該金属帯のエッジ部よりも外側に位置する非接触面に設けられた金属片と、前記非接触面および前記金属片と対向するように配置された非接触式の渦流センサからなる補正用センサと、前記金属帯の製造ラインが操業中に、前記補正用センサによって前記金属片を検出する検出手段と、前記補正用センサからの前記金属片の検出値に基づいて補正係数を算出する算出手段と、前記操業中に、前記探傷用センサから出力される前記金属帯の検出値を、前記補正係数によって感度補正する補正手段とを備えていることを特徴とする。
上記渦流探傷装置の感度補正装置は、前記補正係数が予め定められた所定閾値を超えた場合、当該補正係数が所定閾値を超えた旨を識別可能な情報で報知する報知手段をさらに備え、前記補正手段は、前記補正係数が前記所定閾値を超えた場合、感度補正を実施せず、前記補正係数が前記所定閾値以内である場合には、当該補正係数によって前記探傷用センサを感度補正することが好ましい。
上記渦流探傷装置の感度補正装置は、前記検出手段は、前記製造ラインが操業再開時に、前記補正用センサによって前記金属片を検出し、かつ当該金属片の検出値を基準値として取得する手段と、所定周期で前記金属片を複数回検出し、かつ当該金属片の検出値を現在検出値として取得する手段とを含み、前記算出手段は、前記現在検出値に対する前記基準値の比となる前記補正係数を算出することが好ましい。
上記渦流探傷装置の感度補正装置は、前記金属片は、前記非接触面上に貼り付けられた金属テープであり、前記金属テープは、前記金属帯とは接触せずに前記非金属ロールの軸線方向に沿って所定長さに形成されていることが好ましい。
上記渦流探傷装置の感度補正装置は、前記金属片は、前記金属帯の幅方向で前記金属帯の一方のエッジ部よりも外側に位置する一方の非接触面に設けられた第1金属片と、前記金属帯の幅方向で前記金属帯の他方のエッジ部よりも外側に位置する他方の非接触面に設けられた第2金属片とを含み、前記補正用センサは、前記第1金属片を検出する第1補正用センサと、前記第2金属片を検出する第2補正用センサとを含み、前記算出手段は、前記第1補正用センサからの前記第1金属片の検出値と前記第2補正用センサからの前記第2金属片の検出値とに基づく平均値を用いて前記補正係数を算出することが好ましい。
本発明によれば、製造ラインの操業中に、補正用センサによって非金属ロールに設けられた金属片を検出し、その検出値に基づいて金属帯を検査中の探傷用センサについて感度補正することができる。これにより、製造ラインを停止させなくても短い周期で探傷用センサの感度を補正できるため、探傷用センサによる金属帯の検査精度を向上させることができる。
図1は、本実施形態における渦流探傷装置の感度補正方法の処理フローを示すフローチャート図である。 図2は、本実施形態における渦流探傷装置の感度補正装置を示す模式図である。 図3は、感度補正装置の補正用センサを模式的に示す図である。 図4は、渦流探傷装置の探傷用センサを模式的に示す図である。 図5は、感度補正装置の電子制御装置を示すブロック図である。 図6は、定期オフライン校正におけるセンサ感度比を示すグラフである。 図7は、補正後のセンサ感度比を示すグラフである。 図8(a)は、オフライン校正方法の一例を示す模式図である。図8(b)は、オフライン校正用の治具を示す図である。図8(c),図8(d)は、探傷用センサで治具を検出する際のセンサ脚部と治具との相対的な位置関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における渦流探傷装置の感度補正装置について具体的に説明する。
(1.感度補正装置)
図2は、本実施形態における渦流探傷装置の感度補正装置を示す模式図である。渦流探傷装置の感度補正装置(以下、単に「感度補正装置」という)1は、非金属ロール2に貼り付けられた銅テープ3と、銅テープ3を検出する非接触式の渦流センサである補正用センサ4と、補正用センサ4からの検出信号が入力される電子制御装置20(図2に示せず)とにより構成されている。
その感度補正装置1は、製造ラインを走行する鋼帯5を検査対象とする渦流探傷装置10の探傷用センサ11に対して感度補正するものである。探傷用センサ11は、非金属ロール2上を走行中の鋼帯5の欠陥を検査する。そして、渦流探傷装置10は、複数(例えば50チャンネル)の探傷用センサ11が鋼帯5の幅方向に配列されてセンサ列を形成しているため、非金属ロール2上を走行中の鋼帯5について幅方向全域を検査領域に含めることができる。
その製造ラインでは、非金属ロール2上を様々な幅に形成された鋼帯5が走行可能であるため、非金属ロール2の軸線方向長さは鋼帯5の最大幅よりも大きく形成されている。したがって、非金属ロール2において、円柱状外周面に形成されたロール面のうち軸線方向で両端側は走行中の鋼帯5とは接触しない非接触面2aとなる。
銅テープ3は、その非接触面2aに貼り付けられている。図2に示すように、走行中の鋼帯5に対して鋼帯5の幅方向で両外側に非接触面2aが存在するため、その両外側に第1銅テープ3Aと第2銅テープ3Bとが設けられている。
第1銅テープ3Aは、鋼帯5の一方の幅方向端部(以下「一方のエッジ部」という)5aよりも幅方向外側に位置する一方の非接触面2aに貼り付けられている。第2銅テープ3Bは、鋼帯5の他方の幅方向端部(以下「他方のエッジ部」という)5bよりも幅方向外側に位置する他方の非接触面2aに貼り付けられている。
各銅テープ3A,3Bは、補正用センサ4が検出可能な所定厚さを有する長方形状に形成されており、その長手方向が非金属ロール2の軸線方向に沿って平行になるように非接触面2aに貼り付けられている。図2に示すように、各銅テープ3A,3Bは、ロール面の軸線方向両端側から中央側へ所定長さで直線状に延び、その中央側端部が鋼帯5の両エッジ部5a,5bとは接触しない。つまり、鋼帯5の幅方向において、第1銅テープ3Aは一方のエッジ部5aよりも外側に位置し、かつ第2銅テープ3Bは他方のエッジ部5bよりも外側に位置する。なお、第1銅テープ3Aと第2銅テープ3Bとは、非金属ロール2の回転方向(ロール面の円周方向)において、同じ位置に設けられていてもよく、あるいは異なる位置に設けられていてもよい。
補正用センサ4は、第1銅テープ3Aを検出する第1補正用センサ4Aと、第2銅テープ3Bを検出する第2補正用センサ4Bとを含む。第1補正用センサ4Aは、第1銅テープ3Aおよび一方の非接触面2aと対向する位置に設けられているため、鋼帯5との相対的な位置関係では一方のエッジ部5aよりも幅方向外側に位置する。第2補正用センサ4Bは、第2銅テープ3Bおよび他方の非接触面2aと対向する位置に設けられているため、鋼帯5との相対的な位置関係では他方のエッジ部5bよりも幅方向外側に位置する。
また、補正用センサ4は非接触式センサであるため、非金属ロール2の半径方向では、第1補正用センサ4Aは第1銅テープ3Aおよび一方の非接触面2aから所定距離だけ離れている。同様に、第2補正用センサ4Bは第2銅テープ3Bおよび他方の非接触面2aから所定距離だけ離れている。
さらに、補正用センサ4は、鋼帯5を検査するためのセンサではない。そのため、各補正用センサ4A,4Bは、誤って鋼帯5を検出しないように、鋼帯5を検出できない位置に設けられている。言い換えれば、各銅テープ3A,3Bは、センサ列のうち各補正用センサ4A,4Bと幅方向で隣に配置された、すなわちセンサ列のうち幅方向で最も外側に配置された各探傷用センサ11,11による鋼帯5の検出に影響しない位置に貼り付けられている。
探傷用センサ11は、非接触式の渦流センサであり、鋼帯5の表面と対向し、かつその表面から所定距離だけ離れた位置に設けられている。センサ列としては、鋼帯5の幅方向において、探傷用センサ11同士が所定間隔を空けて複数配列されている。さらに、センサ列の探傷用センサ11と各補正用センサ4A,4Bとは鋼帯5の幅方向において一列に並んでおり、センサ列の探傷用センサ11の幅方向両側に各補正用センサ4A,4Bが設けられている。
なお、この説明では、第1銅テープ3Aと第2銅テープ3Bを特に区別しない場合には銅テープ3と記載する。同様に、第1補正用センサ4Aと第2補正用センサ4Bを特に区別しない場合には補正用センサ4と記載する。
図3は、補正用センサ4のセンサ構造を説明するための模式図である。補正用センサ4は、三本の脚部7a,7b,7cを有するE形状のコア7と、一次コイル(励磁コイル)8と、二次コイル(検出コイル)9とからなるE型センサである。また、補正用センサ4は図示しない支持部材によって支持されている。
一次コイル8は、コア7の中央脚部7aに巻かれており、その両端部が交流電源(図示せず)に電気的に接続されている。二次コイル9は、差動的に接続された二つの二次コイル9A,9Bによって構成されている。一方の二次コイル9Aは、コア7の一方の両側脚部7bに巻かれている。他方の二次コイル9Bは、コア7の他方の両側脚部7cに巻かれている。さらに、差動接続された二次コイル9A,9Bの両端部は、一方の二次コイル9Aと他方の二次コイル9Bの間の出力を位相検波する位相検波器(図示せず)に電気的に接続されている。
また、三本の脚部7a,7b,7cはいずれも平行かつ同じ長さに形成されているため、中央脚部7aと一方の両側脚部7bの間隙幅が中央脚部7aと他方の両側脚部7cの間隙幅と同じ広さである。この場合、各銅テープ3A,3Bの幅(ロール面の周方向長さ)は、中央脚部7aと各両側脚部7b,7cとの間隙以下の大きさに形成される。そして、全脚部7a,7b,7cが非接触面2aへ向けて突出し、かつ非接触面2aの接線方向に沿って並ぶようにして補正用センサ4が配置される。図3に示すように、非金属ロール2の回転方向で、一方の両側脚部7b、中央脚部7a、他方の両側脚部7cの順に並ぶ。
ここで、補正用センサ4による銅テープ3の検出原理について説明する。補正用センサ4は、銅テープ3の位置を検出する渦流式変位センサである。製造ラインの操業中、非金属ロール2が回転し銅テープ3の周方向位置(回転方向位置)は変化するものの、補正用センサ4は固定されているため、補正用センサ4に対して銅テープ3は変位する。要するに、銅テープ3は、補正用センサ4と対向する領域(対向領域)内を周期的に通過することになる。対向領域とは、補正用センサ4を非接触面2aに投影した領域とも言える。
具体的には、銅テープ3は、まず一方の二次コイル9Aが巻かれた一方の両側脚部7bとの対向領域(第1領域)を通過する。その後、一方の両側脚部7bと中央脚部7aの間隙部との対向領域(第2領域)を介して、一次コイル8が巻かれた中央脚部7aとの対向領域(第3領域)を通過する。そして、中央脚部7aと他方の両側脚部7cの間隙部との対向領域(第4領域)を介して、他方の二次コイル9Bが巻かれた他方の両側脚部7cとの対向領域(第5領域)を通過する。
このように、銅テープ3が補正用センサ4との対向領域(第1〜第5領域)を通過する際に、補正用センサ4の一次コイル8を励磁することによって、一次コイル8による磁界内に銅テープ3が存在するため、銅テープ3に渦電流が生じる。その銅テープ3の渦電流により生じる磁界によって各二次コイル9A,9Bに誘導電圧が誘起される。そして、補正用センサ4は銅テープ3を検出し、その検出信号を電子制御装置20へ出力する。補正用センサ4から出力される検出信号(銅テープ3の検出信号)には、銅テープ3の検出値を表す二次コイル9A,9Bの出力電圧Voutが含まれる。
例えば、銅テープ3が一方の両側脚部7bと中央脚部7aの間隙部との対向領域(第2領域)内に位置する場合、一方の二次コイル9Aに誘起される第1誘導電圧Vi_1は、他方の二次コイル9Bに誘起される第2誘導電圧Vi_2よりも大きい。つまり、差動接続された二次コイル9A,9Bにおいて、第1誘導電圧Vi_1と第2誘導電圧Vi_2との差分が0よりも大きい値となるため、出力電圧Voutは0ではなくなる。
また、銅テープ3が中央脚部7aとの対向領域(第3領域)内に位置する場合、一方の二次コイル9Aにおける第1誘導電圧Vi_1は、他方の二次コイル9Bにおける第2誘導電圧Vi_2とは同じ大きさになる。二つの二次コイル9A,9Bが差動接続されていることにより、第1誘導電圧Vi_1と第2誘導電圧Vi_2とは互いに打ち消し合うため、出力電圧Voutは0となる。
そして、銅テープ3が中央脚部7aと他方の両側脚部7cの間隙部との対向領域(第4領域)内に位置する場合、他方の二次コイル9Bにおける第2誘導電圧Vi_2は、一方の二次コイル9Aにおける第1誘導電圧Vi_1よりも大きい。つまり、差動接続された二次コイル9A,9Bの出力電圧Voutは0ではなくなる。
このようにして銅テープ3を検出した補正用センサ4は、出力電圧Voutを表す検出信号(銅テープ3の検出信号)を電子制御装置20へ出力する。なお、補正用センサ4が作る磁界内に銅テープ3が位置しない場合には、銅テープ3に起因する磁界が二次コイル9A,9Bに作用しないため、出力電圧Voutは0になる。
図4は、探傷用センサ11のセンサ構造を模式的に示す図である。この渦流探傷装置10では、探傷用センサ11のセンサ構造が補正用センサ4と同じ構造である。そのため、探傷用センサ11について、補正用センサ4と同じ構成については説明を省略しその参照符号を引用する。また、探傷用センサ11により鋼帯5の欠陥を検査する探傷原理は従来の渦流探傷法を用いてよい。
鋼帯5の表面層に欠陥がない場合、探傷用センサ11において第1誘導電圧Vi_1と第2誘導電圧Vi_2は等しくなるため、その差分である二次コイル9A,9Bの出力電圧Voutは0になる。一方、鋼帯5の表面層に欠陥がある場合、鋼帯5で渦電流の生じ方が変化するため、探傷用センサ11の二つの二次コイル9A,9Bで生じる誘導電圧Vi_1,Vi_2に差が生じ、その出力電圧Voutが0ではなくなる。その際、探傷用センサ11は、出力電圧Voutを表す検査信号(鋼帯5の検出信号)を電子制御装置20へ出力する。これにより、電子制御装置20では鋼帯5の表面層に欠陥があるか否かを判定できる。
このように、補正用センサ4と探傷用センサ11とが同一のセンサ構造であるので、探傷用センサ11の経時変化は、補正用センサ4の経時変化と同じようになる。そのため、感度補正装置1では、製造ラインが操業中に、補正用センサ4による経時変化による感度変化を代表値として、探傷用センサ11の感度を補正することが可能である。これにより、複数の探傷用センサ11(例えばセンサ列)において、一定感度での検査に近づけることができる。
(1−1.電子制御装置)
図5は、電子制御装置20の構成を説明するためのブロック図である。電子制御装置20は、マイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算を実行するように構成されている。その電子制御装置20には、補正用センサ4からの信号(銅テープ3の検出信号)Sg1と、探傷用センサ11からの信号(鋼帯5の検査信号)Sg2とが入力される。
電子制御装置20は、検出部21と、算出部22と、感度補正部23と、補正係数判定部24と、報知制御部25とを備える。検出部21は、補正用センサ4から入力される銅テープ3の検出信号Sg1、および探傷用センサ11から入力される鋼帯5の検査信号Sg2を検出する手段である。算出部22は、補正用センサ4からの検出信号Sg1に含まれる銅テープ3の検出値V(補正用センサ4の出力電圧Vout)に基づいて補正係数αを算出する手段である。補正係数αとは、探傷用センサ11の感度を補正するための値であって、探傷用センサ11から入力される検査信号Sg2に含まれる鋼帯5の検出値V(鋼帯5の出力電圧Vout)を補正する係数である。
感度補正部23は、探傷用センサ11から入力された検出値Vに補正係数αを乗算することにより、探傷用センサ11の感度を補正する手段である。補正係数判定部24は、補正係数αが、上下限値として予め設定された所定閾値βを超えるか否かを判定する手段である。所定閾値βとは、補正係数αが正常値であるか、あるいは異常値であるかを判定するための閾値である。報知制御部25は、補正係数αが所定閾値βを超える異常値の場合に、その異常である旨を外部へ報知する手段である。報知制御部25からの出力信号は、電子制御装置20と通信可能に接続された報知装置6へ入力される。
報知装置6は、ブザーやランプやモニタなどにより構成される。報知制御部25から報知装置6に信号が入力されると、補正係数αが異常である旨を識別可能な情報、例えば警報音や警報光や警告画面などで外部へ報知する。
(2.感度補正方法)
図1は、本実施形態における渦流探傷装置の感度補正方法の処理フローを示すフローチャート図である。この感度補正方法は、前回のオフライン校正を実施した後から次回のオフライン校正を実施するまでの間、すなわち製造ラインが操業中に実施される。なお、オフラインとは、製造ラインが停止していることを意味する。
図1に示すように、感度補正装置1は、定期的なオフライン校正直後に、補正用センサ4によって銅テープ3を検出し、その検出値Vを補正用の基準値Vとして取得する(ステップS1)。基準値Vとは、前回のオフライン校正から次回のオフライン校正までの間に探傷用センサ11の感度を補正する際に用いられる感度基準値である。また、ステップS1で取得した基準値Vは電子制御装置20の記憶手段に記憶される。ステップS1は、オフライン校正を行った後に製造ラインを再開するタイミング、すなわち製造ラインが操業中かつオフライン校正直後(例えば再開当日中など)に実施する。
感度補正装置1は、製造ラインが操業中、定期的に補正用センサ4によって銅テープ3を検出し、その検出値Vを現在検出値Vとして取得する(ステップS2)。現在検出値Vとは、補正用の基準値Vを取得した後に、その基準値Vとは別に現在の補正用センサ4の感度を表す値として取得されるデータである。このステップS2は、製造ラインが操業中に定期的(例えば一週間に一回など)に実施される。そのため、次回のオフライン校正が実施されるまでの間に、感度補正装置1はステップS2を複数回実施し、複数取得した現在検出値Vを記憶手段に記憶する。
感度補正装置1は、現在検出値Vに対する補正用の基準値Vの比となる補正係数αを算出する(ステップS3)。補正用センサ4の感度において、基準値Vは、前回のオフライン校正時の値に近い値であり、現在検出値Vは、製造ラインが操業中に感度変化した後の値である。したがって、現在検出値Vを基準値Vで除算すると、ステップS1で基準値Vを検出した時点からステップS2で現在検出値Vを検出した時点までに補正用センサ4の感度がどの程度変化したかを表す感度変化比(現在検出値V/基準値V)が求まる。そのため、ステップS3では、感度変化比を算出し、かつ感度変化比の逆数を算出して、その逆数を補正係数α(基準値V/現在検出値V)とすることができる。要するに、ステップS3で算出される補正係数αは基準値Vを現在検出値Vで割った値であればよいため、その算出過程は、上述したように感度変化比を算出してからその逆数を求めてもよく、あるいは感度変化比を算出せずに基準値Vを現在検出値Vで除算してもよい。
上述したステップS1〜S3について、補正用センサ4が第1補正用センサ4Aと第2補正用センサ4Bとを含む場合で説明する。例えば、ステップS1において、第1補正用センサ4Aからの第1検出値V1_Aを第1基準値V3_Aとし、かつ第2補正用センサ4Bからの第2検出値V1_Bを第2基準値V3_Bとして取得する。ステップS2において、第1補正用センサ4Aについての第1現在検出値V4_Aと第2補正用センサ4Bについての第2現在検出値V4_Bとを取得する。そして、ステップS3において、第1補正用センサ4Aについての第1感度変化比(第1現在検出値V4_A/第1基準値V3_A)を算出し、かつ第2補正用センサ4Bについての第2感度変化比(第2現在検出値V4_B/第2基準値V3_B)を算出する。さらに、ステップS3では、第1感度変化比と第2感度変化比との平均値を算出し、その平均値の逆数を補正係数αとする。このように、複数の補正用センサ4からの検出値Vに基づく平均値を用いて補正係数αを算出することで、探傷用センサ11の感度補正精度を向上させることができる。
図1の説明に戻り、感度補正装置1は、補正係数αが正常値であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4では、補正係数αと所定閾値βとを比較して、補正係数αが所定閾値βを超えない場合には正常値であると判断し、反対に補正係数αが所定閾値βを超える場合には異常値であると判断する。また、所定閾値βは上限値と下限値であってよい。この場合、補正係数αは下限値としての所定閾値βと上限値としての所定閾値βとの範囲内に含まれる場合には正常値であって、その上下限値としての所定閾値βを超える場合には異常値となる。例えば、補正用センサ4が銅テープ3を検出する際に何らかの不都合が生じて異常な検出値Vを取得する可能性がある。仮に、異常な検出値Vに基づいて算出された補正係数αを用いて探傷用センサ11の感度補正を行うと、本来の感度変化に対して適切な補正がなされず、渦流探傷装置10の信頼性が低下する。ステップS4はこのような異常状態を抑制するために実施される処理である。
補正係数αが正常値であるとしてステップS4で肯定的に判断した場合、感度補正装置1は、補正係数αを探傷用センサ11からの検出値Vに積算することによって探傷用センサ11の感度補正を行う(ステップS5)。例えば、探傷用センサ11が全50チャンネルの場合、全50個の検出値Vのそれぞれに補正係数αを積算することにより、各探傷用センサ11の感度を補正することになる。製造ラインが操業中、探傷用センサ11は常に鋼帯5を検査し続けているため、電子制御装置20には探傷用センサ11からの検査信号Sg2が入力され続けている。ステップS5では、補正係数αを用いて、複数の探傷用センサ11からの検出値Vの全てに対して感度補正を行う。ここでは、前回のオフライン校正によって校正された後の探傷用センサ11の感度を所定値Vaとすると、ステップS5で検出値Vに補正係数αを積算することにより求まる値、すなわち補正後の探傷用センサ11の感度は、校正後の感度である所定値Vaに近い値になる。
一方、補正係数αが異常値であるとしてステップS4で否定的に判断した場合、感度補正装置1は、補正係数αが異常値である旨を識別可能な情報を報知手段6から外部へ報知する(ステップS6)。その報知があった場合に感度補正装置1を停止するなどの対処が可能になる。要するに、渦流探傷装置1では補正係数αが所定閾値βを超える場合には、その異常値である補正係数αに基づいて探傷用センサ11の感度補正を行わないように構成されている。
また、本実施形態では、上述したステップS2〜S5を所定周期(例えば一週間に一回の周期)で繰り返し実施することにより、実際に探傷用センサ11で生じている感度変化を補正するのに適した補正係数αに更新することができる。これにより探傷用センサ11による鋼帯5の検査精度を向上できる。具体的には、感度補正装置1は、週一回ステップS2を実施し、ステップS3において今週取得した現在検出値V4_1に基づいて補正係数α_1を算出し、ステップS5において補正係数α_1によって一週間探傷用センサ11からの検出値Vを補正する。そして、感度補正装置1は、次週新たに取得した現在検出値V4_2に基づいてステップS3において補正係数α_2を算出し、ステップS5において補正係数α_2によって一週間探傷用センサ11からの検出値Vを補正する。このように補正係数αを所定期間で更新する場合でも基準値Vは同一である。
さらに、本実施形態では、過去のデータに基づく平均値を用いて補正係数αを算出することができる。例えば、ステップS3において、ステップS2で取得した過去数回分の現在検出値Vに基づいてその平均値である平均検出値V4_aveを算出し、かつ平均検出値V4_aveを用いて上述した算出方法で補正係数αを求めることができる。なお、複数の補正用センサ4からの検出値Vに基づく平均値を用いて補正係数αを算出する場合には、第1補正用センサ4Aについての補正係数(第1基準値V3_A/第1現在検出値V4_A)を算出し、かつ第2補正用センサ4Bについての補正係数(第2基準値V3_B/第2現在検出値V4_B)を算出してから、その補正係数の平均値を算出し補正係数αとする場合が含まれる。
ここで、定期的に製造ラインを停止して実施する感度校正方法について説明する。なお、定期オフライン校正方法は従来から知られている方法であってよい。図8(a)には、従来から知られる定期オフライン校正方法の一例を示してある。図8(b)は、そのオフライン校正で用いる治具を示す。図8(c),図8(d)は、探傷用センサで治具を検出する際のセンサ脚部と治具との相対的な位置関係を説明するための図である。なお、図8(a)〜(d)には、探傷用センサ11の一次コイル8および二次コイル9を示さない。
図8(a)に示すように、このオフライン校正方法では、オフライン校正用の治具40を、センサ列を形成する探傷用センサ11における脚部の下方(第3方向下方)に配置する。治具40は、非金属板41と導体42とからなる。
非金属板41は、例えばアクリル板やベーク板などであり、所定の厚みで長方形状に形成されている。非金属板41の長手方向長さ(第1方向長さ)は、センサ列の探傷用センサ11におけるセンサ列幅(第1方向幅)よりも大きい。治具40では、非金属板41の表面41aが第3方向で探傷用センサ11の各脚部と対向するように配置される。また、非金属板41の裏面41bには、銅や鉄やアルミなどの材質からなるテープ状の導体42が貼り付けられている。
図8(b)に示すように、裏面41bに貼り付けられた導体42は、非金属板41の長手方向(第1方向)に沿ってその全域に亘り直線状に延びている。導体42の長さ(第1方向長さ)は、非金属板41の長さ(第1方向長さ)と等しいため、探傷用センサ11のセンサ列幅(第1方向幅)よりも長い。導体42の幅(第2方向長さ)は、図8(c),図8(d)に示すように、各探傷用センサ11における一方の両側脚部7bと中央脚部7aの間隙幅(第2方向間隔)、および他方の両側脚部7cと中央脚部7aとの間隙幅(第2方向間隔)よりも短い。
そして、第2方向において、導体42が探傷用センサ11における脚部同士の間隙間に位置するように治具40を配置して、探傷用センサ11によって導体42の検出値を取得することにより、オフライン校正を実施する。その校正時の測定状態では、探傷用センサ11の各間隙部と導体42とが第1方向に沿って平行になるように配置される。
まず、図8(c)に示すように、第2方向において一方の両側脚部7bと中央脚部7aとの間に導体42が位置する状態(第1測定状態)で、各探傷用センサ11における出力電圧Voutを計測し、その出力電圧Voutを第1検査値V5_1として取得する。例えば、各探傷用センサ11から電子制御装置20(図8には示さず)に出力信号が入力される。次いで、図8(d)に示すように、第2方向において中央脚部7aと他方の両側脚部7cとの間に導体42が位置する状態(第2測定状態)で、各探傷用センサ11における出力電圧Voutを計測し、その出力電圧Voutを第2検査値V5_2として取得する。
そして、電子制御装置20では、各探傷用センサ11について第1検査値V5_1と第2検査値V5_2との差分Vsを算出し、その差分Vsが上述した所定値Vaになるように感度校正を実施する。その差分Vsは感度校正前の探傷用センサ11の感度を表し、所定値Vaは感度校正後の探傷用センサ11の感度を表す。
(3.感度比の比較)
次に、図6,図7を参照して、オフライン校正におけるセンサ感度比について説明する。なお、図6,図7には、全50チャンネルのセンサ列となる探傷用センサ11を対象とした場合を示す。
図6は、補正なしの感度比を示す図である。図6に示す前回値とは、前回のオフライン校正によって校正された探傷用センサ11の感度(所定値Va)のことである。また、図6に示す今回値とは、今回のオフライン校正直前の探傷用センサ11の感度(差分Vs)のことである。
経時変化によって探傷用センサ11の感度が実際にどの程度低下したのかを図6に示していることになる。図6に示すように、感度補正装置1による感度補正を実施しない場合、定期的なオフライン校正の間(例えば三ヶ月間)に製造ラインが操業することで徐々に探傷用センサ11の感度は変化し、次回のオフライン校正直前には、探傷用センサ11の感度がセンサ列平均で前回オフライン校正時(所定値Vaで表される感度)に比べて約22%低い感度で鋼帯5を検査していたことになる。
図7は、感度補正装置1による感度補正を実施した場合の補正ありの感度比を示す図である。補正ありの感度比とは、前回のオフライン校正時の探傷用センサ11の感度(上記所定値Vaで表される感度)に対する、今回のオフライン校正直前のタイミングで感度補正装置1によって感度補正された後の探傷用センサ11の感度(補正係数αで補正された後の感度)の比である。すなわち、図7には、所定値Vaに近づける補正が行われた結果の感度比が示されている。図7に示すように、感度補正装置1が感度補正を実施することにより、次回のオフライン校正直前であっても、感度補正後の値は、所定値Vaからの数%以内の変化値であることが分かる。その感度補正後の値は、所定値Vaからの乖離度合が10%の範囲内に収まっている。このように、感度補正装置1による感度補正を実施することにより、探傷用センサ11による鋼帯5の検査精度を大幅に(例えば感度精度で約20%)改善できる。
以上説明した通り、本実施形態における渦流探傷装置の感度補正方法および感度補正装置によれば、製造ラインが操業中に補正用センサから取得した検出値に基づいて探傷用センサの感度を補正できる。これにより、定期的なオフライン校正間に探傷用センサで生じるセンサ感度の経時変化による影響を抑制することができる。したがって、探傷用センサによる鋼帯の欠陥検査精度を向上させることができる。
また、既に製造ライン中にセンサ列の探傷用センサが設けられている場合、本実施形態の感度補正装置を追加することが容易である。つまり、センサ列の両端側に補正用センサを設ければよく、省スペースかつ低コストで導入可能である。
例えば、上述した本実施形態を、鉄鋼製造プロセスにおける酸洗ラインへ適用することが可能である。この場合には、後工程である冷間圧延ラインへ挿入する前に、ヘゲ欠陥を検出可能になる。そのため、冷間圧延前にヘゲ部を除去することや、ヘゲ混入情報を冷間圧延ラインへ伝達することや、ヘゲ部について圧延ミルを開放することなど、様々な対処を行うことが可能になる。よって、ヘゲ欠陥による板破断や圧延ロールへのダメージを未然に防ぐことが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、探傷用センサ11のセンサ列幅方向両側に二つの第1および第2補正用センサ4A,4Bを設けた構成であったが、本発明において補正用センサ4の数は特に限定されない。一つの補正用センサ4を有する感度補正装置1である場合には、各補正用センサ4A,4Bのうち、第1補正用センサ4Aのみを備えた構成であってもよく、あるいは第2補正用センサ4Bのみを備えた構成であってもよい。
また、本発明では、補正用センサ4が検出対象とするものは銅テープ3に限定されない。要するに、補正用センサ4が検出可能な導体であればよいため、銅以外の金属からなる金属片や金属テープを用いることができる。さらに、長方形状の金属片であれば、テープである必要はなく、その金属片が非接触面2aから剥離しないように設けられていればよい。
さらに、補正用センサ4および探傷用センサ11では、二次コイル9を中央脚部7aに巻き、かつ差動的に接続された二つの一次コイル8を両側脚部7b,7cに巻いたE型センサであってもよい。この場合でも、二次コイル9の出力電圧Voutは、上述した実施形態と同様に差分効果が得られているためである。
加えて、本発明は、従来の定期オフライン校正方法を完全代替するものでなく、センサ列における個々の探傷用センサの特性のばらつきに対して有効なオフライン校正と併用することが好ましい。本発明では、オフライン校正を実施するよりも短周期で探傷用センサ11の感度を補正できるためである。
1 感度補正装置
2 非金属ロール
3 銅テープ
4 補正用センサ
5 鋼帯
10 渦流探傷装置
11 探傷用センサ

Claims (9)

  1. 非金属ロール上を走行する金属帯を検査対象とする非接触式の渦流センサからなる探傷用センサを有する渦流探傷装置の感度補正方法において、
    前記金属帯の製造ラインが操業中に、非接触式の渦流センサからなる補正用センサによって、前記非金属ロールのロール面のうち前記金属帯の幅方向で当該金属帯のエッジ部よりも外側に設けられた金属片を検出する検出ステップと、
    前記補正用センサによる前記金属片の検出値に基づいて補正係数を算出する算出ステップと、
    前記操業中に、前記探傷用センサから出力される前記金属帯の検出値を、前記補正係数によって感度補正する補正ステップと
    を含むことを特徴とする渦流探傷装置の感度補正方法。
  2. 前記補正係数が予め定められた所定閾値を超える場合、前記補正ステップによる感度補正を行わずに、前記補正係数が所定閾値を超えた旨を識別可能な情報で報知する報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の渦流探傷装置の感度補正方法。
  3. 前記検出ステップは、
    前記製造ラインが操業再開時に、前記補正用センサによって前記金属片を検出し、かつ当該金属片の検出値を基準値として取得するステップと、
    前記基準値を取得後に、所定周期で前記金属片を複数回検出し、かつ当該金属片の検出値を現在検出値として取得するステップとを含み、
    前記算出ステップは、前記現在検出値に対する前記基準値の比となる前記補正係数を算出するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の渦流探傷装置の感度補正方法。
  4. 前記検出ステップは、複数の前記補正用センサによって前記金属片を検出するステップを含み、
    前記算出ステップは、前記複数の補正用センサによる前記金属片の検出値に基づく平均値を用いて前記補正係数を算出するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の渦流探傷装置の感度補正方法。
  5. 非金属ロール上を走行する金属帯を検査対象とする非接触式の渦流センサからなる探傷用センサを有する渦流探傷装置の感度補正装置において、
    前記非金属ロールのロール面のうち前記金属帯の幅方向で当該金属帯のエッジ部よりも外側に位置する非接触面に設けられた金属片と、
    前記非接触面および前記金属片と対向するように配置された非接触式の渦流センサからなる補正用センサと、
    前記金属帯の製造ラインが操業中に、前記補正用センサによって前記金属片を検出する検出手段と、
    前記補正用センサからの前記金属片の検出値に基づいて補正係数を算出する算出手段と、
    前記操業中に、前記探傷用センサから出力される前記金属帯の検出値を、前記補正係数によって感度補正する補正手段と
    を備えていることを特徴とする渦流探傷装置の感度補正装置。
  6. 前記補正係数が予め定められた所定閾値を超えた場合、当該補正係数が所定閾値を超えた旨を識別可能な情報で報知する報知手段をさらに備え、
    前記補正手段は、前記補正係数が前記所定閾値を超えた場合、感度補正を実施せず、前記補正係数が前記所定閾値以内である場合には、当該補正係数によって前記探傷用センサを感度補正する
    ことを特徴とする請求項5に記載の渦流探傷装置の感度補正装置。
  7. 前記検出手段は、
    前記製造ラインが操業再開時に、前記補正用センサによって前記金属片を検出し、かつ当該金属片の検出値を基準値として取得する手段と、
    所定周期で前記金属片を複数回検出し、かつ当該金属片の検出値を現在検出値として取得する手段とを含み、
    前記算出手段は、前記現在検出値に対する前記基準値の比となる前記補正係数を算出する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の渦流探傷装置の感度補正装置。
  8. 前記金属片は、前記非接触面上に貼り付けられた金属テープであり、
    前記金属テープは、前記金属帯とは接触せずに前記非金属ロールの軸線方向に沿って所定長さに形成されている
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の渦流探傷装置の感度補正装置。
  9. 前記金属片は、
    前記金属帯の幅方向で前記金属帯の一方のエッジ部よりも外側に位置する一方の非接触面に設けられた第1金属片と、
    前記金属帯の幅方向で前記金属帯の他方のエッジ部よりも外側に位置する他方の非接触面に設けられた第2金属片とを含み、
    前記補正用センサは、
    前記第1金属片を検出する第1補正用センサと、
    前記第2金属片を検出する第2補正用センサとを含み、
    前記算出手段は、前記第1補正用センサからの前記第1金属片の検出値と前記第2補正用センサからの前記第2金属片の検出値とに基づく平均値を用いて前記補正係数を算出する
    ことを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の渦流探傷装置の感度補正装置。
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