JP2016179871A - プリンター及びプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法 - Google Patents

プリンター及びプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送用ベルトを有するプリンターにおいて、該搬送用ベルトの汚れの位置に対応して洗浄が行え、汚れの程度の違いによって生ずる搬送用ベルトの洗浄不足の発生を低減させる。【解決手段】プリンター1は、被記録媒体Mを表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルト15と、搬送される被記録媒体Mに記録を実行する記録ヘッドユニット7A、7B、7Cと、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する方向に設けられた複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cと、複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cにそれぞれ移動可能に設けられ前記搬送用ベルト15の表面を洗浄する複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cとを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、被記録媒体を表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルトを有するインクジェットプリンター等のプリンター及び該プリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法に関する。
従来のラインヘッドプリンターとして、複数の記録ヘッドユニットが被記録媒体の搬送方向と交差する方向に、複数の各移動軸に沿って個別に移動可能に設けられたものがある(特許文献1及び特許文献2)。この構造により複数の記録ヘッドユニットが各移動軸に沿って移動して被記録媒体の搬送方向と交差する方向に並ぶことでラインヘッドを構成することが可能である。上記特許文献のいずれにも搬送用ベルト及びその洗浄方法については具体的な説明は見当たらない。尚、搬送用ベルトに対するベルト洗浄装置としては、搬送用ベルトの全体に対して単一の洗浄装置が設けられている構造が通常である。
特開2003−127352号公報 国際公開WO2003/074277号公報
しかしながら、記録の仕方によって、搬送用ベルトの幅方向の全体ではなくその一部だけがインクで汚れる場合がある。また、その汚れの程度が一様でない場合がある。
例えば、被記録媒体の幅が狭い場合は、その狭い幅の範囲がインクで汚れる。この場合は、前記単一の洗浄装置ではインクで汚れていない部分に対しても余計な洗浄を行うことになる。
また、被記録媒体の搬送速度を高めて記録を実行する場合があるが、その場合は搬送用ベルトの汚れた部分が洗浄装置の洗浄位置を通過する速度も速くなる。そのため、搬送速度が高速でない通常速度の場合に比して従来の洗浄装置では洗浄不足を生じる虞がある。
また、搬送速度は通常速度でもインク吐出密度の高い記録(高デューティーの記録)を実行する場合がある。この場合は汚れの程度が増しているので、やはり従来の洗浄装置では洗浄不足を生じる虞がある。
本発明の目的は、搬送用ベルトを有するプリンターにおいて、該搬送用ベルトの汚れの位置に対応して洗浄を行うことができ、また、汚れの程度の違いによって生ずる搬送用ベルトの洗浄不足の発生を低減できるようにすることにある。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様に係るプリンターは、被記録媒体を表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルトと、搬送される前記被記録媒体に記録を実行する記録ヘッドユニットと、前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に設けられた複数の第1移動軸と、前記複数の第1移動軸にそれぞれ移動可能に設けられ前記搬送用ベルトの表面を洗浄する複数の洗浄ユニットと、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様のプリンターにおいて、前記複数の洗浄ユニットは、前記交差する方向に並ぶことで前記搬送用ベルトの全体を洗浄可能に構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様のプリンターにおいて、前記洗浄ユニットの前記第1移動軸に沿う移動動作と前記搬送用ベルトの洗浄動作を制御する制御部を備える、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第3の態様のプリンターにおいて、前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に設けられた複数の第2移動軸を備え、前記記録ヘッドユニットは、前記複数の第2移動軸にそれぞれ移動可能に設けられ、前記複数の記録ヘッドユニットは、前記交差する方向に並ぶことでラインヘッドを構成可能である、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第3の態様又は第4の態様のプリンターにおいて、複数の前記洗浄ユニットは、複数の前記記録ヘッドユニットに対して1対1の数的関係で設けられている、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第3の態様から第5の態様のいずれか一つの態様のプリンターにおいて、前記制御部は、前記記録ヘッドユニットによる記録実行位置に対応して前記洗浄ユニットによる洗浄位置を決める第1洗浄モードを有する、ことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第3の態様から第6の態様のいずれか一つの態様のプリンターにおいて、前記制御部は、前記洗浄ユニットをその移動方向においてそれぞれ同じ位置になるよう、複数配置して前記洗浄動作を実行する第2洗浄モードを有する、ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1の態様から第7の態様のいずれか一つの態様のプリンターにおいて、前記搬送用ベルトにおける搬送速度は可変である、ことを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれか一つの態様のプリンターにおいて、前記洗浄ユニットは前記搬送用ベルトに対してその洗浄部が接近及び離間可能である、ことを特徴とする。
本発明の第10の態様に係るプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法は、被記録媒体を表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルトを有するプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法であって、前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に設けられた複数の第1移動軸にそれぞれ移動可能に設けられた複数の洗浄ユニットを洗浄位置に移動させる工程と、前記搬送用ベルトの表面を洗浄する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態1に係るプリンターを表す概略平面図。 実施形態1に係るプリンターを表す概略側断面図。 実施形態1に係るプリンターの洗浄ユニットを表す概略平面図。 実施形態1に係るプリンターを表す他の態様を表し、(A)は要部概略平面図であり(B)は洗浄ユニットの部分の概略平面図。 実施形態1に係るプリンターを表す他の態様を表し、(A)は要部概略平面図であり(B)は洗浄ユニットの部分の概略平面図。 実施形態1に係るプリンターを表す他の態様を表し、(A)は要部概略平面図であり(B)は洗浄ユニットの部分の概略平面図。 実施形態1に係るプリンターの電気的な構成を表すブロック図。 実施形態1に係るプリンターの制御部で行う動作の一例を表すブロック図。 本発明の実施形態2に係るプリンターを表す平面図。 実施形態2に係るプリンターを表す側断面図。
以下に、本発明の実施形態に係るプリンターについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下の説明では、最初に実施形態1に係るプリンターを例にとって、本発明のプリンターの概略構成とその電気的な構成について説明する。次の実施形態1に係るプリンターの具体的構成と当該プリンターを使用することによって実行される2つの洗浄モードについて具体的に説明する。続いて、実施形態1に係るプリンターを使用することによって実行される本発明のプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法について説明した後、一部の構成を異らせた実施形態2に係るプリンターの構成を実施形態1との差異を中心に具体的に説明する。
◆◆◆実施形態1◆◆◆(図1〜図8参照)
図1〜図3に表したように、本実施形態に係るプリンター1Aは、被記録媒体Mを搬送方向Aに搬送する搬送部3と、該搬送部3による被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する被記録媒体Mの幅方向Bにおける記録実行領域Dに対して記録を実行する記録ヘッドユニット7を備える記録実行部5とを具備したインクジェット方式のプリンターである。
そして、搬送部3には、被記録媒体Mを表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルト15が設けられている。また、図3に表したように、プリンター1Aには、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する幅方向Bに、一例として2本ずつ設けられた複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cが設けられている。該複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cには、それぞれ移動可能に複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cが設けられている。
洗浄ユニット70A、70B、70Cは、搬送用ベルトMの表面に接近(本明細書では、搬送用ベルトMの表面に接触しないで近付いた状態と搬送用ベルトMの表面に接触した状態の二つの状態を含包した意味で「接近」の語を使用する)することで、該搬送用ベルトMの表面を洗浄するユニット化された洗浄部材である。
そして、本実施形態では、洗浄ユニット70A、70B、70Cが一例として3つ設けられており、これらが搬送方向Aと交差する幅方向Bに並ぶことで搬送用ベルト15の幅方向Bにおける全体の洗浄実行領域Cを洗浄可能に構成されている。
更に、本実施形態では、洗浄ユニット70A、70B、70Cの第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cに沿う移動動作と搬送用ベルト15の洗浄動作を制御する制御部20が備えられている。
また、図1に表したように、本実施形態では、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する幅方向Bに一例として2本ずつ設けられた複数の第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cを備えている。これら複数の第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cに対して、それぞれ移動可能に複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cが設けられている。そして、該複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cが搬送方向Aと交差する幅方向Bに並ぶことでラインヘッドを構成するようになっている。
また、複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cは、使用が想定される被記録媒体Mの最大幅を記録可能にする数(図示の実施形態では7A、7B、7Cの三つ)設けられており、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cは、複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cに対して1対1の数的関係(図示の実施形態では70A、70B、70Cの三つ)で設けられている。
この他、記録実行状態において、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cが存する記録実行領域Dの一例として右外方の領域Eには、記録非実行状態の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを個別に覆って保護可能な複数の保護キャップ13A、13B、13Cが設けられている。
ここで、本明細書で使用する「ラインヘッド」とは、記録実行時に記録ヘッドユニット7A、7B、7Cが被記録媒体Mの搬送方向Aに交差する被記録媒体Mの幅方向Bには移動しないで並んでいる構造をいう。
「記録ヘッドユニット」とは、インク等の記録用の液体を吐出する記録ヘッド4を備え、第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cに沿って移動することが可能な構造体(ユニット)を意味する。
「保護キャップ」とは、使用されていない記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの液体吐出部の乾燥を防止する保湿機能を備えるものである。また、該機能に加えて他の機能を備えているものであってもよい。
(1)プリンターの概略構成(図1〜図3参照)
図示のプリンター1Aは、被記録媒体Mとして最大幅が6mに及ぶようなロール状に巻かれた布帛を対象とする産業用捺染向けの大型のインクジェット捺染装置である。
ここで「布帛」とは、綿、麻、絹、又はこれらを混合したもの等を原糸とする布や織物等の繊維製品を意味し、例えば、ブラウス、ワイシャツ、作業着などの衣料品の材料として用いられるブロード、シーチング等の繊維製品が挙げられる。また、化学繊維のレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、プロミックス、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンであってもよい。コート紙等の表面コーティングがなされたもの、裏面剥離フィルム、レーヨン、合成紙等も使用可能である。
本実施形態では、搬送部3として搬送用ベルト15の表面に粘着層16が形成された無端ベルトが使用されており、該無端ベルトには、搬送モーター30によって駆動される駆動ローラー41と、搬送用ベルト15を介して該駆動ローラー41の動力が伝達されて回転する従動ローラー43と、が設けられている。
また、搬送部3の上流位置には、該上流位置に供給された被記録媒体Mである布帛を粘着層16の表面に貼り付ける加圧ローラー45が配設されており、搬送用ベルト15の戻り経路の途中には、搬送用ベルト15の表面に付着した汚れ等を取り除く複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cが配設されている。
また、搬送部3の上流位置には、ロール状に巻かれた被記録媒体Mをセットし、繰出しモーター31から動力を受けて所定の方向に回転する繰出しローラー49が設けられており、該繰出しローラー49から繰り出された被記録媒体Mは、途中ガイドローラー51に案内されて前述した加圧ローラー45の設置部位に導かれるように構成されている。
また、搬送部3の下流位置には、記録実行後の被記録媒体Mを搬送用ベルト15から剥離し、途中ガイドローラー53に案内されて供給される被記録媒体Mを巻き取る巻取りローラー55が配設されている。該巻取りローラー55は、巻取りモーター32から動力を受けて所定の方向に回転するローラーで、巻取りローラー55の近傍には、記録実行後の被記録媒体Mを適宜の長さで切断するカッター57が設けられている。
記録実行部5は、前述したように幅方向Bに並んでラインヘッドを構成する複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cと、該複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを前述した複数の第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cに沿って幅方向Bに個別に往復移動させるキャリッジモーター26(図7)と、各記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの複数の記録ヘッド4に対して各色のインク等の記録用の液体を供給する図示しない液体貯溜タンク、液体供給チューブ等を備えることによって一例として構成されている。
また、第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cの長さは、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cが前述した記録実行領域Dと、保護キャップ13A、13B、13Cが設けられているその右外方の領域Eとの間を行き来できる長さに設定されている。
また、各保護キャップ13A、13B、13Cは、図示しない駆動機構によって各記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの液体吐出面に当接して液体吐出部の乾燥を防止する覆い位置と、該液体吐出面から離間して各記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの自由な移動を可能にする開放位置とを切り替えることができるように一例として構成されている。
洗浄ユニット70は、図3に表したように幅方向Bに並んで搬送用ベルト15の幅方向Bにおける洗浄実行領域Cの全体を洗浄する3つの洗浄ユニット70A、70B、70Cによって一例として構成されている。そして、各洗浄ユニット70A、70B、70Cは、搬送用ベルト15に接近して直接洗浄作用を実行する洗浄部73A、73B、73Cと、該洗浄部73A、73B、73Cを前述した複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cに沿って幅方向Bに個別に往復移動させる洗浄ユニット移動モーター28(図7)と、各洗浄部73A、73B、73Cを個別に収容し、各洗浄部73A、73B、73Cに洗浄液Lを供給するために洗浄液Lを貯溜する複数の液槽75A、75B、75Cと、を備えることによって一例として構成されている。
また、図示の実施形態1では、液槽75A、75B、75Cは、搬送用ベルト15の幅方向Bにおける洗浄実行領域Cの全体をカバーできる長さの幅方向Bに長い容器状の部材によって構成されており、幅方向Bに移動しない固定状態で設けられる構成が一例として採用されている。尚、後述するようにこの固定構造に限定されないことは勿論である。
そして、該液槽75A、75B、75Cの内部において、洗浄液Lの供給を受けた洗浄部73A、73B、73Cが幅方向Bに往復移動することによってそれぞれの洗浄位置を変えて洗浄実行領域Cの全体を洗浄できるように構成されている。
尚、洗浄部73A、73B、73Cとしては、図示のような回転ブラシ様の形状をした洗浄ブラシの他、ワイパーブレード状のもの、吸引機構を備えたもの、エアー噴射式のもの等、種々の方式の洗浄部73A、73B、73Cが採用可能である。
また、第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cの長さは、洗浄部73A、73B、73Cが洗浄実行領域Cの全範囲を行き来できる長さに設定されている。
(2)プリンターの電気的な構成(図7参照)
次に、本実施形態のプリンター1Aにおける電気的な構成について説明する。
図7は、本実施形態のプリンター1Aの電気的な構成を表すブロック図である。制御部20には、プリンター1Aの全体の制御を司るCPU21が設けられている。CPU21は、システムバス22を介して、CPU21が実行する各種制御プログラム等を格納したROM23と、データを一時的に格納可能なRAM24と、接続されている。また、CPU21は、システムバス22を介して、記録ヘッド4を駆動するためのヘッド駆動部25と接続されている。
また、CPU21は、システムバス22を介して、キャリッジモーター26、洗浄ユニット移動モーター28、搬送モーター30、繰出しモーター31及び巻取りモーター32を駆動させるためのモーター駆動部19と接続されている。
ここで、キャリッジモーター26は、複数の記録ヘッド4を備える記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを搭載した図示しないキャリッジを移動させるためのモーターである。また、洗浄ユニット移動モーター28は、洗浄ユニット70を洗浄位置に移動するためのモーターである。また、搬送モーター30は、前述した搬送部3に設けられる駆動ローラー41を駆動するためのモーターである。また、繰出しモーター31は、被記録媒体Mがセットされた、繰出しローラー49を繰出し方向に回転させるための駆動モーターである。また、巻取りモーター32は、巻取りローラー55を巻取り方向に回転させるための駆動モーターである。
更に、CPU21は、プリンター1Aに設けられたモニター35及びコントロールパネル36と、記録データ等をPC等の外部装置から入力する等のためのインターフェース34と、データ及び信号の送受信を行うための入出力部33と接続されている。
(3)プリンターの具体的構成と2つの洗浄モード(図1〜図8参照)
本実施形態では、記録ヘッドユニット7が7A、7B、7Cの3つ、洗浄ユニット70が70A、70B、70Cの3つ設けられており、各記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの幅方向Bにおける記録実行作用長(ノズル列の長さ)と各洗浄ユニット70A、70B、70Cの幅方向Bにおける洗浄作用長(洗浄できる長さ)とがそれぞれほぼ同一寸法に設定されている。
また、本実施形態のプリンター1Aに使用できる被記録媒体Mの最大幅は、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの三つ分に設定されており、搬送用ベルト15の幅寸法は、洗浄部73A、73B、73Cの三つ分の幅に設定されている。
また、搬送用ベルト15における搬送速度は可変に構成されており、洗浄部73A、73B、73Cは、搬送用ベルト15に対して接近及び離間可能に構成されている。具体的には、搬送部3の搬送モーター30の回転速度を調整することによって搬送ベルト15の搬送速度を変えたり、搬送部3の搬送モーター30の1回の送り動作の回転角度を調整することによって搬送用ベルト15の送り量を変えて実質的に搬送ベルト15の搬送速度を変えることが可能である。
また、洗浄部73A、73B、73Cは、その幅方向Bにおける洗浄位置79A、79B、79Cを変えるために幅方向Bに往復移動できることに加えて、搬送用ベルト15の表面の洗浄を行う場合に搬送用ベルト15に対して接近した位置に移動し、搬送用ベルト15の表面の洗浄を行わない場合に搬送用ベルト15に対して離間した位置に移動し得るように構成されている。
(A)第1洗浄モード
具体的には、図8に表すように制御部20で行う洗浄動作の実行モードの一つとして第1洗浄モード61が設けられている。該第1洗浄モード61は、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cによる各記録実行位置77A、77B、77Cに対応して洗浄ユニット70A、70B、70Cによる各洗浄位置79A、79B、79Cを決める洗浄モードである。
具体的には、図1に表すように3つの記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを記録実行領域Dの右方、中央、左方の各領域を担当するように配置した場合には、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cによる各記録実行位置77A、77B、77Cに対応して前記3つの洗浄部73A、73B、73Cを、図3に表すように洗浄実行領域Cの右方、中央、左方の各領域を担当するように洗浄位置79A、79B、79Cを決定する。そして、それぞれの洗浄部73A、73B、73Cを搬送用ベルト15の表面に接近させて洗浄動作を実行する。
また、図4(A)に表すように、被記録媒体Mの幅寸法が狭くなって、2つの記録ヘッドユニット7B、7Cで記録実行領域Dが賄える場合には、例えば1つの記録ヘッドユニット7Aを記録実行領域Dの右外方の領域E1に位置させて記録ヘッド4からインク等の液体を吐出しない記録非実行状態とし、残りの2つの記録ヘッドユニット7B、7Cを記録実行領域Dの右方と左方の各領域を担当するように配置して記録を実行することが可能である。
そして、この場合には、前記2つの記録ヘッドユニット7B、7Cによる各記録実行位置77B、77Cに対応して前記2つの洗浄部73B、73Cを、図4(B)に表すように洗浄実行領域Cの記録実行領域Dに対応した領域の右方と左方の各領域を担当するように洗浄位置79B、79Cを決定する。そして、各洗浄部73B、73Cを搬送用ベルト15の表面に接近させて洗浄動作を実行する。
一方、残りの1つの洗浄部73Aについては、図4(B)に表すように記録ヘッドユニット7Aの位置に対応した位置に位置させてもよいし、洗浄実行領域Cの他の位置に位置させてもよい。ただし、洗浄部77Aによる洗浄が不要な場合には、該洗浄部77Aを搬送用ベルト15の表面から離間させて洗浄非実行状態とする。
このようにして構成される第1洗浄モード61を採用した場合には、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cがインク等の液体を吐出した位置で搬送用ベルト15に汚れが発生するから、当該汚れが発生した位置に自動的に洗浄部73A、73B、73Cを移動させて洗浄動作を実行することが可能になる。
(B)第2洗浄モード
具体的には、図8に表すように制御部20で行う洗浄動作の実行モードの一つとして第2洗浄モード62が設けられている。該第2洗浄モード62は、前記洗浄部73A、73B、73Cをその移動方向においてそれぞれ同じ位置になるよう、複数配置して前記洗浄動作を実行する洗浄モードである。
図5(A)に表すように、被記録媒体Mの幅寸法が狭くなって、いずれか1つの記録ヘッドユニット7A、7B又は7Cで記録実行領域Dが賄える場合でも幅方向Bの同一位置に3つの記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを配置してインク吐出密度の高い高デューティーの記録を実行することが可能である。
そして、この場合には、前記3つの記録ヘッドユニット7A、7B、7Cによる各記録実行位置77A、77B、77Cに対応して前記3つの洗浄部73A、73B、73Cを、図5(B)に表すように洗浄実行領域Cの記録実行領域Dに対応した領域の幅方向Bの同一位置に配置するように洗浄位置79A、79B、79Cを決定する。そして、3つの洗浄部73A、73B、73Cを搬送ベルト15の表面に接近させて洗浄動作を実行する。
また、上記高デューティーの記録を実行する場合には、当該高デューティーの記録を実行した部位で搬送用ベルト15に汚れが多く発生し、汚れの程度が大きくなるから、当該汚れが多く発生し汚れの程度が大きくなった位置に自動的に洗浄部73A、73B、73Cを集中的に移動させて洗浄能力を大きくし、洗浄動作を実行することが可能になる。
このように、幅方向Bの同一位置に3つの記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを配置してインク吐出密度の高い高デューティーの記録を実行したり、搬送方向Aに3ピッチ分の記録を一挙に行って搬送方向Aに1ピッチずつ記録を実行する通常の記録の3倍の速度で記録を実行することが可能である。
また、図6(A)に表すように、2つの記録ヘッドユニット7A、7B又は7B、7Cで記録実行領域Dが賄える場合でも、例えば記録実行領域Dの一部(図示の実施形態では右方)において、インク吐出密度の高い高デューティーの記録を実行したい場合には、例えば記録ヘッドユニット7Aと記録ヘッドユニット7Cを上記高デューティーの記録を実行したい記録実行領域Dの右方の領域に配置し、残りの1つの記録ヘッドユニット7Bを記録実行領域Dの左方の領域に配置することが可能である。
そして、この場合には、前記2つの記録ヘッドユニット7A、7Cによる各記録実行位置77A、77Cに対応して前記2つの洗浄部73A、73Cが、図6(B)に表すように、記録実行領域Dの右方の領域に対応した洗浄実行領域Cの右方の領域を担当するように洗浄位置79A、79Cを決定する。そして、2つの洗浄部73A、73Cを搬送用ベルト15の表面に接近させて同じ部位の洗浄動作を連続して実行するようにすることが可能である。
一方、残りの1つの洗浄部73Bについては、図6(B)に表すように記録ヘッドユニット7Bの位置に対応した左方の領域に位置させて1つの洗浄部73のみを使用する通常の洗浄動作を実行する。
そして、このようにして構成される第2洗浄モード62を採用した場合には、複数の洗浄部73A、73B、73Cを搬送用ベルト15の汚れの程度の大小によって効果的に配置することが可能になる。そして、汚れの程度の大きな部分に集中的に洗浄部73A、73B、73Cを配置することで、効果的な洗浄動作を実行することが可能になる。
尚、以上述べた第1洗浄モード61と第2洗浄モード62は、直接的には洗浄動作に属し、該洗浄動作の一部として実行されるが、上述したように洗浄部73A、73B、73Cの移動を伴うため、図示しない移送モーターを使用した移動動作や搬送モーター30を使用した搬送用ベルト15の移動動作とも密接に関連している。
従って、図8中、双方向の矢印で示すように制御部20で行う洗浄動作と移動動作は、それぞれ単独で独立して実行されるのではなく、両者が密接に関連して連携することによって実行される。また、図8中破線で表す記録実行領域Dにおいて行われる記録動作や該記録実行領域Dの右外方の領域E等で必要に応じて行われるメンテナンス動作も上記洗浄動作と移動動作に組み合わさって、互いに連携してそれぞれの動作が実行される。
(4)プリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法
本実施形態1に係るプリンター1Aを使用することによって実行される搬送用ベルトの洗浄方法は、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する幅方向Bに設けられた複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cにそれぞれ移動可能に設けられた複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cを各洗浄位置79A、79B、79Cに移動させる工程と、搬送用ベルト15の表面を洗浄する工程とを有することによって基本的に構成されている。
具体的には、制御部20において行う第1洗浄モード61と第2洗浄モード62に従って、各洗浄部73A、73B、73Cによる洗浄位置79A、79B、79Cを決定し、当該洗浄位置に各洗浄部を移動させる。そして、各洗浄位置に移動した各洗浄部の全部又はその一部を搬送用ベルト15の表面に接近させて洗浄動作を実行させる。一方、洗浄動作を実行させない残りの洗浄部については搬送用ベルト15の表面から離間させて洗浄非実行状態とする。
そして、このように構成される本実施形態1に係るプリンター1Aと該プリンター1Aにおける搬送用ベルトの洗浄方法によれば、搬送用ベルト15の汚れの発生位置に対応してその位置に洗浄部73A、73B、73Cを移動させて洗浄することができる。また、搬送用ベルト15の汚れの程度が増している場合には、複数の洗浄部73A、73B、73Cを同じ位置に移動させることで、搬送用ベルト15の1回当たりの移動において、1回の洗浄ではなく複数回の洗浄を行うことが可能になる。
これにより、搬送用ベルト15の汚れの位置に対応した洗浄を行うことができ、また、洗浄不足の発生を低減することができる。例えば、被記録媒体Mの幅が狭い場合は、その狭い幅の範囲の搬送用ベルト15の表面がインク等で汚れるが、この場合にそのインク等で汚れた狭い範囲の部分に洗浄部73A、73B、73Cを移動させて効果的な洗浄を行うことができる。
また、搬送用ベルト15の搬送速度を高めて記録を実行する場合や画像密度の高い記録(高デューティーの記録)を実行する場合には、複数の洗浄部73A、73B、73Cの内で1回の洗浄であれば使用しないで余る洗浄ユニット73A、73B又は73Cを搬送用ベルト15の汚れの程度が増した部分に移動させて、即ち複数の洗浄部73A、73B、73Cを搬送用ベルト15の汚れの程度が増した部分に移動させて複数回の洗浄動作を実行することで洗浄不足の生じる虞を低減させることができる。
◆◆◆実施形態2◆◆◆(図9及び図10参照)
実施形態2に係るプリンター1Bは、記録実行部5が被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する幅方向Bを走査方向として往復移動する単一の記録ヘッドユニット7を備えたいわゆるシリアルプリンターである。これに伴い、該記録実行部5の構成が実施形態1に係るプリンター1Aと相違しており、その他の構成については実施形態1と同様の構成を有している。従って、ここでは実施形態1と同様の構成については説明を省略し、実施形態2において採用した記録実行部5の構成とその作用、効果を中心に説明する。
即ち、図9及び図10に表すように本実施形態では、記録ヘッドユニット7が1つのみ設けられており、該記録ヘッドユニット7の移動を案内する第2移動軸9、10も一組のみ設けられている。そして、記録ヘッドユニット7は、記録動作の実行中も走査方向である幅方向Bに随時往復移動しながら被記録媒体Mに向けてインク等の液体を吐出して記録を実行する。この点、記録動作の実行中は幅方向Bに移動しない実施形態1と相違している。
また、本実施形態の場合にも実施形態1と同様、洗浄ユニット70A、70B、70Cは複数設けられており、被記録媒体Mの幅が狭い場合や被記録媒体Mに記録する画像が幅方向Bの狭い範囲に限られている場合には、記録ヘッドユニット7の幅方向Bの移動距離が短くてすむ分、搬送用ベルト15の搬送速度が実質的に速くなる。従って、該搬送速度の増大によって生じたインク等の汚れの増加を前記複数の洗浄部73A、73B、73Cの効果的な配置によって吸収し、洗浄不足の発生を低減することが可能である。
そして、このようにして構成される本実施形態に係るプリンター1Bによっても実施形態1に係るプリンター1Aと同様の作用、効果を発揮することができる。また、本実施形態の場合には、シリアル方式の記録ヘッドユニット7が採用されている大型、中型、小型のプリンターにも複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cを備える本発明の作用、効果を適用することが可能になって、用途の拡大を図れる。
[他の実施形態]
本発明に係るプリンター1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
例えば、本発明のプリンター1は、前述したような大型のインクジェット捺染装置に限らず、これより小型のインクジェット捺染装置に適用したり、用紙やフィルムを被記録媒体Mとする大型のインクジェットプリンター等に適用することが可能である。また、実施形態1のように記録非実行時に幅方向Bに往復移動する複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを組み合わせてラインヘッドを構成するラインヘッドプリンターや実施形態2で述べたシリアルプリンターに限らず、記録実行領域Dの全範囲を単一の固定された記録ヘッドユニット7でカバーするラインヘッドプリンターに対して本発明のプリンター1を適用することも可能である。
尚、このような構成のラインヘッドプリンターに適用した場合でも、幅の狭い被記録媒体Mに記録を実行する場合や被記録媒体Mの幅方向Bの一部の範囲のみに記録を実行する場合等には前述した本発明の作用、効果を享受し得る。
また、洗浄ユニット70の数は、前述した実施形態で採用した3つに限らず、2つあるいは4つ以上設けることが可能である。また、第1移動軸71、72は前述した実施形態で採用した2本ずつ設けられる構成に限らず、第1移動軸71、72をいずれか1本にして他をガイド等に置換することも可能である。
また、洗浄液Lを貯溜する液槽75を単一の液槽75ないしタンクとし、該液槽75等から給液チューブ等を介して各洗浄部73A、73B、73Cに洗浄液Lを供給するタイプの洗浄ユニット70を採用してもよい。
また、洗浄部73A、73B、73Cと液槽75A、75B、75Cが一体になって幅方向Bに往復移動する構成の洗浄ユニット70を採用することも可能である。
従って、本明細書において使用する洗浄ユニット70には、液槽75、第1移動軸71、72及び洗浄部73のすべてを備えた構成のもの、液槽75と洗浄部73を備えた構成のもの、洗浄部73を意味する場合のすべてが含まれ、上記各使用条件の違い等によって適宜、使い分けられる。
また、前述の図5に示したような高デューティーの記録に対応した第2洗浄モードの場合、洗浄部73A、73B、73Cの回転速度をそれぞれ異ならせることも可能である。たとえば洗浄部73A、73B、73Cにスパイラル状の洗浄ブラシを使った場合などには、回転速度をそれぞれ異ならせることで、それぞれの洗浄ブラシの回転周期がずれるので、全体として洗浄ブラシによる洗浄性を均等化しながら高めることができる。このように回転速度をそれぞれ異ならせる方法は、単純に回転速度を速くする方法にくらべて、洗浄により発生する振動や水しぶきを低減させることができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内での種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
以上、本発明について具体的な実施形態に基づいて詳述した。ここで本発明について、もう一度まとめて以下に説明する。
◆◆構成◆◆
本発明の第1の態様のプリンター1は、被記録媒体Mを表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルト15と、搬送される被記録媒体Mに記録を実行する記録ヘッドユニット7と、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する方向に設けられた複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cと、複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cにそれぞれ移動可能に設けられ搬送用ベルト15の表面を洗浄する複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cとを備えることを特徴とする。
◆◆効果◆◆
本態様によれば、搬送用ベルト15による搬送方向Aと交差する方向(幅方向B)に設けられた複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cに沿って複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cをそれぞれの洗浄位置79A、79B、79Cに移動させて搬送用ベルト15の表面を洗浄することが可能である。従って、搬送用ベルト5の表面における汚れの発生位置に対応してその位置に各洗浄ユニット70A、70B、70Cを移動させて洗浄動作を実行することができる。
また、搬送用ベルト15の表面における汚れの程度が増している場合は、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cを同じ位置に移動させることで、搬送用ベルト15の1回当たりの移動において、1回の洗浄ではなく複数回の洗浄を行うことができ、洗浄不足の発生を低減させることができる。
例えば、被記録媒体Mの幅が狭い場合は、その狭い幅の範囲の搬送用ベルト15の表面がインク等で汚れるが、この場合にそのインク等で汚れた狭い範囲の部分に洗浄ユニット70A、70B、70Cを移動させて洗浄動作を実行することができる。
また、搬送用ベルト15の搬送速度を高めて記録を実行する場合や画像密度の高い(高ビューティーの)記録を実行する場合は、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cの内、1回の洗浄であれば使用しないで余る洗浄ユニット70A、70B又は70Cを前記搬送用ベルト15の表面における汚れの程度が増した部分に移動させて、即ち、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cを前記搬送用ベルト15の表面における汚れの程度が増した部分に移動させて複数回の洗浄を行うことで、洗浄不足の生じる虞を低減させることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様のプリンター1において、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cは、前記交差する方向に並ぶことで搬送用ベルト15の全体を洗浄可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cは、搬送方向Aと交差する方向に並ぶことで搬送用ベルト15の表面の全体を洗浄可能に構成されているので、搬送用ベルト15の表面における全幅に対して洗浄を行うことができる。また、幅の狭い被記録媒体Mに対して記録を行う場合や被記録媒体Mの幅方向Bの一部の範囲に対して記録を行う場合に生ずる被記録媒体Mの一部の範囲の汚れに対しても必要な洗浄ユニット70A、70B、70Cを汚れた部分に移動させて洗浄動作を実行することができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様のプリンター1において、洗浄ユニット70A、70B、70Cの第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cに沿う移動動作と搬送用ベルト15の洗浄動作を制御する制御部20を備えることを特徴とする。
本態様によれば、洗浄ユニット70A、70B、70Cの第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cに沿う移動動作と搬送用ベルト15の洗浄動作を制御する制御部20を備えるので、種々の態様の洗浄動作を自動的に行うことが可能である。
本発明の第4の態様は、第3の態様のプリンター1において、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する方向に設けられた複数の第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cを備え、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cは、複数の第2移動軸9A、9B、9C及び10A、10B、10Cにそれぞれ移動可能に設けられ、複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cは、前記交差する方向に並ぶことでラインヘッドを構成可能であることを特徴とする。
ここで、本態様において使用する「記録ヘッドユニット」とは、インク等の記録用の液体を吐出する記録ヘッド4を備え、第2移動軸9、10に沿って移動することが可能な構造体(ユニット)を意味する。
また、「ラインヘッド」とは、記録実行時に記録ヘッドユニット7A、7B、7Cが被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する被記録媒体Mの幅方向Bには移動しないで並んでいる構造をいう。
本態様によれば、ラインヘッドの状態での記録、即ちラインプリンターとしての記録や、その他の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの配置での種々の態様の記録動作の実行に対して、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cをそれぞれの洗浄位置79A、79B、79Cに効果的に移動させることで上記種々の態様の記録動作に合った適切な洗浄動作を実行することができる。
本発明の第5の態様は、第3の態様又は第4の態様のプリンター1において、複数の浄ユニット70A、70B、70Cは、複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cに対して1対1の数的関係で設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、洗浄ユニット70A、70B、70Cは、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cに対して1対1の数的関係で設けられている。従って、複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを搬送方向Aと交差する方向に並べたラインヘッド配置での記録、あるいは同じ位置に複数の記録ヘッドユニット7A、7B、7Cを重ねて位置させた状態での記録等、種々の記録の仕方に対して、洗浄ユニット70A、70B、70Cのそれぞれを各記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの位置に対応させて移動させることで、被記録媒体15の表面の効果的な洗浄を行うことができる。
本発明の第6の態様は、第3の態様から第5の態様のいずれか一つの態様のプリンター1において、制御部20は、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cによる記録実行位置77A、77B、77Cに対応して洗浄ユニット70A、70B、70Cによる洗浄位置79A、79B、79Cを決める第1洗浄モード61を有することを特徴とする。
本態様によれば、制御部20は、記録ヘッドユニット7A、7B、7Cによる各記録実行位置77A、77B、77Cに対応して洗浄ユニット70A、70B、70Cによる洗浄位置79A、79B、79Cを決める第1洗浄モード61を有するので、この第1洗浄モード61を用いることにより、被記録媒体Mの表面における汚れが発生した位置に自動的に洗浄ユニット70A、70B、70Cを移動させて洗浄動作を実行することができる。
本発明の第7の態様は、第3の態様から第6の態様のいずれか一つの態様のプリンター1において、制御部20は、洗浄ユニット70A、70B、70Cをその移動方向においてそれぞれ同じ位置になるよう、複数配置して前記洗浄動作を実行する第2洗浄モード62を有することを特徴とする。
本態様によれば、制御部20は、洗浄ユニット70A、70B、70Cをその移動方向においてそれぞれ同じ位置になるよう、複数配置して前記洗浄動作を実行する第2洗浄モード62を有するので、この第2洗浄モード62を用いて搬送用ベルト15の表面における汚れの程度が増した部分の洗浄に洗浄ユニット70A、70B、70Cを利用することで、搬送用ベルト15の表面における効果的な洗浄動作を実行することができる。
本発明の第8の態様は、第1の態様から第7の態様のいずれか一つの態様のプリンター1において、搬送用ベルト15における搬送速度は可変であることを特徴とする。
ここで、「搬送速度」とは、搬送される被記録媒体Mが記録ヘッドユニット7A、7B、7Cの記録実行領域Dを単位時間当たりに通過する距離を言う。従って、被記録媒体Mを連続搬送する場合と間欠搬送する場合の両方が含まれる。
本態様によれば、搬送用ベルト15の搬送速度が可変であるので、例えば通常の搬送速度よりも高速で搬送用ベルト15を搬送することが可能である。被記録媒体Mの搬送速度を高めて記録を実行する場合、搬送用ベルト15の表面における汚れた部分が洗浄ユニット70A、70B、70Cの洗浄位置79A、79B、79Cを通過する速度も速くなるので、搬送速度が高速でない通常の搬送速度で従来の洗浄ユニットを使用した場合には洗浄不足を生じる虞がある。
しかし、本態様によれば、複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cをその洗浄不足が生じる虞のある位置に移動させることで、被記録媒体Mの表面における効果的な洗浄が可能になり、洗浄不足の発生を抑制することができる。
本発明の第9の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれか一つの態様のプリンター1において、洗浄ユニット70A、70B、70Cは搬送用ベルト15に対してその洗浄部73A、73B、73Cが接近及び離間可能であることを特徴とする。
本態様によれば、洗浄ユニット70A、70B、70Cは、搬送ベルト15に対して洗浄部73A、73B、73Cが接近及び離間可能であるので、当該搬送用ベルト15の洗浄に使用しない洗浄ユニット70A、70B、70Cがある場合は、その洗浄ユニット70A、70B又は70Cを該搬送用ベルト15の表面から離間させて洗浄非実行状態にしておくことができる。これにより、搬送用ベルト15に無用の負荷が掛かることを避けることができる。
本発明の第10の態様のプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法は、被記録媒体Mを表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルト15を有するプリンター1における搬送用ベルト15の洗浄方法であって、被記録媒体Mの搬送方向Aと交差する方向に設けられた複数の第1移動軸71A、71B、71C及び72A、72B、72Cにそれぞれ移動可能に設けられた複数の洗浄ユニット70A、70B、70Cを洗浄位置79A、79B、79Cに移動させる工程と、搬送用ベルト15の表面を洗浄する工程とを有することを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様で述べた効果と同様の効果を得ることができる。
1 プリンター、3 搬送部、4 記録ヘッド、5 記録実行部、
7 記録ヘッドユニット、9 第2移動軸、10 第2移動軸、
13 保護キャップ、15 搬送用ベルト、16 粘着層、
19 モーター駆動部、20 制御部、21 CPU、22 システムバス、
23 ROM、24 RAM、25 ヘッド駆動部、26 キャリッジモーター、
28 洗浄ユニット移動モーター、30 搬送モーター、31 繰出しモーター、
32 巻取りモーター、33 入出力部、34 インターフェース、35 モニター、
36 コントロールパネル、41 駆動ローラー、43 従動ローラー、
45 加圧ローラー、49 繰出しローラー、51 ガイドローラー、
53 ガイドローラー、55 巻取りローラー、57 カッター、
61 第1洗浄モード、62 第2洗浄モード、70 洗浄ユニット、
71 第1移動軸、72 第1移動軸、73 洗浄ブラシ(洗浄部)、75 液槽、
77 記録実行位置、79 洗浄位置、
A 搬送方向、B 幅方向、C 洗浄実行領域、D 記録実行領域、
E 右外方の領域、M 洗浄実行領域、L 洗浄液

Claims (10)

  1. 被記録媒体を表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルトと、
    搬送される前記被記録媒体に記録を実行する記録ヘッドユニットと、
    前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に設けられた複数の第1移動軸と、
    前記複数の第1移動軸にそれぞれ移動可能に設けられ前記搬送用ベルトの表面を洗浄する複数の洗浄ユニットと、を備えることを特徴とするプリンター。
  2. 請求項1に記載のプリンターにおいて、
    前記複数の洗浄ユニットは、前記交差する方向に並ぶことで前記搬送用ベルトの全体を洗浄可能に構成されている、ことを特徴とするプリンター。
  3. 請求項1又は2に記載のプリンターにおいて、
    前記洗浄ユニットの前記第1移動軸に沿う移動動作と前記搬送用ベルトの洗浄動作を制御する制御部を備える、ことを特徴とするプリンター。
  4. 請求項3に記載のプリンターにおいて、
    前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に設けられた複数の第2移動軸を備え、
    前記記録ヘッドユニットは、前記複数の第2移動軸にそれぞれ移動可能に設けられ、
    前記複数の記録ヘッドユニットは、前記交差する方向に並ぶことでラインヘッドを構成可能である、ことを特徴とするプリンター。
  5. 請求項3又は4に記載のプリンターにおいて、
    複数の前記洗浄ユニットは、複数の前記記録ヘッドユニットに対して1対1の数的関係で設けられている、ことを特徴とするプリンター。
  6. 請求項3から5のいずれか一項に記載のプリンターにおいて、
    前記制御部は、前記記録ヘッドユニットによる記録実行位置に対応して前記洗浄ユニットによる洗浄位置を決める第1洗浄モードを有する、ことを特徴とするプリンター。
  7. 請求項3から6のいずれか一項に記載のプリンターにおいて、
    前記制御部は、前記洗浄ユニットをその移動方向においてそれぞれ同じ位置になるよう、複数配置して前記洗浄動作を実行する第2洗浄モードを有する、ことを特徴とするプリンター。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のプリンターにおいて、
    前記搬送用ベルトにおける搬送速度は可変である、ことを特徴とするプリンター。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のプリンターにおいて、
    前記洗浄ユニットは前記搬送用ベルトに対してその洗浄部が接近及び離間可能である、ことを特徴とするプリンター。
  10. 被記録媒体を表面に貼り付けて搬送する搬送用ベルトを有するプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法であって、
    前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に設けられた複数の第1移動軸にそれぞれ移動可能に設けられた複数の洗浄ユニットを洗浄位置に移動させる工程と、
    前記搬送用ベルトの表面を洗浄する工程と、を有することを特徴とするプリンターにおける搬送用ベルトの洗浄方法。
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