JP2016180044A - コーティング剤、及びこれを用いた耐水紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業安全性が高く、環境負荷が小さく、塗工作業性、及び速乾性が良好であり、撥水性、膜厚の均一性、長期耐久性、及び紙の補強効果に優れたコーティング膜を形成することのできるコーティング剤、及びこれを用いて経済的に耐水性を付与された耐水紙、特に耐水段ボールを提供すること【解決手段】(a)アクリル樹脂系エマルジョン 100質量部;及び(b)ジルコニウム化合物含有エマルジョン 3〜80質量部;を含み、ここで溶液粘度が1〜500mPa・s であるコーティング剤。【選択図】なし
Description
本発明は、コーティング剤に関する。更に詳しくは、撥水性を有するコーティング剤、及びこれを用いて耐水性を付与された耐水紙、特に耐水段ボールに関する。
近年、段ボールは、積載・輸送作業の効率性を高める要請から、過酷な使用をされることが増えている。例えば、段ボールや物品を収納した段ボールを、配送時に一時的に放置する;収納倉庫、ストックヤード等の保管スペースの確保が難しい場合に屋外に放置する;悪天候下、多湿環境下において仕分ける作業を行う;及び長時間海上輸送する;などの過酷な使用がしばしば行われている。また段ボールに湿気を有する物品や液体物を収納して輸送することも増えている。そのため過酷な使用に耐え得る段ボールが望まれている。
そこで、段ボールに蝋をコーティングしたり、ポリスチレン樹脂系エマルジョンやポリウレタン樹脂系エマルジョンなどを含浸させたりすることが行われている。しかし、これらの撥水対策の効果は限定的なものであり、多湿環境に長期間耐えるものではない。また溶剤を使用することによる環境汚染、及び作業環境悪化の問題がある。
そこで、表面エネルギーの小さいコーティング剤、例えば、シリコン樹脂エマルジョンやフッ素樹脂エマルジョンをコーティングすることもある。しかし、これらのコーティング剤は高価であり、コスト的に有利な方法ではない。
そこで、段ボールの外壁及び/又は内壁にPEフィルムなどの耐水性の高いフィルムを貼り付けることが行われている。しかし、PEフィルムなどの耐水性の高いフィルムを貼り付けると、作業性が悪くなるという問題がある。またコスト的にも有利な方法ではない。
そこで、特許文献1には、「中芯原紙を段繰り成形した中芯の両面にライナを貼合した段ボールであって、中芯原紙の表裏両面の撥水度(JIS P8137)がR6以上であることを特徴とする耐水段ボール。」が開示され、「中芯原紙の両面に片面につき0.01〜2.0g/m2の撥水剤を担持させること。(同文献請求項2)」、「撥水剤の主成分が融点70℃以下のワックスであること。(同文献請求項3)」、及び「撥水剤が中芯原紙内部に染み込まないように、前記ワックスエマルジョンに合成樹脂エマルジョンを混合して使用すること。(同文献段落0014)」が提案されている。しかし、本発明者が試験したところ、特許文献1の技術は、多湿環境に長期間耐えるものではなかった。また塗工膜の均一性、及び段ボールの強度保持性についても十分なものとはいえなかった。
さらに近年では、段ボール表面に微細な凹凸形状等を付与した膜を形成し、撥水効果を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、これらの技術は、実用に供するには膜の強度、及び耐久性に問題があり、得られる耐水段ボールは過酷な使用に耐えるものではない。またコスト的にも有利な方法ではない。
本発明の課題は、作業安全性が高く、環境負荷が小さく、塗工作業性、及び速乾性が良好であり、撥水性、膜厚の均一性、長期耐久性、及び紙の補強効果に優れたコーティング膜を形成することのできるコーティング剤、及びこれを用いて経済的に耐水性を付与された耐水紙、特に耐水段ボールを提供することである。
本発明者は鋭意研究した結果、特定のコーティング剤により、上記課題を達成できることを見出し、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(a)アクリル樹脂系エマルジョン 100質量部;及び
(b)ジルコニウム化合物含有エマルジョン 3〜80質量部;を含み、
ここで溶液粘度が1〜500mPa・s であるコーティング剤である。
(a)アクリル樹脂系エマルジョン 100質量部;及び
(b)ジルコニウム化合物含有エマルジョン 3〜80質量部;を含み、
ここで溶液粘度が1〜500mPa・s であるコーティング剤である。
第2の発明は、上記成分(a)の固形分が20〜65質量%である第1の発明に記載のコーティング剤である。
第3の発明は、上記成分(b)が水性エマルジョンであって、固形分が15質量%以下である第1の発明又は第2の発明に記載のコーティング剤である。
第4の発明は、第1〜3の発明の何れか1に記載のコーティング剤を含む耐水紙である。
本発明のコーティング剤は、作業安全性が高く、環境負荷が小さく、塗工作業性、及び速乾性が良好であり、撥水性、膜厚の均一性、長期耐久性、及び紙の補強効果に優れたコーティング膜を形成することができる。そのため本発明のコーティング剤を用いて耐水性を付与された耐水紙、特に耐水段ボールは、経済的であり、かつ多湿環境下での使用などの過酷な使用をすることができる。
(a)アクリル樹脂系エマルジョン:
本発明のコーティング剤は、(a)アクリル樹脂系エマルジョンを含む。上記成分(a)は、撥水性、長期耐久性、及び耐候性を付与する働きをする。
本発明のコーティング剤は、(a)アクリル樹脂系エマルジョンを含む。上記成分(a)は、撥水性、長期耐久性、及び耐候性を付与する働きをする。
上記アクリル樹脂系エマルジョンは、液体のアクリル系樹脂を水の中に分散安定化させたものである。上記アクリル系樹脂は水の中で油滴となっている。上記油滴の大きさは、特に制限されないが、通常、直径1ミクロン以下である。
上記アクリル樹脂系エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、アクリルシリコン樹脂エマルジョン、及びアクリルスチレン樹脂エマルジョンなどをあげることができる。上記アクリル樹脂系エマルジョンとしては、例えば、特公昭62−10269号公報、特公昭62−10545号公報、特公昭58−44707号公報、特公昭58−44707号公報、特公平01−53310号公報、特公平04−15803号公報、特公平05−25914号公報、特公昭63−4874号公報、特公昭63−28948号公報、特公平04−77030号公報、特公昭61−28699号公報、特公平06−45769号公報、特許第2517965号公報、特許第2642142号公報、特許第2763790号公報、特公平07−2929号公報、特公平07−13207号公報、特許第2689844号公報、特公平08−19370号公報、特開2006−335938号公報、特開2002−212207号公報、特開2005−232331号公報、特開2005−187675号公報、特開2004−250607号公報、特開2003−201305号公報、特開2003−176311号公報、特開2003−165803号公報、及び特開2002−256154号公報に記載されたものをあげることができる。
上記成分(a)としては、これらの中で、撥水性、長期耐久性、及び耐候性の観点から、アクリルシリコン樹脂エマルジョン、アクリルシリコン樹脂エマルジョンとアクリル樹脂エマルジョンとの混合物、及びアクリルシリコン樹脂エマルジョンとアクリルスチレン樹脂エマルジョンとの混合物が好ましい。
上記アクリルシリコン樹脂エマルジョンは、アクリルシリコン樹脂を界面活性剤等によりエマルジョン化することにより得ることができる。上記アクリルシリコン樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂又はアクリル系オリゴマーを主鎖とし、ポリシロキサンオリゴマーを側鎖としてグラフト重合されてなる櫛形の樹脂を用いることができる。上記主鎖は、例えばスチレン等のコモノマー成分に由来する構造単位を含有していても良い。
上記アクリルシリコン樹脂エマルジョンの市販例としては、例えば、ローム・アンド・ハースジャパン株式会社の「プライマルPR−20(商品名)」などをあげることができる。
上記成分(a)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(a)の固形分は、塗工作業性、及び速乾性の観点から、好ましくは20〜65質量%、より好ましくは30〜55質量%である。
上記成分(a)の溶液粘度は、撥水性、塗工作業性、コーティング剤の段ボールへの浸透性、及び速乾性の観点から、10〜3000mPa・s、好ましくは20〜2000mPa・sである。
本明細書において溶液粘度は、JIS Z8803:2011に準拠し、株式会社エー・アンド・デイの音叉型振動式粘度計「SV−10A(商品名)」を使用し、試料を25℃の環境下で1時間以上状態調節した後、温度25℃で測定した値である。
上記成分(a)の最低造膜温度(Minimum−Film−Forming−Temperature。以下、「MFT」と略す。)は、得られるコーティング膜の耐擦過性の観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは15℃以下である。
上記成分(a)として、例えば、アクリルシリコン樹脂エマルジョンとアクリル樹脂エマルジョンとの混合物を用いる場合には、これらの特性が、混合物として上記範囲となるようにすればよい。他の混合物についても同様である。
(b)ジルコニウム化合物含有エマルジョン:
上気成分(b)は、固形成分としてジルコニウム化合物、上記ジルコニウム化合物との反応性を有する界面活性剤、及びワックスを含む水性の(油滴が水の中に分散した)エマルジョンである。上記成分(b)は、段ボール表面に形成されるコーティング膜の厚みを均一にする働きをする。
上気成分(b)は、固形成分としてジルコニウム化合物、上記ジルコニウム化合物との反応性を有する界面活性剤、及びワックスを含む水性の(油滴が水の中に分散した)エマルジョンである。上記成分(b)は、段ボール表面に形成されるコーティング膜の厚みを均一にする働きをする。
上記ジルコニウム化合物は毒性が無く、酸アルカリに侵されない化学的に安定な化合物であり、それ自体が高い架橋性を有する。
上記ジルコニウム化合物としては、例えば、塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、及び炭酸ジルコニウムアンモニウムなどをあげることができる。これらの中で、撥水性及び架橋性の観点から、酢酸ジルコニウムが好ましい。上記酢酸ジルコニウムとしては、撥水性及び長期耐久性の観点から、4価の酢酸ジルコニウムが好ましい。また上記酢酸ジルコニウムには1量体と2量体があるが、2量体の酢酸ジルコニウムが好ましい。
上記界面活性剤としては、上記ジルコニウム化合物との反応性を有すること以外は特に制限されず、任意の界面活性剤を用いることができる。上記ジルコニウム化合物として酢酸ジルコニウムを用いる場合には、例えば、有機カルボキシレート化合物などのカルボキシル基を有する界面活性剤を好ましく用いることができる。
上記ワックスとしては、上記界面活性剤と親和性を有し、均一に付着させることができるものであること以外は特に制限されず、任意のワックスを用いることができる。
理論に拘束される意図はないが、上記成分(b)を用いることにより、膜厚の均一性が向上するのは、段ボール表面の紙繊維と界面活性剤とがジルコニウム化合物を介して架橋する構造を形成し、当該界面活性剤に対してワックスが均一に付着するためと考察される。
上記成分(b)の固形分は、膜厚の均一性、塗工作業性、コーティング剤の段ボールへの浸透性、及び架橋安定性の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
上記成分(b)の溶液粘度は、架橋性、及び長期耐久性の観点から、好ましくは1〜30mPa・s、より好ましくは5〜25mPa・sである。溶液粘度の測定方法、及び測定条件については上述した。
上記成分(b)の市販例としては、FedChem社の「Manalox WB10(商品名)」をあげることができる。
上記成分(b)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(b)の配合量(エマルジョンとしての量)は、上記成分(a)100質量部(エマルジョンとしての量)に対して、撥水性の観点から、3質量部以上、好ましくは5質量部以上である。一方、膜厚の均一性、塗工作業性、コーティング剤の段ボールへの浸透性、及び架橋安定性の観点から、80質量部以下、好ましくは60質量部以下である。
本発明のコーティング剤の溶液粘度は、膜厚の均一性、塗工作業性、及び耐ひび割れ性の観点から、500mPa・s以下、好ましくは300mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下である。一方、コーティング剤の段ボールへの浸透性を適切な範囲に保ち、撥水性を良好にする観点から、1mPa・s以上、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上である。溶液粘度の測定方法、及び測定条件については上述した。
本発明のコーティング剤には、本発明の目的に反しない限度において、段ボールの使用環境に応じた各種の添加剤、例えば、防カビ剤、抗菌剤、光安定剤、及び着色剤などを更に含ませることができる。また塗工作業性を良好に保つ観点から、上記成分(a)及び上記成分(b)以外のその他の樹脂、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、及び粘度調整剤などを用いることができる。
本発明のコーティング剤は、上記成分(a)、上記成分(b)、及び所望に応じて用いる任意成分を、任意の撹拌機を使用して混合することにより得ることができる。好ましくは回転羽根の装着された撹拌機を用い、室温で混合することにより得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
使用した原材料
成分(a)アクリル樹脂系エマルジョン:
(a−1)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリルシリコン樹脂エマルジョン「プライマルJP−130S(商品名)」。固形分45.5質量%、溶液粘度<1200mPa・s、MFT14℃。
(a−2)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリル樹脂エマルジョン「プライマルAC−818(商品名)」。固形分46質量%、溶液粘度<1500mPa・s、MFT23℃。
(a−3)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリルスチレン樹脂エマルジョン「エラステン2471(商品名)」。固形分52.5質量%、溶液粘度<1000mPa・s、MFT<0℃。
(a−4)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリル樹脂エマルジョン「プライマルAB−200(商品名)」。固形分36.5質量%、溶液粘度<3000mPa・s、MFT27℃。
成分(a)アクリル樹脂系エマルジョン:
(a−1)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリルシリコン樹脂エマルジョン「プライマルJP−130S(商品名)」。固形分45.5質量%、溶液粘度<1200mPa・s、MFT14℃。
(a−2)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリル樹脂エマルジョン「プライマルAC−818(商品名)」。固形分46質量%、溶液粘度<1500mPa・s、MFT23℃。
(a−3)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリルスチレン樹脂エマルジョン「エラステン2471(商品名)」。固形分52.5質量%、溶液粘度<1000mPa・s、MFT<0℃。
(a−4)ローム・アンド・ハースジャパン株式会社のアクリル樹脂エマルジョン「プライマルAB−200(商品名)」。固形分36.5質量%、溶液粘度<3000mPa・s、MFT27℃。
成分(b)ジルコニウム化合物含有エマルジョン:
(b−1)FedChem社の酢酸ジルコニウムの2量体を含むエマルジョン「Manalox WB10(商品名)」。固形分9.4質量%、溶液粘度10mPa・s。
(b−2)第一稀元素化学工業株式会社の酢酸ジルコニウムの1量体を含むエマルジョン「ジルコペールRP(商品名)」。固形分34質量%、溶液粘度22mPa・s。
(b−1)FedChem社の酢酸ジルコニウムの2量体を含むエマルジョン「Manalox WB10(商品名)」。固形分9.4質量%、溶液粘度10mPa・s。
(b−2)第一稀元素化学工業株式会社の酢酸ジルコニウムの1量体を含むエマルジョン「ジルコペールRP(商品名)」。固形分34質量%、溶液粘度22mPa・s。
実施例1〜9、参考例1〜5
表1又は2に示す量(質量部)の成分を、株式会社トーケミの攪拌機「NKA4−001(商品名)」を使用し、ピッチドタービン式の羽根を用い、撹拌速度200回転/分の条件で5分間攪拌し、コーティング剤を得た。続いて、段ボール(坪量280g/m2のK7ライナ、Aフルート)の片面に、番線の番号10番のバーコーターを用いてコーティング剤を塗布した後、ドライアーを用い、送風温度80℃で30秒間の乾燥を行い、耐水処理された段ボールを得た。なお上記条件で乾燥状態にならなかった場合には、更に送風温度80℃で1分間の乾燥を行った。下記(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1又は2に示す。
表1又は2に示す量(質量部)の成分を、株式会社トーケミの攪拌機「NKA4−001(商品名)」を使用し、ピッチドタービン式の羽根を用い、撹拌速度200回転/分の条件で5分間攪拌し、コーティング剤を得た。続いて、段ボール(坪量280g/m2のK7ライナ、Aフルート)の片面に、番線の番号10番のバーコーターを用いてコーティング剤を塗布した後、ドライアーを用い、送風温度80℃で30秒間の乾燥を行い、耐水処理された段ボールを得た。なお上記条件で乾燥状態にならなかった場合には、更に送風温度80℃で1分間の乾燥を行った。下記(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1又は2に示す。
評価方法
(1)撥水性:
段ボールの耐水処理面に水道水10mLを、スポイトを用いて滴下し、室温で1時間放置した後、水滴の状態、及び段ボールへの水の浸透状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:水滴が段ボールの耐水処理面の上に残存している。
×:段ボールに水が浸透した。
(1)撥水性:
段ボールの耐水処理面に水道水10mLを、スポイトを用いて滴下し、室温で1時間放置した後、水滴の状態、及び段ボールへの水の浸透状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:水滴が段ボールの耐水処理面の上に残存している。
×:段ボールに水が浸透した。
(2)塗工作業性:
段ボールにコーティング膜を形成する際に、乾燥前の膜の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:塗工不良は認められない。
×:スジ引きや塗装ムラなどの塗工不良が認められる。
段ボールにコーティング膜を形成する際に、乾燥前の膜の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:塗工不良は認められない。
×:スジ引きや塗装ムラなどの塗工不良が認められる。
(3)速乾性:
段ボールにコーティング膜を形成する際に、送風温度80℃、30秒間の乾燥後のコーティング膜を目視観察したり、指で触れたりして確認し、以下の基準で評価した。本明細書において「乾燥状態」であるとは、指で触っても膜が変形しない状態にあることを意味する。
○:十分に乾燥している。乾燥状態にある。
×:上記条件(送風温度80℃、30秒間)では乾燥は不十分。乾燥状態になっていない。
段ボールにコーティング膜を形成する際に、送風温度80℃、30秒間の乾燥後のコーティング膜を目視観察したり、指で触れたりして確認し、以下の基準で評価した。本明細書において「乾燥状態」であるとは、指で触っても膜が変形しない状態にあることを意味する。
○:十分に乾燥している。乾燥状態にある。
×:上記条件(送風温度80℃、30秒間)では乾燥は不十分。乾燥状態になっていない。
(4)長期耐水性:
コーティング処理を施した正方形(一辺20cm)の段ボール紙の四隅を折り曲げ、箱型形状の容器を作製した。その際に段ボールの耐水処理面が、容器の内側になるようにした。図1及び図2は作製過程を示す図、図3は作製した容器の概念図である。内部に水を満たして7日間室温で放置した後、段ボールへの水の浸透状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:段ボールへの水の浸透は認められない。
△:コーティング膜の変色は認められるが、段ボールへの水の浸透は認められない。
×:段ボールへの水の浸透が認められる。
コーティング処理を施した正方形(一辺20cm)の段ボール紙の四隅を折り曲げ、箱型形状の容器を作製した。その際に段ボールの耐水処理面が、容器の内側になるようにした。図1及び図2は作製過程を示す図、図3は作製した容器の概念図である。内部に水を満たして7日間室温で放置した後、段ボールへの水の浸透状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:段ボールへの水の浸透は認められない。
△:コーティング膜の変色は認められるが、段ボールへの水の浸透は認められない。
×:段ボールへの水の浸透が認められる。
(5)落球試験:
塗装した段ボール紙に対し、高さ1mから1kgの鉄球を落下させたときに、段ボール表面に破れが生じた場合は(×不合格)、破れが生じない場合は(○合格)とした。
塗装した段ボール紙に対し、高さ1mから1kgの鉄球を落下させたときに、段ボール表面に破れが生じた場合は(×不合格)、破れが生じない場合は(○合格)とした。
本発明のコーティング剤は、塗工作業性、及び速乾性に優れる。また本発明のコーティング剤を用いて耐水性を付与された耐水段ボールは、撥水性、及び長期耐水性に優れ、落球試験も良好な結果である。
1:折り曲げる方向
2:留め具
2:留め具
Claims (4)
- (a)アクリル樹脂系エマルジョン 100質量部;及び
(b)ジルコニウム化合物含有エマルジョン 3〜80質量部;を含み、
ここで溶液粘度が1〜500mPa・s であるコーティング剤。
- 上記成分(a)の固形分が20〜65質量%である請求項1記載のコーティング剤。
- 上記成分(b)が水性エマルジョンであって、固形分が15質量%以下である請求項1又は2に記載のコーティング剤。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のコーティング剤を含む耐水紙。
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JPS61158498A (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-18 | Oji Paper Co Ltd | 熱溶融インク転写型感熱記録用受容紙 |
JPH02208370A (ja) * | 1989-02-09 | 1990-08-17 | Atom Chem Paint Co Ltd | 撥水性塗料 |
JP2002322431A (ja) * | 2001-04-27 | 2002-11-08 | Nippon Shokubai Co Ltd | クリアーコーティング用水系樹脂組成物 |
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2015
- 2015-03-24 JP JP2015060501A patent/JP2016180044A/ja active Pending
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